説明

地球温暖化防止衛星

【課題】地球温暖化防止だけでなくスペースファクトリーでの各種製造、宇宙開発のエネルギー供給、劣化・故障した人工衛星の再生、宇宙ごみの収集と各種材料の入手と活用など多目的に利用でき、付加価値が高く、実現性が高い地球温暖化防止衛星を提供する。
【解決手段】大面積の太陽電池シート5と光遮断シート6を備えた地球温暖化防止衛星1を地球衛星軌道上に多数適切に配置し、地球上に入る太陽光放射を遮断し、地球温暖化防止を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽光発電シートと光遮断シートを備えた人口衛星が発電した電力を宇宙工場や人工衛星に供給する技術などに関する。

【背景技術】
【0002】
従来の技術は次のもの。
・家庭用や産業用の機器、装置、運搬機などの高効率化による省エネ、および太陽光、風力など自然エネルギーを利用した化石燃料代替発電などにより二酸化炭素を削減し地球温暖化を防止する技術。
・太陽電池を備えた人口衛星で発電し、電力をマイクロ波で地球に送電する技術。
・合金などの混合材料、高機能薬品などを無重力で製造する場合の理論的な優位性
・テレビなどの遠隔地電波送信に関し、地上の受信地点で人工衛星からの微弱電波を受け、増幅し、地上の通信経路を使ってアンテナまで送信し、アンテナから電波を発信する技術。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】出願番号: 特許出願2002−111971 出願日: 2002年4月15日 公開番号: 特許公開2003−309938 公開日: 2003年10月31日 出願人: 三菱電機株式会社 発明者 : 高田 和幸 外2名 発明の名称 : 宇宙太陽光発電システム、携行型小電力電子機器、受信アンテナ装置及び電力システム
【特許文献2】出願番号: 特許出願2000−279785 出願日: 2000年9月14日 公開番号: 特許公開2002−95189 公開日: 2002年3月29日 出願人: 三菱電機株式会社 発明者 : 三神 泉 外2名 発明の名称 : 宇宙太陽光発電方法、そのシステム、発電衛星及び電力基地
【特許文献3】出願番号: 特許出願2000−163717 出願日: 2000年4月24日 公開番号: 特許公開2001−309581 公開日: 2001年11月2日 出願人: 三菱電機株式会社 発明者 : 三神 泉 外2名 発明の名称 : 宇宙太陽光発電方法、そのシステム、発電衛星、制御衛星及び電力基地
【特許文献4】出願番号: 特許出願平4−358550 出願日: 1992年12月28日 公開番号: 特許公開平6−205549 公開日: 1994年7月22日 出願人: 科学技術庁航空宇宙技術研究所長 発明者 : 新野 正之 発明の名称 : 発電装置
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】タイトル:IPCC第4次評価報告書 第1作業部会報告書 概要(公式版) URL:1260166996156_0.pdf 作成:環境省 時期:2007年5月22日
【非特許文献2】タイトル:地球温暖化のコンピューター実験:(東京情報大学ハイテクリサーチセンター国際シンポジウム) URL:1260166996156_1.html 発表者:松野 太郎 時期:2000年12月
【非特許文献3】タイトル:地球温暖化は本当か? 著者:矢沢 潔 出版:平成19年1月25日、評論社
【非特許文献4】タイトル:科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている 著者:丸山 茂徳 出版:2008年8月23日、宝島社
【非特許文献5】タイトル:宇宙工場の建設 著者:北島 幸雄 出版:昭和61年5月10日、読売新聞社
【非特許文献6】タイトル:宇宙太陽光発電 URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/ 種類:フリー百科事典「ウィキペディア」
【非特許文献7】タイトル:地球温暖化 URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/ 種類:フリー百科事典「ウィキペディア」
【非特許文献8】タイトル:太陽 URL:1260166996156_2.html
【非特許文献9】タイトル:太陽 URL :http://ja.wikipedia.org/wiki/ 種類:フリー百科事典「ウィキペディア」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
京都議定書などでは地球温暖化防止のため、二酸化炭素の削減が提唱されている。この根拠は、地球が得る熱エネルギーのうちの大半を占める太陽光(人間の社会活動に伴う全排熱の50倍以上とされる)の熱エネルギーを温室ガス(特に二酸化炭素が全体の60%程度を占める)が地球に閉じ込め温室効果を生むためとされている。
然しながら、例えば、鳩山首相が平成21年9月22日に国連で宣言した二酸化炭素25%削減目標実現のためには、家庭や工場など多大な国全体の負担を義務付けるものであり達成が危ぶまれている。加えて、二酸化炭素と地球温暖化との関連性が科学的に100%証明されておらず、二酸化炭素削減という間接的手段だけでは地球温暖化防止を実現できない。(非特許文献1,2,3,4)「
【0006】
太陽は膨張を続けているとされ、50〜100億年後には大膨張して地球が灼熱化されると予測されるなど、マクロ的な時間レンジでは、地球に放射される太陽光が増加する傾向にある。このように、太陽光の放射量(地球に届く熱エネルギー量)が増えてゆく中では、二酸化炭素削減による間接的手段だけでは地球温暖化防止が困難になる。(非特許文献8,9)
【0007】
太陽電池を衛星軌道上に配置し太陽光により発電した電力をマイクロ波で地球に送電する技術に関して特許が出願されている。(特許文献1,2,3,4)然るに、太陽電池の利用率を高めるために衛星軌道上の太陽に近い領域に衛星を固定的に配置させなければならない(もし、太陽電池を地球のように自転させると、この固定的配置の発電量は3分の1以下になる)のに対して、地球は自転しているので、太陽電池から送電する対象の地球上の受電可能地点は絶えず移動する。対策として受電地点を多数設置し、受電地点の切り替えをスムーズに実施しなければならないが高度な設備や技術を要する。
【0008】
宇宙からのマイクロ波送電に関し、地上の受電地点を不連続に切り替えると、切り替えまでの時間は送電できないので電力を2次電池に蓄電することになる。従来の発明で想定している発電容量は発電所規模であるが宇宙に置く2次電池容量にも限界がある。一方、大気などの環境が流動的な地上に向けて、大電力のマイクロ波を連続的に送電するには装置や技術の両面で困難が伴う。
【0009】
宇宙からのマイクロ波送電に関し、マイクロ波は電子レンジの電波と同様に水分を加熱し、金属には電流が流れる。このため、送電側と受電側のマイクロ波アンテナの制御が狂い、マイクロ波の送電場所がずれると地球上に大災害を起こす危険性が有る。
【0010】
宇宙からのマイクロ波送電に関し、マイクロ波送電経路に鳥などの生物が入ると加熱しダメージを与え、飛行機が入ると機体を電流が流れたり放電するので障害を起こす。また、雲など地球環境によって送電ロスを生じる問題が有る。
【0011】
将来的に、宇宙開発はますます盛んになるが、宇宙ステーションや人口衛星などでは、エネルギー供給のために、太陽光発電装置を備えるケース、燃料電池を備えるケースが有る。いずれも地球からロケットで機材や燃料を運ぶために、より重要な機材の運搬重量を制限し、運搬効率を悪くするなどの課題が有った。(非特許文献5)
【0012】
台風、ハリケーン、竜巻などに伴う暴風雨などの自然災害、および砂漠の拡大などはいずれも太陽光、およびそのエネルギーが災いしたものであるが、従来は防ぐ手段が無かった。
【0013】
植物は現状の太陽光よりやや光量の少ない方が生育が良いとされているが、地球規模で太陽光を適切に抑制する方法が無かった。
【0014】
無重力では、合金などの混合材料や薬品を初めとして高品質・高機能な製造が可能であるが、地球上では、無重力状態を長時間、安定させることができなかった。
【0015】
地球の衛星軌道上には無数の人工衛星が周回しているが、劣化や故障などにより、地球に落下させて燃焼させるか、放置させてゴミになるしかなく莫大なロスを生じていた。
【0016】
衛星軌道上には無数の宇宙ごみが高速で周回するので破壊力が有り人口衛星にダメージを与えたり、宇宙活動の妨げになっている。一方で、宇宙ごみは潜在的に貴重な資源でもある。
【0017】
遠隔地域へ通信衛星を利用して放送電波などを送信する場合、地上から通信衛星に電波を送信し更に通信衛星から地上局に向けて送信するが、通信衛星から得られる電力が小さいために、遠隔地受信地点では通信衛星からの微弱電波を受け、大増幅し、アンテナまで送信し、アンテナから発信させている。このため、遠隔地受信地点の設備が膨大になるほか、通信衛星からの微弱電波が環境などの影響を受けやすいという問題が有った。

【課題を解決するための手段】
【0018】
時々刻々の太陽から最も近い地球上の点を太陽最短点(赤道付近となる)とし、太陽最短点を中心に北極や南極へ至る地域の上空である衛星軌道上に、大面積の太陽電池シートと光遮断シートを備えた衛星(地球温暖化防止衛星)を多数配置させ、太陽電池シートで常時発電させ、スペースファクトリー(宇宙の工場)や他の人工衛星などに送電しつつ、シート類(太陽電池シートと光遮断シートを総称してシート類と呼ぶ)により太陽光から地球に放射される太陽光を遮断する。
【0019】
地球温暖化防止衛星に使用する太陽電池シートは厚さ8mm以下の薄い太陽電池であり、表の面では太陽光を取り込み発電すると同時に、貫通する光を遮断する機能を有している。ロール状に巻いて収納運搬できる。
【0020】
地球温暖化防止衛星に使用する光遮断シートは樹脂などのフィルムの表面にアルミなどの太陽光反射効率の高い金属を貼り付けるか、真空蒸着させるか、コーティングするか、メッキしたもの、あるいは金属フィルムそのものであり、厚みは5mm以下でロール状に巻いて運搬できる。
【0021】
地球温暖化防止衛星の基本モデルは全体が長方形もしくは帯状となっており、その長い辺の両端に複数のロケット推進装置、電力装置、複数のパラボラアンテナ、各種制御などの装置を備えた機械部(合計2基以上)を持つ。
【0022】
地球温暖化防止衛星の基本モデルでは、2基の機械部の間を並行する長い2本のケーブルをつなぎ、この並行ケーブルにシート類(太陽電池シート、および光遮断シート)を取り付ける。ケーブルには電力ケーブルが含まれる。
長い並行ケーブルにシート類が張り付けられたような形になっている。並行ケーブルの間隔は5メートルから100メートルとし、ケーブルの長さは100メートルから100キロメートルとする。
【0023】
地球温暖化防止衛星の別モデルでは、直径が50mから50km程度の円形もしくは多角形のシート類で形成される面が有り、シート面の中央に、シート面に対して垂直に貫通する軸を持つ応用モデルが有る。
シート面の形状を維持し、補強する目的で、複数のフレームを設置するが、そのフレームは一端を軸中央付近に固定され軸から放射状に配置し、そのフレームにシート類が取り付けられる。
フレームの外側(軸側を内、その反対側を外とする)の端には軸の上下(シート面の表は太陽に向けられ、フレームが固定される場所から太陽方向を上、反対の地球側を下とする)から伸ばした2本のケーブルが繋がれている。また、隣接するフレームの外側の端はそれぞれケーブルが繋がっている。
軸の両端には複数のロケット推進装置、電力装置、複数のパラボラアンテナ、各種制御などの装置を備えた機械部を持つ。当該別モデルでは、軸を中心に回転させることができる。
【0024】
地球温暖化防止衛星のロケット推進装置は、X、Y、Z軸の推進、回転方向の推進を担うので、それに対応したロケットの数が必要となる。パラボラアンテナは複数方向に同時に送電するだけのアンテナを要する。この他に、情報の送受信のためのアンテナが必要になる。
【0025】
地球温暖化防止衛星の太陽電池シートや光遮断シートは薄型、軽量、ロール状の収納可能で、形状は長方形、円形、多角形などとする。太陽電池シートや光遮断シートは隣接する光発電遮断ユニットの間には、光を通過させる目的などの必要性に応じて、スペースを設ける。
【0026】
地球温暖化防止衛星の太陽光発電シートは太陽光発電と太陽光遮断の二つの機能を持ち、光遮断シートは太陽光遮断を目的とした単機能であり、これら二つのシートの全体に占める面積割合は、ニーズや状況によって変更する。ただし、太陽光発電シートは必ず含まれる。
【0027】
地球温暖化防止衛星の基本タイプで設置する機械部は2基以上で、ロケットの推進力で並行ケーブルのテンションを適切に保ちつつ、目的とする位置への移動、方向や角度などの制御を行う。
【0028】
地上の太陽光は太陽最短地点では最も強く、北や南に位置するほど弱くなるので、地上に届く太陽光を均一に遮断させるため、その地点の太陽光の強さに比例させて、太陽光遮断面積を確保するよう地球温暖化防止衛星を配置させる。
【0029】
温暖化防止衛星配置を用いて台風やハリケーンの発生地域、砂漠や砂漠化が進む地域など特定地域の太陽光量を抑制する。
【0030】
温暖化防止衛星配置では、太陽電池で発電した電力を二次電池に蓄えつつ、スペースファクトリー、宇宙ステーション、電力中継供給衛星、および不特定多数の人工衛星に、マイクロ波送電、もしくは電力ケーブルで電気エネルギーを供給する。
【0031】
スペースファクトリーでは、宇宙ステーション、宇宙船など人口飛行体に対して、地球温暖化防止衛星で充電した二次電池を供給し、燃料電池用の水素や酸素供給し、放電した二次電池や水を受け取る。
【0032】
地球温暖化防止衛星により削減される太陽光のエネルギー量を、地球上の二酸化炭素の削減量に換算し、国の二酸化炭素の削減目標の成果に入れ企業の排出量取引に利用する。
地球に入射する太陽光の削減は地球の平均気温を下げることになり、同様に二酸化炭素の削減は太陽から得た熱エネルギーに関して温室効果(熱を逃がさない)が有り、地球の平均気温を下げるとされている。このため、地球の平均気温低下を共通の効果(数値)としてとして、地球温暖化防止衛星の太陽光遮断量を二酸化炭素の削減量に換算する。(換算CO2量)
【0033】
換算CO2量は次のようにして計算する。太陽光エネルギー量と地球の気温変化との関係を観測結果、実験、シミュレーションなどにより求める。次に、二酸化炭素排出量と気温変化との関係を同じように求める。
ここで、太陽光の入熱エネルギーをE、地球の平均気温をT、二酸化炭素量の排出量をCとする時時式のようになる。

T=Fe(E)・・・・・(1式:地球の平均気温は地球に入射するエネルギー量の関数とする)
T=Fc(C)・・・・・(2式:地球の平均気温は二酸化炭素の排出量の関数とする)

これら、1式と2式との関係で、地球温暖化防止衛星が遮断する太陽光のエネルギー量(△E)と二酸化炭素量の削減量(△C)の関係が求められる。これにより、地球温暖化防止衛星が遮断する太陽光エネルギー量に対する、換算CO2量が計算される。
【0034】
スペースファクトリーでは(1)水の分解による水素と酸素の製造、(2)無重力で実現できる均質な半導体、合金、特殊薬品、(3)当該地球温暖化防止衛星の機材である太陽電池やアルミ箔などの製造、(4)宇宙ごみを集めて溶解、分解させて材料や各種ガス・液体を作り、(5)バクテリアなどの生物を繁殖させる。
【0035】
地球温暖化防止衛星で地球に到達する光を遮断するためシート類(太陽光発電シートや光遮断シート)の面を太陽光が地球に入射する方向に対して垂直にするが、太陽光を通過させる目的を満たすためには当該面を光の進行方向に対して、同一方向になるよう回転させて、太陽光の進行の障害にならないようにする。この応用として、シート類の面を太陽光進行方向に対して任意の角度に制御することにより、太陽光の通過量を制御する。
【0036】
複数の国もしくは事業体が本発明の地球温暖化防止衛星のような太陽光の遮断で地球温暖化防止を図る場合には全体として、効率的で適正な地球温暖化防止ができるよう相互位置の適正化などの協調制御を行う。
【0037】
地球温暖化防止衛星の電力を中継し供給する補助衛星として、電力中継供給衛星を持つ。
赤道付近の上空の衛星軌道上で、地球を取り囲み1周させるように、電力中継供給衛星を10機から50機程度ループ配置させ、地球温暖化防止衛星で発電した電力を中継送電し地球の各地点への送電を可能とし、同時に不特定多数の衛星に電力供給する。電力中継供給衛星は地球温暖化防止衛星から電力をマイクロ波で受電し、電力中継供給衛星どうしで相互に電力供給可能であり、宇宙船、人工衛星などに電力を供給できる。電力中継供給衛星で形成するループは多重である方が望ましい、
【0038】
電力中継供給衛星から、放送などに関する通信衛星に対し大電力を供給し、当該通信衛星では発信元の電波を受け、電力増幅し、対象エリアに対して大電力の放送などの通信電波を発信する。
【0039】
電力中継供給衛星は通信衛星に対して地球衛星軌道上の外周軌道をとり、地球の自転に同期して回転移動する当該通信衛星に対して連続的な電力供給をするために当該通信衛星に最も近い二つ以上の電力中継供給衛星が同時に電力送電しながら不連続送電を防止する。そのために、電力中継供給衛星、通信衛星は共に複数の電力需給のマイクロ波アンテナを持ち、当該アンテナは常に電力送受信に最適な方向と角度を設定できるよう制御する。
【0040】
地球温暖化防止衛星は太陽最短点の上空の英赤道上を中心に南は南極北付近は北極付近まで多数配置されるために、全地球温暖化防止衛星の電力を集めるには電力供給対象の地球温暖化防止衛星が電力を供給方向にある隣接の地球温暖化防止衛星が電力を中継することに加えて、電力中継供給衛星に電力を円滑に送電供給するための補助として電力受電中継衛星を配置する。
この、電力受電中継衛星は電力中継供給衛星の1種と考えることもできる。
【0041】
地球温暖化防止衛星、電力中継供給衛星、電力受電中継衛星などの各種制御や配置を制御する主制御衛星や主制御衛星を補助する副制御衛星を設ける。

【発明の効果】
【0042】
本発明は、地球温暖化の殆どのエネルギーを供給している太陽光を常時(24時間)、地球に入る前に遮断するという直接的な手段であり、その効果は科学的にも証明されており、異論をはさむ余地がない。もし、太陽光が地球に照射しない場合には、地球はマイナス気温の凍った惑星となる。
また、長期的な観点では太陽光が確実に増加してゆく中で、二酸化炭素削減による間接手段では限度が有り、本発明のような衛星軌道上の太陽光遮断は地球温暖化防止の最終手段として期待される。
【0043】
地球温暖化防止衛星はできるだけ軽量で、大面積を確保し、シート類(太陽光発電シートと光遮断シートの総称)の面は太陽に向けて垂直でフラットに保ち、全体の形を崩さずスムーズに移動させなければならない。
このため、地球温暖化防止衛星の基本モデルでは両端の機械部の間を2本のケーブルで繋ぎ、2本のケーブルにシートを張り付け、ケーブルのテンションを適当に保ちつつ、目的の場所に移動させる。ケーブルのテンションが適切に保たれ、両端の機械部が適切な方向・角度などを保っていれば、全体がねじれたり、たるんだり、曲がったりはしない。
【0044】
地球温暖化防止衛星の応用モデルでは、大面積の円形もしくは多角形とし、形状を保つために車輪のハブのようなフレームを放射状に入れ、フレームにシートを張り付ける。その上で、軸から1本のフレームあたり上下2本のケーブル(軸のシート位置を中心として2本のケーブル)を出し、フレームの先と接続してテンションを保つ。なお、シートがフラットを保ちねじれやたるみが無いように軸を回転させ、遠心力を与える方法も取られる。
【0045】
地球温暖化防止衛星は、地球温暖化防止だけでなくスペースファクトリーでの各種製造、宇宙開発のエネルギー供給、劣化・故障した人工衛星の再生、宇宙ごみの収集と各種材料の入手と活用など多目的に利用でき、付加価値が高く、実現性が高い。
地球温暖化防止衛星は宇宙での付加価値の高い製造を可能にし、来るべき未来の宇宙開発に対して、そのインフラを整備する役割も有り、宇宙開発を推進する重要な位置づけとなりうる。
【0046】
スペースファクトリーは、地球からの遠隔操作も含めて、ロボットや自動機械による自動化により多くを無人化できる。スペースファクトリーには宇宙船などが飛来し、ドッキングできるポートを持ち、機器、材料などの受け渡しなどができる。住居の衛星は人工的な重力を発生させる目的で回転させる必要が有り、スペースファクトリーの中に含めることはできない。
【0047】
宇宙の無重力状態では、重力加速度の偏りがなく、比重の違う物がよく混じり合うなどの条件から、
・均質で高熱や強い力に耐えられるエンジンなどの材料
・高性能な、太陽電池のような、結晶体でない半導体
・重力下では混ざり合わない比重のちがう物質を均等に混ぜ合わせた全く新しい合金
・完全な結晶構造をもつ優れた半導体素子、およびその半導体を利用した高性能なセンサー
・高純度の物質が製造できることによるレーザー用光学材料の赤外線透過ガラスなど
・完全な球体を容易に製造できることによる高精度ベアリング
・電気の力をかけるだけで細胞を分離でることを利用した高品質な医薬品
・・・など高機能、高性能、高付加価値の製造が可能になる。
【0048】
スペースファクトリーでは、豊富な電力を利用して、水の分解(酸素と水素への分解)、金属や無機質の加熱溶解・加工などを実施する。
特に、宇宙では水の精製再利用、分解した酸素と水素を利用した水素電池の発電など水の循環サイクルが重要である。
また、水を利用してバクテリアなど生物を繁殖させ、酸素、有機材料、食糧などの生産を行う。
【0049】
スペースファクトリーでは、当該地球温暖化防止衛星のシート類も、加工・組み立てなどで一部製造する。
また、劣化・故障した人工衛星を回収し、修理再生して復活させるほか、再生不能な衛星は部品取りし格納する。
【0050】
衛星軌道上の衛星は、打ち上げのために莫大なエネルギーを要し、高度な製造技術により、貴重な材料を使用して製造したものである。このため、劣化や故障により機能低下した人工衛星を修理し、材料をリサイクルすることによるメリットは計り知れない。
【0051】
宇宙ごみの収集とごみの溶解・加工により各種材料を得る。
宇宙ごみから各種ガス、各種金属、その無機質が得られれば、断熱材、防御壁、金属部品、ロケット推進用ガスなどが製造可能となり、地球からの運搬を軽減できる。
【0052】
太陽光で発電した電力をスペースファクトリー、宇宙ステーション、他の衛星など、真空で障害物の無い宇宙空間でマイクロ波送電するので、送電ロスが少なく制御が容易である。
【0053】
宇宙で発電した電力を地球に供給する場合、電力は最終的にエネルギーになるので、地球へ熱エネルギーを供給することになり地球を温暖化させる原因となる。これに対して、本発明では発電したエネルギーを宇宙で消費し、地球には送らないので、地球温暖化防止に貢献できる。
【0054】
地球に届く太陽光のうち、地球温暖化防止衛星が遮断したエネルギー量、あるいは遮断が予測されるエネルギー量を二酸化炭素の重量に換算する。(換算CO2量)国際的な温室効果ガスの排出量取引に関連して、インターネットなどの手段を利用し、換算CO2重量を基に国や企業との間で取引する。これにより、新たなビジネスを創出する。
【0055】
日本政府が発表している地球温暖化防止のための二酸化炭素25%削減目標に関して、換算CO2量を削減実績として計算する。これにより、当該二酸化炭素の削減目標実現を容易にするだけでなく、実質的な温暖化防止を実現する。
【0056】
台風やハリケーンの発生点付近の太陽光遮断を積極的に実施し、発生の抑制や規模拡大の防止などに貢献する。
砂漠や砂漠化しつつある地域の太陽光を抑制し、砂漠を緑化させ、あるいは砂漠化を防止する。
【0057】
赤道付近の衛星軌道上で、多数の電力中継供給衛星をループ状に配置させ、電力供給が衛星軌道上で地球を1周できるようにし、地球温暖化防止衛星から衛星軌道上の全ての宇宙ステーションや人工衛星などに大電力を供給する。これにより、地球から、エネルギーや発電機器などをロケットで運搬する負担を軽減し、同時に、衛星軌道上で大電力を得ることが可能になる。
【0058】
電力中継供給衛星による電力供給は宇宙空間で実施されるので、障害物や変化しやすい環境を持つ地球にマイクロ波で大電力を送電する場合に比べて、遥かにスムーズに送電できる。
【0059】
多数の電力中継供給衛星が衛星軌道上でループ配置されるので、それぞれの電力中継供給衛星は2方向から電力供給が可能であり、トラブルに対して安定した電力供給が可能になる。この、電力中継供給衛星のループは多重ループにすることにより更に信頼性を向上し、電力供給を増やすこともできる。
【0060】
従来、人工衛星で通信電波を中継させた場合には、人工衛星から地球に送られる微弱通信電波を増幅させて、地球上で中継し、アンテナから送信する必要が有った。ところが、地球温暖化防止衛星により衛星軌道上で大電力が得られるようになれば、通信用人工衛星から直接大電力の電波を地球の目的地に向けて発信できるので、地球上の受信基地、ケーブル、アンテナなどの設備が省略できるようになる。また、通信衛星から届く微弱電波が地球環境などの影響を受けることの対策となる。
【0061】
地球温暖化防止衛星は衛星軌道上で太陽に近い点付近に固定され、電力中継供給衛星も地球温暖化防止衛星を基準点にして地球の衛星軌道上を1周するようにループ状に配置される。一方、通信衛星は地球の自転に同期させた静止衛星なので、通信衛星に電力供給する電力中継供給衛星が移動し、変更されることになる。この対策として電力中継供給衛星から連続的に通信衛星に対して電力供給するために、通信衛星に最も近い二つ以上の電力中継供給衛星から同時にマイクロ波で電力供給し、電力供給が不連続になるのを防止する。
【0062】
本発明の実現のスタート時点では、地球温暖化防止衛星は1機もしくは少数であるが、最終的には地球温暖化防止衛星は太陽最短点の上空の英赤道上を中心に南は南極北付近は北極付近まで多数配置されるために、全地球温暖化防止衛星の電力を集めるのが大変なことになる。この対策として、地球温暖化防止衛星同士で電力を中継することに加えて、電力中継補助衛星に電力を円滑に送電供給するための補助として電力受電中継衛星を配置する。
地球温暖化防止衛星は元々、電力中継を目的としていないし、自由な配置には制限が有る。このため、複数の地球温暖化防止衛星から電力を充電し、電力中継供給衛星に円滑に電力を中継するための電力中継補助衛星を適切な位置に配置させる。
【0063】
地球温暖化防止衛星、電力中継供給衛星、電力受電中継衛星はそれぞれが独自の目的と機能を持っておりながら、電力供給では相互協力が必要になるので総合的な制御が必要になる。そのため、各種制御や配置を制御する主制御衛星や主制御衛星を補助する副制御衛星を設けて、主制御衛星は地球の制御室の指令を受けるか、相互通信しながら全体を円滑に制御する。

【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】地球温暖化防止衛星の基本モデルの平面図(上部図面)と側面図(下部図面)。
【図2】地球温暖化防止衛星の別モデルで、左図が斜め上からの鳥瞰図、右図が太陽側から見た平面図。
【図3】太陽側から見たスペースファクトリー、住居衛星、地球温暖化防止衛星の配置例の平面図。
【図4】太陽光、地球温暖化防止衛星、電力中継供給衛星、電力中継補助衛星の関係を示す側面図(上部が地球の北極側、下部が地球の南極側)。
【図5】太陽側から見た地球温暖化防止衛星の分布と地球を示す平面図。
【符号の説明】
【0065】
1.地球温暖化防止衛星(基本モデル)
2-1.機械部(主)
2-2. 機械部(副)
3.ロケット推進装置
4.ケーブル
5.太陽電池シート
6.光遮断シート
7.地球温暖化防止衛星(別モデル)
8-1.機械部(主)
8-2. 機械部(副)
9.軸
10.フレーム
11.太陽電池シートや光遮断シート
12.ケーブル(軸→フレーム)
13.ケーブル(フレーム→フレーム)
14.スペースファクトリー本体
15-1.機械部(副)
15-2.機械部(副)
16.宇宙船などの寄港用ポート
17.飛来した宇宙船など
18.居住衛星
19.太陽光
20.地球温暖化防止衛星の分布範囲
21.地球
22.電力中継供給衛星
23.電力中継供給衛星の軌道
24.赤道
25.北極
26.南極
27.電力中継補助衛星


【発明を実施するための形態】
【0066】
【実施例】
【0067】
図1の地球温暖化防止衛星(1)の左側の機械部(2−1)は例えば北極に向いており、右側の機械部(2−2)が南極に向いている。二つの機械部の間にある2本のケーブル(4)は適切なテンションを保つことにより無重力状態であるから直線となり、そのケーブルに太陽電池シート(5)、光遮断シート(6)が取り付けられている。
二つの機械部にはロケット推進装置(3)が複数あり、目的位置への移動、太陽光にシート(太陽電池シートと光遮断シートの組み合わせを総称する)面がフラットで垂直になるような方向や角度などの制御、ケーブルのテンションの維持を実施する。
この基本モデルでは軽量で運搬などの扱いが容易なケーブル(4)を用いて、大面積のシート(5,6)を目的に応じた状態に保てるものである。
【0068】
図2はシート面が円形のモデルで、軸(上が太陽、下が地球の方向)にフレーム(10)の内側(軸に近い方を内側、反対を外側とする)の端を固定した複数のフレームを放射状に配置し、それぞれのフレームの外側の端は軸の上下から出たケーブル(12)を繋ぎ固定される。また、隣接する外側の端どうしもケーブル(13)で接続し、全てのケーブルは適切なテンションを保つことにより、全体の形状が維持される。
軸の上下にある機械部(8−1、8−2)では複数のロケット推進装置を使用して、目的位置への移動や方位角度などを制御する。
【0069】
図3は太陽側から見た、スペースファクトリー(14)、住居衛星(18)、地球温暖化防止衛星(1)の配置状況の例で、住居衛星は円形のドーナッツ状とし、回転させて人工重力を得るために回転させるところから製造に影響(振動など)を与えないためにもスペースファクトリーとは分離する。
【0070】
図4で太陽最短点の上空にある衛星軌道では光量が多いため光遮断面積を増やす目的で、複数列の地球温暖化防止衛星を配置させる。
地球温暖化防止衛星は図4のように電力中継供給衛星(22)より外側の衛星軌道上にあって、図5のように太陽最短点の上空を通る経緯線を中心に、南極(26)から北極(25)までに分布(20)する。電力中継補助衛星(27)は地球温暖化防止衛星と電力中継供給衛星の間で、複数の地球温暖化防止衛星の電力を効果的に集める位置にある。
【0071】
図5は赤道(24)付近の地球温暖化防止衛星の数が多く、遮断面積が大きいことを強調するため、実際よりはるかに分布の幅を大きく示している。
電力中継供給衛星は地球温暖化防止衛星から電力の供給を受けて、地球の裏側まで電力を中継し、供給するために赤道上付近を1周させるループ配置(22,23)となっている。

【0072】
【産業上の利用可能性】
【0073】
地球温暖化防止衛星は、次の分野で産業に利用しようとするものである。
(1)工場や業務の二酸化炭素削減の代替
(2)スペースファクトリーなどへの電力供給、水素・酸素などの供給、および無重力を利用した合金、薬品、高機能材料などの製造
(3)人工衛星の回収と修理による再生
(4)通信衛星を利用した遠隔地への放送電波などの送信


【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池シートと光遮断シートを備えた人口衛星である球温暖化防止衛星を地球の衛星軌道上に複数配置させ、太陽光により常時発電させながら、衛星軌道上で製造や修理を実施するスペースファクトリーや他の人工衛星などに送電しつつ、同時に地球に放射される太陽光を遮断する。
【請求項2】
請求項1の地球温暖化防止衛星は、複数のロケット推進装置、電力装置、複数のマイクロ波用のパラボラアンテナ、各種制御装置、2次電池などの装置を備えた機械部を備え、機械部の装置構成は目的によって異なり、2基以上を持つ。
【請求項3】
地球温暖化防止衛星の基本モデルでは、請求項2の両端の機械部の間は並行する電力ケーブルを含む2本のケーブルで繋がれ、この並行ケーブルに太陽電池シート、および光遮断シートを取り付ける。並行ケーブルの間隔は5メートルから100メートルとし、並行ケーブルの長さは100メートルから100キロメートルとする。
【請求項4】
請求項3の長方形モデルの別モデルとして、円形もしくは多角形のモデルが有る。太陽から地球に向かう太陽光と同じ方向の軸があり、軸に一端を固定したフレームが放射状に配置され、このハブ状のフレームに太陽電池シート、および光遮断シートが固定され、シートとフレームで円形もしくは多角形を形成する。
【請求項5】
請求項4の円形もしくは多角形の直径は50mから50kmとする。円形もしくは多角形の面で太陽光を受ける面の方向を上、反対側を下とする時、軸に固定したフレーム毎に軸の上部と下部からワイヤーを伸ばし、軸から見てフレームの端に上部と下部から伸びたケーブルを接続し、更に隣接するフレームの端どうしも別のケーブルで繋ぎフレーム位置や全体形状を保つ。当該軸の上下の端などに複数のロケット推進装置、電力装置、複数のパラボラアンテナ、各種制御、2次電池などの装置を備えた機械部を合計2基以上設置する。
【請求項6】
請求項4の軸を回転させ、フレームやシートを含む全体を回転させることにより、遠心力でフレーム、太陽電池シート、および光遮断シートのゆがみ、たるみなどを抑制し、面のフラット化を維持する。
【請求項7】
請求項1の太陽電池シートや光遮断シートは厚さ8mm以下の薄型、軽量、ロール状に巻いて収納可能、広げた形状は長方形、円形、多角形などとする。
【請求項8】
請求項1の光遮断シートはアルミなどの金属フィルム、あるいは樹脂シート表面にアルミなどの金属を蒸着、塗布、コーティング、メッキしたもので、ロール状に巻いて収納可能、厚み5mm以下とする。
【請求項9】
請求項1の太陽光発電シートは太陽光発電と太陽光遮断の二つの機能を持ち、請求項1の光遮断シートは太陽光遮断のみの単機能であり、これら二つのシートのそれぞれが全体に占める面積割合は、ニーズや状況によって変更する。この面積割合に関して、光遮断シートは無い場合もあるが、太陽光発電シートは必ず含まれる。
【請求項10】
請求項3、請求項4の機械部では、複数のロケットの推進力で地球温暖化防止衛星を目的とする位置への移動させ、方向や角度などの制御を行う。請求項3の機械部は並行ケーブルそれぞれのテンションを適切に保つ役割も担う。
【請求項11】
地球上の各地点毎に照射される太陽光の遮断率を一定にするよう複数の地球温暖化防止衛星を配置させる。この配置を地球温暖化防止衛星の基本モードとする。そのために、地球上で最も太陽に近い地点である太陽最短点から北極や南極に至る付近までの地点毎の太陽光の量を地点太陽光量とし、各地点の上空の同一衛星軌道上で、地点太陽光量に比例した太陽光遮断の面積を確保できるよう地球温暖化防止衛星を配置する。
【請求項12】
請求項10に対する応用モードとして、台風やハリケーンの発生地域、砂漠や砂漠化が進む地域など特定地域に地球温暖化防止衛星を重点的に配置し、当該特定地域の太陽光量を抑制する。
【請求項13】
請求項1の太陽電池シートで発電した電力は二次電池に蓄えつつ、スペースファクトリー、宇宙ステーションなどの人工衛星に、マイクロ波送電、もしくは電力ケーブルで電気エネルギーを供給する。
【請求項14】
スペースファクトリーは、請求項1の地球温暖化防止衛星で発電する電力の送電を受けて製造、修理などを実施する人工衛星であり、宇宙ステーション、飛来する宇宙船に対して、充電した二次電池、燃料電池用の水素と酸素を供給し、放電した二次電池や水を受け取る。
【請求項15】
請求項1の地球温暖化防止衛星により削減される太陽光のエネルギー量を、地球上の二酸化炭素の削減量に換算し、国の二酸化炭素の削減目標の成果に入れる。
【請求項16】
インターネットなどの通信を通じて、請求項1の地球温暖化防止衛星の遮断エネルギー量を計測し配信するとともに、地上からの排出量取引の情報を取り込み、二酸化炭素の国や企業の排出量取引に利用する。
【請求項17】
スペースファクトリーでは(1)水の分解による水素と酸素の製造、(2)無重力で実現できる均質な半導体、合金、薬品、太陽電池シートや光遮断シートなどの製造、(3)宇宙ごみを集めて溶解、分解させて材料や各種ガス・液体を作り、(4)バクテリアなどの生物を繁殖させる。
【請求項18】
スペースファクトリーでは請求項16の製造のほか、地球温暖化防止衛星やその構成部品も加工組み立てなどにより製造する。また、劣化し、故障した人工衛星を回収し、修理・改修可能なものは正常な状態に戻し、あるいは機能向上させて再利用させる。修理などができない衛星は部品などに分解させて再利用する。宇宙ごみについても利用できるものは捕獲して利用する。
【請求項19】
請求項1の地球温暖化防止衛星で太陽光を遮断する場合には太陽光発電シートや光遮断シートの面を光の伝達方向に対して垂直にするが、太陽光を通過させる場合は当該面を光の進行方向に対して、同一方向になるよう回転させて、太陽光の進行の障害にならないようにする。この応用として、太陽光発電シートや光遮断シートの面を太陽光進行方向に対して任意の角度に制御することにより、太陽光の通過量を制御する。
【請求項20】
複数の国もしくは事業体が本発明の地球温暖化防止衛星のような太陽光の遮断で地球温暖化防止を図る場合には全体として、効率的で適正な地球温暖化防止ができるよう相互位置の適正化などの協調制御を行う。
【請求項21】
請求項12の地球温暖化防止衛星からの直接的な電力供給に対する別の方法として、赤道付近の上空の衛星軌道上に、地球を1周させる形で10〜50機程度の電力中継供給衛星をループ配置させ請求項1の地球温暖化防止衛星で発電した電力を中継送電し、各電力中継供給衛星では衛星軌道上の宇宙ステーションや不特定多数の衛星に電力を供給する。
【請求項22】
地球温暖化防止衛星から、放送などに関する通信衛星に対し大電力を供給し、当該通信衛星では発信元の電波を受け、電力増幅し、対象エリアのエンドユーザーに対して直接、大電力の放送などの電波を発信する。
【請求項23】
請求項20の電力中継供給衛星は請求項21の通信衛星などの衛星に対して地球衛星軌道上の外周軌道をとり、地球の自転に同期して回転移動する当該通信衛星に対して連続的な電力供給をするために当該通信衛星に最も近い二つ以上の電力中継供給衛星が同時に電力送電することにより不連続送電を防止する。そのために、電力中継供給衛星、通信衛星は共に複数の電力需給のパラボラアンテナを持ち、当該パラボラアンテナは常に電力送受信に最適な方向と角度を設定できるよう制御する。
【請求項24】
太陽最短点を中心に赤道付近を中心に地球温暖化防止衛星を多数配置させる場合に、全ての地球温暖化防止衛星から電力中継供給衛星に電力を供給するために、隣接する地球温暖化防止衛星などを中継用の衛星として利用するのに加えて、補助的な役割を果たす電力中継補助衛星を適切に配置させる。
【請求項25】
地球温暖化防止衛星、電力中継供給衛星、電力受電中継衛星の配置、電力の中継、送電など制御を総合的に実施するための機能はこれら衛星の中のいずれかの衛星に持たせたせるか、総合制御を目的とした特別な衛星を持つ。当該総合制御機能を持った衛星を主制御衛星とし、システムの状況で主制御衛星の制御を補助するための副制御衛星を配置させる。主制御衛星は地上の制御室からの指令を受け、あるいは地上制御室と相互通信しつつ、副制御衛星に指令を出し、地球温暖化防止衛星を含む全体システムの総合制御を実施する。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−116310(P2011−116310A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277540(P2009−277540)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(303068176)株式会社 セイフティーワールド (2)