説明

培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法

【課題】 本発明は実験データの取得から生産条件の管理まで応用することのできる培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する新規な方法を提案するものである。
【解決手段】 本発明は、振とう培養中の試料液に外方から光を照射して、該試料液の増殖に伴う光学密度の上昇による透過光量または反射光量あるいは双方の光量の変化を光学密度のモデルデータに照合し演算することで培養中の試料の増殖を連続測定可能にしたことを特徴とする培養中の試料の増殖を非接触にて連続測定する方法にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より微生物等の培養分野においては振とう培養する試料(微生物,細胞)の増殖を測定する方法として、培養液の光学密度(OD)が細胞数の増加の指標として採用されている。その方法は図7に示すように一定大きさ(10mm角)の測定用セルに培養した試料液を採取して入れて暗所にて外方から光(600nm光)を照射して透過光量を測定する分光光度計による測定方法が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の分光光度計による測定方法は、振とう培養を一旦停止して、培養試料の一部を取り出して専用の測定用セルに移し換えなければならないために煩雑であるばかりでなく、培養試料の増殖状況をリアルタイムで測定することができないという課題がある。
【0005】
測定するごとに培養中の試料が減少するほか、作業による雑菌混入のコンタミネーションの発生のおそれがあるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、振とう培養中の試料液に外方から光を照射して、該試料液の増殖に伴う光学密度の上昇による透過光量または反射光量あるいは双方の光量の変化を光学密度のモデルデータに照合し演算することで培養中の試料の増殖を非接触にて連続測定することができるようにして、かかる課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は培養試料の増殖に対応する光学密度(OD)を培養振とう中にリアルタイムで測定することで、従来行われていた試料の採取〜分光光度計へのセット〜測定のプロセスに伴う作業の負担を軽減し,培養試料の減少をなくし、培養の一時停止による悪影響(培養に必要な溶存酸素の枯渇など)、さらにコンタミネーションのリスクを低減することができるという効果を生ずる。
【0008】
反射光量と透過光量の双方の測定方式を併用することで、測定初期かから高濃度域の光学密度(OD)までを正確に測定することができるという効果を生ずる。
そして多検体からの高増殖株の選抜や、抗生物質の耐性菌の選抜への貢献が期待される。
【0009】
測定用の照射光に赤外光を用いることで、室内の可視光下における通常の振とう培養中に光学密度を測定することができるという効果を生ずる。
【0010】
光の照射位置と反射光量の測定センサーの位置を上げて培養試料液の厚みの薄い位置で測定することによって、より高濃度の光学密度まで測定することができるという効果を生ずる。
【0011】
測定値のフィートバック制御を利用して培養液を一定濃度に自動化することで長時間に亘る連続測定を可能とすることができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図2】第2実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図3】第3実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図4】第4実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図5】第5実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図6】第6実施例の方法の実施装置の例を示す説明図
【図7】従来の分光光度計による測定の説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、振とう培養中の試料液に外方から光を照射して、該試料液の増殖に伴う光学密度の上昇による透過光量または反射光量あるいは双方の光量の変化を、培養容器の大きさと形状の相違・培養試料液の液量の多少と粘度度合・振とう方式・振幅の大小・振とう速度の遅速・振とう角の大小・温度の高低に基づいて求められる光学密度のモデルデータに照合し演算することで培養試料の増殖を振とう中に非接触にて連続測定するようにしたのである。
【実施例1】
【0014】
以下図面に基づいて実施例を説明する。
図1は本発明の第1実施例を実施するための装置例を示すものであって、装置は操作部と内部に演算部を有して制御と入出力を行う本体1と、本体1に接続し、培養試料液を収容した小型の三角フラスコAを載上して旋回振とうを行う振とう台2を備えるとともに載上した三角フラスコAを挟んで赤外光(900nm)を照射するLED光源の光照射部3aと受光センサー部3bを設けた振とう測定部3から構成される。本体1の演算部には培養試料の増殖による光学密度(OD)の変化を照射光量と透過光量の差の数値を照合し演算するための光学密度のモデルデータ(濃度〜透過光量曲線)を記憶させている。
【0015】
培養による試料の増殖を測定するには、三角フラスコA内に例えば試料として大腸菌培養の試料液aを入れて振とう台2上に載上し旋回振とうしながら大腸菌の増殖に伴う濃度の変化から照射光と透過光の差の数値、つまり光学密度(OD)を光学密度のモデルデータと照合し演算して増殖の進行を測定するのである。振とう培養中に停止することもなく培養試料の増殖を外部から非接触にてリアルタイムに連続測定することができる。
【0016】
なお、三角フラスコAは表1に示すように、その幅の大きさから培養液の濃度が上昇した時点で光が通らないような光路長であるところ、旋回振とうの遠心力にて大腸菌培養の試料液aをフラスコAの内壁面に薄く一定の揺らぎをもった厚みに拡げ延ばしすることで、実質的な光路長を短くして光の透過を可能にしている。よって従来の分光光度計の測定用セルよりもはるかに大きなサイズである三角フラスコAを用いて振とう培養しながら測定することを可能としたのである。
【0017】
【表1】

【0018】
旋回振とうによって三角フラスコA内に収容した大腸菌培養の試料液aが三角フラスコAの内壁面に薄く一定の揺らぎをもった厚みに拡げ延ばしされることで、内部中央付近では照射光が空間を通過することとなるため、回転速度の遅速,液量の多少,粘度の度合によって光路長が変わることと、照射光の出入り時の反射,振とうで生ずる気泡によって光散乱が起きることで、普通に透過光量を測定しても濃度を反映した値とはならないところであるが、三角フラスコAの大きさ(=液量)、振幅の大きさ、振とう速度が一定である安定した状態であれば光路長や光散乱の状態は一定の範囲に収まることに着目し、この状態で透過光量の逆数の対数は物質の濃度に比例するというランベルト・ベール(Lambert-Beer)の法則
【0019】
【数1】

【0020】
が成り立つと仮定し、様々な濃度(光学密度)の大腸菌培養液について振とうしながら透過光量(光センサー電圧)を測定したところ、その揺らぎは一定の範囲に収まることが確認された。同状態での透過光量の代表値を数万回の実測値から割り出し、試料の増殖に伴う濃度に従って透過光量が減少する光学密度のモデルデータ(濃度〜透過光量曲線)を得、さらに培養容器の大きさと形状・液量と粘度・回転速度・温度の各相違する様々な条件下における光学密度のモデルデータを求めて、これを演算部に記憶させて測定値と照合し演算するようにした。
【0021】
【表2】

【0022】
表2は本願の方法による細胞濃度とセンサー電圧の相関を示すもので、大腸菌JM109株を用いて培養液の希釈系列を作成し様々な振とう条件での測定電圧を調べたものである。その結果、光学密度(OD)0.1〜2.0までの範囲では連続的な関連性があることが確認できたので、この測定結果より、センサー電圧の減少率から光学密度(OD)に変換するモデルデータ(換算式)を求めた。
【0023】
【表3】

【0024】
表3は大腸菌JM109株を用いて増殖をモニタリングしたもので、これより分光光度計による測定値に一致した光学密度(OD)のタイムコースを得ることができた。
【0025】
【表4】

【0026】
表4は本願の方法により、大腸菌,酵母,枯草菌,アグロバクテリウム属,ビフィズス菌において光学密度(OD)を計測したものである。サイズが異なる細胞では補正を必要とするものもあるが、嫌気性細胞を含む幅広い生物種で光学密度(OD)を測定することができた。
【0027】
このようにして適宜の振とう条件における光学密度のモデルデータを選択して、培養開始時の初期透過光量からの透過光量の減少率を元に光学密度(OD)を算出することによって培養試料の増殖を振とう中に容器の外部から非接触にて連続測定することができるのである。
本体1の演算部は、振とう条件ごとに求められた様々な光学密度のモデルデータ(濃度〜透過光量曲線)の近似式を記憶していることにより、未知試料の濃度(=光学密度、OD)もその透過光量を近似式に入力することで算出することができる。
【0028】
また大腸菌と光学的特性が大きく異なる試料の場合には分光光度計との測定値比較において誤差が生ずるおそれがあるが、その誤差は補正機能により±15%程度にすることができる。なお、照射光の光源にLEDを用いるときはLEDの特性上光量にばらつきが生ずることがあるが測定開始時の透過光量を基礎として測定中の光量の変化率を参照するようにすることで自動的に補正することができる。
【0029】
測定用の照射光に赤外光(900nm)を用いることによって、従来の暗所における測定は要せずして室内の可視光下における通常の振とう培養中に測定することができることとなる。
【0030】
【表5】

【0031】
表5は大腸菌HB101株をOD600=1.0に希釈して、その散乱スペクトルを測定したものである。OD900はOD600に較べて約0.6倍の値であったが、モル吸光係数は細胞濃度によらない定数であるので、比の係数を乗ずることで波長の差を補正することができる。
【実施例2】
【0032】
図2は培養容器として試験管Bを用いる装置例を示すものであって、前例と同じく本体1と培養する試料を収容した試験管Bを挟んで光を照射する光照射部3aと受光センサー部3bからなる測定部2を備え、試験管Bを傾倒状態にて支持して往復振とうを行う振とう台4を設けたものである。
【0033】
往復振とう状態における試験管B内の液体の光路長は、試験管の傾きが水平に近くて振とう速度が速いほど短く、垂直に近くて振とう速度が遅いほど長くなる(図2を参照)。また、光路長以外にも液面での光の散乱,培養液中に発生する気泡の量など様々な要素が生ずることとなるが、振とうが安定した状態では、試験管のサイズの相違、液量の多少、液体の粘度、液体の光学密度や屈光計数、試験管の傾きの大小、振幅の大小、振とう速度の遅速などから光路長,光の散乱の様子が一定の範囲で揺らぎながら決定されることとなる。
【0034】
前例と同様にして、試験管のサイズや液量、振とう角度、振幅、振とう速度が一定の状態では光路長や光散乱の状態は一定の範囲に収まることを前提にして様々な濃度の大腸菌培養液について振とうしながら透過光量(受光センサー電圧)を測定したところ、実際にその揺らぎは一定の範囲に収まることが確認され、この場合でもランベルト・ベールの法則が成り立つことが実証された。さらに様々な条件下において透過光の代表値を数万回の実測値から得て、濃度に従って透過光量が減少する光学密度のモデルデータ群を求め、これを本体1の演算部に記憶させたのである。
【0035】
【表6】

【0036】
表6は大腸菌を本実施例の方法にて培養しつつ測定し、途中で何度もサンプリングして分光光度計にて測定した光学密度(OD)値と比較したものである。両測定値が経時的にもほぼ一致していることを確認することができた。
【0037】
【表7】

【0038】
また表7は大腸菌培養液の希釈シリーズを作成し、実施例の方法と分光光度計にてそれぞれ測定した値を比較したものである。実施例の方法による測定値が分光光度計の希釈したときの測定値と一致していることが確認された。
【0039】
【表8】

【0040】
表8は第2実施例の方法により、大腸菌,酵母,枯草菌において光学密度(OD)を計測した結果を示すものであり、幅広い生物種で光学密度(OD)を測定することができることを確認した。
【0041】
本体1の演算部がこの様々な光学密度のモデルデータ(濃度〜透過光量曲線)の近似式を記憶していることにより、未知試料の濃度(=光学密度、OD)もその透過光量を近似式に入力することで算出することができることとなることは前例に同じである。但し、試験管Bでの振とう培養では攪拌効果の大きな振とう条件において初期透過光量の安定までに30〜60 分の時間がかかることが確認されたため、初期透過光量の安定を待ってから光学密度(OD) の測定を開始するようにするのである。
【実施例3】
【0042】
図3は培養容器として大型の三角フラスコCを用いる装置例を示すもので、測定部3の光照射部3a側に反射光量を測定するための光センサー部3cを設けるほかは第1実施例の構成と同じである。この実施例では長い光路長と高濃度の光学密度(OD)を測定することができるように反射光量の変化を中心に透過光量の補正を付加して光学密度(OD)を測定するようしたのである。表9に示すように培養時間の経過による光学密度(OD)の上昇に伴って、透過光量が減少し、反射光量が上昇していることがわかる。
【0043】
【表9】

【0044】
第1実施例と同様に、様々な濃度の大腸菌培養液について振とうしながら反射光量の代表値を数万回の実測値から得て、試料の増殖に伴う濃度に従って反射光量が増加する光学密度のモデルデータ(濃度〜光量曲線の換算式)を求め、大腸菌培養の試料液aの液量と粘度・回転速度・温度の各相違する様々な条件下における光学密度の換算式群を演算部に記憶させた。そして、この該当する換算式を介して、反射光量変化から光学密度(OD)を計算可能とした。
【0045】
【表10】

【0046】
表10は大腸菌を本実施例の方法にて培養しつつ測定し、途中で何度もサンプリングして分光光度計にて測定した光学密度(OD)値と比較したものである。両測定値が経時的にもほぼ一致していることを確認することができた。
【0047】
【表11】

【0048】
また、表11は大腸菌培養液の希釈シリーズを作成し、実施例の方法と分光光度計にてそれぞれ測定した値を比較したものである。一般に分光光度計は高濃度の光学密度(OD)測定のときには培養液の希釈が必要となるが、この実施例による測定値は高濃度域に至るまで分光光度計の希釈したときの測定値と一致した。
【0049】
相当する振とう条件における光学密度のモデルデータを選択して、培養開始時の初期反射光量からの反射光量の上昇率を元に光学密度(OD)を算出することによって培養試料の増殖を振とう中に非接触にて連続測定することができるものとなる。
【0050】
なお、光学密度(OD)を反射光量にて測定する場合、培養開始初期の段階では培養容器表面の反射光と試料液面および気泡による散乱光が主となるため、開始初期すなわち低濃度(低光学密度)での感度・精度が透過光量の測定方式に較べてやや劣ることとなるが、試料の増殖により細胞の散乱光の比率が高くなって培養濃度(光学密度)が大きく上昇して光が透過しにくい条件になるとかえって有利になるので大量の浸透培養を行う大型の培養容器における測定に適するものでなる。
【0051】
反射光量の測定方式が開始初期状態においては透過光量の測定方式に較べて劣るという点を改善するため、反射方式を主とする測定方法において、初期の測定時にのみ透過方式を組み合わせるようにすることもできる。かくすることにより反射方式の短所である低濃度での感度・精度の低さを補い、初期反射光と細胞増殖時の反射光量の比率からの計算式を補正することができることとなる。
【実施例4】
【0052】
図4は測定用の照射光の光照射部3aと光センサー部3cを高い位置、すなわち旋回振とう中における培養液の厚みが薄くなる部分に調整した実施例を示すもので、培養液の厚みが薄い位置を測定することにより厚い位置での測定に較べて濃度が減少して通常よりも高い光学密度(OD)までの測定が可能となるのである。検証によれば、低い位置で測定できるOD=6〜7であったところ、高い位置での測定では最大OD=20までの光学密度を測定することが可能になった。
【0053】
なお、光量測定時に測定値の平均化と最小値の取得を組み合わせることで、振とう性能を向上するバッフル・フラスコや振とうフラスコなど(図示してない)を使用した培養中に気泡が多く発生する振とう条件においても光学密度(OD)の測定ができることとなる。
【実施例5】
【0054】
図5は本体1に表示装置5,印刷装置6,記録装置7を接続して測定の経過/結果をリアルタイムにて表示し、印刷し、さらに記録するようにした方法の実施装置の例を示すものである。なお、これらの装置は個々に接続することもできるがパソコンを介するなどして他の装置と共用のものを使用することもできる。
【実施例6】
【0055】
図6は測定値のフィードバックに基づいて動作する培地供給用のポンプ8と培地液排出用のポンプ9を本体に接続して一定の培養濃度の維持を自動化する方法の実施例装置を示すものである。かくすることで測定中の作業の負担を軽減することがでるほか、長時間に及ぶ測定を行うことができることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は作業負担を軽減し,培養試料の減少もなく、培養の一時停止による悪影響およびコンタミネーションのリスクを可及的に低減しながら培養試料の増殖に対応する光学密度(OD)を外部から非接触にて培養振とう中リアルタイムにて測定することができることで、実験データの取得はもとより生産条件の管理に応用することで生産の能率向上にも広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0057】
1は本体
2は振とう台
3は測定部
3aは光照射部
3bは受光センサー部
3cは光センサー部
4は往復振とう台
5は表示装置
6は印刷装置
7は記録装置
8は培地供給用のポンプ
9は培地液排出用のポンプ
Aは小型の三角フラスコ
Bは試験管
Cは大型の三角フラスコ
aは試料液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振とう培養中の試料液に外方から光を照射して、該試料液の増殖に伴う光学密度の上昇による透過光量または反射光量あるいは双方の光量の変化を光学密度のモデルデータに照合し換算式で演算することで培養中の試料の増殖を連続測定可能にしたことを特徴とする培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項2】
光学密度の換算式を培養容器の大きさと形状の相違・培養試料液の液量と粘度度合・振とう方式・振幅の大きさ・振とう速度の遅速・振とう角の大小・温度の高低に基づいて求める請求項1に記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項3】
培養試料液を旋回振とうの遠心圧または往復振とう動作によって培養容器の内面に薄く一定の揺らぎをもった厚みに拡げ延ばして光の透過する光路長を短く調節する請求項1または2に記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項4】
培養容器表面の反射光と培養試料液面・気泡による散乱光が主となる初期反射光量を事前に測定して前記光学密度の換算式の初期値に反映させる請求項1乃至3のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項5】
透過光量と反射光量の変化の双方の測定値より光学密度の変化を測定するに際して、初期の測定に透過光量の測定値を用い、この透過光量に基づいた測定値を用いて反射光量に基づいた測定値を補正する請求項1乃至4のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項6】
光源に赤外光を用いる請求項1乃至5のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項7】
試料液の振とう培養の初期に発生する気泡による透過光量または反射光量の変化を初期光量値に反映して初期光量値の変動を補正する請求項1乃至6のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項8】
反射光量の変化を測定するに際して、光の照射位置と反射光量の測定センサの位置を培養試料液の厚みが可及的に薄い部分に調整する請求項3に記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項9】
バッフル型などの気泡を多く含む振とう条件における光量測定時に測定値の平均化と最小値の取得を組み合わせる請求項1乃至8のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項10】
測定経過・結果の測定値を表示装置,印刷装置,記録装置に出力して表示し、印刷し、記録する請求項1乃至9のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。
【請求項11】
測定経過・結果の測定値のフィードバックにより培地液の供給,培地液の排出を自動化して培養液を一定の濃度に維持する請求項1乃至10のいずれかに記載の培養中の試料の増殖を非接触で連続測定する方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−217426(P2012−217426A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88760(P2011−88760)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000208053)タイテック株式会社 (7)
【Fターム(参考)】