説明

基地局の一意のロケーション識別子を使用したナビゲーション方法、システム、および装置

地上波ワイヤレス信号を使用して、ユーザのロケーションについてそのユーザに警告するための方法が含まれる。本方法は、地上波基地局からの一意の識別信号に応答して、所定のロケーションに対するユーザの位置についてそのユーザに警告するための方法、ならびに所望のルートに沿って配置された1つまたは複数の地上波基地局からの1つまたは複数の一意の識別信号に基づくナビゲーション方法を含む。また、ユーザのロケーションについてそのユーザに警告することと、1つまたは複数の地上波基地局に対するモバイル端末の位置に応答して、選択されたルートを通してユーザをナビゲートするのを助けることとを行うように適応されたモバイル端末、たとえば、携帯電話を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
今回請求する本発明は、一般にワイヤレス通信の分野に関し、より詳細には、モバイル端末において受信可能な地上波ワイヤレス信号を使用したナビゲーションの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
仕事に関係するライフスタイルと通信との最近の傾向、ならびに都市圏の常に増大する大きさにより、電車、バス、カープール、ならびに他の形態の単一および/または大量交通機関によって移動する通勤者の数が極めて大きく増加している。一部の旅行者または通勤者は、ウェイファインディング(wayfinding)および/またはナビゲーションのためのパーソナルナビゲーションデバイスを使用し得る。典型的なパーソナルナビゲーションデバイスは、固定軌道を有する測位衛星からの1つまたは複数の信号を三角測量することによって、その位置を判断する。例示的な衛星測位システムには、GPSコンスタレーション、GalileoコンスタレーションおよびGLONASSコンスタレーションがある。
【0003】
衛星ベースのナビゲーションシステムは、高度に正確であり得るが、それらのパフォーマンスをたいていのユーザにとって利用不可能にする、それらの欠点も有する。最初に、ハンドヘルド測位システムは、一般に、携帯電話など、他のハンドヘルドデバイスよりもはるかに費用がかかる。また、衛星測位ソフトウェアおよびファームウェアが複雑であるとすれば、ハンドヘルド測位システムのパッケージングは容易でなく、このことは、各デバイスがかさばり、測位以外のその機能がかなり制限されることを意味する。最後に、上記のように、ハンドヘルド測位システムは、1つまたは複数の軌道衛星からの測位信号の正確な受信および測定に依拠する。したがって、典型的なハンドヘルド測位デバイスは(1つまたは複数の)衛星から適切な信号を受信しないので、気象条件および見通し線問題によりデバイスのパフォーマンスが妨害され得る。比較として、世界の人口のかなりの部分は、好適な通信方法として携帯電話を採用している。しかしながら、たいていの携帯電話は、上述の制限により衛星測位機能を有しない。とはいえ、そのコストおよび複雑さを比較的低く保ちながら、ハンドヘルド測位デバイスの機能と携帯電話の機能とを組み合わせるシステム、方法および/または装置が当技術分野において必要である。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本開示は、今回請求する本発明の複数の例示的な態様、特徴および利点についての詳細な説明を含む。一態様では、今回請求する本発明は、選択されたロケーション、たとえば、通勤電車の駅においてユーザの存在についてそのユーザに警告するための方法を含む。以下で説明するように、例示的な方法は、モバイル端末において所定のロケーションの選択を受信するステップを含むことができる。例示的な方法はまた、モバイル端末において、一意のロケーション識別子を有する基地局からの信号を受信するステップを含むことができ、そのステップは、地理的ロケーションを基地局に一意に関連付けるように機能し、基地局は、特定の信号を用いて所定のロケーションを一意に識別する。別のステップは、一意のロケーション識別子を有する基地局からの信号の、第2の後続の受信または再受信についてユーザに警告することを含むことができる。すなわち、ユーザのモバイル端末は、関連付けられた基地局からの一意のロケーション識別子に応答して、もしユーザが所定のロケーションまたはその近くにいる場合、そのユーザに警告する。そうする際に、モバイル端末は、ユーザのロケーションについてそのユーザにプロンプトを出すことによって、部分的にパーソナルナビゲーションデバイスとして機能する。
【0005】
今回請求する本発明の別の態様は、モバイル端末を使用したユーザナビゲーションの方法を含む。例示的な方法は、モバイル端末において、第1の所定のロケーションと第2の所定のロケーションとを含むナビゲーション要求を開始するステップを含む。以下で詳細に説明するように、モバイル端末は、前の所定のロケーションを記憶することと、それらのロケーションを一意に識別された基地局に関連付けることとを行うように構成され得る。したがって、モバイル端末は、ユーザが起点と終点とを選定し得るロケーションの履歴を有することができる。例示的な方法は、モバイル端末において、第1の所定のロケーションに関連付けられた第1の一意のロケーション識別子を有する第1の基地局からの第1の信号を受信するステップと、モバイル端末において、第2の所定のロケーションに関連付けられた第2の一意のロケーション識別子を有する第2の基地局からの第2の信号を受信するステップとをさらに含むことができる。例示的な方法は、モバイル端末における、第1または第2の一意のロケーション識別子のうちの一方の受信に応答して、第1または第2の所定のロケーションのうちの一方におけるモバイル端末の存在についてユーザに警告するステップをさらに含むことができる。
【0006】
本明細書で説明する例示的な方法に加えて、本出願は、ロケーション判断とナビゲーションとにおいてユーザを支援するためのこれらおよび他の方法を実行するように適応された装置、システムおよびコンピュータ可読媒体を開示する。本明細書で開示する例示的な方法、システムおよび装置が、少なくともウェイファインディングと、通勤と、旅行と、ナビゲーションとを含む多数の適用例において使用するために容易にスケーラブルであることは、当業者には明らかであろう。衛星ベースの測位デバイスとは異なり、本出願の教示は、携帯電話など、よりコスト効果的で機能的なモバイル端末に適用可能である。他の特徴および利点について、以下の図を参照しながら、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】今回請求する本発明の一態様によるモバイル端末の動作環境の概略図。
【図2】今回請求する本発明の一態様によるモバイル端末の概略図。
【図3】今回請求する本発明の別の態様によるモバイル端末のユーザインターフェースの概略図。
【図4】今回請求する本発明の一態様による、ロケーションについてユーザに警告する方法を示すフローチャート。
【図5】今回請求する本発明の別の態様によるパーソナルナビゲーションのための方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
今回請求する本発明について、添付の図を参照しながら、その選択された好適な特徴および態様に関して本明細書で説明する。上記の説明は本質的に例示的なものにすぎず、今回請求する本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって定義されることが、通信分野の当業者には理解されよう。
【0009】
図1に、それらのすべてについて本明細書でより詳細に説明する、今回請求する本発明のシステム、装置および方法の様々な態様のための好適な動作環境100を概略的に示す。例示的な動作環境100は、それぞれがワイヤレス通信ネットワークにおいて1つまたは複数のモバイル端末10と通信していることがあり得る、複数の基地局102、104、106、108、110、および112を含む。本明細書で使用するモバイル端末10は、セルラーまたは他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、個人情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、あるいはワイヤレス通信を受信することが可能な他の適切なモバイルデバイスなどのデバイスを指す。また、「モバイル端末」は、インターネット、WiFi、または他のネットワークなどを介してサーバとの通信が可能で、信号受信、データ処理およびストレージ、ならびに/あるいは他の機能が当該デバイスで行われるか、サーバで行われるか、またはネットワークに関連する別のデバイスで行われるかにかかわらず、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むものとする。上記の任意の動作可能な組合せも本出願のためのモバイル端末と見なされる。
【0010】
動作環境100はまた、1つまたは複数の通信および/または測位衛星(図示せず)、ならびに公衆交換電話網(PSTN)(図示せず)を含むことができる。典型的なワイヤレス通信システムでは、基地局102、104、106、108、110、および112は、順方向リンク上でモバイル端末10から通信を受信し、逆方向リンク上でモバイル端末10に通信を送信するように機能する。各基地局102、104、106、108、110、および112は一般にセル内またはワイヤレスネットワークの部分内で動作し、モバイル端末10がセル間で移動するにつれて、基地局102、104、106、108、110、および112間でのハンドオフによって通信が維持される。各基地局102、104、106、108、110、および112は一意に識別可能であり、したがって、基地局102、104、106、108、110、および112間での一連のハンドオフを観測することからモバイル端末10の概略的な経路が導出され得る。本明細書で使用する基地局という用語は、モバイル端末間でワイヤレス通信をルーティングするための地上波ワイヤレス通信ゲートウェイを指す。典型的な基地局は、衛星および地上波ワイヤレス通信のために適応され得るが、各基地局は、1つまたは複数のモバイル端末に送信される地上波信号によって一意に識別され得る。
【0011】
図1に示すように、複数の基地局102、104、106、108、110、および112は、一連の所定のロケーション120、122、124、126、128、および130の各々が、地理的に対応する基地局102、104、106、108、110、および112を一意に識別する(1つまたは複数の)信号に関連付けられ得るように、一連の所定のロケーション120、122、124、126、128、および130においてまたはその近くで構成され得る。この例では、ロケーションをリンクする線は電車の線路である。図示のように、所定のロケーション120は基地局102のセルまたは領域内にあり、所定のロケーション122は基地局104のセルまたは領域内にあり、以下同様である。例示的な動作環境100では、所定のロケーション120、122、124、126、128、および130の各々は、通勤電車線路上の停留所、バスまたは他の車両が通過する道路網上の交差点、ジャンクション、乗換駅、住宅、仕事場、トリップ起点、トリップ終点など、個別の地理的有意性を有することができる。
【0012】
本明細書で説明する技法は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの様々なワイヤレス通信ネットワークに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時間分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、Long Term Evolution(LTE)ネットワークなどであり得る。CDMAネットワークは、CDMA2000、広帯域CDMA(W−CDMA)などの1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装し得る。CDMA2000は、IS−95、IS−2000、およびIS−856規格を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、Digital Advanced Mobile Phone System(D−AMPS)、または何らかの他のRATを実装し得る。GSMおよびW−CDMAは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。CDMA2000は、「3rd Generation Partnership Project2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は公的に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであり得、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xネットワーク、または他の何らかのタイプのネットワークであり得る。本技法はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せのために使用され得る。
【0013】
今回請求する本発明の一態様は、選択されたロケーション、たとえば、通勤電車の駅においてユーザの存在についてそのユーザに警告するための方法を含む。図4に示すように、例示的な方法はステップS102を含むことができ、ステップS102は、モバイル端末において所定のロケーションの選択を受信することを含む。例示的な方法のステップS104は、モバイル端末において、一意のロケーション識別子を備える基地局からの信号を受信することを含む。そのような信号は、GSMのためのロケーションエリア識別子(LAI)/セル識別情報/基地局識別情報コード、またはCDMAのための基地局識別情報/基地局経度/基地局緯度を含み得、地理的ロケーションを基地局に一意に関連付け得る。モバイル端末は、基地局からの信号の信号強度を記憶することができる。ステップS104は、地理的ロケーションを基地局に一意に関連付けるように機能することができ、基地局は、特定の信号を用いて所定のロケーションを一意に識別する。たとえば、所定のロケーション(たとえば、ユーザのホーム駅)において信号を受信すると、図2のモバイル端末10の処理ユニットは、信号を処理し、信号を送信している基地局のロケーションエリア識別子(LAI)/セル識別情報/基地局識別情報コードを所定のロケーションに関連付けることができる。この関連付けは、データ構造中に記憶され、基地局からの第2の後続の信号を識別するために使用され得、ユーザ入力に応答して行われ得る。ステップS106は、一意のロケーション識別子を備える基地局からの信号の、第2の後続の受信または再受信についてユーザに警告することを含む。たとえば、モバイル端末は、基地局からの信号の強度が前に説明した記憶された信号強度に達したとき、ユーザに警告することができる。一例として、ユーザは、そのユーザの仕事場の近くの駅を所定のロケーションとして選択し得る。例示的な方法のステップS102およびステップS104が完了すると、ユーザのモバイル端末は、関連付けられた基地局からの一意のロケーション識別子に応答して、もしユーザが仕事場またはその近くにいる場合、そのユーザに警告する。そうすると、さもなければ疲れているかまたは気が散っているユーザは、そのユーザの停留所、乗換駅、方向転換、または他のナビゲート可能なイベントを逃す可能性が低くなる。
【0014】
図4に示す例示的な方法の一変形体では、所定のロケーションの選択はユーザ入力に応答して行われる。ユーザ入力は、モバイル端末への所定のロケーションの手動入力、あるいは音声作動、補助パーソナルコンピュータからのダウンロード、パーソナル測位デバイスまたはナビゲーションシステムなど、何らかの他の方法によるユーザ入力を含むことができる。代替的に、所定のロケーションの選択は、モバイル端末上で実行されるトリップ機能の開始を含むことができる。好適なトリップ機能は、所定のロケーションが起点または終点のうちの一方を備えるように、起点と終点とを含むことができる。すなわち、例示的な方法が、起点および/または終点に関連付けられた基地局においてまたはその近くでユーザの物理的存在についてそのユーザに警告するように機能するように、ユーザは、一定の起点(すなわち、ホーム駅)と終点(すなわち、オフィス駅)とを有する共通のトリップを選択することができる。各起点および終点は別個の基地局に関連付けられ得、基地局のそれぞれは、そのシグナリングによって一意に識別可能である。
【0015】
例示的な方法の別の代替態様では、所定のロケーションの選択は、ユーザによって選択された所定のルートまたは経路に従って確立され得、所定のロケーションは、選択されたルートに地理的にまたは別様に関連付けられ、たとえば、起点および終点に加えて、電車乗換駅、バス停留所、ドライビング交差点などの中間地点を含むことができる。
【0016】
例示的な方法の別の変形体では、ユーザに警告するステップは、様々な警告手段および機構を含むことができる。たとえば、例示的な方法は、モバイル端末に、スピーカーまたはヘッドフォンによる聴覚アラームを実行させるか、モバイル端末に、明滅ライト、点滅スクリーンまたは他の可視インジケータによる視覚アラームを実行させるか、あるいはモバイル端末に、振動することなどの触覚アラームを実行させることによって、ユーザに警告することができる。その目的で、上記の機能のうちの1つまたは複数のために、スピーカーと、ヘッドフォンジャックと、LEDまたは他の点滅可能なライトと、ディスプレイまたはスクリーンと、振動またはサイレントアラーム機構とのうちの1つまたは複数を有するモバイル端末10が構成され得る。
【0017】
図2および図3に示すように、例示的なモバイル端末10は、モバイルワイヤレス通信にすべて適応された、処理ユニットと、メモリと、通信回路と、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェアとを含んでいる本体部分12を含むことができる。例示的なモバイル端末10は、ユーザが所定のロケーションを選択することを可能にするように適応されたユーザインターフェースをも含むことができる。図2に示すように、ユーザインターフェースは、たとえば、ディスプレイ16とキーパッド18とを有する触覚入力インターフェースを含むことができる。代替的に、ディスプレイ16が、モバイル端末10の産業界においてより一般的になっているタイプのタッチスクリーン対話型ディスプレイであるとすれば、ユーザインターフェースはディスプレイ16のみを含むことができる。別の代替では、ユーザインターフェースは、図2に示すマイクロフォン/スピーカー20によって音声作動され得る。モバイル端末10はまた、本明細書で言及する一意のロケーション識別子を含む、基地局からのワイヤレス信号を受信するように適応されたアンテナ14を含むことができる。ユーザインターフェースおよびアンテナ14は、基地局からのワイヤレス信号中の一意のロケーション識別子を所定のロケーションに関連付け、一意のロケーション識別子を備える基地局からの第2のワイヤレス信号の受信に応答してユーザに警告するように構成された処理ユニット(図示せず)に接続され得る。処理ユニットは、基地局からの信号の信号強度を判断し、信号強度を記憶し、受信された信号の信号強度を記憶された信号強度と比較することができる。
【0018】
例示的なモバイル端末10は、処理ユニットに接続された警告システム(図示せず)をさらに含むことができる。警告システムは、振動アラーム、オーディオアラームまたは視覚アラームによって、所定のロケーションにおいてまたはその近くでユーザの存在についてそのユーザに警告するように機能することができる。図2に示すように、例示的なモバイル端末10は、視覚アラームとして機能することができるディスプレイ16を含むことができる。その上、例示的なモバイル端末10は、視覚アラームとしてLEDまたはバッテリーライト22を利用することができる。同様に、例示的なモバイル端末10のマイクロフォン/スピーカー20は、ユーザに警告するためのオーディオアラームとして機能することができる。さらに、例示的なモバイル端末10は、振動またはサイレントアラームとして、振動機構、モータまたはデバイス(図示せず)を含むことができる。上述の警告システム構成要素の1つまたは複数を各警告イベントのために使用することができ、または代替的に、ユーザによって選択された所定のロケーションの各々のために特定のタイプの警告を構成することができる。たとえば、処理ユニットは、ユーザが、関連付けられた所定のロケーションまたはその近くにいるとき、「ホーム」、「仕事」、「乗り換え」、「左折」など、特定の単語または句を話すかまたは言うようにマイクロフォン/スピーカーを制御することができる。
【0019】
上記で説明したタイプのユーザインターフェースの例示的なディスプレイ16の部分を示す図3に、例示的なモバイル端末10の追加の機能が示されている。ユーザが所定のロケーションを選択するか、トリップを開始するか、またはルートをナビゲートするのを補助する際に、モバイル端末10の処理ユニットは、ディスプレイ16に、ユーザのためのオプションのメニューを提示させることができる。ユーザに提示される例示的なオプションは、たとえば、トリップ開始機能30とトリップ終了機能32とを含むことができる。トリップ開始機能30の初期化時に、モバイル端末10は、本明細書で説明する方法に従って、トリップの開始ロケーションを第1の所定のロケーションとして識別することができる。同様に、トリップ終了機能32において、モバイル端末10は、本明細書で説明する方法に従って、トリップの終了ロケーションを第2の所定のロケーションとして識別することができる。繰り返されるトリップの場合、この機能は、ユーザが、毎日の通勤の開始点と終了点とを、たとえば、モバイル端末10にあらかじめ選択させることを可能にし、モバイル端末10は、本明細書で説明する方法に従ってユーザにそのユーザのロケーションを通知する。
【0020】
別の例示的なオプションは、ユーザがそのユーザの過去、現在または将来の(1つまたは複数の)ロケーションに基づいて警告を作成することを可能にする初期ロケーション選択機能34および最終ロケーション選択機能36である。追加のオプションは、メニュー機能38と、モバイル端末10の機能、すなわち、モバイル端末10によって使用される警告システムのタイプを調整するためのオプション機能40と、モバイル端末10の別の機能に戻るための終了機能42とを含む。モバイル端末10はまた、一意に識別された基地局から導出されたモバイル端末10の知られているロケーションに基づいて、ユーザの近傍の視覚マップを生成するためのソフトウェアと、ハードウェアと、ファームウェアとを含むことができる。
【0021】
その点について、今回請求する本発明の別の態様は、モバイル端末を使用したユーザナビゲーションの方法を含む。図5に示すように、例示的な方法はステップS110を含み、ステップS110は、モバイル端末において、第1の所定のロケーションと第2の所定のロケーションとを備えるナビゲーション要求を開始することを含む。上記のように、モバイル端末は、前の所定のロケーションを記憶することと、それらのロケーションを一意に識別された基地局に関連付けることとを行うように構成され得る。したがって、モバイル端末は、ユーザが起点と終点とを選定し得るロケーションの履歴を有することができる。ステップS112において、例示的な方法は、モバイル端末において、第1の所定のロケーションに関連付けられた第1の一意のロケーション識別子を備える第1の基地局からの第1の信号を受信することを含み、ステップS114において、例示的な方法は、モバイル端末において、第2の所定のロケーションに関連付けられた第2の一意のロケーション識別子を備える第2の基地局からの第2の信号を受信することを含む。ステップS116において、例示的な方法は、モバイル端末における、第1または第2の一意のロケーション識別子のうちの一方の受信に応答して、第1または第2の所定のロケーションのうちの一方におけるモバイル端末の存在についてユーザに警告することを含む。
【0022】
例示的な動作環境として再び図1を参照すると、ユーザは所定のロケーション120から所定のロケーション130に行くことを望み得る。そうする際に、ユーザは、通勤電車ジャンクション、停留所などであり得る所定のロケーション122と所定のロケーション124とを通過することになる。所定のロケーション122など、間近に迫った中間地点についてユーザに警告するために、例示的な方法は、モバイル端末において、第3の所定のロケーションに関連付けられた第3の一意のロケーション識別子を備える第3の基地局からの第3の信号を受信するステップをさらに含むことができる。このようにして、ユーザは、所定のロケーション122、たとえば通勤電車ジャンクションの存在について警告され、そのユーザの終点である所定のロケーション130に到着するために、そのユーザが適切な電車に乗ることを確実にするための適切なステップに従うことになる。
【0023】
上記のように、第3の所定のロケーションは、第1の所定のロケーションと第2の所定のロケーションとの間のルートに沿った、任意の数の中間地点、交差点、ジャンクション、重要な中間点、停留所などであり得る。例示的な方法は、ルートに沿った所定の中間地点においてまたはその近くでユーザの存在についてそのユーザに警告することによって、ユーザが、バス、電車、車、徒歩または他の手段によって複雑なルートをうまくナビゲートすることを可能にする。本明細書で説明する方法は、第1、第2および第3の所定のロケーションに適しているだけでなく、基地局信号によって一意に識別されることが可能な任意の数の地理的エリアに適していることは、当業者には明らかであろう。当業者が諒解するように、領域中の基地局の密度は、その領域の人口密度にほぼ比例し、したがって、人口密度の高いエリアでは、本明細書で説明する原理は、より費用がかかり複雑な衛星ベースの測位システムにおいて見られるパフォーマンスに匹敵する測位およびナビゲーションパフォーマンスを与えることになる。
【0024】
本明細書で説明する方法は、適用例に応じて様々な手段によって実装され得る。たとえば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実装され得る。ハードウェア実装の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明する機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装され得る。
【0025】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実装の場合、本方法は、本明細書で説明する機能を実行するモジュール(たとえば、手順、機能など)を用いて実装され得る。命令を有形に実施するいずれの機械可読媒体も、本明細書で説明する方法の実装において使用され得る。たとえば、ソフトウェアコードは、メモリ、たとえばモバイル端末10のメモリに記憶され、モバイル端末10に関して上記で説明した処理ユニットによって実行され得る。メモリは、処理ユニットの内部および/または処理ユニットの外部に実装され得る。本明細書で使用する「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかのタイプを指し、メモリの特定のタイプまたはメモリの数、あるいはメモリが記憶される媒体のタイプに限定されない。別段に明記されていない限り、上記の説明から明らかなように、本明細書全体にわたって、流れ図などに関係する方法はまた、たとえば、上記で詳細に説明した(1つまたは複数の)モバイル端末および/または(1つまたは複数の)基地局を含むコンピューティングプラットフォームによって全体的にまたは部分的に実行および/または制御され得ることを諒解されたい。
【0026】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。例としては、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体がある。コンピュータ可読媒体は物理的コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク(disk)ストレージ、磁気ディスク(disk)ストレージ、または他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができ、本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0027】
コンピュータ可読媒体上での記憶に加えて、命令および/またはデータを通信装置中に含まれる伝送媒体上の信号として与え得る。たとえば、通信装置は、命令とデータとを示す信号を有するトランシーバを含み得る。命令およびデータは、1つまたは複数の処理ユニットに、特許請求の範囲で概説する機能を実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示した機能を実行するための情報を示す信号をもつ伝送媒体を含む。初めに、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示した機能を実行するための情報の第1の部分を含み得、次に、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示した機能を実行するための情報の第2の部分を含み得る。
【0028】
上記の説明は、今回請求する本発明のシステムおよび方法の選択された態様および好適な例に関する。これらの説明は本質的に例示的なものであり、今回請求する本発明の完全な範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲に関して定義されることが、当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択されたロケーションにおいてユーザの存在について前記ユーザに警告するための方法であって、
モバイル端末において所定のロケーションの選択を受信するステップと、
前記モバイル端末において、一意のロケーション識別子を備える基地局からの信号を受信するステップと、
前記一意のロケーション識別子を備える前記基地局からの前記信号の後続の受信についてユーザに警告するステップと
を備える方法。
【請求項2】
所定のロケーションの前記選択がユーザ入力に応答して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定のロケーションの前記選択が、起点と終点とを備えるトリップ機能を備え、さらに、前記所定のロケーションが起点または終点のうちの一方を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記起点が、前記基地局と第2の基地局とのうちの一方に関連付けられ、前記終点が、前記基地局と前記第2の基地局とのうちの他方に関連付けられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザに警告する前記ステップが、前記モバイル端末に聴覚アラームを実行させること、前記モバイル端末に視覚アラームを実行させること、または前記モバイル端末に触覚アラームを実行させることのうちの1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
選択されたロケーションにおいてユーザの存在について前記ユーザに警告するための装置であって、
モバイル端末において所定のロケーションの選択を受信するための手段と、
前記モバイル端末において、一意のロケーション識別子を備える基地局からの信号を受信するための手段と、
前記一意のロケーション識別子を備える前記基地局からの前記信号の後続の受信についてユーザに警告するための手段と
を備える装置。
【請求項7】
所定のロケーションの前記選択がユーザ入力に応答して行われる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
所定のロケーションの前記選択が、起点と終点とを備えるトリップ機能を備え、さらに、前記所定のロケーションが起点または終点のうちの一方を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記起点が、前記基地局と第2の基地局とのうちの一方に関連付けられ、前記終点が、前記基地局と前記第2の基地局とのうちの他方に関連付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーザに警告するための前記手段が、聴覚アラーム、視覚アラームまたは触覚アラームのうちの1つを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
選択されたロケーションにおいてユーザの存在について前記ユーザに警告するためのモバイル端末であって、
前記ユーザが所定のロケーションを選択することを可能にするように適応されたユーザインターフェースと、
一意のロケーション識別子を備える基地局からのワイヤレス信号を受信するように適応されたアンテナと、
前記ユーザインターフェースと前記アンテナとに接続された処理ユニットであって、前記基地局からの前記ワイヤレス信号中の前記一意のロケーション識別子を前記所定のロケーションに関連付けることと、前記一意のロケーション識別子を備える前記基地局からの前記ワイヤレス信号の後続の受信に応答してユーザに警告することとを行うように構成された処理ユニットと
を備えるモバイル端末。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースが、触覚入力インターフェースまたは音声作動インターフェースのうちの一方を備える、請求項11に記載のモバイル端末。
【請求項13】
前記処理ユニットに接続された警告システムであって、振動アラーム、オーディオアラームまたは視覚アラームによってユーザに警告するように適応された警告システムをさらに備える、請求項11に記載のモバイル端末。
【請求項14】
選択されたロケーションにおけるユーザの存在についての前記ユーザへの警告を実装するようにハードウェアコンピュータ実行可能である命令で符号化されたコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、
処理ユニットに所定のロケーションの選択を受信させるためのコードと、
前記処理ユニットに、一意のロケーション識別子を備える基地局からのワイヤレス信号を受信させるためのコードと、
前記処理ユニットに、前記基地局からの前記ワイヤレス信号中の前記一意のロケーション識別子を前記所定のロケーションに関連付けることと、前記一意のロケーション識別子を備える前記基地局からの前記ワイヤレス信号の後続の受信に応答してユーザに警告することとを行わせるためのコードと
を備える、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記処理ユニットに、ユーザ入力に応答して前記所定のロケーションを選択させるためのコードをさらに備える、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記処理ユニットに所定のロケーションの選択を受信させるための前記コードが、起点と終点とを備えるトリップ機能を備え、さらに、前記所定のロケーションが起点または終点のうちの一方を備える、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記起点が、前記基地局と第2の基地局とのうちの一方に関連付けられ、前記終点が、前記基地局と前記第2の基地局とのうちの他方に関連付けられる、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記処理ユニットに、聴覚アラーム、視覚アラーム、または触覚アラームを作動させるためのコードをさらに備える、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
モバイル端末を使用したユーザナビゲーションの方法であって、
モバイル端末において、第1の所定のロケーションと第2の所定のロケーションとを備えるナビゲーション要求を開始するステップと、
前記モバイル端末において、前記第1の所定のロケーションに関連付けられた第1の一意のロケーション識別子を備える第1の基地局からの第1の信号を受信するステップと、
前記モバイル端末において、前記第2の所定のロケーションに関連付けられた第2の一意のロケーション識別子を備える第2の基地局からの第2の信号を受信するステップと、
前記モバイル端末における、前記第1または第2の一意のロケーション識別子のうちの一方の受信に応答して、前記第1または第2の所定のロケーションのうちの一方における前記モバイル端末の前記存在についてユーザに警告するステップと
を備える方法。
【請求項20】
前記モバイル端末において、第3の所定のロケーションに関連付けられた第3の一意のロケーション識別子を備える第3の基地局からの第3の信号を受信するステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の所定のロケーションが、前記ユーザによって選択されたルートに沿っている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の所定のロケーションが、前記第1の所定のロケーションと前記第2の所定のロケーションとの間に配設される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記モバイル端末における、前記第3の一意のロケーション識別子の受信に応答して、前記第3の所定のロケーションにおける前記モバイル端末の前記存在についてユーザに警告するステップをさらに備える、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−524269(P2012−524269A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505981(P2012−505981)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031476
【国際公開番号】WO2010/121193
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】