説明

地図表示装置

【課題】表示モニタの画面の地図上に気象情報を重ねて表示することなく、ユーザに気象情報を伝える地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図を表示する表示モニタ16と、車両の現在地を検出する現在地検出装置14と、各地の気象情報を受信する衛星ラジオ受信部111と、衛星ラジオ受信部111によって受信された気象情報を記憶する受信メモリ112と、受信メモリ112によって記憶された気象情報から現在地検出装置14によって検出された車両の現在地の気象情報を抽出する制御回路11と、制御回路11によって抽出された気象情報を想像させる音データを出力するスピーカ17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに天気を報知する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雨の地域、曇りの地域を描画した地図をディスプレイ上の道路情報などに重畳して表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−131064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている従来のナビゲーション装置では、地図画面上に気象情報を重畳表示すると地図画面が見づらいという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、地図表示装置は、地図を表示する表示器と、地図上の位置を検出する位置検出手段と、各地の気象情報を受信する受信手段と、受信手段によって受信された気象情報を記憶する気象情報記憶手段と、気象情報記憶手段によって記憶された気象情報から位置検出手段によって検出された位置の気象情報を抽出する気象情報抽出手段と、気象情報抽出手段によって抽出された気象情報を想像させる音データを出力する音出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、気象情報を想像する音により気象情報を出力するようにしたので、画面上に気象情報を重ねて表示する必要がなく、地図画面の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】天気情報を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態における天気情報の音出力処理を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態における天気情報の音出力処理を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態における天気情報の音出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】天気の情報を抽出するときに基準となる位置の変形例を説明するための図である。
【図7】メッシュの前線通過によって出力する音を変更する天気情報の音出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】メッシュデータに格納された天気の情報および地域の情報に基づいて出力する音を決定する音出力処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、衛星ラジオ放送による気象情報を受信し、その気象情報を自然音や音楽としてスピーカ17から出力する。既知の衛星ラジオ放送として、たとえば、シリウスサテライトラジオなどがある。
【0009】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、衛星ラジオ受信部111、受信メモリ112およびディスクドライブ113を有している。ディスクドライブ113には、地図データが記憶されたDVD−ROM114が装填される。
【0010】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなる。この制御回路11は、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11はDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行い、その処理結果を経路として表示モニタ16に表示する。
【0011】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出する。GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて地図の表示範囲などを決定する。また、車両の現在地を地図上に自車位置マークとして表示する。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは、道路地図描画用データや各種の図形データからなり、DVD−ROM114に記憶された地図データなどに基づいて適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いて地図表示などを行う。
【0013】
ディスクドライブ113は、DVD−ROM114から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データは、道路のリンク情報およびノード情報を有する。リンク情報は、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報を含む。リンク旅行時間とは、車両がそのリンクを通過するのに要すると予測される時間である。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有する。これにより、ナビゲーション装置1は、ユーザの指示にしたがって表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM114以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0014】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて車両の現在地付近の地図などの各種情報を画面上に表示してユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。また、スピーカ17は後述する気象情報をユーザに報知するための自然音を出力する。ここで、自然音とは、鳥のさえずり、雨音、雷鳴、川の流れる音、波の音などといいた自然の環境の中で聞こえてくる音を記録した音、またはそのような音を再現した音である。
【0015】
入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。入力装置18を操作することによって、表示モニタ16に表示されている地図の縮尺を変更させたり、地図をスクロールさせたりすることができる。
【0016】
ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作して、目的地を設定する。また、入力装置18を操作して衛星ラジオ放送を選局できる。
【0017】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定の制御プログラムに基づいて行う。たとえば、出発地から目的地までの間の旅行時間(リンク旅行時間の合計)が最小になるような経路を演算するアルゴリズムで経路演算が行われる。
【0018】
このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の経路を画面上で認識することができる。
【0019】
ナビゲーション装置1は、探索された経路にしたがって車両が走行できるように、画面や音声などによる進行方向の指示を行い、車両を経路誘導する。
【0020】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16の画面に表示される画像はタッチパネル19を透過して表示される。ユーザが表示モニタ16の画面に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧するとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は押圧位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出する。タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出し、その算出結果を制御回路11に出力する。制御回路11は、算出された押圧位置に基づいて各種ボタンや表示メニューに定義された処理を実行する。
【0021】
衛星ラジオ受信部111は、図示しない衛星ラジオ局から人工衛星を介して放送される衛星ラジオ放送を受信し、制御回路11に出力する。受信された衛星ラジオ放送は、スピーカ17より出力される。また、受信された衛星ラジオ放送に気象情報が含まれる場合、気象情報は受信メモリ112に記憶される。
【0022】
衛星ラジオ放送の気象情報は、天気情報や天気図の情報、ハリケーンなどの嵐の情報、気象レーダによる雨量分布の情報、各観測地点における風向きや風力の情報などを有する。天気情報は、晴れや、曇り、雨などの天気の分布情報である。天気図の情報は、気圧配置の情報や、等温線の情報、高気圧あるいは低気圧の位置(緯度・経度)の情報、温暖前線、寒冷前線などの前線の位置情報などである。嵐の情報は、ハリケーン、竜巻、あられ、メゾサイクロン、ひょう、雷雨などの位置や予想進路(移動方向)の情報などである。雨量分布の情報は、雨が降っている地域とその地域における雨量の情報である。
【0023】
図2は、天気情報を説明するための図であり、天気情報を認識できるようにするために地図に重ねて天気分布を示した図である。図2に示すように、天気情報20は、地図を網目状の区画に区切った単位で作成される。以下、地図を網目状に区画した1つの単位をメッシュと呼ぶ。また、天気情報20の中で1つのメッシュに対応するデータを、以下、メッシュデータと呼ぶ。メッシュデータには、晴れや曇り、雨などの天気情報とともにメッシュの位置および範囲を特定するメッシュ領域情報を有する。図2では、天気情報をメッシュの濃淡で示しており、濃淡の最も薄いメッシュの天気情報は晴れであり、メッシュの濃淡が濃くなるにしたがって天気情報は曇り、雨、雷雨となる。メッシュが緯度・経路に沿って延在する辺で囲まれる矩形形状であれば、各辺の緯度・経度の情報をメッシュ領域情報として用いることができる。なお、メッシュ領域情報は、メッシュの位置および範囲を特定できれば緯度・経度に限定されない。
【0024】
受信メモリ112はフラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成される。受信メモリ112は衛星ラジオ受信部110によって受信された気象情報を記憶する。
【0025】
次に、図3および図4を参照して本発明の実施形態における天気情報の音出力処理について説明する。図3および図4は車両の現在地と天気情報20におけるメッシュデータとの関係を示す図である。
【0026】
図3および図4は、地図に重ねて車両の現在地33と、天気情報20と、目的地31に至る経路32とを示す。符号31はユーザによって設定された目的地であり、符号32は目的地31に至る経路であり、符号33は車両の現在地を示す。天気情報20は図2と同様にメッシュの濃淡で示す。図2と同様に、濃淡の最も薄いメッシュの天気情報は晴れであり、メッシュの濃淡が濃くなるにしたがって、天気情報は曇り、雨、雷雨となる。
【0027】
車両は目的地31に向かって経路32を走行しているものとして説明する。なお、表示モニタ16の不図示の画面には、表示地図の視認性を良好にするために天気情報20は表示されない。つまり、図3および図4は表示モニタ16の不図示の画面と異なる。
【0028】
図3(a)に示すように、車両の現在地33を含むメッシュの天気情報が晴れの場合、スピーカ17から鳥のさえずりの音が出力される。車両が経路22をさらに進行して、図3(b)に示すように車両の現在地33を含むメッシュの天気情報が曇りになると、スピーカ17から犬の鳴き声が出力される。
【0029】
車両が経路22をさらに進行して、図4(a)に示すように車両の現在地33を含むメッシュの天気情報が雨になると、スピーカ17から雨音が出力される。車両が経路32をさらに進行して、図4(b)に示すように車両の現在地33を含むメッシュの天気情報が雷雨になると、スピーカ17から雷鳴が出力される。
【0030】
次に、図5のフローチャートを参照して本発明の実施形態における天気情報の音出力処理を説明する。図5の処理は、不図示のメニュー画面から天気情報の音出力が選択されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。ここで、車両は、目的地31向かって経路32を走行しているものとして説明する。
【0031】
ステップS501では、現在地検出装置14を使用して車両の現在地を検出する。ステップS502では、受信メモリ112に記憶されている気象情報のメッシュデータのメッシュ領域情報から車両の現在地を含むメッシュを特定する。ステップS503では、受信メモリ112に記憶されている気象情報から特定したメッシュに対応する気象情報を抽出する。
【0032】
ステップS504では、抽出した気象情報に基づいてスピーカ17から自然音を出力する。抽出された気象情報が晴れの天気情報を有する場合、鳥のさえずり音を出力し、曇りの天気情報を有する場合、犬の鳴き声の音を出力する。抽出された気象情報が雨の天気情報を有する場合、雨音を出力し、雷雨の天気情報を有する場合、雷鳴を出力する。抽出された気象情報が霰の天気情報を有する場合、霰がトタンの屋根に当たるときに発生する音を出力する。自然音はDVD−ROM114に予め記録されており、自然音を出力するときDVD−ROM114に記憶されている自然音を使用する。なお、上述の天気情報に対応する自然音は、天気を想像させる自然音であれば上述の自然音に限定されない。
【0033】
ステップS505では、現在地検出装置14によって車両の現在地を検出する。ステップS506では、車両が目的地31に到達したか否かを判定する。車両が目的地31に到達した場合はステップS506が肯定判定され、処理を終了する。車両が目的地31に到達していない場合はステップS506が否定判定され、ステップS502に戻る。
【0034】
以上の実施形態におけるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)地図を表示する表示モニタ16と、車両の現在地を検出する現在地検出装置14と、各地の気象情報を受信する衛星ラジオ受信部111と、衛星ラジオ受信部111によって受信された気象情報を記憶する受信メモリ112と、受信メモリ112によって記憶された気象情報から現在地検出装置14によって検出された車両の現在地の気象情報を抽出する制御回路11と、制御回路11によって抽出された気象情報を想像させる音データを出力するスピーカ17とを備えるようにした。これにより、表示モニタ16の表示地図に気象情報を重ねて表示する必要がなく、表示地図の視認性が向上する。また、車両走行中、表示モニタ16の画面を見なくても車両の現在地における気象情報を認識することができる。
【0035】
(2)受信メモリ112は、地図を複数に区画してメッシュ毎に作成したメッシュデータとして気象情報を記憶し、制御回路11は、現在地検出装置14によって検出された車両の現在地を含むメッシュに対応する気象情報を抽出するようにした。これにより、車両の現在地における気象情報を適格に抽出することができる。
【0036】
(3)車両が同じ天気の領域を長時間走行していると、ナビゲーション装置1は気象情報を想像させる同じ音を長時間出力することになる。このような場合であっても出力する音を自然音にしたので、ナビゲーション装置1に通常使用される警告音や言葉の音声と異なり、気象情報を想像させる音をユーザが耳障りに感じないようにすることができる。
【0037】
以上の実施形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)抽出された気象情報に基づいてスピーカ17から出力される音データは、気象情報を想像させる音データであれば、自然音に限定されない。たとえば音楽でもよい。車両の現在地が晴れの場合、晴れを想像させる音楽を出力し、車両の現在地が曇りの場合、曇りを想像させる音楽を出力するようにしてもよい。音楽の場合も、気象情報を想像させる音データをユーザが耳障りに感じないようにすることができる。
【0038】
(2)車両の現在地に対応する気象情報を抽出できれば、気象情報はメッシュデータに限定されない。たとえば、気象情報を地図データのリンクに対応した情報にしてもよい。この場合、車両の現在地に対応するリンクに基づいて車両の現在地における気象情報を抽出できる。
【0039】
(3)気象情報を抽出するときに基準となる位置は、車両の現在地に限定されない。たとえば、表示モニタの画面の特定の位置に対応する地図上の位置を、気象情報を抽出するときに基準となる位置としてもよい。たとえば、地図をスクロールしたときに画面中央に表示されるカーソルの位置における気象情報に基づいて自然音を出力するようにしてもよい。
【0040】
図6を参照して具体的に説明する。図6は、図2と同様に天気情報を説明するための図である。天気情報20は図2と同様にメッシュの濃淡で示す。濃淡の最も薄いメッシュの天気情報は晴れであり、メッシュの濃淡が濃くなるにしたがって、天気情報は曇り、雨、雷雨となる。たとえば、図6の場合、カーソルの位置61に対応するメッシュ62の天気情報は雷雨であるので、スピーカ17から雷鳴が出力される。これにより、地図に重ねて天気分布を表示しなくてもカーソル61の位置における天気を認識することができ、便利である。
【0041】
(4)車両の現在地を含むメッシュを寒冷前線や温暖前線などの前線が通過する場合にスピーカ17から出力される音データを、前線が通過しない場合の音データと異なるようにしてもよい。前線付近では、大気が不安定であるため、急な大雨や突風が発生する場合がある。このような突発的な天気の変化に対する注意をユーザに喚起させることができ、ナビゲーション装置1の利便性が向上する。
【0042】
メッシュの前線通過によって出力する音声を変更する天気情報の音出力処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7の処理は、不図示のメニュー画面から天気情報の音出力が選択されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。図5の処理と共通するステップには共通の符号を付し、図5の処理と異なる部分を主に説明する。
【0043】
ステップS503の次にステップS701に進む。ステップS701では、特定したメッシュを前線が通過するか否かを判定する。前線の情報は、受信メモリ112に記憶されている天気図の情報における前線の位置情報から取得し、その情報に基づいてメッシュを前線が通過するか否かを判定する。特定したメッシュを前線が通過する場合はステップS701が肯定判定され、ステップS702へ進む。特定したメッシュを前線が通過しない場合はステップS701が否定判定され、ステップS504へ進む。ステップS702では、抽出した気象情報に基づいて前線通過用の自然音をスピーカ17から出力する。そして、ステップS505へ進む。
【0044】
(5)メッシュの気象情報、および表示画面の特定の位置に対応する地図上の位置や現在地を含む地域の情報に基づいて、スピーカ17から出力される音データを決定するようにしてもよい。たとえば、車両が東京都内を走行している場合、メッシュデータにおける天気情報が晴れならば、晴れの天気および東京を想像させるユリカモメの鳴き声を出力し、車両が埼玉県を走行している場合、メッシュデータにおける天気情報が晴れならば、晴れの天気および埼玉県を想像させるシラコバトの鳴き声を出力するようにしてもよい。これにより、検出した位置における天気と地域とを同時に認識することができ、便利である。なお、メッシュの全域を含む行政界を想像させる音に代えてメッシュの中心に該当する都道府県や市町村を想像させる音を出力するようにしてもよい。
【0045】
メッシュデータに格納された天気の情報および地域の情報に基づいて出力する音声を決定する音出力処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8の処理は、不図示のメニュー画面から天気情報の音出力が選択されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。図5の処理と共通するステップには共通の符号を付し、図5の処理と異なる部分を主に説明する。
【0046】
ステップS502の次にステップS801に進む。ステップS801では、特定したメッシュの天気の情報および地域を特定する音情報を抽出する。ステップS802では、抽出した天気の情報および地域を特定する音情報に基づいて、スピーカから自然音を出力する。そして、ステップS505に進む。
【0047】
(6)天気の情報が雨の場合、雨の強さによって雨音を変更するようにしてもよい。たとえば、強い雨の場合、強い雨が降っているときの雨音にするようにしてもよい。
【0048】
(7)ナビゲーション装置は検出した位置情報を情報センタに送信し、情報センタは受信した位置情報に基づいて気象情報を抽出し、気象情報をナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置は受信した気象情報に基づいて気象情報を想像させる音データをスピーカから出力するようにしてもよい。また、ナビゲーション装置は検出した位置情報を情報センタに送信し、情報センタは受信した位置情報に基づいて気象情報を抽出し、抽出した気象情報から気象情報を想像させる音データを特定し、特定した音データの情報をナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置は受信した音データの情報に基づいてスピーカから気象情報を想像させる音データを出力するようにしてもよい。以上のようにナビゲーション装置と情報センタとの組み合わせによって、本発明の気象情報の出力方法を実現するようにしてもよい。
【0049】
(8)地図表示装置であればナビゲーション装置に限定されない。たとえば、車載ナビゲーション装置に代えて着脱式のPND(Personal Navigation Device)、あるいは携帯型のナビゲーション装置でもよい。ユーザが山歩きなどのときに携帯するナビゲーション装置にも本発明を適用できる。
【0050】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0051】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0052】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の位置検出手段は現在地検出装置14に対応し、受信手段は衛星ラジオ受信部111に対応する。気象情報記憶手段は受信メモリ112に対応し、気象情報抽出手段は制御回路11に対応する。音出力手段はスピーカ17に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 ナビゲーション装置
16 表示モニタ
20 天気情報
31 目的地
32 経路
33 車両の現在地
111 衛星ラジオ受信部
112 受信メモリ
114 DVD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示する表示器と、
地図上の位置を検出する位置検出手段と、
各地の気象情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された気象情報を記憶する気象情報記憶手段と、
前記気象情報記憶手段によって記憶された気象情報から前記位置検出手段によって検出された位置の気象情報を抽出する気象情報抽出手段と、
前記気象情報抽出手段によって抽出された気象情報を想像させる音データを出力する音出力手段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記位置検出手段は、前記地図表示装置の地図上の位置、または前記表示器の表示画面上の特定の位置に対応する前記表示器に表示された地図上の位置を検出することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地図表示装置において、
前記気象情報記憶手段は、地図を複数に区画してメッシュ毎に作成したメッシュデータとして前記気象情報を記憶し、
前記気象情報抽出手段は、前記位置検出手段によって検出された位置を含むメッシュに対応する気象情報を抽出することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の地図表示装置において、
前記音出力手段によって出力される音データは、前記位置検出手段によって検出された位置の地域に応じて異なることを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記気象情報記憶手段によって記憶されている気象情報は、晴れ、曇り、雨を含む天気の情報、または、前線に関する情報であることを特徴とする地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−169846(P2011−169846A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35832(P2010−35832)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】