埋め込み型装置及び静脈洞炎及び他の疾患を治療するために薬物及び他の物質を送達するための方法
副鼻腔炎及び種々の他の疾患を治療または診断するために被験者または被験動物の体内の所定箇所に薬物及び他の物質を送達するための埋め込み型装置及び方法に関する。本発明は、リザーバと、物質が該リザーバから排出される速度を制御する障壁とを備える埋め込み型物質送達装置を含む。該送達装置は、ガイドワイヤ、カテーテル、口、導入器、及び他の接近装置を使用して該体内に進められてよい。いくつかの実施形態では、該送達装置は、1つまたは複数の所望される物質を、それらの該体内への導入の前に装入されてよい。他の実施形態では、該送達装置は、該送達装置が該体内に導入された後に所望される物質を装入及び/または再装入される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して医療機器及び方法に関し、さらに詳細には物質を送達するインプラント及び静脈洞炎及び他の耳、鼻、及び咽喉の疾患を含むがこれらに限定されない幅広い範囲の疾患を治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
副鼻腔は、顔の骨の中に形成される空洞である。副鼻腔は前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、及び上顎洞を含む。副鼻腔は粘液を生成する上皮組織で裏打ちされている。通常、副鼻腔の裏層によって生成される粘液は、小孔として知られている開口部を通って各副鼻洞からゆっくりと鼻咽頭の中に流れ出す。粘液の排液を妨げる疾患(例えば副鼻洞口の閉塞)により、副鼻腔が正常に機能する能力が下がることがある。この結果、副鼻腔内での粘液の詰まりが生じる。副鼻洞のこのような粘液の詰まりが副鼻洞を裏打ちする上皮に損傷を与え、後に酸素圧が減圧し、微生物が増殖することがある(例えば副鼻腔感染症)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鼻甲介は、鼻の側面壁から内向きに広がり、粘膜組織で覆われた3つ(ときには4つ)の骨突起である。これらの鼻甲介骨は鼻の内部表面積を増やし、鼻を通って吸い込まれる空気に暖かさと湿り気を与えるために役立つ。鼻甲介骨を覆う粘膜組織は生理条件または環境条件の変化に応えて充血して腫れる、あるいは実質的に血液を欠いて縮小することができる。それぞれの鼻甲介骨の曲線状の端縁が道として知られる通路を形成する。例えば、下鼻道は下鼻甲介の下を通過する通路である。鼻涙管として知られている管路は、下鼻道の中に位置する開口部を通して目から出た涙を鼻の中に排出する。中鼻道は中鼻甲介より下に伸びる通路である。中鼻道は半月裂孔を含み、開口部または小孔が上顎洞、前頭洞、及び前方篩骨洞に入り込んでいる。上鼻道は上鼻甲介と中鼻甲介の間に位置する。
【0004】
鼻ポリープは鼻または副鼻腔の裏層から成長する良性の腫瘤である。鼻ポリープは多くの場合慢性的なアレルギー性鼻炎または鼻粘膜の他の慢性的な炎症に起因する。また、鼻ポリープは嚢胞性線維症を患う子供では一般的である。鼻ポリープが副鼻腔からの正常な排液を妨害する点まで発達したケースでは、それらは副鼻腔炎を引き起こすことがある。
【0005】
用語「副鼻腔炎」は、一般的には副鼻腔の炎症または感染症を指す。副鼻腔炎は細菌、ウィルス、糸状菌(カビ)、アレルギーまたはその組み合わせにより引き起こされることがある。
【0006】
副鼻腔炎を治療するために、全身性抗生物質を含む多様な薬物が使用されてきた。鼻腔内副腎皮質ステロイドスプレー及び鼻腔内充血除去剤スプレーや鼻腔内点滴薬も使用されてきた。しかしながら、大部分の患者が鼻腔内スプレー及び鼻腔内点滴薬を使用しても薬物は実際に患部の副鼻腔に入らない。むしろ、このようなスプレー及び点滴薬は鼻腔内に位置する組織にしか接触しない。他者により薬物を副鼻腔の中にじかに導入することが提
案されてきたが、幅広く使用される治療技法にはなっていない。
【0007】
例えば、米国特許出願公開第2004/0116958A1号(Gopferichら)は、患者の体内へ挿入する前に副腎皮質ステロイドまたは抗増殖剤等の制御された量の活性物質を装入される、生物分解性高分子または非生物分解性高分子から形成される管状のシースつまり「スペーサ」を説明している。前頭洞の中に開窓を作成するために外科手術が実行され、シースがこのような開窓の中に挿入される。その後、活性物質があらかじめ装入されていたシースが、それがa)外科的に作られた開窓の閉鎖を阻止し、b)副鼻洞からの排液を容易にするための導管としての機能を果たし、d)活性物質を送達する開窓の中に挿入される。米国特許出願公開第2004/01169581A1号(Gopferichら)のシースは、粘液または体液と接触すると膨らむ物質で表面を覆われてよいが、実質的に単一の形状のままである(つまり、それは折り畳まれた形状と広げられた形状の間で移行しない)。いくつかの実施形態では、シースはポリマー材料の複数の層から形成されており、その内の1つまたは複数は活性物質を装入され、その内の1つまたは複数は活性物質を含んでいない。他の実施形態では、シースは、活性物質が入れられるリザーバシステムを形成する「中空の本体」と、リザーバからの活性物質の解放を制御する膜を有する。いくつかの実施形態では、シースは副鼻洞の中に伸張するシースの端部を膨らませる、またはそれ以外の場合拡大させることによって固定されてよい。
【0008】
また、Min、Yang−Giら、実験用の上顎洞炎における副鼻洞粘膜の粘膜繊毛活動及び病理組織検査:抗生物質の全身性投与及びポリ乳酸ポリマーによる抗生物質の送達の比較(Mucociliary Activity and Histopathology of Sinus Mucosa in Experimental Maxilary Sinusitis:A Comparison of Systemic Administration of Antibiotic and Antibiotic Delivery by Polylactic Acid Polymer)、喉頭鏡(Laryngoscope)、105:835−842(1995年8月)は、実験用の副鼻腔炎が自然の副鼻洞小孔に「のりをつけ」、副鼻洞の前方壁に作られる切り口及び小さなボアホールを形成し、該ボアホールを通して病原菌を導入してから、該切り口を閉じることによってウサギの3つのグループで誘発された実験を説明している。病原菌の導入から5日後、自然の副鼻洞小孔が再び開かれ、ウサギは三(3)つのグループに分けられた。グループ1(コントロール)は治療を受けなかった。グループ2はアンピシリンの筋肉内注射を繰り返し受けた。グループ3の動物では、アンピシリンを含有する(0.326mg/シート)1.5センチメートルx1.5センチメートルのポリ乳酸ポリマー(PLA)フィルムのシート(0.326mg/シート)が巻き上げられ、感染した副鼻洞の中に自然の小孔を通して差し込まれた。その後、粘液繊毛輸送機能速度の測定が行われ、病気に冒された副鼻洞を裏打ちする組織が組織病理学的に調べられた。著者は、PLA/アンピシリンフィルムの副鼻洞内インプラントを受けた動物(グループ3)で観察された治療効果が治療を受けていないコントロール動物(グループ1)またはアンピシリンの筋肉内投与を繰り返し受けた動物(グループ2)より著しく優れていたと結論付けた。
【0009】
米国特許番号第3,948,254号(Zaffaroni)は、微小孔構造の壁によって取り囲まれている薬物リザーバを備える埋め込み型薬物送達装置を説明している。該リザーバは、薬物の通過に対して透過性のある固形の薬物担体から形成されてよい。壁を通る薬物の通過速度は、薬物がリザーバを形成する固形薬物担体を通過する速度より遅くてよい。米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)は、鼻道の中への接地を含む埋め込み型薬物送達装置の多くの用途を説明している。特に、米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)は、制御された速度で鼻道の中で薬物を計量配分するための鼻送達装置を主張し、該鼻送達装置は(a)鼻道の中での挿入及び設置のための
寸法に作られた装置を画定する壁であって、鼻が許容できる微小孔構造の材料から形成される壁と、(b)該壁によって囲まれ、薬物に透過性がある固形担体から構成され、装置が装置からの長期間の連続制御された速度でそれを測定するために十分な量の薬物を含むリザーバと、(c)微小孔の中に充填される拡散による薬物の通過に透過性のある液状媒質とから構成され、(d)装置は、有用な結果を生じさせるために、担体からの液体を通って装置の外部への薬物の通過によって鼻環境内にあるときの薬物を放出する。米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)の完全な開示は参照することにより明示的に本書に組み込まれている。
【0010】
他の出版物も薬物を副鼻腔の中にじかに導入することが 副鼻腔炎の治療に効果的であると報告していた。Tarasov、D.I.ら、急性及び慢性上顎洞炎治療における高分子に基づいた薬物の適用(Application of Drugs Based on Polymers in the Treatment of Acute and Chronic Maxillary Sinusitis)、Vestn Otorinolaringol、第6巻、45から47ページ(1978年)を参照すること。また、R.Deutschmannら、[上顎]洞炎予備的な伝染の局所的治療に対する貢献(A Contribution to the Topical Treatment of[Maxillary] Sinusitis Preliminary Communication)、Stomat.DDR26(1976年)、585から592は、薬物、特にクロラムフェニコールを溶出する目的での上顎洞の中での再吸収可能な薬物送達持続性薬剤の設置を説明している。この臨床シリーズでは、水溶性のゼラチンが担体として使用され、適用の前に薬物と混合され、副鼻洞の中に塊として挿入された。該物質はほとんど機械的完全性を有さず、相対的に短い時間枠で溶解したので、治療効果を達成するために、著者はそれが二日または三日に一度吹き込まれなければならないことを提案した。ゼラチンの代替物は第6,398,758号(Jacobsenら)に提案されたような治療物質が装入されたスポンジであろう。血管の壁に対して持続放出装置を送達することを目的としたこの特許では、中空の円筒形のスポンジに薬物が装入され、壁に対して押し付けられる。これにより薬物は内腔の中心の中で血流を持続させながら壁に接触できる。さらに、血管の壁の中に薬物を導き、薬物が内腔の中に流れ込むのを妨げるために皮膜が設けられる。その投与時に薬物を装入させたスポンジがある程度の持続放出を可能にする一方で、それらを装入するのに要する時間も、それらが物質を溶出する時間と密接に相関している。送達がより長い期間に渡って必要とされる場合、その放出を調節するために追加の機構が利用されなければならない。
【0011】
特許文献の中には、マトリックスまたはポリマーの中に薬物が事前に取り込まれているシステムを使用する多様な持続放出機構が一般的に提案されてきたいくつかの例もある。これらは、第3,948,254号(Zafferoni)、米国第2003/0185872A2(Kochinke)、国際公開第92/15286号パンフレット(Shikani)、及び第5,512,055号(Dombら)を含む。一般的には、これらの参考文献は持続した薬物送達手段を構築する多様な材料及び構造を説明し、持続薬物送達技術の状態の優れた概要を提供する。薬物のための持続放出システムを作成するために特定の物質及び方式を提示するのに役立つ一方で、しかしながらこれらの参考文献のそれぞれは本願において目標とされる使用目的にそれらを容易に適用できるようにする特定の方法、手段または構造を説明していない。
【0012】
技術には、副鼻腔炎または他の病気及び疾患の治療のために、薬物及び他の治療剤または診断物質を副鼻腔または体内の他の場所の中に送達するための新しい装置及び方法の開発の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従って、疾患(例えば、副鼻腔炎または耳、鼻または咽喉の別の疾患)を診断または治療するために被験者または被験動物の中の場所(例えば、鼻、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管等の中)に物質を送達するための方法及び装置が提供される。一般的にこの方法はA)i)疾患を診断または治療するために治療効果のある物質を後に装入されてよい物質リザーバと、ii)リザーバから物質が流れ出る速度を制限する障壁とを備える埋め込み型物質送達装置を提供するステップと、B)疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、C)リザーバの中に多量の物質を導入するステップと、D)物質が被験者の体内の場所に埋め込まれた装置によって送達されるように、被験者の体内の場所に装置を埋め込むステップとを備える。いくつかの応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれる前に所望される治療剤または診断物質をリザーバの中に装入してよい。他の応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれた後に所望される治療剤または診断物質をリザーバの中に装入してよい。装置は生分解性または非生分解性であってよく、それが所望される期間の間埋め込まれたままとなった後に体から除去されてよい、あるいは除去されなくてよい。装置の障壁は開口、膜(例えば、半透膜)または特定の1つまたは複数の重要な特性を有する1つまたは複数の物質がほぼ公知の速度で障壁を通過できるようにする他の構造を備えてよい。該ほぼ公知の速度で障壁を通過する物質の能力を決定してよい重要な特性の例は、粘度または粘度の範囲、分子量または分子量の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、電気量、化学基または原子の存在、親水性または疎水性、分子のサイズ及び/または形状等を含むが、これらに限定されない。したがって、医師及び/または薬剤師は、場合によっては障壁を選択し、該選択された障壁を基準にして特定の重要な特性を所有する物質を選択する、または特別に調製し、その結果該物質は意図された送達速度で該障壁を通って送達されるであろう。
【0014】
さらに、本発明に従って、装置のリザーバは中空の空洞、多孔材料(例えば、吸収性のポリマー発泡体)またはその組み合わせを備えてよい。障壁は、リザーバの中に入った物質が制御された速度で障壁を通過するようにリザーバを囲む、実質的に囲む、部分的に囲む、またはリザーバに隣接して位置する膜または開口部を備えてよい。
【0015】
なおさらに本発明に従って、埋め込み型物質送達装置は、少なくともリザーバに物質が装入されているときに、突端が隣接する組織または他の解剖学的構造(複数の場合がある)に接触しており、窪みがそれらの組織または他の解剖学的構造の生理的機能を妨害しないために隣接する組織または解剖学的構造から離間されたままとなるように、装置の外面が突端と窪みとを持つように構成されてよい。装置のこのような実施形態は繊毛のある粘膜組織で裏打ちされている鼻または副鼻腔の領域に埋め込まれてよく、窪みの中の装置の表面(複数の場合がある)はこのような組織による粘液繊毛輸送機能と妨害しないように隣接する繊毛のある粘膜から十分に離れたままとなるであろう。装置の直径または断面形状はその長さに沿って変化してよい、あるいは円錐形、切頭円錐形、または曲線(例えば砂時計)の形状で整形されてよい。また、装置は硬度(例えばデュロメーター)、曲げ特性(例えば剛性または可撓性)またはコンプライアンスが異なる部位(複数の場合がある)を有してよく、このような特性は治療剤または診断物質の存在または不在、及び/または体液(例えば、粘液)との接触または非接触、あるいは埋め込みの意図された場所に存在する他の条件に応えて変化してよい。
【0016】
本発明の追加の態様、詳細及び実施形態は、本発明の以下の詳細な説明及び添付図面を読むことにより当業者により理解されるであろう。
以下の詳細な説明及び添付図面は、必ずしもすべてではないが本発明のいくつかの例または実施形態だけを説明することを目的としている。この詳細な説明及び添付図面は決して本発明の範囲を制限しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
人間の鼻は右の鼻孔と左の鼻孔、つまり別々の右の鼻腔と左の鼻腔に入り込む鼻孔を有する。右と左の鼻腔は、実質的には軟骨と骨から形成されている鼻腔内の隔膜により分けられている。鼻腔内の隔壁の後方では、鼻腔が単一の鼻咽頭腔の中に収束する。右エウスタキオ管と左エウスタキオ管(つまり、耳管)が頭の各側の中耳から鼻咽頭の外側面に位置する開口部まで伸びる。鼻咽頭は口蓋垂の上で下方に、咽頭の中に伸びる。図1に示されているように、副鼻腔は顔の両側の顔面骨の中に形成されている。副鼻腔は、個々の開口部つまり小孔を通して鼻腔の中に開く。副鼻腔は前頭洞FS、篩骨洞ES、蝶形骨洞SS、及び上顎洞MSを含む。
【0018】
本発明は、埋め込み型装置に隣接して、あるいはその近くに位置する組織に診断物質または治療剤を送達するために、鼻洞の鼻孔、鼻腔、道、小孔、内部等の自然発生的な、または人造の解剖学的空洞の中に配置されてよい埋め込み型装置を提供する。本発明の特定の限定されない例は図1から図12Fに示され、以下に詳細に説明されている。これらの図面に示されている特定の例は副鼻腔及び鼻腔を目標としているが、本発明の装置及び方法は、自然のまたは人造の開口部及び通路、皮下の場所、血管内の場所または心臓内の場所、及び胃腸管の中の場所を含むが、これらに限定されない体の多様な領域で幅広い用途で使用できる。
【0019】
本書で使用されている用語「診断物質または治療剤」は、あらゆる可能な薬物、プロドラッグ、蛋白質、遺伝子治療の製剤、細胞、診断用薬、造影剤またはイメージング剤、生物学的製剤等を含むと幅広く解釈されるべきである。このような物質は結合構造または非結合構造、液体または固体、コロイドまたは他の懸濁液、溶液であってよい、あるいは気体または他の流体またはナノ流体の形であってよい。例えば、微生物感染を治療または防止することが所望されているいくつかの応用例では、送達される物質は薬剤的に許容できる塩または抗菌剤(例えば、抗生物質、抗ウィルス剤、抗異所性細胞剤、抗真菌剤等)の剤形、副腎皮質ステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、NSAID)、充血除去剤(例えば、血管収縮剤)、粘液薄化剤(例えば、去痰薬または粘液溶解薬)、アレルギー反応を防ぐまたは緩和する薬剤(例えば、抗ヒスタミン剤、サイトカイン抑制剤、ロイコトリエン抑制剤、IgE抑制剤、免疫賦活剤)等を備えてよい。
【0020】
本発明で使用されてよい抗菌剤のいくつかの限定されない例は、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド抗生物質(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、及びトブラマイシン)、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン(例えば、バクトロバンネーザルR、グラクソスミスクライン(Glaxo SmithKline)、リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park)、ノースカロライナ(North Carolina))、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無効にする合成洗剤のよ
うな化学物質(例えば、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール)、標的細胞に対する微生物付着を妨害する、及び/または伝染性の病原体の進入を阻止する化学物質(例えば、PC−515(カラギーナン)、プロ−2000、及びデキストリン2サルフェート等の硫酸化ポリマーとsulponatedポリマー)、レトロウィルスが細胞内で複製するのを妨げる抗レトロウィルス剤(例えばPMPAゲル)、「抗体」として知られている植物から遺伝子操作された抗ウィルス抗体等の病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、(粘膜pHを改変する物質(バッファゲル(Buffer Gel)及びアシッドフォーム(Acidform)等の)組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、過酸化水素または病原微生物(乳酸菌)を殺す、またはその成長を阻止する他の物質の生成を引き起こす非病原性、つまり「扱いやすい」微生物、参照することにより本書に明示的に組み込まれている米国特許番号第6,716,813号(リンら)に説明されているもののような抗微生物蛋白質またはペプチド、または抗菌性金属(例えば、コロイダルシルバー)を含む。
【0021】
加えてまたは代わりに、炎症を治療するまたは防止することが所望されるいくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様なステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、非ステロイド系の抗炎症薬つまりNSAIDS)、鎮痛剤または解熱剤を含んでよい。例えば、ベクロメタゾン(バンセナーゼRまたはベコナーゼR)、フルニソリド(NasalideR)、プロピオン酸フルチカゾン(フロナーゼR)、トリアムシノロンアセトニド(ナサコートR)、ブデソニド(リノコートアクアR)、ロテレドノール エタボネート(ロコート)及びモメタゾン(ナゾネックスR)等の鼻内への注入によって以前投与された副腎皮質ステロイドが使用されてよい。前述された副腎皮質ステロイドの他の塩の形式も使用されてよい。また、本発明で使用できてよい他の限定されないステロイドの例は、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンを含むが、これらに限定されない。使用されてよい他の抗炎症薬、鎮痛剤、または解熱剤は、非選択性COX抑制剤(例えば、サリチル酸波生物、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サルサレート、ジフルニサル、スルファサラジン及びオルサラジン、アセトアミノフェン等のパラアミノフェノール派生物、インドメタシンとスリンダク等のインドール酢酸及びインデン酢酸、トルメチン、dicofenacまたはケトロラック等のヘテロアリール酢酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビブロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、及びオクサプロジン等のアリールプロピオン酸、メフェナム酸及びメロキシカム等のアントラニル酸(フエナメート)、オキシカル(ピロキシカム、メロキシカム)及びナブメトン等のアルカノン等のenolic酸)、及び選択COX−2抑制剤(例えば、ロフェコキシブのようなジアリール置換フラノン、セレコキシブのようなジアリール置換ピラゾール、エトロダクのようなインドール酢酸、及びニメスライド等のsulfonanilidesを含む。
【0022】
加えてまたは代わりに、アレルギー反応または免疫反応及び/または細胞増殖を治療するまたは妨げることが所望される応用例等のいくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、a)ヒト化抗サイトカイン抗生物質、抗サイトカインレセプタ抗体、組換え型(遺伝子組み換えから生じる新しい細胞)拮抗薬または可溶性受容体等の多様なサイトカイン抑制剤、b)ザフィルルカスト、モンテルカスト、及びジレウトンのような多様なロイコトリエン変更遺伝子、c)オマリズマブ(以前はrhu Mab−E25と呼ばれていた抗lgEモノクロナール抗体)等の免疫グロブリンE(IgE)抑制剤及び分泌線白血球プロテアーゼ抑制剤)及びd)リゲル製薬社(Rigel Pharmaceutic
als,Inc.)またはカリフォルニア、サウスサンフランシスコ(South San Francisco, California)により製造される「R−112」という名前の薬剤等のSYK キナーゼ抑制剤を含んでよい。
【0023】
加えてまたは代わりに、粘膜組織を縮小する、うっ血除去を引き起こす、あるいは止血を達成することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、偽エフェドリン、キシロメタゾリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、エピネフリン等を含むが、これらに限定されないうっ血除去剤及び/または止血薬の目的のための多様な血管収縮剤を含んでよい。
【0024】
加えてまたは代わりに、粘液の流れを容易にすることが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様な粘液溶解液、またはアセチルシステイン(MucomystTM、MucosilTM)及びグアイフェネシンを含むが、これらに限定されない粘液または粘液分泌の粘度または濃度を修正する他の薬剤を含んでよい。
【0025】
特定の一実施形態では、本発明によって送達される物質は、抗炎症薬(例えば、ステロイドまたはNSAID)及び粘液溶解薬の組み合わせを備える。
加えてまたは代わりに、ヒスタミン放出を妨げるまたは阻止することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様なマスト細胞安定剤またはクロモリン(例えば、Nasal ChromR)及びネドクロミルのようなヒスタミンの放出を妨げる薬物を含んでよい。
【0026】
加えてまたは代わりに、ヒスタミンの影響を防止するまたは阻止することが所望される応用例等のいくつかの応用例では、本発明で送達される物質はアゼラスチン(例えば、AstylinR)、ジフェンヒドラミン、ロラチジン等の多様な抗ヒスタミン剤を含んでよい。
【0027】
加えてまたは代わりに、骨または軟骨を分解させる、悪化させる、切断する、壊す、または再形成することが所望される実施形態のようないくつかの実施形態では、本発明で送達される物質は、本発明の他の手順を容易にするために骨及び/または軟骨を弱めるまたは修正する物質を含んでよく、骨または軟骨は作り直され、再形成され、破壊され、または取り除かれる。このような薬剤の一例は、再形成されなければならない、または修正されなければならない骨の部位の隣の物質送達インプラント内に注入されるまたは送達できるであろうEDTA等のカルシウムキレート剤であろう。別の例は破骨細胞等の骨悪化細胞からなるまたは骨悪化細胞を含む製剤となるであろう。他の例はコラゲナーゼ(CGN)、トリプシン/EDTA、ヒアルロニダーゼ、及びとsyllysylchloromethane(TLCM)等の骨または軟骨の成分を軟化させるまたは破壊することのある物質の多様な酵素を含むであろう。
【0028】
加えてまたは代わりに、いくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、ここに一覧表示されていない他の薬剤だけではなく、イプラトロピウム(Atrovent NasalR)等の鼻の分泌物を乾かす傾向がある抗コリン剤も含むが、これらに限定されない鼻炎、鼻ポリープ、鼻の炎症、耳、鼻及び咽喉の他の疾患を治療するために使用される他のクラスの物質を含んでよい。
【0029】
加えてまたは代わりに、ポリープまたは水腫状の組織から流体を引き出すことが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質はフロセミド等の局所的につまり局所に作用する利尿薬、及び/または塩化ナトリウムゲルまたはポリープをそれらのサイトでじかに縮小するためにさらに多くの水に組織を抜け出させるために粘液
の浸透含有量を直接的にまたは間接的に変更する、組織または物質から水を引き抜く他の塩製剤等の高浸透性薬剤を含んでよい。
【0030】
加えてまたは代わりに、腫瘍または癌性の病巣を治療することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、アルキル化剤またはそのDNAを攻撃することによって癌細胞をじかに殺す他の薬剤(例えば、シクロホスファミド、イソホスファミド)、ニトロソウレアまたは細胞DNA修復(例えば、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU))のために必要な変化を阻止することによって癌細胞を殺す他の薬剤、代謝拮抗物質及び特定の細胞機能、通常はDNA合成(例えば、6メルカプトプリンと5−フルオロウラシル(5FU))を妨害することによって癌細胞の成長を阻止する他の薬剤、抗主要抗生物質、及びDNAを結合するまたは差し込み、RNA合成(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C及びブレオマイシン)を防止することによって作用する他の化合物、植物から抽出される植物(ビンカ)アルカロイド及び他の抗腫瘍剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)、ステロイドホルモン、ホルモン抑制剤、ホルモン受容体拮抗薬、及びホルモン応答性癌の成長に影響を及ぼす他の薬剤(例えば、タモキシフェン、ハーセプチン、aminoglutethamide及びフォルメスタン等のアロマターゼ阻害薬、レトろゾール及びアナストラゾール等のトリアゾール抑制剤、エクセメスタン等のステロイド抑制剤)、抗血管形成蛋白質、小分子、遺伝子治療、及び/または血管形成または腫瘍の血管新生を阻止する他の薬剤(例えば、塩酸メタンフェタミン1、塩酸メタンフェタミン2、サリドマイド)、ベバシズマブ(Avastin)、スクアラミン、エンドスタシン、アンジオスタチン、Angiozyme、AE−941(Neovastat)、CC−5013(Revimid)、中間522(Vitaxin)、2−メソキシエストラジオール(2ME2、Panzem)、カルボキシアシドトリアゾール(CAI)、コンブレタスタチン、 A4プロドラッグ(CA4P)、SU6668、SU11248、BMS−275291、COL−3、EMD 121974、IMC−1C11、IM862、TNP−470、セレコキシブ(Celebrex)、ロフェコキシブ(Vioxx)、インターフェロンアルファ、インターロイキン−12(IL−12)または参照することにより明示的に本書に組み込まれているサイエンス(Science)第289巻、1197−1201ページ(2000年8月17日)に特定される化合物のどれか、生物反応修正物質(例えば、インターフェロン、カルメットゲラン菌(BCG)、単一クローン性の抗生物質、インターロイキン2、顆粒状コロニー刺激因子(GCSF)、等)、PGDF受容体拮抗薬、ハーセプチン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボブラチン、シスプラチン、カルムスチン、cchlorambucil、シタラビン、ダカルバジン、エトポシド、flucarbazine、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イフオスファシド、イリノテカン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン、チオテパ、トムデックス、トポテカン、トレオズルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、mitoazitrone、オキサリプラテン、プロカルバジン、ストレストシン、タクソール、タキソテール、生体物質類似体/同属種、及びここに一覧表示されていない他の抗腫瘍薬だけではなくこのような化合物の派生物等の抗腫瘍薬(例えば、癌用化学療法薬、生物反応修飾物質、血管新生抑制剤、ホルモン受容体阻害薬、凍結療法剤または異常増殖または腫瘍形成を破壊するまたは阻止する他の薬剤)を含んでよい。
【0031】
加えてまたは代わりに、新しい細胞を成長させる、あるいは既存の細胞を修正することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、遺伝子及び核外遺伝子のような遺伝子送達手段、抗炎症性の物質のためにコーディングする遺伝子とともに注入されるアデノウィルスベクトルまたは裸のDNA、mRNA等だけではなく細胞(粘膜細胞、繊維芽細胞、幹細胞、または遺伝子組み換え細胞)、及び前記に言及されたように、そのように所望されるときに骨を修正するまたは軟化させる破骨細胞、m
ucogenesisまたはciliagenesis等に関与するまたは達成する細胞を含んでよい。
【0032】
装置及び/または物質放出様式と組み合わされることに加えて、または代わりに、装置を粘液流路(つまり、前頭洞または篩骨蜂巣)の中の上流の特定の場所に配置することが理想的である場合がある。これにより、さらに少ない薬物放出装置の配置が可能になり、すべての下流の組織を所望される薬物に「浸すこと」ができる。良好な粘液の流れがある罹患していない部位が薬物によってあまり影響を及ぼされないのに対して、特に薬物の濃度が粘液が保持されている部位で最高になる可能性があるため、薬物のための担体としての粘液のこの活用は理想的である場合がある。これは特に慢性副鼻腔炎、つまりそれらの特定のサイトで薬物の濃度をさらに高めるとさらに大きな治療的有用性となる可能性がある腫瘍で有効であろう。このようなすべてのケースでは、局所的な送達によって、これらの薬物ははるかに全身性ではない影響を及ぼすことができる。さらに、それが粘液に対して緩やかな親和力を維持し、それが流れの中で均等に分散できるように薬物の組成または送達システムを構成することが理想的である場合がある。また、いくつかの応用例では、薬物ではなくむしろ、塩または他の粘液に溶けやすい物質が、それにより粘液が物質と接触する場所に配置され、大量の物質が粘液中で溶解するようになり、それによって粘液のいくつかの特性(例えば、pH、オスモル濃度等)を変更する。いくつかのケースでは、この技法は、流れている粘液が水及び/または他の流体をポリープ、水腫状の粘膜組織等から引き出し、それによって乾燥または脱水治療効果を提供するように粘液を高浸透性にするために使用されてよい。
【0033】
副鼻洞空洞の中での変化に影響を及ぼすために局所的な送達を目的とする物質に加えてまたは代わりに、鼻腔は臭覚器系、従って脳への一意の接近手段を提供する。本書に説明されている装置及び方法のどれかも、脳に物質を送達する、あるいは臭覚器系の機能を改変するために使用されてよい。このような例は、臭覚を塞ぐまたは改変するため、食欲を抑制するため、あるいはそれ以外の場合、肥満、癲癇(例えば、フェノバルビタールまたはmephoobarbital等のバルビツール酸系催眠薬、カルバマゼピン及びオキスカルバゼピン等のイミノスチルベン類、ethylsuximide等のスクシンイミド、バルプロ酸、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、及びロラゼパム等のベンゾジアゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、アセタゾールアミド、フェルバメート、levetiraceam、チアガビン、トピラメート、ゾニサミド等)、人格障害または精神障害(例えば、抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬等)、慢性疼痛、パーキンソン病(例えば、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ropinitrol及びプラミペキソール等のドーパミン受容体拮抗薬、レボドパ等のドーパミン前駆体、tocapone及びエンタカポン等のCOMT抑制剤、セレギリン、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピン、及びジフェンヒラドミン等のムスカリン受容体拮抗薬)、及びアルツハイマー病、ハンチントン病、または他の認知症、認知の疾患、あるいは慢性変性疾患(例えば、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、ガランタミン、フロキセチン、カルバマゼピン、クロザピン、クロナゼパム、及び蛋白質またはベータアミロイド斑の形成を抑制する遺伝療法)等を抑制するためにエネルギーの送達または装置及び/または物質及び/または物質送達インプラント(複数の場合がある)の配置を含む。
【0034】
副鼻腔炎または耳、鼻、または咽頭の他の疾患の治療を目的とする応用例等の特定の応用例においては、本発明の埋め込み型物質送達装置及び方法が以下の目的の1つまたは複数を満たしてよい。
【0035】
1.粘液の除去:本発明の埋め込み型物質送達装置は、鼻道つまり鼻周辺の通路に埋め込まれると、それらが隣接する解剖学的壁(複数の場合がある)の少なくとも一部が粘膜繊毛作用を維持できるように構成されてよい。これを達成するために、装置は隣接する解
剖学的壁(複数の場合がある)に接触する別々の領域、及び該隣接する解剖学的壁(複数の場合がある)に接触しない他の領域を有してよい、及び/またはそれらは内部中空内腔を取り込んでよい。本発明のいくつかの実施形態は中央内腔を含むが、大部分の場合、粘液が重力または真の圧力を介して埋め込まれた装置の内腔を通って流れることは不可能あるいは非現実的である場合がある。したがって、この中央内腔は、このような場合には流体はさらに容易に装置の回りに伝達される可能性があるため、解剖学的通路の開通性を維持するために有効な構造ではない可能性がある。その結果、本書に説明される本発明の他の実施形態では、装置は粘液がその間を流れることを可能にする離間された支柱または部材を備えてよく、このようにして粘液が装置の中の内腔または穴に進入する必要性を回避する。また、支柱が相対的に薄く、装置が、繊毛が装置の内側内腔にじかに接することができるように開放細胞構造から構成される本発明の他の実施形態もある。これらの状況では、粘液の除去は、圧力または重力に依存しなくても中央内腔を通して可能である可能性がある。
【0036】
2.持続効果:いくつかの鼻腔内の/副鼻洞内の応用例において薬物を送達するために使用されてよい、薬物が飽和されたガーゼまたはスポンジには、送達される薬物(複数の場合がある)の投薬量(複数の場合がある)、あるいはそれらの薬物(複数の場合がある)の拡散を調節する能力がほとんどない、あるいはまったくない。さらに、それらは非生分解性または非常に迅速な生分解性のどちらかであってよい。本発明の装置の少なくともいくつかの実施形態は、所定の治療期間の間所定の投薬量の薬物を送達することによって、これらの欠点を克服している。これは次の所定の治療期間の終結後に、取り除かれてよい、または生物分解し、排除されてよい。
【0037】
3.低侵襲的設置:副鼻洞処置を実行するために現在使用される器具の多くは接近し、インプラントを設置するために鼻または副鼻洞の中の組織の重大な除去または組織に対する損傷を必要とする。しかしながら、本発明の装置及び方法は、鼻の組織及び副鼻洞組織に対する最小の病原性損傷で実施できる。したがって、本書に説明される装置及び方法は腫れた組織及び閉塞した内腔を薬物の作用を通して削減し、感染を制御できるようにし、それにより従来の副鼻洞手術等の侵襲的な組織損傷療法を必要とせずに症状の解決を生じさせることができる。
【0038】
4.装置感染の低いリスク:本発明に従って、埋め込み型物質送達装置は当然抗感染である物質から作られてよい、あるいはこのような物質で表面を覆われてよい。これは「毒素性ショック」症候群または他の類似した装置に関連した感染の回避に役立つことがある。あるいは、それらはその機械的構造または完全性の結果、取り外し自在であってよい、あるいは感染に耐性を示してよい。
【0039】
5.取り外し自在または生分解性:いくつかの実施形態では、本発明の埋め込み型物質送達装置は生分解性がある及び/または取り外し自在であってよい。いくつかの実施形態では、装置が所望される期間生分解性があるが、状況がその早期取り外しを行うのに値する場合には(例えば、装置が完全に生物分解するために十分な時間が経過する前に)取り外し自在であることが望ましいであろう。構造の除去性を支援するために、事務所内で容易に取り外しできるようにするために尾部付着点、または縫合線/ひも付着点が設けられてよい。
【0040】
6.1つまたは複数の診断物質または治療剤を送達する能力:副鼻洞の病気は多くの病因があるため、医師が、個々の患者の疾患を治療するために1つまたは複数の物質を含むように装置をカスタマイズできることが理想的であろう。代わりに、それが埋め込まれる前または後に埋め込み型物質送達装置の中に装入するために包装済みの物質の混合物または組み合わせ(例えば、2つ以上の薬物の固定された服用組み合わせ)を有することも許
容できてよい。物質のこのような包装済み混合物または組み合わせは装置の中への直接的な装入に適した液状形式であってよい、あるいは指定量の液体(例えば、滅菌水、0.9%のNaCl溶液等)で容易に戻すことができる乾燥形式(例えば凍結乾燥済み、または粉末)であってよい。代わりに、装置は同時にまたは連続して薬物(複数の場合がある)を放出する2つ以上の分離されたチャンバを含んでよい。代わりに、他の一実施形態は、添加剤と混合されることなく装置の中で事前に結び付けられるまたは事前に装入される1つまたは複数の薬物または物質を含んでよい、あるいは使用時、他の添加剤を付加される、又は、混合される1つ又は複数の薬物又は物質を含んでよい。
【0041】
7.瘢痕化または付着の防止:副鼻洞の中に設置される任意の物質は、それらが設置される経路の連続開通性を可能にするために付着または瘢痕化が最小限に抑えられるような物質から設計されなければならない。付着に対する機械的な障壁を単に有することは役立つ可能性があるが、インプラント自体が組織反応を誘発しないことも重要である。この状態を回避するためには不活性物質が使用されなければならない。他の実施形態では、インプラントに対する組織の反応を妨げることができる薬剤を放出することが必要な場合がある。名目上、装置の内部ではありとあらゆる治療剤が使用されてよいが、それは、生理食塩水等の不活性物質で充填された、それが送達される通路を維持するための単にスペーサとして有用性を有してもよい。
【0042】
8.薬物送達動力学:本発明の装置は、治療の過程で治療剤を一貫して、または予測可能に送達することができ、可能な場合送達のこのタイミングは選ばれる物質に基づいてプログラムで制御できるであろう。いくつかの状況では、装置が原位置で補充できるのが理想的である可能性があるが、いくつかの実施形態では装置は、補充が必要とならないように十分な治療剤を含むことができてよい。今日までこれらの必要性を満たすことができる装置は提案されず、または使用可能ではなく、したがって副鼻腔炎または他の病気及び疾患の治療のために、薬物及び他の治療剤または診断物質を副鼻腔または体内の他の場所に送達するための新しい装置及び方法に対する必要性が依然として存在する。
【0043】
埋め込み型物質送達装置が、標準的な外科手術を介して副鼻腔または耳、鼻または咽喉内の他の部位に送達される、またはそれらから取り外されてよいが、物質送達装置が出血、組織の除去、術後の介護、及び他の外科的問題を削減できる低侵襲手段を介して送達されてもよいことは特に重要である。
【0044】
展性があり、偏向可能である、及び/または適切に整形された本体及び先端を有してよいカテーテルが、鼻の中に、及び副鼻洞の小孔のような関心のある場所の近くに、あるいは中に導入されてよい。カテーテルは鼻孔に位置する接近口を通して導入されてよい、あるいは導入されなくてよい。さらにガイドがこのような手段を介して生体構造の中に配置されてよいが、直接可視化、内視鏡イメージング、蛍光透視鏡イメージング、電磁検知当に制限されない。適切な小孔の近くにまたは適切な小孔を通していったん適切に配置されると、ガイドワイヤはカテーテルを通して副鼻洞空洞の中を進められてよい。例えば、上顎洞または前頭洞に接近する場合には、カテーテル先端は(鉤状構造を切除する必要なく)鉤状プロセスの回りで曲がり、適切な副鼻洞小孔を通って進入する、あるいは適切な副鼻洞小孔の方向を指してよい。それから、ガイドワイヤは副鼻洞空洞の中に進めることができる。これらの操作は蛍光透視鏡、内視鏡及び電磁検知等の可視化方法の元で行われてよい。適切に整形された偏向可能及び/または展性があるカテーテルは、前頭銅及び蝶形骨洞に接近するために使用されてもよい。いったんワイヤが副鼻洞のなかに進められると、それが必要であると見なされる場合には、問題の副鼻洞の小孔を拡大するためにバルーンカテーテルがワイヤ上に導入されてよい。所望される場合には、第2のカテーテルがワイヤの上でアクセスカテーテルを通して進められてよい。第2のカテーテルはさらに小さいガイドワイヤと交換するために使用されてよい――したがってさらに小さいガイドワイ
ヤと互換性のあるさらに小さいカテーテルの使用を可能にする。
【0045】
蝶形骨洞への接近は、中鼻甲介の内側でアクセスカテーテルを進め、カテーテルを副鼻洞の小孔を通してまたは副鼻洞の小孔の近くに設置することにより同様に達成されてよい。その後、物質送達装置の送達の前に、後にバルーンを膨張することによりガイドワイヤを副鼻洞の中に進める同様の技法が続いてよい。
【0046】
篩骨洞への接近は、篩骨蜂巣の中への進入を実現するリトロブラー(retrobullar)凹部とスプラブラー(suprabullar)凹部の中へ、あるいは近くへアクセスカテーテルを進めることにより達成されてよい。その後、物質送達装置の送達の前に、後にバルーンを拡張することにより蜂巣を通して、及び蜂巣の中にガイドワイヤをナビゲーションし、進める同様の技法が続いてよい。代わりに、蛍光透視鏡、内視鏡、電磁検知等の可視化/ナビテーションの元で前方篩骨(例えば、篩骨水泡)の近くにカテーテルを進めることが望ましいことがある。以後、針またはカテーテル等の穿孔部材がアクセスカテーテルを通して、及び前方篩骨蜂巣と後方篩骨蜂巣の壁を通って進められてよい。いったん1つまたは複数の壁が穿孔されると、ガイドワイヤは針または他のカテーテル部材を介して篩骨蜂巣の中に進められてよい。穿孔した前方篩骨蜂巣と後方篩骨蜂巣のバルーン拡張は、物質送達装置の設置前に所望される場合に実施されてよい。一般的には、副鼻洞及びその周辺領域への低侵襲接近は、物質送達装置を送達することの重要な要素である。
【0047】
ここで図1から図12Fを見ると、このような図画本発明の装置及び方法の特定の例を示していることが理解されるべきである。そうすることにより結果として生じる実施形態または例がその用途に使用不可にならない限り、これらの図に図示されている一実施形態または例のあらゆる要素、属性、構成要素、付属品または特長は、その実施形態または例から排除されてよい、あるいは他の実施形態または例に含まれてよい。
【0048】
図1は、概して人間の患者の頭部の図を示し、本発明のシステム10が左前頭洞の中に本発明の物質送達装置12を埋め込むために利用されている。示されているように、このシステム10は鼻接近口装置14と、送達カテーテル16と、引き伸ばした部材18と、埋め込み型物質送達装置12とを備えている。該口装置14は、図示されるように鼻孔の中に配置される。使用できてよい鼻口装置の例は、参照することにより本書に組み込まれている「副鼻腔炎及び耳、鼻、及び/または咽喉の他の疾患を診断し、治療するための装置、システム及び方法(Devices,Systems and Methods for Diagnosing and Treating Sinusitis and
Other Disorders of the Ears,Nose and/or
Throat)」と題される特許出願、出願番号第10/829,917号に詳細に説明されている。カテーテル16は、口装置14を通して、及び鼻腔を通して左前頭洞への小孔の中の場所、または小孔に非常に近い場所に進められる。カテーテル16の挿入の前または後に、埋め込み型物質送達装置12は送達カテーテル16の内腔の中に装入され、引き伸ばした部材18は埋め込み型物質送達装置12に近位で送達カテーテル16の内腔の中に配置される。別個のガイドカテーテル(不図示)が口装置14を通して左前頭洞の小孔近くの一まで進められ、そのご送達カテーテルがそのガイドカテーテルを通って、送達カテーテルの末端が左前頭洞の小孔の中にあるいは小孔にすぐ隣接する位置に進められてよい場合もあることが理解されるであろう。その後、引き伸ばした部材18は末端方向で勧められ、それにより埋め込み型物質送達装置12を送達カテーテル16の末端から押し出してよい。代わりに引き伸ばした部材18の末端は、送達カテーテル16の内腔の中の薬物送達装置12の近端と接触して配置され、その後引き伸ばした部材18は、埋め込み型物質送達装置12を送達カテーテル16の末端の中から通過させるために、送達カテーテル16が近端方向で引っ込められる間に静止して保持されてよい。いずれにせよ、物
質送達装置は前頭洞の中に完全にまたは部分的に配置され、その後、口装置14、送達カテーテル16、及び引き伸ばした部材18は取り外されてよい。埋め込み型物質送達装置12は多様な方法で構築されてよく、その例は図2から図12Fに示され、後述される。本発明の実施形態のどれかにおいて、所望される診断物質または治療剤は、装置12が体内に埋め込まれる前及び/または後に埋め込み型物質送達装置12の中に装入されてよい。
【0049】
図2から図2Cは、その間20が内腔22と、多孔質母材24と、外側障壁26とを有する埋め込み型物質送達装置12aの一実施形態を示している。管20の一端は外側障壁26を通って突出し、その上に針が貫通可能な自動密封キャップ27を有する。管20の他方端部は、管の内腔22が多孔質母材24のほぼ中心の中に中空の空洞を形成するように閉じられている。図2Aに示されるように、所望される治療材または診断物質を含有する溶液が、注射器及び針28によって管20の内腔22の中に導入される。管20は拡大ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)等の多孔材料または透水性材料、あるいは物質が管20の壁を通過して多孔質母材24の中に入ることができるようにする多孔質ポリ(L−乳酸)(PLLA)またはポリ(L−グリコール酸)等の生体吸収材料から構築される。このようにして、多孔質母材24は、管20の内腔22及び多孔質母材24が大量の物質が入れられるリザーバを形成するために結合するように、実質的に飽和状態になる、つまり物質を装入される。多孔質母材は撓みやすい、または硬直したポリマー発泡体、綿の詰め物、ガーゼ、ヒドロゲル、コラーゲン等の生分解性または非生分解性の多孔材料から形成されてよい。発砲されてよい、あるいはそれ以外の場合多孔質にされてよい生分解性高分子の例はポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、polydioxanone、ポリカプロラクトン、ポリグリコネート、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)、及びその組み合わせを含む。この装置12aは完全に生分解性または非生分解性であってよい。装置12aの非生分解性の実施形態では、管20、多孔本体24及び外側障壁26・・・管20は、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、拡大ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートウレタン、ポリウレタン、ポリアミドを含むが、これらに限定されない多様な市販されている生体適合性ポリマー等の任意の適切な物質から形成されてよい。
【0050】
図2から図2Bに示されているもののような本発明の任意の実施形態は、障壁を横切る物質の移送を支援するための手段を取り込むことができるであろう。このような装置は機械ポンプ、電気機械ポンプ、ナノテクノロジーポンピング機構、または移送を駆動するために電流を発する電気装置の形を取ってよい。この手段は、障壁の中に、あるいは多孔母材の中に組み込むことができるであろう。機械的な実施形態のさらに特定の例は、障壁を横切るその移動を駆動するために送達される物質の量が継続的に陽圧の下にあるようにリザーバサイズを機械的に変更することであろう。この機械的な変更はマイクロエレクトロニクスを介して制御することができ、事前にプログラミングすることができる、あるいは多様な無線通信技術を通して遠隔で制御できるであろう。リザーバ内部で圧力を維持するための機械的な手段の別の例は、浸透圧ポンプ、または内部化学反応に活性化されるものなど、薬物量が減少するにつれて収縮するまたは縮小する膜障壁を組み込むことであろう。この収縮は、弾性ポリマーまたは縮小するポリマーから膜障壁を作ることによって、あるいはリザーバの体積を減少する可動フィラメントまたはセクションを含むことによって達成できるであろう。
【0051】
本発明の任意の実施形態では、任意の管22または多孔母材24の中または隣に形成される他の空洞の壁は、物質が管20の内腔22から多孔母材24の中に通過する速度を制
御する材料から構築されてよい。また、外側障壁26は、物質が多孔母材24から外側障壁26を通って、装置12の中から通過する速度を制御する材料(例えば、半透膜)から構築されてよい。複数の薬物を含むために装置の中で複数のチャンバを活用する物質送達装置の他の実施形態があってよい。これらのチャンバは、各チャンバのストリップが装置の全長を移動するが、断面が複数のコンパートメントを示すように軸方向に配列されること、装置の末端部分が真中部分または近端部分とは異なる薬物を含むことができるように長手方向に配列されること、または送達される第1の薬物が多様な苦痛を治療するために、その時々において次の薬物とは異なること、即ち、最初は炎症に対処するため、次に所定の期間後、感染と戦うために抗菌剤の放出を開始することが可能であるように(玉ねぎのような)層で配列されることを含むが、これらに限定されない多様な構成で配置できるであろう。層状構成では、分割する膜は生分解性であってよい、あるいは生分解性でなくてよい。本発明の装置12は、当初、装置12の中に診断物質または治療剤を入れずに提供されてよい。このような場合には、医師は、次に、装置が被験者の体内に埋め込まれる前に特定の治療剤または診断物質あるいはこのような物質の組み合わせを選択する、あるいは装置12の中に調製してよい。他の応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれた後に所望される治療剤または診断物質あるいはこのような物質の組み合わせ柄を装置12の中に装入してよい。装置12に装入される診断物質または治療剤(複数の場合がある)の医師の選択または調製を容易にするために、装置12は、装置12に装入された物質(複数の場合がある)の所望される投薬量(複数の場合がある)が埋め込まれた装置12によって送達されるように、物質(複数の場合がある)の希釈と装置12の装入を容易にするためのデータ編集によって達成されてよい。このようなデータ編集は表形式データ、アルゴリズム(複数の場合がある)等の形式であってよい。また、このようなデータ編集は、ハードコピー(例えば添付文書または小冊子)として文書形式(例えば、表またはリストとして)で提供されてよい、あるいは(例えば、コンパクトディスク上に、ウェブサイトからアクセスできる、特に本発明の装置12とともに使用するためにプログラミングされるハンドヘルド電子投薬量計算機等のコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置の中にプログラミングされる等)電子形式で記憶されてよい。装置12によって送達される特定の物質(複数の場合がある)の投薬量は、特定の定められた重要な特性を有する特定の物質、製剤、混合物、または溶質または物質の濃縮物が装置12の障壁26を通過する決定された速度(複数の場合がある)となるであろう。データ編集は、特定の障壁遷移速度が提供される特定の重要な特性の例またはリストを含む、または攻勢しても良い粘度または粘度の範囲、分子量または分子量の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、電気量、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、特定の化学基または原子の存在、親水性または疎水性等を含むが、これらに限定されない。特定のステロイドまたはステロイド/抗菌性の製剤を用いる本発明の装置12の準備及び装入を容易にするために提供されてよい1つのタイプのデータ編集の例は、以下の表1に示されるような図表である。
【0052】
【表1】
この表に説明されているすべてのパーセンテージは、重量パーセントとして表されている。この表が、その装入及び異なる物質及び/または異なる濃度の物質との使用を容易にするために、本発明の特定の埋め込み型物質送達装置12に付随してよい物質放出速度に関する操作情報またはデータが1つの方法を示すために提供される例示的な例にすぎないことが理解されるべきである。使用される実際の物質及びそれらの物質の実際の送達速度は、装置12の使用目的、装置12の中に装入される物質の重要な特性、及び装置12の多孔母材24及び/または外側障壁26の相対多孔率または浸透性に依存する。前述された表は、それによって医師が、製剤に含有される、異なる局所投与量の薬剤を送達する、異なる希釈剤(例えば、真中の欄に一覧表示された濃度X、Y、またはZ)を調製するために1つまたは複数の薬物を含む開始製剤(例えば、左の欄に一覧表示された製剤)を使用してよいいくつかの例を示している。開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は、鼻腔内の投与または体内のどこかの粘膜組織への局所投与のために承認される、及び/または使用できる市販されている医薬品を備えてよい。開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は、本書に説明されるように、a)包装されてよい、及び/または本発明の装置12とともに提供されてよい、b)本発明の装置12とは別個に医師によって入手されてよい、及び/またはc)本発明の装置12の中で濃縮された(例えば、乾燥したまたは凍結乾燥された形式)で事前に装入されてよい。いくつかの場合では、装置12は、装置の中に(例えば、管20の内腔22の中に、及び/または多孔母材24の中に)含まれる乾燥した(例えば、凍結乾燥されたまたは粉末化された)診断物質または治療剤(例えば、薬物製剤)を備えてよく、医師は後に、物質をもどすまたは溶解するため、及び装置12を拡張する、または活性化するために、測定された量の溶媒(例えば、無菌水、0.9%のNaCl溶液、基本食塩水等)を注入してよい。このような場合には、装置1
2と提供される指示または他の情報は、さまざまな量の溶媒を注入することにより生じる物質の異なる濃度についての情報を含んでよい。他の場合には、装置は拡大状態で提供されてよく、送達のために圧縮される、または整形し直され、その後所望される埋め込み場所に応じて完全に、わずかに拡大し直される必要がある、またはまったく拡大し直される必要はない。前述されたように、いくつかの場合では、開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は市販されている製剤であってよい。例えば、表1の最初の1、2及び7で言及されたプロピオン酸フルチカゾンは、FlonaseR鼻スプレー(グラクソスミスクライン(Glaxo SmithKline)、リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park)、ノースカロライナ(North Carolina))として鼻腔内スプレー投与のための製剤として市販されている。FlonaseR鼻スプレーの有効成分であるプロピオン酸フルチカゾンは、化学名S−(フルオロメチル)6(,9−ジフルオロ−11R−17−ジヒドロキシ−16−(−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17R−carbothioate、17−プロピオン酸を有する合成副腎皮質ステロイドである。それは、微晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース0.02%、w/w塩化ベンザルコニウム、ポリソルベート80、及び0.25%のw/wフェニルエチルアルコールを含有し、5から7の間のpHを有する、超微粒プロピオン酸フルチカゾンの水性懸濁液として提供される。この市販されているFlonase製品は、いくつかの場合では、装置12が、後で被験者の体内に埋め込まれたときに、所望される投薬量のプロピオン酸フルチカゾンを、単独であるいは他の薬剤(複数の場合がある)(表1の右欄)と組み合わされて送達するように、装置12に装入される前に、1つまたは複数の他の物質と結合される、及び/または多様な希釈物(例えば、表1の真中の欄)で調製されてよい基本製剤(表1の左欄)としての機能を果たしてよい。物質が懸濁液の形を取るこのような例では、懸濁液はそれが埋め込まれた装置12の中で安定したままとなるように調製されてよく、装置12の障壁26は、懸濁液の粒子(例えば、微小粒子)が所望される速度で障壁を通過できるようにするほど十分に大きい孔隙を備えてよい。
【0053】
同様に、表1の行3と4で言及されたトリアムシノロンアセトニドは、NasacortR AQ鼻スプレー(アベンティス製薬株式会社(Aventis Pharamaceuticals,Inc.)ブリッジウォーター、ニュージャージー(Bridgewater,New Jersey))として市販されている。NasacortR AQ鼻スプレーの有効成分であるトリアムシノロンアセトニドは、アセトンを含む9−フルオロー11β、16α、17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン環状16,17−アセタール(C24H31FO6)である。それは微晶性セルロース、カロボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、デキストロース、塩化ベンザルコニウム、及びエデト酸2ナトリウムを含む水媒体の中のトリアムシノロンアセトニドの微晶質懸濁液として提供される。4.5から6.0の範囲内の5.0という標的にpHを調整するために、塩酸または水酸化ナトリウムが添加されてよい。
【0054】
また、表1の行5に言及された副腎皮質ジプロピオン酸ベタメタゾンと結合された抗真菌薬クロトリマゾールの製剤は、真菌感染症を治療するための局所適用のためにLotrisoneRローション(シェーリング社(Schering Corporation)、ケニルワース、ニュージャージー(Kenilworth,New Jersey)として市販されている。化学的には、クロトリマゾールは、実験公式C22H17CIN2及び344.8という分子量の1−(a−クロロ、a,a−ジフェニルベンジル)イミダゾールである。クロトリマゾールは、水の中では不溶性であり、エタノールの中で溶解性の無臭の白い結晶性粉末である。ジプロピオン酸ベタメタゾンは、実験公式C28H37F7及び504.6という分子量の、化学名9−フルオロ−1,16,17,21−トリヒドロキシ−16B−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン−17,21−ジプロピオン酸を有する。ジプロピオン酸ベタメタゾンは、水の中で不溶性の、白か
ら乳白色の無償の結晶性粉末である。LotrisoneRローションの1グラムは、純水の親水性基剤、鉱物油、白色ワセリン、ステリアルアルコールが加えられたセチルアルコール、セテアレス−30、プロピレングリコール、リン酸ナトリウム第1一水和物、及びリン酸、保存料としてのベンジルアルコールの中で、10mgのクロトリマゾールと0.643mgのジプロピオン酸ベタメタゾン(0.5mgのベタメタゾンに同等)を含有する。本発明の装置12が鼻、副鼻腔、または耳、鼻または咽喉の中の他の場所に埋め込まれなければならない応用例の場合、基本製剤(表1の左欄)は、LotrisoneRローションの低粘度形式を備え、ローションベースがない限り(例えば、鉱物油、白色ワセリン、ステアリルアルコールが加えられたセチルアルコール、セテアレスー30及び/またはプロピレングリコールの内のいくつかまたはすべてを除いた)、LotrisoneRローションの活性成分を含む微小粒子の溶液または懸濁液を備えてよい。
【0055】
また、ムピロシンカルシウムは、鼻腔内の適用のためにバクトロバンネーザルR軟膏(グラクソスミスクライン、リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ)として市販されている抗生物質である。バクトロバンネーザルR軟膏は、パラフィンとグリセリンエステル(SoftisanR 649)の混合物とを含有する柔らかな白い軟膏ベースの中の2.15% w/wムピロシンカルシウム(2.0%の純粋なムピロシンを含まない酸に同等)を含有する。むしろピンカルシウムは、ムピロシンの二水和物結晶hemi−saltの形を取る。それは、化学的には(α E,2S,3R,4R,5S)−5−[(2S,3S,4S,5S)−2,3−エポキシ−5−ヒドロキシ−4−メチルヘキシル]テトラヒドロ−3,4−ジヒドロキシ−β−メチル−2H−ピラン−2−クロトン酸、9−ヒドロキシノナン酸、カルシウム塩(2:1)、二水和物を含むエステルである。ムピロシンカルシウムの分子式は(C26H43O9)2Ca.2H2Oであり、分子量は1075.3である。ムピロシンを含まない酸の分子量は500.6である。本発明の装置12が鼻、副鼻腔または耳、鼻または咽喉の中の他の場所の中に埋め込まれなければならない応用例の場合、基礎製剤(表1の左欄)は、Bactroban NasaslR軟膏の低粘度形式を備えてよい、あるいは軟膏ベースがない限り(例えば、パラフィン及び/またはグリセリンエステル(SoftisanR 649)のいくらかまたはすべてを除く)Bactroban NasalRの有効成分を含有する微小粒子の溶液または懸濁液を備えてよい。
【0056】
図2BNは、図2と図2Aの装置12aと同じ構成要素を備える埋め込み型物質送達装置の変形を示すが、針−貫通可能自動密封キャップ27の代わりに、この装置12bは、取り外し可能なコネクタ30を介して内管22の露呈された端部に接続される充填管32を有する。逆止め弁31は、コネクタ30のまさに内側の内腔22の中に配置されてよい。この逆止め弁は装置であってよい、あるいは単にその構築のために選ばれた物質の弾性に起因する機能にすぎなくてよい。注射または他の物質投入装置または注入装置は、充填管32の自由な端部に接続されてよく、流体を備えるまたは流体を構成する診断物質または治療剤は充填管32を通って、逆止め弁32を通って、リザーバの中に導入されてよい(つまり、この実施形態では、「リザーバ」は隣接する多孔母材24だけではなく内腔22も含む)。以後、コネクタキャップ30及び充填管32は取り外してよい。逆止め弁31は、物質が内管20の突出する端部から逆流するのを妨げる。代わりに、充填管32は、装置12に接続されたままとなってよく、閉じられてよい(例えば、圧縮される、クランプで締められる、クリップで留められる、密封される、切断される、二つに折られる、結さつされる、またはそれ以外の場合、図8Aから図8Eの例に図示され、後述されるように操作される、あるいは密封されてよい)。
【0057】
外側障壁は、診断物質または治療剤が装置12aまたは12bの中から拡散する、または排出される速度を制御する。本発明のいくつかの応用例では、装置12aまたは12bは空の状態で(つまり、内腔22または多孔母材24の中に診断物質または治療剤が入れ
られずに)医師に提供されてよい。医師は、次に、装置12a、12bが体内に埋め込まれる前、または後に、装置12a、12bの中に装入される1つまたは複数の診断物質または治療剤を選択するまたは調合してよい。
【0058】
図2Cは、装置12、12a、12bの一部が副鼻腔PSの中に伸びるように、副鼻腔PSの小孔OSの中にこの埋め込み型物質送達装置12、12a、12bが埋め込まれている一般的な例を示す。装置12、12a、または12bが副鼻腔炎を治療するために副鼻腔PSの中に埋め込まれているこのような場合には、医師は自分が状態の治療に適したと見なすあらゆる薬物または他の診断物質または治療剤を、内腔22と多孔母材24に装入してよい。例えば、装置12、12a、12bは、鼻腔内の使用に承認されていた(例えば、鼻スプレーとしての局所適用のために、あるいは鼻甲介骨または鼻粘膜の中への直接的な粘膜内注射のために承認された)前記に一覧表示されたそれらの副腎皮質ステロイドの内の1つまたは複数等の副腎皮質ステロイドを装入されてよい。1つの特定の例は、プロピオン酸フルチカゾン(Flonase、グラクソスミスクライン)の水溶液である。鼻腔内または副鼻腔の応用例の場合、図2Aに示されている空の装置12bが当初送達され、副鼻腔PSの中に配置され、充填管32が副鼻洞空洞の中に、あるいは被験者の鼻孔の中から伸びてよい。次に、医師は充填管32を通して装置12bの中に所望される物質を注入してよい。内腔22と多孔母材24が所望される量の物質を装入された後、コネクタ30は切り離され、充填管32は取り外されてよい、あるいは代わりに充填管は装置12bの以後の原位置での補充を容易にするために装置12bに取り付けられたままとなることができてよい。一実施形態では、充填管は皮下物質リザーバに接続される。皮下物質リザーバはポンピング機構を備えてよく、物質の慢性的な送達に特に有効である。皮下薬物リザーバは補充可能であってよい。
【0059】
図3から図4Cは、埋め込み型物質送達装置12cと12dの追加の実施形態を示している。図2から図2cに示されている実施形態12aと12bと同様に、これらの実施形態12c、12dは、前述されたように、少なくとも多孔母材24と外側障壁26とを備える。要すれば、これらの実施形態12c、12dも内管20または多孔母材24の中に、または隣に形成される他の中空の空洞を有してよい。これらの装置12c、12dの外面は、突端34と窪み36を形成するように整形されている。装置12c、12dが被験者の体内に埋め込まれ、所望される診断物質または治療剤を注入されるとき、突端34は隣接する解剖学的組織に接触し、窪み36は隣接する解剖学的組織から離間された距離、離れたままとなる。このようにして、装置の表面対表面の接触は最小限に抑えられ、体液の正常な流れ及び/または解剖学的組織の機能が装置12c、12dの窪み36に隣接した領域で続行してよい。例えば、装置12c、12dが副鼻洞空洞、副鼻腔、エウスタキオ管、鼻涙管または繊毛のある粘膜で裏打ちされた他の通路の中に設置されている場合、突端34は粘膜組織にしっかりと当接して接触し、それにより装置12c、12dを適所に保持するが、窪み36は、その組織による粘液繊毛輸送機能または埋め込まれた装置12c、12dを越える粘液の流れを実質的に妨害しないように粘膜組織から離間された距離、離れたままとなる。
【0060】
図3及び図4の例では、埋め込み型物質送達装置12c、12dは装置12c、12dに接続される充填管38を有する。多孔母材24の中に中空の空洞または管20がない実施形態では、診断物質または治療剤は、それが多孔母材24の中に吸収され、その結果、物質は実質的には多孔母材24の中に留まるため、閉鎖または管または逆止め弁が必要とされないように管38を通って注入されてよい。しかしながら、装置12c、12dが多孔母材24の中にまたは隣に中空の空洞(例えば、図2から図2Bに図示されるような管20)を有する実施形態では、物質が管38を通って中空の空洞から逆流するのを妨げるために、逆止め弁または管38を閉じるための他の手段(例えば、管を圧縮する、クランプで締める、クリップで留める、密封する、切断する、二つに折る、結さつする、または
それ以外の場合図8Aから図8Eの例に図示され、後述されるように操作するまたは密封する等)があってよい。
【0061】
図4から図4Cは、さらにフレーム40を備える埋め込み型物質送達装置12dの実施形態を示している。このようなフレームは装置12dのすべての部分または任意の部分に構造的硬直性つまり特定の形状を与えてよい。代わりにまたは加えて、このようなフレームは足場または支持構造の機能を果たしてよい、及び/または隣接する解剖学的組織または構造に対して外向きに向けられる力をかけるために自己拡張式または圧力拡大可能であってよい。図4は、装置12dの全長に及んで伸びるフレーム40を示しているが、フレーム40が、後述される図12Dから図12Eの例においてのように、任意の装置12の1つまたは複数の特定の領域(複数の場合がある)に限定されてよいことが理解されなければならない。フレーム40は、ワイヤ、メッシュ、ポリマー等を含むが、これらに限定されない任意の適切な材料から形成されてよい。図4から図4Bに示されている特定の例では、フレーム40はワイヤ部材42から形成される自己拡張式ステントを備える。いくつかの実施形態では、ワイヤ部材42は図48Aに示されるように、外側障壁26の中、つまり内部の多孔母材24の外面上に配置されてよい。このような実施形態は、最初にフレーム40の中に多孔母材24(例えば、スポンジまたは吸収性の物質の塊)を設置し、次に図4Bに示されるように、浸漬する、噴霧適用する、フィルムのレイアップによって付ける、あるいは多孔母材24とフレーム40を封入する外側障壁26へ/からポリマーを付けることによって製造されてよい。代わりに、このような実施形態は、フレーム部材42のいくつかまたはすべてが図4Cに図示されるように多孔母材24の中に埋め込まれるように、フレーム40の回りに多孔母材24を形成する(例えば、適所で発砲する)ことによって製造されてよい。外側障壁26は、図4Cにさらに示されるように、多孔母材24の外面上に設置されるまたは形成されてよい(例えば、浸漬被覆される、上に噴霧される、フィルムのレイアップによって付けられる等)。また、装置を形成する別の方法は、モールドキャビティの中での障壁フィルムの当初の作成、及び以後のフィルムで覆われたモールドキャビティの中での発泡体の形成を含んでよい。
【0062】
一実施形態では、装置12dは、複数の実質的には交差しない隆起をその外面に備える。隆起により、隣接する解剖学的組織から装置12dの大半をある距離、離間させておく一方で、装置12dの一部だけが隣接する解剖学的組織に接触できる。隆起は、隣接する解剖学的組織の壁に沿って流体(例えば、粘液)の流れの方向に実質的に平行となるように作られる。この設計により、その組織による粘液繊毛輸送機能または装置12dを越える流体(例えば、粘液)の流れの妨害を削減できる。
【0063】
本発明の埋め込み型物質送達装置12のいくつかの実施形態は、装置12が体の自然の通路または人造の通路の中に埋め込まれた後に体液または外部から導入された流体が流れる流路の少なくとも一つの内腔を画定するように構成されてよい。この概念の例は、例が図5から図6に図示される他の流れ助長構成を有する12eと12fだけではなく、図3と図4に図示されるような突端34と窪み36を有する装置12c、12dも含む。図5及び図5Aの装置12eは、外側障壁26で覆われた多孔母材24を備え、螺旋形のストリップの形状(例えば、ネジまたはオーガーの形状)をしている。所望される診断物質または治療剤を注入され、体の内腔または通路の中に埋め込まれると、この装置12eは、流体(例えば,粘液、体液等)が流れてよい螺旋形の溝つまり流路50を形成する。図5の装置12eは、装置12eを取り外す、移動する、または操作する間に、装置12eのピンセットによる、手による、または他の計器による把持を容易にするためにオプションの把持部材52も組み込む。示されている特定の例では、把持部材52は、装置52の一端から伸びる縫合糸のより糸を備えるが、このような把持部材52が任意の適切な設計または構造であってよく、装置の全長の上に配置されてよいことが理解されなければならない。例えば、小さい糸または突起、網または他の把持可能構造が、装置が原位置で分裂ま
たは生物分解を開始した後に、装置全体または装置の部分(複数の場合がある)を移動するまたは取り外すのを容易にするために装置の外面上の多数の位置に配置されてよい。
【0064】
図6Aは、螺旋状の物質溶出フィラメントを備える本発明の埋め込み型物質送達装置12fを示す。この螺旋状の構造は、装置12fの中心を通る中空の内腔54と流体(例えば、粘液または他の体液)が流れる螺旋の個々の回旋の間に開放空間56を形成する。螺旋状フィラメントは、任意の適切な生分解性物質または非生分解性物質から形成されてよい。フィラメントを形成するために使用されてよい生分解性高分子の例は、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、polydioxanone、ポリカプロラクトン、ポリグルコネート、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)、及びその組み合わせを含む。このフィラメントは、診断物質または治療剤またはフィラメントが体内に埋め込まれた後に、物質がフィラメントから溶出するように、診断物質または治療剤を含有する製剤を含有してよい、あるいはそれらで表面を覆われてよい。
【0065】
図6Bから図6Dは、複数の物質溶出支柱55を備え、要すればスペーシング部材53を含んでよい埋め込み型物質送達装置12mの別の実施形態を示している。装置12mが埋め込まれているとき、図6C及び図6Dの例においてのように、支柱55は隣接する解剖学的組織(例えば、副鼻腔、副鼻洞小孔、鼻腔内の道等)の壁に沿って流体(例えば粘液)の流れの方向に実質的に平行であってよい。この設計により、隣接する解剖学的組織の壁に沿った、及び支柱55の間の空間57の中の流体の輸送(例えば、粘液繊毛輸送機能)の妨害が削減できる。装置12mは、解剖学的空洞(例えば、鼻の副鼻洞空洞)の中と、解剖学的通路(例えば、気管、血管等)の中の療法に設置できる。装置12mは、支柱55がステントを越えて流体(例えば、粘液)の流れに実質的にじかに接することができるようにする形状成を有する。装置12mは、折り畳まれた形状の間に意図された埋め込みサイトに送達され、以後図に示されるように拡大形状に拡大してよい。この装置12mは自動拡大式または圧力拡大可能(例えば、折り畳まれた装置の中でのバルーンの膨張による)であってよい。支柱55の厚さは、図6Dの例に示されるように、装置12mの全長に沿って変化してよい。このような実施形態では、診断物質または治療剤は、支柱5の領域51内に入れられ、支柱55の領域51の中のさらに厚いから溶出されてよく、このような物質は以後、体液の自然の流れ(例えば、副鼻腔の中からの粘液の流れ)によって運ばれてよいまたは分散されてよい。また、このような実施形態では、支柱55のさらに薄い領域が、流体排液に対する妨害を最小限に抑えるために解剖学的組織(例えば、副鼻洞空洞の小孔)の排液開口部の近くに配置されてよい。装置12mは、管状または円筒状のハブ等のスペーシング部材53を備えてよく、このようなスペーシング部材53は解剖学的組織の開口部(例えば、図6Dに示されるような鼻の副鼻洞の小孔)の中に配置できる。スペーシング部材53は、それが開口部を通る流体の流れが危険にさらされることがないことを確実にするためにその中に配置される人造のまたは自然の解剖学的な開口部または通路の狭窄を阻止するために足場機能を実行するように構成されてよい。装置12mは生分解性または生体吸収性であってよい。
【0066】
図7から図7Bは、埋め込まれ、後で副鼻腔内に保持されるように作られる本発明の埋め込み型物質送達装置12gの例を示す。この装置12gは、図2及び図2Aに示され、前述されたように内管20、多孔母材24、及び外側障壁26を含んでよい。さらに、装置12gの実施形態は、副鼻腔の中に配置されることを目的とする副鼻洞内の部分56、副鼻洞小孔の中に配置されることを目的とする小孔内部分58、及び鼻の空洞の中に突出することを目的とする鼻腔内部分60とを有する。針貫通可能自動密封キャップ64を有する充填管62は充填管の端部の上に配置される。しかしながら、前述の説明から、この
充填管及びキャップ装置62、64の代わりに、多様な他の充填サイト/閉鎖装置または設計が使用されてよいことが理解されるであろう。装置12gの小孔内部分58はその中に形成される環状の溝を有する。図7A及び図7Bから理解できるように、この環状の溝は小孔OSの環を受け入れ、下にある骨Bと摩擦により係合するように構成され、それにより装置12gを意図された埋め込み位置に配置する、または据えつける及び/または保持するのに役立つ。当初、装置12gは、装置は、図7及び図7Aに示されるように、小孔OSを通って、副鼻腔の中に進められるほど十分に小さい直径詰まり最大断面寸法D1を有する折り畳まれた形状にある。以後、注射器及び針66が、装置12gの中に所望される診断物質または治療剤68を含有する公知の量の溶液を注入するために使用される。装置12gの中に溶液を含有する物質を装入すると、副鼻洞内の部分56が、大きすぎて小孔OSを通過できないさらに大きな直径D2まで膨れ、それにより図7Bに示されるように、副鼻洞内部分56を副鼻腔の中に保持する傾向がある。
【0067】
図8Aから図8Eは、本発明の埋め込み型物質送達装置12が、装置12に物質が装入された後に、装置12からの診断物質または治療剤の実質的な逆流を妨げるために密封または閉ざされてよい方法の複数の限定されない例を示す。
【0068】
図8Aの実施形態では、装置は長い充填管70と一方向逆止め弁72を、装置の本体にすぐ隣接する充填管の首の中に有する。装置が埋め込まれ、物質が充填管を通して装置の中に注入された後、注入管70は、それが被験者の体から突出したり、被験者の日々の活動を妨害しないように所望される長さに切断されてよい。
【0069】
図8Bは、充填管70と、充填管70の中から物質が逆流するのを妨げるために充填管70をクリップで留めるために有用であるクリップ74とを有する装置を示す。
図8Cは、充填管と、物質が充填管70の中から逆流するのを妨げるために充填管70を結さつするために使用できる1本の縫合材料または引き抜きひも等の結さつ系76を有する装置を示す。要すれば結さつ系76を受け入れ、結さつ系76の長手方向の滑りを妨げるために、環状の凹みつまり溝が充填管の中に形成されてよい。
【0070】
図8Dは、それを通って物質が装置の中に注入される、あるいはそれ以外の場合装入される注入口78と、物質が注入口78の中から逆流しないように注入口78に接着剤を塗布し、それにより注入口78を密封するために使用されてよい接着剤塗布器80とを有する装置を示す。
【0071】
図8Eは、二つに折られる充填管70と、物質が充填管70から逆流するのを妨げるために二つに折られた充填管70をクランプで締めるために使用できるクランプとを有する装置を示す。
【0072】
図9から図9Bは、本発明の埋め込み型物質送達装置12hの別の実施形態を対象にしている。この装置12hは、コンテナ本体90と蓋92とを備えるコンテナ部分を備える。コンテナ部分の内部には所望される診断物質または治療剤が装入される。蓋92は、診断物質または治療剤が、前述されたようにほぼ公知の速度で障壁92を通過できるようにする透過性障壁94を有する。付着部分98はコンテナ部分を骨及び/または軟骨に付着する。このような付着部分98は、適切なタイプの付着装置、または接着剤のような物質、羽枝(複数の場合がある)、ネジ、縫合糸または縫い目、クリップ、吸引器、ステント、解剖学的標的の壁を把持する自己拡大部分等を備えてよい。図9Aに示されるように、装置12hは、その意図された埋め込み場所に装置12hを送達するために使用できる送達カテーテル100上に付着されてよい。示されている例では、送達カテーテル100は、それが所望される埋め込み場所まで本体の中を進められるにつれて送達カテーテルの端部上に装置12hを保持するために、図示されているように装置12h上の突起96、9
8と係合する係合部材102を有する。送達カテーテル100の近端は、調節つまみ104を有するハンドピースを備える。調節つまみ104が引っ込められると、係合部材102が突起96、98を離し、それによって装置12hを解放し、図9Bに示されるように送達カテーテル100を引っ込め、取り除くことができるようにする。付着部分98がネジを備えるケースでは、装置12hが送達カテーテル100から解放される前に、送達カテーテル100は、カテーテルが隣接する軟組織または骨の中にネジをねじ込むために回転できるように編まれる、あるいはそれ以外の場合技術で周知の技法に従って構築されてよい。前述された他の実施形態においてのように、物質は、装置12hが被験者の体内に埋め込まれる前または後にこの装置12hの中に装入されてよい。
【0073】
一実施形態では、装置12hは、溶出された薬物が粘液の流れによってさらに幅広い範囲に分散されるような粘液の流れを有する解剖学的な場所に埋め込まれる。これは、それらが粘液の密度がさらに高い部位でさらに高い濃度で蓄積するため粘液溶解液のような薬剤の効き目を高める上で特に役立つ。また、それは薬物が最も効率的に分散できる特定の領域にだけ物質を送達するために制限できるため、これにより物質送達機構のサイズも縮小できる。
【0074】
図10A及び図10Bは、物質溶出フィラメント12jを備える別の埋め込み型物質送達装置を送達するためのシステム110を示す。システム110は物質溶出フィラメント12jと、カテーテル114と、推進器116と、コネクタ118とを備える。物質溶出フィラメント12jは、送達カテーテル114の内腔の中に進められる。推進器116は、物質溶出フィラメント12jの後方で送達カテーテル114の内腔の中に進められ、コネクタ118は送達カテーテル114の近端に接続される。図10Bに示されるように、送達カテーテル114は、次に送達カテーテルの末端が、物質送達装置12jが埋め込まれなければならない場所の中または近くに(例えば、副鼻腔の小孔の中または近くに)ある位置まで被験者の体の中に進められてよい。その後、推進器が末端方向で進められてよい、あるいは推進器は静止で保持され、カテーテル114が近端方向で引っ込められ、物質送達装置12jをカテーテルの末端の端部の中から、所望される埋め込みサイト(例えば副鼻腔)の中に押し込んでよい。物質溶出フィラメントは、特定の形状つまり巻かれた形状に偏向されてよい、または偏向されなくてよい。一実施形態では、物質溶出フィラメント12jは、インプラント場所の中で無作為に巻かれた形状を取る。
【0075】
本発明の埋め込み型物質送達装置12及び/または送達カテーテルまたはこのような装置12を体内に送達するために使用される送達装置は、いくつかの例では、ワイヤ上での送達、または迅速な交換送達のために構成されてよい。図11Aは本発明の迅速交換実施形態の例示的な例を示し、図11Bはワイヤ上実施形態の例示的な例を示す。図11Aに示される迅速交換実施形態では、送達カテーテル120は、埋め込み型物質送達装置12及び引き延ばした送達部材つまり推進器126が中に配置される第1の内腔を有する。第2の内腔122を有する側管124は、図示されるように送達カテーテル120の側面に位置している。したがって、ガイドワイヤGWは側部内腔122を通過してよく、それによってシステムを前もって挿入されたガイドワイヤの上で進めることを可能にする。
【0076】
図11Bは、埋め込み型物質送達装置12Iと、引き延ばした送達部材つまり推進器134が中に配置される内腔を有する送達カテーテル130を備えるワイヤ上実施形態を示す。物質送達装置121及び引き延ばした送達部材つまり推進器134は、そこを通って長手方向に伸びる内腔132と136を有する。したがって、ガイドワイヤGWは内腔132と136を通過してよく、それによってシステムを前もって挿入したガイドワイヤの上で進めることができる。したがって、どこで実現可能であろうと、本発明の物質送達装置12は、そこを通って伸びるガイドワイヤ内腔または通路を有してよい。
【0077】
図12Aから図12Eは、本発明の埋め込み型物質送達装置12を使用して実行されてよい手順の多くの考えられる例の内の1つを示す。この特定の例は、被験者または被験動物において副鼻腔炎を治療するための方法を示す。この被験者では、副鼻腔炎は少なくとも部分的には、副鼻腔に入る小孔OSの閉塞の結果として副鼻洞からの排液が弱められたためである。小孔OSは、粘膜組織により覆われる薄い骨Bからなる。図12Aに示されているように、Guidant Hi−Torque Supracore 35 Guide Wireのようなガイドワイヤは小孔OSを通って副鼻腔の中に進められる。図12Bに示されるように、ポリエチレンテレフタレートのような相対的に強力な物質から形成されているバルーン202を有する、Guidant Agiltrac.035 周辺拡張カテーテルのようなバルーンカテーテル200が次にガイドワイヤGW上を、バルーン202が小孔OSの中に配置される位置まで進められる。その後、図12Bに示されるように、バルーン202は、小孔OSを拡張し、小孔OSを取り囲む骨Bをおそらく破壊し、拡大された小孔EOSを生じさせるために膨らまされる。それ以後、図12Cに示されるように、バルーン202はしぼめられ、バルーンカテーテル200は引き抜かれ、取り除かれ、ガイドワイヤGWを適所に残す。その後、本書に説明されたタイプのどれかの送達カテーテルがガイドワイヤGWの上で、図12Dに示されるように、装置12jの一部が副鼻洞の中に伸びるように、本発明の空の埋め込み型物質送達装置12jを拡大された小孔EOSの中で送達するために進められる。この例では、埋め込み型物質送達装置12jは、充填管204と、自己拡張フレーム208を含む小孔内部分206と、副鼻洞内部部分210を有するワイヤ上タイプの装置12jである。図12Eに示されているように、その小孔内の部分が拡大された小孔EOSの中にあり、その副鼻洞部分が副鼻腔の中にあるように埋め込み型物質送達装置12jが配置された後、送達カテーテルとガイドワイヤGWは取り外され、大量の所望された診断物質または治療剤(例えば、副腎皮質ステロイド、抗炎症薬、抗菌剤、粘液変性薬剤または粘液溶解薬、または副鼻腔炎を治療するために有効な他の薬剤または物質)が充填管204を通って装置12iの中に注入される。図12Eに示されるように、これにより、装置12iの副鼻洞内部分210が、拡大された小孔EOSを通り抜けない拡大形状に膨らむ、つまり拡大する。また、小孔内部分206とフレーム208は、拡大された小孔OSとその中の任意の折れた骨BBが治癒し、拡大された直径まで再形成することができるほど十分な期間拡大された小孔EOSに外向きの放射状圧力をかける拡大形状まで拡大する。また、装置12iの中に導入された物質(複数の場合がある)も所望される速度で装置12の中から副鼻洞の中に拡散し、それにより感染、炎症及び/または副鼻腔炎の他の態様のための薬物治療を提供する。それ以後、装置12jは、生物分解する、及び/または取り外され、拡大された小孔がその後副鼻洞からの正常な排液を助長し続ける。
【0078】
物質送達装置の別の実施形態は、薬物包含チャンバの内の1つまたはすべてにマイクロポンプを追加することを取り込む。マイクロポンプは膜全体での薬物の活発な輸送を支援するであろう。
【0079】
このポンプの送達速度は、前もって、または遠隔電子回路を介してプログラミングできるであろう。圧力支援輸送を可能にするためにマイクロマシンまたはナノテクノロジーを取り込む他の方法は、物質送達装置に追加できるであろう。別の例は、リザーバ内で一定の駆動圧力を維持するために薬物が溶出されるにつれてリザーバ体積が連続して縮小する半透膜を含むであろう。この縮小は膜の弾性特性のため、あるいはリザーバ内の空間を機械的に制限し、変更するためであろう。これらの装置は補給可能であろう。
前述された実施形態は、外科開放処置、腹腔鏡外科処置または介入処置の後にスペーシング装置として使用されてよい。さらに、これらの装置は反射防止剤で表面を覆われる、あるいは毒素性ショック症候群または他の装置に関連した感染の尤度を削減するために自然に静菌性である。このような自然に静菌性の物質は、微生物分解の過程を通して加水分解を経て、過酸化水素等の静菌性の物質を放出する生分解性物質であろう。
【0080】
本発明は前記に本発明の特定の例または実施形態に関して説明されてきたが、本発明の意図された精神及び方針から逸脱することなくそれらの例及び実施形態に多様な付加、削除、改変、及び変型が加えられてよいことが理解されなければならない。例えば、1つの実施形態または例の任意の要素または属性は、そうすることにより実施形態または例がその使用目的に適さなくならない限り、別の実施形態または例に組み込まれてよい、またはともに使用されてよい。すべての妥当な付加、削除、変型、及び改変は、説明されている例と実施形態の同等と見なされ、以下の請求項の範囲内に含まれなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】物質送達インプラントを左前頭洞の中に送達するために、本発明のカテーテルをベースにした物質送達システムがその中に挿入されている状態にあるヒト頭部の概略を示す断面図。
【図2】一般的に円形の断面形状及び自動密封の充填サイトを有する本発明の埋め込み型物質送達装置の一実施形態の長手方向断面図。
【図2A】物質を充填される状態の図2の装置を示す、長手方向断面図。
【図2B】充填位置から伸張する充填管を有する本発明の埋め込み型物質速達装置の別の実施形態を示す長手方向断面図。
【図2C】本発明の埋め込み型物質送達装置が埋め込まれている副鼻腔を示す断面図。
【図3】本発明による埋め込み型物質送達装置の別の実施形態を示す斜視図(装置を取り囲む解剖学的構造に接触する別個の突起を提供する間に装置の残りの部分と取り囲む解剖学的構造の間には空間が残るような断面形状を有する)。
【図3A】図3の線3A−3Aにおける断面図。
【図4】本発明の埋め込み型物質送達装置の別の実施形態の斜視図(フレームと、多孔コアと、外側障壁層と、埋め込み型物質送達装置を取り囲む解剖学的構造の間に別個の接触領域を備えた断面形状とを有する)。
【図4A】図4の装置の端面を示す側面図。
【図4B】フレーム、多孔コア、及び外側障壁層を有する埋め込み型物質送達装置の部分断面図であり、該多孔コアは該フレームの中に置かれ、該障壁層は該フレーム上に後に付けられる。
【図4C】フレーム、多孔コア、及び外側障壁層を有する埋め込み型物質送達装置の部分断面図であり、該フレームは多孔コアと一体であり、該障壁層は該多孔コアの外面上に置かれる。
【図5】解剖学的通路内に配置される本発明のネジ形物質送達装置の斜視図。
【図5A】図5の線5A−5Aを通る断面図。
【図6A】解剖学的通路内に配置される本発明の螺旋状の物質送達装置の斜視図。
【図6B】複数の実質的に平行な物質溶出ストラット部材を備える本発明の物質送達装置の別の実施形態の斜視図。
【図6C】副鼻腔の中に埋め込まれた図6Bの装置概略を示す断面図。
【図6D】副鼻腔の中に埋め込まれた図6Bの装置の別例の概略を示す断面図。
【図7】副鼻腔の中での埋め込み及び保持のために構成される本発明の物質送達装置の側面図である。
【図7A】副鼻腔の中に配置された後であるが、治療剤または診断物質を装入される前の図7の物質送達装置を示す断面図。
【図7B】副鼻腔の中に配置された後、且つそれが治療剤または診断物質を装入された後の図7の物質送達装置を示す断面図。
【図8A】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐための弁が付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置のための充填管を示す斜視図。
【図8B】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐためのクリップが付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8C】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐための結さつ系が付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8D】注入口を塞ぎ、それにより物質が注入口から逆流するのを防ぐために接着剤を塗布するための接着剤添付器が付いた注入口を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8E】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐために二つに重ねられ、クリップで留められる充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図9】本発明による埋め込み型物質送達装置の別の実施形態を示す長手方向断面図。
【図9A】披験者または披験動物の体内への埋め込み型物質送達装置の埋め込みに使用できる送達カテーテル装置と組み合わせて図9の埋め込み型物質送達装置を備えるシステムを示す斜視図。
【図9B】送達カテーテル装置が埋め込まれた物質送達装置から切り離された後の図9Aのシステムを示す斜視図。
【図10A】本発明による物質溶出フィラメントの送達及び埋め込みのためのシステムの分解斜視図。
【図10B】副鼻腔の中に物質溶出フィラメントを埋め込むために図10Aのシステムを使用してよい方法の例を示す概略を示す断面図。
【図11A】前もって挿入されていたガイドワイヤの上で追跡調査することによって埋め込み型物質送達装置または薬物溶出フィラメントを埋め込むために使用できる第2の内腔を有するカテーテルシステムの断面図。
【図11B】そこを通って長手方向に伸張するガイドワイヤ内腔を有する埋め込み型物質送達装置または薬物溶出フィラメントのワイヤ上での送達のために適応されるカテーテルシステムの断面図。
【図12A】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12B】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12C】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12D】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12E】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12F】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は概して医療機器及び方法に関し、さらに詳細には物質を送達するインプラント及び静脈洞炎及び他の耳、鼻、及び咽喉の疾患を含むがこれらに限定されない幅広い範囲の疾患を治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
副鼻腔は、顔の骨の中に形成される空洞である。副鼻腔は前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、及び上顎洞を含む。副鼻腔は粘液を生成する上皮組織で裏打ちされている。通常、副鼻腔の裏層によって生成される粘液は、小孔として知られている開口部を通って各副鼻洞からゆっくりと鼻咽頭の中に流れ出す。粘液の排液を妨げる疾患(例えば副鼻洞口の閉塞)により、副鼻腔が正常に機能する能力が下がることがある。この結果、副鼻腔内での粘液の詰まりが生じる。副鼻洞のこのような粘液の詰まりが副鼻洞を裏打ちする上皮に損傷を与え、後に酸素圧が減圧し、微生物が増殖することがある(例えば副鼻腔感染症)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鼻甲介は、鼻の側面壁から内向きに広がり、粘膜組織で覆われた3つ(ときには4つ)の骨突起である。これらの鼻甲介骨は鼻の内部表面積を増やし、鼻を通って吸い込まれる空気に暖かさと湿り気を与えるために役立つ。鼻甲介骨を覆う粘膜組織は生理条件または環境条件の変化に応えて充血して腫れる、あるいは実質的に血液を欠いて縮小することができる。それぞれの鼻甲介骨の曲線状の端縁が道として知られる通路を形成する。例えば、下鼻道は下鼻甲介の下を通過する通路である。鼻涙管として知られている管路は、下鼻道の中に位置する開口部を通して目から出た涙を鼻の中に排出する。中鼻道は中鼻甲介より下に伸びる通路である。中鼻道は半月裂孔を含み、開口部または小孔が上顎洞、前頭洞、及び前方篩骨洞に入り込んでいる。上鼻道は上鼻甲介と中鼻甲介の間に位置する。
【0004】
鼻ポリープは鼻または副鼻腔の裏層から成長する良性の腫瘤である。鼻ポリープは多くの場合慢性的なアレルギー性鼻炎または鼻粘膜の他の慢性的な炎症に起因する。また、鼻ポリープは嚢胞性線維症を患う子供では一般的である。鼻ポリープが副鼻腔からの正常な排液を妨害する点まで発達したケースでは、それらは副鼻腔炎を引き起こすことがある。
【0005】
用語「副鼻腔炎」は、一般的には副鼻腔の炎症または感染症を指す。副鼻腔炎は細菌、ウィルス、糸状菌(カビ)、アレルギーまたはその組み合わせにより引き起こされることがある。
【0006】
副鼻腔炎を治療するために、全身性抗生物質を含む多様な薬物が使用されてきた。鼻腔内副腎皮質ステロイドスプレー及び鼻腔内充血除去剤スプレーや鼻腔内点滴薬も使用されてきた。しかしながら、大部分の患者が鼻腔内スプレー及び鼻腔内点滴薬を使用しても薬物は実際に患部の副鼻腔に入らない。むしろ、このようなスプレー及び点滴薬は鼻腔内に位置する組織にしか接触しない。他者により薬物を副鼻腔の中にじかに導入することが提
案されてきたが、幅広く使用される治療技法にはなっていない。
【0007】
例えば、米国特許出願公開第2004/0116958A1号(Gopferichら)は、患者の体内へ挿入する前に副腎皮質ステロイドまたは抗増殖剤等の制御された量の活性物質を装入される、生物分解性高分子または非生物分解性高分子から形成される管状のシースつまり「スペーサ」を説明している。前頭洞の中に開窓を作成するために外科手術が実行され、シースがこのような開窓の中に挿入される。その後、活性物質があらかじめ装入されていたシースが、それがa)外科的に作られた開窓の閉鎖を阻止し、b)副鼻洞からの排液を容易にするための導管としての機能を果たし、d)活性物質を送達する開窓の中に挿入される。米国特許出願公開第2004/01169581A1号(Gopferichら)のシースは、粘液または体液と接触すると膨らむ物質で表面を覆われてよいが、実質的に単一の形状のままである(つまり、それは折り畳まれた形状と広げられた形状の間で移行しない)。いくつかの実施形態では、シースはポリマー材料の複数の層から形成されており、その内の1つまたは複数は活性物質を装入され、その内の1つまたは複数は活性物質を含んでいない。他の実施形態では、シースは、活性物質が入れられるリザーバシステムを形成する「中空の本体」と、リザーバからの活性物質の解放を制御する膜を有する。いくつかの実施形態では、シースは副鼻洞の中に伸張するシースの端部を膨らませる、またはそれ以外の場合拡大させることによって固定されてよい。
【0008】
また、Min、Yang−Giら、実験用の上顎洞炎における副鼻洞粘膜の粘膜繊毛活動及び病理組織検査:抗生物質の全身性投与及びポリ乳酸ポリマーによる抗生物質の送達の比較(Mucociliary Activity and Histopathology of Sinus Mucosa in Experimental Maxilary Sinusitis:A Comparison of Systemic Administration of Antibiotic and Antibiotic Delivery by Polylactic Acid Polymer)、喉頭鏡(Laryngoscope)、105:835−842(1995年8月)は、実験用の副鼻腔炎が自然の副鼻洞小孔に「のりをつけ」、副鼻洞の前方壁に作られる切り口及び小さなボアホールを形成し、該ボアホールを通して病原菌を導入してから、該切り口を閉じることによってウサギの3つのグループで誘発された実験を説明している。病原菌の導入から5日後、自然の副鼻洞小孔が再び開かれ、ウサギは三(3)つのグループに分けられた。グループ1(コントロール)は治療を受けなかった。グループ2はアンピシリンの筋肉内注射を繰り返し受けた。グループ3の動物では、アンピシリンを含有する(0.326mg/シート)1.5センチメートルx1.5センチメートルのポリ乳酸ポリマー(PLA)フィルムのシート(0.326mg/シート)が巻き上げられ、感染した副鼻洞の中に自然の小孔を通して差し込まれた。その後、粘液繊毛輸送機能速度の測定が行われ、病気に冒された副鼻洞を裏打ちする組織が組織病理学的に調べられた。著者は、PLA/アンピシリンフィルムの副鼻洞内インプラントを受けた動物(グループ3)で観察された治療効果が治療を受けていないコントロール動物(グループ1)またはアンピシリンの筋肉内投与を繰り返し受けた動物(グループ2)より著しく優れていたと結論付けた。
【0009】
米国特許番号第3,948,254号(Zaffaroni)は、微小孔構造の壁によって取り囲まれている薬物リザーバを備える埋め込み型薬物送達装置を説明している。該リザーバは、薬物の通過に対して透過性のある固形の薬物担体から形成されてよい。壁を通る薬物の通過速度は、薬物がリザーバを形成する固形薬物担体を通過する速度より遅くてよい。米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)は、鼻道の中への接地を含む埋め込み型薬物送達装置の多くの用途を説明している。特に、米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)は、制御された速度で鼻道の中で薬物を計量配分するための鼻送達装置を主張し、該鼻送達装置は(a)鼻道の中での挿入及び設置のための
寸法に作られた装置を画定する壁であって、鼻が許容できる微小孔構造の材料から形成される壁と、(b)該壁によって囲まれ、薬物に透過性がある固形担体から構成され、装置が装置からの長期間の連続制御された速度でそれを測定するために十分な量の薬物を含むリザーバと、(c)微小孔の中に充填される拡散による薬物の通過に透過性のある液状媒質とから構成され、(d)装置は、有用な結果を生じさせるために、担体からの液体を通って装置の外部への薬物の通過によって鼻環境内にあるときの薬物を放出する。米国特許第3,948,254号(Zaffaroni)の完全な開示は参照することにより明示的に本書に組み込まれている。
【0010】
他の出版物も薬物を副鼻腔の中にじかに導入することが 副鼻腔炎の治療に効果的であると報告していた。Tarasov、D.I.ら、急性及び慢性上顎洞炎治療における高分子に基づいた薬物の適用(Application of Drugs Based on Polymers in the Treatment of Acute and Chronic Maxillary Sinusitis)、Vestn Otorinolaringol、第6巻、45から47ページ(1978年)を参照すること。また、R.Deutschmannら、[上顎]洞炎予備的な伝染の局所的治療に対する貢献(A Contribution to the Topical Treatment of[Maxillary] Sinusitis Preliminary Communication)、Stomat.DDR26(1976年)、585から592は、薬物、特にクロラムフェニコールを溶出する目的での上顎洞の中での再吸収可能な薬物送達持続性薬剤の設置を説明している。この臨床シリーズでは、水溶性のゼラチンが担体として使用され、適用の前に薬物と混合され、副鼻洞の中に塊として挿入された。該物質はほとんど機械的完全性を有さず、相対的に短い時間枠で溶解したので、治療効果を達成するために、著者はそれが二日または三日に一度吹き込まれなければならないことを提案した。ゼラチンの代替物は第6,398,758号(Jacobsenら)に提案されたような治療物質が装入されたスポンジであろう。血管の壁に対して持続放出装置を送達することを目的としたこの特許では、中空の円筒形のスポンジに薬物が装入され、壁に対して押し付けられる。これにより薬物は内腔の中心の中で血流を持続させながら壁に接触できる。さらに、血管の壁の中に薬物を導き、薬物が内腔の中に流れ込むのを妨げるために皮膜が設けられる。その投与時に薬物を装入させたスポンジがある程度の持続放出を可能にする一方で、それらを装入するのに要する時間も、それらが物質を溶出する時間と密接に相関している。送達がより長い期間に渡って必要とされる場合、その放出を調節するために追加の機構が利用されなければならない。
【0011】
特許文献の中には、マトリックスまたはポリマーの中に薬物が事前に取り込まれているシステムを使用する多様な持続放出機構が一般的に提案されてきたいくつかの例もある。これらは、第3,948,254号(Zafferoni)、米国第2003/0185872A2(Kochinke)、国際公開第92/15286号パンフレット(Shikani)、及び第5,512,055号(Dombら)を含む。一般的には、これらの参考文献は持続した薬物送達手段を構築する多様な材料及び構造を説明し、持続薬物送達技術の状態の優れた概要を提供する。薬物のための持続放出システムを作成するために特定の物質及び方式を提示するのに役立つ一方で、しかしながらこれらの参考文献のそれぞれは本願において目標とされる使用目的にそれらを容易に適用できるようにする特定の方法、手段または構造を説明していない。
【0012】
技術には、副鼻腔炎または他の病気及び疾患の治療のために、薬物及び他の治療剤または診断物質を副鼻腔または体内の他の場所の中に送達するための新しい装置及び方法の開発の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従って、疾患(例えば、副鼻腔炎または耳、鼻または咽喉の別の疾患)を診断または治療するために被験者または被験動物の中の場所(例えば、鼻、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管等の中)に物質を送達するための方法及び装置が提供される。一般的にこの方法はA)i)疾患を診断または治療するために治療効果のある物質を後に装入されてよい物質リザーバと、ii)リザーバから物質が流れ出る速度を制限する障壁とを備える埋め込み型物質送達装置を提供するステップと、B)疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、C)リザーバの中に多量の物質を導入するステップと、D)物質が被験者の体内の場所に埋め込まれた装置によって送達されるように、被験者の体内の場所に装置を埋め込むステップとを備える。いくつかの応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれる前に所望される治療剤または診断物質をリザーバの中に装入してよい。他の応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれた後に所望される治療剤または診断物質をリザーバの中に装入してよい。装置は生分解性または非生分解性であってよく、それが所望される期間の間埋め込まれたままとなった後に体から除去されてよい、あるいは除去されなくてよい。装置の障壁は開口、膜(例えば、半透膜)または特定の1つまたは複数の重要な特性を有する1つまたは複数の物質がほぼ公知の速度で障壁を通過できるようにする他の構造を備えてよい。該ほぼ公知の速度で障壁を通過する物質の能力を決定してよい重要な特性の例は、粘度または粘度の範囲、分子量または分子量の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、電気量、化学基または原子の存在、親水性または疎水性、分子のサイズ及び/または形状等を含むが、これらに限定されない。したがって、医師及び/または薬剤師は、場合によっては障壁を選択し、該選択された障壁を基準にして特定の重要な特性を所有する物質を選択する、または特別に調製し、その結果該物質は意図された送達速度で該障壁を通って送達されるであろう。
【0014】
さらに、本発明に従って、装置のリザーバは中空の空洞、多孔材料(例えば、吸収性のポリマー発泡体)またはその組み合わせを備えてよい。障壁は、リザーバの中に入った物質が制御された速度で障壁を通過するようにリザーバを囲む、実質的に囲む、部分的に囲む、またはリザーバに隣接して位置する膜または開口部を備えてよい。
【0015】
なおさらに本発明に従って、埋め込み型物質送達装置は、少なくともリザーバに物質が装入されているときに、突端が隣接する組織または他の解剖学的構造(複数の場合がある)に接触しており、窪みがそれらの組織または他の解剖学的構造の生理的機能を妨害しないために隣接する組織または解剖学的構造から離間されたままとなるように、装置の外面が突端と窪みとを持つように構成されてよい。装置のこのような実施形態は繊毛のある粘膜組織で裏打ちされている鼻または副鼻腔の領域に埋め込まれてよく、窪みの中の装置の表面(複数の場合がある)はこのような組織による粘液繊毛輸送機能と妨害しないように隣接する繊毛のある粘膜から十分に離れたままとなるであろう。装置の直径または断面形状はその長さに沿って変化してよい、あるいは円錐形、切頭円錐形、または曲線(例えば砂時計)の形状で整形されてよい。また、装置は硬度(例えばデュロメーター)、曲げ特性(例えば剛性または可撓性)またはコンプライアンスが異なる部位(複数の場合がある)を有してよく、このような特性は治療剤または診断物質の存在または不在、及び/または体液(例えば、粘液)との接触または非接触、あるいは埋め込みの意図された場所に存在する他の条件に応えて変化してよい。
【0016】
本発明の追加の態様、詳細及び実施形態は、本発明の以下の詳細な説明及び添付図面を読むことにより当業者により理解されるであろう。
以下の詳細な説明及び添付図面は、必ずしもすべてではないが本発明のいくつかの例または実施形態だけを説明することを目的としている。この詳細な説明及び添付図面は決して本発明の範囲を制限しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
人間の鼻は右の鼻孔と左の鼻孔、つまり別々の右の鼻腔と左の鼻腔に入り込む鼻孔を有する。右と左の鼻腔は、実質的には軟骨と骨から形成されている鼻腔内の隔膜により分けられている。鼻腔内の隔壁の後方では、鼻腔が単一の鼻咽頭腔の中に収束する。右エウスタキオ管と左エウスタキオ管(つまり、耳管)が頭の各側の中耳から鼻咽頭の外側面に位置する開口部まで伸びる。鼻咽頭は口蓋垂の上で下方に、咽頭の中に伸びる。図1に示されているように、副鼻腔は顔の両側の顔面骨の中に形成されている。副鼻腔は、個々の開口部つまり小孔を通して鼻腔の中に開く。副鼻腔は前頭洞FS、篩骨洞ES、蝶形骨洞SS、及び上顎洞MSを含む。
【0018】
本発明は、埋め込み型装置に隣接して、あるいはその近くに位置する組織に診断物質または治療剤を送達するために、鼻洞の鼻孔、鼻腔、道、小孔、内部等の自然発生的な、または人造の解剖学的空洞の中に配置されてよい埋め込み型装置を提供する。本発明の特定の限定されない例は図1から図12Fに示され、以下に詳細に説明されている。これらの図面に示されている特定の例は副鼻腔及び鼻腔を目標としているが、本発明の装置及び方法は、自然のまたは人造の開口部及び通路、皮下の場所、血管内の場所または心臓内の場所、及び胃腸管の中の場所を含むが、これらに限定されない体の多様な領域で幅広い用途で使用できる。
【0019】
本書で使用されている用語「診断物質または治療剤」は、あらゆる可能な薬物、プロドラッグ、蛋白質、遺伝子治療の製剤、細胞、診断用薬、造影剤またはイメージング剤、生物学的製剤等を含むと幅広く解釈されるべきである。このような物質は結合構造または非結合構造、液体または固体、コロイドまたは他の懸濁液、溶液であってよい、あるいは気体または他の流体またはナノ流体の形であってよい。例えば、微生物感染を治療または防止することが所望されているいくつかの応用例では、送達される物質は薬剤的に許容できる塩または抗菌剤(例えば、抗生物質、抗ウィルス剤、抗異所性細胞剤、抗真菌剤等)の剤形、副腎皮質ステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、NSAID)、充血除去剤(例えば、血管収縮剤)、粘液薄化剤(例えば、去痰薬または粘液溶解薬)、アレルギー反応を防ぐまたは緩和する薬剤(例えば、抗ヒスタミン剤、サイトカイン抑制剤、ロイコトリエン抑制剤、IgE抑制剤、免疫賦活剤)等を備えてよい。
【0020】
本発明で使用されてよい抗菌剤のいくつかの限定されない例は、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド抗生物質(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、及びトブラマイシン)、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン(例えば、バクトロバンネーザルR、グラクソスミスクライン(Glaxo SmithKline)、リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park)、ノースカロライナ(North Carolina))、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無効にする合成洗剤のよ
うな化学物質(例えば、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール)、標的細胞に対する微生物付着を妨害する、及び/または伝染性の病原体の進入を阻止する化学物質(例えば、PC−515(カラギーナン)、プロ−2000、及びデキストリン2サルフェート等の硫酸化ポリマーとsulponatedポリマー)、レトロウィルスが細胞内で複製するのを妨げる抗レトロウィルス剤(例えばPMPAゲル)、「抗体」として知られている植物から遺伝子操作された抗ウィルス抗体等の病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、(粘膜pHを改変する物質(バッファゲル(Buffer Gel)及びアシッドフォーム(Acidform)等の)組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、過酸化水素または病原微生物(乳酸菌)を殺す、またはその成長を阻止する他の物質の生成を引き起こす非病原性、つまり「扱いやすい」微生物、参照することにより本書に明示的に組み込まれている米国特許番号第6,716,813号(リンら)に説明されているもののような抗微生物蛋白質またはペプチド、または抗菌性金属(例えば、コロイダルシルバー)を含む。
【0021】
加えてまたは代わりに、炎症を治療するまたは防止することが所望されるいくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様なステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、非ステロイド系の抗炎症薬つまりNSAIDS)、鎮痛剤または解熱剤を含んでよい。例えば、ベクロメタゾン(バンセナーゼRまたはベコナーゼR)、フルニソリド(NasalideR)、プロピオン酸フルチカゾン(フロナーゼR)、トリアムシノロンアセトニド(ナサコートR)、ブデソニド(リノコートアクアR)、ロテレドノール エタボネート(ロコート)及びモメタゾン(ナゾネックスR)等の鼻内への注入によって以前投与された副腎皮質ステロイドが使用されてよい。前述された副腎皮質ステロイドの他の塩の形式も使用されてよい。また、本発明で使用できてよい他の限定されないステロイドの例は、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンを含むが、これらに限定されない。使用されてよい他の抗炎症薬、鎮痛剤、または解熱剤は、非選択性COX抑制剤(例えば、サリチル酸波生物、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サルサレート、ジフルニサル、スルファサラジン及びオルサラジン、アセトアミノフェン等のパラアミノフェノール派生物、インドメタシンとスリンダク等のインドール酢酸及びインデン酢酸、トルメチン、dicofenacまたはケトロラック等のヘテロアリール酢酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビブロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、及びオクサプロジン等のアリールプロピオン酸、メフェナム酸及びメロキシカム等のアントラニル酸(フエナメート)、オキシカル(ピロキシカム、メロキシカム)及びナブメトン等のアルカノン等のenolic酸)、及び選択COX−2抑制剤(例えば、ロフェコキシブのようなジアリール置換フラノン、セレコキシブのようなジアリール置換ピラゾール、エトロダクのようなインドール酢酸、及びニメスライド等のsulfonanilidesを含む。
【0022】
加えてまたは代わりに、アレルギー反応または免疫反応及び/または細胞増殖を治療するまたは妨げることが所望される応用例等のいくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、a)ヒト化抗サイトカイン抗生物質、抗サイトカインレセプタ抗体、組換え型(遺伝子組み換えから生じる新しい細胞)拮抗薬または可溶性受容体等の多様なサイトカイン抑制剤、b)ザフィルルカスト、モンテルカスト、及びジレウトンのような多様なロイコトリエン変更遺伝子、c)オマリズマブ(以前はrhu Mab−E25と呼ばれていた抗lgEモノクロナール抗体)等の免疫グロブリンE(IgE)抑制剤及び分泌線白血球プロテアーゼ抑制剤)及びd)リゲル製薬社(Rigel Pharmaceutic
als,Inc.)またはカリフォルニア、サウスサンフランシスコ(South San Francisco, California)により製造される「R−112」という名前の薬剤等のSYK キナーゼ抑制剤を含んでよい。
【0023】
加えてまたは代わりに、粘膜組織を縮小する、うっ血除去を引き起こす、あるいは止血を達成することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、偽エフェドリン、キシロメタゾリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、エピネフリン等を含むが、これらに限定されないうっ血除去剤及び/または止血薬の目的のための多様な血管収縮剤を含んでよい。
【0024】
加えてまたは代わりに、粘液の流れを容易にすることが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様な粘液溶解液、またはアセチルシステイン(MucomystTM、MucosilTM)及びグアイフェネシンを含むが、これらに限定されない粘液または粘液分泌の粘度または濃度を修正する他の薬剤を含んでよい。
【0025】
特定の一実施形態では、本発明によって送達される物質は、抗炎症薬(例えば、ステロイドまたはNSAID)及び粘液溶解薬の組み合わせを備える。
加えてまたは代わりに、ヒスタミン放出を妨げるまたは阻止することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は多様なマスト細胞安定剤またはクロモリン(例えば、Nasal ChromR)及びネドクロミルのようなヒスタミンの放出を妨げる薬物を含んでよい。
【0026】
加えてまたは代わりに、ヒスタミンの影響を防止するまたは阻止することが所望される応用例等のいくつかの応用例では、本発明で送達される物質はアゼラスチン(例えば、AstylinR)、ジフェンヒドラミン、ロラチジン等の多様な抗ヒスタミン剤を含んでよい。
【0027】
加えてまたは代わりに、骨または軟骨を分解させる、悪化させる、切断する、壊す、または再形成することが所望される実施形態のようないくつかの実施形態では、本発明で送達される物質は、本発明の他の手順を容易にするために骨及び/または軟骨を弱めるまたは修正する物質を含んでよく、骨または軟骨は作り直され、再形成され、破壊され、または取り除かれる。このような薬剤の一例は、再形成されなければならない、または修正されなければならない骨の部位の隣の物質送達インプラント内に注入されるまたは送達できるであろうEDTA等のカルシウムキレート剤であろう。別の例は破骨細胞等の骨悪化細胞からなるまたは骨悪化細胞を含む製剤となるであろう。他の例はコラゲナーゼ(CGN)、トリプシン/EDTA、ヒアルロニダーゼ、及びとsyllysylchloromethane(TLCM)等の骨または軟骨の成分を軟化させるまたは破壊することのある物質の多様な酵素を含むであろう。
【0028】
加えてまたは代わりに、いくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、ここに一覧表示されていない他の薬剤だけではなく、イプラトロピウム(Atrovent NasalR)等の鼻の分泌物を乾かす傾向がある抗コリン剤も含むが、これらに限定されない鼻炎、鼻ポリープ、鼻の炎症、耳、鼻及び咽喉の他の疾患を治療するために使用される他のクラスの物質を含んでよい。
【0029】
加えてまたは代わりに、ポリープまたは水腫状の組織から流体を引き出すことが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質はフロセミド等の局所的につまり局所に作用する利尿薬、及び/または塩化ナトリウムゲルまたはポリープをそれらのサイトでじかに縮小するためにさらに多くの水に組織を抜け出させるために粘液
の浸透含有量を直接的にまたは間接的に変更する、組織または物質から水を引き抜く他の塩製剤等の高浸透性薬剤を含んでよい。
【0030】
加えてまたは代わりに、腫瘍または癌性の病巣を治療することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、アルキル化剤またはそのDNAを攻撃することによって癌細胞をじかに殺す他の薬剤(例えば、シクロホスファミド、イソホスファミド)、ニトロソウレアまたは細胞DNA修復(例えば、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU))のために必要な変化を阻止することによって癌細胞を殺す他の薬剤、代謝拮抗物質及び特定の細胞機能、通常はDNA合成(例えば、6メルカプトプリンと5−フルオロウラシル(5FU))を妨害することによって癌細胞の成長を阻止する他の薬剤、抗主要抗生物質、及びDNAを結合するまたは差し込み、RNA合成(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C及びブレオマイシン)を防止することによって作用する他の化合物、植物から抽出される植物(ビンカ)アルカロイド及び他の抗腫瘍剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)、ステロイドホルモン、ホルモン抑制剤、ホルモン受容体拮抗薬、及びホルモン応答性癌の成長に影響を及ぼす他の薬剤(例えば、タモキシフェン、ハーセプチン、aminoglutethamide及びフォルメスタン等のアロマターゼ阻害薬、レトろゾール及びアナストラゾール等のトリアゾール抑制剤、エクセメスタン等のステロイド抑制剤)、抗血管形成蛋白質、小分子、遺伝子治療、及び/または血管形成または腫瘍の血管新生を阻止する他の薬剤(例えば、塩酸メタンフェタミン1、塩酸メタンフェタミン2、サリドマイド)、ベバシズマブ(Avastin)、スクアラミン、エンドスタシン、アンジオスタチン、Angiozyme、AE−941(Neovastat)、CC−5013(Revimid)、中間522(Vitaxin)、2−メソキシエストラジオール(2ME2、Panzem)、カルボキシアシドトリアゾール(CAI)、コンブレタスタチン、 A4プロドラッグ(CA4P)、SU6668、SU11248、BMS−275291、COL−3、EMD 121974、IMC−1C11、IM862、TNP−470、セレコキシブ(Celebrex)、ロフェコキシブ(Vioxx)、インターフェロンアルファ、インターロイキン−12(IL−12)または参照することにより明示的に本書に組み込まれているサイエンス(Science)第289巻、1197−1201ページ(2000年8月17日)に特定される化合物のどれか、生物反応修正物質(例えば、インターフェロン、カルメットゲラン菌(BCG)、単一クローン性の抗生物質、インターロイキン2、顆粒状コロニー刺激因子(GCSF)、等)、PGDF受容体拮抗薬、ハーセプチン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボブラチン、シスプラチン、カルムスチン、cchlorambucil、シタラビン、ダカルバジン、エトポシド、flucarbazine、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イフオスファシド、イリノテカン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン、チオテパ、トムデックス、トポテカン、トレオズルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、mitoazitrone、オキサリプラテン、プロカルバジン、ストレストシン、タクソール、タキソテール、生体物質類似体/同属種、及びここに一覧表示されていない他の抗腫瘍薬だけではなくこのような化合物の派生物等の抗腫瘍薬(例えば、癌用化学療法薬、生物反応修飾物質、血管新生抑制剤、ホルモン受容体阻害薬、凍結療法剤または異常増殖または腫瘍形成を破壊するまたは阻止する他の薬剤)を含んでよい。
【0031】
加えてまたは代わりに、新しい細胞を成長させる、あるいは既存の細胞を修正することが所望される応用例のようないくつかの応用例では、本発明で送達される物質は、遺伝子及び核外遺伝子のような遺伝子送達手段、抗炎症性の物質のためにコーディングする遺伝子とともに注入されるアデノウィルスベクトルまたは裸のDNA、mRNA等だけではなく細胞(粘膜細胞、繊維芽細胞、幹細胞、または遺伝子組み換え細胞)、及び前記に言及されたように、そのように所望されるときに骨を修正するまたは軟化させる破骨細胞、m
ucogenesisまたはciliagenesis等に関与するまたは達成する細胞を含んでよい。
【0032】
装置及び/または物質放出様式と組み合わされることに加えて、または代わりに、装置を粘液流路(つまり、前頭洞または篩骨蜂巣)の中の上流の特定の場所に配置することが理想的である場合がある。これにより、さらに少ない薬物放出装置の配置が可能になり、すべての下流の組織を所望される薬物に「浸すこと」ができる。良好な粘液の流れがある罹患していない部位が薬物によってあまり影響を及ぼされないのに対して、特に薬物の濃度が粘液が保持されている部位で最高になる可能性があるため、薬物のための担体としての粘液のこの活用は理想的である場合がある。これは特に慢性副鼻腔炎、つまりそれらの特定のサイトで薬物の濃度をさらに高めるとさらに大きな治療的有用性となる可能性がある腫瘍で有効であろう。このようなすべてのケースでは、局所的な送達によって、これらの薬物ははるかに全身性ではない影響を及ぼすことができる。さらに、それが粘液に対して緩やかな親和力を維持し、それが流れの中で均等に分散できるように薬物の組成または送達システムを構成することが理想的である場合がある。また、いくつかの応用例では、薬物ではなくむしろ、塩または他の粘液に溶けやすい物質が、それにより粘液が物質と接触する場所に配置され、大量の物質が粘液中で溶解するようになり、それによって粘液のいくつかの特性(例えば、pH、オスモル濃度等)を変更する。いくつかのケースでは、この技法は、流れている粘液が水及び/または他の流体をポリープ、水腫状の粘膜組織等から引き出し、それによって乾燥または脱水治療効果を提供するように粘液を高浸透性にするために使用されてよい。
【0033】
副鼻洞空洞の中での変化に影響を及ぼすために局所的な送達を目的とする物質に加えてまたは代わりに、鼻腔は臭覚器系、従って脳への一意の接近手段を提供する。本書に説明されている装置及び方法のどれかも、脳に物質を送達する、あるいは臭覚器系の機能を改変するために使用されてよい。このような例は、臭覚を塞ぐまたは改変するため、食欲を抑制するため、あるいはそれ以外の場合、肥満、癲癇(例えば、フェノバルビタールまたはmephoobarbital等のバルビツール酸系催眠薬、カルバマゼピン及びオキスカルバゼピン等のイミノスチルベン類、ethylsuximide等のスクシンイミド、バルプロ酸、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、及びロラゼパム等のベンゾジアゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、アセタゾールアミド、フェルバメート、levetiraceam、チアガビン、トピラメート、ゾニサミド等)、人格障害または精神障害(例えば、抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬等)、慢性疼痛、パーキンソン病(例えば、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ropinitrol及びプラミペキソール等のドーパミン受容体拮抗薬、レボドパ等のドーパミン前駆体、tocapone及びエンタカポン等のCOMT抑制剤、セレギリン、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピン、及びジフェンヒラドミン等のムスカリン受容体拮抗薬)、及びアルツハイマー病、ハンチントン病、または他の認知症、認知の疾患、あるいは慢性変性疾患(例えば、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、ガランタミン、フロキセチン、カルバマゼピン、クロザピン、クロナゼパム、及び蛋白質またはベータアミロイド斑の形成を抑制する遺伝療法)等を抑制するためにエネルギーの送達または装置及び/または物質及び/または物質送達インプラント(複数の場合がある)の配置を含む。
【0034】
副鼻腔炎または耳、鼻、または咽頭の他の疾患の治療を目的とする応用例等の特定の応用例においては、本発明の埋め込み型物質送達装置及び方法が以下の目的の1つまたは複数を満たしてよい。
【0035】
1.粘液の除去:本発明の埋め込み型物質送達装置は、鼻道つまり鼻周辺の通路に埋め込まれると、それらが隣接する解剖学的壁(複数の場合がある)の少なくとも一部が粘膜繊毛作用を維持できるように構成されてよい。これを達成するために、装置は隣接する解
剖学的壁(複数の場合がある)に接触する別々の領域、及び該隣接する解剖学的壁(複数の場合がある)に接触しない他の領域を有してよい、及び/またはそれらは内部中空内腔を取り込んでよい。本発明のいくつかの実施形態は中央内腔を含むが、大部分の場合、粘液が重力または真の圧力を介して埋め込まれた装置の内腔を通って流れることは不可能あるいは非現実的である場合がある。したがって、この中央内腔は、このような場合には流体はさらに容易に装置の回りに伝達される可能性があるため、解剖学的通路の開通性を維持するために有効な構造ではない可能性がある。その結果、本書に説明される本発明の他の実施形態では、装置は粘液がその間を流れることを可能にする離間された支柱または部材を備えてよく、このようにして粘液が装置の中の内腔または穴に進入する必要性を回避する。また、支柱が相対的に薄く、装置が、繊毛が装置の内側内腔にじかに接することができるように開放細胞構造から構成される本発明の他の実施形態もある。これらの状況では、粘液の除去は、圧力または重力に依存しなくても中央内腔を通して可能である可能性がある。
【0036】
2.持続効果:いくつかの鼻腔内の/副鼻洞内の応用例において薬物を送達するために使用されてよい、薬物が飽和されたガーゼまたはスポンジには、送達される薬物(複数の場合がある)の投薬量(複数の場合がある)、あるいはそれらの薬物(複数の場合がある)の拡散を調節する能力がほとんどない、あるいはまったくない。さらに、それらは非生分解性または非常に迅速な生分解性のどちらかであってよい。本発明の装置の少なくともいくつかの実施形態は、所定の治療期間の間所定の投薬量の薬物を送達することによって、これらの欠点を克服している。これは次の所定の治療期間の終結後に、取り除かれてよい、または生物分解し、排除されてよい。
【0037】
3.低侵襲的設置:副鼻洞処置を実行するために現在使用される器具の多くは接近し、インプラントを設置するために鼻または副鼻洞の中の組織の重大な除去または組織に対する損傷を必要とする。しかしながら、本発明の装置及び方法は、鼻の組織及び副鼻洞組織に対する最小の病原性損傷で実施できる。したがって、本書に説明される装置及び方法は腫れた組織及び閉塞した内腔を薬物の作用を通して削減し、感染を制御できるようにし、それにより従来の副鼻洞手術等の侵襲的な組織損傷療法を必要とせずに症状の解決を生じさせることができる。
【0038】
4.装置感染の低いリスク:本発明に従って、埋め込み型物質送達装置は当然抗感染である物質から作られてよい、あるいはこのような物質で表面を覆われてよい。これは「毒素性ショック」症候群または他の類似した装置に関連した感染の回避に役立つことがある。あるいは、それらはその機械的構造または完全性の結果、取り外し自在であってよい、あるいは感染に耐性を示してよい。
【0039】
5.取り外し自在または生分解性:いくつかの実施形態では、本発明の埋め込み型物質送達装置は生分解性がある及び/または取り外し自在であってよい。いくつかの実施形態では、装置が所望される期間生分解性があるが、状況がその早期取り外しを行うのに値する場合には(例えば、装置が完全に生物分解するために十分な時間が経過する前に)取り外し自在であることが望ましいであろう。構造の除去性を支援するために、事務所内で容易に取り外しできるようにするために尾部付着点、または縫合線/ひも付着点が設けられてよい。
【0040】
6.1つまたは複数の診断物質または治療剤を送達する能力:副鼻洞の病気は多くの病因があるため、医師が、個々の患者の疾患を治療するために1つまたは複数の物質を含むように装置をカスタマイズできることが理想的であろう。代わりに、それが埋め込まれる前または後に埋め込み型物質送達装置の中に装入するために包装済みの物質の混合物または組み合わせ(例えば、2つ以上の薬物の固定された服用組み合わせ)を有することも許
容できてよい。物質のこのような包装済み混合物または組み合わせは装置の中への直接的な装入に適した液状形式であってよい、あるいは指定量の液体(例えば、滅菌水、0.9%のNaCl溶液等)で容易に戻すことができる乾燥形式(例えば凍結乾燥済み、または粉末)であってよい。代わりに、装置は同時にまたは連続して薬物(複数の場合がある)を放出する2つ以上の分離されたチャンバを含んでよい。代わりに、他の一実施形態は、添加剤と混合されることなく装置の中で事前に結び付けられるまたは事前に装入される1つまたは複数の薬物または物質を含んでよい、あるいは使用時、他の添加剤を付加される、又は、混合される1つ又は複数の薬物又は物質を含んでよい。
【0041】
7.瘢痕化または付着の防止:副鼻洞の中に設置される任意の物質は、それらが設置される経路の連続開通性を可能にするために付着または瘢痕化が最小限に抑えられるような物質から設計されなければならない。付着に対する機械的な障壁を単に有することは役立つ可能性があるが、インプラント自体が組織反応を誘発しないことも重要である。この状態を回避するためには不活性物質が使用されなければならない。他の実施形態では、インプラントに対する組織の反応を妨げることができる薬剤を放出することが必要な場合がある。名目上、装置の内部ではありとあらゆる治療剤が使用されてよいが、それは、生理食塩水等の不活性物質で充填された、それが送達される通路を維持するための単にスペーサとして有用性を有してもよい。
【0042】
8.薬物送達動力学:本発明の装置は、治療の過程で治療剤を一貫して、または予測可能に送達することができ、可能な場合送達のこのタイミングは選ばれる物質に基づいてプログラムで制御できるであろう。いくつかの状況では、装置が原位置で補充できるのが理想的である可能性があるが、いくつかの実施形態では装置は、補充が必要とならないように十分な治療剤を含むことができてよい。今日までこれらの必要性を満たすことができる装置は提案されず、または使用可能ではなく、したがって副鼻腔炎または他の病気及び疾患の治療のために、薬物及び他の治療剤または診断物質を副鼻腔または体内の他の場所に送達するための新しい装置及び方法に対する必要性が依然として存在する。
【0043】
埋め込み型物質送達装置が、標準的な外科手術を介して副鼻腔または耳、鼻または咽喉内の他の部位に送達される、またはそれらから取り外されてよいが、物質送達装置が出血、組織の除去、術後の介護、及び他の外科的問題を削減できる低侵襲手段を介して送達されてもよいことは特に重要である。
【0044】
展性があり、偏向可能である、及び/または適切に整形された本体及び先端を有してよいカテーテルが、鼻の中に、及び副鼻洞の小孔のような関心のある場所の近くに、あるいは中に導入されてよい。カテーテルは鼻孔に位置する接近口を通して導入されてよい、あるいは導入されなくてよい。さらにガイドがこのような手段を介して生体構造の中に配置されてよいが、直接可視化、内視鏡イメージング、蛍光透視鏡イメージング、電磁検知当に制限されない。適切な小孔の近くにまたは適切な小孔を通していったん適切に配置されると、ガイドワイヤはカテーテルを通して副鼻洞空洞の中を進められてよい。例えば、上顎洞または前頭洞に接近する場合には、カテーテル先端は(鉤状構造を切除する必要なく)鉤状プロセスの回りで曲がり、適切な副鼻洞小孔を通って進入する、あるいは適切な副鼻洞小孔の方向を指してよい。それから、ガイドワイヤは副鼻洞空洞の中に進めることができる。これらの操作は蛍光透視鏡、内視鏡及び電磁検知等の可視化方法の元で行われてよい。適切に整形された偏向可能及び/または展性があるカテーテルは、前頭銅及び蝶形骨洞に接近するために使用されてもよい。いったんワイヤが副鼻洞のなかに進められると、それが必要であると見なされる場合には、問題の副鼻洞の小孔を拡大するためにバルーンカテーテルがワイヤ上に導入されてよい。所望される場合には、第2のカテーテルがワイヤの上でアクセスカテーテルを通して進められてよい。第2のカテーテルはさらに小さいガイドワイヤと交換するために使用されてよい――したがってさらに小さいガイドワイ
ヤと互換性のあるさらに小さいカテーテルの使用を可能にする。
【0045】
蝶形骨洞への接近は、中鼻甲介の内側でアクセスカテーテルを進め、カテーテルを副鼻洞の小孔を通してまたは副鼻洞の小孔の近くに設置することにより同様に達成されてよい。その後、物質送達装置の送達の前に、後にバルーンを膨張することによりガイドワイヤを副鼻洞の中に進める同様の技法が続いてよい。
【0046】
篩骨洞への接近は、篩骨蜂巣の中への進入を実現するリトロブラー(retrobullar)凹部とスプラブラー(suprabullar)凹部の中へ、あるいは近くへアクセスカテーテルを進めることにより達成されてよい。その後、物質送達装置の送達の前に、後にバルーンを拡張することにより蜂巣を通して、及び蜂巣の中にガイドワイヤをナビゲーションし、進める同様の技法が続いてよい。代わりに、蛍光透視鏡、内視鏡、電磁検知等の可視化/ナビテーションの元で前方篩骨(例えば、篩骨水泡)の近くにカテーテルを進めることが望ましいことがある。以後、針またはカテーテル等の穿孔部材がアクセスカテーテルを通して、及び前方篩骨蜂巣と後方篩骨蜂巣の壁を通って進められてよい。いったん1つまたは複数の壁が穿孔されると、ガイドワイヤは針または他のカテーテル部材を介して篩骨蜂巣の中に進められてよい。穿孔した前方篩骨蜂巣と後方篩骨蜂巣のバルーン拡張は、物質送達装置の設置前に所望される場合に実施されてよい。一般的には、副鼻洞及びその周辺領域への低侵襲接近は、物質送達装置を送達することの重要な要素である。
【0047】
ここで図1から図12Fを見ると、このような図画本発明の装置及び方法の特定の例を示していることが理解されるべきである。そうすることにより結果として生じる実施形態または例がその用途に使用不可にならない限り、これらの図に図示されている一実施形態または例のあらゆる要素、属性、構成要素、付属品または特長は、その実施形態または例から排除されてよい、あるいは他の実施形態または例に含まれてよい。
【0048】
図1は、概して人間の患者の頭部の図を示し、本発明のシステム10が左前頭洞の中に本発明の物質送達装置12を埋め込むために利用されている。示されているように、このシステム10は鼻接近口装置14と、送達カテーテル16と、引き伸ばした部材18と、埋め込み型物質送達装置12とを備えている。該口装置14は、図示されるように鼻孔の中に配置される。使用できてよい鼻口装置の例は、参照することにより本書に組み込まれている「副鼻腔炎及び耳、鼻、及び/または咽喉の他の疾患を診断し、治療するための装置、システム及び方法(Devices,Systems and Methods for Diagnosing and Treating Sinusitis and
Other Disorders of the Ears,Nose and/or
Throat)」と題される特許出願、出願番号第10/829,917号に詳細に説明されている。カテーテル16は、口装置14を通して、及び鼻腔を通して左前頭洞への小孔の中の場所、または小孔に非常に近い場所に進められる。カテーテル16の挿入の前または後に、埋め込み型物質送達装置12は送達カテーテル16の内腔の中に装入され、引き伸ばした部材18は埋め込み型物質送達装置12に近位で送達カテーテル16の内腔の中に配置される。別個のガイドカテーテル(不図示)が口装置14を通して左前頭洞の小孔近くの一まで進められ、そのご送達カテーテルがそのガイドカテーテルを通って、送達カテーテルの末端が左前頭洞の小孔の中にあるいは小孔にすぐ隣接する位置に進められてよい場合もあることが理解されるであろう。その後、引き伸ばした部材18は末端方向で勧められ、それにより埋め込み型物質送達装置12を送達カテーテル16の末端から押し出してよい。代わりに引き伸ばした部材18の末端は、送達カテーテル16の内腔の中の薬物送達装置12の近端と接触して配置され、その後引き伸ばした部材18は、埋め込み型物質送達装置12を送達カテーテル16の末端の中から通過させるために、送達カテーテル16が近端方向で引っ込められる間に静止して保持されてよい。いずれにせよ、物
質送達装置は前頭洞の中に完全にまたは部分的に配置され、その後、口装置14、送達カテーテル16、及び引き伸ばした部材18は取り外されてよい。埋め込み型物質送達装置12は多様な方法で構築されてよく、その例は図2から図12Fに示され、後述される。本発明の実施形態のどれかにおいて、所望される診断物質または治療剤は、装置12が体内に埋め込まれる前及び/または後に埋め込み型物質送達装置12の中に装入されてよい。
【0049】
図2から図2Cは、その間20が内腔22と、多孔質母材24と、外側障壁26とを有する埋め込み型物質送達装置12aの一実施形態を示している。管20の一端は外側障壁26を通って突出し、その上に針が貫通可能な自動密封キャップ27を有する。管20の他方端部は、管の内腔22が多孔質母材24のほぼ中心の中に中空の空洞を形成するように閉じられている。図2Aに示されるように、所望される治療材または診断物質を含有する溶液が、注射器及び針28によって管20の内腔22の中に導入される。管20は拡大ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)等の多孔材料または透水性材料、あるいは物質が管20の壁を通過して多孔質母材24の中に入ることができるようにする多孔質ポリ(L−乳酸)(PLLA)またはポリ(L−グリコール酸)等の生体吸収材料から構築される。このようにして、多孔質母材24は、管20の内腔22及び多孔質母材24が大量の物質が入れられるリザーバを形成するために結合するように、実質的に飽和状態になる、つまり物質を装入される。多孔質母材は撓みやすい、または硬直したポリマー発泡体、綿の詰め物、ガーゼ、ヒドロゲル、コラーゲン等の生分解性または非生分解性の多孔材料から形成されてよい。発砲されてよい、あるいはそれ以外の場合多孔質にされてよい生分解性高分子の例はポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、polydioxanone、ポリカプロラクトン、ポリグリコネート、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)、及びその組み合わせを含む。この装置12aは完全に生分解性または非生分解性であってよい。装置12aの非生分解性の実施形態では、管20、多孔本体24及び外側障壁26・・・管20は、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、拡大ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートウレタン、ポリウレタン、ポリアミドを含むが、これらに限定されない多様な市販されている生体適合性ポリマー等の任意の適切な物質から形成されてよい。
【0050】
図2から図2Bに示されているもののような本発明の任意の実施形態は、障壁を横切る物質の移送を支援するための手段を取り込むことができるであろう。このような装置は機械ポンプ、電気機械ポンプ、ナノテクノロジーポンピング機構、または移送を駆動するために電流を発する電気装置の形を取ってよい。この手段は、障壁の中に、あるいは多孔母材の中に組み込むことができるであろう。機械的な実施形態のさらに特定の例は、障壁を横切るその移動を駆動するために送達される物質の量が継続的に陽圧の下にあるようにリザーバサイズを機械的に変更することであろう。この機械的な変更はマイクロエレクトロニクスを介して制御することができ、事前にプログラミングすることができる、あるいは多様な無線通信技術を通して遠隔で制御できるであろう。リザーバ内部で圧力を維持するための機械的な手段の別の例は、浸透圧ポンプ、または内部化学反応に活性化されるものなど、薬物量が減少するにつれて収縮するまたは縮小する膜障壁を組み込むことであろう。この収縮は、弾性ポリマーまたは縮小するポリマーから膜障壁を作ることによって、あるいはリザーバの体積を減少する可動フィラメントまたはセクションを含むことによって達成できるであろう。
【0051】
本発明の任意の実施形態では、任意の管22または多孔母材24の中または隣に形成される他の空洞の壁は、物質が管20の内腔22から多孔母材24の中に通過する速度を制
御する材料から構築されてよい。また、外側障壁26は、物質が多孔母材24から外側障壁26を通って、装置12の中から通過する速度を制御する材料(例えば、半透膜)から構築されてよい。複数の薬物を含むために装置の中で複数のチャンバを活用する物質送達装置の他の実施形態があってよい。これらのチャンバは、各チャンバのストリップが装置の全長を移動するが、断面が複数のコンパートメントを示すように軸方向に配列されること、装置の末端部分が真中部分または近端部分とは異なる薬物を含むことができるように長手方向に配列されること、または送達される第1の薬物が多様な苦痛を治療するために、その時々において次の薬物とは異なること、即ち、最初は炎症に対処するため、次に所定の期間後、感染と戦うために抗菌剤の放出を開始することが可能であるように(玉ねぎのような)層で配列されることを含むが、これらに限定されない多様な構成で配置できるであろう。層状構成では、分割する膜は生分解性であってよい、あるいは生分解性でなくてよい。本発明の装置12は、当初、装置12の中に診断物質または治療剤を入れずに提供されてよい。このような場合には、医師は、次に、装置が被験者の体内に埋め込まれる前に特定の治療剤または診断物質あるいはこのような物質の組み合わせを選択する、あるいは装置12の中に調製してよい。他の応用例では、医師は、装置が被験者の体内に埋め込まれた後に所望される治療剤または診断物質あるいはこのような物質の組み合わせ柄を装置12の中に装入してよい。装置12に装入される診断物質または治療剤(複数の場合がある)の医師の選択または調製を容易にするために、装置12は、装置12に装入された物質(複数の場合がある)の所望される投薬量(複数の場合がある)が埋め込まれた装置12によって送達されるように、物質(複数の場合がある)の希釈と装置12の装入を容易にするためのデータ編集によって達成されてよい。このようなデータ編集は表形式データ、アルゴリズム(複数の場合がある)等の形式であってよい。また、このようなデータ編集は、ハードコピー(例えば添付文書または小冊子)として文書形式(例えば、表またはリストとして)で提供されてよい、あるいは(例えば、コンパクトディスク上に、ウェブサイトからアクセスできる、特に本発明の装置12とともに使用するためにプログラミングされるハンドヘルド電子投薬量計算機等のコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置の中にプログラミングされる等)電子形式で記憶されてよい。装置12によって送達される特定の物質(複数の場合がある)の投薬量は、特定の定められた重要な特性を有する特定の物質、製剤、混合物、または溶質または物質の濃縮物が装置12の障壁26を通過する決定された速度(複数の場合がある)となるであろう。データ編集は、特定の障壁遷移速度が提供される特定の重要な特性の例またはリストを含む、または攻勢しても良い粘度または粘度の範囲、分子量または分子量の範囲、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、電気量、オスモル濃度またはオスモル濃度の範囲、特定の化学基または原子の存在、親水性または疎水性等を含むが、これらに限定されない。特定のステロイドまたはステロイド/抗菌性の製剤を用いる本発明の装置12の準備及び装入を容易にするために提供されてよい1つのタイプのデータ編集の例は、以下の表1に示されるような図表である。
【0052】
【表1】
この表に説明されているすべてのパーセンテージは、重量パーセントとして表されている。この表が、その装入及び異なる物質及び/または異なる濃度の物質との使用を容易にするために、本発明の特定の埋め込み型物質送達装置12に付随してよい物質放出速度に関する操作情報またはデータが1つの方法を示すために提供される例示的な例にすぎないことが理解されるべきである。使用される実際の物質及びそれらの物質の実際の送達速度は、装置12の使用目的、装置12の中に装入される物質の重要な特性、及び装置12の多孔母材24及び/または外側障壁26の相対多孔率または浸透性に依存する。前述された表は、それによって医師が、製剤に含有される、異なる局所投与量の薬剤を送達する、異なる希釈剤(例えば、真中の欄に一覧表示された濃度X、Y、またはZ)を調製するために1つまたは複数の薬物を含む開始製剤(例えば、左の欄に一覧表示された製剤)を使用してよいいくつかの例を示している。開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は、鼻腔内の投与または体内のどこかの粘膜組織への局所投与のために承認される、及び/または使用できる市販されている医薬品を備えてよい。開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は、本書に説明されるように、a)包装されてよい、及び/または本発明の装置12とともに提供されてよい、b)本発明の装置12とは別個に医師によって入手されてよい、及び/またはc)本発明の装置12の中で濃縮された(例えば、乾燥したまたは凍結乾燥された形式)で事前に装入されてよい。いくつかの場合では、装置12は、装置の中に(例えば、管20の内腔22の中に、及び/または多孔母材24の中に)含まれる乾燥した(例えば、凍結乾燥されたまたは粉末化された)診断物質または治療剤(例えば、薬物製剤)を備えてよく、医師は後に、物質をもどすまたは溶解するため、及び装置12を拡張する、または活性化するために、測定された量の溶媒(例えば、無菌水、0.9%のNaCl溶液、基本食塩水等)を注入してよい。このような場合には、装置1
2と提供される指示または他の情報は、さまざまな量の溶媒を注入することにより生じる物質の異なる濃度についての情報を含んでよい。他の場合には、装置は拡大状態で提供されてよく、送達のために圧縮される、または整形し直され、その後所望される埋め込み場所に応じて完全に、わずかに拡大し直される必要がある、またはまったく拡大し直される必要はない。前述されたように、いくつかの場合では、開始製剤(例えば、左欄に一覧表示された製剤)は市販されている製剤であってよい。例えば、表1の最初の1、2及び7で言及されたプロピオン酸フルチカゾンは、FlonaseR鼻スプレー(グラクソスミスクライン(Glaxo SmithKline)、リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park)、ノースカロライナ(North Carolina))として鼻腔内スプレー投与のための製剤として市販されている。FlonaseR鼻スプレーの有効成分であるプロピオン酸フルチカゾンは、化学名S−(フルオロメチル)6(,9−ジフルオロ−11R−17−ジヒドロキシ−16−(−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17R−carbothioate、17−プロピオン酸を有する合成副腎皮質ステロイドである。それは、微晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース0.02%、w/w塩化ベンザルコニウム、ポリソルベート80、及び0.25%のw/wフェニルエチルアルコールを含有し、5から7の間のpHを有する、超微粒プロピオン酸フルチカゾンの水性懸濁液として提供される。この市販されているFlonase製品は、いくつかの場合では、装置12が、後で被験者の体内に埋め込まれたときに、所望される投薬量のプロピオン酸フルチカゾンを、単独であるいは他の薬剤(複数の場合がある)(表1の右欄)と組み合わされて送達するように、装置12に装入される前に、1つまたは複数の他の物質と結合される、及び/または多様な希釈物(例えば、表1の真中の欄)で調製されてよい基本製剤(表1の左欄)としての機能を果たしてよい。物質が懸濁液の形を取るこのような例では、懸濁液はそれが埋め込まれた装置12の中で安定したままとなるように調製されてよく、装置12の障壁26は、懸濁液の粒子(例えば、微小粒子)が所望される速度で障壁を通過できるようにするほど十分に大きい孔隙を備えてよい。
【0053】
同様に、表1の行3と4で言及されたトリアムシノロンアセトニドは、NasacortR AQ鼻スプレー(アベンティス製薬株式会社(Aventis Pharamaceuticals,Inc.)ブリッジウォーター、ニュージャージー(Bridgewater,New Jersey))として市販されている。NasacortR AQ鼻スプレーの有効成分であるトリアムシノロンアセトニドは、アセトンを含む9−フルオロー11β、16α、17,21−テトラヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン環状16,17−アセタール(C24H31FO6)である。それは微晶性セルロース、カロボキシメチルセルロースナトリウム、ポリソルベート80、デキストロース、塩化ベンザルコニウム、及びエデト酸2ナトリウムを含む水媒体の中のトリアムシノロンアセトニドの微晶質懸濁液として提供される。4.5から6.0の範囲内の5.0という標的にpHを調整するために、塩酸または水酸化ナトリウムが添加されてよい。
【0054】
また、表1の行5に言及された副腎皮質ジプロピオン酸ベタメタゾンと結合された抗真菌薬クロトリマゾールの製剤は、真菌感染症を治療するための局所適用のためにLotrisoneRローション(シェーリング社(Schering Corporation)、ケニルワース、ニュージャージー(Kenilworth,New Jersey)として市販されている。化学的には、クロトリマゾールは、実験公式C22H17CIN2及び344.8という分子量の1−(a−クロロ、a,a−ジフェニルベンジル)イミダゾールである。クロトリマゾールは、水の中では不溶性であり、エタノールの中で溶解性の無臭の白い結晶性粉末である。ジプロピオン酸ベタメタゾンは、実験公式C28H37F7及び504.6という分子量の、化学名9−フルオロ−1,16,17,21−トリヒドロキシ−16B−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン−17,21−ジプロピオン酸を有する。ジプロピオン酸ベタメタゾンは、水の中で不溶性の、白か
ら乳白色の無償の結晶性粉末である。LotrisoneRローションの1グラムは、純水の親水性基剤、鉱物油、白色ワセリン、ステリアルアルコールが加えられたセチルアルコール、セテアレス−30、プロピレングリコール、リン酸ナトリウム第1一水和物、及びリン酸、保存料としてのベンジルアルコールの中で、10mgのクロトリマゾールと0.643mgのジプロピオン酸ベタメタゾン(0.5mgのベタメタゾンに同等)を含有する。本発明の装置12が鼻、副鼻腔、または耳、鼻または咽喉の中の他の場所に埋め込まれなければならない応用例の場合、基本製剤(表1の左欄)は、LotrisoneRローションの低粘度形式を備え、ローションベースがない限り(例えば、鉱物油、白色ワセリン、ステアリルアルコールが加えられたセチルアルコール、セテアレスー30及び/またはプロピレングリコールの内のいくつかまたはすべてを除いた)、LotrisoneRローションの活性成分を含む微小粒子の溶液または懸濁液を備えてよい。
【0055】
また、ムピロシンカルシウムは、鼻腔内の適用のためにバクトロバンネーザルR軟膏(グラクソスミスクライン、リサーチトライアングルパーク、ノースカロライナ)として市販されている抗生物質である。バクトロバンネーザルR軟膏は、パラフィンとグリセリンエステル(SoftisanR 649)の混合物とを含有する柔らかな白い軟膏ベースの中の2.15% w/wムピロシンカルシウム(2.0%の純粋なムピロシンを含まない酸に同等)を含有する。むしろピンカルシウムは、ムピロシンの二水和物結晶hemi−saltの形を取る。それは、化学的には(α E,2S,3R,4R,5S)−5−[(2S,3S,4S,5S)−2,3−エポキシ−5−ヒドロキシ−4−メチルヘキシル]テトラヒドロ−3,4−ジヒドロキシ−β−メチル−2H−ピラン−2−クロトン酸、9−ヒドロキシノナン酸、カルシウム塩(2:1)、二水和物を含むエステルである。ムピロシンカルシウムの分子式は(C26H43O9)2Ca.2H2Oであり、分子量は1075.3である。ムピロシンを含まない酸の分子量は500.6である。本発明の装置12が鼻、副鼻腔または耳、鼻または咽喉の中の他の場所の中に埋め込まれなければならない応用例の場合、基礎製剤(表1の左欄)は、Bactroban NasaslR軟膏の低粘度形式を備えてよい、あるいは軟膏ベースがない限り(例えば、パラフィン及び/またはグリセリンエステル(SoftisanR 649)のいくらかまたはすべてを除く)Bactroban NasalRの有効成分を含有する微小粒子の溶液または懸濁液を備えてよい。
【0056】
図2BNは、図2と図2Aの装置12aと同じ構成要素を備える埋め込み型物質送達装置の変形を示すが、針−貫通可能自動密封キャップ27の代わりに、この装置12bは、取り外し可能なコネクタ30を介して内管22の露呈された端部に接続される充填管32を有する。逆止め弁31は、コネクタ30のまさに内側の内腔22の中に配置されてよい。この逆止め弁は装置であってよい、あるいは単にその構築のために選ばれた物質の弾性に起因する機能にすぎなくてよい。注射または他の物質投入装置または注入装置は、充填管32の自由な端部に接続されてよく、流体を備えるまたは流体を構成する診断物質または治療剤は充填管32を通って、逆止め弁32を通って、リザーバの中に導入されてよい(つまり、この実施形態では、「リザーバ」は隣接する多孔母材24だけではなく内腔22も含む)。以後、コネクタキャップ30及び充填管32は取り外してよい。逆止め弁31は、物質が内管20の突出する端部から逆流するのを妨げる。代わりに、充填管32は、装置12に接続されたままとなってよく、閉じられてよい(例えば、圧縮される、クランプで締められる、クリップで留められる、密封される、切断される、二つに折られる、結さつされる、またはそれ以外の場合、図8Aから図8Eの例に図示され、後述されるように操作される、あるいは密封されてよい)。
【0057】
外側障壁は、診断物質または治療剤が装置12aまたは12bの中から拡散する、または排出される速度を制御する。本発明のいくつかの応用例では、装置12aまたは12bは空の状態で(つまり、内腔22または多孔母材24の中に診断物質または治療剤が入れ
られずに)医師に提供されてよい。医師は、次に、装置12a、12bが体内に埋め込まれる前、または後に、装置12a、12bの中に装入される1つまたは複数の診断物質または治療剤を選択するまたは調合してよい。
【0058】
図2Cは、装置12、12a、12bの一部が副鼻腔PSの中に伸びるように、副鼻腔PSの小孔OSの中にこの埋め込み型物質送達装置12、12a、12bが埋め込まれている一般的な例を示す。装置12、12a、または12bが副鼻腔炎を治療するために副鼻腔PSの中に埋め込まれているこのような場合には、医師は自分が状態の治療に適したと見なすあらゆる薬物または他の診断物質または治療剤を、内腔22と多孔母材24に装入してよい。例えば、装置12、12a、12bは、鼻腔内の使用に承認されていた(例えば、鼻スプレーとしての局所適用のために、あるいは鼻甲介骨または鼻粘膜の中への直接的な粘膜内注射のために承認された)前記に一覧表示されたそれらの副腎皮質ステロイドの内の1つまたは複数等の副腎皮質ステロイドを装入されてよい。1つの特定の例は、プロピオン酸フルチカゾン(Flonase、グラクソスミスクライン)の水溶液である。鼻腔内または副鼻腔の応用例の場合、図2Aに示されている空の装置12bが当初送達され、副鼻腔PSの中に配置され、充填管32が副鼻洞空洞の中に、あるいは被験者の鼻孔の中から伸びてよい。次に、医師は充填管32を通して装置12bの中に所望される物質を注入してよい。内腔22と多孔母材24が所望される量の物質を装入された後、コネクタ30は切り離され、充填管32は取り外されてよい、あるいは代わりに充填管は装置12bの以後の原位置での補充を容易にするために装置12bに取り付けられたままとなることができてよい。一実施形態では、充填管は皮下物質リザーバに接続される。皮下物質リザーバはポンピング機構を備えてよく、物質の慢性的な送達に特に有効である。皮下薬物リザーバは補充可能であってよい。
【0059】
図3から図4Cは、埋め込み型物質送達装置12cと12dの追加の実施形態を示している。図2から図2cに示されている実施形態12aと12bと同様に、これらの実施形態12c、12dは、前述されたように、少なくとも多孔母材24と外側障壁26とを備える。要すれば、これらの実施形態12c、12dも内管20または多孔母材24の中に、または隣に形成される他の中空の空洞を有してよい。これらの装置12c、12dの外面は、突端34と窪み36を形成するように整形されている。装置12c、12dが被験者の体内に埋め込まれ、所望される診断物質または治療剤を注入されるとき、突端34は隣接する解剖学的組織に接触し、窪み36は隣接する解剖学的組織から離間された距離、離れたままとなる。このようにして、装置の表面対表面の接触は最小限に抑えられ、体液の正常な流れ及び/または解剖学的組織の機能が装置12c、12dの窪み36に隣接した領域で続行してよい。例えば、装置12c、12dが副鼻洞空洞、副鼻腔、エウスタキオ管、鼻涙管または繊毛のある粘膜で裏打ちされた他の通路の中に設置されている場合、突端34は粘膜組織にしっかりと当接して接触し、それにより装置12c、12dを適所に保持するが、窪み36は、その組織による粘液繊毛輸送機能または埋め込まれた装置12c、12dを越える粘液の流れを実質的に妨害しないように粘膜組織から離間された距離、離れたままとなる。
【0060】
図3及び図4の例では、埋め込み型物質送達装置12c、12dは装置12c、12dに接続される充填管38を有する。多孔母材24の中に中空の空洞または管20がない実施形態では、診断物質または治療剤は、それが多孔母材24の中に吸収され、その結果、物質は実質的には多孔母材24の中に留まるため、閉鎖または管または逆止め弁が必要とされないように管38を通って注入されてよい。しかしながら、装置12c、12dが多孔母材24の中にまたは隣に中空の空洞(例えば、図2から図2Bに図示されるような管20)を有する実施形態では、物質が管38を通って中空の空洞から逆流するのを妨げるために、逆止め弁または管38を閉じるための他の手段(例えば、管を圧縮する、クランプで締める、クリップで留める、密封する、切断する、二つに折る、結さつする、または
それ以外の場合図8Aから図8Eの例に図示され、後述されるように操作するまたは密封する等)があってよい。
【0061】
図4から図4Cは、さらにフレーム40を備える埋め込み型物質送達装置12dの実施形態を示している。このようなフレームは装置12dのすべての部分または任意の部分に構造的硬直性つまり特定の形状を与えてよい。代わりにまたは加えて、このようなフレームは足場または支持構造の機能を果たしてよい、及び/または隣接する解剖学的組織または構造に対して外向きに向けられる力をかけるために自己拡張式または圧力拡大可能であってよい。図4は、装置12dの全長に及んで伸びるフレーム40を示しているが、フレーム40が、後述される図12Dから図12Eの例においてのように、任意の装置12の1つまたは複数の特定の領域(複数の場合がある)に限定されてよいことが理解されなければならない。フレーム40は、ワイヤ、メッシュ、ポリマー等を含むが、これらに限定されない任意の適切な材料から形成されてよい。図4から図4Bに示されている特定の例では、フレーム40はワイヤ部材42から形成される自己拡張式ステントを備える。いくつかの実施形態では、ワイヤ部材42は図48Aに示されるように、外側障壁26の中、つまり内部の多孔母材24の外面上に配置されてよい。このような実施形態は、最初にフレーム40の中に多孔母材24(例えば、スポンジまたは吸収性の物質の塊)を設置し、次に図4Bに示されるように、浸漬する、噴霧適用する、フィルムのレイアップによって付ける、あるいは多孔母材24とフレーム40を封入する外側障壁26へ/からポリマーを付けることによって製造されてよい。代わりに、このような実施形態は、フレーム部材42のいくつかまたはすべてが図4Cに図示されるように多孔母材24の中に埋め込まれるように、フレーム40の回りに多孔母材24を形成する(例えば、適所で発砲する)ことによって製造されてよい。外側障壁26は、図4Cにさらに示されるように、多孔母材24の外面上に設置されるまたは形成されてよい(例えば、浸漬被覆される、上に噴霧される、フィルムのレイアップによって付けられる等)。また、装置を形成する別の方法は、モールドキャビティの中での障壁フィルムの当初の作成、及び以後のフィルムで覆われたモールドキャビティの中での発泡体の形成を含んでよい。
【0062】
一実施形態では、装置12dは、複数の実質的には交差しない隆起をその外面に備える。隆起により、隣接する解剖学的組織から装置12dの大半をある距離、離間させておく一方で、装置12dの一部だけが隣接する解剖学的組織に接触できる。隆起は、隣接する解剖学的組織の壁に沿って流体(例えば、粘液)の流れの方向に実質的に平行となるように作られる。この設計により、その組織による粘液繊毛輸送機能または装置12dを越える流体(例えば、粘液)の流れの妨害を削減できる。
【0063】
本発明の埋め込み型物質送達装置12のいくつかの実施形態は、装置12が体の自然の通路または人造の通路の中に埋め込まれた後に体液または外部から導入された流体が流れる流路の少なくとも一つの内腔を画定するように構成されてよい。この概念の例は、例が図5から図6に図示される他の流れ助長構成を有する12eと12fだけではなく、図3と図4に図示されるような突端34と窪み36を有する装置12c、12dも含む。図5及び図5Aの装置12eは、外側障壁26で覆われた多孔母材24を備え、螺旋形のストリップの形状(例えば、ネジまたはオーガーの形状)をしている。所望される診断物質または治療剤を注入され、体の内腔または通路の中に埋め込まれると、この装置12eは、流体(例えば,粘液、体液等)が流れてよい螺旋形の溝つまり流路50を形成する。図5の装置12eは、装置12eを取り外す、移動する、または操作する間に、装置12eのピンセットによる、手による、または他の計器による把持を容易にするためにオプションの把持部材52も組み込む。示されている特定の例では、把持部材52は、装置52の一端から伸びる縫合糸のより糸を備えるが、このような把持部材52が任意の適切な設計または構造であってよく、装置の全長の上に配置されてよいことが理解されなければならない。例えば、小さい糸または突起、網または他の把持可能構造が、装置が原位置で分裂ま
たは生物分解を開始した後に、装置全体または装置の部分(複数の場合がある)を移動するまたは取り外すのを容易にするために装置の外面上の多数の位置に配置されてよい。
【0064】
図6Aは、螺旋状の物質溶出フィラメントを備える本発明の埋め込み型物質送達装置12fを示す。この螺旋状の構造は、装置12fの中心を通る中空の内腔54と流体(例えば、粘液または他の体液)が流れる螺旋の個々の回旋の間に開放空間56を形成する。螺旋状フィラメントは、任意の適切な生分解性物質または非生分解性物質から形成されてよい。フィラメントを形成するために使用されてよい生分解性高分子の例は、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、polydioxanone、ポリカプロラクトン、ポリグルコネート、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸塩、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)、及びその組み合わせを含む。このフィラメントは、診断物質または治療剤またはフィラメントが体内に埋め込まれた後に、物質がフィラメントから溶出するように、診断物質または治療剤を含有する製剤を含有してよい、あるいはそれらで表面を覆われてよい。
【0065】
図6Bから図6Dは、複数の物質溶出支柱55を備え、要すればスペーシング部材53を含んでよい埋め込み型物質送達装置12mの別の実施形態を示している。装置12mが埋め込まれているとき、図6C及び図6Dの例においてのように、支柱55は隣接する解剖学的組織(例えば、副鼻腔、副鼻洞小孔、鼻腔内の道等)の壁に沿って流体(例えば粘液)の流れの方向に実質的に平行であってよい。この設計により、隣接する解剖学的組織の壁に沿った、及び支柱55の間の空間57の中の流体の輸送(例えば、粘液繊毛輸送機能)の妨害が削減できる。装置12mは、解剖学的空洞(例えば、鼻の副鼻洞空洞)の中と、解剖学的通路(例えば、気管、血管等)の中の療法に設置できる。装置12mは、支柱55がステントを越えて流体(例えば、粘液)の流れに実質的にじかに接することができるようにする形状成を有する。装置12mは、折り畳まれた形状の間に意図された埋め込みサイトに送達され、以後図に示されるように拡大形状に拡大してよい。この装置12mは自動拡大式または圧力拡大可能(例えば、折り畳まれた装置の中でのバルーンの膨張による)であってよい。支柱55の厚さは、図6Dの例に示されるように、装置12mの全長に沿って変化してよい。このような実施形態では、診断物質または治療剤は、支柱5の領域51内に入れられ、支柱55の領域51の中のさらに厚いから溶出されてよく、このような物質は以後、体液の自然の流れ(例えば、副鼻腔の中からの粘液の流れ)によって運ばれてよいまたは分散されてよい。また、このような実施形態では、支柱55のさらに薄い領域が、流体排液に対する妨害を最小限に抑えるために解剖学的組織(例えば、副鼻洞空洞の小孔)の排液開口部の近くに配置されてよい。装置12mは、管状または円筒状のハブ等のスペーシング部材53を備えてよく、このようなスペーシング部材53は解剖学的組織の開口部(例えば、図6Dに示されるような鼻の副鼻洞の小孔)の中に配置できる。スペーシング部材53は、それが開口部を通る流体の流れが危険にさらされることがないことを確実にするためにその中に配置される人造のまたは自然の解剖学的な開口部または通路の狭窄を阻止するために足場機能を実行するように構成されてよい。装置12mは生分解性または生体吸収性であってよい。
【0066】
図7から図7Bは、埋め込まれ、後で副鼻腔内に保持されるように作られる本発明の埋め込み型物質送達装置12gの例を示す。この装置12gは、図2及び図2Aに示され、前述されたように内管20、多孔母材24、及び外側障壁26を含んでよい。さらに、装置12gの実施形態は、副鼻腔の中に配置されることを目的とする副鼻洞内の部分56、副鼻洞小孔の中に配置されることを目的とする小孔内部分58、及び鼻の空洞の中に突出することを目的とする鼻腔内部分60とを有する。針貫通可能自動密封キャップ64を有する充填管62は充填管の端部の上に配置される。しかしながら、前述の説明から、この
充填管及びキャップ装置62、64の代わりに、多様な他の充填サイト/閉鎖装置または設計が使用されてよいことが理解されるであろう。装置12gの小孔内部分58はその中に形成される環状の溝を有する。図7A及び図7Bから理解できるように、この環状の溝は小孔OSの環を受け入れ、下にある骨Bと摩擦により係合するように構成され、それにより装置12gを意図された埋め込み位置に配置する、または据えつける及び/または保持するのに役立つ。当初、装置12gは、装置は、図7及び図7Aに示されるように、小孔OSを通って、副鼻腔の中に進められるほど十分に小さい直径詰まり最大断面寸法D1を有する折り畳まれた形状にある。以後、注射器及び針66が、装置12gの中に所望される診断物質または治療剤68を含有する公知の量の溶液を注入するために使用される。装置12gの中に溶液を含有する物質を装入すると、副鼻洞内の部分56が、大きすぎて小孔OSを通過できないさらに大きな直径D2まで膨れ、それにより図7Bに示されるように、副鼻洞内部分56を副鼻腔の中に保持する傾向がある。
【0067】
図8Aから図8Eは、本発明の埋め込み型物質送達装置12が、装置12に物質が装入された後に、装置12からの診断物質または治療剤の実質的な逆流を妨げるために密封または閉ざされてよい方法の複数の限定されない例を示す。
【0068】
図8Aの実施形態では、装置は長い充填管70と一方向逆止め弁72を、装置の本体にすぐ隣接する充填管の首の中に有する。装置が埋め込まれ、物質が充填管を通して装置の中に注入された後、注入管70は、それが被験者の体から突出したり、被験者の日々の活動を妨害しないように所望される長さに切断されてよい。
【0069】
図8Bは、充填管70と、充填管70の中から物質が逆流するのを妨げるために充填管70をクリップで留めるために有用であるクリップ74とを有する装置を示す。
図8Cは、充填管と、物質が充填管70の中から逆流するのを妨げるために充填管70を結さつするために使用できる1本の縫合材料または引き抜きひも等の結さつ系76を有する装置を示す。要すれば結さつ系76を受け入れ、結さつ系76の長手方向の滑りを妨げるために、環状の凹みつまり溝が充填管の中に形成されてよい。
【0070】
図8Dは、それを通って物質が装置の中に注入される、あるいはそれ以外の場合装入される注入口78と、物質が注入口78の中から逆流しないように注入口78に接着剤を塗布し、それにより注入口78を密封するために使用されてよい接着剤塗布器80とを有する装置を示す。
【0071】
図8Eは、二つに折られる充填管70と、物質が充填管70から逆流するのを妨げるために二つに折られた充填管70をクランプで締めるために使用できるクランプとを有する装置を示す。
【0072】
図9から図9Bは、本発明の埋め込み型物質送達装置12hの別の実施形態を対象にしている。この装置12hは、コンテナ本体90と蓋92とを備えるコンテナ部分を備える。コンテナ部分の内部には所望される診断物質または治療剤が装入される。蓋92は、診断物質または治療剤が、前述されたようにほぼ公知の速度で障壁92を通過できるようにする透過性障壁94を有する。付着部分98はコンテナ部分を骨及び/または軟骨に付着する。このような付着部分98は、適切なタイプの付着装置、または接着剤のような物質、羽枝(複数の場合がある)、ネジ、縫合糸または縫い目、クリップ、吸引器、ステント、解剖学的標的の壁を把持する自己拡大部分等を備えてよい。図9Aに示されるように、装置12hは、その意図された埋め込み場所に装置12hを送達するために使用できる送達カテーテル100上に付着されてよい。示されている例では、送達カテーテル100は、それが所望される埋め込み場所まで本体の中を進められるにつれて送達カテーテルの端部上に装置12hを保持するために、図示されているように装置12h上の突起96、9
8と係合する係合部材102を有する。送達カテーテル100の近端は、調節つまみ104を有するハンドピースを備える。調節つまみ104が引っ込められると、係合部材102が突起96、98を離し、それによって装置12hを解放し、図9Bに示されるように送達カテーテル100を引っ込め、取り除くことができるようにする。付着部分98がネジを備えるケースでは、装置12hが送達カテーテル100から解放される前に、送達カテーテル100は、カテーテルが隣接する軟組織または骨の中にネジをねじ込むために回転できるように編まれる、あるいはそれ以外の場合技術で周知の技法に従って構築されてよい。前述された他の実施形態においてのように、物質は、装置12hが被験者の体内に埋め込まれる前または後にこの装置12hの中に装入されてよい。
【0073】
一実施形態では、装置12hは、溶出された薬物が粘液の流れによってさらに幅広い範囲に分散されるような粘液の流れを有する解剖学的な場所に埋め込まれる。これは、それらが粘液の密度がさらに高い部位でさらに高い濃度で蓄積するため粘液溶解液のような薬剤の効き目を高める上で特に役立つ。また、それは薬物が最も効率的に分散できる特定の領域にだけ物質を送達するために制限できるため、これにより物質送達機構のサイズも縮小できる。
【0074】
図10A及び図10Bは、物質溶出フィラメント12jを備える別の埋め込み型物質送達装置を送達するためのシステム110を示す。システム110は物質溶出フィラメント12jと、カテーテル114と、推進器116と、コネクタ118とを備える。物質溶出フィラメント12jは、送達カテーテル114の内腔の中に進められる。推進器116は、物質溶出フィラメント12jの後方で送達カテーテル114の内腔の中に進められ、コネクタ118は送達カテーテル114の近端に接続される。図10Bに示されるように、送達カテーテル114は、次に送達カテーテルの末端が、物質送達装置12jが埋め込まれなければならない場所の中または近くに(例えば、副鼻腔の小孔の中または近くに)ある位置まで被験者の体の中に進められてよい。その後、推進器が末端方向で進められてよい、あるいは推進器は静止で保持され、カテーテル114が近端方向で引っ込められ、物質送達装置12jをカテーテルの末端の端部の中から、所望される埋め込みサイト(例えば副鼻腔)の中に押し込んでよい。物質溶出フィラメントは、特定の形状つまり巻かれた形状に偏向されてよい、または偏向されなくてよい。一実施形態では、物質溶出フィラメント12jは、インプラント場所の中で無作為に巻かれた形状を取る。
【0075】
本発明の埋め込み型物質送達装置12及び/または送達カテーテルまたはこのような装置12を体内に送達するために使用される送達装置は、いくつかの例では、ワイヤ上での送達、または迅速な交換送達のために構成されてよい。図11Aは本発明の迅速交換実施形態の例示的な例を示し、図11Bはワイヤ上実施形態の例示的な例を示す。図11Aに示される迅速交換実施形態では、送達カテーテル120は、埋め込み型物質送達装置12及び引き延ばした送達部材つまり推進器126が中に配置される第1の内腔を有する。第2の内腔122を有する側管124は、図示されるように送達カテーテル120の側面に位置している。したがって、ガイドワイヤGWは側部内腔122を通過してよく、それによってシステムを前もって挿入されたガイドワイヤの上で進めることを可能にする。
【0076】
図11Bは、埋め込み型物質送達装置12Iと、引き延ばした送達部材つまり推進器134が中に配置される内腔を有する送達カテーテル130を備えるワイヤ上実施形態を示す。物質送達装置121及び引き延ばした送達部材つまり推進器134は、そこを通って長手方向に伸びる内腔132と136を有する。したがって、ガイドワイヤGWは内腔132と136を通過してよく、それによってシステムを前もって挿入したガイドワイヤの上で進めることができる。したがって、どこで実現可能であろうと、本発明の物質送達装置12は、そこを通って伸びるガイドワイヤ内腔または通路を有してよい。
【0077】
図12Aから図12Eは、本発明の埋め込み型物質送達装置12を使用して実行されてよい手順の多くの考えられる例の内の1つを示す。この特定の例は、被験者または被験動物において副鼻腔炎を治療するための方法を示す。この被験者では、副鼻腔炎は少なくとも部分的には、副鼻腔に入る小孔OSの閉塞の結果として副鼻洞からの排液が弱められたためである。小孔OSは、粘膜組織により覆われる薄い骨Bからなる。図12Aに示されているように、Guidant Hi−Torque Supracore 35 Guide Wireのようなガイドワイヤは小孔OSを通って副鼻腔の中に進められる。図12Bに示されるように、ポリエチレンテレフタレートのような相対的に強力な物質から形成されているバルーン202を有する、Guidant Agiltrac.035 周辺拡張カテーテルのようなバルーンカテーテル200が次にガイドワイヤGW上を、バルーン202が小孔OSの中に配置される位置まで進められる。その後、図12Bに示されるように、バルーン202は、小孔OSを拡張し、小孔OSを取り囲む骨Bをおそらく破壊し、拡大された小孔EOSを生じさせるために膨らまされる。それ以後、図12Cに示されるように、バルーン202はしぼめられ、バルーンカテーテル200は引き抜かれ、取り除かれ、ガイドワイヤGWを適所に残す。その後、本書に説明されたタイプのどれかの送達カテーテルがガイドワイヤGWの上で、図12Dに示されるように、装置12jの一部が副鼻洞の中に伸びるように、本発明の空の埋め込み型物質送達装置12jを拡大された小孔EOSの中で送達するために進められる。この例では、埋め込み型物質送達装置12jは、充填管204と、自己拡張フレーム208を含む小孔内部分206と、副鼻洞内部部分210を有するワイヤ上タイプの装置12jである。図12Eに示されているように、その小孔内の部分が拡大された小孔EOSの中にあり、その副鼻洞部分が副鼻腔の中にあるように埋め込み型物質送達装置12jが配置された後、送達カテーテルとガイドワイヤGWは取り外され、大量の所望された診断物質または治療剤(例えば、副腎皮質ステロイド、抗炎症薬、抗菌剤、粘液変性薬剤または粘液溶解薬、または副鼻腔炎を治療するために有効な他の薬剤または物質)が充填管204を通って装置12iの中に注入される。図12Eに示されるように、これにより、装置12iの副鼻洞内部分210が、拡大された小孔EOSを通り抜けない拡大形状に膨らむ、つまり拡大する。また、小孔内部分206とフレーム208は、拡大された小孔OSとその中の任意の折れた骨BBが治癒し、拡大された直径まで再形成することができるほど十分な期間拡大された小孔EOSに外向きの放射状圧力をかける拡大形状まで拡大する。また、装置12iの中に導入された物質(複数の場合がある)も所望される速度で装置12の中から副鼻洞の中に拡散し、それにより感染、炎症及び/または副鼻腔炎の他の態様のための薬物治療を提供する。それ以後、装置12jは、生物分解する、及び/または取り外され、拡大された小孔がその後副鼻洞からの正常な排液を助長し続ける。
【0078】
物質送達装置の別の実施形態は、薬物包含チャンバの内の1つまたはすべてにマイクロポンプを追加することを取り込む。マイクロポンプは膜全体での薬物の活発な輸送を支援するであろう。
【0079】
このポンプの送達速度は、前もって、または遠隔電子回路を介してプログラミングできるであろう。圧力支援輸送を可能にするためにマイクロマシンまたはナノテクノロジーを取り込む他の方法は、物質送達装置に追加できるであろう。別の例は、リザーバ内で一定の駆動圧力を維持するために薬物が溶出されるにつれてリザーバ体積が連続して縮小する半透膜を含むであろう。この縮小は膜の弾性特性のため、あるいはリザーバ内の空間を機械的に制限し、変更するためであろう。これらの装置は補給可能であろう。
前述された実施形態は、外科開放処置、腹腔鏡外科処置または介入処置の後にスペーシング装置として使用されてよい。さらに、これらの装置は反射防止剤で表面を覆われる、あるいは毒素性ショック症候群または他の装置に関連した感染の尤度を削減するために自然に静菌性である。このような自然に静菌性の物質は、微生物分解の過程を通して加水分解を経て、過酸化水素等の静菌性の物質を放出する生分解性物質であろう。
【0080】
本発明は前記に本発明の特定の例または実施形態に関して説明されてきたが、本発明の意図された精神及び方針から逸脱することなくそれらの例及び実施形態に多様な付加、削除、改変、及び変型が加えられてよいことが理解されなければならない。例えば、1つの実施形態または例の任意の要素または属性は、そうすることにより実施形態または例がその使用目的に適さなくならない限り、別の実施形態または例に組み込まれてよい、またはともに使用されてよい。すべての妥当な付加、削除、変型、及び改変は、説明されている例と実施形態の同等と見なされ、以下の請求項の範囲内に含まれなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】物質送達インプラントを左前頭洞の中に送達するために、本発明のカテーテルをベースにした物質送達システムがその中に挿入されている状態にあるヒト頭部の概略を示す断面図。
【図2】一般的に円形の断面形状及び自動密封の充填サイトを有する本発明の埋め込み型物質送達装置の一実施形態の長手方向断面図。
【図2A】物質を充填される状態の図2の装置を示す、長手方向断面図。
【図2B】充填位置から伸張する充填管を有する本発明の埋め込み型物質速達装置の別の実施形態を示す長手方向断面図。
【図2C】本発明の埋め込み型物質送達装置が埋め込まれている副鼻腔を示す断面図。
【図3】本発明による埋め込み型物質送達装置の別の実施形態を示す斜視図(装置を取り囲む解剖学的構造に接触する別個の突起を提供する間に装置の残りの部分と取り囲む解剖学的構造の間には空間が残るような断面形状を有する)。
【図3A】図3の線3A−3Aにおける断面図。
【図4】本発明の埋め込み型物質送達装置の別の実施形態の斜視図(フレームと、多孔コアと、外側障壁層と、埋め込み型物質送達装置を取り囲む解剖学的構造の間に別個の接触領域を備えた断面形状とを有する)。
【図4A】図4の装置の端面を示す側面図。
【図4B】フレーム、多孔コア、及び外側障壁層を有する埋め込み型物質送達装置の部分断面図であり、該多孔コアは該フレームの中に置かれ、該障壁層は該フレーム上に後に付けられる。
【図4C】フレーム、多孔コア、及び外側障壁層を有する埋め込み型物質送達装置の部分断面図であり、該フレームは多孔コアと一体であり、該障壁層は該多孔コアの外面上に置かれる。
【図5】解剖学的通路内に配置される本発明のネジ形物質送達装置の斜視図。
【図5A】図5の線5A−5Aを通る断面図。
【図6A】解剖学的通路内に配置される本発明の螺旋状の物質送達装置の斜視図。
【図6B】複数の実質的に平行な物質溶出ストラット部材を備える本発明の物質送達装置の別の実施形態の斜視図。
【図6C】副鼻腔の中に埋め込まれた図6Bの装置概略を示す断面図。
【図6D】副鼻腔の中に埋め込まれた図6Bの装置の別例の概略を示す断面図。
【図7】副鼻腔の中での埋め込み及び保持のために構成される本発明の物質送達装置の側面図である。
【図7A】副鼻腔の中に配置された後であるが、治療剤または診断物質を装入される前の図7の物質送達装置を示す断面図。
【図7B】副鼻腔の中に配置された後、且つそれが治療剤または診断物質を装入された後の図7の物質送達装置を示す断面図。
【図8A】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐための弁が付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置のための充填管を示す斜視図。
【図8B】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐためのクリップが付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8C】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐための結さつ系が付いた充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8D】注入口を塞ぎ、それにより物質が注入口から逆流するのを防ぐために接着剤を塗布するための接着剤添付器が付いた注入口を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図8E】物質が充填管の中から逆流するのを防ぐために二つに重ねられ、クリップで留められる充填管を有する本発明の物質送達インプラント装置を示す斜視図。
【図9】本発明による埋め込み型物質送達装置の別の実施形態を示す長手方向断面図。
【図9A】披験者または披験動物の体内への埋め込み型物質送達装置の埋め込みに使用できる送達カテーテル装置と組み合わせて図9の埋め込み型物質送達装置を備えるシステムを示す斜視図。
【図9B】送達カテーテル装置が埋め込まれた物質送達装置から切り離された後の図9Aのシステムを示す斜視図。
【図10A】本発明による物質溶出フィラメントの送達及び埋め込みのためのシステムの分解斜視図。
【図10B】副鼻腔の中に物質溶出フィラメントを埋め込むために図10Aのシステムを使用してよい方法の例を示す概略を示す断面図。
【図11A】前もって挿入されていたガイドワイヤの上で追跡調査することによって埋め込み型物質送達装置または薬物溶出フィラメントを埋め込むために使用できる第2の内腔を有するカテーテルシステムの断面図。
【図11B】そこを通って長手方向に伸張するガイドワイヤ内腔を有する埋め込み型物質送達装置または薬物溶出フィラメントのワイヤ上での送達のために適応されるカテーテルシステムの断面図。
【図12A】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12B】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12C】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12D】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12E】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【図12F】a)副鼻腔の小孔へのアクセス及び副鼻腔の小孔の拡大、ならびにb)該拡大された小孔及び副鼻腔の中での本発明の埋め込み型物質送達装置の埋め込みのための手順を示す断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患を診断または治療するために、被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)i)該疾患を診断または治療するために治療効果のある物質を装入されてよい物質リザーバと、ii)物質が該リザーバの中から流れ出る速度を制限する障壁とを備える埋め込み型物質送達装置を提供するステップと、
B)該疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、
C)該リザーバの中に該物質を導入するステップと、
D)該物質が該被験者の体内の場所に該埋め込まれた装置によって送達されるように、該被験者の体内の場所に該装置を埋め込むステップと、
を備える方法。
【請求項2】
該装置の該リザーバが中空の空洞を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該中空の空洞が管を備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該装置の該リザーバが大量の該物質を保持する多孔材料を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該多孔材料がスポンジを備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該装置の該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料と組み合わせて中空の空洞を備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該物質が該中空の空洞の中に初期に導入され、その後該多孔材料の中に吸収または輸送されてよいように、該多孔材料が該中空の空洞に隣接して位置する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該装置が、該物質がステップCで該リザーバの中に導入される充填サイトをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
E)ステップC)で該リザーバの中に該物質が導入された後に該充填サイトを閉じるステップと、
をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該充填サイトが口を備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入されてよい管を備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
該物質が該リザーバの中に導入された後に前記管の少なくとも一部を取り除くステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該物質が該リザーバの中に導入された後に、該管をクランプで締め付ける、クリップで留める、結さつする、結ぶ、または圧縮するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該インプラントが、物質が該リザーバの中に導入された後に、該物質が該充填サイトから逆流するのを防ぐための、閉鎖装置をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項15】
該閉鎖装置が、自動密封式針出入り口を備え、ステップCがi)該自動密封式針出入り口
を通して針を挿入することと、ii)該針を通して、該リザーバの中に該物質を注入することと、iii)該針を取り除き、それによって該自動密封式針出入り口が密封できることとを備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該閉鎖装置が弁を備える請求項14に記載の方法。
【請求項17】
該弁が、流体をステップCの間に該リザーバの中に第1の方向で注入できるようにするが、その後、流体が該リザーバの中から第2の方向で流れるのを防ぐ逆止め弁を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該閉鎖装置が、該充填サイトを閉じるために該充填サイトに接着剤を塗布するための塗布器を備える請求項14に記載の方法。
【請求項19】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクリップを備える請求項14に記載の方法。
【請求項20】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクランプを備える請求項14に記載の方法。
【請求項21】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるための結さつ系を備える請求項14に記載の方法。
【請求項22】
該閉鎖装置が、針が挿入されてよく、針が取り除かれた後に該針によってそこを通って作られる道を実質的に密封する自動密封材料を備える請求項14に記載の方法。
【請求項23】
該障壁が、特定の特性を有する物質が公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるようにする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
該特定の特性が粘度または粘度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該特定の特性が分子量または分子量の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項26】
該特定の特性が電気量である請求項23に記載の方法。
【請求項27】
該特定の特性がオスモル濃度またはオスモル濃度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項28】
該特定の特性がオスモル濃度またはオスモル濃度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項29】
該特定の特性が該物質の親水性または疎水性である請求項23に記載の方法。
【請求項30】
該特定の特性が特定の化学基または原子の存在である請求項23に記載の方法。
【請求項31】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項1に記載の方法。
【請求項32】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
該物質が公知の速度で該孔を通過する物質である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
該装置が少なくとも部分的に生分解性である請求項1に記載の方法。
【請求項35】
該装置が生分解性ではない請求項1に記載の方法。
【請求項36】
該装置が取り外し自在であり、該方法が、
E)該被験者の体内から該インプラントを取り除くステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項37】
該装置がそこから伸びる把持可能な部材を有し、ステップEが該把持可能部材を把持することと、該装置の取り外しを引き起こすために該装置を引っ張ることとを備える請求項36に記載の方法。
【請求項38】
該物質が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項39】
該疾患が、鼻または副鼻腔の炎症を引き起こし、該物質が、該炎症の減少を引き起こすステロイドまたは非ステロイドの抗炎症薬を備える請求項1に記載の方法。
【請求項40】
該物質が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるステロイドのグループから選択されるステロイドを備える請求項39に記載の方法。
【請求項41】
該疾患は、少なくとも部分的に微生物感染により引き起こされ、該物質は抗菌剤を備える請求項1に記載の方法。
【請求項42】
該抗菌剤が、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロ
マイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナフシリンナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型非病原性微生物及び抗菌性金属からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項43】
ステップCがステップDの前に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項44】
ステップCがステップDの後に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項45】
ステップAで提供される該装置がさらにフレームを備え、ステップDが、該フレームが所望される形状で該インプラントを維持するように該インプラントを配置することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項46】
ステップAで提供される該インプラントが折り畳まれた形状と拡大された形状を有するフレームをさらに備え、該フレームがその折り畳まれた形状にある間に該装置が鼻または副鼻腔の中に進められ、その後該フレームがその拡大された形状に拡大される、あるいはその拡大された形状を取ることを可能にされる請求項1に記載の方法。
【請求項47】
該物質が、該フレームがその拡大された形状に拡大された、あるいはその拡大された形状を取ることを可能にされた後に該充填サイトを通って、該リザーバの中に入れられる請求項46に記載の方法。
【請求項48】
該インプラントが一般的に円形の断面形状を有する請求項1に記載の方法。
【請求項49】
該インプラントが一般的に矩形の断面形状を有する請求項1に記載の方法。
【請求項50】
該インプラントが外面を有し、埋め込まれ、物質を挿入されるときに、該インプラントの該外面が隣接する解剖学的組織に接する突端と、解剖学的組織から離れて離間されたままとなる窪みを有する請求項1に記載の方法。
【請求項51】
ステップDが、該突端が粘膜組織と接し、該窪みが粘膜組織から離れて離間されるように粘膜組織で裏打ちされる自然のまたは人造の通路の中に該装置を設置することを備える請求項50に記載の方法。
【請求項52】
該自然のまたは人造の通路が鼻腔、副鼻腔、エウスタキオ管、鼻涙管、または繊毛のある粘膜で裏打ちされた他の通路内に位置し、該窪みがその組織による粘液繊毛輸送機能を妨
げないように該隣接する繊毛のある粘膜から離れて離間されたままとなる請求項51に記載の方法。
【請求項53】
該装置が、該装置が埋め込まれ、物質を装入されるときに、該装置が少なくとも1つの流路を形成するように構成され、該装置が、粘液または他の生体液が該少なくとも1つの流路を通って排出するようにステップDに配置される請求項1に記載の方法。
【請求項54】
該疾患が副鼻腔炎または耳、鼻、咽喉または副鼻腔の別の疾患であり、ステップDが鼻、エウスタキオ管、耳及び/または副鼻腔の中に該装置を埋め込むことを備える請求項1に記載の方法。
【請求項55】
該装置が、該装置の小孔内の部分が副鼻腔の小孔の中に常駐し、該装置の副鼻洞内の部分が該副鼻腔の中に延びるように埋め込まれる請求項54に記載の方法。
【請求項56】
該小孔の少なくとも一部が少なくとも1つの凹みの中に受け入れられるように、該装置の該小孔内の部分に少なくとも1つの凹みがある請求項55に記載の方法。
【請求項57】
該装置の該副鼻洞内の部分が該小孔を通過するほど十分に小さい非拡大形状と、大きすぎて該小孔を通過できない拡大形状を有する請求項55に記載の方法。
【請求項58】
ステップCでの該リザーバの中への該物質の導入により、該インプラントの該副鼻洞部分がその非拡大形状から拡大する請求項55に記載の方法。
【請求項59】
該装置の該副鼻洞内部分が該副鼻洞の中に進められ、その後ステップCが実施され、それにより該装置の該副鼻洞内部分が原位置でその拡大形状に拡大される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
該装置の該副鼻洞内部分の該原位置での拡大により、該装置の該副鼻洞内部分が、少なくとも、該装置が該副鼻洞内で該物質を送達することが所望される期間、該副鼻洞内に保持される請求項59に記載の方法。
【請求項61】
該装置の該小孔内部分が実質的に該小孔を遮る請求項55に記載の方法。
【請求項62】
該方法が、ステップDの実行前に該小孔を拡大することをさらに備える請求項55に記載の方法。
【請求項63】
該鼻腔を通って、該副鼻腔の該小孔を通って、該副鼻腔の該内部の中にガイドワイヤを進めることと、
該副鼻腔の該小孔の中の位置に該ガイドワイヤ上で小孔拡大装置を進めることと、
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用することと、
それ以降ステップDを実行することと
を備える請求項55に記載の方法。
【請求項64】
該小孔拡大装置がバルーンを備え、前記バルーンが該小孔の拡張を引き起こすために膨らまされ、それにより該小孔の直径を大きくする請求項63に記載の方法。
【請求項65】
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用するステップが該小孔に隣接する骨の骨折を生じさせる請求項63に記載の方法。
【請求項66】
ステップDで埋め込まれた該装置が、前記小孔が拡大された後に該副鼻腔の該小孔の中に
常駐する小孔内部分を有し、前記装置の該小孔内部分が足場機能を果たし、それによりそれが、該拡大された小孔が少なくとも所望される期間実質的にさらに小さい直径に収縮するのを防ぐ請求項63に記載の方法。
【請求項67】
該所望される期間が、該拡大された小孔が、その後それが連続した足場を必要とせずその拡大された直径のままとなるように治癒できるほど十分に長い請求項64に記載の方法。
【請求項68】
該所望される期間が約7日間から約4週間である請求項67に記載の方法。
【請求項69】
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用する該ステップが、該小孔に隣接する骨の骨折を生じさせ、該所望される期間が該骨折した骨が該小孔の該拡大された直径を実質的に保持するのに十分に治癒できるほど長い請求項66に記載の方法。
【請求項70】
該所望される期間が7日間から約9週間である請求項69に記載の方法。
【請求項71】
該埋め込み型物質送達装置が、
その中にリザーバと、前記障壁を備える前記コンテナ部分の少なくとも1つを形成するコンテナ部分と、
該コンテナ部分を骨及び/または軟組織に付着させる付着部分と、
を備え、
該装置が体内の所望される埋め込みサイトに、及び隣接する骨または軟組織に対する付着された前記付着部分に該装置を送達し、その後、該カテーテルが取り除かれ、該埋め込みサイトに該装置を残すように該装置を解放するように構築される送達カテーテル装置に付着される
請求項1に記載の方法。
【請求項72】
ステップDが、
該装置がそこに付着される該カテーテルを体内に、該埋め込みサイトに進めることと、
該付着部分を、該埋め込みサイトに隣接する骨及び/または軟組織に付着するために該送達カテーテル装置を使用することと、
該送達カテーテル装置から該装置を切り離すことと、
該送達カテーテル装置を取り除き、該埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を残すことと、
を備える請求項71に記載の方法。
【請求項73】
ステップCがステップDの前に実行される請求項72に記載の方法。
【請求項74】
ステップCがステップDの後に実行される請求項72に記載の方法。
【請求項75】
該送達カテーテル装置が該リザーバの中に該物質を注入するように構成され、ステップCが、該送達カテーテル装置が該リザーバから切り離される前に、該送達カテーテル装置を通して該物質を該リザーバの中に注入することによって実施される請求項72に記載の方法。
【請求項76】
該付着部分がネジを備え、該付着部分を該埋め込みサイトに隣接する骨及び/または軟組織に付着させるために該送達カテーテル装置を使用する該ステップが、該ネジを骨及び/または軟組織の中にねじ込むように該送達カテーテル装置を回転することを備える請求項72に記載の方法。
【請求項77】
E)ステップCを繰り返すステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項78】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための装置であって、
実質的には該物質が入っていないが、後で前記物質を装入されてよいリザーバと、
該物質が該リザーバの中に装入される充填サイトと、
該リザーバに装入された物質が該リザーバから、該障壁を通って公知の速度で排出されるように該リザーバに関して位置する障壁と、
を備える前記装置。
【請求項79】
該リザーバが中空の空洞を備える請求項78に記載の装置。
【請求項80】
該中空の空洞が管を備える請求項79に記載の装置。
【請求項81】
該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料を備える請求項78に記載の装置。
【請求項82】
該多孔材料がスポンジを備える請求項81に記載の装置。
【請求項83】
該多孔材料が、
可塑性高分子発泡体と、
生分解性高分子発泡体と、
非生分解性高分子発泡体と、
多孔PLLAと、
多孔PLGAと、
多孔ヒドロゲルと、
ポリビニルアルコールと、
シリコーン発泡体と、
ポリテトラフルオロエチレンと、
拡張ポリテトラフルオロエチレンと、
ラテックスと、
ナイロン、
からなる多孔材料のグループから選択される物質である請求項81に記載の装置。
【請求項84】
該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料と組み合わされて中空の空洞を備える請求項78に記載の装置。
【請求項85】
該多孔材料が、該物質が当初該中空の空洞の中に導入され、その後該多孔材料の中に吸収または輸送されるように中空の空洞に隣接して位置する請求項81に記載の装置。
【請求項86】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入された後に閉じられるように適合される請求項78に記載の装置。
【請求項87】
該充填サイトが出入り口を供える請求項78に記載の装置。
【請求項88】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入される管を備える請求項78に記載の装置。
【請求項89】
前記管の少なくとも一部が、該物質が該リザーバの中に導入された後に取り外し可能である請求項88に記載の装置。
【請求項90】
該物質が該リザーバの中に導入された後に、該管をクランプで締め付ける、クリップで留める、結さつする、結ぶまたは圧縮するための装置をさらに備える請求項88に記載の装置。
【請求項91】
物質が該リザーバの中に導入された後に、該物質が該充填サイトから、逆流するのを防ぐために閉鎖装置をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項92】
該閉鎖装置が自動密封針出入り口を備える請求項91に記載の装置。
【請求項93】
該閉鎖装置が弁を備える請求項91に記載の装置。
【請求項94】
該弁が、流体を間に該リザーバの中に第1の方向で注入できるようにするが、その後、流体が該リザーバの中から第2の方向で流れるのを防ぐ逆止め弁を備える請求項93に記載の方法。
【請求項95】
該閉鎖装置が、該充填サイトを閉じるために該充填サイトに接着剤を塗布するための塗布器を備える請求項91に記載の装置。
【請求項96】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクリップを備える請求項91に記載の装置。
【請求項97】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクランプを備える請求項91に記載の装置。
【請求項98】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるための結さつ系を備える請求項91に記載の装置。
【請求項99】
該閉鎖装置が、針が挿入されてよく、針が取り除かれた後に該針によってそこを通って作られる道を実質的に密封する自動密封材料を備える請求項91に記載の方法。
【請求項100】
該障壁が、特定の特性を有する物質がほぼ公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるように構築される請求項78に記載の装置。
【請求項101】
該障壁が、特定の粘度または粘度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項102】
該障壁が、特定の分子量の、あるいは分子量の特定の範囲内の物質が、ほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項103】
該障壁が、特定の電気量を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項104】
該障壁が、ある特定のオスモル濃度または特定のオスモル濃度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項105】
該障壁が、ある特定のオスモル濃度または特定のオスモル濃度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項106】
該障壁が、ある特定の化学基または原子を含む物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項107】
該障壁が、特定の親水性または疎水性を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項108】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項78に記載の装置。
【請求項109】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項108に記載の装置。
【請求項110】
該物質が、公知の速度で該孔を通過する物質である請求項109に記載の装置。
【請求項111】
ほぼ公知の速度で該障壁を通過する物質を含有する薬学的に許容できる製剤と組み合わせて請求項78に記載の装置を備えるシステム。
【請求項112】
特定の物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物を、前記物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物が該障壁を通過する特定の速度に関連付けるデータ編集、アルゴリズム、または数式をさらに備える請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式が表を備える請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式がデータベースを備える請求項112に記載のシステム。
【請求項115】
該データ編集、アルゴリズム、または数式が文書形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項116】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式が電子的に読み取り可能な形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項117】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式がコンピュータディスクを備える請求項112に記載のシステム。
【請求項118】
該データ編集、アルゴリズム、または数式が、ユーザによるデータ入力を受信するように、及び特定の物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物に関連する前記データ、情報に応えて、前記物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物を該障壁を通過する特定の速度で提供するようにプログラミングされる電子計算機または他の電子デバイスの形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項119】
該ユーザが該埋め込み型物質送達装置によって送達されなければならない1つまたは複数の薬物または他の物質を特定する情報を入力し、該電子計算機または電子デバイスが、
該埋め込み型物質送達装置に装入するための該薬物または他の物質を調製する際に使用される希釈剤または溶媒と、
該薬物または他の物質により治療されてよい感染性微生物、病気、疾患及び状態に関する情報と、
薬物または物質相互作用警告と、
該選択される薬物または他の物質の考えられる副作用に関する警告と、
該選択される薬物または他の物質が、1つまたは複数の濃度で該埋め込み型物質送達装置に装入されるときに該障壁を通過する該公知の速度と、
から選択される情報を提供する請求項118に記載のシステム。
【請求項120】
該薬学的に許容できる製剤が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される少なくとも1つの物質を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項121】
該薬学的に許容できる製剤が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるグループから選択されるステロイドである少なくとも1つの物質を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項122】
該薬学的に許容できる製剤が、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド抗生物質、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に
対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型及び非病原性微生物からなるグループから選択される抗菌剤を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項123】
該充填サイトを通って、該リザーバの中に該薬学的に許容できる製剤を導入するために使用できる少なくとも1つの物質導入装置をさらに備える請求項111に記載のシステム。
【請求項124】
該物質導入装置が注射器を備える請求項123に記載のシステム。
【請求項125】
該物質導入装置が、所定量の該薬学的に許容できる製剤がいつ該物質導入装置の中に入れられるのかを示すインジケータを含む請求項123に記載のシステム。
【請求項126】
該所定量が、該リザーバを実質的に充填する量である請求項125に記載のシステム。
【請求項127】
該装置が、該物質導入装置の中に事前に装入された、測定された量の該薬学的に許容できる製剤を備える請求項111に記載のシステム。
【請求項128】
物質の該リザーバの中への繰り返される装入のための複数の物質導入装置を含む請求項123に記載のシステム。
【請求項129】
該装置が少なくとも部分的に生分解性である請求項78に記載の装置。
【請求項130】
該装置が少なくとも部分的に生分解性ではない請求項78に記載の装置。
【請求項131】
該装置の把持及び除去を容易にするために該装置から伸びる把持可能部材をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項132】
さらにフレームを備える請求項78に記載の装置。
【請求項133】
該フレームが埋め込み後に所望される形状に該装置を維持するように構築される請求項132に記載の装置。
【請求項134】
該装置がその折り畳まれた形状にある間に体内の通路を通って進められ、その後拡大される、あるいはその拡大形状を取ることを可能にされるように、該装置が折り畳まれた形状と拡大された形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項135】
該物質を該リザーバに導入すると、該装置がその折り畳まれた形状からその拡大形状に移行する請求項134に記載の装置。
【請求項136】
該装置が一般的に円形の断面形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項137】
該装置が一般的に矩形の断面形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項138】
該装置が外面を有し、埋め込まれ、物質を挿入されるときに、該インプラントの該外面が隣接する解剖学的組織に接する突端と、解剖学的組織から離れて離間されたままとなる窪みを有する請求項78に記載の装置。
【請求項139】
該装置が、該突端が粘膜組織と接触し、該窪みが粘膜組織から離れて離間され
るように、該被験者の鼻または副鼻腔の中での埋め込みを目的とする請求項138に記載の装置。
【請求項140】
該装置が繊毛のある粘膜の隣に埋め込まれなければならず、該窪みが、前記窪みの中の該装置の該外面が、その組織による粘液繊毛輸送機能を妨げないように該繊毛のある粘膜から十分に遠く離れたままとなるように構成される請求項139に記載の装置。
【請求項141】
該装置が、該装置が埋め込まれ、物質を装入されるときに、該装置が、粘液または他の生体液が排出してよい少なくとも1つの流路を形成する構成を取るように構成される請求項78に記載の装置。
【請求項142】
該装置が、副鼻腔の小孔の中に埋め込まれるように構成される小孔内部分と、該副鼻腔の中に伸びることを目的とする副鼻洞内部分とを有する請求項78に記載の装置。
【請求項143】
該小孔の少なくとも一部が前記少なくとも1つの凹みの中に受け入れられるように、該装置の該小孔内部分に少なくとも1つの凹みがある請求項142に記載の装置。
【請求項144】
該装置の該副鼻洞内の部分が該小孔を通過するほど十分に小さい非拡大形状と、大きすぎて該小孔を通過できない拡大形状を有する請求項142に記載の装置。
【請求項145】
該リザーバの中への該物質の導入により、該インプラントの該副鼻洞の部分がその非拡大形状からその拡大形状に拡大する請求項142に記載の装置。
【請求項146】
該物質が、該装置の該副鼻洞内部分が該副鼻洞の中に進められた後に該充填サイトを通って該リザーバの中に導入されてよいように配置、構成され、それにより該装置の該副鼻洞内部分が原位置でその拡大形状に拡大する請求項145に記載の装置。
【請求項147】
該装置が、その小孔内部分が副鼻腔の小孔内に、及びその副鼻洞内部分が副鼻腔内にある状態で配置されるときに、該充填サイトが、該被験者の鼻腔の中にまたは鼻孔の中から伸びる充填管を備える請求項145に記載の装置。
【請求項148】
該装置の該副鼻洞内部分が、該副鼻洞内部分がその拡大形状にあるときに、それが該小孔を通って、該副鼻洞の中から不注意に通過しないように構成される請求項145に記載の装置。
【請求項149】
該リザーバの中から及び/または該障壁を通って該物質を移動するための装置をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項150】
該物質を移動するための該装置が、浸透圧ポンプ、機械ポンプ、電気機械ポンプ、ナノテクノロジーポンピング機構及び輸送を駆動するために電流を発する電気装置からなるグループから選択される請求項149に記載の装置。
【請求項151】
被験者の体内の埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を送達するために使用できる送達カテーテル装置とさらに組み合わせた、請求項78に記載の埋め込み型物質送達装置を備えるシステム。
【請求項152】
該送達カテーテルシステムが、
内腔と末端開口部とを有し、前記埋め込み型物質送達装置がカテーテルの該内腔の中に設置されるカテーテルと、
該埋め込み型物質送達装置に近位の該カテーテルの該内腔の中に配置される部材と、
前記カテーテルと、該カテーテルの該末端開口部の中から該埋め込み型物質送達装置を排出するために他方を基準にして移動可能な前記部材の少なくとも1つと、
を備える請求項151に記載のシステム。
【請求項153】
該埋め込み型物質送達装置及び該カテーテルの該内腔の中に配置される該部材が、該システムがガイドワイヤ上で進めることができるようにそこを通って伸張するガイドワイヤ通路を有する請求項152に記載のシステム。
【請求項154】
該カテーテルがガイドワイヤがそこを通過できるような大きさで作られた第2の内腔を備え、前記第2の内腔が以前に挿入されたガイドワイヤの中で該システムを追跡できるようにするために使用できる請求項152に記載のシステム。
【請求項155】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するためのシステムであって、
a)その中にリザーバを形成するコンテナ部分であって、該物質が該リザーバから排出される障壁を備える少なくとも一つの壁を有するコンテナ部分と、b)該コンテナ部分を骨及び/または軟組織に付着させる付着部分とを備える埋め込み型物質送達装置と、
i)該被験者の体内の所望される埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を送達する、ii)前記付着部分を隣接する骨または軟組織に付着する、及びiii)カテーテルが取り除かれ、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれたままとなるように該埋め込み型物質送達装置をその後解放するように構築される送達カテーテルと、
を備えるシステム。
【請求項156】
該物質が、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれる前に該リザーバの中に装入される請求項155に記載のシステム。
【請求項157】
該物質が、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれた後に該リザーバの中に装入される請求項156に記載のシステム。
【請求項158】
該送達カテーテル装置が、該送達カテーテル装置が該埋め込み型物質送達装置から切り離される前に該リザーバの中に該物質を注入するように構成される請求項157に記載のシステム。
【請求項159】
該付着部分がネジを備え、該送達カテーテル装置が、骨及び/または軟組織の中にネジをねじ込むために回転可能である請求項155に記載のシステム。
【請求項160】
特定の特性を有する物質が、ほぼ公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるように該障壁が構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項161】
該障壁が、特定の粘度または粘度の範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項162】
該障壁が、特定の分子量または特定の範囲の分子量の物質が、ほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項163】
該障壁が、特定の電気量を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項164】
該障壁が、特定のオスモル濃度または特定の範囲のオスモル濃度の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項165】
該障壁が、特定のオスモル濃度または特定の範囲のオスモル濃度の物質がほぼ該公知の速
度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項166】
該障壁が、特定の化学基または原子を含む物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項167】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項156に記載のシステム。
【請求項168】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項167に記載のシステム。
【請求項169】
ほぼ前記公知の速度で該障壁を通過する物質を含有する薬学的に許容できる製剤をさらに備える請求項156に記載のシステム。
【請求項170】
該薬学的に許容できる製剤が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される少なくとも1つの物質を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項171】
該薬学的に許容できる製剤が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるグループから選択されるステロイドである少なくとも1つの物質を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項172】
該薬学的に許容できる製剤が、アシクロビル、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、
セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型及び非病原性微生物からなるグループから選択される抗菌剤を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項173】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)該体内の該場所に接近するために少なくとも1つの接近装置を使用するステップと、
B)ステップAで挿入された少なくとも1つの接近装置上で埋め込み型物質送達装置を、該埋め込み型物質送達装置が該体内の場所に配置されるように挿入し、前記埋め込み型物質送達装置が後に診断物質または治療剤を装入されてよい物質リザーバを備えるステップと、
C)ステップBの実行後に該リザーバの中に診断物質または治療剤を導入するステップと、
を備える方法。
【請求項174】
ステップAで使用された少なくとも1つの接近装置が、ガイドワイヤ、可動ガイドワイヤ、カテーテル、可動カテーテル、ガイドカテーテル、可動ガイドカテーテル、出入り口、導入器、及びシースからなるグループから選択される請求項173に記載の方法。
【請求項175】
該体内の中の開口部または通路を拡大するステップをさらに備える請求項173に記載の方法。
【請求項176】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)該体内の該場所に接近するための接近装置を提供するステップと、
B)該体内の該場所に該接近装置上で埋め込み型物質送達装置を装入し、該埋め込み型物質送達装置がi)該疾患を診断または治療するために治療効果がある物質を後に装入されてよい物質リザーバと、ii)物質が該リザーバから流れ出す速度を制限する障壁とを備えるステップと、
C)該疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、その後
D)ステップBで挿入された装置のリザーバの中に多量の物質を導入するステップと、を備える方法。
【請求項177】
該接近装置が、ガイドワイヤ、可動ガイドワイヤ、カテーテル、可動カテーテル、ガイドカテーテル、可動ガイドカテーテル、出入り口、導入器、及びシースからなるグループから選択される請求項176に記載の方法。
【請求項178】
該体内の該場所の開口部を拡大するステップをさらに備える請求項176に記載の方法。
【請求項179】
通路の開通性を維持するために、該通路の該壁の上の少なくともいくつかの場所に隣接して流体が流れることを可能にする一方で人造のまたは自然の解剖学的通路の中での埋め込みのために設計された装置であって、
該装置の本体が該通路内の実質的に静止した位置に保持され、流体が該通路の該壁に隣接して、及び該接触部材間の領域内で該装置を越えて流れ続けてよいように、該通路の該壁と摩擦係合して配置できる少なくとも2つの離間された接触部材を備える本体と、
を備える装置。
【請求項180】
前記装置が少なくとも1つの診断物質または治療剤を溶出する請求項179に記載の装置。
【請求項181】
該装置が、該通路に埋め込まれたときに、該通路を通る流体の流れが体内の別の場所に該装置から溶出される該物質を分散するように設計される請求項180に記載の装置。
【請求項182】
ステップDが、該被験者体内にガイドワイヤを配置し、後に該ガイドワイヤ上で該埋め込み型物質送達装置を進めることを備える請求項1に記載の方法。
【請求項183】
該ガイドワイヤが鼻孔を通って鼻、鼻腔、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管、または鼻涙管の中の場所に挿入され、該埋め込み型物質送達装置がそのガイドワイヤ上で前記場所に進められる請求項182に記載の方法。
【請求項184】
該埋め込み型物質送達装置が初期に送達カテーテルの上または中に置かれ、その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該送達カテーテルが該ガイドワイヤ上で進められ、該埋め込み型物質送達装置が次に該送達カテーテルから分離される請求項182に記載の方法。
【請求項185】
該埋め込み型物質送達装置が初期にカテーテルの上または中に置かれ、ステップDが、その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該カテーテルを被験者体内の場所に進め、その後該カテーテルから該埋め込み型物質送達装置を分離することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項186】
その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該カテーテルが鼻孔を通して鼻、鼻腔、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管、または鼻涙管の中の場所に挿入され、該埋め込み型物質送達装置が次に該カテーテルから分離される請求項185に記載の方法。
【請求項1】
疾患を診断または治療するために、被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)i)該疾患を診断または治療するために治療効果のある物質を装入されてよい物質リザーバと、ii)物質が該リザーバの中から流れ出る速度を制限する障壁とを備える埋め込み型物質送達装置を提供するステップと、
B)該疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、
C)該リザーバの中に該物質を導入するステップと、
D)該物質が該被験者の体内の場所に該埋め込まれた装置によって送達されるように、該被験者の体内の場所に該装置を埋め込むステップと、
を備える方法。
【請求項2】
該装置の該リザーバが中空の空洞を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該中空の空洞が管を備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該装置の該リザーバが大量の該物質を保持する多孔材料を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該多孔材料がスポンジを備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該装置の該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料と組み合わせて中空の空洞を備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該物質が該中空の空洞の中に初期に導入され、その後該多孔材料の中に吸収または輸送されてよいように、該多孔材料が該中空の空洞に隣接して位置する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該装置が、該物質がステップCで該リザーバの中に導入される充填サイトをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
E)ステップC)で該リザーバの中に該物質が導入された後に該充填サイトを閉じるステップと、
をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該充填サイトが口を備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入されてよい管を備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
該物質が該リザーバの中に導入された後に前記管の少なくとも一部を取り除くステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該物質が該リザーバの中に導入された後に、該管をクランプで締め付ける、クリップで留める、結さつする、結ぶ、または圧縮するステップをさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該インプラントが、物質が該リザーバの中に導入された後に、該物質が該充填サイトから逆流するのを防ぐための、閉鎖装置をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項15】
該閉鎖装置が、自動密封式針出入り口を備え、ステップCがi)該自動密封式針出入り口
を通して針を挿入することと、ii)該針を通して、該リザーバの中に該物質を注入することと、iii)該針を取り除き、それによって該自動密封式針出入り口が密封できることとを備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該閉鎖装置が弁を備える請求項14に記載の方法。
【請求項17】
該弁が、流体をステップCの間に該リザーバの中に第1の方向で注入できるようにするが、その後、流体が該リザーバの中から第2の方向で流れるのを防ぐ逆止め弁を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該閉鎖装置が、該充填サイトを閉じるために該充填サイトに接着剤を塗布するための塗布器を備える請求項14に記載の方法。
【請求項19】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクリップを備える請求項14に記載の方法。
【請求項20】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクランプを備える請求項14に記載の方法。
【請求項21】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるための結さつ系を備える請求項14に記載の方法。
【請求項22】
該閉鎖装置が、針が挿入されてよく、針が取り除かれた後に該針によってそこを通って作られる道を実質的に密封する自動密封材料を備える請求項14に記載の方法。
【請求項23】
該障壁が、特定の特性を有する物質が公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるようにする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
該特定の特性が粘度または粘度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該特定の特性が分子量または分子量の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項26】
該特定の特性が電気量である請求項23に記載の方法。
【請求項27】
該特定の特性がオスモル濃度またはオスモル濃度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項28】
該特定の特性がオスモル濃度またはオスモル濃度の範囲である請求項23に記載の方法。
【請求項29】
該特定の特性が該物質の親水性または疎水性である請求項23に記載の方法。
【請求項30】
該特定の特性が特定の化学基または原子の存在である請求項23に記載の方法。
【請求項31】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項1に記載の方法。
【請求項32】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
該物質が公知の速度で該孔を通過する物質である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
該装置が少なくとも部分的に生分解性である請求項1に記載の方法。
【請求項35】
該装置が生分解性ではない請求項1に記載の方法。
【請求項36】
該装置が取り外し自在であり、該方法が、
E)該被験者の体内から該インプラントを取り除くステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項37】
該装置がそこから伸びる把持可能な部材を有し、ステップEが該把持可能部材を把持することと、該装置の取り外しを引き起こすために該装置を引っ張ることとを備える請求項36に記載の方法。
【請求項38】
該物質が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項39】
該疾患が、鼻または副鼻腔の炎症を引き起こし、該物質が、該炎症の減少を引き起こすステロイドまたは非ステロイドの抗炎症薬を備える請求項1に記載の方法。
【請求項40】
該物質が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるステロイドのグループから選択されるステロイドを備える請求項39に記載の方法。
【請求項41】
該疾患は、少なくとも部分的に微生物感染により引き起こされ、該物質は抗菌剤を備える請求項1に記載の方法。
【請求項42】
該抗菌剤が、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロ
マイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナフシリンナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型非病原性微生物及び抗菌性金属からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項43】
ステップCがステップDの前に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項44】
ステップCがステップDの後に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項45】
ステップAで提供される該装置がさらにフレームを備え、ステップDが、該フレームが所望される形状で該インプラントを維持するように該インプラントを配置することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項46】
ステップAで提供される該インプラントが折り畳まれた形状と拡大された形状を有するフレームをさらに備え、該フレームがその折り畳まれた形状にある間に該装置が鼻または副鼻腔の中に進められ、その後該フレームがその拡大された形状に拡大される、あるいはその拡大された形状を取ることを可能にされる請求項1に記載の方法。
【請求項47】
該物質が、該フレームがその拡大された形状に拡大された、あるいはその拡大された形状を取ることを可能にされた後に該充填サイトを通って、該リザーバの中に入れられる請求項46に記載の方法。
【請求項48】
該インプラントが一般的に円形の断面形状を有する請求項1に記載の方法。
【請求項49】
該インプラントが一般的に矩形の断面形状を有する請求項1に記載の方法。
【請求項50】
該インプラントが外面を有し、埋め込まれ、物質を挿入されるときに、該インプラントの該外面が隣接する解剖学的組織に接する突端と、解剖学的組織から離れて離間されたままとなる窪みを有する請求項1に記載の方法。
【請求項51】
ステップDが、該突端が粘膜組織と接し、該窪みが粘膜組織から離れて離間されるように粘膜組織で裏打ちされる自然のまたは人造の通路の中に該装置を設置することを備える請求項50に記載の方法。
【請求項52】
該自然のまたは人造の通路が鼻腔、副鼻腔、エウスタキオ管、鼻涙管、または繊毛のある粘膜で裏打ちされた他の通路内に位置し、該窪みがその組織による粘液繊毛輸送機能を妨
げないように該隣接する繊毛のある粘膜から離れて離間されたままとなる請求項51に記載の方法。
【請求項53】
該装置が、該装置が埋め込まれ、物質を装入されるときに、該装置が少なくとも1つの流路を形成するように構成され、該装置が、粘液または他の生体液が該少なくとも1つの流路を通って排出するようにステップDに配置される請求項1に記載の方法。
【請求項54】
該疾患が副鼻腔炎または耳、鼻、咽喉または副鼻腔の別の疾患であり、ステップDが鼻、エウスタキオ管、耳及び/または副鼻腔の中に該装置を埋め込むことを備える請求項1に記載の方法。
【請求項55】
該装置が、該装置の小孔内の部分が副鼻腔の小孔の中に常駐し、該装置の副鼻洞内の部分が該副鼻腔の中に延びるように埋め込まれる請求項54に記載の方法。
【請求項56】
該小孔の少なくとも一部が少なくとも1つの凹みの中に受け入れられるように、該装置の該小孔内の部分に少なくとも1つの凹みがある請求項55に記載の方法。
【請求項57】
該装置の該副鼻洞内の部分が該小孔を通過するほど十分に小さい非拡大形状と、大きすぎて該小孔を通過できない拡大形状を有する請求項55に記載の方法。
【請求項58】
ステップCでの該リザーバの中への該物質の導入により、該インプラントの該副鼻洞部分がその非拡大形状から拡大する請求項55に記載の方法。
【請求項59】
該装置の該副鼻洞内部分が該副鼻洞の中に進められ、その後ステップCが実施され、それにより該装置の該副鼻洞内部分が原位置でその拡大形状に拡大される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
該装置の該副鼻洞内部分の該原位置での拡大により、該装置の該副鼻洞内部分が、少なくとも、該装置が該副鼻洞内で該物質を送達することが所望される期間、該副鼻洞内に保持される請求項59に記載の方法。
【請求項61】
該装置の該小孔内部分が実質的に該小孔を遮る請求項55に記載の方法。
【請求項62】
該方法が、ステップDの実行前に該小孔を拡大することをさらに備える請求項55に記載の方法。
【請求項63】
該鼻腔を通って、該副鼻腔の該小孔を通って、該副鼻腔の該内部の中にガイドワイヤを進めることと、
該副鼻腔の該小孔の中の位置に該ガイドワイヤ上で小孔拡大装置を進めることと、
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用することと、
それ以降ステップDを実行することと
を備える請求項55に記載の方法。
【請求項64】
該小孔拡大装置がバルーンを備え、前記バルーンが該小孔の拡張を引き起こすために膨らまされ、それにより該小孔の直径を大きくする請求項63に記載の方法。
【請求項65】
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用するステップが該小孔に隣接する骨の骨折を生じさせる請求項63に記載の方法。
【請求項66】
ステップDで埋め込まれた該装置が、前記小孔が拡大された後に該副鼻腔の該小孔の中に
常駐する小孔内部分を有し、前記装置の該小孔内部分が足場機能を果たし、それによりそれが、該拡大された小孔が少なくとも所望される期間実質的にさらに小さい直径に収縮するのを防ぐ請求項63に記載の方法。
【請求項67】
該所望される期間が、該拡大された小孔が、その後それが連続した足場を必要とせずその拡大された直径のままとなるように治癒できるほど十分に長い請求項64に記載の方法。
【請求項68】
該所望される期間が約7日間から約4週間である請求項67に記載の方法。
【請求項69】
該副鼻腔の該小孔を拡大するために該小孔拡大装置を使用する該ステップが、該小孔に隣接する骨の骨折を生じさせ、該所望される期間が該骨折した骨が該小孔の該拡大された直径を実質的に保持するのに十分に治癒できるほど長い請求項66に記載の方法。
【請求項70】
該所望される期間が7日間から約9週間である請求項69に記載の方法。
【請求項71】
該埋め込み型物質送達装置が、
その中にリザーバと、前記障壁を備える前記コンテナ部分の少なくとも1つを形成するコンテナ部分と、
該コンテナ部分を骨及び/または軟組織に付着させる付着部分と、
を備え、
該装置が体内の所望される埋め込みサイトに、及び隣接する骨または軟組織に対する付着された前記付着部分に該装置を送達し、その後、該カテーテルが取り除かれ、該埋め込みサイトに該装置を残すように該装置を解放するように構築される送達カテーテル装置に付着される
請求項1に記載の方法。
【請求項72】
ステップDが、
該装置がそこに付着される該カテーテルを体内に、該埋め込みサイトに進めることと、
該付着部分を、該埋め込みサイトに隣接する骨及び/または軟組織に付着するために該送達カテーテル装置を使用することと、
該送達カテーテル装置から該装置を切り離すことと、
該送達カテーテル装置を取り除き、該埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を残すことと、
を備える請求項71に記載の方法。
【請求項73】
ステップCがステップDの前に実行される請求項72に記載の方法。
【請求項74】
ステップCがステップDの後に実行される請求項72に記載の方法。
【請求項75】
該送達カテーテル装置が該リザーバの中に該物質を注入するように構成され、ステップCが、該送達カテーテル装置が該リザーバから切り離される前に、該送達カテーテル装置を通して該物質を該リザーバの中に注入することによって実施される請求項72に記載の方法。
【請求項76】
該付着部分がネジを備え、該付着部分を該埋め込みサイトに隣接する骨及び/または軟組織に付着させるために該送達カテーテル装置を使用する該ステップが、該ネジを骨及び/または軟組織の中にねじ込むように該送達カテーテル装置を回転することを備える請求項72に記載の方法。
【請求項77】
E)ステップCを繰り返すステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項78】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための装置であって、
実質的には該物質が入っていないが、後で前記物質を装入されてよいリザーバと、
該物質が該リザーバの中に装入される充填サイトと、
該リザーバに装入された物質が該リザーバから、該障壁を通って公知の速度で排出されるように該リザーバに関して位置する障壁と、
を備える前記装置。
【請求項79】
該リザーバが中空の空洞を備える請求項78に記載の装置。
【請求項80】
該中空の空洞が管を備える請求項79に記載の装置。
【請求項81】
該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料を備える請求項78に記載の装置。
【請求項82】
該多孔材料がスポンジを備える請求項81に記載の装置。
【請求項83】
該多孔材料が、
可塑性高分子発泡体と、
生分解性高分子発泡体と、
非生分解性高分子発泡体と、
多孔PLLAと、
多孔PLGAと、
多孔ヒドロゲルと、
ポリビニルアルコールと、
シリコーン発泡体と、
ポリテトラフルオロエチレンと、
拡張ポリテトラフルオロエチレンと、
ラテックスと、
ナイロン、
からなる多孔材料のグループから選択される物質である請求項81に記載の装置。
【請求項84】
該リザーバが、大量の該物質を保持する多孔材料と組み合わされて中空の空洞を備える請求項78に記載の装置。
【請求項85】
該多孔材料が、該物質が当初該中空の空洞の中に導入され、その後該多孔材料の中に吸収または輸送されるように中空の空洞に隣接して位置する請求項81に記載の装置。
【請求項86】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入された後に閉じられるように適合される請求項78に記載の装置。
【請求項87】
該充填サイトが出入り口を供える請求項78に記載の装置。
【請求項88】
該充填サイトが、該物質が該リザーバの中に導入される管を備える請求項78に記載の装置。
【請求項89】
前記管の少なくとも一部が、該物質が該リザーバの中に導入された後に取り外し可能である請求項88に記載の装置。
【請求項90】
該物質が該リザーバの中に導入された後に、該管をクランプで締め付ける、クリップで留める、結さつする、結ぶまたは圧縮するための装置をさらに備える請求項88に記載の装置。
【請求項91】
物質が該リザーバの中に導入された後に、該物質が該充填サイトから、逆流するのを防ぐために閉鎖装置をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項92】
該閉鎖装置が自動密封針出入り口を備える請求項91に記載の装置。
【請求項93】
該閉鎖装置が弁を備える請求項91に記載の装置。
【請求項94】
該弁が、流体を間に該リザーバの中に第1の方向で注入できるようにするが、その後、流体が該リザーバの中から第2の方向で流れるのを防ぐ逆止め弁を備える請求項93に記載の方法。
【請求項95】
該閉鎖装置が、該充填サイトを閉じるために該充填サイトに接着剤を塗布するための塗布器を備える請求項91に記載の装置。
【請求項96】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクリップを備える請求項91に記載の装置。
【請求項97】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるためのクランプを備える請求項91に記載の装置。
【請求項98】
該閉鎖装置が該充填サイトを閉じるための結さつ系を備える請求項91に記載の装置。
【請求項99】
該閉鎖装置が、針が挿入されてよく、針が取り除かれた後に該針によってそこを通って作られる道を実質的に密封する自動密封材料を備える請求項91に記載の方法。
【請求項100】
該障壁が、特定の特性を有する物質がほぼ公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるように構築される請求項78に記載の装置。
【請求項101】
該障壁が、特定の粘度または粘度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項102】
該障壁が、特定の分子量の、あるいは分子量の特定の範囲内の物質が、ほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項103】
該障壁が、特定の電気量を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項104】
該障壁が、ある特定のオスモル濃度または特定のオスモル濃度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項105】
該障壁が、ある特定のオスモル濃度または特定のオスモル濃度範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項106】
該障壁が、ある特定の化学基または原子を含む物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項107】
該障壁が、特定の親水性または疎水性を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項100に記載の装置。
【請求項108】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項78に記載の装置。
【請求項109】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項108に記載の装置。
【請求項110】
該物質が、公知の速度で該孔を通過する物質である請求項109に記載の装置。
【請求項111】
ほぼ公知の速度で該障壁を通過する物質を含有する薬学的に許容できる製剤と組み合わせて請求項78に記載の装置を備えるシステム。
【請求項112】
特定の物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物を、前記物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物が該障壁を通過する特定の速度に関連付けるデータ編集、アルゴリズム、または数式をさらに備える請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式が表を備える請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式がデータベースを備える請求項112に記載のシステム。
【請求項115】
該データ編集、アルゴリズム、または数式が文書形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項116】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式が電子的に読み取り可能な形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項117】
該データ編集、アルゴリズムまたは数式がコンピュータディスクを備える請求項112に記載のシステム。
【請求項118】
該データ編集、アルゴリズム、または数式が、ユーザによるデータ入力を受信するように、及び特定の物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物に関連する前記データ、情報に応えて、前記物質、溶液、懸濁液、またはその多様な希釈物を該障壁を通過する特定の速度で提供するようにプログラミングされる電子計算機または他の電子デバイスの形式で提供される請求項112に記載のシステム。
【請求項119】
該ユーザが該埋め込み型物質送達装置によって送達されなければならない1つまたは複数の薬物または他の物質を特定する情報を入力し、該電子計算機または電子デバイスが、
該埋め込み型物質送達装置に装入するための該薬物または他の物質を調製する際に使用される希釈剤または溶媒と、
該薬物または他の物質により治療されてよい感染性微生物、病気、疾患及び状態に関する情報と、
薬物または物質相互作用警告と、
該選択される薬物または他の物質の考えられる副作用に関する警告と、
該選択される薬物または他の物質が、1つまたは複数の濃度で該埋め込み型物質送達装置に装入されるときに該障壁を通過する該公知の速度と、
から選択される情報を提供する請求項118に記載のシステム。
【請求項120】
該薬学的に許容できる製剤が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される少なくとも1つの物質を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項121】
該薬学的に許容できる製剤が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるグループから選択されるステロイドである少なくとも1つの物質を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項122】
該薬学的に許容できる製剤が、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド抗生物質、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に
対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型及び非病原性微生物からなるグループから選択される抗菌剤を含有する請求項111に記載のシステム。
【請求項123】
該充填サイトを通って、該リザーバの中に該薬学的に許容できる製剤を導入するために使用できる少なくとも1つの物質導入装置をさらに備える請求項111に記載のシステム。
【請求項124】
該物質導入装置が注射器を備える請求項123に記載のシステム。
【請求項125】
該物質導入装置が、所定量の該薬学的に許容できる製剤がいつ該物質導入装置の中に入れられるのかを示すインジケータを含む請求項123に記載のシステム。
【請求項126】
該所定量が、該リザーバを実質的に充填する量である請求項125に記載のシステム。
【請求項127】
該装置が、該物質導入装置の中に事前に装入された、測定された量の該薬学的に許容できる製剤を備える請求項111に記載のシステム。
【請求項128】
物質の該リザーバの中への繰り返される装入のための複数の物質導入装置を含む請求項123に記載のシステム。
【請求項129】
該装置が少なくとも部分的に生分解性である請求項78に記載の装置。
【請求項130】
該装置が少なくとも部分的に生分解性ではない請求項78に記載の装置。
【請求項131】
該装置の把持及び除去を容易にするために該装置から伸びる把持可能部材をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項132】
さらにフレームを備える請求項78に記載の装置。
【請求項133】
該フレームが埋め込み後に所望される形状に該装置を維持するように構築される請求項132に記載の装置。
【請求項134】
該装置がその折り畳まれた形状にある間に体内の通路を通って進められ、その後拡大される、あるいはその拡大形状を取ることを可能にされるように、該装置が折り畳まれた形状と拡大された形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項135】
該物質を該リザーバに導入すると、該装置がその折り畳まれた形状からその拡大形状に移行する請求項134に記載の装置。
【請求項136】
該装置が一般的に円形の断面形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項137】
該装置が一般的に矩形の断面形状を有する請求項78に記載の装置。
【請求項138】
該装置が外面を有し、埋め込まれ、物質を挿入されるときに、該インプラントの該外面が隣接する解剖学的組織に接する突端と、解剖学的組織から離れて離間されたままとなる窪みを有する請求項78に記載の装置。
【請求項139】
該装置が、該突端が粘膜組織と接触し、該窪みが粘膜組織から離れて離間され
るように、該被験者の鼻または副鼻腔の中での埋め込みを目的とする請求項138に記載の装置。
【請求項140】
該装置が繊毛のある粘膜の隣に埋め込まれなければならず、該窪みが、前記窪みの中の該装置の該外面が、その組織による粘液繊毛輸送機能を妨げないように該繊毛のある粘膜から十分に遠く離れたままとなるように構成される請求項139に記載の装置。
【請求項141】
該装置が、該装置が埋め込まれ、物質を装入されるときに、該装置が、粘液または他の生体液が排出してよい少なくとも1つの流路を形成する構成を取るように構成される請求項78に記載の装置。
【請求項142】
該装置が、副鼻腔の小孔の中に埋め込まれるように構成される小孔内部分と、該副鼻腔の中に伸びることを目的とする副鼻洞内部分とを有する請求項78に記載の装置。
【請求項143】
該小孔の少なくとも一部が前記少なくとも1つの凹みの中に受け入れられるように、該装置の該小孔内部分に少なくとも1つの凹みがある請求項142に記載の装置。
【請求項144】
該装置の該副鼻洞内の部分が該小孔を通過するほど十分に小さい非拡大形状と、大きすぎて該小孔を通過できない拡大形状を有する請求項142に記載の装置。
【請求項145】
該リザーバの中への該物質の導入により、該インプラントの該副鼻洞の部分がその非拡大形状からその拡大形状に拡大する請求項142に記載の装置。
【請求項146】
該物質が、該装置の該副鼻洞内部分が該副鼻洞の中に進められた後に該充填サイトを通って該リザーバの中に導入されてよいように配置、構成され、それにより該装置の該副鼻洞内部分が原位置でその拡大形状に拡大する請求項145に記載の装置。
【請求項147】
該装置が、その小孔内部分が副鼻腔の小孔内に、及びその副鼻洞内部分が副鼻腔内にある状態で配置されるときに、該充填サイトが、該被験者の鼻腔の中にまたは鼻孔の中から伸びる充填管を備える請求項145に記載の装置。
【請求項148】
該装置の該副鼻洞内部分が、該副鼻洞内部分がその拡大形状にあるときに、それが該小孔を通って、該副鼻洞の中から不注意に通過しないように構成される請求項145に記載の装置。
【請求項149】
該リザーバの中から及び/または該障壁を通って該物質を移動するための装置をさらに備える請求項78に記載の装置。
【請求項150】
該物質を移動するための該装置が、浸透圧ポンプ、機械ポンプ、電気機械ポンプ、ナノテクノロジーポンピング機構及び輸送を駆動するために電流を発する電気装置からなるグループから選択される請求項149に記載の装置。
【請求項151】
被験者の体内の埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を送達するために使用できる送達カテーテル装置とさらに組み合わせた、請求項78に記載の埋め込み型物質送達装置を備えるシステム。
【請求項152】
該送達カテーテルシステムが、
内腔と末端開口部とを有し、前記埋め込み型物質送達装置がカテーテルの該内腔の中に設置されるカテーテルと、
該埋め込み型物質送達装置に近位の該カテーテルの該内腔の中に配置される部材と、
前記カテーテルと、該カテーテルの該末端開口部の中から該埋め込み型物質送達装置を排出するために他方を基準にして移動可能な前記部材の少なくとも1つと、
を備える請求項151に記載のシステム。
【請求項153】
該埋め込み型物質送達装置及び該カテーテルの該内腔の中に配置される該部材が、該システムがガイドワイヤ上で進めることができるようにそこを通って伸張するガイドワイヤ通路を有する請求項152に記載のシステム。
【請求項154】
該カテーテルがガイドワイヤがそこを通過できるような大きさで作られた第2の内腔を備え、前記第2の内腔が以前に挿入されたガイドワイヤの中で該システムを追跡できるようにするために使用できる請求項152に記載のシステム。
【請求項155】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するためのシステムであって、
a)その中にリザーバを形成するコンテナ部分であって、該物質が該リザーバから排出される障壁を備える少なくとも一つの壁を有するコンテナ部分と、b)該コンテナ部分を骨及び/または軟組織に付着させる付着部分とを備える埋め込み型物質送達装置と、
i)該被験者の体内の所望される埋め込みサイトに該埋め込み型物質送達装置を送達する、ii)前記付着部分を隣接する骨または軟組織に付着する、及びiii)カテーテルが取り除かれ、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれたままとなるように該埋め込み型物質送達装置をその後解放するように構築される送達カテーテルと、
を備えるシステム。
【請求項156】
該物質が、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれる前に該リザーバの中に装入される請求項155に記載のシステム。
【請求項157】
該物質が、該埋め込み型物質送達装置が該被験者の体内に埋め込まれた後に該リザーバの中に装入される請求項156に記載のシステム。
【請求項158】
該送達カテーテル装置が、該送達カテーテル装置が該埋め込み型物質送達装置から切り離される前に該リザーバの中に該物質を注入するように構成される請求項157に記載のシステム。
【請求項159】
該付着部分がネジを備え、該送達カテーテル装置が、骨及び/または軟組織の中にネジをねじ込むために回転可能である請求項155に記載のシステム。
【請求項160】
特定の特性を有する物質が、ほぼ公知の速度で該障壁を通って該リザーバから排出できるように該障壁が構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項161】
該障壁が、特定の粘度または粘度の範囲の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項162】
該障壁が、特定の分子量または特定の範囲の分子量の物質が、ほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項163】
該障壁が、特定の電気量を有する物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項164】
該障壁が、特定のオスモル濃度または特定の範囲のオスモル濃度の物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項165】
該障壁が、特定のオスモル濃度または特定の範囲のオスモル濃度の物質がほぼ該公知の速
度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項166】
該障壁が、特定の化学基または原子を含む物質がほぼ該公知の速度で該障壁を通過できるように構築される請求項156に記載のシステム。
【請求項167】
該障壁が半透性の障壁を備える請求項156に記載のシステム。
【請求項168】
該半透性の障壁が公知のサイズの孔を有する請求項167に記載のシステム。
【請求項169】
ほぼ前記公知の速度で該障壁を通過する物質を含有する薬学的に許容できる製剤をさらに備える請求項156に記載のシステム。
【請求項170】
該薬学的に許容できる製剤が、
画像形成可能な造影剤と、
診断インジケータ剤と、
抗生物質と、
抗真菌剤と、
駆虫薬と、
抗菌剤と、
ステロイドと、
血管収縮薬と、
ロイコトリエン抑制剤と、
IgE抑制剤と、
抗炎症薬と、
肥満細胞安定化薬と、
抗ヒスタミン剤と、
免疫賦活剤と、
SYKキナーゼ抑制剤と、
化学療法薬と、
抗腫瘍薬と、
粘液溶解薬と、
粘液の粘度を薄めるまたはそれ以外の場合変更する薬剤と、
軟組織及び/または骨及び/または軟骨の再形成を容易にする物質と、
からなるグループから選択される少なくとも1つの物質を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項171】
該薬学的に許容できる製剤が、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン、アフロメタゾン、デソニド、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、クロコルトロン、デソキシメタゾン、フルオシノロン、フルランドレノリド、モメタゾン、プレドニカルベート、アムシノニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノロン、フルオシノニド、ハルシノニド、クロベタゾール、拡張ベタメタゾン、ジフロラゾン、ハロベタソール、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びメチルフレドニゾロンからなるグループから選択されるステロイドである少なくとも1つの物質を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項172】
該薬学的に許容できる製剤が、アシクロビル、アシクロビル、アマンタジン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アモキシシリン、アモキシシリンクラブラン酸、アムホテリシンB、アンピシリン、アンピシリンスルバクタム、アトバクオン、アジスロマイシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、
セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロトリマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、アティフロキサシン、イミペネム/シラスタチン、イソニアジド、イトラコナゾール、ケトコナゾール、メトロニタゾール、ナフシリン、ナイスタチン、ペニシリン、ペニシリンG、ペンタミジン、ピペラシリン/タゾバフタム、リファンピン、キヌプリスチン−ダルフォプリスチン、チカルシリン/クラブラン酸、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、バラシクロビル、バンコマイシン、マフェニイド、スルファジアジン銀、ムピロシン、ナイスタチン、トリアムシノロン/ナイスタチン、クロトリマゾール/ベタメタゾン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブトコナゾール、ミコナゾール、チオコナゾール、微生物を崩壊させるまたは無能にする合成洗剤のような化学物質、ノノキシノール−9、オクトキシノール−9、塩化ベンザルコニウム、メンフェゴール、及びN−ドコサノール、標的細胞に対する微生物付着を妨害する化学物質、伝染性の病原体の細胞への進入を阻止する化学物質、硫酸化ポリマー、sulponatedポリマー、カラギーナン、抗レトロウィルス剤、PMPAゲル、抗生物質、病原体と戦う遺伝子操作された、あるいは自然発生的な抗生物質、抗体、組織の状態を変化させ、それを病原体に対して敵対させる薬剤、粘膜pHを改変する薬剤、バッファゲル、病原菌を殺す、あるいは病原菌の成長を阻止する酸性型及び非病原性微生物からなるグループから選択される抗菌剤を含有する請求項169に記載のシステム。
【請求項173】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)該体内の該場所に接近するために少なくとも1つの接近装置を使用するステップと、
B)ステップAで挿入された少なくとも1つの接近装置上で埋め込み型物質送達装置を、該埋め込み型物質送達装置が該体内の場所に配置されるように挿入し、前記埋め込み型物質送達装置が後に診断物質または治療剤を装入されてよい物質リザーバを備えるステップと、
C)ステップBの実行後に該リザーバの中に診断物質または治療剤を導入するステップと、
を備える方法。
【請求項174】
ステップAで使用された少なくとも1つの接近装置が、ガイドワイヤ、可動ガイドワイヤ、カテーテル、可動カテーテル、ガイドカテーテル、可動ガイドカテーテル、出入り口、導入器、及びシースからなるグループから選択される請求項173に記載の方法。
【請求項175】
該体内の中の開口部または通路を拡大するステップをさらに備える請求項173に記載の方法。
【請求項176】
疾患を診断または治療するために被験者または被験動物の体内の場所に物質を送達するための方法であって、
A)該体内の該場所に接近するための接近装置を提供するステップと、
B)該体内の該場所に該接近装置上で埋め込み型物質送達装置を装入し、該埋め込み型物質送達装置がi)該疾患を診断または治療するために治療効果がある物質を後に装入されてよい物質リザーバと、ii)物質が該リザーバから流れ出す速度を制限する障壁とを備えるステップと、
C)該疾患を診断または治療するために使用できる物質を提供するステップと、その後
D)ステップBで挿入された装置のリザーバの中に多量の物質を導入するステップと、を備える方法。
【請求項177】
該接近装置が、ガイドワイヤ、可動ガイドワイヤ、カテーテル、可動カテーテル、ガイドカテーテル、可動ガイドカテーテル、出入り口、導入器、及びシースからなるグループから選択される請求項176に記載の方法。
【請求項178】
該体内の該場所の開口部を拡大するステップをさらに備える請求項176に記載の方法。
【請求項179】
通路の開通性を維持するために、該通路の該壁の上の少なくともいくつかの場所に隣接して流体が流れることを可能にする一方で人造のまたは自然の解剖学的通路の中での埋め込みのために設計された装置であって、
該装置の本体が該通路内の実質的に静止した位置に保持され、流体が該通路の該壁に隣接して、及び該接触部材間の領域内で該装置を越えて流れ続けてよいように、該通路の該壁と摩擦係合して配置できる少なくとも2つの離間された接触部材を備える本体と、
を備える装置。
【請求項180】
前記装置が少なくとも1つの診断物質または治療剤を溶出する請求項179に記載の装置。
【請求項181】
該装置が、該通路に埋め込まれたときに、該通路を通る流体の流れが体内の別の場所に該装置から溶出される該物質を分散するように設計される請求項180に記載の装置。
【請求項182】
ステップDが、該被験者体内にガイドワイヤを配置し、後に該ガイドワイヤ上で該埋め込み型物質送達装置を進めることを備える請求項1に記載の方法。
【請求項183】
該ガイドワイヤが鼻孔を通って鼻、鼻腔、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管、または鼻涙管の中の場所に挿入され、該埋め込み型物質送達装置がそのガイドワイヤ上で前記場所に進められる請求項182に記載の方法。
【請求項184】
該埋め込み型物質送達装置が初期に送達カテーテルの上または中に置かれ、その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該送達カテーテルが該ガイドワイヤ上で進められ、該埋め込み型物質送達装置が次に該送達カテーテルから分離される請求項182に記載の方法。
【請求項185】
該埋め込み型物質送達装置が初期にカテーテルの上または中に置かれ、ステップDが、その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該カテーテルを被験者体内の場所に進め、その後該カテーテルから該埋め込み型物質送達装置を分離することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項186】
その上またはその中に該埋め込み型物質送達装置が配置される該カテーテルが鼻孔を通して鼻、鼻腔、副鼻腔、副鼻腔の小孔、エウスタキオ管、または鼻涙管の中の場所に挿入され、該埋め込み型物質送達装置が次に該カテーテルから分離される請求項185に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図5A】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図5A】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【公表番号】特表2008−508938(P2008−508938A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524827(P2007−524827)
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/025371
【国際公開番号】WO2006/020180
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506353574)アクラレント インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/025371
【国際公開番号】WO2006/020180
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506353574)アクラレント インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】
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