説明

地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置

【課題】微細気泡を混入したシリカ溶液を地盤に注入することにより、地盤の不飽和化と固結化によって液状化を防止する地盤改良工法および地盤改良装置を提供する。
【解決手段】
微細気泡を混入したシリカ溶液を地盤に注入管9を通して注入することにより、地盤を不飽和化しかつ固結化して液状化を防止する。シリカ溶液を加圧する加圧タンク1と、シリカ溶液に微細気泡を混入するバブル発生装置2と、シリカ溶液を加圧タンク1とバブル発生装置2との間を送液管6を通して循環させる溶液循環ポンプ5と、加圧タンク1とバブル発生装置2にエアを送り込むコンプレッサー7と、微細気泡を混入したシリカ溶液を地盤に注入する注入管9を備えて構成する。バブル発生装置2は加圧タンク1内に直線状に設置され、かつ溶液循環ポンプ5から加圧タンク1に伸びる送液管6に接続された溶液導入管18に当該溶液導入管18の管軸方向に複数設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡(マイクロバブル)を混入したシリカグラウト等の薬液を注入して、地盤を不飽和化することにより地盤の液状化を防止する地盤改良工法および地盤改良装置に関し、加圧下で気泡を混入した薬液を地盤中に注入することにより、地盤中に高濃度の溶存気体量を保った状態で薬液を広く均等に注入することができる。
【0002】
またこれにより、微細気泡が地盤中に恒久的に存在して高品質の改良効果が得られ、しかも細粒土に対する浸透性が高く、液状化防止効果を長期にわたって持続させることができる。
【背景技術】
【0003】
シリカグラウト等の薬液を注入して既存構造物の直下並びにその周辺地盤の液状化を防ぐ液状化対策工は、その効果を充分なものとするには薬液の濃度を高くし、注入間隔を狭くして薬液の注入量を多くする必要があること等から経済性に課題があった。
【0004】
また、一般に薬液が地盤中に広く浸透しにくいことや、構造物直下の地盤中に注入管を挿入するための削孔が困難なこと等のために地盤改良領域を充分にカバーしきれないという施工上の課題もあった。
【0005】
さらに、宅地のような人家と接した場所での施工は、薬液注入による地下水汚染などの環境への影響や地盤の変状による家屋への影響、さらには経済的な問題もあることから、宅地の液状化対策は大半が行われておらず、このため、より経済的で安全な液状化対策工の開発が急務とされていた。
【0006】
ところで、近年、地盤中に微細気泡(マイクロバブル)を混入した水を注入したり、地下水を一旦汲み上げて地盤を不飽和化することにより液状化を防止する方法が提案されている。
【0007】
さらに、直径が10μm〜100μmの多数の超微細気泡溶存水を地盤中に注入することにより地盤の不飽和化を高める気泡混入工法(マイクロバブル水混入工法)が提唱されている。
【0008】
この工法は、液状化時に発生する過剰間隙水圧を土粒子間に混入した超微細気泡の収縮によって吸収することにより過剰間隙水圧の上昇を抑制し、これにより土粒子どうしの噛み合いを保つことで液状化強度を向上させようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−205228号公報
【特許文献2】特開2005−169286号公報
【特許文献2】特開2009−121066号公報
【特許文献2】特開2010−248698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した気泡混入工法は、新たな液状化対策工法として期待されているが、未だ以下に記載するようないくつかの解決すべき課題を有している。
【0011】
(1)水は表面張力が大きいため、水中で攪拌しながら空気を混入したりフィルター材を通して水中に混入した空気を微粒子化しようとしても、100μm以下の微細気泡にはならず、地下水面に移行して消滅するため不飽和地盤を形成することは難しい。
【0012】
従来技術である気泡混入水を地盤中に注入する手法では、地上のタンク内で気泡を発生させ、ポンプを用いて地盤中に注入するため、気泡が混入された液体が地盤中に注入されて解放されると同時に大気圧状態となるため、微粒子化された気泡の径が大きくなり浸透性が低下することや、大きな気泡は地下水中を急速に上昇し、地下水面で破裂して消滅してしまい、このため、液体に混入された空気溶存量を一定に保つことが困難となるため品質確保が難しい。
【0013】
(2)気泡発生装置を用いて空気を水中に吹き込むことにより、微細気泡(マイクロバブル)を含む水溶液を地上のタンク内で生成し、これを地盤中に注入する地盤改良工法は知られているが、タンク内の微細気泡は5μm〜60μmの粒径を有し、これはセメントの粒径とほぼ等しいため、これを地盤中に注入管を介して注入した場合、注入管付近の土粒子間の間隙で気泡が目詰まりを起こし易く注入管周りに集まりやすい。このため、気泡を均等にかつ広範囲に浸透させて不飽和地盤を形成することは困難である。
【0014】
これは、タンク内を加圧状態にして気泡発生装置を用いて空気を混入した場合、タンク内では上記粒径の微粒子径を保っているが、地盤中に注入されると圧力が解放されて気泡同士が集まって粒径が大きくなり、このため、浸透性が低下するか大きな気泡となって地上に逸送しやすくなるからである。
【0015】
また、微粒子同士が集合してしまうと微細気泡を保ったまま不飽和率を上げることができないため改良効果が低くなる。さらに、上記粒径のマイクロバブルは、水中で乳白色状に分散しているが時間の経過と共に消滅して透明となる。
【0016】
これは、水の表面張力によって気泡の粒径が小さくなり気泡内部の圧力が大きくなるため、気体の水に対する溶解度が大きくなり、ついには消滅するからである。従って地盤に長期にわたって不飽和状態を維持することは難しい。
【0017】
(3)河川の堤防直下などで地下水流がある場合、注入された気泡が注入対象領域外に流出したり拡散したりすることにより、長期間にわたって期待した品質を確保、維持することができない。また、施工後地下水の移流により気泡が移動したり地上に開放されたりして飽和度が回復する懸念があり、いつ起こるか判らない地震時のための長期の液状化対策工法としては充分なものとはいえない。
【0018】
(4)気泡混入工法は、土粒子表面に微細気泡を吸着させることを原理としているため、微細気泡を含む水溶液を生成し、これを地盤中に加圧状態を保ちながら注入管を通して注入し、圧力を開放して地盤中に気泡を発生させなくてはならないため、それに対応したシステムや操作が困難である。
【0019】
すなわち、気泡を発生する装置を用いて気泡を混入した気泡混入液を生成し、それを地盤中に加圧状態を保ったまま注入管を通して注入し、かつ地盤中で圧力が開放されて地盤中に気泡が発生して不飽和状態に至るシステムは複雑であり、圧力を開放して地盤中に気泡を発生させるまでの加圧状態を保つことは難しい。
【0020】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、マイクロバブル(微細気泡)を混入した大容量の注入材を容易に生成することを可能にすると共に、加圧下で気泡を混入した薬液を地盤中に注入することにより、地盤中に高濃度の溶存気体量を保った状態で気泡を広く均等に注入することができ、またこれにより、微細気泡が地盤中に永続的に存在して高品質の改良効果が得られ、かつ細粒土に対する浸透性が高く、マイクロバブルによる液状化防止効果を長期にわたって持続させることを可能にした地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法は、微細気泡を混入した液体を地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良工法において、以下(1)、(2)および(3)の工程のうち、いずれか一工程または二工程、あるいは三工程のすべてを含むことを特徴とするものである。
【0022】
(1)密閉状態の加圧下において液体に気体を混入することにより液体の気体溶存量を高めて地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(2)渦流発生装置によって液体に気体を混入して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(3)渦流発生装置によって液体と気体を撹拌・混合・溶解して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
【0023】
本発明は、特に既存構造物の周囲および/または直下の地盤中に微細気泡を混入した液体を注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良に適し、特に地盤中に一定領域を囲むように遮蔽壁(地中連続壁)を形成し、当該遮蔽壁内に微細気泡を混入した液体を注入することにより液体の逸送を防止することができ、既存構造物の周囲および/または直下の地盤に対して確実にかつ経済的に地盤改良を行うことができる。
【0024】
また、液体にシリカ溶液を使用することにより地盤の不飽和化と固結化により微細気泡が地盤中に恒久的に存在して高品質の地盤改良効果が得られ、かつ細粒土に対する浸透性が高く、液状化防止効果を長期にわたって持続させることができる。なお、シリカ溶液の他に塩、酸、あるいはアルカリや有機質、さらに電解質、界面活性剤、水溶性高分子材を含む溶液中でマイクロバブルを発生させてもよい。
【0025】
この手法を用いることで、縮小過程にあるマイクロバブルの周囲に電解質イオンが高濃度に集積し、気泡内部の気体の溶解を抑制する作用が生じるため、極微細なナノバブルの気泡が長期に安定して存在することになり、細粒土における広範囲の浸透性が得られる。
【0026】
また、地盤中に複数の固結体(改良体および/または連続壁)を形成することにより、地盤の側方流動を阻止することができるだけでなく、地盤の支持力を高めることができて地盤の安定化を図ることができる。
【0027】
なお、固結体はシリカ溶液またはセメント液などの固結材を多く含む地盤に改良する等の方法で容易に形成することができ、必要に応じて固結体内に鋼管や形鋼などの補強鋼材あるいはRC構造からなる杭体を打ち込んでもよい。さらに、地盤に微細気泡を反復注入することにより、地盤中に微細気泡を広く分散させて注入することができる。
【0028】
本発明の地盤改良装置は、微細気泡を混入した液体を地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良装置において、液体を加圧する加圧タンクと、液体に微細気泡を混入するバブル発生装置と、液体を加圧タンクとバブル発生装置との間を送液管を通して循環させる溶液循環ポンプと、加圧タンクとバブル発生装置にエアを送り込むコンプレッサーと、微細気泡を混入した液体を地盤に注入する注入管を備えて構成されていることを特徴とするものである。
【0029】
特に、バブル発生装置はタンク内に直線状または加圧タンクの内壁面に沿って螺旋状に設置され、かつ溶液循環ポンプから加圧タンクに伸びる送液管に接続された溶液導入管に当該溶液導入管の管軸方向に複数設置されていることで、大容量のマイクロバブルを発生させることができ、これによりマイクロバブルを混入した大容量の液体(薬液)を効率的に生成することができる。
【0030】
また、バブル発生装置は注入管または加圧タンクと注入管との間に敷設された送液管にも設置することにより、加圧タンク内に生成されたマイクロバブル混入液に再度マイクロバブルを混入することにより、より多くのマイクロバブルを混入した液体(薬液)を地盤に注入することができる。
【0031】
また、複数の注入地点に注入管を分岐バルブまたは電磁バルブを介して配置し、かつ各注入管に注入管を引き抜くための引抜き装置をすることにより、マイクロバブルを混入した液体(薬液)を複数の注入地点に同時にまたは一部の注入地点に選択して注入することができるだけでなく、各注入地点ごとにかつ各注入地点の層ごとに最適量の液体を無駄なく注入することができる。
【0032】
また、複数の注入管どうしを送液管を介して互いに接続し、かつ送液管の各注入地点に流路切替バブルを設置することにより、注入地点までの液体の最適流路を任意に選択することができる。
【0033】
ところで、出願人は、永年にわたって以下のマイクロバブル (微細気泡)の特性を利用して、その欠点を解消することにより溶液として電解質溶液を用い、これにマイクロバブルを混入した溶液型注入材を利用した本願発明に係る液状化対策工を完成させた。
【0034】
電解質溶液に気体を加圧下で溶解したのち、圧力を解放して気体の過飽和条件をつくり出して水中で気泡を発生さるか、或いは水流を起こして渦を発生させ、渦内に気体を巻き込みこの渦を崩壊させた場合、液体が水の場合に比べて気泡混入液の浸透距離が大幅に大きくなり液状化強度も大きくなり、その改良効果の持続性も大きくなる。特に、電解質がシリカ溶液の場合はその効果が著しいことが判った。
【0035】
これは、水にマイクロバブルを混入した場合は、マイクロバブルの粒径が大きく、注入初期に注入孔周辺にマイクロバブルが集まってしまい、その気泡はマイクロバブルと周辺の水の界面に表面張力が作用し、内部の圧力が大きくなり短時間のうちに直径が小さくなり消滅してしまう。
【0036】
それに対し、電解質中にマイクロバブルを混入した場合は、電解質中に混入されたマイクロバブルは、バブルの内圧が高くなっても界面に電解質が集まって電解質の濃度が高くなっているため、空気の溶解が少なく、マイクロバブルが消滅しにくく、かつマイクロバブルよりも小さな径の極微細気泡(ナノバブル)を発生し、そのナノバブルが長時間消滅しないで存在し続けるため、長時間の浸透時間中に浸透性のよいマイクロバブルをもつ注入液が広範囲に浸透するためと思われる。
【0037】
ナノバブルは、1μm以下の粒径の極微細な気泡であり、特に長時間水中に存在するという特性を有している。このため、液状化防止の目的のために100μm以下の粒径の気泡でかつ長時間水中に消滅することなく存在することができれば、気泡混入液で前述の欠点を防いで液状化対策工などの地盤改良に適用するには以下の機能を付与すればよいことに着目した。
【0038】
(1)マイクロバブルの粒径のみならずナノバブルの粒径をもつ気泡混入液を形成する。
【0039】
(2)気泡の地下水中における消滅期間を確実に長くして注入時間中は消滅することなく注入対象範囲に均等に浸透するようにする。
【0040】
(3)マイクロバブルもナノバブルも最終的に消滅する可能性があるのに対し、これを永続的に地盤中に存続させる。
【0041】
本発明者は、以上の機能を付与するために種々研究を重ね、以下の手法を用いることにより本発明を完成させた。
【0042】
(1)マイクロバブルのみならずナノバブルを地盤中に効率的に生成し、消滅する前に広範囲に浸透させる。
【0043】
(2)気泡界面に不溶性の殻を作って地盤中に気体を固定する。そのために電解質としてシリカ溶液、塩、酸、あるいはアルカリや有機質を含む溶液中でマイクロバブルを発生させる。
【0044】
この手法を用いることで縮小過程にあるマイクロバブルの周囲に電解質イオンが高濃度に集積し、気泡内部の気体の溶解を抑制する作用が生じるため、極微細なナノバブルの気泡が長期に安定して存在することになる。このため細粒土における広範囲の浸透性が得られる。
【0045】
しかし一方、最終的にはマイクロバブルもナノバブルも消滅する可能性があり、地下水流により消失するおそれもある。このため、ゲル化機能を有するシリカを含む水溶液中に気泡を発生させる。このようにすればマイクロバブルなりナノバブルが充分地盤中に浸透し、最終的にゲル化して永続的な不飽和地盤を形成することができる。
【0046】
特にマイクロバブルは、その消滅時に表面電荷の濃縮とナノバブルの生成のほかにフリーラジカルを発生するため反応性が極めて高い。このため、シリカグラウトにおいて全配合水を包含するゲルを形成しない希薄なシリカ濃度でも配合液中に析出したシリカが気泡の表面を覆って殻を形成し、気泡が安定化するか、或いは線状のシリカが気泡と共に土粒子表面にからみついて気泡を固結するものと思われる。
【0047】
本発明の地盤改良工法は、以下の(1)、(2)および(3)の工程のいずれか一工程、または二工程、あるいは三工程のすべてを併用する。
【0048】
(1)密閉状態の液体に加圧下で気体を混入して過飽和状態の気体混入液をつくり、これを注入管を通して地盤中に注入して圧力を解放して地盤中に気泡を発生させる。
【0049】
(2)加圧下で過飽和状態の気体混入液を水中または注入管内でノズルから噴射させて圧力を解放することにより地盤中に気泡を発生させる。
【0050】
(3)渦流発生装置によって液体と気体を撹拌・混合・溶解して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する。
【0051】
以上の方式において、液体は電解質溶液、シリカ溶液、或いは気泡混入水と電解質またはシリカを含む気泡混入液とを併用する。或いは、液体が界面活性剤や水溶性高分子系増粘剤を含有してもよい。
【0052】
マイクロバブル注入材に増粘剤を全配合中、0.1〜5重量%量配合して地下水によって希釈されずに、マイクロバブルを広範囲に浸透して液状化対策の必要な地盤あるいは地下水のある地盤の不飽和化に役立つ。
【0053】
さらに、マイクロバブルを含むシリカ系化合物の水溶液またはコロイド溶液に増粘剤を全配合中、0.1〜5%量配合したゲル化時間の長い、かつ地下水によって希釈化されずに広範囲に浸透して高強度に固結する注入材を液状化対策の必要な地盤あるいは地下水のある地盤に注入して不飽和化して該地盤を固結する。
【0054】
また、増粘剤は得られる注入材の固結性や固結強度に悪影響を与えないものであって、例えば、水溶性高分子系増粘剤であり、具体的には例えば、多糖類またはその誘導体、天然ガム類、水溶性の合成高分子物質等が挙げられる。
【0055】
多糖類またはその誘導体としては、カルボキメチルセルロースナトリウム(cmc)、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カゼインナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、天然ガム類としてはアラビアゴム、アルギン酸、カゼイン、グアガム、グルテン、ローストビーンガム等が挙げられ、また、水溶性の合成高分子物質としてはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0056】
このような増粘剤の配合量はシリカ系化合物の水溶液またはコロイド液のシリカ濃度、pH値、増粘剤の種類、得られる注入材配合液の固結体強度、注入対象地盤の透水性、地下水の有無、およびその流れの強さ等よって決定されるが、得られる注入材が2〜40cps 、好ましくは2〜20cps の粘度を呈するような量である。この量は具体的には注入材配合液中、0.1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。
【0057】
また、界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル等がある。
【0058】
液体内に気体を混入するには、液体を加圧下で送液しながら旋回流を形成し、その旋回流の中に気体を噴出して気体を渦流の中に巻き込み細分化して過飽和状態を形成し、これを注入管の吐出口から地盤中に注入して圧力を解放することにより気泡を再発生させる。
【0059】
注入管の気泡発生装置で旋回流を形成することにより生成された気泡含有溶液は注入管内で過飽和状態にあり、注入管の吐出口から地盤中に吐出され、地盤中の地下水にぶつかって渦流を崩壊させて気泡を再生させて地盤中に注入される。
【0060】
本発明は、地盤中でマイクロバブルを広範囲に浸透させ、かつ永続的に保持させることの可能な地盤改良工法および地盤改良装置を提供するものである。
【0061】
地盤改良装置としては、地上の注入液製造装置内で気泡を多くかつ微粒子を保ちながら、かつ注入管路に微粒子を保ちながら送液する。
【0062】
その後、注入管の吐出口から地盤中に注入されるまで、マイクロバブルが消失しないように気泡混入状態で地盤中に注入する。さらに、注入管路内や注入管からの噴出口、注入液製造装置から注入管路への分岐点でマイクロバブルを再発生させて地盤中に注入する。
【0063】
地盤中に注入されたマイクロバブルが永続的に消失しないようにシリカ溶液中に混入して、シリカのゲル内にマイクロバブルが保持されるようにする。
【0064】
また、地盤中に注入されたマイクロバブル液が気泡を含んだままで地盤中に保持されるように予め地盤中に拘束状態を作り、その中に注入する。
【0065】
或いは、予めマイクロバブル液を地盤中に1回あるいは複数回注入して広範囲に地盤を不飽和化して後、シリカ溶液或いはマイクロバブルを混入したシリカ溶液(シリカバブル)を注入してマイクロバブルを広範囲に固定化する。マイクロパブル液とシリカバブルを繰返し注入してマイクロバブルが広範囲に拡散しかつ地盤中に固定化するようにする。
【0066】
また、注入中にマイクロバブル含有液が逸送しないように、マイクロバブル含有液を複数の注入孔から同時注入することにより互いに拘束し合うようにする。また、複数の吐出口から同時に注入して、あるいは柱状浸透源から注入して短時間に大容量の注入液を地盤中に注入して短時間にゲル化せしめてマイクロバブルが逸送する前に固めてしまうことができる。
【0067】
気泡を含む注入溶液を地盤中に効率的にかつ気泡が消滅する前に広範囲に浸透させるには、渦流状態を経た気泡を所定の加圧状態で過飽和状態を保ちながら、注入液を地盤中に吐出して気泡を再発生する注入装置を用いるのがよい。
【0068】
また、柱状浸透方式によって大吐出量で土粒子間浸透を可能にすることにより、気泡が消滅する前の短い注入時間で広範囲に浸透させることができる。
【0069】
また、1つの吐出口からは低吐出量で注入しながら多数の吐出口から同時に注入することにより気泡が消滅する前の短時間のうちに広範囲に注入を完了すること等の手法を用いることが望ましい。
【0070】
さらに、注入領域全体を或いは注入領域を薬液注入固結体や止水壁(地中連続壁)で分割して拘束状態を保ち、その内部に気体混入液を注入することにより注入液の過飽和状態を保ったまま広範囲に浸透させた上で気泡を再生するのがよい。
【0071】
或いは、薬液注入や締め固め注入等によって地盤中に間隔をあけて固結体を形成し、その間に気体混入液を注入しても拘束状態の地盤中に注入するのと同等の効果が得られる。
【0072】
或いは、シリカバブル(マイクロバブルを混入したシリカ溶液)の注入領域内に高強度の固結体(杭および/または遮蔽壁)を形成することにより、シリカバブルの固結効果により固結体或いは固結体に作用する地震時の荷重を低減することができる。
【0073】
このため、シリカバブルの注入の地盤改良のみでは耐えられないような大きな地震荷重にも固結体が抵抗して構造物の耐震性を向上させることができる。
【0074】
本発明では加圧密閉容器あるいは加圧状態となる注入管モニター内で気泡を混入し、或いは注入液送液管路内にて気泡を混入し、直接地盤に注入されるため、液体に含まれる気泡混入量をコントロールすることが可能であり、均質な改良効果を得ることができる。また、気泡は注入直前まで加圧下にて送液されるため気泡径が微細の状態で注入されるため浸透性に優れる。
【0075】
また、バブル発生装置(渦流発生装置)内に液体と空気を同時に吸引し、装置内で液体と空気を撹拌・混合・溶解することにより液体に微粒子化した空気を混入して地盤に注入することができる。
【0076】
地上タンクにて気泡を混入する手法の例を図1、図2および図3に図示する。地上タンクは密閉式であり、加圧することが可能なタンクである。タンクには循環ポンプが接続されており、循環ポンプと加圧タンクの間には旋回流により気泡を混入する装置が接続されている。
【0077】
なお、循環ポンプは、加圧タンクとバブル発生装置の間に接続されている。或いは図8(a)、図9(a)に図示するように3方バルブにて薬液供給側と加圧タンクおよびバブル発生装置に接続されている。
注入は加圧状態(P0)の加圧タンク1に薬液を供給したのち、タンクに溜めた溶液を循環させながら気泡を発生させて注入管を通して注入する。
【0078】
図8および図9(a)では、加圧タンクには複数に分岐バルブ或いは分岐バルブを兼ねたバブル発生装置が取り付けられており、その先には注入管が接続されている。そして、分岐バルブはタンク圧(P0)以上のポンプ圧(P1)で解放され、タンク圧を(P0)以上のポンプ圧(P1)に上昇させることにより分岐バルブが解放され、注入管に気泡を混入した液体が流れる。
【0079】
よって、注入圧は実注入圧(P2)=ポンプ圧(P1)または圧力計の圧力(みかけ上の圧力)−タンク圧(P0)となり、空気溶存量を高める加圧力はタンク圧(P0)となる。
【0080】
また、分岐バルブは単に分岐する構造であってもバブル発生装置であってもよいし、その両者からなる構造であってもよい。さらには、注入管先端部にあって先端部のノズルはタンク圧(P0)で解放される構造でもあってもよい(図5)。
【0081】
図7,8に図示する実施形態においては、注入外管はダブルパッカーを備えた注入外管で、注入外管のスリーブは内管からの液圧(P0)で広がる弾性を有し、開く構造になっているである。
【0082】
なお、注入管にはダブルパッカー工法(図8)やエキスパッカー工法(図14)に用いる注入モニターや注入外管の使用が可能である。また、液体の供給、循環および注入施工管理は一括施工管理システムにてコントロールすることができる。
【0083】
注入モニターにて気泡を混入する手法は、図5〜図7、図9、図10および図16に図示するように2以上の管路を有しており、そのうち1つが液体を送り込む管路であり、もう1つが空気を送り込む管路となっている管を用い、注入モニター上部で旋回流により液体に空気を混入する。
【0084】
なお、図7において、注入管モニターに取り付けられた内管パッカーは(P0)で膨張し、パッカー効果を発揮する。その後、ある一定圧力(P)まで上昇すると液体が地盤へ注入される構造となっている。よって、注入圧は(P2)=(P)-( P0)となり、空気溶存量を高めるための加圧力は( P0)となる。
【0085】
内管パッカーは注入材の注入圧で膨張させてもよいし、液体またはエアを別流路で送り込むことによって膨張させることもできる。
【0086】
バブル発生装置は注入内管への管路に設けても良いし(図5(a)、図7、図9(b)、図14)、分配装置の分配部に設けても良い(図8,10)。また、本モニターにはダブルパッカー工法やエキスパッカー工法(図7〜図16)の注入外管の適用が可能であり、さらには多連注入システムを用いることにより複数個所の同時注入と施工管理が可能である(図8〜図15)。
【0087】
また、本発明によれば、バブル発生装置(渦流発生装置)によって液体と空気を同時に吸引し、装置内で液体と空気を撹拌・混合・溶解することによりマイクロバブルを混入した液体をきわめて効率的に生成することができる。
【0088】
このような渦流発生装置としては、例えばニクニ社製の渦流ターボミキサー(KTM)を利用することができる。本装置は、装置内に動力によって高速回転する羽根車を内蔵し、この羽根車の高速回転によって液体と空気を同時に吸引し、かつ装置内で液体と空気に渦流を発生させ、加圧することにより液体と空気を撹拌・混合・溶解をすることにより、気泡径10μ程のマイクロバブルを混入した液体をきわめて効率的にかつ大量に生成することができる(図17(c)参照)。
【0089】
また、本装置によれば、図1〜図3に図示する実施形態における加圧タンク(液体に気体を溶解するためのタンク)、アジテーター、ミキサー、コンプレッサー等を必要とせず、しかも、高いポンプ能力を有するため、注入ポンプを使用しなくても本装置から圧送管を通してマイクロバブルを混入した注入材を地盤に直接注入することができる(図17(a)参照)。勿論、図1〜図3に図示する地盤改良装置に、図示するバブル発生装置に代えて組み込むこともできる(図17(b)参照)。
【0090】
本工法および本装置に用いる液体は水でも可能であるが、先述の既往の工法のように地下水の移動により希釈される可能性がある。その場合は施工法としてダブルパッカー工法あるいはエキスパッカー工法など注入外管を残せる工法を採用することにより、飽和度が上昇した場合には、気泡混入水や気泡混入シリカ溶液を再度注入することが可能である。
【0091】
このシリカ溶液(ゲル化反応剤も含有する)は、シリカ濃度によってその改良一軸圧縮強度などが異なり、目的に応じたシリカ濃度の設定が可能である。なお、改良範囲の透水係数を原地盤より低くし、改良域に地下水が流れ込まない状態にすることにより改良効果を永久に期待する場合には、シリカ濃度が4%以下の配合が適切であり、液状化の防止と変形の抑制を目的とする場合にはシリカ濃度は4%以上が目安となる。
【0092】
なお、いずれの濃度においても、溶液型水ガラスグラウト(水ガラスに酸や塩を加えたシリカグラウト)、非アルカリ性水ガラス(水ガラスと酸の混合液であってpHが弱アルカリ〜酸性値を呈する)、コロイダルシリカに反応剤を加えたシリカグラウト、或いは活性複合シリカグラウト(コロイドと水ガラスと酸性剤を混合した非アルカリ性シリカグラウト)を用いることにより、気泡混入水のみを注入した場合と比較して、液状化強度は上昇する。これは、水のポアソン比に比べホモゲルのポアソン比が低いことによる。
【0093】
一般の薬液注入ではシリカ濃度を大きくし間隙充填率を充分とらなくては充分な液状化強度を得る事ができないが、本発明では、シリカ濃度を低濃度にすることによりゲルが寒天状になるため、地震による過剰間隙水圧の増大に対して破壊することなく変形可能なため、気体のバブルがゲルの変形に順応して過剰間隙水圧の増加を吸収することにより不飽和地盤の耐震効果を発現することができる。特に気泡含有シリカはゲルが変位可能なゲルを形成することができる。
【0094】
しかも、シリカゲルの砂粒子同士の固着効果に加わるため、シリカ濃度が低くても土粒子の骨格構造を崩すことなく大きな液状化強度が得られる。また、気泡を大きくとって、注入量を少なくすることにより不飽和度を高め大きな不飽和土ブロックを薄いシリカゲル膜で包むことにより、不飽和土ブロックを地下水の流動に対して保持することができる。
また、地震時には、薄いゲル膜が容易に変形して内部の気体が圧縮して地震荷重を吸収して大きな液状化強度を得ることができる。シリカ濃度は0.1〜40wt%とすることができるが、特に0.1〜4wt%が好ましい。また、シリカ溶液はゲル化反応剤を含む水ガラスまたはシリカコロイド、あるいはその混合物が望ましい。
【0095】
また、シリカ溶液は酸の存在によってゲル化を伴うとともに脱アルカリによってシリカゲルは弱アルカリ性〜酸性領域になり、シリカの耐久性が得られる。
【0096】
なお、シリカ溶液をゲル化させ、28日養生後のシリカ濃度と破壊ひずみの関係と、シリカ濃度とゲルの状態について表1に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
シリカゲルはシリカ濃度が低くなるほどホモゲル自体の強度は低くなるが、破壊ひずみが大きくなる。或いはゼリー状のゲルとなり、破壊を示すピークが現れることなく、ひずみが増大する。
【0099】
このような場合でもゲルが析出されるシリカ濃度であれば、シリカ粒子の接着力が作用して、土粒子の骨格構造が維持される。シリカゲルはシリカ濃度2%程度でゆるいゲル状になり、0.1wt%以上で全量の水を包含する能力はないが、地盤に注入過程中で析出したシリカゲルが土粒子間を結合するのに有効にはたらく。
【0100】
これより、シリカ濃度0.1wt%以上40wt%程度のシリカ溶液を地盤改良工法に用いるのが望ましい。シリカ濃度が4wt%以上では強度が高くなり、気泡が存在してもその液状化強度はシリカ濃度で決まってしまう。また、シリカ濃度が4%wtよりも高くなると、不飽和度を大きくすることにより使用するシリカ量は小さくなり、気体による不飽和化による効果が大きくなり、同時に経済効果も得ることができる。
【0101】
不飽和度は3%以上あればよく、不飽和度が大きければ大きいほど、地下水面下に不飽和地盤を形成することにより液状化が生じないことになるが、大きな量の気泡を併用しても地上に逃げないようにシリカで不飽和土ブロックを地下水面下に固定させればよい。具体的には不飽和度は95%以内なら良い。
【0102】
不飽和度が同一の場合、シリカを加えた気泡は気泡のみによる場合よりも液状化強度が大幅に増大する。また、シリカ溶液のみの場合と比べてシリカ濃度が同じでも大幅に液状化強度が増大する。またこの場合、その液状化強度はシリカ溶液のみの液状化強度と気泡のみの液状化強度を合計した強度よりも大きくなりその相乗効果が得られる。
【0103】
このため、シリカ溶液のゲル化のみによる液状化対策工では得ることのできない低濃度シリカを用いても充分な液状化強度を得ることができる。この場合のシリカ溶液の濃度は0.1〜40wt%好ましくは0.1〜3wt%である。
【0104】
また、シリカ濃度は、シリカ溶液のみのグラウトでは注入効果が得られない薄い濃度でも効果がある。即ち、シリカ溶液のみではシリカゲルが配合液の水分の全量を包含しえない程のうすい濃度(シリカ濃度が2wt%以下)でも効果があり、これは注入中にシリカゲルが土粒子間の接触面に吸着して土粒子間を固定する為とおもわれる。
【0105】
また、マイクロバブルが発生するフリーラジカルによりシリカのゲル化機能が向上したことによるものと思われる。
【0106】
また、気泡グラウト(微粒子気泡含有水)を先行して注入ることにより、注入管の近傍に集まっている気泡の密な領域にシリカ溶液または気泡混入シリカ溶液を注入して気泡周辺をシリカ溶液で押し出して気泡地盤を形成することができる。
【0107】
この場合、シリカ溶液または気泡混入シリカ溶液(シリカバブル)を注入するに先だって気泡混入液を繰返し注入して気泡を広範囲に押しやって広範囲に不飽和地盤を形成しておいてもよい。
【0108】
このようにすることで、注入対象地盤の全体に気泡が分布された気泡混入シリカグラウトによる固結ゾーンを形成しやすいことがわかった。
【0109】
同じく、注入初期に気泡含有量の多いシリカ注入液を注入し、その後から気泡含有量の少ないシリカ注入液を注入することにより、気泡含有量の少ないシリカ溶液は、気泡含有量の多いシリカ溶液よりも浸透しやすいから、先行して注入した気泡領域を周辺に押し拡げて注入領域全体の不飽和土を平均化することができる。
【0110】
また、微細気泡の周りをシリカの希釈ゲルが覆うことにより気泡を拘束して気泡の分散拡散を防ぎ、かつゲルが壊れることなく気泡の圧縮性を保持することができる。また、気泡を含有する希薄シリカはゲル或いはサンドゲルが破壊することなく変位する機能をもつため地震荷重を吸収して過剰間隙水圧の上昇を抑えて液状化を抑制することができる。
【0111】
本発明は、低濃度シリカ溶液中に気泡を混入することにより、気泡水溶液そのものを注入する場合より気泡を混入したまま気泡を土粒子間に目詰まりを生じさせないで土粒子間に変形しながら滑動して地盤中に広範囲に浸透してゲル化し均質な気泡混入固結土を形成することができる。
【0112】
同様の効果を高分子材や界面活性剤を用いて気泡が地盤中の間隙に滑動して広がりやすくすることができる。特にシリカ濃度が薄い場合、高分子材を混入しておくことにより、希釈シリカ溶液の粘性を高めて地下水中にシリカ溶液が分散希釈されることを防止することができる。
【0113】
拘束状態の内部に注入する。
【0114】
本発明は、シリカコロイドや非アルカリ領域のシリカ溶液と気泡を有効成分とするシリカ溶液を注入することで、地盤中の気泡の周辺がシリカと酸やその反応剤が反応して生じたシリカゲルによって覆われて地下水の流動にもかかわらず、所定の注入領域に保持し、地下水による飽和度が増大することが防げるため、不飽和化が低減することを防ぐことができる。
【0115】
気泡を含むシリカ溶液は、土粒子同志の接触面をシリカ粒子が接着するとともに、気泡は土粒子間隙のシリカゲルの中にとりこまれる。このため、地震荷重による過剰間隙水圧は、シリカゲルを介して気泡の収縮によって吸収されると同時にシリカ粒子の接着力によって、土粒子の骨格構造が維持される。
【0116】
この結果、大きな地震動による繰返しせん断応力に対して気泡の収縮によりせん断応力が低減して、土の骨格構造が破壊されることを防ぐことができるために液状化現象による地盤沈下が生じないことになる。また、気泡の収縮とシリカの粘着力の相乗効果によって大きな地震動にも耐え、また小さいシリカ濃度でもまた不飽和度化が小さくても大きな液状化強度を発現し得る。
【0117】
また、気泡含有シリカ溶液は気泡含有量を大きくしても土粒子をブロック状にふくむ多数の不飽和土ブロックを形成し、かつその土粒子同士はシリカゲルで固定されるため、注入地盤全体の不飽和度が高まり大きな液状化強度を期待できる。
【0118】
このことは、シリカ濃度が小さくて破壊歪みを生じないゲルであることによりシリカ濃度が小さくても充分な液状化強度を得ることができ、経済性に優れた地盤改良効果を得ることになる。
【0119】
またこの場合、土粒子間の間隙に存在する低濃度のシリカゲルは荷重に対して破壊することなく変形して追随する。このため、大きな地震のせん断応力に対して、土粒子間に存在するゲルは破壊することなく変形して気泡に作用して気泡の体積を収縮させて地震動荷重を吸収させるものと思われる。
【0120】
本発明の地盤改良工法は、注入材に空気の気泡を含むことを特徴とするものであり、エア発生装置やマイクロバブル発生装置を併用して空気の気泡を発生させることにより、必要に応じて飽和度を調整することができる。この場合、目標とする不飽和度に対応した気体量から空気量を設定すればよい。
【0121】
また、シリカ溶液やアルカリ、酸、或るいは塩などの電解質を含む水溶液と気泡混合液を注入することによって地盤中における気泡の持続時間を伸ばし浸透範囲を拡げることができる。
【0122】
さらに、所定の改良領域の目標とする不飽和度を設定して必要とする気体の量を設定して気泡を地盤中に形成することにより地盤を不飽和化することもできる。
【0123】
なお、本発明者による研究の結果、本発明には以下の特徴を有することがわかった。
【0124】
本発明において気泡とは空気を意味するが、二酸化炭素や二酸化炭素を含む空気も含めることができる。二酸化炭素は水ガラスやコロイダルシリカのアルカリと反応してシリカを析出させ、かつシリカゲルの耐久性を向上させる効果がある。このため、シリカを加えた二酸化炭素溶液にさらに空気の気泡を加えた場合、空気の気泡はシリカのゲルによって地盤中の土粒子間に固定されることにより液状化強度をさらに向上させる効果がある。
【0125】
地盤の飽和度を下げるためには、不飽和度に相当する量の気体を地盤中で発生させる必要がある。気体の一例として二酸化炭素を使用する場合の気体の体積と圧力の関係を示す。二酸化炭素は可溶性である。水溶液中への二酸化炭素の溶解量(ガスボリューム)は温度と圧力により影響する。図20に示すグラフは、二酸化炭素吸収係数(圧力と二酸化炭素の溶解量との関係)を示したものである。
【0126】
グラフより、20℃において上載圧が100kPaの地盤中においては地下水1Lあたり1.745Lの二酸化炭素が溶解する。
体積(L)=水の体積(L)×GV=1×1.745=1.745L
20℃において400kPa加圧下のタンクにおいては水1Lあたり4.388Lの二酸化炭素が溶解する。
体積(L)=水の体積(L)×GV=1×4.388=4.388L
密閉かつ加圧した容器内で注入材中に溶解した二酸化炭素が地盤中に浸透することにより、圧力が下がり溶解している二酸化炭素が気体化することで目的の不飽和度に調整することができる。
【0127】
本発明者は更に気泡混入シリカ溶液の注入方法を提供する。即ち以下の特性を見出して本発明を完成した。
【0128】
(1)所定の地盤改良領域内にシリカ溶液または気泡混入シリカ溶液のゲル化による固結部分を形成し、あるいは注入領域を取り囲むように固結壁を形成し、その固結体の間の領域に気泡混合液を注入して液状化防止機能を発現させる。
【0129】
(2)シリカ濃度を低くすることにより気泡を取り囲むシリカゲルが気泡のもつ圧力に対して破壊することなく順応し、或いは地震の荷重が作用したとき破壊することなく順応して気泡が収縮し過剰間隙水圧を吸収する。このため液状化強度がシリカ溶液、或いは気泡溶液それぞれ単独で用いた場合の液状化強度より大きな強度発現せしめる相乗効果を得る。
【0130】
(3)シリカ濃度を低くすることにより気泡混入シリカ溶液のゲル化物は、反応生成物が微量でかつ固結体のpHが殆んど中性領域にすることができるため、水質保全や地中構造物に対する環境保全性に優れている。
【0131】
本発明はシリカ溶液と気泡を併用する事により以上の薬液と気泡混合注入による液状化対策工の欠点を解消する液状化防止工を提供するものである。
【0132】
また、構造物直下地盤或いはその外周、或いは構造物直下に拘束壁をつくることとその内部の領域の地盤を気泡混合液で不飽和化する方法を併用することにより構造物直下地盤の地下水の移流を防止することにより、構造物直下地盤に不飽和地盤を形成して液状化防止を可能にしたものである。
【0133】
遮水壁は、構造物の外周地盤を耐久性に優れたグラウトの注入または可塑状ゲルの圧入或いはセメント等を含む固結により地盤改良することにより造成することができる。また、構造物直下地盤を不飽和化するには、気泡を混入した水またはシリカ系薬液注入材に気泡を混入した液体(10μm〜100μmの気泡を含む高濃度空気溶存水(マイクロバルブ水))を地盤に注入する方法がある。
【0134】
(4)気泡混入シリカ溶液(シリカバブル)を注入した地盤改良領域内に杭体を設置することにより、杭体に作用する地震動を低減させて大きな杭体の支持力を向上させることができる。
【0135】
杭体は注入口を有する鋼管を地盤中に打ち込み、注入口から鋼管内にセメント液などを注入して形成することができ、通常は鋼管のみからなる杭でもよい。
【0136】
また、杭体の施工は杭体を地盤中に先行して設置した後、その周辺を気体混入シリカ溶液を注入することにより地盤改良してもよい。さらに、複数の杭体を施工して群杭とすることもできる。
【発明の効果】
【0137】
本発明によれば、加圧下でマイクロバブル(微細気泡)を混入した薬液を地盤中に注入することにより、地盤中に高濃度の溶存気体量を保った状態で広く均等に注入することができ、これによりマイクロバブルが地盤中に恒久的に存在して高品質の改良効果が得られ、細粒土に対する浸透性が高く、液状化防止効果を長期にわたって持続させることができ、特に沖積層や海岸埋立地のような地盤が緩く堆積している地域の液状化対策工に適している。
【0138】
また、シリカ溶液を加えることでシリカゲルによって地震時に土粒子の骨格構造をそのままにして過剰間隙水圧を低減させ、かつ地震が起きるまでの期間において、地下水の流動による不飽和度の低減を阻止することにより地下水による飽和化を防止することができる。
【0139】
さらに、構造物の外周に不透水層まで連続する遮水壁を造成した上で、構造物の直下地盤を不飽和化することにより、構造物直下の地下水の移流を防止し、これにより構造物直下地盤の液状化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の一実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)はバブル発生装置の縦断面図、図(c),(d)は図1(b)におけるイ-イ線断面図である。
【図2】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)はバブル発生装置の縦断面図、図(c)は図1(b)におけるイ−イ線端面図である。
【図3】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の一実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)はバブル発生装置の縦断面図、図(c)は図1(b)におけるイ-イ線端面図である。
【図4】図(a),(b)は、本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の一実施形態を示す概略図である。
【図5】図(a),(b)は、図4に図示する注入管の一部縦断面図である。
【図6】図5に図示する注入管に設置されたバブル発生装置を示し、図(a)は図5(b)におけるロ部拡大図、図(b)は図6(a)におけるイ−イ線端面図、(c)はバブル発生装置の変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a),(b)は注入管の一部縦断面図、図(c)は図(a),(b)におけるハ部拡大断眼図であり、バブル発生装置の縦断面図である。
【図8】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)は注入管の先端部分を示す縦断面図である。
【図9】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)は注入管の先端部分を示す縦断面図である。
【図10】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)は注入管の先端部分を示す縦断面図である。
【図11】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)はバブル発生装置の縦断面図である。
【図12】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a),(b)は全体を示す概略図である。
【図13】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、全体を示す概略図である。
【図14】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)は注入管の一部拡大断面図である。
【図15】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a)は全体を示す概略図、図(b)は注入管の一部拡大断面図である。
【図16】図(a),(b)はマイクロバブル発生装置の変形例を示す縦断面図である。
【図17】本発明の地盤の不飽和化による地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図(a),(b)は全体を示す概略図、図(c)はバブル発生装置の一例を示す概略正面図である。
【図18】図(a),(b)は、既存構造物直下の地盤改良工法を示し、改良地盤の縦断面図である。
【図19】図(a),(b)は、既存構造物直下の地盤改良工法を示し、改良地盤の平面図である。
【図20】図(a),(b)は、既存構造物直下の地盤改良工法を示し、改良地盤の平面図である。
【図21】二酸化炭素吸収係数(圧力と二酸化炭素の溶解量との関係)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0141】
図1(a)〜(d)は、本発明に係る地盤改良工法および地盤改良装置の一実施形態を示し、図1(a)〜(d)は、本発明に係る地盤改良工法および地盤改良装置の一実施形態を示し、図において、符号1は、微細気泡(マイクロバブル)が混入されたシリカ溶液(以下「シリカバブル」)を生成するためのタンクであり、当該タンク1内にマイクロバブル発生装置2が設置されている。
【0142】
また、符号3は、タンク1内に送液管4を介して送り込まれるシリカ溶液の原料液を配合するための原料液配合ミキサー、5はタンク1内のシリカ溶液をタンク1とバブル発生装置2との間を送液管6を介して循環させる溶液循環ポンプ(薬液循環ポンプ)である。
【0143】
符号7は、タンク1内に圧縮空気を送り込んでタンク1内を加圧しつつ、バブル発生装置2にエアを送り込むエアコンプレッサー、符号8はタンク1内で生成されたシリカバブルを地盤中に注入管9を介して注入するための注入ポンプ、そして、符号10は、マイクロバブル発生装置2、ミキサー3、シリカ溶液循環ポンプ5および注入ポンプ8にそれぞれ信号ケーブル11を介して接続され、これらを適正に制御するコントローラーである。
【0144】
バブル発生装置2は、図1(b),(c)に図示するように内径が下端から上端方向に徐々に小径となる円錐形状の溶液導入路12と当該溶液導入路12の直上に接し、円筒形状をなす溶液放出路13を備えている。
【0145】
溶液導入路12の下端部は、溶液循環ポンプ5から伸びる送液管6に接続され、上端部は溶液導入孔14を介して溶液放出路13に連通している。
【0146】
溶液放出路13の内径は、少なくとも溶液導入路12の上端部の内径より大きく形成され、上端部はタンク1内に大きく開口している。
【0147】
また、溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー7から延びるエア管16に接続されている。
【0148】
このような構成において、溶液循環ポンプ5が作動し、タンク1内のシリカ溶液が送液管6を介してタンク1とバブル発生装置2との間を循環し、同時にエアコンプレッサー7が作動してエア吐出口15から溶液導入孔14内にエアが吐出することにより、溶液放出路13の上端部からタンク1内にシリカバブルが生成されて放出される。
【0149】
この場合、送液管6を介して溶液導入路12内にシリカ溶液が圧送されることにより、溶液導入路12内にはシリカ溶液の旋回流が形成される。
【0150】
そして、シリカ溶液は溶液導入路12内をその内周面に沿って旋回しながら溶液導入孔14方向に流れ、溶液導入孔14を通って溶液放出路13内に流れ込む。なお、図1(b),(c)において、矢印はシリカ溶液の旋回流を示す。
【0151】
また、溶液放出路13内でシリカ溶液の旋回流が形成されることにより、溶液放出路13の中心軸上付近に負圧部分が形成され、この負圧によってエア吐出口15から溶液導入孔14内にエアが吐出される。
【0152】
なお、図1(d)に図示するように、溶液導入路12にシリカ溶液を圧送するための送液管6を溶液導入路12の内周面の接線方向に接続することにより、溶液導入路12内におけるシリカ溶液の旋回流をシリカ溶液の流れによって確実に形成することができる。
【0153】
溶液放出路13内に吐出したエアは、圧力が最も低い溶液放出路13の中心軸上付近を溶液放出路13の開口端方向(上方向)に流れ、細い紐状の旋回気体空洞部αを形成する。また、溶液放出路13内では溶液導入孔14から溶液放出路13の先端の間においてシリカ溶液とエアとからなる旋回気液混合体流βが旋回気体空洞部αと共に形成される。
【0154】
この旋回気液混合体流は縮径されて先細りになった後、切断されてマイクロバブルを生成し、その後、溶液放出路13の先端部に向かって大きく旋回しながら流れ、溶液放出路13の開口端部からタンク1内に放出される。
【0155】
このように旋回気液混合体流βが旋回すると、シリカ溶液とエアの比重差からシリカ溶液に遠心力、エアに向心力がそれぞれ同時に作用する。
【0156】
このため、エアは溶液放出路13内の中心軸線における溶液放出路13の先端付近まで紐状に続き、溶液放出路13の先端付近の前後で大きな旋回速度差の発生によって連続的に切断されるので、大量のマイクロバブルが溶液放出路13の端部付近で発生し、タンク1内に放出される。
【0157】
このようにして生成されたバブルが混入されたシリカ溶液(シリカバブル)は、注入ポンプ8が作動することにより、圧送管17を介して注入管9に送り込まれ、注入管9を介して地盤中に注入される。
【0158】
図2(a)〜(c)は、本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、タンク1内に鉛直方向に伸びるシリカ溶液導入管18が設置され、当該シリカ溶液導入管18の側部に複数のバブル発生装置2が当該導入管18の管軸方向に一定間隔おきに設置されている。
【0159】
各バブル発生装置2は、シリカ溶液導入管18の管軸方向(鉛直方向)に対して垂直(水平)に設置され、これにより各装置2の溶液導入路12、溶液導入孔14および溶液放出路13がシリカ溶液導入管18側からバブル発生装置2の先端方向に順に隣接して配置され、かつ溶液導入路12、溶液導入孔14、溶液放出路13およびシリカ溶液導入管18は互いに連通している。
【0160】
また、溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー7から延びるエア管16が接続されている。
【0161】
その他の構成は、図1(a)〜(c)で説明した実施形態とほぼ同じである。また、図1(a)〜(c)で説明した実施形態と同様の原理によって、マイクロバブルが各バブル発生装置2の溶液放出路13の端部付近で発生し、これによりシリカバブルが効率的に生成されてタンク1内に放出される。なお、図2(b),(c)において矢印はシリカ溶液の旋回流を示す。
【0162】
図3(a)〜(c)は、同じく本発明の他の実施形態を示し、図2(a)〜(c)で説明した実施形態において、特に溶液導入管18がタンク1の内周面に沿って上下方向にスパイラル状に連続して形成され、当該溶液導入管18の側壁に複数のバブル発生装置2が溶液導入管18の管軸方向に一定間隔おきに設置されている。
【0163】
その他の構成は、図2で説明した実施形態とほぼ同じであり、また、図1(a)〜(c)の実施形態で説明した原理により各バブル発生装置2の溶液放出路13の開口端部からタンク1内にシリカバブルが生成されて放出される。
【0164】
図2および図3に図示する実施形態によれば、複数のバブル発生装置2を備えていることにより、マイクロバブルが混入された大容量のシリカ溶液(シリカバブル)をきわめて効率的に生成することができる。
【0165】
図4(a)〜図6は、本発明の地盤改良装置および地盤注入工法の他の実施形態を示し、シリカバブルを地盤中に注入する注入管19を備え、当該注入管19は外管20と当該外管20内に設置された内管21とから構成されている。
【0166】
外管20の下端部に削孔用ビット20aと削孔水吐出口20bが設けられ、内管21の下端部にはキャップ22が可動自在に取り付けられている。また、外管20と内管21との間隙部に複数のバブル発生装置2が管軸方向に一定間隔おきに設置されている。
【0167】
各バブル発生装置2は、図6(a)に図示するように内管22側ら外管21方向に徐々に小径となる円錐形状の溶液導入路12と当該溶液導入路12に接し、円筒形状をなす溶液放出路13を備えている。
【0168】
溶液導入路12は内管21と連通し、また溶液導入孔14を介して溶液放出路13とも連通し、さらに溶液放出路13は外管20の側壁を貫通して外管20の外に大きく開口している。
【0169】
また、溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー7から延びるエア管16が接続されている。
【0170】
このような構成において、次に、当該地盤改良装置によるシリカバブルの注入方法について説明する。
【0171】
(1)最初に、注入管19を先端の削孔水吐出口20bから削孔水を吐出しながら回転させ、削孔用ビッド20aによって削孔することにより注入管19を地盤中に挿入する。
【0172】
なお、内管21の下端部はキャップ22によって塞がれているので、地盤中に注入管19を挿入する間、削孔水が内管21内に流入し、地上に噴出すことはない。
【0173】
また、溶液放出路13に木片、ゴムまたは樹脂などからなるコーン23を嵌めこむことにより、溶液放出路13内に掘削土が流入することもない。さらに、地盤中にシリカバブルを注入する際は、コーン23はシリカバブルの吐出圧で吹き飛ばすことにより除去することができる。
【0174】
(2)次に、注入管19を介して地盤中にシリカバブルを注入する。具体的には、地上から内管21内にシリカ溶液を注入する。同時に、エアコンプレッサー7を作動させて各バブル発生装置2にエア管16を介してエアを送り込む。
【0175】
そうすると、内管21内のシリカ溶液は、各バブル発生装置2の溶液導入路12、溶液導入孔14を介して溶液放出路13に流れ込む。同時に、エア吐出口15から溶液導入孔14内にエアが流れこむ。
【0176】
そして、図1(a)〜(c)の実施形態で説明した原理により各バブル発生装置2の溶液放出路13の開口端部からシリカ溶液とエアとからなるシリカバブルが地盤中に放出されて地盤が不飽和化する。
【0177】
なお、シリカ溶液の注入圧によって内管21の先端に取り付けられているキャップ22が下方に押し下げられても、内管21の下端部はキャップ22によって塞がれた状態にあることによりシリカ溶液が削孔水吐出口20aから逸送してしまうことはない。
【0178】
図6(c)は、バブル発生装置2の変形例を示し、溶液導入路12と溶液放出路13が上下に隣接して形成されている。その他の構成およびシリカバブルが生成され、地盤中に吐出される 原理は、図6(a),(b)で説明した実施形態とほぼ同じである。
【0179】
また特に、図4(b)に図示する実施形態においては、バブル発生装置2から複数の各注入管19に延びる圧送管17に、分岐バルブ(電磁バルブ)46がそれぞれ接続され、また各電磁バルブ46は信号ケーブ11を介して集中管理装置47に接続され、集中管理装置47によって開閉が制御されている。
【0180】
これにより、各電磁バルブ46はバルブ毎、または複数のバルブ毎、あるいはすべてのバルブが順番にまたは同時に、あるいは選択的に開閉することにより複数の注入管19にシリカバブルを順番にまたは同時に、あるいは任意に選択して注入することができる。このように注入状況に応じて注入管19にシリカバブルを注入することができる。
【0181】
図7(a)〜(c)は、本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、地盤中にシリカバブルを注入する注入管24を備え、注入管24は外管25と内管26を備え、外管25は管軸方向の異なる位置に外管吐出口25aを備え、外管吐出口25aにゴムスリーブ等からなる逆止弁27が取り付けられている。
【0182】
また特に、図7(b)に図示する実施形態における外管25には、管軸方向の異なる位置に外管パッカー28が取り付けられている。外管パッカー28は外管25の管軸方向に隣接する外管吐出口25aを一個ないし複数個ずつ上下に挟み込む位置に取り付けられ、各外管パッカー28は外管25の側壁に設けられた外管パッカー内吐出口25bを介して外管25内と連通している。
【0183】
内管26は、管軸方向の異なる複数箇所に内管吐出口26aと内管パッカー29を備え、内管パッカー29は内管26の管軸方向に隣接する内管吐出口26aを一個ないし複数個ずつ上下に挟みこむ位置に取り付けられ、各内管パッカー29は内管26の側壁に設けられた内管パッカー内吐出口26bを介して内管26内に連通している。
【0184】
なお、外管パッカー28および内管パッカー29はゴム等の膨縮性の袋体から形成され、また内管吐出口26aは内管パッカー内吐出口26aより小径に形成され、さらに内管吐出口26aの開口面積は内管26の内法断面積(内管流路)より小面積に形成されている。
【0185】
内管26の上端部にバブル発生装置2が組み込まれている。バブル発生装置2は、内径が内管26の下方向に徐々に小径となる円錐形形状の溶液導入路12と当該溶液導入路12の直下に接し、円筒形状をなす溶液放出路13を備え、溶液導入路12の上端部および溶液放出路13の下端部の内径は内管26の内径と略同径に形成されている。
【0186】
また、溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー(図省略)から延びるエア管16に接続されている。なお、内管26の上端部にバブル発生装置2に代えて図17(c)に図示するバブル発生装置64が組み込まれていてもよい。
【0187】
このような構成において、最初に、図7(a)に図示する地盤改良装置によるシリカバブルの注入方法について説明する。
【0188】
(1)最初に、ボーリング等によって削孔した削孔内に注入管24のうち外管25を建て込み、外管25と孔壁との間隙にセメントスラリー等の低強度のシールグラウト30を注入する。
【0189】
(2)次に、外管25内に内管26を建て込む。そして、内管26にシリカ溶液を注入する。同時に、エアコンプレッサーからバブル発生装置2にエア管16を介してエアを送り込む。
【0190】
そうすると、内管26内のシリカ溶液は、溶液導入路12、溶液導入孔14を介して溶液放出路13内に流れ込む。同時に、エア吐出口15から溶液放出路13内にエアが流れこむ。そして、溶液導出口13の開口端部からシリカバブルが生成されて内管26内に放出される。
【0191】
溶液放出路13の開口端部から放出されたシリカバブルは、最初に内管吐出口26aを介して各内管パッカー29内に流れ込み、これにより各内管パッカー29が膨張して外管25と内管26との間に柱状空間31が形成される。
【0192】
さらに、シリカバブルは、内管吐出口26aを介して柱状空間31内に流れ込み、柱状空間31から外管吐出口25aを介して外管25と孔壁との間に流れ込む。
【0193】
そして、シールグラウト30をその吐出圧で割って周囲の地盤中に浸透し、これにより周辺地盤が不飽和化する。
【0194】
図7(b)に図示する実施形態においては、上記(1)の工程においてシールグラウト30を注入する工程が無く、外管パッカー28内にセメントグラウト等の充填材を注入することにより外管パッカー28を膨張させて外管25と孔壁との間に柱状空間31を形成する。この場合の充填材は内管26とは異なる内管を用いて行う。
【0195】
そして、上記(2)の工程において、内管26を介してシリカ溶液を注入すると、シリカバブルは内管吐出口26aを介して柱状空間31内に流れ込み、柱状空間(柱状浸透源)31から周囲の地盤中に浸透して周辺地盤が不飽和化する。
【0196】
図8〜図11は、本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、これらの実施形態によれば、特に軟弱地盤の複数の注入地点に対してシリカバブルを同時に注入することができ、また、地盤状況が異なる層ごとに最適量のシリカ溶液を注入することができる。さらに、複数の注入地点に同時に、あるいは一または複数の注入地点に選択して注入材の注入、中断、再開、継続を行うことができる。
【0197】
順に説明すると、図8(a),(b)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、シリカバブルを生成するための加圧タンク1、バブル発生装置2、原料液配合キサー3、シリカ溶液循環ポンプ5、エアコンプレッサー7、注入ポンプおよび注入管9を備え、これらはいずれも、図1(a)〜(d)に図示する実施形態で説明したものとほぼ同一のものが配置されている。また特に、注入管9は複数備え、各注入管9は複数地点に埋設され、かつ圧送管17を介して加圧タンク1にそれぞれ接続されている。
【0198】
注入管9にはダブルパッカー工法やエキスパッカー工法などの注入工法で使用される注入管が用いられ、各注入管9とタンク1間の各圧送管17にはバブル発生装置32と圧力・流量計33がそれぞれ接続されている。
【0199】
なお、図8(b)は、ダブルパッカー工法で使用される注入管を示し、外管9aの管軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口9bと逆止弁9cを有し、内管9dの先端に内管吐出口9eとダブルパッカー9f,9fが取り付けられている。
【0200】
バブル発生装置32は、タンク1内に生成されたシリカバブルを各注入管9に送り込む際にマイロバブルを再発生させるための装置であり、例えば図7(c)に図示するようなバブル発生装置が接続されている。
【0201】
また、圧力・流量計33は各注入地点における地盤状況の異なる各層ごとに最適量のシリカバブルを圧送するための装置である。
【0202】
図9(a),(b)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、タンク、バブル発生装置、原料液ミキサー、シリカ溶液循環ポンプ、エアコンプレッサー等(いずれも図省略)を備え、これらはいずれも、図1(a)〜(d)に図示する実施形態で説明したものとほぼ同一のものが配置されている。
【0203】
また、タンク1内に生成されたシリカバブルを地盤中に注入するための注入管34を複数備え、各注入管34は地盤の複数地点に埋設され、かつ圧送管17を介してタンクにそれぞれ接続されている。また、各圧送管17にバブル発生装置32と圧力・流量計33がそれぞれ接続されている。
【0204】
各注入管34は外管35と内管36を備え、外管35は管軸方向の異なる位置に複数の外管吐出口35aと逆止弁35bを備え、また内管36は先端に内管吐出口36aとダブルパッカー36bを備え、さらに内管36にバブル発生装置37が設置されている。
【0205】
バブル発生装置37には例えば図7(c)に図示するバブル発生装置が設置され、各バブル発生装置37のエア吐出口15には地上のコンプレッサー7から伸びるエア管16がそれぞれ接続されている。
【0206】
図10(a),(b)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、高圧下でシリカ溶液中にエアを溶解させる加圧タンク38と、加圧タンク38に圧送管17を介して接続され、加圧タンク38内のエアを溶解したシリカ溶液を複数の管路に最適量ずつに分配して圧送する分配装置39と、分配装置39から分岐バルブ40を介して分配されたシリカ溶液にマイクロバブルを混入するバブル発生装置41と、各バブル発生装置41で生成されたシリカバブルを地盤中に注入する複数の注入管42と圧力・流量計43を備えている。
【0207】
分岐バルブ40では、電磁モーターによってバルブの開度を調整することにより各注入管42から地盤中に吐出されるシリカバブルの吐出量が調整されている。
【0208】
各バブル発生装置41には、例えば図7(c)に図示するようなバブル発生装置(図10(b))が設置されている。また、注入管42はダブルパッカー工法やエキスパッカー工法などで利用される注入管が用いられている。
【0209】
図11(a),(b)は、本発明の他の地盤改良工法および地盤改良装置を示し、シリカバブル(マイクロバブルを混入したシリカ溶液)を生成するシリカバブル生成装置44、当該シリカバブル生成装置44から複数の注入地点に圧送管17を介してシリカバブルを圧送する圧送ポンプ45、各注入地点にシリカバブルを注入する複数の注入管42を備えている。
【0210】
シリカバブル生成装置44は、タンク1、バブル発生装置2、原料液配合ミキサー3、溶液循環ポンプ5、エアコンプレッサー7等を備え、これらはいずれも、図1(a)〜(d)の実施形態で説明したものとほぼ同一のものが配置されている(図11(b))。
【0211】
注入管42は複数の地点に埋設され、各注入管42は圧送管17を介してタンク1にそれぞれ接続されている。また、注入管42にはダブルパッカーやエキスパッカー等の注入管(図5,図7、図8、図9、図12、図13〜図16)が用いられ、また、各注入管42とタンク1間の圧送管17にはバブル発生装置32と圧力・流量計33がそれぞれ接続されている。
【0212】
バブル発生装置32は、タンク1内に生成されたシリカバブルを各注入管42に圧送管17を介して送り込む際に、マイロバブルを再発生させるための装置であり、例えば図7(c)に図示するバブル発生装置が接続されている。
【0213】
また、圧力・流量計33は、各注入地点の層ごとに異なる地盤の状況に応じて最適量のシリカバブルを圧送するための装置である。
【0214】
また、圧送管17には複数の注入管42への注入材の流路の開閉を行う電磁バルブ或いは注入材の分配量を任意に調整するための分岐パルブ46が接続されており、特に分岐バルブはその開度を電磁的に調整できるように構成されている。
【0215】
また、バルブ発生装置32はコンプレッサー7から送られるエアを任意に供給できるように構成されている。そして、これらは集中管理装置47において一括管理されている。
【0216】
図12,図13は、同じく本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、特に、軟弱地盤の複数の注入地点に対してシリカバブルを同時にまたは選択的に注入することができ、また、地盤状況が異なる各層ごとに最適量のシリカバブルを注入することができ、さらに各注入地点におけるシリカバブルの注入の開始、停止、再開等を任意に制御できる。
【0217】
図12(a),(b)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、それぞれ独立した駆動源48によって作動し、かつ集中管理装置47によって制御される複数のユニットポンプ49と、これら複数のユニットポンプ49に圧送管17を介して接続された複数の注入管42、さらに各ユニットポンプ49と注入管42間に配置された圧送管17にそれぞれ接続されたバブル発生装置41を備え、バブル発生装置41には、図7(c)に図示するようなバブル発生装置が設置されている。
【0218】
そして、各ユニットポンプ49の作動によりシリカ溶液は、バブル発生装置41においてシリカバブルに生成され、圧送管17を介して各注入地点の注入管42に圧送され、注入管42を介して各注入地点の地盤中に注入される。また、集中管理装置47によって各ユニットポンプ49が制御されることにより各注入地点におけるシリカバブルの注入の開始、停止、再開等が任意に制御できるように構成されている。
【0219】
図13に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、各注入地点の地盤中にシリカバブルを注入する複数の注入管42と、各注入管42どうしを互いに接続する複数の圧送管17と、シリカ溶液にマイクロバブルを混入してシリカバブルを生成するシリカバブル発生装置41と、圧送管17を介して各注入地点にシリカバブルを圧送すると共に、注入管42を介して各注入地点の地盤中にシリカバブルを注入する複数のユニットポンプ49と、各注入地点においてシリカバブルの流路を切り替える流路切替バルブ50と、各注入地点におけるシリカバブルの流量および/または圧力を計測する圧力・流量計43と、ユニットポンプ49および圧力・流量計43を制御する集中管理装置47と、各注入地点におけるシリカバブルの注入状況を監視する集中監視装置51を備えている。
【0220】
そして、集中監視装置51において各注入地点における注入管42、圧力・流量計43、シリカバブル発生装置44およびユニットポンプ49を監視しつつ、集中管理装置47においてこれらの機器を制御することにより各注入地点におけるシリカバブルの注入、停止、再開等を任意にコントロールすることができるように構成されている。
【0221】
図14,15は、同じく本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、軟弱地盤の複数の注入地点に対してシリカバブルを同時にまたは選択的に注入することができ、また、地盤状況が異なる層ごとに最適量のシリカバブルを注入することができ、さらにシリカバブルの注入に先だって粗詰め注入を行うことにより、シリカバブルの逸送を防止することができる。
【0222】
図14(a),(b)に図示する地盤改良工法および地盤改良装置は、地盤中にシリカバブルを注入する複数の注入管42を備え、各注入管42は削孔52内に挿入された外管53と外管内53内に挿入された内管54を備えて構成されている。
【0223】
各外管53の管軸方向の異なる位置に複数の一次注入材吐出口53aが形成され、一次注入材吐出口53a,53a間に複数の二次注入材吐出口53bが形成されている。
【0224】
また、各一次注入材吐出口53aの上下両側に膨縮性の袋体からなる外管パッカー55,55がそれぞれ取り付けられている。さらに、外管パッカー55,55間の二次注入材吐出口53bの外周に柱状空間導水部材56が二次注入材吐出口53bを含む外管53の外周を覆うように取り付けられている。
【0225】
内管54にはダブルパッカー工法やエキスパッカー工法などで使用される注入内管が用いられ、図14(b)に図示するように先端部にダブルパッカー54a,54aと1個ないし複数の内管吐出口54bを備えている。
【0226】
また、内管54の上端部にバブル発生装置41が設置されている。バブル発生装置41には図7(c)に図示するようなバブル発生装置が使用されている。
【0227】
このような構成において、シリカバブルの注入方法について説明する。
【0228】
(1)最初に、削孔52内に外管53を挿入し、当該外管53内に内管54とは異なる注入内管(図省略)を挿入する。そして、当該注入管を介して各外管パッカー55内にエアまたはモルタル等の固化材を注入して外管パッカー55,55を膨張させることにより削孔52の孔壁と外管53の上下外管パッカー55,55間に注入材浸透源を形成する。
【0229】
(2)次に、内管54とは異なる注入管(図省略)を外管53内に挿入し、当該注入管を介して、外管53の一次注入材吐出口53aから周囲の地盤中に瞬結性または懸濁性の注入材を注入する。この工程は、いわゆる粗詰め注入であり、シリカバブルの注入に先だってシリカバブルの逸送を防止するために行うものである。
【0230】
(3)次に、外管53内に内管54を挿入し、内管54にシリカ溶液を注入する。そうすると、内管54内のシリカ溶液は、シリカバブル発生装置41においてシリカバブルに生成される。
【0231】
生成されたシリカバブルは、内管54の吐出口54bおよび外管53と内管54間のダブルパッカー54a,54a間を介して外管53の二次注入材吐出口53bから柱状空間導水部材56内に流れ込み、柱状空間導水部材56から周囲の地盤中に浸透し、周辺地盤を不飽和化する。
【0232】
図15(a),(b)に図示する地盤改良装置は、地盤中にシリカバブルを注入する複数の注入管42を備え、各注入管42は削孔52内に挿入された外管57と外管内57内に挿入された内管58を備えている。
【0233】
各外管57の管軸方向の異なる位置に複数の一次注入材吐出口57aが形成され、当該一次注入材吐出口57a,57a間に複数の二次注入材吐出口57bが形成されている。
【0234】
なお、外管57の管軸方向に隣接する一次注入材吐出口57a,57a間の間隔は広く、その間に複数の二次注入材吐出口57bが形成されている。
【0235】
また、各一次注入材吐出口57aと二次注入材吐出口57bにはゴムスリーブ等からなる逆止弁59がそれぞれ取り付けられ、さらに外管57の二次注入材吐出口57bを有する位置には柱状空間導水部材60が二次注入材吐出口57bを覆うように取り付けられている。
【0236】
内管58にはダブルパッカー工法やエキスパッカー工法などで使用される注入管が用いられ、内管58の上端部にはバブル発生装置41が設置されている。バブル発生装置41には図7(c)に図示するようなバブル発生装置が使用されている。
【0237】
このような構成において、シリカバブルの注入方法について説明する。
【0238】
(1)最初に、削孔52内に外管57を挿入し、削孔57の孔壁と外管57との間にシールグラウト61を注入する。
【0239】
(2)次に、外管57内に内管58とは異なる注入管を挿入する。そして、当該注入管を介して、外管57の一次注入材吐出口57aから周囲の地盤中に瞬結性または懸濁性の注入材を注入する。この工程は、シリカバブルの注入に先だってシリカバブルの逸送を防止するために行うものである(粗詰め注入)。
【0240】
(3)次に、外管57内に内管58を挿入し、内管58にシリカ溶液を注入する。そうすると、内管58内のシリカ溶液は、シリカバブル発生装置41においてシリカバブルに生成される。
【0241】
生成されたシリカバブルは、外管57と内管58のダブルパッカー間を介して外管57の二次注入材吐出口57bから柱状空間導水部材60内に流れ込み、柱状空間導水部材60からシールグラウト61を通って周囲の地盤中に浸透し、周辺地盤を不飽和化する。
【0242】
図16(a),(b)は、いずれも、注入管の先端部に設置されるバブル発生装置の変形例を示し、図16(a)に図示するバブル発生装置は、シリカバブルを地盤中に注入する注入管内に設置されている。
【0243】
また、内径が下方向に徐々に小径となる円錐形状の溶液導入路12と、当該溶液導入路12の直下に接し、下端方向に徐々に大径となる円錐形状をなす溶液放出路13を備え、溶液導入路12と溶液放出路13は溶液導入孔14を介して連通している。
【0244】
溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー(図省略)から延びるエア管16に接続されている。
【0245】
また、溶液放出路13の下端部に逆止弁62が取り付けられている。逆止弁62は地盤中に吐出されたシリカバブルの逆流や地下水の流入を防止する弁であり、圧縮バネ62aの働きによって溶液放出路13の下端部を常時塞ぐように取り付けられている。
【0246】
このような構成において、注入管に注入されたシリカ溶液は、その注入圧によって溶液導入路12から溶液導入孔14を介して溶液放出路13内に流れ込む。また、エア吐出口15から溶液放出路13内に吐出される。
【0247】
その際、溶液導入路12と溶液放出路13内にシリカ溶液の旋回流が形成され、シリカ溶液は溶液導入路12内をその内周面に沿って旋回しながら溶液導入孔14方向に流れ、溶液導入孔14を通って溶液放出路13内に流れ込む。
【0248】
また、シリカ溶液の旋回流の形成により溶液放出路13の中心軸上付近に負圧部分が形成され、この負圧によってエア吐出口15から溶液放出路13内にエアが吸い込まれる。
【0249】
溶液放出路13内に吐出したエアは、圧力が最も低い溶液放出路13の中心軸上付近を溶液放出路13の開口端方向に流れ、細い紐状の旋回気体空洞部を形成する。また、溶液放出路13内では溶液導入孔14から溶液放出路13の先端部の間においてシリカ溶液とエアとからなる旋回気液混合体流βが旋回気体空洞部と共に形成される。
【0250】
この旋回気液混合体流βは縮径されて先細りになった後、切断されてマイクロバブルを生成し、その後、溶液放出路13の先端部に向かって大きく旋回しながら流れ、逆止弁62を押し広げて溶液放出路13の端部から地盤中に吐出される。
【0251】
また、図16(b)に図示するバブル発生装置も、地盤中にシリカバブルを注入する注入管内に設置されている。また、内径が下端方向に徐々に小径となる円錐形状の溶液導入路12と、当該溶液導入路12の直下に接し、円筒形状をなす溶液放出路13を備え、溶液導入路12と溶液放出路13は溶液導入孔14を介して連通している。
【0252】
溶液導入孔14の内壁部にエア吐出口15が形成され、当該エア吐出口15にエアコンプレッサー(図省略)から延びるエア管17に接続されている。
【0253】
また、溶液放出路13内に螺旋状に形成された渦流発生体63が溶液放出路13の軸方向に設置されている。
【0254】
このような構成において、注入管に注入されたシリカ溶液は、その注入圧によって溶液導入路12から溶液導入孔14を介して溶液放出路13内に流れ込む。また、エア吐出口15から溶液放出路13内に吐出される。
【0255】
そして、溶液放出路13内をシリカ溶液とエアが合流して溶液放出路13の先端方向に流れる。またその際、渦流発生体63によってシリカ溶液に旋回流が発生し、これにより図1の実施形態で説明した原理によりシリカバブルが生成され、溶液放出路13の下端部から地盤中に放出される。
【0256】
また、図17(a)〜(c)は、本発明の地盤改良工法および地盤改良装置の他の実施形態を示し、図1(a)において、符号64は、微細気泡(マイクロバブル)が混入されたシリカ溶液(以下「シリカバブル」)を生成するためのバブル発生装置(渦流発生装置)、65はバブル発生装置に送り込まれるシリカ溶液を入れる溶液タンク、そして符号66はバブル発生装置64において撹拌・混合・溶解されたシリカ溶液とエアを地盤中に注入する注入管である。
【0257】
バブル発生装置64は、動力によって高速回転する羽根車64aを内臓し(図17(c)参照)、また、溶液タンク65から延びる送液管67と空気を取り込むエア管68が接続され、さらに、バブル発生装置64内で撹拌・混合・溶解されたシリカ溶液と気体を地盤中に注入する注入管66に延びる圧送管69が接続されている。そして、送液管67、エア管68および圧送管69にバルブ70がそれぞれ取り付けられている。
【0258】
このような構成において、バブル発生装置64内の羽根車64aが動力によって高速回転すると、溶液タンク65から装置64内にシリカ溶液が送液管67を介して吸引され、同時にエア管68を介して装置64内にエアが吸引される。
【0259】
そして、装置64内でシリカ溶液とエアが高速で回転する羽根車64aによって撹拌・混合・溶解された後、圧送管69を介して注入管66に圧送され、注入管66から地盤中に注入されることにより地盤が不飽和化される。
【0260】
この実施形態によれば、図1〜図3の実施形態における加圧タンク1、溶液循環ポンプ5およびコンプレッサー7等が不要になり、装置の大幅な簡素化が可能になる。
【0261】
一方、図17(b)において、符号64がバブル発生装置、65が溶液タンクである。バブル発生装置64は、溶液タンク65内のシリカ溶液を送液管67を介して循環させることによりシリカ溶液内にマイクロバブルを発生させてシリカバブルを生成する。
【0262】
また、符号71はシリカ溶液の原料液を配合する原料液配合ミキサー、72は溶液タンク65内に生成されたシリカバブルを圧送管69を介して注入管66に圧送し、かつ注入管66を介して地盤にシリカバブルを注入する注入ポンプである。
【0263】
このような構成において、装置64内の羽根車64aが動力によって高速回転すると、溶液タンク65内のシリカ溶液が送液管67を介して吸引され、同時にエア管68を介して装置64内にエアが吸引される。そして、装置64内でシリカ溶液とエアが撹拌・混合・溶解された後、送液管67を介して溶液タンク65内に戻る。
【0264】
こうして、溶液タンク65内のシリカ溶液が溶液タンク65と装置64との間を送液管67を介して循環することにより溶液タンク65内にシリカバブルが生成される。また、注入ポンプ72が作動することにより溶液タンク65内のシリカバブルが圧送管69を介して注入管66に圧送され、そして注入管66から地盤中に注入されることにより地盤が不飽和化される。
【0265】
図18〜図20は、特に既存構造物直下の地盤に対する液状化対策を微細気泡(マイクロバブル)を混入したシリカ溶液を注入する地盤改良工法を示したものである。
【0266】
一般に、恒久性を有するゲルで充分なシリカ溶液を注入して地盤中の空隙を完全に充填すれば、地盤の変状は起こらず液状化は発生しないが、少々の地盤の変状を許容しても大きな液状化に至らない範囲で地盤改良を行うのが経済設計上望ましい。
【0267】
そのためには、気泡を混入した薬液注入が効果的であるが、注入材が液状化の恐れのある範囲に充分に届かなかったり、あるいは注入管の周辺部にのみに集中して注入されてしまう等の課題を解決する必要がある。
【0268】
図17〜図19に図示する地盤改良工法は、このような課題を解決した本発明の地盤改良工法であり、注入材としてシリカ溶液と微細気泡(マイクロバブル)を混入したシリカ溶液を使用し、既存構造物直下および/またはその周辺の地盤中にシリカ溶液またはシリカ溶液と微細気泡を混入したシリカ溶液の両方を注入することにより、液状化の恐れのある地盤を不飽和化し、かつ一部を固結化することで液状化を防止するものである。
【0269】
具体的に説明すると、地上に建つ既存構造物73直下の地盤中に、図18(a)に図示するように既設構造物73の外周を取り巻くように遮蔽壁(地中連続壁)74を造成し、この遮蔽壁74の内側に微細気泡を混入したシリカ溶液を注入して、既存構造物73の直下地盤内における地下水の移流を阻止し、地盤を不飽和して液状化を防止しようとするものである。
【0270】
遮蔽壁74は、既存構造物73の外周地盤を恒久グラウトの注入または可塑状ゲルの圧入により不透水層75まで連続して地盤改良することにより造成する。また、遮蔽壁74内の地盤を不飽和化するには、微細気泡を混入した水またはシリカ溶液 (10μm〜100μmの気泡を含む高濃度空気溶存溶液)、あるいは低強度恒久グラウトを地盤中に注入する。
【0271】
また特に、既存構造物73を取り巻く遮蔽壁74内の地盤がかなり広い場合には、必要に応じて、図18(b)に図示するように遮蔽壁74の内側に格子状の仕切り壁76を形成して遮蔽壁74内の地盤を複数に仕切る。
【0272】
そして、仕切り壁76によって仕切られた各地盤内に微細気泡を混入した水またはシリカ溶液を注入することにより、遮蔽壁74と仕切り壁76の剛性により地震力によるせん断力を低減し、内部に作用するせん断力を小さくして液状化を防止することができる。
【0273】
また、シリカバブルのシリカ強度が小さいために、地震時に少々の変位が生じても格子状の仕切り壁76によって全体的な地盤の変位は抑制されることにより液状化は防止できるため、経済的な地盤改良が可能であり、また、遮蔽壁74と仕切り壁76によってマイクロバブルの逸送を防止することができることにより、マイクロバブルによる液状化防止効果を長期にわたって持続させることができる。
【0274】
図20(a)に図示する実施形態は、地上に建つ既存構造物73直下の地盤中に、複数の固結体77を既存構造物73の長辺方向および短辺方向に一定の間隔をおいて点状に形成し、この各固結体77,77間に微細気泡を混入したシリカ溶液を注入することにより、既存構造物73直下および周辺の地盤を不飽和して液状化を防止しようとするものであり、少々の地盤の変状を許容しても大きな液状化に至らない範囲で地盤改良を経済的に行うことができる。
【0275】
なお、図20(b)に図示する実施形態は、シリカバブル (マイクロバブルシリカ溶液)を注入した地盤中に杭体78を施工した改良地盤を図示したものである。杭体78だけでは大きな地震力に耐えなくても杭体78の周辺をマイクロバブルを混入したシリカ溶液を注入することによって地盤改良を行うことにより、地震力が低減されて杭体78は地震力に抵抗することができる。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本発明は、加圧下で気泡を混入した薬液を地盤中に注入することにより、地盤中に高濃度の溶存気体量を保った状態で薬液を広く均等に注入することができる。
【0277】
またこれにより、微細気泡が地盤中に恒久的に存在して高品質の改良効果が得られ、しかも細粒土に対する浸透性が高く、液状化防止効果を長期にわたって持続させることができる。
【符号の説明】
【0278】
1 加圧タンク、2 バブル発生装置(渦流発生装置)、
3 原料液配合ミキサー、4 送液管、5 シリカ溶液循環ポンプ、
6 送液管、7 エアコンプレッサー、8 注入ポンプ、9 注入管、
10 集中管理装置、11 信号ケーブル、12 溶液導入路、
13 溶液放出路 、14 溶液導入孔、15 エア吐出口、16 エア管、
17 圧送管、18 シリカ溶液導入管、19 注入管、20 外管、21 内管、
22 キャップ、23 コーン、24 注入管、25 外管、26 内管、
27 逆止弁、28 外管パッカー、29 内管パッカー、
30 シールグラウト、31 柱状空間、32 バブル発生装置、
33 圧力・流量計、34 注入管、35 外管、36 内管、
37 バブル発生装置、38 タンク、39 分配装置、40 分岐バルブ、
41 バブル発生装置(渦流発生装置)、42 注入管、43 圧力・流量計、
44 バブル生成装置(渦流発生装置)、45 圧送ポンプ、
46 分岐バルブ(電磁バルブ)、47 集中管理装置、48 駆動原、
49 ユニットポンプ、50 流量切替バルブ、51 集中管理装置、
52 削孔、53 外管、54 内管、55 外管パッカー、
56 柱状空間導水部材、57 外管、58 内管、59 逆止弁、
60 柱状空間導水部材、61 シールグラウト、62 逆止弁、
63 渦流発生体、バブル発生装置(渦流発生装置)、65 溶液タンク、
66 注入管、67 送液管、68 エア管、69 圧送管、 70 バルブ、
71 原料液配合ミキサー、72 注入ポンプ、73 既存構造物、
74 遮蔽壁(地中連続壁)、75 不透水層、76 仕切り壁、77 固結体、78 杭体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡を混入した液体を地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良工法において、(1)、(2)および(3)の工程のいずれか一工程、または二工程、あるいは三工程のすべてを含むことを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
(1)密閉状態の加圧下において液体に気体を混入することにより液体の気体溶存量を高めて地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(2)渦流発生装置によって液体に気体を混入して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(3)渦流発生装置によって液体と気体を撹拌・混合・溶解して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
【請求項2】
微細気泡を混入した液体を既存構造物の周囲および/または直下の地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良工法において、(1)、(2)および(3)の工程のいずれか一工程、または二工程、あるいは三工程のすべてを含むことを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
(1)密閉状態の加圧下において液体に気体を混入することにより液体の気体溶存量を高めて地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(2)渦流発生装置によって液体に気体を混入して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
(3)渦流発生装置によって液体と気体を撹拌・混合・溶解して地盤に注入することにより地盤を不飽和化する工程
【請求項3】
請求項1または2記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、気体を混入した液体に旋回流を生じさせて微粒子化することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、地盤中に一定領域を囲むように遮蔽壁を形成し、当該遮蔽壁内に微細気泡を混入した液体を注入することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、微細気泡を混入したシリカ溶液を注入することにより、地盤を不飽和化および固結化することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項6】
請求項5記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、微細気泡を混入した液体を注入することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかひとつに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、地盤中に複数の固結体を形成することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかひとつに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、地盤に微細気泡を反復注入することにより、地盤中に微細気泡を広く分散することを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれかひとつに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、シリカ溶液の濃度を0.1〜4%とすることを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかひとつに記載の地盤の不飽和化による地盤改良工法において、地盤の不飽和度を3〜9%とすることを特徴とする地盤の不飽和化による地盤改良工法。
【請求項11】
微細気泡を混入した液体を地盤に注入管を通して注入することにより、地盤を不飽和化して液状化を防止する地盤改良装置において、液体を加圧する加圧タンクと、液体に微細気泡を混入するバブル発生装置と、液体を加圧タンクとバブル発生装置との間を送液管を通して循環させる溶液循環ポンプと、加圧タンクとバブル発生装置にエアを送り込むコンプレッサーと、微細気泡を混入した液体を地盤に注入する注入管を備えて構成されていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項12】
請求項11記載の地盤改良装置において、バブル発生装置はタンク内に直線状に設置され、かつ溶液循環ポンプから加圧タンクに伸びる送液管に接続された溶液導入管に当該溶液導入管の管軸方向に複数設置されていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項13】
請求項11記載の地盤改良装置において、バブル発生装置は加圧タンク内に当該加圧タンクの内壁面に沿って螺旋状に設置され、かつ溶液循環ポンプから加圧タンクに伸びる送液管に接続された溶液導入管に当該溶液導入管の管軸方向に複数設置されていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項14】
請求項11記載の地盤改良装置において、バブル発生装置は注入管または加圧タンクと注入管との間に敷設された送液管に設置されていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項15】
請求項11〜13のいずれかひとつに記載の地盤改良装置において、注入管は、削孔内に設置された外管と外管内に設置された内管を備え、外管は先端に削孔ビットと削孔水吐出口を有し、かつ外管と内管との間に内管を介して地盤に注入される液体を、マイクロバブルを混入して外管の側部から地盤中に吐出するバブル発生装置を備えていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項16】
請求項11〜13のいずれかひとつに記載の地盤改良装置において、注入管は、削孔内に設置される外管と外管内に設置された内管を備え、外管は削孔内で膨張することにより柱状浸透源を形成する複数の外管パッカーと前記柱状浸透源に通じる外管吐出口を有し、内管は外管内で膨張することにより前記柱状浸透源に通じる液体流路を形成する複数の内管パッカーと前記液体流路に通じる内管吐出口を備えていることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項17】
請求項11〜16のいずれかひとつに記載の地盤改良装置において、注入管を複数備えていることを特徴とする地盤改良設置。
【請求項18】
請求項11〜17のいずれかひとつに記載の地盤改良装置において、バブル発生装置は、送液管を通して液体が旋回しながら流れる液体導入路、液体導入孔および液体放出路をそれぞれ有し、前記液体導入路は液体の流れる方向に徐々に小径をなす円錐形状に形成され、前記液体導入孔は液体導入路と液体放出路との間に形成され、かつ当該液体導入孔の内壁面にエアコンプレッサーから送り込まれるエアが吐出するエア吐出口が設けられていることを特徴とする地盤改良装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−112984(P2013−112984A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259476(P2011−259476)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【特許番号】特許第5092103号(P5092103)
【特許公報発行日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【出願人】(509023447)強化土株式会社 (31)
【出願人】(000162652)強化土エンジニヤリング株式会社 (116)
【Fターム(参考)】