説明

基地局および通信システム

【課題】複数の無線通信サービスを利用可能な基地局で1つの無線通信サービスでのサービスが不可能になった場合、その基地局での他の無線通信サービスでのサービスを継続するか否かを適切に設定する。
【解決手段】基地局は、第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する第1の無線通信部と、第1の無線通信サービスと異なる第2の無線通信サービスを提供するようにその移動局または他の移動局と通信する第2の無線通信部とを備える。第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能であることが検出された場合、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制する通信サービス継続規制部が基地局に設けられ、通信サービス継続規制部で他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信の分野において、数百メートル〜数キロメートルの半径を持つマクロセルを有するマクロセル基地局のほかに、小面積のセルを有する小型の基地局が提案されている(例えば特許文献1)。特に、半径が数メートル程度の極めて小さいセルはフェムトセルと呼ばれ、フェムトセルを形成する基地局はフェムト基地局またはフェムトセル基地局と呼ばれる。フェムト基地局は、家庭または小規模オフィスで設置することが想定されている。
【0003】
移動局がフェムトセルに移動した場合に、フェムト基地局を利用した通信を移動局が行うことを促すため、特許文献1に記載の技術では、周波数誘導装置が、フェムト基地局で利用される周波数を移動局に通知し、移動局がその周波数を捕捉してフェムト基地局に接続するよう誘導する。フェムト基地局は、マクロ基地局と異なる周波数を利用する。特許文献1に記載の技術によれば、マクロセルとフェムトセルの重なった領域に移動局がある場合に、移動局がマクロ基地局よりもフェムト基地局を利用するように案内される。これにより、例えば、フェムト基地局の無線資源を少数の移動局だけで利用して、これらの移動局が高い通信レートの利益を享受することができる。
【0004】
現在では第3世代(3G)の無線アクセス技術が普及している。一方、3GPP(Third Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)の研究が進められている。現在、3GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用して移動局と通信する基地局は実用化されていない。しかし、理論的には、3GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用して移動局と通信する基地局を製造することは可能である。このような基地局は、3G専用の移動局とも通信可能であり、LTE専用の移動局とも通信可能であろう。また、3GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用可能な移動局(以下、「デュアル型の移動局」と呼ぶ)は、いずれかの無線アクセス技術を利用して、このような基地局と通信可能であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−19149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
3GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用可能な基地局(以下、「デュアル型の基地局」と呼ぶ)では、一方の無線アクセス技術での通信サービスが不能となっても、他方の無線アクセス技術での通信サービスが可能でありうると想像される。しかし、一方の無線アクセス技術での通信サービスが不能な場合、利用可能な他方の無線アクセス技術での通信サービスを利用すべきではないことが考えられる。
【0007】
まず、デュアル型のフェムト基地局のLTEサービスが利用不可能になった場合を想定する。また、特許文献1に記載されたフェムト基地局への誘導技術がLTEアクセス技術にのみ適用され、フェムト基地局のLTEアクセス技術で利用される周波数が移動局に通知されると想定する。LTEアクセス技術を利用できる移動局はフェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続しようとするであろう。しかし、フェムト基地局のLTEサービスは利用不可能であるから、結局、フェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続することはできず、移動局は、マクロ基地局に接続するか通信を断念するであろう。フェムト基地局のLTEアクセス機能への誘導技術が働いていれば、LTE専用の移動局だけでなくデュアル型の移動局も、フェムト基地局の3Gアクセス機能を利用することはない。そのフェムト基地局を利用できるのは、3G専用の移動局だけである。LTE専用またはデュアル型の移動局が将来増加すると予測されるため、デュアル型のフェムト基地局のLTEサービスが利用不可能になった場合、利用可能性の低いフェムト基地局の3Gアクセス技術による通信サービスを継続するのは、無駄であり、さらには他の基地局への干渉の原因に過ぎないとも考えられる。同様の問題は、フェムト基地局への誘導技術が3Gアクセス技術のみに適用される場合で、当該フェムト基地局の3Gサービスが利用不可になった場合にも生ずる。
【0008】
また、デュアル型の移動局のために、Fast Redirectionと呼ばれる技術が提案されている(例えば特開2011−45033号公報)。Fast Redirectionでは、デュアル型の移動局が3Gの基地局に通信開始を要求した場合、3Gの基地局はその移動局との接続を拒否しLTEの基地局で利用される周波数を移動局に通知する。移動局はその周波数を用いてLTEの基地局へ通信開始を要求する。デュアル型のフェムト基地局で、Fast Redirectionを実行する場合、デュアル型の移動局がフェムト基地局の3Gアクセス機能要素に通信開始を要求した場合、3Gアクセス機能要素はその移動局との接続を拒否しLTEアクセス機能要素で利用される周波数を移動局に通知することになるであろう。移動局はその周波数を用いてLTEアクセス機能要素へ通信開始を要求することになるであろうが、フェムト基地局のLTEサービスが利用不可能である場合には、結局、移動局は、フェムト基地局の3Gアクセス機能要素に再度通信開始を要求することになるであろう。このため移動局が最初に通信開始を要求してから、実際に通信を開始するまで遅延が引き起こされるであろう。
【0009】
次に、デュアル型のフェムト基地局の3Gサービスが利用不可能になった場合を想定する。また、特許文献1に記載されたフェムト基地局への誘導技術がLTEアクセス技術にのみ適用され、フェムト基地局のLTEアクセス技術で利用される周波数が移動局に通知されると想定する。LTEアクセス技術を利用できる移動局はフェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続しようとするであろう。例えば、3Gのマクロ基地局にデュアル型の移動局が接続中に、定期的に(例えば1分に1回)、フェムト基地局のLTEアクセス機能への誘導技術が実行される場合には、移動局はフェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。しかし、仮に、デュアル型の移動局に3Gアクセス技術で優先的に待ち受けする機能が与えられている場合には、通信終了後は、移動局は3Gアクセス技術で優先的に待ち受けする。例えば、移動局がフェムト基地局の3Gアクセス技術で待ち受けすると、次に通信開始するとき、フェムト基地局の3Gサービスは利用不可能であるから、移動局は3Gのマクロ基地局に接続するであろう。そして、フェムト基地局のLTEアクセス機能への誘導技術が実行され、移動局はフェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。次に通信開始するとき、移動局は3Gのマクロ基地局にまず接続し、フェムト基地局のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。このように、移動局が移動しなくても、移動局は、フェムト基地局と3Gのマクロ基地局とで接続の切り替えを行わなくてはならないであろう。したがって、頻繁に負荷が大きい処理がネットワーク側と移動局の両方で行われ、特に移動局の電池の消耗が激しくなるであろう。
【0010】
LTEでは、デュアル型の移動局のためにCSFB(Circuit Switched Fallback)が提案されている(例えば、特開2011−166655号公報)。CSFBによれば、移動局が音声呼の通信(すなわち電話の会話)を行う場合、サーキットスイッチ方式である3Gアクセス技術を利用する。移動局がデータ通信(音楽ファイルの送信を含む)を行う場合は、移動局はLTEアクセス技術を利用する。デュアル型のフェムト基地局の3Gサービスが利用不可能になった場合、音声呼の通信のため、デュアル型の移動局は3Gのマクロ基地局と接続を試行するであろう。しかし、3Gのマクロ基地局からの電波の品質が悪い環境では、通信不可能になるおそれがある。この場合、デュアル型のフェムト基地局のLTEサービスが利用可能でデータ通信が可能なのに、音声通信が不可能なのでは、利用者が混乱するおそれがある。
【0011】
上記の説明は例示であり、基地局の環境、基地局を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、一方の無線アクセス技術での通信サービスが不能なとき、利用可能な他方の無線アクセス技術での通信サービスを継続すべき場合と停止すべき場合がある。
【0012】
さらに、同じ無線アクセス技術で異なる周波数帯を移動局と基地局の間の通信で利用することが考えられる。例えば、LTEの無線アクセス技術において複数の周波数帯が利用され、1つの周波数帯が移動局と基地局の間のデータ通信に使用され、他の周波数帯が移動局と基地局の間の音声呼の通信に使用されることが考えられる。これらのすべての周波数帯を処理可能な基地局において、1つの周波数帯の処理が不可能になった場合、他の周波数帯の無線通信サービスを継続すべきか停止すべきかは、基地局のオペレータのポリシー次第である。あるオペレータは、1つの周波数帯の処理が不可能なために1つの通信サービス(例えば、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの一方)が不可能であれば、他の周波数帯での通信サービス(例えば、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの他方)を停止する方が、利用者が混乱せず好ましいと考えるかもしれない。あるオペレータは、1つの周波数帯の処理が不可能なために1つの通信サービスが不可能であっても、他方の通信サービスを継続できる限り継続する方が利用者にとってメリットがあると考えるかもしれない。
【0013】
そこで、本発明は、複数の無線通信サービスを提供可能な基地局で1つの無線通信サービスが不可能になった場合、その基地局での他の無線通信サービスを継続するか否かを適切に設定することができる基地局および通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る基地局は、第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する第1の無線通信部と、第1の無線通信サービスと異なる第2の無線通信サービスを提供するように前記移動局または他の移動局と通信する第2の無線通信部と、前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出する第1の異常検出部と、前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出する第2の異常検出部と、前記第1または第2の異常検出部が前記第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能であることを検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制する通信サービス継続規制部とを備え、前記通信サービス継続規制部で前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、基地局は、第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能であることが検出された場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制する通信サービス継続規制部を備え、通信サービス継続規制部で他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能である。したがって、1つの無線通信サービスが不可能になった場合、その基地局での他の無線通信サービスを継続するか否かを、例えば基地局の環境、基地局を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、適切に設定することができる。
第1の無線通信サービスが不可能であることが検出された場合には、第2の無線通信サービスを継続するよう設定してもよいし、停止するよう設定してもよい。第2の無線通信サービスが不可能であることが検出された場合には、第1の無線通信サービスを継続するよう設定してもよいし、停止するよう設定してもよい。いずれか1つの無線通信サービスが不可能であることが検出された場合には、他の無線通信サービスを停止するよう(つまり両方の無線通信サービスを非継続に)設定してもよい。
【0016】
前記第1の異常検出部は、前記基地局内の前記第1の無線通信サービス機能の故障を検出する第1の内部故障検出部と、前記基地局が前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に前記基地局と通信する第1のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出する第1のネットワーク通信異常検出部とを備えてもよく、前記第2の異常検出部は、前記基地局内の前記第2の無線通信サービス機能の故障を検出する第2の内部故障検出部と、前記基地局が前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に前記基地局と通信する第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出する第2のネットワーク通信異常検出部とを備えてもよく、前記通信サービス継続規制部は、前記第1または第2の内部故障検出部が前記第1または第2の無線通信サービス機能の故障を検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制するとともに、前記第1または第2のネットワーク通信異常検出部が前記第1または第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制してもよく、前記通信サービス継続規制部で、前記第1または第2の内部故障検出部が前記第1または第2の無線通信サービス機能の故障を検出した場合に、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能であって、前記第1または第2のネットワーク通信異常検出部が前記第1または第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出した場合に、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能であってもよい。
【0017】
本発明に係る基地局は、前記基地局の周辺にある前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を検出する第1の周辺基地局検出部と、前記基地局の周辺にある前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を検出する第2の周辺基地局検出部と、前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第1の周辺基地局検出部が検出した場合、前記第2の異常検出部が前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第1の無線通信サービスを継続しないように前記通信サービス継続規制部を設定し、前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第1の周辺基地局検出部が検出しなかった場合、前記第2の異常検出部が前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第1の無線通信サービスを継続するように前記通信サービス継続規制部を設定し、前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第2の周辺基地局検出部が検出した場合、前記第1の異常検出部が前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第2の無線通信サービスを継続しないように前記通信サービス継続規制部を設定し、前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第2の周辺基地局検出部が検出しなかった場合、前記第1の異常検出部が前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第2の無線通信サービスを継続するように前記通信サービス継続規制部を設定する、通信サービス継続規制設定部とをさらに備えてもよい。
この場合、基地局での1つの無線通信サービスが不可能であることが検出されると、その基地局でまだ利用可能な無線通信サービスを提供可能な周辺基地局があれば、利用可能な他の無線通信サービスは停止させられる。一方、その基地局でまだ利用可能な無線アクセス技術を提供可能な周辺基地局がなければ、基地局での1つの無線通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能な他の無線通信サービスは継続させられる。
より正確には、第1の無線通信サービスを提供可能な周辺基地局があれば、基地局での第2の無線通信サービスが不可能であることが検出されると、まだ利用可能な第1の無線通信サービスは停止させられる。第1の無線通信サービスを利用できる移動局は、第1の無線通信サービスを提供可能な他の周辺基地局を利用するので、基地局の第1の無線通信サービスが停止しても、重大な問題は生じない。一方、第1の無線通信サービスを提供可能な周辺基地局がなければ、基地局での第2の無線通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能な第1の無線通信サービスは継続させられる。つまり、第1の無線通信サービスを利用できる移動局に対して、その基地局での第1の無線通信サービスは継続させられる。
また、第2の無線通信サービスを提供可能な周辺基地局があれば、基地局での第1の無線通信サービスが不可能であることが検出されると、まだ利用可能な第2の無線通信サービスは停止させられる。第2の無線通信サービスを利用できる移動局は、第2の無線通信サービスを提供可能な他の周辺基地局を利用するので、基地局の第2の無線通信サービスが停止しても、重大な問題は生じない。第2の無線通信サービスを提供可能な周辺基地局がなければ、基地局での第1の無線通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能な第2の無線通信サービスは継続させられる。つまり、第2の無線通信サービスを利用できる移動局に対して、その基地局での第2の無線通信サービスは継続させられる。
【0018】
本発明に係る通信システムは、本発明に係る前記の基地局と、前記基地局が前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に、前記基地局と通信する第1のネットワーク内の第1の装置と、前記基地局が前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に、前記基地局と通信する第2のネットワーク内の第2の装置とを備えてよく、前記第1の装置および前記第2の装置の各々は、前記基地局で前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かを表す規制情報を格納する格納部と、前記基地局の前記第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能である場合、前記規制情報を前記基地局に送信する送信部とを備えてよく、前記基地局は、前記規制情報に従って、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否か、前記通信サービス継続規制部を設定する通信サービス継続規制設定部を備えてもよい。
この通信システムによれば、基地局の第1および第2の無線通信サービスの1つが不可能である場合、第1の装置または第2の装置の送信部が規制情報を基地局に送信する。基地局は、規制情報に従って、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、通信サービス継続規制部を設定する。このように、基地局での他の無線通信サービスを継続すべきか否かを、基地局以外の装置からの規制情報に従って、制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る基地局を有する通信システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、基地局での他方の無線通信サービスを継続すべきか否かを説明するために使用される通信システムの略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る3Gゲートウェイを示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るLTEゲートウェイを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。
<システム構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る通信システムは、LTEマクロ基地局10、3Gマクロ基地局20、およびデュアル型のフェムト基地局30を備える。LTEマクロ基地局10の各々は、LTEの無線アクセス技術(例えば、下りリンクについてはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクについてはSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access))を利用して、LTE専用の移動局1およびデュアル型の移動局3と通信する。3Gマクロ基地局20の各々は、3Gの無線アクセス技術(すなわち、CDMA(Code Division Multiple Access))を利用して、3G専用の移動局2およびデュアル型の移動局3と通信する。デュアル型のフェムト基地局30の各々は、3GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用可能である。具体的には、デュアル型のフェムト基地局30は、LTEの無線アクセス技術を利用して、LTE専用の移動局1およびデュアル型の移動局3と通信し、3Gの無線アクセス技術を利用して、3G専用の移動局2およびデュアル型の移動局3と通信する。
【0021】
LTEマクロ基地局10は、X2インターフェース12で相互に接続されて相互に通信可能である。また、LTEマクロ基地局10の各々は、S1インターフェース14で、上位局であるMME(Mobility Management Entity)16に接続されている。MME16は、LTEの無線アクセス技術を利用する移動局1,3の位置を管理する。
【0022】
3Gマクロ基地局20の各々は、Iubインターフェースで、上位局であるRNC(Radio Network Controller)22に接続されている。RNC22は、3Gの無線アクセス技術を利用する移動局2,3の位置を管理するとともに、それらの移動局の各々と、図に示されない外部のネットワークとをリンクする。
【0023】
デュアル型のフェムト基地局30の各々は、Iuhインターフェースで、3Gゲートウェイ(3G-GW)36に接続されている。3G-GW36は、HNB-GW(Home Node B Gateway)であり、RNC22に接続されている。したがって、フェムト基地局30と3Gの無線アクセス技術で通信する移動局の位置はRNC22に管理される。フェムト基地局30と3G-GW36の間の信号交換すなわち通信はIPSec(Security Architecture for Internet Protocol)に準拠する。一方、フェムト基地局30とRNC22の間の信号交換すなわち通信はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)に準拠する。
【0024】
また、デュアル型のフェムト基地局30の各々は、S1インターフェース34で、LTEゲートウェイ(LTE-GW)32に接続されている。LTE-GW32は、HeNB-GW(Home eNode B Gateway)であり、S1-MMEインターフェース37でMME16に接続されている。したがって、フェムト基地局30とLTEの無線アクセス技術で通信する移動局の位置はMME16に管理される。また、LTE-GW32は、FC-OPS(フェムトセルオペレーションシステム)38に接続されている。FC-OPS38は、フェムト基地局30とLTEの無線アクセス技術で通信する移動局の各々と、図に示されない外部のネットワークとをリンクする。なお、FC-OPSは、図示されないが3G-GWと接続してもよい。フェムト基地局30とLTE-GW32の間の信号交換すなわち通信はIPSecに準拠する。一方、フェムト基地局30とMME16の間の信号交換すなわち通信はSCTPに準拠する。
【0025】
デュアル型のフェムト基地局30の各々は、Iuhインターフェースで、3Gゲートウェイ(3G-GW)36に接続されている。3G-GW36は、HNB-GW(Home Node B Gateway)であり、RNC22に接続されている。したがって、フェムト基地局30と3Gの無線アクセス技術で通信する移動局の位置はRNC22に管理される。フェムト基地局30と3G-GW36の間の信号交換すなわち通信はIPSec(Security Architecture for Internet Protocol)に準拠する。一方、フェムト基地局30とRNC22の間の信号交換すなわち通信はSCTP(Stream Control Transmission Protocol)に準拠する。また、図示されないが、デュアル型のフェムト基地局30の各々は、IubインターフェースでRNCと接続する構成を取ってもよい。この場合も、前述のIPSecおよびSCTPに準拠した通信を行う。
【0026】
また、デュアル型のフェムト基地局30の各々は、S1インターフェース34で、LTEゲートウェイ(LTE-GW)32に接続されている。LTE-GW32は、HeNB-GW(Home eNode B Gateway)であり、S1-MMEインターフェース37でMME16に接続されている。したがって、フェムト基地局30とLTEの無線アクセス技術で通信する移動局の位置はMME16に管理される。また、LTE-GW32は、FC-OPS(フェムトセルオペレーションシステム)38に接続されている。FC-OPS38は、フェムト基地局30とLTEの無線アクセス技術で通信する移動局の各々と、図に示されない外部のネットワークとをリンクする。なお、FC-OPSは、図示されないが3G-GWと接続してもよい。フェムト基地局30とLTE-GW32の間の信号交換すなわち通信はIPSecに準拠する。一方、フェムト基地局30とMME16の間の信号交換すなわち通信はSCTPに準拠する。また、図示されないが、デュアル型のフェムト基地局30の各々は、Iuh/S1インターフェース34で、MMEと接続する構成を取ってもよい。この場合も、前述のIPSecおよびSCTPに準拠した通信を行う。
【0027】
以下、フェムト基地局30が3Gの無線アクセス技術(第1の無線アクセス技術、第1の無線通信サービス)で移動局と通信する時に、フェムト基地局30と通信する3G-GW36とRNC22を有するネットワークを3Gネットワーク(第1のネットワーク)と呼ぶ。また、フェムト基地局30がLTEの無線アクセス技術(第2の無線アクセス技術、第2の無線通信サービス)で移動局と通信する時に、フェムト基地局30と通信するLTE-GW32とMME16とFC-OPS38を有するネットワークをLTEネットワーク(第2のネットワーク)と呼ぶ。
【0028】
<第1の実施の形態>
図2に示すように、デュアル型のフェムト基地局30は、3G無線通信部(第1の無線通信部)50、LTE無線通信部(第2の無線通信部)52、総合通信制御部54、3G内部故障検出部(第1の異常検出部、第1の内部故障検出部)58、3Gネットワーク通信異常検出部(第1の異常検出部、第1のネットワーク通信異常検出部)60、LTE内部故障検出部(第2の異常検出部、第2の内部故障検出部)62、LTEネットワーク通信異常検出部(第2の異常検出部、第2のネットワーク通信異常検出部)64、通信サービス継続規制部56、およびメモリ57を備える。
【0029】
3G無線通信部50は、3Gの無線アクセス技術で移動局と通信するために信号を生成または処理する通信回路、3Gの無線アクセス技術で移動局に無線信号を送信する送信アンテナ、および3Gの無線アクセス技術で移動局から無線信号を受信する受信アンテナを備える。送信アンテナおよび受信アンテナの機能は単一のアンテナで達成されてもよい。通信回路は、ベースバンド処理回路およびその他の回路を有する。
【0030】
LTE無線通信部52は、LTEの無線アクセス技術で移動局と通信するために信号を生成または処理する通信回路、LTEの無線アクセス技術で移動局に無線信号を送信する1つ以上の送信アンテナ、およびLTEの無線アクセス技術で移動局から無線信号を受信する1つ以上の受信アンテナを備える。送信アンテナおよび受信アンテナの機能は単一のアンテナで達成されてもよい。LTE無線通信部52の送信アンテナが、3G無線通信部50の送信アンテナとしても利用されてもよいし、LTE無線通信部52の受信アンテナが、3G無線通信部50の受信アンテナとしても利用されてもよい。通信回路は、ベースバンド処理回路およびその他の回路を有する。
【0031】
総合通信制御部54は、物理的には、デュアル型のフェムト基地局30のプロセッサ、3Gネットワークとの通信インターフェース、およびLTEネットワークとの通信インターフェースを有する。フェムト基地局30のプロセッサは、メモリ57に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って総合通信制御部54として機能し、3G無線通信部50での無線通信およびLTE無線通信部52での無線通信を制御するとともに、3G-GW36およびLTE-GW32と通信する。
【0032】
通信サービス継続規制部56、3G内部故障検出部58、3Gネットワーク通信異常検出部60、LTE内部故障検出部62、およびLTEネットワーク通信異常検出部64は、フェムト基地局30のプロセッサがメモリ57に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することによって実現される機能ブロックでありうる。
【0033】
3G内部故障検出部58および3Gネットワーク通信異常検出部60は、3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出する。具体的には、3G内部故障検出部58は、フェムト基地局30内の3Gの無線アクセス技術機能の故障すなわち3G無線通信部50の故障を検出する。3Gネットワーク通信異常検出部60は、3Gネットワーク(第1のネットワーク)内の装置(3G-GW36またはRNC22)とフェムト基地局30との通信異常を検出する。すなわち、3Gネットワーク通信異常検出部60は、3G-GW36とのIPSecに準拠した通信の中断を検出することができ、RNC22とのSCTPに準拠した通信の中断を検出することができる。
【0034】
LTE内部故障検出部62およびLTEネットワーク通信異常検出部64は、LTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出する。具体的には、LTE内部故障検出部62は、フェムト基地局30内のLTEの無線アクセス技術機能の故障すなわちLTE無線通信部52の故障を検出する。LTEネットワーク通信異常検出部64は、LTEネットワーク(第2のネットワーク)内の装置(LTE-GW32またはMME16)とフェムト基地局30との通信異常を検出する。すなわち、LTEネットワーク通信異常検出部64は、LTE-GW32とのIPSecに準拠した通信の中断を検出することができ、MME16とのSCTPに準拠した通信の中断を検出することができる。
【0035】
通信サービス継続規制部56は、3G内部故障検出部58と3Gネットワーク通信異常検出部60の少なくとも一方が3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合に、LTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否か、LTE無線通信部52などを含むフェムト基地局30の動作を規制する。また、通信サービス継続規制部56は、LTE内部故障検出部62とLTEネットワーク通信異常検出部64の少なくとも一方がLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合に、3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否か、3G無線通信部50などを含むフェムト基地局30の動作を規制する。
【0036】
一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56で他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かは、メモリ57に記憶された規制情報である1つのサービス継続フラグによって設定可能である。例えば、フェムト基地局30のオペレータが、このサービス継続フラグをオンまたはオフにして、メモリ57に記憶させることができる。
【0037】
メモリ57に記憶されたサービス継続フラグは、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能な場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。サービス継続フラグがオンであれば、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続する。サービス継続フラグがオフであれば、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。
【0038】
このように、フェムト基地局30は、3GおよびLTEの無線アクセス技術のいずれか一方による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否か、フェムト基地局30の動作を規制する通信サービス継続規制部56を備え、通信サービス継続規制部56で他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かが設定可能である。したがって、一方の無線アクセス技術でのサービスが不可能になった場合、その基地局での他方の無線アクセス技術でのサービスを継続するか否かを、例えばフェムト基地局30の環境、フェムト基地局30を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、適切に設定することができる。
【0039】
サービス継続フラグをオンまたはオフに設定するための指針の例を述べる。フェムト基地局30のオペレータは、フェムト基地局30がLTEマクロ基地局10のセル10Aと3Gマクロ基地局20のセル20Aの両方の内部に配置されている場合(図3に示すように、フェムト基地局30のセル30Aがセル10Aとセル20Aの両方に重なっている場合)に、サービス継続フラグをオフに設定することができる。他の場合に、フェムト基地局30のオペレータは、サービス継続フラグをオンに設定することができる。
【0040】
上述したように、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になった場合を想定する。また、特許文献1に記載されたフェムト基地局への誘導技術がLTEアクセス技術にのみ適用され、フェムト基地局30のLTEアクセス技術で利用される周波数がデュアル型の移動局3に通知されると想定する。LTEアクセス技術を利用できる移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素(LTE無線通信部52)に接続しようとするであろう。しかし、フェムト基地局30のLTEサービスは利用不可能であるから、結局、フェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続することはできず、移動局3は、LTEマクロ基地局10または3Gマクロ基地局20に接続するか通信を断念するであろう。
【0041】
フェムト基地局30のLTEアクセス機能への誘導技術が働いていれば、LTE専用の移動局1だけでなくデュアル型の移動局3も、フェムト基地局30の3Gアクセス機能を利用することはない。そのフェムト基地局30を利用できるのは、3G専用の移動局2だけである。LTE専用またはデュアル型の移動局が将来増加すると予測されるため、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になった場合、利用可能性の低いフェムト基地局30の3Gアクセス技術による通信サービスを継続するのは、無駄であり、さらには他の基地局への干渉の原因に過ぎないとも考えられる。同様の問題は、フェムト基地局への誘導技術が3Gアクセス技術のみに適用される場合で、当該フェムト基地局の3Gサービスが利用不可になった場合にも生ずる。
【0042】
したがって、図3に示すように、デュアル型のフェムト基地局30のセル30Aが3Gマクロ基地局20のセル20Aに重なっている場合、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になると、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスも停止した方がよいといえる。3G専用の移動局2およびデュアル型の移動局3は、3Gマクロ基地局20を利用して通信可能であるので、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスを停止しても大きな問題は生じない。
【0043】
他方、フェムト基地局30のセル30Aが3Gマクロ基地局20のセル20Aに重なっていない場合には、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になった場合、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスを継続するのが好適である。3G専用の移動局2およびデュアル型の移動局3は、周囲に3Gマクロ基地局20がなくても、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスを利用して通信可能である。
【0044】
フェムト基地局30のセル30AがLTEマクロ基地局10のセル10Aに重なっていない場合には、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になった場合、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスを継続するのが好適かもしれない。フェムト基地局30のセル30AがLTEマクロ基地局10のセル10Aに重なっておらず、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能になった場合には、フェムト基地局30への誘導技術が働かず、デュアル型の移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続しようとする無駄な試行はせず、フェムト基地局30の3Gサービスまたは3Gマクロ基地局20を利用して通信可能である。
【0045】
また、上述したように、デュアル型のフェムト基地局30で、Fast Redirectionを実行する場合、デュアル型の移動局3がフェムト基地局30の3Gアクセス機能要素(3G無線通信部50)に通信開始を要求した場合、3Gアクセス機能要素はその移動局3との接続を拒否しLTEアクセス機能要素で利用される周波数を移動局3に通知することになるであろう。移動局3はその周波数を用いてLTEアクセス機能要素へ通信開始を要求することになるであろうが、フェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能である場合には、結局、移動局3は、フェムト基地局30の3Gアクセス機能要素に再度通信開始を要求することになるであろう。このため移動局3が最初に通信開始を要求してから、実際に通信を開始するまで、遅延が引き起こされるであろう。デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用不可能な場合に、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスを停止してしまえば、このような遅延は生じない。デュアル型のフェムト基地局30のセル30AがLTEマクロ基地局10のセル10Aと3Gマクロ基地局20の両方に重なっている場合、Fast Redirectionが実行されて、3Gマクロ基地局20がデュアル型の移動局3との接続を拒否しても、速やかに移動局3はLTEマクロ基地局10と接続するであろう。
【0046】
次に、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスが利用不可能になった場合を想定する。また、特許文献1に記載されたフェムト基地局への誘導技術がLTEアクセス技術にのみ適用され、フェムト基地局30のLTEアクセス技術で利用される周波数が移動局3に通知されると想定する。LTEアクセス技術を利用できる移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素(LTE無線通信部52)に接続しようとするであろう。例えば、3Gマクロ基地局20にデュアル型の移動局3が接続中に、定期的に(例えば1分に1回)、フェムト基地局30のLTEアクセス機能への誘導技術が実行される場合には、移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。しかし、仮に、デュアル型の移動局3に3Gアクセス技術で優先的に待ち受けする機能が与えられている場合には、通信終了後は、移動局3は3Gアクセス技術で優先的に待ち受けする。例えば、移動局3がフェムト基地局30の3Gアクセス技術で待ち受けすると、次に通信開始するとき、フェムト基地局30の3Gサービスは利用不可能であるから、移動局3は3Gマクロ基地局20に接続するであろう。そして、フェムト基地局30のLTEアクセス機能への誘導技術が実行され、移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。次に通信開始するとき、移動局3は3Gマクロ基地局20にまず接続し、フェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続して通信を継続するであろう。このように、移動局3が移動しなくても、移動局3は、フェムト基地局30と3Gマクロ基地局20とで接続の切り替えを行わなくてはならないであろう。したがって、頻繁に負荷が大きい処理がネットワーク側と移動局3の両方で行われ、特に移動局3の電池の消耗が激しくなるであろう。同様の問題は、フェムト基地局への誘導技術が3Gアクセス技術のみに適用され当該フェムト基地局のLTEサービスが利用不可となった場合に、デュアル型の移動局3にLTEアクセス技術で優先的に待ち受けする機能が与えられている場合にも生ずる。
【0047】
したがって、図3に示すように、デュアル型のフェムト基地局30のセル30AがLTEマクロ基地局10のセル10Aに重なっている場合、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスが利用不可能になると、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスも停止した方がよいといえる。LTE専用の移動局1およびデュアル型の移動局3は、LTEマクロ基地局10を利用して通信可能であるので、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスを停止しても大きな問題は生じない。フェムト基地局30の3GサービスだけでなくLTEサービスも停止することで、移動局3には、フェムト基地局30への誘導技術が働かず、デュアル型の移動局3はフェムト基地局30のLTEアクセス機能要素に接続しようとする無駄な試行はせず、LTEマクロ基地局10または3Gマクロ基地局20を利用して通信可能である。
【0048】
他方、フェムト基地局30のセル30AがLTEマクロ基地局10のセル10Aに重なっていない場合には、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスが利用不可能になった場合、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスを継続するのが好適である。LTE専用の移動局1およびデュアル型の移動局3は、周囲にLTEマクロ基地局10がなくても、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスを利用して通信可能である。
【0049】
また、CSFBによって、デュアル型の移動局3が音声呼の通信に3Gアクセス技術を利用し、データ通信にLTEアクセス技術を利用する場合、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスが利用不可能になった場合、音声呼の通信のため、デュアル型の移動局3は3Gマクロ基地局20と接続を試行するであろう。しかし、3Gマクロ基地局20からの電波の品質が悪い環境では、通信不可能になるおそれがある。この場合、デュアル型のフェムト基地局30のLTEサービスが利用可能でデータ通信が可能なのに、音声通信が不可能なのでは、利用者が混乱するおそれがある。したがって、フェムト基地局30のセル30Aが3Gマクロ基地局20のセル20Aに重なっていない場合、デュアル型のフェムト基地局30の3Gサービスが利用不可能になると、フェムト基地局30のLTEサービスも停止するのが好適かもしれない。
【0050】
以上の事情を総合的に考慮すると、図3に示すように、フェムト基地局30のセル30Aがセル10Aとセル20Aの両方に重なっている場合に、サービス継続フラグをオフに設定し、いずれか一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合には、他方の無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにするのが好適かもしれない。また、フェムト基地局30のセル30Aがセル10Aとセル20Aの両方に重なっていない場合に、サービス継続フラグをオンに設定して、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続するのが好適かもしれない。
【0051】
但し、上記の説明は例示であり、フェムト基地局30のセル30Aがセル10Aとセル20Aのいずれかに重なっている場合に、サービス継続フラグをオフに設定し、フェムト基地局30のセル30Aがセル10Aとセル20Aのいずれにも重なっていない場合に、サービス継続フラグをオンに設定してもよい。要するに、サービス継続フラグをオンまたはオフに設定するための指針は、フェムト基地局30の環境、フェムト基地局30を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、オペレータが適切に決定することができる。
【0052】
上記の実施の形態においては、1つのサービス継続フラグがメモリ57に記憶されているが、メモリ57に複数のサービス継続フラグが記憶されてもよい。例えば、メモリ57に、内部故障時のサービス継続フラグと、ネットワーク異常時のサービス継続フラグを記憶してもよい。内部故障時のサービス継続フラグは、3G内部故障検出部58が3Gの無線アクセス技術機能の故障すなわち3G無線通信部50の故障を検出した場合またはLTE内部故障検出部62がLTEの無線アクセス技術機能の故障すなわちLTE無線通信部52の故障を検出した場合、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。内部故障時のサービス継続フラグがオンであれば、一方の無線アクセス技術機能の故障が検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続する。内部故障時のサービス継続フラグがオフであれば、一方の無線アクセス技術機能の故障が検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。
【0053】
ネットワーク異常時のサービス継続フラグは、3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gネットワーク内の装置(3G-GW36またはRNC22)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合またはLTEネットワーク通信異常検出部64がLTEネットワーク内の装置(LTE-GW32またはMME16)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。ネットワーク異常時のサービス継続フラグがオンであれば、一方のネットワーク内の装置との通信異常が検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続する。ネットワーク異常時のサービス継続フラグがオフであれば、一方のネットワーク内の装置との通信異常が検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。
【0054】
内部故障時のサービス継続フラグもネットワーク異常時のサービス継続フラグも、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを続行するか否かを表す。但し、内部故障時のサービス継続フラグとネットワーク異常時のサービス継続フラグでは、オフの場合のフェムト基地局30の具体的動作が異なる。内部故障時のサービス継続フラグがオフの場合には、一方の無線アクセス技術機能の故障が検出されると、フェムト基地局30は、アラーム信号を送信して、まだ利用可能な他方の無線アクセス技術による無線送信および無線受信を停止する。故障の復旧のためには、フェムト基地局30が自律的に電源供給を停止してコンピュータプログラムを再起動する。再起動によっても、無線アクセス技術機能が復旧しない場合には、再度フェムト基地局30はアラーム信号を送信し、オペレータがフェムト基地局30の内部の装置を交換する。他方、ネットワーク異常時のサービス継続フラグがオフの場合には、一方のネットワーク内の装置との通信異常が検出されると、フェムト基地局30は、両方の無線アクセス技術による無線送信および無線受信を停止する。また、故障の復旧のためには、フェムト基地局30の総合通信制御部54は、異常が生じたネットワーク内の装置との通信の接続の試行を繰り返す。接続が再開できれば、フェムト基地局30は、両方の無線アクセス技術による無線送信および無線受信を再開する。接続が再開できなければ、オペレータがフェムト基地局30の内部の装置を交換する。内部故障時のサービス継続フラグもネットワーク異常時のサービス継続フラグも、オンの場合(他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続する場合)には、上記の復旧動作は行ってもよいが行わなくてもよい。
【0055】
メモリ57に、3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグと、LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグとを記憶してもよい。3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグは、3G内部故障検出部58が3Gの無線アクセス技術機能の故障すなわち3G無線通信部50の故障を検出した場合または3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gネットワーク内の装置(3G-GW36またはRNC22)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、LTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグがオンであれば、3Gによる通信サービス不可能時(3G無線通信部50の故障または3Gネットワーク内の装置との通信異常が検出された場合)に、通信サービス継続規制部56はLTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続する。3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグがオフであれば、3Gによる通信サービス不可能時に、通信サービス継続規制部56はLTEの無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。
【0056】
LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグは、LTE内部故障検出部62がLTEの無線アクセス技術機能の故障すなわちLTE無線通信部52の故障を検出した場合またはLTEネットワーク通信異常検出部64がLTEネットワーク内の装置(LTE-GW32またはMME16)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグがオンであれば、LTEによる通信サービス不可能時(LTE無線通信部52の故障またはLTEネットワーク内の装置との通信異常が検出された場合)に、通信サービス継続規制部56は3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続する。LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグがオフであれば、LTEによる通信サービス不可能時に、通信サービス継続規制部56は3Gの無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。
【0057】
例えば、フェムト基地局30がLTEマクロ基地局10のセル10Aの内部に配置されている場合、3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグをオフに設定し、フェムト基地局30がLTEマクロ基地局10のセル10Aの外部に配置されている場合、3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグをオンに設定するのが好適でありうる。フェムト基地局30がLTEマクロ基地局10のセル10Aの内部に配置されている場合には、3G機能不可能時にLTEサービスを継続すると上述した問題のいずれかが生ずるおそれがある一方、フェムト基地局30がLTEマクロ基地局10のセル10Aの外部に配置されている場合、LTEサービスを継続するのは、LTE専用の移動局1およびデュアル型の移動局3のLTEサービス利用に便利だからである。
【0058】
また、フェムト基地局30が3Gマクロ基地局20のセル20Aの内部に配置されている場合、LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグをオフに設定し、フェムト基地局30が3Gマクロ基地局20のセル20Aの外部に配置されている場合、LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグをオンに設定するのが好適でありうる。フェムト基地局30が3Gマクロ基地局20のセル20Aの内部に配置されている場合には、LTE機能不可能時に3Gサービスを継続すると上述した問題のいずれかが生ずるおそれがある一方、フェムト基地局30が3Gマクロ基地局20のセル20Aの外部に配置されている場合、3Gサービスを継続するのは、3G専用の移動局2およびデュアル型の移動局3の3Gサービス利用に便利だからである。
【0059】
さらには、内部故障時のサービス継続フラグと、ネットワーク異常時のサービス継続フラグ、ならびに3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグと、LTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグを組み合わせてもよい。すなわち、メモリ57に、3G内部故障時のLTEサービス継続フラグと、LTE内部故障時の3Gサービス継続フラグと、3Gネットワーク異常時のLTEサービス継続フラグと、LTEネットワーク異常時の3Gサービス継続フラグとを記憶してもよい。3G内部故障時のLTEサービス継続フラグは、3G内部故障検出部58が3Gの無線アクセス技術機能の故障すなわち3G無線通信部50の故障を検出した場合、LTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。LTE内部故障時の3Gサービス継続フラグは、LTE内部故障検出部62がLTEの無線アクセス技術機能の故障すなわちLTE無線通信部52の故障を検出した場合、3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。3Gネットワーク異常時のLTEサービス継続フラグは、3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gネットワーク内の装置(3G-GW36またはRNC22)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、LTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。LTEネットワーク異常時の3Gサービス継続フラグは、LTEネットワーク通信異常検出部64がLTEネットワーク内の装置(LTE-GW32またはMME16)とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。これらのフラグのオン・オフでのフェムト基地局30の具体的動作は、上記の説明を考慮することにより理解できるであろう。
【0060】
上記の実施の形態においては、メモリ57に記憶され通信サービス継続規制部56の動作を規定する規制情報は、フラグという形式であるが、規制情報の形式はフラグに限定されず、例えばシステムパラメータでもよい。
【0061】
<第2の実施の形態>
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局30を示すブロック図である。第2の実施の形態のフェムト基地局30は、第1の実施の形態とは異なり、メモリ57にはサービス継続フラグが記憶されない。一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56で他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かは、フェムト基地局30の周辺の他の基地局が検出されるか否かに依存する。
【0062】
第1の実施の形態のフェムト基地局30の構成に加えて、第2の実施の形態のフェムト基地局30は、3G周辺基地局検出部(第1の周辺基地局検出部)66、LTE周辺基地局検出部(第2の周辺基地局検出部)68、および通信サービス継続規制設定部69を備える。
【0063】
3G周辺基地局検出部66は、フェムト基地局30の周辺にある3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局(典型的には3Gマクロ基地局20)を検出する。3G周辺基地局検出部66は、3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局から送信される特定周波数の電波を受信する受信回路と、その受信回路で受信された電波の電力を測定する測定回路と、その測定回路で測定された電力が閾値を超えるか否かを判断する判断部を備える。判断部が測定回路で測定された電力が閾値を超えると判断することは、フェムト基地局30の周辺にある3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局が検出されたことを意味する。判断部は、フェムト基地局30のプロセッサがメモリ57に記憶されたコンピュータプログラムに従って機能することによって実現される機能ブロックでありうる。
【0064】
LTE周辺基地局検出部68は、フェムト基地局30の周辺にあるLTEの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局(典型的にはLTEマクロ基地局10)を検出する。LTE周辺基地局検出部68は、LTEの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局から送信される特定周波数の電波を受信する受信回路と、その受信回路で受信された電波の電力を測定する測定回路と、その測定回路で測定された電力が閾値を超えるか否かを判断する判断部を備える。判断部が測定回路で測定された電力が閾値を超えると判断することは、フェムト基地局30の周辺にあるLTEの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局が検出されたことを意味する。判断部は、フェムト基地局30のプロセッサがメモリ57に記憶されたコンピュータプログラムに従って機能することによって実現される機能ブロックでありうる。
【0065】
通信サービス継続規制設定部69は、3G周辺基地局検出部66およびLTE周辺基地局検出部68のサーチ結果に基づいて、通信サービス継続規制部56の動作、すなわち一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを設定する。具体的には、3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局を3G周辺基地局検出部66が検出した場合、LTE内部故障検出部58またはLTEネットワーク通信異常検出部64がLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合に3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続しないように、通信サービス継続規制設定部69は通信サービス継続規制部56を設定する。3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局を3G周辺基地局検出部66が検出しなかった場合、LTE内部故障検出部58またはLTEネットワーク通信異常検出部64がLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合に3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続するように、通信サービス継続規制設定部69は通信サービス継続規制部56を設定する。LTEの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局をLTE周辺基地局検出部68が検出した場合、3G内部故障検出部または3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合にLTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続しないように、通信サービス継続規制設定部69は通信サービス継続規制部56を設定し、LTEの無線アクセス技術で移動局と通信する他の基地局をLTE周辺基地局検出部68が検出しなかった場合、3G内部故障検出部または3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合にLTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続するように、通信サービス継続規制設定部69は通信サービス継続規制部56を設定する。
【0066】
この実施の形態では、フェムト基地局30での一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、そのフェムト基地局30でまだ利用可能な無線アクセス技術を用いる周辺基地局があれば、利用可能な他方の無線アクセス技術による通信サービスは停止させられる。一方、フェムト基地局30でまだ利用可能な無線アクセス技術を用いる周辺基地局がなければ、フェムト基地局30での一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能な他方の無線アクセス技術による通信サービスは継続させられる。より具体的には、3Gの無線アクセス技術を用いる周辺基地局(典型的には3Gマクロ基地局20)があれば、フェムト基地局30でのLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、まだ利用可能な3Gの無線アクセス技術による通信サービスは停止させられる。3Gの無線アクセス技術を利用できる移動局は、3Gの無線アクセス技術を用いる他の周辺基地局(典型的には3Gマクロ基地局20)を利用するので、フェムト基地局30の3Gの無線アクセス技術による通信サービスが停止しても、重大な問題は生じない。一方、3Gの無線アクセス技術を用いる周辺基地局がなければ、フェムト基地局30でのLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能な3Gの無線アクセス技術による通信サービスは継続させられる。つまり、3Gの無線アクセス技術を利用できる移動局に対して、フェムト基地局30での3Gの無線アクセス技術による通信サービスは継続させられる。
【0067】
また、LTEの無線アクセス技術を用いる周辺基地局(典型的にはLTEマクロ基地局10)があれば、フェムト基地局30での3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、まだ利用可能なLTEの無線アクセス技術による通信サービスは停止させられる。LTEの無線アクセス技術を利用できる移動局は、LTEの無線アクセス技術を用いる他の周辺基地局(典型的にはLTEマクロ基地局10)を利用するので、フェムト基地局30のLTEの無線アクセス技術による通信サービスが停止しても、重大な問題は生じない。LTEの無線アクセス技術を用いる周辺基地局がなければ、フェムト基地局30での3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出されると、利用可能なLTEの無線アクセス技術による通信サービスは継続させられる。つまり、LTEの無線アクセス技術を利用できる移動局に対して、フェムト基地局30でのLTEの無線アクセス技術による通信サービスは継続させられる。
【0068】
3G周辺基地局検出部66およびLTE周辺基地局検出部68は、フェムト基地局30の起動時および一定時間間隔で、周辺基地局のサーチを行う。3G周辺基地局検出部66およびLTE周辺基地局検出部68でサーチが行われるたびに、通信サービス継続規制設定部69は、3G周辺基地局検出部66およびLTE周辺基地局検出部68のサーチ結果に基づいて、通信サービス継続規制部56の動作を設定する。したがって、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを、自動的かつ定期的に設定することができる。例えば、周辺基地局が増設または廃止された場合でも、通信サービス継続規制部56の動作を自動的かつ定期的に設定することができる。
【0069】
<第3の実施の形態>
図5は、本発明の第3の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局30を示すブロック図である。第3の実施の形態のフェムト基地局30は、第1の実施の形態とは異なり、メモリ57にはサービス継続フラグが記憶されない。一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56で他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かは、フェムト基地局30に設けられたスイッチ70の設定に依存する。
【0070】
第1の実施の形態のフェムト基地局30の構成に加えて、第3の実施の形態のフェムト基地局30は、サービス継続スイッチ70を備える。スイッチ70は、オペレータが操作する手動スイッチである。スイッチ70がオンであれば、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続する。スイッチ70がオフであれば、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56は他方の無線アクセス技術による通信サービスを停止するようにフェムト基地局30の動作を制御する。このように、スイッチ70は第1の実施の形態のサービス継続フラグと同様に利用される。一方の無線アクセス技術でのサービスが不可能になった場合、その基地局での他方の無線アクセス技術でのサービスを継続するか否かを、例えばフェムト基地局30の環境、フェムト基地局30を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、適切に設定することができる。
【0071】
第1の実施の形態の変形における内部故障時のサービス継続フラグおよびネットワーク異常時のサービス継続フラグと同様に、内部故障時のサービス継続スイッチおよびネットワーク異常時のサービス継続スイッチを設けてもよい。第1の実施の形態の他の変形における3G機能不可能時のLTEサービス継続フラグおよびLTE機能不可能時の3Gサービス継続フラグと同様に、3G機能不可能時のLTEサービス継続スイッチおよびLTE機能不可能時の3Gサービス継続スイッチを設けてもよい。さらには、第1の実施の形態の他の変形における3G内部故障時のLTEサービス継続フラグ、LTE内部故障時の3Gサービス継続フラグ、3Gネットワーク異常時のLTEサービス継続フラグ、およびLTEネットワーク異常時の3Gサービス継続フラグと同様に、3G内部故障時のLTEサービス継続スイッチ、LTE内部故障時の3Gサービス継続スイッチ、3Gネットワーク異常時のLTEサービス継続スイッチ、およびLTEネットワーク異常時の3Gサービス継続スイッチを設けてもよい。
【0072】
<第4の実施の形態>
図6は、本発明の第4の実施の形態に係るデュアル型のフェムト基地局30を示すブロック図である。第4の実施の形態のフェムト基地局30は、第1の実施の形態とは異なり、メモリ57にはサービス継続フラグが記憶されない。一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、通信サービス継続規制部56で他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かは、通信システム内の他の装置から受信される規制情報に依存する。
【0073】
第1の実施の形態のフェムト基地局30の構成に加えて、第4の実施の形態のフェムト基地局30は、通信サービス継続規制設定部71を備える。通信サービス継続規制設定部71は、通信システム内の他の装置から受信される規制情報に従って、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることが検出された場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否か、通信サービス継続規制部56を設定する。
【0074】
3Gネットワーク(第1のネットワーク)において、規制情報をフェムト基地局30に送信する装置を第1の装置と呼ぶ。第1の装置は、3G-GW36でもよいしRNC22でもよい。以下の説明では、第1の装置は3G-GW36である。LTEネットワーク(第2のネットワーク)において、規制情報をフェムト基地局30に送信する装置を第2の装置と呼ぶ。第2の装置は、LTE-GW32でもよいしMME16でもよい。以下の説明では、第2の装置はLTE-GW32である。
【0075】
図7は、第1の装置としての3G-GW36を示すブロック図である。3G-GW36は、フェムトセル通信部(送信部)72、プロセッサ74、RNC通信部76、およびメモリ(格納部)78を備える。フェムトセル通信部72はプロセッサ74の制御の下でフェムト基地局30と通信する通信インターフェースであり、RNC通信部76はプロセッサ74の制御の下でRNC22と通信する通信インターフェースである。メモリ78は、プロセッサ74が実行するコンピュータプログラムに加えて、規制情報を格納する。規制情報は、フェムト基地局30でのLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、フェムト基地局30での3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。
【0076】
図8は、第2の装置としてのLTE-GW32を示すブロック図である。LTE-GW32は、フェムトセル通信部(送信部)82、プロセッサ84、OPS通信部86、MME通信部87、およびメモリ(格納部)88を備える。フェムトセル通信部82はプロセッサ84の制御の下でフェムト基地局30と通信する通信インターフェースであり、OPS通信部86はプロセッサ84の制御の下でFC-OPS38と通信する通信インターフェースであり、MME通信部87はプロセッサ84の制御の下でMME16と通信する通信インターフェースである。メモリ88は、プロセッサ84が実行するコンピュータプログラムに加えて、規制情報を格納する。規制情報は、フェムト基地局30での3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、フェムト基地局30でのLTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを表す。
【0077】
フェムト基地局30において、3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合、LTE-GW32のプロセッサ84は、メモリ88に記憶された規制情報を読み出して、フェムトセル通信部82を介してフェムト基地局30に規制情報を送信する。例えば、フェムト基地局30において、3G内部故障検出部58が3Gの無線アクセス技術機能の故障すなわち3G無線通信部50の故障を検出した場合または3Gネットワーク通信異常検出部60が3Gネットワーク内の装置とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、フェムト基地局30は、LTE-GW32に3G通信異常報告を送信し、3G通信異常報告を受信するとLTE-GW32は規制情報をフェムト基地局30に返信する。
【0078】
フェムト基地局30において、LTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合、3G-GW36のプロセッサ74は、メモリ78に記憶された規制情報を読み出して、フェムトセル通信部72を介してフェムト基地局30に規制情報を送信する。例えば、フェムト基地局30において、LTE内部故障検出部62がLTEの無線アクセス技術機能の故障すなわちLTE無線通信部52の故障を検出した場合またはLTEネットワーク通信異常検出部64がLTEネットワーク内の装置とフェムト基地局30との通信異常を検出した場合、フェムト基地局30は、3G-GW36にLTE通信異常報告を送信し、LTE通信異常報告を受信すると3G-GW36は規制情報をフェムト基地局30に返信する。
【0079】
他の実施の形態として、LTE-GW32と3G-GW36の間に情報交換経路を設けるか、RNC22とMME16の間に情報交換経路を設け、フェムト基地局30の通信状態を3Gネットワーク(第1のネットワーク)とLTEネットワーク(第2のネットワーク)の間で相互に情報交換してもよい。具体的には、3Gネットワークとフェムト基地局30の通信不可能であることを、3Gネットワーク内の装置が検出した場合に、3Gネットワーク内の装置がLTEネットワーク内の装置に3G通信異常報告を送信してもよい。3G通信異常報告を受信するとLTE-GW32は規制情報をフェムト基地局30に送信する。また、LTEネットワークとフェムト基地局30の通信不可能であることを、LTEネットワーク内の装置が検出した場合に、LTEネットワーク内の装置が3Gネットワーク内の装置にLTE通信異常報告を送信してもよい。LTE通信異常報告を受信すると3G-GW36は規制情報をフェムト基地局30に送信する。
【0080】
いずれの場合も、フェムト基地局30では、受信した規制情報に従って、通信サービス継続規制設定部71が、まだ利用可能な無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否か、通信サービス継続規制部56を設定する。このように、フェムト基地局30での他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを、フェムト基地局30以外の装置からの規制情報に従って、制御することが可能である。規制情報は、フラグと呼ばれる形式であってもよいし、システムパラメータと呼ばれる形式であってもよい。
【0081】
規制情報は第1の実施の形態のサービス継続フラグと同様に利用される。一方の無線アクセス技術でのサービスが不可能になった場合、その基地局での他方の無線アクセス技術でのサービスを継続するか否かを、例えばフェムト基地局30の環境、フェムト基地局30を含む通信システムに要求される性能、基地局のオペレータのポリシー、またはその他の要因に応じて、適切に設定することができる。
【0082】
第1の実施の形態の変形における内部故障時のサービス継続フラグおよびネットワーク異常時のサービス継続フラグと同様に、規制情報は、内部故障時のサービス継続をすべきか否かを規制する情報要素およびネットワーク異常時のサービス継続をすべきか否かを規制する情報要素を含んでもよい。第1の装置から受信される規制情報の指示と第2の装置から受信される規制情報の指示は、同じでもよいし異なっていてもよい。例えば、3Gの無線アクセス技術でのサービスが不可能になった場合には、LTEの無線アクセス技術でのサービスを継続するが、LTEの無線アクセス技術でのサービスが不可能になった場合には、3Gの無線アクセス技術でのサービスを停止してもよい。
【0083】
<他の変形>
以上の実施の形態では、デュアル型のフェムト基地局30において、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能であることを検出した場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを設定する。しかし、本発明は、フェムト基地局に限定されない。例えば、半径数メートルから数十メートル程度のセルを有するピコセル、または半径数十メートルから数百メートル程度のセルを有するマイクロセルにおいて、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを設定してもよい。
【0084】
また、デュアル型のマクロ基地局において、一方の無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、他方の無線アクセス技術による通信サービスを継続すべきか否かを設定してもよい。具体的には、デュアル型のマクロ基地局のセル内に、3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する小型基地局が配置されている場合には、そのマクロ基地局のLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、そのマクロ基地局の3Gの無線アクセス技術による通信サービスを停止してもよい。デュアル型のマクロ基地局のセル内に、3Gの無線アクセス技術で移動局と通信する小型基地局が配置されていない場合には、そのマクロ基地局のLTEの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、そのマクロ基地局の3Gの無線アクセス技術による通信サービスを継続してもよい。デュアル型のマクロ基地局のセル内に、LTEの無線アクセス技術で移動局と通信する小型基地局が配置されている場合には、そのマクロ基地局の3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、そのマクロ基地局のLTEの無線アクセス技術による通信サービスを停止してもよい。デュアル型のマクロ基地局のセル内に、LTEの無線アクセス技術で移動局と通信する小型基地局が配置されていない場合には、そのマクロ基地局の3Gの無線アクセス技術による通信サービスが不可能である場合に、そのマクロ基地局のLTEの無線アクセス技術による通信サービスを継続してもよい。
【0085】
以上の実施の形態は、3GとLTEの無線アクセス技術に関する。しかし、本発明は、異なる無線アクセス技術を用いる基地局、例えば、第2世代(2G)と3Gの両方の無線アクセス技術を利用して移動局と通信する基地局、または2GとLTEの両方の無線アクセス技術を利用して移動局と通信する基地局に適用することができる。また、本発明は、3GのW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)とCDMA2000の両方の無線アクセス技術を利用して移動局と通信する基地局に適用することもできる。
【0086】
さらに本発明は、異なる複数の無線アクセス技術を利用可能な基地局だけでなく、同じ無線アクセス技術で異なる周波数帯を用いて移動局と通信する基地局に適用することができる。つまり、本発明は異なる複数の無線通信サービスを移動局に提供可能な基地局に適用することができる。例えば、LTEの無線アクセス技術において複数の周波数帯が利用され、1つの周波数帯が移動局と基地局の間のデータ通信に使用され、他の周波数帯が移動局と基地局の間の音声呼の通信に使用されることが考えられる。これらのすべての周波数帯を処理可能な基地局において、1つの周波数帯の処理が不可能になった場合、他の周波数帯の無線通信サービスを継続すべきか停止すべきかは、基地局のオペレータのポリシー次第である。あるオペレータは、1つの周波数帯の処理が不可能なために1つの通信サービス(例えば、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの一方)が不可能であれば、他の周波数帯での通信サービス(例えば、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの他方)を停止する方が、利用者が混乱せず好ましいと考えるかもしれない。
【0087】
このような基地局は、例えば、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの一方が不可能であることを検出する第1の異常検出部と、音声呼の通信サービスとデータ通信サービスの他方が不可能であることを検出する第2の異常検出部とを備える。具体的には、異常検出部の各々は、音声呼またはデータ通信に使用される周波数帯での通信が不可能であることを検出する。さらに、このような基地局は、いずれか1つの無線通信サービスが不可能であることがいずれかの異常検出部で検出されると、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制する通信サービス継続規制部とを備え、通信サービス継続規制部で他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能である。このような基地局は、上記のオペレータのいずれの要望にも応えることができる。第1〜第4の実施の形態に関連して上記した特徴および変形は、この変形においても、矛盾しない限り適用される。この明細書において、「無線通信サービス」とは、無線アクセス技術を意味する場合もあるし、同じ無線アクセス技術であっても周波数帯と提供されるサービスのタイプで区別されるサービスを意味する場合もある。
【0088】
さらに、本発明は、3つ以上の無線通信サービスを提供可能な基地局の1つの無線通信サービスが提供不可能になった場合にも適用することができる。例えば、2Gと3GとLTEの無線アクセス技術を用いる基地局のうち、いずれか1つの無線アクセス技術による通信サービスが不可能になった場合に、他の2つの無線アクセス技術による通信サービスのすべてを継続するのか停止するのかを設定してもよい。あるいは、他の2つの無線アクセス技術による通信サービスの各々を個別に継続するのか停止するのかを設定してもよい。他の例として、W-CDMAとCDMA2000とLTEの無線アクセス技術を用いる基地局のうち、いずれか1つの無線アクセス技術による通信サービスが不可能になった場合に、他の2つの無線アクセス技術による通信サービスのすべてを継続するのか停止するのかを設定してもよい。あるいは、他の2つの無線アクセス技術による通信サービスの各々を個別に継続するのか停止するのかを設定してもよい。さらに他の例として、3GとLTEの無線アクセス技術を用い、LTEの複数の周波数帯(異なるタイプのサービスが割り当てられている)を用いる基地局のうち、いずれか1つの無線通信サービスが不可能になった場合に、他の2つの無線通信サービスのすべてを継続するのか停止するのかを設定してもよい。あるいは、他の2つの無線通信サービスの各々を個別に継続するのか停止するのかを設定してもよい。
【0089】
基地局、第1の装置および第2の装置において、プロセッサが実行する各機能は、プロセッサの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array),DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 LTE専用の移動局、2 3G専用の移動局、3 デュアル型の移動局、10 LTEマクロ基地局、16 MME(Mobility Management Entity)、20 3Gマクロ基地局、22 RNC(Radio Network Controller)、30 デュアル型のフェムト基地局、32 LTEゲートウェイ(LTE-GW)、36 3Gゲートウェイ(3G-GW)、38 FC-OPS(フェムトセルオペレーションシステム)、50 3G無線通信部(第1の無線通信部)、52 LTE無線通信部(第2の無線通信部)、54 総合通信制御部、56 通信サービス継続規制部、57 メモリ、58 3G内部故障検出部(第1の異常検出部、第1の内部故障検出部)、60 3Gネットワーク通信異常検出部(第1の異常検出部、第1のネットワーク通信異常検出部)、62 LTE内部故障検出部(第2の異常検出部、第2の内部故障検出部)、64 LTEネットワーク通信異常検出部(第2の異常検出部、第2のネットワーク通信異常検出部)、66 3G周辺基地局検出部(第1の周辺基地局検出部)、68 LTE周辺基地局検出部(第2の周辺基地局検出部)、69 通信サービス継続規制設定部、70 スイッチ、71 通信サービス継続規制設定部、72 フェムトセル通信部(送信部)、74 プロセッサ、76 RNC通信部、78 メモリ(格納部)、82 フェムトセル通信部(送信部)、84 プロセッサ、86 OPS通信部、87 MME通信部、88 メモリ(格納部)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する第1の無線通信部と、
第1の無線通信サービスと異なる第2の無線通信サービスを提供するように前記移動局または他の移動局と通信する第2の無線通信部と、
前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出する第1の異常検出部と、
前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出する第2の異常検出部と、
前記第1または第2の異常検出部が前記第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能であることを検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制する通信サービス継続規制部とを備え、
前記通信サービス継続規制部で前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能であることを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記第1の異常検出部は、前記基地局内の前記第1の無線通信サービス機能の故障を検出する第1の内部故障検出部と、前記基地局が前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に前記基地局と通信する第1のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出する第1のネットワーク通信異常検出部とを備え、
前記第2の異常検出部は、前記基地局内の前記第2の無線通信サービス機能の故障を検出する第2の内部故障検出部と、前記基地局が前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に前記基地局と通信する第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出する第2のネットワーク通信異常検出部とを備え、
前記通信サービス継続規制部は、前記第1または第2の内部故障検出部が前記第1または第2の無線通信サービス機能の故障を検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制するとともに、前記第1または第2のネットワーク通信異常検出部が前記第1または第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出した場合に、他の無線通信サービスを継続すべきか否か、基地局の動作を規制し、
前記通信サービス継続規制部で、前記第1または第2の内部故障検出部が前記第1または第2の無線通信サービス機能の故障を検出した場合に、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能であって、前記第1または第2のネットワーク通信異常検出部が前記第1または第2のネットワーク内の装置と前記基地局との通信異常を検出した場合に、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かが設定可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記基地局の周辺にある前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を検出する第1の周辺基地局検出部と、
前記基地局の周辺にある前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を検出する第2の周辺基地局検出部と、
前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第1の周辺基地局検出部が検出した場合、前記第2の異常検出部が前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第1の無線通信サービスを継続しないように前記通信サービス継続規制部を設定し、
前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第1の周辺基地局検出部が検出しなかった場合、前記第2の異常検出部が前記第2の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第1の無線通信サービスを継続するように前記通信サービス継続規制部を設定し、
前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第2の周辺基地局検出部が検出した場合、前記第1の異常検出部が前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第2の無線通信サービスを継続しないように前記通信サービス継続規制部を設定し、
前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する他の基地局を前記第2の周辺基地局検出部が検出しなかった場合、前記第1の異常検出部が前記第1の無線通信サービスが不可能であることを検出した場合に前記第2の無線通信サービスを継続するように前記通信サービス継続規制部を設定する、通信サービス継続規制設定部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項4】
請求項1に記載の基地局と、
前記基地局が前記第1の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に、前記基地局と通信する第1のネットワーク内の第1の装置と、
前記基地局が前記第2の無線通信サービスを提供するように移動局と通信する時に、前記基地局と通信する第2のネットワーク内の第2の装置と
を備え、
前記第1の装置および前記第2の装置の各々は、
前記基地局で前記他の無線通信サービスを継続すべきか否かを表す規制情報を格納する格納部と、
前記基地局の前記第1および第2の無線通信サービスのいずれか1つが不可能である場合、前記規制情報を前記基地局に送信する送信部と
を備え、
前記基地局は、
前記規制情報に従って、前記他の無線通信サービスを継続すべきか否か、前記通信サービス継続規制部を設定する通信サービス継続規制設定部
を備えることを特徴とする通信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−93641(P2013−93641A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232649(P2011−232649)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】