説明

地震時における災害防止装置およびその装具

【課題】地震時における災害防止装置とその装具を提供する。
【解決手段】梁側に第1部材を横方向に、壁側に第2部材を縦方向に、その交点において蝶番構成に設定し、緊急地震速報あるいは予め設定してある地震感知機構により、地震動を感知して第1部材と梁側との相互に設けたマグネットスイッチが外れ、第1部材が外れるとヒンジ部分が伸びて、全体が自重で落ち、斜めに筋交い状となることを特徴とする地震時における家屋の倒壊防止・防護装置。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、地震時における災害防止装置とその装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強い地震の際に、商店などの陳列棚や陳列戸棚に入れてある商品、物品などが乱雑に床上に落下し散乱することは、地震の度に繰り返し生じているが、それによって物品などが壊れたり、後片付けに追われたりすることは避けられない。また落下物による身体の怪我などもしばしば生じている。一般の家屋においても、棚や本棚、戸棚などから品物が落下する危険は充分に考えられるが、それらを防ぐ対策としては、あまり有効な手段は開発されてはおらず、地震の都度、危険性や防災の必要が叫ばれるだけである。これは近時の大型店舗の出現により、そこでは商品を狭い空間にうずたかく積む状態が多く見られることからも、危険に対する保安対策の必要性がますます重要な課題となってきている。
【0003】
これらのことは工場、職場などにおいても同様であり、危険物を扱う作業場、とくに原子力発電所における地震の災害対策は、平成19年中越沖地震において発生した事態におけるように緊急の課題となってきている。また倒壊した建物内に閉じ込められた人の救助、寝たきりの老病人、老人を始め一般人の防護など、人命に関する事項には多くの対策が緊急であり、必要な課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、地震発生と同時に、また地震発生後の地震対策用の装置およびその装具を得ることによって、地震に対応し、地震の危険、損壊などを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
物品収容棚の前側、上方に配置されるように、フレーム(4)に覆い材を張り付けた数枚からなる遮蔽具(a),(a)・・を、上方の巻き上げ機(5)からの紐体(6)によって、重なるようにして配置し、それらの両側はロープなど(7)に通して落下時に支持されるようになっており、地震の震動を感知し、電気信号により巻き上げ機(5)を作動させて、前記遮蔽具(a),(a)・・・を下方に落下させ、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)、棚の前側、下方に配置されるようにした、数本のエアーバックパイプ(P)の間にシート(5)を張った構成とし、エアーバックパイプ(P)に地震の震動を感知し、電気信号を介して高圧空気が送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方にシート(5)とともに立ち上がり、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)、棚の前側、下方に配置されるようにした、数本のエアーバックパイプ(P)の間にパンタグラフ(6)を数段設けたた構成とし、エアーバックパイプ(P)に地震の震動を感知し、電気信号を介して高圧空気が送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方にパンタグラフ(6)とともに立ち上がり、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)、
パンタグラフ(6)間に適宜、シート(5)を張った構成よりなることを特徴とする前記記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
パンタグラフ(6)を金属材など構成することを特徴とする前記記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
パンタグラフ(6)の最下段にエアシリンダーを取り付け、そのピストン部分をパンタグラフ機構に連結し、エアシリンダーが地震動を感知した指令によって、そのピストンの左右動により、パンタグラフを一斉に立ち上げるようにした前記記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
前記記載の落下防止装置(A)〜(A)を、棚などに直接、取り付けて付属させ、その作動により瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置。
梁側(H)に第1部材(1)を横方向に、壁側(W)に第2部材(2)を縦方向に、その交点において蝶番構成(3)に設定し、地震動を感知して第1部材(1)と梁側(H)との相互に設けたマグネットスイッチ(M)が外れ、第1部材(1)が外れるとヒンジ部分が伸びて、全体が自重で落ち、斜めに筋交い状となることを特徴とする地震時における家屋の倒壊防止・防護装置。
エアーバック(P’)の全体の形状・構成を、各段の棚(T)に添うように構成し、膨らんだときにおいて、棚(T)とエアーバック(P’)に取り付けた磁石(m)と鉄片(f)とを吸着させることを特徴とする地震時における瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置。
危険物を収納したドラム缶(D)が堆積された個所の周囲などに配置され、数本のエアーバックパイプ(P)を積み重ねた構成の柵状として、エアーバックパイプ(P)に緊急地震速報あるいは、地震の際、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構によりその震動を感知し、その電気信号を介して高圧のエアーが送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方向に立ち上がり、柵状となって前記堆積物の周囲を塞ぎ、堆積物の倒壊、散乱を防ぐことを特徴とする地震時における物品の倒壊防止装置(B)。
地震の発生後において、倒壊家屋の瓦礫(G)内に埋もれた人の救助のために、その現場において使用するエアーパイプ(P’),(P’)として、強度と硬さのある材質からなる細径、太径のものからなり、手動的に小型ポンプ、コンプレッサーなどでそれらエアーパイプ(P’),(P’)を膨らませて、細径のエアーパイプ(P’)をまず瓦礫(G)の下に入れてジャッキ効果により空隙(K)を作り、つぎに太径のエアーパイプ(P’)を入れてさらに空隙(K)を拡げ、救助のための空間を現出させることを特徴とする地震時における救助用エアーパイプ。
寝たきり状態の老・病人(h)の周囲、柱、窓などに配置することを特徴とするエアーバックパイプ(P)。
危険物を収納するプール(C)内に、要所にエアーバックパイプ(P)を配置し、地震時において貯蔵用の液体が波打ち現象を呈するときにおいて、エアーバックパイプ(P)を膨らますことにより、波のエネルギーを吸収して消波・鎮静作用を行うことを特徴とする地震時の波の消波・鎮静装置。
各種のエアーバックパイプ(P)、エアーバック(P’)、エアーパイプ(P’),(P’)などの膨張用に用いられるところのCoなどのガス体(液化ガス、高圧ガス)が封入された小型ボンベ(V)とそれに連結するソケット(n)からなり、小型ボンベ(V)の一端に設けた封緘用のハンダ、樹脂材(e)などを、電線(r)を介して電気信号により、電気的に溶断して開栓し、ソケット(n)に繋がるエアーバックパイプ(P)などにガス体を送ることを特徴とする地震用装具。
爆発性物質の爆発によりそのガス体を各種のエアーバックパイプ(P)、エアーバック(P’)、エアーパイプ(P’),(P’)などの膨張に用いることを特徴とする前記記載の地震用装具。
シリンダー(11)内をピストン(12)がモーター(13)で往復することにより、二度の昇圧を経て高圧タンク(15)に高圧空気が蓄積され、地震の際にエアーバックなどを膨らますことを特徴とする小型高圧エアーポンプ(10)の構成および装具である。
【発明の効果】
【0006】
たとえばこの発明は緊急地震速報、あるいは地震感知機構などにより、地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)〜(A)は、地震発生と同時に、瞬間的に作動して、棚、陳列ケース、本棚、本箱などに収納してある物品の落下防止を行うことができるので、地震発生時における棚などからの落下物による身体の安全を計るとともに、棚などに収納してある陶磁器、ガラス器具、一般の物品、就中、貴重品、危険品などの散乱・拡散、損壊防止、それらによる二次災害の防止に役立つことができる。またエアバックパイプ、エアバックなどを膨らますことにより同様に人、物などにすべからく地震の際の防護に役立つものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0007】
図1は、たとえば店舗、家屋の一階前面の開口部が大きく開いた出入口において、天井の梁側(H)と壁側(W)において、作動したときに筋交いとなる部材を取り付けておく。部材の構成は地震動を感知して自重で落ちると斜めに筋交い状となるもので、梁側(H)に第1部材(1)を横方向に、壁側(W)に第2部材(2)[下方をスプリング材(S)で支持してもよい]を縦方向に、支点(3)において蝶番構成などに設定する。(3’)は回動する支点である。地震発生時、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構により、地震動を感知して第1部材(1)と梁側(H)との相互に設けたマグネットスイッチ(M)が外れ、第1部材(1)が外れるとヒンジ部分が伸びて、全体が自重で落ち、斜めに筋交い状となる。これによって家屋において、大きく開いて強度の低下している開口部を補強し、倒壊・損壊を免れることができる。
【0008】
図2(a)、図2(b)は、この発明の、地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)を説明するもので、図示してないたとえば棚(T)[各種の物品、商品などが収納されている,後述の図4参照]の前側において、フレーム(4)に布、金網、または金属板、合成樹脂板の板あるいは孔明き板などの覆い材を取り付けた構成の数枚からなる遮蔽具(a),(a)・・を、上方の巻き上げ機(5)からの紐体(6)によって、通常時は上方に折り重なるようにして配置してあり、それらの両側はロープ[またはワイヤー](7)に通して落下時に支持されるようになっている。図示するのは落下して棚(T)の前面を覆った状態であり、それは地震発生時、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構により、その震動を感知し、それらを電気信号により受信し、マグネットスイッチ、電磁クラッチなどの電気的部材の作動によって巻き上げ機(5)を作動させて、遮蔽具(a),(a)・・を上方から下方に落下させ、瞬間的に棚(T)の前面を覆うようにするものである。なお棚に限らず、地震の際に生ずるあらゆる室内、室外の落下物、たとえば室内備品、ガラス、瓦、外壁材、その他危険物の落下に備えてこのような装置は有効である。
【0009】
図3に示すのは、この発明の、地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)を説明するもので、図示しない前述と同様の棚(T)の前側下方に配置されるもので、数本のエアーバックパイプ(P)の間にシート(8)を張った構成であり、エアーバックパイプ(P)には地震の際、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構によりその震動を感知し、その電気信号を介して高圧のエアーが送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方向にシート(8)とともに立ち上がり、棚(T)の前方を覆うものである。
【0010】
図4(a)に示すのは、エアーバック(P’)の全体の形状・構成を、各段の棚(T)に添うように構成し、膨らんだときにおいて、棚(T)とエアーバック(P’)に取り付けた磁石(m)と鉄片(f)とを吸着させて、確実に固定するようにした例である。棚(T)上の液体の入った瓶(b)などの転倒、落下防止に役立つ。また磁石(m)と鉄片(f)とは無くてもよく、エアーバック(P’)は数個に分割されてもよい。図示では吹き込まれるエアーは最下段側からであるが、最上段側に設けてもよい。図4(b)はエアーバック(P’)を棚(T)の各段に吊り下げるようにした例、図4(c)は棚(T)の各段の上に置いた例である。
【0011】
図5に示すのは、この発明の、地震時における物品の倒壊防止装置(B)を説明するもので、たとえば危険物を収納したドラム缶(D)が堆積された個所の周囲などに配置されるもので、数本のエアーバックパイプ(P)を積み重ねた構成の柵状として、エアーバックパイプ(P)には緊急地震速報あるいは、地震の際、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構によりその震動を感知し、その電気信号を介して高圧のエアーが送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方向に立ち上がり、柵状となって前記堆積物の周囲を塞ぎ、堆積物の倒壊、散乱を防ぐものである。
【0012】
図6に示すのは、この発明の、地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)を説明するもので、図示しない前述と同様の棚(T)の前側下方に配置されるもので、数本のエアーバックパイプ(P)の間にパンタグラフ(9)を数段設けた構成であり、エアーバックパイプ(P)には地震の際、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構によりその震動を感知し、その電気信号を介して高圧のエアーが送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方向にパンタグラフ(9)とともに立ち上がり、棚(T)の前方を覆うものである。パンタグラフ(9)間には適宜、前述のシート(8)を張ってもよく、またパンタグラフ(9)は金属材などで強固に構成することにより、棚(T)からの重量物の落下に耐える構造とすることができる。パンタグラフ(9)の最下段にエアシリンダーを取り付け、そのピストン部分をパンタグラフ機構に連結し、別途配備する地震感知機構により地震動を感知し、その電気信号によってエアシリンダーのピストンの左右動により、高圧空気をエアーバックパイプ(P)に送り、パンタグラフ(9)を一斉に立ち上げることもできる。
【0013】
なお前述では、この発明の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)〜(A)を棚の前方に別個に配置した例を説明したが、これらの装置は棚などに直接付属させてもよい。
【0014】
図7(a),(b)に示すように地震の発生後において、たとえば倒壊家屋の瓦礫(G)内に埋もれた人の救助のために、その現場におい.使用するエアーパイプ(P’),(P’)であり、強度と硬さのある材質からなる細径、太径のものを用意し、それらを現場に持ち込み、手動的に小型ポンプ、コンプレッサーなどでそれらエアーパイプ(P’),(P’)を膨らませて、細径のエアーパイプ(P’)をまず瓦礫(G)の下に入れてジャッキ効果により空隙(K)を作り、つぎに太径のエアーパイプ(P’)を入れてさらに空隙(K)を拡げ、救助のための空間を現出させることができる。これらは持ち運びが便利であるので、平常時から備えることにより、災害時に逸早く救助の器具として役立つものである。また救助に当たる人の救助時の倒壊落下物などによる二次災害を防ぐのにも有効である。
【0015】
図8、図9に示すように、寝たきり状態の老・病人(h)の周囲に、エアーバックパイプ(P)を配置しておき、地震の際の緊急時にそれが膨張して空隙(K)を作ることができる。なおこれらのエアーバックパイプ(P)を避難路、窓、扉、備品、家具などの近くに配置しておくことにより有効である。
【0016】
図10に示すのは、エアーバックパイプ(P)を家屋などの柱(Q)付近に配置し、前述同様の有事の際に柱(Q)に添ってエアーバックパイプ(P)が膨張して補強の役目を果たすものである。
【0017】
図11に示すように、危険物を収納するプールまたはタンク(C)など[たとえば発電用の原子炉のプール、危険性のある薬剤、油槽タンクなど]内に、要所にエアーバックパイプ(P)を配置して置き、地震時において貯蔵用の液体が波打ち現象を呈するときにおいて、前述同様にエアーバックパイプ(P)を膨らますことにより、波のエネルギーを吸収して消波・鎮静作用を行い、あるいは地震による波とは別の波を、繰り返し膨らますことにより生じさせて消波・鎮静に役立たたせる。
【0018】
図12は、前述のエアーバック、エアーパイプなどを膨らますために用いられる小型高圧エアーポンプ(10)であり、シリンダー(11)内をピストン(12)がモーター(13)で往復することにより、空気の流れが矢印のようになって管路を通して図示しない高圧タンク(15)に高圧空気が蓄積される。(16)はチェッキ弁である。この装置はシリンダー一基で二段の昇圧を行うことによって、小型化、高圧化を得るものである。
【0019】
図13(a)はこの発明において、前述した各種のエアーバックパイプ(P)、エアーバック(P’)、エアーパイプ(P’),(P’)などの膨張用に用いられるもので、Coなどのガス体(液化ガス、高圧ガス)が封入された小型ボンベ(V)とそれに連結するソケット(n)からなり、小型ボンベ(V)の一端に設けた封緘用のハンダ、樹脂材(e)などを、電線(r)を介して、電気的に溶断して開栓し、ソケット(n)に繋がるエアーバックパイプ(P)などにガス体を送る。図13(b)は小型ボンベ(V)とそれに連結するソケット(n)を、多数用意して同時に多数個所に送る例である。これはエアーポンプなど既設の設備が無い場所での、非設置型の用具として有効である。移動型、携帯型ともなる。さらにこのような小型ボンベ(V)を用いず、エアーバックなど内に取り付けた爆発性物質の電気信号による爆発で発生するガス体を用いてエアーバックを膨らますこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 この発明の、地震時における自重落下型の損壊防止装置の実施例を示す図。
【図2】 この発明の、地震時における棚などの物品の落下防止装置の実施例を示す図。
【図3】 この発明の、地震時における立ち上がり型の棚などの物品の落下防止装置の実施例を示す図。
【図4】 この発明の、地震時における立ち上がり型または吊り下がり型の棚などの物品の落下防止装置の他の実施例を示す図。
【図5】 この発明の、地震時における立ち上がり型の堆積物の損壊・散乱防止装置の実施例を示す図。
【図6】 この発明の、地震時における立ち上がり型の棚などの落下防止装置の他の実施例を示す図。
【図7】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプの人の救助用の使用例を説明する図。
【図8】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプの老病人に使用した例を説明する図。
【図9】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプの老病人に使用した他の例を説明する図。
【図10】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプを家屋の柱に使用した例を説明する図。
【図11】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプなどのプール用の実施例を説明する図。
【図12】 この発明の、小型高圧ポンプの管路を説明する図。
【図13】 この発明の、地震時におけるエアバックパイプなどの膨張用のボンベの実施例を説明する図。
【符号の説明】
【0021】
(A)〜(A)物品の落下防止装置
(4)フレーム
(a),(a)遮蔽具
(5)巻き上げ機
(6)紐体
(7)ロープ[ワイヤー]
(P)エアバックパイプ
(8)シート
(9)パンタグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収容棚の前側、上方に配置されるように、フレームに覆い材を張り付けた数枚からなる遮蔽具(a),(a)・・を、上方の巻き上げ機からの紐体によって、重なるようにして配置し、それらの両側はロープなどに通して落下時に支持されるようになっており、地震の震動を感知し、電気信号により巻き上げ機を作動させて、前記遮蔽具(a),(a)・・・を下方に落下させ、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項2】
棚の前側、下方に配置されるようにした、数本のエアーバックパイプ(P)の間にシート(5)を張った構成とし、エアーバックパイプ(P)に地震の震動を感知し、電気信号を介して高圧空気が送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方にシート(5)とともに立ち上がり、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項3】
棚の前側、下方に配置されるようにした、数本のエアーバックパイプ(P)の間にパンタグラフ(6)を数段設けたた構成とし、エアーバックパイプ(P)に地震の震動を感知し、電気信号を介して高圧空気が送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方にパンタグラフ(6)とともに立ち上がり、瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項4】
パンタグラフ(6)間に適宜、シート(5)を張った構成よりなることを特徴とする請求項3記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項5】
パンタグラフ(6)を金属材など構成することを特徴とする請求項3記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項6】
パンタグラフ(6)の最下段にエアシリンダーを取り付け、そのピストン部分をパンタグラフ機構に連結し、エアシリンダーが地震動を感知した指令によって、そのピストンの左右動により、パンタグラフを一斉に立ち上げるようにした請求項3記載の地震時における棚などの物品の落下防止装置(A)。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6記載の落下防止装置(A)〜(A)を、棚などに直接、取り付けて付属させ、その作動により瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置。
【請求項8】
梁側(H)に第1部材(1)を横方向に、壁側(W)に第2部材(2)を縦方向に、その交点において蝶番構成(3)に設定し、地震動を感知して第1部材(1)と梁側(H)との相互に設けたマグネットスイッチ(M)が外れ、第1部材(1)が外れるとヒンジ部分が伸びて、全体が自重で落ち、斜めに筋交い状となることを特徴とする地震時における家屋の倒壊防止・防護装置。
【請求項9】
エアーバック(P’)の形状・構成を、各段の棚(T)に添うように、また分離して構成し、膨らんだときにおいて、必要に応じ棚(T)とエアーバック(P’)に取り付けた磁石(m)と鉄片(f)とを吸着させることを特徴とする地震時における瞬間的に物品の棚の前面を覆うようにしたことを特徴とする地震時における棚などの物品の落下防止装置。
【請求項10】
危険物を収納したドラム缶(D)が堆積された個所の周囲などに配置され、数本のエアーバックパイプ(P)を積み重ねた構成の柵状として、エアーバックパイプ(P)に緊急地震速報あるいは、地震の際、緊急地震情報、あるいは別途配備する地震感知機構によりその震動を感知し、その電気信号を介して高圧のエアーが送り込まれることにより、エアーバックパイプ(P)は膨張し、上方向に立ち上がり、柵状となって前記堆積物の周囲を塞ぎ、堆積物の倒壊、散乱を防ぐことを特徴とする地震時における物品の倒壊防止装置(B)。
【請求項11】
地震の発生後において、倒壊家屋の瓦礫(G)内に埋もれた人の救助のために、その現場において使用するエアーパイプ(P’),(P’)として、強度と硬さのある材質からなる細径、太径のものからなり、手動的に小型ポンプ、コンプレッサーなどでそれらエアーパイプ(P’),(P’)を膨らませて、細径のエアーパイプ(P’)をまず瓦礫(G)の下に入れてジャッキ効果により空隙(K)を作り、つぎに太径のエアーパイプ(P’)を入れてさらに空隙(K)を拡げ、救助のための空間を現出させることを特徴とする地震時における救助用エアーパイプ、
【請求項12】
寝たきり状態の老・病人(h)の周囲、柱、窓、備品、家具などに配置することを特徴とするエアーバックパイプ(P)。
【請求項13】
危険物を収納するプール(C)内に、要所にエアーバックパイプ(P)を配置し、地震時において貯蔵用の液体が波打ち現象を呈するときにおいて、エアーバックパイプ(P)を膨らますことにより、波のエネルギーを吸収して消波・鎮静作用を行うことを特徴とする地震時の波の消波・鎮静装置。
【請求項14】
各種のエアーバックパイプ(P)、エアーバック(P’)、エアーパイプ(P’),(P’)などの膨張用に用いられるところのCoなどのガス体(液化ガス、高圧ガス)が封入された小型ボンベ(V)とそれに連結するソケット(n)からなり、小型ボンベ(V)の一端に設けた封緘用のハンダ、樹脂材(e)などを、電線(r)を介して電気信号により、電気的に溶断して開栓し、ソケット(n)に繋がるエアーバックパイプ(P)などにガス体を送ることを特徴とする地震用装具。
【請求項15】
爆発性物質の爆発によりそのガス体を各種のエアーバックパイプ(P)、エアーバック(P’)、エアーパイプ(P’),(P’)などの膨張に用いることを特徴とする請求項14記載の地震用装具。
【請求項16】
シリンダー(11)内をピストン(12)がモーター(13)で往復することにより、二度の昇圧を経て高圧タンク(15)に高圧空気が蓄積され、地震の際にエアーバックなどを膨らますことを特徴とする小型高圧エアーポンプ(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−34469(P2009−34469A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223247(P2007−223247)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(394015383)東洋オートメーション株式会社 (7)