説明

地域情報提示サーバ及び地域情報提示方法

【課題】特定の地域に関する評判情報について、意味的な階層構造を用いて表示順序を決定することにより、網羅的に評判情報を提示することを目的とする。
【解決手段】本発明の地域情報提示サーバは、施設又は地域に関連する評判情報を収集する評判情報収集部;評判情報の意味的な階層構造を格納する評判オントロジ格納部;指定された位置に関連する評判情報を取得する評判情報取得部;前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造のうち所定の階層で、前記評判情報取得部により取得された評判情報を集約する評判情報集約部;及び所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、所定の階層における評判情報の表示順序を決定する表示順序決定部;を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域情報提示サーバ及び地域情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW:World Wide Web)上の情報であるウェブページにおいて、関連する地域を特定し、例えばユーザの現在地に関するウェブページをユーザに提示する地図ログと呼ばれる地域情報提示システムが知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
また、ユーザによって指定された検索語に関連する評判情報を自動的に検索し、評判情報らしさの順にユーザに提示するシステムがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−175330号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】地図ログ(http://www.chizulog.com)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の地図ログでは、特定の施設及び店舗に関するクチコミ情報が地図上に表示される。しかし、クチコミ情報が大量にある場合には、ユーザが全てのクチコミ情報を網羅的に閲覧することが困難である。特にユーザが携帯電話でウェブページを閲覧する場合には、小さい画面サイズの制約により、ユーザがクチコミ情報を網羅的に閲覧することが更に困難になる。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、特定の地域に関する評判情報について、意味的な階層構造を用いて表示順序を決定することにより、網羅的に評判情報を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の地域情報提示サーバは、
施設又は地域に関連する評判情報を収集する評判情報収集部;
評判情報の意味的な階層構造を格納する評判オントロジ格納部;
指定された位置に関連する評判情報を取得する評判情報取得部;
前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造のうち所定の階層で、前記評判情報取得部により取得された評判情報を集約する評判情報集約部;及び
所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、所定の階層における評判情報の表示順序を決定する表示順序決定部;
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の地域情報提示方法は、
施設又は地域に関連する評判情報を提示する地域情報提示サーバにおける地域情報提示方法であって:
施設又は地域に関連する評判情報を評判情報格納部に収集するステップ;
評判情報の意味的な階層構造を評判オントロジ格納部に格納するステップ;
指定された位置に関連する評判情報を前記評判情報格納部から取得するステップ;
前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造のうち所定の階層で、指定された位置に関連する評判情報を集約するステップ;及び
所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、所定の階層における評判情報の表示順序を決定するステップ;
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例によれば、特定の地域に関する評判情報を網羅的に提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る地域情報提示システムの全体構成を示す図
【図2】本発明の実施例に係る地域情報提示サーバ及びユーザ端末の構成図
【図3】住所・駅−緯度経度格納部に格納される情報の一例を示す図
【図4】施設情報格納部に格納される情報の一例を示す図
【図5】評判オントロジと評判語との関係を示す図
【図6】評判オントロジ格納部に格納される情報の一例を示す図
【図7】評判情報格納部に格納される情報の一例を示す図
【図8】表示画面の分割例を示す図
【図9】表示順序決定部で決定された表示順序の一例を示す図
【図10】本発明の実施例に係る地域情報提示方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例について、図面を参照して以下に説明する。
【0013】
本発明の実施例では、評判情報の意味的な階層構造を用いて、指定された位置に関連する評判情報が提示される。例えば、ユーザ端末の現在地を中心とする所定の範囲内の評判情報が取得され、評判情報の意味的な階層構造のうち所定の階層で評判情報が集約される。所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、評判情報の表示順序が決定される。例えば、上位の階層に含まれる評判情報の中で、評判情報の出現数が多い順に表示順序が決定されてもよく、上位の階層で見たときにまんべんなく評判情報が表示されるように表示順序が決定されてもよく、意味的に遠い評判情報が順に表示されるように表示順序が決定されてもよい。また、集約された評判情報の出現数に基づいて、強調表示レベルが決定されてもよい。
【0014】
<地域情報提示システムの構成>
図1に、本発明の実施例に係る地域情報提示システムの全体構成を示す。地域情報提示システムは、ユーザ端末10及び地域情報提示サーバ20を含む。ユーザ端末10と地域情報提示サーバ20とは、ネットワークを介して接続されている。また、地域情報提示サーバ20は、データベース群を含む。
【0015】
ユーザ端末10は、携帯電話又はコンピュータのような、ネットワークに接続された装置である。ユーザは、ユーザ端末10において評判情報を検索する対象となる位置(現在地、住所、駅名、ランドマーク名等)を取得又は入力する。取得又は入力された位置は、地域情報提示サーバ20に送信される。
【0016】
地域情報提示サーバ20は、ユーザ端末10で取得又は入力された位置を取得し、位置に関連する評判情報を取得する。更に、評判情報の意味的な階層を用いて、評判情報を集約し、集約された評判情報の出現数に基づいて、評判情報の表示順序を決定する。この情報は、ユーザ端末10に送信され、ユーザ端末10の表示部に表示される。
【0017】
図2に、本発明の実施例に係る地域情報提示サーバ及びユーザ端末の構成図を示す。ユーザ端末10は、測位部101、住所・駅名指定部103、評判語指定部105、施設ジャンル指定部107及び表示部109を含む。地域情報提示サーバ20は、位置取得部201、地図取得部203、検索条件取得部205、評判情報収集部207、評判情報取得部209、評判情報集約部211、表示順序決定部213及び表示強調度決定部215を含む。また、地域情報提示サーバ20は、データベース群30として、住所・駅−緯度経度格納部301、地図情報格納部303、施設情報格納部305、評判オントロジ格納部307及び評判情報格納部309を含む。
【0018】
測位部101は、ユーザ端末10の位置を取得する。ユーザ端末10の位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)のような測位デバイスを用いて取得される。ユーザ端末10の位置は、地域情報提示サーバ20の位置取得部201に送信される。ユーザ端末10の位置が緯度・経度で取得される場合、ユーザ端末10の位置は地図取得部203に送信されてもよい。
【0019】
住所・駅名指定部103は、施設又は地域に関連する評判情報を提示する位置としてユーザ端末10に入力された住所又は駅名を受け取る。住所・駅名指定部103は、住所及び駅名に限らず、ランドマーク名のような施設名又は地名を受け取ってもよい。入力された住所又は駅名は、地域情報提示サーバ20の位置取得部201に送信される。
【0020】
位置取得部201は、ユーザ端末10で取得又は入力された位置の緯度・経度を取得する。位置が住所又は駅名で指定された場合、位置取得部201は、住所・駅−緯度経度格納部301を参照して、指定された住所又は駅名に対応する緯度・経度を取得し、地図取得部203及び評判情報取得部209に送信する。位置がランドマーク名で指定された場合も同様に、位置取得部201は、指定されたランドマーク名に対応する緯度・経度を取得し、地図取得部203及び評判情報取得部209に送信する。
【0021】
住所・駅−緯度経度格納部301は、住所又は駅名と緯度・経度との対応関係を格納する。図3に、住所・駅−緯度経度格納部301に格納される情報の一例を示す。なお、住所及び駅名に限らず、ビル名、ランドマーク名等の情報が住所・駅−緯度経度格納部301に格納されてもよい。
【0022】
地図取得部203は、緯度・経度を受信し、受信した緯度・経度を中心として、所定の範囲内の地図データを地図情報格納部303から取得する。また、地図情報取得部203は、取得した地図データをユーザ端末10の表示部109に送信する。
【0023】
地図情報格納部303は、地図データを格納する。地図データには、緯度・経度が付与されている。
【0024】
評判語指定部105は、施設又は地域に関連する評判情報を検索する条件として、ユーザ端末10に入力された評判語を受け取り、地域情報提示サーバ20の検索条件取得部205に送信する。
【0025】
施設ジャンル指定部107は、施設又は地域に関連する評判情報を検索する条件として、ユーザ端末10に入力された施設ジャンルを受け取り、地域情報提示サーバ20の検索条件取得部205に送信する。
【0026】
検索条件取得部205は、評判語及び施設ジャンルのような評判情報を検索する条件を取得し、評判情報取得部209に送信する。
【0027】
施設情報格納部305は、施設に関連する情報として、施設ID、施設名、施設ジャンル及び緯度・経度を格納する。図4に、施設情報格納部に格納される情報の一例を示す。施設IDは、施設を一意に特定する識別子である。施設名は、店舗名等の施設の名称である。施設ジャンルは、「飲食店」、「ショッピング」、「観光」のような施設の種別を表す。なお、施設は店舗に限定されず、観光地、ビル、特定の地域等を含んでもよい。
【0028】
評判オントロジ格納部307は、評判語の意味的な階層構造を格納する。図5に、評判オントロジと評判語との関係を示す。評判オントロジは、評判語を意味的に抽象化した概念を、上位−下位関係を示す木構造で表現したものである。例えば、「雰囲気が良い」という概念は、「センスが良い」という概念と、「高級感漂う」という概念とを包含する。「センスが良い」という概念は、「おしゃれ」という評判語と、「かっこいい」という評判語と、「センスが良い」という評判語とを抽象化した概念である。なお、図5の評判オントロジは、上位の階層にある第1階層(「雰囲気が良い」、「女性向き」)と、下位の階層にある第2階層(「センスが良い」、「高級感漂う」、「ヘルシー」、「美容に効く」)とから構成されるが、階層の数は2つに限定されず、如何なる数の階層が定義されてもよい。
【0029】
このような評判オントロジが事前に作成され、評判オントロジ格納部307に格納される。図6に、評判オントロジ格納部307に格納される情報の一例を示す。評判オントロジ格納部307は、評判語の意味的な階層構造として、第1階層ID、第1階層名称、第2階層ID、第2階層名称及び評判語IDを格納する。第1階層IDは、第1階層の概念を一意に特定する識別子である。第1階層名称は、第1階層の名称である。第2階層IDは、第2階層の概念を一意に特定する識別子である。第2階層名称は、第2階層の名称である。評判語IDは、第1階層及び第2階層に含まれる評判語を一意に特定する識別子である。
【0030】
評判情報格納部309は、施設に関連する評判情報として、評判語ID、施設ID、評判語及び評判数を格納する。図7に、評判情報格納部309に格納される情報の一例を示す。評判語IDは、評判語を一意に特定する識別子である。評判数は、施設と評判語との組み合わせが出現した数を表す。評判情報は、以下に説明するように評判情報収集部207により収集されてもよく、ユーザにより入力されてもよい。
【0031】
評判情報収集部207は、施設情報格納部309から施設名を取得し、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)上に公開された情報から、当該施設に関連する評判語を収集する。例えば、一部のサイトでは、各施設の評判情報をWEB API形式で公開しており、施設に関連する評判語を取得できる。また、例えば、WWW上に公開されたブログから、単語間の係り受け関係を特定することで、施設名を説明する形容詞を評判語として収集する。収集した評判語と同一の評判語が評判情報格納部309に存在しない場合には、新たに評判語IDを発行する。次に、施設を示す施設IDと収集された評判語との組み合わせが既に評判情報格納部309に存在する場合には、評判情報格納部309の評判数を1だけ増やす。一方、そのような組み合わせが評判情報格納部309に存在しない場合には、新たに評判語ID、施設ID、評判語を評判情報格納部309に追加し、評判数を1に設定する。なお、評判数は、ユーザによる支持・不支持によって増減してもよい。例えば、各評判語に対してユーザが支持する場合に、点数を加算して評判数を増やしてもよく、ユーザ自身へ点数を付けることにより、評判語を書き込んだユーザの点数を加算して評判数を増やしてもよい。
【0032】
評判情報取得部209は、位置取得部201で取得された緯度・経度を中心として、所定の範囲内に存在する施設の施設IDを施設情報格納部305から取得する。施設IDを取得する所定の範囲は、ユーザ端末10の表示部109の画面に表示可能な範囲でもよい。このため、地域情報提示サーバ20は、ユーザ端末10の表示部109の画面に表示可能な範囲に関する情報を取得してもよい。このようにして、ユーザ端末10の現在地又は入力された住所、駅名若しくはランドマーク名を中心として、所定の範囲内に存在する施設の情報が取得される。そして、各施設IDに関連する評判語と評判数とを評判情報格納部309から取得する。
【0033】
施設ジャンルが検索条件として指定されている場合には、評判情報取得部209は、検索条件取得部205で取得された検索条件を満たす施設の施設IDを施設情報格納部305から取得する。そして、各施設IDに関連する評判語と評判数とを評判情報格納部309から取得する。
【0034】
評判語が検索条件として指定されている場合には、評判情報取得部209は、検索条件取得部205で取得された検索条件の評判語を含む評判語IDを評判情報格納部309から取得する。そして、取得された評判語IDの上位の概念を評判オントロジ格納部307から取得し、当該上位の概念に含まれる他の評判語及び評判数も取得する。例えば、検索条件取得部205で取得された検索条件を含む評判語IDの第2階層IDと、当該第2階層IDに関連付けられた評判語IDとを評判オントロジ格納部307から取得する。そして、取得された評判語IDに関連付けられた施設ID及び評判数を評判情報格納部309から取得する。最後に、取得した評判語ID、施設ID及び評判数を評判情報集約部211に送信する。なお、この例では、第2階層IDで他の評判語IDを取得しているが、如何なる階層で評判語IDを取得してもよい。
【0035】
評判情報集約部211は、位置取得部201で取得された緯度・経度を中心として、所定の範囲内に存在する施設の評判語ID及び評判数を集約する。評判情報集約部211は、評判オントロジ格納部307に格納された階層構造のうち所定の階層で評判語ID及び評判数を集約する。例えば、所定の範囲内に施設ID:S001が含まれる場合、第2階層ID:H2−001に含まれる評判語ID:R001の評判数2と、評判語ID:R002の評判数1と、評判語ID:R003に含まれる評判数1とを加算し、第2階層ID:H2−001の評判数を求める。所定の階層(第2階層)で集約された評判数は、施設名と共に、表示順序決定部213及び表示強調度決定部215に送信される。
【0036】
例えば、評判情報集約部211は、位置取得部201で取得された緯度・経度を原点として、所定数の象限に表示画面を分割し、象限毎に評判語ID及び評判数を集約してもよい。図8に、表示画面の分割例を示す。図8では、位置取得部201で取得された緯度・経度を中心として、4つの線分で第1〜第4象限を定義しているが、道路や線路等に沿って表示画面を分割してもよい。例えば、特定の国道の右側及び左側で象限を定義してもよい。また、表示画面を分割しなくてもよい。表示画面を分割しない場合、画面全体が1つの象限で構成される。
【0037】
表示順序決定部213は、評判情報集約部211において所定の階層(第2階層)で集約された評判数を受信し、評判数に基づいて所定の階層(第2階層)の表示順序を決定する。例えば、表示順序決定部213は、上位の階層(第1階層)で見たときにまんべんなく評判情報が表示されるように評判情報を決定してもよい。より具体的には、図9を参照して以下に説明するように、第2階層IDに対応する第1階層IDを評判オントロジ格納部307から取得する。そして、第1階層ID毎に評判数が多い順に第2階層IDをソートし、各第1階層IDから1つずつ第2階層IDを取得し、表示順位を割り振る。或いは、表示順序決定部213は、意味的に遠い第1階層IDから順に第2階層IDを取得し、表示順位を割り振ってもよい。また、集約された評判語IDのうち、評判数が多い順に表示順位を割り振ってもよい。なお、表示画面が象限に分割される場合には、表示順序決定部213は、象限毎に表示順序を決定する。決定された表示順位は、象限、第2階層名称、評判数、施設名と共に、ユーザ端末10の表示部109に送信される。
【0038】
図9に、表示順序決定部213で決定された表示順序の一例を示す。評判情報集約部211において、第2階層ID:H2−001の評判数が12であり、第2階層ID:H2−002の評判数が20であり、第2階層ID:H2−003の評判数が3であると集約されたことを想定する。まず、第1階層IDについて、評判数の多い順に第2階層IDをソートし、第1階層ID:H1−001の第2階層IDは、H2−002、H2−001の順に表示順位が割り振られる。第1階層ID:H1−002の第2階層IDは1つであるため、ソートする必要はない。次に、第1階層IDの若い順に、各第1階層IDから1つずつ第2階層IDを取得する。この場合、第1階層IDの若いH1−001から第2階層ID:H2−002を第1順位として決定する。更に、次の第1階層ID:H1−002から第2階層ID:H2−003を第2順位として決定する。最後に、次の第1階層ID:H1−001から第2階層ID:H2−001を第3順位として決定する。
【0039】
意味的に遠い第1階層から順に第2階層IDを取得し、表示順位を割り振る場合には、例えば、第1階層の上に第0階層を定義し、第0階層に意味的な近さを定義してもよい。第0階層から意味的に遠い評判語が順に表示されるように、第1階層IDを順に選択し、選択された第1階層IDの中から評判数の多い第2階層IDを1つずつ取得し、表示順位を割り振る。例えば、第1階層の意味的な近さがH1−001、H1−002、H1−003、H1−004であると定義されている場合、H1−001、H1−004、H1−002、H1−003の順に1つずつ第2階層IDを取得し、表示順位を割り振ってもよい。
【0040】
評判数が多い順に表示順位を割り振る場合には、第1階層IDを考慮することなく、H2−002、H2−001、H3−003の順に表示順位が決定される。
【0041】
なお、上記の例では、第2階層で評判数を集約しているが、評判数を集約する階層は、ユーザ端末10により指定されてもよい。
【0042】
表示強調度決定部215は、評判情報集約部211から第2階層名称(又は第2階層ID)及び評判数を受信し、評判を表示する際の強調表示レベルを決定する。例えば、全ての第2階層IDの中での評判数の最大数をRepMAXとする。その上で、RepMAXに対する各第2階層IDの評判数の比率を次の式(1)により算出する。
【0043】
評判数比率(ID)=第2階層IDの評判数/RepMAX (1)
算出された評判数比率に基づいて、表示強調度決定部215は、強調表示レベルを決定する。例えば、評判数比率が0.8以上であれば、赤色で強調表示をしてもよく、0.3以上0.8未満であれば、黄色で強調表示をしてもよく、0.3未満であれば青色で強調表示をしてもよい。決定された強調表示レベルは、ユーザ端末10の表示部109に送信される。
【0044】
表示部109は、地図取得部203から地図データを受信し、画面に表示する。更に、表示順序決定部213から表示する象限、第2階層名称、評判数及び表示順序を受信し、各象限に表示順序が若い順に第2階層名称を表示する。また、表示強調度決定部215から強調表示レベルを受信し、表示レベルを変更する。表示した第2階層名称をユーザが選択した場合には、表示部109は、第2階層に関連付けられた施設名を表示する。
【0045】
第2階層名称が複数ある場合には、表示部109は、単純に第2階層名称を順番にリスト形式で表示してもよいし、第2階層名称が含まれる吹き出しを順番に表示してもよい。また、第2階層名称が含まれる複数の雲を順番に回転させながら表示しても良い。
【0046】
また、表示部109は、地図データを画面上に表示するかわりに、カメラで取得した実空間の写真画像を画面に表示しても良い。その上で、ユーザがユーザ端末をかざした方角に存在する施設の第2階層名称を表示しても良い。これにより、拡張現実(Augmented Reality)として、実空間の写真画像上に施設評判情報を提供することができる。
【0047】
<地域情報提示システムの動作>
図10に、本発明の実施例に係る地域情報提示方法のフローチャートを示す。
【0048】
まず、地域情報提示サーバ20は、各施設の評判情報を収集する(ステップS101)。具体的には、評判情報収集部207が、施設情報格納部309から施設名を取得し、WWW上に公開された情報から、当該施設に関連する評判語を収集する。例えば、一部のサイトでは、各施設の評判情報をWEB API形式で公開しており、施設に関連する評判語を取得できる。また、例えば、WWW上に公開されたブログから、単語間の係り受け関係を特定することで、施設名を説明する形容詞を評判語として収集する。収集した評判語と同一の評判語が評判情報格納部309に存在しない場合には、新たに評判語IDを発行する。次に、施設を示す施設IDと収集された評判語との組み合わせが既に評判情報格納部309に存在する場合には、評判情報格納部309の評判数を1だけ増やす。一方、そのような組み合わせが評判情報格納部309に存在しない場合には、新たに評判語ID、施設ID、評判語を評判情報格納部309に追加し、評判数を1に設定する。なお、上記のように、ユーザの支持による加点又はユーザ自身への加点をすることで、評判数を増やしてもよい。
【0049】
次に、ユーザが検索条件を設定する(ステップS103)。具体的には、ユーザ端末10により位置及び検索条件を指定する。現在地を指定する場合には、測位部101でユーザ端末10の位置を取得する。住所、駅名又はランドマーク名を指定する場合には、住所・駅名指定部103で入力された住所、駅名又はランドマーク名を取得する。入力された住所、駅名又はランドマーク名は、住所・駅−緯度経度格納部301を参照して、入力された住所、駅名又はランドマーク名に対応する緯度・経度を取得する。また、ユーザは、検索条件として施設ジャンル又は評判語を指定できる。施設ジャンルについては、所定の施設ジャンル(「飲食店」、「ショッピング」、「観光」等)からユーザが閲覧したい施設ジャンルが選択されてもよい。評判語については、ユーザが閲覧したい評判語がフリーワードとして入力されてもよい。これらの検索条件は、評判情報取得部209に送信される。
【0050】
次に、地域情報提示サーバ20は、地図情報を取得する(ステップS105)。具体的には、地図取得部203が、ユーザ端末10により指定された緯度・経度を受信し、受信した緯度・経度を中心として、所定の範囲内の地図データを地図情報格納部303から取得する。地図データは、ユーザ端末10の表示部109に送信される。
【0051】
次に、地域情報提示サーバ20は、評判情報を取得する(ステップS107)。具体的には、評判情報取得部209は、検索条件を満たす評判語ID、施設ID及び評判数を取得する。まず、評判情報取得部209は、位置取得部201で取得された緯度・経度を中心として、所定の範囲内に存在する施設の施設IDを施設情報格納部305から取得する。そして、各施設IDに関連する評判語と評判数とを評判情報格納部309から取得する。施設ジャンルが検索条件として指定されている場合には、検索条件取得部205で取得された検索条件を満たす施設の施設IDを施設情報格納部305から取得する。そして、各施設IDに関連する評判語と評判数とを評判情報格納部309から取得する。評判語が検索条件として指定されている場合には、検索条件取得部205で取得された検索条件の評判語を含む評判語IDを評判情報格納部309から取得する。更に、取得された評判語IDの第2階層IDと、第2階層IDに関連付けられた評判語IDとを評判オントロジ格納部307から取得する。そして、取得された評判語IDに関連付けられた施設ID及び評判数を評判情報格納部309から取得する。取得した評判語ID、施設ID及び評判数は、評判情報集約部211に送信される。
【0052】
次に、地域情報提示サーバ20は、評判情報を集約する(ステップS109)。具体的には、評判情報集約部211が、位置取得部201で取得された緯度・経度を中心として、所定の範囲内に存在する施設の評判語ID及び評判数を集約する。例えば、位置取得部201で取得された緯度・経度を原点として、4つの象限に表示画面を分割し、象限毎に評判語ID及び評判数を集約してもよい。所定の階層で集約された評判数は、表示順序決定部213及び表示強調度決定部215に送信される。
【0053】
次に、地域情報提示サーバ20は、評判情報の表示順序を決定する(ステップS111)。具体的には、表示順序決定部213が、評判情報集約部211において所定の階層(第2階層)で集約された及び評判数を受信し、評判数に基づいて所定の階層(第2階層)の表示順序を決定する。例えば、第2階層IDに対応する第1階層IDを評判オントロジ格納部307から取得する。そして、第1階層ID毎に評判数が多い順に第2階層IDをソートし、各第1階層IDから1つずつ第2階層IDを取得し、表示順位を割り振る。決定された表示順位は、象限、第2階層名称、評判数、施設名と共に、ユーザ端末10の表示部109に送信される。
【0054】
なお、地域情報提示サーバ20は、評判を表示する際の強調表示レベルを決定してもよい。具体的には、表示強調度決定部215が、評判情報集約部211から第2階層名称(又は第2階層ID)及び評判数を受信し、評判を表示する際の強調表示レベルを決定する。例えば、評判数比率を用いて強調表示レベルを決定する。決定された強調表示レベルは、ユーザ端末10の表示部109に送信される。
【0055】
最後に、ユーザ端末10は、評判を表示する(ステップS113)。具体的には、表示部109が、地図取得部203から地図データを受信し、画面に表示する。更に、表示順序決定部213から表示する象限、第2階層名称、評判数及び表示順序を受信し、各象限に表示順序が若い順に第2階層名称を表示する。また、表示強調度決定部215から強調表示レベルを受信し、表示レベルを変更する。表示した第2階層名称をユーザが選択した場合には、表示部109は、第2階層に関連付けられた施設名を表示する。
【0056】
このように、本発明の実施例によれば、特定の地域に関する評判情報について、意味的な階層構造を用いて表示順序が決定され、網羅的に評判情報を提示できる。表示順序決定部213において、所定の階層(第2階層)より上位の階層(第1階層)で所定の階層毎に1つずつ評判語IDが選択されるため、上位の階層で見たときにまんべんなく評判語が提示できる。ユーザが適切な評判語を思いつかない場合でも、類似の評判語を網羅的に閲覧できる。
【0057】
更に、強調表示度決定部215において強調表示レベルを決定することにより、ユーザは、評判の出現頻度を直感的に把握できる。
【0058】
また、評判オントロジ格納部307において意味的な近さを定義することにより、意味的に遠い評判語が順に表示できる。このようにすることで、地域に関する評判情報を網羅的に提示できる。
【0059】
また、評判情報収集部207においてWWW上に公開された情報が収集できるため、クチコミや体験談のような直感的な表現で評判情報を収集できる。
【0060】
また、測位部101でユーザの現在地がわかるため、検索条件を入力しなくても、地域に関する評判情報を提示できる。
【0061】
一方、住所・駅名指定部103において住所、駅名又はランドマーク名の入力を指定可能にすることにより、ユーザは、任意の地域に関する評判情報を住所、駅名又はランドマーク名といった表現で閲覧できる。
【0062】
また、評判情報集約部211において、ユーザ端末の現在地を原点とする線によりユーザ端末の画面に表示可能な範囲を分割し、分割された範囲毎に評判情報を集約することで、ユーザの現在地を中心に、どの方向に何があるかを提示できる。このため、ユーザは、目的の場所により速く直感的に到達できる。
【0063】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々の変更及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 ユーザ端末
20 地域情報提示サーバ
30 データベース群
101 測位部
103 住所・駅名指定部
105 評判語指定部
107 施設ジャンル指定部
109 表示部
201 位置取得部
203 地図取得部
205 検索条件取得部
207 評判情報収集部
209 評判情報取得部
211 評判情報集約部
213 表示順序決定部
215 表示強調度決定部
301 住所・駅−緯度経度格納部
303 地図情報格納部
305 施設情報格納部
307 評判オントロジ格納部
309 評判情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設又は地域に関連する評判情報を収集する評判情報収集部;
評判情報の意味的な階層構造を格納する評判オントロジ格納部;
指定された位置に関連する評判情報を取得する評判情報取得部;
前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造のうち所定の階層で、前記評判情報取得部により取得された評判情報を集約する評判情報集約部;及び
所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、所定の階層における評判情報の表示順序を決定する表示順序決定部;
を有する地域情報提示サーバ。
【請求項2】
指定された検索条件を取得する検索条件取得部;
を更に有し、
前記評判情報取得部は、前記評判情報収集部により収集された評判情報のうち、前記検索条件取得部により取得された条件を満たす評判情報を取得する、請求項1に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項3】
集約された評判情報の出現数に基づいて、強調表示レベルを決定する表示強調度決定部;
を更に有する、請求項1又は2に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項4】
前記表示順序決定部は、前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造の意味的な近さを考慮し、意味的に遠い評判情報が順に表示されるように表示順序を決定する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項5】
ユーザ端末の現在地を取得する位置取得部;
を更に有し、
前記評判情報取得部は、ユーザ端末の現在地を中心とする所定の範囲内の評判情報を取得する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項6】
ユーザ端末の画面に表示可能な範囲に関する情報を取得する画面表示情報取得部;
を更に有し、
前記評判情報取得部は、ユーザ端末の画面に表示可能な範囲且つユーザ端末の現在地を中心とする所定の範囲内の評判情報を取得する、請求項5に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項7】
前記評判情報集約部は、ユーザ端末の現在地を原点とする線によりユーザ端末の画面に表示可能な範囲を分割し、分割された範囲毎に評判情報を集約する、請求項6に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項8】
住所、駅又はランドマークの位置情報を格納する住所・駅・ランドマーク情報格納部;
を更に有し、
前記評判情報取得部は、指定された住所、駅名又はランドマーク名に基づいて、指定された位置に関連する評判情報を取得する、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項9】
前記検索条件指定部は、検索条件として指定された評判情報を取得し、
前記評判情報取得部は、指定された評判情報が含まれる、前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造の所定の階層に存在する評判情報を取得する、請求項2乃至8のうちいずれか1項に記載の地域情報提示サーバ。
【請求項10】
施設又は地域に関連する評判情報を提示する地域情報提示サーバにおける地域情報提示方法であって:
施設又は地域に関連する評判情報を評判情報格納部に収集するステップ;
評判情報の意味的な階層構造を評判オントロジ格納部に格納するステップ;
指定された位置に関連する評判情報を前記評判情報格納部から取得するステップ;
前記評判オントロジ格納部に格納された階層構造のうち所定の階層で、指定された位置に関連する評判情報を集約するステップ;及び
所定の階層より上位の階層に含まれる評判情報の中で、集約された評判情報の出現数に基づいて、所定の階層における評判情報の表示順序を決定するステップ;
を有する地域情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−145879(P2011−145879A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5990(P2010−5990)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】