説明

均一電場誘電体放電反応器

【課題】均一電場誘電体放電反応器の提供。
【解決手段】均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3、31により組成する電極ユニット、プラス、マイナス電極板3、31間に設置する誘電体触媒容器構造4、誘電体触媒容器構造4内部に設置する触媒反応器引流板41構造、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2、入口7、出口8のパイプを備え、電極ユニットは絶縁材料により製造する平面構造で、面上には電気回路46に並列接続する放電針45を均一に分布して固定し、2個の電極板の極性は異なり、誘電体触媒容器構造4の両側に平行に設置し、誘電体触媒容器構造4は中空実体で、誘電体触媒容器構造4内側には金属触媒を塗布し、引流板41は両面共に触媒塗布層42を塗布し、有機気体、溶剤の分解、空気中或いは水中の細菌の殺菌、通過する油煙の分解などに用いることができ、空気浄化、液体殺菌消毒、或いは汚水処理設備に応用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高電圧放電技術に関し、特に均一電場誘電体放電反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体放電を利用し、空気中のトルエン、キシレンなどの有害な有機ガスを分解することができる。この分野では、既に多くの研究成果が発表されている。例えば、非特許文献1では、誘電体バリア放電(DBD)を採用し、常圧下で流動ガス中のベンゼン、キシレンの分解を行う研究の状況について紹介している。また、高電圧放電を利用し、汚水に対して処理を行う研究も関連分野であるが、これはいまだ実験研究段階に留まっている。例えば、非特許文献2では、高圧パルス放電水処理方式メカニズムと放電特性に対して実験と研究を行っている。本発明と関連のある原理、技術は上記した水準に過ぎず、均一電場の誘電体放電反応器をいかにして構成するかについての研究はいまだ見当たらない。
【0003】
伝統的な誘電体放電反応器には、スパイラル式と充填型パックドベッド式の誘電体放電反応器がある。これら反応器が採用する構造は、一般に大同小異で、形成する電場も非常に均一であるとは言えず、その処理効果には欠陥が存在し、しかもオゾン濃度が高いため、理想的とは言えない。本発明は、従来の誘電体放電反応器の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】『中国環境科学』2001年06期「誘電体バリア放電を用い常圧下で行うベンゼン、キシレンの分解」
【非特許文献2】『大連理工大学』2003年論文「誘電体バリア放電(DBD)反応器の水処理における実験研究」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、十分に理に適っておらず、コストが高く、オゾンを大量に発生し、応用範囲に限界があるという従来の誘電体放電構造の欠点を解決することができ、従来の誘電体放電構造の最大の欠点は、電場の均一度が不十分で、処理効果が理想的でなく、オゾンを大量に発生するという問題が存在する点だが、それを本発明は徹底的に解決することができ、誘電体放電原理を、均一電場のレベルにまで発展させ、これにより人々の日常生活の領域への応用が容易となり、経済的な構造により、殺菌、オゾン除去、TVOCS分解設備を可能とし、この全く新しい原理を利用した設備が備える殺菌、オゾン除去、TVOCS分解の機能は、空気、水、液体飲料、廃水、及び一部の固体などに作用させることができる均一電場誘電体放電反応器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は下記の均一電場誘電体放電反応器を提供する。均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3,31により組成する電極ユニット、プラス、マイナス電極板3、31の間に平行に設置する誘電体触媒容器構造4、誘電体触媒容器構造4内部に設置し、しかも触媒塗布層42を備える反応器引流板41構造、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2、入口7、出口8、絶縁ジョイント1、密封ブロック5、と密封リング6、を備える。
【0007】
図7、8、9及び10に示すように、プラス電極板フレーム43とマイナス電極板フレーム44は電極板材料441、絶縁材料442、放電針45と電気回路46により構成され、プラス、マイナス電極板フレーム43,44の寸法は、100mm〜5000mm×100mm〜5000mmで、必要に応じて選択する。プラス、マイナス電極板フレーム43,44面上には、放電針45を均一に分布して固定し、底部にはそれぞれ接線端子9を配置し、放電針45と板面中に埋設する電気回路46とは連接し、各放電針45は、電気回路46上に並列接続する。プラス、マイナス電極板3,31の極性は異なり、誘電体触媒容器構造4(図2参照)の両側に平行に設置する。放電針45尖端から、誘電体触媒容器構造4(図2参照)までの距離は、5mm〜60mmで、すべての放電針45は、一つ一つ対応する。
【0008】
誘電体触媒容器構造4のサイズ及び体積と電源の給電能力は正比例する。誘電体触媒容器構造4(図2参照)の本体は、中空で、矩形、円形、不規則形などの形状を呈し、その平面サイズと電極ユニットは一致する。誘電体触媒容器構造4(図2参照)内側には、金、銀、プラチナ、ニッケル、マンガン、クロムなど、及びその酸化物である金属或いは金属酸化物を塗布し、触媒塗布層42を形成する。図2、4は、誘電体触媒容器構造4の2種の形式をそれぞれ示す。誘電体触媒容器構造フレーム40は、導電基材で、誘電体触媒容器構造4内側は、触媒塗布層42である。
【0009】
誘電体放電反応器に進入する流体と誘電体との接触の機会を高めるため、誘電体触媒容器構造4(図2参照)内に引流板41を増設する。これにより、流体と誘電体との接触の機会を高めることができ、こうして誘電体放電反応器全体の効率をさらに向上させることができる。引流板41の材質構造と、誘電体触媒容器構造4(図2参照)とは相同である。異なる点は、引流板41には両面共に、金属酸化物皮層、或いは金属皮層を塗布するところである。図12、13、15は、引流板41構造の形式を示す。図12は、図11の内部構造で、それが示す引流板41構造の内部に設置する引流板41は、ひし形を呈し、処理される気体(或いは流体)は、ひし形を呈し配置される引流板41を通過する。図13に示す引流板41構造の内部に設置する引流板41は波浪形を呈し、引流板41は、入口7と出口8の軸線上に設置される。引流板フレームは、引流板41により構成される。引流板41には、両面共に、金属酸化物皮層、或いは金属皮層触媒塗布層42を塗布する。引流板フレーム内の引流板41は組合わせて、ひし形、或いは波浪形構造を形成することができる。図15に示す引流板41構造は、内部の引流板41がバッフル式構造を組成するため、処理される気体(或いは流体)は、引流板41が組成するバッフル通路を通り、引流板41構造中における滞留時間を拡大することができる、引流板構造の内部流体経路50を図17に示す。
【0010】
電極ユニットに、高圧直流電力が通電すると、2個の電極ユニットは、それぞれプラス極とマイナス極に接続し、或いはそれぞれマイナス極とアースに接続し、プラス、マイナス極に連接する放電針45は、ポイントツーポイントで放電する。ポイントツーポイントの間の高圧において、中空本体を介して誘電体は放電し、プラス、マイナスイオンは、中空本体上で迅速に中和され、しかもイオンは、中空本体を介して伝導される。中空本体の高導電性を介する放電は、均一になり、同時に強大なエネルギーを生じる。この強大な放電エネルギーは、この中空本体内部を流れる有機気体、有機溶剤の分解に対して、非常に有効である。本体内部空間のあらゆる細菌は、空気中のものであろうと水中のものであろうと、すべて迅速に殺菌され、流れる油煙、或いは有害気体なども、効果的に分解される。
【0011】
本発明を気体処理に用いる際には、空気中のベンゼン、ホルムアルデヒドなどの有害気体が、本発明の誘電体高圧放電反応器を通ると、すべてイオン化され、迅速に酸化されてマイナスイオンとなり、空気と結合して、酸素、水、二酸化炭素に還元される。同時に、2個の電極ユニットの間には電場を形成し、2個の電極ユニットの間に位置する中空本体は、電場の誘導を受け、その上に塗布する触媒塗布層42は、金属イオンを生成する。空気が処理ユニットを通る時、処理ユニットに塗布する触媒塗布層42は、電場の誘導を受け、金属イオンを発生し、空気中のホルムアルデヒド、ベンゼン、アンモニアなどのTVOC有毒有害気体を効果的に分解することができる。金属イオンは酸化能力が強く、同時に非常に強力な殺菌性能を備えるため、長期間持続して、さまざまな程度に、室内の空気の質を改善することができる。処理ユニット上の触媒塗布層42が形成する金属イオンは、ポイントツーポイントで放電時に発生するオゾンに対して抑制作用を生じ、オゾンの発生を大幅に減少させることができる。
【0012】
本発明を液体の殺菌処理に用いる際には、本発明の誘電体高圧放電反応器の電極ユニットに通電後、プラス、マイナス電極板3,31間の中空本体内には、強い電場を形成する。水道水、飲料などの殺菌が必要な液体が通ると、電場の作用により、液体中の大腸菌などはすべて迅速に殺菌される。
【0013】
本発明を汚水の浄化処理に用いる際には、本発明の誘電体高圧放電反応器の電極ユニットに通電後、プラス、マイナス電極板3,31間の誘電体中空実体内には、強い電場を形成する。プラス、マイナス電極板3,31間に位置する中空本体は、電場の誘導を受け、その上に塗布する触媒塗布層42は金属イオンを発生する。汚水が電極ユニットと処理ユニットを通る時、処理ユニットに塗布する触媒塗布層42は、電場中において金属イオンを発生し、汚水中のCOD、有機リンなどの有毒物質を効果的に分解し、汚水浄化の作用を達成することができる。
【0014】
気体、或いは液体に対する処理の必要に応じて、若干の本発明均一電場誘電体放電反応器を直列に連接して、モジュール化した高圧誘電体処理ユニットを組成し、マルチレベルの処理を行うことができる。直列に連接する時には、第一レベルの気体(液体)入口は、気体(液体)の総入口で、第一レベルの気体(液体)出口は、第二レベルの気体(液体)入口に連接し、第二レベルの気体(液体)出口は、第三レベルの気体(液体)入口に連接する。上記から明らかなように、最終レベルの気体(液体)出口は、気体(液体)の総出口である。図18には、モジュール化高圧誘電体処理ユニット100、200、300を示す。図18に示す構造は、3レベルの誘電体放電反応器を直列接続して構成するため、その処理効果はより優れている。
【発明の効果】
【0015】
従来の技術と比較し、本発明の均一電場誘電体放電反応器は、TVCOSなどの有機揮発性気体を効果的に殺菌、分解、除去できるばかりか、オゾンの生成を抑制できる。さらに、高圧放電反応器内の放電反応が均一であるため、処理過程において発生する、局部の反応がない死角を減らせる点は重要な長所である。本発明は、有機気体、有機溶剤の分解に用いることができ、空気中、或いは水中の細菌を迅速に殺菌でき、また油煙に用いれば、内部を通過する油煙を効果的に分解でき、またプラスチック高分子材料の表面改質などの分野にも用いることができるため、空気清浄器、有機汚水処理設備、農産物殺菌設備、医療施設殺菌消毒設備、厨房殺菌消毒設備、油煙分解機などに運用でき、応用範囲は非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】誘電体反応器の断面図である。
【図2】誘電体触媒容器構造の立体図である。
【図3】図1に示す誘電体触媒容器構造の断面図である。
【図4】誘電体触媒容器構造フレームの立体図である。
【図5】誘電体触媒容器構造フレームの頂点面部横断面の断面図である。
【図6】誘電体触媒容器構造フレームの縦断面の断面図である。
【図7】誘電体触媒容器構造が矩形である処理ユニットの実施例図である。
【図8】誘電体触媒容器構造が円柱形である処理ユニットの実施例図である。
【図9】放電電極構造の模式図である。
【図10】放電電極構造の断面図である。
【図11】引流板構造を含む触媒反応器の立体図である。
【図12】触媒反応器引流板構造の内部構造の模式図である。
【図13】図11に示す触媒反応器引流板構造の断面図である。
【図14】触媒反応器引流板構造の別種の実施例の模式図である。
【図15】図14に示す触媒反応器引流板構造の断面図である。
【図16】触媒反応器引流板構造の別種の実施例の模式図である。
【図17】図16に示す触媒反応器引流板構造ルートの模式図である。
【図18】モジュール化高圧誘電体処理ユニットの実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
第一実施例
本発明実施例の均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3、31により組成する電極ユニット、誘電体触媒容器構造4、誘電体触媒容器構造4上、下端に設置する入口7、出口8のパイプ、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2を備える。(図1及び図2参照)
【0019】
本実施例の誘電体触媒容器構造4(図2、3参照)は、横断面が矩形のステンレス製の長方体構造で、その外形サイズは、300mm×300mm×1000mmで、内部にはプラチナ、ニッケル触媒塗布層42を塗布する。誘電体触媒容器構造4上、下部の円孔は、パイプと溶接する。上部のパイプは、出水管で、下部のパイプは、進水管である。プラス、マイナス電極板3,31は、誘電体触媒容器構造4(図2参照)の両側に平行に設置する。プラス、マイナス電極板3,31の平面サイズは、300mm×1000mmで、フレーム面上には、放電針45を均一に分布して固定する。放電針45から誘電体触媒容器構造4(図2参照)までの距離は50mmである。本実施例が供給する電源電圧は、5万ボルトで、汚水の浄化に用いることができる。
【0020】
第二実施例
本発明実施例の均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3,31により組成する電極ユニット、誘電体触媒容器構造4(図8参照)、誘電体触媒容器構造4上、下端に設置する入口7、出口8のパイプ、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2を備える。
【0021】
本実施例の誘電体触媒容器構造4(図8参照)は、横断面が円形のステンレス製の円筒状構造で、その内腔サイズは、Φ200mm×1000mmである。円筒状構造誘電体触媒容器構造4は、上、下固定板47、48上に固定し、円筒状構造誘電体触媒容器構造4内壁にはプラチナ、ニッケル触媒塗布層42を塗布する。誘電体触媒容器構造4(図8参照)の上、下固定板47、48の中心の円孔は、パイプと溶接する。上部のパイプは、出水管で、下部のパイプは、進水管である。プラス、マイナス電極板3,31は、誘電体触媒容器構造4(図8参照)の両側に平行に設置する。プラス、マイナス電極板3,31は、円筒状構造誘電体触媒容器構造4と同心の弧状柱面構造で、その電極板弧状柱面内円の直径はΦ250mmで、高さは1000mmで、弧状面の端から端までの幅は180mmである。円弧状電極板内円柱面上には、弧状柱面に垂直に、放電針45を均一に分布して固定する。放電針45から円柱形誘電体触媒容器構造4(図8参照)外壁までの距離は30mmである。本実施例が供給する電源電圧は、2万ボルトで、誘電体触媒容器構造4は強い電場を発生することができ、水道水の殺菌、或いは牛乳、飲料などの殺菌処理に用いることができる。
【0022】
第三実施例
本発明実施例の均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3,31により組成する電極ユニット、誘電体触媒容器構造4(図4参照)、触媒反応器引流板41構造、誘電体触媒容器構造4上、下端に設置する入口7、出口8のパイプ、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2を備える。
【0023】
本実施例の誘電体触媒容器構造4は、図4、5、6に示すように、横断面が矩形のアルミ製の長方体構造で、各側面は網状の格子である。その外形サイズは、200mm×300mm×800mmで、内部にはプラチナ、ニッケル触媒塗布層42を塗布する。誘電体触媒容器構造4上、下部の円孔は、パイプと溶接する。上部のパイプは、出水管で、下部のパイプは、進水管である。触媒反応器引流板41は、図16及び図17に示すように、バッフル式引流板構造で、誘電体触媒容器構造4(図4参照)内に設置する。その外形サイズは、誘電体触媒容器構造4内腔のサイズよりやや小さい。プラス、マイナス電極板3,31は、誘電体触媒容器構造4(図4参照)の両側に平行に設置する。プラス、マイナス電極板3,31の平面サイズは、300mm×800mmで、フレーム面上には、放電針45を均一に分布して固定する。放電針45から誘電体触媒容器構造4(図4参照)までの距離は35mmである。本実施例が供給する電源電圧は、3万ボルトで、空気の浄化に用いることができる。
【0024】
第四実施例
本発明実施例の均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3,31により組成する電極ユニット、誘電体触媒容器構造4(図2参照)、触媒反応器引流板41構造、誘電体触媒容器構造4上、下端に設置する入口7、出口8のパイプ、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2を備える。
【0025】
本実施例の誘電体触媒容器構造4(図2、3参照)は、横断面が矩形のステンレス製の長方体構造で、その外形サイズは、500mm×500mm×2000mmで、内部にはプラチナ、ニッケル触媒塗布層42を塗布する。誘電体触媒容器構造4(図2参照)内には、図11、12、13に示すひし形触媒反応器引流板41構造を設置する。触媒反応器引流板41構造の外形サイズは、400mm×400mm×2000mmである。誘電体触媒容器構造4(図2参照)上、下部の円孔は、パイプと溶接する。上部のパイプは、出水管で、下部のパイプは、進水管である。プラス、マイナス電極板3,31は、誘電体触媒容器構造4の両側に平行に設置する。プラス、マイナス電極板3,31の平面サイズは、300mm×2000mmで、フレーム面上には、放電針45を均一に分布して固定する。放電針45から誘電体触媒容器構造4(図2参照)までの距離は50mmである。本実施例が供給する電源電圧は、5万ボルトで、汚水の浄化に用いることができる。
【0026】
第五実施例
本発明実施例の均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板3,31により組成する電極ユニット、誘電体触媒容器構造4(図2参照)、触媒反応器引流板41構造、誘電体触媒容器構造4上、下端に設置する入口7、出口8のパイプ、上記した構造を収容設置する絶縁外殻2を備える。
【0027】
本実施例の誘電体触媒容器構造4は、図2、3に示すように、横断面が矩形のステンレス製の長方体構造で、その外形サイズは、300mm×300mm×1000mmで、内部にはプラチナ、ニッケル触媒塗布層42を塗布する。誘電体触媒容器構造4内には、図14、15に示す波浪形触媒反応器引流板41構造を設置する。触媒反応器引流板41構造の外形サイズは、250mm×250mm×1000mmである。誘電体触媒容器構造4上、下部の円孔は、パイプと溶接する。上部のパイプは、出水管で、下部のパイプは、進水管である。プラス、マイナス電極板3,31は、誘電体触媒容器構造4の両側に平行に設置する。プラス、マイナス電極板3,31の平面サイズは、250mm×1000mmで、フレーム面上には、放電針45を均一に分布して固定する。放電針45から誘電体触媒容器構造4までの距離は50mmである。図18に示すように、本実施例は、相同の均一電場誘電体放電反応器を3個、直列に連接し、モジュール化高圧誘電体ユニット処理ユニット100、200、300を組成する。本実施例が供給する電源電圧は、5万ボルトで、汚水の浄化に用いることができる。
【0028】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0030】
1 絶縁ジョイント
2 絶縁外殻
3 プラス電極板
31 マイナス電極板
4 誘電体触媒容器構造
40 誘電体触媒容器構造フレーム
41 引流板
42 触媒塗布層
43 プラス電極板フレーム
44 マイナス電極板フレーム
441 電極板材料
442 絶縁材料
45 放電針
46 電気回路
47 上固定板
48 下固定板
50 流体経路
5 密封ブロック
6 密封リング
7 入口
8 出口
9 接線端子
100 処理ユニット
200 処理ユニット
300 処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
均一電場誘電体放電反応器は、プラス、マイナス電極板により組成する電極ユニット、前記プラス、マイナス電極板間に平行に設置する誘電体触媒容器構造、
前記誘電体触媒容器構造内部に設置する触媒反応器引流板構造、
上記した構造を収容設置する絶縁外殻、入口、出口のパイプを備えることを特徴とする均一電場誘電体放電反応器。
【請求項2】
前記電極ユニットは、絶縁材料により製造する平面フレーム構造で、
前記フレーム面上には、放電針を均一に分布して固定し、前記各放電針は、回路に並列接続し、前記2個の電極板の極性は異なり、前記誘電体触媒容器構造の両側に平行に設置し、前記放電針尖端から、前記誘電体触媒容器構造までの距離は、5mm〜60mmであることを特徴とする請求項1に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項3】
前記誘電体触媒容器構造は、中空実体で、矩形、円形、不規則形などの形状を呈し、その平面サイズは前記電極ユニットと一致し、
前記誘電体触媒容器構造内側には、金属或いは金属酸化物を塗布し、金属触媒とすることを特徴とする請求項1に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項4】
前記引流板構造の材質と、前記誘電体触媒容器構造とは相同で、
前記引流板フレームは、導電基材により製造し、前記引流板は両面共に、金属酸化物皮層、或いは金属皮層触媒塗布層を塗布し、
前記引流板フレーム内の引流板は、ひし形、波浪形、或いはバッフル型構造に組合わせることができることを特徴とする請求項1に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項5】
前記反応器は、必要に応じて、複数を直列接続して、モジュール化高圧誘電体処理ユニットを組成することができ、これによりマルチレベルの処理を行うことができ、前レベルの出口は、次レベルの入口に連接することを特徴とする請求項1に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項6】
前記電極ユニットのフレームサイズは、100mm〜5000mm×100mm〜5000mmであることを特徴とする請求項2に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項7】
前記誘電体触媒容器構造内側には、金、銀、プラチナ、ニッケル、マンガン、クロムなど、及びその酸化物である金属、或いは金属酸化物が塗布することを特徴とする請求項3に記載の均一電場誘電体放電反応器。
【請求項8】
前記誘電体放電反応器は、空気の浄化、液体の殺菌、汚水の浄化に用いることができることを特徴とする請求項1に記載の均一電場誘電体放電反応器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−11380(P2012−11380A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144752(P2011−144752)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(507045498)
【Fターム(参考)】