説明

地盤締め固め用振動装置のベースプレートの配量可能な散水用散水装置

【課題】配量の簡単かつ安全な調整を可能とする、改良された、地盤締め固め用振動装置のベースプレートの散水装置を提供する。
【解決手段】液体排出口3を有する液体タンク2、液体放出を液体排出口3により制御する弁4を有する地盤締め固め用振動装置のベースプレートの散水装置1に関し、操作レバー5により液体放出を制御する弁4を操作する。操作レバー5が、液体タンク2の上部に設けられたチルトレバーまたは回転レバーであると好適である。操作レバー5により、散水装置1内の液体放出の配量が容易かつ安全になり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤締め固め用振動装置、例えば振動板締め固め機、のベースプレート散水
用散水装置に関する。本発明は、他の特徴によれば、振動装置のベースプレートの配量
可能な散水用散水装置を有する地盤締め固め用振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤締め固め用振動装置、例えば振動板締め固め機、のベースプレートの配量可能な
散水用散水装置は従来技術より既知である。締め固め工程中の散水は、例えばアスファ
ルトのような締め固め対象物が底板に付着するのを防ぐために必須である。散水液とし
てはたいてい水が使われるが、他の液体の使用や水溶液に添加物を使用することも知ら
れている。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、それぞれ散水装置を有する振動板を開示している。
両者は、取り外し可能な水槽を開示している。水は、下部に設けられた締切弁が開かれ
ると、やはり下部のタンクから流出する。水量の段階的制御機能は設けられていない。
水はそれぞれノズル管内へ流れ、該ノズル管から水は振動装置のベースプレート前の地
面へ直接噴出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州公開特許公報第1043449A1
【特許文献2】ドイツ連邦共和国実用新案公報第29605664U1
【0005】
特許文献3からもやはり散水装置が知られている。これは原則的には散水に使用され
る水量の配量可能な調整を可能とする。この目的のためには、水槽上部にノブが設けら
れる。水槽下部の開口を介して水が、振動装置のベースプレートに設けられた特殊形成
された溝内に流れる。溝が容れられる以上の水が溝に流入すると、該溝からあふれ出て、
かようにして、振動装置のベースプレートの上へ曲げられた部分を散水する。
【特許文献3】ドイツ連邦共和国公開特許公報第102007026419A1
【0006】
特許文献3の散水装置は水槽上部に設けられたノブにより、特許文献1および特許文
献2と比べてより使いやすい散水装置であり、原則的には、散水工程をノブの回転によ
り配量することが可能である。しかし、ノブにおいては、遠くからでも一目でそれぞれ
の現時点の調整を認識することが困難である。ノブの不注意による巻き過ぎはやはり、
排除しきれないと思われる。ノブの操作者はノブを回すとき様々な係合位置の感知する
が、これらの係合位置の感知はしばしば、作業手袋をはめることと、振動装置の作動の
際は出現する振動により困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上記公知技術の問題を克服し、とりわけ、配量の簡単かつ安全な調
整を可能とする、改良された、地盤締め固め用振動装置のベースプレートの配量可能な
散水用散水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、独立請求項の対象によって解決される。本発明の好適な実施形態は従属
請求項から明らかになる。
【0009】
本願第一の発明は、液体排出口を有する液体タンク、該液体排出口による液体放出を
制御する弁および、該弁の操作用操作レバーを有する地盤締め固め用振動装置のベース
プレートの配量可能な散水用散水装置に関する。振動装置は例えばいわゆる振動板締固
め機であってよい。本発明によれば、散水は配量可能に行われる。すなわち、弁を、操
作レバーにより、それぞれ液体が放出される少なくとも二つの異なった姿勢にもたらす
ことができる。本発明によれば、弁の操作は操作レバーにより行われる。かような操作
レバーは作業手袋を通しても良好に操作できる。更に、レバーの位置は視覚上よく知覚
できる。操作レバーとしては、様々な種類の操作レバーが考慮される。とりわけ、レバー
を傾斜することにより操作される操作レバーであってよい。更に、傾かなく、ねじれる
操作レバーであってよい。上記二つの操作方式を組み合わせることも可能である。更に、
操作レバーを操作前に自分で起動して、操作後に例えばレバーを係合位置から引き抜き、
レバーを上記可能性の一つにより操作し、次いでレバーを他の係合位置または同じ係合
位置へ押し戻すことにより再び締め付けることが可能である。操作レバー自体はその際
一体またはマルチパーツに形成されていてよい。操作レバーは直線的、屈曲、角を有し
て、または特殊レバーとして形成されていてよい。角を有して形成された回転レバーの
場合は、これは例えば剛性に形成されているか、または、代替的には角部分にヒンジを
有して形成されていてよい。
【0010】
液体タンクの液体排出口が液体タンク下部または液体タンクの底にあると好適である。
これにより、弁を開くと液体が重力の影響のみにより液体排出口から流出できるように
なる。更に、液体タンクのほぼ完全な廃液が可能である。
【0011】
弁の操作用操作レバーは弁の直接的近傍にあってよい。しかし、好適な実施形態によ
れば操作レバーは液体タンクの上部の液体タンク外部に据え付けられている。この結果、
本発明による散水装置が振動装置に設けられていると、操作レバーにもっと達成しやす
くなる。その場合は振動装置のガイドハンドルを両手で解除する必要はない。操作レバー
は例えばレバーを様々な方向へ移動するか、またはねじることにより操作され得る。そ
の際、液体放出は操作レバーの位置に応じて異なる。代替的には、操作レバーを連続的
に上下運動することもでき、その際、その上下運動が弁の他の位置へ至る。もっとも、
後者のケースでは、液体放出の現時点の設定は難なく遠くから問題なく認識できるわけ
ではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】チルトレバー形状の操作レバーを有する本発明の第一実施形態による本発明の散水装置の原理スケッチ(装置の側面断面図)である。
【図2】操作レバー部分における図1の拡大部分を示す。
【図3】液体排出口部分における図1の拡大部分を示す。
【図4】図1の液体タンクの正面図である。
【図5】散水装置が固定された、地盤締め固め用振動装置を示す。
【図6】回転レバー形状の操作レバーを有する本発明の他の実施形態を示す。
【図7】図6の回転レバーの拡大断面図である。
【図8】図6の弁部の拡大断面図である。
【図9】回転レバーと操作卓内の回転レバー用の異なる係合位置の平面図である。
【図10】異なる係合段の形成例を説明するものである。
【0013】
図1は本発明による散水装置の実施形態の側断面を原理スケッチで示す。散水装置1
は、液体排出口3による液体放出を制御するための弁4を有する液体タンク2、および、
弁4の操作用操作レバー5からなる。本ケースでは、液体タンクには水が満たされる。
水タンクの容量は約11リットル及び15リットルである。水槽2は取り外し可能に振
動装置に固定可能である。操作レバーは偏心締め付けレバー5である。これは、外に、
水槽2の上部にある。偏心締め付けレバー5は本ケースでは液体タンク2を斜めに延び
る操作棒6を介して弁4と結合している。液体排出口3は、水槽2の下部にあり、本ケー
スでは、水槽2の底の縁位置の近くにある。弁4を偏心締め付けレバー5を操作するこ
とにより開く際、水は重力影響によってのみ液体タンク2から出る。水槽下部には、本
例では、水槽2の底全体に沿って延びるくぼみ13が設けられている。このくぼみ13
は、散水装置1を簡単に振動装置20に固定するためのものである。くぼみ13は例え
ば振動装置のエンジン安全バーを収容するためのものである。
【0014】
図2は、図1の拡大部分、すなわち、偏心締め付けレバー5部分の拡大部分を示す。
偏心締め付けレバー5はハンドル5aと回転体5bからなる。偏心締め付けレバーもし
くは回転体5bは紙面を指し示す回転軸5cの回りを回転可能に支承されている。回転
体5bは、示された実施例では、様々な領域9を有する。これらの様々な領域9は少な
くとも部分的に平らに形成されている。これらは、それぞれ、回転軸5cに特定の距
離を有する。回転体5bは操作卓7に隣接する。操作卓7は、上すなわち、水槽2の上に
ある。本例では、操作卓は、水槽2に関し定在し、液体排出口3に関しても定在してい
る。偏心締め付けレバー5の回転軸5c部分においては偏心締め付けレバー5は操作棒
6と結合されている。操作卓7の下部では、操作棒の一部分に、クランプ装置としての
役割を果たす圧縮バネ8が設けられている。偏心締め付けレバーは、ハンドル5aの操
作により操作される。その際、回転体の(本例では部分的にのみ存在し、完全に必要で
もない)偏心により、操作棒は操作棒の軸方向へずらされる。操作卓と回転軸5cの間
の距離が長くなると、操作棒6は液体排出口3から離れるように移動し、圧縮バネ8が
圧縮される。操作卓7の表面と回転軸5cの間の距離が短くなると、圧縮バネ8が伸張
し、操作棒6が液体排出口3を目指して軸方向へ動く。弁を完全に閉めた場合圧縮バネ
が完全に緩和した状態にあると好適であり、結果、偏心締め付けレバーを移動し弁を開
ける際に、圧縮バネを圧縮する力を費やさねばならない。
【0015】
図3は液体排出口3部分に置ける図1の拡大部分を示す。この詳細図では、操作棒6
がシーリングコーン4aへ通じていることが認識できる。このシーリングコーン4aは、
バルブコア10内にあり、該バルブコア10の他端には散水管11が挿入されている。
操作棒6が偏心締め付けレバー5の操作の結果、図2との関連で記載されたように移動
すると、操作棒6の軸方向移動に、シーリングコーン4aの軸方向移動が伴う。シーリ
ングコーン4aが軸方向に回転軸5cへと(図3において斜め上へ)移動するとシーリ
ングコーン4aは部分的にバルブコア10から引き抜かれ、液体排出口3はシーリング
コーン4aによりもはや完全には閉じられない。シーリングコーン4aがバルブコア1
0から引き抜かれる距離が長ければ長いほど、より多くの液体が液体排出口3もしくは
散水管11から流出できる。偏心締め付けレバー5の各姿勢に基づいて、液体排出口の
配量が段階的に調節可能である。更に、図3では、くぼみ13が液体タンク2の壁2a
部分でよく認識できる。
【0016】
図4は、液体タンクもしくは水槽2の正面図である。液体排出口3と偏心締め付けレ
バー5が図示されている。
【0017】
図5は図1から図4に示される散水装置を有する地盤締め固め用振動装置を示す。そ
の際、散水装置1は水槽2を介して振動装置20と結合している。水槽2のくぼみ13
は、振動装置20のエンジン安全バー21上に接する。これにより、散水装置を振動装
置上へ簡単に載せることが可能になる。振動装置20は、ベースプレート23を振動す
ることができる振動発生用励振器(励振器ハウジング22参照のこと)を有する。これ
らの振動により、地盤締め固めがなされる。ベースプレート23は前方領域(地盤締め
固めプロセスにおける振動装置の運動方向に関して前方)に、床から離れて上へと曲げ
られた斜め部分24を有する。液体排出口3から液体が出ると、それはベースプレート
23もしくはその前の床を散水できる。そのうえ、この散水は配量されて行われ得る。
【0018】
図6は回転レバー5形状の操作レバーを有する本発明の他の実施形態を側面図で示す。
回転レバー5は液体タンク2の操作卓7上に支持されて、操作卓上に様々な係合位置に
接するようにもたらされ得る。散水装置1はプラスチックランプ30により、エンジン
安全バー21に固定されている。これにより、散水装置を取り外し可能に形成し、特殊
工具なしに振動装置に固定することが可能となる。
【0019】
図7は、図6の回転レバーの拡大図をやはり側面図で示す。操作卓7上に形成された
特定係合位置34にあるセッティングレバーが図示されている。図示の実施例では、操
作卓はタンク外形と一体に形成されている。正方体33が操作レバー5の安全装置とし
ての役割を果たす。セッティングレバー5の下部では、雌ねじM8(ドイツ工業規格に
よる)と六角外形を有する調整スリープ35が設けられている。雄ねじM8(ドイツ工
業規格による)を有するステンレス鋼ロープがそれと結合している。操作レバー5が操
作可能になる前に、該操作レバー5は方向Aに沿って少し持上げられなくてはならず、
次いで操作レバー5は側方向へ回転さらて他の係合姿勢へもたらされ得る。
【0020】
図8は、図6の弁部の拡大図をやはり側面図で示す。シーリングコア4aが弁部に認
識され、その軸方向Bの姿勢によりシーリング状態が調整可能で、液体量の出力が配量
可能である。シーリングコア4aと境を接して圧縮バネ8があり、これは、圧縮バネ8
を常に予応力に保ちシーリングコア4aが挿入されている開口から飛び出すのを防ぐ調
整スリープ39に支持される。角材36は鋼ロープ32とスライダーを円錐体もしくは
シーリングコア4aに固定するためのものである。枠金具37は、ねじってタンク内壁
に支持される。タンク壁に対するシールとして丸形シール環38が設けられている。更
に、図8では円錐体と排出口を有するバルブコア10および散水管11が認識され、該
散水管11の中に弁4の排出口3が突出する。
【0021】
図9は、操作レバー5と、回転レバー5用の様々な係合位置34a,34b,34c
の平面図である。回転レバー5がその回りを運動できる回転軸は、図9の図では紙面か
ら垂直にそびえ出る。操作レバー5を一つの係合位置から他の係合位置へもたらすため
には、操作レバーをまず少し大目に上へ持上げること(図9のでは紙面から観察者の方
向へと動かすこと)が必須である。そうして初めて、回転運動が可能であり、これ以上
係合位置もしくはその中へ係合することにより妨害されない。図9に示される係合位置
34a,34b,34cの深さは異なっているため、操作レバーは液体タンク2から異
なった距離だけ持上げて取り出されなくてはならない。このことは、図10に詳細に示
されている。図示の例では、三つの異なった係合段が設けられている。係合段34aで
は液体ドレインが閉鎖されている。係合段34bでは、液体ドレインが半開きである。
係合段34cでは液体ドレインは完全に開いている。
【0022】
異なった係合段は図10に示された例では、様々なノッチにより実現されている。こ
れらは、操作卓もしくは液体タンクの隣接表面と比べてほぼ同じ深さで形成されている
が、それぞれのノッチの底部は異なった高さにあるので、操作レバーはこれらの係合位
置のそれぞれにおいて係合する際、液体タンクから異なった距離だけ引き抜かれている。
ノッチ底部の異なった高さは、図10では、異なった高さにある水平線で示唆されてい
る。係合位置34a,34b,34cの間には、面取り部40を有する部分が設けられ
ている。回転レバー5を操作する際、これは、一つの係合位置から他の係合位置へ、
(図10の矢印で示唆された)上昇が減少する方向に沿って面取り部40を超えて動か
される。これにより、回転レバー5がガイドされてねじられることが可能となる。係合
段に、回転レバー5の運動もしくはねじれを一方方向にのみそもそも許可する「液体ド
レイン閉鎖」および/または「液体ドレイン全開」という安全機構を取り付けることも
可能である。これは、例えば「液体ドレイン閉鎖」位置と「液体ドレイン全開」位置間
の直接的移行を防ぎ、これは、要望があれば、本発明による散水装置の使用者向け操作
安全性の向上になる。
【0023】
本発明の図1から図9により記載された実施形態は、本発明の理解をより良くするた
めのものにすぎず、決して本発明に制限されて解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好適な実施形態によれば、弁は操作素子を介して操作レバーと結合している
シーリングコーンを有するため、操作レバーの操作時にシーリングコーンの位置が変更
される。操作素子を縦に延伸して形成すると好適である。操作素子は、例えば操作棒ま
たは操作ロープであってよい。操作棒の場合、好適には金属製のまっすぐな棒であると
好適であるが、他の形状を有し、例えば屈曲部を含んでいてもよい。操作ロープの場合
は、スチールロープであると好適である。しかし原則的には、操作棒と操作ロープを操
作素子へと組み合わせることも可能である。シーリングコーンの位置を操作素子の軸方
向へずらすと好適であり、その結果、シーリング素子、つまり、シーリングコーンの幾
何学的特性により液体排出口用の開口部の大きさが制御される。重要なのは、操作レバー
の移動が、液体排出口の配量調整を可能とするシーリングコーンの位置変化に連結され
ていることである。操作素子を設けることにより、とりわけ、一方で弁、他方で操作レ
バーの位置の間の距離を確実に大きくでき、そのため、とりわけ液体タンクの上部に操
作レバーを据付けられる。
【0025】
他の好適な実施形態によれば操作レバーは、操作卓上に接する偏心締め付けレバーで
あり、その際、操作卓下部の操作素子、とりわけ操作棒、の一領域に、偏心締め付けレ
バーの操作時に締め付けられるか緩和されるクランプ装置が設けられている。偏心締め
付けレバー自体は従来技術において他の関連で知られている。そららがレバーを把持、
移動するためのハンドルと回転体を有すると有利である。この回転体は回転対称に形成
されていない。その代わりに、回転体の表面は回転体の回転軸の回りの回転に関して、
回転軸に異なった距離を有する。かようにして、回転時には、回転体のかなりの範囲の
表面の少なくとも部分的に偏心した、回転軸の回りの運動が行われるに至る。操作卓と
は、液体排出口に対して固定した空間的配置で設けられた部材をいう。操作卓を別個の
部材として液体タンクの上に設けることができるが、操作卓は、水槽と一体形成しても
よい。既に述べたように、操作素子の一領域はクランプ装置を有する。その際、それは好適には操作卓の直接下部にある操作素子の上部であってよい。しかし、クランプ装置が操
作素子の下部に設けられることも可能である。クランプ装置としては例えばバネかゴム
弾性部材が役立つことができる。偏心締め付けレバーが移動される、つまり、偏心締め
付けレバーの回転体が回転軸回りに回転状態におかれると、操作卓の接触面と回転軸の
間の距離が変化する。この距離が長くなると、クランプ装置は操作卓下部で抵抗に対し
圧縮され、操作素子は全体として、好適には操作素子の軸方向へと、液体排出口から離
れるよう動く。操作素子に固定されたシーリングコーンもその際その位置を相応に変え、
液体排出口の一部分を解除する。それに対し、偏心締め付けレバーを、回転軸と操作卓
上の回転体の支持点との間の距離が縮小する他の位置へもたらすと、操作素子は、シー
リングコーンとともに、操作卓からずっと離れて位置し、液体排出口をより強くかしめ
ることができ、その際、クランプ素子が伸ばされる。弁を完全に閉鎖した場合クランプ
装置が完全に緩和した状態にあると好適であり、その結果、偏心締め付けレバーの移動
と弁を開ける際クランプ装置を圧縮する力を費やさなくてはならない。
【0026】
好適な実施形態によれば、偏心締め付けレバーの回転体は操作卓上に接することがで
きる様々な表面領域を多数有する。これらの様々な表面領域とは、回転軸に対する距離
に関して異なる表面領域をいう。これらの表面領域のどれがそれぞれ操作卓上に接する
かにより、弁の相応の位置と、それをもって、液体放出に関する相応の配量が結果とし
て生ずる。
【0027】
好適な実施形態によれば、操作卓の偏心締め付けレバーとの接触部分は平らで、回転
体の様々の表面領域は少なくとも部分的にやはり平らに形成されている。かように平ら
に形成することにより、特定配量のとりわけ良好かつ安全な調整が可能である。様々な
平らな表面領域が鋭いエッジ突起を介して隣接せず、むしろ、かようなエッジの丸み付
け、つまり、様々な平らな表面領域間の漸次移行部であると好適である。これにより、
偏心締め付けレバーのより簡単な操作が可能となり、その上、偏心締め付けレバーまた
は操作卓における図らざる摩耗を防ぐ。
【0028】
好適な実施形態によれば、操作レバーが回転レバーとして形成される。該回転レバー
はそれが回転によりもたらされ得る少なくとも二つの異なった係合位置を有する操作卓
上に接するため、回転レバーの位置に応じて係合位置の一つにおいて、回転レバーと結
合した操作素子を介してシーリングコーンの位置が変化可能である。ここでの操作卓と
は、再び、液体排出口に対して固定した空間的配置で設けられた部材をいう。操作卓を
別個の部材として液体タンクの上に設けることができるが、操作卓は、水槽と一体形成
してもよい。係合位置の形成には、様々な技術的実現可能性を尽くすことができる。例
えば、係合位置の回転レバーを係合、締め付け、沈下または押入れることにより固定で
きる。本発明の好適な実施形態によれば、係合位置はくぼみ形状に操作卓内で、回転レ
バーを他の位置へねじるために少し持上げなくてはならないように形成される。操作卓
が、例えば平らであれば、回転レバーの異なった回転位置の表面は、様々なくぼみもし
くは沈下部を有することができ、すると回転レバーは押し入れるか中へスライドするこ
とによりその中へ介入できる。このようにして、回転レバーが引き続きねじれることは
排除される。操作卓のくぼみが異なった深さで形成されていると好適である。例えば回
転レバーが操作素子と剛性に結合されていると、回転レバーを少し持上げるとき、つま
り、回転レバーを操作卓から持上げることにより、操作素子も変更された位置へもたら
される。とりわけ、操作素子が軸方向へ移動されることが可能であり、これは再びシー
リングコーンの位置へ影響を及ぼす。回転レバーが異なった係合位置、とりわけ、異なっ
た深さに形成されたくぼみ形状へもたらされると、操作素子の軸方向位置は操作素子と
剛性に結合した回転レバーの位置に相応して変化する。結果、かようにして、係合位置
の一つにある回転レバーの位置を介して操作素子の軸方向位置と、それをもって弁にお
けるシーリングコーンの位置が制御可能である。
【0029】
本発明の好適な実施形態によれば、回転レバーのねじれは操作素子の軸の回りに行わ
れる。その際、この回転運動が例えば操作素子の軸方向への回転レバーの運動といった
他の運動により重畳されることが可能である。
【0030】
本発明の好適な実施形態によれば、係合段間の結合領域は面取り部を有している。こ
の面取り部により、回転レバーを一つの係合位置から他の係合位置へガイドして移動す
ることが可能である。とりわけ、面取り部の方向により、一つの係合位置から他の係合
位置へ移動は困難になるか、または、容易になり得る。
【0031】
係合位置がノッチとして備わっていれば、これらは異なった深さで形成されていてよ
い。しかし、代替的にノッチ自体がそれぞれ(操作卓の表面に関し)同じ深さで形成さ
れているが、操作卓の表面は平らに形成されていないことも可能である。かようにして、
回転レバーの操作素子への連結時には、様々なくぼみ内と回転レバーの接触の結果、操
作素子の様々な軸方向位置決めができる。更に、操作卓が平らに形成されているが、こ
の平面の法線が操作素子の軸方向に傾斜することが可能であり、これは同じ効果に至る。
【0032】
操作レバーとしての回転レバーに、シーリングコーンを予応力に保つクランプ装置が
設けられていると好適である。
【0033】
係合位置の数は変更可能である。二つ、三つまたはそれ以上の係合位置であってよい。
係合位置の一つで弁が閉められ、散水装置から液体が出られないと好適である。更に、
他の係合位置で弁が完全に開けられていると好適である。その間には、弁を例えば半開
きといった特定度に開けるために、任意に多数の係合位置を備えることが可能である。
【0034】
好適な実施形態によれば、散水装置は外から液体タンク内にはめ込むことができるバ
ルブコアを有する。これにより、液体タンク、バルブコア双方の簡単な製造と簡単な組
み合わせが可能になる。
【0035】
他の好適な実施形態によれば、散水装置は更に、バルブコア内に押し入れることがで
きる散水管を有する。かようにして、散水装置の簡単な製造が可能になる。散水装置は
簡単に組み合わせることも可能であり、場合によっては、バルブコアおよび/または散
水管といった、欠陥パーツはモジュラー式に取替え可能である。
【0036】
好適な実施形態によれば、散水装置は、振動装置に取り外し可能に固定できる。これ
により、例えば、液体タンクを容易に満たすことが可能になる。
【0037】
好適な実施形態によれば、散水装置の液体タンクは、振動装置のエンジン安全バーを
収容するためのくぼみを有するため、散水装置を振動装置上に載せることができる。こ
のくぼみが液体タンクの下面にあると好適である。くぼみが液体タンクの下面全体にわ
たってのびると好適であるが、これは絶対必要とは限らない。その代わり、くぼみは、
液体タンクの幾つかの箇所のみに設けられていてもよい。エンジン安全バーを収容する
ためのくぼみを設けると、液体タンクを非常に簡単な方法で、振動装置に設けることが
許容される。
【0038】
散水装置の上記実施形態をそっくり、または、部分的に組み合わせることが当然可能
である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は他の特徴によれば、振動発生用励振器、該励振器により振動され得るベース
プレート、および、上記様散水装置を有する地盤締め固め用散水装置に関する。その際、
散水装置は、上記特徴の全てを個々または組み合わせて有することができる。振動装置
は、例えば、振動板締め固め機であってよい。振動発生用には、従来の励振器もしくは
従来のエンジンを使用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 散水装置
2 液体タンク 水槽
2a 壁
3 液体排出口
4 弁 回転レバー
4a シーリングコーン シーリングコア
5 操作レバー 回転レバー 偏心締め付けレバー セッティングレバー
5a ハンドル
5b 回転体
5c 回転軸
6 操作棒 操作素子
7 操作卓
8 クランプ装置 圧縮バネ
9 表面領域 領域
10 バルブコア
11 散水管
13 くぼみ
20 振動装置
21 エンジン安全バー
22 励振器ハウジング
23 ベースプレート
24 斜め部分
30 プラスチックランプ
32 鋼ロープ
33 正方体
34 特定係合位置
34a 係合位置 係合段(液体ドレイン閉鎖)
34b 係合位置 係合段(液体ドレイン半開き)
34c 係合位置 係合段(液体ドレイン全開)
35 調整スリープ
36 角材
37 枠金具
38 丸形シール環
39 調整スリープ
40 面取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体排出口(3)を有する液体タンク(2)、該液体排出口(3)による液体出を制
御する弁(4)および、該弁(4)の操作用操作レバー(5)を有する地盤締め固め用
振動装置(20)のベースプレート(23)の配量可能な散水用散水装置(1)。
【請求項2】
操作レバー(5)が外部に、液体タンク(2)の上部分に設けられていることを特徴
とする請求項1に記載の散水装置(1)。
【請求項3】
弁(4)は操作素子(6)を介して操作レバー(5)と結合しているシーリングコー
ン(4a)を有するため、操作レバー(5)の操作時にシーリングコーン(4a)の位
置が変更されることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の散水装置
(1)。
【請求項4】
操作レバー(5)は、操作卓(7)上に接する偏心締め付けレバーであり、該操作卓
(7)下部の操作素子(6)の上部分に、偏心締め付けレバー(5)の操作時に締め付
けられるか緩和されるクランプ装置(8)が設けられていることを特徴とする請求項3
に記載の散水装置(1)。
【請求項5】
偏心締め付けレバー(5)がハンドル(5a)と回転体(5b)を有し、 回転体
(5b)が操作卓(7)上に接することを特徴とする請求項4に記載の散水装置(1)。
【請求項6】
回転体(5b)は操作卓(7)上に接することができる様々な表面領域(9)を多数
有することを特徴とする請求項5に記載の散水装置(1)。
【請求項7】
操作卓(7)の偏心締め付けレバー(5)との接触部分は平らで、回転体(5b)の
様々の表面領域(9)は少なくとも部分的にやはり平らであることを特徴とする請求項
6に記載の散水装置(1)。
【請求項8】
操作レバー(5)が回転レバーであり、操作レバー(5)が回転によりもたらされ得
る少なくとも二つの異なった係合位置を有する操作卓(7)上に接するため、回転レバー
(5)の位置に応じて係合位置の一つにおいて、回転レバー(5)と結合した操作素子
(6)を介してシーリングコーン(4a)の位置が変化可能であることを特徴とする請
求項3に記載の散水装置(1)。
【請求項9】
係合位置はくぼみ形状に操作卓(7)内で、回転レバー(5)を他の係合位置へねじ
るために少し持上げなくてはならないように形成されていることを特徴とする請求項8
に記載の散水装置(1)。
【請求項10】
回転レバー(5)のねじれは操作素子(6)の軸の回りに行われることを特徴とする
請求項8から請求項9のいずれかに記載の散水装置(1)。
【請求項11】
係合段間の結合領域は面取り部を有していることを特徴とする請求項8から請求項1
0のいずれかに記載の散水装置(1)。
【請求項12】
シーリングコーンを予応力に保つクランプ装置(8)が設けられていることを特徴と
する請求項8から請求項11のいずれかに記載の散水装置(1)。
【請求項13】
外から液体タンク(2)内にはめ込むことができるバルブコア(10)を有すること
を特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の散水装置(1)。
【請求項14】
バルブコア(10)内に押し入れることができる散水管(11)を有することを特徴
とする請求項13に記載の散水装置(1)。
【請求項15】
散水装置(1)が振動装置(20)に取り外し可能に固定できることを特徴とする請
求項1から請求項14のいずれかに記載の散水装置(1)。
【請求項16】
散水装置(1)の液体タンク(2)は、振動装置(20)のエンジン安全バー(21)
を収容するためのくぼみ(13)を有するため、散水装置(1)を振動装置(20)上
に載せることができることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の散
水装置(1)。
【請求項17】
振動発生用励振器、該励振器により振動され得るベースプレート(23)、および、
請求項1から請求項12のいずれかに記載の散水装置(1)を有する地盤締め固め用振
動装置(20)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−7458(P2010−7458A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148354(P2009−148354)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(504359662)ボマク ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】