説明

地盤改良工法および地盤改良構造

【課題】静的圧入締固め工法において、地震波の方向による異方性が改良地盤に生じないようにする。
【解決手段】対象地盤の脇に立坑を造成し、立坑内から対象地盤に対し水平に改良材を圧入し、複数の固結体が連なってなる固結体群を造成する。これを繰り返して固結体群を複数列・複数段造成する。最上段の固結体群の造成時には、立坑5から改良材をX方向に水平圧入し、X方向の固結体群を複数列造成する。次段の造成時には、圧入位置を立坑6に変え、圧入方向をY方向に変え、Y方向の固結体群を複数列造成する。以降は同様に、立坑5でのX方向の造成と立坑6でのY方向の造成とを段毎に交互に繰り返し、上から下へ向かう順序で造成する。このような方法で改良すると対象地盤の直下に未改良部分を残すことがない。しかも、地震波の方向によって、異なる固結体群が(又はこれらの組合せが)高い耐震作用を発揮するので、地震波の方向による異方性がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクショングラウチング工法に代表される静的圧入締固め工法を利用した地盤改良方法の技術分野に属する。
【0002】
なお、コンパクショングラウチング工法以外にも、各種の注入工法(薬液注入、セメント系注入、ジェットグラウトなど)があるが、コンパクショングラウチング工法に代表される静的圧入締固め工法は、薬液注入工法等とは全く異なる技術である。
すなわち、薬液注入では、注入材が土粒子間へ浸透し固結する。セメント系注入では、地盤内でセメントグラウトが脈状に固結する。ジェットグラウトでは、固化材と土粒子を高圧噴射により強制的に攪拌混合しソイルモルタル状の固結体を形成する。これに対してコンパクショングラウチングは、極めて流動性の低い改良材を地盤中に圧入して固結体を造成し、この固結体による締固め効果で周辺地盤を圧縮強化する。
したがって、静的圧入締固め工法の改良原理は「密度増大」であるのに対し、薬液注入工法などの注入工法の改良原理が「固化」であり、静的圧入締固め工法と他の注入工法は全く異なる技術である。
【背景技術】
【0003】
軟弱な砂質土地盤では、地震が起きると過剰間隙水圧が発生し、土粒子が流動化し、地盤の支持力が一時的に消失する「液状化現象」が発生する。かかる液状化現象の防止対策の一つとして「静的圧入締固め工法」が知られている。「静的圧入締固め工法」とは、動的エネルギー(打撃や振動)を与えることなく、静的な力(特殊注入ポンプを用いた静的圧入)で締固めを行う工法である。静的圧入締固め工法の代表例には、コンパクショングラウチング工法があり、液状化対策に優れた地盤改良工法として広く一般に利用されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−116936号公報
【0005】
図4には、コンパクショングラウチング工法(CPG工法)の施工態様の概略が示されている。CPG工法では、ボーリングマシンを用いて、ロッド状の注入管11を複数本継ぎ足しながら所定深度まで削孔し、孔内に該注入管を臨ませる。所定深度まで削孔したら、貫入状態の注入管11に注入管リフト装置13をセットするとともに、該注入管を流量圧力監視装置15,圧送ホース19を介して特殊注入ポンプ21に接続する。特殊注入プラント23で生成された改良材(特殊骨材・固化材・水で構成される流動性の極めて低いモルタル状の地盤改良材)は、特殊注入ポンプ21で強制圧送され、圧送ホース19,流量圧力監視装置15,注入管11を介して地盤中に圧入される。改良材の圧入工程では、改良材の圧送と注入管11のステップアップとを繰り返す。従来の場合では、注入管は、1mにつき3ステップ、ステップアップさせるようになっている。
【0006】
地盤中に圧入された改良材は、その低い流動性のため土中で迷走や浸透することなく所定の位置で固結する。したがって、上述した特殊注入ポンプによる改良材の圧送と、注入管のステップアップとを繰り返すことにより、図示するような改良材から成る球根状の固結体1が連続的に造成される。そして、この固結体1の体積増加により周辺地盤を圧縮し、密度を増大させることで液状化地盤を非液状化地盤へと改良することができる。
【0007】
上述したCPG工法は、用いる設備がコンパクトであり、圧入ポイントに小型ボーリングマシンと注入管リフト装置を設置するだけで施工できる。したがって図5に示すように、改良対象地盤上に既設構造物がある場合であっても、その内部の作業空間に施工機材を設置し、既設構造物内から削孔・圧入する作業が可能である。
【0008】
しかしながら、既設構造物の種類によっては、施工機材を構造物内に設置することができず、或いは、構造物自体に手を加えること(削孔等)ができない場合がある。例えば、既設石油タンクのような構造物は、その内部に石油等の内容物が貯留されているため、CPG工法の施工機材を構造物内に搬入することができない。このような場合に、図6に示すような斜め施工を選択した場合には未改良部分を残すこととなり、所望の改良効果を得ることできない。
【0009】
そこで、本願の発明者らによって、図7に示すように水平方向に施工する方法(水平締固め工法)が発明されている。図7に示す施工態様では、改良対象地盤の脇に立坑5を造成し、立坑内から対象地盤に対し水平に改良材を圧入し、複数の固結体1が水平方向に連なってなる固結体群2を造成する。この工程を繰り返して、一方向の固結体群2を複数列・複数段造成する。このような方法によれば、改良対象地盤内の必要な位置に注入管を行き渡らせることができるので、改良対象地盤上に既設石油タンク等があっても、未改良部分を残すことがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したCPG工法に代表される静的圧入締固め工法は、地盤を圧縮強化する工法として優れてはいるものの、改良地盤の特性に関して以下のような課題があり、改善する必要が生じた。
【0011】
図7に示す先発明の水平締固め工法によれば、造成される固結体群は、すべて一方向を向いて水平に配置されている。このような改良地盤で地震が発生した場合、固結体群2を横切る方向の揺れ(Y方向の揺れ)に対しては、改良地盤は強い耐震性を発揮する。しかし、固結体群2に平行の揺れ(X方向の揺れ)に対しては、その耐震性はY方向の耐震性に比べて劣るものであった。したがって、図7に示すように固結体群を造成配置した場合には、地震波の方向によって改良地盤の耐震強度が異なり、地震波に対する異方性が生じる。
【0012】
このように、図7に示す水平締固め工法では、方向によって改良地盤の耐震強度に著しい差(X方向とY方向の耐震強度の差)が発生する。しかしながら、地震波の方向は事前に予測することができず、また、その方向を制御することもできないから、あらゆる方向の地震波に対して改良地盤が一定以上の耐震強度を有するように設計する必要がある。したがって、図7に示すような水平締固め施工を行う場合には、地震波に対して最も弱くなる方向(X方向)の耐震性が目標強度をクリアするように、改良率を設定する必要がある。この場合の改良率は、地震波に対して最も強くなる方向(Y方向)との関係では不必要に大きいものであるが、弱くなる方向(X方向)に合わせて設計する必要がある関係上、改良率の増加を甘受せざるを得ず、それ故、工期が長期化して経済性に欠けることとなる。なお、「改良率」とは、改良対象域に対する固結体量の割合をいう。
【0013】
このように、先発明に係る水平締固め工法では、地震波に対する異方性に起因して改良率を大きくする必要があり、そのため、より多くの改良材を圧入する必要がある。しかしながら地盤によっては、改良率(改良材の圧入量)が大きくなれば地盤の隆起を招き、隆起した分だけ地盤の密度が低下して、締固め効果は失われる。したがって、地震波に対して弱い方向に合わせて改良率を大きく設定しても、地盤によっては隆起が生じ、所望の改良効果、耐震性を得られない場合もある。すなわち、設計量の改良材を圧入しても、圧入量に応じた改良効果が得られないばかりか、隆起した分の圧入が無駄になって損失を被ることとなる。
【0014】
このように、発明者らが先に発明した水平締固め工法は、未改良部分を残すことなく対象地盤を改良できるというメリットがある一方で、地震波に対する異方性に起因して経済的デメリットを生じさせる。また、改良率を大きくする必要があるために地盤の隆起を招き、改良の目的を達成できない可能性もある。
【0015】
上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、静的圧入締固め工法による改良地盤に地震波の方向による異方性を生じさせない手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した目的は、静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法において、地盤に対して地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が連なって構成される固結体群を造成し、前記固結体群の造成工程を繰り返して、複数の固結体群を造成し、前記複数の固結体群を造成するにあたって、上方又は側方から見て複数の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成することによって達成される。
【0017】
前記固結体群を造成する工程では、地盤に対し水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、前記固結体の造成工程を繰り返して、前記固結体群を深度方向に複数段造成し、前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上方から見て上下の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成する。
【0018】
具体的には、前記固結体群を造成する工程において、地盤に対し水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、前記固結体の造成工程を繰り返して、前記固結体群を同深度上に複数列造成するとともに、複数列の固結体群を深度方向に複数段造成し、前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上方から見て上下の固結体群が網目状に交差して見えるように、各固結体群を造成する。
【0019】
上記方法では、上段側の固結体群造成時と下段側の固結体群造成時とで、圧入方向を変えて地盤改良材を圧入する。
【0020】
上段側の固結体群造成時と下段側の固結体群造成時とで、圧入位置及び圧入方向を変えて地盤改良材を圧入するようにしてもよい。
【0021】
また本発明の目的は、静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法であって、複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、複数の固結体が鉛直方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、複数の固結体が斜め方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、の工程のうちいずれか2種以上の工程を有しており、前記固結体群の造成工程を繰り返して、複数の固結体群を造成し、前記複数の固結体群を造成するにあたって、上方又は側方から見て複数の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成することによって達成される。
【0022】
また本発明の目的は、静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法であって、地盤に対して地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる固結体を造成する工程を有しており、前記固結体の造成工程を繰り返して、非連続の複数の固結体を造成し、前記複数の固結体を造成するにあたって、地盤内で複数の固結体が分散するように、各固結体を造成することによって達成される。
【0023】
また本発明の目的は、地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、地盤改良材からなる複数の固結体が連なってなる固結体群を、複数有しており、上方又は側方から見て、前記複数の固結体群が網目状に交差して見えるように配置されている地盤改良構造によって達成される。
【0024】
また本発明の目的は、地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、地盤改良材からなる複数の固結体が、非連続の状態で地盤内に分散配置されている地盤改良構造によって達成される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の固結体が連なって構成される固結体群が複数造成され、これらの固結体群が、上方又は側方から見て交差して見えるように配置される。すなわち、本発明では複数の固結体群は、従来のように一方向で配置されるのではなく、少なくとも二方向(又はそれ以上)で配置されるようになっている。したがって、地震波の方向によって、異なる固結体群が(又はこれらの組合せが)高い耐震作用を発揮するので、地震波の方向による異方性をなくすことができる。
【0026】
また、地震波の方向による異方性がなくなることにより、改良地盤の方向別の耐震性がほぼ同等になる。すなわち、地震波に対し極端に弱い方向がなくなるので、先発明の水平締固め工法に比して改良率を小さく設定することができる(先発明の水平締固め工法では、地震波に対し極端に弱い方向が改良地盤に生じるので、それに合わせて改良率を大きく設定する必要があった)。したがって、改良率を小さく設定できる結果、工期を短縮でき施工の経済性を向上させることができる。
【0027】
また、改良率が小さくなれば、その分だけ地盤隆起を抑制でき、その結果、改良材の圧入量に応じた締固め効果と目標の耐震性を改良対象地盤に確実に与えることができる。
【0028】
したがって、本発明によれば、先発明に係る水平締固め工法のメリットを備え、その上、地震波に対する異方性をなくすことにより改良率が小さくなって経済性が向上する。しかも、改良率が小さくできる結果、地盤隆起が抑制され、所望の改良効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図3】曲線(自在)ボーリングを併用して本発明を実施する場合の施工態様の一例を示す図である。
【図4】従来のコンパクショングラウチング工法の施工態様の概略を示す図である。
【図5】従来のコンパクショングラウチング工法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図6】従来のコンパクショングラウチング工法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図7】先発明のコンパクショングラウチング工法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の地盤改良工法は、コンパクショングラウチング工法に代表される静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法である。
【0031】
はじめに、本発明を説明する上で用いる主な用語について以下のとおり定義する。
「圧入」とは、地盤を押し広げる圧力で地盤改良材を地盤内に注入することをいう。
「地盤改良材」とは、圧入後に地盤内で浸透したり脈状注入されることなく、一定のマスの中で塊として固結体を形成できるものをいう。なお、前記定義のとおりの作用を発揮できる限り、本発明で用いる地盤改良材の組成や流動特性は特に限定されない。ただし、圧入する地盤改良材には、地盤を押し広げてその状態を維持することが求められるため、非流動性又は極めて流動性の低い自己硬化性の材料(例えば、固化材、特殊骨材、水を所定の割合で混合したモルタル)を用いることが好ましい。かかる「流動性の低い」材料には、地盤に圧入する段階で既に流動性が低いものが含まれることは勿論、圧送ホースや注入管の中を圧送している段階では流動性が低いとはいえないが、地盤内に圧入された後に脱水によって(又は経時的に)流動性が低くなるものも含まれる。出願人の経験によれば、地盤改良材のスランプ値が7cm以下、好ましくは5cm以下であれば、軟弱地盤や砂れき層であっても改良材で割裂脈を形成したり地盤を破壊することなく、地盤を押し広げて密度を増加させることができることが確認されている。この場合の「スランプ値が7cm以下」の材料には、圧入する段階で既にスランプ値7cm以下の材料が含まれ、また、地盤内に圧入された後に流動性を失ってスランプ値7cm以下に至る材料も含まれる。以下、地盤改良材について「改良材」と略称する。
「固結体」とは、圧入した改良材が地盤内の一定のマスの中で固結したものであって、周辺地盤を圧縮し締固める略球根状の塊をいう。なお、地盤内で浸透する材料や脈状固結する材料を用いた場合には、固結体の造成が完全に阻害され、静的締固め工法として成立しなくなるので、この点に留意する必要がある。本発明における「固結体」には、前後の固結体と結合して1本の固結体群を構成するものと、地盤中に分散配置され単体として機能するものとがある。
「固結体群」とは、複数の固結体が一列に連なって構成される1本の改良体をいう。本発明において固結体群は、水平方向で、或いは、水平方向・鉛直方向・斜め方向のいずれか2種以上の方向で造成配置される。従来のコンパクショングラウチング工法では、固結体群は、鉛直方向又は斜め方向で造成配置される。
【0032】
以下、「静的圧入締固め工法」の代表例としてコンパクショングラウチング工法(CPG工法)を挙げ、また、施工条件の代表例として立坑がある場合を挙げ、図1〜図3に基づいて本発明の実施形態について説明する。
なお、図1及び図2において、(A)(B)(C)はそれぞれ、改良対象地盤内に造成された固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である((A)(C)は地盤内を透視した様子を示す)。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水平締固め工法の施工態様を示している。本実施形態では、石油タンクなどの既設構造物の直下の地盤に対してCPG工法を施工する。図1において、既設構造物の直下には、施工エリアが矩形で所定深度の地盤領域が図示されており、本実施形態ではこの領域を改良対象地盤とする。
【0034】
施工にあたって、はじめに改良対象地盤の隣接位置を鉛直方向に掘削し、改良対象地盤に対し一定距離を隔てて対向する立坑5,6を造成する。立坑5,6はそれぞれ、図1(C)に示すように、所定厚さの非改良地盤を挟んで、改良対象地盤と向かい合っている。図示する実施例では、立坑5は非改良地盤を挟んで改良対象地盤の正面側と対向し、立坑6は非改良地盤を挟んで右側面側と対向している。
【0035】
立坑5,6の造成が完了したら、各立坑内に、削孔・圧入用の機材を固定するための櫓を構築する。立坑内での櫓の構築が完了したら、上段から下段へ向かう順序で段毎に方向を変えて、固結体群2x,2yを造成する。
【0036】
最上段の固結体群2xの造成時には、立坑5からX方向に沿って水平に改良材が圧入され、X方向の固結体群2xが複数列造成される。次段の固結体群2yの造成時には、圧入位置を立坑5から立坑6に変え、圧入方向をX方向からY方向に変え、Y方向の固結体群2yが複数列造成される。図示するX方向とY方向はいずれも水平であり、互いにほぼ直交する関係にある。以降は同様に、立坑5を圧入位置とするX方向の造成と、立坑6を圧入位置とするY方向の造成と、を段毎に交互に繰り返し、上段から下段へ向かう順序で、固結体群2x,2yを造成する。その結果、段毎に方向が約90度異なる水平な固結体群が、複数列・複数段造成される。
【0037】
以下、立坑5から造成する最上段の固結体群1本を造成する手順について具体的に説明する。
立坑5内での櫓の構築が完了したら、ボーリングマシンを用意し、立坑内の所定の削孔ポイントに注入管(削孔注入ロッド)をセットする。続いて、立坑5の所定削孔ポイントから改良対象地盤の奥へ向けて、注入管(削孔注入ロッド)を複数本継ぎ足しながら、X方向に沿って水平に削孔する。注入管のサイズは特に限定されないが、例えば、1ロッドの長さが1〜3m、直径が5〜10cmのものを複数本(削孔長分)用いる。
【0038】
X方向に沿って水平に削孔を続け、注入管の先端開口部が、改良対象地盤の奥にある所定の圧入開始位置に到達したら、削孔を止め、注入管からボーリングマシンを切り離す。次に、注入管に注入管リフト装置をセットするとともに、改良対象地盤に貫入させた注入管の一端を、流量圧力監視装置および圧送ホースを介して特殊注入ポンプに接続する(図4参照)。そして、特殊注入ポンプによる圧送を開始すると、特殊注入プラントで用意された改良材が、圧送ホース、流量圧力監視装置、注入管を介して、該注入管の先端開口部から改良対象地盤内に圧入される。
【0039】
改良材の圧入の工程では、流量・圧力を適宜コントロールしながら改良材の圧入と注入管の引き抜きとを繰り返す。注入管の水平方向の引き抜きは、例えば1mにつき3ステップ行う。1ステップ分の圧入によって、固結体1個分の改良材が地盤に圧入される。1ロッド分の引き抜きが完了したら、立坑5の側で抜き出た1ロッド分の注入管を切り離し、再び圧送ホースを接続し、同様の圧入と引き抜きを繰り返す。
【0040】
上述した圧入とX方向の水平引き抜きを、改良範囲内の所定長さに亘って繰り返すと、既設構造物直下の改良対象地盤に対して改良材がX方向に沿って水平に圧入される。その結果、該改良材からなる複数の固結体1が水平方向に連続して造成され、1本の固結体群2xがX方向に配置される。固結体群をなす各固結体は、前後の固結体と相互に結合している。
【0041】
上述した削孔・圧入工程(固結体群1本を造成するための工程)を、立坑5において繰り返して、最上段に配置すべき複数列の固結体群2xを先行して造成する。最上段の固結体群2xの造成がすべて完了したら、次段の固結体群2yの造成手順に移る。
【0042】
次段の固結体群の造成にあたっては、圧入工の位置を立坑5から立坑6に変え、圧入方向をX方向からY方向に変え、Y方向の固結体群2yを造成する。立坑6における各固結体群2yの造成手順は、圧入位置を立坑6に変えた点と、圧入方向をY方向に変えた点を除いて、前述した立坑5における固結体群2xの造成手順と同様である。
【0043】
次段の固結体群2yの造成がすべて完了したら、以降は同様に、立坑5を圧入位置とするX方向の造成と、立坑6を圧入位置とするY方向の造成と、を段毎に交互に繰り返し、上段から下段へ向かう順序で固結体群を造成する。その結果、段毎に方向が約90度異なる水平な固結体群が、複数列・複数段造成される。
【0044】
以上の工程を経て、図示するように全ての固結体群の造成が完了したら、施工機材を立坑5,6から撤去し、立坑を埋め戻して施工が完了する。
【0045】
なお、上述した削孔・圧入の工程は、1箇所に限らず、複数個所で同時並行的に実施することも可能である。
また、図3に示すように、曲線(自在)ボーリングを併用しての施工も可能であり、この場合には立坑は不要となる。
固結体群の造成の順序は上述した態様に限定されないが、はじめに最上段の固結体群を造成することが好ましく、さらに、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成することがより好ましい。
【0046】
施工が完了すると、本発明の地盤改良構造が完成する。図1に示す地盤改良構造は、改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なってなる固結体群を、同深度上に複数列有するとともに、深度方向に複数段有している。これらの水平配置の固結体群は、段毎に90度方向を変えて造成配置されており、その結果、上方から見ると、複数の固結体群2x,2yが網目状に交差して見えるようになっている。
地盤改良構造を構成する各固結体は、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固めている。このような地盤改良構造によれば、固結体群間の地盤において、各固結体群による締固め作用が干渉するので、固結体群の間における地盤の密度と強度が増大する。
【0047】
上述した本発明の地盤改良工法によれば、複数の固結体が連なって構成される固結体群2x,2yが複数造成され、これらの固結体群が、上方から見て交差して見えるように配置される。すなわち、本発明では複数の固結体群は、従来のように一方向で配置されるのではなく、少なくとも二方向(又はそれ以上)で配置されるようになっている。したがって、地震波の方向によって、異なる固結体群が(又はこれらの組合せが)高い耐震作用を発揮するので、地震波の方向による異方性をなくすことができる。
【0048】
また、地震波の方向による異方性がなくなることにより、改良地盤の方向別の耐震性がほぼ同等になる。すなわち、地震波に対し極端に弱い方向がなくなるので、先発明の水平締固め工法に比して改良率を小さく設定することができる(図7に示す先発明の水平締固め工法では、地震波に対し極端に弱い方向が改良地盤に生じるので、それに合わせて改良率を大きく設定する必要があった)。したがって、改良率を小さく設定できる結果、工期を短縮でき施工の経済性を向上させることができる。
【0049】
また、改良率が小さくなれば、その分だけ地盤隆起を抑制でき、その結果、改良材の圧入量に応じた締固め効果と目標の耐震性を改良対象地盤に確実に与えることができる。
【0050】
また、本発明の地盤改良工法によれば、施工にあたって、既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するようになっている。したがって、手を加えることができない構造物や、内部に施工機材を設置できない構造物(既設石油タンクなど)が、改良対象地盤の上にあっても、当該既設構造物の存在に影響されることなく対象地盤を改良することができる。
【0051】
また、地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するので、地表部の既設構造物が圧入の妨げになることはなく、改良対象地盤内の必要な位置に注入管を行き渡らせることができる。その結果、所望の位置に固結体を造成できるので、未改良部分を残すことがない。よって、既設構造物に手を加えることができない場合等においても、対象地盤の全域に亘って必要な改良を施すことができ、所望の締固め効果を地盤に与えることができる。
【0052】
また、上述した地盤改良工法によれば、複数段の固結体群を造成するにあたって、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成するようになっている。このように、浅い深度から深い深度へ向かう順序で固結体群を造成することにより、先行して造成した上位の固結体群が、後行して造成される下位の固結体群に対して上から覆い被さり、自重で押さえつけるように作用する。したがって、後行して造成される固結体群の影響が地表面へ伝わり難く、地盤の隆起を抑制できるといった効果が得られる。また、地盤隆起を抑制できる結果、改良対象地盤の密度が増大するので、より高い締固め効果を得ることができる。
しかも、本発明では地盤改良材を水平方向に圧入するので、上位の固結体群(造成済みの固結体群)が、下位の固結体群の造成の妨げとなることはない。すなわち、下位の固結体群の造成の際に、上位の固結体群を削孔する必要がないので、その分工期を短縮できる。
【0053】
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る本発明の施工態様を示している。
第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について具体的に説明する
【0054】
上述した第1実施形態では、立坑5を圧入位置とするX方向の造成と、立坑6を圧入位置とするY方向の造成と、を段毎に交互に繰り返し、上段から下段へ向かう順序で、固結体群2x,2yを造成している。このような方法は、既設石油タンクなどの直下の地盤に対して改良を施す場合などには、問題なく適用できる。しかしながら、改良対象地盤が長尺である場合には(例えば空港の滑走路直下の地盤)、一方の立坑から造成すべき固結体群に比して、他方の立坑から造成すべき固結体群の長さが極端に長尺となるため、適用することができない。また、改良対象地盤の周囲の条件によっては、図1のように立坑を複数造成できない場合もある。
【0055】
そこで第2実施形態では、施工にあたって、はじめに改良対象地盤の隣接位置を鉛直方向に掘削し、改良対象地盤に対し一定距離を隔てて対向する立坑7を造成する。立坑7は、図2(C)に示すように、所定厚さの非改良地盤を挟んで、改良対象地盤と向かい合っている。本実施形態で造成する立坑は図示する立坑7のみであるが、その代わり改良対象地盤の横幅より幅広に造成されている。
【0056】
図示する実施例では、立坑7の中央域は、非改良地盤を挟んで改良対象地盤の正面側と対向している。また、立坑7の左拡張域は、改良対象地盤の左側面側にある非改良地盤と対向している。また、立坑7の右拡張域は、改良対象地盤の右側面側にある非改良地盤と対向している。
【0057】
立坑7の造成が完了したら、立坑内に、削孔・圧入用の機材を固定するための櫓を構築する。立坑内での櫓の構築が完了したら、上段から下段へ向かう順序で段毎に方向を変えて、固結体群2x,2yを造成する。すべての固結体群の造成は、同じ立坑内から行われる。
【0058】
図示する実施例において、最上段の固結体群2xの造成時には、立坑7の中央域及び左拡張域から、X方向(右斜め方向)に沿って水平に改良材が圧入される。この圧入工を同じ深度レベルで横方向に繰り返して、X方向の固結体群2xを複数列造成する。
次段の固結体群2yの造成時には、立坑7の中央域及び右拡張域から、Y方向(左斜め方向)に沿って水平に改良材が圧入される。この圧入工を同じ深度レベルで横方向に繰り返して、Y方向の固結体群2yを複数列造成する。なお、図示するX方向とY方向はいずれも水平であり、互いにほぼ直交する関係にある。
以降は同様に、立坑7の中央域及び左拡張域を圧入位置とするX方向の造成と、立坑7の中央域及び右拡張域を圧入位置とするY方向の造成と、が段毎に交互に繰り返され、上段から下段へ向かう順序で、固結体群2x,2yが造成される。その結果、段毎に方向が90度異なる水平な固結体群が、複数列・複数段造成される。
【0059】
固結体群1本を造成する手順は、圧入方向を適宜変更する点を除いて、第1実施形態で述べた手順と概ね同様である。ただし本実施形態では、削孔圧入ポイントによって、固結体群の造成長さが異なる。したがって、所定長さの固結体群が改良対象地盤内に収まるように、注入管引き抜き時における圧入停止タイミングに留意する必要がある。
【0060】
なお、上述した第2実施形態では、段毎に圧入方向を約90度変えて、2方向の固結体群2x,2yを造成している。しかしながら、固結体群の造成方向は2方向に限定されるものではなく、段毎に圧入方向を変えて3方向又はそれ以上の固結体群が造成されるようにしてもよい。
【0061】
(第3実施形態)
上述した第1,第2実施形態では、地震波に対する異方性をなくす手段として、段毎に方向の異なる水平方向の固結体群を複数列・複数段造成している。異方性をなくす手段は、このような固結体群の交差配置に限定されるものではなく、複数の固結体単体を改良対象地盤内に分散配置する態様であってもよい。
【0062】
すなわち、第3実施形態では、固結体の造成工程を繰り返して、非連続の固結体を複数造成する。「非連続の固結体」とは、前後の固結体と結合しておらず、単体として地盤の締固め作用を発揮するものをいう。複数の固結体を造成するにあたっては、改良範囲内で均等に固結体が分散するように、各固結体の造成位置を決定する。
【0063】
非連続の複数の固結体の造成方法は、上述した実施形態と同様に、改良材の圧入と注入管の引き抜きの繰り返しである。ただし、造成した固結体が前後で結合しないように、注入管の引き抜き量を大きくする必要がある。造成の順序は特に限定されないが、改良対象地盤を複数段に分割して、上段側に分散配置すべき固結体を先行して造成することが好ましい。
【0064】
固結体造成時における削孔圧入方向は、既設構造物内から施工できる場合には、鉛直方向に行ってもよい。一方、内部に施工機材を搬入できない既設石油タンク等の構造物がある場合には、立坑を造成して水平方向に行ってもよく、或いは、立坑を造成することなく、図3に示すような曲線(自在)ボーリングを併用して施工してもよい。
【0065】
(変形例)
本発明の実施態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々な改変が可能である。例えば、以下のような変形例を採用することも可能である。
【0066】
上述した第1,第2実施形態では、水平方向の固結体群の造成に限定して説明したが、本発明の施工態様はこれに限定されるものではない。
例えば、既設構造物の種類によっては構造物の内部から削孔・圧入することが可能な場合もあるので、そのような場合には、鉛直方向の固結体群と水平方向の固結体群を改良対象地盤に造成してもよい。具体的には、第1又は第2実施形態のように網目状に固結体群を複数列・複数段造成し、併せて、網目領域を通過するように鉛直方向に固結体群を造成してもよい。また、図7に示すように1方向の水平な固結体群を複数列・複数段造成し、併せて、これらの固結体群の間を通過するように鉛直方向に固結体群を造成してもよい。さらに、地盤の特性に応じて、鉛直方向の固結体群と併せて(又はこれらに代えて)斜め方向の固結体群を造成配置するようにしてもよい。
このように、本発明の実施態様は、水平方向の固結体群に限定されるものではなく、水平方向・鉛直方向・斜め方向の固結体群の2種以上を適宜選択して、上方又は側方から見て複数の固結体群が網目状に交差して見えるように造成配置することもできる。
【0067】
また、図1,図2に示す実施形態では、各段における固結体群の水平配置間隔(同深度における複数列の固結体群の配置間隔)は、その上段側および下段側の固結体群の水平配置間隔と同じである。しかしながら、固結体群の水平配置間隔は、必ずしもすべての段で同じである必要はなく、深度に応じて変えるようにしてもよく、また、段毎に水平配置間隔を変えるようにしてもよい。同様に、深度に応じて、各固結体群の換算改良径を変えるようにしてもよい。「換算改良径」とは、固結体量を均一な円柱と仮定した場合の固結体群の直径をいう。
【符号の説明】
【0068】
1 固結体
2 固結体群
2x 固結体群
2y 固結体群
5 立坑
6 立坑
7 立坑
11 注入管(削孔注入ロッド)
13 注入管リフト装置
15 流量圧力監視装置
19 圧送ホース
21 特殊注入ポンプ
23 特殊注入プラント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法であって、
地盤に対して地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が連なって構成される固結体群を造成する工程を有しており、
前記固結体群の造成工程を繰り返して、複数の固結体群を造成し、
前記複数の固結体群を造成するにあたって、上方又は側方から見て複数の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成する
ことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項2】
前記固結体群を造成する工程において、地盤に対し水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、
前記固結体の造成工程を繰り返して、前記固結体群を深度方向に複数段造成し、
前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上方から見て上下の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成する
ことを特徴とする請求項1記載の地盤改良工法。
【請求項3】
前記固結体群を造成する工程において、地盤に対し水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、
前記固結体の造成工程を繰り返して、前記固結体群を同深度上に複数列造成するとともに、複数列の固結体群を深度方向に複数段造成し、
前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上方から見て上下の固結体群が網目状に交差して見えるように、各固結体群を造成する
ことを特徴とする請求項1記載の地盤改良工法。
【請求項4】
上段側の固結体群造成時と下段側の固結体群造成時とで、圧入方向を変えて地盤改良材を圧入することを特徴とする請求項2又は3記載の地盤改良工法。
【請求項5】
上段側の固結体群造成時と下段側の固結体群造成時とで、圧入位置及び圧入方向を変えて地盤改良材を圧入することを特徴とする請求項2又は3記載の地盤改良工法。
【請求項6】
静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法であって、
複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、
複数の固結体が鉛直方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、
複数の固結体が斜め方向に連なって構成される固結体群を造成する工程と、
の工程のうち、いずれか2種以上の工程を有しており、
前記固結体群の造成工程を繰り返して、複数の固結体群を造成し、
前記複数の固結体群を造成するにあたって、上方又は側方から見て複数の固結体群が交差して見えるように、各固結体群を造成する
ことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項7】
静的圧入締固め工法を利用して地盤を改良する方法であって、
地盤に対して地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる固結体を造成する工程を有しており、
前記固結体の造成工程を繰り返して、非連続の複数の固結体を造成し、
前記複数の固結体を造成するにあたって、地盤内で複数の固結体が分散するように、各固結体を造成する
ことを特徴とする地盤改良工法。
【請求項8】
地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、
地盤改良材からなる複数の固結体が連なってなる固結体群を、複数有しており、
上方又は側方から見て、前記複数の固結体群が網目状に交差して見えるように配置されている
ことを特徴とする地盤改良構造。
【請求項9】
地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、
地盤改良材からなる複数の固結体が、非連続の状態で地盤内に分散配置されている
ことを特徴とする地盤改良構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−149477(P2012−149477A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10796(P2011−10796)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(501241911)独立行政法人港湾空港技術研究所 (84)
【出願人】(505477338)
【出願人】(391019740)三信建設工業株式会社 (59)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【出願人】(392012261)東興ジオテック株式会社 (28)
【出願人】(393003505)復建調査設計株式会社 (13)
【Fターム(参考)】