Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
地山の変位検知装置
説明

地山の変位検知装置

【課題】簡易な構造のもので地山の変位をリアルタイムに検知し監視できる地山の変位検知装置を提供する。
【解決手段】地山12の変位を検知する変位検知装置20であって、ボアホール22内にボアホール22の入り口22aから奥部方向に予め定められた間隔をおいて設けられる複数の変位計測点箇所にそれぞれ定着され地山12の変位を検知する複数の変位センサー24〜24と、変位センサー24〜24に接続され各変位センサー24〜24の検知信号を各変位センサーごとに取り出す信号ケーブル26と、信号ケーブル26に接続され各変位センサー24〜24ごとに該変位センサーの検知信号を受けて各変位計測点箇所のボアホール22の入り口22aからの距離を変位発生深度として表示する変位深度表示部28とを備える構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地山の変位検知装置に関し、さらに詳しくは、トンネルや坑道などの地下空間を掘削する際に、切羽前方の地山で生じる変位を検知する簡易型の変位検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルなどの地下空間を掘削する際の地山の変位には、切羽前方地山コアのトンネル軸方向の変形である押出し変位、切羽前方地山のトンネル中心方向への変形である先行変位、切羽通過後の地山のトンネル断面形状に対するトンネル中心方向への変形である内空変異がある。
【0003】
NATM工法では、地山変位の制御を目的としたコンクリート吹付けとロックボルトやケーブルボルトの打設を行う。切羽前方の地山の補強工法には、固結剤注入、先受けボルト打設、鏡ボルト打設等がある。これらの地山補強による効果を把握し、工事の安全性を確保するため、トンネル支保に発生する応力状況、深度方向の地山変位状況を計測するための変位計測装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この種の変位計測装置は、トンネルの切羽にその進行方向に沿い削孔されたボアホール内に設置固定される複数の変位ロッドと、ボアホール内に設置固定されるケーシングに、変位ロッドを介して伝達される地山の変位を検出し、その変位量を電気信号に変換する変位検出部、及び変位検出部から出力される電気信号を変位データとして記録する記録部を収納した変位記録計とから構成されている。
このような変位計測装置において、切羽の進行に伴い切羽前方の地山が変位すると、ボアホールの形状が変化して変位ロッドが変位する。この変位は変位検出部で検出され、記録部に経時的に記録される。そして、掘削機械によるトンネルの掘削に伴い、その切羽が変位記録計の設置箇所近傍に達したならば、掘削を停止して変位記録計を回収し、その記録部に記録されている地山の変位データを分析する。この分析結果に基づいて、切羽前方の地山に適切な補強対策を施すことにより、切羽前方コアの変形をコントロールすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−316117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の変位計測装置では、変位記録計を回収して記録部に記録されている地山の変位データを分析するまで、切羽前方の地山の変位状態を把握することができない。そのため、トンネルの掘削中に地山の変位をリアルタイムに監視することができず、しかも、ロックボルトやケーブルボルトによる地山の補強対策が適切に実施できなくなるという問題がある。
また、切羽前方の地山に設置固定された変位計測装置は、トンネルの掘削時に掘削機械によって切断されてしまうものであるため、これら切断片が切削土中に混入され公害発生の要因となるほか、これら切断片の回収も面倒で煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の変位記録計のような高価なものを用いることなく簡易な構造のもので地山の変位をリアルタイムに検知し監視できる地山の変位検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明は、坑道の掘削に先立って坑道の周囲に対応する地山に、坑道の掘削方向に沿って削孔されたボアホール内に設置され前記坑道の掘削時に発生する地山の変位を検知する変位検知装置であって、前記ボアホール内に該ボアホールの入り口から奥部方向に予め定められた間隔をおいて設けられる複数の変位計測点箇所にそれぞれ定着され地山の変位を検知する複数の変位センサーと、前記複数の変位センサーに接続され前記複数の変位センサーの検知信号を各変位センサーごとに取り出す信号ケーブルと、前記信号ケーブルに接続され前記各変位センサーごとに該変位センサーの検知信号を受けて前記各変位計測点箇所の前記ボアホールの入り口からの距離を変位発生深度として表示する変位深度表示部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の地山変位検知装置によれば、従来の変位記録計のような高価なものを用いることなく簡易な構造のもので地山の変位をリアルタイムに検知し監視することができる。しかも、ボアホール内に設置された変位センサーや信号ケーブルなどは坑道の掘削時に切断されることがないので、従来のような切断片が切削土中に混入されることによる公害の発生や切断片の回収作業が不要になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる地山変位検知装置をこれから掘削されるトンネルの周囲上部の地山に設置した状態を示すトンネルの概略縦断側面図である。
【図2】本発明にかかる地山変位検知装置をトンネルの周囲上部の地山に設置した状態を示す説明用断面図である。
【図3】本発明にかかる地山変位検知装置の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における変位センサーの拡大断面図である。
【図5】地山に押出し変位が発生した時の地山変位検知装置の動作状況を示す説明用断面図である。
【図6】地山に沈下変位が発生した時の地山変位検知装置の動作状況を示す説明用断面図である。
【図7】地山に沈下及び押出し変位が発生した時の地山変位検知装置の動作状況を示す説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
本発明にかかる地山変位検知装置の実施の形態について図1乃至図4を参照して説明する。
図1に示すように、トンネル10の掘削時に発生する地山12の変位を検知するための変位検知装置20は、これから掘削すべきトンネル10の切羽1002の周囲に対応する地山12に、トンネル10の頂部箇所からトンネル10の掘削方向に延在して埋設される。
なお、図1において、トンネル10の頂部と対応する地山12に埋設されている変位検知装置20Aは、トンネル空洞部1010が形成される以前に埋設されたものである。
【0012】
また、地質条件の悪い地山でトンネルを掘削する場合は、図1に示すように、トンネル10の掘削に先立って切羽1002前方の地山12及びトンネル10の外周囲に対応する地山12に複数の長尺のケーブルボルト16A,16Bがそれぞれ打設されている。これにより、トンネル外周囲の地山及び切羽前方の地山を補強する。
【0013】
なお、図1において、ケーブルボルト16Aと平行な残留ケーブルボルト16Aa及びケーブルボルト16Bと平行な残留ケーブルボルト16Baは、ケーブルボルト16A,16Bが打設される一段階前に打設されたケーブルボルトが、掘削機械によるトンネル掘削時に残ったケーブルボルトである。また、図1において、符号1004は掘削後のトンネル10の内周壁面に吹き付けられた吹付けコンクリートであり、符号1006は吹付けコンクリート1004で覆工された後のトンネル10の内周面を支持する支保工であり、1008はトンネル10の底面に打設されたインバートである。
【0014】
本実施の形態に示す変位検知装置20は、トンネル10の掘削に先立ってトンネル10の外周囲に対応する地山12に、トンネル10の掘削方向に沿って削孔されたボアホール22(例えば12m乃至24m程度の長さを有する)内に設置され、トンネル10の掘削時に発生する地山12の変位を検知するもので、複数の変位センサー24,24,・・・・24,24m+1,・・・24、多芯信号ケーブル26、変位深度表示部28、収容パイプ30、アンカー部材32、連結パイプ34等を含んで構成され、例えば12m乃至24m程度の長さを有している。
【0015】
各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24は、図2に示すように、ボアホール22内に該ボアホール22の入り口から奥部方向に予め定められた間隔、例えば1m乃至2mの間隔をおいて設けられる複数の変位計測点箇所にそれぞれ定着され、トンネル掘削時に生じる地山12の変位を検知するものである。
このような各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24は、図3及び図4に示すように、両端が截頭円錐形をなす電気絶縁製の円柱状の筐体2402と、筐体2402の内部に形成された空所2402a内に固定された固定接点2404と、筐体2402の空所2402a内に移動可能に設けられ地山12の変位量が一定値以上、例えば5mm以上の時に固定接点2404に接触して検知信号を発する可動接点2406と、可動接点2406に一端が結合された、ピアノ線などからなる固定用結合線2408とを有している。
【0016】
各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の固定接点2404と可動接点2406は多芯信号ケーブル26の複数の芯線26a(少なくとも変位センサーの数の2倍に相当する)のうち、各変位センサーごとに選定された2本の芯線にそれぞれ接続されている。また、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の各固定用結合線2408の他端はボアホール22の奥部方向に伸張され、当該固定用結合線2408の変位センサーより1つボアホール22の奥部に位置する変位センサー、例えば図3に示すように、変位センサー24の固定用結合線2408の他端は変位センサー24m+1の筐体2402の端部に結合されている。さらに、筐体2402の外周面には、リング状の凹状溝2402bが筐体2402の長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。この凹状溝2402bは、変位センサーをモルタルなどによりボアホール22内に安定して定着するためのものである。
【0017】
多芯信号ケーブル26は、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の検知信号を各変位センサーごとに取り出して変位深度表示部28に伝送するもので、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の筐体2402内を通してボアホール22の全長に亘り配線できる長さを有している。そして、ボアホール22の入り口22aから突出する多芯信号ケーブル26の端部は変位深度表示部28にコネクタ36を介して分離可能に接続されている。
【0018】
変位深度表示部28は、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24ごとに該変位センサーの検知信号を受けて各変位計測点箇所のボアホール22の入り口22aからの距離を、トンネル掘削時に発生する地山の先行き変位深度として表示するものである。この変位深度表示部28は、直線状に延在する表示本体2802と、表示本体2802の表面に表示本体2802の長さ方向に間隔をおいて配設され、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24ごとに該変位センサーの検知信号を受けて点灯する複数(変位センサーの数と同数)の発光素子29,29,・・・29,29m+1,・・・29を有している。また、図示省略しているが、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の固定接点2404と可動接点2406に接続されている多芯信号ケーブル26の各芯線は、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24ごとに対応する各発光素子29,29,・・・29,29m+1,・・・29発光素子にそれぞれ接続されている。さらに、表示本体2802の表面には、ボアホール22の入り口22aから各変位計測点箇所までの距離を表す目盛2804が各発光素子の配列方向に沿って設けられている。また、変位深度表示部28は、各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24ごとに該変位センサーの固定接点2404と可動接点2406を通してそれぞれの発光素子29,29,・・・29,29m+1,・・・29に電力を供給し、これら発光素子29,29,・・・29,29m+1,・・・29を点灯させるバッテリー38が内蔵されている。
【0019】
収容パイプ30は、ボアホール22の長さ方向において互いに隣り合う各変位センサー24と24,・・・24と24m+1の筐体2402間を連結するとともに、信号ケーブル26及び固定用結合線2408を収容するものである。また、収容パイプ30は、互いに隣り合う各変位センサーが地山12の押出し変位、沈下変位に移動しても、これらの移動が制限されないように、伸縮可能な部材により構成されている。
【0020】
アンカー部材32は、変位検知装置20のボアホール22への挿入先端部をボアホール22の最も奥部に固定するためのもので、このアンカー部材32はモルタルなどによりボアホール22内に定着される。また、アンカー部材32はボアホール22の最も奥部に位置する最奥部の変位センサー24の筐体2402に伸縮可能な連結パイプ34を介して連結され、最奥部の変位センサー24の可動接点2406が固定用結合線2408を介してアンカー部材32に結合されている。連結パイプ34内には固定用結合線2408が収容される構成になっている。
【0021】
次に、変位検知装置20を利用してトンネル10の掘削時に発生する地山12の変位を検知する場合について説明する。
まず、図2に示すように、トンネル10の掘削に先立ってトンネル10の外周囲に対応する地山12にボアホール22をトンネル10の掘削方向に沿って削孔する。次いで、変位検知装置20を、そのアンカー部材32側からボアホール22内に差し入れ、押棒などでボアホール22の最奥部まで押し込む。その後、モルタルなどの定着剤注入ホースをボアホール22に差し込み、アンカー部材32の配置箇所及び各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24の配置箇所に定着剤を注入することによりアンカー部材32及び各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24をボアホール22内に定着する。さらに、ボアホール22の入り口22aから突出する多芯信号ケーブル26にはコネクタ36により変位深度表示部28を接続する。そして、バッテリー38の電源スイッチ(図示省略)を投入して変位検知装置20を検知動作可能な状態に保持する。
【0022】
このように変位検知装置20が地山12に設置された状態において、掘削機械によるトンネル10の掘削が切羽1002から切羽1002の前方に進行されていくのに伴い、地山12に変位が生じたとする。例えば、地山12にトンネル延在方向の変形である押出し変位が、m番目の変位センサー24が定着されている測定点箇所からm+1番目の変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所未満の範囲に発生したとすると、図5に示す矢印A方向に、変位センサー24が破線で示す位置から実線で示す位置に移動する。この場合、変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所には地山の変位が発生しておらず、しかも、変位センサー24の固定接点2404は、変位のない地山側変位センサー24m+1に固定用結合線2408を介して結合されているため、変位センサー24が矢印A方向に移動すると、変位センサー24の可動接点2406が固定接点2404と接触する。これにより、上記可動接点2406及び固定接点2404に接続された多芯信号ケーブル26の芯線26aに接続されている発光素子29の電源回路が閉成されるため、発光素子29は点灯する。したがって、発光素子29が点灯している箇所に対応する表示本体2802上の目盛2804を視覚的に読み取ることにより、切羽1002から掘削の進行方向の如何なる深度の地山12に押出し変位が発生しているかを検知することができる。
【0023】
また、地山12にトンネル中心方向の変形である沈下変位が、m番目の変位センサー24が定着されている測定点箇所からm+1番目の変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所未満の範囲に発生したとすると、図6に示す矢印B方向に、変位センサー24を含む前後の部分が破線で示す位置から実線で示す位置に移動する。この場合、変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所には地山の変位が発生しておらず、しかも、変位センサー24の固定接点2404は、変位のない地山側変位センサー24m+1に固定用結合線2408を介して結合されているため、変位センサー24を含む前後の部分が矢印B方向に移動すると、変位センサー24の可動接点2406が固定接点2404と接触する。これにより、上記可動接点2406及び固定接点2404に接続された多芯信号ケーブル26の芯線26aに接続されている発光素子29の電源回路が閉成されるため、発光素子29は点灯する。したがって、発光素子29が点灯している箇所に対応する表示本体2802上の目盛2804を読み取ることにより、切羽1002から掘削の進行方向の如何なる深度の地山12に沈下変位が発生しているかを検知することができる。
【0024】
さらにまた、地山12にトンネル延在方向の変形である押出し及び沈下による変位が、m番目の変位センサー24が定着されている測定点箇所からm+1番目の変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所未満の範囲に発生したとすると、図7に示す矢印C方向に、変位センサー24を含む前後の部分が破線で示す位置から実線で示す位置に移動する。この場合、変位センサー24m+1が定着されている測定点箇所には変位が発生しておらず、しかも、変位センサー24の固定接点2404は、変位のない地山側変位センサー24m+1に固定用結合線2408を介して結合されているため、変位センサー24を含む前後の部分が矢印C方向に移動すると、変位センサー24の可動接点2406が固定接点2404と接触する。これにより、上記可動接点2406及び固定接点2404に接続された多芯信号ケーブル26の芯線26aに接続されている発光素子29の電源回路が閉成されるため、発光素子29が点灯する。したがって、発光素子29が点灯している箇所に対応する表示本体2802上の目盛2804を読み取ることにより、切羽1002から掘削の進行方向の如何なる深度の地山12に押出し及び沈下変位が発生しているかを検知することができる。
【0025】
このような本実施の形態に示す変位検知装置20によれば、ボアホール22内にボアホール22の入り口22aから奥部方向に予め定められた間隔をおいて設けられる複数の変位計測点箇所に複数の変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24をそれぞれ定着し、そして、変位計測点箇所に発生した地山の変位を、該変位計測点箇所に定着されている変位センサーの可動接点2406が固定接点2404と接触することで検知し、この検知信号を信号ケーブル26により取り出し、変位深度表示部28に各変位センサー24,24,・・・24,24m+1,・・・24に対応して設けられた発光素子29,29,・・・29,29m+1,・・・29を点灯制御する構成にしたので、発光素子29が点灯している箇所に対応する表示本体2802上の目盛2804を読み取ることにより、ボアホール22の入り口22aから変位の生じた箇所までの距離を容易に確認でき、しかも、地山の変位をリアルタイムに検知し監視することができる。したがって、地山の応力状況及び変位を確実に把握することが可能になり、地山の安定化工法の設計も可能となり、トンネル施工の工期の短縮し、コストを低減できる。
【0026】
また、本実施の形態によれば、従来の変位記録計のような高価な構成要素を用いることなく、固定接点2404と可動接点2406とを有する簡易なスイッチ式の変位センサーと、該変位センサーで点灯制御される発光素子により地山の変位を検知することができるため、変位検知装置20の低コスト化が可能になり、しかも、ボアホール22内に設置された変位センサーや信号ケーブルなどは坑道の掘削時に切断されることがないので、従来のような切断片が切削土中に混入されることによる公害の発生や切断片の回収作業が不要になるという利点がある。
また、本実施の形態によれば、変位深度表示部28は信号ケーブル26にコネクタ36を介して分離可能に接続できるため、変位深度表示部28を新たに埋設された変位検知装置20に利用することができる。
【0027】
なお、本発明にかかる変位検知装置20はトンネル掘削時の地山の変位検出に限らず、坑道などの地下空間を掘削する際に生じる地山の変位検知にも利用することができる。
また、本発明にかかる変位検知装置20の設置箇所は、本実施の形態に示すように1箇所に限らず、地山の性状に応じて複数箇所であってもよい。
【符号の説明】
【0028】
10……トンネル
12……地山
20……変位検知装置
22……ボアホール
24〜24……変位センサー
2402……筐体
2404……固定接点
2406……可動接点
2408……固定用結合線
26……多芯信号ケーブル
28……変位深度表示部
2802……表示本体
2804……目盛
29〜29……発光素子
30……収容パイプ
32……アンカー部材
34……連結パイプ
36……コネクタ
38……バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑道の掘削に先立って坑道の周囲に対応する地山に、坑道の掘削方向に沿って削孔されたボアホール内に設置され前記坑道の掘削時に発生する地山の変位を検知する変位検知装置であって、
前記ボアホール内に該ボアホールの入り口から奥部方向に予め定められた間隔をおいて設けられる複数の変位計測点箇所にそれぞれ定着され地山の変位を検知する複数の変位センサーと、
前記複数の変位センサーに接続され前記複数の変位センサーの検知信号を各変位センサーごとに取り出す信号ケーブルと、
前記信号ケーブルに接続され前記各変位センサーごとに該変位センサーの検知信号を受けて前記各変位計測点箇所の前記ボアホールの入り口からの距離を変位発生深度として表示する変位深度表示部と、
を備えることを特徴とする地山の変位検知装置。
【請求項2】
前記変位深度表示部は、前記信号ケーブルに接続され前記各変位センサーごとに該変位センサーの検知信号を受けて点灯する複数の発光素子を有し、
前記変位発生深度の表示は、前記複数の発光素子の点灯状態によりなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の地山の変位検知装置。
【請求項3】
前記変位深度表示部は、前記各発光素子に該発光素子に対応する前記各変位センサーを通して電力を供給するバッテリーを内蔵している、
ことを特徴とする請求項2記載の地山の変位検知装置。
【請求項4】
前記変位深度表示部は前記信号ケーブルに分離可能に接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の地山の変位検知装置。
【請求項5】
前記各変位センサーは、筐体と、前記筐体内に固定された固定接点と、前記筐体内に移動可能に設けられ地山の変位量が一定値以上の時に前記固定接点に接触して検知信号を発する可動接点と、前記可動接点に一端が結合され他端が該可動接点を有する変位センサーより1つ前記ボアホールの奥部に位置する変位センサーの筐体に結合された固定用結合線とを有し、
前記固定接点及び可動接点は前記信号ケーブルに接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の地山の変位検知装置。
【請求項6】
前記ボアホールの長さ方向において互いに隣り合う前記各変位センサーの筐体間は、前記信号ケーブル及び固定用結合線を収容する伸縮可能な収容パイプにより連結されていることを特徴とする請求項5記載の地山の変位検知装置。
【請求項7】
前記ボアホールの最も奥部に位置する最奥部の変位センサーの筐体に伸縮可能な連結パイプを介してアンカー定部材が連結され、前記最奥部の変位センサーの可動接点が固定用結合線を介して前記アンカー部材に結合され、前記アンカー部材は前記ボアホールの奥部に定着されることを特徴とする請求項5または6記載の地山の変位検知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−214240(P2011−214240A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80970(P2010−80970)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】