説明

地図表示装置

【課題】操作性を向上する。
【解決手段】地図データに基づいて地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させ(S110)、ジャンプボタンが選択操作されたことを判定すると、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更する(S114)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データに基づいて特定領域の地図表示画面を表示部に表示させる地図表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような地図表示装置として、地図スクロールモードに移行すると、表示部に表示される地図画像の上にスクロールボタンとカーソルとを表示し、画面の縁部にスクロールボタンを表示するとともに、スクロールボタンの近傍に方面表示とカーソル位置の地点からの方面表示地点間での距離を表示するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−300944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献に記載された装置は、所望の地図表示領域を表示させるためにスクロールボタンを何度も操作しなければならない場合があり、操作性が良くないといった問題がある。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みたもので、操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、地図データに基づいて特定領域の地図表示画面を表示部に表示させる地図表示装置であって、地図データに基づいて地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させるジャンプボタン表示手段と、表示部に表示されたジャンプボタンを選択操作する操作手段と、操作手段によりジャンプボタンが選択操作されたことを判定すると、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更する第1のジャンプ表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
このような構成によれば、地図データに基づいて地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させ、ジャンプボタンが選択操作されたことを判定すると、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更するので、1回の選択操作で所望の地図表示領域を表示させることが可能となり、操作性を向上することができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、ジャンプボタン表示手段は、現在位置特定手段により特定された現在位置との距離が予め定められた閾値未満となるような移動先を示すジャンプボタンを抽出し、当該抽出したジャンプボタンを表示部に表示させることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、現在位置との距離が予め定められた閾値未満となるような移動先を示すジャンプボタンが抽出され、当該抽出されたジャンプボタンが表示部に表示されるので、現在位置を中心とする所定範囲内を移動先とするジャンプボタンのみを表示部に表示し、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更することが可能である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、ジャンプボタンは、複数の表示モードに分類されており、設定されている表示モードを特定する表示モード特定手段を備え、ジャンプボタン表示手段は、表示モード特定手段により特定された表示モードに対応するジャンプボタンを表示部に表示させることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、設定されている表示モードに対応するジャンプボタンが表示部に表示されるので、ユーザは好みの表示モードを設定することにより、好みの表示モードに対応するジャンプボタンを表示させることが可能である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、表示モードは、複数のレベルに階層化されており、表示モード特定手段は、設定されている表示モードとレベルを特定し、ジャンプボタン表示手段は、表示モード特定手段により特定された表示モードおよびレベルに対応するジャンプボタンを表示部に表示させることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、設定されている表示モードとレベルに対応するジャンプボタンが表示部に表示されるので、ユーザは好みの表示モードとレベルを設定することにより、好みの表示モードとレベルに対応するジャンプボタンを表示させることが可能である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、第1のジャンプ表示手段は、ユーザにより操作されたジャンプボタンに応じて地図の表示スケールを変更する表示スケール変更手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
このように、ユーザにより操作されたジャンプボタンに応じて地図の表示スケールを変更することができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、走行案内に伴う履歴情報を学習する履歴情報学習機能を有し、ジャンプボタン表示手段は、履歴情報からユーザの嗜好を推定し、ユーザの嗜好に合うように表示部に表示させるジャンプボタンを修正するジャンプボタン修正手段を備えたことを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、走行案内に伴う履歴情報を学習し、この履歴情報からユーザの嗜好を推定し、ユーザの嗜好に合うように表示部に表示させるジャンプボタンが修正されるので、ユーザの嗜好に合うジャンプボタンが表示部に表示され、ユーザは表示部に表示されたジャンプボタンを選択操作することが可能である。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、第1のジャンプ表示手段によりジャンプ表示した地図表示領域の履歴情報を記憶する表示領域履歴記憶手段を備え、ジャンプボタン表示手段は、第1のジャンプ表示手段によりジャンプ移動する以前に表示部に表示させていた地図表示領域の表示に戻すための戻りボタンを表示部に表示させるようになっており、操作手段により戻りボタンが選択操作されたことを判定すると、表示領域履歴記憶手段により記憶された履歴情報に基づいて第1のジャンプ表示手段によりジャンプ移動する以前に表示部に表示されていた地図表示領域の表示に戻す第2のジャンプ表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、ジャンプ表示した地図表示領域の履歴情報を記憶しておき、ジャンプ移動する以前に表示部に表示させていた地図表示領域の表示に戻すための戻りボタンを表示部に表示させ、戻りボタンが選択操作されたことを判定すると、履歴情報に基づいてジャンプ移動する以前に表示部に表示されていた地図表示領域の表示に戻すので、ユーザは容易にジャンプ移動する以前に表示部に表示させていた地図表示領域の表示に戻す操作を行うことができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、ジャンプボタン表示手段は、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離を算出し、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位にジャンプボタンを表示させることを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離を算出し、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位にジャンプボタンが表示されるので、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離感を認識し易い表示とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る地図表示装置の構成を図1に示す。本地図表示装置は、ナビゲーション装置1として構成されている。本ナビゲーション装置1は、位置検出器10、地図データ取得部11、操作部12、外部メモリ13、表示部14、スピーカ15、リモコンセンサ16および制御部17を備えている。
【0022】
位置検出器10は、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサおよびGPS受信機等(いずれも図示せず)を有しており、これらから入力される現在位置を特定するための情報を制御部15に出力する。
【0023】
地図データ取得部11は、HDD、DVD、CD等に記憶された地図データを取得するための装置である。地図データには、各リンクの識別情報、距離、道路種別、道路幅員、道路形状、道路名、車線数等を表す道路データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、所在位置、施設種類、電話番号等を示す施設データ等が含まれる。
【0024】
操作部12は、表示部14のディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチおよび表示部14のディスプレイの周囲に設けられたメカニカルなスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を出力する。
【0025】
外部メモリ13は、制御部17の内部とは別に設けられた不揮発性メモリにより構成されている。この外部メモリ13には、制御部17からの指示に応じて各種データが記憶される。
【0026】
表示部14は、液晶等のディスプレイを有し、制御部17から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0027】
スピーカ15は、制御部17から入力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0028】
リモコンセンサ16は、ユーザの操作に応じて赤外線等による無線信号を送信するリモコン16aから受信した信号を制御部17へ出力する。
【0029】
制御部17は、CPU、内部メモリ、I/O等を備えたコンピュータによって構成されており、CPUは、内部メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。
【0030】
制御部17の処理としては、位置検出器10から入力される信号に基づいて自車位置を算出する自車位置算出処理、地図データ取得部11を介して地図データを取得し、地図データに基づいて特定領域の地図表示画面を表示部に表示させる地図表示処理、ダイクストラ法等を用いて現在地から目的地に至る最適経路を探索して案内経路を形成する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を実施する走行案内処理等がある。
【0031】
また、制御部17は、学習アルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク、ファジィ学習、ベイジアンネットワーク等)を用いて走行案内に伴う操作履歴、走行履歴等の履歴情報を学習する履歴情報学習処理も行う。制御部17は、学習した履歴情報から、ユーザの好みの飲食店(ラーメン屋、パスタ屋など)や、ユーザの好みの行き先(観光地など)を特定することが可能となっている。
【0032】
また、制御部17は、地図表示処理において、地図データに基づいて地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させ、ユーザ操作により特定のジャンプボタンが操作されると、ジャンプボタンにより示される位置へジャンプ表示するように地図表示領域を変更するようになっている。
【0033】
図2に、本実施形態における制御部17の地図表示処理のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチがオンすると、本ナビゲーション装置1は動作状態となり、制御部17は図2に示す処理を開始する。
【0034】
まず、表示モードの設定の読み込みを行う(S100)。表示モードは、ジャンプ移動する位置を示すジャンプボタンの種類(内容)を示すものであり、制御部17の内部メモリに記憶されている。図3に、表示モードと表示するジャンプボタンの対応関係を示す。図に示すように、表示モードには、都道府県郡市町村などのジャンプボタンを表示する都道府県モードと、山、谷、川、海、砂浜などのジャンプボタンを表示する地形表示モードと、会社名、大学名、大規模施設、市町村役場、飲食店など地図データに格納されているPOI(Point of Interest)を表示するPOI表示モードと、メモリに保存されているメモリ地点を表示するメモリ地点モードと、メモリに保存されている履歴地点を表示する履歴地点モードと、地図表示地点に関連する関連地点を表示する関連地点表示モードがある。また、表示モードには、複数のレベルに階層化されたものがある。例えば、都道府県モードでは、都道府県、郡、市町村の3つのレベルに階層化されている。なお、表示モードの設定は、制御部17による処理またはユーザ操作により変更可能となっている。また、表示モードと階層化されたレベルを組み合わせて表示モードを設定することも可能となっている。
【0035】
次に、地図の表示状態の読み込みを行う(S102)。具体的には、地図表示領域、表示スケール、案内中か否かを示す情報等の読み込みを行う。
【0036】
次に、表示するジャンプボタンを特定する(S104)。具体的には、現在位置との距離が予め定められた閾値未満となるような移動先を示すジャンプボタンを抽出するとともに、先のS100にて読み込んだ表示モードの設定に従って表示部14に表示させるジャンプボタンを特定する。
【0037】
図4に、本実施形態における表示モードと閾値との関係を示す。例えば、都道府県モードでは、都道府県の場合30キロメートル(km)、郡市の場合5キロメートル(km)、村町の場合1キロメートル(km)、番地の場合200メートル(m)となっている。また、地形表示モードでは、10キロメートル(km)、POI表示モードでは、5キロメートル(km)となっている。なお、この閾値は、ユーザ操作により変更することが可能となっている。
【0038】
したがって、例えば、表示モードの設定がPOI表示モードとなっている場合、現在位置との距離が5キロメートル未満となる移動先を示すジャンプボタンが抽出され、表示部14に表示させるジャンプボタンとして特定される。
【0039】
なお、表示モードと階層化されたレベルを組み合わせて表示モードが設定されている場合には、表示モードとレベルの組み合わせに従って、表示部14に表示させるジャンプボタンを特定する。
【0040】
また、図5に示すように、表示スケール(地図スケール)に応じて表示部14に表示させるジャンプボタンを異ならせるようにしている。例えば、表示スケール(地図スケール)が100キロメートル(km)以上で、かつ、表示モードの設定が都道府県モードとなっている場合には、郡市、町村、番地を示すジャンプボタンを非表示、都道府県を示すジャンプボタンを表示とし、表示スケール(地図スケール)が1キロメートル(km)未満で、かつ、表示モードの設定が都道府県モードとなっている場合には、都道府県、郡市、町村、番地を示すジャンプボタンを表示とするようになっている。
【0041】
次に、履歴情報学習処理により学習した履歴情報に基づいてユーザの嗜好をジャンプボタンの表示に反映させるか否かを判定する(S106)。具体的には、ユーザの嗜好をジャンプボタンの表示に反映させるか否かを確認する画面を表示部14に表示させ、ユーザの嗜好をジャンプボタンの表示に反映させるか否かを判定する。
【0042】
ここで、ユーザによりユーザの嗜好をジャンプボタンの表示に反映させないことを示す操作が行われた場合、S106の判定はNOとなり、地図上にジャンプボタンを表示させる(S110)。具体的には、地図表示画面上にS104にて特定したジャンプボタンを重ねて表示させる。
【0043】
図6に、表示モードの設定が都道府県モードとなっている場合のジャンプボタンの表示例を示す。この図には、現在位置を示す現在位置マークP、階層化されたジャンプボタンJ1〜J7とともに戻りボタンB1〜B3、消去ボタンE1が示されており、地図は省略されている。
【0044】
ジャンプボタンJ1(図中、A町)、ジャンプボタンJ2(B町)およびジャンプボタンJ3(図中、C町)はレベル1として表示されており、ジャンプボタンJ4(D市)およびジャンプボタンJ5(E市)はレベル2として表示されており、ジャンプボタンJ6(F県)、ジャンプボタンJ7(G県)はレベル3として表示されている。図に示すように、自車位置マークPを中心とした同心円上に階層化された各レベル1〜3の表示領域が設けられており、該当する表示領域に各ジャンプボタンJ1〜J7が表示される。
【0045】
また、各ジャンプボタンJ1〜J7は、表示領域の中央に表示された自車位置マークPを基準として、各ジャンプボタンJ1〜J7により示される各移動先の方向に表示されている。例えば、自車位置マークPの北に位置するA町を示すジャンプボタンJ1は、自車位置マークPの上側に表示され、自車位置マークPの西に位置するB町を示すジャンプボタンJ2は、自車位置マークPの左側に表示される。
【0046】
また、戻りボタンB1は、現在位置マークP1を含む表示領域の表示に戻すためのボタンであり、戻りボタンB2(図中、「1つ前へジャンプ」と記す)は、1回ジャンプ移動する前に表示部14に表示させていた地図表示領域の表示に戻すためのボタンで、戻りボタンB3(図中、「2つ前へジャンプ」と記す)は、2回ジャンプ移動する前に表示部14に表示させていた地図表示領域の表示に戻すためのボタンである。
【0047】
消去ボタンE1は、各ジャンプボタンJ1〜J7の表示を消去するためのボタンである。
【0048】
また、図7に、表示モードと階層化されたレベルを組み合わせて表示モードが設定されている場合のジャンプボタンの表示例を示す。
【0049】
ジャンプボタンJ10(図中、パスタ屋1)、ジャンプボタンJ11(図中、パスタ屋2)およびジャンプボタンJ12(図中、パスタ屋3)はPOI表示モードのレベル1として表示されており、ジャンプボタンJ13(図中、焼肉屋1)およびジャンプボタンJ14(図中、ラーメン屋1)はPOI表示モードのレベル2として表示されており、ジャンプボタンJ15(図中、メモリ地点1)、ジャンプボタンJ16(図中、メモリ地点2)はメモリ地点モードのレベル3として表示される。
【0050】
また、ユーザによりユーザの嗜好をジャンプボタンの表示に反映させることを示す操作が行われた場合、S106の判定はYESとなり、次に、表示するジャンプボタンを修正する(S108)。具体的には、履歴情報学習処理により学習した履歴情報に基づいてユーザの嗜好を推定し、当該推定したユーザの嗜好に応じて表示部14に表示させるジャンプボタンを修正する。例えば、ユーザがラーメン好きであると推定した場合には、図5に示したレベル1〜3に加え、閾値未満の距離に位置するラーメン屋を抽出し、抽出したラーメン屋を示すPOIをレベル4として付加する。
【0051】
したがって、S110において、図5に示したレベル1〜3に加え、ラーメン屋を示すPOIをレベル4として付加した画像が表示部14に表示される。
【0052】
S112では、操作部12のタッチスイッチあるいはリモコン16aの操作により特定のジャンプボタンが選択操作されたか否かを判定し、S120では、特定の戻りボタンが選択操作されたか否かを判定し、S124では、消去ボタンが選択操作されたか否かを判定する。
【0053】
ここで、ユーザにより特定のジャンプボタンが選択操作されると、S112の判定はYESとなり、選択操作されたジャンプボタンにより示される位置へジャンプ移動させる(S114)。具体的には、選択操作されたジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更する。
【0054】
更に、選択操作されたジャンプボタンに応じて表示スケールを変更する(S116)。具体的には、選択操作されたジャンプボタンに応じて適切な表示スケールを算出して表示スケールを変更する。本実施形態では、選択操作されたジャンプボタンにより示される移動先全体が地図表示領域に含まれるように表示スケールを変更する。例えば、表示モードの設定が都道府県モードとなっており、ユーザによりある県が選択操作された場合、その県全体が地図表示領域に含まれるように表示スケールを変更し、ユーザによりある町が選択操作された場合、その町全体が地図表示領域に含まれるように表示スケールを変更する。
【0055】
次に、表示履歴を記憶する(S118)。具体的には、ジャンプ表示する前の地図表示領域を制御部17の内部メモリに記憶させ、S100へ戻る。このようにして、制御部17の内部メモリには、ジャンプ表示する前の地図表示領域の履歴が記憶される。
【0056】
図6のように地図上にジャンプボタンを表示させた状態で、操作部12のタッチスイッチあるいはリモコン16aの操作により特定の戻りボタンが選択操作されると、S112の判定はNO、S120の判定はYESとなり、ジャンプ移動する前の位置へジャンプ移動させる(S122)。すなわち、S118にて制御部17の内部メモリに記憶させた表示履歴に基づいてジャンプ移動する前に表示部14に表示されていた地図表示領域の表示に戻す。例えば、図6に示した戻りボタンB1が選択操作されると、現在位置マークP1を含む表示領域の表示に戻し、戻りボタンB2(図中、「1つ前へジャンプ」と記す)が選択操作されると、1回ジャンプ移動する前に表示部14に表示させていた地図表示領域の表示に戻し、戻りボタンB3(図中、「2つ前へジャンプ」と記す)が選択操作されると、2回ジャンプ移動する前に表示部14に表示させていた地図表示領域の表示に戻す。
【0057】
また、図6のように地図上にジャンプボタンを表示させた状態で、ユーザにより消去ボタンE1が選択操作されると、S124の判定はYESとなり、ジャンプボタンを消去する(S126)。具体的には、図6に示したようなジャンプボタンJ1〜J7とともに戻りボタンB1〜B3の表示を消去して地図のみの表示とし、本処理を終了する。
【0058】
上記した構成によれば、地図データに基づいて地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させ、ジャンプボタンが選択操作されたことを判定すると、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更するので、1回の選択操作で所望の地図表示領域を表示させることが可能となり、操作性を向上することができる。
【0059】
また、現在位置との距離が予め定められた閾値未満となるような移動先を示すジャンプボタンが抽出され、当該抽出されたジャンプボタンが表示部に表示されるので、現在位置を中心とする所定範囲内を移動先とするジャンプボタンのみを表示部に表示し、ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更することが可能である。
【0060】
また、設定されている表示モードとレベルに対応するジャンプボタンが表示部に表示されるので、ユーザは好みの表示モードとレベルを設定することにより、好みの表示モードとレベルに対応するジャンプボタンを表示させることが可能である。
【0061】
また、走行案内に伴う履歴情報を学習し、この履歴情報からユーザの嗜好を推定し、ユーザの嗜好に合うように表示部に表示させるジャンプボタンが修正されるので、ユーザの嗜好に合うジャンプボタンが表示部に表示され、ユーザは表示部に表示されたジャンプボタンを選択操作することが可能である。
【0062】
また、ジャンプ表示した地図表示領域の履歴情報を記憶しておき、ジャンプ移動する以前に表示部に表示させていた地図表示領域の表示に戻すための戻りボタンを表示部に表示させ、戻りボタンが選択操作されたことを判定すると、履歴情報に基づいてジャンプ移動する以前に表示部に表示されていた地図表示領域の表示に戻すので、ユーザは容易にジャンプ移動する以前に表示部に表示させていた地図表示領域の表示に戻す操作を行うことができる。
【0063】
なお、本実施形態では、図6、図7に示したように、自車位置マークPを中心とした同心円上に階層化された各レベルの表示領域が設けられており、各表示領域に各ジャンプボタンを表示する構成を示したが、このような表示方法に限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、地図表示領域の上部にY市へジャンプ移動するためのジャンプボタンJ1を表示させ、地図表示領域の右端部にX市へジャンプ移動するためのジャンプボタンJ2を表示させ、地図表示領域の左下部にZ市へジャンプ移動するためのジャンプボタンJ3を表示させるようにしてもよい。
【0064】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、設定されている表示モードとレベルに従ってジャンプボタンを表示させたが、本実施形態では、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離感を認識しやすくするため、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位にジャンプボタンを表示させる。すなわち、制御部17は、図2のS110において、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離を算出し、図9に示すように、自車位置Pを基準としてジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位にジャンプボタンJ10〜J13を表示させる。また、ジャンプボタンにより示される移動先との距離の表示も行う。
【0065】
このように、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離を算出し、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位にジャンプボタンが表示されるので、ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離感を認識し易い表示とすることができる。
【0066】
(その他の実施形態)
例えば、上記実施形態では、ナビゲーション装置1を用いて地図表示装置を構成したが、ナビゲーション装置1以外の装置を用いて地図表示装置を構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、図6、図7に示した様に、ジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示したが、移動先だけでなく、例えば、現在位置からの距離を同時に表示するようにしてもよい。この場合、例えば、距離の短いジャンプボタンよりも距離の長いジャンプボタンの大きさを大きくする等、距離に応じてジャンプボタンの大きさを異ならせるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、図6、図7に示した様に、ジャンプボタンを階層化して表示させる場合、各階層を異なる色で表示したり、色が徐々に変化するようにグラデーションをつけて表示したりしてもよい。
【0069】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S108、S110がジャンプボタン表示手段に相当し、操作部12およびリモコン16aが操作手段に相当し、S112、S114が第1のジャンプ表示手段に相当し、位置検出器10から入力される信号に基づいて自車位置を算出する自車位置算出処理が現在位置特定手段に相当し、S100が表示モード特定手段に相当し、S116が表示スケール変更手段に相当し、S108がジャンプボタン修正手段に相当し、S118が表示領域履歴記憶手段に相当し、S122が第2のジャンプ表示手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態に係る地図表示装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る制御部の地図表示処理のフローチャートである。
【図3】表示モードとジャンプボタンの対応関係について説明するための図である。
【図4】表示モードとジャンプボタンを抽出する際の閾値の関係を示す図である。
【図5】表示スケール(地図スケール)と表示内容の関係を示す図である。
【図6】表示モードの設定が都道府県モードとなっている場合のジャンプボタンの表示例を示す図である。
【図7】表示モードと階層化されたレベルを組み合わせて表示モードが設定されている場合のジャンプボタンの表示例を示す図である。
【図8】ジャンプボタンの表示についての変形例を示す図である。
【図9】ジャンプボタンの表示についての変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 ナビゲーション装置
10 位置検出器
11 地図データ取得部
12 操作部
13 外部メモリ
14 表示部
15 スピーカ
16 リモコンセンサ
17 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに基づいて特定領域の地図表示画面を表示部に表示させる地図表示装置であって、
前記地図データに基づいて前記地図表示画面上にジャンプ移動する移動先を示すジャンプボタンを表示させるジャンプボタン表示手段と、
前記表示部に表示された前記ジャンプボタンを選択操作する操作手段と、
前記操作手段により前記ジャンプボタンが選択操作されたことを判定すると、前記ジャンプボタンにより示される移動先へジャンプ移動するように地図表示領域を変更する第1のジャンプ表示手段と、を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、
前記ジャンプボタン表示手段は、前記現在位置特定手段により特定された現在位置との距離が予め定められた閾値未満となるような移動先を示すジャンプボタンを抽出し、当該抽出したジャンプボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記ジャンプボタンは、複数の表示モードに分類されており、
設定されている前記表示モードを特定する表示モード特定手段を備え、
前記ジャンプボタン表示手段は、前記表示モード特定手段により特定された前記表示モードに対応する前記ジャンプボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記表示モードは、複数のレベルに階層化されており、
前記表示モード特定手段は、設定されている前記表示モードと前記レベルを特定し、
前記ジャンプボタン表示手段は、前記表示モード特定手段により特定された前記表示モードおよび前記レベルに対応する前記ジャンプボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記第1のジャンプ表示手段は、ユーザにより操作された前記ジャンプボタンに応じて前記地図の表示スケールを変更する表示スケール変更手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の地図表示装置。
【請求項6】
走行案内に伴う履歴情報を学習する履歴情報学習機能を有し、
前記ジャンプボタン表示手段は、前記履歴情報からユーザの嗜好を推定し、ユーザの嗜好に合うように前記表示部に表示させる前記ジャンプボタンを修正するジャンプボタン修正手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記第1のジャンプ表示手段によりジャンプ表示した前記地図表示領域の履歴情報を記憶する表示領域履歴記憶手段を備え、
前記ジャンプボタン表示手段は、前記第1のジャンプ表示手段によりジャンプ移動する以前に前記表示部に表示させていた前記地図表示領域の表示に戻すための戻りボタンを前記表示部に表示させるようになっており、
前記操作手段により前記戻りボタンが選択操作されたことを判定すると、前記表示領域履歴記憶手段により記憶された前記履歴情報に基づいて前記第1のジャンプ表示手段によりジャンプ移動する以前に前記表示部に表示されていた前記地図表示領域の表示に戻す第2のジャンプ表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記ジャンプボタン表示手段は、前記ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離を算出し、前記ジャンプボタンにより示される移動先を示す方角および距離に対応する部位に前記ジャンプボタンを表示させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の地図表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−39100(P2010−39100A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200586(P2008−200586)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】