説明

埋設処理用遮水層

【課題】円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックが損傷する虞れがなく、廃棄物の埋設処理に有効に利用することができる埋設処理用遮水層を提供すること。
【解決手段】略円形断面のトンネル1の内部に、粘土系遮水材から成る複数の円環状遮水ブロック11が該トンネル1の長手方向に沿って積層されることにより形成され、かつ中空部12に廃棄物3が収納された円筒状収納部10と、粘土系遮水材から成り、中空部12を閉塞する態様で円筒状収納部10に積層された円板状遮水ブロック21とを備え、廃棄物3を埋設処理するために用いられる埋設処理用遮水層において、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21は、それぞれの周曲部を補強するための内側補強枠13および外側補強枠14,22を有して成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設処理用遮水層に関し、より詳細には、例えば産業廃棄物や放射性廃棄物等の廃棄物を埋設処理するために用いられる埋設処理用遮水層に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば産業廃棄物や放射性廃棄物等の廃棄物を地中に埋設処理する場合には、地下水に毒性物質を漏出させないために埋設処理用遮水層を形成し、この埋設処理用遮水層の内部に廃棄物を収容するようにしている。そのような遮水層の形成には、例えばベントナイト、あるいはベントナイトと骨材とを混練した高密度な粘土系遮水材が用いられている。
【0003】
従来、事前に高い密度に成型した粘土系遮水材をブロック形状にして、定位置に積み上げて形成した埋設処理用遮水層が提案されている。ここでは、粘土系土質材料をプレスすることで高密度な成型体に形成したり、分割した寸法形状のブロックに予め成型したりすることで、円筒型廃棄物の周囲に組み合わせて設置する例も報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、予めブロック状に成型した高密度な粘土系遮水材を、円筒型廃棄物の周囲に組み合わせて設置して成る円筒型の埋設処理用遮水層が提案されている。具体的には、断面が略円形状のトンネルを構成している支保工の内側に埋設処理用遮水層を形成する際に、トンネルの長手方向(軸方向)に亘り分割した円環状のブロックをさらに円周方向に複数分割した粘土系遮水材からなるブロックを用いている。そして、支保工の下半分にブロックを設置して埋設処理用遮水層の下半部分を形成し、次いで、形成された埋設処理用遮水層の下半部分の上(内側)に中空状の内空支持円筒体を配置し、しかる後に、内空支持円筒体の上(外側)に支保工の上半分のブロックを設置することで円筒型の埋設処理用遮水層の上半部分を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】核燃料サイクル開発機構「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性総論レポート」平成11年11月26日発行、p.IV−52
【特許文献1】特開2005−144278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、コストの削減、あるいは定置性の向上等の種々の観点から円環状の形状を有する遮水ブロック(以下、円環状遮水ブロックともいう)と、円板状の形状を有する遮水ブロック(以下、円板状遮水ブロックともいう)とを利用することが提案されている。より詳細には、円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックを予め工場等で成型し、複数の円環状遮水ブロックを地下のトンネル内に搬送定置して積層することにより円筒状収納部を形成する。この円筒状収納部の中空部に廃棄物を収納した後、該中空部を閉塞する態様で円筒状収納部に円板状遮水ブロックを積層して埋設処理用遮水層を形成している。
【0007】
ところが、そのような埋設処理用遮水層では、円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックがトンネル内を搬送中、あるいは定置作業中に該トンネルの内壁面等に接触する結果、損傷してしまう虞れがあり、結果として、廃棄物の埋設処理に利用できない虞れがあった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックが損傷する虞れがなく、廃棄物の埋設処理に有効に利用することができる埋設処理用遮水層を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る埋設処理用遮水層は、略円形断面のトンネルの内部に、粘土系遮水材から成る複数の円環状遮水ブロックが該トンネルの長手方向に沿って積層されることにより形成され、かつ中空部に廃棄物が収納された円筒状収納部と、粘土系遮水材から成り、前記中空部を閉塞する態様で前記円筒状収納部に積層された円板状遮水ブロックとを備え、前記廃棄物を埋設処理するために用いられる埋設処理用遮水層において、前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックは、それぞれの周曲部を補強するための補強枠体を有して成ることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る埋設処理用遮水層は、上記請求項1において、互いに隣接する補強枠体を係合するための係合手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る埋設処理用遮水層は、上記請求項1または上記請求項2において、前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックが前記トンネルの内壁面から離間した態様で該トンネルの長手方向に沿って変位することを許容し、かつ前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックの積層位置を規制するガイド部材を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る埋設処理用遮水層は、上記請求項3において、前記ガイド部材は、前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックを搬送するための搬送装置を前記トンネルの長手方向に沿って移動可能に案内することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の埋設処理用遮水層によれば、補強枠体が、円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックのそれぞれの周曲部を補強するので、円環状遮水ブロックおよび円板状遮水ブロックのそれぞれの強度の向上を図ることができるとともに、それら遮水ブロックを搬送中、あるいは定置作業中に損傷させてしまう虞れがない。従って、廃棄物の毒性物質を地下水に漏出させる虞れがなく、廃棄物の埋設処理に有効に利用することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る埋設処理用遮水層の好適な実施の形態について詳細に説明する。尚、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態における埋設処理用遮水層の構造を模式的に示したものであり、図1は正面視断面図であり、図2は側面視断面図である。これら図1および図2において、埋設処理用遮水層は、略円形断面のトンネル1の内部に形成してあり、円筒状収納部10と、円柱状閉塞部20と、ガイドレール(ガイド部材)30とを備えて構成してある。
【0016】
円筒状収納部10は、トンネル1の覆工1aの内周径よりも小さい外周径を有する円筒状の形態を成し、図3に示すような円環状の形状を有する遮水ブロック(以下、円環状遮水ブロックという)11の複数をトンネル1の軸方向(長手方向)に沿って積層することにより構成したものである。図示の例では、3つの円環状遮水ブロック11をトンネル1の軸方向に沿って並設する態様で積層することにより構成したものであり、内部に収納空間となる中空部12を有している。中空部12は、例えば産業廃棄物や放射性廃棄物等の廃棄物3を収納するためのものである。本実施の形態では、放射性廃棄物を廃棄物3の一例として説明し、かかる廃棄物3は円柱状の形態を成しているものとする。
【0017】
上記円環状遮水ブロック11は、ベントナイト、あるいはベントナイトと骨材とを混練した高密度な粘土系遮水材を用いて形成したものであり、その周曲部、すなわち内周部および外周部には、それぞれ鋼材から成る内側補強枠13および外側補強枠14を有している。内側補強枠13は、円環状遮水ブロック11の周曲部となる内周部を補強するためのものであり、より詳細には、内周面11aを被覆することにより、該個所が損傷することを防止するためのものである。外側補強枠14は、円環状遮水ブロック11の周曲部となる外周部を補強するためのものであり、より詳細には、外周面11bを被覆することにより、該個所が損傷することを防止するためのものである。それら内側補強枠13および外側補強枠14についての詳細は後述する。
【0018】
円柱状閉塞部20は、外周径が円筒状収納部10の外周径と等しく、円筒状収納部10の中空部12を閉塞するためのものであり、円筒状収納部10のトンネル1の軸方向における両端部に並設してある。この円柱状閉塞部20は、図4に示すような円板状の形状を有する遮水ブロック(以下、円板状遮水ブロックという)21の複数をトンネル1の軸方向に沿って並設する態様で積層することにより構成した円柱状の形態を成すものである。図示の例では、3つの円板状遮水ブロック21をトンネル1の軸方向に沿って並設する態様で積層することにより構成したものである。
【0019】
円板状遮水ブロック21は、上記円環状遮水ブロック11と同一の外周径を有しており、該円環状遮水ブロック11と同様にベントナイト、あるいはベントナイトと骨材とを混練した高密度な粘土系遮水材を用いて形成したものである。また、円板状遮水ブロック21は、その周曲部、すなわち外周部に、鋼材から成る外側補強枠22を有している。外側補強枠22は、円板状遮水ブロック21の周曲部となる外周部を補強するためのものであり、より詳細には、外周面21bを被覆することにより、該個所が損傷することを防止するためのものである。この外側補強枠22についての詳細は後述する。
【0020】
上記内側補強枠13は、内周面が平滑に形成してあり、係合手段を構成する係合突起13aおよび係合凹部13bを有している。係合突起13aは、内側補強枠13の一の面(図2中では右方側の面)に突出する態様で形成してある。係合凹部13bは、係合突起13aと適合する大きさを有しており、内側補強枠13の他の面(図2中では左方側の面)に形成してある。これにより、互いに隣接する内側補強枠13は、一方の内側補強枠13の係合突起13aが他方の内側補強枠13の係合凹部13bと嵌合する結果、強固に係合することになる。
【0021】
上記外側補強枠14,22は、外周面が平滑に形成してあり、係合手段を構成する係合突起14a,22aおよび係合凹部14b,22bを有している。係合突起14a,22aは、外側補強枠14,22の一の面(図2中では右方側の面)に突出する態様で形成してある。係合凹部14b,22bは、係合突起14a,22aと適合する大きさを有しており、外側補強枠14,22の他の面(図2中では左方側の面)に形成してある。これにより、互いに隣接する外側補強枠14,22は、一方の外側補強枠14,22の係合突起14a,22aが他方の外側補強枠14,22の係合凹部14b,22bと嵌合する結果、強固に係合することになる。
【0022】
ガイドレール30は、トンネル1の軸方向に延在する態様で、トンネル1の覆工1aの内壁面に配設してある。具体的には、ガイドレール30は2つあり、それぞれがトンネル1の下方領域において該トンネル1の正中面に対して対称となる態様で配設してある。このガイドレール30は、略コ字状の断面形状を呈した鋼材から成り、その開口部31を覆工1aの内壁面に向けて配設してある。ガイドレール30の平坦部32は、円筒状収納部10および円柱状閉塞部20と接する部位であり、その表面は平滑にしてある。
【0023】
そのようなガイドレール30は、図1および図2に示すように、円筒状収納部10および円柱状閉塞部20の軸心がトンネル1の軸心と一致する態様で、それら円筒状収納部10および円柱状閉塞部20を支持している。また、ガイドレール30は、詳細は後述するが、円筒状収納部10および円柱状閉塞部20が形成される前は、それらの構成部材である円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21のそれぞれがトンネル1の内壁面から離間した態様で該トンネル1の軸方向に変位することを許容し、それら円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21の積層位置を規制するものである。
【0024】
図5〜図12は、それぞれ本発明の実施の形態における埋設処理用遮水層の施工方法、すなわち各遮水ブロックの定置方法について模式的に示したものであり、これらの図面を適宜利用して、上記埋設処理用遮水層の施工方法について説明する。尚、各図には、既に円筒状収納部10および円柱状閉塞部20が示してあるが、これらも後述する方法により形成したものである。
【0025】
まず、円筒状収納部10の形成について説明する。図5−1および図5−2に示すように、円環状遮水ブロック11を台車(搬送装置)40に載置し、ガイドレール30の平坦部32に摺接させながらトンネル1の軸方向に沿って搬送する。つまり、台車40は、下部に車輪(図示せず)が設けてあり、該車輪が2つのガイドレール30の間の覆工1aの内壁面上を転動して進出移動することにより、円環状遮水ブロック11を搬送することになる。図6−1および図6−2に示すように、搬送された円環状遮水ブロック11が、既に定置されている円環状遮水ブロック11に当接する位置に達すると、台車40によるトンネル1の軸方向に沿った搬送を停止させる。その後、図7−1および図7−2に示すように、搬送した円環状遮水ブロック11を既に定置してある円環状遮水ブロック11に連結させる。すなわち、搬送した円環状ブロックの内側補強枠13の係合突起13aおよび外側補強枠14の係合突起14aを、定置されている円環状遮水ブロック11の内側補強枠13の係合凹部13bおよび外側補強枠14の係合凹部14bのそれぞれに嵌合させて係合することにより連結させる。そして、図8−1および図8−2に示すように、台車40のみを退避移動させる。これにより、円環状遮水ブロック11を所定の個所に定置させて円筒状収納部10を形成したことになる。
【0026】
次に、円柱状閉塞部20の形成について説明する。図9−1および図9−2に示すように、複数(図示の例では3つ)の円板状遮水ブロック21を積層した状態で台車(搬送装置)50に載置し、ガイドレール30の平坦部32に摺接させながらトンネル1の軸方向に沿って搬送する。つまり、台車50は、下部に車輪(図示せず)が設けてあり、該車輪が2つのガイドレール30の間の覆工1aの内壁面上を転動して進出移動することにより、積層状態の円板状遮水ブロック21を搬送することになる。ここに、搬送される複数の円板状遮水ブロック21は、互いに隣接する円板状ブロック間において、外側補強枠22の係合突起22aを係合凹部22bに予め嵌合させて係合して積層状態にある。図10−1および図10−2に示すように、搬送された円板状遮水ブロック21が、既に定置してある円筒状収納部10を構成する円環状遮水ブロック11に当接する位置に達すると、台車50によるトンネル1の軸方向に沿った搬送を停止させる。その後、図11−1および図11−2に示すように、搬送した積層状態にある円板状遮水ブロック21を、既に定置してあり、廃棄物3を収納する円柱状閉塞部20を構成する円環状遮水ブロック11に連結させる。すなわち、搬送した積層状態にある円板状遮水ブロック21の外側補強枠22の係合突起22aを、該円環状遮水ブロック11の外側補強枠14の係合凹部14bに嵌合させて係合することにより連結させる。そして、図12−1および図12−2に示すように、台車50のみを退避移動させる。これにより、積層状態にある円板状遮水ブロック21を所定の個所に定置させて、円筒状収納部10のトンネル1の軸方向における両端部に並設させた態様で円柱状閉塞部20を形成したことになる。
【0027】
以上のような方法により、トンネル1の内部において該トンネル1の軸方向に沿って円筒状収納部10と円柱状閉塞部20を交互に配設することにより、埋設処理用遮水層が形成される。ガイドレール30は、上述したように、円筒状収納部10および円柱状閉塞部20の形成時において、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21のそれぞれがトンネル1の覆工1aの内壁面から離間した態様で該トンネル1の軸方向に変位することを許容し、それら円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21の積層位置を規制している。
【0028】
その後、図13に示すように、例えばセメント系材料または粘土系材料から成る充填材を利用して、トンネル1の覆工1aの内壁面と、埋設処理用遮水層の外周縁との間隙を充填させる。ここに、充填材の充填方法としては種々の方法を採用することができ、図示の例では、符号61は、充填材を吹き付けた場合の充填を示し、符号62は、充填材をブロック状にして挿入した場合の充填を示している。このように充填材を充填することにより、埋設処理用遮水層の形状を長期間に亘って維持することができるとともに、該埋設処理用遮水層を構成する円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21の粘土の密度が低下することを有効に抑制することができる。
【0029】
以上説明したように、本発明の実施の形態における埋設処理用遮水層によれば、内側補強枠13が、円環状遮水ブロック11の内周部を補強し、外側補強枠14,22が、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21のそれぞれの外周部を補強するので、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21のそれぞれの強度の向上を図ることができるとともに、それら遮水ブロック11,21を搬送中、あるいは定置作業中に損傷させてしまう虞れがない。従って、廃棄物3の毒性物質を地下水に漏出させる虞れがなく、廃棄物3の埋設処理に有効に利用することができる。
【0030】
また、埋設処理用遮水層によれば、ガイドレール30は、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21のそれぞれがトンネル1の覆工1aの内壁面から離間した態様で該トンネル1の軸方向に変位することを許容し、それら円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21の積層位置を規制しているので、トンネル1の覆工1aの内壁面の形状(例えば、凹凸形状)の影響を受けずに円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21を搬送することが可能になり、しかもそれら円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21を所定個所に容易に定置することができる。
【0031】
以上本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。以下に、図14〜17を参照しながら、本発明の変形例について説明する。尚、各図とも上記本発明の実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付し、その説明については省略する。
【0032】
本発明では、ガイドレール30′は、図14および図15に示すように、平坦部32′を覆工1aの内壁面に接する態様で配設し、開口部31′の底部を台車40の案内路としても良い。より詳細に説明すると、ガイドレール30′は、円環状遮水ブロック11および円板状遮水ブロック21を搬送するための台車40をトンネル1の軸方向に沿って移動可能に案内するものであっても良い。ここに、ガイドレール30′は、正確な測量に基づき、トンネル1の軸方向に沿って延在する態様でトンネル1の覆工1aの内壁面に敷設してある。このような構成によれば、図示のように、トンネル1の覆工1aの内壁面に凹凸が存在する場合でも、台車40が覆工1aの内壁面の影響を受けないで進出移動および退避移動させることができる。尚、図14は、台車40が進出移動する場合を、図15は、台車40が退避移動する場合を示している。また、ガイドレール30′として、略コ字状の断面形状を有するものについて説明したが、本発明では、略L字状の断面形状、あるいは略H字状の断面形状を有するものであっても良い。
【0033】
また、本発明では、図16−1および図16−2に示すように、複数の円環状遮水ブロック11を積層した状態で台車50により搬送しても良い。これによれば、搬送中の円環状遮水ブロック11が転倒することを防止することができる。更に、本発明では、図17−1および図17−2に示すように、円環状遮水ブロック11の中空部12を貫通する態様で該円環状遮水ブロック11を支持する支持機構付台車60により搬送しても良い。これによっても、搬送中の円環状遮水ブロック11が転倒することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における埋設処理用遮水層の構造を模式的に示した正面視断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における埋設処理用遮水層の構造を模式的に示した側面視断面図である。
【図3】図1および図2に示す円環状遮水ブロックを示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図4】図1および図2に示す円板状遮水ブロックを示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図5−1】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図5−2】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図6−1】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図6−2】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図7−1】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図7−2】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図8−1】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図8−2】図1および図2に示す円筒状収納部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図9−1】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図9−2】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図10−1】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図10−2】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図11−1】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図11−2】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図12−1】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図12−2】図1および図2に示す円柱状閉塞部の施工例を模式的に示した側面視断面図である。
【図13】充填材による充填を模式的に示した側面視断面図である。
【図14】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図15】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図16−1】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図16−2】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した側面視断面図である。
【図17−1】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した正面図であり、一部を断面で示している。
【図17−2】本発明の実施の形態の変形例を模式的に示した側面視断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 トンネル
1a 覆工
3 廃棄物
10 円筒状収納部
11 円環状遮水ブロック
12 中空部
13 内側補強枠
13a 係合突起
13b 係合凹部
14 外側補強枠
14a 係合突起
14b 係合凹部
20 円柱状閉塞部
21 円板状遮水ブロック
22 外側補強枠
22a 係合突起
22b 係合凹部
30,30′ ガイドレール
31,31′ 開口部
32,32′ 平坦部
40,50 台車
60 支持機構付台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円形断面のトンネルの内部に、粘土系遮水材から成る複数の円環状遮水ブロックが該トンネルの長手方向に沿って積層されることにより形成され、かつ中空部に廃棄物が収納された円筒状収納部と、
粘土系遮水材から成り、前記中空部を閉塞する態様で前記円筒状収納部に積層された円板状遮水ブロックと
を備え、前記廃棄物を埋設処理するために用いられる埋設処理用遮水層において、
前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックは、それぞれの周曲部を補強するための補強枠体を有して成ることを特徴とする埋設処理用遮水層。
【請求項2】
互いに隣接する補強枠体を係合するための係合手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の埋設処理用遮水層。
【請求項3】
前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックが前記トンネルの内壁面から離間した態様で該トンネルの長手方向に沿って変位することを許容し、かつ前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックの積層位置を規制するガイド部材を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の埋設処理用遮水層。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記円環状遮水ブロックおよび前記円板状遮水ブロックを搬送するための搬送装置を前記トンネルの長手方向に沿って移動可能に案内することを特徴とする請求項3に記載の埋設処理用遮水層。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6−1】
image rotate

【図6−2】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図10−1】
image rotate

【図10−2】
image rotate

【図11−1】
image rotate

【図11−2】
image rotate

【図12−1】
image rotate

【図12−2】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16−1】
image rotate

【図16−2】
image rotate

【図17−1】
image rotate

【図17−2】
image rotate


【公開番号】特開2007−105634(P2007−105634A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299253(P2005−299253)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】