説明

埋込型医療機器のための吸収性パウチ

【課題】本発明は、完全な吸収性材料(すなわち、本発明で使用される生分解性かつ吸収性のポリマー)から作製されたCRMパウチおよび他のIMDを提供する。
【解決手段】心調律管理装置(CRM)および他の埋込型医療機器(IMD)とともに使用するための、生分解性かつ吸収性のポリマーのパウチ(すなわち、適所に固定し、細菌増殖を抑制または低減し、鎮痛を提供し、そして/またはCRMもしくは他のIMDの上もしくは周囲の瘢痕化を抑制する目的で、CRMまたは他のIMDを封入、包囲、および/または保持することが可能であるパウチ、カバーまたは他の容器)に関して記述する。必要に応じて、本発明の生分解性かつ吸収性のパウチは、予防効果を提供する、および手術またはCRMあるいは他のIMDの埋め込みと関連する副作用または合併症を軽減するために、ポリマーマトリクス中に1つ以上の薬物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国特許法§119(e)(5)の下、2006年11月6日に出願された米国仮特許出願第60/864,597号(これは、参考として本明細書に援用される)へ優先権を主張する。
【0002】
心調律管理装置(cardiac rhythm management device:CRM)および他の埋込型医療機器(implantable medical device:IMD)とともに使用するための、生分解性かつ吸収性のポリマーのパウチ(すなわち、適所に固定し、細菌増殖を抑制または低減し、鎮痛を提供し、そして/またはCRMもしくは他のIMDの上もしくは周囲の瘢痕化を抑制する目的で、CRMまたは他のIMDを封入、包囲、および/または保持することが可能であるパウチ、カバーまたは他の容器)に関して記述する。必要に応じて、本発明の生分解性かつ吸収性のパウチは、予防効果を提供する、および手術またはCRMあるいは他のIMDの埋め込みと関連する副作用または合併症を軽減するために、ポリマーマトリクス中に1つ以上の薬物を含む。
【背景技術】
【0003】
1992年に、院内感染は、毎年200万人を超える患者に影響を与え、年間45億ドルを超える医療制度の費用がかかることが報告された。今日、これらの数は、疑う余地無く高まっている。約500,000人の患者に関与する手術部位感染は、院内感染の2番目によくある原因であり、全院内感染の約17%である。ペースメーカの設置と関連する感染の発生率は、0.13から19.9%であり、ほとんどの場合、インプラントの完全除去に伴うこれらの合併症を治療するための平均費用は、$35,000であると報告されている3,4
【0004】
術後感染は、宿主防衛機構の欠如、手術部位、および機器埋め込み時の細菌の存在の3つの要因に関係している。患者の全体的な健康(つまり、宿主因子)は、常に重要であるが、しかしながら、手術を必要とする患者の多くは何らかの危険にさらされるため、その要因を軽減させるために行えることはほとんど無く、他の2つの要因を制御することが重要である。
【0005】
患者は、病院内、特に、手術室(operating room:OR)およびORまでの経路において、細菌汚染に曝露されることが研究により示されている。事実、最大7.0×10CFU/mの細菌がOR着替えエリア内で発見された。空気処理および表面洗浄における最近の改善は、感染病原体の環境濃度を減少させたが、しかしそれらを排除したわけではない。その結果として、細菌汚染を減少させる、または細菌感染の可能性を減少させるさらなる手段が所望される。
【0006】
接種レベルを制御することは、術中および術後外科感染対策3本柱への第3の構成要素である。微生物制御への一側面は、抗生物質の使用である。例えば、一施術者は、手術が3時間を越える場合の追加の投薬とともに、切開前60分以内の抗生物質の全身投与を推奨する。そのような切開前投与は、ペースメーカの設置に関連する感染の発生率に対していくらかの好ましい効果を示している。インプラント汚染の可能性を制御する付加的アプローチは、IMDへの抗菌薬剤の導入である8,9
【0007】
このアプローチは、留置カテーテル等の表面貫入機器を介した体内への微生物侵入に対する障壁を生成するために、初期に開発された9−11。抗菌薬剤は、機器上の直接的な被覆として溶液中に適用され、機器の細菌定着を予防するまたは減少させ、しがたって、機器関連感染の可能性を減少させる。中心静脈カテーテル等の機器表面上の抗菌被覆を使用した、いくつかの臨床試験は、機器のコロニー形成の減少および患者感染の減少の傾向を示しているが、この結果は、統計的には有意でなかった12−18。それにもかかわらず、これらの結果は、適切な無菌および外科技術ならびに適当な抗生物質療法を用いた表面修飾機器の使用が、全体的な処置/患者予後へのプラスの影響を有することを立証する傾向があるため、大いに関連性がある12,13(非特許文献1および非特許文献2)。
【0008】
術後感染の進行は、多くの要因に依存し、どれくらいのコロニー形成単位(colony forming unit:CFU)が、臨床感染を発生するために必要であるのか明確ではない。手術部位での10細菌の接種は、20%の創傷感染率をもたらすことが報告されている。また、現在の空気処理技術および感染対策手順は、病院内の微生物レベルを明らかに減少させているが、埋込型機器の微生物汚染は依然可能性がある。ブドウ球菌等の細菌は、機器の埋め込み後短期間内(つまり、90日以内)に菌血症を生じさせ得るか、または活動性感染を発生する何ヶ月か前に潜伏し得るので、埋め込み時の細菌接種の根絶が重要であり、後期および早期の機器関連感染を減少させるのに役立つ可能性があることが既知である22
【0009】
例えば、リファンピンおよびミノサイクリンの組み合わせは、シリコーンおよびポリウレタン等の非吸収性被覆におけるそれらの薬物の使用を含む、カテーテルおよび他の埋め込み機器に対する被覆として抗菌有効性を実証している13,19−21。また、リファンピンおよびミノサイクリンの組み合わせは、陰茎インプラントへの予防的被覆として使用される場合に、臨床感染の発生率を減少させることも証明されている。さらに、2006年2月8日に出願された米国第60/771,827号およびその関連出願は、抗菌薬剤(リファンピンおよびミノサイクリン)に対する担体としての外科用メッシュ上の生体吸収性ポリマー被覆に関して記述する。
【0010】
抗菌薬剤の添加は、外科的および全身的な感染対策の補助としての外科的埋め込み時に、パウチがインプラント部位に抗菌薬剤を送達し、したがって、CRMまたは他のIMDの微生物定着に対する障壁を提供できるようにする。
【0011】
完全な吸収性パウチは、例えば、高密度の線維状組織によって被包されるか、もしくは包埋されるようになり得るかまたは長期間の外来性の身体の曝露(long term foreign body exposure)に関する他の課題を提示し得る、非吸収性のメッシュよりも利点を有する。したがって、CRMまたは他のIMDが交換を要する場合に、交換手術が過度に複雑になり得る。このことに基づいて、本発明は、完全な吸収性材料(すなわち、本発明で使用される生分解性かつ吸収性のポリマー)から作製されたCRMパウチおよび他のIMDを提供する。このようなパウチは、埋め込み時およびCRMまたは他のIMDを取り出す必要が生じるかもしれない未来において、患者および臨床家の必要に役に立つ。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Maki DG, Stolz SM, Wheeler S and Memel LA. Prevention of central venous catheter−related blood stream infection by use of an antiseptic−impregnated catheter: a randomized, controlled trial. Ann Intern Med, 1997:127:257−66.
【非特許文献2】Raad I, Darouiche R, Dupuis J, et.al., Central venous catheters coated with minocycline and rifampin for the prevention of catheter−related colonization and bloodstream infections: a randomized, double−blind trial. Ann Intern Med, 1997; 127:267−74.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のパウチは、埋め込まれたペースメーカ、パルス発生器、他のCRMおよび他の埋め込み型機器にマッチした種々のサイズおよび形状に作られ得る。
【0014】
本明細書で使用される「パウチ」、「メッシュパウチ」、「本発明のパウチ」は、生分解性ポリマーまたは任意の完全な吸収性のポリマーフィルムから形成され、全部または実質的部分において、埋込型医療機器を被包する、封入する、包囲する、覆うまたは保持するように形作られた任意のパウチ、バッグ、スキン、シェル、カバー、または他の容器を意味する。本発明のパウチは、IMDのリードおよびチューブを、IMDからパウチの開口部を通じて妨げられずに延在することを可能にする開口部を有する。また、パウチは、IMDを周囲組織に電気的に接地する必要がある単極機器を収容させるために、多孔性を有してもよい。パウチが機器を保持することができ、機器の少なくとも20%、30%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%がパウチ内にある、またはパウチによって被覆されている時に、IMDは、実質的に被包される、封入される、包囲されるか、または被覆されている。
【0015】
本発明は、完全な吸収性かつ生分解性のポリマー(フィルムに形成され得るか、所望されるように、パウチ、バッグ、カバー、スキン、シェルまたは他の容器などに成形、エレクトロスピニング(electrospin)および形作られ得る)から作製されるパウチおよびカバーなどに関する。本発明のパウチは、1つ以上の生分解性ポリマーを有し、特定のプロファイルの薬物の溶出または他の一過的な作用を付与または制御する。
【0016】
完全な吸収性パウチのポリマーマトリクスは、1つ以上の薬物を含み得る。このような薬物としては、抗菌剤、抗線維化剤、麻酔薬および抗炎症薬ならびに他のクラスの薬物(タンパク質および増殖阻害剤などのような生物学的因子を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
本発明の吸収性ポリマーマトリクスは、薬物が、インプラントまたは手術関連の合併症を減少させる、または予防するように、周囲の体内組織内かつ機器の近位に1つ以上の薬物を放出することが可能である。例えば、周囲の体内組織、体液、または全身的な流体内に予想通りに浸出または溶出するように麻酔薬を含めることによって、埋め込み部位で経験される疼痛を減弱させる有用な方法を有する。別の実施例においては、麻酔薬を抗炎症薬と交換することは、機器および/またはパウチの埋め込みに関連する腫大および炎症を減少させる方法を提供する。さらに別の実施例において、同じ方法かつ治療有効用量で抗菌薬剤を送達することによって、手術切開の初期の治癒に必要な少なくとも手術後の期間に、パウチ、CRM、または他のIMD、および/または外科的埋め込み部位の細菌による定着を予防するのに十分な薬物放出の速度を提供する方法を有する。
【0018】
したがって、完全な吸収性のポリマーパウチは、機器を適所に固定し、鎮痛を提供し、瘢痕化もしくは線維化を抑制し、そして/または機器の周囲の組織上もしくはその中の細菌増殖を抑制する目的で、ペースメーカ、除細動器または発生器、埋込型アクセスシステム、神経刺激機器、薬物送達ポンプ(例えば、髄腔内送達システムまたは疼痛ポンプ)または任意の他のIMDを被包、封入または包囲するように形成され得るかまたは形作られ得る。フィルムは、IMDを保持するのに適切な形状に形成され得る。
【0019】
本発明にしたがって、「完全な吸収性ポリマーフィルム」または「フィルム」は、注入フィルム(poured film)、成形フィルム(molded film)、シート、エレクトロスピニングされたフィルム(electrospun film)、エレクトロスピニングされた形態、任意の他の技術(どんなに、それらの実体(すなわち、「フィルム」)が、形状を事前に形成すること、射出成形、圧縮成形、浸漬、噴霧、エレクトロスピニングおよび熱成形などによって作製されようとも)によって作製された任意の形態、形状またはフィルムへの都合の良い参照として使用される。完全な吸収性ポリマーフィルムは、1つ以上の完全な吸収性かつ生分解性ポリマーから作製され、全部または実質的部分において、IMDを被包する、封入する、または他の方法で包囲する、および保持するようにIMDに適切なパウチ、カバー、スキン、シェル、容器、または他の形状に形成される。さらに、任意のこれらのフィルムは、多孔質にされ得、フィルムがIMDを覆うパーセンテージは、穴を押し抜くこと、フィルムを穿孔すること(形作る前か、またはその後)または穴を形成することによって調整され得る(例えば、以下の図3および図4を参照のこと)。
【0020】
本発明のパウチは、1つ以上の独立した層(これらの一部は、薬物を含有しない場合がある)から多数の薬物を送達することができる。
【0021】
したがって、本発明は、生分解性かつ吸収性ポリマーを使用して、制御された速度で、規定の期間、薬物を送達する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、完全な吸収性CRMパウチの概略図である。
【図2】図2は、ポリマーマトリクスが抗菌剤を含む完全な吸収性CRMパウチの写真である。
【図3A】図3Aは、神経刺激機器のための大きさにされた吸収性クラムシェル型パウチの図であり、その上面図、底面図および側面図を示す。
【図3B】図3Bは、神経刺激機器のための大きさにされた吸収性クラムシェル型パウチの図であり、その上面図、底面図および側面図を示す。
【図4】図4Aおよび図4Bは、吸収性クラムシェル型パウチを形成するのに使用されるアルミニウム型の2つの図を示す。クラムシェルの形状は、IMDを封入するように設計され、折りたたみのための尾根部(ridge)を有する(または側面がかみ合い、2つの半分が一緒にぴったりと適合するように容易に折り重なり得る)。さらに、クラムシェルは、リードが機器からクラムシェルを通過することを可能にする空間を有する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
本発明のパウチは、必要に応じて、層で、1つ以上の生分解性ポリマーを含み、各層は、独立して、1つ以上の薬物をさらに含有する。ポリマーの物理的、機械的、化学的、および吸収特徴は、パウチの臨床性能およびCRMまたは他のIMDを埋め込む外科医の能力を増強させる。
【0024】
これらの特徴は、パウチの適切な厚さおよび1つ以上の生分解性ポリマーを選択することによって実現される。約10,000ダルトンおよび約200,000ダルトンの間の分子量を有する生分解性ポリマーを使用することが好ましい。このようなポリマーは、水性環境において37℃で少なくとも1週間にわたって、十分な機械的および物理的な完全性を維持する速度で分解する。
【0025】
さらに、生分解性ポリマーは、ポリマー層が、室温で2〜50%の間の薬物を含有するように、薬物に相補的な化学組成を有する。一実施形態において、ポリマーは、少なくとも2〜3日間薬物を放出する。そのような放出は、薬物が、例えば、手術部位での局所疼痛管理を補助する鎮痛薬である場合に、好適である。
【0026】
鎮痛効果を達成するため、麻酔薬および/または鎮痛薬は、手術または組織傷害直後に傷害した組織に送達されるべきである。本発明のパウチに含めるための薬物は、鎮痛薬、抗炎症薬、麻酔薬、抗菌薬剤、抗真菌薬、NSAIDS、他の生物製剤(タンパク質および核酸を含む)等を含むが、これらに限定されない。抗菌薬および抗真菌薬は、パウチ、機器および/または周囲組織に細菌が定着することを予防することができる。1つ以上の薬物は、本発明のパウチを形成するポリマーマトリクス内に取り込まれる。
【0027】
別の実施形態においては、パウチ被覆は、急性手術部位疼痛の期間と典型的には一致する1日から10日の間、埋め込まれたパウチから手術部位の周囲組織に溶出するように、麻酔薬を含む被覆を有する。別の実施形態においては、本発明のパウチを介する抗菌薬の送達は、治癒過程(例えば、通常約7〜30日以下)の間、インプラントの周囲の細菌増殖および定着に対抗して抑制域を生成し、および/または過度の線維形成反応を予防することができる。
【0028】
リドカインおよびブピバカイン等のアミンを含有する麻酔薬は、疎水性であり、ポリプロピレンおよび非吸収性の熱可塑性プラスチック等の医療機器産業において最も一般的に使用されるプラスチック内に、十分な量を負荷することが困難である。それらの塩酸塩の形の場合、2つの材料の親水性における不一致のために、麻酔薬は、そのような非吸収性の熱可塑性プラスチック内に有意な濃度で効果的に負荷することができない。
【0029】
生分解性ポリマーを使用することは、長期間にわたって比較的高いが、局所的な濃度の薬物を放出することにより、下層の機器内または該機器への薬物溶解度、含浸または付着の問題を回避する。例えば、生分解性ポリマーの化学組成を調節することによって、臨床的に有効な量の麻酔薬は、十分な薬物の溶出を確実にし、手術部位、患者への術後の疼痛の軽減を提供するために、本発明のパウチに取り込まれ得る。
【0030】
異なる(長いまたは短い)時間にわたる、より速いまたはより遅い薬物放出を伴う他の溶出プロファイルは、フィルムまたはパウチを形成する層の厚さ、貯蔵層内の薬物の量および生分解性ポリマーの親水性を変化させることによって達成することができる。
【0031】
生分解性ポリマー
本発明のパウチは、1つ以上の生分解性ポリマーおよび任意に1つ以上の薬物を含有する。生分解性ポリマーを作る方法は、当技術分野において周知である。本発明で使用するのに好適な生分解性ポリマーは、以下を含むが、これらに限定されない;ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ならびにそれらの共重合体および混合物、例えば、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PLA)ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン)(PLA/PCL)およびポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−コ−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン−コ−アクリル酸ブチル、ポリヒドロキシブチラート(PHBT)およびポリヒドロキシブチラートの共重合体、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸共重合体、ポリイミノカーボネート、ポリ[(97.5% ジメチル−トリメチレンカーボネート)−コ−(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリ(オルトエステル)、チロシン由来のポリアリレート、チロシン由来のポリカーボネート、チロシン由来のポリイミノカーボネート、チロシン由来のポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ヒアルロン酸、キトサンおよび再生セルロース等の多糖類、ゼラチンおよびコラーゲン等のタンパク質、ならびにそれらの混合物および共重合体、とりわけ、PEG誘導体または上記のいずれかの混合物。
【0032】
一部の実施形態においては、本発明の生分解性ポリマーは、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリホスホネートまたは任意の他のポリマーを形成するために、適切な化学的部分と共重合されるジフェノールモノマー単位を有する。
【0033】
好適な生分解性ポリマーは、米国特許第4,980449号、第5,099,060号、第5,216,115号、第5,317,077号、第5,587,507号、第5,658,995号、第5,670,602号、第6,048,521号、第6,120,491号、第6,319,492号、第6,475,477号、第6,602,497号、第6,852,308号、第7,056,493号、第RE37,160E号、および第RE37,795E号に記載されるもの、ならびに米国特許出願公開第2002/0151668号、第2003/0138488号、第2003/0216307号、第2004/0254334号、第2005/0165203号、およびPCT国際公開第WO99/52962号、第WO01/49249号、第WO01/49311号、第WO03/091337号に記載されるものを含む、チロシンベースのポリアリレートである。また、これらの特許および刊行物は、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリチオカーボネート、ポリホスホネートおよびポリエーテルを含む、チロシン由来のジフェノールモノマー単位または他のジフェノールモノマー単位を含有する他のポリマーも開示する。
【0034】
同様に、前述の特許および刊行物は、これらのポリマーを作るための方法を記載し、それらの一部の方法は、他の生分解性ポリマーを合成することに適用でき得る。最後に、また、前述の特許および刊行物は、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)を含む、ポリアルキレンオキシドを有する混合物および共重合体も記載する。全てのそのようなポリマーは、本発明における使用を検討される。
【0035】
前述のポリマーの代表的な構造は、参考としてそれら全体が本明細書に援用される上記の特許および刊行物に提供される。
【0036】
本明細書で使用するDTEは、ジフェノール単量体デスアミノチロシル−チロシンエチルエステルであり、DTBnは、ジフェノール単量体デスアミノチロシル−チロシンベンジルエステルであり、DTは、対応する遊離酸型、すなわち、デスアミノチロシル−チロシンである。BTEは、ジフェノール単量体4−ヒドロキシ安息香酸−チロシルエチルエステルであり、BTは、対応する遊離酸型、すなわち、4−ヒドロキシ安息香酸−チロシンである。
【0037】
P22は、コハク酸塩とのDTEの縮合によって生成されたポリアリレート共重合体である。P22−10、P22−15、P22−20、P22−xx等は、(1)DTの指示されたパーセンテージ(すなわち、10、15、20およびxx%DT等)を使用したDTEおよびDTの混合物と(2)コハク酸塩との縮合によって生成された共重合体を表す。
【0038】
さらなる好適なポリアリレートは、デスアミノチロシル−チロシン(DT)およびデスアミノチロシル−チロシルエステル(DTエステル)の共重合体であり、共重合体は、約0.001%DTから約80%DTを含み、エステル部分は、最大18の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル、アルキルアリール、またはアルキレンエーテル基であることができ、それらの任意の基は、任意にその中にポリアルキレンオキシドを有することができる。同様に、ポリアリレートの別の群は前述と同一であるが、デスアミノチロシル部分は、4−ヒドロキシベンゾイル部分で置換される。好適なDTまたはBT含量は、約1%から約30%、約5%から約30%、約10から約30%DTまたはBTを有するそれらの共重合体を含む。好適な二価酸(ポリアリレートの形成に使用される)は、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩およびグリコール酸を含む。
【0039】
本発明に有用なさらなる生分解性ポリマーは、2005年11月3日に出願された米国特許仮出願第60/733,988号および2006年11月3日に出願されたその対応するPCT出願第PCT/US06/42944号に開示される生分解性かつ再吸収性ポリアリレートおよびポリカーボネートである。これらのポリマーは、BTEグルタル酸塩、DTMグルタル酸塩、DTプロピルアミドグルタル酸塩、DTグリシンアミドグルタル酸塩、BTEコハク酸塩、BTMコハク酸塩、BTEコハク酸塩PEG、BTMコハク酸塩PEG、DTMコハク酸塩PEG、DTMコハク酸塩、DT N−ヒドロキシスクシンイミドコハク酸塩、DTグルコサミンコハク酸塩、DTグルコサミングルタル酸塩、DT PEGエステルコハク酸塩、DT PEGアミドコハク酸塩、DT PEGエステルグルタル酸塩およびDT PEGエステルコハク酸塩を含むが、これらに限定されない。
【0040】
好ましい実施形態において、上記のポリアリレートは、ポリマーのDTE−DTコハク酸塩のファミリーであり、例えば、約1、2、5、10、15、20、25、27.5、30、35、および40%DTを含むがこれらに限定されない、5〜40%DTを有するポリマーのP22−xxのファミリーである。
【0041】
さらに、本発明で使用する上記のポリマーのいずれも、0.1〜99.9%PEG二価酸または任意の他のポリアルキレンオキシド二価酸を有することができる(例えば、2005年11月3日に出願された米国仮特許出願第60/733,988号、2006年11月3日に出願されたその対応するPCT出願および2007年10月26日に出願された米国第60/983,108号を参照のこと、これらの各々は、参考として本明細書に援用される)。ポリアリレートまたはポリアリレートとの他の生分解性ポリマーの混合物もまた好適である。
【0042】
本発明の完全な吸収性のポリマーパウチは、任意の上記の生分解性ポリマー使用して、そして好ましくは、任意の1つ以上の上述されたチロシンベースのポリアリレートを使用して調製される。このようなポリマーを、適切な溶媒に溶解し、フィルムを鋳造し、本発明の完全な吸収性ポリマーフィルムを形成するための噴霧被覆溶液、エレクトロスピニング溶液および成形溶液などを調製する。
【0043】
フィルム、メッシュおよび不織布などとしての完全な吸収性パウチは、基材を噴霧被覆すること、熱鋳造または溶媒鋳造(thermal or solvent casting)、ウィーブ(weaving)、編成またはエレクトロスピニング、浸漬被覆、押出しまたは成形によるいくつかの手段によって製造され得る。シートは、熱成形、または機械的形成(mechanical forming)およびヒートセット、または接着剤、熱もしくは超音波組立てによってパウチ構成に形成され得る。パウチは、予め形成された形状を浸漬被覆または噴霧被覆すること、または最終的な形状への射出成形もしくは圧縮成形によって、吸収性ポリマーから直接構築され得る。
【0044】
生分解性ポリマーは、多層にされた完全な吸収性ポリマーフィルムに形成され得、各層は、同一または異なるポリマー、同一または異なる薬物、あるいは同一または異なる量のポリマーまたは薬物を含む。例えば、第一のフィルム層は薬物を含み得る一方で、第一のフィルム層を被覆する層は、薬物を含まないか、より低い濃度の薬物を含むかのいずれかである。例えば、多層フィルムは、第一の層を鋳造し、第一の層を乾燥させ、そして第二または引き続いての層を第一の層に鋳造し、次の層を鋳造する前に各層を乾燥させることによって製造され得る。
【0045】
パウチは、IMDの周りに比較的ぴったりまたはより緩く適合するように形作られ得る。例えば、図3および図4に示されるクラムシェル形状のパウチは、IMDを封入するように設計され、これは折り畳まれ得、そして各半分は、他方の半分とかみ合い、機器の周りにシェルを固定し、機器をクラムシェル内に保持する。さらに、クラムシェルは、リードが機器からクラムシェルを通過することを可能にするのに十分な空間または開口部を有する。提供されるパウチ内の空間または開口部の数は、関連する機器に適用可能であるように、CRMまたは他のIMDから延びるリードまたは他の管の数および配置に一致し得る。パウチは、本明細書に記載される群からのポリマー(IMD上にきつく適合するパウチを有することが望ましい場合、エラストマー特性を有するように選択される)で構築される。
【0046】
フィルムをレーザ切断して、望ましい形状およびサイズのパウチおよびカバーなどを製造することができる。熱、超音波または当該分野において公知の他の方法によって、2つの部品(piece)をシールし得、一方の側面は開放しておき、外科手順の時に機器の挿入を可能にする。
【0047】
好ましい実施形態において、本発明のパウチの形状およびサイズは、共に使用されるDRMまたはIMDの形状およびサイズと類似し、パウチは、特定のCRMまたは他のIMDのリードまたは管を収容するのに十分な数の開口部または空間を有する。
【0048】
本発明のパウチは多孔質であり得る。図1および図2に示されるように、多孔質パウチは、パウチを形成するフィルムに空孔を押し抜くことまたは空孔をレーザ切断することによって形成され得る。多孔質パウチはまた、生分解性ポリマーから作製された織られた繊維または織られていない繊維を、パウチに形成することによっても形成され得る。繊維およびウィーブに依存して、このようなパウチは、微小多孔質(microporous)で有り得る。一例として、パウチは、IMDを完全に封入する、または包囲する必要はない。したがって、パウチが機器および機器の少なくとも20%、30%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%をパウチ内に保持することができる時に、IMDは、実質的に被包される、封入される、包囲されるか、または被覆される。多孔質パウチおよび部分的に封入されたパウチは、組織および体液との接触を可能にし、モノポールCRMまたは他のIMD機器とともに特に有用である。多孔性は、パウチによって被覆されるIMDのパーセンテージに寄与する。すなわち、IMDは、50%空隙または空孔を有するフィルムで構築されるパウチによって完全に包囲されるのであれば、50%被覆されると見なされる。
【0049】
薬物
本発明のパウチを調製する過程に適合する任意の薬物、生物学的因子、または活性成分は、パウチまたは本発明のパウチを形成する生分解性ポリマー層のうちの1つ以上の層に取り込むことができる。そのような薬物および薬剤の用量は、当技術分野において公知である。当業者は、本発明のパウチに含める特定の薬物の量を容易に判断することができる。
【0050】
本発明とともに使用するのに好適な薬物の例は、麻酔薬、抗生物質(抗菌薬)、抗炎症薬、線維化阻害剤、抗瘢痕化剤、ロイコトリエン阻害剤/拮抗薬、細胞増殖阻害剤等を含む。本明細書で使用する「薬物」は、タンパク質、核酸等の小分子または大型の分子を問わず、全ての種類の治療薬を含むように使用される。本発明の薬物は、単独または組み合わせて使用することができる。
【0051】
例えば、遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩またはエステル等の本発明の薬物の任意の薬学的に許容可能な形態を、本発明に採用することができる。薬学的に許容可能な塩は、例えば、硫酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩,クエン酸塩、リン酸塩等を含む。
【0052】
非ステロイド性抗炎症薬の例は、ナプロキセン、ケトプロフェン、イブプロフェンおよびジクロフェナク、セレコキシブ、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、メロキシカム、r−フルルビプロフェン、メフェナム酸、ナブメトン、トルメチン、および前述の各ナトリウム塩、ケトロラクブロメタミン、ケトロラクブロメタミントロメタミン、コリンマグネシウムトリサリチル酸塩、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、アスピリン、サリチル酸およびそのナトリウム塩、α、β、γトコフェロールおよびトコトリエノールのサリチル酸エステル(および全てのそれらのd、l、ラセミ異性体)、ならびにアセチルサリチル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル,エステル等を含むが、これらに限定されない。
【0053】
麻酔薬の例は、リコダイン(licodaine)、ブピバカイン、およびメピバカインを含むが、これらに限定されない。鎮痛薬、麻酔薬および麻薬のさらなる例は、アセトアミノフェン、クロニジン、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピンアンタゴニストフルマゼニル、リドカイン、トラマドール、カルバマゼピン、メペリジン、ザレプロン、トリミプラミン マレイン酸塩、ブプレノルフィン、ナルブフィン、ペンタゾカイン、フェンタニル、プロポキシフェン、ヒドロモルホン、メタドン、モルヒネ、レボルファノール、およびヒドロコドンを含むが、これらに限定されない。局所麻酔薬は、弱い抗菌特性を有し、急性疼痛および感染の予防において二重の役割を担うことができる。
【0054】
抗菌薬の例は、トリクロサン、クロルヘキシジン、リファンピン、ミノサイクリン(または他のテトラサイクリン誘導体)、バンコマイシン、ゲンタマイシン、セファロスポリン等を含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、被覆は、リファンピンおよび別の抗菌薬剤(特に、テトラサイクリン誘導体)を含有する。別の好ましい実施形態において、被覆は、セファロスポリンおよび別の抗菌薬剤を含有する。好適な組み合わせは、リファンピンおよびミノサイクリン、リファンピンおよびゲンタマイシン、ならびにリファンピンおよびミノサイクリンを含む。
【0055】
さらなる抗菌薬は、アズトレオナム;セフォテタンおよびその二ナトリウム塩;ロラカルベフ、セフォキシチンおよびそのナトリウム塩;セファゾリンおよびそのナトリウム塩;セファクロル;セフチブテンおよびそのナトリウム塩;セフチゾキシム;セフチゾキシムナトリウム塩;セフォペラゾンおよびそのナトリウム塩;セフロキシムおよびそのナトリウム塩;セフロキシムアキセチル;セフプロジル;セフタジジム;セフォタキシムおよびそのナトリウム塩;セファドロキシル;セフタジジムおよびそのナトリウム塩;セファレキシン;セファマンドールナファート;セフェピムおよびその塩酸塩、硫酸塩およびリン酸塩;セフジニルおよびそのナトリウム塩;セフトリアキソンおよびそのナトリウム塩;セフィキシムおよびそのナトリウム塩;セフポドキシムプロキセチル;メロペネムおよびそのナトリウム塩;イミペネムおよびそのナトリウム塩;シラスタチンおよびそのナトリウム塩;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;ジリスロマイシン;エリスロマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩エチルコハク酸塩、およびステアリン酸塩形態;クリンダマイシン;クリンダマイシン塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;リンコマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;トブラマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;ストレプトマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;バンコマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;ネオマイシンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;アセチルスルフイソキサゾール;コリスチメタートおよびそのナトリウム塩;キヌプリスチン;ダルホプリスチン;アモキシリン;アンピシリンおよびそのナトリウム塩;クラブラン酸およびそのナトリウムまたはカリウム塩;ペニシリンG;ペニシリンGベンザチン、またはプロカイン塩;ペニシリンGナトリウムまたはカリウム塩;カルベニシリンおよびその二ナトリウムまたはインダニル二ナトリウム塩;ピペラシリンおよびそのナトリウム塩;チカルシリンおよびその二ナトリウム塩;スルバクタムおよびそのナトリウム塩;モキシフロキサシン;シプロフロキサシン;オフロキサシン;レボフロキサシン;ノルフロキサシン;ガチフロキサシン;メシル酸トロバフロキサシン;メシル酸アラトロフロキサシン;トリメトプリム;スルファメトキサゾール;デメクロサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;ドキシサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;ミノサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;テトラサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;オキシテトラサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;クロルテトラサイクリンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;メトロニダゾール;ダプソン;アトバコン;リファブチン;リネゾリド;ポリミキシンBおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;スルファセタミドおよびそのナトリウム塩;ならびにクラリスロマイシンを含む。
【0056】
抗真菌薬の例は、アムホテリシンB;ピリメタミン;フルシトシン;カスポファンギン酢酸塩;フルコナゾール;グリセオフルビン;テルビナフィンおよびその塩酸塩、硫酸塩、またはリン酸塩;ケトコナゾール;ミクロナゾール;クロトリマゾール;エコナゾール;シクロピロクス;ナフチフィン;ならびにイトラコナゾールを含む。
【0057】
本発明のメッシュパウチ上の被覆に取り込むことができる他の薬物は、ケフレックス、アシクロビル、セフラジン、マルファレン(malphalen)、プロカイン、エフェドリン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、プルンバギン(plumbagin)、アトロピン、キニーネ、ジゴキシン、キニジン,生物活性ペプチド、セフラジン、セファロチン、cis−ヒドロキシ−L−プロリン、メルファラン、ペニシリンV、アスピリン、ニコチン酸、ケノデオキシコール酸、クロランブシル、パクリタキセル、シロリムス、シクロスポリン、5−フルオロウラシル等を含むが、これらに限定されない。
【0058】
さらなる薬物は、血管新生阻害剤の役割を果たすもの、または上皮細胞増殖因子、PDGF、VEGF、FGF(線維芽細胞増殖因子)等の細胞増殖を抑制するものを含む。これらの薬物は、抗増殖因子抗体(ニュートロフィリン−1)、エンドスタチンおよびサリドマイド等の増殖因子受容体特異的阻害剤を含む。
【0059】
抗炎症性化合物の例は、酢酸アネコルタブ;テトラヒドロコルチゾール,4,9(ll)−プレグナジエン−17.α.,21−ジオール−3,20−ジオンおよびその−21−酢酸塩、11−エピコルチゾール、17.α.−ヒドロキシプロゲステロン;テトラヒドロコルテキソロン(tetrahydrocortexolone);コルチゾン;酢酸コルチゾン;ヒドロコルチゾン;酢酸ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;リン酸フルドロコルチゾン、プレドニゾン;プレドニゾロン;プレドニゾロンリン酸ナトリウム;メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロン酢酸塩;メチルプレドニゾロン;コハク酸ナトリウム;トリアムシノロン;トリアムシノロン−16,21−ジアセテート;トリアムシノロンアセトニドおよびその−21−酢酸塩、−21−二ナトリウムリン酸塩、および−21−ヘミコハク酸塩形態;トリアムシノロンベネトニド;トリアムシノロンヘキサセトニド;フルオシノロンおよびフルオシノロンアセテート;デキサメサゾンおよびその−21−酢酸塩、−21−(3,3−ジメチルブチラート)、−21−リン酸塩二ナトリウム塩、−21−ジエチルアミノアセテート、−21−イソニコチネート、−21−ジプロピオネート、および−21−パルミテート形態;βメタゾンおよびその−21−酢酸塩、−21−アダマントエート、−17−安息香酸塩、−17,21−ジプロピオネート、−17−吉草酸塩、および−21−リン酸塩二ナトリウム塩;ベクロメタゾン;ベクロメタゾンジプロピオネート;ジフロラゾン;酢酸ジフロラゾン;フランカルボン酸モメタゾン;ならびにアセタゾラミドを含むが、これらに限定されない。
【0060】
ロイコトリエン阻害剤/拮抗薬の例は、アシタザノラスト(acitazanolast)、イラルカスト(iralukast)、モンテルカスト、プランルカスト(pranlukast)、ベルルカスト(verlukast)、ザフィルルカスト、およびジレウトン(zileuton)等のロイコトリエン受容体拮抗薬を含むが、これらに限定されない。
【0061】
本発明の被覆に取り込むことができる別の有用な薬物は、ナトリウム2−メルカプトエタンスルホン酸塩(Mesna)である。Mesnaは、乳房インプラントを用いた嚢(capsular)拘縮の動物実験において、筋線維芽細胞形成を減少させることが分かっており[Ajmal et al.(2003)Plast.Reconstr.Surg.112:1455−1461]、したがって、抗線維化薬剤として作用し得る。
【0062】
CRMおよび他のIMD
本発明のパウチとともに使用されるCRMおよび他のIMDは、ペースメーカ、除細動器、埋込型アクセスシステム、神経刺激機器、他の刺激機器、心室補助機器、輸液ポンプもしくは薬物を送達するための他の埋込型機器(またはその埋込型構成部品)、水和溶液もしくは他の流体、髄腔内送達システム,疼痛ポンプ、または薬物もしくは電気刺激を体の一部に提供するための任意の他の埋込型システムを含むが、これらに限定されない。
【0063】
埋込型心調律管理装置(Implantable cardiac rhythm management:CRM)は、IMDの形態であり、生涯医療機器インプラントである。CRMは、定常速度で心臓が継続的に鼓動することを確実にする。埋込型心調律管理装置と埋込型除細動器の2つの主な種類のCRM機器がある。
【0064】
ICDまたは埋込型電気除細動器(cardioverter defibrillator)およびペースメーカは、共通要素を共有する。それらは、比較的規模の小さい外科的処置を介して挿入された永久インプラントである。それぞれが、発生器およびリードの2つの基本的な構成部品を有する。発生器は、通常、胸骨の皮膚の下の皮下ポケット内に設置され、リードは、心筋または心室内に下方にセット(threaded down and into)される。設置および設計の共通要素は、リード突出、リードチップ線維化、および感染を含む、共有の罹患率に繋がる。感染率は極めて低いとされるが、リード、発生器、または手術部位のいずれかの細菌汚染が、発生器およびリードに沿った細菌拡散を介して、心臓に直接移動することができるため、感染は、重要な課題である。心内膜炎、または心臓の感染は、33%もの高い死亡率を報告している。
【0065】
ICDは、心拍および律動を定常的に監視する電子機器である。これは、速い異常な心律動を検出した時に、心筋にエネルギーを送達する。この作用は、それを洞律動に戻す試みにおいて、再び正常な律動で心臓を鼓動させる。
【0066】
ICDは、リードおよびパルス発生器の2つの部品を有する。リードは、心律動を監視し、ペーシングおよび/または除細動(定義は以下を参照)のために使用されるエネルギーを送達する。リードは、心臓および発生器に直接接続される。発生器は、電池および極小コンピュータを収容する。エネルギーは、必要となるまで電池に保存される。コンピュータは、リードを介して心機能に関する情報を受け取り、そのプログラミングに基づいてその情報に反応する。
【0067】
異なる種類のICDは、リードが右心室に取り付けされる単一チャンバICD(必要とあれば、エネルギーは、心室が正常に収縮するように心室に送達される)と、リードが右心房および右心室に取り付けられる二重チャンバICD(エネルギーは、心臓が正常な順序(sequence)で確実に鼓動するように、最初に右心房に、次いで右心室に送達される)と、リードが右心房、右心室および左心室に取り付けられる両室ICDと、を含むが、これに限定されない。この配列(arrangement)は、より均衡の取れた方法で心臓を鼓動させるのに役立ち、心不全患者のために特に使用される。
【0068】
ペースメーカは、好適な心拍および律動を維持するために、電気インパルスを心筋に送る小さな機器である。また、ペースメーカは、失神発作(fainting spell)(失神)、鬱血性心不全、および肥大型心筋症を治療するために使用することもできる。ペースメーカは、概して、規模の小さい外科的処置時に、胸部の皮膚の下に埋め込まれる。また、ペースメーカは、リードおよび電池駆動のパルス発生器で構成される。パルス発生器は、胸部の皮膚の下に存在する。リードは、静脈を介して心臓にセットされ、心筋に埋め込まれるワイヤである。それらは、パルス発生器から心筋にインパルスを送り、心臓の電気的活動を感知する。
【0069】
各インパルスは、心臓を収縮させる。ペースメーカは、心臓の不具合を治療するのに必要なペースメーカの種類に応じて、1つから3つのリードを有してもよい。
【0070】
異なる種類のペースメーカは、心臓の上方チャンバ(心房)または下方チャンバ(心室)内で1つのリードを使用する単一チャンバペースメーカ、心臓の心房内で1つのリードおよび心室内で1つのリードを使用する二重チャンバペースメーカ、ならびに1つが右心房内に設置され、1つが右心室内に設置され、1つが左心室に設置される(冠状静脈洞静脈を介して)、3つのリードを使用する両室ペースメーカを含むが、これらに限定されない。
【0071】
したがって、本発明のパウチは、様々な製造業者(表1参照)からの広範囲に及ぶペースメーカおよび埋込型除細動器を適合するように設計することができる。CRMのサイズは異なり、典型的なサイズ範囲を表1に列挙する。
【0072】
【表1】

【0073】
埋込型神経刺激機器は、機器が電気インパルスを発生させるペースメーカと同様である。これらの機器は、疼痛および他の神経障害を治療するために、リードを介して脊椎および脳に電気信号を送る。例えば、リードが脊椎に埋め込まれた場合、神経刺激は、慢性疼痛(特に、背痛および脊椎痛)を治療するために使用することができ、リードが脳に埋め込まれた場合、神経刺激は、癲癇とパーキンソン病および他の神経障害に付随する振せんを含む本態性振せんとを治療するために使用することができる。神経刺激は、重症かつ慢性の悪心および嘔吐ならびに泌尿器系障害を治療するために使用することができる。前者に対して、電気インパルスは胃に送られ、後者に対して、電気インパルスは、腰背部の仙骨神経に送られる。神経刺激機器のインプラント位置は、用途によって異なるが、全ての場合において、皮膚の下に設置され、埋め込み時および埋め込み後に感染しやすい。同様に、神経刺激機器内の電池の再介入および交換は、一定の間隔で生じ得る。
【0074】
したがって、本発明のパウチは、様々な製造業者(表2参照)からの広範囲に及ぶ神経刺激機器を適合するように設計することができる。神経刺激機器のサイズは異なり、典型的なサイズ範囲を表2に列挙する。
【0075】
【表2】

【0076】
最初の埋め込みに関する報告された感染率は、通常極めて低いが(1%未満)、しかしながら、再介入が必要な時に、感染率は劇的に増加する。再介入は、ICDの発生器部分、ペースメーカ、神経刺激機器、薬物ポンプまたは他のIMDの除去を必要とすることが多く、吸収性パウチを有することでその処理が向上する。
【0077】
本発明において使用するための他のIMDは、薬物ポンプ、特に疼痛ポンプおよび髄腔内送達システムである。概して、これらの機器は、薬物を分配するための埋込型薬物ポンプおよびカテーテルから成る。埋込型薬物ポンプは、神経刺激機器およびCRMと同様のサイズである。さらなる埋込型医療機器は、埋込型EGMモニタ、埋込型アクセスシステム、または体の一部に薬物または電気刺激を提供するために、電池電力を利用する任意の他の埋込型システムを含むが、これらに限定されない。
【0078】
抗菌効果
本発明のパウチの抗菌効果は、例えば、細菌抑制域にアクセスするために、改良型Kirby−−Bauer Antibiotic Susceptibility Test (Disk Diffusion Test)(インビトロ)を使用して、またはパウチを使用して達成される細菌の低減を評価する抗菌仕上げ方法(インビトロ)によって、実験室(インビトロ)で実証することができる。そのような実験において、パウチの小さいディスクを切断して、使用し、また、抗菌効果も、感染の動物モデルを使用してインビボで実証することができる。例えば、パウチと機器の組み合わせを動物に埋め込み、手術部位を、黄色ブドウ球菌または表皮ブドウ球菌等の所定のレベルの病原微生物に意図的に感染させ、感染および炎症の徴候について動物を監視する。屠殺後、動物は、パウチ(依然として存在する程度まで)、機器および周囲組織の炎症、線維化および細菌定着に関して評価される。
【0079】
当業者は、本発明の範囲を逸脱せずに、上記の本発明に、種々の省略、追加および変型を行うことができ、全てのそのような変型および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本発明の範囲に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書で引用した全ての参考文献、特許、特許出願、または他の文書は、参考としてそれらの全体が援用される。
【実施例】
【0080】
(実施例1)
吸収性パウチ
吸収性パウチを調製するために、18.0gのポリマー、1.0gのミノサイクリンおよび1.0gのリファンピンを、75mLのテトラヒドロフラン−メタノールの溶液に溶解させる。この溶液を、水平な非粘着性テフロン(登録商標)表面上に注ぐ。較正したステンレス鋼のガードナーナイフ(gardner knife)を使用して、この溶液を所望の厚さまで(代表的には、約2ミクロンおよび約400ミクロンの範囲まで)薄く広げる。
【0081】
フィルムを周囲温度で一晩乾燥させる。その後、溶媒鋳造フィルムを、50℃で1日、対流オーブン内で乾燥させる。オーブンの温度を80℃まで上げ、フィルムをさらに2日間乾燥させる。この点において、乾燥フィルムは、パウチを作製するためのレーザ切断およびさらなる加工(すなわち、3つの側面を切断しシールすること)のための準備ができる。パウチを、全体的な形状について切断し、所望のCRMにマッチさせ、そしてメッシュ様のカバーを作製する。DT−DTEコハク酸塩ポリマーを使用して製造されたCRMパウチは、図4に示される。
【0082】
(実施例2)
吸収性クラムシェルパウチ
吸収性クラムシェルパウチを調製するために、実施例1に上述されるようにフィルムを調製する。フィルムを乾燥させた後に、フィルムシートをフレームに置き、フィルムを約90℃〜100℃に加熱し、そしてフレームを図7に示されるクラムシェル形状の型上に下ろし、それによって、フィルムがクラムシェル型の形状をとることによって、それをクラムシェル形状に熱成形する。成形されたクラムシェルを冷却し、型から外し、そしてフィルムシートからレーザ切断する。
【0083】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)埋込型医療機器を少なくとも部分的に囲むかまたは封入するように形成された生分解性かつ吸収性のポリマー、および
(b)1つ以上の薬物
を含む、吸収性パウチ。
【請求項2】
前記1つ以上の薬物が、抗菌剤、麻酔薬、抗炎症薬、抗瘢痕化剤、抗線維化剤およびロイコトリエン阻害剤からなる群より選択される、請求項1に記載の吸収性パウチ。
【請求項3】
前記薬物が、ブピバカインHClである、請求項2に記載の吸収性パウチ。
【請求項4】
前記薬物が、抗菌剤である、請求項2に記載の吸収性パウチ。
【請求項5】
2つの抗菌剤を含み、該薬剤が、リファンピンおよびテトラサイクリン誘導体である、請求項4に記載の吸収性パウチ。
【請求項6】
前記テトラサイクリン誘導体が、ミノサイクリンHClである、請求項5に記載の吸収性パウチ。
【請求項7】
前記パウチが、熱成形されたクラムシェル型パウチである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項8】
前記パウチが、バッグに溶接され、レーザ切断された、溶媒鋳造フィルムから製造される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項9】
前記パウチが多孔質である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項10】
前記パウチが吸収性繊維から織られている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項11】
前記機器がCRM機器である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項12】
前記機器が、ペースメーカ、除細動器、パルス発生器、埋込型アクセスシステム、薬物ポンプまたは神経刺激機器である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性パウチ。
【請求項13】
埋込型医療機器ユニットおよび請求項1に記載の吸収性パウチを備えるキット。
【請求項14】
前記医療機器ユニットがCRM機器である、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記医療機器ユニットが、ペースメーカ、除細動器、パルス発生器、埋込型アクセスシステム、薬物ポンプまたは神経刺激機器である、請求項13に記載のキット。
【請求項16】
前記パウチが、熱成形されたクラムシェル型パウチである、請求項13〜15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項17】
前記1つ以上の生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリグリコール酸、ポリ(L−ラクチド−コ−D,L−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、ポリエチレンオキシド、ポリオキサエステル、ポリジオキサノン、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート−コ−グルタミン酸)、ポリ(tert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−コ−アクリル酸ブチル、ポリヒドロキシブチラート、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸共重合体、ポリイミノカーボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカーボネート)−コ−(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリ(オルトエステル)、チロシン由来のポリアリレート、チロシン由来のポリカーボネート、チロシン由来のポリイミノカーボネート、チロシン由来のポリホスホネート、ポリアルキレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、多糖類、タンパク質、ならびに共重合体、ターポリマーおよび任意のそれらの混合物から成る群より選択される、請求項13に記載のキット。
【請求項18】
前記生分解性ポリマーのうちの少なくとも1つは、1つ以上のチロシン由来のジフェノールモノマー単位を含む、請求項13に記載のキット。
【請求項19】
前記被覆は、抗菌剤、麻酔薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗瘢痕化剤、抗線維化剤およびロイコトリエン阻害剤から成る群より選択される、1つ以上の薬物を含む、請求項13に記載のキット。
【請求項20】
前記薬物は、麻酔薬である、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記薬物は、抗菌剤である、請求項19に記載のキット。
【請求項22】
前記抗菌剤は、リファンピン、ミノサイクリン、銀/クロルヘキシジン、バンコマイシン、セファロスポリン、ゲンタマイシン、トリクロサンおよびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
2つの抗菌剤を含み、該薬剤は、リファンピンおよびテトラサイクリン誘導体である、請求項21に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−63322(P2013−63322A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−274044(P2012−274044)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2009−535508(P2009−535508)の分割
【原出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(508125575)タイレックス・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】TYRX INC.
【Fターム(参考)】