基地局配置支援システム、および基地局配置支援方法
【課題】各基地局の利用状況を定量化し、必要な、または不要な基地局を特定することのできる基地局配置支援システムを提供する。
【解決手段】基地局配置支援システムにおいて、測位領域に配置した基地局全体の集合から基地局の組合せを生成する基地局組合せ生成部300と、基地局組合せ生成部300により特定された各基地局組合せと、基地局と位置検知対象との測定データとから、各位置検知対象である測定機器の位置を計算する位置計算部400と、位置計算部400により計算された位置と実際の位置との誤差を特定する基地局組合せ誤差計算部500と、基地局組合せ誤差計算部500により計算された誤差から個々の基地局の必要度または不要度を計算する基地局必要・不要度計算部600と、基地局必要・不要度計算部600により計算された基地局必要度または基地局不要度を出力する結果出力部700とを備える。
【解決手段】基地局配置支援システムにおいて、測位領域に配置した基地局全体の集合から基地局の組合せを生成する基地局組合せ生成部300と、基地局組合せ生成部300により特定された各基地局組合せと、基地局と位置検知対象との測定データとから、各位置検知対象である測定機器の位置を計算する位置計算部400と、位置計算部400により計算された位置と実際の位置との誤差を特定する基地局組合せ誤差計算部500と、基地局組合せ誤差計算部500により計算された誤差から個々の基地局の必要度または不要度を計算する基地局必要・不要度計算部600と、基地局必要・不要度計算部600により計算された基地局必要度または基地局不要度を出力する結果出力部700とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離と相関関係を有する測定データ、例えば、電波強度、音波伝播時間等を用いた位置検知システムの基地局配置支援システムに関し、特に、基地局(移動しない測定機器)を多数配置した上で、位置検知対象となる測定機器と基地局との間の測定データを用いた基地局配置の支援に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基地局と位置検知対象との間の電波強度、音波伝播時間等を用いた位置検知技術は多数存在する。例えば、測位領域をある一定の大きさで升目を切り、基地局と位置検知対象との間の電波強度から、升目ごとの位置検知対象の存在確率を計算する技術が知られている[例えば、特開2001−34305号公報(特許文献1)]。
【0003】
また、電波強度と距離の関係を自動で適正化する位置検知技術が知られている[例えば、特開2008−122132号公報(特許文献2)]。また、位置検知対象と基地局が死角に入ったと判断した場合、位置検知に利用する基地局を動的に変更する技術が知られている[例えば、特開2008−85430号公報(特許文献3)]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34305号公報
【特許文献2】特開2008−122132号公報
【特許文献3】特開2008−85430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基地局と位置検知対象との間の電波強度、音波伝播時間等の測定値を用いた位置検知において、基地局の設置密度が高いほど位置検知精度が向上することが知られている。その一方で、基地局となる測定機器類は一般に高価であり、かつ測定機器を大量に稼働させると通信データ量が膨大となりデータロスの原因となるため、設置できる数には限りがある。したがって、現実的には、限られた数の基地局で効果的な位置検知を行う必要がある。
【0006】
特許文献1は、与えられた基地局の配置を前提として位置を計算する技術であり、不要な基地局を特定するものでない。同じく、特許文献2は、基地局が配置された後に電波強度と距離の関係を適正化するものであり、不要な基地局がどれかを判断できるものではない。
【0007】
特許文献3の技術では、刻々と移動する位置検知対象をその都度検知するのにふさわしい基地局の組合せは判明するが、配置された個々の基地局の必要性を明らかにすることはできない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、限られた基地局で効果的な位置検知を行うために、各基地局の利用状況を定量化し、必要な、または不要な基地局を特定することのできる基地局配置支援システムを提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0011】
すなわち、代表的なものの概要は、位置検知対象が移動しうる場所に複数の位置検知対象を配置した測位領域で、測位領域に配置した基地局全体の集合から基地局の複数の組合せを生成し、生成した基地局の組合せごとに、位置検知対象からの測定データに基づいて、位置検知対象を計算し、計算した位置と位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算した誤差に基づいて、複数の基地局の要否を判断する指標を計算するものである。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0013】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、測位領域に配置した基地局から必要・不要な基地局を特定し、必要最小限の基地局で対象の位置検知が可能になる。結果として、基地局数および消費電力を削減可能となり、コストを削減できる。また、通信データ量が抑えられるため、結果としてデータロスが防止され、位置検知精度の悪化を防止できる。また、基地局を測位領域に多数配置した上で本発明を活用することにより、最適な基地局配置を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムで蓄積される測定データの一例を示す図である。
【図3】(a)、(b)は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測位領域となる場内レイアウトデータを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される基地局配置データのデータ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される位置検知対象配置データのデータ構造を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される基地局組合せリストのデータ構造を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの測位領域における基地局および位置検知対象の配置例の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局の組合せによる位置測定誤差算出方式の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの各区画における存在確率の格納データのデータ構造を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局組合せ計算誤差リストによる位置測定誤差算出方式の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの位置検知対象別誤差寄与度記録リストのデータ構造を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局組合せでの組合せ誤差および各基地局誤差寄与度の集計方式の説明図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局不要度データのデータ構造を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部が出力する位置検知対象別誤差寄与度記録リストの図である。
【図23】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部が出力する基地局組合せリストの図である。
【図24】本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの基地局必要度データのデータ構造を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の必要度を算出した際の出力結果のイメージを示す図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
なお、以下の実施の形態においては、基地局と位置検知対象の間の測定データとして電波強度を用いたものを記述するが、これに限らず、距離との相関を示す測定データであれば、音波伝播時間等を用いてもよい。
【0017】
(実施の形態1)
まず、図1および図2により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムの構成を示す構成図、図2は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムで蓄積される測定データの一例を示す図である。
【0018】
図1において、位置検知システムは、移動しない測定機器である基地局10、移動する測定機器である位置検知対象11、電波集約機12、制御PC13から構成されている。
【0019】
基地局10は、電波を定期的に送信する機能を有する。位置検知対象11は、基地局10からの電波を受信し、受信した電波を電波集約機12へ転送する機能を有する。
【0020】
なお、基地局10および位置検知対象11は、電波送受信機能を有する同一機種の測定機器を使用することも可能である。
【0021】
電波集約機12は、位置検知対象11から受信したデータを制御PC13に渡す機能を有する。なお、制御PC13が位置検知対象11から発信されたデータをそのまま受信しデータ格納できる場合は不要である。
【0022】
制御PC13は、電波集約機12から受け取ったデータにPC内蔵時計時間を付与し、図2に示すような測定データ150としてデータを蓄積する。
【0023】
図2において、測定データ150は、シーケンスID欄151と、時刻欄152と、送信ID欄153と、受信ID欄154と、電波強度欄155とを備えている。
【0024】
次に、基地局10、位置検知対象11、電波集約機12、制御PC13のデータの流れについて説明する。
【0025】
まず、基地局10は、自身の基地局名を内容とする発信IDと、シーケンスID(本発信を一意に識別する文字列)の情報を含む電波を、全ての位置検知対象11に、定期的に(例:1秒ごとに)送信する。
【0026】
そして、位置検知対象11は基地局10から得た情報に自分の名前を内容とする受信IDと、基地局10との間の電波強度の情報を含む電波を電波集約機12に流す。
【0027】
そして、電波集約機12は制御PC13と有線接続されており、制御PC13は、電波集約機12が位置検知対象11から受信したデータに、制御PC13に内蔵された時刻情報を付加し、測定データ150として蓄積する。
【0028】
測定データ150のシーケンスID欄151には、基地局10から送信されたシーケンスIDを格納し、時刻欄152には、制御PC13が当該シーケンスに付与した時刻を格納し、送信ID欄153には、当該シーケンスにて電波を送信した基地局10のIDを格納する。
【0029】
また、受信ID欄154には、当該シーケンスにて送信ID欄153で特定される基地局10から受信した位置検知対象11のIDを格納し、電波強度欄155には、当該シーケンスにて受信ID欄154で特定される位置検知対象11が受信した電波の強度を格納する。
【0030】
そして、測定データ150として蓄積された各データに基づいて、位置検知対象11を検知する。
【0031】
次に、図3により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知について説明する。図3は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知を説明するための説明図である。
【0032】
まず、図3(a)に示すように、個々の基地局10と位置検知対象11の電波強度から、位置検知対象11が存在しうる領域を特定する。
【0033】
そして、図3(b)に示すように、個々の基地局10に対する位置検知対象11が存在しうる領域の特定結果を合成し、最も位置検知対象11が存在しうる場所を位置検知結果とする。
【0034】
本実施の形態の基地局配置支援システムは、図1に示すような位置検知システムを構築する際に、その基地局10の配置を支援するものであり、例えば、制御PC13の代わりに配置される。
【0035】
なお、制御PC13により、基地局配置支援システムの処理を行うようにすれば、制御PC13の機能として、実装することも可能である。
【0036】
次に、図4により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成について説明する。図4は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成を示す構成図である。
【0037】
図4において、基地局配置支援システム1000は、場内レイアウトデータ110と、基地局配置データ120と、位置検知対象配置データ130と、測定値と距離の関係データ140と、測定データ150と、基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600と、結果出力部700とを備えている。
【0038】
基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600と、結果出力部700とで制御部を構成している。
【0039】
基地局組合せ生成部300は、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。
【0040】
位置計算部400は、基地局組合せ生成部300で生成した各基地局組合せによる位置検知対象の位置を計算する。
【0041】
基地局組合せ誤差計算部500は、位置計算部400で算出した位置と位置検知対象の実位置との誤差を計算する。
【0042】
基地局必要・不要度計算部600は、基地局組合せ誤差計算部500で算出した誤差から、個々の基地局の要否を表す指標である不要度を算出する。
【0043】
結果出力部700は、基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600との計算結果などを表示する。
【0044】
次に、図5〜図12により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用されるデータについて説明する。図5〜12は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用されるデータの一例を示す図であり、図5は測位領域となる場内レイアウトデータを示す図、図6は基地局配置データのデータ構造を示す図、図7は位置検知対象配置データのデータ構造を示す図、図8〜図11は測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図、図12は基地局組合せリストのデータ構造を示す図である。
【0045】
図5において、測位領域となる場内レイアウトデータ110は、各データが座標に対応している。また、位置検知対象11の位置検知結果の出力時の便宜上、場内に存在する物品名、装置名、または事務所、倉庫、作業場等を併せて表示してもよい。
【0046】
図6において、基地局配置データ120は、測位領域に設置される基地局のリストとその設置位置を示したものであり、基地局ID欄121と、X座標欄122と、Y座標欄123とを備えている。基地局ID欄121は、基地局となる電波送受信機を特定する文字列を格納する。
【0047】
本実施の形態では、図6にあるように、文字“B”にインデクス(1、2、3、…)をつけた形で格納するものとする。X座標欄122、Y座標欄123には、基地局が設置されている場内レイアウト上の座標を格納する。
【0048】
図7において、位置検知対象配置データ130は、測位領域に設置される位置検知対象のリストとその設置位置を示したものであり、位置検知対象ID欄131と、X座標欄132と、Y座標欄133とを備えている。位置検知対象ID欄131は、位置検知対象となる電波送受信機を特定する文字列を格納する。
【0049】
本実施の形態では、図7にあるように、文字“T”にインデクス(1、2、3、…)をつけた形で格納するものとする。X座標欄132、Y座標欄133には、位置検知対象となる電波送受信機が設置されている場内レイアウト上の座標を格納する。
【0050】
なお、位置検知対象11は、位置検知対象11が移動しうる場所に複数設置するものとする。
【0051】
図8〜図11において、測定値と距離の関係データ140に含まれるデータは、あらかじめ予備実験として実施した結果を保存するか、特許文献2(特開2008−122132号公報)の技術を用いて生成されるものである。
【0052】
図8および図9は、それぞれ、電波強度と距離の関係141、および特定の電波強度における基地局と位置検知対象との距離の確率分布142を表すデータであり、図8および図9により、電波強度に対して基地局と位置検知対象との距離が一意に定まらず、確率分布をなすことがわかる。
【0053】
図10は、電波強度と平均距離の関係143を表すデータ、図11は、電波強度と距離標準偏差の関係144を表すデータであり、図10および図11により、電波強度が強いほど、その距離は短く、かつ標準偏差が少ない、つまり信頼度が高いことがわかる。
【0054】
図12において、基地局組合せリスト210のデータ構造は、基地局組合せ生成部300、基地局組合せ誤差計算部500、基地局必要・不要度計算部600による計算結果が格納される構造となっており、基地局組合せリスト210は、基地局配置支援システム1000内で各部からアクセスできるようになっている。
【0055】
基地局組合せリスト210は、基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212と、組合せ誤差欄213と、基地局誤差寄与度欄2141、2142、…とを備えている。
【0056】
基地局組合せID欄211には、当該基地局組合せを一意に特定する文字列を格納する。基地局組合せ欄212には、当該基地局組合せを構成する基地局IDの集合を格納する。組合せ誤差欄213には、当該基地局組合せにより各位置検知対象の位置算出結果と実位置の誤差の合計を格納する。基地局誤差寄与度欄2141、2142、…には、当該基地局組合せに対する各基地局の誤差寄与度合を示す値を格納する。
【0057】
次に、図13〜図20により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理について説明する。図13は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャート、図14〜図20は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を説明するための説明図であり、図14は測位領域における基地局および位置検知対象の配置例の説明図、図15は基地局の組合せによる位置測定誤差算出方式の説明図、図16は各区画における存在確率の格納データのデータ構造を示す図、図17は基地局組合せ計算誤差リストによる位置測定誤差算出方式の説明図、図18は位置検知対象別誤差寄与度記録リストのデータ構造を示す図、図19は基地局組合せでの組合せ誤差および各基地局誤差寄与度の集計方式の説明図、図20は基地局不要度データのデータ構造を示す図である。
【0058】
本実施の形態においては、図14に示すように、位置検知対象11は、測位領域において実際に位置検知を行う際に、位置検知対象11が移動しうる場所に配置することとする。このとき、特に位置精度を要する領域には、位置検知対象11を複数配置することとする。
【0059】
図13において、まず、ステップS101では、基地局組合せ生成部300が、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。生成結果は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212に格納する。
【0060】
本実施の形態においては、基地局配置データ120に格納された基地局の3つ以上を構成要素とする基地局の組合せを生成するものとするが、生成の方式はこれに限らない。例えば、組合せの構成要素数の下限や上限を設けたり、設置場所が一定値以上離れている2つの基地局を構成要素とする組合せは認めなかったり、組合せの構成要素とする基地局を、ある領域に存在するものに制限する、等の制限があってもよい。
【0061】
次に、ステップS102では、位置計算部400が、ステップS101で生成した全ての基地局組合せのうち、1つの組合せを取り出し、当該組合せを用いて、位置検知対象の位置を計算する。
【0062】
計算方法としては、測定データ150と、基地局配置データ120と、測定値と距離の関係データ140とから、例えば、図15にあるように、測位領域を同一面積を持つ区画に分割し、各区画に(X1,Y1)、(X1,Y2),…と名前をつけ、各区画の存在確率を特許文献1(特開2001−34305号公報)に示される方式、または図3に説明した方式により計算し、最も存在確率の高い区画の中心座標を位置検知対象の算出位置とする。
【0063】
各区画における存在確率の算出結果は、図16に示すように、区画別存在確率データ820の、対応する位置検知対象の区画算出確率欄に格納する。区画別存在確率820は、基地局組合せID欄821と、基地局組合せ欄822と、時刻欄823と、位置検知対象それぞれに対する区画算出確率欄82411、82412、…、82421、82422…とを備えている。
【0064】
次に、ステップS103では、基地局組合せ誤差計算部500が、位置計算部400が計算した位置と、位置検知対象配置データ130に記載された位置検知対象の実位置との誤差を計算し、計算結果を、図17に示すような、基地局組合せ計算誤差リスト220の、当該位置検知対象に対応する位置検知対象誤差欄に格納する。
【0065】
基地局組合せ計算誤差リスト220は、基地局組合せID欄221と、基地局組合せ欄222と、位置検知対象誤差欄2231、2232、…とを備えている。
【0066】
基地局組合せID欄221および基地局組合せ欄222は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211および基地局組合せ欄212と同一の値を格納する。各位置検知対象誤差欄2231、2232、…はステップS103で計算した結果を格納する。
【0067】
次に、ステップS104では、基地局必要・不要度計算部600が、当該組合せを構成する個々の基地局の誤差寄与度を計算する。計算方法は、以下の数1の式による。
【0068】
【数1】
【0069】
ここで、Bkは、インデクスkを有する基地局、Eは、ステップS103で算出した誤差の値、Pは基地局組合せを構成する基地局のインデクスの集合、Rkは基地局Bkと位置検知対象との電波強度、SDV(Rk)は電波強度Rkの標準偏差値を示す。
【0070】
SDV(Rk)は、図11に示した電波強度と距離標準偏差値の関係144により算出する。
【0071】
ステップS104の結果は、図18に示すような、位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230に記録する。
【0072】
位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230は、基地局組合せID欄231と、基地局組合せ欄232と、時刻欄233と、位置検知対象欄234と、誤差欄235と、各基地局に対する基地局電波強度欄2361、2362、…と、各基地局に対する基地局距離標準偏差欄2371、2372、…と、各基地局に対する基地局誤差寄与度欄2381、2382、…と、基地局距離標準偏差合計欄239とを備えている。
【0073】
上記数1の式において、Rkはインデクスkを有する基地局に対応する基地局電波強度欄2361に、SDV(Rk)値はインデクスkを有する基地局に対応する基地局距離標準偏差欄2371に、式の分母となっている各基地局の電波強度から導出される標準偏差値の合計値は基地局距離標準偏差合計欄239に、Eは誤差欄235に、基地局Bkの誤差寄与度は基地局Bkに対応する基地局誤差寄与度欄2381に、それぞれ格納する。
【0074】
上記ステップS102、ステップS103、ステップS104は、全ての位置検知対象について実施し(ステップS105)、その後、ステップS106にて、基地局必要・不要度計算部600が、各位置検知対象に対する、誤差および個々の基地局の誤差寄与度を全て合計した値を、当該基地局組合せを構成する基地局の個数で割り、基地局組合せリスト210の、組合せ誤差欄213、基地局誤差寄与度欄2141、2142、…に格納する。
【0075】
このとき、当該基地局組合せを構成しない基地局に対応する基地局誤差寄与度欄は、「−」記号を格納する。
【0076】
例えば、図19に示すように、基地局組合せB1、B2、B3により、位置検知対象T1、T2、T3の位置検知した結果、誤差がそれぞれ4.3、2.5、3.1であったとき、組合せ誤差欄213には(4.3+2.5+3.1)/3=3.3を格納する。
【0077】
また、基地局組合せB1、B2、B3により、位置検知対象T1、T2、T3の位置検知した結果、B1の誤差寄与度がそれぞれ1.23、0.37、0.65であったとき、基地局B1誤差寄与度欄2141には(1.23+0.37+0.65)/3=0.75を格納する。
【0078】
上記ステップS102からステップS106までは、全ての基地局組合せについて実施し(ステップS107)、その結果を基地局組合せリスト210に格納する。
【0079】
最後に、ステップS108では、基地局必要・不要度計算部600が、各基地局に対して、図12に示す基地局組合せリスト210に記入された、各基地局組合せに対する基地局誤差寄与度欄の値の平均値を算出し、この値を個々の基地局の要否を表す指標である不要度とする。不要度の値が大きい基地局ほど位置検知に不必要な基地局であることを表す。計算結果は図20に示す基地局不要度データ640に格納する。
【0080】
図20は基地局不要度データ640のデータ構造を表したもので、基地局ID欄641と、不要度欄642とを備えている。
【0081】
個々の基地局の不要度算出手順は以上の通りである。
【0082】
次に、図21〜図23により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図21〜図23は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明するための説明図であり、図21は画面出力部の出力結果のイメージを示す図、図22は画面出力部が出力する位置検知対象別誤差寄与度記録リストの図、図23は画面出力部が出力する基地局組合せリストの図である。
【0083】
まず、結果出力部700は、図21に示すように、レイアウト表示710と、表示時刻720と、位置検知対象選択表示730と、基地局組合せ選択表示740と、基地局不要度リスト表示750とを1つの画面上に出力する。
【0084】
レイアウト表示710は、升目を表示し、あわせて基地局10の実位置711、位置検知対象11の実位置712と、位置検知対象11の位置計算結果を表示する。表示時刻720はレイアウト表示710に出力する位置検知対象11の位置がどの時刻の測定結果によるものかを表示する。
【0085】
位置検知対象選択表示730は、レイアウト表示710に表示する位置検知対象11を選択する位置検知対象選択ボックス731と、表示時刻720に表示された時刻における、選択された位置検知対象11の実位置と計算位置の誤差を表示する誤差表示欄732を有する。
【0086】
基地局組合せ選択表示740は、レイアウト表示710に表示する位置検知対象11の位置計算結果に用いる基地局の組合せを選択するものであり、基地局組合せリスト210を、組合せ誤差欄213の値の低い順番に並べ、かつ表示選択欄742を加えて表示する。
【0087】
基地局不要度リスト表示750は、基地局不要度データ640のデータに、さらに非表示選択欄753の列と誤差変化欄754と、計算過程表示ボタン755とを加え、不要度欄642の値が大きい順にソートして表示する。
【0088】
ユーザは、結果出力部700の出力により、測位領域に配置した基地局10の不要度だけでなく、指定した基地局10の組合せにより、位置検知対象11をどのように位置検知したかをレイアウト表示710の上で確認することが可能である。
【0089】
以下、具体的に説明する。
【0090】
ユーザは、位置検知対象選択ボックス731、および基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742の指定を行う。
【0091】
結果出力部700は、表示選択欄742で指定した基地局10の実位置711、位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象11の実位置712、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の算出位置713、当該算出位置と表示選択欄742で指定した基地局組合せを構成する各基地局との間を結ぶ線714および電波強度715を出力する。なお、表示選択欄742で組合せに含まれていない基地局10の実位置718を、実位置711とは異なる方式で表示してもよい。同様に、位置検知対象選択ボックス731で選択していない位置検知対象11の実位置719を、実位置712とは異なる方式で表示してもよい。
【0092】
また、位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の区画ごとの存在確率を図16に示す区画別存在確率データ820から、存在確率値の大小を濃淡表示に変換して、存在確率716としてレイアウト表示710上に出力する。
【0093】
同時に、誤差表示欄732に、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の測定誤差を表示する。
【0094】
また、ユーザが計算過程表示ボタン755を押下すると、結果出力部700は、位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230を、図22に示すように画面上に併せて表示する。
【0095】
このとき、表示選択欄742で指定した基地局組合せ、または位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象を含む箇所を着色などして表示する。
【0096】
また、同様に、結果出力部700は、基地局組合せリスト210を、図23に示すように、画面上に併せて表示する。このとき、基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742で指定した基地局組合せを含むレコードを着色などして表示する。
【0097】
なお、区画ごとの存在確率716は、ここでは確率が高いほど区画を濃い色で塗りつぶすこととしているが、各区画に存在確率値を表示してもよい。
【0098】
以上の表示により、ユーザは位置検知対象の位置検知の際、どの基地局からどれくらいの電波強度を得て、どれくらいの位置検知精度となったか、またそのときの計算過程を確認可能となる。
【0099】
また、ユーザは、結果出力部700の出力により、基地局を除去した場合、位置検知対象11の検知精度がどのように変化するかを確認することが可能である。
【0100】
以下、具体的に説明する。
【0101】
ユーザは、基地局不要度リスト表示750の非表示選択欄753にて基地局を選択すると、基地局不要度リスト表示750の欄に、表示選択欄742で指定された基地局組合せと、当該基地局組合せから非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せとの誤差の増減分を誤差変化欄754に表示する。
【0102】
また、同時に、レイアウト表示710上に、基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742で指定された基地局組合せのうち、非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せに基づき、位置検知対象をどのように位置検知したかの表示を行う。
【0103】
また、同時に、誤差表示欄732に、非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せに基づいた、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象11の測定誤差を表示する。
【0104】
例えば、図21に示すように、表示選択欄742で基地局B1、B2、B3、B4の組合せが選択されているときに、非表示選択欄753にて基地局B1を指定した場合、基地局B2、B3、B4の組合せによる位置検知結果をレイアウト表示710上に表示し、かつ、誤差表示欄732に位置検知誤差(例えば2.5メートル)を表示する。
【0105】
また、基地局B1、B2、B3、B4で位置検知した結果の位置検知誤差が1.5メートルだったとした場合、誤差変化欄754には「+1.0メートル」と表示する。
【0106】
なお、基地局不要度データ640の出力手順は、以下に示すようにしてもよい。
【0107】
まず、基地局組合せ生成部300では、測位領域に配置されたN個の基地局10から、N−1個で構成される基地局10の組合せ、すなわち基地局10を1つだけを除いた基地局組合せを生成する。次に、生成した組合せそれぞれについて、位置計算部400および基地局組合せ誤差計算部500にて誤差を計算する。
【0108】
次に、基地局必要・不要度計算部600は、誤差の最も大きい基地局組合せを特定し、当該基地局組合せに含まれていない基地局を特定し、当該基地局を基地局不要度データ640に不要度ランク1として登録する。
【0109】
次に、N−2個で構成される基地局組合せ、すなわち不要度ランク1として特定された基地局ともう1つの基地局を除いた基地局組合せを生成し、前述と全く同様の手順で不要度ランク2と特定した基地局を基地局不要度データ640に登録する。
【0110】
この手順をN−1回繰り返し、全ての基地局の不要度ランクを基地局不要度データ640に登録する。
【0111】
(実施の形態2)
実施の形態1では、基地局10の不要度の算出方法および出力画面を説明したが、実施の形態2は、基地局10の必要度を算出し、その結果を出力するようにしたものである。
【0112】
図24および図25により、本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図24は本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの基地局必要度データのデータ構造を示す図、図25は本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の必要度を算出した際の出力結果のイメージを示す図である。
【0113】
基地局10の必要度を算出する場合は、不要度の算出方法および出力画面で実施する処理のうち、以下に説明する部分のみを変更し実現する。他の処理については、実施の形態1と同様である。
【0114】
基地局必要・不要度計算部600による、実施の形態1の図13に示すステップS108の計算では、例えば、基地局不要度データ640の不要度欄642の値を全て逆数とし、図24に示す基地局必要度データ650を生成する。
【0115】
基地局必要度データ650は、基地局ID欄651と、必要度欄652とを備え、必要度欄652の値が大きいほど基地局ID欄651で特定される基地局が必要であることを示す。
【0116】
結果出力部700は、図25に示すように、図21に記載されたもののうち、基地局不要度リスト表示750に代えて、基地局必要度リスト表示760を、基地局必要度データ650の必要度欄の値が大きい順にソートして表示する。これらの表示により、必要な基地局を特定し、最適な基地局配置の特定を支援する。
【0117】
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、図13に示すフローチャートにより、ある時点での誤差寄与度や、必要度・不要度を計算しているが、実施の形態3は、全時間を通した誤差寄与度や、必要度・不要度を計算するようにしたものでる。
【0118】
図26により、本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理について説明する。図26は本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【0119】
まず、ステップS201では、基地局組合せ生成部300が、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。生成結果は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212に格納する。
【0120】
次に、ステップS202では、測定データ150から1秒分の測定データを取り出す。
【0121】
次に、ステップS203では、ステップS202で取り出した1秒分の測定データにより、図13に示すステップS102〜S108の処理を実行する。
【0122】
上記ステップS202、ステップS203は、全ての時刻で実施し(ステップ204)、その後、ステップS205にて、基地局必要・不要度計算部600が、各秒で算出した、基地局10の必要度・不要度の平均値を算出することにより、各基地局10の全時間を通した基地局10の要否の指標を算出する。
【0123】
次に、図27により、本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図27は本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【0124】
図27に示すように、本実施の形態では、図21に示す実施の形態1における表示に対して、表示時刻720に加え、表示開始時刻欄721、表示終了時刻欄722、再生ボタン723、停止ボタン724、ツマミ725を追加表示し、また、基地局不要度リスト表示750に関して、表示時刻720に示された時刻における基地局の不要度を示す不要度(表示時)欄756、全時間を通した不要度を示す不要度欄757を追加表示する。
【0125】
不要度(表示時)欄756には、図26のステップ204までで算出した不要度の値を表示し、不要度欄757には、図26のステップ205で算出された不要度の値を表示する。
【0126】
ユーザはマウス等の情報処理機器によりレイアウト表示710に表示したい時刻にツマミ725を移動できるものとする。このとき、表示時刻720は、ツマミ725の移動に従い表示が変化するものとする。
【0127】
また、ユーザは、再生ボタン723を押下することにより、レイアウト表示710、誤差表示欄732、および不要度(表示時)欄756の時系列変化を表示する。また、ユーザは停止ボタン724を押下することにより、再生ボタン723の押下により変化していたレイアウト表示710、誤差表示欄732、および不要度(表示時)欄756の表示を固定する。
【0128】
本実施の形態では、全時間を通した不要度と、各秒の不要度の情報を表示することができ、電波の状態が不安定な場合などの、各秒での不要度のばらつきなどを把握することが可能である。
【0129】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、基地局を複数配置し、距離と相関関係を有する測定データ、例えば、電波強度、音波伝播時間等を用いて、位置検知対象の位置を検知する位置検知システムの基地局の配置の支援を行う装置やシステムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0131】
10…基地局、11…位置検知対象、12…電波集約機、13…制御PC、110…場内レイアウトデータ、120…基地局配置データ、130…位置検知対象配置データ、140…測定値と距離の関係データ、141…電波強度と距離の関係、142…特定の電波強度における基地局と位置検知対象との距離の確率分布、143…電波強度と平均距離の関係、144…電波強度と距離標準偏差との関係、150…測定データ、151…シーケンスID欄、152…時刻欄、153…送信ID欄、154…受信ID欄、155…電波強度欄、210…基地局組合せリスト、211…基地局組合せID欄、212…基地局組合せ欄、213…組合せ誤差欄、2141、2142、…基地局誤差寄与度欄、220…基地局組合せ計算誤差リスト、221…基地局組合せID欄、222…基地局組合せ欄、2231、2232、…各位置検知対象誤差欄、230…位置検知対象別誤差寄与度記録リスト、231…基地局組合せID欄、232…基地局組合せ欄、233…時刻欄、234…位置検知対象欄、235…誤差欄、2361…各基地局電波強度欄、2371…各基地局距離標準偏差欄、2381…各基地局誤差寄与度欄、239…基地局距離標準偏差合計欄、300…基地局組合せ生成部、400…位置計算部、500…基地局組合せ誤差計算部、600…基地局必要・不要度計算部、640…基地局不要度データ、641…基地局ID欄、642…不要度欄、650…基地局必要度データ、651…基地局ID欄、652…必要度欄、700…結果出力部、710…レイアウト表示、720…表示時刻、721…表示開始時刻欄、722…表示終了時刻欄、723…再生ボタン、724…停止ボタン、725…ツマミ、730…位置検知対象選択表示、740…基地局組合せ選択表示、750…基地局不要度リスト表示、753…非表示選択欄、754…誤差変化欄、755…計算過程表示ボタン、756…不要度(表示時)欄、757…不要度欄、760…基地局必要度リスト表示、820…区画別存在確率データ、821…基地局組合せID欄、822…基地局組合せ欄、823…時刻欄、82411、82412、82421、82422…区画算出確率欄、1000…基地局配置支援システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離と相関関係を有する測定データ、例えば、電波強度、音波伝播時間等を用いた位置検知システムの基地局配置支援システムに関し、特に、基地局(移動しない測定機器)を多数配置した上で、位置検知対象となる測定機器と基地局との間の測定データを用いた基地局配置の支援に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基地局と位置検知対象との間の電波強度、音波伝播時間等を用いた位置検知技術は多数存在する。例えば、測位領域をある一定の大きさで升目を切り、基地局と位置検知対象との間の電波強度から、升目ごとの位置検知対象の存在確率を計算する技術が知られている[例えば、特開2001−34305号公報(特許文献1)]。
【0003】
また、電波強度と距離の関係を自動で適正化する位置検知技術が知られている[例えば、特開2008−122132号公報(特許文献2)]。また、位置検知対象と基地局が死角に入ったと判断した場合、位置検知に利用する基地局を動的に変更する技術が知られている[例えば、特開2008−85430号公報(特許文献3)]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34305号公報
【特許文献2】特開2008−122132号公報
【特許文献3】特開2008−85430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基地局と位置検知対象との間の電波強度、音波伝播時間等の測定値を用いた位置検知において、基地局の設置密度が高いほど位置検知精度が向上することが知られている。その一方で、基地局となる測定機器類は一般に高価であり、かつ測定機器を大量に稼働させると通信データ量が膨大となりデータロスの原因となるため、設置できる数には限りがある。したがって、現実的には、限られた数の基地局で効果的な位置検知を行う必要がある。
【0006】
特許文献1は、与えられた基地局の配置を前提として位置を計算する技術であり、不要な基地局を特定するものでない。同じく、特許文献2は、基地局が配置された後に電波強度と距離の関係を適正化するものであり、不要な基地局がどれかを判断できるものではない。
【0007】
特許文献3の技術では、刻々と移動する位置検知対象をその都度検知するのにふさわしい基地局の組合せは判明するが、配置された個々の基地局の必要性を明らかにすることはできない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、限られた基地局で効果的な位置検知を行うために、各基地局の利用状況を定量化し、必要な、または不要な基地局を特定することのできる基地局配置支援システムを提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0011】
すなわち、代表的なものの概要は、位置検知対象が移動しうる場所に複数の位置検知対象を配置した測位領域で、測位領域に配置した基地局全体の集合から基地局の複数の組合せを生成し、生成した基地局の組合せごとに、位置検知対象からの測定データに基づいて、位置検知対象を計算し、計算した位置と位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算した誤差に基づいて、複数の基地局の要否を判断する指標を計算するものである。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0013】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、測位領域に配置した基地局から必要・不要な基地局を特定し、必要最小限の基地局で対象の位置検知が可能になる。結果として、基地局数および消費電力を削減可能となり、コストを削減できる。また、通信データ量が抑えられるため、結果としてデータロスが防止され、位置検知精度の悪化を防止できる。また、基地局を測位領域に多数配置した上で本発明を活用することにより、最適な基地局配置を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムで蓄積される測定データの一例を示す図である。
【図3】(a)、(b)は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測位領域となる場内レイアウトデータを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される基地局配置データのデータ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される位置検知対象配置データのデータ構造を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用される基地局組合せリストのデータ構造を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの測位領域における基地局および位置検知対象の配置例の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局の組合せによる位置測定誤差算出方式の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの各区画における存在確率の格納データのデータ構造を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局組合せ計算誤差リストによる位置測定誤差算出方式の説明図である。
【図18】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの位置検知対象別誤差寄与度記録リストのデータ構造を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局組合せでの組合せ誤差および各基地局誤差寄与度の集計方式の説明図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの基地局不要度データのデータ構造を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部が出力する位置検知対象別誤差寄与度記録リストの図である。
【図23】本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部が出力する基地局組合せリストの図である。
【図24】本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの基地局必要度データのデータ構造を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の必要度を算出した際の出力結果のイメージを示す図である。
【図26】本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
なお、以下の実施の形態においては、基地局と位置検知対象の間の測定データとして電波強度を用いたものを記述するが、これに限らず、距離との相関を示す測定データであれば、音波伝播時間等を用いてもよい。
【0017】
(実施の形態1)
まず、図1および図2により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムの構成を示す構成図、図2は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムで蓄積される測定データの一例を示す図である。
【0018】
図1において、位置検知システムは、移動しない測定機器である基地局10、移動する測定機器である位置検知対象11、電波集約機12、制御PC13から構成されている。
【0019】
基地局10は、電波を定期的に送信する機能を有する。位置検知対象11は、基地局10からの電波を受信し、受信した電波を電波集約機12へ転送する機能を有する。
【0020】
なお、基地局10および位置検知対象11は、電波送受信機能を有する同一機種の測定機器を使用することも可能である。
【0021】
電波集約機12は、位置検知対象11から受信したデータを制御PC13に渡す機能を有する。なお、制御PC13が位置検知対象11から発信されたデータをそのまま受信しデータ格納できる場合は不要である。
【0022】
制御PC13は、電波集約機12から受け取ったデータにPC内蔵時計時間を付与し、図2に示すような測定データ150としてデータを蓄積する。
【0023】
図2において、測定データ150は、シーケンスID欄151と、時刻欄152と、送信ID欄153と、受信ID欄154と、電波強度欄155とを備えている。
【0024】
次に、基地局10、位置検知対象11、電波集約機12、制御PC13のデータの流れについて説明する。
【0025】
まず、基地局10は、自身の基地局名を内容とする発信IDと、シーケンスID(本発信を一意に識別する文字列)の情報を含む電波を、全ての位置検知対象11に、定期的に(例:1秒ごとに)送信する。
【0026】
そして、位置検知対象11は基地局10から得た情報に自分の名前を内容とする受信IDと、基地局10との間の電波強度の情報を含む電波を電波集約機12に流す。
【0027】
そして、電波集約機12は制御PC13と有線接続されており、制御PC13は、電波集約機12が位置検知対象11から受信したデータに、制御PC13に内蔵された時刻情報を付加し、測定データ150として蓄積する。
【0028】
測定データ150のシーケンスID欄151には、基地局10から送信されたシーケンスIDを格納し、時刻欄152には、制御PC13が当該シーケンスに付与した時刻を格納し、送信ID欄153には、当該シーケンスにて電波を送信した基地局10のIDを格納する。
【0029】
また、受信ID欄154には、当該シーケンスにて送信ID欄153で特定される基地局10から受信した位置検知対象11のIDを格納し、電波強度欄155には、当該シーケンスにて受信ID欄154で特定される位置検知対象11が受信した電波の強度を格納する。
【0030】
そして、測定データ150として蓄積された各データに基づいて、位置検知対象11を検知する。
【0031】
次に、図3により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知について説明する。図3は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムが使用される位置検知システムによる位置検知を説明するための説明図である。
【0032】
まず、図3(a)に示すように、個々の基地局10と位置検知対象11の電波強度から、位置検知対象11が存在しうる領域を特定する。
【0033】
そして、図3(b)に示すように、個々の基地局10に対する位置検知対象11が存在しうる領域の特定結果を合成し、最も位置検知対象11が存在しうる場所を位置検知結果とする。
【0034】
本実施の形態の基地局配置支援システムは、図1に示すような位置検知システムを構築する際に、その基地局10の配置を支援するものであり、例えば、制御PC13の代わりに配置される。
【0035】
なお、制御PC13により、基地局配置支援システムの処理を行うようにすれば、制御PC13の機能として、実装することも可能である。
【0036】
次に、図4により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成について説明する。図4は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの構成を示す構成図である。
【0037】
図4において、基地局配置支援システム1000は、場内レイアウトデータ110と、基地局配置データ120と、位置検知対象配置データ130と、測定値と距離の関係データ140と、測定データ150と、基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600と、結果出力部700とを備えている。
【0038】
基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600と、結果出力部700とで制御部を構成している。
【0039】
基地局組合せ生成部300は、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。
【0040】
位置計算部400は、基地局組合せ生成部300で生成した各基地局組合せによる位置検知対象の位置を計算する。
【0041】
基地局組合せ誤差計算部500は、位置計算部400で算出した位置と位置検知対象の実位置との誤差を計算する。
【0042】
基地局必要・不要度計算部600は、基地局組合せ誤差計算部500で算出した誤差から、個々の基地局の要否を表す指標である不要度を算出する。
【0043】
結果出力部700は、基地局組合せ生成部300と、位置計算部400と、基地局組合せ誤差計算部500と、基地局必要・不要度計算部600との計算結果などを表示する。
【0044】
次に、図5〜図12により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用されるデータについて説明する。図5〜12は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムで使用されるデータの一例を示す図であり、図5は測位領域となる場内レイアウトデータを示す図、図6は基地局配置データのデータ構造を示す図、図7は位置検知対象配置データのデータ構造を示す図、図8〜図11は測定値と距離の関係データに含まれるデータを示す図、図12は基地局組合せリストのデータ構造を示す図である。
【0045】
図5において、測位領域となる場内レイアウトデータ110は、各データが座標に対応している。また、位置検知対象11の位置検知結果の出力時の便宜上、場内に存在する物品名、装置名、または事務所、倉庫、作業場等を併せて表示してもよい。
【0046】
図6において、基地局配置データ120は、測位領域に設置される基地局のリストとその設置位置を示したものであり、基地局ID欄121と、X座標欄122と、Y座標欄123とを備えている。基地局ID欄121は、基地局となる電波送受信機を特定する文字列を格納する。
【0047】
本実施の形態では、図6にあるように、文字“B”にインデクス(1、2、3、…)をつけた形で格納するものとする。X座標欄122、Y座標欄123には、基地局が設置されている場内レイアウト上の座標を格納する。
【0048】
図7において、位置検知対象配置データ130は、測位領域に設置される位置検知対象のリストとその設置位置を示したものであり、位置検知対象ID欄131と、X座標欄132と、Y座標欄133とを備えている。位置検知対象ID欄131は、位置検知対象となる電波送受信機を特定する文字列を格納する。
【0049】
本実施の形態では、図7にあるように、文字“T”にインデクス(1、2、3、…)をつけた形で格納するものとする。X座標欄132、Y座標欄133には、位置検知対象となる電波送受信機が設置されている場内レイアウト上の座標を格納する。
【0050】
なお、位置検知対象11は、位置検知対象11が移動しうる場所に複数設置するものとする。
【0051】
図8〜図11において、測定値と距離の関係データ140に含まれるデータは、あらかじめ予備実験として実施した結果を保存するか、特許文献2(特開2008−122132号公報)の技術を用いて生成されるものである。
【0052】
図8および図9は、それぞれ、電波強度と距離の関係141、および特定の電波強度における基地局と位置検知対象との距離の確率分布142を表すデータであり、図8および図9により、電波強度に対して基地局と位置検知対象との距離が一意に定まらず、確率分布をなすことがわかる。
【0053】
図10は、電波強度と平均距離の関係143を表すデータ、図11は、電波強度と距離標準偏差の関係144を表すデータであり、図10および図11により、電波強度が強いほど、その距離は短く、かつ標準偏差が少ない、つまり信頼度が高いことがわかる。
【0054】
図12において、基地局組合せリスト210のデータ構造は、基地局組合せ生成部300、基地局組合せ誤差計算部500、基地局必要・不要度計算部600による計算結果が格納される構造となっており、基地局組合せリスト210は、基地局配置支援システム1000内で各部からアクセスできるようになっている。
【0055】
基地局組合せリスト210は、基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212と、組合せ誤差欄213と、基地局誤差寄与度欄2141、2142、…とを備えている。
【0056】
基地局組合せID欄211には、当該基地局組合せを一意に特定する文字列を格納する。基地局組合せ欄212には、当該基地局組合せを構成する基地局IDの集合を格納する。組合せ誤差欄213には、当該基地局組合せにより各位置検知対象の位置算出結果と実位置の誤差の合計を格納する。基地局誤差寄与度欄2141、2142、…には、当該基地局組合せに対する各基地局の誤差寄与度合を示す値を格納する。
【0057】
次に、図13〜図20により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理について説明する。図13は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャート、図14〜図20は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を説明するための説明図であり、図14は測位領域における基地局および位置検知対象の配置例の説明図、図15は基地局の組合せによる位置測定誤差算出方式の説明図、図16は各区画における存在確率の格納データのデータ構造を示す図、図17は基地局組合せ計算誤差リストによる位置測定誤差算出方式の説明図、図18は位置検知対象別誤差寄与度記録リストのデータ構造を示す図、図19は基地局組合せでの組合せ誤差および各基地局誤差寄与度の集計方式の説明図、図20は基地局不要度データのデータ構造を示す図である。
【0058】
本実施の形態においては、図14に示すように、位置検知対象11は、測位領域において実際に位置検知を行う際に、位置検知対象11が移動しうる場所に配置することとする。このとき、特に位置精度を要する領域には、位置検知対象11を複数配置することとする。
【0059】
図13において、まず、ステップS101では、基地局組合せ生成部300が、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。生成結果は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212に格納する。
【0060】
本実施の形態においては、基地局配置データ120に格納された基地局の3つ以上を構成要素とする基地局の組合せを生成するものとするが、生成の方式はこれに限らない。例えば、組合せの構成要素数の下限や上限を設けたり、設置場所が一定値以上離れている2つの基地局を構成要素とする組合せは認めなかったり、組合せの構成要素とする基地局を、ある領域に存在するものに制限する、等の制限があってもよい。
【0061】
次に、ステップS102では、位置計算部400が、ステップS101で生成した全ての基地局組合せのうち、1つの組合せを取り出し、当該組合せを用いて、位置検知対象の位置を計算する。
【0062】
計算方法としては、測定データ150と、基地局配置データ120と、測定値と距離の関係データ140とから、例えば、図15にあるように、測位領域を同一面積を持つ区画に分割し、各区画に(X1,Y1)、(X1,Y2),…と名前をつけ、各区画の存在確率を特許文献1(特開2001−34305号公報)に示される方式、または図3に説明した方式により計算し、最も存在確率の高い区画の中心座標を位置検知対象の算出位置とする。
【0063】
各区画における存在確率の算出結果は、図16に示すように、区画別存在確率データ820の、対応する位置検知対象の区画算出確率欄に格納する。区画別存在確率820は、基地局組合せID欄821と、基地局組合せ欄822と、時刻欄823と、位置検知対象それぞれに対する区画算出確率欄82411、82412、…、82421、82422…とを備えている。
【0064】
次に、ステップS103では、基地局組合せ誤差計算部500が、位置計算部400が計算した位置と、位置検知対象配置データ130に記載された位置検知対象の実位置との誤差を計算し、計算結果を、図17に示すような、基地局組合せ計算誤差リスト220の、当該位置検知対象に対応する位置検知対象誤差欄に格納する。
【0065】
基地局組合せ計算誤差リスト220は、基地局組合せID欄221と、基地局組合せ欄222と、位置検知対象誤差欄2231、2232、…とを備えている。
【0066】
基地局組合せID欄221および基地局組合せ欄222は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211および基地局組合せ欄212と同一の値を格納する。各位置検知対象誤差欄2231、2232、…はステップS103で計算した結果を格納する。
【0067】
次に、ステップS104では、基地局必要・不要度計算部600が、当該組合せを構成する個々の基地局の誤差寄与度を計算する。計算方法は、以下の数1の式による。
【0068】
【数1】
【0069】
ここで、Bkは、インデクスkを有する基地局、Eは、ステップS103で算出した誤差の値、Pは基地局組合せを構成する基地局のインデクスの集合、Rkは基地局Bkと位置検知対象との電波強度、SDV(Rk)は電波強度Rkの標準偏差値を示す。
【0070】
SDV(Rk)は、図11に示した電波強度と距離標準偏差値の関係144により算出する。
【0071】
ステップS104の結果は、図18に示すような、位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230に記録する。
【0072】
位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230は、基地局組合せID欄231と、基地局組合せ欄232と、時刻欄233と、位置検知対象欄234と、誤差欄235と、各基地局に対する基地局電波強度欄2361、2362、…と、各基地局に対する基地局距離標準偏差欄2371、2372、…と、各基地局に対する基地局誤差寄与度欄2381、2382、…と、基地局距離標準偏差合計欄239とを備えている。
【0073】
上記数1の式において、Rkはインデクスkを有する基地局に対応する基地局電波強度欄2361に、SDV(Rk)値はインデクスkを有する基地局に対応する基地局距離標準偏差欄2371に、式の分母となっている各基地局の電波強度から導出される標準偏差値の合計値は基地局距離標準偏差合計欄239に、Eは誤差欄235に、基地局Bkの誤差寄与度は基地局Bkに対応する基地局誤差寄与度欄2381に、それぞれ格納する。
【0074】
上記ステップS102、ステップS103、ステップS104は、全ての位置検知対象について実施し(ステップS105)、その後、ステップS106にて、基地局必要・不要度計算部600が、各位置検知対象に対する、誤差および個々の基地局の誤差寄与度を全て合計した値を、当該基地局組合せを構成する基地局の個数で割り、基地局組合せリスト210の、組合せ誤差欄213、基地局誤差寄与度欄2141、2142、…に格納する。
【0075】
このとき、当該基地局組合せを構成しない基地局に対応する基地局誤差寄与度欄は、「−」記号を格納する。
【0076】
例えば、図19に示すように、基地局組合せB1、B2、B3により、位置検知対象T1、T2、T3の位置検知した結果、誤差がそれぞれ4.3、2.5、3.1であったとき、組合せ誤差欄213には(4.3+2.5+3.1)/3=3.3を格納する。
【0077】
また、基地局組合せB1、B2、B3により、位置検知対象T1、T2、T3の位置検知した結果、B1の誤差寄与度がそれぞれ1.23、0.37、0.65であったとき、基地局B1誤差寄与度欄2141には(1.23+0.37+0.65)/3=0.75を格納する。
【0078】
上記ステップS102からステップS106までは、全ての基地局組合せについて実施し(ステップS107)、その結果を基地局組合せリスト210に格納する。
【0079】
最後に、ステップS108では、基地局必要・不要度計算部600が、各基地局に対して、図12に示す基地局組合せリスト210に記入された、各基地局組合せに対する基地局誤差寄与度欄の値の平均値を算出し、この値を個々の基地局の要否を表す指標である不要度とする。不要度の値が大きい基地局ほど位置検知に不必要な基地局であることを表す。計算結果は図20に示す基地局不要度データ640に格納する。
【0080】
図20は基地局不要度データ640のデータ構造を表したもので、基地局ID欄641と、不要度欄642とを備えている。
【0081】
個々の基地局の不要度算出手順は以上の通りである。
【0082】
次に、図21〜図23により、本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図21〜図23は本発明の実施の形態1に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明するための説明図であり、図21は画面出力部の出力結果のイメージを示す図、図22は画面出力部が出力する位置検知対象別誤差寄与度記録リストの図、図23は画面出力部が出力する基地局組合せリストの図である。
【0083】
まず、結果出力部700は、図21に示すように、レイアウト表示710と、表示時刻720と、位置検知対象選択表示730と、基地局組合せ選択表示740と、基地局不要度リスト表示750とを1つの画面上に出力する。
【0084】
レイアウト表示710は、升目を表示し、あわせて基地局10の実位置711、位置検知対象11の実位置712と、位置検知対象11の位置計算結果を表示する。表示時刻720はレイアウト表示710に出力する位置検知対象11の位置がどの時刻の測定結果によるものかを表示する。
【0085】
位置検知対象選択表示730は、レイアウト表示710に表示する位置検知対象11を選択する位置検知対象選択ボックス731と、表示時刻720に表示された時刻における、選択された位置検知対象11の実位置と計算位置の誤差を表示する誤差表示欄732を有する。
【0086】
基地局組合せ選択表示740は、レイアウト表示710に表示する位置検知対象11の位置計算結果に用いる基地局の組合せを選択するものであり、基地局組合せリスト210を、組合せ誤差欄213の値の低い順番に並べ、かつ表示選択欄742を加えて表示する。
【0087】
基地局不要度リスト表示750は、基地局不要度データ640のデータに、さらに非表示選択欄753の列と誤差変化欄754と、計算過程表示ボタン755とを加え、不要度欄642の値が大きい順にソートして表示する。
【0088】
ユーザは、結果出力部700の出力により、測位領域に配置した基地局10の不要度だけでなく、指定した基地局10の組合せにより、位置検知対象11をどのように位置検知したかをレイアウト表示710の上で確認することが可能である。
【0089】
以下、具体的に説明する。
【0090】
ユーザは、位置検知対象選択ボックス731、および基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742の指定を行う。
【0091】
結果出力部700は、表示選択欄742で指定した基地局10の実位置711、位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象11の実位置712、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の算出位置713、当該算出位置と表示選択欄742で指定した基地局組合せを構成する各基地局との間を結ぶ線714および電波強度715を出力する。なお、表示選択欄742で組合せに含まれていない基地局10の実位置718を、実位置711とは異なる方式で表示してもよい。同様に、位置検知対象選択ボックス731で選択していない位置検知対象11の実位置719を、実位置712とは異なる方式で表示してもよい。
【0092】
また、位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の区画ごとの存在確率を図16に示す区画別存在確率データ820から、存在確率値の大小を濃淡表示に変換して、存在確率716としてレイアウト表示710上に出力する。
【0093】
同時に、誤差表示欄732に、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象の測定誤差を表示する。
【0094】
また、ユーザが計算過程表示ボタン755を押下すると、結果出力部700は、位置検知対象別誤差寄与度記録リスト230を、図22に示すように画面上に併せて表示する。
【0095】
このとき、表示選択欄742で指定した基地局組合せ、または位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象を含む箇所を着色などして表示する。
【0096】
また、同様に、結果出力部700は、基地局組合せリスト210を、図23に示すように、画面上に併せて表示する。このとき、基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742で指定した基地局組合せを含むレコードを着色などして表示する。
【0097】
なお、区画ごとの存在確率716は、ここでは確率が高いほど区画を濃い色で塗りつぶすこととしているが、各区画に存在確率値を表示してもよい。
【0098】
以上の表示により、ユーザは位置検知対象の位置検知の際、どの基地局からどれくらいの電波強度を得て、どれくらいの位置検知精度となったか、またそのときの計算過程を確認可能となる。
【0099】
また、ユーザは、結果出力部700の出力により、基地局を除去した場合、位置検知対象11の検知精度がどのように変化するかを確認することが可能である。
【0100】
以下、具体的に説明する。
【0101】
ユーザは、基地局不要度リスト表示750の非表示選択欄753にて基地局を選択すると、基地局不要度リスト表示750の欄に、表示選択欄742で指定された基地局組合せと、当該基地局組合せから非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せとの誤差の増減分を誤差変化欄754に表示する。
【0102】
また、同時に、レイアウト表示710上に、基地局組合せ選択表示740の表示選択欄742で指定された基地局組合せのうち、非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せに基づき、位置検知対象をどのように位置検知したかの表示を行う。
【0103】
また、同時に、誤差表示欄732に、非表示選択欄753で指定された基地局を除いた基地局組合せに基づいた、表示時刻720で表示された時刻における位置検知対象選択ボックス731で指定した位置検知対象11の測定誤差を表示する。
【0104】
例えば、図21に示すように、表示選択欄742で基地局B1、B2、B3、B4の組合せが選択されているときに、非表示選択欄753にて基地局B1を指定した場合、基地局B2、B3、B4の組合せによる位置検知結果をレイアウト表示710上に表示し、かつ、誤差表示欄732に位置検知誤差(例えば2.5メートル)を表示する。
【0105】
また、基地局B1、B2、B3、B4で位置検知した結果の位置検知誤差が1.5メートルだったとした場合、誤差変化欄754には「+1.0メートル」と表示する。
【0106】
なお、基地局不要度データ640の出力手順は、以下に示すようにしてもよい。
【0107】
まず、基地局組合せ生成部300では、測位領域に配置されたN個の基地局10から、N−1個で構成される基地局10の組合せ、すなわち基地局10を1つだけを除いた基地局組合せを生成する。次に、生成した組合せそれぞれについて、位置計算部400および基地局組合せ誤差計算部500にて誤差を計算する。
【0108】
次に、基地局必要・不要度計算部600は、誤差の最も大きい基地局組合せを特定し、当該基地局組合せに含まれていない基地局を特定し、当該基地局を基地局不要度データ640に不要度ランク1として登録する。
【0109】
次に、N−2個で構成される基地局組合せ、すなわち不要度ランク1として特定された基地局ともう1つの基地局を除いた基地局組合せを生成し、前述と全く同様の手順で不要度ランク2と特定した基地局を基地局不要度データ640に登録する。
【0110】
この手順をN−1回繰り返し、全ての基地局の不要度ランクを基地局不要度データ640に登録する。
【0111】
(実施の形態2)
実施の形態1では、基地局10の不要度の算出方法および出力画面を説明したが、実施の形態2は、基地局10の必要度を算出し、その結果を出力するようにしたものである。
【0112】
図24および図25により、本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図24は本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの基地局必要度データのデータ構造を示す図、図25は本発明の実施の形態2に係る基地局配置支援システムの画面出力部の必要度を算出した際の出力結果のイメージを示す図である。
【0113】
基地局10の必要度を算出する場合は、不要度の算出方法および出力画面で実施する処理のうち、以下に説明する部分のみを変更し実現する。他の処理については、実施の形態1と同様である。
【0114】
基地局必要・不要度計算部600による、実施の形態1の図13に示すステップS108の計算では、例えば、基地局不要度データ640の不要度欄642の値を全て逆数とし、図24に示す基地局必要度データ650を生成する。
【0115】
基地局必要度データ650は、基地局ID欄651と、必要度欄652とを備え、必要度欄652の値が大きいほど基地局ID欄651で特定される基地局が必要であることを示す。
【0116】
結果出力部700は、図25に示すように、図21に記載されたもののうち、基地局不要度リスト表示750に代えて、基地局必要度リスト表示760を、基地局必要度データ650の必要度欄の値が大きい順にソートして表示する。これらの表示により、必要な基地局を特定し、最適な基地局配置の特定を支援する。
【0117】
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、図13に示すフローチャートにより、ある時点での誤差寄与度や、必要度・不要度を計算しているが、実施の形態3は、全時間を通した誤差寄与度や、必要度・不要度を計算するようにしたものでる。
【0118】
図26により、本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理について説明する。図26は本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの個々の基地局の不要度を計算する処理を示すフローチャートである。
【0119】
まず、ステップS201では、基地局組合せ生成部300が、基地局配置データ120に格納された基地局の組合せを生成する。生成結果は、基地局組合せリスト210の基地局組合せID欄211と、基地局組合せ欄212に格納する。
【0120】
次に、ステップS202では、測定データ150から1秒分の測定データを取り出す。
【0121】
次に、ステップS203では、ステップS202で取り出した1秒分の測定データにより、図13に示すステップS102〜S108の処理を実行する。
【0122】
上記ステップS202、ステップS203は、全ての時刻で実施し(ステップ204)、その後、ステップS205にて、基地局必要・不要度計算部600が、各秒で算出した、基地局10の必要度・不要度の平均値を算出することにより、各基地局10の全時間を通した基地局10の要否の指標を算出する。
【0123】
次に、図27により、本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力例について説明する。図27は本発明の実施の形態3に係る基地局配置支援システムの画面出力部の出力結果のイメージを示す図である。
【0124】
図27に示すように、本実施の形態では、図21に示す実施の形態1における表示に対して、表示時刻720に加え、表示開始時刻欄721、表示終了時刻欄722、再生ボタン723、停止ボタン724、ツマミ725を追加表示し、また、基地局不要度リスト表示750に関して、表示時刻720に示された時刻における基地局の不要度を示す不要度(表示時)欄756、全時間を通した不要度を示す不要度欄757を追加表示する。
【0125】
不要度(表示時)欄756には、図26のステップ204までで算出した不要度の値を表示し、不要度欄757には、図26のステップ205で算出された不要度の値を表示する。
【0126】
ユーザはマウス等の情報処理機器によりレイアウト表示710に表示したい時刻にツマミ725を移動できるものとする。このとき、表示時刻720は、ツマミ725の移動に従い表示が変化するものとする。
【0127】
また、ユーザは、再生ボタン723を押下することにより、レイアウト表示710、誤差表示欄732、および不要度(表示時)欄756の時系列変化を表示する。また、ユーザは停止ボタン724を押下することにより、再生ボタン723の押下により変化していたレイアウト表示710、誤差表示欄732、および不要度(表示時)欄756の表示を固定する。
【0128】
本実施の形態では、全時間を通した不要度と、各秒の不要度の情報を表示することができ、電波の状態が不安定な場合などの、各秒での不要度のばらつきなどを把握することが可能である。
【0129】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、基地局を複数配置し、距離と相関関係を有する測定データ、例えば、電波強度、音波伝播時間等を用いて、位置検知対象の位置を検知する位置検知システムの基地局の配置の支援を行う装置やシステムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0131】
10…基地局、11…位置検知対象、12…電波集約機、13…制御PC、110…場内レイアウトデータ、120…基地局配置データ、130…位置検知対象配置データ、140…測定値と距離の関係データ、141…電波強度と距離の関係、142…特定の電波強度における基地局と位置検知対象との距離の確率分布、143…電波強度と平均距離の関係、144…電波強度と距離標準偏差との関係、150…測定データ、151…シーケンスID欄、152…時刻欄、153…送信ID欄、154…受信ID欄、155…電波強度欄、210…基地局組合せリスト、211…基地局組合せID欄、212…基地局組合せ欄、213…組合せ誤差欄、2141、2142、…基地局誤差寄与度欄、220…基地局組合せ計算誤差リスト、221…基地局組合せID欄、222…基地局組合せ欄、2231、2232、…各位置検知対象誤差欄、230…位置検知対象別誤差寄与度記録リスト、231…基地局組合せID欄、232…基地局組合せ欄、233…時刻欄、234…位置検知対象欄、235…誤差欄、2361…各基地局電波強度欄、2371…各基地局距離標準偏差欄、2381…各基地局誤差寄与度欄、239…基地局距離標準偏差合計欄、300…基地局組合せ生成部、400…位置計算部、500…基地局組合せ誤差計算部、600…基地局必要・不要度計算部、640…基地局不要度データ、641…基地局ID欄、642…不要度欄、650…基地局必要度データ、651…基地局ID欄、652…必要度欄、700…結果出力部、710…レイアウト表示、720…表示時刻、721…表示開始時刻欄、722…表示終了時刻欄、723…再生ボタン、724…停止ボタン、725…ツマミ、730…位置検知対象選択表示、740…基地局組合せ選択表示、750…基地局不要度リスト表示、753…非表示選択欄、754…誤差変化欄、755…計算過程表示ボタン、756…不要度(表示時)欄、757…不要度欄、760…基地局必要度リスト表示、820…区画別存在確率データ、821…基地局組合せID欄、822…基地局組合せ欄、823…時刻欄、82411、82412、82421、82422…区画算出確率欄、1000…基地局配置支援システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器のすべてまたは一部の対ごとに、距離と相関関係を有する測定データを取得し、該測定データに基づいて上記複数の機器を位置検知用の基地局とみなしてすべてまたは一部の位置を検知する位置検知システムにおける基地局配置支援システムであって、
上記基地局について、位置の検知における必要度・不要度を判定する手段と,判定した上記必要度・不要度を、上記基地局を特定する情報と対応付けて出力する手段とを有することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項2】
移動しない複数の基地局に対して距離と相関関係を有する測定データを測定する位置検知対象からの前記測定データに基づいて、前記位置検知対象の位置を検知する位置検知システムにおいて、前記基地局の配置の支援を行う基地局配置支援システムであって、
前記位置検知対象が移動しうる場所に複数の前記位置検知対象を配置した測位領域で、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成した前記基地局の組合せごとに、前記位置検知対象からの測定データに基づいて、前記位置検知対象を計算し、計算した位置と前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算した前記誤差に基づいて、前記複数の基地局の要否を判断する指標を計算する制御部を備えたことを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記制御部は、
前記複数の位置検知対象からの測定データと、前記基地局の基地局配置データと、前記位置検知対象の位置検知対象配置データと、前記測定データと距離の関係を示す関係データとを入力データとし、
前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成する基地局組合せ生成部と、
前記基地局組合せ生成部により生成された各基地局組合せと、前記測定データとから、各位置検知対象の位置を計算する位置計算部と、
前記位置計算部により計算された位置と、前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算する基地局組合せ誤差計算部と、
前記基地局組合せ誤差計算部により計算された誤差から個々の前記基地局の必要度または不要度を計算する基地局必要・不要度計算部と、
前記基地局必要・不要度計算部により計算された前記基地局の必要度または不要度を出力する結果出力部とを備えたことを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記基地局必要・不要度計算部は、前記測定データと、距離の標準偏差との関係を用いて前記基地局の必要度または不要度を計算することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記結果出力部は、位置検知に使用した前記基地局と、前記測定データの測定時刻と、当該測定時刻における選択した前記基地局の組合せによる前記位置検知対象の位置検知結果と、当該測定時刻における各基地局と前記位置検知対象との測定データと、前記位置検知対象の実際の位置とを併せて表示することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項6】
請求項3、4または5に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記結果出力部は、前記基地局の組合せの内容を表示し、前記基地局の組合せの内容の表示に基づいて、1つの前記基地局が選択されると、前記基地局の組合せによる位置検知結果による誤差と、当該基地局の組合せから前記選択された1つの基地局を除いた基地局組合せによる誤差との差分を表示することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項7】
複数の機器のすべてまたは一部の対ごとに、距離と相関関係を有する測定データを取得し、該測定データに基づいて上記複数の機器を位置検知用の基地局とみなしてすべてまたは一部の位置を検知する位置検知システムにおける基地局配置支援システムによる基地局配置支援方法であって、
上記基地局のすべてまたは一部について、位置の検知における必要度・不要度を判定する手段と,判定した上記必要度・不要度を、上記基地局を特定する情報と対応付けて出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項8】
移動しない複数の基地局に対して距離と相関関係を有する測定データを測定する位置検知対象からの前記測定データに基づいて、前記位置検知対象の位置を検知する位置検知システムにおいて前記基地局の配置の支援を行う基地局配置支援システムによる基地局配置支援方法であって、
前記基地局配置支援システムにより、前記位置検知対象が移動しうる場所に複数の前記位置検知対象を配置した測位領域で、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成した前記基地局の組合せごとに、前記位置検知対象からの測定データに基づいて、前記位置検知対象を計算し、計算した位置と前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を特定し、前記誤差に基づいて、前記複数の基地局の要否を判断する指標を計算することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局配置支援システムにより、前記複数の位置検知対象からの測定データと、前記基地局の基地局配置データと、前記位置検知対象の位置検知対象配置データと、前記測定データと距離の関係を示す関係データとを入力データとし、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成された各基地局組合せと、前記測定データとから、各位置検知対象の位置を計算し、計算された位置と、前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算された誤差から個々の前記基地局の必要度または不要度を計算し、計算された前記基地局の必要度または不要度を出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の計算は、前記測定データと、距離の標準偏差との関係を用いて計算することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の出力と併せて、位置検知に使用した前記基地局と、前記測定データの測定時刻と、当該測定時刻における選択した前記基地局の組合せによる前記位置検知対象の位置検知結果と、当該測定時刻における各基地局と前記位置検知対象との測定データと、前記位置検知対象の実際の位置とを出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項12】
請求項9、10または11に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の出力と併せて、前記基地局の組合せの内容を表示し、前記基地局の組合せの内容の表示に基づいて、1つの前記基地局が選択されると、前記基地局の組合せによる位置検知結果による誤差と、当該基地局の組合せから前記選択された1つの基地局を除いた基地局組合せによる誤差との差分を表示することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項1】
複数の機器のすべてまたは一部の対ごとに、距離と相関関係を有する測定データを取得し、該測定データに基づいて上記複数の機器を位置検知用の基地局とみなしてすべてまたは一部の位置を検知する位置検知システムにおける基地局配置支援システムであって、
上記基地局について、位置の検知における必要度・不要度を判定する手段と,判定した上記必要度・不要度を、上記基地局を特定する情報と対応付けて出力する手段とを有することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項2】
移動しない複数の基地局に対して距離と相関関係を有する測定データを測定する位置検知対象からの前記測定データに基づいて、前記位置検知対象の位置を検知する位置検知システムにおいて、前記基地局の配置の支援を行う基地局配置支援システムであって、
前記位置検知対象が移動しうる場所に複数の前記位置検知対象を配置した測位領域で、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成した前記基地局の組合せごとに、前記位置検知対象からの測定データに基づいて、前記位置検知対象を計算し、計算した位置と前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算した前記誤差に基づいて、前記複数の基地局の要否を判断する指標を計算する制御部を備えたことを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記制御部は、
前記複数の位置検知対象からの測定データと、前記基地局の基地局配置データと、前記位置検知対象の位置検知対象配置データと、前記測定データと距離の関係を示す関係データとを入力データとし、
前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成する基地局組合せ生成部と、
前記基地局組合せ生成部により生成された各基地局組合せと、前記測定データとから、各位置検知対象の位置を計算する位置計算部と、
前記位置計算部により計算された位置と、前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算する基地局組合せ誤差計算部と、
前記基地局組合せ誤差計算部により計算された誤差から個々の前記基地局の必要度または不要度を計算する基地局必要・不要度計算部と、
前記基地局必要・不要度計算部により計算された前記基地局の必要度または不要度を出力する結果出力部とを備えたことを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記基地局必要・不要度計算部は、前記測定データと、距離の標準偏差との関係を用いて前記基地局の必要度または不要度を計算することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記結果出力部は、位置検知に使用した前記基地局と、前記測定データの測定時刻と、当該測定時刻における選択した前記基地局の組合せによる前記位置検知対象の位置検知結果と、当該測定時刻における各基地局と前記位置検知対象との測定データと、前記位置検知対象の実際の位置とを併せて表示することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項6】
請求項3、4または5に記載の基地局配置支援システムにおいて、
前記結果出力部は、前記基地局の組合せの内容を表示し、前記基地局の組合せの内容の表示に基づいて、1つの前記基地局が選択されると、前記基地局の組合せによる位置検知結果による誤差と、当該基地局の組合せから前記選択された1つの基地局を除いた基地局組合せによる誤差との差分を表示することを特徴とする基地局配置支援システム。
【請求項7】
複数の機器のすべてまたは一部の対ごとに、距離と相関関係を有する測定データを取得し、該測定データに基づいて上記複数の機器を位置検知用の基地局とみなしてすべてまたは一部の位置を検知する位置検知システムにおける基地局配置支援システムによる基地局配置支援方法であって、
上記基地局のすべてまたは一部について、位置の検知における必要度・不要度を判定する手段と,判定した上記必要度・不要度を、上記基地局を特定する情報と対応付けて出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項8】
移動しない複数の基地局に対して距離と相関関係を有する測定データを測定する位置検知対象からの前記測定データに基づいて、前記位置検知対象の位置を検知する位置検知システムにおいて前記基地局の配置の支援を行う基地局配置支援システムによる基地局配置支援方法であって、
前記基地局配置支援システムにより、前記位置検知対象が移動しうる場所に複数の前記位置検知対象を配置した測位領域で、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成した前記基地局の組合せごとに、前記位置検知対象からの測定データに基づいて、前記位置検知対象を計算し、計算した位置と前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を特定し、前記誤差に基づいて、前記複数の基地局の要否を判断する指標を計算することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局配置支援システムにより、前記複数の位置検知対象からの測定データと、前記基地局の基地局配置データと、前記位置検知対象の位置検知対象配置データと、前記測定データと距離の関係を示す関係データとを入力データとし、前記測位領域に配置した前記基地局全体の集合から前記基地局の複数の組合せを生成し、生成された各基地局組合せと、前記測定データとから、各位置検知対象の位置を計算し、計算された位置と、前記位置検知対象を配置した実際の位置との誤差を計算し、計算された誤差から個々の前記基地局の必要度または不要度を計算し、計算された前記基地局の必要度または不要度を出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の計算は、前記測定データと、距離の標準偏差との関係を用いて計算することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の出力と併せて、位置検知に使用した前記基地局と、前記測定データの測定時刻と、当該測定時刻における選択した前記基地局の組合せによる前記位置検知対象の位置検知結果と、当該測定時刻における各基地局と前記位置検知対象との測定データと、前記位置検知対象の実際の位置とを出力することを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項12】
請求項9、10または11に記載の基地局配置支援方法において、
前記基地局の必要度または不要度の出力と併せて、前記基地局の組合せの内容を表示し、前記基地局の組合せの内容の表示に基づいて、1つの前記基地局が選択されると、前記基地局の組合せによる位置検知結果による誤差と、当該基地局の組合せから前記選択された1つの基地局を除いた基地局組合せによる誤差との差分を表示することを特徴とする基地局配置支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2011−40849(P2011−40849A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184121(P2009−184121)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]