説明

地点登録装置

【課題】要求する充電に適した地点であるか否かを区別できるように登録可能な地点登録装置を提供する。
【解決手段】電池の充電が行われた充電地点の位置情報を取得する情報入力部11と、充電地点での充電頻度又はSOCの変化に基づいて、充電地点が規定されるカテゴリーのうちいずれのカテゴリーに属するかを特定し、充電地点を特定されたカテゴリー及び位置情報と関連付けて充電可能地点として登録する地点登録部13と、を備えることで、充電可能地点として登録する際に、充電地点での充電頻度又はSOCの変化に基づいて規定されるカテゴリーごとに分類して記録することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地点の登録を行う装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地点の登録を行う装置として、車両の電池を充電することができる充電可能地点を地図情報に登録するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の装置は、車両位置が移動していない状態で電池の充電が行われた地点を充電器の常置位置として地図情報に自動登録するものである。
【特許文献1】特許第3847065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の装置にあっては、例えば、利用者が充電を長時間行うことを希望した場合であっても、充電可能地点が長時間の充電に適しているか否かを判断することができない。このため、当該充電可能地点では利用者の要求する充電が十分行えないおそれがある。
【0004】
そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、要求する充電に適した地点であるか否かを区別できるように登録可能な地点登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明に係る地点登録装置は、車両の電池を充電することができる充電可能地点を登録する地点登録装置であって、電池の充電が行われた充電地点の位置情報を取得する位置取得手段と、充電地点での充電実績に基づいて、充電地点が、規定されるカテゴリーのうちいずれのカテゴリーに属するかを特定し、充電地点を特定されたカテゴリー及び位置情報と関連付けて充電可能地点として登録する登録手段と、を備えて構成される。
【0006】
この発明によれば、充電地点を位置情報と関連付けして充電可能地点として登録する際に、充電地点での電池の充電実績に基づいて規定されるカテゴリーごとに、充電地点を分類して記録することができる。カテゴリーとは、充電の態様に関する区分であって、例えば、充電頻度が大きい地点(自宅等)、充電頻度が小さい地点(充電スタンド等)、充電時間が長い地点(自宅等)、充電時間が短い地点(充電スタンド等)等が用いられる。これにより、利用者が充電実績に基づいて規定されるカテゴリーを確認することで、例えば、登録された充電可能地点が長時間の充電に適した地点であるのか、短時間の充電に適した地点であるのか判断することが可能となる。このように、充電実績に基づいて分類分けして充電可能地点を登録することにより、要求する充電に適した地点であるか否かを区別して利用者に提供することが可能となる。
【0007】
ここで、充電実績は、充電地点での充電時間又は充電地点での充電頻度であることが好適である。これにより、充電時間若しくは充電頻度又はこれらの組み合わせに基づいて、要求する充電に適した充電可能地点を区別できるように利用者に提供することが可能となる。
【0008】
また、充電時間は、電池のSOCの変化量に基づいて算出されてもよい。このように構成することで、地点登録装置を停止した状態であっても充電時間を算出することができるので、省電力化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、要求する充電に適した地点であるか否かを区別できるように登録することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
本実施形態に係る地点登録装置は、例えば、カーナビゲーションシステムを搭載したプラグインハイブリット車両や電気自動車に好適に採用されるものである。
【0012】
最初に、本実施形態に係る地点登録装置を備える車両の概要から説明する。図1は、本実施形態に係る地点登録装置を備える車両の概要図である。図1に示す車両3は、車速センサ31、GPS(Global Positioning System)受信機32、バッテリ監視部33、エンジン制御部34及びナビゲーション装置20を備えている。GPSは、衛星を用いた計測システムのことであり、自車両の現在位置の把握に好適に用いられるものである。
【0013】
車速センサ31は、車両3の車速を検出するセンサである。車速センサ31として、例えば、車輪側に設けられた磁石と車体側に設けられたホール素子によって車輪の回転をパルスとして検出して車速を検出するセンサが用いられる。また、車速センサ31は、ナビゲーション装置20に接続されており、検出した車速をナビゲーション装置20へ出力する機能を有している。
【0014】
GPS受信機32は、車両3の位置情報を受信する機能を有している。また、GPS受信機32は、ナビゲーション装置20に接続されており、受信した位置情報をナビゲーション装置20へ出力する機能を有している。
【0015】
バッテリ監視部33は、車両3が有するバッテリ(不図示)のSOC(StateOf Charge)を検出する機能を有している。また、バッテリ監視部33は、ナビゲーション装置20に接続されており、検出したバッテリのSOCをナビゲーション装置20へ出力する機能を有している。
【0016】
エンジン制御部34は、エンジンの起動(エンジンオン)や停止(エンジンオフ)を制御する機能を有している。また、エンジン制御部34は、ナビゲーション装置20に接続されており、エンジンのオン、オフの状態をナビゲーション装置20へ出力する機能を有している。
【0017】
ナビゲーション装置20は、所定地点(例えば目的地)までの経路案内等を行う機能を有しており、表示部21、地図データベース22及びナビECU(Electronic Control Unit)1を備えている。ECUは、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random AccessMemory)等のメモリ、及び入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。
【0018】
表示部21は、運転者に視覚を通じて情報伝達する機能を有しており、例えばディスプレイが用いられる。
【0019】
地図データベース22は、道路地図が格納されたデータベースであり、書き込み可能に構成されている。
【0020】
ナビECU(地点登録装置)1は、情報入力部(位置取得手段)11、充電可能地点判定部12及び地点登録部(登録手段)13を備えている。情報入力部11は、車速センサ31が出力した車速、GPS受信機32が出力した位置情報、バッテリ監視部33が出力したバッテリのSOC、エンジン制御部34が出力したエンジンのオン、オフの状態を入力する機能を有している。また、入力した情報を充電可能地点判定部12及び地点登録部13へ出力する機能を有している。
【0021】
充電可能地点判定部12は、現在地点でのバッテリのSOCに係る変化量に基づいて、現在地点が充電可能地点であるか否かを判定する機能を有している。また、充電可能地点判定部12は、現在地点においてエンジンのオフを確認した場合には、エンジンオフ直前のバッテリのSOCとエンジンオン直後のバッテリのSOCとを比較して、バッテリのSOCの変化量を算出し、現在地点が充電可能地点であるか否かを判定する機能を有している。さらに、充電可能地点判定部12は、充電可能地点であるか否かの判定結果を地点登録部13へ出力する機能を有している。
【0022】
地点登録部13は、充電可能地点判定部12が出力した出力結果に基づいて、現在地点を地図データベース22に充電可能地点として登録する機能を有している。また、地点登録部13は、情報入力部11が入力した現在地点でのバッテリの充電実績に基づいて、現在地点をカテゴリーごとに分類し、現在地点のカテゴリー及び現在地点の位置情報を充電可能地点として地図データベース22へ登録する機能を有している。カテゴリーとは、充電の態様に関する区分であって、例えば、充電頻度が大きい地点(自宅等)、充電頻度が小さい地点(充電スタンド等)、長時間充電している地点(自宅等)、長時間充電していない地点(充電スタンド等)等が用いられる。充電実績は、過去及び現在の充電結果であり、SOCの変化量、当該地点での充電頻度、SOCの変化量から算出される当該地点での充電時間等が用いられる。SOCの変化量から充電時間を算出する場合には、例えば、各充電地点の単位時間あたりの充電量が等しいものとして算出すればよい。
【0023】
次に、本実施形態に係るナビECU1の動作について説明する。図2〜5は、本実施形態に係るナビECU1の動作を示すフローチャートである。最初に、車両3が所定地点に到着した際に実行する処理を、図2を用いて説明する。図2に示す制御処理は、例えば、車両3が所定地点に到着したタイミングで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。なお、以下では説明理解の容易性を考慮して、充電地点に到着した場合を例に説明する。
【0024】
図2に示す制御処理が開始されると、エンジン状態確認処理から開始する(S10)。S10の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点(現在地点)においてエンジンが停止しているか又は停車中であるか否かを判定する処理である。充電可能地点判定部12は、エンジン制御部34が出力したエンジンのオン、オフの状態を、情報入力部11を介して入力し、エンジンが停止しているか否かを判定する。又は、車速センサ31が出力した車速情報を、情報入力部11を介して入力し、車両3が停止しているか否かを判定する。S10の処理において、車両3が停車中又はエンジン停止中であると判定した場合には、SOC判定処理へ移行する(S12)。
【0025】
S12の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点でのバッテリのSOCが単位時間内に所定値以上変化したか否かを判定する処理である。充電可能地点判定部12は、充電地点でのバッテリのSOCを入力し、例えば2分以内に閾値A以上増加したか否かを判定する。このように、充電可能地点判定部12は、エンジンを停止してバッテリの充電が行われたか否かを判定する。なお、閾値Aは、バッテリの充電性能等により予め定めたものが用いられる。S12の処理において、充電地点においてバッテリのSOCが所定時間内に閾値A以上増加していると判定した場合には、バッテリの充電が開始されているとして、SOC記録処理へ移行する(S14)。
【0026】
S14の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、車両停止時又はエンジンオフ時のバッテリのSOCを記録する処理である。充電可能地点判定部12は、例えばナビECU1が有するメモリ上に、車両停止時又はエンジンオフ時のバッテリのSOCを記録する。S14の処理が終了すると、候補地点設定処理へ移行する(S16)。
【0027】
S16の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点を充電可能地点候補として記録する処理である。充電可能地点判定部12は、GPS受信機32が出力した位置情報を、情報入力部11を介して入力し、例えばナビECU1が有するメモリ上に充電地点の位置情報を充電可能地点候補として記録する。あるいは、地図データベース22上の最も位置情報が近い道路識別子を、充電可能地点候補として記録してもよい。S16の処理が終了すると、図2に示す制御処理は終了する。
【0028】
一方、S10の処理において、車両3が停車中でない場合、又はエンジンオフでない場合には、エンジンオフに伴いナビゲーション装置20の通電が遮断されることがないので、図2に示す制御処理を終了する。また、S12の処理において、SOCが単位時間内に閾値A以上増加しなかった場合には、エンジンオフ後にバッテリの充電が開始されているとはいえないので、図2に示す制御処理を終了する。
【0029】
以上、図2に示す制御処理を実行することにより、目的地点に到着した時にエンジン停止がある場合には、エンジン停止後の短い時間で充電可能地点の候補であるか判定し、充電可能地点の候補である場合には仮設定を行うことができる。このように、エンジン停止後に当該地点が充電可能地点か否かを確定させる処理を行わないため、エンジン停止後の処理を簡略化して制御時間を短縮できるので、余分な電力を消費することを回避することができる。
【0030】
次に、図2の制御処理の後に実行する処理の概要を、図3を用いて説明する。図3に示す制御処理は、例えば、車両3が充電地点に到着して図2の処理を実行した後、ナビゲーション装置20が通電されたタイミングで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0031】
図3に示す制御処理が開始されると、エンジン状態確認処理から開始する(S20)。S20の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点(現在地点)においてエンジンが起動しているか否かを判定する処理である。充電可能地点判定部12は、エンジン制御部34が出力したエンジンのオン、オフの状態を、情報入力部11を介して入力し、エンジンが起動しているか否かを判定する。S20の処理において、エンジンが起動していると判定した場合には、状態判断処理又は情報加工処理へ移行する(S22)。
【0032】
S22の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点でのバッテリのSOCの状態を判断する処理、又は、充電に関する実績情報を加工する処理である。これらの処理は、充電地点が充電可能地点であるか否かを判断するための情報を取得又は算出する処理である。この処理の詳細については後述する。S22の処理を終了すると、情報記憶処理又は通知処理へ移行する(S24)。
【0033】
S24の処理は、地点登録部13が実行し、S22の処理で取得又は算出した情報に基づいて、充電地点を地図データベース22に登録する処理、又は、ナビゲーション装置20が実行し、運転者にバッテリのSOCの情報を報知する処理である。この処理の詳細については後述する。S24の処理が終了すると、図3に示す制御処理を終了する。
【0034】
一方、S20の処理において、車両3のエンジンが起動していない場合には、図3に示す制御処理を終了する。
【0035】
以上、図3に示す制御処理を実行することにより、車両3が充電地点に到着後、エンジンが継続して起動している場合、又は、車両3が充電地点に到着後にエンジン停止し、その後エンジン起動が行われた際に、バッテリのSOCの状態判断又は充電に関する実績情報を取得又は算出し、充電可能地点であるか判定して登録等を行うことができる。
【0036】
次に、図3のS22及びS24に示す処理の一例について、図4を用いて説明する。図4に示す制御処理は、図3に示す制御処理の一例である。図4に示す制御処理は、例えば、車両3が充電地点に到着して図2の処理を実行した後、ナビゲーション装置20が通電されたタイミングで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0037】
図4に示す制御処理が開始されると、エンジン状態確認処理から開始する(S30)。S30の処理は、図3のS20の処理と同様である。S30の処理において、車両3のエンジンが起動していない場合には、図3に示す制御処理を終了する。一方、S30の処理において、エンジンの起動がされていると判定した場合には、状態判断処理へ移行する(S32)。
【0038】
S32の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点でのバッテリのSOCの状態を判断する処理である。例えば、充電地点に到着後、エンジン起動を継続している場合には、バッテリのSOCを監視して所定時間以内のSOCの変化を判定する。また、例えば、充電地点に到着してエンジン停止をした後に、再度エンジン起動した場合には、図2のS14の処理で記録したSOCすなわちエンジン停止時のSOCを入力し、エンジン起動時のSOCと比較して、SOCの変化を確認する。充電可能地点判定部12は、例えば、SOCが閾値B以上増加したか否かを判定する。なお、閾値Bは、バッテリの充電性能等により予め定めたものが用いられる。また、充電可能地点判定部12は、バッテリが満充電状態であるか否かについてもSOCに基づいて判定する。S32の処理において、SOCの変化量が閾値B以上であると判定した場合、又は、バッテリが満充電状態であると判定した場合には、充電地点を充電可能地点であると判定する。そして、充電回数の加算処理へ移行する(S34)。
【0039】
S34の処理は、地点登録部13が実行し、充電地点において充電した累積回数をカウントする処理である。地点登録部13は、例えばナビECU1が有するメモリに格納された充電回数(累積値)に1を加算する。S34の処理が終了すると、充電回数判定処理へ移行する(S36)。
【0040】
S36の処理は、地点登録部13が実行し、S34の処理で算出した充電回数が閾値C以上であるか否かを判定する処理である。S36の処理を実行することにより、頻繁に使用する地点であるか否かを判断することができる。なお、閾値Cは、利用者の車両利用頻度等に応じて定めればよい。S36の処理において、充電回数が閾値C以上であると判定した場合、すなわち、頻繁に使用していると判定した場合には、地図データベース22への登録処理へ移行する(S38)。
【0041】
S38の処理は、地点登録部13が実行し、充電地点を充電頻度の大きい充電可能地点であるとして地図データベース22に登録する処理である。地点登録部13は、カテゴリーを「充電頻度大」とし、GPS受信機32が出力した充電地点の位置情報とともに、充電可能地点として地図データベース22に登録する。なお、道路識別子等に対応付けて地図データベース22に記録してもよい。S38の処理が終了すると、図4に示す制御処理を終了する。
【0042】
一方、S36の処理において、充電回数が閾値C以上でないと判定した場合、すなわち、頻繁に使用していないと判定した場合には、地図データベース22への登録処理へ移行する(S40)。S40の処理は、地点登録部13が実行し、充電地点を充電頻度の小さい充電可能地点であるとして地図データベース22に登録する処理である。地点登録部13は、例えば、カテゴリーを「充電頻度小」とし、GPS受信機32が出力した充電地点の位置情報とともに、充電可能地点として地図データベース22に登録する。なお、道路識別子等に対応付けて地図データベース22に記録してもよい。S40の処理が終了すると、図4に示す制御処理を終了する。
【0043】
一方、S32の処理において、エンジン停止からエンジン起動までのSOCの変化量が閾値B以上でないと判定した場合、及び、バッテリが満充電状態でないと判定した場合には、通知処理へ移行する(S42)。S42の処理は、ナビECU1及び表示部21が実行し、バッテリが満充電状態でない旨を運転者に報知する処理である。例えば、表示部21に「充電不足」と表示したり、SOC状態を表す棒グラフ等を表示したりする。なお、ナビゲーション装置20に接続されるスピーカ(不図示)により音声で報知してもよい。S42の処理を実行することにより、利用者にバッテリ状態を報知することができるので、バッテリが過放電状態、いわゆるバッテリ上がりの状態になることを回避することができる。S42の処理が終了すると、図4に示す制御処理を終了する。
【0044】
以上、図4のS32、S34、S36が図3のS22の処理に対応し、図4のS38、S40、S42が図3のS24の処理に対応する。図4に示す制御処理を実行することにより、車両3が充電地点に到着後、エンジンを継続して起動させている場合、又は、車両3が充電地点に到着後にエンジン停止し、その後エンジン起動が行われた際に、バッテリのSOCの状態を判断して充電可能地点であるか否かを判定するとともに、当該地点の充電頻度に基づいて当該地点のカテゴリーを決定し、カテゴリー及び位置情報を登録することができる。これにより、例えば、利用者は地図データベース22を参照又は検索する際に、充電可能地点の充電頻度に基づいて充電可能地点を区別することができる。そして、利用者の要求する充電を行うことができるか否かを判断することが可能となる。また、充電頻度が大きい充電可能地点は「自宅」、充電頻度が小さい充電可能地点は「充電スタンド」と分類して地図データベース22に登録してもよい。
【0045】
次に、図3のS22及びS24に示す処理の他の例について、図5を用いて説明する。図5に示す制御処理は、図3に示す制御処理の一例である。図5に示す制御処理は、例えば、車両3が充電地点に到着して図2の処理を実行した後、ナビゲーション装置20が通電されたタイミングで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0046】
図5に示す制御処理が開始されると、エンジン状態確認処理から開始する(S50)。S50の処理は、図3のS20の処理と同様である。S50の処理において、車両3のエンジンが起動していない場合には、図3に示す制御処理を終了する。一方、S50の処理において、エンジンの起動がされていると判定した場合には、状態判断処理へ移行する(S52)。
【0047】
S52の処理は、充電可能地点判定部12が実行し、充電地点でのバッテリのSOCの状態を判断する処理である。例えば、充電地点に到着後、エンジン起動を継続している場合には、バッテリのSOCを監視して所定時間以内のSOCの変化を判定する。また、例えば、充電地点に到着してエンジン停止をした後に、再度エンジン起動した場合には、図2のS14の処理で記録したSOCすなわちエンジン停止時のSOCを入力し、エンジン起動時のSOCと比較して、SOCの変化を確認する。充電可能地点判定部12は、例えば、SOCの増分変化量が、閾値D未満であるか、閾値D以上で閾値E未満であるか、又は、閾値E以上であるかを判定する。なお、閾値D、Eは、D<Eの関係を満たし、バッテリの充電性能等により予め定めたものが用いられる。S52の処理において、SOCの変化量が閾値E以上であると判定した場合には、充電地点を充電可能地点であると判定する。そして、地図データベース22への登録処理へ移行する(S54)。
【0048】
S54の処理は、地点登録部13が実行し、充電地点を長時間の充電が可能な充電可能地点であるとして地図データベース22に登録する処理である。地点登録部13は、カテゴリーを「長時間充電対応」とし、GPS受信機32が出力した充電地点の位置情報とともに、充電可能地点として地図データベース22に登録する。なお、道路識別子等に対応付けて地図データベース22に記録してもよい。S54の処理が終了すると、図5に示す制御処理を終了する。
【0049】
一方、S52の処理において、SOCの変化量が閾値D以上で閾値E未満であると判定した場合には、充電地点を充電可能地点であると判定する。そして、地図データベース22への登録処理へ移行する(S56)。S56の処理は、地点登録部13が実行し、充電地点を長時間の充電には不向きな充電可能地点であるとして地図データベース22に登録する処理である。地点登録部13は、例えば、カテゴリーを「長時間充電非対応」とし、GPS受信機32が出力した充電地点の位置情報とともに、充電可能地点として地図データベース22に登録する。なお、道路識別子等に対応付けて地図データベース22に記録してもよい。S56の処理が終了すると、図5に示す制御処理を終了する。
【0050】
一方、S52の処理において、SOCの変化量が閾値D未満であると判定した場合には、通知処理へ移行する(S58)。S58の処理は、図4のS42の処理と同様である。S58の処理が終了すると、図5に示す制御処理を終了する。
【0051】
以上、図5のS52が図3のS22の処理に対応し、図5のS54、S56、S58が図3のS24の処理に対応する。図5に示す制御処理を実行することにより、車両3が充電地点に到着後、エンジンを継続して起動させている場合、又は、車両3が充電地点に到着後にエンジン停止し、その後エンジン起動が行われた際に、バッテリのSOCの状態を判断して充電可能地点であるか否かを判定するとともに、当該地点でのSOCの変化量に基づいて当該地点のカテゴリーを決定し、カテゴリー及び位置情報を登録することができる。これにより、例えば、利用者は地図データベース22を参照又は検索する際に、充電可能地点の充電時間に基づいて充電可能地点を区別することができる。そして、利用者の要求する充電を行うことができるか否かを判断することが可能となる。また、充電時間が長い充電可能地点は「自宅」、充電時間が長くない充電可能地点は「充電スタンド」と分類して地図データベース22に登録してもよい。また、充電時間をSOCの変化量と対応させることで、充電中にバッテリ監視部33及びナビゲーション装置20が通電されていなくても充電時間を算出することができる。このため、省電力化を図ることができる。
【0052】
上述したように、本実施形態に係る地点登録装置1によれば、充電可能地点として登録する際に、充電地点での電池の充電実績に基づいて規定されるカテゴリーごとに、充電地点を分類して記録することができる。これにより、利用者がカテゴリーを確認することで、例えば登録された充電可能地点が長時間の充電に適した自宅であるのか、短時間の充電に適した充電スタンドであるのか判断することが可能となる。このように、充電実績に基づいて分類分けして充電可能地点を登録することにより、自宅などの利用者ごとに異なる充電可能地点を自動で地図データベース22に登録して利用者に提供することが可能となる。
【0053】
なお、上述した実施形態は本発明に係る地点登録装置の一例を示すものである。本発明に係る地点登録装置は、実施形態に係る地点登録装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る地点登録装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0054】
例えば、上述した実施形態では、ナビECU1が充電可能地点判定部12を備える例を説明したが、ナビECU1は充電可能地点判定部12を必ずしも備える必要はなく、充電可能地点であるか否かの判定を他の装置で行っても良い。
【0055】
また、上述した実施形態では、図3に示す制御処理の一例として、図4及び図5の制御処理を説明したが、図4及び図5に示す制御処理は、何れか一方を実施する場合のみならず、図4及び図5に示す制御処理を実行し、処理結果を組み合わせた情報に基づいてカテゴリー分けして地図データベース22に登録してもよい。この場合、一層正確な情報を登録することが可能となる。
【0056】
また、上述した実施形態では、充電量の変化に基づいて充電時間を算出している例を説明したが、例えば、バッテリ監視部33のみがエンジン停止後あるいはイグニッションオフ後においても稼動し続け、充電時間をカウントする構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態に係る地点登録装置を備える車両の構成概要を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る地点登録装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施形態に係る地点登録装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施形態に係る地点登録装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態に係る地点登録装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…ナビECU(地点登録装置)、11…情報入力部(位置取得手段)、13…地点登録部(登録手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電池を充電することができる充電可能地点を登録する地点登録装置であって、
前記電池の充電が行われた充電地点の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記充電地点での充電実績に基づいて、前記充電地点が、規定されるカテゴリーのうちいずれのカテゴリーに属するかを特定し、前記充電地点を前記特定されたカテゴリー及び前記位置情報と関連付けて前記充電可能地点として登録する登録手段と、
を備える地点登録装置。
【請求項2】
前記充電実績は、前記充電地点での充電時間又は前記充電地点での充電頻度である請求項1に記載の地点登録装置。
【請求項3】
前記充電時間は、前記電池のSOCの変化量に基づいて算出する請求項2に記載の地点登録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−101854(P2010−101854A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275935(P2008−275935)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】