説明

基材の非接触測定方法及び塗装不良検査方法

【課題】複数の基材が間隔をあけて搬送されるか否かにかかわらず、各基材の特性を非接触で正確に測定できる基材の非接触測定方法を提供する。
【解決手段】基材1の特性を非接触で検出する検出器2を用い、複数の基材1を順次連続的に搬送しながら、検出器2で各基材1ごとに特性を所定の検出周期で所定の検出回数だけ検出する。複数の基材1が間隔をあけずに連続的に搬送されると仮定して、一の基材1aの特性の測定終了後、次の基材1bの特性の測定を開始するタイミングを設定する。一の基材1aの特性の測定終了後、前記タイミングで次の基材1bの特性の測定を開始した場合において、検出器2で検出される特性の検出値が所定範囲内に収まらない場合は次の基材1bの特性の測定を中止すると共に検出器2による特性の検出を継続し、その後、前記検出値が所定範囲内に収まるようになった時点で、次の基材1bの特性の測定を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基材の各種特性を非接触で順次測定する基材の非接触測定方法、並びに前記方法を利用して、適宜の基材の表面に塗料を塗布した場合における塗装不良を検出する塗装不良検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材1を連続的に搬送しながら、この基材1の種々の特性を非接触で測定する非接触測定方法は、種々の分野に適用されている。このような非接触測定方法が適用される分野としては、例えば外壁製品等の種々の製品に対して塗装を施す場合の、この塗装後の製品における塗装不良の有無の検査が挙げられる。
【0003】
このような塗装不良の検査方法としては、目視により観察する方法もあるが、特にクリアー塗料を塗布する場合には目視による塗装不良の判別が困難な場合がある。
【0004】
そこで、従来、塗装不良の検査方法として、例えば図7(a)に示すように塗料11を塗布した後の基材1に対して光源8から光を照射してその反射光をCCDカメラ9等にて測定することで塗装ムラにより生じる光沢の変化を検出する方法や、図7(b)に示すように塗装後の基材1における塗料11の膜厚をレーザ変位計10で検出する方法等が行われている。
【0005】
また、特許文献1では、塗装後の基材1の表面において塗料11中の溶剤の揮発によって気化熱が奪われることに起因する温度低下に着目して、塗装後の基材1の表面温度を測定し、この測定結果から得られる基材1の表面の平均温度に対して一定値以上高い温度の部位に塗装不良が生じているものと判定する手法が提案されている。
【0006】
上記のように基材1の光沢、膜厚、温度等の種々の特性を測定するにあたり、複数の基材1について効率よく測定をするためには、複数の基材1を順次連続的に搬送しながら、各基材1についての測定を順次行うことが考えられる。
【0007】
このように複数の基材1について各種特性を順次測定する方法としては、例えば複数の基材1を間隔をあけて順次搬送しながら、この基材1の搬路に沿って設けられた放射温度計等の検出器により基材1の特性を検出する方法が挙げられる。この場合、一の基材1(1a)の特性の測定終了後、前記検出器よりも上流側に配置された光電スイッチ17やCCDカメラ17等の適宜の検知器により次の基材1(1b)が検知され、更に所定時間が経過して前記次の基材1bについての測定が可能となった時点で、次の基材1bについての測定を開始することができる(図8参照)。このような技術としては、基材1の塗装開始のタイミングを制御する技術ではあるが、特許文献2に開示されているようなものがある。
【0008】
しかし、上記のように基材1を間隔をあけて搬送しようとしても、搬送不良等の種々の要因により図8に示すように一の基材1aと次の基材1bが間隔をあけずに搬送されてしまった場合には、次の基材1bを光電スイッチ16やCCDカメラ17等の検知器で検知することができなくなり、次の基材1bの塗装開始のタイミングを制御することができなくなってしまう。更に、検知器としてCCDカメラ17を使用する場合には、撮像画像を画像処理した結果に基づいて基材1を検知するものであるが、図8(b)に示すようにこの基材1の表面に凹凸が形成されている場合は、この凹凸を基材1の端部と誤認してしまって、やはり次の基材1bの塗装開始のタイミングを制御することができなくなってしまうことがある。
【0009】
また、複数の基材1を常に間隔をあけずに搬送しながら、基材1の特性を測定することも考えられるが、搬送不良等の種々の要因により基材1間に間隔があいてしまった場合には、検出器2により基材1が存在しない位置で特性を検出してしまい、基材1の特性を正確に測定できなくなるという問題がある。ここで、基材1に接触しながらその特性を検出する検出器2を用いる場合には、検出器2が基材1に接触しない限りその特性は検出されず、前記のような問題は生じないが、基材1の特性を非接触で測定する場合には、基材1が存在しない位置で検出された特性を、基材1の特性と誤認してしまうものである。
【特許文献1】特開平8−304036号公報
【特許文献2】特開平5−111658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の基材が間隔をあけて搬送されるか、或いは間隔をあけずに搬送されるかにかかわらず、各基材の特性を非接触で正確に測定することができる基材の非接触測定方法、並びにこの方法を利用した基材の塗装不良検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る基材1の非接触測定方法では、基材1の特性を非接触で検出する検出器2を用い、複数の基材1を順次連続的に搬送しながら、前記検出器2で各基材1ごとに前記特性を所定の検出周期で所定の検出回数だけ検出することで、各基材1ごとに前記特性を測定する。この基材1の非接触測定方法では、複数の基材1が間隔をあけずに連続的に搬送されると仮定して、一の基材1(1a)の特性の測定終了後、次の基材1(1b)の特性の測定を開始するタイミングを設定する。前記一の基材1aの特性の測定終了後、前記設定されたタイミングで次の基材1bの特性の測定を開始した場合において、検出器2で検出される特性の検出値が所定範囲内に収まらない場合は前記次の基材1bの特性の測定を中止すると共に、検出器2による特性の検出を継続し、その後、前記検出値が所定範囲内に収まるようになった時点で、前記次の基材1bの特性の測定を再開する。
【0012】
このため、一の基材1aについての特性の測定終了後、次の基材1bについての特性の測定を開始した際に、検出器2で検出される検出値が所定範囲内に収まるか否かによって、基材1同士の間に間隔があいているか否かを判定し、間隔があいていない場合はそのまま次の基材1bについてその特性を測定することができる。また、間隔があいている場合には、一旦次の基材1bについての特性の測定を中止し、その後、検出器2で検出される検出値が所定範囲内に収まるようになって次の基材1bについて特性の測定が可能となったら、次の基材1bについて特性の測定を再開することができる。
【0013】
この基材1の非接触測定方法においては、次の基材1bの特性の測定を中止すると共に、検出器2による特性の検出を継続する際、検出値が上記所定範囲内に収まるようになるまでは、検出器2による特性の検出周期を上記所定の検出周期よりも短くすることが好ましい。
【0014】
この場合、次の基材1bについての特性の測定を一旦中止した後、次の基材1bについて特性の測定が可能となったら、速やかに次の基材1bについての特性の測定を再開することができるようになり、基材1の表面温度の測定精度が更に向上する。
【0015】
また、この基材1の非接触測定方法においては、次の基材1bの特性の測定を中止すると共に、検出器2による特性の検出を継続した後、検出器2による特性の検出値が所定範囲内に収まることなく所定時間経過した時点で、検出器2による特性の検出を停止し、その後、検出器2よりも上流側に配置されている検知器4で次の基材1bが検知されたら、その検知時点を基準にして、次の基材1bの特性の測定を開始するタイミングを再設定してもよい。
【0016】
この場合、一の基材1aと次の基材1bとの間の間隔が長くあく場合に、検出器2に不要な動作をさせないようにすることができ、また次の基材1bについて特性の測定が可能となったら、速やかに次の基材1bについての特性の測定を再開することができるようになり、基材1の表面温度の測定精度が更に向上する。
【0017】
本発明に係る塗装不良検査方法は、塗装後の基材1における塗装不良を検査する。この塗装不良検査方法では、上記基材1の非接触測定方法により、基材1の特性として塗装前の基材1における塗料が塗布されるべき面の表面温度を測定する。塗装後の基材1における塗料が塗布された面の表面温度を測定する。この各測定結果に基づいて基材1の塗装前後の表面温度差を導出する。この導出された表面温度差に基づいて塗装不良の有無を判定する。
【0018】
この発明によれば、上記基材1の非接触測定方法を利用して、複数の基材1についてその塗装前の表面温度を正確に測定することができる。また、基材1に塗料11を塗布した後、塗料11中の溶剤が揮発する際に奪われる気化熱に起因する基材1表面の温度低下に基づいて基材1の塗装不良の有無を検出することができ、このときの温度低下を、塗料11が塗布される前の基材1の温度と塗料11が塗布された後の基材1の温度との差に基づいて導出することで、塗装前の基材1に元々存在する温度ムラ等とは無関係に基材1の塗装不良の有無を正確に判定することができ、特に表面に凹凸を有する基材1などのような部分的に熱容量の異なる部位がある基材1における塗装不良の有無の判定に好適なものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る基材1の非接触測定方法によれば、複数の基材1が間隔をあけて搬送されるか、或いは間隔をあけずに搬送されるかにかかわらず、基材1の特性を正確に測定することができるようになる。
【0020】
また、この基材1の非接触測定方法を利用して、複数の基材1が間隔をあけて搬送されるか、或いは間隔をあけずに搬送されるかにかかわらず、この基材1を搬送しながら塗装を施すと共に塗装不良の有無を正確に検知することができ、またこの基材1の表面に凹凸が形成されている場合であっても塗装不良の有無を正確に検知することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1を参照して説明する。
【0022】
本実施形態に係る基材1の非接触測定方法では、基材1の特性として、この基材1の表面温度を測定する。また、この基材1の非接触測定方法が、基材1の塗装不良検査方法に利用されている。
【0023】
表面温度の測定対象並びに塗装対象である基材1としては特に制限されないが、例えばセメント系の無機質板が挙げられる。
【0024】
基材1に塗装を行うための塗料11としては特に制限されないが、例えば水や有機溶剤等の溶媒を含有し、この塗料11を基材1に塗布した場合に溶媒の揮発が生じるものが挙げられる。
【0025】
このような塗料11としては、例えばアクリルエマルション系塗料等の有機塗料が挙げられる。この有機塗料は無色透明のクリア塗料であるほか、適宜の顔料や染料等を配合した着色塗料であってもよい。この場合、例えば基材1に対して有機塗料をスプレー等にて塗布した後、有機塗料の組成に応じた適宜の条件、例えば100〜150℃で30秒以上加熱乾燥することにより成膜して、有機塗膜を形成することができる。有機塗膜の厚みは特に制限されないが、5〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0026】
この基材1に有機塗膜を形成した後、更に紫外線吸収剤を含有する無機塗料を塗布成膜して、クリア塗膜を形成することができる。このようなクリア塗膜は、例えば基材1の表面保護や耐候性の向上のために設けられる。前記無機質塗料としては特に制限されないが、例えばオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液に、ポリオルガノシロキサンや、アルキルチタン酸塩等の縮合反応触媒を加え、或いは更にシリカを加えたケイ素アルコキシド系塗料等が挙げられる。
【0027】
無機質塗料を塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することで、クリア塗膜を形成することができる。このクリア塗膜の厚みは特に制限されないが、通常は1〜10μmの範囲の薄膜に形成される。
【0028】
また、このクリア塗膜に積層して形成される、クリア塗膜より紫外線吸収性が低い外層クリア塗膜としては、光触媒を含有する無機塗膜を挙げることができる。この外層クリア塗膜は、クリア塗膜の表面に光触媒を含有する無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、例えば基材1の防汚性を向上する目的で形成される。
【0029】
光触媒を含有する無機質塗料としては適宜のものを用いることができるが、例えば上記クリア塗膜を形成するために使用されるケイ素アルコキシド系塗料に酸化チタン等の光触媒を加えたもの等を用いることができる。
【0030】
このような無機質塗料を塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜して、外層クリア塗膜を形成することができる。この外層クリア塗膜の厚みは特に制限されないが、例えば0.2〜1.0μmの範囲に形成される。
【0031】
図1は、基材1に塗装を施す際に塗装不良検査を行うための工程の一例を概略的に示したものである。
【0032】
この図1に示す例では、板状の基材1がベルトコンベア等の搬送機構にて搬送されながら、塗装前の基材1における塗料11が塗布されるべき面の温度を測定する工程(第一工程)と、この基材1に塗料11を塗布する工程(第二工程)と、塗料11が塗布された後の基材1におけるその塗料11が塗布された面の温度を測定する工程(第三工程)とを順次通過するようになっている。
【0033】
上記第一工程では、本発明に係る基材1の非接触測定方法により、塗装前の基材1の表面温度が測定される。本実施形態では、基材1の特性を非接触で検出する検出器2として、基材1の表面温度を非接触で検出する検出器2が用いられる。このような検出器2としては、サーモグラフィセンサや放射温度計2a等が挙げられるが、本実施形態では放射温度計2aを使用する。この放射温度計2aは、サーモグラフィセンサを設ける場合に比べて低コストで基材1の広い範囲における表面の温度分布を測定することができる点で、好ましい。
【0034】
放射温度計2aは、搬送される基材1の上方に、この基材1の搬送方向と直交する方向に並んで複数個配設される。各放射温度計2aは、各放射温度計2aに対応する検出領域3内にある物質の表面温度を検出する。このため各放射温度計2aに対応する複数の検出領域3が、基材1の搬送方向と直交する方向に並ぶ。この放射温度計2aは、基材1の移動と同期して所定の検出周期で各放射温度計2aの下方における基材1の表面温度を検出する。この場合、基材1の搬送速度をエンコーダ等の適宜の計測装置で計測し、この計測結果に基づいて、各放射温度計2aで周期的に表面温度の検出をすることができる。これにより、放射温度計2aが基材1の表面を走査し、基材1の表面温度が測定される。
【0035】
このようにして、基材1の表面の温度を測定して、この基材1の表面の温度分布を導出する。好ましくは基材1表面における塗料11が塗布される面の全面における温度分布を導出する。
【0036】
放射温度計2aの動作は、適宜の制御部14で制御される。制御部14は、例えばPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等で構成される。この制御部14には、上記計測装置による基材1の搬送速度の計測結果が入力され、この搬送速度と、基材1の搬送方向の長さ、並びに放射温度計2aが一回の検出動作で表面温度を検出可能な領域3の寸法に基づいて、一つの基材1の表面温度を測定するために要する放射温度計2aの所定の検出周期及び所定の検出回数を導出する。制御部14は、放射温度計2aが一つの基材1につき前記所定の検出周期で基材1の表面温度を前記所定の検出回数だけ検出するように、放射温度計2aを制御する。
【0037】
また、制御部14は、複数の基材1が間隔をあけずに連続的に搬送されると仮定して、各基材1の表面温度が順次連続的に測定されるように、一の基材1(1a)についての表面温度の測定後、次の基材1(1b)について表面温度の測定を開始するタイミングを設定する。すなわち、一の基材1aについて表面温度の測定を終了した後に、次の基材1bについて表面温度の測定を開始する際、放射温度計2aによる最初の表面温度の検出時の放射温度計2aの検出領域3の配置位置が、前記一の基材1aに対して間隔をあけずに配置された次の基材1bの表面のみと重なり、この検出領域3が前記一の基材1aの表面と重なることがないように、放射温度計2aの動作のタイミングを設定する(図2(a)参照)。このタイミングは、基材1の搬送速度と、基材1の搬送方向の長さ、並びに放射温度計2aによる検出領域3の寸法に基づいて、導出される。
【0038】
上記のように基材1の表面温度を測定するための放射温度計2aの所定の検出周期及び所定の検出回数を設定すると共に、一の基材1aについての表面温度の測定後、次の基材1bについて表面温度の測定を開始するタイミングを設定すると、複数の基材1を間隔をあけずに連続的に搬送されたとしても、各基材1について表面温度を測定することができるようになる。
【0039】
また、一の基材1aと次の基材1bとの間に間隔があいている場合には、上記制御によって次の基材1bについての表面温度の測定を開始すると、検出器2は一の基材1aと次の基材1bとの間の隙間で表面温度を検出することになり、次の基材1bについて正確に表面温度を測定することができなくなる。本実施形態ではこのような事態を、次のようにして防止する。
【0040】
制御部14は、一の基材1aについての表面温度の測定終了後、上記設定されたタイミングで次の基材1bの表面温度の測定を開始した場合に、放射温度計2aで検出される表面温度の検出値が所定の範囲に収まらなければ、次の基材1bの特性の測定を中止する。
【0041】
前記所定範囲は、放射温度計2aによる検出値が基材1の表面温度の検出値であるか、或いは基材1と基材1との間の隙間における表面温度の検出値であるかを判定するための基準となるものであり、予め制御部14に記憶されている。この所定範囲として、例えば測定対象である基材1が有し得る表面温度の範囲が設定される。この表面温度の範囲は例えば予め予備実験等により導出される。制御部14は次の基材1bの表面温度の測定を開始した場合に、放射温度計2aによる検出値と前記所定範囲とを比較して、前記検出値が前記所定範囲内に収まっているか否かを判定する。前記検出値が前記所定範囲内に収まっていると判定された場合、制御部14は次の基材1bの表面温度の測定を継続し、前記所定範囲内に収まっていないと判定された場合は、制御部14は次の基材1bの表面温度の測定を中止する。
【0042】
制御部14は上記のように表面温度の測定を中止した後も、検出器2による特性の検出を継続し、検出器2による検出値が所定範囲内に収まるようになった時点で、前記次の基材1bについての表面温度の測定を再開する。このため、一の基材1aと次の基材1bとの間に間隔があいていても、次の基材1bについての表面温度の測定を正確に行うことができるようになる。
【0043】
表面温度の測定を再開するための制御について、図2(b)を参照して説明する。一の基材1aについての表面温度の測定を終了した後、放射温度計2aで検出される表面温度の検出値が所定範囲外になり、次の基材1bの特性の測定が中止された場合、制御部14は、放射温度計による表面温度の周期的な検出を継続する。図2(b)中に、次の基材1bの特性の測定が中止されている間における、放射温度計2aによる表面温度の検出時の検出領域3aの位置を示している。このときの放射温度計2aによる検出周期は適宜設定され、基材1の表面温度測定時での所定の検出周期と同一であってもよいが、この所定の検出周期よりも短い周期であることが好ましく、例えばこの所定の検出周期の半分の周期とすることが好ましい。このように周期的に放射温度計2aによる表面温度の検出を行い、検出値が所定範囲内に収まるようになると、その時点で制御部14は表面温度の測定を再開し、放射温度計2aが次の基材1bにつき上記所定の検出周期で表面温度を上記所定の検出回数だけ検出するように制御する。
【0044】
このような制御で基材1の表面温度の測定を再開すると、次の基材1bについて表面温度が測定可能な状態となった場合に速やかに表面温度の測定を再開することができるようになり、基材1の表面温度の測定精度が向上する。特に表面温度の測定を中止した時点から、表面温度の測定を再開するまでの間での検出周期を上記所定の検出周期よりも短くすると、次の基材1bについて表面温度が測定可能な状態となった場合に特に速やかに表面温度の測定を再開することができるようになり、基材1の表面温度の測定精度が更に向上する。
【0045】
また、表面温度の測定を中止した時点から一定時間経過した場合、制御部14は放射温度計2aによる表面温度の検出を中止してもよい。またその後、放射温度計2aよりも上流側に配置されている検知器4で次の基材1bが検知されてから所定の待機時間だけ経過した時に、前記次の基材1bの表面温度の測定を再開してもよい。
【0046】
上記検知器4としては、基材1の搬送方向の順方向側の端部を検知する適宜のセンサが挙げられ、例えば光電センサが挙げられる。光電センサは、例えば基材1の搬送経路の上方と下方にそれぞれ投光器と受光器とを配設して構成される。
【0047】
また、上記待機時間は、検知器4により基材1の端部が検知された時点から、この基材1の表面温度が放射温度計2aで検出可能になるまでに要する時間であり、この待機時間は、上記制御部14によって、検知器4による基材1の端部の検知位置から放射温度計2aによる検出領域3までの距離、並びに基材1の搬送速度に基づいて導出される。
【0048】
このようにして、検知器4による検知結果に基づいて表面温度の測定を再開する場合も、次の基材1bについて表面温度が測定可能な状態となった場合に速やかに表面温度の測定を再開することができるようになり、基材1の表面温度の測定精度が向上する。
【0049】
第二工程では、スプレー方式、カーテンコータ、ロールコータ等の適宜の方法で基材1に塗料11を塗布する。本実施形態ではスプレーガン15を用いたスプレー方式にて塗料11を塗布している。スプレー方式による塗料11の塗布にあたっては固定式、レシプロ式、ロータリ式等の適宜の方式を採用することができるが、本実施形態では複数のスプレーガン15を基材1の搬送方向に沿って配列すると共にこのスプレーガン15を搬送機構による基材1の移動と同期して適宜の機構により搬送方向と直交する方向に往復駆動させるレシプロ式を採用している。
【0050】
第三工程では、塗料11が塗布された基材1の表面温度を測定してその温度分布を導出する。第三工程における基材1の表面温度の測定は、第一工程の場合と同様の放射温度計12等の非接触の検出器を使用しておこなうことができる。
【0051】
本実施形態では、第三工程における放射温度計12は、搬送される基材1の上方に、この基材1の搬送方向と直交する方向に並んで複数個配設される。各放射温度計12は一定の検出領域13内での表面温度を検出する。このため複数の放射温度計12による検出領域13が、基材1の搬送方向と直交する方向に並ぶ。この放射温度計12は、基材1の移動と同期して所定の検出周期で各放射温度計12の下方における基材1の表面温度を検出する。この場合、基材1の搬送速度をエンコーダ等の適宜の計測装置で計測し、この計測結果に基づいて、各放射温度計12で周期的に表面温度の検出をすることができる。これにより、放射温度計12が基材1の表面を走査し、基材1の表面温度が測定される。
【0052】
このようにして、基材1の表面の温度を測定して、この基材1の表面の温度分布を導出する。好ましくは基材1表面における塗料11が塗布される面の全面における温度分布を導出する。放射温度計12の動作は、第一工程における放射温度計2aと同様に制御部14により制御される。
【0053】
そして、制御部14は、上記第一工程で得られた塗料11の塗布前の基材1の表面の温度分布と、第三工程で得られた塗料11の塗布後の基材1の表面の温度分布から、塗料11の塗布の前後に亘る基材1の表面の温度差の分布を導出する。
【0054】
このとき、放射温度計12の個数並びに放射温度計12の配列が、第一工程における放射温度計2aの個数並びに配列と一致することが好ましく、且つ、第三工程において放射温度計12により基材1の表面温度の検出する際の、基材1表面における表面温度の検出時の検出領域13の位置が、第一工程において放射温度計2aにより基材1の表面温度の検出する際の、基材1表面における表面温度の検出時の検出領域3の位置と一致することが好ましい。このような放射温度計12の動作の制御は、基材1の搬送速度と、第一工程における放射温度計2aの配置位置と第三工程における放射温度計12の配置位置との間の距離に基づいておこなうことができる。この場合、第一工程における基材1上の各測定領域3での測定結果と、第三工程における基材1上の各測定領域13での測定結果に基づいて、基材1の上の同一位置における表面温度差を容易に導出することができる。
【0055】
このようにして得られる、基材1表面の塗装前後の温度差の分布の例を、図3に示す。このような温度差の分布は、例えば第一工程と第三工程における測定結果をパーソナルコンピュータ等で構成されている適宜の制御部14で演算処理することで導出することができ、またこのように得られた温度差の分布をディスプレイ等の表示装置に表示することができる。この図3に示す例では、温度差の分布は、放射温度計2a,12等で測定された基材1上の各測定位置ごとに、温度差の大きさに応じた色分けを行うことで表示されている。
【0056】
このようにして得られた温度差の分布に基づき、温度差の値が他の領域よりも小さくなっている領域の存在が観察された場合には、その領域で塗装不良が発生しているものと判定することができる。この判定は、例えばディスプレイ等に表示された温度差の分布を作業者が逐次確認して行うこともできるが、例えば予め温度差の閾値を制御部14に記憶させておき、温度差の分布中で温度差が前記閾値を下回ったものが発生した場合に制御部14により塗装不良の発生を判定するようにしても良く、またこのとき同時に制御部14による自動制御により警報を発するようにしても良い。
【0057】
ここで、基材1に塗料11を塗布した場合には、この塗料11中の溶剤が揮発することにより基材1から気化熱が奪われ、このため基材1の表面温度が低下する。このとき、基材1の表面において塗料11の塗布量にムラが生じている場合には、塗料11の塗布量が少ない部分や塗料11が塗布されていない部分では溶剤の揮発が少なくなり、塗料11の塗布前後での温度差が小さくなる。本発明ではこのような温度差が小さくなった領域を検出することにより、塗装不良を検出することができるものである。
【0058】
また、塗料11を塗布した後の基材1の表面温度を基準にするのではなく、塗料11の塗布前後における基材1の表面の温度差を基準にして塗装不良を検出するため、塗料11を塗布する前に存在する基材1の表面温度のムラとは無関係に塗装不良の有無を正確に検出することができる。このため、特に基材1の表面に凹凸が形成されている場合などといった、基材1の表面に温度のムラが生じやすい場合であっても、塗装不良を正確に検出することができるものである。
【0059】
また、このようにして検査不良の検知を行う場合には、上記のようにして得られる基材1上の温度差の分布に、第二工程における塗料11の塗布に用いられる各スプレーガン15の軌跡5a,5b,5c,5dを重ね合わせても良い。図3に示す例では、四個のスプレーガン15を用いてレシプロ式で塗装を行った場合の、各スプレーガン15の軌跡5a,5b,5c,5dを、温度差の分布と重ね合わせている。この温度差の分布とスプレーガン15の軌跡5a,5b,5c,5dとの重ね合わせも、上記制御部14により行い、その結果をディスプレイ等の適宜の表示手段で表示することができる。
【0060】
このようにすると、温度差の分布により塗装不良と判定された領域と重なる軌跡5cに対応するスプレーガン15を、塗装不良の原因となったスプレーガン15であると判定して、故障やノズル詰まり等により動作異常が生じているスプレーガン15を特定することができる。この場合、特定されたスプレーガン15を修理し、或いは交換することにより、以後の塗装不良の発生を防止することができる。
【0061】
また、基材1表面の塗装前後の温度差の分布を導出する際には、上記のように基材1表面の全面に亘る温度差の分布を導出するほか、基材1表面における基材1の搬送方向に沿った所定のライン7上の温度差の分布を導出しても良い。
【0062】
このような所定のライン7上の温度差の分布を測定するにあたっては、例えば上記第一工程と第三工程において、放射温度計2a,12を前記所定のライン7に対応する位置にそれぞれ一つだけ設けて、このライン7上における温度をそれぞれ測定する。或いは、図1に示すものと同様に第一工程と第三工程にそれぞれ複数の放射温度計2a,12を設けると共に、各工程ごとに、前記所定のライン7に対応する放射温度計2a,12による測定結果のみを利用してこのライン7上における温度差の導出を行っても良い。そして、前記所定ライン7上の同一位置における第一工程で測定される温度と第三工程で測定される温度との差を、基材1上の各測定位置ごとに導出することができる。これにより基材1の表面の所定のライン7上の温度差の分布を導出することができる。
【0063】
このようにして得られる所定ライン7上の温度差の分布における、温度差の値の変化パターンに基づいて、塗装不良の有無を判定することができる。
【0064】
図4(a)は基材1を搬送しながら四個のスプレーガン15によりレシプロ式で塗装を施した場合の、基材1上の各スプレーガン15ごとの塗料11の塗布領域6a,6b,6c,6dを示したものである。このような基材1における、図4(a)中のライン7上の温度差の分布を導出した例を、図4(b)に示す。このとき、各スプレーガン15の動作が正常であって、各スプレーガン15ごとの塗料11の噴霧量が均一であり、各スプレーガン15が所定の速度で往復運動し、且つ基材1が所定の速度で搬送されている場合には、前記ライン7上における塗料11の塗布量は一定の範囲で一定のパターンで変化するものとなる。このため、このライン7上における基材1表面の温度差の分布は、図4(b)に示すように一定の周期及び振幅で変化することになる。
【0065】
一方、複数のスプレーガン15のうち、ノズルの詰まり等により塗料11の噴霧量が他のスプレーガン15よりも少なくなっているものがある場合には、塗装領域6a,6b,6c,6dは図5(a)に示すようなものとなり、噴霧量が少ないスプレーガン15による塗料11の塗布領域6bが狭くなって、基材1上に塗料11の塗布量が少ない領域、或いは塗料11が塗布されない領域が発生する。この場合、前記ライン7上における基材1表面の温度差の分布には、図5(b)に示すように一定周期で温度差の値が小さくなる領域が現れる。このような温度差の値の変化パターンの乱れが生じた場合には、塗装不良が発生しているものと判定すると共に、この変化パターンの乱れに対応するスプレーガン15に動作異常が発生しているものと判定することができる。尚、ここでは特定のスプレーガン15の噴霧量が少なくなった場合の例を示しているが、逆に噴霧量が多くなった場合には一定周期で温度差の値が大きくなる領域が現れることとなり、この場合も塗装不良の発生を判定すると共に、この変化パターンの乱れに対応するスプレーガン15に動作異常が発生しているものと判定することができる。
【0066】
このような塗装不良の判定及びスプレーガン15の動作異常の判定は、制御部14によってディスプレイ等に表示された前記所定ライン7上における温度差の分布のパターンを作業者が逐次確認して行うこともできるが、例えば予め正常動作時における温度差の分布のパターンに基づいて温度差の値の振幅の許容範囲を制御部14に設定しておき、温度差の値の振幅が前記許容範囲を超えた場合に制御部14により塗装不良の発生を判定し、或いは更にこの振幅の異常が発生している箇所に対応するスプレーガン15が動作異常を起こしているものと判定するようにしても良い。また、このとき同時に制御部14による自動制御により警報を発するようにしても良い。
【0067】
このとき作業者は塗装ラインを停止し、塗装不良が発生している基材1を取り除くと共に、異常動作を起こしているスプレーガン15の修理や交換等を行うことができる。
【0068】
また、基材1の搬送速度に異常をきたした場合、或いはスプレーガン15の往復速度に異常をきたした場合には、前記所定ライン7上における温度差の分布のパターンの周期及び振幅に変化をきたすこととなる。例えばスプレーガン15の往復速度が所定の速度よりも遅くなった場合には、塗装領域6a,6b,6c,6dは図6(a)に示すようなものとなり、スプレーガン15が往復するまでの間に基材1が進む長さが長くなる。この場合、前記ライン7上における基材1表面の温度差の分布のパターンは、図6(b)に示すように温度差の値の振幅が大きくなると共にこの値の変化の周期も長くなる。このような温度差の値の変化パターンの乱れが生じた場合には、塗装不良が発生しているものと判定することができる。尚、ここではスプレーガン15の往復速度が遅くなった場合の例を示しているが、逆にスプレーガン15の往復速度が速くなった場合や、基材1の搬送速度が遅くなったり速くなったりした場合にも、それに応じて前記ライン7上における基材1表面の温度差の分布のパターンに、周期や振幅の変化が生じる。このような温度差の値の変化パターンの乱れに基づいて、スプレーガン15の往復速度或いは基材1の搬送速度の異常に起因する塗装不良の発生を判定することができる。
【0069】
このような塗装不良の判定、並びにスプレーガン15の往復速度或いは基材1の搬送速度の異常の判定は、ディスプレイ等に表示された前記所定ライン7上における温度差の分布のパターンを作業者が逐次確認して行うこともできるが、例えば予め正常動作時における温度差の分布のパターンに基づいて温度差の値の振幅の許容範囲並びに周期の許容範囲を制御部14に設定しておき、この振幅或いは周期が前記許容範囲を超えた場合に制御部14により塗装不良の発生を判定し、或いは更にスプレーガン15の往復速度或いは基材1の搬送速度に異常が発生していることを判定するようにしても良い。また、このとき同時に制御部14による自動制御により警報を発するようにしても良い。
【0070】
このとき作業者は塗装ラインを停止し、塗装不良が発生している基材1を取り除くと共に、コンベアベルト等の基材1の搬送機構やスプレーガン15を往復駆動する機構のチェックを行い、必要に応じて修理等を行うことができる。
【0071】
以上に示した塗装不良検査方法は、複数の検査方法を適宜組み合わせて行うことができる。
【0072】
このような塗装検査を行った後、塗装不良が検出されなかった基材1には、必要に応じて成膜のために加熱処理が施され、或いは種々の後処理が施される。
【0073】
以上に示した実施形態では、基材1の特性として表面温度を非接触で測定する基材1の非接触測定方法、並びにこの方法を利用した塗装不良検査方法を示しているが、本発明に係る基材1の非接触測定方法は、基材1の表面温度に限らず、種々の基材1の特性を非接触で測定する場合に適用することができる。
【0074】
例えば、基材1の特性として基材1の色、形、キズ等を非接触で測定することができ、この場合、検出器2としてCCDカメラ等を用いることができる。また、基材1の特性として表面光沢を非接触で測定することができ、この場合、検出器2として光沢センサ、CCDカメラ等を用いることができる。また、基材1の特性として水分量を非接触で測定することができ、この場合、検出器2としてマイクロ波水分計、赤外線水分計等を用いることができる。また、基材1の特性として基材1の長さ、厚み等の寸法を非接触で測定することができ、この場合、検出器2としてレーザ変位計等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略の斜視図である。
【図2】同上の実施の形態の第一工程における、検出器による検出領域の配置の例を示す概念図であり、(a)は基材同士に間隔があいていない場合、(b)は基材同士に間隔があいている場合の例を示す。
【図3】同上の実施の形態において導出される基材表面の塗装前後の温度差の分布の例を示す説明図である。
【図4】(a)は基材上における各スプレーガンごとの塗料の塗布領域の一例を示す概略の平面図、(b)はこの基材上における所定のライン上での温度差の分布を導出した例を示すグラフである。
【図5】(a)は基材上における各スプレーガンごとの塗料の塗布領域の他例を示す概略の平面図、(b)はこの基材上における所定のライン上での温度差の分布を導出した例を示すグラフである。
【図6】(a)は基材上における各スプレーガンごとの塗料の塗布領域の更に他例を示す概略の平面図、(b)はこの基材上における所定のライン上での温度差の分布を導出した例を示すグラフである。
【図7】(a)及び(b)は従来技術の例を示す概略の断面図である。
【図8】(a)及び(b)は他の従来技術の例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 基材
1a 基材
1b 基材
2 検出器
4 検知器
11 塗料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の特性を非接触で検出する検出器を用い、複数の基材を順次連続的に搬送しながら、前記検出器で各基材ごとに前記特性を所定の検出周期で所定の検出回数だけ検出することで、各基材ごとに前記特性を測定する基材の非接触測定方法であって、
複数の基材が間隔をあけずに連続的に搬送されると仮定して、一の基材の特性の測定終了後、次の基材の特性の測定を開始するタイミングを設定し、
前記一の基材の特性の測定終了後、前記設定されたタイミングで次の基材の特性の測定を開始した場合において、検出器で検出される特性の検出値が所定範囲内に収まらない場合は前記次の基材の特性の測定を中止すると共に、検出器による特性の検出を継続し、その後、前記検出値が所定範囲内に収まるようになった時点で、前記次の基材の特性の測定を再開することを特徴とする基材の非接触測定方法。
【請求項2】
次の基材の特性の測定を中止すると共に、検出器による特性の検出を継続する際、検出値が上記所定範囲内に収まるようになるまでは、検出器による特性の検出周期を上記所定の検出周期よりも短くすることを特徴とする請求項1に記載の基材の非接触測定方法。
【請求項3】
次の基材の特性の測定を中止すると共に、検出器による特性の検出を継続した後、検出器による特性の検出値が所定範囲内に収まることなく所定時間経過した時点で、検出器による特性の検出を停止し、その後、検出器よりも上流側に配置されている検知器で次の基材が検知されたら、その検知時点を基準にして、次の基材の特性の測定を開始するタイミングを再設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の基材の非接触測定方法。
【請求項4】
塗装後の基材における塗装不良を検査する塗装不良検査方法であって、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法により、基材の特性として塗装前の基材における塗料が塗布されるべき面の表面温度を測定し、
塗装後の基材における塗料が塗布された面の表面温度を測定し、
この各測定結果に基づいて基材の塗装前後の表面温度差を導出し、
この導出された表面温度差に基づいて塗装不良の有無を判定することを特徴とする塗装不良検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−127778(P2010−127778A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303110(P2008−303110)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503367376)クボタ松下電工外装株式会社 (467)
【Fターム(参考)】