説明

地形情報表示装置および表示方法

【課題】利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助することが可能な地形情報表示装置および方法を提供する。
【解決手段】本発明の地形情報表示装置は、評価対象の3次元地形モデルが示す領域をそれぞれ異なる方向から撮影した2つの撮影画像をその3次元地形モデル情報に基づいてそれぞれ正射変換した2つのオルソ画像を生成する。そして、2つのオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、2つのオルソ画像の対応する画素対についての分散の差分絶対値に応じて色付けした差分画像を生成し、生成した差分画像と3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を並べて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地形の情報を表示する地形情報表示装置およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、衛星画像や航空画像の補正、立体地図の作成、地形の分析等を行うために地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で表現した3次元地形モデルが使用される。このような3次元地形モデルの1つとして、地表面の標高を示す数値標高モデル(DEM;Digital Elevation Model)がある。
【0003】
DEMの生成方法については、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された技術では、位置検出装置および姿勢角検出装置を搭載した航空機から視点の異なる2枚の画像を撮影し、各画像に写る計測対象物の画素位置情報ならびに各画像の撮影時のカメラの位置情報および姿勢角情報に基づいて三角測量により撮影地点(カメラ)から計測対象物までの距離を計測する。そして、計測した距離と撮影地点の位置情報から計測対象物の標高を算出し、計測対象物の標高を用いてDEMを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−186145号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いて3次元地形モデルを生成した場合、画像を撮影したときのカメラの位置情報または姿勢角情報の測定誤差、カメラの光学系のひずみ等の影響により、生成された3次元地形モデルに示される標高情報が実際の標高と異なることがある。
【0006】
従来、3次元地形モデルの標高情報の正当性を評価するための方法は提案されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助することが可能な地形情報表示装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の地形情報表示装置は、地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される記憶手段と、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記オルソ画像生成手段によって生成された、前記第1のオルソ画像および前記第2のオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、該第1のオルソ画像と該第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対についての前記分散の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成された前記モデル画像と前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像を並べて表示する表示手段と、
を有する。
【0009】
または、上記目的を達成するために、本発明の地形情報表示装置は、地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される記憶手段と、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記オルソ画像生成手段によって生成された、前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対の画素値の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成された前記モデル画像と前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像を並べて表示する表示手段と、
を有する。
【0010】
または、上記目的を達成するために、本発明の地形情報表示装置は、地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像が格納される記憶手段と、
前記撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいて正射変換したオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成されたモデル画像、前記オルソ画像生成手段によって生成された前記オルソ画像ならびに前記撮影画像を並べて表示する表示手段と、
を有する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の表示方法は、所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記第1のオルソ画像および前記第2のオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、
前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対についての前記分散の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成し、
前記モデル画像と前記差分画像を並べて表示する。
【0012】
または、上記目的を達成するために、本発明の表示方法は、所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対の画素値の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成し、
前記モデル画像と前記差分画像を並べて表示する。
【0013】
または、上記目的を達成するために、本発明の表示方法は、所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいて正射変換したオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記モデル画像、前記オルソ画像ならびに前記撮影画像を並べて表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】オルソ変換を説明するための図である。
【図2】第1の実施の形態の地形情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】モデル画像と第1のオルソ画像を上下方向に並べて表示する例を示す図である。
【図4】図2に示した地形情報表示装置100がモデル画像、第1のオルソ画像および第1の撮影画像を表示するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】入力装置1を省略した地形情報表示装置100の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態の地形情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】各画素について縦横それぞれ5画素の範囲の分散を算出する場合の例を示す図である。
【図8】図6に示した地形情報表示装置100がモデル画像および差分画像を表示するときの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】入力装置1を省略した地形情報表示装置100の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず本発明について説明する前に本発明の原理について説明する。
【0017】
上述した通り、従来、3次元地形モデルの標高情報の正当性を評価するための方法は提案されていなかった。そこで、本発明者は、3次元地形モデルの標高情報の正当性を評価する方法について多方面から検討を行った。この結果、本発明者は、3次元地形モデルの標高情報の、実際の標高に対する誤差が大きい場合、その3次元地形モデルに基づいて後述するオルソ変換(正射変換)を行った画像の、誤差の大きい標高情報に対応する領域に、原画像と異なる模様またはテクスチャが発生することを発見した。
【0018】
なお、オルソ変換を行うためには3次元地形モデルが必要である。また、このような模様またはテクスチャは3次元地形モデルの標高情報の誤差の影響により発生するため、誤差の小さい標高情報に対応する領域には、原画像と異なる模様またはテクスチャは発生しない。
【0019】
さらに、本発明者は、このような原画像と異なる模様またはテクスチャが、原画像を撮影したときの角度(撮影地点と対象物を結ぶ直線の地平線に対する角度)(以降、撮影角度と称する)によって異なること、ならびに、鉛直方向から撮影した原画像に対してオルソ変換を行った画像には発生しないことを発見した。
【0020】
また、本発明者は、3次元地形モデルを生成するために使用した撮影画像に対してオルソ変換を行った場合も上記と同様の傾向があることを確認した。そのため、あらためて特別な画像を取得することなく、3次元地形モデルを生成するために使用した撮影画像を用いて、その3次元地形モデルの標高情報の正当性を評価できることが判った。
【0021】
そこで、第1の実施の形態では、3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向に対して斜め方向(例えば、70度以下の撮影角度)から撮影した画像をその3次元地形モデルに基づいてオルソ変換し、変換した画像と原画像を並べて表示することにより、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助する方法を提案する。
【0022】
さらに、第2の実施の形態では、3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像および鉛直方向から撮影した撮影画像をその3次元地形モデルに基づいてそれぞれオルソ変換したオルソ画像を生成し、それぞれのオルソ画像の模様またはテクスチャを比較することにより、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助する方法を提案する。
【0023】
以下、オルソ変換について説明する。例えば、図1に示すように、高層ビル等の建築物302を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した場合、建築物302は撮影画像306において画像の中心から外側に向かって倒れたように表示される。そのため、例えばこのような撮影画像を地形図として利用する場合、撮影画像を鉛直方向から投影(正射投影)した画像に変換する必要がある。このための正射変換がオルソ変換と称され、オルソ変換により生成された画像はオルソ画像と称される。
【0024】
つまり、オルソ変換は、本来、地形図等を作成するために使用される技術であり、3次元地形モデルの評価のために使用されるものではなかった。
【0025】
なお、オルソ変換の具体的な方法は、例えば特開2003−323611号に記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。また、特開2003−323611号には、センサが搭載された機体(人工衛星や航空機)の軌道データおよび姿勢データ、センサの光学モデルならびに3次元地形モデルに基づいてオルソ変換する方法と、撮影画像内で形状や位置が鮮明に識別できる地上基準点ならびに3次元地形モデルに基づいてオルソ変換する方法が記載されている。そして、本発明者は、3次元地形モデルの標高情報の誤差が大きい場合、いずれの方法で撮影画像をオルソ変換しても、オルソ画像に撮影画像と異なる模様またはテクスチャが発生することを確認している。
【0026】
以下、上記で説明した原理に基づく本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図2は第1の実施の形態の地形情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、第1の実施の形態の地形情報表示装置100は、入力装置1、記憶装置2、オルソ画像生成装置3およびモデル画像生成装置4を有する。
【0029】
記憶装置2は、3次元地形モデル記憶部21、第1の撮影画像記憶部22、第1の撮影情報記憶部23、第1のオルソ画像記憶部24およびモデル画像記憶部25を有する。
【0030】
3次元地形モデル記憶部21には、地形情報表示装置100の評価対象となる3次元地形モデル情報が格納される。3次元地形モデル情報は、所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す情報であり、例としてDEMがある。
【0031】
第1の撮影画像記憶部22には、人工衛星や航空機等の機体に搭載されたセンサ(またはカメラ)を用いて撮影された画像データが格納される。なお、本実施形態の第1の撮影画像記憶部22には、3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向に対して斜め方向(例えば、70度以下の撮影角度)から撮影した画像(以降、第1の撮影画像と称する)が格納される。
【0032】
第1の撮影情報記憶部23には、機体に搭載されたセンサが画像を撮影したときの、機体の軌道データおよび姿勢データならびにセンサの光学モデルを含む情報が格納される。なお、本実施形態の第1の撮影情報記憶部23には、第1の撮影画像を撮影したときの情報(以降、第1の撮影情報と称する)が格納される。また、センサは機体に固定されているものとし、センサの軌道、姿勢は機体の軌道、姿勢と同じとする。
【0033】
第1のオルソ画像記憶部24には、第1の撮影画像をオルソ変換したオルソ画像(以降、第1のオルソ画像と称する)と、第1のオルソ画像の各画素に対応する経度情報および緯度情報を示す2次元座標情報が格納される。
【0034】
モデル画像記憶部25には、3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像が格納される。なお、モデル画像は、例えば2次元画像であり、3次元地形モデル情報の経度情報および緯度情報に対応する各画素を標高情報に応じて濃淡表示した画像である。あるいは、3次元地形モデル情報を3次元表示した画像をモデル画像としてもよい。
【0035】
入力装置1は、例えばキーボード、マウス、操作パネル等の入力装置であり、3次元地形モデル入力部11、第1の撮影画像入力部12、および第1の撮影情報入力部13を有する。
【0036】
3次元地形モデル入力部11は、利用者から3次元地形モデル情報が入力されると、入力された3次元地形モデル情報を3次元地形モデル記憶部21に格納する。
【0037】
また、第1の撮影画像入力部12は、利用者から第1の撮影画像が入力されると、入力された第1の撮影画像を第1の撮影画像記憶部22に格納する。
【0038】
また、第1の撮影情報入力部13は、利用者から第1の撮影情報が入力されると、入力された第1の撮影情報を第1の撮影情報記憶部23に格納する。
【0039】
オルソ画像生成装置3は、撮影画像を3次元地形モデル情報に基づいて正射変換したオルソ画像を生成する装置であり、本実施形態のオルソ画像生成装置3は、第1のオルソ画像生成部31を有する。
【0040】
第1のオルソ画像生成部31は、第1の撮影画像を3次元地形モデル情報および第1の撮影情報に基づいて正射変換し、第1のオルソ画像を生成すると共に、第1のオルソ画像の2次元座標情報を生成し、生成した第1のオルソ画像および2次元座標情報を第1のオルソ画像記憶部24に格納する。
【0041】
なお、人工衛星や航空機等の機体の軌道データおよび姿勢データ、センサの光学モデルならびに3次元地形モデルに基づいてオルソ変換する方法は、例えば特開2003−323611号に記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0042】
モデル画像生成装置4は、3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を生成し、生成したモデル画像をモデル画像記憶部25に格納する。
【0043】
表示装置5は、画像を表示する装置であり、表示制御部51および表示部52を有する。
【0044】
表示制御部51は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を、第1の撮影画像記憶部22から第1の撮影画像を、第1のオルソ画像記憶部24から第1のオルソ画像およびその2次元座標情報を、モデル画像記憶部25からモデル画像をそれぞれ読み出す。そして、表示制御部51は、モデル画像と第1のオルソ画像と第1の撮影画像を並べた画像データを作成し、表示部52に出力する。このとき、表示制御部51は、3次元地形モデル情報および2次元座標情報を用いて、モデル画像および第1のオルソ画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像とオルソ画像を並べる。
【0045】
なお、表示制御部51は、例えば、モデル画像と第1のオルソ画像の経度情報が対応するようにモデル画像と第1のオルソ画像を上下方向に並べて表示してもよいし、緯度情報が対応するように左右方向に並べて表示してもよい。その場合、モデル画像と第1のオルソ画像の経度情報または緯度情報の対応付けを明確にするために、対応する画素を破線等で結ぶように表示してもよい。あるいは、モデル画像と第1のオルソ画像の経度情報および緯度情報が一致するようにモデル画像と第1のオルソ画像を重畳して表示してもよい。
【0046】
図3にモデル画像と第1のオルソ画像の経度情報が対応するようにモデル画像と第1のオルソ画像を上下方向に並べて表示する例を示す。なお、図3に示す例では、モデル画像は、3次元地形モデル情報の経度情報および緯度情報に応じた、2次元画像の各画素を標高情報に応じて濃淡表示(標高の高い位置を白色で、低い位置を黒色で表示)した画像であり、第1のオルソ画像より広範囲の領域を示している。これにより、利用者は、第1の撮影画像と第1のオルソ画像を比較して異なる模様またはテクスチャが発生している領域を確認でき、その異なる模様またはテクスチャが発生している領域に対応する3次元地形モデルの座標を容易に特定できる。
【0047】
表示部52は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等であり、表示制御部51から取得した画像を表示する。
【0048】
なお、オルソ画像生成装置3、モデル画像生成装置4および表示制御部51は、例えば論理回路等から構成されるLSI(Large Scale Integration)あるいはプログラムにしたがって動作するCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
【0049】
次に図2に示した地形情報表示装置100がモデル画像、第1のオルソ画像および第1の撮影画像を表示するときの処理手順について説明する。
【0050】
図4は図2に示した地形情報表示装置100がモデル画像、第1のオルソ画像および第1の撮影画像を表示するときの処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
なお、図4に示したフローチャートでは、予め、利用者から入力装置1を介して3次元地形モデル情報、第1の撮影画像および第1の撮影情報が入力され、それぞれ、3次元地形モデル記憶部21、第1の撮影画像記憶部22および第1の撮影情報記憶部23に格納されているものとする。
【0052】
図4に示すように、地形情報表示装置100の第1のオルソ画像生成部31は、まず、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を読み出し、第1の撮影画像記憶部22から第1の撮影画像を読み出し、第1の撮影情報記憶部23から第1の撮影情報を読み出す(ステップS1)。
【0053】
各情報および画像を読み出すと、第1のオルソ画像生成部31は、第1の撮影画像を3次元地形モデル情報および第1の撮影情報に基づいて正射変換して第1のオルソ画像を生成すると共に、第1のオルソ画像の2次元座標情報を生成し、第1のオルソ画像記憶部24に格納する(ステップS2)。
【0054】
第1のオルソ画像生成部31が第1のオルソ画像およびその2次元座標情報を生成すると、モデル画像生成装置4は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を読み出し、3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を生成し、生成したモデル画像をモデル画像記憶部25に格納する(ステップS3)。
【0055】
モデル画像生成装置4がモデル画像を生成すると、表示制御部51は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を、第1の撮影画像記憶部22から第1の撮影画像を、第1のオルソ画像記憶部24から第1のオルソ画像およびその2次元座標情報を、モデル画像記憶部25からモデル画像をそれぞれ読み出す。そして、表示制御部51は、モデル画像と第1のオルソ画像と第1の撮影画像を並べた画像データを作成し、表示部52に表示させる(ステップS4)。このとき、表示制御部51は、3次元地形モデル情報および2次元座標情報を用いて、モデル画像および第1のオルソ画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像とオルソ画像を並べて表示部52に表示させる。
【0056】
なお、本実施形態では、モデル画像と並べて表示するオルソ画像を、機体の軌道データおよび姿勢データ、センサの光学モデルならびに3次元地形モデルに基づいて生成する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。モデル画像と並べて表示するオルソ画像は3次元地形モデルに基づいてオルソ変換したものであれば、どのようなものでもよく、例えば撮影画像内で形状や位置が鮮明に識別できる地上基準点ならびに3次元地形モデルに基づいてオルソ変換したオルソ画像でもよい。
【0057】
その場合、第1の撮影画像内の地上基準点を第1の撮影情報として第1の撮影情報記憶部23に格納しておき、第1のオルソ画像生成部31は、3次元地形モデル情報および第1の撮影情報に基づいて第1のオルソ画像を生成すればよい。なお、地上基準点および3次元地形モデルに基づいてオルソ変換する方法は、例えば特開2003−323611号に記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0058】
また、本実施形態では、3次元地形モデル情報、第1の撮影画像および第1の撮影情報は、入力装置1を介して入力され、記憶装置2に格納される例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、記憶装置2は地形情報表示装置100から着脱可能なものでもよく、地形情報表示装置100以外の装置を用いて各情報および画像を記憶装置2に格納してもよい。その場合、図5に示すように、地形情報表示装置100を、入力装置1を省略した構成にしてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、地形情報表示装置100は、評価対象の3次元地形モデルが示す領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像と、その撮影画像をその3次元地形モデル情報に基づいて正射変換したオルソ画像と、3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を並べて表示する。
【0060】
これにより、地形情報表示装置100は、オルソ変換によって撮影画像と異なる模様またはテクスチャが発生した領域を明確にすることができるので、3次元地形モデルの標高情報の、実際の標高に対する誤差の大きい領域を明確にすることができる。従って、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助することが可能になる。
【0061】
また、本実施形態の表示装置5は、モデル画像とオルソ画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像とオルソ画像を並べて表示する。これにより、オルソ変換によって撮影画像と異なる模様またはテクスチャが発生した領域と、3次元地形モデルの標高情報の誤差の大きい領域の対応付けをより明確にすることができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
上述した通り、3次元地形モデルの標高情報の誤差が大きい場合、その3次元地形モデルに基づいてオルソ変換を行った画像に発生する、原画像と異なる模様またはテクスチャは、対象物を撮影したときの撮影角度によって異なり、鉛直方向から撮影した画像に対してオルソ変換を行った画像には、原画像と異なる模様またはテクスチャは発生しない。
【0063】
そこで、第2の実施の形態では、3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像および鉛直方向から撮影した撮影画像をその3次元地形モデルに基づいてそれぞれオルソ変換したオルソ画像を生成し、それぞれのオルソ画像の模様またはテクスチャを比較することにより、利用者による3次元地形モデルの標高情報の正当性の評価を補助する例について説明する。
【0064】
図6は第2の実施の形態の地形情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【0065】
図6に示すように、第2の実施の形態の地形情報表示装置100は、第1の実施の形態の地形情報表示装置100の構成に加えて、差分画像生成装置6を有し、さらに、入力装置1に第2の撮影画像入力部14および第2の撮影情報入力部15を有し、記憶装置2に第2の撮影画像記憶部26、第2の撮影情報記憶部27、第2のオルソ画像記憶部28および差分画像記憶部29を有し、オルソ画像生成装置3に第2のオルソ画像生成部32を有する。なお、差分画像生成装置6は、例えば論理回路等から構成されるLSIあるいはプログラムにしたがって動作するCPUやDSP等によって実現される。
【0066】
第2の撮影画像記憶部26には、人工衛星や航空機等の機体に搭載されたセンサ(またはカメラ)を用いて撮影された画像データが格納される。なお、本実施形態の第2の撮影画像記憶部26には、3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向から撮影した画像(以降、第2の撮影画像と称する)が格納される。
【0067】
第2の撮影情報記憶部27には、機体に搭載されたセンサが画像を撮影したときの、機体の軌道データおよび姿勢データならびにセンサの光学モデルを含む情報が格納される。なお、本実施形態の第2の撮影情報記憶部27には、第2の撮影画像を撮影したときの情報(以降、第2の撮影情報と称する)が格納される。
【0068】
第2のオルソ画像記憶部28には、第2の撮影画像をオルソ変換したオルソ画像(以降、第2のオルソ画像と称する)と、第2のオルソ画像の2次元座標情報が格納される。
【0069】
第2の撮影画像入力部14は、利用者から第2の撮影画像が入力されると、入力された第2の撮影画像を第2の撮影画像記憶部26に格納する。
【0070】
また、第2の撮影情報入力部15は、利用者から第2の撮影情報が入力されると、入力された第2の撮影情報を第2の撮影情報記憶部27に格納する。
【0071】
第2のオルソ画像生成部32は、第2の撮影画像を3次元地形モデル情報および第2の撮影情報に基づいて正射変換し、第2のオルソ画像を生成すると共に、第2のオルソ画像の2次元座標情報を生成し、生成した第2のオルソ画像および2次元座標情報を第2のオルソ画像記憶部28に格納する。
【0072】
差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像および第2のオルソ画像の2次元座標情報に基づいて、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の、経度情報および緯度情報が対応する画素からなる画素対を求め、その画素対毎に画素を比較し、比較した結果に応じてその画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する。
【0073】
具体的には、差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の対応する画素対の画素値の差分の絶対値(以降、差分の絶対値を差分絶対値と称する)を算出し、算出した差分絶対値に応じて、その画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する。
【0074】
あるいは、差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像および第2のオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出する。そして、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の対応する画素対についての分散の差分絶対値を算出し、算出した差分絶対値に応じて、その画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する。
【0075】
図7に各画素について縦横それぞれ5画素の範囲の分散を算出する場合の例を示す。図7に示す例では、差分画像生成装置6は、黒塗りされた画素についての分散として、太線の枠内の25画素の画素値の分散を算出する。
【0076】
また、差分画像生成装置6は、差分画像を生成すると共に、その差分画像の2次元座標情報を生成し、差分画像記憶部29に格納する。
【0077】
なお、差分画像生成装置6は、例えば差分絶対値が大きい画素対に対応する領域を濃く、差分絶対値が小さい画素対に対応する領域を薄くするように段階的に差分画像を色付けする。あるいは、差分絶対値が予め定められた閾値より大きい画素対に対応する領域のみ色付けし、その他の領域を無色にしてもよい。
【0078】
差分画像記憶部29には、差分画像生成装置6によって生成された差分画像およびその差分画像の2次元座標情報が格納される。
【0079】
また、第2の実施の形態の表示制御部51は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を、差分画像記憶部29から差分画像およびその2次元座標情報を、モデル画像記憶部25からモデル画像をそれぞれ読み出す。そして、表示制御部51は、モデル画像と差分画像を並べた画像データを作成し、表示部52に出力する。このとき、表示制御部51は、3次元地形モデル情報および2次元座標情報を用いて、モデル画像および第1の差分画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像と差分画像を並べる。
【0080】
次に図6に示した地形情報表示装置100がモデル画像および差分画像を表示するときの処理手順について説明する。
【0081】
図8は図6に示した地形情報表示装置100がモデル画像および差分画像を表示するときの処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
なお、図8に示したフローチャートでは、予め、利用者から入力装置1を介して3次元地形モデル情報、第1の撮影画像、第2の撮影画像、第1の撮影情報および第2の撮影情報が入力され、それぞれ、3次元地形モデル記憶部21、第1の撮影画像記憶部22、第2の撮影画像記憶部26、第1の撮影情報記憶部23および第2の撮影情報記憶部27に格納されているものとする。
【0083】
図8に示すように、地形情報表示装置100の第1のオルソ画像生成部31は、まず、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を読み出し、第1の撮影画像記憶部22から第1の撮影画像を読み出し、第1の撮影情報記憶部23から第1の撮影情報を読み出す。同様に、第2のオルソ画像生成部32は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を読み出し、第2の撮影画像記憶部26から第2の撮影画像を読み出し、第2の撮影情報記憶部27から第2の撮影情報を読み出す(ステップS11)。
【0084】
次に、第1のオルソ画像生成部31は、第1の撮影画像を3次元地形モデル情報および第1の撮影情報に基づいて正射変換して第1のオルソ画像を生成すると共に、第1のオルソ画像の2次元座標情報を生成し、第1のオルソ画像記憶部24に格納する。同様に、第2のオルソ画像生成部32は、第2の撮影画像を3次元地形モデル情報および第2の撮影情報に基づいて正射変換して第2のオルソ画像を生成すると共に、第2のオルソ画像の2次元座標情報を生成し、第2のオルソ画像記憶部28に格納する(ステップS12)。
【0085】
第1のオルソ画像生成部31および第2のオルソ画像生成部32が第1のオルソ画像、第2のオルソ画像およびそれぞれのオルソ画像の地理情報を生成すると、モデル画像生成装置4は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を読み出し、3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を生成し、生成したモデル画像をモデル画像記憶部25に格納する(ステップS13)。
【0086】
モデル画像生成装置4がモデル画像を生成すると、差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像記憶部24から第1のオルソ画像およびその2次元座標情報を、第2のオルソ画像記憶部28から第2のオルソ画像およびその2次元座標情報をそれぞれ読み出す。そして、差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像および第2のオルソ画像の2次元座標情報に基づいて、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の、経度情報および緯度情報が対応する画素対を求め、画素対毎に画素を比較し、比較した結果に応じてその画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する(ステップS14)。さらに、差分画像生成装置6は、差分画像の2次元座標情報を生成し、差分画像と共に差分画像記憶部29に格納する。
【0087】
差分画像生成装置6が差分画像を生成すると、表示制御部51は、3次元地形モデル記憶部21から3次元地形モデル情報を、差分画像記憶部29から差分画像およびその2次元座標情報を、モデル画像記憶部25からモデル画像をそれぞれ読み出す。そして、表示制御部51は、モデル画像と差分画像を並べた画像データを作成し、表示部52に表示させる(ステップS15)。このとき、表示制御部51は、3次元地形モデル情報および2次元座標情報を用いて、モデル画像および第1の差分画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像と差分画像を並べて表示部52に表示させる。
【0088】
なお、差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の対応する画素対についての、画素値の差分絶対値または近傍の画素の画素値の分散の差分絶対値が予め定められた閾値より大きいか否かを判別し、3次元地形モデルに示された3次元座標のうち、差分絶対値が予め定められた閾値より大きい画素対に対応する3次元座標を正しくないと判定してもよい。なお、オルソ画像に発生する、原画像と異なる模様またはテクスチャは、撮影画像を撮影したときの撮影角度によって異なるため、差分絶対値の大きさを判別するための閾値は、撮影画像を撮影したときの撮影角度に応じて異なる値としてもよい。
【0089】
また、3次元地形モデルに示された3次元座標が正しくなく、さらに、第1の撮影画像および第2の撮影画像が3次元地形モデルを生成するために使用した撮影画像ではない場合、差分画像生成装置6は、第1の撮影画像、第2の撮影画像、第1の撮影情報および前記第2の撮影情報を用いて3次元地形モデルを生成しなおしてもよい。その場合、例えば特許文献1に記載された方法を用いて3次元地形モデルを生成すればよい。
【0090】
また、本実施形態では、地形情報表示装置100は、第1の撮影画像として3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した画像を使用し、第2の撮影画像として3次元地形モデルの評価対象となる領域を鉛直方向から撮影した画像を使用する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1の撮影画像と第2の撮影画像は、3次元地形モデルの評価対象となる領域をそれぞれ異なる方向から撮影したものであれば、どのようなものでもよい。
【0091】
また、第1の実施の形態と同様に、オルソ画像生成装置3は、地上基準点および3次元地形モデルに基づいてオルソ画像を生成してもよい。その場合、第1の撮影画像内の地上基準点を第1の撮影情報として第1の撮影情報記憶部23に、第2の撮影画像内の地上基準点を第2の撮影情報として第2の撮影情報記憶部27にそれぞれ格納しておき、第1のオルソ画像生成部31は、3次元地形モデル情報および第1の撮影情報に基づいて第1のオルソ画像を生成し、第2のオルソ画像生成部32は、3次元地形モデル情報および第2の撮影情報に基づいて第2のオルソ画像を生成すればよい。
【0092】
また、図9に示すように、第1の実施の形態と同様に、地形情報表示装置100を、入力装置1を省略した構成にしてもよい。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、地形情報表示装置100は、評価対象の3次元地形モデルが示す領域をそれぞれ異なる方向から撮影した2つの撮影画像をその3次元地形モデル情報に基づいてそれぞれ正射変換した2つのオルソ画像を生成する。そして、2つのオルソ画像の対応する画素対の画素値の差分絶対値に応じて色付けした差分画像を生成し、生成した差分画像と3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を並べて表示する。
【0094】
これにより、本実施形態の地形情報表示装置100は、第1の実施の形態の地形情報表示装置100と同様の効果を得ることができると共に、利用者にとって撮影画像とオルソ画像を見比べる必要がなくなるため、3次元地形モデルの標高情報の、実際の標高に対する誤差の大きい領域をよりわかりやすく表すことができる。
【0095】
または、本実施形態の地形情報表示装置100は、2つのオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、2つのオルソ画像の対応する画素対についての分散の差分絶対値に応じて色付けした差分画像を生成し、生成した差分画像と3次元地形モデル情報を画像で表したモデル画像を並べて表示する。
【0096】
これにより、地形情報表示装置100は、上記と同様の効果を得ることができると共に、複数画素の画素値に基づいて差分画像を色付けするため、撮影画像内のノイズ(外れ値)の影響による誤表示を抑制できる。
【0097】
また、本実施形態の表示装置5は、モデル画像と差分画像の経度情報または緯度情報が対応するようにモデル画像と差分画像を並べて表示する。これにより、オルソ変換によって撮影画像と異なる模様またはテクスチャが発生した領域と、3次元地形モデルの標高情報の誤差の大きい領域の対応付けをより明確にすることができる。
【0098】
また、本実施形態の差分画像生成装置6は、第1のオルソ画像と第2のオルソ画像の対応する画素対についての、画素値の差分絶対値または近傍の画素の画素値の分散の差分絶対値が予め定められた閾値より大きいか否かを判別し、3次元地形モデルに示された3次元座標のうち、差分絶対値が予め定められた閾値より大きい画素対に対応する3次元座標を正しくないと判定する。これにより、地形情報表示装置100は、3次元地形モデルに示された3次元座標の正当性を自動的に判定できる。
【符号の説明】
【0099】
1 入力装置
2 記憶装置
3 オルソ画像生成装置
4 モデル画像生成装置
5 表示装置
6 差分画像生成装置
11 3次元地形モデル入力部
12 第1の撮影画像入力部
13 第1の撮影情報入力部
14 第2の撮影画像入力部
15 第2の撮影情報入力部
21 3次元地形モデル記憶部
22 第1の撮影画像記憶部
23 第1の撮影情報記憶部
24 第1のオルソ画像記憶部
25 モデル画像記憶部
26 第2の撮影画像記憶部
27 第2の撮影情報記憶部
28 第2のオルソ画像記憶部
29 差分画像記憶部
31 第1のオルソ画像生成部
32 第2のオルソ画像生成部
51 表示制御部
52 表示部
100 地形情報表示装置
200 データ
201 3次元地形モデル情報
202 第1の撮影画像
203 第1の撮影情報
204 第2の撮影画像
205 第2の撮影情報
301 地表面
302 建築物
303 人工衛星
304 撮影領域
305 撮影角度
306 撮影画像
311 第1の撮影画像
312、314 第1のオルソ画像
313 モデル画像
315 第2のオルソ画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される記憶手段と、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記オルソ画像生成手段によって生成された、前記第1のオルソ画像および前記第2のオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、該第1のオルソ画像と該第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対についての前記分散の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成された前記モデル画像と前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像を並べて表示する表示手段と、
を有する地形情報表示装置。
【請求項2】
地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される記憶手段と、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記オルソ画像生成手段によって生成された、前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対の画素値の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成された前記モデル画像と前記差分画像生成手段によって生成された前記差分画像を並べて表示する表示手段と、
を有する地形情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地形情報表示装置において、
前記差分画像生成手段は、前記差分画像の各画素に対応する経度情報および緯度情報を示す2次元座標情報を生成し、
前記表示手段は、前記3次元地形モデルならびに前記差分画像生成手段によって生成された前記2次元座標情報を用いて、前記モデル画像と前記差分画像の経度情報または緯度情報が対応するように該モデル画像と該差分画像を並べて表示することを特徴とする地形情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の地形情報表示装置において、
前記差分画像生成手段は、前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素対についての前記差分の絶対値が予め定められた閾値より大きいか否かを判別し、前記3次元地形モデルに示された前記3次元座標のうち、前記差分の絶対値が予め定められた閾値より大きい画素対に対応する3次元座標を正しくないと判定することを特徴とする地形情報表示装置。
【請求項5】
地形の情報を表示する地形情報表示装置であって、
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像が格納される記憶手段と、
前記撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいて正射変換したオルソ画像を生成するオルソ画像生成手段と、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成するモデル画像生成手段と、
前記モデル画像生成手段によって生成されたモデル画像、前記オルソ画像生成手段によって生成された前記オルソ画像ならびに前記撮影画像を並べて表示する表示手段と、
を有する地形情報表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の地形情報表示装置において、
前記オルソ画像生成手段は、前記オルソ画像の各画素に対応する経度情報および緯度情報を示す2次元座標情報を生成し、
前記表示手段は、前記3次元地形モデルならびに前記オルソ画像生成手段によって生成された前記2次元座標情報を用いて、前記モデル画像と前記オルソ画像の経度情報または緯度情報が対応するように該モデル画像と該オルソ画像を並べて表示することを特徴とする地形情報表示装置。
【請求項7】
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記第1のオルソ画像および前記第2のオルソ画像の全画素について各画素を中心とした予め定められた範囲の画素の画素値の分散を算出し、
前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対についての前記分散の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成し、
前記モデル画像と前記差分画像を並べて表示する表示方法。
【請求項8】
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域をそれぞれ異なる方向から撮影した第1の撮影画像および第2の撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいてそれぞれ正射変換した第1のオルソ画像および第2のオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記第1のオルソ画像と前記第2のオルソ画像の対応する画素からなる画素対の画素値の差分の絶対値に応じて、該画素対に対応する領域を色付けした差分画像を生成し、
前記モデル画像と前記差分画像を並べて表示する表示方法。
【請求項9】
所定領域の地形を経度情報、緯度情報および標高情報からなる3次元座標で示す3次元地形モデルならびに該所定領域を鉛直方向に対して斜め方向から撮影した撮影画像が格納される地形情報表示装置における表示方法であって、
前記撮影画像を前記3次元地形モデルに基づいて正射変換したオルソ画像を生成し、
前記3次元地形モデルを画像で表したモデル画像を生成し、
前記モデル画像、前記オルソ画像ならびに前記撮影画像を並べて表示する表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−221231(P2011−221231A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89396(P2010−89396)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】