説明

垂直磁気記録媒体の検査方法

【課題】サーティファイ試験後に交流消磁された垂直磁気記録媒体の消磁状態を簡易に検査する検査方法を提供すること。
【解決手段】記録媒体が直流消磁状態である場合、未記録領域は直流消磁状態で、AC結合前のリード素子からの出力は磁化方向により“+”または“−”の出力となっている。中心線S1もそれに伴い“+”または“−”のレベルである。一方、信号記録領域では、交流信号が書込まれているので信号中心線S2は0であり、S1、S2を図示すると図3(a)のようになる。これがAC結合によりDC成分がカットされると、S1は0レベルとなる。S1とS2の境界を考えると、変動はS1からマイナス側へ1変動するので、DCのカットされたS1の0レベルからS2は−1となる。その後、AC結合の時定数に従い−1から0レベルへ変動する(図3(b))。このように、もとの消磁状態が直流消磁状態であるときS1とS2は境界領域でズレが生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録媒体の検査方法に関し、より詳細には、垂直磁気記録媒体の消磁状態の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直磁気記録媒体は、非磁性基体上に、軟磁性裏打層と中間層と垂直磁気記録層と保護層とが順次積層され、その上に潤滑膜が塗布されたものが通常用いられる(図8参照)。ハードディスク装置(HDD)は、磁気記録媒体上に磁気ヘッドを10nm程度浮上させて、データの記録再生を行うものであるから、磁気記録媒体表面上に欠陥があると、ヘッド浮上変動やヘッドダメージなど深刻なエラーへとつながる。そのため、最低限必要とされる性能を磁気記録媒体が単体にて満足していることをHDD内に組み込む前にテストする必要がある。
【0003】
一般にこのテストはテスト用の磁気ヘッドを使用して行われ、磁気記録媒体のグライド特性、サーティファイ特性等が検査される。グライド試験では、磁気記録媒体上の突起数が、サーティファイ試験では、磁気記録媒体の電気的特性や欠陥の有無が確認される。サーティファイ試験は、磁気記録媒体に特定の信号を記録し、この記録信号の再生信号のレベルを基準信号のレベルと比較し、再生信号の欠陥の有無を検査する。また、場合によってはサーティファイ試験後に直流消磁を行い、その状態で余分なビットを生じていないかを検査する。そのため、サーティファイ試験後の磁気記録媒体上には、検査に使用した特定の信号が書込まれているか、または磁気記録媒体全面が直流消磁された状態となる。直流消磁とは、磁気記録層の磁化容易軸の方向に直流磁界を印加することで磁気記録層の磁化分布を一様にする消磁方法のことを指す。
【0004】
一方、垂直磁気記録媒体において出荷状態では交流消磁状態が望ましい。特許文献1には、ハードディスク装置における磁気ヘッドのリード素子に対する磁気記録媒体からの外乱磁界の影響を抑制するため、トラック間のエリアを交流消磁とすることが記載されている。また、特許文献2には、磁気記録媒体の検査装置における一連のシーケンス処理として、信号の書込みおよび読出しに基づく検査の後に交流消磁の後処理を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−230734号公報
【特許文献2】特開平6−325361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
交流消磁は、磁気記録媒体に数kHz程度の交流磁界を印加し、その交流磁界の振幅を徐々に減少させてゼロに近づけていくことで、磁気記録層の残留磁化成分をゼロにする消磁方法である。実際の検査工程では、サーティファイ試験後に永久磁石を用いて上記消磁方法を実現し、交流消磁を実施している。
【0007】
しかしながら、条件によっては交流消磁状態にならず、直流消磁状態となってしまうことがあり、この状態をチェックする必要が生じる。ハードディスク装置またはハードディスク装置に用いられる磁気ヘッドを用いる場合、例えば全面直流消磁状態の磁気記録媒体に特定の信号を書込んだ後に書込まれた信号を読み出すと、磁気ヘッドのリード素子が磁気記録媒体からの外乱磁界により影響を受けて読出し信号に歪みが生じ、直流消磁状態であることが判断できる。一方、サーティファイ試験装置で通常使用される磁気ヘッドは書込み幅が広く、リード素子が磁気記録媒体からの外乱磁界の影響を受けにくいので、読出し信号の歪みが発生しない。このような理由で、サーティファイ試験装置での磁気記録媒体の消磁状態の検出は困難である。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サーティファイ試験後に交流消磁された垂直磁気記録媒体の消磁状態を簡易に検査する検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、第1の態様の本願発明は、非磁性基体上に、垂直磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体の検査方法において、前記垂直磁気記録媒体に信号が正常に記録されるか否かを検査するサーティファイ試験の後に、前記サーティファイ試験によって前記垂直磁気記録層に記録された磁化を交流消磁する交流消磁ステップと、前記交流消磁ステップにより、交流消磁状態になっているか否かを検査する消磁状態検査ステップとを含み、前記消磁状態検査ステップは、前記垂直磁気記録媒体の検査トラックに交流信号記録領域と未記録領域が交互に配置されるように、前記サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで交流信号を記録し、ついで、前記未記録領域から前記交流信号記録領域または前記交流信号記録領域から前記未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うステップ含むことを特徴とする。
【0010】
また、第2の態様の本願発明は、第1の態様において、前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域の信号中心線S1と前記交流信号記録領域における信号中心線S2とを比較して、前記信号中心線S1と前記信号中心線S2とにずれがある場合は直流消磁状態と判別し、前記信号中心線S1と前記信号中心線S2とにずれがない場合は交流消磁状態と判別することを特徴とする。
【0011】
また、第3の態様の本願発明は、第1又は第2の態様において、前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域からの信号を低域通過フィルタに通して得られる第1の信号と、前記交流信号記録領域からの信号を前記低域通過フィルタに通して得られる第2の信号との境界において、所定のレベル以上のパルス状信号が検出される場合を直流消磁状態と判断し、前記所定のレベル以上のパルス状信号が検出されない場合を交流消磁状態と判別することを特徴とする。
【0012】
また、第4の態様の本願発明は、非磁性基体上に、垂直磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体の検査方法において、前記垂直磁気記録媒体に信号が正常に記録されるか否かを検査するサーティファイ試験の後に、前記サーティファイ試験によって前記垂直磁気記録層に記録された磁化を交流消磁する交流消磁ステップと、前記交流消磁ステップにより、交流消磁状態になっているか否かを検査する消磁状態検査ステップとを含み、前記消磁状態検査ステップは、前記垂直磁気記録媒体の検査トラックに直流消磁領域と未記録領域が交互に配置されるように、前記サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで直流消磁を行い、ついで、前記未記録領域から前記直流消磁領域または前記直流消磁領域から前記未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うステップ含むことを特徴とする。
【0013】
また、第5の態様の本願発明は、第4の態様において、前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域からの信号を低域通過フィルタに通して得られる第1の信号と、前記直流消磁領域からの信号を前記低域通過フィルタに通して得られる第2の信号との境界において検出されるパルス状信号のレベルに基づいて消磁状態と判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、垂直磁気記録媒体の検査トラックに交流信号記録領域と未記録領域が交互に配置されるように、サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで交流信号を記録し、ついで、未記録領域から交流信号記録領域または交流信号記録領域から未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うことにより、あるいは、垂直磁気記録媒体の検査トラックに直流消磁領域と未記録領域が交互に配置されるように、サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで直流消磁を行い、ついで、未記録領域から直流消磁領域または直流消磁領域から未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うことにより、サーティファイ試験後に交流消磁された垂直磁気記録媒体の消磁状態を簡易に検査する検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の垂直磁気記録媒体の検査方法に使用するサーティファイ試験装置の例を示す図である。
【図2】消磁用マグネット部を説明するための図である。
【図3】本発明に係る消磁状態を説明するための図である。
【図4】本発明に係る消磁状態を説明するための図である。
【図5】本発明に係る消磁状態を説明するための図である。
【図6】実施例1に係る測定結果を示す図である。
【図7】実施例2に係る低域通過フィルタを使用した測定結果を示す図である。
【図8】垂直磁気記録媒体の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の垂直磁気記録媒体の検査方法に使用するサーティファイ試験装置の例を示している。サーティファイ試験装置は、検査する垂直磁気記録媒体を回転させるスピンスタンド101と、磁気ヘッド102を保持・移動させるステージ部103と、交流消磁を行うためのマグネット部104と、再生された信号より欠陥検査を行う信号エラー検出器105と、信号エラー検出器105での結果を記憶するメモリ106とを備える。
【0018】
次に、サーティファイ試験の流れを説明する。まず、磁気記録媒体をスピンスタンド101にセットし、垂直磁気記録媒体を回転させ、磁気ヘッド102を垂直磁気記録媒体上に浮上させる。その後、検査開始トラックに磁気ヘッド102を移動させ、検査を開始する。検査はまず、磁気ヘッド102で所定の信号を垂直磁気記録媒体に書込み、再生信号と基準信号と比較して基準信号を下回る出力が検出された場合、ミッシングパルスが存在したと判定し、エラーを検出したことをメモリ106に記憶する。メモリ106に検出した欠陥情報を記憶した後、所定の検査ピッチ分だけ磁気ヘッド102を移動させ、次の検査半径位置に移動し再び欠陥検査を実施する。以上の動作を検査終了半径位置まで続け、検査終了半径位置に達したなら、交流消磁を実施する。
【0019】
交流消磁は、消磁用マグネット部104を使用して行う。消磁用マグネット部104は、図2に示すような構成で、垂直磁気記録媒体を挟むように、消磁用マグネットが配置されている。消磁は次のような流れで実施される。サーティファイ試験終了後、垂直磁気記録媒体を回転状態にしておき、消磁用マグネットを図2(a)に示す矢印の方向へ移動させる。このとき、磁気ヘッドは、消磁用マグネットが当たらない位置にて待機させておく。所定の位置まで消磁用マグネットを移動させた後、図2(b)に示す矢印の方向に移動させ、もとの位置に戻し、消磁が完了となる。
【0020】
交流消磁終了後、退避させておいた磁気ヘッド102を所定の半径位置に移動したのち、消磁状態の検査を行う。磁気ヘッド102を所定の検査トラックにシークさせ、その検査トラックに信号記録領域と未記録領域が交互に配置されるよう磁気ヘッド102で交流信号を記録し、未記録領域から信号記録領域、または信号記録領域から未記録領域の境界領域の波形を検査する。検査は未記録領域の信号中心線S1と信号記録領域における信号中心S2とを比較して、S1とS2とにずれがある場合は直流消磁状態と判別し、S1とS2とにずれがない場合は交流消磁状態と判別する。このように判別できる理由は次の通りである。
【0021】
一般的には、磁気ヘッド102のリード素子はAC結合により増幅器に接続されるので、AC結合後の出力はDC成分がカットされる状態となる。たとえば、垂直磁気記録媒体が直流消磁状態であった場合、未記録領域は直流消磁状態で、AC結合前のリード素子からの出力は磁化方向により“+”または“−”の出力となっているはずであり、中心線S1もそれに伴い“+”または“−”のレベルである。一方、信号記録領域では、交流信号が書込まれているので信号中心線S2は0であるので、中心線S1、S2を図示すると図3(a)のようになる(S1側の磁化状態が“+1”の状態を図示)。これがAC結合によりDC成分がカットされた状態となると、S1はDC成分がカットされるので0レベルとなる。S1とS2との境界を考えると、変動はS1からマイナス側へ1変動するので、DCのカットされたS1の0レベルから、S2は−1となる。その後、AC結合の時定数に従い、−1から0レベルへ変動する(図3(b)参照)。このように、もとの消磁状態が直流消磁状態であるときは、中心線S1とS2は境界領域でズレが生じる。
【0022】
一方、垂直磁気記録媒体が交流消磁状態であった場合、未記録領域は交流消磁状態で、AC結合前のリード素子からの出力の中心線S1は0レベルである。信号記録領域でも、交流信号が書込まれているので信号中心線S2は0であり、この場合の中心線S1、S2を図示すると図4(a)のようになる。この状態でAC結合後の出力は、S1、S2とも0である(図4(b)参照)。このように、もとの消磁状態が交流消磁状態であるときは、中心線S1とS2は境界領域でズレが発生しない。
【0023】
以上の理由より、中心線S1とS2を比較することにより記録媒体の消磁状態を判別することができる。
【0024】
また、検査トラックに直流消磁領域と未記録領域を交互に配置されるよう磁気ヘッド102で直流消磁を行い、未記録領域から直流消磁領域、または直流消磁領域から未記録領域の境界領域の波形を検査することで、消磁状態の検査を行うことも可能である。この検査方法に関して、未記録領域をA、直流消磁領域をBとして図5を参照して説明する。もとの磁化状態、すなわちAが交流消磁状態でBの磁化状態が“+1”である場合を考える。AからBへの磁化の変動は+1あり、AC結合後の出力で考えると、A領域では0レベルで、ABの境界領域では0レベルから+1に出力が変動し、その後、AC結合の時定数に従い0レベルに変動していき、境界領域に+1のパルス状出力が発生する(図5(a)参照)。
【0025】
一方、もとの磁化状態、すなわちAが直流消磁状態(“+1”)で、Bの磁化状態が“+1”である場合を考える。この場合、磁化状態が変動しないので、AC結合後の出力は0レベルで一定である(図5(b)参照)。
【0026】
また、もとの磁化状態、すなわちAが直流消磁状態(“−1”)で、Bの磁化状態が“+1”である場合を考える。この場合、磁化状態の変動が“−1”から“+1”へ“+2”変動するので、AC結合後の出力では結果としてAB境界領域に+2のパルス状出力が発生する(図5(c)参照)。
【0027】
このように、境界領域に発生するパルス状出力のレベルに基づいて垂直磁気記録媒体の消磁状態を判別することができる。
【0028】
消磁状態の検査後、検査に利用した書込み信号が残ることになる。この信号を消去する場合は、消磁状態の検査後に再度消磁マグネットによる消磁を行なえばよい。
【0029】
消磁状態が直流消磁状態になる場合は、図2に示す上下の消去用マグネットの対称性がくずれた場合であるので、上記のように消磁状態の検査直後に再度消磁を行なっても消磁状態は検査した状態と同等となり問題ないといえる。
【0030】
実施例1
交流消磁を検査する検査トラックに信号記録領域と未記録領域が交互に配置されるよう磁気ヘッドで信号を記録し、未記録領域から信号記録領域、または信号記録領域から未記録領域の境界領域の波形を検査し、未記録領域、すなわち元の磁化状態を判別する。元の磁化状態が交流磁化状態の媒体に対し、ある領域のみ磁気ヘッドにより信号を書込んだ時の、未記録領域から信号書込み領域の境界を観察したところ図6(a)のようになった。ここで、評価条件は、ディスクの回転数が7200rpm、記録した信号周波数が100MHz、計測半径位置が34mmである。また、元の磁化状態が直流消磁状態の媒体に対し、同様の測定を実施した結果が図6(b)である。元の磁化状態が交流消磁状態の場合、未記録領域の中心線と信号記録領域の中心線が一致しているが、元の磁化状態が直流消磁状態である場合、未記録領域の中心線と信号記録領域の中心線が、境界領域にてずれていることがわかる。このズレより、交流消磁状態と直流消磁状態の判別が出来る。
【0031】
実施例2
中心線のズレの検出は、前記出力波形に対し、低域通過フィルタを使用して実施することができる。図7は、未記録領域および交流信号記録領域からの出力波形に対してカットオフ周波数が20MHzの低域通過フィルタをかけた後の出力波形(第1の信号および第2の信号に対応)で、図7(a)が元の磁化状態が交流消磁状態、図7(b)が元の磁化状態が直流消磁状態のものである。図7(b)のように、もとの磁化状態が直流消磁状態の場合、低域通過フィルタ後の波形は未記録領域と信号記録領域の境界付近にパルス状出力が得られる。よって、低域通過フィルタ後の出力に対して所定の閾値でコンパレータによりパルス状出力を検出することで、前記中心線のズレの有無を検出することが可能である。換言すれば、所定のレベル以上のパルス状信号が検出される場合を直流消磁状態と判断し、前記所定のレベル以上のパルス状信号が検出されない場合を交流消磁状態と判別することができる。
【符号の説明】
【0032】
101 スピンスタンド
102 磁気ヘッド
103 ステージ部
104 マグネット部
105 信号エラー検出器
106 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性基体上に、垂直磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体の検査方法において、前記垂直磁気記録媒体に信号が正常に記録されるか否かを検査するサーティファイ試験の後に、
前記サーティファイ試験によって前記垂直磁気記録層に記録された磁化を交流消磁する交流消磁ステップと、
前記交流消磁ステップにより、交流消磁状態になっているか否かを検査する消磁状態検査ステップと
を含み、
前記消磁状態検査ステップは、前記垂直磁気記録媒体の検査トラックに交流信号記録領域と未記録領域が交互に配置されるように、前記サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで交流信号を記録し、ついで、前記未記録領域から前記交流信号記録領域または前記交流信号記録領域から前記未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うステップ含むことを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域の信号中心線S1と前記交流信号記録領域における信号中心線S2とを比較して、前記信号中心線S1と前記信号中心線S2とにずれがある場合は直流消磁状態と判別し、前記信号中心線S1と前記信号中心線S2とにずれがない場合は交流消磁状態と判別することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域からの信号を低域通過フィルタに通して得られる第1の信号と、前記交流信号記録領域からの信号を前記低域通過フィルタに通して得られる第2の信号との境界において、所定のレベル以上のパルス状信号が検出される場合を直流消磁状態と判断し、前記所定のレベル以上のパルス状信号が検出されない場合を交流消磁状態と判別することを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
【請求項4】
非磁性基体上に、垂直磁気記録層を備えた垂直磁気記録媒体の検査方法において、前記垂直磁気記録媒体に信号が正常に記録されるか否かを検査するサーティファイ試験の後に、
前記サーティファイ試験によって前記垂直磁気記録層に記録された磁化を交流消磁する交流消磁ステップと、
前記交流消磁ステップにより、交流消磁状態になっているか否かを検査する消磁状態検査ステップと
を含み、
前記消磁状態検査ステップは、前記垂直磁気記録媒体の検査トラックに直流消磁領域と未記録領域が交互に配置されるように、前記サーティファイ試験に用いた磁気ヘッドで直流消磁を行い、ついで、前記未記録領域から前記直流消磁領域または前記直流消磁領域から前記未記録領域の境界領域の波形を検査して消磁状態の検査を行うステップ含むことを特徴とする検査方法。
【請求項5】
前記消磁状態検査ステップは、前記未記録領域からの信号を低域通過フィルタに通して得られる第1の信号と、前記直流消磁領域からの信号を前記低域通過フィルタに通して得られる第2の信号との境界において検出されるパルス状信号のレベルに基づいて消磁状態と判別することを特徴とする請求項4に記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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