地図表示装置

【課題】地図の背景色より、車両が行政区画の中でどのような方向を走行しているのかを認識することができる地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図は行政区画ごとに色分けされ、各行政区画は、行政区画の所定位置(たとえば、市役所)を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなる背景色のグラデーションで表示される。また、行政区画の境界は、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかす。たとえば、○○市と××市との間の境界付近では、○○市の表示色である青色と××市の表示色である赤色との混色である紫色で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都道府県や市町村などの行政区画を表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
行政区画を色分けして地図を表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−37128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のような従来のナビゲーション装置では、単に同一色で行政区画を表示するだけなので、行政区画内を走行中に、車両は行政区画の中でどのような方向を走行しているのかわからない。たとえば、車両は、行政区画の中心(たとえば、市役所)の方向に向かって走行しているのか、行政区画の中心方向とは反対に他の行政区画の方向に向かって走行しているのかわからない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、現在地を検出する現在地検出手段と、
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、地図データに基づいて地図を表示モニタに表示するとともに、現在地を地図に重ねて表示する地図表示制御手段とを備え、地図表示制御手段は、行政区画を色分けして表示し、各行政区画を、行政区画の所定位置を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなる所定色のグラデーションで表示することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、行政区画の境界を、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかして表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、行政区画の役所の位置、中央の位置、または商業の中心の位置を中心とした所定色のグラデーションで行政区画を表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図表示装置において、所定の目的地までの推奨経路を探索する探索手段を備え、地図表示制御手段は、目的地が含まれる行政区画については、目的地を中心とした所定色のグラデーションで行政区画を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、行政区画に色分けされた色彩の濃淡によって、行政区画の中でどのような方向を移動しているのかを認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置1の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18およびディスクドライブ19を有している。ディスクドライブ19には、地図データが記憶されたDVD−ROM110が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ19は、DVD−ROM110から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM110以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
地図表示用データには、地図背景色データが含まれる。地図背景色データについて、図2および図3を参照して説明する。地図背景色データとは、地図の背景色を表示するためのデータであり、行政区画ごとに色分けされる。各行政区画の表示色は地図背景色データにおいて予め定められている。たとえば、図2に示すように、○○市は青色に色分けされ、××市は赤色に色分けされる。また、△△市は緑色に、○×市は緑色に、○△市は赤色に、それぞれ色分けされる。地図背景色データに基づいて行政区画の背景色を表示する場合、各行政区画は、図2に示すように、行政区画の所定位置(たとえば、市役所)を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなる背景色のグラデーションで表示される。また、行政区画の境界は、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかす。たとえば、図3に示すように、○○市と××市との間の境界付近では、○○市の表示色である青色と××市の表示色である赤色との混色である紫色で表示される。
【0012】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示に従ってパネル上のボタンスイッチを指で押圧することにより、目的地選択などの設定操作を行う。
【0013】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0014】
次に、本発明の実施形態における色分けされた行政区画の表示について図4および図5を参照して説明する。ナビゲーション装置1は、表示モニタ16に自車位置周辺の地図を表示しているものとして説明する。
【0015】
図4は、車両が○○市の中央周辺を走行しているときに表示される表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。表示画面には自車位置周辺の地図40が表示され、自車位置には自車位置マーク41が表示される。図4に示すように、表示画面の右上方向に進むにしたがって行政区画の表示色である青色は濃くなっている。したがって、矢印42の方向に市役所が存在することを認識することができる。市役所が位置する○○市の中心の方向へ向かう場合、矢印42の方向へ進行すればよいことを認識することができる。ここで、矢印42は説明の便宜上示すものであり、実際には表示モニタ16に表示されない。
【0016】
図5は、車両が○○市と××市との間の境界付近を走行しているときに表示される表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。図5に示すように、表示画面の上方向に進むにしたがって行政区画の表示色である青色は薄くなっている。そして、徐々に赤味を帯びるようになり、表示画面の上部では行政区画の表示色が紫色になっている。したがって、車両は、矢印51の方向に進行すると○○市と××市との間の境界に近づくことを地図の背景色から認識することができる。○○市から××市へ向かうには矢印51の方向へ進行すればよいことを認識することができる。ここで、矢印51は説明の便宜上示すものであり、実際には表示モニタ16に表示されない。
【0017】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置1の地図表示処理について図6のフローチャートを参照して説明する。図6の処理は、ナビゲーション装置1の電源がオンになるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0018】
ステップS601では、ディスクドライブ19によって、DVD−ROM110に記憶されている地図データを読み込み、表示モニタ16の表示範囲に該当する地図データを取得する。ステップS602では、取得した地図データより表示画面に表示される行政区画を検出する。ステップS603では、取得した地図データの地図背景データに基づいて各行政区画に割り当てられた背景色を検出する。ステップS604では、各行政区画の背景色をグラデーションで表示するときのグラデーションの中心位置を決定する。グラデーションの中心位置は、たとえば行政区画の役所の位置とする。
【0019】
ステップS605では、地図の背景色を描画する。地図の背景色を、ステップS604で決定した位置(所定位置)を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなるように描画する。また、行政区画の境界では、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかす。ステップS606では、地図データに基づいて道路や文字などを地図の背景色に重ねて描画する。ステップS607では、上述のように描画して作成した地図の画像データを画像メモリ15に格納する。ステップS608では、画像メモリ15から画像データと呼び出して表示モニタ16に行政区画を色分けした地図を表示する。
【0020】
以上の本発明の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)行政区画の所定位置を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなる所定色のグラデーションで行政区画を表示し、行政区画の色分けをした。したがって、行政区画に色分けされた色彩の濃淡によって、車両は行政区画の中でどのような方向を走行しているのかを認識することができる。
【0021】
(2)行政区画の境界を、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかした。したがって、行政区画に色分けされた色彩の他の色彩との混ざり具合によって、車両は行政区画の中でどのような方向を走行しているのかを認識することができる。
【0022】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)行政区画の背景色のグラデーションの中心は、行政区画の所定位置であれば市役所などの役所の位置に限定されない。たとえば、行政区画の中央の位置でもよいし、行政区画の商業の中心の位置でもよい。これらの位置を行政区画のグラデーションの中心としても、行政区画に色分けされた色彩の濃淡によって、車両は行政区画の中でどのような方向を走行しているのかを認識することができる。
【0023】
(2)推奨経路を経路探索した場合、目的地を含む行政区画では、目的地を中心としたグラデーションで背景色を表示するようにしてもよい。目的地の方向を容易に認識することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
(3)現在地を地図画面上に表示する地図表示装置であれば、ナビゲーション装置に限定されない。たとえば、GPSセンサを備えた携帯端末機でもよい。
【0025】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0026】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の現在地検出手段は現在地検出装置14に対応し、地図データ記憶手段はDVD−ROM110に対応する。地図表示制御手段および探索手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】行政区画の色分けを説明するための図である。
【図3】行政区画の境界における地図の背景色の表示を説明するための図である。
【図4】車両が○○市の中央周辺を走行しているときに表示される表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図5】車両が○○市と××市との間の境界付近を走行しているときに表示される表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態によるナビゲーション装置の地図表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
15 画像メモリ
16 表示モニタ
19 ディスクドライブ
40 地図
41 自車位置マーク
110 DVD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を検出する現在地検出手段と、
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記地図データに基づいて地図を表示モニタに表示するとともに、前記現在地を前記地図に重ねて表示する地図表示制御手段とを備え、
前記地図表示制御手段は、行政区画を色分けして表示し、各行政区画を、行政区画の所定位置を中心とし、所定位置から離れるにしたがって色彩が薄くなる所定色のグラデーションで表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、行政区画の境界を、隣接する一方の行政区画の色彩から他方の行政区画の色彩に次第に変化するようにぼかして表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記行政区画の役所の位置、中央の位置、または商業の中心の位置を中心とした所定色のグラデーションで前記行政区画を表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
所定の目的地までの推奨経路を探索する探索手段を備え、
前記地図表示制御手段は、前記目的地が含まれる行政区画については、前記目的地を中心とした所定色のグラデーションで前記行政区画を表示することを特徴とする地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−158292(P2008−158292A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347424(P2006−347424)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】