説明

地震発生通知装置、地震発生通知プログラムおよび地震発生通知方法

【課題】地震発生時の列車102の停止区間と減速区間とを切り分けて運転再開の迅速化や運転再開までの不便さの軽減を図ることができるようにする。
【解決手段】地震防災装置200は停止条件値と停止条件値より小さい減速条件値とを設定した警報条件テーブル292を記憶する。地震計データ受信部210は地震計101から計測値を受信する。警報要否判定部220は地震計データ受信部210によって受信された計測値を警報条件テーブル292に設定された停止条件値と減速条件値と比較する。警報要否判定部220によって計測値が停止条件値以上の値であると判定された場合、地震警報送信部230は列車102の停止要求を所定の電力供給装置111へ送信する。警報要否判定部220によって計測値が停止条件値未満で減速条件値以上の値であると判定された場合、地震警報送信部230は列車102の減速要求を所定の電力供給装置111へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、地震発生時に列車を停車または減速させるための地震発生通知装置、地震発生通知プログラムおよび地震発生通知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気象庁や防災科学技術研究所によって全国に多くの地震計が設置されている。
地震が発生した場合、気象庁は全国に設置された地震計を利用して震源と地震の規模(マグニチュード、震度)を推定し、推定した情報を緊急地震速報として提供している。
【0003】
また、鉄道会社は、各路線の線路沿いに独自に地震計を設置し、独自に設置した地震計を地震発生時の列車の運行管理に用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−343126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地震計が地震の揺れを検出したときに電力供給を停止して新幹線を停止させた場合、運転を再開するためには電力供給を再開する必要がある。この場合、安全を確認したときに新幹線の運転をすぐには再開できない。また、電力供給を停止している間、エアコンの停止やトイレの使用不能などの不便が生じる。
一方、新幹線を停止させる代わりに減速させて電力供給を続ければ、安全確認時の通常運転の再開が早く、通常運転が再開されるまでの間、エアコンやトイレを使用することができる。
【0006】
本発明は、例えば、地震発生時の新幹線(車両の一例)の停止区間と減速区間とを切り分けて運転再開の迅速化や運転再開までの不便さの軽減を図ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の地震発生通知装置は、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部と、
地震計から計測値を受信する計測値受信部と、
前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部とを備える。
【0008】
前記地震発生通知装置は、さらに、
前記計測値受信部によって所定の収集時間内に前記地震計から受信された複数の計測値を記憶する計測値記憶部を備え、
前記通知条件判定部は、前記地震計の計測値として前記所定の収集時間内の最大の計測値を前記計測値記憶部から選択し、選択した計測値を前記停止条件値と前記減速条件値と比較する。
【0009】
前記車両の停止条件が列車の停止条件であり、前記車両の減速条件が列車の減速条件であり、
前記端末装置が列車の走行を制御する列車制御装置である。
【0010】
前記条件値記憶部は、列車の路線区間と地震計と停止条件値と減速条件値とを対応付けて記憶し、
前記計測値受信部は、複数の地震計のうちいずれかの地震計から計測値を受信し、
前記通知条件判定部は、前記計測値受信部によって受信された計測値を計測した地震計に対応する停止条件値と減速条件値とを前記条件値記憶部から取得し、取得した停止条件値と減速条件値とを前記計測値と比較し、
前記地震発生通知部は、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値に対応する前記列車の路線区間を示す路線区間情報を含めて前記停止通知を送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値と前記減速条件値とに対応する前記列車の路線区間を示す区間情報を含めて前記減速通知を送信する。
【0011】
本発明の地震発生通知プログラムは、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置を機能させる。
前記地震発生通知プログラムは、
地震計から計測値を受信する計測値受信部と、
前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部として前記地震発生通知装置を機能させる。
【0012】
前記地震発生通知装置は、さらに、
前記計測値受信部によって所定の収集時間内に前記地震計から受信された複数の計測値を記憶する計測値記憶部を備え、
前記通知条件判定部は、前記地震計の計測値として前記所定の収集時間内の最大の計測値を前記計測値記憶部から選択し、選択した計測値を前記停止条件値と前記減速条件値と比較する。
【0013】
前記車両の停止条件が列車の停止条件であり、前記車両の減速条件が列車の減速条件であり、
前記端末装置が列車の走行を制御する列車制御装置である。
【0014】
前記条件値記憶部は、列車の路線区間と地震計と停止条件値と減速条件値とを対応付けて記憶し、
前記計測値受信部は、複数の地震計のうちいずれかの地震計から計測値を受信し、
前記通知条件判定部は、前記計測値受信部によって受信された計測値を計測した地震計に対応する停止条件値と減速条件値とを前記条件値記憶部から取得し、取得した停止条件値と減速条件値とを前記計測値と比較し、
前記地震発生通知部は、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値に対応する前記列車の路線区間を示す路線区間情報を含めて前記停止通知を送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値と前記減速条件値とに対応する前記列車の路線区間を示す区間情報を含めて前記減速通知を送信する。
【0015】
本発明の地震発生通知方法は、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置によって実行する。
前記地震発生通知方法は、
計測値受信部が、地震計から計測値を受信し、
通知条件判定部が、前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定し、
地震発生通知部が、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する。
【0016】
本発明の地震発生通知装置は、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部と、
地震計から計測データを受信する計測データ受信部と、
前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出する指標値算出部と、
前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部とを備える。
【0017】
本発明の地震発生通知プログラムは、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置を機能させる。
前記地震発生通知プログラムは、
地震計から計測データを受信する計測データ受信部と、
前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出する指標値算出部と、
前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部として前記地震発生通知装置を機能させる。
【0018】
本発明の地震発生通知方法は、
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置によって実行する。
前記地震発生通知方法は、
計測データ受信部が、地震計から計測データを受信し、
指標値算出部が、前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出し、
通知条件判定部が、前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定し、
地震発生通知部が、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、例えば、地震発生時に新幹線(車両の一例)の停止または減速を通知することにより、新幹線の停止区間と減速区間とを切り分けて運転再開の迅速化や運転再開までの不便の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態1における地震防災システム100の概要図。
【図2】実施の形態1における地震防災システム100の構成図。
【図3】実施の形態1における警報条件テーブル292の一例を示す図。
【図4】実施の形態1における地震防災装置200の地震防災方法を示すフローチャート。
【図5】実施の形態1における地震防災装置200のハードウェア資源の一例を示す図。
【図6】実施の形態2における地震防災システム100の構成図。
【図7】実施の形態2における地震防災装置200の地震防災方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1.
地震計によって計測された計測値に基づいて車両の停止区間と減速区間とを通知する形態について説明する。
【0022】
図1は、実施の形態1における地震防災システム100の概要図である。
実施の形態1における地震防災システム100の概要について、図1に基づいて説明する。
【0023】
(1)地震防災システム100において、各地に設置された複数の地震計101a−dは地面の揺れの大きさを計測し、計測値を地震防災装置200へ送信する。
【0024】
(2)地震防災装置200は、大きな揺れを計測した地震計101がある場合、その地震計101が設置されている路線区間を列車102(新幹線、但し、在来線であってもよい)の停車区間として電力供給装置111に通知する。また、小さな揺れを計測した地震計101がある場合、その地震計101が設置されている路線区間を列車102の減速区間として電力供給装置111に通知する。
例えば、東京駅−品川駅間に設置されている地震計101aと地震計101bとが大きな揺れを計測した場合、地震防災装置200は東京駅−品川駅間を列車102の停車区間として電力供給装置111に通知する。また、品川駅−新横浜駅間に設置されている地震計101cと地震計101dとが小さな揺れを計測した場合、地震防災装置200は品川駅−新横浜駅間を列車102の減速区間として電力供給装置111に通知する。
(3)電力供給装置111は、地震防災装置200から通知された停車区間を走行している列車102を停車させ、地震防災装置200から通知された減速区間を走行している列車102を減速させる。
例えば、地震防災装置200から停車区間「東京駅−品川駅」が通知された場合、電力供給装置111は東京駅−品川駅間を走行している列車102aを停車させる。また、地震防災装置200から減速区間「品川駅−新横浜駅」が通知された場合、電力供給装置111は品川駅−新横浜駅間を走行している列車102bを減速させる。
【0025】
図2は、実施の形態1における地震防災システム100の構成図である。
実施の形態1における地震防災システム100の構成について、図2に基づいて説明する。
【0026】
地震防災システム100は、地震防災装置200と、複数の地震計101と、複数の電力供給装置111とを有する。
【0027】
複数の地震計101は全国各地に設置される。
例えば、気象庁や防災科学技術研究所が各地に設置した各地震計や、各鉄道事業者が自社の路線の線路沿いに設置した各地震計を複数の地震計101として利用するとよい。
【0028】
各地震計101は、設置された地点の地面の揺れの大きさ(例えば、加速度、SI(Spectrum Intensity)値または震度)を所定の計測周期(例えば、100分の1秒間隔)で計測し、計測した各計測値を表す地震計データを所定の送信周期(例えば、1秒間隔)で地震防災装置200へ送信する。
【0029】
電力供給装置111(端末装置、列車制御装置の一例)は、各路線の各列車102への電力の供給量を調整して各列車102の走行(通常走行、停止または減速)を制御する装置(コンピュータ)である。
【0030】
地震防災装置200(地震発生通知装置の一例)は、地震計データ受信部210、警報要否判定部220、地震警報送信部230および地震防災記憶部290を備える。
【0031】
地震防災記憶部290(条件値記憶部、計測値記憶部の一例)は、地震防災装置200が使用するデータを記憶する。
例えば、地震防災記憶部290は、各地震計101に対応付けた計測値データ291と各路線(の電力供給装置111)に対応付けた警報条件テーブル292とを記憶する。
【0032】
計測値データ291は、地震計データ受信部210によって所定の収集時間(例えば、30分)内に受信された地震計データ内の計測値を設定したデータである。
つまり、計測値データ291は、地震計101によって所定の収集時間内に計測された計測値を含んだデータである。
【0033】
警報条件テーブル292は、停止条件値(例えば、加速度、SI値または震度)と停止条件値より小さい減速条件値とを設定したデータである。
例えば、警報条件テーブル292は、列車102の路線区間と地震計101と停止条件値と減速条件値とを対応付けたデータである。
【0034】
地震計データ受信部210(計測値受信部の一例)は、各地震計101から周期的に送信される地震計データを受信する。
つまり、地震計データ受信部210は、各地震計101から計測値を受信する。
【0035】
警報要否判定部220(通知条件判定部の一例)は、地震計データ受信部210によって受信された計測値を警報条件テーブル292に設定された停止条件値と減速条件値と比較する。
警報要否判定部220は、計測値が停止条件値以上の値と停止条件値未満で減速条件値以上の値と減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する。
【0036】
例えば、警報要否判定部220は、以下のように計測値を停止条件値と減速条件値と比較する。
警報要否判定部220は、地震計101の計測値として所定の収集時間内の最大の計測値を計測値データ291から選択し、選択した計測値を停止条件値と減速条件値と比較する。
警報要否判定部220は、地震計データ受信部210によって受信された計測値を計測した地震計101に対応する停止条件値と減速条件値とを警報条件テーブル292から取得し、取得した停止条件値と減速条件値とを計測値と比較する。
【0037】
地震警報送信部230(地震発生通知部の一例)は、警報要否判定部220によって計測値が停止条件値以上の値であると判定された場合、列車102の停止を指示する地震警報データ(車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知の一例)を当該路線の電力供給装置111へ送信する。
地震警報送信部230は、警報要否判定部220によって計測値が停止条件値未満で減速条件値以上の値であると判定された場合、列車102の減速を指示する地震警報データ(車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知の一例)を当該路線の電力供給装置111へ送信する。
【0038】
例えば、地震警報送信部230は、警報要否判定部220によって計測値が停止条件値以上の値であると判定された場合、停止条件値に対応する列車102の路線区間(停止区間)を示す路線区間情報を含めて地震警報データを送信する。
また、地震警報送信部230は、警報要否判定部220によって計測値が停止条件値未満で減速条件値以上の値であると判定された場合、停止条件値と減速条件値とに対応する列車102の路線区間(減速区間)を示す区間情報を含めて地震警報データを送信する。
【0039】
図3は、実施の形態1における警報条件テーブル292の一例を示す図である。
実施の形態1における警報条件テーブル292の一例について、図3に基づいて説明する。
【0040】
例えば、警報条件テーブル292は路線(電力供給装置111)別に設ける。
【0041】
警報条件テーブル292は「区間」「制御種別」「警報条件」を対応付けたデータである。
【0042】
「区間」は、路線内の区間(識別子)を示す。
「制御種別」は、列車102の“停止”または“減速”を示す。
「警報条件」は、地震計(の識別子)と条件値とを対応付けた一つまたは複数の「個別条件」を含んでいる。全ての個別条件を満たした場合に警報条件を満たす。一つの区間に対して一つまたは複数の警報条件を設定する。
【0043】
例えば、地震計Saの計測値が150以上である場合、項番1の警報条件を満たす。地震計Saの計測値が100以上であって、且つ、地震計Sbの計測値が70以上である場合、項番2の警報条件を満たす。
また、地震計Saの計測値が100以上150未満であって、且つ、地震計Sbの計測値が70未満である場合、項番1または項番2の警報条件は満たさないが、項番4の警報条件は満たす。
【0044】
例えば、項番1から項番3の少なくともいずれかの警報条件を満たす場合、地震防災装置200は、東京駅−品川駅間が列車102を停止する必要がある路線区間(以下「停止区間」という)であることを通知する地震警報データを当該路線の電力供給装置111へ送信する。
また、項番1から項番3のいずれの警報条件も満たさず、項番4から項番6の少なくともいずれかの警報条件を満たす場合、地震防災装置200は、東京駅−品川駅が列車102を減速する必要がある路線区間(以下「減速区間」という)であることを通知する地震警報データを当該路線の電力供給装置111へ送信する。
【0045】
図4は、実施の形態1における地震防災装置200の地震防災方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における地震防災装置200の地震防災方法について、図4に基づいて説明する。
【0046】
S110において、各地震計101は、設置された地点の地面の揺れの大きさ(例えば、加速度)を所定の計測周期(例えば、100分の1秒間隔)で計測し、計測した各計測値と各計測値を計測した計測時刻とを表す地震計データを所定の送信周期(例えば、1秒間隔)で地震防災装置200へ送信する。
地震計データ受信部210は、各地震計101から周期的に送信される地震計データを受信する。
S110の後、S120に進む。
【0047】
S120において、地震計データ受信部210は、S110で受信した各地震計101の地震計データから地震計データに設定されている各計測値と各計測値の計測時刻とを取得し、取得した各計測値と各計測値の計測時刻とを対応付けて当該地震計101の計測値データ291に追加で設定する。
S120の後、S130に進む。
【0048】
S130において、警報要否判定部220は、各地震計101の計測値データ291から計測値を1つずつ選択する。つまり、警報要否判定部220は、地震計101毎に1つの計測値を選択する。
例えば、警報要否判定部220は、現在時刻から所定の収集時間前(例えば30秒前)の過去時刻までの間に計測された複数の計測値を各地震計101の計測値データ291から取得し、取得した複数の計測値から最大の計測値を選択する。但し、警報要否判定部220は、最新の計測値を選択してもよい。
S130の後、S140に進む。
【0049】
警報要否判定部220は、各路線用の警報条件テーブル292を地震防災記憶部290から取得し、取得した警報条件テーブル292毎にS140からS152の処理を行う(図示省略)。
【0050】
S140において、警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から各路線区間の「停止」の警報条件を取得し、取得した「停止」の警報条件毎に各地震計101の条件値とS130で選択した各地震計101の計測値とを比較する。
【0051】
例えば、警報要否判定部220は、以下のように各地震計101の条件値と計測値とを比較する。
【0052】
警報要否判定部220は、図3に示した警報条件テーブル292から項番1の警報条件「Sa(150)」を取得する。
警報要否判定部220は、S130で選択した各地震計101の計測値から警報条件で指定された地震計Saの計測値を取得する。
警報要否判定部220は、地震計Saの計測値と警報条件の条件値(150)とを比較する。
【0053】
警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から項番2の警報条件「Sa(100)」「Sb(70)」を取得する。
警報要否判定部220は、S130で選択した各地震計101の計測値から警報条件で指定された地震計Saと地震計Sbとのそれぞれの計測値を取得する。
警報要否判定部220は、地震計Saの計測値と警報条件の条件値(100)とを比較し、地震計Sbの計測値と警報条件の条件値(70)とを比較する。
【0054】
警報要否判定部220は、同様に、項番3の警報条件について地震計Saと地震計Sbと地震計Scとのそれぞれの計測値と条件値とを比較し、項番7の警報条件について地震計Sdの計測値と条件値とを比較する。
【0055】
S140の後、S141に進む。
【0056】
S141において、警報要否判定部220は、S140の比較結果に基づいて「停止」の各警報条件を満たすか否かを判定する。
【0057】
例えば、地震計Saの計測値が「160(≧150)」である場合、図3に示した項番1の警報条件「Sa(150)」を満たす。地震計Saの計測値が「140(<150)」の場合、項番1の警報条件「Sa(150)」を満たさない。
また、地震計Saの計測値が「110(≧100)」であり、地震計Sbの計測値が「80(≧70)」である場合、図3に示した項番2の警報条件「Sa(100)」「Sb(70)」を満たす。地震計Saの計測値が「100」未満である場合や地震計Sbの計測値が「70」未満である場合、項番2の警報条件を満たさない。
【0058】
少なくともいずれかの「停止」の警報条件を満たす場合(YES)、S142に進む。例えば、図3に示した項番1、2、3または7の警報条件を満たす場合、S142に進む。
いずれの「停止」の警報条件も満たさない場合(NO)、S150に進む。
【0059】
S142において、地震警報送信部230は、「停止」の警報条件を満たした路線区間(停止区間)を示す地震警報データを生成し、生成した地震警報データを当該路線の列車102を走行制御する電力供給装置111へ送信する。
【0060】
例えば、各電力供給装置111のアドレスを設定したアドレステーブルを地震防災記憶部290に予め記憶する。地震警報送信部230は、当該警報条件を含んだ警報条件テーブル292に対応する電力供給装置111のアドレスをアドレステーブルから取得し、取得したアドレスを送信先アドレスにして地震警報データを送信する。
【0061】
例えば、図3に示した項番1から項番3の少なくともいずれかの警報条件を満たした場合、地震警報送信部230は、停止区間「東京駅−品川駅」を示す地震警報データを当該路線の電力供給装置111へ送信する。
【0062】
地震警報データを受信した電力供給装置111は、地震警報データに示される停止区間への電力供給を停止することにより、停止区間を走行している列車102を停車させる。
停車区間への電力供給を停止して列車102を停車させることにより、列車運行の安全性を確保することができる。
【0063】
S142の後、S150に進む。
【0064】
S150において、警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から各路線区間の「減速」の警報条件を取得し、取得した「減速」の警報条件毎に各地震計101の条件値とS130で選択した各地震計101の計測値とを比較する。
【0065】
例えば、警報要否判定部220は、以下のように各地震計101の条件値と計測値とを比較する。
【0066】
警報要否判定部220は、図3に示した警報条件テーブル292から項番4の警報条件「Sa(100)」を取得する。
警報要否判定部220は、S130で選択した各地震計101の計測値から警報条件で指定された地震計Saの計測値を取得する。
警報要否判定部220は、地震計Saの計測値と警報条件の条件値(100)とを比較する。
【0067】
警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から項番5の警報条件「Sa(80)」「Sb(50)」を取得する。
警報要否判定部220は、S130で選択した各地震計101の計測値から警報条件で指定された地震計Saと地震計Sbとのそれぞれの計測値を取得する。
警報要否判定部220は、地震計Saの計測値と警報条件の条件値(80)とを比較し、地震計Sbの計測値と警報条件「Sb(70)」の条件値(70)とを比較する。
【0068】
警報要否判定部220は、同様に、項番6の警報条件について地震計Saと地震計Sbと地震計Scとのそれぞれの計測値と条件値とを比較する。
【0069】
S150の後、S151に進む。
【0070】
S151において、警報要否判定部220は、S150の比較結果に基づいて「減速」の各警報条件を満たすか否かを判定する。
【0071】
例えば、地震計Saの計測値が「110(≧100)」である場合、図3に示した項番4の警報条件「Sa(100)」を満たす。地震計Saの計測値が「90(<100)」の場合、項番4の警報条件「Sa(100)」を満たさない。
また、地震計Saの計測値が「90(≧80)」であり、地震計Sbの計測値が「60(≧50)」である場合、図3に示した項番5の警報条件「Sa(80)」「Sb(50)」を満たす。地震計Saの計測値が「80」未満である場合や地震計Sbの計測値が「50」未満である場合、項番5の警報条件を満たさない。
【0072】
少なくともいずれかの「減速」の警報条件を満たす場合(YES)、S152に進む。例えば、図3に示した項番4、5または6の警報条件を満たす場合、S152に進む。
いずれの「減速」の警報条件も満たさない場合(NO)、S110に戻る。
【0073】
S152において、地震警報送信部230は、「減速」の警報条件を満たした路線区間(減速区間)を示す地震警報データを生成し、生成した地震警報データを当該路線の列車102を走行制御する電力供給装置111へ送信する(S142と同様)。
【0074】
例えば、図3に示した項番4から項番6の少なくともいずれかの警報条件を満たした場合、地震警報送信部230は、減速区間「東京駅−品川駅」を示す地震警報データを当該路線の電力供給装置111へ送信する。
【0075】
地震警報データを受信した電力供給装置111は、地震警報データに示される減速区間への電力の供給量を減らす(例えば、電圧を下げる)ことにより、減速区間を走行している列車102を減速させる。
減速区間への電力の供給量を減らして列車102を減速させることにより、列車運行の安全性を確保することができる。また、電力供給を続けることにより、運転再開までの乗客の利便性(エアコンの稼働やトイレの使用)を確保し、地震が治まったときには運転再開を迅速に行うことができる。
【0076】
S152の後、S110に戻る。
【0077】
上記した地震防災方法により、地震防災装置200は、各地震計101の計測値に基づいて停車区間と減速区間とを判定し、停車区間を走行している列車102を停車させ、減速区間を走行している列車102を減速させる。
【0078】
図5は、実施の形態1における地震防災装置200のハードウェア資源の一例を示す図である。
図5において、地震防災装置200(コンピュータの一例)は、CPU901(Central Processing Unit)を備えている。CPU901は、バス902を介してROM903、RAM904、通信装置905、ディスプレイ911(表示装置)、キーボード912、マウス913、ドライブ装置914、磁気ディスク装置920などのハードウェアデバイスと接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。ドライブ装置914は、FD(Flexible Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体を読み書きする装置である。
ROM903、RAM904、磁気ディスク装置920およびドライブ装置914は記憶装置の一例である。キーボード912、マウス913および通信装置905は入力装置の一例である。ディスプレイ911および通信装置905は出力装置の一例である。
【0079】
通信装置905は、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、電話回線などの通信網に接続している。
【0080】
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、プログラム群922、ファイル群923が記憶されている。
【0081】
プログラム群922には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれる。プログラム(例えば、地震発生通知プログラム)は、CPU901により読み出され実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、また「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0082】
ファイル群923には、実施の形態において説明する「〜部」で使用される各種データ(入力、出力、判定結果、計算結果、処理結果など)が含まれる。
【0083】
実施の形態において構成図およびフローチャートに含まれている矢印は主としてデータや信号の入出力を示す。
フローチャートなどに基づいて説明する実施の形態の処理はCPU901、記憶装置、入力装置、出力装置などのハードウェアを用いて実行される。
【0084】
実施の形態において「〜部」として説明するものは「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実装されても構わない。
【0085】
実施の形態1において、地震防災装置200は、電力供給装置111以外の端末装置に地震警報データを送信しても構わない。
例えば、地震防災装置200は、各鉄道事業者が各列車102を制御するための鉄道事業者端末に地震警報データを送信しても構わない。鉄道事業者端末は、地震警報データに基づいて電力供給装置111を制御することにより、停車区間の列車102を停車させ、減速区間の列車102を減速させる。鉄道事業者端末は、各列車102が走行している路線区間を示す列車管理データに基づいて停車区間(または減速区間)を走行している列車102を特定し、特定した列車102の運転台装置に地震警報データを送信しても構わない。運転台装置は、運転士に停車(または減速)を促すために警報ランプを点灯させたり、警報音を鳴らしたりする。地震防災装置200は、鉄道事業者端末の代わりに停車区間(または減速区間)を走行している列車102を特定し、特定した列車102の運転台装置に地震警報データを送信して運転士に停車(または減速)を促してもよい。
【0086】
地震防災システム100は、バス(自動車)や遊園地の乗り物など、列車102以外の車両を制御対象にしてもよい。地震防災装置200は、制御対象の車両を制御する制御装置に地震警報データを送信して車両を停止または減速させる。
【0087】
実施の形態2.
地震計によって計測された計測値(例えば、加速度)に基づいて地震の大きさを表す指標値(例えば、SI値または震度)を算出し、算出した指標値に基づいて車両の停止区間と減速区間とを通知する形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略した事項については実施の形態1と同様である。
【0088】
図6は、実施の形態2における地震防災システム100の構成図である。
実施の形態2における地震防災システム100の構成について、図6に基づいて説明する。
【0089】
地震防災システム100は、実施の形態1で説明した構成(図2参照)に加えて、指標値算出部240を備える。
【0090】
指標値算出部240は、地震計データ受信部210(計測データ受信部の一例)によって受信された地震計データ(計測データの一例)に基づいて地震の大きさを表す指標値を算出する。
【0091】
警報要否判定部220は、指標値算出部240によって算出された指標値を警報条件テーブル292に設定された停止条件値と減速条件値と比較する。
警報要否判定部220は、指標値が停止条件値以上の値と停止条件値未満で減速条件値以上の値と減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する。
【0092】
地震警報送信部230は、警報要否判定部220によって指標値が停止条件値以上の値であると判定された場合、列車102の停止を指示する地震警報データ(停止通知の一例)を当該路線の電力供給装置111へ送信する。
地震警報送信部230は、警報要否判定部220によって指標値が停止条件値未満で減速条件値以上の値であると判定された場合、列車102の減速を指示する地震警報データ(減速通知の一例)を当該路線の電力供給装置111へ送信する。
【0093】
以下、指標値算出部240によって算出された指標値を設定するデータを指標値データ293という。
【0094】
警報条件テーブル292には、指標値の種類(例えば、SI値、震度)に応じて適当な値を停止条件値または減速条件値として設定する。
【0095】
図7は、実施の形態2における地震防災装置200の地震防災方法を示すフローチャートである。
実施の形態2における地震防災装置200の地震防災方法について、図7に基づいて説明する。
【0096】
地震防災装置200は、実施の形態1(図4参照)で説明したS120、S130、S140およびS150の代わりに、S120B、S130B、S140BおよびS150Bを実行する。
以下、S120B、S130B、S140BおよびS150Bについて主に説明する。
【0097】
地震計データ受信部210は各地震計101から地震計データを受信する(S110)。
地震計データは送信周期内に計測された各時刻の加速度を示す。
【0098】
S120Bにおいて、指標値算出部240は、各地震計101の地震計データが示す各時刻の加速度に基づいて、地震の大きさを表す指標値としてSI値を算出する。
指標値算出部240は、算出した各地震計データの指標値を算出時刻と対応付けて各地震計101の指標値データ293に追加で設定する。つまり、指標値データ293は各時刻のSI値を示す。
但し、指標値算出部240はSI値の代わりに他の指標値(例えば、震度)を算出しても構わない。
SI値や震度を算出する計算方法は任意であり、例えば、従来の緊急地震速報で用いる計算方法を利用してもよい。
S120Bの後、S130Bに進む。
【0099】
S130Bにおいて、警報要否判定部220は、各地震計101の指標値データ293から指標値を1つずつ選択する。つまり、警報要否判定部220は、地震計101毎に1つの指標値を選択する。選択方法は実施の形態1のS130と同様である。
例えば、警報要否判定部220は、現在時刻から所定の収集時間前の過去時刻までの複数の指標値のうち最大の指標値または最新の指標値を選択する。
S130Bの後、S140Bに進む。
【0100】
警報要否判定部220は、各路線用の警報条件テーブル292を地震防災記憶部290から取得し、取得した警報条件テーブル292毎にS140BからS152の処理を行う(図示省略)。
【0101】
S140Bにおいて、警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から各路線区間の「停止」の警報条件を取得し、取得した「停止」の警報条件毎に各地震計101の条件値とS130Bで選択した各地震計101の指標値とを比較する。比較方法は実施の形態1のS140と同様である。つまり、警報要否判定部220は、計測値の代わりに指標値を「停止」の条件値と比較する。
S140Bの後、S141に進む。
【0102】
S141およびS142は実施の形態1と同様である。
【0103】
S150Bにおいて、警報要否判定部220は、警報条件テーブル292から各路線区間の「減速」の警報条件を取得し、取得した「減速」の警報条件毎に各地震計101の条件値とS130Bで選択した各地震計101の指標値とを比較する。比較方法は実施の形態1のS150と同様である。つまり、警報要否判定部220は、計測値の代わりに指標値を「減速」の条件値と比較する。
S150Bの後、S151に進む。
【0104】
S151およびS152は実施の形態1と同様である。
【0105】
実施の形態2により、地震計101の計測値ではなく地震計101の計測値から得られる指標値に基づいて車両の停止区間と減速区間とを通知することができる。
【0106】
地震計101の計測値を比較する計測値用の警報条件テーブル292と、地震計101の指標値を比較する指標値用の警報条件テーブル292とを用意してもよい。
警報要否判定部220は計測値用の警報条件テーブル292を用いて計測値と条件値との比較を行い(図4のS140、S150)、指標値用の警報条件テーブル292を用いて指標値と条件値との比較を行う(図7のS140B、S150B)。
地震警報送信部230は計測値用の警報条件テーブル292に設定された警報条件と指標値用の警報条件テーブル292に設定された警報条件との少なくともいずれか又は両方を満たした場合に地震警報データを送信する(図4、7のS141、S142、S151、S152)。
【0107】
SI値(第一の指標値の一例)用の警報条件テーブル292と、震度(第二の指標値の一例)用の警報条件テーブル292とを用意してもよい。
警報要否判定部220はSI値用の警報条件テーブル292を用いてSI値と条件値との比較を行い(図7のS140B、S150B)、震度用の警報条件テーブル292を用いて震度と条件値との比較を行う(図9のS140B、S150B)。
地震警報送信部230はSI値用の警報条件テーブル292に設定された警報条件と震度用の警報条件テーブル292に設定された警報条件との少なくともいずれか又は両方を満たした場合に地震警報データを送信する(図7のS141、S142、S151、S152)。
【符号の説明】
【0108】
100 地震防災システム、101 地震計、102 列車、111 電力供給装置、200 地震防災装置、210 地震計データ受信部、220 警報要否判定部、230 地震警報送信部、240 指標値算出部、290 地震防災記憶部、291 計測値データ、292 警報条件テーブル、293 指標値データ、901 CPU、902 バス、903 ROM、904 RAM、905 通信装置、911 ディスプレイ、912 キーボード、913 マウス、914 ドライブ装置、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 プログラム群、923 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部と、
地震計から計測値を受信する計測値受信部と、
前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部と
を備えることを特徴とする地震発生通知装置。
【請求項2】
前記地震発生通知装置は、さらに、
前記計測値受信部によって所定の収集時間内に前記地震計から受信された複数の計測値を記憶する計測値記憶部を備え、
前記通知条件判定部は、前記地震計の計測値として前記所定の収集時間内の最大の計測値を前記計測値記憶部から選択し、選択した計測値を前記停止条件値と前記減速条件値と比較する
ことを特徴とする請求項1記載の地震発生通知装置。
【請求項3】
前記車両の停止条件が列車の停止条件であり、前記車両の減速条件が列車の減速条件であり、
前記端末装置が列車の走行を制御する列車制御装置である
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の地震発生通知装置。
【請求項4】
前記条件値記憶部は、列車の路線区間と地震計と停止条件値と減速条件値とを対応付けて記憶し、
前記計測値受信部は、複数の地震計のうちいずれかの地震計から計測値を受信し、
前記通知条件判定部は、前記計測値受信部によって受信された計測値を計測した地震計に対応する停止条件値と減速条件値とを前記条件値記憶部から取得し、取得した停止条件値と減速条件値とを前記計測値と比較し、
前記地震発生通知部は、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値に対応する前記列車の路線区間を示す路線区間情報を含めて前記停止通知を送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値と前記減速条件値とに対応する前記列車の路線区間を示す区間情報を含めて前記減速通知を送信する
ことを特徴とする請求項3記載の地震発生通知装置。
【請求項5】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置を機能させる地震発生通知プログラムであって、
地震計から計測値を受信する計測値受信部と、
前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された

場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部として前記地震発生通知装置を機能させる
ことを特徴とする地震発生通知プログラム。
【請求項6】
前記地震発生通知装置は、さらに、
前記計測値受信部によって所定の収集時間内に前記地震計から受信された複数の計測値を記憶する計測値記憶部を備え、
前記通知条件判定部は、前記地震計の計測値として前記所定の収集時間内の最大の計測値を前記計測値記憶部から選択し、選択した計測値を前記停止条件値と前記減速条件値と比較する
ことを特徴とする請求項5記載の地震発生通知プログラム。
【請求項7】
前記車両の停止条件が列車の停止条件であり、前記車両の減速条件が列車の減速条件であり、
前記端末装置が列車の走行を制御する列車制御装置である
ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の地震発生通知プログラム。
【請求項8】
前記条件値記憶部は、列車の路線区間と地震計と停止条件値と減速条件値とを対応付けて記憶し、
前記計測値受信部は、複数の地震計のうちいずれかの地震計から計測値を受信し、
前記通知条件判定部は、前記計測値受信部によって受信された計測値を計測した地震計に対応する停止条件値と減速条件値とを前記条件値記憶部から取得し、取得した停止条件値と減速条件値とを前記計測値と比較し、
前記地震発生通知部は、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値に対応する前記列車の路線区間を示す路線区間情報を含めて前記停止通知を送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、前記停止条件値と前記減速条件値とに対応する前記列車の路線区間を示す区間情報を含めて前記減速通知を送信する
ことを特徴とする請求項7記載の地震発生通知プログラム。
【請求項9】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置によって実行する地震発生通知方法であって、
計測値受信部が、地震計から計測値を受信し、
通知条件判定部が、前記計測値受信部によって受信された計測値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記計測値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定し、
地震発生通知部が、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記計測値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する
ことを特徴とする地震発生通知方法。
【請求項10】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部と、
地震計から計測データを受信する計測データ受信部と、
前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出する指標値算出部と、
前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部と
を備えることを特徴とする地震発生通知装置。
【請求項11】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置を機能させる地震発生通知プログラムであって、
地震計から計測データを受信する計測データ受信部と、
前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出する指標値算出部と、
前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定する通知条件判定部と、
前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する地震発生通知部として前記地震発生通知装置を機能させる
ことを特徴とする地震発生通知プログラム。
【請求項12】
停止条件値と前記停止条件値より小さい減速条件値とを記憶する条件値記憶部を備える地震発生通知装置によって実行する地震発生通知方法であって、
計測データ受信部が、地震計から計測データを受信し、
指標値算出部が、前記計測データ受信部によって受信された計測データに基づいて地震の大きさを表す指標値を算出し、
通知条件判定部が、前記指標値算出部によって算出された指標値を前記条件値記憶部に記憶された前記停止条件値と前記減速条件値と比較し、前記指標値が前記停止条件値以上の値と前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値と前記減速条件値未満の値とのいずれの値であるかを判定し、
地震発生通知部が、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値以上の値であると判定された場合、車両の停止条件を満たしたことを通知する停止通知を所定の端末装置へ送信し、前記通知条件判定部によって前記指標値が前記停止条件値未満で前記減速条件値以上の値であると判定された場合、車両の減速条件を満たしたことを通知する減速通知を前記所定の端末装置へ送信する
ことを特徴とする地震発生通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−96776(P2013−96776A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238253(P2011−238253)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)