説明

地図表示装置

【課題】地図を3次元表示する処理における複雑さや煩雑さを低減する技術の実現を図る。
【解決手段】地図表示装置100は、近距離表示用の近距離3次元モデルと、遠距離表示用の遠距離3次元モデルとを建造物ごとに含む地図データを入力する地図データ入力部と、地図の3次元表示の視点位置から所定距離内の建造物については近距離3次元モデルを用い、所定距離外の建造物については遠距離3次元モデルを用いて、3次元表示を行う表示部とを備える。近距離3次元モデルは、建造物の平面形状を反映して設定された建造物に固有の3次元モデルである。遠距離3次元モデルは、予め用意された複数の既定形状の中から1つを選択するとともに、建造物の平面形状のサイズとほぼ同一となるように既定形状のサイズを指定することを想定して設定された複数の建造物に兼用可能な3次元モデルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を3次元表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータに地図を表示させる技術が利用されつつある。例えば、いわゆるカーナビゲーションシステムは、現在位置など所望の位置における地図を表示する機能を備える。また、パーソナルコンピュータや携帯デバイスにおける地図表示技術も実用とされつつある。
【0003】
また、地図表示に3次元表示を利用する技術も利用されつつあった。ここに3次元表示は、リアリティの高い表現が可能であり、地図の直感的な把握が容易であるなどの利点がある。コンピュータなどにおける3次元表示は、従来、一定領域の建造物全体を3次元的に表示する態様が取られていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、地図を3次元表示することは非常に複雑かつ煩雑な処理を要していた。特に、カーナビゲーションシステムや携帯デバイスにおいて3次元表示を行うことは困難であった。パーソナルコンピュータや携帯デバイス、カーナビゲーションシステムのそれぞれについて、ハードウェア資源による限界が存在する。このため、地図の3次元表示については、制限的・部分的なものに止まらざるを得なかった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、地図を3次元表示する技術の実用性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では、次の構成を適用した。すなわち、本発明は、地図を3次元表示する地図表示装置を提供する。この地図表示装置は、
近距離表示用の近距離3次元モデルと、遠距離表示用の遠距離3次元モデルとを建造物ごとに含む地図データを入力する地図データ入力部と、
地図の3次元表示の視点位置から所定距離内の建造物については前記近距離3次元モデルを用い、所定距離外の建造物については前記遠距離3次元モデルを用いて、3次元表示を行う表示部とを備え、
前記近距離3次元モデルは、建造物の平面形状を反映して設定された建造物に固有の3次元モデルであり、
前記遠距離3次元モデルは、予め用意された複数の既定形状の中から1つを選択するとともに、前記建造物の平面形状のサイズとほぼ同一となるように前記既定形状のサイズを指定することを想定して設定された複数の建造物に兼用可能な3次元モデルであることを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、視点から遠距離にある詳細な表示を必要としない建造物に簡略表示を適用することで、地図を3次元表示する際の処理を軽減することができる。このとき、建造物の平面形状を反映して設定された3次元モデルと、その建造物の平面形状との不一致を許容して設定される3次元モデルとを併用することで、地図表示の実質的な品質を維持しつつ、処理の複雑さや煩雑さを低減することができる。また、複数の建造物に兼用可能に予め用意された形状とその表示サイズの指定による3次元モデルを利用することで、モデル記憶機構及びその処理の複雑さを低減することができる。
【0008】
なお、この地図表示装置は、地図データ入力部や表示部、3次元表示の態様において、第1の地図表示装置と同様に、ネットワークを利用する場合など、種々の構成をとることができる。ここで、利用可能な既定形状は、地図表示装置に固有のものであってもよいし、地図データに固有のものであってもよい。
【0009】
上記地図表示装置において、
前記複数の既定形状は、直方体、円柱、円錐、半球を含むものとしてもよい。
【0010】
なお、地図データ入力部は、ネットワークを介して地図データを入力するものとしてもよい。また、表示部は、ネットワークを介して画像表示制御データを送付することで、外部にある装置に地図を3次元表示させるものとしてもよい。
【0011】
ここで3次元表示には、人の立体形状を認識する作用を促す表示であれば種々のものが考えられる。例えば、3次元モデルは、ワイヤーフレーム(wire frame)モデルであっても、サーフィス(surface)モデルであっても、ソリッド(solid)モデルであってもよい。シェーディング(Shading)やテクスチャマッピング(texture mapping)の手法についても種々のものが適用可能である。また、3次元表示は、歩行者や車両運転者の視点からなる3次元表示や、鳥瞰図的なものの利用が考えられる。さらに、全体としては二次元表示を行いつつ、一部において3次元表示を利用する場合も考えられる。
【0012】
本発明は、地図表示装置としての態様の他、コンピュータに地図の表示を行わせるためのコンピュータプログラムや、コンピュータを用いて地図表示を行う方法など種々の態様で構成することが可能である。また、コンピュータに地図表示を行わせるためのコンピュータプログラムと同視し得る信号として構成してもよい。さらに、これらのコンピュータプログラムを記録した記録媒体として構成してもよい。
【0013】
ここで記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【発明の他の態様】
【0014】
本発明は、以下に示す態様を採ることもできる。
第1の態様は、所定の処理手順に基づいて3次元モデルデータを処理して現在位置に関わる3次元表示を行う地図表示装置であって、
現在位置と進行方向とを決定する視野決定部と、
該視野決定部により決定された現在位置と進行方向とから表示対象とすべき前記3次元モデルデータが存在する地図表示領域を決定する領域決定部と、
該領域決定部により決定された地図表示領域内の3次元モデルデータを3次元表示する3次元表示部とを備えた地図表示装置である。
【0015】
なお、視野決定部は、現在位置等を各種センサ等の出力に基づいて決定しても良いし、ユーザ等が入力するものとしてもよい。また、進行方向は、ユーザ等によって入力された視線方向としてもよい。なお、前記3次元表示は所定の経路に基づいて行うものとしても良い。例えば、視野決定部が所定の経路に基づいて現在位置と進行方向とを決定するものとしても良い。また、領域決定部が所定の経路に基づいて地図表示領域を決定するものとしても良い。
【0016】
第2の態様として、発明の他の態様1に記載の地図表示装置において、
この所定の経路に経路探索結果を用いるものとしてもよい。
【0017】
第3の態様は、発明の他の態様1〜2に記載の地図表示装置であって、
前記領域決定部は、現在位置が道路上であるときに該道路の縁から所定量だけ奥まった領域を地図表示領域として決定する地図表示装置である。
【0018】
第4の態様は、発明の他の態様1〜3に記載の地図表示装置であって、
前記領域決定部は、現在位置が道路上であるときに該道路前方の所定距離までの前方領域を地図表示領域として決定する地図表示装置である。
【0019】
なお、発明の他の態様4に記載の地図表示装置おいて、
前記道路前方の所定距離を、移動手段に応じて決定する移動手段反映部を備えるものとしてもよい。
【0020】
第5の態様は、発明の他の態様1〜4に記載の地図表示装置であって、
前記領域決定部は、現在位置が道路上であるときに、該道路前方の交差点の数に基づいて前記地図表示領域を決定する地図表示装置である。
【0021】
第6の態様は、発明の他の態様1〜5に記載の地図表示装置であって、
前記領域決定部は、現在位置が道路上であるときに、最も近い交差点までの距離が所定範囲となったときに、該交差点の周辺の所定領域を地図表示領域として決定する地図表示装置である。
【0022】
なお、領域決定部は、最も近い右折交差点や左折交差点までの距離を利用するものとしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
【0024】
A.第1実施例:
図1は、地図表示装置の概略構成図である。地図表示装置100は、ネットワークINTを介して、地図サーバSRVから、表示対象とする地図データを取得する。また、地図表示装置100は、GPS(Global Positioning System)その他のセンシング機能を利用して地図データと自らの位置を対比することが可能である。ユーザは、リモコン103又は操作パネル101等を利用して地図表示装置100に地図表示を行わせることができる。地図表示装置100は、ユーザの指示に基づいて地図を3次元表示するための処理を行う。ここで、地図表示装置100は表示デバイス102を備えており、3次元表示を少なくとも一部に含みつつ、地図表示をユーザに提供することができる。
【0025】
図1には地図表示装置100の機能ブロック構成を併せて示した。地図表示装置100は、CPUおよびメモリ等を備えたマイクロコンピュータとして構成された制御ユニット200を備えており、図示する機能ブロックは、それぞれ制御ユニット200の機能としてソフトウェア的に構成されている。もっとも、各機能ブロックは、ハードウェア的に構成しても構わない。
【0026】
なお、図1では、カーナビゲーションシステムとしての構成を例示したが、ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ等を用いて地図表示装置100を構成することもできる。かかる場合に、制御ユニット200の機能ブロックは、必ずしも単体のコンピュータ内に全てを構築する必要はない。互いに通信する複数の装置が全体として制御ユニット200を構成するものとしてもよい。例えば、ローカル接続する2つの装置に物理的に分離する場合や、その他ネットワークを利用して構成する場合が考えられる。
【0027】
地図データ入力部310は、地図表示装置100は、ネットワークINTを介して、地図サーバSRVから、3次元表示の対象とする地図データを取得する。地図データには、道路や道路間の接続に関する情報、それらの緯度・経度等の座標情報の他、3次元表示を行う建造物についての3次元モデルデータを含む。地図サーバSRVは、地図表示装置100の外部にある装置であり、ネットワークを介して地図表示装置100と接続し、地図データを送付する機能を備える。
【0028】
なお、ネットワークINTは、インターネットのような広域的なネットワーク、およびローカルエリアネットワーク、イントラネットなどの限定的なネットワークの双方を含む。またネットワークINTは、無線LANや携帯無線電話通信技術を利用したネットワークであってもよい。
【0029】
また、地図データの取得は、CD(Compact Disk)やDVD(Disital Video Disk)等の情報記憶媒体を利用して行うものとしてもよい。
【0030】
地図記憶部300は、地図データ入力部310が入力する地図データを記憶する。地図記憶部300は、その一部を通路記憶部400及び表示記憶部500として構成している。
【0031】
通路記憶部400は、道路とその接続関係の情報を、緯度・経度情報と関連付けつつ記憶する。すなわち、通路記憶部400は、道路を、緯度・経度を有するノードとノード間を接続するリンクとの集合で記憶する。通路記憶部400は、かかるノードとリンクとの抽象的な構造(以下グラフと呼ぶ)を記憶する。ノードとリンクとはそれぞれ交差点と道路とにそれぞれ対応するものである。
【0032】
他方、表示記憶部500は、地図の3次元表示用の3次元モデルを記憶する。例えば、ポリゴンデータやボリュームデータ、テクスチャデータなどを記憶する。本実施例で3次元表示は、建造物ごとに管理して行う。建造物は、建築物に加えて、道路、橋梁、標識、その他地図に表示すべき人工物であって、表示を一体的に管理すべき要素単位である。表示記憶部500は、建造物ごとに、緯度・経度・高度を付した代表点を有する立体形状を記憶している。なお、以下の説明では、主として、建築物を例にとって説明を行うが、かかる場合に限定されるものではない。
【0033】
位置情報入力部211は、現在の位置の情報を入力する。位置情報は、GPSの機能によって生成される。また、その他のセンシングシステムの機能によっても生成される。後者の機能については、例えば、車両に搭載するカーナビゲーションシステムの場合、車両の車軸やハンドル等に備えられた回転センサを基礎とした位置情報を、位置情報入力部202が入力する。
【0034】
ユーザ入力部212は、リモコン103を介したユーザ入力を入力する。また、ユーザ入力部220は、操作パネル101に基づいたユーザ入力も入力する(図中には明示せず)。ユーザは、リモコン103や操作パネル101を利用することで、地図の3次元表示を実行させることができる。例えば、地図表示の視点について、位置情報入力部202が入力する位置情報が示す現在位置を採用することを指定することができる。なお、ユーザ入力部212は、ネットワークINTその他のネットワークを介したユーザ入力を入力するものとしてもよい。
【0035】
表示制御部210は、位置情報及びユーザ入力に基づいて、地図表示を制御する。
【0036】
抽出部600は、地図画像の3次元表示の対象とすべき建造物を抽出する機能を奏する。かかる抽出処理は、3次元表示を行う視点情報に基づき、通路記憶部400及び表示記憶部500を参照しつつ行う。例えば、現在の位置情報からして、明らかに表示の対象となるべくない遠方の建造物を、3次元表示処理の対象から除外する機能を奏する。
【0037】
本実施例では、具体的には、抽出部600の抽出処理において、現在位置等の視点位置にあるリンクに応じて建造物を抽出する。このために、基準とするリンクを位置情報等に基づいて選択する機能を持つ。抽出部600は、選択リンクと建造物との距離を計算して、所定の範囲内にあるもののみを取り出すことで、抽出処理を実現する。なお、その他の抽出処理の態様について、後述の実施例で説明する。
【0038】
生成部700は、抽出部600の抽出結果に基づいて、3次元表示のための画像データ生成処理を行う。例えば、ポリゴンデータを利用しつつ、視点に応じて2次元画像データを生成する。このとき、ポリゴンを奥行き方向にソートして陰線消去を施したり、物体に当たる光を計算しながら表面の色や輝度、陰影、光沢などを決めたりする処理を行う。
【0039】
出力部701は、生成部700の処理結果に基づいて、表示デバイス102に表示を行う機能を奏する。なお、出力部701は、ネットワークを介して画像表示制御データを送付することで、外部の装置に地図表示を行わせるものとしてもよい。
【0040】
図2は、地図表示装置で利用するデータの概略構成図である。図2では、地図におけるノードとリンクを示し、通路記憶部400と表示記憶部500が利用するデータの概略構成の一例を模式的に示している。
【0041】
図2に示すグラフは、2次元座標で緯度・経度を有するノードと、ノード間を接続するリンクとからなる。図2のグラフは、ノードA,B,C,D及びリンクp,q,r,sから構成される。さらに、図2には、グラフとあわせて、建造物f,g,h,i,j,k,mを示した。これらの建造物は、地図上にあって3次元の形状を占めるものである。
【0042】
通路記憶部400はグラフを記憶する。通路記憶部400は、その一部を、ノード記憶部410とリンク記憶部420を内部として構成している。
【0043】
ノード記憶部410はノードを記憶する。ノードは、そのノードの地図上の位置を、x−y2次元座標情報として記憶する。また、ノード記憶部410は、各ノードに対応して、そのノードの属性情報を記憶する。例えば、そのノードに接続するリンクや、地図上でノードに対応する立体交差の属性を記憶する。なお、記憶する座標情報は、緯度・経度・高度による3次元座標であってもよい。
【0044】
リンク記憶部420はリンクを記憶する。リンクは、両端のノード名に対応付けて記憶する。リンクの地図上の位置は、両端ノードの地図上の位置により特定される。また、リンク記憶部420は、リンクの属性情報も併せて記憶する。例えば、リンク属性情報は、国道、高速道路、有料道路、一方通行などの情報が挙げられる。
【0045】
表示記憶部500は、3次元表示に利用する3次元モデルについて、建造物ごとに記憶を行う。ここでは、その建造物の3次元モデルデータと、建造物の代表点の地図上座標との組を記憶する。建造物の3次元表示に利用する3次元モデルデータの種類には、種々のものが考えられる。例えば、ワイヤーフレームモデルであっても、サーフィスモデルであっても、ソリッドモデルであってもよい。また、シェーディングやテクスチャマッピングの処理に関するデータを含むものであってもよい。
【0046】
図3と図4とは、それぞれ、地図を表示する処理のフローチャートと、建造物を抽出する処理を示す説明図とである。以下では、地図表示装置100における地図表示処理を示すために、図4の説明図を参照しつつ、図3に示す処理の説明を行う。なお、説明に利用する地図として図2に示したものを図4に再掲している。
【0047】
ステップSa01では、視点データを準備する。視点データは3次元表示を行う基礎となるデータである。表示制御部210は、位置情報入力部211とユーザ入力部212との指示に応じて、視点データの生成を行う。すなわち表示制御部210は、ユーザ入力に基づいて、位置情報を利用しつつ、視点データを生成する。図4に示すように、視点データには地図上の3次元座標データに加えて、視点方向のデータ(方角データや仰角データ等)を含む。表示制御部210は視点データを抽出部600に渡す。建造物の抽出処理を行わせるためである。
【0048】
ステップSa02では、抽出部600が、抽出を行うための条件設定を行う。ここでは、視点データに基づき現在位置のリンクを選択し、選択リンクと建造物間の距離計算を行い、制限距離内か否かを調べる。ステップSa03では、かかる設定処理に基づいて実際の抽出処理を実行する。抽出部600は、抽出結果を生成部700に渡す。
【0049】
例えば図4で、抽出部600は、視点データに基づいてリンクpを選択し、リンクpと建造物f,g,h,i,j,k,mとの距離をそれぞれ計算し、所定の制限距離との大小を比較する(ステップSa02)。この処理に基づき、所定の制限範囲内の距離にある、建造物h,i,j,kを抽出することができる(ステップSa03)。
【0050】
なお、図4では、リンクpに対して垂直な方向の距離についての処理を示したが、道路に沿った方向の距離に関しても同様に行うことができる。また、視点後方の建造物を考慮の対象に含めてもよい。ここに制限距離は、3次元表示時の処理負担を考慮して、任意に設定可能である。
【0051】
ここで、道路に沿った方向の距離については、移動手段に応じてその制限距離を変更してもよい。例えば、徒歩ならば10m、自動車ならば100m、高速道路を走行する自動車ならば500mまでの制限距離としてもよい。かかる前方の制限距離内ににある建造物について抽出を行う。図4の場合であれば、徒歩の時には制限距離10m内にある建造物iのみを抽出し、自動車の時には制限距離100m内にある建造物i,h,jを抽出する。さらに、リンクpの属性が高速道路であるなどにより、移動手段が高速道路を走行する自動車であると特定される場合、制限距離を500mとして建造物kの抽出が加わる。
【0052】
また、道路に沿った方向の距離については、視点位置前方の交差点の数を考慮してもよい。例えば、最も近い交差点に基づいた制限距離内について抽出を行うことが考えられる。図4の場合であれば、最も近い交差点となるノードBを若干越える距離までの範囲を抽出対象として、建造物i,h,j,kの抽出を行うことが考えられる。
【0053】
ステップSa04では、画像データを生成する処理を行う。ここで生成する画像データは、少なくとも一部に、人の立体認識作用を促す3次元表示を含む画像データである。かかる画像を生成するため、視点データに基づいて、表示記憶部500に記憶された3次元モデルを2次元座標に写像する処理を行う。ただし、3次元表示の対象とする建造物は、ステップSa02及びSa03の抽出処理に基づいて、表示記憶部500に記憶される建造物中の一部に限定されている。
【0054】
ステップSa05では、画像データ出力処理を実行する。ここでは、表示デバイス102に画像を出力することにより、地図の3次元表示画像をユーザに提供する。なお、ネットワークを介して表示制御データを送付して表示を行わせる場合も考えられるが、かかる場合には、ステップSa05で通信処理を行う。
【0055】
図5は、地図を3次元表示する態様を例示する説明図である。これは、図4を利用して説明した処理の結果の一例を示したものである。表示デバイス102には、ステップSa02,Sa03の抽出処理により、建造物h,i,j,kに対応する3次元表示Yh,Yi,Yj,Ykのみが含まれており、建造物f,g,mに対応すべき3次元表示(点線で図示するYf,Yg,Ym)は含まれない。なお、図1では、同様の場合について、異なる態様で表示したものを変形例として示している。
【0056】
本実施例における地図表示装置によれば、3次元表示の対象とする3次元モデルを表示画面に現れる範囲や、建造物の有用性に応じて絞り込むことができるため、処理負荷を低減することができる。
【0057】
なお、本実施例では、道路pの周囲を表示対象として抽出したが、前方に表示される道路sも選択して、建造物の抽出に併せて利用してもよい。この場合、図5では、建造物gに対応する表示Ygが併せて付されることとなる。
【0058】
B.第2実施例:
第1実施例では、視点位置を基礎とした建造物の抽出処理の結果に応じて、地図の3次元表示を行う場合を説明した。ここでは、第2実施例として、経路探索の結果に基づく抽出処理に応じて地図表示を行う場合を説明する。
【0059】
図6は、本実施例における地図表示装置の機能ブロックを示す説明図である。本実施例で、地図表示装置100aの概略構成、及び通路記憶部及び表示記憶部で利用するデータ構成とは、第1実施例の場合と同様である(図1,2参照)。
【0060】
本実施例における機能ブロック構成は、図6で示したように、経路探索部213aおよび予備抽出記憶部610aを備える点で第1実施例の場合と大きく相違する。経路探索部213は、ユーザ入力等に基づいてユーザが所望する経路を探索する。地図表示装置100aは、探索結果の経路に応じて、建造物の予備的抽出処理を行う。予備抽出記憶部610aは、かかる予備的抽出処理の処理結果を、実際の表示に利用するタイミングまで保存する機能を奏する。なお、本実施例で抽出部600は予備抽出部としての機能を併せ持つ。
【0061】
図7と図8とは、それぞれ、経路に応じた表示の処理を示すフローチャートと経路に応じた表示の処理を示す説明図とである。以下では、第2実施例における地図表示装置100aの処理を示すために、図8の説明図を参照しつつ、第1実施例の場合(図3)との対比の下で、図7のフローチャートで示す処理の流れを説明する。なお、図4で先に示した地図を、図8に再掲して説明に利用する。
【0062】
ステップSc01では、経路データを準備する。経路データは、ユーザ入力等に基づく経路探索部213aの経路探索に基づき表示制御部210aが生成する(図6参照)。経路データはリンク列として構成することができる。図8では、リンクp、リンクqなるリンク列による経路データを利用する場合を例示している。
【0063】
ステップSc02では、経路データに含むリンクごとに、建造物の抽出処理を行う。この抽出処理については、第1実施例における図3のフローチャート中ステップSa02,03で説明した通りである。もっとも、抽出の基礎とするリンクは経路データに含まれたリンクである点で、視点データに基づいて選択するリンクである第1実施例の場合と相違する。また、視点位置後方を抽出対象から除外する処理を行うこともない。図8では、リンクpに応じて建造物h,i,j,kを抽出し、リンクqに応じて建造物f,kを抽出する場合について示している。
【0064】
ステップSc03では、ステップSc02における抽出処理の結果を、予備抽出データとして、基礎としたリンクごとに保存する処理を行う。図8の場合では、2つのリンクに応じて、2つの予備抽出データを予備抽出記憶部610aに保存する場合を示している。
【0065】
以上により、経路データが特定する経路周辺の建造物を、3次元表示の対象候補として、予備抽出記憶部610aに予め抽出しておく処理が完了する。以下、ステップSb04〜07では、視点を探索結果の経路にしたがって移動しつつ、地図の3次元表示を行う処理について説明する。
【0066】
ステップSc04、ステップSc05及びSc07、ステップSc08における処理は、それぞれ、第1実施例の図3におけるステップSa01、ステップSa02〜03、ステップSa04〜05における処理に相当する。ステップSc04で視点データの準備を行い、ステップSc05とSc07で3次元表示の対象とする建造物を決定し、ステップSc08における処理で画像データの生成と出力とを行う。
【0067】
もっとも、表示対象の建造物を決定する処理は、ステップSc05で現在位置のリンクを特定すれば、ステップSc07で対応する予備抽出データを参照するのみで足りる。予めステップSc03で、探索結果経路について、建造物の抽出が済んでいるためである。なお、このとき、現在位置のリンクにかかる予備抽出データのみを利用するものとしてもよいし、経路前方のリンクにかかる幾つかのものも併せて利用するものとしてもよい。また、予備抽出データを利用して処理を軽減しつつ、視点位置等を考慮して改めて抽出処理を行うものとしてもよい。
【0068】
また、ステップSc06では、現在位置が探索結果経路の終端に達した場合の終了処理を行う。すなわち、ステップSc05において特定するリンクが経路の最終リンクから外れたことを検知すれば、終了処理を行う。
【0069】
ここで、先の実施例の図5における3次元表示の態様の例示の場合、図8で説明する処理によって、建造物h,i,j,kに対応する3次元表示Yh,Yi,Yj,Ykに加えて、探索結果経路上のリンクqに応じて、建造物fに応じた3次元表示Yf(図5中では点線で表示)の表示も行うこととなる。
【0070】
本実施例における地図表示装置によれば、抽出処理の一部を実際の表示に先立って行うことで、地図を3次元表示する際の処理を更に軽減することができる。
【0071】
なお、本実施例では、抽出処理に利用する経路データが経路探索の結果である場合を例示したが、かかる場合には限定されない。例えば、ユーザが直接入力する経路データであってもよいし、ネットワークを介して取得する経路探索結果その他の経路データであってもよい。
【0072】
経路周辺の建造物の表示範囲は、移動とともに変化させても良い。例えば、最も近い交差点までの距離が所定範囲となってから、その交差点の先の建造物を表示させるものとしてもよい。
【0073】
かかる場合には、ステップSc05で現在位置がリンクpであるときにはノードBまでの距離を計算する。ステップSc07においては、この距離が所定の範囲以上のとき、現在位置が交差点B近傍に至っていないと判断し、リンクp周辺の建造物h,i,jを表示する。この距離が所定の範囲であれば、交差点Bの先のリンクq周辺の建造物k,fも表示する。
【0074】
なお、交差点に応じた予備抽出を行っておき、最も近い交差点までの距離が所定範囲となったときには、その交差点に係る当該予備抽出データを利用するものとしてもよい。
【0075】
C.第3実施例:
先に説明した実施例における建造物の抽出は、リンクと建造物との距離を所定の基準に基づいて計算し、特定のリンクと距離が一定範囲内にある建造物を抽出するものであった。本実施例では、リンク及びノードと建造物との所定の関連についての情報を予め地図記憶部に用意しておき、かかる関連情報を特定のリンクについて参照することで抽出を行う場合について示す。
【0076】
ここで関連情報は、先の実施例で利用したように、距離に基づくものであってもよいし、その他の条件を基礎とするものであってもよい。例えば、特定のノード位置を視点位置とした建造物の重なり具合を考慮した関連であってもよい。
【0077】
なお、本実施例で、地図表示装置の概略構成と機能ブロックとは、第1実施例の場合と同様である(図1,2参照)。
【0078】
図9は、関連情報を記録するデータの概略構成図である。本実施例で利用するデータ構成は、関連情報を含む点で、図2に示した先の実施例の場合と相違する。すなわち、表示記憶部500dは、建造物に応じて、その建造物と関連するノード及びリンクの情報を記憶している。
【0079】
本実施例における地図表示装置が行う処理は、先の実施例で説明したものと同様であるが、図3のステップSa02〜03における建造物の抽出処理(又は図7のステップSc02の処理)で関連情報を参照して利用する点で相違する。すなわち、ステップSa02の条件設定処理では、現在位置のリンクを選択するとともに、そのリンク及びその両端ノードを関連情報に含む建造物を検索する。また、ステップSa03では、かかる検索結果に応じて、表示の対象とする建造物を生成部に伝える。図9の場合においては、リンクpに応じて建造物h,i,j,mを、リンクqに応じて建造物m,k,fをそれぞれ抽出することとなる。
【0080】
ここで、先の実施例の図5における3次元表示の態様の例示の場合、図9で説明する処理によって、建造物h,i,j,kに対応する3次元表示Yh,Yi,Yj,Ykの他、リンクqとノードBに応じた建造物f,mについて、3次元表示Yf,Ym(図5中では点線で表示)の表示も行うこととなる。
【0081】
本実施例における地図表示装置によれば、予め記憶した関連情報を参照することで、地図を3次元表示する際の処理を軽減することができる。視点位置等を基礎として特定するリンクやノードに基づいて、容易に、有用な建造物を抽出することができる。
【0082】
図10は、関連情報を記録するデータの概略構成に係る変形例を示す説明図である。ここでは、関連情報は通路記憶部400eに記憶する。ただし、建造物とノードとの関連情報はノード記憶部410eに、リンクとのものはリンク記憶部420eにそれぞれ記憶する。関連情報を利用した抽出処理は、特定のリンク及びその両端ノードについて、それぞれリンク記憶部420e及びノード記憶部410eを参照することで行う。
【0083】
本変形例におけるデータ構成によれば、経路におけるノードやリンクを基礎とした関連情報の管理が容易となる。また、ノードやリンクをキーとした検索処理も容易に行うことができる。
【0084】
D.第4実施例:
本実施例における地図表示装置では、複数の3次元モデルを特定の1つの建造物に対応付けて記憶する地図データを利用する点で、先に説明した実施例における地図表示装置と相違する。すなわち、本実施例では、建造物に対応付けて記憶された複数の3次元モデルから、条件に従って有用なものを選択して3次元表示に利用する。なお、以下で説明する地図表示装置は、第1実施例の場合と同様の概略構成及び機能ブロック構成(図1を参照)を備え、同様のデータ構成を利用して、同様の処理が可能であるものとする。
【0085】
図11は、一つの建造物に対応して複数の3次元モデルを記録するデータの概略構成図である。本実施例で表示記憶部500fは、1つの建造物に対応付けて複数の3次元モデルを記憶する。図11ではモデル1〜3を記憶する態様を模式的に示している。
【0086】
図11の表示記憶部500fは、一部を基本3次元モデル記憶部501fとして構成しており、基本3次元モデルを記憶している。基本3次元モデルは、複数の建造物に兼用可能に予め用意されており、サイズを指定して利用することができる3次元モデルである。かかる基本3次元モデルは、直方体、円柱、円錐、半球などの形状を有する。基本3次元モデル記憶部501fを利用することで、基本3次元モデルの1つの指定とサイズ指定とによって3次元モデルを特定して、本来の3次元モデルと併用することが可能である。基本3次元モデルは、建造物の実際の平面形状との不一致を許容して選択し、建造物の簡易な表示のために利用する。
【0087】
なお、サイズ指定は、例えば直方体ならば、全ての辺の長さを指定できるものであってもよいし、辺の間の長さの比は既定のもので高さのみを指定できるものであってもよい。また、既定形状は平面形状のみであって、その高さをサイズ指定するものとしてもよい。
【0088】
図11に示した建造物fに対する3次元モデルについて、モデル1においては、およそ2つの直方体が一部を共有する立体形状を有し、さらに、その表面には窓や看板を有する。モデル2においては、2つの直方体が一部を共有する立体形状は保持しているものの、表面に有していた窓等の形状は省略されている。モデル1と2とは、建造物fに固有の3次元モデルである。
【0089】
ここで、建造物fの平面形状は、およそ2つの長方形が一部を共有する形状である。このとき、建造部fのかかる平面形状に応じて、単純長方形を平面形状とする直方体である基本3次元モデルWを、建造物fに対する簡易な表示に利用することができる。ここでは、建造物fの実際の平面形状との不一致を許容する。そこで、モデル3として、基本3次元モデルWの指定と、実際の建造物fに大きさがおよそ同一となるサイズ指定とを利用する。モデル3は、複数の建造物に兼用可能な既定形状から、建造物fの平面形状との不一致を許容しつつ選択するものである。
【0090】
図12は、3次元モデルを選択して表示する処理のフローチャートである。以下では、本実施例における表示処理を示すために、第1実施例における図3のフローチャートとの対比の下で、図12のフローチャートにおける処理を示す。
【0091】
ここで図12のステップSd01、ステップSd02〜03、ステップSd06〜07における処理は、それぞれ、図3におけるステップSa01、ステップSa02〜03、ステップSa04〜05における処理と同様のものである。すなわち、Sd01で視点データの準備を行い、ステップSd02〜03で3次元表示の対象とする建造物を抽出し、ステップSd06〜07では画像データを生成・出力する。
【0092】
本実施例における処理は、ステップSd04〜05において3次元モデル選択処理を行い、ステップSd06〜07においては係る選択に基づいて生成・出力処理を行う点で、第1実施例の場合と相違する。
【0093】
図13は、3次元モデルを選択する処理を示す説明図である。以下では、ステップSd04〜05における処理を、図13の説明図を参照しつつ説明する。
【0094】
図13では、ノードA,B、リンクp、及び建造物h,i,jを示している。ステップSd04では、視点データが示す視点位置から、各建造物h,i,jまでの距離Lh,Li,Ljをそれぞれ計算する。次に、ステップSd05では、それぞれ建造物までの距離が、モデル1〜3のいずれを利用すべき範囲にあるかを特定する。図13に示すように、最近距離用のモデルとしてモデル1を利用し、最遠距離用のモデルとしてモデル3を利用し、モデル2はその中間の距離の場合に利用する。図13の建造物h,i,jの場合、距離Lh,Li,Ljがモデル2,1,3をそれぞれ選択すべき範囲にあり、ステップSd05では、かかるモデル選択を行う。このためステップSd06における画像データ生成処理では、建造物h,i,jは、それぞれモデル2,1,3を利用して表示する。
【0095】
なお、モデル1,2,3を使い分ける範囲は、任意に設定可能である。図中では、モデル1を選択する範囲とモデル2を選択する範囲がほぼ等しい場合を例示したが、等間隔にする必要はない。3次元表示時の処理負担を考慮して、任意に設定可能である。
【0096】
また、1つの建造物に対応付けて記憶する3次元モデルの数は3個に限られない。このときも距離の範囲をモデルの個数だけに分割して、表示に利用すべき3次元モデルを選択することが可能である。
【0097】
本実施例における地図表示装置によれば、地図表示の品質を維持しつつ、モデル記憶機構及びその処理の複雑さを過大にすることなく、地図の3次元表示における処理負担を低減することができる。
【0098】
なお、上記の説明で地図表示装置は、ネットワークを介して地図データの取得を行い、自ら一体的に備える表示デバイスに表示を行うものとしたが、かかる場合に限定されるわけではない。例えば、第一に、CD−ROM等の地図データ記憶媒体を一体的に備える形態であるものとしてもよい。第二に、画像表示制御データを外部にある表示装置にネットワークを介して送付することで地図を3次元表示させるものとしてもよい。第三に、一体的に備える記憶媒体の地図データを利用しつつ、画像処理制御データの送付によって外部表示装置に3次元表示をさせるものとしてもよい。
【0099】
以上、実施例に基づき本発明にかかる地図表示装置を説明してきたが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得る。例えば、以上に説明した処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】地図表示装置の概略構成図である。
【図2】地図表示装置で用いるデータの概略構成図である。
【図3】地図を表示する処理のフローチャートである。
【図4】建造物を抽出する処理を示す説明図である。
【図5】地図を3次元表示する態様を例示する説明図である。
【図6】経路に応じた表示を行う地図表示装置の機能ブロックを示す説明図である。
【図7】経路に応じた表示の処理を示すフローチャートである。
【図8】経路に応じた表示の処理を示す説明図である。
【図9】関連情報を記録するデータの概略構成図である。
【図10】関連情報を記録するデータの概略構成に係る変形例を示す説明図である。
【図11】一つの建造物に対応して複数の3次元モデルを記録するデータの概略構成図である。
【図12】3次元モデルを選択して表示を行う処理のフローチャートである。
【図13】3次元モデルを選択する処理を示す説明図である。
【符号の説明】
【0101】
100...地図表示装置
101...操作パネル
102...表示デバイス
103...リモコン
200...制御ユニット
202...位置情報入力部
210...表示制御部
211...位置情報入力部
212...ユーザ入力部
213...経路探索部
220...ユーザ入力部
300...地図記憶部
310...地図データ入力部
400...通路記憶部
410...ノード記憶部
420...リンク記憶部
500...表示記憶部
600...抽出部
700...生成部
701...出力部
100a...地図表示装置
210a...表示制御部
213a...経路探索部
610a...予備抽出記憶部
600a...抽出部
500d...表示記憶部
400e...通路記憶部
410e...ノード記憶部
420e...リンク記憶部
500f...表示記憶部
501f...基本3次元モデル記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を3次元表示する地図表示装置であって、
近距離表示用の近距離3次元モデルと、遠距離表示用の遠距離3次元モデルとを建造物ごとに含む地図データを入力する地図データ入力部と、
地図の3次元表示の視点位置から所定距離内の建造物については前記近距離3次元モデルを用い、所定距離外の建造物については前記遠距離3次元モデルを用いて、3次元表示を行う表示部とを備え、
前記近距離3次元モデルは、建造物の平面形状を反映して設定された建造物に固有の3次元モデルであり、
前記遠距離3次元モデルは、予め用意された複数の既定形状の中から1つを選択するとともに、前記建造物の平面形状のサイズとほぼ同一となるように前記既定形状のサイズを指定することを想定して設定された複数の建造物に兼用可能な3次元モデルである地図表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の地図表示装置であって、
前記複数の既定形状は、直方体、円柱、円錐、半球を含む地図表示装置。
【請求項3】
地図を3次元表示する地図表示方法であって、
近距離表示用の近距離3次元モデルと、遠距離表示用の遠距離3次元モデルとを建造物ごとに含む地図データを入力する工程と、
地図の3次元表示の視点位置から所定距離内の建造物については前記近距離3次元モデルを用い、所定距離外の建造物については前記遠距離3次元モデルを用いて、3次元表示を行う工程とを備え、
前記近距離3次元モデルは、建造物の平面形状を反映して設定された建造物に固有の3次元モデルであり、
前記遠距離3次元モデルは、予め用意された複数の既定形状の中から1つを選択するとともに、前記建造物の平面形状のサイズとほぼ同一となるように前記既定形状のサイズを指定することを想定して設定された複数の建造物に兼用可能な3次元モデルである方法。
【請求項4】
地図表示装置に地図を3次元表示させるためのコンピュータプログラムであって、
近距離表示用の近距離3次元モデルと、遠距離表示用の遠距離3次元モデルとを建造物ごとに含む地図データを入力する機能と、
地図の3次元表示の視点位置から所定距離内の建造物については前記近距離3次元モデルを用い、所定距離外の建造物については前記遠距離3次元モデルを用いて、3次元表示を行う機能とを前記地図表示装置に実現させるためのコンピュータプログラムであり、
前記近距離3次元モデルは、建造物の平面形状を反映して設定された建造物に固有の3次元モデルであり、
前記遠距離3次元モデルは、予め用意された複数の既定形状の中から1つを選択するとともに、前記建造物の平面形状のサイズとほぼ同一となるように前記既定形状のサイズを指定することを想定して設定された複数の建造物に兼用可能な3次元モデルであるコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項4記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−86797(P2007−86797A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287544(P2006−287544)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【分割の表示】特願2001−397424(P2001−397424)の分割
【原出願日】平成13年12月27日(2001.12.27)
【出願人】(502002186)株式会社ジオ技術研究所 (23)
【Fターム(参考)】