説明

埋め込み型モニタのための送達装置

【課題】患者の体腔内で1つ以上のパラメータを検出するためのカプセルを付加または固定するための装置および方法を提供する。
【解決手段】単一動作の間に操作される単一アクチュエータを使用して、特定部位の組織14にカプセル18を固定し、装置22からカプセルを解放することによって、患者の1つ以上のパラメータを検出するためにカプセルを配置するシステム10、装置、および方法である。一例として、送達装置は、アクチュエータの単一動作の間にカプセルを組織部位に固定し、送達装置からカプセルを解放してもよい。これにより、ユーザは1種類の動作を通じて単一アクチュエータと相互作用することによってカプセルを配置することができ、したがってカプセルの送達をより確実で使い勝手の良いものにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は医療機器に関し、より具体的には、体腔内の生理的状態を監視するための医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の医療は様々な監視システムおよび方法を使用しており、そのいくつかは、体内の組織または器官への小型カプセルの取り付けを必要とする。このような使用例の1つは、胃食道逆流症を診断するための胃食道逆流の監視においてである。胃食道逆流は、胃酸が断続的に食道内まで上昇してくるときに起こる。ほとんどの人にとって、この酸逆流を胸焼けとして時々経験することは一般的である。胃食道逆流症(GERD)は、食道への胃酸の逆流が、患者の正常な機能に影響を与え、および/または食道に損傷を与えるのに十分なほど頻繁かつ深刻な臨床状態である。
【0003】
食道が胃と合流する食道の下部には、下部食道括約筋(LES)と呼ばれる筋肉弁がある。LESは通常、食道から胃の中に食物を進入させるために弛緩する。次に、LESは、胃酸が食道に進入するのを防止するために収縮する。GERDに苦しむ患者においては、LESがあまりにも頻繁に、または不適切なときに弛緩して、胃酸が食道内に逆流するのを許す。
【0004】
GERDの最も一般的な症状は、胸焼けである。酸逆流は食道炎も引き起こすが、これはえん下痛およびえん下困難などの症状を生じる。一部の患者には、咳、喘鳴、喘息、または声帯もしくは喉の炎症などの肺の症状が起こる場合もある。より深刻なGERDの合併症は、食道潰瘍および食道狭窄を含む。慢性GERDの最も深刻な合併症は、食道の上皮が異常組織に置き換えられる、バレット食道と呼ばれる状態である。バレット食道は、食道癌の発生の危険因子である。
【0005】
GERDの正確な診断は難しいが、しかし重要である。正確な診断は、GERDに関連する合併症が発生する危険性が高い個人の特定を可能にする。胃食道逆流、その他の胃腸症状、および様々な心臓疾患を識別可能とすることも重要である。たとえば、心臓発作および胸焼けの症状は類似しているので、しばしば症状の原因に関して混乱をもたらす。食道マノメトリ、食道内視鏡、および食道pH監視は、胃酸に対する食道の曝露を測定する標準的な方法であり、GERDを診断するために現在使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,285,897号明細書
【特許文献2】米国特許第6,689,056号明細書
【特許文献3】米国特許第6,285,907号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0209653号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
食道pH監視装置の一例は、Yoqneam,IsraelにあるGiven Imaging Ltd.より入手可能なBravo(TM)ブランドのpH監視システムである。現在入手可能なBravo(TM)pH監視システムにおいて、食道のpHを監視するために、自律式pH監視カプセルが食道に取り付けられる。カプセルを食道に固定する送達装置は、単一のアクチュエータを有している。しかしながら、Bravo(TM)送達装置を操作するとき、2つの異なる動作が操作者から必要とされ、アクチュエータの第一の動作は食道に沿った特定の位置にカプセルを固定し、アクチュエータの第二の動作は送達装置からカプセルを解放する。単一アクチュエータの操作は複雑ではないものの、一部のユーザにとっては直感的ではなく、適切な使用のためにある程度の訓練を必要とする。したがって、体腔内に監視カプセルを固定するための、より単純な送達装置の需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
主に、本開示は、患者の体腔内で1つ以上のパラメータを検出するためのカプセルを付加または固定するための装置および方法を記載する。本発明の実施形態によれば、送達装置は、アクチュエータの単一動作の間に体腔内の特定の部位の組織にカプセルを固定し、送達装置からカプセルを解放するように構成されていてもよい。このようにして、ユーザはたったひとつの動作で単一アクチュエータと相互作用することにより、カプセルを配置してもよい。本発明の実施形態によるこのような装置は、操作しやすく、操作中に送達装置を安定させる。さらに、本発明の実施形態による送達装置は、2種類の動作を使用する操作ではなく、むしろ1種類の動作において操作する、1つのアクチュエータを含むので、従来技術による送達装置よりも製造コストが低く、組み立てが容易である。
【0009】
本発明の一実施形態において、装置は、患者体内での展開のために埋め込み型カプセルをその遠位末端に持着するように構成された伸長プローブと、患者体内の組織にカプセルを固定するように構成された固定要素と、プローブからカプセルを解放するように構成された解放機構と、アクチュエータの単一動作によって、固定要素にカプセルを組織に固定させるために固定要素を起動し、プローブからカプセルを解放するために解放機構を起動するように構成されたアクチュエータと、を含んでもよい。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、アクチュエータの単一動作は、引っ張り動作を含んでもよく、その一方でアクチュエータは旋回軸を中心に回転する可動トリガであってもよい。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態において、装置は、真空源に接続されるようになっている真空導入口を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態において、装置は、カプセルの空洞内に組織を引き込むために吸引を提供するように構成されていてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、装置は真空シールを含んでもよい。アクチュエータは、吸引が停止されることができるようにアクチュエータの単一動作の間に、真空シールを真空導入口の上に押すように構成されてもよい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、プローブの遠位末端にカプセルを結合するように構成されたカプセル結合機構を含んでもよく、解放機構は、アクチュエータの単一動作の間にカプセル結合機構にカプセルを解放させてもよい。カプセル結合機構は、カプセルと結合するように構成された少なくとも1つのプルワイヤを含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態において、解放機構は、アクチュエータの単一動作の間にプルワイヤを引き戻し、それによってカプセルを解放させてもよい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は係止ピンをさらに含んでもよく、アクチュエータは、単一動作の間に係止ピンを組織内に前進させるために、係止ピンと係合してもよい。本発明のいくつかの実施形態において、装置はプッシュワイヤを含んでもよく、アクチュエータは、アクチュエータの単一動作の間に係止ピンを組織内に前進させるためにプッシュワイヤと係合してもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、操作者によって引っ張られる前にトリガが動くのを防止する係止機構を含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、操作方法は、送達装置を使用して埋め込み型カプセルを患者体内の組織に送達するステップと、埋め込み型カプセルを組織に固定するステップと、送達装置のアクチュエータの単一動作の間にカプセルを送達装置から解放するステップと、を含んでもよい。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、カプセルを組織に固定するステップは、アクチュエータの単一動作の間に係止ピンを組織内に前進させるステップを含んでもよい。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つのプルワイヤを使用して、カプセルを装置の遠位末端に結合するステップをさらに含んでもよく、カプセルを装置から解放するステップは、カプセルを解放するためにプルワイヤを引き戻すステップを含んでもよい。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、カプセルはセンサを含んでもよく、このため方法は、カプセルのセンサを通じて患者の1つ以上のパラメータを測定するステップと、測定されたパラメータをカプセルから受信器へ送信するステップと、をさらに含んでもよい。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、カプセルが固定される組織は、食道であってもよい。方法は、カプセルの空洞内に組織の一部を引き込むために組織に吸引を提供するステップをさらに含んでもよく、カプセルを組織に固定するステップは、カプセルの空洞内に引き込まれた組織の部分にカプセルを固定するステップを含む。本発明のいくつかの実施形態において、カプセルを送達装置から解放するステップは、組織への吸引を停止するステップを含んでもよい。
【0020】
本発明のさらなる実施形態において、装置は、患者体内での展開のために埋め込み型カプセルを持着する手段と、患者体内の組織にカプセルを固定する手段と、持着手段からカプセルを解放する手段と、起動手段の単一動作の間にカプセルを組織に固定するために固定手段を起動し、カプセルを持着手段から解放するために解放手段を起動する手段と、を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態において、装置は、カプセルを持着手段に結合する手段をさらに含んでもよく、解放手段は、起動手段の単一動作の間に結合手段にカプセルを解放させる。
【0021】
本発明の別の実施形態において、システムは、患者体内での展開のために埋め込み型カプセルをその遠位末端に持着するように構成された伸長プローブと、プローブからカプセルを解放するように構成された解放機構と、カプセルの送達を制御するためのアクチュエータと、を含む送達装置を含んでもよい。本発明の実施形態によるシステムは、患者体内の組織にカプセルを固定するように構成された固定要素をさらに含んでもよい。アクチュエータは、クチュエータの単一動作によって、固定要素にカプセルを組織に固定させるために固定要素を起動し、カプセルをプローブから解放するために解放機構を起動するように構成されていてもよい。
【0022】
1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面および以下の説明に明記される。記載される技術のその他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明らかになる。
【0023】
説明の簡潔さおよび明確さのため、図面に示される要素が必ずしも縮尺通りであるとは限らないことは理解される。たとえば、いくつかの要素の寸法は、明確さのためにその他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合には、対応するかまたは類似の要素を示すために各図面にわたって参照符号が繰り返されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】患者とともに示される本発明の実施形態による食道酸性度監視システムを示す模式図である。
【図2】患者の体腔内の位置にカプセルを配置するための本発明の一実施形態による例示的送達装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示される本発明の一実施形態による送達装置の分解図である。
【図4】図2に示される本発明の一実施形態による送達装置のハンドル部の断面側面図である。
【図5A】起動前のハンドル構成要素の位置を示す、図2に示される本発明の一実施形態による送達装置のハンドル部の斜視図である。
【図5B】起動後のハンドル構成要素の位置を示す、図2に示される本発明の一実施形態による送達装置のハンドル部の斜視図である。
【図6A】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置のハンドル部の例示的操作を示す模式図である。
【図6B】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置のハンドル部の例示的操作を示す模式図である。
【図6C】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置のハンドル部の例示的操作を示す模式図である。
【図7A】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置の遠位末端の例示的操作を示す模式図である。
【図7B】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置の遠位末端の例示的操作を示す模式図である。
【図7C】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置の遠位末端の例示的操作を示す模式図である。
【図7D】カプセルの送達の一段階における、本発明の一実施形態による例示的送達装置の遠位末端の例示的操作を示す模式図である。
【図8】患者の体腔内の位置にカプセルを配置するための、本発明の一実施形態による送達装置の例示的操作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が明記されている。しかしながら、これらの特定の詳細がなくても本発明が実行されてよいことは、当業者によって理解される。その他の例、よく知られている方法、手順、および構成要素は、本発明をわかりにくくしないように、詳細に記載されていない。
【0026】
以下の説明はpH監視カプセルに関連するが、本発明の実施形態が、いかなる検出または監視装置の体腔への取り付けに関連して使用されてもよいことは理解される。送達装置は、たとえば単一方向への、または単一運動によるアクチュエータの線形または弓状動作など、アクチュエータの単一動作の間に体腔内の特定の部位の組織にカプセルを固定し、カプセルを送達装置から解放するように構成されていてもよい。このようにして、ユーザは単一のアクチュエータと相互作用することにより、カプセルを取り付けて、カプセルを送達装置から解放してもよく、たった1つの簡単な連続的動作でこれを操作する。
【0027】
図1は、患者12とともに示される酸性度監視システム10を示す模式図である。酸性度監視システム10は、患者12の食道14の下部内の酸性度を測定する。より具体的には、酸性度監視システム10は、患者12の下部食道括約筋(LES)、すなわち食道14が胃16と合流する所の付近の酸性度レベルを測定する。食道14の下部の酸性度レベルを測定することにより、医師は胃食道逆流症(GERD)を診断することができる。システム10は、本開示において、食道の酸性度の検出に関連して記載されているが、システムは、様々なその他の検出環境、および様々な異なる検出用途への適用に適合されてもよい。言い換えると、システム10は、患者12体内のその他の位置の監視、またはその他の身体パラメータの監視に使用されてもよい。
【0028】
上述のように、LESは通常、食道14から胃16の中に食物を進入させるために弛緩する。LESはその後、胃の内容物が食道14に進入するのを防止するために収縮する。GERDの患者において、LESはあまりにも頻繁に、または不適切なときに弛緩して胃の内容物が食道14内に逆流するのを可能にし、食道14の下部付近の酸性度レベルを上昇させ、これが胸焼け、えん下痛、えん下困難、咳、喘鳴、喘息、声帯または喉の炎症、食道潰瘍、食道狭窄、および最悪の場合にはバレット食道などの合併症を引き起こすことがある。
【0029】
酸性度監視システム10は、酸性度を検出するためのカプセル18を含む。カプセル18は、食道14内の酸性度レベルを測定するための、たとえばpHセンサ(図示せず)などの酸性度センサを含む。カプセル18によって持着されるpHセンサは通常、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるKilcoyneらの米国特許第6,285,897号明細書および参照により第6,689,056号明細書に記載されるものなどの監視装置に採用されるpHセンサに従ってもよい。カプセル18は、受信器20との無線通信のための送信器およびアンテナ(図示せず)を含んでもよく、これによってカプセル18は、測定された酸性度データを受信器20に送信してもよい。受信器20は、たとえば、患者12によって持着される携帯型受信器を含んでもよい。受信器12は、カプセル18によって無線送信されたデータを保存してもよい。受信器20内に保存された情報は、医師によって計算装置(図示せず)にダウンロードされ、患者12の症状を診断するために分析されてもよい。あるいは、カプセル18は、測定されたデータを保存するメモリを含んでもよく、こうしてカプセル18が患者12の体内を通過した後のデータの復元を可能にする。
【0030】
送達装置22は、食道14の壁に、より具体的には食道14内の食道組織にカプセル18を取り付けるために使用されてもよい。送達装置22は、本明細書においてハンドル24と称される近位末端、およびハンドル24から伸長して遠位部で終端する伸長プローブ26を含む。使用時に、遠位部は患者12の食道14内に挿入される。伸長プローブ26は、患者12体内での展開のためにカプセル18をその遠位末端に持着するように構成されている。カプセル18は、たとえば、食道14内の特定の位置への送達のため送達装置22の遠位末端に結合されてもよい。後により詳細に記載されるように、送達装置22は、単一動作の間にカプセル18を食道14に固定し、かつ送達装置22からカプセルを解放するために、可動トリガ(図示せず)などのアクチュエータを利用してもよい。
【0031】
図1の例において、送達装置22は、送達装置22を真空源30に結合するためにハンドル24上に真空導入口28を含む。真空源30は、プローブ26によって形成された内部内腔内に吸引をかける。カプセル18内の空洞に位置する真空排出口(図示せず)は、カプセル18内の空洞に食道組織を引き込むために、真空源30から食道14の壁に吸引をかける。たとえば、カプセル18内の空洞に組織を引き込むために必要とされる真空レベルは、およそ508から635mmHgであってもよい。送達装置22は、カプセル18内の空洞に引き込まれた食道組織にカプセル18を固定し、カプセル18から分離され、それによってカプセル18を食道14の壁に取り付けられたままにする。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、カプセル18の食道14の壁への固定およびカプセル18からの送達装置22の分離に加えて、単一アクチュエータによって実行される追加の動作があってもよい。吸引が送達装置22を通じてかけられないように、単一トリガは真空導入口28をさらに閉鎖してもよい。送達装置22を通じて真空に引かれている限り、吸引力は、カプセル18を送達装置22に取り付けられたまま維持する可能性がある。真空はカプセルを送達装置に取り付ける力を増加させるので、カプセル18が送達装置22から容易に分離するために真空を停止する必要がある。したがって、単一トリガは、カプセル18を食道14の壁に固定した後、およびカプセル18を送達装置22から分離する前に真空導入口28を閉鎖してもよい。
【0033】
具体的には、アクチュエータは、カプセル18を食道14の壁に固定するために固定要素を起動するように構成されている。アクチュエータは、カプセル18に結合された保持機構をカプセル18から分離させるために解放機構を起動し、それによってカプセル18を送達装置22から解放するようにも構成されている。本発明の実施形態によれば、アクチュエータは、カプセル18を食道14の壁に固定し、真空導入口28を閉鎖し、それによってカプセル18と送達装置22との間の吸引を停止して、カプセル18を送達装置22から解放してもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、3つの全ての動作は、単一動作によって順番に実行されてもよい。単一動作は「引き金を引く」動作であってもよい。本発明の実施形態によれば、医師が1つの連続的動作において起動される単一アクチュエータを用いてカプセル18を配置することができるようにすることは、送達システムをより確実におよびより使いやすくする。
【0034】
食道14の壁上にありながら、カプセル18の酸性度センサは、たとえば数時間または数日など、ある期間にわたって酸性度測定値を取得し、無線通信を通じて酸性度測定値を受信器20に送る。カプセル18は、最終的に食道14の壁から離れて、患者12の消化器系を通過する。いくつかの用途において、カプセルが数週間、数ヶ月、場合によっては数年にわたって患者の体内に取り付けられたままになるように、カプセル18は、食道またはその他の体腔、組織部位、もしくは器官内により持続的に配置されるように設計されてもよいことは認識される。
【0035】
本明細書は患者の食道14の酸性度を検出するためのカプセル18の送達に関するが、本発明の実施形態が、その他のいかなる適用可能な種類のセンサのいかなる適切な組織箇所または器官への送達にも適用可能であることは認識される。さらに、本開示の発明は、その他の治療装置、薬剤、またはその他の物質を患者12の体内箇所に配置するために使用されてもよい。
【0036】
たとえば図1に示されるような、患者の体内箇所にカプセル18を送達するための例示的な送達装置40を示す模式図である図2を参照する。送達装置40は、ハンドル44、およびハンドル44から伸長する伸長プローブ46を含んでもよい。送達装置40はまた、カプセル18の配置中に、カプセル18を送達装置40に固定するためにカプセル18と分離可能に結合してもよいカプセル結合機構48をプローブ46の遠位末端に含んでもよい。以下に記載されるように、送達装置40は、食道14に沿って適切な組織箇所にカプセル18を配置し(図1)、適切な箇所にカプセル18を固定し、組織吸引を停止するように真空導入口52を閉鎖し、カプセル18を解放してもよく、実質的にこれらは全てアクチュエータ50の単一動作の間に行われる。このように、送達装置40は、単一アクチュエータ50を使用して、カプセル18を組織箇所に固定し、送達装置40からカプセル18を解放することができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、送達装置40は、容易に引っ張られてしたがってカプセル18の固定および送達装置40からの解放を起動することができるアクチュエータまたはトリガ50を含んでもよい。アクチュエータ50は、伸長された送達装置40の近位末端に位置してもよい。いくつかの実施形態によれば、トリガ50を1回引くことで、少なくとも3つの動作が生じる可能性がある。第一に、カプセル18が、食道14の組織壁に固定されてもよい(図1)。次に、吸引が停止して、カプセル18がもはや(別の機械的機構のみによって)吸引によって送達装置40に取り付けられないように真空導入口52が閉鎖されてもよい。最後に、カプセル18が送達装置40から解放されて、カプセル18が食道14の壁に取り付けられたまま残されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、アクチュエータ50は、たとえば医師の手によってなど、手動で起動されてもよく、または、たとえば医師の動作に応えてモータもしくはその他の駆動機構によってなど、自動的に起動されてもよい。送達装置40は、後述されるような、係止機構53およびプルタブ51を含んでもよい。
【0038】
カプセル18を着持している送達装置40の遠位末端は、食道14に挿入され、LESより5から6センチメートル上の位置、すなわちこの例における対象の組織位置まで、食道14内を伸長してもよい。送達装置40の遠位末端は、多くの異なる技術のうちのいずれかを使用してLESまで案内されてもよい。たとえば、送達装置40は、LESの位置を特定するために、胃と食道との間の圧力変動など、圧力変動を検出してもよい。あるいは、送達装置40のユーザは、送達装置40の遠位末端の位置を追跡するために、内視鏡検査、超音波、または蛍光透視法などの外部の撮像技術を使用してもよい。別の実施形態において、送達装置40の遠位末端は、プローブ46に沿って位置してもよい深度マーカ(図示せず)が特定箇所に到達するまで、患者12の食道内に挿入されてもよい。深度マーカは、患者12の食道14のおおよその長さに基づいて、プローブ46を上下に移動してもよい。
【0039】
カプセル18の配置に適切な位置を特定すると、送達装置40は真空源30に接続されてもよく、真空導入口52を通じて吸引がかけられてもよい。アクチュエータ50は真空導入口52の閉鎖を、したがって真空源30(図1)からの吸引の開始(または停止)も、制御してもよい。アクチュエータ50は、アクチュエータ50の起動に先立って、真空導入口52を通じての吸引の開始を可能にする。つまり、デフォルトで、一旦真空源30が真空導入口52に取り付けられて始動されると、真空導入口52は、カプセル18の空洞84(図7Aから図7Cに示される)内に食道組織の一部を引き込むのに十分な真空源30からの吸引圧力を受けてもよい。真空源30からの十分な吸引圧力は、カプセル18と食道組織との間の接触を提供してもよく、カプセル18を送達装置40内にさらに固定してもよい。アクチュエータ50が起動されると、アクチュエータ50の起動中に生じる動作の1つは、真空導入口52の閉鎖であってもよい。真空導入口52が閉鎖されると吸引が停止してもよく、カプセル18はアクチュエータ50の起動中に送達装置40から容易に解放されてもよい。
【0040】
空洞84(図7Aから図7C)内に食道組織を引き込むと、アクチュエータ50は、送達装置40に、カプセル18を空洞84内に引き込まれた食道組織に固定させるように調整されてもよい。一実施形態において、アクチュエータ50は、検出カプセル18を食道14の壁に固定するように構成された固定要素をプッシュワイヤ68(図3)に展開させるために、送達装置40の近位末端に向かって矢印58の方向に引っ張られてもよい。たとえば、プッシュワイヤ68は、アクチュエータ50が引っ張られてその旋回軸54(図3)を中心に回転するときに、食道組織を通るピン85(図7Aから図7C)を展開してもよい。
【0041】
カプセル18が食道14の壁に固定され、真空導入口52が閉鎖された後、送達装置40はカプセル18を解放してもよく、それによってカプセル18を食道14の壁に取り付けられたまま残す。送達装置40は、アクチュエータ50の同じ旋回運動の間にカプセル18を解放してもよい。具体的には、アクチュエータ50が引っ張られ続けて旋回軸54(図3)を中心に回転させているとき、アクチュエータ50は、送達装置40からカプセル18を解放する解放機構を起動してもよい。一例として、アクチュエータ50の旋回運動は、カプセル18の中を通ってこれを送達装置40内に保持する(図7Aから図7Cに示されるように)プルワイヤ69に送達装置40の近位末端に向かって引き戻しさせ、こうして送達装置40からカプセル18を解放してもよい。このようにして、送達装置40は、わずか1つの連続動作で操作される単一アクチュエータを使用して、カプセル18を組織に固定し、送達装置40からカプセル18を解放してもよい。
【0042】
送達装置40はその後抜去されてもよく、カプセル18のセンサは、時間をかけて食道14の1つ以上のパラメータの測定を開始し、たとえば送信器およびアンテナを通じてなど、無線通信によって受信器20に情報を送信してもよい。一例として、カプセル18のセンサは、食道14の酸性度を示す1つ以上のパラメータを測定してもよい。このような動作は、図1に関連して先に記載されている。
【0043】
図2の例示的な送達装置40の分解図を示す模式図である図3を参照する。送達装置40の分解図は、送達装置40の様々な例示的構成要素を示す。送達装置40は、係止機構53を含んでもよい。係止機構または安全ロック53は、梱包、出荷、もしくは開梱の間にまたは最初に真空に引かれるときに、ユーザの開始によってではなく吸引力によってトリガ50を動かす可能性のあるアクチュエータ50の不慮の動作を防止するために、アクチュエータ50を係止してもよい。安全ロック53がアクチュエータ50に結合されると、アクチュエータ50はいずれの方向にも動くことができない。本発明のいくつかの実施形態によれば、安全ロック53は、ユーザがアクチュエータ50の動作を開始することなく、アクチュエータ50が自然に引っ張られるのを防止する。安全ロック53は送達装置40の使用に先立って解除され、そのときになって初めてアクチュエータ50は、ユーザが送達装置40を操作することによって、自由に引っ張られるようになる。
【0044】
送達装置40は、左ハンドル体44Aおよび右ハンドル体44Bを含んでもよい。左ハンドル体44Aおよび右ハンドル体44Bは、ハンドル44(図2)の本体を形成するために互いに結合してもよい。左ハンドル体44Aおよび右ハンドル体44Bは、ピン34を通じて取り付けられてもよい。別の実施形態において、左ハンドル体44Aおよび右ハンドル体44Bは、溶接、接着など、その他の手段を通じて取り付けられてもよい。アクチュエータ50は、左ハンドル体44Aと右ハンドル体44Bとの間に取り付けられてもよく、装置のユーザによって加えられる力に応えて起動されてもよい。アクチュエータ50はピン35によって旋回軸54に固定されてもよく、ユーザによって引っ張られると旋回軸54を中心に回転する。
【0045】
左ハンドル体44Aおよび右ハンドル体44Bの両方の下部は、吸引をかけるために真空源30(図1)と結合する真空導入口52を含むように形成されてもよい。真空導入口52は、管65を通るカプセル受け部66に接続されたT字管64の一部であってもよい。管65には、プッシュワイヤ68およびプルワイヤ69の2つのワイヤが通ってもよい。プッシュワイヤ68は、空洞84(図7A)内に吸引された食道組織の中に固定要素(たとえばピン)を押し込んでもよい。プルワイヤ69は、カプセルの縦軸と平行に位置する、カプセル18の突起81(図7A)の開口部を通り、カプセル18の突起81と平行な、カプセル受け部66に位置する送達装置40のくぼみ83の対応する開口部を通ってもよい。プルワイヤ69が送達装置40の近位末端に向かって引き戻されるとき、たとえばトリガ50の起動によって引き戻されるときにプルワイヤ69はもはや突起81の開口部を通過せず、カプセル18は送達装置40から解放されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、カプセル受け部66はシール67を含んでもよく、これはカプセル18とカプセル受け部66の近位末端との間に位置してもよい。シール67は、カプセル18がカプセル受け部66に緊密に取り付けられていることを確実にし、したがって真空が漏れることなくカプセル18内に送達されることを確実にする。
【0047】
トリガ50は、送達装置40の組み立て中にT字管64に挿入されてもよい、T字管幹74に取り付けられてもよい。プルワイヤ69はT字管幹74の中を通ってT字管64内にカプセル受け部66に到達するまで通ることができる。プッシュワイヤ68は、T字管幹74に接続されてもよく、カプセル受け部66に到達するまでT字管64の中を通ってもよい。プッシュワイヤ68およびプルワイヤ69は、T字管幹74とT字管64との間に位置してもよい、T字管真空シール76をさらに通ってもよい。いくつかの実施形態において、T字管幹74とT字管真空シール76との間の接触面に密封を提供するために、T字管幹74とT字管真空シール76との間に、たとえばOリングなどの中間物75が配置されてもよい。中間物75は、Oリング以外の形状であってもよい。中間物75は、様々な材料で作られてもよく、しかしながら、中間物75は一般的に弾性の高い材料で作られている。T字管真空シール76は、トリガ50が引っ張られると真空導入口52を閉鎖してもよい。一旦アクチュエータ/トリガ50が送達装置40のユーザによって引っ張られると、T字管幹74が送達装置40の遠位末端に向かって前方に押され、そうしてT字管真空シール76を送達装置の遠位末端に向かって前方に押す。具体的には、T字管真空シール76は、カプセル18が食道組織に固定された後に、その内部を通じて真空が送達装置40に引かれる真空導入口52の開口部を被覆するように押されてもよい。
【0048】
後に詳述されるように、トリガ50が引っ張られると、3つの動作が順次発生する。第一の動作の間、カプセルは食道組織に固定されてもよい。第二の動作の間、およびトリガ50がさらに引き戻される間(同じ連続的な引っ張りの間)、真空導入口52は、T字管真空シール76によって、被覆および密封されてもよい。第三の動作の間、トリガ50が送達装置40の近位末端に向かって完全に引き戻されているときに(同じ連続的な引っ張りを完了するときに)、ラッチ解放部63はハンドル44の最上部に向かってトリガ50の一部によって押されてもよく、こうして予備コイル巻きバネ要素62を解放する。一旦バネ要素62がラッチ解放部63の保持から解放されると、拡張して、送達装置40の近位末端に向かって圧縮器61を押してもよい。圧縮器61の送達装置40の近位末端に向かう動作に続いて、プルタブ51とともにプルワイヤホルダ60が同じ方向に押され、それによって送達装置40の外側に伸長する。プルタブ51の送達装置40からの突出は、カプセル18が送達装置40から完全に解放されたことを示してもよい。ラッチ解放部63は、トリガ50が完全に引き戻されるまで、バネ要素62の不慮の解放を防止する。
【0049】
例示的送達装置40のハンドル44の側面の断面図である図4を参照する。送達装置40のユーザは、カプセル18を対象の組織箇所に固定し、送達装置40からカプセル18を解放するためにハンドル44のアクチュエータ50と相互作用してもよい。最初に、アクチュエータ50は安全ロック53によって所定位置に保持されているが、しかしながら、安全ロック53が解除されると、アクチュエータ(またはトリガ)50は、送達装置40の近位末端の方向に引き戻されてもよく、旋回軸54を中心に回転してもよい。バネ要素62は、コイル巻きされてもよく、アクチュエータ50が完全に引き戻されない限り、コイル巻きされたままであってもよい。この初期位置において、T字管真空シール76は、真空導入口52から離れた位置にあってもよく、こうして真空源30が真空導入口52に取り付けられるとすぐに、真空導入口52を通じて、およびさらに送達装置40を通じて、負圧を維持できるようにする。真空導入口52および管65は、送達装置40内に真空チャンバを形成する。具体的には、真空チャンバは、真空導入口52から管65を通ってカプセル18の空洞84まで伸長する。
【0050】
カプセル18の空洞84に組織を引き込むために吸引がかけられた後、アクチュエータ50は引き戻されて、プッシュワイヤ68を(送達装置40の遠位末端に向かって)前方に押す。プッシュワイヤ68の前進は、固定要素85にカプセル18を空洞84内の組織に固定させる。この位置で、T字管真空シール76は、まだ真空導入口52から離れた初期位置にあり、したがって真空チャンバはまだ完全なままである。
【0051】
トリガ50を押すことで、T字管幹74が(送達装置40の遠位末端に向かって)前方に押されるようにしてもよく、こうしてT字管真空シール76を、真空導入口52の開口部上の新しい位置まで前方に押す。次いで、T字管真空シール76は真空導入口52を密封し、それによって、送達装置40を通じて吸引力を停止する。これが起こると、たとえば周囲圧力が送達装置40に進入するなど、送達装置40内の真空チャンバが通気され、したがってカプセルの解放がより容易に達成される可能性がある。別の実施形態において、取り付けられた真空源30による吸引力は、送達装置40のユーザによって手動で制御されてもよい。
【0052】
ハンドル44と接触してその動作が停止するまでトリガ50を完全に引っ張り続けているとき、ラッチ解放部63は、ハンドル44の上側に向かって押されてもよい。バネ要素62は、圧縮器61に取り付けられており、ラッチ解放部63が圧縮器61を保持していずれの方向に動くのも防止している限り、コイル巻きされた状態に保たれてもよい。ラッチ解放部63はトリガ50の起動中に押し上げられるので、圧縮器61は自由に移動でき、圧縮器61に取り付けられたバネ要素62は、送達装置40の近位末端に向かって後方に自由に拡張できる。バネ要素62が拡張して後方に移動するとき、圧縮器61も同様である。圧縮器61は、その内部を通るプルワイヤ69を含んでもよい。プルワイヤ69は、圧縮器61を通じてプルワイヤホルダ60内まで通り、その一方でその別の末端は、(T字管64とカプセル受け部66との間を接続する)管65に沿って通り、カプセル受け部66に到達して、カプセル18の突起81の開口部を通ってもよい。プルタブ51は、プルホルダ60の延長として、プルワイヤ69に取り付けられる。一旦圧縮器61が(バネ要素62とともに)押し戻されると、プルワイヤホルダ60に沿って通るプルワイヤ69は引き戻されてもよく、こうしてハンドル44の外側のプルタブ51を引っ張る。ハンドル44から外側に伸長するプルタブ51は、送達装置40からのカプセル18の安全な解放を示してもよい。プルワイヤ69が送達装置40の近位末端に向かって引っ張られるとき、これは実際には、カプセル18がもはや送達装置40に取り付けられていないように、カプセル18の突起81の開口部の外側に引っ張られる(図7C)。
【0053】
起動前後のハンドルの構成要素の位置を示す図2に示される送達装置のハンドル部の斜視図である図5Aおよび図5Bを参照する。図5Aは、起動前の送達装置40のハンドル44を示す。たとえば梱包、出荷、開梱の間に、および真空導入口52を通じて最初に真空に引かれるときなど、そのように意図されるまでにトリガ50を起動する不慮の事象を防止するために、安全ロック53がトリガ50に挿入されている。起動前に、プルタブ51はハンドル44内に位置している。
【0054】
図5Bは、トリガ50の起動後のハンドル44の構成要素を示す。安全ロック53はもはやトリガ50に取り付けられておらず、そのためトリガ50がハンドル44に接触するまで完全に引っ張られることを可能にし、この接触が引っ張り動作を停止させる。プルタブ51はその後ハンドル44の外部に伸長し、こうして送達装置40からのカプセル18の安全な解放を示す。いくつかの実施形態によれば、プルタブ51は標識51’を有してもよく、これはプルタブ51に沿った所望の位置に認識可能な色で標識されてもよい。プルタブ51に沿った標識51’の位置は、プルワイヤ69がもはやカプセル18を通っていないように、すなわちプルワイヤ69がもはやカプセル18と送達装置40との間を接続しないように、プルワイヤ69が引っ張られる最短距離に応じて選択されてもよい。標識51’のその他の位置が使用されてもよい。
【0055】
標識51’は、プルタブ51の外周の周りに標識されてもよい。標識51’を含むプルタブ51の部分がハンドル44の外部に押し出されるとき、これは送達装置40からのカプセル18の完全かつ安全な解放を示してもよい。プルタブ51がハンドル44から伸長するが、標識51’で標識されたその部分がまだハンドル44の中にある場合、これはハンドル44とカプセル18との間を接続する管65を通るプルワイヤ69が、カプセル18の突起81の外側および送達装置40の対応するくぼみ83の外側に完全に引き戻されていないこと(図7C)、すなわちカプセル18はまだ送達装置40に取り付けられていることを示してもよい。このような場合、送達装置40の操作者は、標識51’が認識されるまで、プルタブ51をハンドル44の外側に手動で引っ張ってもよい。つまり、プルワイヤ69はプルタブ51の延長なので、操作者はカプセル18の突起81の外側にプルワイヤ69を手動で引き出してもよく、こうして手動で送達装置40からカプセル18を解放する。いくつかの実施形態によれば、操作者は、トリガ50が完全に引き戻されたときにのみ、ハンドル44の外側にプルタブ51を手動で引っ張ってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、標識51’は認識可能な色で標識されなくてもよく、むしろ標識51’は、たとえばその他のプルタブ51よりも細い径を有することによって、または他のプルタブ51の形状と比較して異なる形状を有することによってなど、その他の方法を通じて認識可能であってもよい。
【0057】
ここで、監視カプセルの送達の様々な段階における、本発明の実施形態による例示的送達装置のハンドル部の例示的操作を示す模式図である図6A、図6B、および図6Cを参照する。図6Aは、トリガ50の起動前の送達装置40の断面を示す。ハンドル44とトリガ50との間に挿入されている安全ロック53が、トリガ50の不慮の起動を防止する。図6Aに示されるように、T字管64内に位置するT字管真空シール76は、送達装置40を通じて吸引がかけられるように、真空導入口52の開口部から離れた位置にある。起動に先立って、ラッチ解放部63は、圧縮器61とともにバネ要素62を所定の位置に保持し、バネ要素62が送達装置40の近位末端に向かって、後方に伸長するのを防止する。
【0058】
図6Bは、起動後の送達装置40の遠位末端の断面を示す。トリガ50が引っ張られると、旋回軸54を中心に回転し、T字管幹74を、たとえば送達装置40の遠位末端に向かって前方に押す。前方に移動するT字管幹74は、プッシュワイヤ68を前方に移動させ、こうして固定要素85にカプセル18を空洞84内の組織に固定させる(図7C)。さらに、T字管幹74の前方移動に続いて、T字管真空シール76が真空導入口52の開口部を被覆して、さらなる吸引を防止し、送達装置40の通気を可能にするまで、T字管真空シール76が真空導入口52に向かって移動する。真空導入口52を密封することは、送達装置40からのカプセル18の解放の第一ステップである。
【0059】
図6Cは、起動後の送達装置40の近位末端の断面を示す。送達装置40からのカプセル18の解放の第二ステップは、送達装置40の近位末端に向かってプルワイヤ69を引っ張ることであり、こうしてそれをカプセル18の突起81およびその対応する送達装置40のくぼみ83から引き戻す(図7C)。トリガ50が完全に引っ張られると、ラッチ解放部63をハンドル44の上部に向かって押し上げる。ラッチ解放部63が押し上げられると、バネ要素62は送達装置40の近位末端に向かって自由に拡張できるようになり、こうしてバネ要素62に取り付けられた圧縮器61を押す。プルタブ51は圧縮器61に取り付けられているので、バネ要素62および圧縮器61が送達装置40の近位末端に向かって押されると、プルタブ51も押されてもよく、こうして送達装置40の外側にまでこれを伸長させる。ハンドル44の外側に伸長するプルタブ51は、送達装置40からのカプセル18の安全な解放を示してもよい。プルタブ51は、その内部をプルワイヤ69が通る、プルワイヤホルダ60の延長である。したがって、ハンドル44の外側に伸長するプルタブ51は、カプセル18の外側のプルワイヤ69の完全な引き戻しを示してもよく、したがって送達装置40からのカプセル18の安全な解放を示す。
【0060】
ここで、カプセルの送達の様々な段階における、本発明の実施形態による送達装置の遠位末端の例示的操作を示す模式図である図7Aから図7Dを参照する。図7Aは、カプセル18を占有する送達装置40の遠位末端の側面断面図を示す。図7Aに示されるように、送達装置40の遠位末端の初期構成は、固定要素85がカプセル18内の初期位置にあるようになっている。固定要素85の初期位置は、カプセル18の空洞84のほぼ外側に位置するようになっている。送達装置40の遠位末端の初期構成は送達装置がカプセル送達手順の開始時となる構成である。図7Aに示される構成は、図6Aを参照して上述されたハンドル部分の構成に対応する。具体的には、アクチュエータ50は、当初は送達装置40の近位末端に向かって動かないようになっている。安全ラッチ53によってアクチュエータ50の動作が防止されているので、プッシュワイヤ68は、カプセル18が組織部位に固定される前に、すなわち固定要素85がその最終位置に来る前に、送達装置40からカプセル18を誤って解放するように解放機構を起動することができない。
【0061】
図7Aにおいて、受け部66は管65の連続部であり、これは食道内に挿入されながら、送達装置40に取り付けられたカプセル18を保持する。受け部66は、カプセル18の突起81が挿入されるくぼみ83を有する。プルワイヤ69は、カプセル18を送達装置40から解放する前にカプセル18を送達装置に取り付けるように、突起81およびくぼみ83の平行な開口部に通される。
【0062】
いくつかの実施形態において、カプセル18と送達装置40との間に位置するシール67があってもよい。シール67は、その他の領域に真空の漏れがないことを確実にしながら、送達装置40を通じて、かつ送達装置40から、カプセル空洞84への真空引きを可能にするためにほぼ中央に開口部を有してもよい。シール67は、真空導入口52からの吸引が、たとえばカプセル18の外側など、その他の領域に漏れることなくカプセル空洞84にかけられることを保証してもよい。シール67は、そこを通じて真空に引かれてもよい、ほぼ中央の開口部のみを残して、送達装置40とカプセル18との間の接触面全体を被覆する。通常、カプセル18および送達装置40は、これらが作られている異なる材料のため、したがってこれらの異なる表面のため、互いに緊密に取り付けられなくてもよい。したがって、これら2つが緊密に保持されることを保証し、ひいては真空が漏れることなく空洞84内に送達されることを保証してもよい、カプセル18と送達装置40との間に位置する中間物を必要とする可能性がある。シール67は、十分な真空レベルが空洞84に引かれて、組織が空洞84内に適切に吸い込まれるように、送達装置40とカプセル18との間の接触面(その中央の開口部を除く)を密封してもよい。シール67は泡状の材料で作られてもよく、しかしながら、その他の材料が使用されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、それを通じてカプセル18は、カプセル18によって取得されたpHデータが外部受信器20(図1)に送信され得る、アンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カプセル18の電気部品は、たとえば酸化銀電池などの内部電源82から電力供給されてもよい。カプセル18は、一旦真空源30(図1)が送達装置40に取り付けられるとその中に食道組織が吸い込まれ得る空洞84をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、送達装置40は、後に示されるように、カプセル18を食道組織に固定するために、空洞84を通じてプッシュワイヤ68によって(アクチュエータ50(図2)の操作中に)押されてもよい、たとえばピンなどの固定要素85を含んでもよい。
【0064】
ピン85が説明目的のために記載されるが、その他の種類の固定要素が使用されてもよい。Kilcoyneらの米国特許第6,285,897号明細書および第6,689,056号明細書は、たとえば粘着性物質、クリップ、ステープル、びょう、フック、およびかかりなど、監視装置を食道の内膜に取り付けるための様々な固定要素の例を提供している。米国特許第6,285,897号明細書に記載されるような固定要素の別の例は、食道30の壁の隆起の周りに配置されてもよい弾性バンドである。Kilcoyneらの特許に記載される固定要素は、カプセル18の取り付けに適している。
【0065】
図7Bは、カプセル18を占有する送達装置40の遠位末端の底部断面図を示す。図7Bにおいて、カプセル18はまだ送達装置40に取り付けられており、すなわち同図は食道組織に固定する前のカプセルを示す。
【0066】
図7Cは、カプセルを食道組織に固定した後のカプセルを占有する送達装置の遠位末端の側面断面図を示す。カプセル18を配置するのに適した位置を特定すると、真空導入口52は、カプセル18の空洞84内に食道組織の一部を引き込むのに十分な真空源30(図1)からの吸引圧力を受ける。送達装置40にカプセル18を食道組織に固定させるために、アクチュエータ50が旋回運動で引っ張られる。より具体的には、カプセル18を食道14(図1)の壁に固定するために、アクチュエータ50の旋回運動はプッシュワイヤ68に、空洞84内の組織に固定要素85を押し通させる。空洞84内に吸い込まれている組織に押し通されている固定要素85は、固定要素85の最終位置である。図7Cに示される構成は、図6Bに関連して上述されたハンドル部の構成に対応する。
【0067】
図7Cにおいて、固定要素85は空洞84に挿入され、すなわちピン85が、先に空洞84内に吸い込まれた食道組織を通って挿入される。いくつかの実施形態において、一旦送達装置40の操作者が、カプセル18が取り付けられるべき食道に沿った適切な位置を見つけると、操作者は真空源30(図1)を作動し、それによってカプセル18の空洞84内への食道組織の吸引を引き起こす。組織が空洞84内に吸い込まれた後、送達装置40の操作者はトリガ50を引き、これがプッシュワイヤ68に、送達装置40の遠位末端に向かって移動させ、ひいては吸い込まれた組織を通じて固定要素85を押させる。
【0068】
図7Dは、送達装置からのカプセルの解放に続く、送達装置の遠位末端の側面図を示す。カプセル18が食道14の壁に固定された後、アクチュエータ50は、旋回運動でさらに移動し、送達装置のハンドル44に向かってプルワイヤ69を引き戻させる。図7Dに示される構成は、図6Cに関連して上述されたハンドル部の構成に対応する。
【0069】
図7Dにおいて、固定要素85は、カプセル18の空洞84内に吸い込まれた食道組織を通過する。そのため送達装置40からのカプセル18の解放に続いて、固定要素85はカプセル18とともに残留し、もはや送達装置40には接続されていない。いくつかの実施形態によれば、アクチュエータ50の操作中、プッシュワイヤ68は、空洞84(図7C)内に吸い込まれた組織に固定要素85を押し込むためにシール67を通過して、送達装置40を通って伸長する。図7Dにおいて、プッシュワイヤ68は送達装置40の外部へ伸長し、カプセル18を食道壁に固定するために、吸い込まれた食道組織にピン85を押し通した様子を示している。アクチュエータ50の操作中、およびピン85が食道組織を通過した後、送達装置40を通じての吸引を停止して、送達装置40からのカプセル18の解放を容易にするために真空導入口52(図6B)が閉鎖される。さらに、トリガ50の操作中、プルワイヤ69(図7C)が送達装置40の近位末端に向かって引っ張られ、それによってカプセル18の突起81の開口部を自由にする。突起81から(およびくぼみ83から)プルワイヤ69を引き戻すことは、図7Dに示されるように、送達装置40からカプセル18を解放することに対応する。
【0070】
患者体内の位置にカプセルを配置する送達装置の例示的操作を示すフロー図である図8を参照する。いくつかの実施形態において、図8は、患者の食道にカプセル18を配置する送達装置40の操作を示すフロー図である。最初に、送達装置40の操作者は、送達装置40の遠位末端を対象の部位の組織に配置する(801)。具体的には、送達装置40の遠位末端が、鼻腔または口腔を通じて食道14に進入し、食道を通じてLESまで伸長する。
【0071】
カプセル18を固定するのに適切な位置を特定すると、送達装置40の操作者は真空源30を操作する(802)。送達装置40は、カプセル18の空洞内に食道組織を引き込むために真空源30から吸引圧力を受ける(803)。送達装置40の操作者は、アクチュエータの引っ張り動作中に、食道14の壁にカプセル18を固定する(804)。たとえば、送達装置40は、トリガ50が引っ張られてその旋回軸を中心に回転するときに、カプセル18を固定するためにカプセル18の空洞84内の食道組織に係止ピン85を押し込むためにプッシュワイヤ68を前進させてもよい。
【0072】
カプセル18を食道14に固定した後、送達装置40は、トリガ50の同じ引っ張り動作の間に、T字管真空シール76を真空導入口52上に押す(805)。さらにトリガ50の同じ引っ張り動作の間に、送達装置40の操作者は、送達装置40からカプセル18を解放し、それによってカプセル18を食道14に固定されたままにする(806)。たとえば、トリガ50の動作は、カプセルの突起81からプルワイヤ69を引き戻してもよく、こうして送達装置40からカプセル18を解放する。
【0073】
食道14の壁上に固定されながら、カプセル18内の1つ以上のセンサは、食道14内で酸性度測定値などの測定値を取得することができ、カプセル18は測定値を無線通信で受信器20に送信する(図1)。いくつかの実施形態において、カプセル18は、受信器20および/または電気神経刺激装置または薬物送達装置などの体外または埋め込み型治療装置に測定値を送信してもよい。神経刺激装置、薬物送達装置、またはその他の治療装置は、測定値に基づく送達治療のために、カプセル18によって取得された測定値に応答する場合がある。あるいは、神経刺激装置、薬物送達装置、またはその他の治療装置は、受信器20によって装置に送信された命令に応答する場合があり、この場合に受信器20は、カプセル18によって取得された測定値に基づいて命令を生成する。
【0074】
本開示に記載される実施形態は、患者の食道の酸性度を測定するためのカプセルの配置に関するが、本開示の技術は、患者体内の異なる体腔、組織箇所、または器官へのその他の種類のセンサの送達に適用されてもよい。さらに、本開示の技術は、患者体内の箇所に、神経刺激装置、薬物送達装置、薬物放出装置、またはその他の装置などのその他の治療装置を配置するために使用されてもよい。本開示の技術およびシステムは、胃、または消化管のその他の箇所にその全内容が参照により本明細書に組み込まれる、Herbertらの米国特許出願公開第2005/0209653号明細書として公開された米国特許出願第10/801,230号明細書に記載されるそのような装置の1つなどの胃腸電気刺激のための体腔内装置を配置するために使用されてもよい。たとえば、そのような装置は、食道、胃、腸、尿道、膀胱、または結腸などの異なる体腔内の生理的状態を検出するために使用されてもよい。たとえば、尿路用途では、システムは、尿流動体検査、尿検査、またはたとえばその全内容が参照により本明細書に組み込まれる、Christophersonらの米国特許出願公開第2005/0245840号明細書に記載されるような、他の尿道に関する診断的評価に適合されてもよい。さらに、技術は、いずれかの特定の障害、状態、または苦痛に関連する監視への適用に限定されない。さらなる例として、本開示の技術による監視装置は、妊娠の状態、排卵、胎児の状態など、その他の種類の生理的状態を監視するために使用されることも可能である。
【0075】
上記の具体的な実施形態は、本開示の技術の実践を説明している。したがって、以下の請求項の範囲から逸脱することなく、当業者にとって周知のまたは本明細書に開示される、その他の手段が採用されてもよいことは、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0076】
10 酸性度監視システム
12 患者
14 食道
16 胃
18 カプセル
20 受信器
22、40 送達装置
24、44 ハンドル
26、46 伸長プローブ
28、52 真空導入口
30 真空源
34、35 ピン
44A 左ハンドル体
44B 右ハンドル体
48 カプセル結合機構
50 アクチュエータ
51 プルタブ
51’ 標識
53 係止機構
58 矢印
54 旋回軸
60 プルワイヤホルダ
61 圧縮器
62 バネ要素
63 ラッチ解放部
64 T字管
65 管
66 カプセル受け部
67 シール
68 プッシュワイヤ
69 プルワイヤ
74 T字管幹
75 中間物
76 T字管真空シール
81 突起
82 内部電源
83 くぼみ
84 空洞
85 固定要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者体内での展開のために埋め込み型カプセルをその遠位末端に持着するように構成された伸長プローブと、
患者体内の組織にカプセルを固定するように構成された固定要素と、
プローブからカプセルを解放するように構成された解放機構と、
固定要素にカプセルを組織に固定させ、プローブからカプセルを解放するように構成された伸長プローブの近位末端に位置するアクチュエータであって、前記固定および前記解放を単一動作によって引き起こすアクチュエータと、を含む、装置。
【請求項2】
単一動作が引っ張り動作を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
アクチュエータが可動トリガを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
真空源に接続されるようになっている真空導入口をさらに含み、カプセルの空洞内に組織を引き込むために真空導入口を通じて吸引を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
真空シールをさらに含み、前記アクチュエータが、吸引が停止するように、アクチュエータの単一動作の間に真空シールを真空導入口の上に押すように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
プローブの遠位末端にカプセルを結合するように構成されたカプセル結合機構をさらに含み、解放機構が、アクチュエータの単一動作の間にカプセル結合機構にカプセルを解放させる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
カプセル結合機構が、カプセルと結合するように構成された少なくとも1つのプルワイヤを含み、さらに解放機構が、アクチュエータの単一動作の間にプルワイヤを引き戻し、それによってカプセルを解放させる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
固定要素が係止ピンを含み、さらにアクチュエータが、単一動作の間に組織を通して係止ピンを前進させるために係止ピンと係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
装置がプッシュワイヤを含み、アクチュエータがアクチュエータの単一動作の間に組織を通して係止ピンを前進させるためにプッシュワイヤと係合する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
操作者によって引っ張られる前にトリガが動くのを防止する係止機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
送達装置を使用して、埋め込み型カプセルを患者体内の組織に送達するステップと、
埋め込み型カプセルを組織に固定するステップと、
送達装置からカプセルを解放するステップとを含み、送達装置のアクチュエータの単一動作の間にカプセルの固定するステップとカプセルの解放するステップが完了する、方法。
【請求項12】
カプセルを組織に固定するステップが、アクチュエータの単一動作の間に組織を通して係止ピンを前進させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプルワイヤを使用して、カプセルを装置の遠位末端に結合するステップをさらに含み、装置からカプセルを解放するステップが、カプセルを解放するためにプルワイヤを引き戻すステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
カプセルがセンサを含み、カプセルのセンサを通じて患者の1つ以上のパラメータを測定するステップと、測定されたパラメータをカプセルから受信器へ送信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
組織が食道を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
カプセルの空洞内に組織の一部を引き込むために、組織に吸引を提供するステップをさらに含み、カプセルを組織に固定するステップが、カプセルの空洞内に引き込まれた組織の部分にカプセルを固定するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
送達装置からカプセルを解放するステップが、組織への吸引を停止するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
患者体内での展開のために埋め込み型カプセルを持着する手段と、
患者体内の組織にカプセルを固定する手段と、
持着手段からカプセルを解放する手段と、
起動手段の単一動作の間にカプセルを組織に固定するために固定手段を起動し、持着手段からカプセルを解放するために解放手段を起動する手段と、を含む、装置。
【請求項19】
カプセルを持着手段に結合する手段をさらに含み、解放手段が、起動手段の単一動作の間に結合手段にカプセルを解放させる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
患者体内での展開のために埋め込み型カプセルをその遠位末端に持着するように構成された伸長プローブと、
患者体内の組織にカプセルを固定するように構成された固定要素と、
プローブからカプセルを解放するように構成された解放機構と、
カプセルの送達を制御するように構成された伸長プローブの近位末端に位置するアクチュエータと、を含む送達装置を含み、
アクチュエータが、それによって固定要素にカプセルを組織に固定させるために固定要素を起動し、それによってプローブからカプセルを解放するために解放機構を起動するように構成されており、前記アクチュエータが、アクチュエータの単一動作によって固定要素および解放機構を起動する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−189120(P2011−189120A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−29404(P2011−29404)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(506203914)ギブン イメージング リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
【Fターム(参考)】