地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置
【課題】 本発明は豪雨時、斜面の崩壊予知などの基礎資料となる地盤情報を不整地斜面でも容易に多数地点で測定することができる地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置を得るにある。
【解決手段】 ロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の排土口内に切削刃を有する円形回転鉋を用いて、前記ロッドに一定の推力を加えて前記円形回転鉋を地盤に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋の切削刃のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッドを介して前記円形回転鉋の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法を構成している。
【解決手段】 ロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の排土口内に切削刃を有する円形回転鉋を用いて、前記ロッドに一定の推力を加えて前記円形回転鉋を地盤に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋の切削刃のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッドを介して前記円形回転鉋の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解して測定する地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置に関し、特に豪雨時、斜面の崩壊予知などの基礎資料となる地盤情報を不整地斜面でも容易に多数地点で測定できる地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤斜面の安定性、特に、豪雨時の斜面崩壊の予知には、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解した強度情報が必要不可欠である。典型的な例を以下に示す。適度に湿った砂地盤は見かけの粘着力があるため、急勾配の砂山を作ることが出来る。しかし、乾燥してくると、あるいは降雨などで水分が多くなると粘着力は小さくなり、やがて消滅し、砂山は崩壊することになる。これは、地盤のせん断強度のうち、粘着力は土粒子間の空隙に占める水の割合(飽和度)により左右されること、一方、内部摩擦角は豪雨などによる飽和度の変化にはあまり影響されないことが判っているので、せん断面に作用する鉛直圧が変わらなければ、せん断強度のうち内部摩擦角成分は変化しないことになる。
【0003】
以上より、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分離して測定する必要がある。更に、原位置測定時の地盤の飽和度、あるいは含水比等を同時に測定できれば斜面崩壊予知の精度が向上することになる。
【0004】
通常、崩壊の危険度が高い斜面の地盤は均質性に欠けるので調査地点数を多くする必要がある。かつ、不整地斜面であるため簡易な器具による原位置試験に頼らざるを得ない。そこで、小径のコーンなどを打撃貫入して調査する簡易動的貫入試験が主流で、この結果から経験的手法で、あるいは安定性を検討する地盤のせん断強度の凡そを推定し、さらに、これを粘着力と内部摩擦角との成分に分離しようと試みられてきた。一方、極少数地点ではあるが、原位置に大掛かりな調査装置を持ち込んでボーリング孔壁面でのせん断試験を行う方法や乱さない試料を採取して、高精度の室内試験等が行われてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開S47―44930号公報
【特許文献2】特開 2001―32252号公報
【特許文献3】特開H03―260212号公報
【特許文献4】特開2007―239444号公報
【特許文献5】特開 2003―227786号公報 前記特許文献1は地盤のせん断試験装置で、これはせん断板を装着した可撓性ゾンデをボーリング孔内に挿入して加圧送水によりせん断板を孔壁に圧着して引揚力をかけて地盤をせん断するもの。圧着力を変えることで粘着力と内部摩擦角を求める。実用化されてきたが、現在は前記文献2の手法で行われている。
【0006】
前記特許文献2は孔内載荷試験方法と機能性保孔管式孔内載荷試験装置で、この方法は、前記文献1の進化型である。外周面にせん断プレートを有する円周方向に可撓性である保孔パイプ内を掘削し、このパイプを地中に引き込むことで孔壁の乱れを少なくし、この中に可撓性セルを挿入して孔壁を加圧した状態で保孔パイプに引揚力を加え、加圧力とせん断強度を測定して粘着力と内部摩擦角を求めるもの。この方法は、現在、広く用いられている。
【0007】
前記の文献1、2の手法は、いずれもボーリングマシンを設置して削孔し、その孔壁でせん断試験を行う原位置試験で、簡易な原位置試験の部類には属さない。
【0008】
前記文献3は回転切削ビット圧可変式地盤強度測定方法とその装置で、これは特殊なビットで送水・回転切削するときにビット圧を周期的に変化させ、切削トルクの変動からビット圧とせん断抵抗との関係を測定して、粘着力と内部摩擦角の深度方向の連続値を求めるもの。この方法では、スピーディでかつ連続した粘着力と内部摩擦角が測定できるので魅力的ではあるが、通常、平地で本格的な調査に用いられている装備よりも重装備であるため、傾斜地では不適である。
【0009】
前記文献4は地盤情報を得る調査方法で、貫入時に地盤の乱れを防ぐ欠損断面形状からなる逆テーパー台錘状多段ゾンデを地中に圧入することでテーパー分だけ横方向歪制御の載荷試験を、かつ各セルの横方向圧力とノンスリップ加工したせん断面のせんだん応力を測定することで粘着力と内部摩擦角を求めるもの。この手法は静的貫入試験に属するもので、通常、アンカー設置や貫入機の運搬設置があり、不整地斜面での使用には適していない。
【0010】
前記文献5は 土のせん断強度測定方法及び装置で、小型のコーンを人力で貫入させ、強度の弱い箇所を特定し、その場所で4枚の小さなベーン付のコーンを貫入させ、押し圧を変えながら回転させて計測したトルクからせん断力を求め、押し圧からせん断面に作用する鉛直圧を計算して粘着力と内部摩擦角を求める方法。この手法は非常に簡便で効率的であるが、コーンを貫入させることで地盤を乱した後でベーン試験を行うことと、ロッドにかけた貫入力がベーンのせん断面の鉛直圧にどのように作用するかなど複雑な問題がある。
【非特許文献】
【0011】
前述の特許に関連した論文等の数は多いが、それ以外のものを以下に示す。
非特許文献1は「試錐孔を利用したせん断試験について」(出願1982.08 土と基礎30―8 土質工学会)。
【0012】
非特許文献2は「孔内における直接リングせん断試験法の研究」(1983 28回土質工学シンポジューム 土質工学会)。
【0013】
これらの論文は、ボーリング孔底でリングせん断試験を行うものであるが、不整地斜面上で簡易に、かつスピーディに実施できる原位置試験法ではない。
【0014】
非特許文献3は「原位置摩擦試験による地盤の強度・変形定数の推定と実務への適用」(1999 土木学会論文集No.617/ lll―46)。この論文は、特許文献1,2と同系の試験法で道路橋示方書に掲載され広く用いられている。
【0015】
上記の他にも類似の論文、各種マニュアル、規格などがあるが、現在のところ、不整地斜面上で簡易な手法で地盤のせん断強度を測定できる信頼できる手法は実用化されていない。現場作業条件が良く、かつ、本格的な調査機器を投入し、多大な時間と工費をかけて1日数点で粘着力と内部摩擦角を測定することは可能になってきたが、不整地斜面上で簡単に多数地点で測定できる手法は実用化されていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
不整地斜面上で、表層地盤を対象に斜面の安定性を検討するための地盤調査分野での課題は以下のとおりである。
A:地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角相当値に分解して測定できる装置と方法
B:試験装置の移動や設置、試験、撤去等がスピーディに行う事が出来る軽量で簡単に試験できるもの。
高精度測定よりも粘着力と内部摩擦角相当値を数多く求められることに重点を置いた手法が望まれている。
C:操作が容易でブラックボックスのない誰もが使える堅牢で安価なもの。
D:測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和し
た状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められることが望まれている。
E:AからDの課題をベースに測定結果の精度と信頼性の向上、および関連する付加価値が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するため、当該発明の要求事項に最も近い特許文献5の長所を伸ばし、欠点を解消することからスタートした。
【0018】
課題A:地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角相当値に分解して測定するための手段:
この種地盤調査の主流である動的貫入試験や静的コーン貫入抵抗からせん断強度の凡そを推定し、さらにこれを粘着力と内部摩擦角に分離する2段階推定手法ではなく、初めから分離して実測する手法としては、ボーリング孔壁にせん断プレートを圧着してせん断する方法は反力機構がいらないので普及(特許文献1,2など)してきたが、この方法では課題B,Cの実現は不可能である。
【0019】
特許文献5では、小型コーンの表面に沿って4枚のベーン(羽根4)を取り付けたコーンを貫入させるため、せん断試験を行う前に、地盤はコーンの貫入により乱され、ベーンの回転によりせん断強度を測定する時点では、既に乱された状態である。さらに、ベーンの回転によるせん断面に働く地中応力は、ロッド(軸部 2)に作用する押込み力の角度成分のみでなく、コーン表面の粗度や、コーン肩部(首部 5)から急変するロッドとの接続部での地中応力の変化、そして地盤種別で地中応力が弾塑性条件などでも変化するので、せん断面に働く鉛直地中応力を確定することはかなり困難である。
【0020】
そこで、せん断試験深度の地盤を乱すことなく、せん断治具を簡易な方法で貫入する方法として、木工用座ぐりカッターとして商品化されている切削具を応用した地盤用の「円形回転鉋」を利用することにした。
【0021】
円形回転鉋を所定の深度まで貫入させる場合、非回転で急速圧入しても良いが、少なくとも円形回転鉋の直径より上から回転切削しながら掘削することで、せん断試験面での地盤の乱れを無くすことが当該発明のポイントの一つである。さらに、ロッドと円形鉋は直角に装着することで、せん断面に働く鉛直圧はロッドにかけた鉛直力から正確に算定できることになる。
【0022】
ロッドを回転して地盤を切削して貫入、あるいはロッドに複数の押込み荷重をかけてせん断試験を行う場合、鉋刃のすくい角が正になるように正回転すれば地盤がサクサク切削されてせん断試験面は乱れないことになる。
この時、鉋台下面に複数の鉛直圧を作用させると切削抵抗とせん断抵抗の合成したトルクが計測されるので、より正確にせん断強度を求めるためには、逆方向に回転させることで、せん断抵抗のみを測定して粘着力と内部摩擦角相当値を求め、この値を用いて合成トルクを補正してせん断強度相当値の深度方向の連続値を求めることもできる。トルクの計測は一般に用いられている道具、トルクレンチを使用する。
【0023】
なお、このような簡易な手法で求めた原位置地盤定数は、通常のせん断試験から求めたものと同等とは限らないので地盤による補正を行うことになるので、粘着力と内部摩擦角相当値と表現した。
【0024】
課題B:試験装置の移動や設置、試験、撤去等がスピーディに行う事が出来る軽量で簡単に試験できるもの:
高精度測定よりも粘着力と内部摩擦角相当値を数多く求められることに重点を置いた手法が望まれているので、以下のようなからくり機構によるせん断面への裁荷やねじりせん断試験手法を考案した。せん断面に作用する荷重を制御する方法として、従来のばね秤などを用いて人力で押さえる方法では安定性が悪いので、ロッドを貫通し、上下動を固定するクランプ、必要に応じて回転自在のスイベルをロッドに装着し、中央にロッドが通る穴を有する荷重容器を複数のロープに滑車を通し、これをスイベルより上に上げることにより、荷重容器内のウエィト相当の荷重は上向きに作用し装置自重の影響を無くした状態で、ロッドを回転させてせん断試験を行い、順次、ウエィトを減じてゼロにしたら滑車を取外し、鉛直荷重を増加させながら(荷重容器にウエィトを入れる)順次せん断試験を行うことで、安定した荷重制御のもとでせん断試験を行う事が出来る。
【0025】
特許文献5は測定者1名が載ってコーンを貫入させることを前提にしているが、安全管理上、1人ではなく2名とし、
二名の体重で容易に貫入できるように、ロッドにクランプを取り付け、これに紐で吊るした足かけ鐙をセットする。
【0026】
課題C:操作が容易でブラックボックスのない誰もが使える堅牢で安価なもの:
上記のように、動力と機械装置や電子機器を使用せず、かつ繊細な部品は使用しないで、安価で耐久性がある簡単な資器材の組み合わせで試験を行う事が出来る。測定精度を上げるため、ロードセルやトルク計を内装した測定器を電動で回転貫入することも出来るが、過酷な現場条件下で―例えば、この種現場測定器は温度変化に対して大きな誤差が生じるケースが多い―使用すると思わぬ誤差が発生するケースが多々ある。当該発明品では、鉋刃の消耗度、トルクレンチの簡単な精度確認とウエィトの確認程度で、特に訓練された計測技術者でなくとも測定が可能である。
【0027】
課題D:測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和した状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められることが望まれている:
せん断面に注水をしてせん断試験を行い、必要に応じて、せん断面近くで比抵抗を測定し、飽和度と粘着力と内部摩擦角との関係を求める。
【0028】
課題E:AからDの課題をベースに測定結果の精度と信頼性の向上、および関連する付加価値が望まれている:
測定機器と地盤との接触部分のうち、せん断面を除くところには潤滑剤を塗布するほか、さや管などで直接地盤に接しないようにする。あるいはテーパーを設けて摩擦面に働く圧力を減じて摩擦抵抗による誤差を少なくする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は軽量で、ロッドの先端部に円形回転鉋を取付けたものであるので、持ち運びが容易で便利である。また、斜面での設置が容易で、所定の深度近くまではロッドを垂直に立てた状態でロッドに体重をかけ一気に押し込むか、正回転で地盤をサクサク掘削して乱すことなく所定の深度に設置できる。せん断試験も精緻な装備品はなく、誰もが容易に使いこなせて、かつ破損し難いので、正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1の正面図。
【図2】本発明の実施例1の底面図。
【図3】本発明の実施例1の平面図。
【図4】本発明の実施例1の地盤に押し込んだ状態の説明図。
【図5】本発明の実施例1の地盤に押し込んだ後、回転切削して測定深度に設置させた状態の説明図。
【図6】本発明の実施例1の測定深度での測定の状態を示す説明図。
【図7】本発明の実施例2の正面図。
【図8】本発明の実施例2の底面図。
【図9】本発明の実施例3の正面図。
【図10】本発明の実施例4の正面図。
【図11】本発明の実施例4の底面図。
【図12】本発明の実施例5の正面図。
【図13】本発明の実施例6の正面図。
【図14】本発明の実施例7の正面図。
【図15】本発明の実施例7の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解して測定する方法と装置に関し、特に豪雨時、斜面の崩壊予知などの基礎資料とする地盤情報を不整地でも容易に多数地点で測定できる方法と装置に関するものである。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1ないし図6に示す本発明の実施例1について説明する。
【0033】
本発明の実施例1の地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置1はロッド2と、このロッド2の先端部に取付けられた少なくとも1個以上、本発明の実施の形態では2個の切削刃3、3を備える排土口4、4とを有する円形回転鉋5とからなる地盤のせん断強度の測定装置1を用いて、前記ロッド2に一定の推力を加えて前記円形回転鉋5を地盤6に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋5の切削刃3、3のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤6に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッド2を介して前記円形回転鉋5の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋5の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤6の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法を行う。
【0034】
前記円形回転鉋5は上面の中央部にロッド2が取付けられる短管状の円形回転鉋本体7と、この円形回転鉋本体7の底面に形成された外周切削刃8と、前記円形回転鉋本体7に該円形回転鉋本体7を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定された切削刃3、3とで構成されてたものを用いている。
【0035】
また、切削刃3、3はすくい角が20度〜30度で、切り屑はそれぞれの刃の前方に設けた排土口4、4から排出される。
【0036】
前記地盤のせん断強度の測定装置1はロッド2に測定者の体重をかけて、せん断試験深度上へ数cm(円形回転鉋の直径相当)まで貫入してから、切削刃3、3のすくい角が正である方向に回転させることで地盤6をサクサク切削しながら試験深度まで貫入させると試験地盤は乱されることなく所定深度に達し、その後、ロッド2を介してせん断面に働く鉛直圧を数段階に変動させながらトルクレンチ9でロッド2を回転させてトルクを測定する。回転方向は前記とは逆に回転させることで、切削抵抗は発生せずにせん断面の抵抗が測定できることになる。その結果、トルクから求めたせん断応力とその時に作用させた鉛直圧の関係から一次の関係を求め、その勾配が内部摩擦角、鉛直圧ゼロ軸との交点のせん断応力が粘着力相当値として求まることになる。
【0037】
円形回転鉋5を所定の深度まで貫入する過程でロッド2の押し圧を一定値にして正回転して切削しながら貫入させる場合のトルクを測定すると深度方向のせん断強度の連続的な相対値が得られることになる。また、鉛直圧を変動させながら正回転して切削貫入させ、その時のトルクの連続値から見かけの粘着力と内部摩擦角の値を求め、正規のせん断試験結果で補正して粘着力と内部摩擦角相当値の深度分布を求めることができる。
【0038】
次に、図7ないし図15に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明の実施例1と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例2】
【0039】
図7および図8に示す本発明の実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、ロッド2の先端部に円盤状の円形回転鉋本体7Aと、この円形回転鉋本体7Aに該円形回転鉋本体7Aを正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定されたすくい角が20度〜30度の切削刃3、3とで構成さつれた円形回転鉋5Aを用いた地盤のせん断強度の測定装置1Aを用いた点で、このような、地盤のせん断強度の測定装置1Aを用いても前記実施例1と同様な作用効果が得られる。
【実施例3】
【0040】
図9に示す本発明の実施例3において、前記実施例1と主に異なる点は、ロッド2に鉛直応力制御装置22を設置した点で、この鉛直応力制御装置22はロッド2にクランプ10とスイベル11を通し、上下動いしないようにクランプ10で固定し、目的に応じて次の3種類の方法でせん断試験深度まで円形回転鉋5を貫入させる。もっとも急速測定ができる「イ」法は、スイベル11に鐙を装着した長さが調節可能なチェーン(図示していない)を軸対象に取り付け、2人でロッド2を鉛直に保持しながら鐙に足をかけて体重で測定深度の数cm上(円形回転鉋5の直径より上方)まで貫入させ、せん断試験深度までは円形回転鉋5の切削刃3、3のすくい角が正の方向に(正)回転させて地盤6をサクサク切削しながら地盤を乱さないで所定の深度まで貫入させる。「ロ」法はスイベル11に滑車23、23を介して2本のロープ12、12を止め、他端にロッド2に通した中心に穴13aのあいた荷重容器13をつるし、その中に一定のウエイト14を入れ、トルクレンチ9で測定しながら切削して試験深度まで貫入させる。最後はせん断試験をしながら貫入する「ハ」法で、数回転毎にウエイト14を変える方法で、トルクの「ロ」法と同様、切削力と底面の摩擦力の合成トルクであるが、特定条件下での土のせん断強度の深度方向の連続値が得られる地盤のせん断強度の測定装置1Bにできる。
【実施例4】
【0041】
図10および図11に示す本発明の実施例4において、前記実施例1と主に異なる点は、注水することができるパイプ状のロッド2Aに取付けられる円環状の円形回転鉋本体7Bと、この円形回転鉋本体7Bに該円形回転鉋本体7Bを正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定された切削刃3、3とで構成さつれた円形回転鉋5Bを用いた地盤のせん断強度の測定装置1Cを用いた点で、このような、地盤のせん断強度の測定装置1Cを用いても前記実施例1と同様な作用効果が得られるとともに、注水試験の他に試料採取等(図示していない)も可能で付加機能を付けることが容易にできる。
【実施例5】
【0042】
図12に示す本発明の実施例5において、前記実施例3と主に異なる点は、ロッド2に取付けたスイベル11に一定のウエイト14を収納する荷重容器13を2本のロープ12、12で取付けた鉛直応力制御装置22Aを用いた点で、このような鉛直応力制御装置22Aを用いて構成した地盤のせん断強度の測定装置1Dにしても、前記実施例3と同様な作用効果が得られる。
【実施例6】
【0043】
図13に示す本発明の実施例6において、前記実施例1と主に異なる点は、せん断面以外の土と接する部分での摩擦抵抗を低減させて測定精度を上げるため、円形回転鉋シェル15の外周にはテーパーを付けて摩擦を減じ、ロッド2Aの外側にはロッド2Aの径より僅かに大きい内径の摩擦分離パイプ16を挿入し、せん断試験時には摩擦分離パイプ16にかけた回転レンチ17で回してせん断試験を行う。回転レンチ17からロッド2Aにかけたトルクレンチ9にトルク伝達キイ18を介してせん断トルクが測定される。貫入時にはロッド2Aと一緒に貫入するように(図示されていない)上端部で緊結されるようにした地盤のせん断強度の測定装置1Eにできる。
【0044】
なお、せん断面以外の地盤に接する部分には潤滑剤を塗布して地盤のせん断力以外の抵抗が少ないようにした。潤滑剤は高濃度水溶性ポリマー溶液を塗布し用いた。
【実施例7】
【0045】
図14および図15に示す本発明の実施例7において、前記実施例1と主に異なる点は、測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和した状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められていることを念頭に実施したものである。
【0046】
図14および図15に示すように、有孔ロッド2Aを介してせん断面に注水をして飽和させてからせん断試験を行い、豪雨による最悪状態下での粘着力と内部摩擦角を相当値を測定する。また、必要に応じて、せん断面近くで比抵抗を測定し、飽和度と粘着力と内部摩擦角との関係を求める。そのためには、有孔ロッド2Aを用いてせん断面上のポーラスストーン19から注水し、せん断面の飽和度を上げると共に必要に応じて、ポーラスストーン19下面に比抵抗測定用電極20を4本設置し、両端に電流を流し、中間の2電極20、20間の比抵抗を測定することで飽和度を推定する。さらに、注水による間隙水圧の上昇をある程度制御するため、図示していない挿入式の簡易な水位計を用いて、有孔ロッド2A内の水位を測定し、せん断面の有効鉛直圧を求める。なお、ポーラスストーン19の中には切削刃3、3を装着し、ポーラスストーン19下面でのスリップを防止する。4電極20、20はポーラスストーン19内に配線された絶縁ケーブル21が有孔ロッド2A下端部で地上へつながるケーブルに接続された地盤のせん断強度の測定装置1Fにできる。
【0047】
なお、前記本発明の各実施例では円形回転鉋本体7、7A、7Bに2個の切削刃3を設けるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、少なくとも1個以上である1個、3個の切削刃3を取付けた円形回転鉋本体を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は高速道路などの斜面のうち、豪雨により表層地盤が飽和することで斜面の崩壊が危惧されるエリアなどでの地盤のせん断強度を測定する産業で利用される。
【符号の説明】
【0049】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F:地盤のせん断強度の測定装置。
2、2A:ロッド、 3:切削刃、
4:排土口、
5、5A、5B:円形回転鉋、 6:地盤、
7、7A、7B:円形回転鉋本体、
8:外周切削刃、 9:トルクレンチ、
10:クランプ、 11:スイベル、
12:ロープ、 13:荷重容器、
14:ウエイト、 15:円形回転鉋シェル、
16:摩擦分離パイプ、 17:回転レンチ、
18:トルク伝達キイ、 19:ポーラスストーン、
20:比抵抗測定用電極、 21:絶縁ケーブル、
22、22A:鉛直応力制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解して測定する地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置に関し、特に豪雨時、斜面の崩壊予知などの基礎資料となる地盤情報を不整地斜面でも容易に多数地点で測定できる地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤斜面の安定性、特に、豪雨時の斜面崩壊の予知には、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解した強度情報が必要不可欠である。典型的な例を以下に示す。適度に湿った砂地盤は見かけの粘着力があるため、急勾配の砂山を作ることが出来る。しかし、乾燥してくると、あるいは降雨などで水分が多くなると粘着力は小さくなり、やがて消滅し、砂山は崩壊することになる。これは、地盤のせん断強度のうち、粘着力は土粒子間の空隙に占める水の割合(飽和度)により左右されること、一方、内部摩擦角は豪雨などによる飽和度の変化にはあまり影響されないことが判っているので、せん断面に作用する鉛直圧が変わらなければ、せん断強度のうち内部摩擦角成分は変化しないことになる。
【0003】
以上より、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分離して測定する必要がある。更に、原位置測定時の地盤の飽和度、あるいは含水比等を同時に測定できれば斜面崩壊予知の精度が向上することになる。
【0004】
通常、崩壊の危険度が高い斜面の地盤は均質性に欠けるので調査地点数を多くする必要がある。かつ、不整地斜面であるため簡易な器具による原位置試験に頼らざるを得ない。そこで、小径のコーンなどを打撃貫入して調査する簡易動的貫入試験が主流で、この結果から経験的手法で、あるいは安定性を検討する地盤のせん断強度の凡そを推定し、さらに、これを粘着力と内部摩擦角との成分に分離しようと試みられてきた。一方、極少数地点ではあるが、原位置に大掛かりな調査装置を持ち込んでボーリング孔壁面でのせん断試験を行う方法や乱さない試料を採取して、高精度の室内試験等が行われてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開S47―44930号公報
【特許文献2】特開 2001―32252号公報
【特許文献3】特開H03―260212号公報
【特許文献4】特開2007―239444号公報
【特許文献5】特開 2003―227786号公報 前記特許文献1は地盤のせん断試験装置で、これはせん断板を装着した可撓性ゾンデをボーリング孔内に挿入して加圧送水によりせん断板を孔壁に圧着して引揚力をかけて地盤をせん断するもの。圧着力を変えることで粘着力と内部摩擦角を求める。実用化されてきたが、現在は前記文献2の手法で行われている。
【0006】
前記特許文献2は孔内載荷試験方法と機能性保孔管式孔内載荷試験装置で、この方法は、前記文献1の進化型である。外周面にせん断プレートを有する円周方向に可撓性である保孔パイプ内を掘削し、このパイプを地中に引き込むことで孔壁の乱れを少なくし、この中に可撓性セルを挿入して孔壁を加圧した状態で保孔パイプに引揚力を加え、加圧力とせん断強度を測定して粘着力と内部摩擦角を求めるもの。この方法は、現在、広く用いられている。
【0007】
前記の文献1、2の手法は、いずれもボーリングマシンを設置して削孔し、その孔壁でせん断試験を行う原位置試験で、簡易な原位置試験の部類には属さない。
【0008】
前記文献3は回転切削ビット圧可変式地盤強度測定方法とその装置で、これは特殊なビットで送水・回転切削するときにビット圧を周期的に変化させ、切削トルクの変動からビット圧とせん断抵抗との関係を測定して、粘着力と内部摩擦角の深度方向の連続値を求めるもの。この方法では、スピーディでかつ連続した粘着力と内部摩擦角が測定できるので魅力的ではあるが、通常、平地で本格的な調査に用いられている装備よりも重装備であるため、傾斜地では不適である。
【0009】
前記文献4は地盤情報を得る調査方法で、貫入時に地盤の乱れを防ぐ欠損断面形状からなる逆テーパー台錘状多段ゾンデを地中に圧入することでテーパー分だけ横方向歪制御の載荷試験を、かつ各セルの横方向圧力とノンスリップ加工したせん断面のせんだん応力を測定することで粘着力と内部摩擦角を求めるもの。この手法は静的貫入試験に属するもので、通常、アンカー設置や貫入機の運搬設置があり、不整地斜面での使用には適していない。
【0010】
前記文献5は 土のせん断強度測定方法及び装置で、小型のコーンを人力で貫入させ、強度の弱い箇所を特定し、その場所で4枚の小さなベーン付のコーンを貫入させ、押し圧を変えながら回転させて計測したトルクからせん断力を求め、押し圧からせん断面に作用する鉛直圧を計算して粘着力と内部摩擦角を求める方法。この手法は非常に簡便で効率的であるが、コーンを貫入させることで地盤を乱した後でベーン試験を行うことと、ロッドにかけた貫入力がベーンのせん断面の鉛直圧にどのように作用するかなど複雑な問題がある。
【非特許文献】
【0011】
前述の特許に関連した論文等の数は多いが、それ以外のものを以下に示す。
非特許文献1は「試錐孔を利用したせん断試験について」(出願1982.08 土と基礎30―8 土質工学会)。
【0012】
非特許文献2は「孔内における直接リングせん断試験法の研究」(1983 28回土質工学シンポジューム 土質工学会)。
【0013】
これらの論文は、ボーリング孔底でリングせん断試験を行うものであるが、不整地斜面上で簡易に、かつスピーディに実施できる原位置試験法ではない。
【0014】
非特許文献3は「原位置摩擦試験による地盤の強度・変形定数の推定と実務への適用」(1999 土木学会論文集No.617/ lll―46)。この論文は、特許文献1,2と同系の試験法で道路橋示方書に掲載され広く用いられている。
【0015】
上記の他にも類似の論文、各種マニュアル、規格などがあるが、現在のところ、不整地斜面上で簡易な手法で地盤のせん断強度を測定できる信頼できる手法は実用化されていない。現場作業条件が良く、かつ、本格的な調査機器を投入し、多大な時間と工費をかけて1日数点で粘着力と内部摩擦角を測定することは可能になってきたが、不整地斜面上で簡単に多数地点で測定できる手法は実用化されていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
不整地斜面上で、表層地盤を対象に斜面の安定性を検討するための地盤調査分野での課題は以下のとおりである。
A:地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角相当値に分解して測定できる装置と方法
B:試験装置の移動や設置、試験、撤去等がスピーディに行う事が出来る軽量で簡単に試験できるもの。
高精度測定よりも粘着力と内部摩擦角相当値を数多く求められることに重点を置いた手法が望まれている。
C:操作が容易でブラックボックスのない誰もが使える堅牢で安価なもの。
D:測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和し
た状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められることが望まれている。
E:AからDの課題をベースに測定結果の精度と信頼性の向上、および関連する付加価値が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するため、当該発明の要求事項に最も近い特許文献5の長所を伸ばし、欠点を解消することからスタートした。
【0018】
課題A:地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角相当値に分解して測定するための手段:
この種地盤調査の主流である動的貫入試験や静的コーン貫入抵抗からせん断強度の凡そを推定し、さらにこれを粘着力と内部摩擦角に分離する2段階推定手法ではなく、初めから分離して実測する手法としては、ボーリング孔壁にせん断プレートを圧着してせん断する方法は反力機構がいらないので普及(特許文献1,2など)してきたが、この方法では課題B,Cの実現は不可能である。
【0019】
特許文献5では、小型コーンの表面に沿って4枚のベーン(羽根4)を取り付けたコーンを貫入させるため、せん断試験を行う前に、地盤はコーンの貫入により乱され、ベーンの回転によりせん断強度を測定する時点では、既に乱された状態である。さらに、ベーンの回転によるせん断面に働く地中応力は、ロッド(軸部 2)に作用する押込み力の角度成分のみでなく、コーン表面の粗度や、コーン肩部(首部 5)から急変するロッドとの接続部での地中応力の変化、そして地盤種別で地中応力が弾塑性条件などでも変化するので、せん断面に働く鉛直地中応力を確定することはかなり困難である。
【0020】
そこで、せん断試験深度の地盤を乱すことなく、せん断治具を簡易な方法で貫入する方法として、木工用座ぐりカッターとして商品化されている切削具を応用した地盤用の「円形回転鉋」を利用することにした。
【0021】
円形回転鉋を所定の深度まで貫入させる場合、非回転で急速圧入しても良いが、少なくとも円形回転鉋の直径より上から回転切削しながら掘削することで、せん断試験面での地盤の乱れを無くすことが当該発明のポイントの一つである。さらに、ロッドと円形鉋は直角に装着することで、せん断面に働く鉛直圧はロッドにかけた鉛直力から正確に算定できることになる。
【0022】
ロッドを回転して地盤を切削して貫入、あるいはロッドに複数の押込み荷重をかけてせん断試験を行う場合、鉋刃のすくい角が正になるように正回転すれば地盤がサクサク切削されてせん断試験面は乱れないことになる。
この時、鉋台下面に複数の鉛直圧を作用させると切削抵抗とせん断抵抗の合成したトルクが計測されるので、より正確にせん断強度を求めるためには、逆方向に回転させることで、せん断抵抗のみを測定して粘着力と内部摩擦角相当値を求め、この値を用いて合成トルクを補正してせん断強度相当値の深度方向の連続値を求めることもできる。トルクの計測は一般に用いられている道具、トルクレンチを使用する。
【0023】
なお、このような簡易な手法で求めた原位置地盤定数は、通常のせん断試験から求めたものと同等とは限らないので地盤による補正を行うことになるので、粘着力と内部摩擦角相当値と表現した。
【0024】
課題B:試験装置の移動や設置、試験、撤去等がスピーディに行う事が出来る軽量で簡単に試験できるもの:
高精度測定よりも粘着力と内部摩擦角相当値を数多く求められることに重点を置いた手法が望まれているので、以下のようなからくり機構によるせん断面への裁荷やねじりせん断試験手法を考案した。せん断面に作用する荷重を制御する方法として、従来のばね秤などを用いて人力で押さえる方法では安定性が悪いので、ロッドを貫通し、上下動を固定するクランプ、必要に応じて回転自在のスイベルをロッドに装着し、中央にロッドが通る穴を有する荷重容器を複数のロープに滑車を通し、これをスイベルより上に上げることにより、荷重容器内のウエィト相当の荷重は上向きに作用し装置自重の影響を無くした状態で、ロッドを回転させてせん断試験を行い、順次、ウエィトを減じてゼロにしたら滑車を取外し、鉛直荷重を増加させながら(荷重容器にウエィトを入れる)順次せん断試験を行うことで、安定した荷重制御のもとでせん断試験を行う事が出来る。
【0025】
特許文献5は測定者1名が載ってコーンを貫入させることを前提にしているが、安全管理上、1人ではなく2名とし、
二名の体重で容易に貫入できるように、ロッドにクランプを取り付け、これに紐で吊るした足かけ鐙をセットする。
【0026】
課題C:操作が容易でブラックボックスのない誰もが使える堅牢で安価なもの:
上記のように、動力と機械装置や電子機器を使用せず、かつ繊細な部品は使用しないで、安価で耐久性がある簡単な資器材の組み合わせで試験を行う事が出来る。測定精度を上げるため、ロードセルやトルク計を内装した測定器を電動で回転貫入することも出来るが、過酷な現場条件下で―例えば、この種現場測定器は温度変化に対して大きな誤差が生じるケースが多い―使用すると思わぬ誤差が発生するケースが多々ある。当該発明品では、鉋刃の消耗度、トルクレンチの簡単な精度確認とウエィトの確認程度で、特に訓練された計測技術者でなくとも測定が可能である。
【0027】
課題D:測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和した状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められることが望まれている:
せん断面に注水をしてせん断試験を行い、必要に応じて、せん断面近くで比抵抗を測定し、飽和度と粘着力と内部摩擦角との関係を求める。
【0028】
課題E:AからDの課題をベースに測定結果の精度と信頼性の向上、および関連する付加価値が望まれている:
測定機器と地盤との接触部分のうち、せん断面を除くところには潤滑剤を塗布するほか、さや管などで直接地盤に接しないようにする。あるいはテーパーを設けて摩擦面に働く圧力を減じて摩擦抵抗による誤差を少なくする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は軽量で、ロッドの先端部に円形回転鉋を取付けたものであるので、持ち運びが容易で便利である。また、斜面での設置が容易で、所定の深度近くまではロッドを垂直に立てた状態でロッドに体重をかけ一気に押し込むか、正回転で地盤をサクサク掘削して乱すことなく所定の深度に設置できる。せん断試験も精緻な装備品はなく、誰もが容易に使いこなせて、かつ破損し難いので、正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例1の正面図。
【図2】本発明の実施例1の底面図。
【図3】本発明の実施例1の平面図。
【図4】本発明の実施例1の地盤に押し込んだ状態の説明図。
【図5】本発明の実施例1の地盤に押し込んだ後、回転切削して測定深度に設置させた状態の説明図。
【図6】本発明の実施例1の測定深度での測定の状態を示す説明図。
【図7】本発明の実施例2の正面図。
【図8】本発明の実施例2の底面図。
【図9】本発明の実施例3の正面図。
【図10】本発明の実施例4の正面図。
【図11】本発明の実施例4の底面図。
【図12】本発明の実施例5の正面図。
【図13】本発明の実施例6の正面図。
【図14】本発明の実施例7の正面図。
【図15】本発明の実施例7の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、地盤のせん断強度を粘着力と内部摩擦角との成分に分解して測定する方法と装置に関し、特に豪雨時、斜面の崩壊予知などの基礎資料とする地盤情報を不整地でも容易に多数地点で測定できる方法と装置に関するものである。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1ないし図6に示す本発明の実施例1について説明する。
【0033】
本発明の実施例1の地盤のせん断強度の測定方法および地盤のせん断強度の測定装置1はロッド2と、このロッド2の先端部に取付けられた少なくとも1個以上、本発明の実施の形態では2個の切削刃3、3を備える排土口4、4とを有する円形回転鉋5とからなる地盤のせん断強度の測定装置1を用いて、前記ロッド2に一定の推力を加えて前記円形回転鉋5を地盤6に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋5の切削刃3、3のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤6に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッド2を介して前記円形回転鉋5の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋5の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤6の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法を行う。
【0034】
前記円形回転鉋5は上面の中央部にロッド2が取付けられる短管状の円形回転鉋本体7と、この円形回転鉋本体7の底面に形成された外周切削刃8と、前記円形回転鉋本体7に該円形回転鉋本体7を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定された切削刃3、3とで構成されてたものを用いている。
【0035】
また、切削刃3、3はすくい角が20度〜30度で、切り屑はそれぞれの刃の前方に設けた排土口4、4から排出される。
【0036】
前記地盤のせん断強度の測定装置1はロッド2に測定者の体重をかけて、せん断試験深度上へ数cm(円形回転鉋の直径相当)まで貫入してから、切削刃3、3のすくい角が正である方向に回転させることで地盤6をサクサク切削しながら試験深度まで貫入させると試験地盤は乱されることなく所定深度に達し、その後、ロッド2を介してせん断面に働く鉛直圧を数段階に変動させながらトルクレンチ9でロッド2を回転させてトルクを測定する。回転方向は前記とは逆に回転させることで、切削抵抗は発生せずにせん断面の抵抗が測定できることになる。その結果、トルクから求めたせん断応力とその時に作用させた鉛直圧の関係から一次の関係を求め、その勾配が内部摩擦角、鉛直圧ゼロ軸との交点のせん断応力が粘着力相当値として求まることになる。
【0037】
円形回転鉋5を所定の深度まで貫入する過程でロッド2の押し圧を一定値にして正回転して切削しながら貫入させる場合のトルクを測定すると深度方向のせん断強度の連続的な相対値が得られることになる。また、鉛直圧を変動させながら正回転して切削貫入させ、その時のトルクの連続値から見かけの粘着力と内部摩擦角の値を求め、正規のせん断試験結果で補正して粘着力と内部摩擦角相当値の深度分布を求めることができる。
【0038】
次に、図7ないし図15に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当たって、前記本発明の実施例1と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例2】
【0039】
図7および図8に示す本発明の実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、ロッド2の先端部に円盤状の円形回転鉋本体7Aと、この円形回転鉋本体7Aに該円形回転鉋本体7Aを正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定されたすくい角が20度〜30度の切削刃3、3とで構成さつれた円形回転鉋5Aを用いた地盤のせん断強度の測定装置1Aを用いた点で、このような、地盤のせん断強度の測定装置1Aを用いても前記実施例1と同様な作用効果が得られる。
【実施例3】
【0040】
図9に示す本発明の実施例3において、前記実施例1と主に異なる点は、ロッド2に鉛直応力制御装置22を設置した点で、この鉛直応力制御装置22はロッド2にクランプ10とスイベル11を通し、上下動いしないようにクランプ10で固定し、目的に応じて次の3種類の方法でせん断試験深度まで円形回転鉋5を貫入させる。もっとも急速測定ができる「イ」法は、スイベル11に鐙を装着した長さが調節可能なチェーン(図示していない)を軸対象に取り付け、2人でロッド2を鉛直に保持しながら鐙に足をかけて体重で測定深度の数cm上(円形回転鉋5の直径より上方)まで貫入させ、せん断試験深度までは円形回転鉋5の切削刃3、3のすくい角が正の方向に(正)回転させて地盤6をサクサク切削しながら地盤を乱さないで所定の深度まで貫入させる。「ロ」法はスイベル11に滑車23、23を介して2本のロープ12、12を止め、他端にロッド2に通した中心に穴13aのあいた荷重容器13をつるし、その中に一定のウエイト14を入れ、トルクレンチ9で測定しながら切削して試験深度まで貫入させる。最後はせん断試験をしながら貫入する「ハ」法で、数回転毎にウエイト14を変える方法で、トルクの「ロ」法と同様、切削力と底面の摩擦力の合成トルクであるが、特定条件下での土のせん断強度の深度方向の連続値が得られる地盤のせん断強度の測定装置1Bにできる。
【実施例4】
【0041】
図10および図11に示す本発明の実施例4において、前記実施例1と主に異なる点は、注水することができるパイプ状のロッド2Aに取付けられる円環状の円形回転鉋本体7Bと、この円形回転鉋本体7Bに該円形回転鉋本体7Bを正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口4、4と、この排土口4、4の一側面に固定された切削刃3、3とで構成さつれた円形回転鉋5Bを用いた地盤のせん断強度の測定装置1Cを用いた点で、このような、地盤のせん断強度の測定装置1Cを用いても前記実施例1と同様な作用効果が得られるとともに、注水試験の他に試料採取等(図示していない)も可能で付加機能を付けることが容易にできる。
【実施例5】
【0042】
図12に示す本発明の実施例5において、前記実施例3と主に異なる点は、ロッド2に取付けたスイベル11に一定のウエイト14を収納する荷重容器13を2本のロープ12、12で取付けた鉛直応力制御装置22Aを用いた点で、このような鉛直応力制御装置22Aを用いて構成した地盤のせん断強度の測定装置1Dにしても、前記実施例3と同様な作用効果が得られる。
【実施例6】
【0043】
図13に示す本発明の実施例6において、前記実施例1と主に異なる点は、せん断面以外の土と接する部分での摩擦抵抗を低減させて測定精度を上げるため、円形回転鉋シェル15の外周にはテーパーを付けて摩擦を減じ、ロッド2Aの外側にはロッド2Aの径より僅かに大きい内径の摩擦分離パイプ16を挿入し、せん断試験時には摩擦分離パイプ16にかけた回転レンチ17で回してせん断試験を行う。回転レンチ17からロッド2Aにかけたトルクレンチ9にトルク伝達キイ18を介してせん断トルクが測定される。貫入時にはロッド2Aと一緒に貫入するように(図示されていない)上端部で緊結されるようにした地盤のせん断強度の測定装置1Eにできる。
【0044】
なお、せん断面以外の地盤に接する部分には潤滑剤を塗布して地盤のせん断力以外の抵抗が少ないようにした。潤滑剤は高濃度水溶性ポリマー溶液を塗布し用いた。
【実施例7】
【0045】
図14および図15に示す本発明の実施例7において、前記実施例1と主に異なる点は、測定地盤の含水比や飽和度によってせん断強度は変化するので、少なくとも平時の測定の他に豪雨などで飽和した状態を再現して測定できることと、出きれば含水比や飽和度との関係も求められていることを念頭に実施したものである。
【0046】
図14および図15に示すように、有孔ロッド2Aを介してせん断面に注水をして飽和させてからせん断試験を行い、豪雨による最悪状態下での粘着力と内部摩擦角を相当値を測定する。また、必要に応じて、せん断面近くで比抵抗を測定し、飽和度と粘着力と内部摩擦角との関係を求める。そのためには、有孔ロッド2Aを用いてせん断面上のポーラスストーン19から注水し、せん断面の飽和度を上げると共に必要に応じて、ポーラスストーン19下面に比抵抗測定用電極20を4本設置し、両端に電流を流し、中間の2電極20、20間の比抵抗を測定することで飽和度を推定する。さらに、注水による間隙水圧の上昇をある程度制御するため、図示していない挿入式の簡易な水位計を用いて、有孔ロッド2A内の水位を測定し、せん断面の有効鉛直圧を求める。なお、ポーラスストーン19の中には切削刃3、3を装着し、ポーラスストーン19下面でのスリップを防止する。4電極20、20はポーラスストーン19内に配線された絶縁ケーブル21が有孔ロッド2A下端部で地上へつながるケーブルに接続された地盤のせん断強度の測定装置1Fにできる。
【0047】
なお、前記本発明の各実施例では円形回転鉋本体7、7A、7Bに2個の切削刃3を設けるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、少なくとも1個以上である1個、3個の切削刃3を取付けた円形回転鉋本体を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は高速道路などの斜面のうち、豪雨により表層地盤が飽和することで斜面の崩壊が危惧されるエリアなどでの地盤のせん断強度を測定する産業で利用される。
【符号の説明】
【0049】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F:地盤のせん断強度の測定装置。
2、2A:ロッド、 3:切削刃、
4:排土口、
5、5A、5B:円形回転鉋、 6:地盤、
7、7A、7B:円形回転鉋本体、
8:外周切削刃、 9:トルクレンチ、
10:クランプ、 11:スイベル、
12:ロープ、 13:荷重容器、
14:ウエイト、 15:円形回転鉋シェル、
16:摩擦分離パイプ、 17:回転レンチ、
18:トルク伝達キイ、 19:ポーラスストーン、
20:比抵抗測定用電極、 21:絶縁ケーブル、
22、22A:鉛直応力制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の排土口内に切削刃を有する円形回転鉋を用いて、前記ロッドに一定の推力を加えて前記円形回転鉋を地盤に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋の切削刃のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッドを介して前記円形回転鉋の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法。
【請求項2】
ロッドと、このロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の切削刃を備える排土口とを有する円形回転鉋とからなることを特徴とする地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項3】
円形回転鉋は上面の中央部にロッドが取付けられる短管状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体の底面に形成された外周切削刃と、前記円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項4】
円形回転鉋は上面の中央部にロッドが取付けられる円盤状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項5】
円形回転鉋は注水することができるパイプ状のロッドに取付けられる円環状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項6】
ロッドには該ロッドを貫通し、ロッドに対する上下動や回転を固定あるいは自由にできるスウィベルを設け、中央にロッドが通る穴を有する荷重容器を複数のロープでスイベルに接続し、荷重容器内のウエィトを変えることでせん断面の鉛直応力を制御し、かつ、ロープに滑車を通し、スイベルより上に上げることにより、荷重容器内のウエィト相当の荷重は上向きに作用させ、装置自重せん断面に対しキャンセルも出来る鉛直応力制御装置が設置されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項1】
ロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の排土口内に切削刃を有する円形回転鉋を用いて、前記ロッドに一定の推力を加えて前記円形回転鉋を地盤に貫入させ、あるいは前記円形回転鉋の切削刃のすくい角が正になる方向に回転して地盤を切削しながら地盤に貫入させ、所定の測定深度に達すると前記ロッドを介して前記円形回転鉋の下面に作用する鉛直応力を変化させ、かつ切削時の回転方向に対して逆回転させて前記円形回転鉋の底面で地盤をせん断し鉛直応力とトルクから地盤の粘着強度と摩擦強度相当値を分離して地盤のせん断強度を測定する地盤のせん断強度の測定方法。
【請求項2】
ロッドと、このロッドの先端部に取付けられた少なくとも1個以上の切削刃を備える排土口とを有する円形回転鉋とからなることを特徴とする地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項3】
円形回転鉋は上面の中央部にロッドが取付けられる短管状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体の底面に形成された外周切削刃と、前記円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項4】
円形回転鉋は上面の中央部にロッドが取付けられる円盤状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項5】
円形回転鉋は注水することができるパイプ状のロッドに取付けられる円環状の円形回転鉋本体と、この円形回転鉋本体に該円形回転鉋本体を正回転させることにより上方へ排出することができる傾斜状に形成された少なくとも1個以上の排土口と、この排土口の一側面に固定された切削刃とで構成されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【請求項6】
ロッドには該ロッドを貫通し、ロッドに対する上下動や回転を固定あるいは自由にできるスウィベルを設け、中央にロッドが通る穴を有する荷重容器を複数のロープでスイベルに接続し、荷重容器内のウエィトを変えることでせん断面の鉛直応力を制御し、かつ、ロープに滑車を通し、スイベルより上に上げることにより、荷重容器内のウエィト相当の荷重は上向きに作用させ、装置自重せん断面に対しキャンセルも出来る鉛直応力制御装置が設置されていることを特徴とする請求項2記載の地盤のせん断強度の測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−23900(P2013−23900A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159465(P2011−159465)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(506332605)基礎地盤コンサルタンツ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(506332605)基礎地盤コンサルタンツ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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