説明

地盤撹拌装置

【課題】 土砂を上下・前後左右に効率的に撹拌できるようにした地盤撹拌装置を提供する。
【解決手段】 油圧モータ12の回転がチェーン機構25および26により撹拌体30aおよび30bに伝えられる。撹拌体30aは、撹拌爪Ba1〜Ba4が外側から内側に斜めに配設された単位撹拌翼体41aと、撹拌爪Bb1〜Bb4が内側から外側に斜めに配設された単位撹拌翼体41bとを有する。撹拌体30bは、撹拌爪Bc1〜Bc4が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41cと、撹拌爪Bd1〜Bd4が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41dとを有する。このため、撹拌体30aおよび30bの回転と共に、土砂は、上下方向のみでなく、外側から内側に向かうような方向と、内側から外側向かうような方向とに、交互に動かされる。これにより、土砂は、上下方向および前後方向と左右方向とに十分に撹拌される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を掘削しながら土壌とセメントミルク等の土壌改質材とを撹拌混合して軟弱地盤等を強化するための地盤撹拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地盤強化のための地盤撹拌装置として、例えば特許文献1に示されるように、回転軸の両端に、複数の撹拌ロッドが放射状に配設された回転筒体を設け、この回転筒体を回転させて、撹拌ロッドを地中で周回させて泥を撹拌するとともに、セメントミルク等の土壌改質材を地中に供給することによって、掘削した土壌と土壌改質材とを撹拌混合するように構成したものが知られている。
【0003】
図8および図9は、このような従来の地盤撹拌装置を示す図である。図8および図9において、本体フレーム221の基端部には、本装置を移動作業車両等のアーム先端部に着脱自在に取り付けるためのブラケット222が一体的に設けられている。
【0004】
本体フレーム221の先端部には、油圧モータ223が一体的に取り付けられている。油圧モータ223の両側から回転軸224が延出される。回転軸224の左右に、それぞれ回転筒体225が着脱自在に取り付けられている。回転筒体225の外周面には、多数の撹拌ロッド226が着脱自在に取り付け固定されている。また、本体フレーム221の下端部には噴射ノズル231が設けられる。噴射ノズル231には、輸送管230を介してセメントミルク等の土壌改質材が供給される。
【0005】
軟質土壌の地盤強化を行う時には、油圧モータ223が回転し、回転軸224が両側の回転筒体225を回転させる。回転筒体225が回転すると、回転筒体225から放射状に植設された複数の撹拌ロッド226により、地盤が撹拌される。また、噴射ノズル231には、輸送管230を介して土壌改質材が供給され、噴射ノズル231からは、土壌に、土壌改質材が噴射される。
【特許文献1】特開2002−66293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の地盤撹拌装置では、回転軸224の両端に設けられた回転筒体225を回転させることで、複数の撹拌ロッド226を回転させて、土壌の掘削と撹拌が行われるとともに、噴射ノズル231から土壌中に、土壌改質材が噴射される。これにより、地盤を掘削しながら、土壌中に土壌改質剤が撹拌混合され、軟弱地盤等の改質が行われる。
【0007】
ところが、上述の従来の地盤撹拌装置では、図10に示すように、撹拌ロッド226が土壌250の同じ所の部分251を何度も掘削することになり、撹拌ロッド226が当たらない所では、土砂が撹拌されないという問題がある。また、撹拌時に土砂が左右方向に動かないため、十分に効率的に撹拌が行えないという問題がある。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑み、土砂を上下・前後左右に効率的に撹拌できるようにした地盤撹拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明は、駆動モータと、駆動モータの回転を伝えるチェーン機構と、チェーン機構により回転する回転軸の両側に取り付けられた撹拌体とを有し、撹拌体は、複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体と、複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体とを有することを特徴とする地盤撹拌装置である。
【0010】
好ましくは、両側の撹拌体は、それぞれ、2つの単位撹拌翼体からなり、一方が複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設され、他方が複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設されていることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、両側の撹拌体は、それぞれ、互いに180度の角間隔で2つの単位撹拌翼体が配設されることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、モータと撹拌体との間に中間軸を設け、モータと中間軸との間を第1のチェーン機構で連結し、中間軸と撹拌体との間を第2のチェーン機構で連結するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駆動モータと、駆動モータの回転を伝えるチェーン機構と、チェーン機構により回転する回転軸の両側に取り付けられた撹拌体とを有し、撹拌体は、それぞれ、複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体と、複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体とを有しているので、撹拌体の回転と共に、土砂は、上下方向のみでなく、外側から内側に向かうような方向と、内側から外側向かうような方向とに、交互に動かされることになり、前後方向と左右方向とに十分に撹拌される。
【0014】
本発明によれば、両側の撹拌体は、それぞれ2つの単位撹拌翼体からなり、一方が複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設され、他方が複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設されているので、土砂を、外側から内側に向かうような方向と、内側から外側向かうような方向とに、交互に動かすことができる。
【0015】
本発明によれば、両側の撹拌体は、それぞれ、互いに180度の角間隔で2つの単位撹拌翼体が配設されているので、土砂を、外側から内側に向かうような方向と、内側から外側向かうような方向とに、交互に動かすことができる。
【0016】
本発明によれば、モータと撹拌体との間に中間軸を設け、モータと中間軸との間を第1のチェーン機構で連結し、中間軸と撹拌体との間を第2のチェーン機構で連結するようにしているので、中間軸で最適なトルクとなるように、トルク変換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用された地盤撹拌装置の概要を示すものである。
【0018】
図1において、作業車両101には、可動アーム102が延設される。可動アーム102は、折曲可能に連結されたアーム102aおよび102bとからなる。可動アーム102の先端に、本発明の実施形態の地盤撹拌装置100が取り付けられる。地盤撹拌装置100は、可動アーム102の操作により、地盤に対して垂直上下方向に動かすことができる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態の地盤撹拌装置を用いた撹拌作業の説明図である。図2に示すように、地盤撹拌装置100は、上部支持体11、下部支持体23および撹拌体30aおよび30bから構成される。軟質土壌の地盤強化を行う場合には、図2(A)に示すように、地盤撹拌装置100の先端を土壌120の上方に位置させる。そして、図2(B)に示すように、撹拌体30aおよび30bを回転させながら、可動アーム102を駆動することにより、地盤撹拌装置100を下方に移動させる。地盤撹拌装置100を下方に移動させると、地盤撹拌装置100の移動に伴って、撹拌翼30aおよび30bにより、土壌120が掘削される。
【0020】
また、このとき、地盤撹拌装置100の先端30cには、作業車両101から、スラリー状または粉体状のセメント等の土壌改質材が導かれる。この土壌改質材が地盤撹拌装置100の先端に設けられた噴射ノズル30eから地中に吐出される。これにより、撹拌体30aおよび30bにより土壌が掘削されながら、土壌と土壌改質材とが撹拌混合される。
【0021】
このように、本発明の実施形態の地盤撹拌装置では、その先端部に設けられた撹拌体30aおよび30bを回転させることで、土壌を掘削しながら撹拌して、軟質土壌の地盤改良を行うことができる。
【0022】
図3および図4は、本実施の形態に係る地盤撹拌装置100の構成を示すものである。図3および図4において、縦長の上部支持体11および下部支持体23の内部は、空間となっており、これらの空間は外部とシールされ、これらの空間にはそれぞれ無端チェーン25,26が挿入され、土砂等がこの空間内に入り込まないように、保護されている。縦長の上部支持体11の上側には、油圧モータ12が配置される。油圧モータ12の駆動軸13にはスプロケット14が嵌着される。
【0023】
上部支持体11と下部支持体23の接続部に中間軸20が設けられる。中間軸20には、スプロケット21および22が嵌着されている。油圧モータ12の駆動軸13のスプロケット14と、中間軸20のスプロケット21との間に、無端チェーン25が懸装される。
【0024】
下部支持体23の下部には、撹拌体30aおよび30bが配設される。撹拌体30aおよび30bの回転軸31aおよび31bには、スプロケット32が嵌着される。中間軸20のスプロケット22と、撹拌体30aおよび30bのスプロケット32との間に、無端チェーン26が懸装される。
【0025】
油圧モータ12の駆動力は、無端チェーン25および26を介して、撹拌体30aおよび30bに伝えられる。すなわち、油圧モータ12が回転すると、油圧モータ12の駆動軸13から中間軸20に、無端チェーン25を介してその回転が伝えられる。そして、中間軸20が回転すると、中間軸20から撹拌体30aおよび30bの回転軸31aおよび31bに、無端チェーン26を介してその回転が伝えられる。油圧モータ12の回転数の制御や油圧の供給は、送油経路16を介して外部から操作可能とされている。
【0026】
図5および図6に示すように、撹拌体30aは、2つの単位撹拌翼体41aおよび41bが設けられ、撹拌体30bには、単位撹拌翼体41cおよび41dが設けられる。単位撹拌翼体41aには、撹拌爪Ba1〜Ba4が配設され、単位撹拌翼体41bには、Bb1〜Bb4が配設され、単位撹拌翼体41cには、Bc1〜Bc4が配設され、単位撹拌翼体41dには、Bd1〜Bd4が配設される。回転軸31aおよび31bが回転すると、これに伴って、単位撹拌翼体41a、41bおよび単位撹拌翼体41c、41dが回転し、撹拌爪Ba1〜Ba4、Bb1〜Bb4、およびBc1〜Bc4、Bd1〜Bd4により、土壌が掘削される。
【0027】
次に、本発明の実施形態の地盤撹拌装置100における撹拌体30aおよび30bについて、図5および図6を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図5(A)〜図5(C)は、撹拌体30aおよび30bの左側面図、正面図、および右側面図であり、図6(A)〜図6(C)は、図5(A)〜図5(C)一から撹拌体30aおよび30bをそれぞれ180度回転させたときの左側面図、正面図、および右側面図である。
【0029】
左側の撹拌体30aは、図5(A)及び図5(B)に示すように、2つの単位撹拌翼体41aおよび41bを有している。単位撹拌翼体41aには図5(B)に示すように複数の例えば4つの撹拌爪Ba1〜Ba4が外側から内側に向かって斜めに配設され、単位撹拌翼体41bには図6(B)に示すように複数の例えば4つの撹拌爪Bb1〜Bb4が内側から外側に向かって斜めに配設されている。
【0030】
右側の撹拌体30bは、図5(C)及び図5(B)に示すように、2つの単位撹拌翼体41cおよび41dを有している。単位撹拌翼体41cには図5(B)に示すように複数の例えば4つの撹拌爪Bc1〜Bc4が外側から内側に向かって斜めに配設され、単位撹拌翼体41dには図6(B)に示すように複数の例えば4つの撹拌爪Bd1〜Bd4が内側から外側に向かって斜めに配設されている。
【0031】
すなわち、左側の回転軸31aには、図5(A)及び図5(B)に示すように、その外側に円形の取付部材42aが嵌着され、さらに、回転軸31aの内側に、円形の取付部材42bが嵌着される。外側の取付部材42aに、単位撹拌翼基板45aと、単位撹拌翼基板45dが取り付けられる。内側の取付部材42bに、単位撹拌翼基板45bと、単位撹拌翼基板45cが取り付けられる。単位撹拌翼基板45aと単位撹拌翼基板45bとは、所定の角間隔離れて配置される。単位撹拌翼基板45cと単位撹拌翼基板45dとは、所定の角間隔離れて配置される。
【0032】
単位撹拌翼基板45aと単位撹拌翼基板45bとの間に、撹拌爪取付台座46aが架設される。撹拌爪取付台座46aに、例えば4つの撹拌爪Ba1〜Ba4が配設される。単位撹拌翼基板45cと単位撹拌翼基板45dとの間に、撹拌爪取付台座46bが架設される。撹拌爪取付台座46bに、例えば4つの撹拌爪Bb1〜Bb4が配設される。
【0033】
このように、撹拌爪取付台座46aは、外側の単位撹拌翼基板45aと内側の単位撹拌翼基板45bとの間に架設され、単位撹拌翼基板45aと単位撹拌翼基板45bとは所定の角間隔離れて配置される。したがって、撹拌爪取付台座46aは、図5(B)に示すように、外側から内側に向かって斜めに撹拌爪Ba1〜Ba4が配置される。
【0034】
撹拌爪取付台座46bは、内側の単位撹拌翼基板45cと外側の単位撹拌翼基板45dとの間に架設され、単位撹拌翼基板45cと単位撹拌翼基板45dとは所定の角間隔離れて配置される。したがって、撹拌爪取付台座46bは、図6(B)に示すように、内側から外側に向かって斜めに撹拌爪Bb1〜Bb4が配置される。
【0035】
右側の回転軸31bには、図5(C)及び図5(B)に示すように、その外側に円形の取付部材42cが嵌着され、さらに、回転軸31bの内側に、円形の取付部材42dが嵌着される。外側の取付部材42cに、単位撹拌翼基板45eと、単位撹拌翼基板45hが取り付けられる。内側の取付部材42dに、単位撹拌翼基板45fと、単位撹拌翼基板45gが取り付けられる。単位撹拌翼基板45eと単位撹拌翼基板45fとは、所定の角間隔離れて配置される。単位撹拌翼基板45gと単位撹拌翼基板45hとは、所定の角間隔離れて配置される。
【0036】
単位撹拌翼基板45eと単位撹拌翼基板45fとの間に、撹拌爪取付台座46cが架設される。撹拌爪取付台座46cに、例えば4つの撹拌爪Bc1〜Bc4が配設される。単位撹拌翼基板45gと単位撹拌翼基板45hとの間に、撹拌爪取付台座46dが架設される。撹拌爪取付台座46dに、例えば4つの撹拌爪Bd1〜Bd4が配設される。
【0037】
このように、撹拌爪取付台座46cは、外側の単位撹拌翼基板45eと内側の単位撹拌翼基板45fとの間に架設され、単位撹拌翼基板45eと単位撹拌翼基板45fとは所定の角間隔離れて配置される。したがって、撹拌爪取付台座46cは、図5(B)に示すように、外側から内側に向かって斜めに撹拌爪Bc1〜Bc4が配置される。
【0038】
撹拌爪取付台座46dは、内側の単位撹拌翼基板45gと外側の単位撹拌翼基板45hとの間に架設され、単位撹拌翼基板45gと単位撹拌翼基板45hとは所定の角間隔離れて配置される。したがって、撹拌爪取付台座46dは、図6(B)に示すように、内側から外側に向かって斜めに撹拌爪Bd1〜Bd4が配置される。
【0039】
このように、本発明の実施形態では、撹拌体30aおよび30bは、それぞれ複数の撹拌爪Ba1〜Ba4、Bc1〜Bc4が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41aおよび41cと、それぞれ複数の撹拌爪Bb1〜Bb4、Bd1〜Bd4が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41bおよび41dとを有する。このため、土壌が上下・前後左右に撹拌され、満遍なく撹拌される。
【0040】
すなわち、本発明の実施形態では、図3に示したように、油圧モータ12が回転すると、油圧モータ12の駆動軸13から中間軸20に、無端チェーン25を介してその回転が伝えられる。そして、中間軸20が回転すると、中間軸20から撹拌体30aおよび30bの回転軸31aおよび31bに、無端チェーン26を介してその回転が伝えられる。これにより、図7(A)および図7(B)に示すように、撹拌体30aおよび30bが矢印M1方向に回転する。
【0041】
単位撹拌翼体41aおよび41cは、外側から内側に向かって斜めに撹拌爪Ba1〜Ba4、Bc1〜Bc4が配設される。このため、撹拌体30aおよび30bが図7(A)に示すような位置から矢印M1方向に回転すると、図7(A)において矢印Pa1およびPb1方向に、土砂に対して力がかかる。このため、撹拌体30aおよび30bの回転とともに、土砂は、外側から内側に向かうような方向に動いていく。
【0042】
図7(A)の位置から回転軸31a、31bが180度回転すると図7(B)のようになる。撹拌体30aおよび30bが図7(B)に示すような位置から回転すると、単位撹拌翼体41bおよび41dには内側から外側に向かって斜めに撹拌爪Bb1〜Bb4、Bd1〜Bd4が配設されるため、図7(B)に示すように、矢印Pa2およびPb2方向に、土砂に対して力がかかる。このため、撹拌体30aおよび30bの回転とともに、土砂は、内側から外側に向かうような方向に動いていく。
【0043】
撹拌体30aおよび30bは、回転とともに、図7(A)に示すような状態と、図7(B)に示すような状態とを、繰り返す。したがって、撹拌体30aおよび30bの回転と共に、土砂は、上下方向のみでなく、外側から内側に向かうような方向と、内側から外側向かうような方向とに、交互に動かされることになり、前後方向と左右方向とに十分に撹拌されることになる。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施形態では、撹拌体30aおよび30bは、複数の撹拌爪Ba1〜Ba4、Bc1〜Bc4が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41aおよび41cと、複数の撹拌爪Bb1〜Bb4、Bd1〜Bd4が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体41bおよび41dとを有する。このため、土壌が上下・前後左右に撹拌され、満遍なく撹拌される。
【0045】
また、本発明の実施形態では、油圧モータ12の回転を無端チェーン25および26を介して、撹拌体30aおよび30bの回転軸31aおよび31bに伝えるようにしている。このような無端チェーン25および26を使うことにより、十分なトルクを得られると共に、スムーズに撹拌体30aおよび30bを回転させることができる。
【0046】
また、本発明の実施形態では、油圧モータ12の回転を無端チェーン25を介して中間軸20で受け、さらに、中間軸20から無端チェーン26を介して、撹拌体30aおよび30bの回転軸31aおよび31bに伝えるようにしている。このため、撹拌体30aおよび30bの位置で最適なトルクが得られるように、中間軸でトルク変換を行うことができる。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、本発明は、地盤を掘削しながらセメントミルク等の固化材と土壌とを撹拌混合して軟弱地盤等を強化するための地盤撹拌装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態の地盤撹拌装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の地盤撹拌装置における撹拌体の説明に用いる斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の地盤撹拌装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の地盤撹拌装置の側面図である。
【図5】本発明の第1の撹拌体の説明に用いる左右側面図および正面図である。
【図6】本発明の第1の撹拌体の説明に用いる左右側面図および正面図である。
【図7】本発明の第1の撹拌体による土壌の移動の説明図である。
【図8】従来の地盤撹拌装置の説明に用いる断面図である。
【図9】従来の地盤撹拌装置の説明に用いる断面図である。
【図10】従来の地盤撹拌装置の課題を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0050】
11 上部支持体(第1の支持体)
12 油圧モータ
13 駆動軸
14 スプロケット
16 送油経路
20 中間軸
21 スプロケット
22 スプロケット
23 下部支持体(第2の支持体)
25,26 無端チェーン
30a〜30d 撹拌体
30e 噴射ノズル
32 スプロケット
41a〜41d 単位撹拌翼体
42a〜42d 取付部材
45a〜45h 単位撹拌翼基板
46a〜46d 撹拌爪取付台座
Ba1〜Ba4,Bb1〜Bb4,Bc1〜Bc4,Bd1〜Bd4 撹拌爪
100 地盤撹拌装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モータと、
前記駆動モータの回転を伝えるチェーン機構と、
前記チェーン機構により回転する回転軸の両側に取り付けられた撹拌体とを有し、
前記両側の撹拌体は、それぞれ、複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体と、複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設された単位撹拌翼体とを有する
ことを特徴とする地盤撹拌装置。
【請求項2】
前記両側の撹拌体は、それぞれ2つの単位撹拌翼体からなり、一方の単位撹拌翼体が複数の撹拌爪が内側から外側に向かって斜めに配設され、他方の単位撹拌翼体が複数の撹拌爪が外側から内側に向かって斜めに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の地盤撹拌装置。
【請求項3】
前記両側の撹拌体は、それぞれ、互いに180度の角間隔で2つの単位撹拌翼体が配設されることを特徴とする請求項2に記載の地盤撹拌装置。
【請求項4】
前記モータと前記撹拌体との間に中間軸を設け、前記モータと前記中間軸との間を第1のチェーン機構で連結し、前記中間軸と前記撹拌体との間を第2のチェーン機構で連結するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の地盤撹拌装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−231691(P2008−231691A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69403(P2007−69403)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【特許番号】特許第4038525号(P4038525)
【特許公報発行日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(597028287)埼玉八栄工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】