説明

地盤改良装置

【課題】リーダの起伏及び傾動動作をスムーズに行え、ベースマシンの傾動方向への転倒の虞を未然に防止可能にする。
【解決手段】ベースマシン1及びそのベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダ2と、上端部をリーダ2の背面に枢支され、下端部を前記ベースマシンの両側に配置される一対の支持用ステー3と、ベースマシン1に搭載されたウインチから繰出されて、先端をリーダ2の上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8とを備えた地盤改良装置において、ベースマシン1の両側前後方向に配設されて、リーダ起伏用ワイヤ8の繰出しに伴うリーダ2の前傾動作に伴って各ステー3の下端部を摺動可能に案内するガイドレール53、及び各ステー3の下端部をガイドレール53に着脱可能に固定する係止手段5とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、施工待機時などにおいてベースマシンに対しリーダを傾動可能に支持する場合に好適な地盤改良装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、既存空港における地盤改良作業の課題の一つに、飛行機の離発着など、飛行機の運用に支障をきたさない時間帯に施工を行わなければならないことがある。この施工時間としては、夜間の4〜5時間程度に制約されることも多く、作業の中断が度々余儀なくされる。また、図8(a)に示す施工状態から施工を中断するときは、同(b)に示すごとくベースマシン1の先端側に傾動可能に枢支されているリーダ2に対し該リーダに沿って上下動される昇降手段47及び不図示のリーダ側ガイドレール21からオーガ4を切り離し、オーガ4を施工位置における地中に突刺したままの状態でリーダ2を傾動操作し、次の施工開始時までリーダ2の頂部が制限高さ(航空機の運用に支障がでない高さ)以下に傾斜状態に支持しておく必要がある。ここでは昇降手段47がシーブブロックの例である。オーガ4は、駆動用アタッチメント40及び回転軸45を有し、アタッチメント40が昇降手段47に連結されるとともに、ベースマシン1に搭載された不図示のウインチから繰出されリーダ頂部の笠木27の滑車に案内された吊りロープ48を介して昇降される。符号8はリーダ起伏用ワイヤである。ワイヤ8は不図示のウインチにより巻上げ巻き戻しされる。符号3は不図示の油圧シリンダにより全寸を伸縮可能な3点支持用ステーである。各ステー3は、上端部がリーダ側に設けられた金具24に、下端部がベースマシン両側の対応部に枢支される。符号8はベースマシン両側前後部に設けられたアウトリガ8である。
【0003】
そして、以上のリーダ2を傾動させる場合は、オーガ4を昇降手段47及びガイドレール21から切り離した後、ワイヤ8を緩めるとともに、各ステー3を油圧シリンダを介して伸ばすことによりリーダ2を前方へ傾動される。この傾動角はワイヤ8の張力ないしは耐荷重の点から限度がある。このため、同(b)のごとくリーダ2を限界角度まで傾けた後は、リーダ2及び各ステー3を補助重機K1,K2の各クレーンから、リーダ2をロープR1に吊り下げながら所定の角度まで吊り降ろすとともに、各ステー3の下側をロープR2に吊り下げながら着陸位置まで動かすることにより、リーダ2を仮置用の支持架台9に保持させ次回施工時まで待機させる。次の施工開始時は、前記とは逆の作業手順で、リーダ2をベースマシン1の先端側に垂直状態に起立させ、オーガ4を再びリーダ側ガイドレール21及び昇降手段47に連結操作することになる。
【0004】
上記した作業では、リーダ2をロープR1で吊るとともに、各ステー3の下端部をロープR2で吊って動かすことから、吊り下げ手段として傾動支援用補助重機K1,K2が2台以上必要となり、経費が嵩むだけではなく高所での危険な玉掛作業(例えばリーダ上側にロープR1の先端を着脱する作業)を必要となる。ところで、特許文献1には、以上のような玉掛作業を地表付近で行えるようにした構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−256363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の構造は、リーダ背面側に設けられるガイドレール、ガイドレールに摺動可能に設けられるスライダ、ガイドレールの上下に設けられてスライダの摺動を規制する上下のストッパなどを必要として操作も複雑となる。また、従来構造では、各ステーの下端側を対応固定部から外す作業や、次回作業時の連結作業を伴うため、施工中断時及び再施工開始初期時においてリーダの起伏作業に時間がかかり、限られた作業時間内での実施工時間が短縮するという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、地盤改良装置において、上述したような施工と施工待機の切換時におけるリーダの起伏作業を少しでも迅速に行えるようにすることにある。他の目的は、リーダの傾動に伴うベースマシン前後の重心位置の変動を少なく抑え、ベースマシンの傾動方向への転倒を確実に未然防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、図面を参照して特定すると、ベースマシン1及びそのベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダ2と、上端部を前記リーダ2の背面に枢支され、下端部を前記ベースマシンの両側に配置される一対の支持用ステー3と、前記ベースマシン1に搭載されたウインチから繰出されて、先端を前記リーダ2の上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8とを備えた地盤改良装置において、前記ベースマシン1の両側前後方向に配設されて、前記リーダ起伏用ワイヤ8の繰出しに伴う前記リーダ2の前傾動作に伴って前記各ステー3の下端部を摺動可能に案内するガイドレール53、及び前記各ステー3の下端部を前記ガイドレール53に着脱可能に固定する係止手段5とを有していることを特徴としている。
【0009】
以上の本発明は、請求項2〜4のごとく具体化されることがより好ましい。すなわち、
(イ)前記ガイドレール53に摺動可能に嵌合されて前記ステーの下端部を揺動自在に支持する軸受6とを有している構成である(請求項2)。
(ロ)前記軸受6は、前記ガイドレール53に嵌合される本体60と、前記支持用ステーの下端部を揺動自在に支持する軸穴65と、前記本体60を前記ガイドレール側の位置決め部57aに係脱する位置出し用規制部63とを有している構成である(請求項3)。
(ハ)前記ベースマシン1は、後方に設されて発電機などの施工用装置類を搭載するステージ15と、前記ステージ15の下面に前後動可能に設けられたバランスウエイト75と、前記バランスウエイト75を前記リーダ2の傾動方向とは逆方向である後方へ移動させる駆動手段7とを有している構成である(請求項4)。
(ニ)前記バランスウエイト75が前記ステージ15の下面前後方向に設けられたスライドレール74に沿って前後動されるとともに、前記駆動手段7が油圧シリンダである構成である(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、リーダ起伏用ワイヤの繰出しに伴うリーダの前傾動作に伴って支持用ステーの下端部を摺動可能に案内するガイドレールを有しているため、図2及び図6に例示されるごとくリーダの起伏動作時における一対の支持用ステーの組立解体動作を従来のごとく補助重機を用いることなく迅速に行うことができる。また、支持用ステーの下端部は、リーダの起立動作時においてガイドレールの後方最終位置まで摺動された後、係止手段により容易かつ簡単に固定可能となる。これにより、本発明は、補助重機を減らして経費削減を達成し、限られた時間内での実作業時間を増加できる。
【0011】
請求項2の発明では、ガイドレールに摺動可能に嵌合されて支持用ステーの下端部を揺動自在に支持する軸受を有している。また、請求項3の発明では、軸受がガイドレールに嵌合される本体、支持用ステーの下端部を揺動自在に支持する軸穴、本体をガイドレール側の位置決め部に係脱する位置出し用規制部とを有している。このため、各発明では、図6の拡大図から推察されるごとくリーダ起伏に伴う支持用ステーの摺動を円滑に得られるようにし、それにより安定した作業を維持できる。
【0012】
請求項4の発明では、ベースマシンが発電機などの施工用装置類を搭載するステージの下面に前後動可能に設けられたバランスウエイト、及びそのバランスウエイトをリーダの傾動方向とは逆方向である後方へ移動させる駆動手段とを有しているため、リーダの起伏動作時における荷重バランスの偏在の虞を解消しバランス偏在によるベースマシンの転倒を未然に防止できる。
【0013】
請求項5記載の発明では、バランスウエイトがステージの下面前後方向に設けられたスライドレールに沿って駆動手段としての油圧シリンダにて前後動されるため、動作制御が精度よく容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る地盤改良装置のリーダを垂直状態から傾動した待機状態に切り換えるときの全体構成を示す模式図である。
【図2】(a)と(b)はリーダの垂直状態と傾動した待機状態とを示す模式図である。
【図3】(a)と(b)はベースマシンの詳細構造を示す側面図と上面図である。
【図4】(a)はベースマシン要部の半断面平面図、(b)はガイドレールの後端部を示す(a)のA矢視図、(c)はそのガイドレールに軸受を嵌合した図、(d)はガイドレールの後端部を示す(a)のB矢視図、(c)はそのガイドレールに軸受を嵌合した図である。
【図5】上記軸受単品を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は上面図である。
【図6】上記ガイドレールと前記軸受との関係を示す作動図である。
【図7】(a)は図3(a)のC−C線部分拡大断面図、(b)と(c)はバランスウエイトの前進及び後退状態を示す図6(b)のB−B線拡大断面図である。
【図8】(a)は従来の地盤改良装置の施工状態を示す側面図、(b)は同装置のリーダを傾動している状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明形態を図1〜図7を参照して説明する。この説明では、本発明の装置構造を明らかにした後、使い方ないしは作動に言及する。なお、各図では、地盤改良装置の基本構造は従来と同一であるため、その同一箇所については図8と同じ符号を用い、異なる箇所、或いは新たに付加された部材のみ異なる符号を付している。
【0016】
(装置構造)形態の地盤改良装置は、自走式のベースマシン1と、ベースマシン1の先端側に不図示のピンなどを介して傾動可能に枢支されたリーダ2と、リーダ2に沿って昇降手段47により昇降される回転軸45などのオーガ4と、上端部をリーダ2に枢支され、かつ下端部をベースマシン1の両側に配置される3点支持式の一対(左右)の支持用ステー3と、ベースマシン1に搭載されたウインチ14から繰出されて先端をリーダ2の上側の連結部25に連結されるリーダ起伏用ワイヤ8と、ベースマシン1の両側前後方向に配設された要部のガイドレール53と、各ステー3の下端部をガイドレール53に摺動可能に支持する軸受6、及び軸受6をガイドレール53の後方定位置に着脱可能に固定する係止手段としてピン5とを備えている。なお、形態のリーダ2は、角リーダであり、図8のリーダと形状的に異なっているが、機能的には同じである。
【0017】
ここで、ベースマシン1は、従来と同じくキャタピラ11を有した下走行体に対し、メインフレーム10が旋回部を介して旋回可能に支持されている。メインフレーム10には、図3のごとく前方片側に配置された操縦室と、前縁の左右中間部に突出された支持部13、略中央部に設けられた2つのウインチ14及びフレーム12と、後縁に結合されて後方へ延びているステージ15などが設けられている。フレーム12の上側にはワイヤや吊りロープを案内する滑車が組み込まれている。各ウインチ14は、一方がワイヤ8用であり、他方が昇降手段47を構成している吊りロープ48用である。ステージ15には、空気タンク、コンプレッサ、発動機などの駆動機器17が上面に搭載されているとともに、下面に後述する駆動手段としての油圧シリンダ7により前後動されるバランスウエイト75が設けられている。符号16は手摺りである。
【0018】
支持部13にはリーダ2が不図示の連結ピンにより枢支される。このリーダ2は、リーダ形成部を必要数だけ結合手段22により連結して所定長さとなっている。リーダ2は、前面に設けられて両側上下方向に延びているガイドレール21と、背面上側に設けられたステー用金具24及び複数のワイヤ用連結部25と、頂部に設けられて複数の滑車28を組み込んでいる笠木27と、下端前側に設けられて図示を省いた回転軸45の振れを抑える不図示の振止部材などを取り付ける金具29とを備えている。
【0019】
そして、この例では、ウインチ14から繰り出された吊りロープ48が滑車28で迂回されてリーダ前面にシーブブロック47として吊り下げられている。シーブブロック47は図2のごとくオーガ4を昇降可能にする。オーガ4は、ベース40の背面側に設けられて対応するリーダ側ガイドレール21に嵌合される嵌合部41と、ベース40の下側に設けられて回転軸45を着脱するフランジ接合部42と、ベース40の上側に設けられて回転軸45を回動するモータなどの駆動部43と、シーブブロック47側に連結する連結部44とからなる。なお、回転軸45の下端には掘削刃46が組み付けられたり攪拌翼などが組み付けられる。
【0020】
一方、両側のガイドレール53は、メインフレーム10の前後部にあって左右方向に配置された横フレーム51,52上に略水平かつ平行に保持された状態に配設されている。断面形状は、矩形枠の上面にガイド溝53aを長手方向に形成している。各ガイドレール53の前端には一段高くなった柱54が設けられている。各ガイドレール53の後端には案内板部55が連続するよう配設されている。この案内板部55は、図4に示されるごとくガイド溝53aと連続するガイド溝55aと、下面に結合されてガイド溝55aの両側を区画している対向した固定板部56と、各固定板部56に同軸線上に貫通形成した複数のピン穴56aとを有している。
【0021】
また、案内板部55の両側には後ストッパ57が設けられている。各後ストッパ57は、前方に向けて開口した係合部57aを有し、一部がガイドレール53の対応部に接合された状態で互いに対向配置されている。以上のガイド溝55aには、図4(c)と(e)のごとく後述するステー用軸受6がガイド溝53aから摺動可能に配置される。
【0022】
軸受6は、本体60がガイド溝53a,55aに嵌合される板状からなり、本体60の上端面に一体化した幅広の受板62と、受板62の前端に沿って左右に延びている棒状の規制部63と、受板62の中央部に立設された支持部65と、支持部65に設けられた凹状の軸穴66とからなる。本体60には、ピン穴56aに一致する複数の貫通孔61が設けられている。
【0023】
以上の軸受6は、対応するガイドレール53に対し、本体60をガイド溝53a,55aに摺動自在に嵌合された状態に組み込まれて、前方へは規制部63が柱54に当たることで位置規制され、また、後方へは規制部63が後ストッパ57の係合部57aに係止されることで位置規制される。軸受6は、規制部63が係合部57aに係止された状態において、係止手段としてピン5がピン穴56a、貫通孔61、ピン穴56aに挿入されると、固定板部56に位置固定される。
【0024】
そして、両側の軸受6は、軸穴66に対して各ステー3の下端に形成した球体35が揺動可能に嵌合される。すなわち、各ステー3は、上端は蛙股状となっていて、リーダ2の上部背面に設けられた金具24の左右に突設した連結ピン37等を利用して回動可能に係合している(図1拡大部参照)。ステー3の下部側は、油圧シリンダが一体的に連結されていて、シリンダ33に対して出没駆動されるロッド34を有している。ロッド34の下端ないしは先端は球体35に形成されている。そして、各ステー3の下端は、球体35が軸受の軸穴66に揺動自在に嵌合支持されることになる。
【0025】
これに対し、上記ステージ15の下面には、図3と図7に示したごとく前後方向に設けられた2本のガイドレール74と、両ガイドレール7に摺動自在に支持されているスライダ76と、スライダ76に取り付けられた左右のバランスウエイト75と、各バランスウエイト75をスライダ76を介して前後動する駆動手段としての油圧シリンダ7とが設けられている。すなわち、油圧シリンダ7は、シリンダ70がステージ側に位置固定された金具78に対し対応端に設けられた連結部72を固定した状態に支持され、ロッド71がスライダ76の一部に結合されている。このため、この構造では、リーダ2の傾斜角度に応じて油圧シリンダ7のロッド1をステージ後方へ突出させてバランスウエイト75をスライダ76を介して後方移動させることにより、リーダ2の前傾に起因した荷重偏在に対するバランスを保てるようにしている。
【0026】
(作動)以上の地盤改良装置の図1の実線、図2(a)に示す施工状態では、リーダ2はワイヤ8の牽引張力によって起立されるとともに、各ステー3の下取付基部(ロッドの球体35)は軸受の軸穴66に嵌合した状態で図6のごとくガイドレール10を構成している最後部の案内板部55に位置し、係止手段であるピン5により固定板部56に固定されている。この結果、リーダ2は地盤面GLに対し垂直に安定支持されている。
また、この構造では、図7(c)のごとく油圧シリンダのロッド71がシリンダ70に没入し、バランスウエイト22が前側に移動して、リーダ2が垂直状態でのステージ15を含むベースマシン1の前後における荷重バランスを保つようにしている。なお、この状態において、オーガ4は、昇降装置47を介してリーダ側ガイドレール21に沿って昇降可能に吊り下げられ、例えば、回転軸45を回転しながら地盤中に掘削しながら貫入したり、地盤内に固化材を注入して地盤改良作業を行うことになる。
【0027】
以上の施工状態から、リーダ2を図2(b)の作業待機状態に変換するには、施工中断の指示を受けて、まずオーガ4を施工位置における上端側を残して地盤内に突刺し状態で残置したままリーダ側の昇降装置47から切り離す。その後、軸受6は、ピン5を外すことによりガイドレール10に沿って前方へ摺動可能にされ、それにより各ステー3の下端側の拘束を解放する。次に、ワイヤ8を繰出してリーダ2を前傾させて、図2(b)のごとくリーダ2の荷重を仮置き用の支持架台6に預けることにより施工待避作業を完了する。以上の操作では、リーダ2の傾動角度が大きくなると、ベースマシン1の前側荷重が大となって前方に転倒する虞がある。そこで、この構造では、リーダ2の傾動角増加に伴い油圧シリンダ7のロッド71を突出させることにより、バランスウエイト75を後方へ移動してステージ15を含むベースマシン1の前後荷重の偏在が解消されるようにする。
【0028】
以上の作業待機状態から地盤改良作業を再開するには、前記とは逆の手順でリーダ2を垂直に支持し、残置してあるオーガ4をリーダ側の昇降手段47に連結すれば、再度地盤改良作業を行うことができる。この構造では、復帰作業に伴いバランスウエイト22をリーダ2の起立作業に連動させて前進位置に移動させることは勿論である。
【0029】
なお、以上の形態は本発明を何ら制約するものではない。本発明は、請求項1で特定される技術要素を備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。また、以上の形態では、リーダ支持用ワイヤによる前傾操作後に更に地表側へ前傾される操作については言及しなかった。これについては、図8を参考にして補助重機のクレーンから吊りロープを用いて地表近くまで吊り下げるようにしてもよいが、地表近くへの傾動方向に支持しつつ順次傾動するための専用の補助手段として、本発明と同時出願の補助手段を用いることが高所での玉掛け作業が不要となり更に好ましいものとなる。
【符号の説明】
【0030】
1・・・ベースマシン(10は本体、11はキャタピラ、15はステージ)
2・・・リーダ(20は本体、21はガイドレール、27は笠木)
3・・・支持用ステー(32は油圧シリンダ、34はロッド、35は球体)
4・・・オーガ(40はベース、41は嵌合部、42はチャック、43はモータ)
6・・・軸受(60は本体、63は規制部、65は支持部、66は軸穴)
5・・・ピン(係止手段)
7・・・油圧シリンダ(駆動手段に相当し、70はシリンダ、71はロッド)
8・・・リーダ起伏用ワイヤ
9・・・支持架台
47・・・昇降手段(48は吊りロープ、14はウインチ)
53・・・ガイドレール(53aはガイド溝)
55・・・案内板部(55aはガイド溝)
56・・・固定板部(56aはピン穴)
57・・・後ストッパ(57aは位置決め部としての係合部)
75・・・バランスウエイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシン及びそのベースマシンの先端部に傾動可能に枢支されたリーダと、上端部を前記リーダの背面に枢支され、下端部を前記ベースマシンの両側に配置される一対の支持用ステーと、前記ベースマシンに搭載されたウインチから繰出されて、先端を前記リーダの上側に連結されるリーダ起伏用ワイヤとを備えた地盤改良装置において、
前記ベースマシンの両側前後方向に配設されて、前記リーダ起伏用ワイヤの繰出しに伴う前記リーダの前傾動作に伴って前記各ステーの下端部を摺動可能に案内するガイドレール、及び前記各ステーの下端部を前記ガイドレールに着脱可能に固定する係止手段とを有していることを特徴とする地盤改良装置。
【請求項2】
前記ガイドレールに摺動可能に嵌合されて前記ステーの下端部を揺動自在に支持する軸受を有していることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置。
【請求項3】
前記軸受は、前記ガイドレールに嵌合される本体と、前記支持用ステーの下端部を揺動自在に支持する軸穴と、前記本体を前記ガイドレール側の位置決め部に係脱する位置出し用規制部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の地盤改良装置。
【請求項4】
前記ベースマシンは、後方に設されて発電機などの施工用装置類を搭載するステージと、前記ステージの下面に前後動可能に設けられたバランスウエイトと、前記バランスウエイトを前記リーダの傾動方向とは逆方向である後方へ移動させる駆動手段とを有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の地盤改良装置。
【請求項5】
前記バランスウエイトが前記ステージの下面前後方向に設けられたスライドレールに沿って前後動されるとともに、前記駆動手段が油圧シリンダである請求項4に記載の地盤改良装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−225007(P2012−225007A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91742(P2011−91742)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【出願人】(591039953)株式会社ソイルテクニカ (4)
【Fターム(参考)】