説明

地球儀型おもちゃ箱

【課題】人間の健全な発育を助ける地球儀型おもちゃ箱を提供する。
【解決手段】地球儀型おもちゃ箱11は、球状であって、その表面に世界地図を有し、その内部に子供が遊戯するおもちゃ28を収納可能な収納部26を含み、第一および第二の半球部13a、13bに分割可能な地球儀体12と、第一の半球部13aおよび第二の半球部13bを連結する連結部16と、地球儀体12を支持する支持台21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地球儀型おもちゃ箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
妊娠を知ったときの母親、父親は、愛情の結晶としての生命を宿ったことに感動し、おなかの中の胎児が無事に成長することを願う。初めてわが子を抱いた日、親は、ただひたすら小さな生命の幸せを願う。子供に対する親としての素直な心、あたたかい心をいつまでも忘れずにいたい。このようなやさしい思いが子供たちに届けば、子供は親の愛情を感じとり、素直であたたかい心を持った子に育つ。
【0003】
子供があたたかい心を持って成長することは、全世界共通の願いである。すなわち、地球は、赤ちゃんのあたたかい育児により支えられるといっても過言ではない。乳幼児期の0歳〜3歳児のころは、自我が芽生える最も重要な時期とされている。言い換えれば、脳が最も発達する時期である。この時期に乳幼児があたたかい心をもって健全に成長するためには、親が子に対してあたたかい心を持って深い愛情を注ぐことが重要である。親と子が愛情および感動を共有すれば、脳に対して優しい環境を作り上げることができる。
【0004】
特に子が3歳になるまでの間に親から受けた愛情の記憶を、その後の成長時期においても子の脳に持続して残していきたい。子がいつまでも親から受けた愛情を脳の記憶に留めていれば、その子は、あたたかい心を持って育つ。また、子が親となり、その後成長していっても、あたたかい心をいつまでも記憶に留めることができれば、また、幸せな思い出をいつでも思い出すことができれば、この上ない幸せである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、乳幼児期の0歳〜3歳児頃にあたたかい心で育てられた記憶は、子供が成長し、学童期、青年期となるにつれて徐々に忘れていってしまう。しかし、このようなあたたかい心で育てられた記憶は、学童期、青年期における挫折や失敗時において、子供を精神的に立ち直らせるきっかけとなるため、いつまでも覚えておきたい、いつでも思い出したいものである。さらに、誕生日等の人生の節目の時期において、このような幸せな思い出を振り返りたいものでもある。
【0006】
あたたかい心で育てられた記憶を甦らせ、幸せな思い出を思い出す契機の一つとなるのが、乳幼児期に遊んだおもちゃである。乳幼児期に母親と共に遊んだおもちゃを見たり、手に触れたりすることにより、人間は、母親と共に楽しく遊んだ幸せな思い出を思い出すことができる。また、乳幼児期において、母親が授乳時に使用していたハンカチについても、母親のぬくもり、匂いを感じさせるものであり、一生の宝物として幸せな思い出を思い出させる契機となるものである。
【0007】
しかし、このようなおもちゃやハンカチは、子供が成長するに従って接する機会が少なくなり、所在が不明となったり、誤って捨ててしまう恐れがある。このようなおもちゃやハンカチは、子供が成長するにつれて接する機会が少なくなり、遊ばなくなっても、子供、引いては、人間の健全な成長を助けるためには必要なものである。
【0008】
この発明の目的は、人間の健全な発育を助ける地球儀型おもちゃ箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る地球儀型おもちゃ箱は、球状であって、その表面に世界地図を有し、その内部に子供が遊戯するおもちゃを収納可能な収納部を含み、第一および第二の半球部に分割可能な地球儀体と、第一の半球部および第二の半球部を連結する連結部と、地球儀体を支持する支持台とを備える。
【0010】
このように構成することにより、地球儀体に含まれる収納部に、乳幼児期に遊んだおもちゃや母親が授乳時に使用したハンカチを収納することができる。地球儀型おもちゃ箱は、その表面に世界地図を有するため、地球儀として子供の学習や勉強、旅行等に利用することができる。また、子を持つ親として成長した人間がこれを見て、赤ちゃんのあたたかい育児によって支えられる地球を想起することもできる。通常、このような地球儀型おもちゃ箱は、地球儀として使用されるため、部屋の所定位置に配置されているものである。そうすると、収納部に収納されたおもちゃやハンカチ等、思い出の品の数々を適切に収納することができる。すなわち、誤って捨ててしまったり、紛失してしまうことはない。特に、乳幼児期に使用したおもちゃ等は、比較的小さなものが多いため、収納部に容易に収納することができる。また、誕生日等の人生の節目の時期や、挫折や失敗を経験した時期において、おもちゃやハンカチを収納部から取り出し、見たり、手に取ったりすることにより、幸せな記憶、思い出を思い出すことができる。したがって、このような地球儀型おもちゃ箱により、人間の健全な発達を助けることができる。
【0011】
好ましくは、第一および第二の半球部は、磁石により連結される。こうすることにより、第一および第二の半球部を、磁石によって確実に閉じ合わせることができる。そうすると、収納部に収納されたおもちゃやハンカチを、確実に収納することができる。したがって、おもちゃやハンカチの紛失等の恐れが低減する。また、磁石によって、第一および第二の半球部を適切に閉じ合わせた状態にすることができる。したがって、地球儀として使用する際に、その表面に表された世界地図がずれた状態とならず、正確な世界地図を形成することができる。なお、このような構成は、乳幼児期の子供にとっても、容易に収納部を開閉し易い構成である。
【0012】
さらに好ましくは、第一および第二の半球部には、各々に係合する凹凸状の係合部が設けられている。こうすることにより、第一および第二の半球部を閉じ合わせる際に、その位置をずらせることなく閉じ合わせることができる。そうすると、地球儀として使用する際にさらに正確な世界地図を形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、地球儀体に含まれる収納部に、乳幼児期に遊んだおもちゃや母親が授乳時に使用したハンカチを収納することができる。このような地球儀型おもちゃ箱は、地球儀として利用することができ、部屋の所定位置に配置されているものである。そうすると、収納部に収納されたおもちゃやハンカチを誤って捨ててしまうことはなくなる。また、誕生日等におもちゃやハンカチを収納部から取り出して、幸せな思い出を思い出すことができる。さらに、これを見て、赤ちゃんのあたたかい育児によって支えられる地球を想起することもできる。したがって、人間の健全な発達を助けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1および図2は、この発明の一実施形態に係る地球儀型おもちゃ箱を示す斜視図であり、図1は、地球儀体12を閉じ合わせた状態を示し、図2は、地球儀体12を開け広げた状態を示す。また、図3は、地球儀体12を開け広げた状態を示す概略図である。
【0015】
図1、図2および図3を参照して、地球儀型おもちゃ箱11の構成について説明する。地球儀型おもちゃ箱11に備えられる地球儀体12は、球状であり、半球体形状の第一の半球部13aおよび第二の半球部13bを組合わせた形状である。すなわち、地球儀体12は、球体を、例えば、その中心を通る分割面14で分割した形状である。
【0016】
第一の半球部13aは、その内部がくりぬかれた形状であり、第一の空間部27aを有する。同様に、第二の半球部13bも、その内部がくりぬかれた形状であり、第二の空間部27bを有する。その内部に子供が遊戯するおもちゃ28や母親の匂いを有するハンカチを収納可能な収納部26は、第一の半球部13aおよび第二の半球部13bを閉じ合わせることにより形成される。すなわち、収納部26は、第一の半球部13aおよび第二の半球部13bを閉じ合わせた際に、第一および第二の空間部27a、27bによって形成される空間である。地球儀体12は、その内部に子供が遊戯するおもちゃ28や母親の匂いを有するハンカチを収納可能な収納部26を含む。
【0017】
また、地球儀体12は、その表面に世界地図を有する。このような世界地図は、学童期や青年期における学習や勉強、旅行等に利用することができる。すなわち、通常の地球儀として使用可能である。さらに、健全な学童期や青年期を経て、子を持つ親として人間が成長した後においても、その表面に世界地図を有する地球儀体12を見て、赤ちゃんのあたたかい育児によって支えられる地球を想起することもできる。
【0018】
地球儀体12を構成する第一および第二の半球部13a、13bは、連結部16によって、連結されている。連結部16は、第一のアーム部17a、第二のアーム部17bおよび接続部18を含む。第一および第二のアーム部17a、17bは、半円弧状の剛性を有する部材から構成される。第一のアーム部17aは、第一の半球部13aの球面に沿うように配置される。第一のアーム部17aの一方端は、第一の半球部13aの頂点19aに取り付けられる。同様に、第二のアーム部17bは、第二の半球部13bの球面に沿うように配置される。また、第二のアーム部17bの一方端は、第二の半球部13bの頂点19bに取り付けられる。第一および第二の半球部13a、13bは、頂点19a、19bを結ぶ線を回転軸線として、回転することができる。なお、この回転軸線は、通常の地球儀と同様に傾いている。
【0019】
接続部18は、第一および第二のアーム部17a、17bの他方端部同士を回動可能に接続する。すなわち、接続部18によって、第一および第二のアーム部17a、17bに取り付けられている第一および第二の半球部13a、13bを開け広げたり、閉じ合わせたりすることができる。閉じ合わせ時は、具体的には、第一の半球部13aの当接部32a、32bと第二の半球部13bの当接部31a、31bとがそれぞれ当接するように閉じ合わされる。
【0020】
ここで、第一および第二の半球部13a、13bを閉じ合わせる構成について説明する。図4は、第一および第二の半球部13a、13bを閉じ合わせた際の当接部32a、31aを示す断面図である。図1〜図4を参照して、第一の半球部13aの当接部32a、32bには、凸状の係合部33bが設けられている。また、第二の半球部13bの当接部31a、31bには、凹状の係合部33aが設けられている。凸状の係合部33bおよび凹状の係合部33aは、それぞれ係合可能である。
【0021】
ここで、第一および第二の半球部13a、13bを閉じ合わせると、当接部32a、31aに設けられた係合部33b、33aが係合する。また、同様に、図示はしないが、当接部32b、31bに設けられた係合部同士も係合する。こうすることにより、第一および第二の半球部13a、13bの位置をずらせることなく、閉じ合わせることができる。そうすると、地球儀体12を地球儀として使用する際に、適切な配置を保つことができ、正確な世界地図を形成することができる。なお、この場合、係合部33b、33aに設けられる凹凸形状は、逆に設けることにしてもよい。
【0022】
また、当接部32a、32b、31a、31bを磁石によって構成し、第一および第二の半球部13a、13bを磁石により連結することにしてもよい。こうすることにより、磁力で第一および第二の半球部13a、13bを閉じ合わせることができる。そうすると、閉じ合わされた状態が簡単に解除されることはなくなるため、収納部26に収納されたおもちゃ28やハンカチを確実に収納することができる。したがって、おもちゃ28やハンカチの紛失等の恐れが低減する。また、地球儀として使用する際に、その表面に表された世界地図がずれた状態とならず、正確な世界地図を形成することができる。なお、このような構成は、幼児期の子供にとっても、容易に収納部26を開閉し易い構成である。
【0023】
地球儀体12は、支持台21によって支持される。支持台21は、土台部22と、支持部23とを含む。土台部22は、机等の上に地球儀型おもちゃ箱11を配置した場合でも、地球儀型おもちゃ箱11が転倒したり、傾いたりしないよう、所定の厚みおよび面積を有する。支持部23は、土台部22から垂直な方向に延びるように取り付けられている。また、第二のアーム部17bにその一方端が取り付けられる。このようにして、地球儀体12は支持される。
【0024】
ここで、収納部26におもちゃ28やハンカチを収納する場合について説明する。収納部26に収納されるおもちゃ28には、乳幼児期において母親と共に遊んだときに使用したぬいぐるみや輪状の遊具等がある。また、おもちゃ28に限らず、乳幼児期に撮影した写真や、授乳時に母親が使用したハンカチを収納することもできる。
【0025】
脳の健全な発達は、0歳〜3歳児頃までに形成されると考えられている。このような乳幼児期に遊んだ楽しい思い出や懐かしい日々、幸せな日々を思い出すことができるおもちゃ28や母親に注がれた愛情を容易に思い出すことのできるハンカチを、地球儀体12を開け広げ、収納部26に収納することができる。特に、乳幼児期に使用したおもちゃ28等は、比較的小さなものが多いため、収納部26に容易に収納することができる。また、ハンカチ等は、折りたたんで収納することもできる。通常、このような地球儀型おもちゃ箱11は、地球儀として使用されるため、部屋の所定位置に配置されている。したがって、このような収納部26に収納しておくと、おもちゃ28等を紛失したり、誤って捨て去ることはなくなる。特に、授乳時に使用され、母親の匂いの染み付いたハンカチを失うことなく収納でき、一生の宝物として幸せの象徴であるハンカチを確実に保存しておくことができる。
【0026】
一方、一年に一度の誕生日や人生の節目の時期、挫折や失敗を経験した時期に地球儀体12を開け広げ、収納部26に収納されたおもちゃ28を見たり、手に触れたりして、幼き日の母親との楽しい思い出、懐かしい日々を思い出すことができる。特に、おもちゃ28の他に、乳幼児期において母親が授乳時に使用し、母親の匂いのついたハンカチを収納しておくことにより、楽しい思い出や懐かしい日々を思い出すことができる。
【0027】
このような地球儀型おもちゃ箱11は、誕生日等において、お祝い品として親から子へ贈られるものである。乳幼児においては主におもちゃ箱、すなわち、子供が遊戯するおもちゃ28を収納する容器として機能する。また、子供が健全な発育をして学童期、青年期に至ると、地球儀体12の表面に形成される世界地図を用いて、子供の学習や勉強に利用し、勉学に勤しむことができる。また、旅行や引越しの際にも利用することができる。さらに、子を持つ親として健全に成長した際には、地球儀体12を見て、赤ちゃんのあたたかい育児によって支えられる地球を想起することもできる。
【0028】
以上より、このような地球儀型おもちゃ箱11は、人間の健全な発育を助けることができる。
【0029】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明に係る地球儀型おもちゃ箱は、人間の健全な発育を助長するものとして有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の一実施形態に係る地球儀型おもちゃ箱を示す斜視図であり、地球儀体を閉じ合わせた状態を示す。
【図2】この発明の一実施形態に係る地球儀型おもちゃ箱を示す斜視図であり、地球儀体を開け広げた状態を示す。
【図3】この発明の一実施形態に係る地球儀型おもちゃ箱のうち、地球儀体を開け広げた状態を示す概略図である。
【図4】当接部の係合状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
11 地球儀型おもちゃ箱、12 地球儀体、13a 第一の半球部、13b 第二の半球部、14 分割面、16 連結部 17a 第一のアーム部、17b 第二のアーム部、18 接続部、19a,19b 頂点、21 支持台、22 土台部、23 支持部、26 収納部、27a 第一の空間部、27b 第二の空間部、28 おもちゃ、31a,31b,32a,32b 当接部、33a,33b 係合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状であって、その表面に世界地図を有し、その内部に子供が遊戯するおもちゃを収納可能な収納部を含み、第一および第二の半球部に分割可能な地球儀体と、
前記第一の半球部および前記第二の半球部を連結する連結部と、
前記地球儀体を支持する支持台とを備える、地球儀型おもちゃ箱。
【請求項2】
前記第一および第二の半球部は、磁石により連結される、請求項1に記載の地球儀型おもちゃ箱。
【請求項3】
前記第一および第二の半球部には、各々に係合する凹凸状の係合部が設けられている、請求項1または2に記載の地球儀型おもちゃ箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−99907(P2008−99907A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285385(P2006−285385)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(390006231)アップリカ育児研究会アップリカ▲葛▼西株式会社 (97)
【Fターム(参考)】