説明

均一な材料を形成するための回転プロセス

ポリマーフィブリル、またはフィブリルと粒子との組合せを含んでなる薄い均一な膜であって、フィブリルがランダムに回旋状の断面を有する膜、および膜を製造するためのプロセスを開示する。膜は、複合シートの一部として基材の表面上に存在するか、独立構造として存在することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ロータから材料を噴出し、別々のフィブリル、または別々のフィブリルと別々の粒子との組合せを含んでなる繊維不織シートまたは膜の形態で材料の一部を捕集する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュ紡糸は、非常に高い噴出速度を有するスプレープロセスの例である。フラッシュ紡糸プロセスは、「紡糸剤」とここで呼ばれる揮発性流体を有する溶液中の繊維形成物質を、高温高圧環境から、より低い温度、より低い圧力の環境中に通過させ、紡糸剤が、フラッシュされるか気化されることを引起し、繊維、フィブリル、フォーム、またはプレキシフィラメント状(plexifilamentary)フィルム−フィブリルストランドまたはウェブなどの材料を製造することを伴う。材料が紡糸される温度は、紡糸剤の雰囲気沸点より高く、それにより、紡糸剤は、ノズルから噴出すると気化し、ポリマーが固化して、繊維、フォーム、またはフィルム−フィブリルストランドになることを引起す。プレキシフィラメント状フィルム−フィブリルストランド材料のウェブ層を形成するための従来のフラッシュ紡糸プロセスが、特許文献1(ブレード(Blades)ら)、特許文献2(スチューバー(Steuber))、および特許文献3(ブレード(Blades)ら)、特許文献4(ブレサウアー(Brethauer)ら)に開示されている。しかし、これらの従来のフラッシュ紡糸プロセスによって形成されたウェブ層は、完全に均一ではない。
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,081,519号明細書
【特許文献2】米国特許第3,169,899号明細書
【特許文献3】米国特許第3,227,784号明細書
【特許文献4】米国特許第3,851,023号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ランダムに回旋状の(convoluted)断面のポリマーフィブリルを含んでなる膜であって、厚さが約50μm以下であり、縦方向均一性指数(machine direction uniformity index)が約29(g/m1/2以下である膜に関する。
【0005】
別の実施形態において、本発明は、(a)紡糸剤と、異なった溶融温度または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーとを含んでなる流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、ロータの周囲に沿って、中に開口部を含んでなる少なくとも1つの材料噴出(material−issuing)ノズルを有することを特徴とする工程と、(b)材料噴出速度で、流体化混合物を、ノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、噴出された材料を形成する工程と、(c)噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、(d)噴出された材料の残りの成分を、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、噴出された材料の残りの成分を捕集して、捕集された材料を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程と、(f)捕集された材料の温度を、最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーの温度より高い温度で、最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーを粘着性にするのに十分な時間の間保持する工程とを含んでなる方法に関する。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、別々のフィブリルを含んでなる材料を形成するための方法であって、(a)約0.5重量%から約5重量%の濃度における紡糸剤中のポリマーの溶液を含んでなる流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、ロータの周囲に沿って、中に開口部を含んでなる材料噴出ノズルを有することを特徴とする工程と、(b)材料噴出速度で、流体化混合物を、ノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、噴出された材料を形成する工程と、(c)噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、(d)噴出された材料の残りの成分から形成された別々のフィブリルを、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、別々のフィブリルを捕集して、厚さが約50μm以下である膜を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程とを含んでなる方法に関する。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、(a)異なったポリマー成分を含んでなる2つの別個の流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、少なくとも2つの別個の材料噴出ノズルを有し、各ノズルが、ロータの周囲に沿って、その中に開口部を含んでなることを特徴とする工程と、(b)各ノズルから、材料噴出速度で、2つの別個の流体化混合物を、別個のノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、別個の噴出された材料を形成する工程と、(c)各別個の噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、(d)各別個の噴出された材料の残りの成分を、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、各別個の噴出された材料の残りの成分を捕集して、捕集された材料を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程とを含んでなる方法に関する。
【0008】
定義
「ジェット」および「流体ジェット」という用語は、気体、空気、または蒸気を含む流体の空気力学的移動流を指すように、交換可能に本明細書で使用される。「搬送ジェット」および「材料搬送ジェット」という用語は、その流れの中で材料を輸送する流体ジェットを指すように、交換可能に本明細書で使用される。
【0009】
「縦方向」(MD)という用語は、移動捕集表面の移動の方向を指すように本明細書で使用される。「横方向」(CD)は縦方向に垂直な方向である。
【0010】
本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、一般に、ホモポリマー、コポリマー(たとえば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、および交互コポリマーなど)、ターポリマーなど、ならびにそれらのブレンドおよび変性物を含むが、これらに限定されない。さらに、特に限定しない限り、「ポリマー」という用語は、イソタクチック、シンジオタクチック、およびランダム対称を含むがこれらに限定されない、分子のすべての可能な幾何学的構成を含むものとする。
【0011】
本明細書で使用される「ポリオレフィン」という用語は、炭素および水素のみから構成された一連の大部分飽和ポリマー炭化水素のいずれかを意味することが意図される。典型的なポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ならびにモノマーエチレン、モノマープロピレン、およびモノマーメチルペンテンのさまざまな組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本明細書で使用される「ポリエチレン」という用語は、エチレンのホモポリマーだけでなく、エチレンとα−オレフィンとのコポリマーなどの、繰返し単位の少なくとも85%がエチレン単位であるコポリマーも網羅することが意図される。好ましいポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、および線状高密度ポリエチレンが挙げられる。好ましい線状高密度ポリエチレンは、約130℃から140℃の上限溶融範囲、1立方センチメートルあたり約0.941から0.980グラムの範囲内の密度、および0.1から100、好ましくは4未満のメルトインデックス(ASTM D−1238−57T条件Eによって規定されるような)を有する。
【0013】
本明細書で使用される「ポリプロピレン」という用語は、プロピレンのホモポリマーだけでなく、繰返し単位の少なくとも85%がプロピレン単位であるコポリマーも含むことが意図される。好ましいポリプロピレンポリマーとしては、イソタクチックポリプロピレンおよびシンジオタクチックポリプロピレンが挙げられる。
【0014】
「紡糸剤」という用語は、フラッシュ紡糸することができるポリマー溶液中の揮発性流体を指すように本明細書で使用される。
【0015】
「膜」という用語は、50マイクロメートル未満の厚さの薄い均一なシート材料を指すように本明細書で使用される。
【0016】
「フィブリル」および「別々のフィブリル」という用語は、ランダムに回旋状の断面を有するポリマーの不連続ストランドを指すように、交換可能に本明細書で使用される。
【0017】
本明細書に組入れられ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の現在好ましい実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態を詳細に言及し、これらの例は、添付の図面に示されている。図面全体を通して、同じ参照符号が、同じ要素を示すように用いられる。
【0019】
従来のフラッシュ紡糸プロセスでの1つの困難は、ウェブ層を、完全に広がった状態で、かつそれらが移動している速度で捕集しようと試みることにあり、これは、厚さおよび坪量の優れた均一性を有する製品をもたらすであろう。従来のプロセスにおいて、またウェブ層が形成される速度である、溶液がノズルから推進される速度は、紡糸剤の分子量によって、1時間あたり300キロメートルのオーダであり、ウェブ層は、典型的には、1時間あたり8〜22キロメートルの速度で移動するベルト上に捕集される。ウェブ形成速度とウェブ巻取速度との間の差だけプロセスに導入されたたるみのいくらかが、ウェブ層を機械横断方向(cross−machine direction)に振動させることによってとられるが、これは、均一に堆積された別々のフィブリルをもたらさない。
【0020】
本発明者らは、スプレーされた微粒子のより均一な堆積、特に、分布および坪量の向上された均一性を有する、別々のフィブリル、または別々のフィブリルと別々のポリマー粒子との組合せをもたらすプロセスを開発した。
【0021】
本発明者らは、ノズルから流体ジェットによって噴出されたまたは「紡糸された」、別々のフィブリル、または別々のフィブリルと別々のポリマー粒子との組合せの捕集の速度が、フィブリル、または別々のフィブリルおよび別々の粒子が噴出される速度とより厳密に一致するプロセス、ならびに流体化混合物を回転ノズルから流体ジェットによって噴出し、それによって形成された固体を、それらが噴出される速度に近似する速度で捕集することによって、繊維シート材料または膜の形態の材料を形成するためのプロセスを開発した。
【0022】
本発明のプロセスにおいて、少なくとも2つの成分を含んでなる流体化混合物が、軸の周りを回転するロータに配置されたノズルに供給される。流体化混合物は、大気圧より大きい圧力でノズルに供給される。流体化混合物は、ノズルの開口部から高速で噴出されまたは「紡糸され」て、噴出された材料を形成する。ノズルの厳密な形態は、噴出されている材料のタイプ、および所望の製品による。ノズルは、流体化混合物を受けるための入口端部と、混合物を噴出された材料として噴出するための、ロータの外周に開く出口端部とを有する。ノズルの出口端部から、ロータを囲むより低い圧力の環境中に噴出すると、噴出された材料の成分の1つが、すぐに、蒸気相に変えられるか、すでに蒸気相である場合、急速に膨張され、噴出された材料の残りの成分は、固化され、ノズルから推進される。好ましくは、流体化混合物のマスの少なくとも半分が、ノズルから噴出すると、気化されるか、蒸気として膨張される。
【0023】
また「固化した材料」とここで呼ばれる、噴出されるとすぐに気化しない固化した材料である、噴出された材料の残りの成分は、別々のフィブリル、または別々のフィブリルと別々のポリマー粒子との組合せの形態をとることができる。固化した材料は、流体化混合物の気化成分の急速なフラッシュまたは膨張によって形成された、ロータから生じる高速流体ジェットによって、ロータから離れて輸送される。流体ジェットは、フラッシュ紡糸剤を含む蒸気、空気、または他の気体を含んでなることができる。固化した材料を、それがロータから噴出するときに搬送する流体ジェットの速度は、1秒あたり少なくとも約100フィート(30m/s)であり、好ましくは1秒あたり約200フィート(61m/s)を超える。固化した材料は、材料の形態および所望の製品に適切な手段によって捕集される。シート材料が望まれる場合、ロータから特定の距離に隔置された同軸捕集表面である捕集器が使用される。捕集表面は、ノズルから、捕集表面上の捕集された材料の厚さの約2倍から約15cmの距離に配置することができる。有利に、捕集表面は、ノズルから約0.5cmから約8cmの距離に配置される。捕集表面は、移動ベルト、または移動ベルトによって運ばれる捕集表面であることができる。捕集器は、捕集されている特定の材料に適切なように、移動捕集ベルト、静止円筒形構造、移動ベルトによって運ばれている捕集基材、または捕集容器であることができる。噴出された材料が捕集表面上に捕集されるとき、噴出された材料の固化した成分が、流体ジェットまたは噴出された材料の気化成分から分離し、捕集ベルトの捕集表面上に残る。
【0024】
材料は、ノズルを通してフラッシュ紡糸されて、別々のフィブリル、または別々のフィブリルと別々の粒子との組合せを形成する。フラッシュ紡糸に必要な条件は、米国特許第3,081,519号明細書(ブレード(Blades)ら)、米国特許第3,169,899号明細書(スチューバー(Steuber))、米国特許第3,227,784号明細書(ブレード(Blades)ら)、米国特許第3,851,023号明細書(ブレサウアー(Brethauer)ら)から知られており、これらの内容を参照により本明細書に援用する。
【0025】
ポリマーと紡糸剤とのポリマー溶液を含んでなる流体化混合物が、紡糸剤の沸点より高い温度で、かつ混合物を液体状態に保つのに十分な圧力で、ノズルの入口に供給される。図1は、ノズル20を含む、本発明のプロセスでの使用のためのロータ10の断面図である。ノズルは、ポリマー溶液が減少オリフィス24に供給される通路22を含む。減少オリフィス24は、ポリマー溶液を、その曇り点より低い減少圧力で保持してポリマーおよび紡糸剤の2相分離の領域に入るための減少チャンバ26内に開く。減少チャンバは、ノズルの出口または開口部に開く紡糸オリフィス28につながる。ポリマー−紡糸剤混合物は、好ましくは紡糸剤の沸騰温度より高い温度で、ノズルから噴出される。混合物が噴出される環境は、好ましくは紡糸剤の沸騰温度の約40℃以内、より好ましくは紡糸剤の沸騰温度の約10℃以内、およびノズル入口における供給圧力に対して低減された圧力においてである。
【0026】
材料が、また「搬送ジェット」とここで呼ばれる流体ジェットによって助けられて、ノズル20から噴出され、流体ジェットは、ノズル内で膨張し始め、ノズルから噴出すると膨張し続け、噴出された材料をノズルの出口から離れて高速で搬送し推進する。ジェットは、層流として始まり、ノズルの出口からある距離で乱流に減衰する。噴出された材料自体の形態は、ジェットの流体流のタイプによって定められる。ジェットが層流中である場合、噴出された材料は、ジェットが乱流中である場合よりはるかに一様に広げられ分配され、したがって、乱流の開始前に、噴出された材料を捕集することが望ましい。
【0027】
材料の噴出速度は、ジェットによって材料が噴出される圧力および温度、ならびにそれが噴出される開口部の設計を変えることによって制御することができる。
【0028】
フラッシュ紡糸において、ジェットによって材料が推進される噴出速度は、ポリマー溶液中に使用される紡糸剤によって変わる。紡糸剤の分子量が高いほど、ジェットの噴出速度が低いことが観察された。たとえば、トリクロロフルオロメタンをポリマー溶液中の紡糸剤として使用することが、約150m/sのジェット噴出速度をもたらすことが見出され、より低い分子量を有するペンタンを紡糸剤として使用することが、約200m/sのジェット噴出速度をもたらすことが見出された。ロータから離れて半径方向における噴出材料の速度は、主としてジェット噴出速度によって定められ、ロータの回転によって引起される遠心力によってではない。
【0029】
図1を参照すると、ノズル20の出口端部は、場合により、米国特許第5,788,993号明細書(ブライナー(Bryner)ら)に記載されたように、また「ファンジェット」とここで呼ばれるスロット状出口を含んでなることができ、この特許の内容を参照により本明細書に援用する。ファンジェットは、紡糸オリフィス28のすぐ下流の2つの対向する面30によって規定される。そのようなファンジェットの使用は、紡糸オリフィスを通して噴出されている材料搬送ジェットがスロットの幅を横切って広がることを引起す。流体ジェットは、スロットの配向によって定められるような異なった方向に材料を広げる。本発明の一実施形態によれば、スロットは、主として軸方向に配向され、材料が軸方向に広げられることを引起す。これは、材料が噴出されるときに材料の一様な分布をもたらす。「主として軸方向に」とは、スロットの長軸がロータの軸の45度以内であることを意味する。望ましい場合、ノズル20のスロット状出口は、代わりに、略非軸方向に配向することができる。「非軸方向」とは、スロットの長軸がロータの軸から45度の角度より大きいことを意味する。
【0030】
ノズル出口は、主として半径方向または非半径方向に向けることができる。ノズル出口が半径方向に向けられる場合、搬送ジェットは、ノズルが非半径方向に向けられる場合よりロータから遠く、噴出された材料を輸送することができる。これは、捕集器がロータから特定の距離または間隙にロータに同軸に配置され、材料が、捕集されるために間隙を横断しなければならない場合に重要になる。ノズル出口は、また、非半径方向に、回転の方向から離れた方向に向けられるように配向することができる。上記の場合で、噴出された材料が同軸捕集器上に捕集されている場合、ロータと捕集器との間の間隙は、ロータの周りの材料の巻付きを回避するために、最小にしなければならない。この場合、ジェットの噴出速度は、ロータの周囲における接線方向の速度に近似しなければならず、間隙は、実際的なほど最小にしなければならない。本発明のこの実施形態の利点は、材料が、噴出されるのとほぼ同じ速度で、かつ流体ジェット中の乱れの開始前、捕集されることである。これは、非常に均一に分配された製品をもたらす。
【0031】
本発明の一実施形態において、ノズル出口は、捕集ベルトの移動の方向に向けられるように配向することができる。
【0032】
ロータが多数のノズルを有する本発明の実施形態において、ノズルを軸方向に隔置することができる。所望の製品によって、ノズルから噴出する材料が、隣接したノズルから噴出する材料と重なるかまたは重ならないように、ノズルを互いに隔置することができる。本発明の一実施形態において、ファンジェットの幅が一定に保持され、かつ開口部間の距離がほぼ個別のジェットの幅に整数を乗じたものである場合、非常に均一な製品プロファイルが生じることが見出された。
【0033】
あるいは、ノズルをロータの周囲に円周方向に隔置することができる。このように、ロータ高さを増加させずに、より多くの層を形成することができる。
【0034】
繊維材料がファンジェットから噴出される場合、ジェット配向は、縦方向および横方向における特性のバランスに影響を与える一般的な繊維整列を与えることができる。多数のノズルが使用される本発明の一実施形態において、ジェットの一部が、軸方向またはロータの軸から20から40度で角度をつけられ、ジェットの一部が、軸に対して反対方向に同じ角度で角度をつけられる。ジェットの一部をロータ軸に対して互いに反対の角度で配向させることは、その特性においてより小さい方向性およびより大きいバランスを有する結果として生じる製品を提供する。
【0035】
図2は、剛性フレーム13によって支持された回転シャフト14上に取付けられたロータ本体10を含む、本発明のプロセスを行うための装置40の1つの可能な構成を示す。回転シャフト14は中空であり、流体化混合物をロータに供給することができる。材料が噴出される開口部12がロータの周囲に沿ってある。ノズルから噴出すると気化しない噴出された材料の成分が、多孔性捕集器17の上を通過する移動ベルト(図示せず)上に捕集する。捕集器は、多孔性捕集器17を通して真空を引き、それにより、噴出された材料を移動ベルトの捕集表面上に留める真空ボックス18で囲まれる。シャフト14に沿って、静止部分15aと回転部分15bとを含んでなる回転シール、および軸受16がある。
【0036】
ノズル設計は、ノズルから噴出するマスの分布に影響を及ぼすことができ、それにより、材料配置の均一性に寄与する。流体ジェットの広がりは、噴出された固化したフィブリルまたはフィブリルおよび粒子の広がりをもたらす。
【0037】
噴出されている材料がポリマーを含んでなる場合、ノズルの温度は、好ましくは、少なくともポリマーの溶融温度または軟化点ほど高いレベルで保持される。ノズルは、電気抵抗、加熱された流体、蒸気、または誘導加熱を含む、任意の既知の方法によって加熱することができる。
【0038】
ノズルから噴出する搬送ジェットは、ノズルから噴出すると特定の距離の間、片側で自由であるか拘束されていないか、両側で自由であるか、両側で拘束されることができる。ジェットは、ロータの回転に対してロータの外側の静止した有利な地点から、好ましくはスロットの「上流」または前に、ノズルの出口スロットに平行に設置されたプレートによって、片側または両側で拘束されることができる。これらはコアンダ箔として作用し、それにより、搬送ジェットは、ジェットを案内する箔に隣接して形成された低圧ゾーンによって、それ自体箔に付着する。このように、搬送ジェットは、ジェットが自由である場合に発生するように、箔によって拘束された側で雰囲気と混合することを防止される。したがって、箔の使用は、より高い速度のジェットをもたらす。これは、ジェット中の乱れの開始前、材料が捕集器に推進される点で、ノズル出口と捕集器との間の距離を低減するのと同じ効果がある。
【0039】
箔は、静止していることができるか、震動させることができる。震動箔が、配置されている材料を高速で振動するのを助けるので、製品形成を向上させる。これは、噴出された材料の過剰供給を相殺するために、より低い回転速度で特に役立つ。箔は、有利に、少なくともウェブが箔を出るときのウェブの広がり幅と同じくらいの幅である。
【0040】
いくつかのタイプの流体化混合物を、本発明のプロセスによって供給することができる。「流体化混合物」とは、液体状態の組成物、または臨界圧を超えるいかなる流体も意味し、混合物は、少なくとも2つの成分を含んでなる。流体化混合物は、溶媒中の溶質の溶液などの均質な流体組成物、2つの流体の混合物、もしくは1つの流体の小滴の、別の流体中の分散液などの不均質な流体組成物、または圧縮された蒸気相の流体混合物であることができる。本発明のプロセスでの使用に適した流体化混合物は、以下で説明されるような紡糸剤中のポリマーの溶液を含んでなることができる。流体化混合物は、流体中の固体粒子の分散液または懸濁液、または流体中の固体材料の混合物を含んでなることができる。本発明の別の実施形態において、材料は固体−流体流体化混合物である。本発明のプロセスを用いて、パルプと水との混合物をロータに供給し、混合物が、ノズルから、ロータから特定の距離に配置された捕集器に推進されるように、十分な圧力を供給することによって、紙を製造することができる。本発明の別の実施形態において、パルプなどの固体材料と、水などの流体との混合物が、流体の沸点より高い温度で、かつ流体を液体状態に保つように十分に高い圧力で、ロータに供給される。ノズルを通過すると、流体は気化し、固体材料を捕集表面の方向に推進し広げる。好ましい実施形態において、材料が推進される環境、および/または捕集表面は、流体の沸騰温度に近い温度で保持され、それにより、流体の凝縮が最小にされる。有利に、環境は、流体の沸騰温度の約40℃以内、より有利に流体の沸騰温度の約10℃以内の温度で保持される。環境は、流体の沸騰温度より高くまたは低く保持することができる。
【0041】
本発明のこの実施形態に使用することができるポリマーとしては、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびこれらのコポリマーを含むポリオレフィンが挙げられる。ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)を含むポリエステル;エチレン−テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびECTFE、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを含む部分フッ素化ポリマー;ならびにE/CO、エチレンと一酸化炭素とのコポリマー、およびE/P/CO、エチレンと、ポリプロピレンと、一酸化炭素とのターポリマーなどのポリケトンが、本発明での使用に適した他のポリマーのうちである。ポリエチレンとポリエステルとのブレンド、およびポリエチレンと部分フッ素化フルオロポリマーとのブレンドを含むポリマーブレンドも、本発明の不織シートに使用することができる。これらのポリマーおよびポリマーブレンドのすべてを、紡糸剤に溶解して、次にフラッシュ紡糸してプレキシフィラメント状フィルム−フィブリルの不織シートにする溶液を形成することができる。適切な紡糸剤としては、クロロフルオロカーボンおよび炭化水素が挙げられる。本発明に使用することができる適切な紡糸剤およびポリマー−紡糸剤の組合せは、米国特許第5,009,820号明細書号明細書;米国特許第5,171,827号明細書;米国特許第5,192,468;米国特許第5,985,196号明細書;米国特許第6,096,421号明細書;米国特許第6,303,682号明細書;米国特許第6,319,970号明細書;米国特許第6,096,421号明細書;米国特許第5,925,442号明細書;米国特許第6,352,773号明細書;米国特許第5,874,036号明細書;米国特許第6,291,566号明細書;米国特許第6,153,134号明細書;米国特許第6,004,672号明細書;米国特許第5,039,460号明細書;米国特許第5,023,025号明細書;米国特許第5,043,109号明細書;米国特許第5,250,237号明細書;米国特許第6,162,379号明細書;米国特許第6,458,304号明細書;および米国特許第6,218,460号明細書に記載されており、これらの内容を参照により本明細書に援用する。本発明のこの実施形態において、紡糸剤は、ポリマー−紡糸剤混合物の少なくとも約90重量%、または混合物の少なくとも約95重量%、さらには混合物の少なくとも約99.5重量%である。
【0042】
別々のフィブリル、または別々のポリマー粒子と組合された別々のフィブリルを含んでなる膜を製造するために、流体化混合物は、紡糸剤に溶解されたポリマーまたはポリマーブレンドの溶液であり、使用される特定のポリマーおよび紡糸剤によって、溶液は、別々のフィブリルがノズルから噴出されるほど十分低い濃度を有し、典型的には約0.5重量%から約5重量%の濃度を有する。理論に縛られることを望まないが、本発明者らは、別々のフィブリルが形成するために、溶液が紡糸剤相中のポリマーに分離する、ノズルの減少チャンバ内のポリマー相は、不連続であると考える。
【0043】
明らかに、当業者は、ノズル20(図1)の設計が、上で説明された液体混合物のさまざまな実施形態に対応するように変える必要があり得ることを認めるであろう。
【0044】
捕集表面上に捕集されると、またはその後の処理の間、固化したポリマー材料は、合着させて、多孔性または非多孔性膜を形成することができる。この材料は、フィブリル、または別々のポリマー粒子と別々のフィブリルとの組合せを含んでなることができる。膜のフィブリルは、図4に示されているように、ランダムに回旋状の断面を有し、本発明の回旋状断面フィブリルは、従来の円形断面を有する繊維のスパンレースウェブ上に堆積される。材料は、また、フィブリル、または粒子とフィブリルとの組合せ、および中空粒子を含んでなるフォーム、ウェブ、および/またはプレキシフィラメント状フィルム−フィブリルストランドを含んでなることができる。本発明による膜は、厚さが、約50マイクロメートル以下、または約25マイクロメートル以下、またはさらには約1マイクロメートル以下であり、縦方向均一性指数(MD UI)が、約5(oz/yd1/2(29(g/m1/2)未満、またはさらには約3(oz/yd1/2(17(g/m1/2)未満である。比較のため、商品名タイベック(Tyvek)(登録商標)で販売される市販のグレードのフラッシュ紡糸ポリオレフィンシートは、MD UIが16〜22(oz/yd1/2(93〜128(g/m1/2)である。
【0045】
高度に均一な膜を形成するために、ロータの回転速度は、約1000rpmを超え、またはさらには約2000rpmを超える。膜の穴を防止するために、プロセスは、有利に、最小レベルの真空で行われ、真空の留め力の、膜への影響が最小にされる。
【0046】
驚いたことに、本発明のプロセスによって製造された膜は多孔性である。多孔性のレベルが所望の空気透過性をもたらさない場合、その後、カレンダ加工などの既知の手段を用いて膜を仕上げることができる。たとえば、非多孔性膜が望まれる場合、膜を非多孔性にするのに十分な温度および圧力における熱カレンダ加工を用いて、材料を接合することができる。
【0047】
本発明の代替実施形態において、固化した噴出された材料は、同軸捕集器の、また「捕集表面」とここで呼ばれる内面上に、ロータの周囲から半径方向の距離に捕集される。捕集器は、穴のあいた金属シートまたは剛性ポリマーから製造された静止円筒形多孔性構造であることができる。捕集された材料と捕集表面との間の摩擦または抗力を低減するために、捕集器を、フルオロポリマー樹脂などの摩擦低減コーティングでコーティングすることができるか、捕集器を震動させることができる。円筒形構造は、好ましくは多孔性であり、材料の、捕集器への留めを助けるために、材料が捕集されているときに真空を材料に与えることができる。一実施形態において、円筒形構造は、ハニカム材料を含んでなり、これは、結果として変形しないように十分な剛性をもたらしながら、真空が、ハニカム材料を通して、捕集された材料上に引かれることを可能にする。ハニカムは、さらに、噴出された材料を捕集するために、それを被覆するメッシュの層を有することができる。
【0048】
捕集器は、代わりに、静止円筒形多孔性構造の上を移動する可撓性捕集ベルトを含んでなることができる。捕集ベルトは、好ましくは滑らかな多孔性材料であり、穴が捕集された材料に形成されることを引起さずに、真空を、円筒形多孔性構造を通して、捕集された材料に与えることができる。ベルトは、ロータに対して軸方向に(ロータの軸の方向に)移動する平坦なコンベヤベルトであることができ、これは、図3に示されているように、変形して、ロータの周りに同軸シリンダを形成し、次に、ロータから離れると、その平坦な状態に戻る。本発明のこの実施形態において、円筒形ベルトは、ロータから噴出する固化した材料を連続的に捕集する。そのような捕集ベルトは、米国特許第3,978,976号明細書(Kamp(カンプ))、米国特許第3,914,080号明細書(Kamp(カンプ))、米国特許第3,882,211号明細書(Kamp(カンプ))、および米国特許第3,654,074号明細書(ジャクリン(Jacquelin))に開示されている。
【0049】
捕集表面は、代わりに、移動捕集ベルト上を移動する織布または不織布またはフィルムなどの基材をさらに含んでなることができ、噴出された材料は、ベルト上に直接ではなく、基材上に捕集される。これは、捕集されている材料が、非常に薄い膜の形態である場合に、特に有用である。
【0050】
捕集表面は、また、それ自体所望の製品の構成要素であることができる。たとえば、予め形成されたシートが捕集表面であることができ、低濃度溶液を捕集表面上に噴出して、予め形成されたシートの表面上に薄い膜を形成することができる。これは、印刷性、接着、多孔性レベルなどの、シートの表面特性を向上させるのに有用であることができる。予め形成されたシートは、不織または織シート、またはフィルムであることができる。この実施形態において、予め形成されたシートは、それ自体本発明のプロセスで形成された不織シートであることさえでき、その後、捕集表面として、捕集ベルトによって支持されて、2回目の本発明のプロセスを通して供給することができる。本発明の別の実施形態において、予め形成されたシートを、それ自体捕集ベルトとして本発明のプロセスに使用することさえできる。
【0051】
噴出されている材料がポリマー材料を含んでなる場合、本発明のプロセスの間捕集表面を通して引かれる気体を加熱することができ、それにより、ポリマー材料の一部が軟化され、複数の点でそれ自体に接合する。気体を、ロータの端部を越えたところからおよび/またはロータ自体を通して引くことができる。補助気体をロータと捕集表面と間の空洞に供給することができる。ロータの周囲における接線方向の速度が噴出速度の約25%を超える場合、補助気体は、有利に、ロータ自体から供給される。気体は、ブロワおよび配管によって気体をロータを通して押しやることによって、またはブレードをロータに組入れることによって、または両方の組合せによって、ロータから供給される。ブレードは、気体流を引起すようなサイズであり、角度であり、形状である。有利に、ブレードは、ロータによって発生された気体の量が、真空によって捕集表面を通して引かれている気体の量にほぼ等しいように設計され、プロセス条件によって、幾分より多いか少ないことができる。ロータに入る気体の量は、「紡糸セル」とも呼ばれる、ロータおよび捕集器を囲む空間を包囲し、サイズを変えることができるエンクロージャ内のロータへの開口部を設けることによって制御することができる。
【0052】
真空によって捕集表面を通して引かれる気体を、熱交換器を通過させ、次にロータに戻すことによって、加熱することができる。
【0053】
噴出されている材料がポリマー繊維材料を含んでなる本発明の一実施形態において、捕集表面上に捕集された材料は、材料を接合するのに十分に加熱される。これは、捕集された材料を囲む雰囲気の温度を、捕集された材料を接合するのに十分な温度で保持することによって行うことができる。材料の温度は、ポリマー繊維材料が捕集されるときにそれ自体におよび周囲の材料に接合するように、ポリマー繊維材料の一部が軟化するか粘着性になることを引起すのに十分であることができる。噴出された材料を、その一部を溶融するのに十分に捕集される前に加熱することによって、または、材料を捕集し、その後すぐ、捕集された材料の一部を、それを通過する加熱された気体によって溶融することによって、ポリマーの小部分が軟化するか粘着性になることを引起すことができる。このように、本発明のプロセスを用いて、自己接合された不織製品を製造することができ、捕集された材料を通過する気体の温度は、捕集された材料(別々のフィブリル、または別々の粒子と組合された別々のフィブリル)の小部分を溶融するか軟化するのに十分であるが、材料の大部分を溶融するほど高くない。
【0054】
有利に、ロータおよび捕集器を囲む空間、または紡糸セルは、温度および圧力を制御することができるように包囲した。紡糸セルは、さまざまな周知の手段のいずれかに従って加熱することができる。たとえば、紡糸セルは、熱い気体を紡糸セル内に吹き、紡糸セル壁内の蒸気パイプ、電気抵抗加熱などを含む1つの手段または手段の組合せによって加熱することができる。紡糸セルの加熱は、ポリマー繊維材料の、捕集表面への良好な留めを確実にする1つの方法であり、というのは、ポリマー繊維が特定の温度より高い温度で粘着性になるからである。
【0055】
紡糸セルの加熱は、また、その厚さを通して差異のあるように接合された不織製品の製造を可能にすることができる。これは、互いに対して熱に対する異なった感受性を有するポリマーの層からの製品を形成することによって達成することができる。たとえば、異なった溶融温度または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーを別個のノズルから同時に噴出することができる。プロセスの温度は、より低い溶融温度のポリマー材料が粘着性になる温度より高いが、より高い溶融温度のポリマーが粘着性になる温度より低い温度で制御され、したがって、より低い融点のポリマー材料が接合され、より高い融点のポリマー材料が、接合されないままであるか、完全に接合されない。このように、より高い溶融温度のポリマー繊維およびより低い溶融温度のポリマー繊維が形成されるとき、より高い溶融温度のポリマー繊維はより低い溶融温度のポリマー繊維とともに接合される。不織布は、その厚さ全体にわたって均一に複数のサイトで接合される。結果として生じる不織布は高い耐剥離性を有する。
【0056】
自己接合されたポリマー不織製品を、また、異なった溶融温度または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーを含んでなる混合物を噴出することによって形成することができる。一実施形態において、好ましくは、混合物中のポリマーの重量による小さい割合、たとえば混合物中のポリマー約5%から約10重量%を構成する、ポリマーの1つが、残りのポリマーより低い溶融温度または軟化温度を有し、噴出された材料の温度は、材料が捕集表面上に捕集される直前、または材料が捕集された直後、より低い溶融温度または軟化温度を超え、それにより、より低い融点のポリマーは、軟化するか、捕集された材料をともに接合するのに十分に粘着性になる。
【0057】
本発明の一実施形態において、ノズルに供給される材料は、異なった軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーを含んでなる混合物であり、捕集表面上に捕集されている材料を囲む雰囲気の温度は、ポリマーのうちの2つの軟化温度の中間の温度で保持され、それにより、より低い軟化温度のポリマーは、軟化し、および/または粘着性になり、噴出された材料は接合して密着(coherent)シートになる。たとえば、この実施形態に使用されるポリマーは、ポリエチレン(溶融温度が138℃である)およびポリプロピレン(溶融温度が165℃である)であることができる。この例において、プロセスが136℃で行われる場合、ポリエチレンは、軟化し、捕集された材料をその厚さ全体にわたって均一にともに接合する。異なったポリマーの選択によって、約60℃から約280℃の温度を用いることができる。
【0058】
さまざまな方法を用いて、材料を捕集器に固定するか留めることができる。1つの方法によれば、真空が、捕集表面の反対の側から、材料が捕集表面に留められることを引起すのに十分なレベルで捕集器に与えられる。
【0059】
材料を真空によって留める代替方法として、材料を、また、材料と捕集器との間の、すなわち、本発明の特定の実施形態の場合により、材料と捕集表面、捕集円筒形構造、または捕集ベルトとの間の引力の静電力によって、捕集表面に留めることができる。これは、捕集器を接地しながら、ロータと捕集器との間の間隙に正または負のイオンを生じさせ、それにより、新たに噴出された材料は帯電したイオンを拾い上げ、したがって、材料は捕集器に引きつけられるようになることによって達成することができる。ロータと捕集器との間の間隙に正のイオンを生じさせるべきかまたは負のイオンを生じさせるべきかについては、何が、噴出されている材料をより効率的に留めることがわかっているかによって定められる。
【0060】
ロータと捕集表面との間の間隙に正または負のイオンを生じさせるために、したがって、間隙を通過する固化した噴出された材料を正にまたは負に帯電させるために、本発明のプロセスの一実施形態は、ロータ上に設置された帯電誘起要素を使用する。帯電誘起要素は、ピン、ブラシ、ワイヤ、または他の要素を含んでなることができ、要素は、金属、または炭素で含浸された合成ポリマーなどの導電性材料から製造される。電圧が帯電誘起要素に印加され、それにより、電流が帯電誘起要素内で発生され、帯電誘起要素の近傍に強い電界を生じさせ、これは、要素の近傍の気体をイオン化し、それにより、コロナを生じさせる。帯電誘起要素内で発生されるために必要な電流の量は、処理されている特定の材料によって変わるが、最小は、材料を十分に留めるために必要であることが見出されたレベルであり、最大は、アークが帯電誘起要素と接地された捕集ベルトとの間に観察されるレベルのすぐ下のレベルである。ポリエチレンプレキシフィラメント状ウェブをフラッシュ紡糸する場合、一般的なガイドラインが、材料が、ウェブ材料のグラムあたり約8μクーロンに帯電されたときによく留まることである。帯電誘起要素を電源に接続することによって、電圧が帯電誘起要素に印加される。噴出されている材料が捕集器から遠いほど、電圧は、同等の静電留め力を達成するために高くなければならない。静止電源で発生された電圧を、紡糸ロータ上に設置された帯電誘起要素に印加するために、スリップリングをロータ内に含めることができる。
【0061】
1つの好ましい実施形態において、使用される帯電誘起要素は、捕集器に向けられ、かつロータ周囲に引っ込めることができ、それにより、ロータと捕集表面との間の間隙に突出しない導電性ピンまたはブラシである。帯電誘起要素は、ロータの回転に対して、ロータの外側の静止した有利な地点から、ノズルから「下流」に、またはノズルの後に配置され、それにより、材料は、ノズルから噴出され、その後、帯電誘起要素によって帯電される。
【0062】
代替実施形態において、帯電誘起要素は、ロータの表面に接線方向に配置され、材料がノズルから噴出されるときに材料の方に向けられるようにロータに設置されたピンまたはブラシである。
【0063】
帯電誘起要素がピンである場合、それらは、好ましくは、導電性金属を含んでなる。1つもしくはそれ以上のピンを使用することができる。帯電誘起要素がブラシである場合、それらは任意の導電性材料を含んでなることができる。あるいは、ピアノワイヤなどのワイヤを帯電誘起要素として使用することができる。
【0064】
また静電力が材料を留めるために用いられる本発明の代替実施形態において、ロータ上に設置されたピン、ブラシ、またはワイヤなどの導電性要素が、スリップリングを介する接続によって接地され、捕集器ベルトは電源に接続される。捕集ベルトは、バックコロナ、すなわち、気体粒子が間違った極性で帯電され、したがって、留めを妨げる状態を発生しない任意の導電性材料を含んでなる。
【0065】
本発明の別の代替実施形態において、捕集ベルトは、非導電性であり、導電性材料を含んでなる支持構造によって支持される。この実施形態において、支持構造は電源に接続され、ロータは接地される。
【0066】
材料が正に帯電されるように正のイオンが望まれる場合、負の電圧が捕集器に印加される。負のイオンが望まれる場合、正の電圧が捕集器に印加される。
【0067】
本発明の一実施形態において、真空留めと静電留めとの組合せを用いて、材料が捕集表面に効率的に留められることを確実にする。
【0068】
ここですでに説明されたように、材料がポリマーであり、自己接合するのに十分に加熱される場合、真空または静電力を与えずに、材料は、捕集表面上に密着シートまたは膜を形成することができる。
【0069】
材料が捕集表面に留められることを確実にする別の手段は、ロータと捕集表面との間の間隙へのフォギング流体の導入である。この実施形態において、液体を含んでなるフォギング流体は、材料噴出ノズルと同じタイプであることができるノズルから噴出される。そのようなノズルは、「フォギングジェット」とここで呼ばれる。フォギングジェットは、繊維が捕集表面上に配置されるのを助ける液体小滴のミストを噴出する。有利に、材料噴出ノズルごとに1つのフォギングジェットがある。フォギングジェットはノズルに隣接して配置され、それにより、それから噴出するミストは、ノズルから噴出する搬送ジェットに直接導入され、いくつかの液体小滴が、搬送ジェットで運ばれ、噴出された材料と接触する。フォギングジェットから噴出する液体のミストは、また、加えられた運動量を噴出された材料に与え、噴出された材料が、捕集表面上に配置される前に遭遇する抗力のレベルを低減するのに役立つことができる。
【0070】
また「配置/噴出比」とここで呼ばれる、ロータの周囲における接線方向の速度とノズルから噴出するジェットの速度との比は、1まで、有利に約0.01から1、さらには約0.5から1の任意の値であることができる。これらの2つの速度が互いに近いほど、すなわち、配置/噴出比が1に近いほど、捕集された材料の層は一様に分配され均一である。ノズルあたりのマス処理量を低減することによって、捕集された材料の均一性を向上させることができることが見出された。
【0071】
製品の所望の坪量を達成するために、捕集ベルト速度およびロータの処理量を選択することができる。ロータのノズルの数およびロータの回転速度は、捕集された材料の層の所望の数および各層の厚さを達成するように選択される。所与の望ましい坪量について、したがって、層の数を増加させる2つの方法があり、すなわち、坪量を一定に保つために、ノズルあたりの処理量を比例して減少させながら、ロータのノズルの数を増加させることができるか、ロータの回転速度を増加させることができる。
【0072】
本発明によってポリマー溶液がフラッシュ紡糸される場合、溶液の濃度は、ノズルあたりのポリマー処理量に影響を及ぼす。ポリマー濃度が低いほど、ポリマーマス処理量が低い。当業者には明らかであるように、ノズルあたりの処理量を、また、ノズルオリフィスのサイズを変えることによって、変えることができる。
【0073】
本発明のプロセスによって製造された製品は、別々のフィブリル、または別々のポリマー粒子と組合された別々のフィブリルから形成された多孔性膜または連続膜を含む。本発明のプロセスは、驚くほど均一な坪量を有する製品をもたらす。縦方向均一性指数(MD UI)が、約14(oz/yd1/2(82(g/m1/2)未満、または約8(oz/yd1/2(47(g/m1/2)未満、またはさらには約4(oz/yd1/2(23(g/m1/2)未満、さらには約3(oz/yd1/2(17(g/m1/2)未満である製品を製造することができる。捕集された材料の各層が非常に薄いので、製品はより均一である。各層は、約50μm以下、またはさらには約25μm以下、さらには約1μm以下と薄いことができる。大きい数の薄い層が、各層の不均一性に関わらず、それらの不均一性に対する無感受性をもたらし、同等の均一性のより少ない層を有する製品より均一な製品をもたらす。
【0074】
テスト方法
次のテスト方法を用いて、ここでのさまざまな報告された特徴および特性を定める。ASTMは、アメリカ材料試験協会(American Society of Testing Materials)を指す。ISOは、国際標準化機構(International Standards Organization)を指す。TAPPIは、紙パルプ技術協会(Technical Association of Pulp and Paper Industry)を指す。
【0075】
坪量(BW)は、参照により本明細書に援用するASTM D−3776によって定め、g/mで報告する。
【0076】
引張強度は、参照により本明細書に援用するASTM D 1682によって、次の修正を伴って定めた。テストにおいて、2.54cm×20.32cm(1インチ×8インチ)のサンプルをサンプルの両端で締付けた。クランプをサンプル上に互いから12.7cm(5インチ)に取付けた。サンプルを、5.08cm/分(2インチ/分)の速度で、サンプルが破断するまで、一定に引いた。破断時力をポンド/インチで記録した。
【0077】
厚さ(TH)は、参照により本明細書に援用するASTM 177−64によって定め、マイクロメートルで報告する。
【0078】
シートの破断時伸び(Elongation to Break)(また「伸び」とここで呼ばれる)は、ストリップ引張テストにおける破断前にシートが伸張する量の尺度である。幅2.54cm(1インチ)のサンプルを、インストロン(Instron)テーブルモデルテスタなどの伸長引張試験機の一定の速度の、12.7cm(5インチ)離れてセットされたクランプに取付ける。連続的に増加する荷重を、5.08cm/分(2インチ/分)のクロスヘッド速度で、破壊まで、サンプルに与える。測定は、破壊前の伸張のパーセンテージで与えられる。テストは、一般に、参照により本明細書に援用するASTM D 5035−95に従う。
【0079】
シート材料の密度は、g/mのシートの坪量に10,000を乗じて、g/cmに達し、cmの厚さで割って、g/cmの密度に達することによって計算した。
【0080】
ポリマーシート材料の空隙率は、シート材料の多孔性の尺度である。空隙率は、1からここで計算されるようなシートの密度を引いたものを、ポリマーの理論密度で割り、100を乗じたものとして計算し、%で報告する。
【0081】
フレージャー透過性(Frazier Permeability)は、多孔性材料の空気透過性の尺度であり、1平方フィートあたりの1分あたりの立方フィートで測定し、その後、変換し、リットル/秒/平方メートルの単位で報告する。それは、0.5インチの水(水1.25cm)の差圧で材料を通る空気流の体積を測定する。サンプルを通る空気の流れを測定可能な量に制限するために、オリフィスを真空システムに取付ける。オリフィスのサイズは、材料の多孔性による。フレージャー多孔性とも呼ばれるフレージャー透過性は、校正されたオリフィスユニットを有するシャーマン・W・フレージャー・カンパニー(Sherman W. Frazier Co.)デュアルマノメータ(dual manometer)を使用して、ft/ft/分で測定する。
【0082】
ガーリー・ヒル多孔性(Gurley Hill Porosity)(GH)は、気体材料についてのシート材料の透過性の尺度である。特に、それは、ある体積の気体が、特定の圧力勾配が存在する材料の領域を通過するのにどのくらいかかるかの尺度である。ガーリー・ヒル多孔性は、ローレンツェン&ベットレーモデル(Lorentzen & Wettre Model)121Dデンソメータ(Densometer)を使用して、参照により本明細書に援用するTAPPI T−460 OM−88に従って測定する。このテストは、空気100立方センチメートルが、水約1.21kPa(4.9インチ)の圧力下で、直径28.7mmのサンプル(面積が1平方インチである)を通して押されるために必要な時間を測定する。結果は、ガーリー秒(Gurley Seconds)と呼ばれることがある秒で表す。
【0083】
ミューレン型破裂強度(Mullenburst Bursting Strength)は、参照により本明細書に援用するTAPPI T403−85によって定め、psiで測定した。
【0084】
静水頭(HH)は、静荷重下での液体水による浸透に対するシートの耐性の尺度である。18cm×18cmのサンプル(7インチ×7インチ)をSDL 18シャーリー静水頭試験機(Shirley Hydrostatic head tester)(英国ストックポートのシャーリー・ディベロップメンツ・リミテッド(Shirley Developments Limited, Stockport, England)によって製造された)に取付ける。サンプルの102.6sq.cm.のセクションの1つの側に対して、1分あたり60+/−3cmの速度で、サンプルの3つの領域が水によって浸透されるまで、水をポンピングする。静水頭はインチで測定する。テストは、一般に、1976年11月に発行から撤回された、参照により本明細書に援用するASTM D 583に従う。より高い数が、液体通過に対するより大きい耐性を有する製品を示す。
【0085】
水蒸気透過率(Moisture Vapor Transmission Rate)(MVTR)は、g/m/24時間で報告し、参照により本明細書に援用するテスト方法TAPPI T−523を用いて、リッシー・インスツルメント(Lyssy Instrument)で測定した。
【0086】
エルメンドルフ引裂強度(Elmendorf Tear Strength)は、シートの引裂カットを伝播するために必要な力の尺度である。シートの舌タイプ引裂を続けるために必要な平均力は、それを一定の距離を通して引裂く際になされた仕事を測定することによって定める。テスタは、扇形振り子が、最大ポテンシャルエネルギーで高い開始位置にあるとき、固定されたクランプと整列しているクランプを支持する扇形振り子からなる。標本をクランプに固定し、クランプ間の標本のスリットカットによって引裂を開始する。振り子を解放し、移動クランプが固定されたクランプから離れて移動するとき、標本は引裂かれる。エルメンドルフ引裂強度は、次の標準方法、すなわち、参照により本明細書に援用するTAPPI−T−414 om−88およびASTM D 1424に従って、ニュートンで測定する。以下の実施例について報告された引裂強度値は、各々、シート上で行われた少なくとも12の測定の平均である。
【0087】
シートサンプルの剥離強度は、インストロンテーブルモデルテスタなどの伸長引張試験機の一定の速度を用いて、測定する。1.0in.(2.54cm)×8.0in.(20.32cm)のサンプルを、ピックをサンプルの断面に挿入して、手で分離および剥離を開始することによって、約1.25in.(3.18cm)剥離する。剥離されたサンプル面を、1.0in.(2.54cm)離れてセットされたテスタのクランプに取付ける。テスタを5.0in./分(12.7cm/分)のクロスヘッド速度で開始し作動する。たるみがクロスヘッド移動の約0.5in.で除去された後、コンピュータは、力読取りをピックアップし始める。サンプルを約6in.(15.24cm)剥離し、この間、3000の力読取りを行い平均した。平均剥離強度は、平均力をサンプル幅で割ったものであり、N/cmの単位で表す。テストは、一般に、参照により本明細書に援用するASTM D 2724−87に従う。以下の実施例について報告された剥離強度値は、各々、シート上で行われた少なくとも12の測定の平均に基いている。
【0088】
不透明度は、参照により本明細書に援用するTAPPI T−425 om−91に従って測定する。不透明度は、白色背景標準からの反射率と比較された黒色背景に対する1つのシートからの反射率であり、パーセントとして表す。以下の実施例について報告された不透明度値は、各々、シート上で行われた少なくとも6の測定の平均に基いている。
【0089】
耐スペンサー穿刺性(Spencer Puncture Resistance)は、参照により本明細書に援用するASTM D 3420に従って測定し、サンプルを穿刺するために必要なエネルギーを測定する。スペンサー穿刺は、in−lb/inで測定する。装置、すなわち、スペンサー衝撃付属品モデル60−64で修正された落下振り子タイプテスタは、トウィング−アルバート・インスツルメント・カンパニー(Thwing−Albert Instrument Co.)によって製造される。
【0090】
シートの縦方向均一性指数(MD UI)は、次の手順に従って計算する。ベータ厚さおよび坪量ゲージ(カリフォルニア州クパチーノのハネウェル−メジャレックス(Honeywell−Measurex, Cupertino, California)から入手可能)が、シートをスキャンし、横方向(CD)に、シートを横切って、0.2インチごとに坪量測定を行う。次に、シートは、縦方向(MD)に0.425インチ前進し、ゲージは、CDの別の行の坪量測定を行う。このように、シート全体をスキャンし、坪量データを表形式で電子的に記憶する。表の坪量測定の行および列は、それぞれ、坪量測定のCDおよびMD「レーン」に対応する。次に、列1の各データ点を列2のその隣接したデータ点と平均し、列3の各データ点を列4のその隣接したデータ点と平均し、以下同様である。効果的に、これはMDレーン(列)の数を半分に減らし、0.2インチの代わりにMDレーン間の0.4インチの間隔をシミュレートする。縦方向の均一性指数(UI)(「MD UI」)を計算するために、UIを、MDの平均されたデータの列ごとに計算する。データの列ごとのUIは、最初に、その列の坪量の標準偏差および平均坪量を計算することによって計算する。列のUIは、坪量の標準偏差を平均坪量の平方根で割り、100を乗じたものに等しい。最後に、シートの総縦方向均一性指数(MD UI)を計算するために、各列のUIのすべてを平均して、1つの均一性指数を与える。均一性指数は、ここで(1平方メートルあたりグラム)1/2で報告する。
【実施例】
【0091】
実施例1
フレオン(Freon)(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニー(Palmer Supply Company)から得られた)の紡糸剤中の、1%のマット(Mat)8高密度ポリエチレン(HDPE)(エクイスター・ケミカルズLP(Equistar Chemicals LP)から得られた)のポリマー溶液を、190℃の温度、および2080〜2200psi(14〜15MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、1000rpmで回転するロータのノズルを通してフラッシュ紡糸することによって、別々のフィブリルを含んでなる膜を形成した。実施例1〜4および実施例6〜7に使用されたロータは、直径が16インチ(41cm)であり、高さが3.6インチ(9.2cm)であった。実施例1に使用されたノズルは、直径が0.025インチ(0.064cm)であり、長さが0.038インチ(0.096cm)である減少オリフィスを含んでなり、これは、減少チャンバに開いた。減少チャンバは、直径が0.025インチ(0.064cm)であり、長さが0.080インチ(0.20cm)である紡糸オリフィスにつながった。ノズルの出口スロットは、ロータの軸と平行であった。フラッシュ紡糸された材料を、ロータから離れて半径方向にノズルから排出した。フィブリルの形態のフラッシュ紡糸された材料を、多孔性捕集ベルト上に位置決めされた白色ソンタラ(Sontara)(登録商標)布帛(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド(E. I. du Pont de Nemours and Company, Inc.)から入手可能)のリーダーシート上に紡糸した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、3インチ(7.5cm)であった。ロータを紡糸セル内に閉じ込め、紡糸セルの内部を60℃の温度で保持した。
【0092】
静電力を、ノズルのすぐ下流に1列に一様に隔置された針から発生させた。各ノズルを、ロータを介して接地した。したがって、針もロータを介して接地した。捕集ベルトを電気的に絶縁し、負の電圧にした。電源を電流制御モードで作動し、したがって、電流は0.30mAで安定したままであった。
【0093】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、0〜1000RPMの速度における真空ブロワによって与えた。静電力および真空を同時に用いて、フラッシュ紡糸されたウェブの、捕集器への留めを助けた。
【0094】
膜のサンプルにピンホールがないことが観察された。サンプルの厚さは、0.001インチ(25μm)であることが測定された。捕集された材料の1つの層サンプルを、142℃で、2秒間、18,000psi(120MPa)で、ホットプレス接合によって接合した。坪量は、0.44oz/yd(15g/m)であることが測定された。フレージャー空気透過性は、2.7cfm/ft(0.82m/分/m)であることが測定された。サンプルの縦方向均一性指数(MD UI)は1.08(oz/yd1/2(6.3(g/m1/2)であることが測定され、サンプルの横方向均一性指数(CD UI)は、1.98(oz/yd1/2(11(g/m1/2)であることが測定された。
【0095】
実施例2
フレオン(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニーから得られた)の紡糸剤中の、96%のマット8HDPE(エクイスター・ケミカルズLPから得られた)および4%の青色HDPEの0.5%ポリマー溶液を、170〜180℃の温度、および2150〜2200psi(15MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、1000rpmで回転するロータのノズルを通して、多孔性捕集ベルト上に位置決めされた白色ソンタラ(登録商標)布帛(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能)のリーダーシート上にフラッシュ紡糸することによって、別々のフィブリルおよびポリマー粒子を含んでなる膜を形成した。ノズルは、直径が0.025インチ(0.064cm)であり、長さが0.080インチ(0.20cm)である減少オリフィスを含んでなり、これは、減少チャンバに開いた。減少チャンバは、直径が0.025インチ(0.064cm)である紡糸オリフィスにつながった。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、1.5インチ(3.7cm)であった。ロータを紡糸セル内に閉じ込め、紡糸セルの内部を60℃の温度で保持した。
【0096】
静電力を、ノズルのすぐ下流に1列に一様に隔置された針から発生させた。各ノズルを、ロータを介して接地した。したがって、針もロータを介して接地した。捕集ベルトを電気的に絶縁し、負の電圧にした。電源を電流制御モードで作動し、したがって、電流は0.20mAで安定したままであった。
【0097】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、2000RPMの速度における真空ブロワによって与えた。静電力および真空を同時に用いて、フラッシュ紡糸されたウェブの、捕集器への留めを助けた。
【0098】
フィブリルおよび粒子の非常に均一な膜層を、ソンタラ(登録商標)リーダーシート上に堆積させた。サンプルの断面の顕微鏡写真が図4に示されており、ソンタラ(登録商標)リーダーシート(円形断面繊維によって示された)上に堆積されたポリマーフィブリルのランダムに回旋状の断面を示す。ソンタラ(登録商標)リーダーシートは、単独で、坪量が2.08oz/yd(70g/m)であり、フレージャー空気透過性が1平方フィートあたり92CFM(0.63m/分/m)であった。膜層があれば、リーダーシートは、坪量が2.50oz/yd(85g/m)であり、ガーリー・ヒル多孔性が11.5秒であり、静水頭が水22インチ(56cm)であった。膜層の厚さは約35μmであった。
【0099】
実施例3
フレオン(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニーから得られた)の紡糸剤中の、4%のテフゼル(Tefzel)(登録商標)ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能)のポリマー溶液を、210℃の温度、および2160〜2340psi(15〜16MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、1000rpmで回転するロータの、実施例1で説明されたような寸法を有する2つのノズルを通して、多孔性捕集ベルト上に位置決めされたタイパー(Typar)(登録商標)布帛(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能)のリーダーシート上にフラッシュ紡糸することによって、別々のフィブリルおよびポリマー粒子を含んでなる膜を形成した。ノズルの出口スロットを、ロータの軸に対して+20°および−20°の角度で配向した。フラッシュ紡糸された材料を、ロータから離れて半径方向にノズルから排出した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、1インチ(2.5cm)であった。ロータを紡糸セル内に閉じ込め、紡糸セルの内部を60℃の温度で保持した。
【0100】
静電力を、ノズルのすぐ下流に1列に一様に隔置された針から発生させた。各ノズルを、ロータを介して接地した。したがって、針もロータを介して接地した。捕集ベルトを電気的に絶縁し、負の電圧にした。電源を手動モードで作動し、したがって、電流を、捕集された材料の良好な配置を確実にするように連続的に調整した。捕集された材料は、非常に均一に配置され、静電力をオフにし、すると、サンプルがタイパー(登録商標)リーダーシートから離れた。
【0101】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、2000RPMの速度における真空ブロワによって与えた。静電力および真空を同時に用いて、フラッシュ紡糸されたウェブの、捕集器への留めを助けた。
【0102】
捕集された材料は表面積が3.6m/gであり、坪量が0.17oz/yd(5.8g/m)であり、厚さが20μm未満であった。捕集された材料のサンプルは、フレージャー空気透過性が1平方フィートあたり53CFM(16m/分/m)であり、静水頭が水5.3インチ(13cm)であることが見出された。
【0103】
実施例4
フレオン(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニーから得られた)の紡糸剤中の、2%のマット6HDPE(エクイスター・ケミカルズLPから得られた)のポリマー溶液を、180℃の温度、および1790〜1960psi(12〜13MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、500rpmで回転するロータの、実施例1で説明されたような寸法を有するノズルを通して、多孔性捕集ベルト上に位置決めされた白色リーメイ(Reemay)(登録商標)スパンボンドポリエステル布帛(BBAノンウーブンズ(BBA Nonwovens)から入手可能)のリーダーシート上にフラッシュ紡糸することによって、別々のフィブリルを含んでなる膜を形成した。フラッシュ紡糸された材料を、ロータから離れて半径方向にノズルから排出した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、1インチ(2.5cm)であった。ロータを紡糸セル内に閉じ込め、紡糸セルの内部を80℃の温度で保持した。
【0104】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、2000RPMの速度における真空ブロワによって与えて、フラッシュ紡糸された材料の、捕集器への留めを助けた。
【0105】
捕集された材料のサンプルは、表面積が2.0m/gであり、坪量が0.32oz/yd(11g/m)であり、厚さが1.8ミル(46μm)であった。サンプルは、MD UIが3.3(oz/yd1/2(19(g/m1/2)であり、CD UIが4.2(oz/yd1/2(24(g/m1/2)であった。
【0106】
捕集された材料のサンプルを、140℃で2秒間ホットプレス接合した。MDの引張強度が1.5lb/in(2.6N/cm)であり、CDの引張強度が0.45lb/in(0.78N/cm)であり、伸びが、MDにおいて21%であり、CDにおいて61%であることが見出された。
【0107】
実施例5
フレオン(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニーから得られた)の紡糸剤中の、1重量%のBH600/20アファ−セル(Apha−Cel) 食品グレードセルロース(インターナショナル・ファイバー・コーポレーション(International Fiber Corp.)から得られた)および0.5重量%のマット8HDPE(エクイスター・ケミカルズLLPから得られた)の組合せを、170〜180℃の温度で、減少オリフィス1500psi(10MPa)の上流のフィルタ圧力で、溶液をノズルに分配する通路を収容する紡糸ビームの、実施例1で説明されたような寸法を有する5のノズルを通して、多孔性捕集ベルト上に位置決めされた接合されていないプレキシフィラメント状フィルム−フィブリル要素(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能)のシート上に紡糸することによって、プレキシフィラメント状フィルム−フィブリルHDPE材料の接合されていないフラッシュ紡糸されたシートの表面上の、セルロースおよびポリマーの別々のフィブリルの堆積された層を含んでなるサンプルを形成した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、3インチ(7.5cm)であった。
【0108】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、2000RPMの速度における真空ブロワによって与えた。
【0109】
静電力を、ノズルのすぐ下流に1列に一様に隔置された針から発生させた。各ノズルを、ロータを介して接地した。したがって、針もロータを介して接地した。捕集ベルトを電気的に絶縁し、負の電圧にした。電源を電流制御モードで作動し、したがって、電流は0.30mAで安定したままであった。
【0110】
結果として生じる堆積された層は、坪量が0.24oz/yd(8.1g/m)であった。
【0111】
結果として生じる接合されていないフラッシュ紡糸されたシート上のセルロースおよび別々のフィブリルの堆積された層のサンプルを、印刷されたバーコードシンボルの品質パラメータを測定するテスト方法ISO15416、「バーコード印刷品質ガイドライン(Bar Code Print Quality Guideline)」にかけた。5の別個のサンプルを、各々10回テストし、品質パラメータの平均は約2.7であり、これは、バーコード印刷基材としての適性についての「A」から「F」のグレーディングスケールで高い「C」のグレードに等しい。
【0112】
実施例6
約6%のバートレル(Vertrel)(登録商標)HFC−43−10mee(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー・インコーポレイテッドから入手可能)および94%のジクロロメタンの組合せを含んでなる紡糸剤中の、80%のマット6HDPE(エクイスター・ケミカルズLLPから得られた)および20%のエンゲージ(Engage)(登録商標)8407ポリオレフィンエラストマー(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・ダウ・エラストマーズLLC(DuPont Dow Elastomers LLC, Wilmington, Delaware)から得られた)の組合せの4%溶液を、175〜185℃の温度、および800〜1900psi(5〜13MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、フラッシュ紡糸することによって、フィブリルを含んでなるサンプルを形成した。溶液を、500rpmで回転するロータの、ファンジェットに開いている紡糸オリフィスを含んでなる2つのノズルに供給した。各ノズルは、直径が0.025インチ(0.064cm)であり、長さが0.032インチ(0.081cm)である減少オリフィスを含んでなり、これは、減少チャンバに開いた。減少チャンバは、直径が0.025インチ(0.064cm)であり、長さが0.080インチ(0.20cm)である紡糸オリフィスにつながった。フラッシュ紡糸された材料を織黒色ナイロンベルト(アルバニー・インターナショナル(Albany International)から得られた)上に紡糸した。フラッシュ紡糸された材料を、ロータから離れて半径方向にノズルから排出した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、0.38インチ(1cm)であった。ロータを紡糸セル内に閉じ込め、紡糸セルの内部を106〜107℃の温度で保持した。ステムセル温度は、ポリオレフィンエラストマーが軟化し粘着性になり、それにより、捕集された材料を自己接合することを引起した。
【0113】
ノズルの面から半径方向に0.62インチ(1.6cm)延在する空気力学的ステンレス鋼箔を、ノズルの上流側にノズルの出口スロットに隣接してロータの周囲上に設置した。箔を使用して、ノズルを出た後ジェット速度が高いままであることを確実にした。箔を半径方向に対して45°の角度で設置した。
【0114】
真空を、捕集ベルトに、配管を介して捕集ベルトと流体連通する、2500RPMの速度における真空ブロワによって与えて、フラッシュ紡糸された材料の、捕集ベルトへの留めを助けた。
【0115】
静電力を、ノズルのすぐ下流に1列に一様に隔置された針から発生させた。各ノズルを、ロータを介して接地した。したがって、針もロータを介して接地した。捕集ベルトを電気的に絶縁し、負の電圧にした。電源を電流制御モードで作動し、したがって、電流は0.42mAで安定したままであった。
【0116】
結果として生じる堆積された層は、坪量が0.97oz/yd(33g/m)であり、厚さが3.7ミル(94μm)であり、表面積が0.52m/gであった。堆積された層は、MD UIが18(oz/yd1/2(104(g/m1/2)であり、CD UIが4.0(oz/yd1/2(23(g/m1/2)であった。捕集ベルト速度が変わり、より高いMD UIをもたらすことが観察された。
【0117】
実施例7
フレオン(登録商標)11トリクロロフルオロメタン(パーマー・サプライ・カンパニーから得られた)の紡糸剤中の、0.5%のマット8HDPE(エクイスター・ケミカルズLPから得られた)の分散液を、実施例1で説明されたような寸法を有する1組の4のノズルに分散液を分配する通路を収容する紡糸ビームを通して、フラッシュ紡糸することによって、フィブリルおよびポリマー粒子を含んでなる膜を形成した。
【0118】
分散液を、ファンジェットを通して、金属化マイラー(Mylar)(登録商標)(バージニア州ホープウェルのデュポン・テイジン・フィルムズ(DuPont Teijin Films, Hopewell, Virginia)から入手可能)の捕集基材上にフラッシュ紡糸した。分散液を、176℃から179℃の温度、および1440〜1900psi(10〜13MPa)の、減少オリフィスの上流のフィルタ圧力で、フラッシュ紡糸した。マイラー(登録商標)捕集基材および捕集された材料を、移動多孔性捕集ベルトによって搬送した。ノズルの出口と捕集ベルトとの間の距離は、3インチ(7.6cm)であり、この距離で、流体ジェットは実質的に層流中であった。
【0119】
配管を介して捕集ベルトと流体連通する、1000RPMの速度における真空ブロワによって、真空を与えて、マイラー(登録商標)を捕集ベルトに保持した。ポリマー粒子は、いかなる他の明らかな留め力もなしでマイラー(登録商標)に接着するのに十分に粘着性であった。
【0120】
HDPEフィブリルおよび粒子の層を金属化マイラー(登録商標)基材の表面上に堆積させ、堆積された層は、坪量が0.4oz/yd(14g/m)であり、厚さが0.001インチ(25μm)であった。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明のプロセスに使用されるロータの断面図である。
【図2】本発明のプロセスに使用される、ロータと捕集表面とを含む装置の断面図である。
【図3】本発明での使用に適した先行技術の捕集ベルトを示す斜視図である。
【図4】本発明のプロセスによって形成された別々のフィブリルの膜層と、連続スパンレース繊維の予め形成された基材とを含んでなる複合シートの断面の顕微鏡写真(走査型電子顕微鏡法による)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダムに回旋状の断面のポリマーフィブリルを含んでなる膜であって、厚さが約50μm以下であり、縦方向均一性指数が約29(g/m1/2以下である膜。
【請求項2】
膜が、坪量が約2.4g/mから約91g/mである請求項1に記載の膜。
【請求項3】
膜が、厚さが約25μm以下であり、縦方向均一性指数が約23(g/m1/2未満である請求項1に記載の膜。
【請求項4】
膜が、厚さが約1μm以下である請求項1に記載の膜。
【請求項5】
膜が、縦方向均一性指数が約17(g/m1/2未満である請求項1に記載の膜。
【請求項6】
フィブリルが、ポリオレフィン、ポリエステル、部分フッ素化ポリマー、ポリケトン、ポリマーブレンド、およびそれらの組合せよりなる群から選択されるポリマーから形成される請求項1に記載の膜。
【請求項7】
膜が、粒子、中空粒子を含んでなるフォーム、ウェブ、および/またはプレキシフィラメント状フィルム−フィブリルストランドよりなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含んでなる請求項1に記載の膜。
【請求項8】
異なった溶融温度または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーを含んでなり、最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーが接合される請求項1に記載の膜。
【請求項9】
最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーが、総ポリマー重量の、重量による小さい割合を構成する請求項8に記載の膜。
【請求項10】
膜が、ポリエチレンおよびポリプロピレンを含んでなる請求項8に記載の膜。
【請求項11】
膜が、ポリエチレンおよびポリオレフィンエラストマーを含んでなる請求項8に記載の膜。
【請求項12】
膜がセルロースをさらに含んでなる請求項1に記載の膜。
【請求項13】
膜が多孔性である請求項1に記載の膜。
【請求項14】
膜が非多孔性である請求項1に記載の膜。
【請求項15】
織シート、不織シート、またはフィルムよりなる群から選択される予め形成された基材上に堆積された請求項1に記載の膜を含んでなる複合シート。
【請求項16】
(a)紡糸剤と、異なった溶融温度または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーとを含んでなる流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、ロータの周囲に沿って、中に開口部を含んでなる少なくとも1つの材料噴出ノズルを有することを特徴とする工程と、
(b)材料噴出速度で、流体化混合物を、ノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、噴出された材料を形成する工程と、
(c)噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、
(d)噴出された材料の残りの成分を、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、
(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、噴出された材料の残りの成分を捕集して、捕集された材料を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程と、
(f)捕集された材料の温度を、最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーの温度より高い温度で、最も低い溶融温度または軟化温度のポリマーを粘着性にするのに十分な時間の間保持する工程と
を含んでなる方法。
【請求項17】
捕集された材料が、60℃から280℃の温度で保持される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
不織シート、織シート、またはフィルムよりなる群から選択される予め形成されたシートが、移動捕集ベルト上に提供され、噴出された材料の残りの成分が、予め形成されたシートの表面上に捕集される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
捕集された材料が、予め形成されたシートの表面上に膜層を形成し、膜層が、厚さが50μm以下であり、縦方向均一性が23(g/m1/2未満である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
膜層が、厚さが25μm以下であり、縦方向均一性が17(g/m1/2未満である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
膜層が、厚さが1μm以下である請求項19に記載の方法。
【請求項22】
捕集された材料および予め形成されたシートを、捕集された材料を非多孔性にするのに十分な温度および圧力で、カレンダ加工する工程をさらに含んでなる請求項18に記載の方法。
【請求項23】
捕集された材料を予め形成されたシートから取外して、膜を形成する工程をさらに含んでなる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
別々のフィブリルを含んでなる材料を形成するための方法であって、
(a)約0.5重量%から約5重量%の濃度における紡糸剤中のポリマーの溶液を含んでなる流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、ロータの周囲に沿って、中に開口部を含んでなる材料噴出ノズルを有することを特徴とする工程と、
(b)材料噴出速度で、流体化混合物を、ノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、噴出された材料を形成する工程と、
(c)噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、
(d)噴出された材料の残りの成分から形成された別々のフィブリルを、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、
(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、別々のフィブリルを捕集して、厚さが約50μm以下である膜を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程と
を含んでなる方法。
【請求項25】
(a)異なったポリマー成分を含んでなる2つの別個の流体化混合物を、大気圧より大きい圧力で、回転速度で軸の周りを回転するロータに供給する工程であって、ロータが、少なくとも2つの別個の材料噴出ノズルを有し、各ノズルが、ロータの周囲に沿って、その中に開口部を含んでなることを特徴とする工程と、
(b)各ノズルから、材料噴出速度で、2つの別個の流体化混合物を、別個のノズルの開口部から、大気圧における環境中に噴出して、別個の噴出された材料を形成する工程と、
(c)各別個の噴出された材料の少なくとも1つの成分を気化させるか膨張させて、流体ジェットを形成する工程と、
(d)各別個の噴出された材料の残りの成分を、流体によって輸送して、ロータから離す工程と、
(e)ロータの軸に同軸の捕集ベルトの捕集表面上に、各別個の噴出された材料の残りの成分を捕集して、捕集された材料を形成する工程であって、捕集ベルトが、ロータの回転の軸に平行な方向に、捕集ベルト速度で移動することを特徴とする工程と
を含んでなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−531833(P2007−531833A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506360(P2007−506360)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/011369
【国際公開番号】WO2005/098100
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】