説明

埋設物探査装置

【課題】地中電路工事などを行う場合、施工図による埋設物位置が違っても目的埋設物を事前に探査して、他の埋設物の破損や危険を防止することが出来る埋設物探査装置を提供する。
【解決手段】携帯送受信機(携帯電話)1、地表付近に設けられた無線中継器3、埋設識別シート6、光ケーブル6等の埋設物に取り付けられた無線ICタグ5からなる埋設物探査装置において、携帯送受信機(携帯電話)1から探査信号を電磁波として送信する。無線中継器3により中継された探査信号を無線ICタグ5が受信すると、無線ICタグ5は探査信号が自身に対するものである場合、識別情報を含む応答信号を電磁波として送信する。無線中継器3は識別情報を表示するとともに応答信号を中継する。携帯送受信機(携帯電話)1は応答信号を受信して解読することにより埋設物の名称などが容易に判別できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば上・下水処理施設等の電気設備工事、土木工事などにおいて、目的埋設物を事前に探査する埋設物探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施工図による埋設物の位置と実際に行う現地掘削工事では、掘削場所と施工図が合わない場合が多い。
【0003】
工事は予め埋設物の予備掘削調査を行ってから本掘削工事を行うと良いが、費用・時間の関係で出来ないことが多い。
【0004】
また、工事現場での掘削作業は、一般的に掘削範囲が狭い場合は手掘りで実施するが、広い範囲の掘削工事では掘削機械としてバックホー(油圧ショベル)を使用する。
【0005】
バックホー(油圧ショベル)等の重機を使用した場合の欠点は、掘削作業中、土中に埋設された埋設物(高圧電線・金属管・水道管・ガス管及び光ケーブル)を事前に発見することが困難で、発見が遅れて金属管の破損事故が発生しやすい欠点が有った。
【0006】
これらを防止する方法として、実際に掘って現場の埋設場所に目安を付けて、土の表面をある程度機械掘りで行い、埋設管の近くからは、手掘りを行い埋設物の破損事故を防止する方法がとられる。
【0007】
また、埋設物の近傍に、埋設標識シート、埋設標識構造、埋設物防護板などを設けて埋設物の存在を知らせたり、埋設物を保護したりすることも行われている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0008】
更に、低周波発振装置を用意し、地盤や路盤の内部に埋設されている空管路内に信号線を配線し、低周波発振装置からの低周波を信号線に流して信号線から電磁波を発振し、この電磁波を検知して警報信号を発することにより、掘削機械の刃先などが埋設物に接近するのを検知し埋設物の破損事故を未然に防止することも行われている(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2002−039438号公報
【特許文献2】特開2000−144656号公報
【特許文献3】特開平10−259883号公報
【特許文献4】実開平07−041581号公報
【特許文献5】特開平11−324028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、地中電路工事などを行う場合、施工図面に従って掘削工事を行うと、施工図と実際の埋設物位置とが一致しなく、そのため掘削場所を間違えてバックホー(油圧ショベル)のバケットのツメが埋設物にあたり破損する事故が多い。
【0010】
特許文献1〜4のように、埋設物の近傍に、埋設標識シート、埋設標識構造、埋設物防護板などを設けることにより、埋設物の破損を防止することは可能ではあるが、これらの埋設標識シート、埋設標識構造の存在を確実に検知できなければ、埋設物の破損を防止することが出来ないし、埋設物防護板などを設けたとしても、埋設物防護板の強度などの点から埋設物の破損を完全に防止することは出来ない。
【0011】
また、特許文献5のように、低周波発振装置を用意し、空管路内に配線した信号線に低周波を流して信号線から電磁波を発振させ、この電磁波を検知して警報信号を発するような構成とするには、空管路内に信号線を配線するという特殊な作業が必要となるという欠点がある。
【0012】
本発明は、従来のこのような点に鑑みて為されたもので、地中電路工事などを行う場合、施工図による埋設物位置が違っても目的埋設物を事前に探査して、他の埋設物の破損や危険を防止することが出来る埋設物探査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る埋設物探査装置は、地中の埋設物の所定箇所に取り付けられ、埋設物に関する識別情報を保持するとともに、信号の送受信を行う手段を有する無線ICタグと、地上に位置し、埋設物を探査するための探査信号を無線ICタグに送信するとともに、無線ICタグからの識別情報を含む応答信号を受信する送受信機と、地表付近に設けられ、送受信機と無線ICタグとの間で授受される探査信号および応答信号を中継する中継器とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る埋設物探査装置は、地中の埋設物の所定箇所に取り付けられ、埋設物に関する識別情報を保持するとともに、信号の送受信を行う手段を有する無線ICタグと、油圧ショベル本体に設けられたアームの先端位置に取り付けられ、埋設物を探査するための探査信号を電磁波として無線ICタグに送信するとともに、無線ICタグからの識別情報を含む応答信号を電磁波として受信する送受信アンテナと、油圧ショベル本体に設けられ、送受信アンテナにより受信された応答信号から所定の識別情報を解読したとき、警報を発する警報手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る埋設物探査装置によれば、地中の埋設物の所定箇所に取り付けられた無線ICタグからの応答信号により、埋設物に関する識別情報を得ることが出来るので、地中電路工事などを行う場合、施工図による埋設物位置が違っても目的埋設物を事前に探査して、他の埋設物の破損や危険を防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る埋設物探査装置の概略構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、この実施形態の埋設物探査装置は、携帯送受信機(携帯電話)1、無線中継器3、および埋設標識シート6、光ケーブル9、電線管10、水道管又はガス管12等の地中の埋設物の表面の所定位置に取り付けられた無線ICタグ5から構成されている。
【0019】
図2は、この実施形態における各部のさらに具体的な構成を示す図であり、(a)は無線中継器3を、(b)は携帯送受信機(携帯電話)1を、(c)は無線ICタグ5を示す外観図である。
【0020】
携帯送受信機1は、地中埋設物を探査するための探査信号を無線ICタグ5に送信するとともに、無線ICタグ5からの埋設物に関する識別情報を含む応答信号を受信する送受信手段を有する。
【0021】
無線中継器3は、地表付近に設けられ、携帯送受信機(携帯電話)1と無線ICタグ5との間で授受される信号を中継する機能を有するもので、図2に示すように、送受型加速度センサ15、パルス振動発生器16、表示部17、地中アンテナ18、及び地上アンテナ19を備えており、送受型加速度センサ15、パルス振動発生器16、および地中アンテナ18を地中に差し込んで使用する。
【0022】
また、無線ICタグ5は、埋設物に関する識別情報を保持するための手段、電磁波を送受信する手段に加えて、パルス振動発生器を内蔵した送受型加速度センサを備えている。
【0023】
なお、図1において、2は携帯送受信機(携帯電話)1と無線中継器3との間で授受される電磁波、4は無線中継器3と埋設標識シート6の無線ICタグ5との間で授受される電磁波、7は無線中継器3と光ケーブル9の無線ICタグ5との間で授受される電磁波、8は無線中継器3と電線管10の無線ICタグ5との間で授受される電磁波、11は無線中継器3と水道管又はガス管12の無線ICタグ5との間で授受される電磁波である。
【0024】
この実施形態においては、掘削前に埋設物の識別情報を得るために、次のような動作を行う。
【0025】
埋設物を探査するための探査信号は、携帯送受信機1のRFモジュール部で、PLL制御信号を用いて生成されたVCO搬送波によりRF信号に変換されて、無線中継器3の地上アンテナ部に向かって電磁波2として出力する。
【0026】
無線中継器3の地上アンテナ19で受信した探査信号は増幅されて、無線中継器3の地中アンテナ18から、埋設標識シート6、光ケーブル9、電線管10、水道管又はガス管12等の地中埋設物に向かって電磁波4、7、8、11として出力する。
【0027】
電磁波4、7、8、11をそれぞれ受信した無線ICタグ5は、自身に対する探査信号を受信した場合、例えば探査信号に含まれる探査のための識別コードが、EEPROMに記憶された識別コード(例えば、埋設標識シート6、光ケーブル9、電線管10、水道管又はガス管12のそれぞれに対応する識別コード)に該当した場合、識別コードを含む応答信号をそれぞれ電磁波4、7、8、11として送信する。送信された電磁波4、7、8、11は無線中継器3の地中アンテナ18で受信され、無線中継器3の表示部17に識別コード等の埋設物に関する識別情報を表示するとともに、中継して電磁波2として携帯送受信機1に送られ、携帯送受信機1で受信されて、携帯送受信機1でも識別コードを解読でき、埋設物の名称等が容易に判別出来る。
【0028】
ここで、地中の電磁波の通りが悪くて、電磁波による信号の授受が出来ない場合は、無線中継器3において、切替手段により、パルス振動波による信号の授受に切替える。すなわち、図3に示すように、無線中継器3において、送受型加速度センサ15及びパルス発生振動器16を用いてパルス振動波13を発生すると、埋設物の無線ICタグ5に組み込まれた加速度センサが作動してパルス振動発生器で識別コードを発生する。無線中継器3内に具備した送受型加速度センサ15が埋設物の無線ICタグ5からのパルス振動波14を受信して、表示部17に識別コード表示等を行うとともに、電磁波2で携帯送受信機1に送信し、携帯送受信機1で識別コードを受信後解読すると埋設物の名称等が判別出来る。
【0029】
以上説明したように、この実施形態は、掘削前に埋設物の識別情報を得るため、無線中継器を地中に差し込んで、埋設物を探査する装置を提供するもので、主な地中埋設物としては、例えば、埋設標識シート、電線管、FEP地中埋設管(FEP:波付硬質合成樹脂管)、水道管、ガス管、高圧ケーブル、光ケーブル等があり、無線中継器を使用することで、これらの地中埋設物が発見しやすいため電路工事の期間を短縮できる。
【0030】
また、この実施形態では、無線中継器を有するため、足場等の探査条件が悪い場合に有効である。さらに、無線中継器の地中アンテナを地中に差し込んで使用することで、小出力の電磁波でも地中埋設物を探査することが出来る。
【0031】
さらに、無線ICタグ、送受信機および中継器を、それぞれ携帯電話の電波を送受信できるものとし、探査信号および応答信号の伝送を、携帯電話の電波により行うようにすることにより、施工図による現地調査は、携帯電話の送受信電波により埋設シートに具備した無線ICタグから識別コード波を携帯電話で受信出来るので、特別な装置を必要としなくても埋設物が発見できる。
【0032】
(変形例)
なお、無線ICタグを取り付けた埋設標識シートの約30cm下に、地中埋設管(FEP)、高圧ケーブル、光ケーブル等の地中電路を埋設する場合、埋設時の工事情報(何が埋設されたか、施工業者、施工方法等)を予め埋設標識シートの無線ICタグに識別コードとして記憶させておけば、別工事で再掘削の場合、埋設標識シートに取り付けられた無線ICタグからの応答信号により前回の工事情報、例えば埋設物が高圧ケーブル又は光ケーブルであることや、施工業者、施工方法等の埋設物に関する識別情報を、この実施形態の埋設物探査装置により、事前に容易に入手することが出来る。
【0033】
また、無線ICタグを取り付けた埋設標識シートに、無線ICタグの他にLED(発光ダイオード)が装備されており、探査信号の電磁波を無線ICタグが受信すると埋設標識シートのLED(発光ダイオード)が光を放つように構成することもできる。このような構成とすることにより、暗闇でも埋設標識シートを目視により発見できるので、識別情報と光で確認することが可能となる。
【0034】
また、無線ICタグを取り付けた埋設標識シートに、ブザー、または低消費電力スピーカ(例えば圧電スピーカ)と合成音声回路を取り付けて埋設し、無線ICタグが動作すると(探査信号を受信すると)、ブザー音又は音声を発生して、危険を報知するように構成することもできる。このような構成とすることにより、危険であることをブザー音又は音声で確認できるとともに、送受信機でも埋設物の存在や場所等を識別情報により確認ができるので、危険であることを二重に確認することができる。
【0035】
また、地中電路工事で使用する埋設標識シートには、無線ICタグの他に、GPS測位装置を取り付けておき、GPS測位装置の測位機能により、掘削工事現場の位置を正確に印すことが出来、これを識別情報として無線ICタグに記憶することにより、送受信機で、掘削工事現場の位置を識別情報により確認することができる。
【0036】
また、埋設標識シートの無線ICタグは、埋設標識シートに、直接、アンテナと無線ICタグ回路とを印刷したものとしてもよい。
【0037】
また、埋設標識シートの無線ICタグを、円形の無線ICタグ本体とこれに接続される線状のアンテナの部分からなる、おたまじゃくし形状の無線ICタグとし、おたまじゃくしの尻尾部に当たる線状のアンテナの部分を、アンテナ兼巻き付け固定の機能を具備したものとし、無線ICタグを埋設標識シートに容易に取付け、取り外しが出来るものとしてもよい。
【0038】
また、例えば埋設物のひとつであるFEP地中埋設管(FEP:波付硬質合成樹脂管)の無線ICタグに具備した加速度センサで地震の強弱情報を得て、これを無線ICタグから識別情報として発信できるようにすることもできる。
【0039】
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る埋設物探査装置の概略構成を示す図、図5はその主要部の詳細な構成を示す図である。
【0040】
図4および図5に示すように、この第2の実施形態の埋設物探査装置は、油圧ショベル本体21に、警報装置(図示せず)を有する送受信装置37が設けられ、また、油圧ショベル本体21に設けられたアーム25の先端位置に、送受信アンテナ28が取り付けられている。送受信装置37と送受信アンテナ28とは、高周波ケーブル38で接続されている。さらに、埋設標識シート29、FRP(地中埋設管)31、金属管36等の地中の埋設物のうちの少なくとも一つの埋設物の表面の所定位置に無線ICタグ(樹脂封印型)30が取り付けられて構成されている。
【0041】
なお、図4および図5において、22はブーム、23はブームシリンダー、24はアームシリンダー、26はバケットシリンダー、27はバケット、33は電磁波、34は反射波(電磁波)である。
【0042】
この実施形態においては、送受信装置37で、埋設物を探査するための探査信号を生成し、生成された探査信号は、高周波ケーブル38により、アーム25の先端位置に取り付けられた送受信アンテナ28に伝送され、送受信アンテナ28から電磁波33として送信される。
【0043】
電磁波33を受信した無線ICタグ(樹脂封印型)30は、受信した探査信号に含まれる探査のための識別コードが、所定の識別コードに該当した場合、識別コードを含む応答信号を反射波(電磁波)34として送信する。
【0044】
送信された反射波(電磁波)34は送受信アンテナ28で受信され、受信された応答信号は、高周波ケーブル38により、送受信装置37に伝送される。送受信装置37で応答信号から所定の識別情報を解読したとき、警報装置から、音又は光により警報を発する。
【0045】
以上説明したように、この実施形態によれば、油圧ショベルにより掘削を行うとき、油圧ショベルのバケットが所定の埋設物に接近した場合に、警報装置が作動して、オペレータ(運転者)に対して、所定の埋設物の存在を音又は光で知らせることができるので、埋設物の損傷を防止することができる。
【0046】
(変形例)
図6に示すように、金属管36のような導電体に電磁波33を受信すると、導電体に高周波電流40が流れる。従って、無線ICタグにおいても、アンテナに電磁波を受信すると、起電力が発生する。そこで、無線ICタグにアンテナ部、整流部、および蓄電部からなる電力回路を設け、電磁波を受信すると、電力回路が作動して、常時地中に届いた電磁波により得られる高周波電流を整流して電源として備蓄を行うこととすれば、電池を持たなくても、恒久的に使用出来る発電機能付無線ICタグとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る埋設物探査装置の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態における主要部の具体的構成を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態における他の動作例を説明するための図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る埋設物探査装置の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態における主要部の詳細な構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態の変形例の動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0048】
1…携帯送受信機(携帯電話)
2、4、7、8、11…電磁波
3…無線中継器
5…無線ICタグ
6…埋設標識シート
9…光ケーブル
10…電線管
12…水道管又はガス管
13、14…パルス振動波
15…送受型加速度センサ
16…パルス振動発生器
17…表示部
18…地中アンテナ
19…地上アンテナ
21…油圧ショベル本体
22…ブーム
23…ブームシリンダー
24…アームシリンダー
25…アーム
26…バケットシリンダー
27…バケット
28…送受信アンテナ
29…埋設標識シート
30…無線ICタグ(樹脂封印型)
31…FRP(地中埋設管)
33…電磁波
34…反射波(電磁波)
36…金属管
37…送受信装置
38…高周波ケーブル
40…高周波電流
41…電界
42…磁界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中の埋設物の所定箇所に取り付けられ、埋設物に関する識別情報を保持するとともに、信号の送受信を行う手段を有する無線ICタグと、
地上に位置し、埋設物を探査するための探査信号を前記無線ICタグに送信するとともに、前記無線ICタグからの前記識別情報を含む応答信号を受信する送受信機と、
地表付近に設けられ、前記送受信機と前記無線ICタグとの間で授受される前記探査信号および前記応答信号を中継する中継器と
を備えたことを特徴とする埋設物探査装置。
【請求項2】
前記送受信機と前記中継器との間の前記探査信号および前記応答信号の伝送は電磁波により行われ、前記中継器と前記無線ICタグとの間の前記探査信号および前記応答信号の伝送は、電磁波とパルス振動とのいずれかにより行われるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の埋設物探査装置。
【請求項3】
前記無線ICタグ、前記送受信機および前記中継器は、それぞれ携帯電話の電波を送受信できるものであり、前記探査信号および前記応答信号の伝送は、携帯電話の電波により行われることを特徴とする請求項1に記載の埋設物探査装置。
【請求項4】
地中の埋設物の所定箇所に取り付けられ、埋設物に関する識別情報を保持するとともに、信号の送受信を行う手段を有する無線ICタグと、
油圧ショベル本体に設けられたアームの先端位置に取り付けられ、埋設物を探査するための探査信号を電磁波として前記無線ICタグに送信するとともに、前記無線ICタグからの前記識別情報を含む応答信号を電磁波として受信する送受信アンテナと、
油圧ショベル本体に設けられ、前記送受信アンテナにより受信された前記応答信号から所定の識別情報を解読したとき、警報を発する警報手段と
を備えたことを特徴とする埋設物探査装置。
【請求項5】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートに取り付けられた前記無線ICタグに、埋設時の工事情報を識別情報として保持させておくことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項6】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートには前記無線ICタグに加えて発光ダイオードが取り付けられており、前記埋設標識シートに取り付けられた前記無線ICタグが前記探査信号を受信したとき前記発光ダイオードが発光するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項7】
前記無線ICタグが、電磁波を受信する受信手段と、この受信手段により得られた電流を整流する整流手段と、この整流手段により得られた電流を備蓄する蓄電手段とを備えたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項8】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートには前記無線ICタグに加えてブザー音又は音声により危険を報知する報知手段が取り付けられており、前記埋設標識シートに取り付けられた前記無線ICタグが前記探査信号を受信したとき前記報知手段が動作するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項9】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートには前記無線ICタグに加えてGPS測位装置が取り付けられており、前記GPS測位装置により測位した位置を識別情報として前記無線ICタグに保持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項10】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートに取り付けられる前記無線ICタグは、埋設標識シートに、直接、アンテナと無線ICタグ回路とを印刷したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項11】
前記埋設物が、埋設標識シートを含むものであり、前記埋設標識シートに取り付けられる前記無線ICタグは、無線ICタグ本体とこれに接続される線状のアンテナの部分からなり、無線ICタグは前記線状のアンテナの部分により前記埋設標識シートに着脱自在に取り付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。
【請求項12】
前記埋設物に取り付けられる前記無線ICタグが加速度センサを備えたものであり、前記加速度センサにより地震に関する情報を得て、得られた地震に関する情報を識別情報として前記応答信号に含めて前記無線ICタグから送信するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の埋設物探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−58219(P2008−58219A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237473(P2006−237473)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】