説明

地盤の削進装置の削進ビット

【課題】地中障害物等の困難な地盤の削進が可能な削進装置を提供する。
【解決手段】該削進装置に使用する削進ビット1として、破砕方式による削進手段時には、回転ビット6の各頂面部10、延設部11及び突設部12が同一平面状をなした状態で削進ビット1を回転駆動して鋼管2の外径より大径の孔を削進するように備え、切削方式による削進手段時若しくは交換修理時には、前記回転ビット6の各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方に設定角度回転して鋼管2の内径より内側に位置した状態として、削進ビット1の鋼管2内・発進坑内(交換修理等)への引戻し、若しくは、削進ビット1を鋼管2内へ引戻した状態でのクラウンビット3による切削方式削進を自在に行えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
鋼管内の中心軸線上に備えた排土オーガ、エアーハンマー及びエアーハンマーの先端に備えた削進ビットを回転手段で正逆回転自在に回転駆動し、先端を前記削進ビットの後端に回転自在に連結した先頭の鋼管とそれに接続した鋼管を他の回転手段で正逆回転自在に回転駆動するように備え、前記先頭の鋼管の先端に削進用のクラウンビットを備えたものである地盤の削進装置において、
【0002】
前記削進ビットを、直径が鋼管の内径より僅かに小径で設定厚の円板の中心に軸孔をあけ円周の上部に平面状の頂面部を形成し、前記円板の前記頂面部の右端を鋼管の外径より僅かに大な寸法まで同じ平面状に延設して延設部を形成すると共に、該延設部の前側に延設部と同形状に突設部を突設し、前記頂面部、延設部及び突設部の同一平面状の平面に多数の超硬ビットを植付けて回転ビット半体を設け、前記回転ビット半体2個を1対として、該1対の回転ビット半体の回転ビット半体同志を、両半体の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビットを設ける一方、
【0003】
エアーハンマーの上端部に装着し鋼管内に上下動自在に備えた円板上に短円柱を突設してなる削進ビット本体の、前記短円柱の中心部に前記回転ビットの厚さ寸法に見合った幅の嵌合溝を凹設すると共に、前記嵌合溝の底部を回転ビットの軸孔を中心とする円周に見合った円弧状の円弧面に形成し、回転ビットの両面を前記嵌合溝に密に嵌合すると共に下面を前記円弧面に密接した状態で、支軸を回転ビット及び短円柱の軸孔に挿通して、前記短円柱に回転ビットを軸支し、その各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したものであり、
【0004】
前記回転ビットの各頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなした状態、即ち、各回転ビット半体の各延設部の先端が描く円軌跡を鋼管の外径より大な状態で、前記削進ビットを回転駆動して鋼管の外径より大径の孔を削進するように備え、また、前記回転ビットの各回転ビット半体の下面を円弧面に密接し各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方に設定角度回転して鋼管の内径より内側に位置した状態、即ち、各回転ビット半体の各延設部の先端が描く円軌跡を鋼管の内径より小な状態として、削進ビットの鋼管内・発進坑内への引戻し、若しくは、削進ビットを鋼管内へ引戻した状態でのクラウンビットによる削進を自在に行えるように備えたものであり、
もって、種々の地盤、対象物等の削進、孔あけ、鋼管埋設等を自在に行えるようにしたことを特徴とする、地盤の削進装置の削進ビットを提供する。
【背景技術】
【0005】
上下水道、ガス、電気・電話線、その他の各種の管を地中に埋設工事する場合、特に、都市市街地においては地表、道路等を開削せず、また道路交通を遮断せずに行うことが必要とされており、よって、通常、道路脇等に発進立杭を設け、該立坑内に削進装置を設置して削進埋設を行っている。
【0006】
然して、削進ビットの回転とエアーハンマーの打撃若しくは振動発生装置による振動負荷等による削進装置による場合、通常の地盤を削進するにはあまり問題ないが、例えば、軟弱な地盤、岩盤、砂層、玉石層、それらの互層地盤等や、地盤中に松杭、コンクリートパイル、ライナープレート、鋼材等の埋設物があったり、また、既設の人孔(例、マンホール、ヒューム管等)に行き当ったりした場合や、既設管、マンホール等に枝管を取付ける場合等には、この破砕方式の削進装置では対応しにくい課題があり、そのような場合には、先頭の鋼管にクラウンビットを取付け、該クラウンビットにより切削削進する方が適しているが、従来は、前記削進ビットによる破砕削進からクラウンビットによる切削削進に切り替える場合には、一旦、削進ビット、エアーハンマー、オーガー等及び全ての鋼管を発進坑へ引戻すか、或は地上側から削進ビットの位置まで開削して削進ビット等を取外さねばならぬため、多くの手数と時間要し極めて非効率な課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−32666
【特許文献2】特願2009−274945
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、破砕方式による削進手段としての削進ビットの回転手段とエアーハンマーの打撃手段を備える一方、切削方式による削進手段としてのクラウンビットを取付けた鋼管の回転手段等を備え、それらを目的に応じて自在に使い分け出来るように備えた削進装置を提供するものであり、
即ち、該削進装置に使用する削進ビットとして、破砕方式による削進手段時には、前記回転ビットの各頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなした状態、即ち、各回転ビット半体の各延設部及び突設部の先端が描く円軌跡を鋼管の外径より大な状態で、前記削進ビットを回転駆動して鋼管の外径より大径の孔を削進するように備え、
また、必要に応じ、前記回転ビットの各回転ビット半体の下面を円弧面に密接し各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方に設定角度回転して鋼管の内径より内側に位置した状態、即ち、各回転ビット半体の各延設部及び突設部の先端が描く円軌跡を鋼管の内径より小な状態として、削進ビットの鋼管内・発進坑内(交換修理等)への引戻し、若しくは、削進ビットを鋼管内へ引戻した状態でのクラウンビットによる切削方式削進を自在に行えるようにして、
それらの手段に簡単に切換え得るように備えた本発明削進ビットを提供して、前記のように従来手段では困難なあらゆる地盤の削進を可能にして課題を解決したものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明は、鋼管内の中心軸線上に備えた排土オーガ、エアーハンマー及びエアーハンマーの先端に備えた削進ビットを回転手段で正逆回転自在に回転駆動し、先端を前記削進ビットの後端に回転自在に連結した先頭の鋼管とそれに接続した鋼管を他の回転手段で正逆回転自在に回転駆動するように備え、前記先頭の鋼管の先端に削進用のクラウンビットを備えたものである地盤の削進装置において、
【0010】
前記削進ビットを、直径が鋼管の内径より僅かに小径で設定厚の円板の中心に軸孔をあけ円周の上部に平面状の頂面部を形成し、前記円板の前記頂面部の右端を鋼管の外径より僅かに大な寸法まで同じ平面状に延設して延設部を形成すると共に、該延設部の前側に延設部と同形状に突設部を突設し、前記頂面部、延設部及び突設部の同一平面状の平面に多数の超硬ビットを植付けて回転ビット半体を設け、
【0011】
前記回転ビット半体2個を1対として、該1対の回転ビット半体の回転ビット半体同志を、両半体の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビットを設ける一方、
【0012】
エアーハンマーの上端部に装着し鋼管内に上下動自在に備えた円板上に短円柱を突設してなる削進ビット本体の、前記短円柱の中心部に前記回転ビットの厚さ寸法に見合った幅の嵌合溝を凹設すると共に、前記嵌合溝の底部を回転ビットの軸孔を中心とする円周に見合った円弧状の円弧面に形成し、回転ビットの両面を前記嵌合溝に密に嵌合すると共に下面を前記円弧面に密接した状態で、支軸を回転ビット及び短円柱の軸孔に挿通して、前記短円柱に回転ビットを軸支し、その各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したことを特徴とする、地盤の削進装置の削進ビットによって課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0013】
下水、ガス、上水道、電纜管を、玉石、岩盤層等を削進する場合エアーハンマーの衝撃により削進ビットで玉石、岩盤層等を破砕しながら推進するが、土質の変化、埋設物の種類等により、衝撃による破砕が不可能となる場合がある。
従来はそのような場合に削進途中の管を引抜くか、又は、地表側から掘り返して取出していたが、
本発明は、破砕方式による削進手段時には削進ビットの削進ビット本体の頂面部と1対の拡縮ビット半体の各正面ビット部を揃えて鋼管の径より大に削進し、また、1対の拡縮ビット半体をスライド前進し1対の拡縮ビット半体の各正面ビット部のみを揃えて鋼管の径より小に調整して、削進ビットを鋼管内に引戻し、
そのまま発進坑へ引戻して削進ビット、エアーハンマー等の交換修理等する手段、若しくは、鋼管のクラウンビットによる切削方式による削進手段等に簡単に切換え得るように備えものであるので、前記の各手段を適宜使い分けることによって、前記のような種々の地盤、対象物等、若しくは土質の変化、埋設物の種類等に適応して、自在かつ極めて効率的に削進できる優れた効果がある。
【0014】
削進ビット、エアーハンマー等を鋼管内を通して発進坑へ引戻して鋼管内を空の状態にし得るので、その削進の鋼管の中空を利用して、既設管への枝管の取付け、削進方向の測定・修正等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、地盤の削進装置の1例に備えた本発明実施例削進ビット等及び先頭の鋼管部分の一部切断正面図、及び平面図である。(実施例1)
【図2】図2は、図1の一部切断右側面図である。
【図3】図3は、図1の削進ビットを鋼管の方向に引戻すことにより、鋼管のクラウンビットの内周縁と各回転ビット半体の下面の摺動案内で、各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方に設定角度回転し鋼管の内径より内側に位置した状態として、削進ビットを鋼管内に引戻す状態の説明図である。(実施例1)
【図4】図4は、回転ビットの正面図、平面図、底面図、右側面図、及び左側面図である。(実施例1)
【図5】図5は、回転ビット半体の正面図、平面図、背面図、底面図、右側面図、及び左側面図である。(実施例1)
【図6】図6は、削進ビット本体の正面図、平面図、及び一部切断右側面図である。(実施例1)
【図7】図7は、本発明削進ビットを使用する地盤の削進装置の1例の構成概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
地盤の削進装置において、その削進ビット1を、頂面部10、延設部11及び突設部12を同一平面状に備えた回転ビット半体7を設け、1対の回転ビット半体7の回転ビット半体7同志を、両半体7、7の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体7、7の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビット6を設ける一方、エアーハンマー4の上端部に装着した削進ビット本体14の短円柱16の嵌合溝17内に支軸20をもって回転ビット6を軸支し、その各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したことを特徴とする、地盤の削進装置の削進ビット。
なお、本発明削進ビットにおける、削進ビット本体、回転ビット及び回転ビット半体の具体的な形状は、実施図示例に限定されずそれらと同等の構成、作用、効果を有する形状の場合を含むものである。
【実施例1】
【0017】
図7は、本発明削進ビットを使用する地盤の削進装置の1例の構成概略を示す図である。
【0018】
本発明削進ビットを使用する地盤の削進装置の1例は、鋼管2内の中心軸線上に備えた排土オーガ5、エアーハンマー4、エアーハンマー4の先端に備えた削進ビット1を回転手段Aで正逆回転自在に回転駆動し、先端を前記削進ビット1の後端に回転自在に連結した先頭の鋼管2とそれに接続した鋼管2を他の回転手段Bで正逆回転自在に回転駆動するように備え、前記先頭の鋼管2の先端に削進用のクラウンビット3を備えたものである。(図7)
【0019】
なお、図7において、Aは回転手段、Bは回転手段、Cは中心軸線、21は取付板、22は地盤、23はモーター、24はギヤ、25は排出孔、26は推進架台、27はベース、28は推進手段、29はトランシット、30はターゲット、31は発進坑である。
【0020】
図1は、地盤の削進装置の1例に備えた本発明実施例削進ビット等及び先頭の鋼管部分の一部切断正面図、及び平面図、
図2は、図1の一部切断右側面図、
図3は、図1の削進ビットを鋼管の方向に引戻すことにより、鋼管のクラウンビットの内周縁と各回転ビット半体の下面の摺動案内で、各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方に設定角度回転し鋼管の内径より内側に位置した状態として、削進ビットを鋼管内に引戻す状態の説明図、
図4は、回転ビットの正面図、平面図、底面図、右側面図、及び左側面図、
図5は、回転ビット半体の正面図、平面図、背面図、底面図、右側面図、及び左側面図、
図6は、削進ビット本体の正面図、平面図、及び一部切断右側面図である。
【0021】
前記地盤の削進装置において、本発明は、削進ビット1を、直径が鋼管2の内径より僅かに小径で設定厚の円板8の中心に軸孔9をあけ円周の上部に平面状の頂面部10を形成し、前記円板8の前記頂面部10の右端を鋼管2の外径より僅かに大な寸法まで同じ平面状に延設して延設部11を形成すると共に、前記延設部11の前側を延設部11と同形状に突設して突設部12を形成し、前記頂面部10、延設部11及び突設部12の同一平面状の平面に多数のビット13を植付けて回転ビット半体7を設け、(図5)
【0022】
2個の前記回転ビット半体7を1対として、該1対の回転ビット半体7の回転ビット半体7同志を、両半体7、7の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体7、7の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビット6を設ける一方、(図4)
【0023】
エアーハンマー4の上端部に装着し鋼管2内に上下動自在に備えた円形台15に短円柱16を突設してなる削進ビット本体14の、前記短円16柱の中心部に前記回転ビット6の厚さ寸法に見合った幅の嵌合溝17を凹設すると共に、前記嵌合溝17の底部を回転ビット6の軸孔9を中心とする円周に見合った円弧状の円弧面19に形成し、(図6)
【0024】
回転ビット6の両面を前記嵌合溝17に密に嵌合すると共に下面を前記円弧面19に密接した状態で、支軸20を回転ビット6の軸孔9及び短円柱16の軸孔18に挿通して、前記短円柱16に回転ビット6を軸支し、その各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したことを特徴とする、地盤の削進装置の削進ビットであり、(図1、図2)
【0025】
破砕方式による削進手段時には、前記回転ビット6の各頂面部10、延設部11及び突設部12が同一平面状をなした状態、即ち、各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12の先端が描く円軌跡を鋼管2の外径より大な状態で、前記削進ビット1を回転駆動して鋼管2の外径より大径の孔を削進するように備え、(図1)
【0026】
また、切削方式による削進手段時若しくは交換修理時には、前記回転ビット6の各回転ビット半体7、7の下面を円弧面19に密接し各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方に設定角度回転して鋼管2の内径より内側に位置した状態、即ち、各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12の先端が描く円軌跡を鋼管2の内径より小な状態として、削進ビット1の鋼管2内・発進坑31内(交換修理等)への引戻し、若しくは、削進ビット1を鋼管2内へ引戻した状態でのクラウンビット3による切削方式削進を自在に行えるようにして、両手段に簡単に切換え得るように備えて構成した地盤の削進装置の削進ビットである。(図1、図3)
【0027】
前記回転ビット6の各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方に設定角度回転して、削進ビット1を鋼管2内に引戻す手段を、より詳細に説明すると、
推進手段28で削進ビット1、エアーハンマー4、排土オーガー5等を発進坑31の方向へ引戻移動すると、削進ビット本体14の各回転ビット半体7、7の下面が鋼管2のクラウンビット3上端の内周縁に衝突し、その摺動案内で各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方に設定角度回転して、鋼管2の内径より内側に位置した状態、即ち、各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12の先端が描く円軌跡を鋼管2の内径より小な状態となり、次いで、削進ビット1の鋼管2内へ引戻されるものである。(図1〜図3、図7)
【0028】
「破砕方式による削進手段」
回転手段Bを運転して排土オーガ5、エアーハンマー4、削進ビット1(回転ビット6の各頂面部10、延設部11及び突設部12が同一平面状をなした状態)を回転すると同時に、回転手段Aを運転して取付板21、鋼管2を逆回転して、上記削進ビット1の回転で削進すると同時にエアーハンマー4による削進ビット1の衝撃力によって地盤22を粉砕して削進し(23はモーター、24はギヤ)、
【0029】
掘削によって生じた排土を削進ビット1の排土孔から鋼管2内に導入し排土オーガ5で後方移送して後端の鋼管2の後方の排出孔25から外部へ排出し、同時に鋼管2の逆回転で排土オーガ5の排土移送作用を助勢し、
【0030】
また、削進ビット1の前進と共に、その前向き衝撃力を削進ビット1のフランジからクラウンビット3に受けて先頭の鋼管2を前方牽引してそれに接続した鋼管2と取付板21を共に前進する。(図1〜図3、図7)
【0031】
「切削方式による削進手段」
また、地盤の条件によって、削進ビット1を、回転ビット6の各回転ビット半体7、7の各延設部11及び突設部12を上方に設定角度回転して鋼管2の内径より内側に位置した状態として、先頭の鋼管2内に引戻したのち、クラウンビット3の回転で削進を行う。
【0032】
そして、上記の削進ビット1の削進、鋼管2の前進に同調し乍ら更に推進架台26上のベース27を油圧シリンダー等の推進手段28で加圧推進して、岩盤、玉石等の悪条件地盤22を削進して鋼管2を埋設する。(図1〜図3、図7)
【産業上の利用可能性】
【0033】
前記「破砕方式による削進手段」と「切削方式による削進手段若しくは交換修理等のための引戻し手段」を使い分けることによって、岩盤、玉石、礫等の地盤、水面下の地盤等のあらゆる悪条件地盤の削進を極めて効率的に行い得る。
また、地盤の削進装置は実施例装置に限らず、同等の機能を有し本発明削進ビットを使用可能な装置に汎用し得る。
なお本発明削進ビットにおける、削進ビット本体、回転ビット及び回転ビット半体の具体的な形状は、実施図示例に限定されずそれらと同等の構成、作用、効果を奏する形状の場合を含むものである。
【符号の説明】
【0034】
A 回転手段
B 回転手段
C 中心軸線
1 削進ビット
2 鋼管
3 クラウンビット
4 エアーハンマー
5 排土オーガ
6 回転ビット
7 回転ビット半体
8 円板
9 軸孔
10 頂面部
11 延設部
12 突設部
13 ビット
14 削進ビット本体
15 円形台
16 短円柱
17 嵌合溝
18 底部
19 円弧面
20 支軸
21 取付板
22 地盤
23 モーター
24 ギヤ
25 排出孔
26 推進架台
27 ベース
28 推進手段
29 トランシット
30 ターゲット
31 発進坑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管内の中心軸線上に備えた排土オーガ、エアーハンマー及びエアーハンマーの先端に備えた削進ビットを回転手段で正逆回転自在に回転駆動し、先端を前記削進ビットの後端に回転自在に連結した先頭の鋼管とそれに接続した鋼管を他の回転手段で正逆回転自在に回転駆動するように備え、前記先頭の鋼管の先端に削進用のクラウンビットを備えたものである地盤の削進装置において、
前記削進ビットを、直径が鋼管の内径より僅かに小径で設定厚の円板の中心に軸孔をあけ円周の上部に平面状の頂面部を形成し、前記円板の前記頂面部の右端を鋼管の外径より僅かに大な寸法まで同じ平面状に延設して延設部を形成すると共に、該延設部の前側に延設部と同形状に突設部を突設し、前記頂面部、延設部及び突設部の同一平面状の平面に多数の超硬ビットを植付けて回転ビット半体を設け、前記回転ビット半体2個を1対として、該1対の回転ビット半体の回転ビット半体同志を、両半体の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビットを設ける一方、
エアーハンマーの上端部に装着し鋼管内に上下動自在に備えた円板上に短円柱を突設してなる削進ビット本体の、前記短円柱の中心部に前記回転ビットの厚さ寸法に見合った幅の嵌合溝を凹設すると共に、前記嵌合溝の底部を回転ビットの軸孔を中心とする円周に見合った円弧状の円弧面に形成し、
回転ビットの両面を前記嵌合溝に密に嵌合すると共に下面を前記円弧面に密接した状態で、支軸を回転ビット及び短円柱の軸孔に挿通して、前記短円柱に回転ビットを軸支し、その各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したことを特徴とする、
地盤の削進装置の削進ビット。
【請求項2】
鋼管内の中心軸線上に備えた排土オーガ、エアーハンマー及びエアーハンマーの先端に備えた削進ビットを回転手段で正逆回転自在に回転駆動し、先端を前記削進ビットの後端に回転自在に連結した先頭の鋼管とそれに接続した鋼管を他の回転手段で正逆回転自在に回転駆動するように備え、前記先頭の鋼管の先端に削進用のクラウンビットを備えたものである地盤の削進装置において、
前記削進ビットを、直径が鋼管の内径より僅かに小径で設定厚の円板の中心に軸孔をあけ円周の上部に平面状の頂面部を形成し、前記円板の前記頂面部の右端を鋼管の外径より僅かに大な寸法まで同じ平面状に延設して延設部を形成すると共に、該延設部の前側に延設部と同形状に突設部を突設し、前記頂面部、延設部及び突設部の同一平面状の平面に多数の超硬ビットを植付けて回転ビット半体を設け、前記回転ビット半体2個を1対として、該1対の回転ビット半体の回転ビット半体同志を、両半体の頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなし両半体の軸孔が連通した反転対称状態に組合せて回転ビットを設ける一方、
エアーハンマーの上端部に装着し鋼管内に上下動自在に備えた円板上に短円柱を突設してなる削進ビット本体の、前記短円柱の中心部に前記回転ビットの厚さ寸法に見合った幅の嵌合溝を凹設すると共に、前記嵌合溝の底部を回転ビットの軸孔を中心とする円周に見合った円弧状の円弧面に形成し、回転ビットの両面を前記嵌合溝に密に嵌合すると共に下面を前記円弧面に密接した状態で、
支軸を回転ビット及び短円柱の軸孔に挿通して、前記短円柱に回転ビットを軸支し、その各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方へ設定角度回転自在に備えて、構成したものであり、
前記回転ビットの各頂面部、延設部及び突設部が同一平面状をなした状態で前記削進ビットを回転駆動して鋼管の外径より大径の孔を削進するように備え、
また、前記回転ビットの各回転ビット半体の下面を円弧面に密接し各回転ビット半体の各延設部及び突設部を上方に設定角度回転して鋼管の内径より内側に位置した状態として、削進ビットの鋼管内・発進坑内への引戻し、若しくは、削進ビットを鋼管内へ引戻した状態でのクラウンビットによる削進を自在に行えるように備えたことを特徴とする、
請求項1の地盤の削進装置の削進ビット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−77593(P2012−77593A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234942(P2010−234942)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000183565)
【Fターム(参考)】