説明

地図表示装置

【課題】所定の位置の周辺に存在する施設を当該位置からの直線距離を基準に抽出し、他の基準に基づいて並べ、位置及び経路を地図画面上に表示できるようにする。
【解決手段】ジャンルを示すボタン群123を押下し、検索ジャンルとして、駅、コンビニ、銀行、郵便局、スーパーを選択する。検索ジャンル毎に検索位置アイコン111から所定距離(例.10km)以内の施設を直線距離の短い順に所定数(例.3つ)ずつ抽出する。抽出した施設を所定の基準(例.経路距離)で並べる。並べた施設を所定の順番に並べたボタン(1)、(2)、(3)に基づいて選択し、選択した施設を表すアイコン112〜116を経路112a〜116aとともに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置やユーザが指定した位置の周辺に存在する施設の位置及びその施設までの経路を地図画面上に表示できるようにした地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばカーナビゲーション装置においては、多数の施設に関する情報を記憶したデータベースから、ユーザが行きたい施設を車両の現在位置から近い順にリストアップして地図画面上に表示するという所謂最寄り施設検索機能を備えたものが提供されている。
【0003】
しかし、従来の一般的なカーナビゲーション装置における最寄り施設検索機能では、施設を車両の現在位置から近い順にリストアップする際に、現在位置と施設との間の直線距離を基準として抽出する構成となっている。
【0004】
従って、第1の施設及び第2の施設が存在し、直線距離の短い方の第1の施設が川の対岸に位置し、迂回して橋を渡らないと到達できない状況にある場合には、現在位置と第2の施設との間の経路距離(実移動距離)が現在位置と第1の施設との間の経路距離より短いにもかかわらず、直線距離の短い第1の施設が最初にリストアップされる。
【0005】
このため、リストアップされた施設の中から最も近い施設を選択しても、実際の移動距離が長くなることがある。この結果、ユーザが本当に必要とする施設を検索できないことがあり、これが実際の使用感の悪化に繋がるという問題がある。
【0006】
この問題に対処した地図表示装置として、現在位置からの直線距離を基準に抽出した施設について、現在位置から施設までの経路距離又は移動所要時間を算出して、経路距離又は移動所要時間を基準に各施設名を並べたリストを作成し、そのリスト中の施設の位置を上位のものから所定の数だけ地図画面上に表示する地図表示装置がある(特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された地図表示装置では、地図画面上に表示されるのが施設を示すアイコン及び施設のリストであるため、施設までの経路が判らないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−174273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、所定の位置の周辺に存在する施設を当該位置からの直線距離を基準に抽出し、抽出した施設を他の基準に基づいて並べ、並べた施設の位置及び経路を地図画面上に表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の地図表示装置は、所定の位置の周辺に存在する施設を検索し、地図画面上に表示する機能を有する地図表示装置であって、ユーザの入力操作に基づいて、検索する施設のジャンルを選択する手段と、当該選択されたジャンルの施設を前記位置から所定の直線距離内で抽出する手段と、前記位置から当該抽出した施設までの経路を探索する手段と、前記抽出した施設をジャンル内で所定の基準で並べる手段と、当該並べた施設のジャンル、及び当該施設を選択するための選択部材を表示する手段と、当該選択部材により選択されている施設及び当該施設までの経路を前記地図画面上に表示する手段と、を有する地図表示装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の位置の周辺に存在する施設を当該位置からの直線距離を基準に抽出し、抽出した施設を他の基準に基づいて並べ、並べた施設の位置及び経路を地図画面上に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の地図表示装置のハードウェア構成のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の地図表示装置における制御部の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の地図表示装置の基本動作のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の地図表示装置における表示画面を示す図である。
【図5】図4の表示画面における地図表示部に検索位置を示すアイコンを表示している状態を示す図である。
【図6】図4の表示画面で検索結果を表示している状態を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の地図表示装置において表示する施設をジャンル内で変更したときの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の地図表示装置において検索するジャンルを追加したときの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態の地図表示装置のハードウェア構成のブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の地図表示装置の基本動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
〈地図表示装置のハードウェア構成〉
図1は、本発明の実施形態の地図表示装置のハードウェア構成のブロック図である。この地図表示装置はPND(Personal Navigation Device)に地図表示アプリケーションプログラム(以下、地図アプリと言う)を実装することで実現することができる。
【0014】
この地図表示装置は、制御部1と、それぞれが制御部1に接続された表示部2、操作部3、GPS(Global Positioning System)受信部4、音声入出力部5、及び記憶部6を備えている。
【0015】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)1a、ROM(Read Only Memory)1b、及びRAM(Random Access Memory)1cを内蔵している。また、記憶部6には、地図情報6a、経路情報6b、及び施設情報6cが記憶されている。
【0016】
表示部2は、薄型表示装置、例えば液晶、有機EL(Electroluminescence)などのディスプレイからなり、記憶部6に記憶されている地図情報6a、経路情報6b、施設情報6cに基づいて、制御部1の制御により、地図、施設、経路などを表示する。
【0017】
操作部3は、ユーザがこの地図表示装置を使用するときに各種指令の入力を行うための手段であり、表示部2の画面上のタッチパネル、図示しない装置筐体上のボタン或いはそれらの組み合わせからなる。
【0018】
GPS受信部4は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信して演算することにより、受信点、即ちこの地図表示装置の現在位置(緯度、経度)を測定して、現在位置情報を生成する。
【0019】
音声入出力部5は、ユーザに対するガイダンス音声などを出力するためのスピーカ、ユーザによる音声の指令を入力するためのマイクロホンからなる。
【0020】
記憶部6に記憶されている地図情報6aは、表示部2に表示する地図画像を表すデータである。経路情報6bは、地図情報6aが表す地図画像に対応する領域に存在する道路ネットワークデータである。施設情報6cは、地図情報6aが表す地図画像に対応する領域に存在する各種施設(駅、学校、病院、デパート、ガソリンスタンド等)に関する情報(アイコンを含む)である。
【0021】
〈制御部の機能ブロック図〉
図2は、図1における制御部1の機能ブロック図である。図示のように、制御部1は、機能ブロック、即ちROM1bに記憶されているプログラムをCPU1aがRAM1cをワークエリアとして実行することにより実現される機能として、地図情報管理部11、経路情報管理部12、施設情報管理部13、位置設定部14、施設選択部15、及び表示処理部16を備えている。
【0022】
地図情報管理部11は、ユーザにより操作部3から指定された地図を記憶部6に記憶されている地図情報6aから読み出す手段である。
経路情報管理部12は、位置設定部14で設定された検索位置(施設を検索する際の基準位置)から施設情報管理部13により検索された施設までの経路を、記憶部6に記憶されている経路情報6bを用いて探索するとともに、探索した経路の距離及び経路の移動所要時間を出力する手段である。
【0023】
施設情報管理部13は、ユーザにより操作部3から指定されたジャンルの施設を、位置設定部14により設定された検索位置から所定の直線距離内で検索する手段である。
【0024】
位置設定部14は、施設情報管理手段13が施設を検索する際の基準位置である検索位置を設定する手段である。ここで、位置設定部14は、GPS受信部4で算出された現在位置の設定、及びユーザが操作部3から入力する任意の位置の設定が可能である。また、後者については、住所や観光地名の入力による設定、或いは検索位置を示すアイコンを表示部2に表示されている地図上の所望の位置に止める等による設定が可能である。
【0025】
施設選択部15は、施設情報管理部13により、検索位置から直線距離順に検索された複数の施設を、所定の基準(例.経路の距離、経路の移動所要時間、施設の規模)に基づいて並べ替える機能、及び並べ替えた複数の施設の内の一つを選択する機能を持つ手段である。
【0026】
表示処理部16の地図表示処理部16aは、地図情報管理部11により記憶部6から読み出された地図情報6aの地図画像データを表示部2に送出する手段である。施設情報表示処理部16cは、施設選択部15により選択された施設のアイコンの画像データを表示部2に送出する手段である。経路表示処理部16bは、経路情報管理部12により探索された複数の施設までの経路のうち、施設選択部15により選択された施設までの経路の画像データを表示部2に送出する手段である。
【0027】
なお、図示を省略したが、表示処理部16は、上記各部に加えて、経路情報管理部12により探索された複数の施設のリストを表示部2に表示させる手段も備えている。
【0028】
〈地図表示装置の基本動作〉
図3は、本実施形態の地図表示装置の基本動作のフローチャートである。このフローは、ユーザが操作部3から地図アプリを立ち上げる操作を実行したことに応じてスタートする。
【0029】
図3に示すフローがスタートすると、表示部2には図4に示す地図アプリ表示画面が表示される。図4Aに示すように、地図アプリ表示画面100は、地図表示部101、検索ジャンル入力部102、及び検索結果表示部103を備えている。
【0030】
地図表示部101には、地図表示処理部16aから送出された地図画面が表示される。また、施設検索が行われた場合は、施設情報表示処理部16cから送出された施設のアイコン、及び経路表示処理部16bから送出された経路が、地図画面上に表示される。
【0031】
図3に示すフローがスタートした時点では、地図表示部101及び検索結果表示部103には何も表示されていない。また、検索ジャンル入力部102には、図4Bに示す画像が表示されている。即ち、「最寄りの施設を検索」の文字とその枠121、「ジャンルを選択」及び「全解除」の文字122、並びにジャンルを示すボタン群123が表示されている。なお、図3に示すフローがスタートした時点で、地図表示部101、検索ジャンル入力部102、検索結果表示部103に、それぞれ、前回表示した地図又はデフォルトで設定されている地図、前回入力した検索ジャンル又はデフォルトで設定されている検索ジャンル、前回の検索結果又はデフォルトで設定されている検索結果を表示してもよい。
【0032】
図4Bにおいて、「ジャンルを選択」の文字の表示部位を押下すると、ジャンルを示すボタン群123のうち、任意の一つのボタンを押下して選択できる状態となる。そして、押下されたボタンの色が反転する。図4Cは、「ジャンルを選択」を5回押下し、その押下毎に、「駅」、「コンビニ」、「銀行」、「郵便局」、及び「スーパー」のボタンを押下した状態を示している。
【0033】
なお、「押下」とは、操作部3を用いて、図示しないカーソルなどのポインティングデバイスの位置を「ジャンルを選択」の文字の表示部位やボタン群123の所望のボタンの表示部位に合わせ、所定のキー(確定キー、エンターキー等)を押下したり、表示部2の画面上のタッチパネルを押下したりすることを意味する。
【0034】
上述したユーザの操作により、選択されたジャンルを示す情報がRAM1cに記憶され、図3のステップS1が終了する。ここでは、n=5である。なお、図4Bにおいて、「全解除」の文字の表示部位を押下すると、選択済みのジャンルが全て解除(クリア)される。
【0035】
次に、操作部3に対するユーザの操作に基づいて、検索位置の決定が行われる(ステップS2)。図4Aでは省略したが、地図アプリ表示画面100には、位置設定部14により検索位置を決定するための画像として、住所や施設名の入力欄が表示される。その入力欄にユーザが住所や施設名を入力すると、図5に示すように、入力された住所や施設を含む地図が地図表示部101に表示されるとともに、検索位置を示すアイコン(以下、検索位置アイコンと言う)111が地図の中心に表示される。なお、便宜上、地図の図示を省略した。
【0036】
この状態で所定のキー(確定キー、エンターキー等)を押下すると、検索位置アイコン111の示す位置、即ち地図表示部101に表示されている地図の中心の位置(緯度、経度)がRAM1cに記憶され、ステップS2が終了する。ここで、所定のキー(確定キー、エンターキー等)を押下する前に検索位置アイコン111を押下し、ドラッグすることで、地図の中心の位置を東西南北に移動させ、停止した後に所定のキー(確定キー、エンターキー等)を押下すれば、停止した位置が設定される。また、このようなユーザが指定した位置を設定する代わりに、GPS受信部4で算出された現在位置を設定することもできる。
【0037】
次に、施設情報管理部13が、ステップS1で決定された複数のジャンルの内の一つを選択し、そのジャンルの施設をステップS2で決定された検索位置の周辺から、複数抽出する(ステップS3)。ここで、ジャンルの選択は図4Bに示すボタン群123の左上端から行い、検索位置から周辺(半径)10km以内の施設を直線距離の近い順に最大3つ抽出する。
【0038】
次いで、経路情報管理部12が、ステップS3で抽出された各施設までの経路を探索する(ステップS4)。このステップの処理は抽出数分の回数繰り返し、実行される。
【0039】
次に、施設選択部15が、ステップS3で、直線距離の近い順に複数(ここでは3つ)抽出された施設を所定の基準に従って、並べる(ステップS5)。ここでは、経路距離を基準として、経路距離の短い順に並べている。
【0040】
次いで、施設選択部15が、ステップS5で並べた複数の施設の内の一つを選択する(ステップS6)。どのように選択するかについては後述する。
【0041】
次に、ステップS6で選択された施設のアイコン画像データ、検索位置からステップS6で選択された施設までの経路の画像データが、それぞれ施設情報表示処理部16c、経路表示処理部16bにより、表示部2に送られることで、地図アプリ表示画面100内の地図表示部101に施設のアイコンと施設までの経路が表示される(ステップS7)。
【0042】
ステップS3〜S7は、ステップS1で決定されたジャンルの数(ここでは5つ)分の回数だけ実行される。これにより、地図アプリ表示画面100に表示される画面を図6に示す。ここで、図6A、B、Cは、それぞれ地図表示部101、検索ジャンル入力部102、検索結果表示部103の表示内容を示している。図6Bに示す表示内容は図4Cの表示内容と同じである。つまり、図4Bに表示されている検索ジャンルの施設が検索され、検索結果が地図表示部101に表示されている。
【0043】
図6Aに示すように、地図表示部101には、検索位置アイコン111、施設を表すアイコン112乃至116、検索位置アイコン111から施設を表すアイコン112乃至116に至る経路112a乃至116aが表示されている。なお、便宜上、地図の表示を省略した。ここで、アイコン112、113、114、115、116は、それぞれ駅、コンビニ、銀行、郵便局、スーパーを表しており、図示を省略した地図にはそれぞれの名称(駅であれば路線名及び駅名)が表示されている。
【0044】
なお、ステップS3〜S7の1回目の実行により地図表示部101に表示されるのは、検索位置アイコン111、駅を表すアイコン112、及び検索位置アイコン111から駅を表すアイコン112までの経路112aであり、ステップS3〜S7を繰り返す毎に、順次、アイコン113及び経路113a、アイコン114及び経路114a、アイコン115及び経路115a、アイコン116及び経路116aが追加される。
【0045】
検索結果表示部103には、2段の検索結果表示欄131、132が配置されており、上の段には駅112の検索結果が、下の段にはコンビニ113の検索結果が表示されている。検索結果は、施設の名称、経路距離、移動に要する時間である。ここでは、駅112は、K電鉄M線abc駅、経路距離400m、徒歩5分である。また、コンビニは、Gマートα町支店、経路距離650m、徒歩8分である。他のジャンル(銀行、郵便局、スーパー)の検索結果は、例えば検索結果表示部103の表示内容をスクロールさせることで表示することができる。なお、ここでは検索結果表示部103に同時に表示されている検索結果表示欄の数を2としたが、この数は表示部2のサイズ、地図アプリ表示画面100のサイズ、検索結果表示部103のサイズなどに応じて増減することができる。
【0046】
検索結果表示欄131、132には、それぞれのジャンル、即ち検索結果表示欄131については駅を、検索結果表示欄132についてはコンビニを選択するためのボタン群131a、132aが配置されている。ここで、ボタン群131a、132aを構成するボタン(1)、(2)、(3)の番号は、検索位置から施設までの経路距離の近い順を表している。
【0047】
ボタン(1)、(2)、(3)を押下することで、ステップS3で抽出された3つの施設の中から所望の施設のアイコン及び経路を地図表示部101に表示することができる。デフォルトでは、図6Cに示すように、ボタン(1)が選択されているので、検索結果表示欄131、132には、それぞれ3つの駅の内、経路距離が一番近い駅、3つのコンビニの内、経路距離が一番近いコンビニが表示されている。
【0048】
〈表示する施設をジャンル内で変更したときの動作〉
図6に示す表示状態において、例えばボタン群131aのボタン(2)を押下すると、図6AにおけるK電鉄M線のabc駅及び経路の表示が消え、代わりに、二番目に近い駅及び経路が表示される。
【0049】
図7は、このときの動作、即ち表示する施設を変更したときの動作を示すフローチャートである。この図において、点線の枠で表示されているステップ(ステップS1〜S5)は、図3に示す基本動作のフローで実行され、この図のフローでは実行されないステップである。
【0050】
ボタン群131aのボタン(2)が押下されると、二番目に近い駅が選択され(ステップS11)、一番目に近い駅のアイコン112と経路112aが消去され(ステップS12)、二番目に近い駅のアイコンと経路が表示される(ステップS7)。ここでは、図6に示す状態において、ボタン群131aのボタン(2)を押下したものとして説明したが、ボタン群131aのボタン(3)を押下した場合、及びボタン群132aのボタン(2)又は(3)を押下した場合も図7に示すフローを行う。
【0051】
〈検索するジャンルを追加したときの動作〉
図8は、図6に示す表示状態において、検索するジャンルを追加した場合の動作を示すフローチャートである。即ち、図6Bにおいて、ボタン群123のうち、選択されていないジャンルである薬局、軽食、レンタルDVD、本、病院のうちの1つ以上を押下した場合に、この図のフローがスタートする。この図において、点線の枠で表示されているステップ(ステップS2)は、図3に示す基本動作のフローで実行され、この図のフローでは実行されないステップである。
【0052】
まず、ユーザによる検索ジャンルの追加操作に応じて、追加して検索するジャンルが決定される(ステップS21)。以下のステップは、図3に示す基本動作と同じである。ここで、ステップS3〜S7については追加したジャンルに対して行うので、2つのジャンルを追加した場合は2回行うことになる。
【0053】
なお、図3に示すフローでは、ステップS3〜S7を検索ジャンル毎に繰り返すように構成したが、ステップS3〜S6又はステップS3〜S5を検索ジャンル毎に繰り返し、それ以後のステップについては全ての検索ジャンルをまとめて処理するように構成することもできる。
【0054】
[第2の実施形態]
〈地図表示装置のハードウェア構成〉
図9は、本発明の第2の実施形態の地図表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この地図表示装置は、インターネットなどのネットワーク210を介して接続される端末装置200及びサーバ220と、サーバ220に接続されたデータベース230により構成される。この図において、図1、図2と対応する部分には図1、2と同じ名称が付されている。
【0055】
端末装置200はPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォンなどの通信機能及び情報処理機能を備えた装置であり、制御部201と、それぞれが制御部201に接続された表示部202、操作部203、GPS受信部204、音声入出力部205、及び通信部206を備えている。ここで、通信部206はネットワーク210を介してサーバ220と通信を行う手段である。また、その他の部分は、図1における同名の部分と同様な構成及び機能を持っている。
【0056】
制御部201は、CPU201a、ROM201b、及びRAM201cを備えており、ROM201bに記憶されているプログラムをCPU201aがRAM201cをワークエリアとして実行することにより実現される機能を示す機能ブロックとして、図示しない位置設定部及び表示処理部を備えている。この位置設定部及び表示処理部は、図2における位置設定部14及び表示処理部16と同様の機能を持っている。
【0057】
サーバ220は、通信制御部221、地図情報管理部222、経路情報管理部223、及び施設情報管理部224を備えている。通信制御部221は、ネットワーク210を介して端末装置200と通信を行う手段である。地図情報管理部222、経路情報管理部223、施設情報管理部224は、それぞれ図2における同名の部分と同様の機能を持っており、データベース230の地図情報DB(データベース)231、経路情報DB232、施設情報DB233に接続される。地図情報DB231、経路情報DB232、施設情報DB233には、図1における記憶部6と同様、地図情報、経路情報、施設情報が記憶されている。
【0058】
〈地図表示装置の基本動作〉
図10は、本実施形態の地図表示装置の基本動作のフローチャートである。
図示のように、端末装置200においては、第1の実施形態における地図表示装置と同様、検索ジャンルの決定(ステップS101)及び検索位置の決定(ステップS102)を行う。次に、検索位置と検索ジャンルをサーバ220へ送信する(ステップS103)。
【0059】
サーバ220は、検索位置と検索ジャンルを受信し(ステップS104)、周辺10kmの施設の抽出(ステップS105)、経路探索(ステップS106)、及び経路距離の短い順に並べること(ステップS107)を順次行う。ここで、ステップS105〜S107は、検索ジャンル数分の回数だけ実行される。なお、ステップS107については端末装置200が実行してもよい。
【0060】
次いで、サーバ220は、経路、経路距離、所要時間、施設情報、及びアイコンを端末装置200へ送信する(ステップS108)。端末装置200は、経路、経路距離、所要時間、施設情報、及びアイコンを受信し(ステップS109)、検索ジャンル毎に一つの施設を選択し(ステップS110)、その施設のアイコンと経路を表示部202の地図上に表示する(ステップS111)。表示される画像は第1の実施形態(図6)と同じである。
【0061】
本実施形態において、表示する施設をジャンル内で変更したときの動作フローは、第1の実施形態(図7)と同様である。また、検索するジャンルを追加したときの動作フローは、図10のステップS101を図8のステップS21で置き換えたものとなる。
【0062】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態の地図表示装置は、下記(1)〜(3)の特徴を備えている。
(1)現在位置やユーザが指定した位置から所定の直線距離内で複数抽出した施設を所定の基準(経路距離が最短、所要時間が最短、規模が最大)に基づいて並べ、並べた施設の位置及びその施設までの経路を地図画面上に表示することができる。
(2)所定の基準に基づいてジャンル毎に並べた施設に対して、並べた施設のジャンル、及び施設を選択するための選択部材である選択ボタン群を表示するとともに、ユーザによる選択ボタンの押下に基づいて、表示する施設を決定することができる。
(3)複数のジャンルの施設を同時に検索し、検索した施設までの経路を表示することができる。
【符号の説明】
【0063】
1,201…制御部、2,202…表示部、3,203…操作部、11,222…地図情報管理部、12,223…経路情報管理部、13,224…施設情報管理部、14…位置設定部、15…施設選択部、16…表示処理部、16a…地図表示処理部、16b…経路表示処理部、16c…施設情報表示処理部、111…検索位置アイコン、112〜116…施設を表すアイコン、112a〜116a…経路、123…ジャンルを示すボタン群、131a,132a…施設を選択するためのボタン群。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置の周辺に存在する施設を検索し、地図画面上に表示する機能を有する地図表示装置であって、
ユーザの入力操作に基づいて、検索する施設のジャンルを選択する手段と、
当該選択されたジャンルの施設を前記位置から所定の直線距離内で抽出する手段と、
前記位置から当該抽出した施設までの経路を探索する手段と、
前記抽出した施設をジャンル内で所定の基準で並べる手段と、
当該並べた施設のジャンル、及び当該施設を選択するための選択部材を表示する手段と、
当該選択部材により選択されている施設及び当該施設までの経路を前記地図画面上に表示する手段と、
を有する地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された地図表示装置において、
前記ジャンルを選択する手段は、複数のジャンルの選択が可能であり、前記抽出する手段は、選択された複数のジャンル毎に複数の施設を抽出する地図表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された地図表示装置において、
前記所定の基準は、前記経路の距離又は前記経路の移動所要時間である地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−57606(P2013−57606A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196543(P2011−196543)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】