説明

埋め込み可能デバイスのための送達システム

【課題】埋め込み可能デバイスのための送達システムを提供する。
【解決手段】医療デバイス送達システムであって、外表面および内表面を含む壁と、壁内の開口部とを有するシース12であって、シース12の遠位部分の長手方向軸に対して第1角度位置から第2角度位置まで移動可能な近位部分をさらに有する、シース12と、シース12の管腔内に延在し、開口部を介する細長い送達部材28であって、長手方向軸に沿って移動可能である、細長い送達部材28と、外表面に沿ってスライド可能に配置されるロック26であって、長手方向軸に沿って、第1ロック位置から第2ロック位置までスライド可能に移動可能である、ロック26とを含み、ロック26が、第1ロック位置から第2ロック位置まで移動するときに、近位部分は、第1角度位置から第2角度位置まで移動し、送達部材28のシース12に対する移動を制限する、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本願は、概して、患者の身体内の使用のための埋め込み可能デバイスのための送達システムに関し、より具体的には、患者の脈管構造内にデバイスを埋め込むための送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
身体内の管腔は、サイズ、形状、および/または開通性において変化し得、そのような変化は、合併症を呈し得るか、または関連する身体機能に影響を与え得る。例えば、脈管構造の壁(特に、動脈壁)は、動脈瘤と称される病理的拡張を発生し得る。動脈瘤は、動脈の壁の膨張として観察される。これは、管壁が病気、損傷または先天性異常によって弱められた結果である。動脈瘤は、薄く弱い壁を有し、破裂する傾向を有し、しばしば、高血圧によって引き起こされるか、または高血圧によって悪化させられる。動脈瘤は、身体の様々な部分において見出され得、最も一般的には、腹部大動脈瘤(AAA)であり、脳または大脳の動脈瘤である。動脈瘤が存在するだけでは常に生命を脅かすとは限らないが、動脈瘤は、動脈瘤の1つが脳内で破裂した場合には、脳卒中等の深刻な健康上の影響を有し得る。さらに、破裂した動脈瘤は、死亡にもつながり得る。
【0003】
動脈瘤に関して上述したもの等の脈管内または管内の合併症を処置するために、様々なアプローチが実施されてきた。これらのアプローチの多くは、経皮処置を行使するものであり、経皮処置は、しばしば、遠隔処置を必要とし、処置される合併症に対して適切な関係で埋め込み可能デバイスを正確に配置するために注意が払われることを必要とする。不正確な配置は、非効率な処置につながり得、場合によっては、処置される患者の損傷につながり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
いくつかの実施形態にしたがうと、脈管状態を処置するための医療デバイスは、シースと、細長い送達部材と、ロックとを含む。シースは、外表面および内表面を含む壁と、壁内の開口部とを有する。シースは、さらに、シースの遠位部分の長手方向軸に対して、第1角度位置から第2角度位置まで移動可能な近位部分を有する。送達部材は、シースの管腔内で、開口部を介して延在している。送達部材は、長手方向軸に沿って変位可能である。ロックは、外表面に沿ってスライド可能に配置される。ロックは、長手方向軸に沿って、第1ロック位置から第2ロック位置までスライド可能に移動する。ロックが第1ロック位置から第2ロック位置まで移動するとき、近位部分は、第1角度位置から第2角度位置まで移動し、送達部材のシースに対する移動を制限する。
【0005】
いくつかの実施形態にしたがうと、脈管状態を処置するための医療デバイスは、シースと、細長い送達部材と、ロックとを含む。シースは、内表面および外表面を含む壁を有する。内表面は、シースに沿って管腔を画定する。シースは、壁の近位部分においてアクセス開口部を有し、このアクセス開口部は、管腔と流体連絡する。送達部材は、少なくとも部分的に管腔内に配置され、アクセス開口部を介して通過する。ロックは、外表面に沿ってスライド可能に配置される。ロックは、シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動する。第1位置に配置されたロックは、アクセス開口部の近位に配置された、シースの外部の送達部材の一部分と接触し、その結果、ロックは、送達部材のシースに対する移動を制限する。
【0006】
特定の実施形態にしたがうと、脈管状態を処置するための医療デバイスは、シースと、細長い送達部材と、ロックとを含む。シースは、内表面および外表面を含む壁を有する。内表面は、シースに沿って管腔を画定する。アクセス開口部は、壁の近位位置に存在し、管腔と流体連絡する。送達部材は、少なくとも部分的に管腔内に配置される。送達部材は、アクセス開口部を介して通過する。ロックは、壁の外周部上にスライド可能に配置される。ロックは、シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動する。第1位置に配置されたロックは、送達部材の移動を制限する。
【0007】
本願技術は、例えば、以下に議論される様々な局面にしたがって例証される。本願技術の局面の様々な例は、便宜上、番号付けされた項(1、2、3等)として記載される。これらは、例として提供されるものであり、本願技術を限定するものではない。従属項のうちの任意のものが、任意の組み合わせで組み合わされたり、それぞれの独立項(例えば、項1または項55)に配置されたりし得ることに留意されたい。その他の項は、同様の態様で提示され得る。
(項1)
医療デバイス送達システムであって、
外表面および内表面を含む壁と、該壁内の開口部とを有するシースであって、該シースは、該シースの遠位部分の長手方向軸に対して第1角度位置から第2角度位置まで移動可能な近位部分をさらに有する、シースと、
該シースの管腔内に延在し、該開口部を介する細長い送達部材であって、該送達部材は、該長手方向軸に沿って変位可能である、細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されるロックであって、該ロックは、該長手方向軸に沿って、第1ロック位置から第2ロック位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該ロックが、該第1ロック位置から該第2ロック位置まで移動するときに、該近位部分は、該第1角度位置から該第2角度位置まで移動し、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
(項2)
上記近位部分の外周部上に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、該近位部分の該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、上記シースの近位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項に記載のシステム。
(項3)
上記第1マーカーは、上記送達部材を上記第2ロック位置における上記ロックと接触させる、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項4)
上記シースの上記外周部上に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該シースの該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、上記第1マーカーに対して遠位に配置されており、該第2マーカーは、該シースの遠位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項5)
上記第2マーカーは、上記第1マーカーから約130mmである、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項6)
上記シースは、ポリマー材料を含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項7)
上記シースは、ポリプロピレンおよび高密度ポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項8)
上記ロックは、ポリマー材料を含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項9)
上記ロックは、高密度ポリエチレンを含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項10)
上記管腔は、約0.3mm〜約0.6mmの直径を有する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項11)
上記シースは、約0.6mm〜約0.9mmの外径を有する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項12)
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置され、該アクセス開口部を介して通過する細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該第1位置に配置された該ロックは、該アクセス開口部の近位に配置された該送達部材の一部分と、該シースの外部とを接触させ、その結果、該ロックは、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
(項13)
上記管腔は、上記アクセス開口部の遠位に配置されている、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項14)
上記外表面上の上記アクセス開口部の近位に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、上記シースから半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、該シースの近位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項15)
上記外表面上の上記アクセス開口部の遠位に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該外表面から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、上記シースの遠位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項16)
上記第2マーカーは、上記第1マーカーから約130mmに配置されている、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項17)
上記スライド可能ロックは、該スライド可能ロックが上記第1位置にある状態で、上記アクセス開口部をカバーする、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項18)
上記第1位置における上記スライド可能ロックは、上記アクセス開口部の近位に配置された上記送達部材の上記部分と接触する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項19)
上記アクセス開口部の近位に配置された上記送達部材の上記部分は、さらに、上記外表面と接触する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項20)
上記シースは、ポリマー材料を含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項21)
上記シースは、ポリプロピレンおよび高密度ポリエチレンのうちの少なくとも1つを含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項22)
上記ロックは、ポリマー材料を含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項23)
上記ロックは、高密度ポリエチレンを含む、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項24)
上記管腔は、約0.3mm〜約0.6mmの直径を有する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項25)
上記シースは、約0.6mm〜約0.9mmの外径を有する、上記項のうちのいずれかに記載のシステム。
(項26)
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置された送達部材であって、該送達部材は、該アクセス開口部を介して通過する、送達部材と、
該壁の外周部上にスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能であり、該第1位置に配置された該ロックは、該送達部材の移動を制限する、ロックと
を含む、システム。
【0008】
本願技術のさらなる特徴および利点は、以下の記載に示され、その一部分は、記載から明白であるか、または、本願技術の実施によって学習され得るものである。本願技術の利点は、本明細書中および添付の図面中に書かれている記載および実施形態において特に指摘されている構造によって実現されたり、達成されたりし得る。
【0009】
上述した一般的な記載および以下の詳細な記載の両方は、例示的および説明的なものであり、本願技術のさらなる説明を提供することが企図されていることが理解されるべきである。
【0010】
さらに、本発明は、以下を提供する。
(項目1A)
医療デバイス送達システムであって、
外表面および内表面を含む壁と、該壁内の開口部とを有するシースであって、該シースは、該シースの遠位部分の長手方向軸に対して第1角度位置から第2角度位置まで移動可能な近位部分をさらに有する、シースと、
該シースの管腔内に延在し、該開口部を介する細長い送達部材であって、該送達部材は、該長手方向軸に沿って変位可能である、細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されるロックであって、該ロックは、該長手方向軸に沿って、第1ロック位置から第2ロック位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該ロックが、該第1ロック位置から該第2ロック位置まで移動するときに、該近位部分は、該第1角度位置から該第2角度位置まで移動し、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
(項目2A)
上記近位部分の外周部上に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、該近位部分の該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、上記シースの近位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項目に記載のシステム。
(項目3A)
上記第1マーカーは、上記送達部材を上記第2ロック位置における上記ロックと接触させる、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目4A)
上記シースの上記外周部上に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該シースの該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、上記第1マーカーに対して遠位に配置されており、該第2マーカーは、該シースの遠位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目5A)
上記第2マーカーは、上記第1マーカーから約130mmである、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目6A)
上記管腔は、約0.3mm〜約0.6mmの直径を有する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目7A)
上記シースは、約0.6mm〜約0.9mmの外径を有する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目8A)
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置され、該アクセス開口部を介して通過する細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該第1位置に配置された該ロックは、該アクセス開口部の近位に配置された該送達部材の一部分と、該シースの外部とを接触させ、その結果、該ロックは、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
(項目9A)
上記管腔は、上記アクセス開口部の遠位に配置されている、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目10A)
上記外表面上の上記アクセス開口部の近位に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、上記シースから半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、該シースの近位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目11A)
上記外表面上の上記アクセス開口部の遠位に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該外表面から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、上記シースの遠位端に向けた上記ロックの移動を制限する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目12A)
上記スライド可能ロックは、該スライド可能ロックが上記第1位置にある状態で、上記アクセス開口部をカバーする、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目13A)
上記第1位置における上記スライド可能ロックは、上記アクセス開口部の近位に配置された上記送達部材の上記部分と接触する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目14A)
上記アクセス開口部の近位に配置された上記送達部材の上記部分は、さらに、上記外表面と接触する、上記項目のうちのいずれかに記載のシステム。
(項目15A)
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置された送達部材であって、該送達部材は、該アクセス開口部を介して通過する、送達部材と、
該壁の外周部上にスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能であり、該第1位置に配置された該ロックは、該送達部材の移動を制限する、ロックと
を含む、システム。
【0011】
(摘要)
脈管状態を処置するための医療デバイスおよびシステムが記載される。1つのそのようなデバイスは、シースと、細長い送達部材と、ロックとを含む。シースは、内表面および外表面を含む壁を有する。内表面は、シースに沿って管腔を画定する。アクセス開口部が、壁の近位部分に存在し、管腔と流体連絡する。送達部材は、少なくとも部分的に管腔内に配置される。送達部材は、アクセス開口部を介して通過する。ロックは、壁の外周部上にスライド可能に配置される。ロックは、シースの長手方向軸に沿って第1位置から第2位置までスライド可能に移動する。第1位置に配置されたロックは、送達部材の移動を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、本願技術のさらなる理解を提供するために含まれており、そして、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部分を構成している。これらの添付図面は、開示の局面を例証するものであり、記載とともに、本願技術の原理を説明する役目を担っている。
【図1A】図1Aは、第1位置におけるロックを用いて動脈瘤を処置するための閉塞デバイスの送達のためのデバイスの実施形態を例証している。
【図1B】図1B〜図1Dは、細長い送達部材および医療デバイスとともに利用されるデバイス取り外しシステムの実施形態を例証しており、医療デバイスの取り付け状態(B)および取り外し状態(C)の拡大図を含んでいる。
【図1C】図1B〜図1Dは、細長い送達部材および医療デバイスとともに利用されるデバイス取り外しシステムの実施形態を例証しており、医療デバイスの取り付け状態(B)および取り外し状態(C)の拡大図を含んでいる。
【図1D】図1B〜図1Dは、細長い送達部材および医療デバイスとともに利用されるデバイス取り外しシステムの実施形態を例証しており、医療デバイスの取り付け状態(B)および取り外し状態(C)の拡大図を含んでいる。
【図2】図2は、第2位置におけるロックを有する図1に示される実施形態を例証している。
【図3】図3は、第1位置におけるロックを用いて動脈瘤を処置するための閉塞デバイスの送達のためのデバイスの実施形態を例証している。
【図4】図4は、図3の実施形態の部分詳細図である。
【図5】図5は、第2位置におけるロックを用いた図2の実施形態の部分詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
以下の詳細な説明においては、本願技術の完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者は、本願技術がこれらの特定の詳細のうちの何らかのものを用いることなく実践され得ることを明確に理解し得る。その他の例においては、周知の構造および技術は、本願技術を曖昧にしないように、詳細には示されていない。
【0014】
動脈瘤を処置するための1つの方法は、動脈瘤の破裂の可能性を低減するために、動脈瘤の近位の管腔内に閉塞デバイスを提供することである。1つのそのような閉塞デバイスは、コイルである。患者の身体内に閉塞デバイスを埋め込むための現在の送達システムの1つのタイプは、「ウェーブ」ロックを含む。「ウェーブ」ロックは、送達システムのシース内に一連の起伏または「ウェーブ」を有する。シース内に配置される細長い送達部材は、シース内の起伏によって接触されて、所与の位置において送達部材を固定することを助ける。送達部材をより容易に移動させるために、医師は、シースに対して軸方向の力を適用し得、その結果、シースを真っ直ぐにして、起伏を低減し、これにより、送達部材がより容易に移動させられることを可能にし得る。しかしながら、「ウェーブ」ロックは、送達部材をシース内に移動させるために必要とされる努力の量の非常に精密な制御を提供するものではないことが分かっている。また、時間の経過につれて、「ウェーブ」ロックは、製造後に数年にわたって用いられなかった場合に、信頼性が低下して、意図した通りの効果を発揮しないことが分かっている。このことから、送達デバイスを患者の身体内に埋め込むための改善された送達システムに対するニーズが存在する。
【0015】
一実施形態にしたがうと、閉塞デバイス送達アセンブリ10が、図1A〜図2に示されているように提供される。閉塞デバイス送達アセンブリ10は、処置を受けている個人の脈管構造内に閉塞デバイスを送達するように適合されている。
【0016】
図1Aを参照すると、閉塞デバイス送達アセンブリ10は、内壁および外壁を有する薄壁シース12を含む。通路14または管腔が、シース12の内壁の内部に、シース12を介して形成される。通路14は、シース12の近位端18の近位に形成された開口部30からシース12の遠位端16までに延びている。
【0017】
近位フラップ20が、シース12の近位端18において提供されている。近位フラップ20は、シース12に対して、第1位置(図1A)から第2位置(図2)まで移動可能である。図1Aおよび図2に示されている近位フラップ20は、シース12の残部とともに一体的に形成される。
【0018】
あるいは、別の実施形態においては、近位フラップは、シースからの別個の構成要素として形成され得、シースに接続され得る。例えば、近位フラップは、ヒンジを介してシースに接続され得る。同様に、ファスナーまたは接着剤が、近位フラップをシースに接続するために用いられ得る。
【0019】
第1マーカー22が、近位フラップ20およびシース12の接続部の近位で、シース12の近位フラップ20上に配置される。第1マーカー22は、シース12の近位フラップ20の外表面上に配置される。第1マーカー22は、シース12の近位フラップ20から半径方向外向きに突出している。第1マーカー22が、約0.2mm〜約0.4mmだけ、近位フラップ20の外表面を越えて延在していることが企図される。
【0020】
第2マーカー24が、シース12の外表面上に配置される。第2マーカー24は、第1マーカー22に対してシースの遠位端16に向けて配置される。第2マーカー24は、シース12の外表面から半径方向外向きに突出している。第2マーカー24が、約0.2mm〜約0.4mmだけ、シース16の外表面を越えて延在していることが企図される。
【0021】
スライド可能ロック26が、シース12の外表面上に配置される。スライド可能ロック26は、シース12上で第1マーカー22と第2マーカー24との間に配置される。スライド可能ロック26は、第1マーカー22と第2マーカー24との間で、シース12上の外表面上で移動可能である。近位フラップ20およびシース12からそれぞれ半径方向外向きに突出している第1マーカー22および第2マーカー24の位置は、スライド可能ロック26の移動を抑制する。開口部としてのスライド可能ロック26は、それを介して、スライド可能ロック26がシースのまわりを移動することを可能にするように形成される。スライド可能ロック26の開口部の直径は、シース12の外径よりも大きい。スライド可能ロック26の開口部の直径が、シース12の外径よりも約0.05mm〜約0.2mm大きいことが企図される。
【0022】
図1Aは、非ロック位置におけるスライド可能ロック26を示している。非ロック位置におけるスライド可能ロック26により、近位フラップ20は、シース12の残部に対して移動することが可能である。近位フラップ20の移動は、概して、シース12の長手方向軸に対して相対的なものである。そのような構成において、細長い送達部材28は、シース12の近位端18の近位に形成された開口部30を介して通過することが可能であり、そして、シース12の通路14内を比較的自由に移動することが可能である。シース12の遠位端16に向けたスライド可能ロック26の移動は、第2マーカー24の位置によって制限される。
【0023】
非ロック位置におけるスライド可能ロック26により、臨床医は、患者内の動脈瘤の部位まで閉塞デバイスを送達するように、送達部材28を前進させることが可能である。
【0024】
以下の記載において、医療デバイス送達システムのいくつかの実施形態が、コイル取り外しシステムまたはコイル送達システムとして言及される。しかしながら、本開示の範囲は、コイルとの使用に限定されるものではなく、本開示にしたがうシステムおよび/または方法により、任意のその他の医療デバイスが、その他の脈管構造またはその他の管腔身体構造を含む患者内に配置され得る。本明細書中に記載される実施形態は、これらの特定の用途のうちの1つ以上と関連して本開示の原理を議論しているが、これらの特定の用途は、その他の用途、デバイス、および手順とともに用いられ得る本開示の一般的原理を例証するために提供されている。埋め込まれ得る医療デバイスの例は、塞栓コイル、ステント、尿道インプラント等を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0025】
図1B〜図1Dは、医療デバイスの取り外しまたは解放を示すためのインジケータ330を有する医療デバイス送達システム300の例を図示している。図1Bは、送達システムの部分断面を示しており、このシステムは、例えば、塞栓コイル取り外しシステムとして示されている。このシステムは、細長い送達部材304および細長いコア部材305の近位端を受容するハウジング302を有し、細長い送達部材は、管腔を有し、プッシャまたはプッシャチューブとも称され得、細長いコア部材は、その遠位端が塞栓コイル308に接続されている。送達部材304およびコア部材305の遠位端の拡大図が図1Cおよび図1Dに示されており、それぞれ、塞栓コイル308に対する取り付け状態および取り外し状態を示している。細長い送達部材304は、図1Aのシース12内に受容されて、このシースに対して移動する、細長い送達部材28に対応している。
【0026】
デバイス送達システム300は、送達部材304およびコア部材305を、デバイス送達システム300に対する両者の近位端において受容し、コイル308が各々の遠位端に位置するように構成されている。デバイス送達システム300は、ユーザ入力機構303を含み、このユーザ入力機構は、ユーザから入力信号を受信し、入力信号をデバイス送達システム300の把持機構に中継する。ユーザ入力機構303は、送達部材304の近位端に対してコア部材305の近位端を変位させるように、把持機構をトリガすることにより、ユーザがコア部材305の遠位端におけるコイル308の取り外しを引き起こすことを可能にするように機能する。
【0027】
ユーザ入力機構303に関して、ユーザ供給入力信号が、送達部材304の近位端に対するコア部材305の近位端の変位を開始させ、塞栓コイル308の取り外しをもたらすことを可能にする、任意の適切な機構が用いられ得る。このようにして、臨床医等であるユーザは、動脈瘤を処置するために、コイルが患者の脈管構造内の所望の位置に配置されたとき等の所望の時間において、コイル308の取り外しを引き起こすことができる。ユーザ入力機構303の例は、サムスライド、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、磁気的スイッチ、電磁気的スイッチ、および/またはこれらの組み合わせを含み得るが、これらには限定されない。ユーザ入力機構303は、送達部材304の近位端に対するコア部材305の近位端の変位を開始させるための任意のタイプの適切な信号を生成し得る。そのような信号は、機械的信号、電気的信号、磁気的信号、光学的信号、RF信号、または任意のその他のタイプの信号であり得、アナログ信号またはデジタル信号であり得る。ユーザ入力信号は、任意の適切なユーザ入力様式によって、例えば、ボタン、容量性タッチセンサ、キーボード、可動スライド等によって、開始され得る。
【0028】
図1Cに示されているように、塞栓コイル308は、コア部材307の遠位端および送達部材307の遠位端に対して解放可能に保持される。そのような解放可能接続は、示されているように、リンク315の端部におけるボール端部312によって達成され得、このリンクは、コイル308内で構成されて、例えばポリプロピレンまたはその他の適切な材料から構成された非伸縮性リンク313によって、端部キャップ310に接続される。例えば、図1Bにおけるスライドが矢印によって示されている方向に移動させられたときのように、ユーザ入力機構303がユーザによって活性化されたとき、コア部材304の遠位端311は、ボール端部312から離れるように移動させられ、図1Dに示されているように塞栓コイル308を解放する。このようにして、コイル308は、送達部材307およびコア部材304の遠位端から取り外される。
【0029】
図1B〜図1Dにおけるコイル308のような例によって示されている医療デバイスの配置は、しばしば、そのような手順の間に、臨床医にとって問題になる。医療デバイス、細長い送達部材28、コア部材305(システム内で用いられる場合)、およびシース12の間の相対的移動は、脈管構造内またはその他の身体管腔内の医療デバイスの配置において、不確定性を導入し得る。図1は、細長い送達部材28がシース12によってどのように受容され、シース12の管腔内でどのように移動可能であるかを示している。以下に記載されているのは、相対的移動を制限するために、シース12内に細長い送達部材28を固定するための実施形態であり、この実施形態は、送達される医療デバイスの配置の間の不確定性を低減することにおいて役立ち得る。
【0030】
図2は、ロック位置におけるスライド可能ロック26を示している。ロック位置におけるスライド可能ロック26により、近位フラップ20は、シース12の長手方向軸に向けて移動させられる。スライド可能ロック26は、シース12の近位端18に向けて移動させられ、送達部材28がシース12の通路14に入る開口部30をカバーするか、または少なくとも部分的にカバーする。第1マーカー22は、送達部材28と接触する。近位フラップ20もまた、スライド可能ロック26がロック位置にある状態で、送達部材28と接触する。第1マーカー22および近位フラップ20と送達部材28との間の接触は、シース12の通路14内の送達部材28の移動を制限する。したがって、ロック位置におけるスライド可能ロック26により、送達部材28は、臨床医による多大な努力がある場合のみ移動させられ得る。
【0031】
閉塞デバイス送達アセンブリ10において、様々な材料が用いられ得ることが企図される。例えば、シース12は、典型的には、少なくとも1つのポリマー材料を含む。シース12が、共押し出し製造プロセスにおいて達成され得るもの等の複数のポリマー材料から形成され得ることもまた企図される。例えば、シース12が、ポリプロピレン(PP)および高密度ポリエチレン(HDPE)のうちの少なくとも1つから構成され得ることが企図される。シース12が、HDPEを含む内側部分と、PPを含む外側部分とを含み得ることもまた企図される。さらに、シース12が着色剤をも含み得ることが企図される。
【0032】
スライド可能ロック26もまた、ポリマー材料を含み得る。例えば、スライド可能ロック26は、HDPEを含み得る。スライド可能ロック26が、着色剤を含み得ることもまた企図される。シース12とスライド可能ロック26との間にコントラストが存在するように、スライド可能ロック26の着色剤は、シース12の着色剤とは異なるものである。例えば、シース12は、紫色の着色剤を有し得、スライド可能ロック26は、黄色の着色剤を有し得る。
【0033】
マーカー22、24は、ポリマー材料を含み得る。例えば、マーカーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含み得る。
【0034】
閉塞デバイス送達アセンブリ10は、2つのマーカー22、24を有するものとして図示されているが、代替的な実施形態においては、閉塞デバイス送達アセンブリには、近位マーカーのみが提供され得ることが企図される。近位マーカーは、スライド可能ロック26を近位フラップ20に対して配置して、近位フラップ20の位置を制御する。
【0035】
閉塞デバイス送達アセンブリ10は、2つのマーカー22、24を有するものとして図示されているが、代替的な実施形態においては、スライド可能ロック26に対する少なくとも1つのストップ部が、シース12上に形成され得ることが企図される。例えば、シース12には、シース12上のスライド可能ロック26の移動を制限するより大きな外径を有する領域が提供され得る。
【0036】
図3〜5を参照すると、閉塞デバイス送達アセンブリ100の別の実施形態が図示されている。
【0037】
閉塞デバイス送達アセンブリ100は、内壁および外壁を有する薄壁シース102を含む。通路104または管腔が、シース102の内壁の内部に、シース102を介して形成される。通路104は、シース102の近位端108の近位に形成された開口部106からシース102の遠位端110までに延びている。開口部106は、シース102の通路104に対するアクセスを提供する。
【0038】
シール112が、シース102の開口部106の近位端において提供される。シール112は、開口部106の近位端108に向けて通路104を閉鎖する。したがって、通路104は、開口部106からシース102の遠位端110まで延在している。シール112がシース102と一体的に形成され得ることが企図されるが、シール112が、シース102から別個の構成要素として形成され得、ファスナー、接着剤等を介して、シース102における開口部106内に配置され得ることが企図される。
【0039】
第1マーカー114が、シース102の開口部106の近位側に配置される。第1マーカー114は、シース102の外表面上に配置される。第1マーカー114は、シース102から半径方向外向きに突出している。
【0040】
第2マーカー116が、シース102の外表面上に配置される。第2マーカー116は、第1マーカー114に対してシース102の遠位端110に向けて配置される。第2マーカー116は、シース102の外壁から半径方向外向きに突出している。第2マーカー116は、シース102内の開口部106から遠位に配置されている。
【0041】
スライド可能ロック118が、シース102の外表面上に配置される。スライド可能ロック118は、シース102上で、第1マーカー114と第2マーカー116との間に配置される。スライド可能ロック118は、第1マーカー114と第2マーカー116との間で、シース102の外表面上を移動可能である。第1マーカー114および第2マーカー116のうちのシース102から半径方向外向きに突出している部分は、スライド可能ロック118の移動を抑制する。
【0042】
図3は、非ロック位置におけるスライド可能ロック118を示している。非ロック位置におけるスライド可能ロック118により、シース102内の開口部106は、完全に露出される。そのような構成において、細長い送達部材120(図5)は、シース102の近位端108の近位に形成された開口部106を介して通過することが可能であり、シース102の通路104内を比較的自由に移動することが可能である。シース102の遠位端110に向けたスライド可能ロック118の移動は、第2マーカー116の位置によって制限される。
【0043】
非ロック位置におけるスライド可能ロック118により、臨床医は、患者内の動脈瘤尾部位まで閉塞デバイスを送達するように、送達部材120を前進させることが可能である。
【0044】
図5は、ロック位置におけるスライド可能ロック118を示している。スライド可能ロック118は、シース102の近位端108に向けて移動させられ、送達部材120がシース102の通路104に入る開口部106をカバーするか、または少なくとも部分的にカバーする。送達部材120は、スライド可能ロック118と、開口部106の近位のシース102の外表面と接触する。送達部材120とスライド可能ロック118とシース102との間の接触は、シース102の通路104内の送達デバイス120の移動を制限する。したがって、ロック位置におけるスライド可能ロック118により、送達部材120は、臨床医による多大な努力がある場合のみ移動させられ得る。
【0045】
スライド可能ロック118は、HDPE等のポリマー材料から構成され得ることが企図される。スライド可能ロック118は、圧縮可能材料から構成され得、その結果、図5に示されているように、スライド可能ロック118は、シース102の上に配置され得、送達部材120は、シースの外部に配置され得、シース102とスライド可能ロック118との間に送達部材120を抑制する圧力嵌めを形成する。
【0046】
シース102が、約0.3mm〜約0.6mmの内径と、約0.6mm〜約0.9mmの外径とを有し得ることが企図される。さらに、シース102が、ポリマー材料から構成され得ることが企図される。シース102を形成するために利用され得る材料は、ポリプロピレン(PP)および高密度ポリエチレン(HDPE)を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、シース102が、例えばHDPEの内層およびPPの外層等の異なるポリマー材料の層から形成され得ることが企図される。さらに、シース102を視認する臨床医の能力を向上させるために、紫色の色素等の色素または着色剤がシース102のHDPE層に付加されることが企図される。
【0047】
スライド可能ロック118が、約0.7mm〜約1.0mmの内径と、約1.3mm〜約1.6mmの外径とを有し得ることが企図される。スライド可能ロック118は、一実施形態にしたがうと、約25mmの長さを有し得る。さらに、スライド可能ロック118が、ポリマー材料から構成され得ることが企図される。スライド可能ロック118を形成するために利用され得る1つの材料は、HDPEである。さらに、色素または着色剤が、スライド可能ロック118に付加されることが企図される。スライド可能ロック118に付加される色素または着色剤が、黄色の色素等であり、シース102に付加される色素または着色剤とコントラストをなし、シース102に対するスライド可能ロック118の視認性を向上させることが企図される。
【0048】
マーカー114、116が、ポリマー材料を含み得ることが企図される。例えば、マーカー114、116は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含み得る。
【0049】
閉塞デバイス送達アセンブリ100は、2つのマーカー114、116を有するものとして図示されているが、代替的な実施形態においては、スライド可能ロック118に対する少なくとも1つのストップ部が、シース102上に形成され得ることが企図される。例えば、シース102には、近位方向におけるシース102上のスライド可能ロック118の移動を制限するより大きな外径を有する領域が提供され得る。
【0050】
閉塞デバイス送達アセンブリ100は、2つのマーカー114、116を有するものとして図示されているが、代替的な実施形態においては、閉塞デバイス送達アセンブリには、唯1つの近位マーカーが提供され得ることが企図される。近位マーカーは、スライド可能ロック118をシース112の開口部106に対して配置する。
【0051】
本明細書中で議論された装置および方法は、脈管系内の閉塞デバイスの配備および使用に限定されるものではなく、無数のさらなる処置用途を含み得る。その他の処置部位は、臓器等の身体のエリアまたは領域を含み得る。本願技術を実施するための上述した装置および方法の各々の改変、および当業者にとって明白な開示の局面の変形が、特許請求の範囲の権利範囲内にあることが意図されている。さらに、要素、構成要素、または方法ステップが、特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関わらず、これらの要素、構成要素、または方法ステップが、公共のために捧げられることは意図されていない。
【0052】
詳細な説明は、多数の細目を含んでいるが、これらは、本願技術の権利範囲を限定するものとして考えられるべきではなく、単に本願技術の異なる例および局面を例証するものとして考えられるべきである。本願技術の権利範囲は、上記で詳細に議論していないその他の実施形態を含むことが理解されるべきである。添付の特許請求の範囲に規定される本願技術の精神および権利範囲から逸脱することなしに、本明細書中に開示されている本願技術の方法および装置の配置、動作、および詳細において、当業者にとって明白であり得る様々なその他の改変、変更および変形がなされ得る。したがって、本願技術の権利範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって決定されるべきである。さらに、要素、構成要素、または方法ステップが、特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関わらず、これらの要素、構成要素、または方法ステップは、公共に捧げられることは意図されていない。下線付きおよび/またはイタリック体の見出しおよび小見出しは、便宜上用いられているにすぎず、本願技術を限定するものではなく、本願技術の記載の解釈と関連して参照されるものではない。特許請求の範囲および記載においては、明示されない限り、単数形の要素に対する言及は、明示的に記載されていない限り、「1つおよびその1つに限って」を意味することは意図されておらず、むしろ、「1つ以上」を意味することをいわんとしている。さらに、特許請求の範囲によって網羅されるようにするために、デバイスまたは方法が、開示の様々な実施形態によって解決可能なすべての課題に対処することは、必要とされていない。
【符号の説明】
【0053】
10 閉塞デバイス送達アセンブリ
12 シース
14 通路
16 シースの遠位端
18 シースの近位端
20 近位フラッ
22 第1マーカー
24 第2マーカー
26 スライド可能ロック
28 細長い送達部材
30 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス送達システムであって、
外表面および内表面を含む壁と、該壁内の開口部とを有するシースであって、該シースは、該シースの遠位部分の長手方向軸に対して第1角度位置から第2角度位置まで移動可能な近位部分をさらに有する、シースと、
該シースの管腔内に延在し、該開口部を介する細長い送達部材であって、該送達部材は、該長手方向軸に沿って変位可能である、細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されるロックであって、該ロックは、該長手方向軸に沿って、第1ロック位置から第2ロック位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該ロックが、該第1ロック位置から該第2ロック位置まで移動するときに、該近位部分は、該第1角度位置から該第2角度位置まで移動し、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
【請求項2】
前記近位部分の外周部上に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、該近位部分の該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、前記シースの近位端に向けた前記ロックの移動を制限する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1マーカーは、前記送達部材を前記第2ロック位置における前記ロックと接触させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記シースの前記外周部上に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該シースの該外周部から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、前記第1マーカーに対して遠位に配置されており、該第2マーカーは、該シースの遠位端に向けた前記ロックの移動を制限する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2マーカーは、前記第1マーカーから約130mmである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記管腔は、約0.3mm〜約0.6mmの直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記シースは、約0.6mm〜約0.9mmの外径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置され、該アクセス開口部を介して通過する細長い送達部材と、
該外表面に沿ってスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能である、ロックと
を含み、
該第1位置に配置された該ロックは、該アクセス開口部の近位に配置された該送達部材の一部分と、該シースの外部とを接触させ、その結果、該ロックは、該送達部材の該シースに対する移動を制限する、システム。
【請求項9】
前記管腔は、前記アクセス開口部の遠位に配置されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記外表面上の前記アクセス開口部の近位に配置された第1マーカーをさらに含み、該第1マーカーは、前記シースから半径方向外向きに突出しており、該第1マーカーは、該シースの近位端に向けた前記ロックの移動を制限する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記外表面上の前記アクセス開口部の遠位に配置された第2マーカーをさらに含み、該第2マーカーは、該外表面から半径方向外向きに突出しており、該第2マーカーは、前記シースの遠位端に向けた前記ロックの移動を制限する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記スライド可能ロックは、該スライド可能ロックが前記第1位置にある状態で、前記アクセス開口部をカバーする、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1位置における前記スライド可能ロックは、前記アクセス開口部の近位に配置された前記送達部材の前記部分と接触する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記アクセス開口部の近位に配置された前記送達部材の前記部分は、さらに、前記外表面と接触する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
医療デバイス送達システムであって、
内表面および外表面を含む壁と、該壁の近位部分におけるアクセス開口部とを有するシースであって、該内表面は、該シースに沿って管腔を画定しており、該アクセス開口部は、該管腔と流体連絡する、シースと、
該管腔内に少なくとも部分的に配置された送達部材であって、該送達部材は、該アクセス開口部を介して通過する、送達部材と、
該壁の外周部上にスライド可能に配置されたロックであって、該ロックは、該シースの長手方向軸に沿って、第1位置から第2位置までスライド可能に移動可能であり、該第1位置に配置された該ロックは、該送達部材の移動を制限する、ロックと
を含む、システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−75164(P2013−75164A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212809(P2012−212809)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】