地図表示装置

【課題】アイコンの表示数を変更して視認性を残しつつ利便性の良好な地図表示装置を得る。
【解決手段】自車の現在位置を求める自車位置特定手段2と、地図情報を記録した地図DB7と、地図データフィルタリング手段5と、地図表示手段4とを備える。地図データフィルタリング手段5は、現在位置と地図情報とを基に、走行中又は走行予定となる特定の道路と施設との距離を計算し、計算の結果が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する。地図表示手段4は、地図データフィルタリング手段5で選択された施設のアイコンを地図上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図上への車両の現在位置の表示又は目的地までの道順の案内をする際の地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置においては、地図上に自車の現在位置の表示を行ったり目的地までのルートを設定して表示した場合、地図上には、店、給油所、銀行、宿泊施設や公共施設等を示す各種のアイコンやマークが表示される。しかし、これらの数が多い場合は、密集したり、重なったりして表示されるため、視認性が低下し道路等が見えなくなることがある。そのため、従来のカーナビゲーション装置では、複数のロゴマークを代表ロゴマークや大代表ロゴマークに集約して表示している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−69561号公報(第8〜9頁、第2、5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカーナビゲーション装置においては、種類の異なるアイコンやマークが混在する場合でも、施設のアイコンやマークを変更し新たな代表ロゴマークや大代表ロゴマークに集約して表示するため、何の施設を表しているのかが不明となり、アイコンやマークの利便性が低下するという問題があった。また、それを避けるために、これらのロゴマークを使わないときは、マークが煩雑に表示され視認性が低下するといった問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、アイコンの表示数を変更して視認性を残しつつ利便性の良好な地図表示装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る地図表示装置は、自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、地図情報を記録した地図データベースと、地図データフィルタリング手段と、地図表示手段とを備える。地図データフィルタリング手段は、現在位置と地図情報とを基に、走行中又は走行予定となる特定の道路と施設との距離を計算し、計算の結果が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する。地図表示手段は、地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、フィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段を備え、施設のアイコンの数を絞って地図上に表示するので、アイコンが変更されず、また、煩雑に表示されないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<装置構成>
図1はこの発明における地図表示装置の構成を示すブロック図である。GPS(Global Positioning System)1は、衛星から送信された位置情報を受信する装置である。自車位置測定手段2はGPS1や、車速センサ、ジャイロセンサ等のセンサ群の測定値とマップマッチングなどを用いて自車の現在位置を求める。表示中心指定手段3は、表示中心位置を指定する手段であり、タッチパネル、音声認識等を用いる。例えば、地図上のタッチパネルで触れられたところを中心に地図を描画したり、触れられたところの移動と共に地図のスクロールを行ったりする時に使われる。地図表示手段4は、自車位置測定手段2と、表示中心指定手段3が指定した位置を中心に地図をディスプレイ等の画面上に表示し、その際、後述する地図データフィルタリング手段5でアイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0009】
地図データ取得手段6は、地図と道路と施設の情報を記録した地図DB7から地図情報を取得する。地図データ探索手段8は、地図DB7から地図情報と道路情報と施設情報を取得し、目的地や施設等の対象を探索する。その際、ルート探索手段8aは、出発地あるいは現在位置から目的地までのルートを探索し、施設探索手段8bは、目的の施設を探索する。車両情報取得手段11は、車両からの燃料の残量情報及び燃費情報を取得する。
【0010】
通信手段9は、外部とデータ通信するための手段である。外部データ取得手段10は、通信手段9を制御して外部情報を取得する。外部情報には、施設属性情報、道路情報、交通情報等がある。施設属性情報取得手段10aは、営業時間、駐車の有無などの施設属性情報を取得する。なお、これらの情報は地図DB7に格納されていてもよいが、駐車場の空き具合や施設のイベント情報など最新の情報はできるだけ外部から取得することが好ましい。道路交通情報取得手段10bは、VICS(Vehicle Information and Communication System)などを用いて現在の通行止め等の道路情報と、渋滞等の交通情報を取得する。
【0011】
地図データフィルタリング手段5は、自車位置特定手段2や車両情報取得手段11からの自車状況、地図データ取得手段6を介した地図DB(データベース)7からの地図情報、地図データ探索手段8を介した地図DB7又は外部データ取得手段10からの施設情報と道路情報、外部データ取得手段10からの交通情報等とを基にして施設を選択するフィルタリングモードを有し、アイコン表示用の施設を地図表示手段4に出力する。ここで、自車状況には自車位置特定手段2からの自車の現在位置と、車両情報取得手段11からの燃料の残量情報と燃費情報が含まれる。地図情報には、道路、鉄道、建物、港湾、公園、山、河川、住所、地名等の地図内に記載されている情報が含まれる。施設情報には、駐車場の有無やその空き状態、ATM(現金自動預け払い機)の設置、トイレの設置、イベントの開催及び営業時間等の施設属性情報と、ランドマークになるような目立つ施設や人気の高さやユーザの好み等を考慮し、表示する施設の優先度を記録した施設表示優先度情報が含まれる。道路情報には、一方通行、右折若しくは左折禁止、通行止め、進入禁止、制限速度等の道路の情報が含まれる。交通情報には、渋滞情報や、事故情報、チェーン規制等の交通の情報が含まれる。
【0012】
地図データフィルタリング手段5は、現在位置と地図情報とを基に、特定の道路と施設との距離や所定の道路に対する施設の方向(反対車線側か否か)を計算したり、インターと施設との距離を求めたりして施設をフィルタリングするフィルタリングモードを有する。なお、ここで特定道路とは、走行中又は走行予定となる道路であり、例えば、目的地までのルートに設定された道路であったり、ルートが設定されていないときは、自車が位置している道路であったりする。また、自車が位置している道路とこの道路の先にある分岐点から更にその先の分岐点までの道路を含めてもよい。
【0013】
また、地図データフィルタリング手段5は、現在位置と地図情報とを基に現在位置から施設までの距離や右左折回数を計算したり、交通情報等を更に用いて到達時間や現在位置からの最大到達距離を求めたりして施設をフィルタリングするフィルタリングモードも有する。更に、施設属性情報や道路情報等を基に施設や道路を選んだり、施設表示優先度情報と訪問履歴を基に施設の優先度の設定をしたりして施設をフィルタリングするフィルタリングモードも有する。
【0014】
このように構成された地図表示装置のフィルタリングモードについて説明をする。
<フィルタリングモード1>
まず、フィルタリングモード1では、特定道路から施設までの距離によって施設をフィルタリングする。このフィルタリングモード1では、ユーザからの指示や装置の仕様によるプリセット等によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に、表示されている地図内にある全ての施設と特定道路との距離を計算して所定値以下の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0015】
図2には、特定道路から施設までの距離によって地図データフィルタリング手段5が施設のフィルタリングを行う際のフィルタリングモード1のフローチャートを示す。このフローチャートのステップS100、S101、S105、S106は、ループ端記号を用いて表している。ループ端記号では、対応する記号間(ステップS100とS106、及び、S101とS105)において繰り返しを行う。つまり、ステップS100〜ステップS106の間では、表示されている地図内の施設が順番に選ばれ、全ての施設が選ばれて未選択の施設が無くなるまで繰り返される。また、ステップS101〜ステップS105の間では、ステップS100で選ばれた施設に対して、特定道路を構成する道路リンクの頂点を順番に選んで繰り返し処理(距離の計算)が行われ、未選択の道路リンクの頂点が無くなるまで繰り返す。このように2重の繰り返し(2重ループ)を行っている。なお、以下のフィルタリングモードを表すフローチャートでは、1重ループか2重ループかの違いはあるが、すべてこのループ端記号を用いて表しており、意味するところは同じである。
【0016】
図2において、現在位置を基にして表示されている地図内の或る施設を選んで処理を開始し(ステップS100)、これが終わる(ステップS106)と次の施設に移って処理を開始し(ステップS100)、これが終わる(ステップS106)と更に次の施設に移って処理を開始する(ステップS100)。このようにして、未選択の施設が無くなるまで繰り返す。
【0017】
ステップS100で或る施設Aを選んだ場合の処理は、図3に示すように、その施設に対し、特定道路(目的地までのルート等)を構成する道路リンクの各頂点に対してステップS101とステップS105の間で繰り返しを行う。つまり、特定道路の道路リンクの頂点を選んで処理を開始し(ステップS101)、これが終わる(ステップS105)と次の頂点に移って処理を開始し(ステップS101)、これが終わる(ステップS105)と更に次の頂点に移って処理を開始する(ステップS101)。このようにして、未選択の道路リンクの頂点が無くなるまで繰り返す。
【0018】
次に、ステップS101で選んだ道路リンクの頂点と、ステップS100で選んだ施設の位置との距離を地図DB7からの地図情報を基に求める(ステップS102)。計算結果と閾値kとを比較し(ステップS103)、計算結果が閾値k以内の場合は、アイコン表示用の施設として選択し(ステップS104)、他の頂点との計算を中止して次の施設に移る(ステップS100)。計算結果が閾値kを越える場合は次の頂点に移る(ステップS105→ステップS101へ戻る)。このようにして或る施設に対し道路リンクの各頂点への計算が終わり、未選択の道路リンクの頂点が無くなったときは、ステップS105からステップ106に移り、更にステップS100に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0019】
なお、ここでは施設の位置と特定道路を構成する道路リンクの頂点との距離を求めているが、道路リンクを構成する線分の中点を用いて施設との距離を求めても良い。また、これらを混在して算出し、最小値を対象道路と施設までの距離としても良い。これらの方法は計算が単純なため高速処理ができるという特徴がある。
【0020】
また、特定道路から若干離れるが、大きかったり高かったりして、ランドマークになるような目立つ建物を選択してアイコンを表示するようにしても良い。これは後述する施設の優先度を用い、この優先度に応じて閾値kを変えて計算すると良い。また、逆に、同じ施設や同じ分野の施設が多い場合(コンビニエンスストアやガソリンスタンド等)は、施設の種類や分野ごとに閾値kを変更しても良い。
【0021】
また、閾値kを小さくすることによりアイコン表示用の施設数を絞ることができるため、施設数が多い場合は、適宜閾値kを小さくして再計算を繰り返しても良い。また、或る区間の施設数が多い場合は、その区間を計算する時に閾値kを他の区間に比べて小さくして計算しても良い。
【0022】
図4は、フィルタリング前の自車付近の地図の例を示す。図中のA〜Cは施設を示すアイコンである。例えば、Aは公共施設、Bは銀行、Cはコンビニエンスストア等である。また、図中の三角は現在位置を示し、右上に向かって走行していることを示す。アイコンが多い場合は、アイコン同士が重なり表示が煩雑となる。これに対し、図5は図中の右上にある施設Aまで太線で示すルート設定を行って特定道路とし、これからの距離でフィルタリングして表示した例である。施設をフィルタリングし、数を絞ってアイコンを表示しているため、視認性が向上している。
【0023】
ルートを決めずに適当にドライブしているときは、図6に示すように、自車の現在位置が属する道路と、この道路の先にある分岐点からその更に先にある分岐先までの複数の道を特定道路とし、これらからの距離を計算してアイコンを表示してもよい。ルートを決めていないときは、次の交差点で曲がって走行予定となる可能性があるので、交差点での直進と左右に曲がった場合とを想定してアイコンを表示すると利便性が増すためである。なお、自車の先にある分岐点は1つに限ることはなく、複数先まで適宜表示しても良い。また、分岐点通過後、選択されなかった道にあるアイコンは、適宜非表示としても良い。
【0024】
このように構成された地図表示装置においては、特定道路からの一定の距離の範囲内にある施設のアイコンだけを表示することができる。そのため、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、煩雑になることはなく、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【0025】
また、走行先にある分岐点からの各道路の近傍にある施設のアイコンを表示させると、自車が走っている道だけではなく、交差点等で曲がって走行予定となる可能性のある道のアイコンも表示するので、ユーザの利便性が増す。また、分岐点を通過した場合、選択されなかった道にあるアイコンを消去すると、地図画面が煩雑にならずに、視認性が向上する。
【0026】
<フィルタリングモード2>
フィルタリングモード1では、特定道路から施設までの距離によって施設をフィルタリングしたが、反対車線側にある施設は利用しにくいことが多いので、ここでは、道路(自車進行方向)に対する施設の方向を計算して、反対車線側にある施設をフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード2では、ユーザからの指示や装置の仕様によるプリセット等によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に、特定道路に対する施設の方向を計算して反対車線側の施設以外の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0027】
図7は、反対車線側の施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード2のフローチャートである。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設において、特定道路に対する方向を計算するため、ステップS110とステップS117の間の処理を繰り返す。ステップS110で選んだ或る施設に対し、地図DB7からの地図情報を基に施設と道路リンクの各線分との距離を求め、最短となる線分を求める(ステップS111)。この計算の際、図8に示すように、例えば、各線分の中点と施設との距離を用いると、高速に計算できる。
【0028】
次に、求めた線分から、自車の進行方向に対応した進行方向ベクトル(x,y)を求める(ステップS112)。これは、求めた線分の始点と終点とを結ぶベクトルである。また、進行方向ベクトルの始点(求めた線分の始点)と施設の中心座標からなる施設方向ベクトル(x,y)も求める(ステップS113)。次に、これら2つのベクトルの外積(=x−x)を計算し、0以上になるかを判定する(ステップS114)。もし外積が負になった場合は、施設はその道路に対して右側にあることになり、これは反対車線側にあることになる。この場合は、アイコン非表示用の施設とする(ステップS115→ステップS117)。外積が0以上の場合は、施設は道路に対して右側では無いので、アイコン表示用の施設として選択する(ステップS116)。その後、ステップS117からステップS110に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0029】
なお、上記の計算は、車両が道路に対して左側通行の場合である。そのため、車両が右側通行の場合は、ステップS114での外積の計算結果は0以下(x−x≦0)になるかで判断する。
【0030】
反対車線側の施設に入るためには、対向車に気をつけつつ右折しなければならなく、また、その施設の利用が終わった後も、対向車に気をつけつつ元の車線に戻らなければならないので、施設が利用しにくいことが多い。そのため、同様な施設が多い場合(例えばコンビニエンスストア等)、わざわざ反対車線側の施設のアイコンを表示する必要性は少ない。また、Uターン禁止の道路では、通過した反対車線側の施設に行くことは困難なので、これも表示する必要性は少ない。さらに、中央分離帯がある大きな道路のように、そもそも反対車線に入ることができない場合もある。これらの道路情報を地図データ取得手段6を介して地図DB7から得たり、外部データ取得手段10の道路交通情報取得手段10bから得たりして、反対車線側の施設をフィルタリングしてアイコンを非表示にすると有効である。
【0031】
図9は、ルートを決めずに適当にドライブしている時、自車の現在位置が属する道路と、この道路の先にある分岐点からその更に先にある分岐先までの複数の道を特定道路として反対車線側の施設のアイコンを非表示とした例である。また、図10は、図9に対し更に特定道路からの距離でフィルタリングを行った例である。フィルタリング前の図4と比べると必要性の低い施設のアイコンが非表示となっている。
【0032】
このように構成された地図表示装置においては、反対車線側にある施設のアイコンを非表示とするので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。また、同様な施設が多い場合や、Uターン禁止、中央分離帯の有無等の道路情報を取得して反対車線側の施設のアイコンを非表示とすると、利用が困難な施設を表示しないので、ユーザが間違えてその施設に行こうとすることが無くなり、無駄を省ける。
【0033】
<フィルタリングモード3>
フィルタリングモード1、2では、特定道路と施設との距離や方向(反対車線側にあるか)によって施設をフィルタリングしたが、ここでは、高速道路走行時にインターから離れた一般道にある施設を利用することが少ない事を考慮し、インターからの距離によって施設をフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード3では、自車位置特定手段2からの現在位置によって地図データフィルタリング手段5が高速道路や自動車専用道路を走行中と判断した場合、地図DB7からの地図情報を基に、表示されている地図内にある全ての施設とインターとの距離を計算して所定値以下の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0034】
図11には、自車が高速道路や自動車専用道路を走行の際に、インターからの距離によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード3のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にあるサービスエリアとパーキングエリアの施設を除いた全ての施設に対し、インターと施設との距離を計算するため、ステップS120とステップS126の間の処理を繰り返す。次に、ステップS120で選んだ或る施設に対し、表示されている地図内にあるインターに対してステップS121とステップS125の間で繰り返し処理を行う。
【0035】
次に、ステップS121で或るインターを選んだ場合、地図DB7からの地図情報を基に、施設の位置とインターとの距離を求める(ステップS122)。この距離の計算には、直線距離を求める方法と、ルートを設定してその距離を求める方法がある。前者の場合は、簡単に距離を求めることができるため、計算時間を短縮できるという特徴がある。後者の場合には、インターから施設までのルートを地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索し、このルートに沿って距離を計算すると良い。この場合は、インターからの正確な距離が計算できる。
【0036】
距離を求めた後、これと閾値kとを比較し(ステップS123)、距離が閾値k以内の場合はアイコン表示用の施設として選択し(ステップS124)、他のインターとの計算を中止して次の施設に移る(ステップS120)。距離が閾値kを越える場合は、次のインターに移る(ステップS125→ステップS121へ戻る)。このようにしてすべてのインターに関して計算が終わり、未選択のインターが無くなったときは、ステップS125からステップ126に移り、更にステップS120に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内のサービスエリアとパーキングエリアの施設を除いた全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、サービスエリアとパーキングエリアの施設をアイコン表示用の施設として選択する(ステップS127)。最後に、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0037】
なお、同じ施設や同じ分野の施設が多い場合(コンビニエンスストア等)は、施設の種類や分野ごとにインターと施設の距離の閾値kを適宜変更しても良い。また、或るインターの近辺の施設数が多い場合は、そのインターの閾値kを小さくして再計算を繰り返しても良い。
【0038】
図12は、上記の方法を用いて高速道路走行中に施設のアイコンをフィルタリングして表示した例である。一般道にある大多数の施設のアイコンは非表示となるが、インター付近の施設のアイコンやサービスエリアの施設のアイコンは表示される。
【0039】
このように構成された地図表示装置においては、高速道路、又は自動車専用道路を走行中は、インター近辺の施設のアイコンを除いて一般道の施設のアイコンは表示しないので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、不要なアイコンによって煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。また、サービスエリアやパーキングエリアの施設のアイコンは表示されると共に、インターから近い施設のアイコンは表示されるため、使い勝手が向上する。
【0040】
<フィルタリングモード4>
フィルタリングモード1〜3では、道路やインターから施設までの距離や方向によって施設をフィルタリングしていたが、同様の施設が多くある場合、遠方の施設を利用することが少ないことを考慮し、ここでは現在位置から施設までの距離によって施設をフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード4では、装置の仕様によるプリセットの値や、ユーザからの入力値によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報を基に、現在位置と表示されている地図内にある全ての施設との距離を計算して所定値以下の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0041】
図13には、現在位置から施設までの距離によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード4のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、現在位置からの距離を計算するため、ステップS200とステップS206の間の処理を繰り返す。ステップS200で選んだ或る施設に対し、自車位置特定手段2からの現在位置を基に現在位置から施設までのルートを探索する(ステップS201)。このルートは、地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索する。その際、通信手段9を用いて外部データ取得手段10が渋滞等の交通情報や、道路情報を取得した場合はルート変更をしてもよい。その後、このルートの全長を算出する(ステップS202)。
【0042】
ルートの全長と閾値kとを比較し(ステップS203)、ルートの全長が閾値kを超える場合はアイコン非表示用の施設とする(ステップS204→S206)。ルートの全長が閾値k以内の場合はアイコン表示用の施設として選択する(ステップS205)。その後、ステップS206からステップS200に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0043】
上記の方法は、現在位置と施設との距離に応じてフィルタリングしているが、同種の施設が多い場合は、施設の種類ごとに現在位置と施設との距離の閾値kを変更しても良い。これにより、同種の施設のアイコン数を少なくすることができ視認性が向上する。
【0044】
最大到達距離はガソリン等の燃料の残量と燃費によって決まるので、これを超える距離にある施設のアイコンを表示する必要性の少ないことがある。そこで、最大到達距離を用いて施設をフィルタリングするモードについて説明する。
【0045】
このフィルタリングモードでは、ユーザからの指示や、燃料の残量が少なくなってきたと地図データフィルタリング手段5が判断した場合(車両から燃料の残量情報を取得し或る値を下回った時や、給油後の走行距離がある値以上となった場合等)、自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に現在位置から施設までの距離を計算し、また、車両情報取得手段11からの燃料の残量情報と燃費情報とを基に現在位置からの最大到達距離を予測し、最大到達距離の範囲内の施設が選択されるようにフィルタリングする。なお、交通状況(渋滞等)によって燃費が変わるため、外部データ取得手段10からの交通情報を更に用い、交通状況による燃費の変化を基に最大到達距離を予測してもよい。
【0046】
図14には、最大到達距離によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモードのフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、現在位置からの最大到達距離以内の施設か否かを計算するため、ステップS210とステップS218の間の処理を繰り返す。ステップS210で選んだ或る施設に対し、自車位置特定手段2からの現在位置を基に現在位置から施設までのルートを探索する(ステップS211)。このルートは、地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索する。その後、このルートの全長を算出する(ステップS212)。次に通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の道路交通情報取得手段10bが渋滞等の交通情報を取得する。その際、道路情報を取得した場合、それに応じてルート変更をしてもよい。その後、渋滞など走行状態による燃費情報や燃料の残量情報を車両から取得する(ステップS213)。これらからそのルートを用いた時の最大到達距離を算出する(ステップS214)。
【0047】
この最大到達距離とルートの全長を比較し(ステップS215)、ルートの全長が最大到達距離を超えるため到達できない時はアイコン非表示用の施設とする(ステップS216→ステップS218)。ルートの全長が最大到達距離以内の場合は、アイコン表示用の施設として選択する(ステップS217)。その後、ステップS218からステップS210に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0048】
図15は、燃料の残量、又はユーザ指示による適当な距離を用いて地図内の施設のアイコンをフィルタリングして表示した一例である。到達ができない遠方のアイコンが非表示となる。なお、燃料の残量による最大到達距離でアイコンをフィルタリングしたときは、最大到達距離圏内にあるガソリンスタンドのアイコンを表示させると良い。その際、色や大きさを変えたり、点滅させたりして強調しても良い。これは、最大到達距離圏内にあるガソリンスタンドを越えて走行すると燃料切れになる可能性が高いためである。
【0049】
このように構成された地図表示装置においては、到達距離に応じて施設のアイコンを表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、遠方にある不要なアイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。また、燃料の残量でアイコン表示の設定をした場合、最大限どこのガソリンスタンドで給油したら良いかが分かるため、ガス欠によるトラブルを防ぐことができると共に、最大到達距離が分かるためドライブ可能な範囲が分かり、使い勝手が向上する。
【0050】
<フィルタリングモード5>
フィルタリングモード4では、現在位置から施設までの距離によって施設をフィルタリングしていたが、同様の施設が多い場合、それらの施設が到達距離内にあっても、それらの施設に行くまでに右左折回数が多いなど到達が複雑な施設を選ぶ必要性は少ない。そのため、ここでは、到達の複雑度(右左折回数が多い等)でフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード5では、予め決められた右左折回数、あるいはユーザからの入力値によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に、現在位置から表示されている地図内にある全ての施設までの右左折回数を計算して所定値以下の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0051】
図16には、現在位置から施設までの右左折回数によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード5のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、現在位置からの右左折回数を計算するため、ステップS220とステップS226の間の処理を繰り返す。ステップS220で選んだ或る施設に対し、自車位置特定手段2からの現在位置を基に現在位置から施設までのルートを探索する(ステップS221)。このルートは、地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索する。なお、通信手段9を用いて外部データ取得手段10が渋滞等の交通情報や、道路情報を取得した場合はルート変更をしてもよい。
【0052】
このルートを用いて施設までの右左折回数をカウントする(ステップS222)。カウントに際しては、交差点ごとにカウントしても良いし、カーブごとにカウントしてもよい。その際、緩やかなカーブと急カーブがあるため、カーブの曲率半径が或る値以下になるようなものをカウントすると良い。これは、平地と山道とではカーブの数や度合いが異なり、到達の複雑度も異なると考えられるためである。なお、施設が反対車線側にあるときは、その施設に入るために反対車線を横断しないといけないため、例えば、右折回数を1回増やすといった処理を行っても良い。
【0053】
このカウント数と閾値kとを比較し(ステップS223)、カウント数が閾値kを超える場合はアイコン非表示用の施設とする(ステップS224→ステップS226)。カウント数が閾値k以内の場合はアイコン表示用の施設として選択する(ステップS225)。その後、ステップS226からステップS220に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0054】
図17は、予め決められた右左折回数、又はユーザによって入力された適当な右左折回数を用いて地図内の施設のアイコンをフィルタリングして表示した例である。ここでは、交差点にて右左折回数が2回以内の場合を表示対象としている。しかし、同種の施設が多い場合は、施設の種類ごとに右左折回数の閾値kを変更しても良い。
【0055】
このように構成された地図表示装置においては、右左折回数が少なく到達が容易な施設のアイコンをフィルタリングして表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、アイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性が良好な地図表示装置が得られる。また、この手法は、同じような施設が多くある場合に、到達が複雑な施設を表示しないので、ユーザが間違えて到達が複雑な施設を選ぶことが無くなり、使い勝手が向上する。
【0056】
<フィルタリングモード6>
フィルタリングモード4、5では、現在位置から施設までの距離や到達の複雑度によって施設をフィルタリングしていたが、同様の施設が多くある場合、到達に時間がかかる施設を利用することが少ないことを考慮し、ここでは到達時間によってフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード6では、装置の仕様によるプリセットの値や、ユーザからの入力値によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に現在位置から施設までの距離を計算し、この計算の結果と外部データ取得手段10からの交通情報及び道路情報とを基に現在位置から施設までの到達時間を予測し、この到達時間が所定値以下の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0057】
図18には、現在位置から施設までの距離によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード6のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、現在位置からの到達時間を計算するため、ステップS230とステップS238の間の処理を繰り返す。ステップS230で選ばれた或る施設に対し、自車位置特定手段2からの現在位置を基に現在位置から施設までのルートを探索する(ステップS231)。このルートは、地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索する。
【0058】
その後、このルートの全長を算出する(ステップS232)。次に通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の道路交通情報取得手段10bが、渋滞等の交通情報や、道路の制限速度等の道路情報を取得する(ステップS233)。その際、通行止め等の道路情報を取得した場合は、再度ルート設定をする。なお、道路の制限速度は地図DB7の地図情報から取得しても良いが、高速道路等では気象状況等により制限速度が変更される場合もあるので、外部データが取得できる場合は、できるだけ最新の情報を取得するのが好ましい。
【0059】
これらの情報を取得した後、予測到達時間を算出する(ステップS234)。この到達時間と閾値kとを比較し(ステップS235)、到達時間が閾値kを越える場合はアイコン非表示用の施設とする(ステップS236→ステップS238)。到達時間が閾値k以内の場合はアイコン表示用の施設として選択する(ステップS237)。その後、ステップS238からステップS230に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0060】
図19は、予め決められた時間、又はユーザによる適当な到達時間を用いて地図内の施設のアイコンをフィルタリングして表示した例である。時間内に到達ができないと予想される施設のアイコンが非表示となる。
【0061】
このように構成された地図表示装置においては、到達時間に応じて施設のアイコンをフィルタリングして表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、時間内に到達できない不要なアイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【0062】
<フィルタリングモード7>
フィルタリングモード1〜6では、距離・方向・時間等によって施設をフィルタリングしていたが、ここでは施設属性情報によってフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモード7では、予め決められた条件、あるいはユーザからの条件の入力によって、地図データフィルタリング手段5が地図DB7又は外部データ取得手段10からの施設属性情報を基に、所定の条件を満足する施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0063】
図20には、駐車場の空き、ATMの設置、トイレの設置、イベントの開催(特売等も含む)等のうち少なくとも1つの施設属性情報を用いて施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード7のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、所定の条件にあった施設を選ぶため、ステップS300とステップS305の間の処理を繰り返す。ステップS300で選んだ或る施設に対し、通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の施設属性情報取得手段10aが、施設属性情報を取得する(ステップS301)。なお、これらの情報は、地図DB7から取得しても良い。
【0064】
施設属性情報とユーザ等による所定の条件を比較し(ステップS302)、満足しない場合はアイコン非表示用の施設とする(ステップS303→ステップS305)。満足するときは、アイコン表示用の施設として選択する(ステップS304)。その後、ステップS305からステップS300に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0065】
図21は、例えば、施設属性情報として、駐車場に空きがある施設のアイコンを表示した場合の例である。なお、これは、ATMであっても、トイレであっても良い。また、駐車場がある施設でも、満車かどうかの情報が取得できる場合は、満車時には表示しないようにするとよい。
【0066】
次に、施設属性情報として営業時間を用いてフィルタリングするモードについて説明する。このフィルタリングモードでは、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と地図DB7からの地図情報とを基に現在位置から施設までの距離を計算し、この計算の結果と外部データ取得手段10からの交通情報及び道路情報とを基に現在位置から施設までの到達時間を予測し、地図DB7又は外部データ取得手段10からの施設属性情報の中の営業時間を取得し、到達時間が営業時間の範囲内である施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0067】
図22には、営業時間によって施設のフィルタリングを行うフィルタリングモードのフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、営業時間内に到達可能であるかを計算するため、ステップS310とステップS319の間の処理を繰り返す。ステップS310で選んだ或る施設に対し、通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の施設属性情報取得手段10aが、施設属性情報、特に営業時間について取得する(ステップS311)。なお、営業時間の情報は、地図DB7から取得しても良い。
【0068】
その後、現在位置から施設までのルートを探索する(ステップS312)。このルートは、地図データ探索手段8内のルート探索手段8aを介して地図DB7からの地図情報を基に探索する。その後、このルートの全長を算出する(ステップS313)。次に通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の道路交通情報取得手段10bが、渋滞情報等の交通情報と、道路の制限速度等の道路情報を取得する(ステップS314)。なお、道路の制限速度と施設の営業時間は地図DB7から取得しても良い。
【0069】
これらの情報を取得した後、予測到達時間を算出する(ステップS315)。この到達時間と営業時間とを比較し(ステップS316)、到達時間が営業時間を越える場合はアイコン非表示用の施設とする(ステップS317→ステップS319)。到達時間が営業時間以内の場合はアイコン表示用の施設として選択する(ステップS318)。その後、ステップS319からステップS310に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0070】
図23は、営業時間と予想される到達時間を用いてフィルタリングをした例である。ここでは施設Bは早く閉まるが、施設Aは通常、施設Cは24時間営業と仮定している。施設Bは早く閉まるため、近距離の施設のアイコンしか表示されないが、24時間営業の施設Cは遠距離でも表示される。
【0071】
このように構成された地図表示装置においては、施設属性情報に応じて施設のアイコンを表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、営業時間内に到達できいと予測される施設や、ユーザ等の条件に沿わない施設のアイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【0072】
<フィルタリングモード8>
フィルタリングモード7では、施設属性情報によって施設をフィルタリングしていたが、ここでは道路情報によってフィルタリングするモードについて説明する。道路情報としては、一方通行や、右左折禁止、通行止め、進入禁止等のため、通行できない道路を考慮する。このフィルタリングモード8では、ユーザからの指示や装置の仕様によるプリセット等によって、地図データフィルタリング手段5が自車位置特定手段2からの現在位置と、地図DB7又は外部データ取得手段10からの道路情報を基に、現在位置から通行可能な道路を選んでこれらの道路に面した施設を選択し、これらの施設のアイコンを表示対象とする。
【0073】
図24には、一方通行、右折若しくは左折禁止、通行止め及び進入禁止等のうち少なくとも1つの道路情報を用いて施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード8のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、通行可能な道路に面しているかを判断するため、ステップS320とステップS326の間の処理を繰り返す。ステップS320で選んだ或る施設に対し、自車位置特定手段2からの現在位置を基に現在位置からこの施設までのルートを探索する(ステップS321)。次に通信手段9を用いて外部データ取得手段10の中の道路交通情報取得手段10bが、一方通行や、右左折禁止、通行止め、進入禁止(時間帯に応じて進入禁止や通行止め等になる場合も含む)のため、通行できない道路の道路情報を取得する(ステップS322)。なお、これらの情報は地図DB7から取得しても良い。
【0074】
これらの情報を取得した後、施設までのルート内に通行できない道路があるかを判断する(ステップS323)。通行できない道路がある場合、その道路に面した施設はアイコン非表示用施設とする(ステップS324→ステップS326)。通行できる場合は、アイコン表示用施設として選択する(ステップS325)。その後、ステップS326からステップS320に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0075】
図25は、右折禁止、通行止め、一方通行のため通行できない道路がある場合の例である。通行できない道路に面した施設のアイコンは非表示となる。
【0076】
このように構成された地図表示装置においては、道路情報に応じて施設のアイコンを表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、通行できない道路に面した施設のアイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【0077】
<フィルタリングモード9>
ここでは、フィルタリングモード1〜8と異なり、ユーザの好みに応じて施設をフィルタリングするモードについて説明する。ユーザの好みの判断として、施設表示優先度情報と施設への訪問履歴を基にした施設の優先度を用いる。このフィルタリングモード9では、ユーザの指定や自動でユーザの好みを判断した地図データフィルタリング手段5が地図DB7からの施設表示優先度情報と施設への訪問履歴とを基に優先度の設定をし、優先度が所定値以上の施設が選択されるようにフィルタリングする。
【0078】
図26には、ユーザの好みに応じて施設のフィルタリングを行うフィルタリングモード9のフローチャートを示す。現在位置を基にして表示されている地図内にある全ての施設に対し、施設の優先度を計算するためステップS400とステップS406の間の処理を繰り返す。ステップS400で選んだ或る施設に対し、施設への訪問履歴と、施設表示優先度情報を地図DB7から読み出す(ステップS401)。なお、訪問履歴は、その施設を訪問するごとに加算して地図DB7に保存しておく。また、施設表示優先度情報は、地図DB7に予め適宜優先度をプリセットしておくと良いが、ユーザの入力により優先度を変更できるようにしても良い。また、訪問履歴を基に、その施設に類似する施設、例えば、ユーザが或る観光施設への訪問回数が多い場合は、類似する他の観光施設の優先度を自動で上げても良い。また、逆に或る分野の施設の訪問回数がほとんど無い場合は、その分野の他の施設の優先度を自動で下げても良い。
【0079】
これらの情報を取得した後、施設の優先度を計算する(ステップS402)。例えば、訪問回数がある値以上の場合、優先度を1レベル上げる等。なお、この優先度を新しい施設表示優先度情報として地図DB7に記録しても良い。その後、優先度と閾値kとを比較する(ステップS403)。優先度が閾値k未満の場合はアイコン非表示用施設とする(ステップS404→ステップS406)。優先度が閾値k以上の場合はアイコン表示用施設として選択する(ステップS405)。その後、ステップS406からステップS400に戻って、次の施設に移って同様の処理を行う。このように、地図内の全ての施設が選ばれるまで繰り返し、未選択の施設が無くなると、地図表示手段4は、アイコン表示用の施設として選択された施設のアイコンを地図上に表示する。
【0080】
図27は、例えば、訪問回数が多い施設や、ユーザの好みの優先度が高い施設の一例として表示した場合である。ユーザの好みに応じて施設のアイコンを表示できる。
【0081】
このように構成された地図表示装置においては、ユーザの好みに応じて施設のアイコンを表示するので、表示対象のアイコンは変更されることがなく、また、不要なアイコンによって表示が煩雑になることはないため、利便性と視認性の良好な地図表示装置が得られる。
【0082】
<フィルタリングモードの組み合わせ>
上記の説明では、特定道路と施設との距離、反対車線側の施設、インターと施設との距離、現在位置から施設までの距離、最大到達距離、右左折回数、到達時間、施設属性情報、営業時間、通行可の道路、優先度等でフィルタリングして施設のアイコンを表示しているが、これらのフィルタリングモードを複数組み合わせて施設を選択し、これらの施設のアイコンを表示しても良い。フィルタリングモードの組み合わせ方としては、複数のフィルタリングモードで共通して選択された施設だけを表示対象とし、施設数を更に絞り込む方法(AND演算)でも良いし、複数のフィルタリングモードで選択された施設をすべて表示対象とする方法(OR演算)でも良いし、いくつかのフィルタリングモードに関してはAND演算を行い、その結果に対し他のフィルタリングモードのOR演算を行っても良い。
【0083】
例えば、現在位置から施設までの距離と右左折回数とを組み合わせたり、反対車線側の施設と営業時間と通行可の道路とを組み合わせたりして、AND演算を行って施設数を絞り込んでも良い。また、インターと施設との距離と、施設属性情報とを組み合わせ、OR演算を行っても良い。また、特定道路と施設との距離と、到達時間とを組み合わせ、AND演算を行って施設数を絞り込んだ結果に対し、優先度を組み合わせ、OR演算を行ってもよい。
【0084】
これらのように、画面上に表示されるアイコン数が多い場合は、複数のフィルタリングモードを組み合わせ、AND演算を行って施設のアイコン数を更に絞り込むと、表示が煩雑になることはないため、視認性の良好な地図表示装置が得られる。また、他のフィルタリングモードの結果に対して、優先度や施設属性情報等でOR演算を行うと、ユーザの好みの施設やランドマークになるような目立つ建物を付加することができるので、ユーザの利便性が向上した地図表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態を示す特定道路からの距離によるフィルタリングモード1のフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態を示す特定道路からの距離の計算方法の図である。
【図4】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のフィルタリング前のアイコン表示例である。
【図5】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のルート設定時の特定道路からの距離でフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図6】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のルート未設定時の特定道路からの距離でフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図7】この発明の実施の形態を示す反対車線側にある施設によるフィルタリングモード2のフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態を示す反対車線側にある施設の計算方法の図である。
【図9】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のルート未設定時の特定道路に対して反対車線側にある施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図10】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のルート未設定時の特定道路からの距離及び反対車線側にある施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図11】この発明の実施の形態を示す高速道路走行時のインターからの距離によるフィルタリングモード3のフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の高速道路走行時のインターからの距離で施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図13】この発明の実施の形態を示す現在位置から施設までの距離によるフィルタリングモード4のフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態を示す最大到達距離によるフィルタリングモードのフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の距離で施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図16】この発明の実施の形態を示す到達の複雑度によるフィルタリングモード5のフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の到達の複雑度で施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図18】この発明の実施の形態を示す到達時間によるフィルタリングモード6のフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の到達の到達時間で施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図20】この発明の実施の形態を示す施設属性情報によるフィルタリングモード7のフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の施設属性情報(例えば駐車スペース)を用いて施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図22】この発明の実施の形態を示す施設の営業時間によるフィルタリングモードのフローチャートである。
【図23】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の施設の営業時間を用いて施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図24】この発明の実施の形態を示す道路情報によるフィルタリングモード8のフローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態を示す地図表示装置の一方通行を用いて施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【図26】この発明の実施の形態を示すユーザの好みによるフィルタリングモード9のフローチャートである。
【図27】この発明の実施の形態を示す地図表示装置のユーザの好みを用いて施設をフィルタリングしたアイコン表示例である。
【符号の説明】
【0086】
1 GPS
2 自車位置測定手段
3 表示中心指定手段
4 地図表示手段
5 地図データフィルタリング手段
6 地図データ取得手段
7 地図DB(データベース)
8 地図データ探索手段
8a ルート探索手段
8b 施設探索手段
9 通信手段
10 外部データ取得手段
10a 施設属性情報取得手段
10b 道路交通情報取得手段
11 車両情報取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記現在位置と前記地図情報とを基に、走行中又は走行予定となる特定の道路と施設との距離を計算し、前記計算の結果が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項2】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記現在位置と前記地図情報とを基に、走行中又は走行予定となる特定の道路に対する施設の方向を計算し、前記計算の結果を基に反対車線側にある施設以外の施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項3】
特定の道路は、目的地までのルートに設定された道路又は、自車が位置している道路とこの道路の先にある分岐点から更にその先の分岐点までの道路である請求項1又は2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記現在位置が高速道路又は自動車専用道路を示している時に、前記地図情報を基にインターと施設との距離を計算し、前記計算の結果が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項5】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記現在位置と前記地図情報とを基に、前記現在位置から施設までの距離又は前記現在位置から施設までの右左折回数を計算し、前記計算の結果が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項6】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
車両からの燃料の残量情報及び燃費情報を取得する車両情報取得手段と、
前記現在位置と前記地図情報とを基に前記現在位置から施設までの距離を計算し、前記燃料の残量情報と前記燃費情報とを基に前記現在位置からの最大到達距離を予測し、前記最大到達距離の範囲内の施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項7】
通信手段により外部からの交通情報を取得する外部データ取得手段を更に備え、
地図データフィルタリング手段は、前記交通情報を更に用い、交通状況による燃費の変化を基に最大到達距離を予測する請求項6に記載の地図表示装置。
【請求項8】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報を記録した地図データベースと、
通信手段により外部からの交通情報及び道路情報を取得する外部データ取得手段と、
前記現在位置と前記地図情報とを基に前記現在位置から施設までの距離を計算し、前記計算の結果と前記交通情報と前記道路情報とを基に前記現在位置から施設までの到達時間を予測し、前記到達時間が所定値以下となる施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項9】
施設の属性情報を記録した地図データベースと、
通信手段により外部からの施設の属性情報を取得する外部データ取得手段とを更に備え、
地図データフィルタリング手段は、前記地図データベース又は前記外部データ取得手段からの施設の属性情報の中の営業時間を取得し、到達時間が前記営業時間の範囲内となる施設を選択する請求項8に記載の地図表示装置。
【請求項10】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報と施設の属性情報とを記録した地図データベースと、
通信手段により外部からの施設の属性情報を取得する外部データ取得手段と、
前記地図データベース又は前記外部データ取得手段からの施設の属性情報と前記現在位置とを基に所定の条件を満足する施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項11】
地図データフィルタリング手段は、
施設の属性情報として駐車場の空き、ATMの設置、トイレの設置及びイベントの開催のうち少なくとも1つを用いる請求項10に記載の地図表示装置。
【請求項12】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報と道路情報を記録した地図データベースと、
通信手段により外部からの道路情報を取得する外部データ取得手段と、
前記地図データベース又は前記外部データ取得手段からの道路情報と前記現在位置とを基に通行可能な道路を選択し、前記通行可能な道路に面した施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。
【請求項13】
地図データフィルタリング手段は、
道路情報として一方通行、右折若しくは左折禁止、通行止め及び進入禁止のうち少なくとも1つを用いる請求項12に記載の地図表示装置。
【請求項14】
自車の現在位置を求める自車位置特定手段と、
地図情報と施設表示優先度情報と施設への訪問履歴とを記録した地図データベースと、
前記現在位置と前記施設表示優先度情報と前記訪問履歴とを基に優先度の設定をし、この優先度が所定値以上の施設を選択するフィルタリングモードを有する地図データフィルタリング手段と、
この地図データフィルタリング手段で選択された施設のアイコンを地図上に表示する地図表示手段とを備えた地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−17983(P2012−17983A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286604(P2008−286604)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】