説明

基材をマーキングするためのコーティング組成物

【課題】強度に優れ、かつ特に耐水性および磨耗抵抗の点で耐久性の高い着色イメージを与えるコーティング組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】発色剤、有機金属化合物のアミン塩、バインダー、溶媒、および場合によりさらなる成分を含むコーティング組成物であって、該有機金属化合物のアミン塩が、式1[式中、Xがホウ素であり、EおよびFが、同一または異なり、式2(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、o=0およびp=0であり、そしてR3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルはC1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成する]であるコーティング組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材をマーキングするためのコーティング組成物、その組成物の製造方法、その組成物でコーティングされた基材およびその製造方法、その組成物を用いるマーキングされた基材の製造方法および後者の製造方法により得られるマーキングされた基材、ならびに有機金属化合物のアミン塩に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージは通常、可視情報、たとえばロゴ、バーコード、有効期限またはバッチ番号をマーキングする必要がある。これを達成する一つの方法は、エネルギー、たとえば熱で処理すると反応して可視色を形成する発色剤および顕色剤を含む組成物で、パッケージをコーティングすることによる。
【0003】
WO 02/074548には、多価金属、たとえばアンモニウムオクタモリブデート(AOM)のオキシアニオン、通常はポリマーであるバインダー、および溶媒、たとえば水またはエタノールを含むコーティング組成物が記載されている。この組成物を、基材、たとえばカートン用板紙上にコーティングし、乾燥して不透明なコーティングを得て、次いでIRレーザに露光して黒色イメージを生成している。
【0004】
WO 02/074548のコーティング組成物の欠点は、不透明なコーティングおよび黒色イメージしか得ることができないことである。
【0005】
WO 2004/043704には、発色剤、モリブデン、タングステンまたはバナジウムのアミン化合物、有機溶媒、および場合によりポリマーバインダーを含むコーティング組成物が記載されている。「アミンモリブデート」の例は、ビス(2−エチルヘキシル)アミンオクタモリブデートである。この組成物を、基材、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔またはポリプロピレンパッケージフィルム上にコーティングし、乾燥して不透明または透明なコーティングを得て、次いでIRレーザまたは熱プリンターにさらして有色イメージを生成している。
【0006】
さらなるコーティング組成物の開発が継続して必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、強度に優れ、かつ特に耐水性および磨耗抵抗の点で耐久性の高い着色イメージを与えるコーティング組成物を提供することであって、このコーティング組成物は、透明または不透明なコーティングのいずれかを得るために調節することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、請求項1記載のコーティング組成物、請求項11および15記載の基材、請求項10、12および13記載の製造方法により、そして請求項16記載の有機金属化合物のアミン塩により解決する。
【0009】
本発明の組成物は、発色剤、有機金属化合物のアミン塩、バインダー、溶媒、および場合によりさらなる成分を含み、有機金属化合物のアミン塩が、式:
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、Xは、ケイ素またはホウ素であり、
EおよびFは、同一または異なり、
【0012】
【化2】


【0013】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、
X=ケイ素の場合、o=1およびp=0であり、そしてR1は、アリール、アラルキルまたはC1-4−アルキルであるか、あるいは
o=1およびp=1であり、そしてR1とR2は一緒になって、a、b、c、d、e、f、gおよびhよりなる群から選択される一つの残基を形成し、
X=ホウ素の場合、o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5は、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルは、C1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成する]である。
【0014】
1-4−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルである。C1-4− アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシおよびt−ブトキシである。ハロゲンの例は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素である。アリールの例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルおよびピリジルである。アラルキルの例は、ベンジルおよび2−フェニルエチルである。C1-12−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルである。C1-6− ヒドロキシアルキルの例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチルおよび6−ヒドロキシヘキシルである。アリールスルホニルの例は、フェニルスルホニルおよびトシルである。
【0015】
Xがケイ素である本発明の好ましい組成物では、
EおよびFが、同一または異なり、
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、
o=1およびp=0であり、そしてR1が、アリール、アラルキルまたはC1-4−アルキル
であるか、あるいは
o=1およびp=1であり、そしてR1とR2は一緒になって、a、b、c、dおよびeよりなる群から選択される一つの残基を形成し、そして
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルは、C1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成する。
【0018】
Xがケイ素である本発明のより好ましい組成物では、
EおよびFが、同一または異なり、
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素またはC1-4−アルキルである)よりなる群から選択され、
o=1およびp=0であり、そしてR1が、アリールであり、
o=1およびp=1であり、そしてR1とR2が一緒になって、a、b、c、dおよびeよりなる群から選択される一つの残基を形成し、そして
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-10−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリルまたはアリールスルホニルであり、ここでアリールスルホニルは、C1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成していてもよい。
【0021】
1-10−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニルならびにデシルである。
【0022】
Xがケイ素である本発明の最も好ましい組成物では、
EおよびFが、同一であり、
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、R6およびR7は、水素である)よりなる群から選択され、
o=1およびp=0であり、そしてR1がフェニルであるか、
o=1およびp=1であり、そしてR1とR2は一緒になって、a、bおよびcよりなる群から選択される一つの残基を形成し、
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-8−アルキルまたはアリルであるか、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノ環を形成する。
【0025】
1-8−アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、イソブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルならびに2−エチルヘキシルである。
【0026】
Xがケイ素である本発明の特に好ましい組成物では、式(I)の有機金属化合物のアミン塩は、
【0027】
【化6】








【0028】
よりなる群から選択される。
【0029】
Xがホウ素である本発明の好ましい組成物では、
EおよびFが、同一または異なり、
【0030】
【化7】

【0031】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、
o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルは、C1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成する。
【0032】
Xがホウ素である本発明のより好ましい組成物では、
EおよびFが、同一または異なり、
【0033】
【化8】

【0034】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素またはC1-4−アルキルである)よりなる群から選択され、
o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5は、同一または異なり、水素、C1-10−アルキル、アリルまたはアラルキルであり、ここでアラルキルはC1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノ環を形成する。
【0035】
Xがホウ素である本発明の最も好ましい組成物では、
EおよびFが、同一であり、
【0036】
【化9】

【0037】
(式中、R6およびR7は、水素である)よりなる群から選択され、
o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-8−アルキルまたはアリルである。
【0038】
Xがホウ素である特に好ましい本発明の組成物では、式(I)の有機金属化合物のアミン塩は、
【0039】

【化10】







【0040】
よりなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0041】
式(I)の有機金属化合物のアミン塩は、シラン(たとえばフェニルトリエトキシシラン)、シリケート(たとえばテトラエチルオルソシリケート)、またはホウ酸と、式OH−E−OHおよび/またはOH−F−OHの各化合物とを、式NR345の各アミンの存在下で、反応させることにより調製することができる。出発原料がシランまたはホウ酸である場合、2モル当量のOH−E−OHおよび/またはOH−F−OHと1モル当量のNR345とを用いる。出発原料がシリケートである場合、3モル当量のOH−E−OHおよび/またはOH−F−OHと2モル当量のNR345とを用いる。反応は、任意の適切な有機溶媒中で行うことができる。出発原料がシランまたはシリケートである場合、反応をテトラヒドロフラン中で行うのが好ましい。出発原料がホウ酸である場合、反応をメタノールおよび水の混合物中で行うのが好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、発色剤0.01〜50%の量、式(I)の有機金属化合物のアミン塩0.01〜50%の量、バインダー1〜80%の量、溶媒1〜99%の量、および任意のさらなる成分0〜20%の量(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)からなる。
【0043】
好ましくは、本発明の組成物は、発色剤0.1〜30%の量、式(I)の有機金属化合物のアミン塩0.1〜30%の量、バインダー1〜60%、溶媒20〜99%の量、および任意のさらなる成分0〜10%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)。
【0044】
より好ましくは、本発明の組成物は、発色剤0.1〜10%の量、式(I)の有機金属化合物のアミン塩0.1〜10%の量、バインダー1〜30%の量、溶媒50〜99%の量、および任意のさらなる成分0〜5%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)。
【0045】
最も好ましくは、本発明の組成物は、発色剤1〜5%の量、式(I)の有機金属化合物の
アミン塩1〜5%の量、バインダー5〜15%の量、溶媒70〜90%の量、および任意のさらなる成分0〜3%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)。
【0046】
発色剤は、任意の適切な発色剤とすることができる。適切な発色剤は、フタリド、フルオラン、トリアリールメタン、ベンゾオキサジン、キナゾリン、スピロピラン、キノン、チアジン、オキサジンおよびこれらの混合物よりなる群から選択できる。
【0047】
フタリドの例は、クリスタルバイオレットラクトン(3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル−アミノフタリド)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I 6 Bで販売されている)、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−インドール−3−イル)−フタリド、7−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ[4H−クロメノ−[2,3−c]ピラゾール−4(1H)−3’−フタリド、3,6,6’−トリス (ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]、3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3’−フタリド]、 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノ−フェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシ−フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドおよび3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ−フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドである。
【0048】
フタリドは、当技術分野において公知の方法により調製することができ、たとえばクリスタルバイオレットラクトンはGB 1,347,467に記載されているように調製することができ、そして3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドはGB 1,389,716に記載されているように調製することができる。
【0049】
フルオランの例は、3−ジ(エチル)アミノ−6−メチル−7−(t−ブトキシカルボニル)アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチル−アミノ−6−メチル−7−(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(エトキシカルボニル)−フルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange IGで販売されている)、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−オクチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−オクチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチル−アミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチル−アミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rで販売されている)、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチル−アニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(4−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(4−2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)−フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル−アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−ブチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソプロピル−N−3−ペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチル−アミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノ−アニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノ−フェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチル−アミノフェニル)アミノアニリノフルオランおよび2,4−ジメチル−6−[(4
−ジメチルアミノ)アニリノ]フルオランである。
【0050】
フルオランは、当技術分野において公知の方法により調製することができ、たとえば、3−ジエチルアミノ−7−ジ−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ−フルオランおよび3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオランは、US
5,166,350 Aに記載されているように調製することができ、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオランは、EP 0 546 577 A1に記載されているように調製することができ、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオランは、DE 2130845に記載されているように調製することができ、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオランおよび3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオランは、US 3,959,571 Aに記載されているように調製することができ、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは、GB 2 002 801 Aに記載されているように調製することができ、そして3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは、GB 2 154 597 Aに記載されているように調製することができる。
【0051】
ベンゾオキサジンの例は、2−フェニル−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−7−ジメチルアミノ−3,1−ベンゾオキサジン(EP 0 187 329 A1に記載されているように調製することができる)、および2−フェニル−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−8−メチル−7−ジメチルアミノ−3,1−ベンゾオキサジンである。
【0052】
キナゾリンの例は、4,4’−[1−メチルエチリデン)ビス(4,1−フェニレンオキシ−4,2−キナゾリンジイル)]ビス[N,N−ジエチルベンゼンア ミン]である。トリアリールメタンの例は、ビス(N−メチルジフェニルアミン)−4−イル−(N−ブチルカルバゾール)−3−イル−メタンであり、これは GB 1 ,548,059に記載されているように調製することができる。
【0053】
スピロピランの例は、1’,3’,3’−トリメチルスピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン]、1,3,3−トリメチルスピロ[インドリン −2,3’−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]および1’,3’,3’−トリメチルスピロ[2H−1−ベンゾチオピラン−2,2’−インドリン]である。
【0054】
キノンの例は、ヘマトキシリン(hematoxyline)である。オキサジンの例は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノキサジンである。チアジンの例は、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジンである。
【0055】
好ましくは、発色剤はフタリドもしくはフルオラン、またはこれらの混合物である。
【0056】
より好ましくは、発色剤は、クリスタルバイオレットラクトン、3,3−ビス(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(たとえば商品名 Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I 6 Bで販売されている)、3−ジエチルアミノ−7−(エトキシカルボニル)−フルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange IGで販売されている)または3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rで販売されている)である。
【0057】
バインダーは、任意の適切なバインダーとすることができる。好ましくは、バインダーはポリマーバインダーである。ポリマーバインダーの例は、アクリルポリマー、スチレンポ
リマーおよびその水素化生成物、ビニルポリマー、ポリオレフィンおよびその水素化またはエポキシ化生成物、アルデヒドポリマー、エポキシドポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スルホン系ポリマーおよび天然ポリマーおよびこれらの誘導体である。ポリマーバインダーは、ポリマーバインダーの混合物であってもよい。
【0058】
アクリルポリマーは、アクリルモノマー少なくとも1種から、またはアクリルモノマー少なくとも1種と、スチレンモノマー、ビニルモノマー、オレフィンモノマーおよび/またはマレイン酸モノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。
【0059】
アクリルモノマーの例は、アクリル酸またはその塩、アクリルアミド、アクリロニトリル、C1-6−アルキルアクリレート、たとえばエチルアクリレート、ブチルアクリレートまたはヘキシルアクリレート、ジ(C1-4−アルキルアミノ)C1-6−アルキルアクリレート、たとえばジメチルアミノエチルアクリレートまたはジエチルアミノエチルアクリレートおよびそのC1-4−アルキルハライド付加物、たとえばジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド、ジ(C1-4−アルキルアミノ)C1-6−アルキルアミンとアクリル酸とから形成されるアミドおよびそのC1-4−アルキルハライド付加物、メタクリル酸またはその塩、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、C1-6−アルキルメタクリレート、たとえばメチルメタクリレートまたはエチルメタクリレート、ジ(C1-4−アルキルアミノ)C1-6−アルキルメタクリレートおよびそのC1-4−アルキルハライド付加物、ジ(C1-4−アルキルアミノ)C1-6−アルキルアミンおよびメタクリル酸から形成されるアミドおよびそのC1-4−アルキルハライド付加物ならびに架橋剤、たとえばN,N−メチレンビスアクリルアミドである。
【0060】
スチレンモノマーの例は、スチレン、4−メチルスチレンおよび4−ビニルビフェニルである。ビニルモノマーの例は、ビニルアルコール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルイソブチルエーテルおよび酢酸ビニルである。オレフィンモノマーの例は、エチレン、プロピレン、ブタジエンおよびイソプレン、ならびにこれらの塩素化またはフッ素化誘導体、たとえばテトラフルオロエチレンである。マレイン酸モノマーの例は、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイミドである。
【0061】
アクリルポリマーの例は、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)およびスチレンアクリルポリマーである。
【0062】
スチレンポリマーは、スチレンモノマー少なくとも1種と、ビニルモノマー、オレフィンモノマーおよび/またはマレイン酸モノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。スチレンモノマー、ビニルモノマー、オレフィンモノマーおよびマレイン酸モノマーの例は、上述した。スチレンポリマーの例は、スチレンブタジエンスチレンブロックポリマー、スチレンエチレンブタジエンブロックポリマー、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロックポリマーである。
【0063】
ビニルポリマーは、ビニルモノマー少なくとも1種から、またはビニルモノマー少なくとも1種と、オレフィンモノマーもしくはマレイン酸モノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。ビニルモノマー、オレフィンモノマーおよびマレイン酸モノマーの例は、上述した。ビニルポリマーの例は、ポリ塩化ビニルおよびポリビニルアルコールである。
【0064】
ポリオレフィンは、少なくとも1種のオレフィンモノマーから形成されるポリマーである。オレフィンモノマーの例は、上述した。ポリオレフィンの例は、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブタジエンである。
【0065】
アルデヒドポリマーは、アルデヒドモノマーもしくはポリマー少なくとも1種と、アルコールモノマーもしくはポリマー、アミンモノマーもしくはポリマーおよび/または尿素モノマーもしくはポリマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。アルデヒドモノマーの例は、ホルムアルデヒド、フルフラールおよびブチラールである。アルコールモノマーの例は、フェノール、クレゾール、レゾルシノールおよびキシレノールである。ポリアルコールの例は、ポリビニルアルコールである。アミンモノマーの例は、アニリンおよびメラミンである。尿素モノマーの例は、尿素、チオウレアおよびジシアンジアミドである。アルデヒドポリマーの例は、ブチラールおよびポリビニルアルコールから形成されるポリビニルブチラールである。
【0066】
エポキシドポリマーは、エポキシドモノマー少なくとも1種と、アルコールモノマーおよび/またはアミンモノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。エポキシドモノマーの例は、エピクロロヒドリンおよびグリシドールである。アルコールモノマーの例は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、キシレノール、ビスフェノールAおよびグリコールである。エポキシドポリマーの例は、エピクロロヒドリンおよびビスフェノールAから形成されるフェノキシ樹脂である。
【0067】
ポリアミドは、アミド基またはアミノとカルボキシ基を有するモノマー少なくとも1種から、あるいは2個のアミノ基を有するモノマー少なくとも1種と2個のカルボキシ基を有するモノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。アミド基を有するモノマーの例は、カプロラクタムである。ジアミンの例は、1,6−ジアミノヘキサンである。ジカルボン酸の例は、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および1,4−ナフタレン−ジカルボン酸である。ポリアミドの例は、ポリヘキサメチレンアジパミドおよびポリカプロラクタムである。
【0068】
ポリエステルは、ヒドロキシとカルボキシ基を有するモノマー少なくとも1種から、または2個のヒドロキシ基を有するモノマー少なくとも1種と2個のカルボキシ基またはラクトン基を有するモノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。ヒドロキシとカルボキシ基を有するモノマーの例は、アジピン酸である。ジオールの例は、エチレングリコールである。ラクトン基を有するモノマーの例は、カプロラクトンである。ジカルボン酸の例は、テレフタル酸、イソフタル酸および1,4−ナフタレンジカルボン酸である。ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレートである。いわゆるアルキド樹脂も、ポリエステルポリマーに属するとみなされる。
【0069】
ポリウレタンは、ジイソシアネートモノマー少なくとも1種と、ポリオールモノマーおよび/またはポリアミンモノマー少なくとも1種とから形成されるポリマーである。ジイソシアネートモノマーの例は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0070】
スルホン系ポリマーの例は、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンおよびポリスルホンである。ポリスルホンは、4,4−ジクロロジフェニルスルホンおよびビスフェノールAから形成されるポリマーである。
【0071】
天然ポリマーは、セルロース、天然ゴムまたはゼラチンとすることができる。セルロース誘導体の例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースおよびプロピオン酸セルロースである。
【0072】
ポリマーバインダーは、当技術分野において公知であり、公知の方法により調製することができる。ポリマーバインダーは、ラジカル重合可能なモノマー、およびUV感応性開始剤を含む組成物のUV露光によりインサイチュで調製することもできる。
【0073】
好ましいポリマーバインダーは、アクリルポリマー、ビニルポリマー、アルデヒドポリマー、エポキシドポリマー、ポリアミド、ポリエステル、天然ポリマーおよびこれらの誘導体である。より好ましいポリマーバインダーは、アクリルポリマー、ビニルポリマー、天然ポリマーおよびこれらの誘導体である。
【0074】
さらに好ましいポリマーバインダーは、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリビニルアルコールおよびセルロースである。
【0075】
最も好ましいポリマーバインダーは、ポリ(メチルメタクリレート)である。
【0076】
溶媒は、任意の適切な溶媒とすることができる。適切な溶媒は、有機溶媒、有機溶媒の混合物、および有機溶媒1種以上と水の混合物よりなる群から選択することができる。好ましくは、溶媒は、有機溶媒または有機溶媒の混合物である。より好ましくは、溶媒は、有機溶媒が、C1-4−アルカノール、C1-4−ポリオール、C1-4−アルキルC1-4−アルカノエート、C3-6−ケトン、C4-6−エーテル、C2-3−ニトリル、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびスルホラン(ここでC1-4−アルカノール、C1-4−ポリオールおよびC1-4−アルキルC1-4−アルカノエートはC1-4−アルコキシで置換されていてもよい)、よりなる群から選択される有機溶媒または有機溶媒の混合物である。
【0077】
1-4−アルカノールの例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたはブタノール、イソブタノール、s−ブタノールおよびt−ブタノールである。これらのC1-4−アルコキシ誘導体の例は、2−エトキシエタノールおよび1−メトキシ−2−プロパノールである。C1-4−ポリオールの例は、グリコールおよびグリセロールである。C1-4−アルキルC1-4−アルカノエートの例は、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルプロピオネートおよびブタン酸エチルである。これらのC1-4−アルコキシ誘導体の例は、酢酸2−エトキシエチルおよび酢酸2−メトキシエチルである。C3-6−ケトンの例は、アセトンおよびメチルエチルケトンである。C4-6−エーテルの例は、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエチルおよびテトラヒドロフランである。C2-3−ニトリルの例は、アセトニトリルである。
【0078】
溶媒は、C1-4−アルカノール、C1-4−アルキルC1-4−アルカノエートおよびC3-6−ケトンよりなる群から選択される有機溶媒または有機溶媒の混合物であるのが最も好ましい。有機溶媒は、C3-6−ケトンまたはC3-6−ケトンの混合物であるのが最も好ましい。
【0079】
本発明の組成物の任意のさらなる成分は、組成物の性能を向上させるために適切な任意の他の化合物とすることができる。任意のさらなる成分の例は、IR吸収剤、UV吸収剤、出発アミンNR345、安定剤および酸化防止剤である。IR吸収剤の添加は、たとえば、イメージの密度を高めるのに対して、出発アミンNR345の添加は、バックグラウンド白色度を高める。
【0080】
IR吸収剤の例は、たとえば商品名Ciba(登録商標)Irgalube(登録商標)211で販売されているようなアルキル化トリフェニルホスホロチオネートである。UV吸収剤の例は、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンである。
【0081】
本発明のコーティング組成物は、溶液または分散液、たとえばエマルションまたは懸濁液とすることができる。好ましくは、コーティング組成物は、これらのコーティング組成物が透明なコーティングを与えるような溶液である。
【0082】
溶液であるコーティング組成物の例は、クリスタルバイオレットラクトン、3,3−ビス−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I 6 Bで販売されている)、3−ジエチルアミノ−7−(エトキシカルボニル)−フルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange IGで販売されている)および3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rで販売されている)よりなる群から選択される発色剤1〜5%、式I1〜I52の有機金属化合物のアミン塩1〜5%、バインダーとしてポリ(メチルメタクリレート)5〜15%、アセトンおよびメチルエチルケトンからなる溶媒70〜90%、および任意のさらなる成分0〜3%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)組成物である。
【0083】
溶液である好ましいコーティング組成物は、クリスタルバイオレットラクトン、3,3−ビス−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I 6 Bで販売されている)、3−ジエチルアミノ−7−(エトキシカルボニル)−フルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange IGで販売されている)および3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rで販売されている)よりなる群から選択される発色剤2.5〜3.5%、式I1〜I52の有機金属化合物のアミン塩2.5〜3.5%、バインダーと してポリ(メチルメタクリレート)8〜12%、アセトンおよびメチルエチルケトンからなる溶媒(比1:1〜1:4)75〜85%、および任意のさらなる成分0〜3%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)組成物である。
【0084】
さらに本発明の一部は、有機金属化合物のアミン塩(I)、顕色剤、バインダー、場合によりさらなる成分および溶媒を混合する工程を含む、本発明の組成物の製造方法である。好ましくは、本方法は、工程:
i)式Iの有機金属化合物のアミン塩および溶媒を混合し、
ii)発色剤、バインダーおよび任意のさらなる成分を加え、
iii)場合により組成物をさらなる溶媒で望ましい濃度に希釈すること
を含む。
【0085】
さらに本発明の一部は、本発明のコーティング組成物でコーティングされた基材である。
【0086】
基材は、シートまたは任意の他の3次元物体とすることができ、そしてそれは透明でも不透明でもよい。基材は、紙、厚紙、金属、木材、生地、ガラス、セラミックおよび/またはポリマーから製造できる。ポリマーの例は、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニルポリエステルおよびポリスチレンである。好ましくは、基材は、紙、厚紙またはポリマーから製造される。より好ましくは、基材はポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエーテルスルホンまたはポリ塩化ビニルから製造された軟質ポリマーフィルムである。
【0087】
通常選択されるコーティングの厚さは、0.1〜1000μmの範囲にある。好ましくは、それは1〜500μmの範囲にある。より好ましくは、それは1〜200μmの範囲にある。最も好ましくは、それは5〜150μmの範囲にある。
【0088】
本発明の別の局面は、i)基材を本発明の組成物でコーティングする工程を含む、コーティングされた基材の製造方法である。
【0089】
基材は、標準的なコーティング塗布、たとえばバーコータ塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアー塗布、ナイフ塗布、ブレード塗布またはロール塗布を用いることにより本発明の組成物でコーティングすることができる。
【0090】
コーティング組成物は、たとえば周囲温度または高温で乾燥させることができる。
【0091】
さらに本発明の一部は、i)基材を本発明の組成物でコーティングし、ii)色マーキングを生じさせるために、マーキング対象のコーティングされた基材の部分を、エネルギーにさらす工程を含む、マーキングされた基材の製造方法である。
【0092】
エネルギーは、熱、または本発明の組成物でコーティングされた基材に付与した時に熱に変換する任意の他のエネルギーとすることができる。このようなエネルギーの例は、UV、IRまたはマイクロ波照射である。
【0093】
エネルギーは、任意の適切な方法で、コーティングされた基材に付与することができ、たとえば熱は熱プリンターにより加えることができ、そしてUVおよびIR照射は、UVまたはIRレーザを用いることにより付与することができる。IRレーザの例は、CO2レーザ、Nd:YAGレーザおよびIR半導体レーザである。
【0094】
好ましくは、エネルギーはIR照射である。より好ましくは、エネルギーは800〜32000nmの範囲の波長を有するIR照射である。最も好ましくは、エネルギーはCO2レーザまたはNd:YAGレーザにより発生されたIR照射である。
【0095】
通常、正確なIRレーザの出力およびライン速度は、用途により決定し、イメージを生じさせるのに十分なように選択し、たとえば、IRレーザの波長が10600nmでありおよびレーザビームの直径が0.35mmである場合、出力は通常0.5〜4Wであり、直径およびライン速度は、通常300〜10000mm/sである。
【0096】
さらに、本発明の別の態様は、上述の方法により得られるマーキングされた基材である。
【0097】
さらに、本発明の一部は、式:
【0098】
【化11】

【0099】
[式中、Xは、ケイ素またはホウ素であり、
EおよびFは、同一または異なり、
【0100】
【化12】


【0101】
(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、
X=ケイ素の場合、o=1およびp=0であり、そしてR1は、アリール、アラルキルまたはC1-4−アルキルであるか、あるいは
o=1およびp=1であり、そしてR1とR2は一緒になって、a、b、c、d、e、f、gおよびhよりなる群から選択される一つの残基を形成し、
X=ホウ素の場合、o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5は、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルは、C1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成し、
ただし、
Xがケイ素であり、EおよびFが、両方とも残基aであり、o=1およびp=1であり、R1とR2が一緒になって、残基aを形成する場合、R3、R4およびR5の全てがエチルであることはなく、
Xがホウ素であり、EおよびFが、両方とも残基aであり、o=0およびp=0の場合、R3、R4およびR5の全てがブチルであることはなく、
Xがホウ素であり、EおよびFが、両方とも残基fであり、o=0およびp=0の場合、R3およびR4はプロピルではなく、かつR5が水素ではないか、あるいはR3はアリルではなく、かつR4およびR5は水素ではない]の有機金属化合物のアミン塩である。
【0102】
本発明のコーティング組成物は、それらが強度に優れかつ特に耐水性および磨耗抵抗の点で耐久性の高い着色イメージを与え、そしてそれらは透明なまたは不透明なコーティングのいずれかを得るために調節することができる利点を有する。さらに、本発明のコーティング組成物は、エネルギー処理の前に着色を与えず、そして、本発明のコーティング組成物が出発アミンNR345を含む場合、バックグラウンド白色度の高いイメージを得ることができる。
【実施例】
【0103】
実施例1
I7の製造
【0104】
ベンジル酸(9.495g、0.0416mol)およびフェニルトリエトキシシラン(5.0g、0.0208mol)を、テトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、透明な溶液を得た。トリペンチルアミン(4.73g、0.0208mol)を加え、この無色の溶液を加熱還流し、還流(67〜68℃)を3時間保持した。テトラヒドロフランを蒸留により除去し、得られた透明で粘稠な油状物を放置して凝固させた。ジエチルエーテル(25mL)を固形物のかたまりに加え、固形物をろ過し、3×25mLのジエチルエーテルで洗浄し、乾燥してI7を14.8g(90.5%)白色の固形物 として得た。元素分析:実測値、74.86;H7.57;N1.65。C4959NO6Siに対する計算値:C、74.87;H、7.57;N、1.78。
【0105】
実施例2
I13の製造
【0106】
ベンジル酸(13.7g、0.06mol)およびテトラエチルオルソシリケート(4.17g、0.02mol)を、テトラヒドロフラン(75mL)に溶解した。トリエチルアミン(5.73g、0.04mol)を加え、混合物を加熱還流し(67℃)、この温度に3時間保持した。テトラヒドロフランを蒸留により除去して黄色油状物を残し、これを結晶化が起こるまでジエチルエーテルで繰り返し洗浄した。固形物をジエチルエーテルからろ過し、洗浄し、乾燥して、I13を11.3g(56.8%)得た。
【0107】
実施例3
I8の製造
【0108】
ベンジル酸(13.7g、0.06mol)およびフェニルトリエトキシシラン(7.21g、0.03mol)を、テトラヒドロフラン(75mL)に溶解した。トリアリルアミン(4.12g、0.03mol)を加え、混合物を加熱還流し(67℃)、この温度に3時間に保持した。テトラヒドロフランを蒸留により除去して黄色の固形物を残した。ジエチルエーテル(50mL)を固形物のかたまりに加え、ろ過した。固形物をさらなるジエチルエーテル(50mL)に35℃で10分スラリーにし、ろ過し、ジエチルエーテルで置換した。淡黄色の固形物を乾燥してI8を19.2g(92%)得た。
【0109】
実施例4
I47の製造
【0110】
マンデル酸(15.2g、0.1mol)およびホウ酸(3.1g、0.05mol)を、メタノール(25mL)および水(25mL)に室温で溶解した。この溶液に、メタノール(20mL)中のトリアリルアミン(6.86g、0.05mol)の溶液を加えた。得られた溶液を室温で一晩攪拌した。メタノール/水を蒸留により除去し、得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。水(50mL)を加え、続いて分離した。上部の酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥するまで蒸留して粘稠な橙色油状物を残した。続いて、この橙色油状物をジエチルエーテルでトリチュートしてオフホワイトの固形物を得て、これをろ過し、ジエチルエーテルで洗浄した。固形物を乾燥して、I47を17.5g(77.9%)得た。
【0111】
実施例5
I45の製造
【0112】
ベンジル酸(11.41g、0.05mol)およびホウ酸(1.54g、0.025mol)を、メタノール(20mL)および水(15mL)に溶解した。この溶液に、トリ−n−ブチルアミン(4.63g、0.025mol)を加え、混合物を室温で5時間攪拌した。水(100mL)を加え、1時間攪拌した。得られた固形物の沈殿をろ過し、水で洗浄し、乾燥してI45を収量17.3gで得た。
【0113】
実施例6
I46の製造
【0114】
ベンジル酸(11.41g、0.05mol)およびホウ酸(1.54g、0.025mol)を、メタノール(20mL)および水(15mL)に溶解した。 この溶液に、メタノール(20mL)中のビス(2−エチルヘキシル)アミン(6.03g、0.025mol)の溶液を加え、室温で5時間攪拌した。水(100mL)を加え、1時間攪拌した。得られた固形物の沈殿をろ過し、水で洗浄し、乾燥して、I46を収量17.2g(97.5%)で得た。
【0115】
実施例7
I37の製造
【0116】
サリチル酸(13.8g、0.1mol)およびホウ酸(3.1g、0.05mol)を、メタノール(25mL)および水(25mL)に溶解した。これに、メタノール(25mL)および水(10mL)中のトリペンチルアミン(11.4g、0.05mol)の溶液を加え、室温で24時間攪拌した。次に真空下で溶媒を減らした。得られた残渣からジエチルエーテル(200mL)で生成物を抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥してI37を30.8g(83%)得た。
【0117】
実施例8
有機ホウ素化合物のアミン塩I45および発色剤としてクリスタルバイオレットラクトンを含むコーティング組成物の調製
【0118】
実施例5で述べたようにして調製した有機ホウ素化合物のアミン塩I45(0.42g)を、アセトン(3.61g)に溶解させることによりコーティング組成 物を調製した。次に混合物に、クリスタルバイオレットラクトン(たとえばCiba(登録商標)Pergascript(登録商標)Blue I-2RNとして販売されている)(0.42g)を、その後、ポリ(メチルメタクリレート)(1.44g)を加えた。次に、混合物をメチルエチルケトン(7.39g)の添加によりさらに希釈した。次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布し、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、青色イメージを得た。
【0119】
実施例9
有機ケイ素化合物のアミン塩I7および発色剤としてCiba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange I-Gを含むコーティング組成物の調製
【0120】
実施例1で述べたようにして調製した有機ホウ素化合物のアミン塩I7(0.42g)を、アセトン(3.61g)に溶解させることによりコーティング組成物 を調製した。次に、混合物に、3−ジエチル−アミノ−7−(エトキシカルボニル)−フルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Orange IGで販売されている)(0.42g)を、その後、ポリ(メチルメタクリレート)(1.44g)を加えた。ポリ(メチルメタクリレート)が溶解したら、次 に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
(0.24g)を加えた。次に、メチルエチルケトン(7.39g)の添加により、混合物をさらに希釈した。 次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布して透明なコーティングを得て、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、橙色イメージを得た。
【0121】
実施例11
有機ホウ素化合物のアミン塩I37および発色剤としてCiba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rを含むコーティング組成物の調製
【0122】
実施例7で述べたようにして調製した有機ホウ素化合物のアミン塩I37(0.42g)を、アセトン(3.61g)に溶解させることにより、コーティング組 成物を調製した。次に、混合物に、3−ジブチル−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Black I-2Rで販売されている)(0.42g)を、その後、ポリ(メチルメタクリレート)を加えた。ポリ(メチルメタクリレート)が溶解したら、次に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(0.24g)を加えた。次に、メチルエチルケトン(7.39g)の添加により、混合物をさらに希釈した。次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布して透明なコーティングを得て、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、黒色イメージを得た。
【0123】
実施例12
有機ホウ素化合物のアミン塩I37および発色剤としてCiba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I-6Bを含むコーティング組成物の調製
【0124】
実施例7で述べたようにして調製した有機ホウ素化合物のアミン塩I37(0.42g)を、アセトン(3.61g)に溶解させることにより、コーティング組成物を調製した。次に、混合物に、3,3−ビス−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Red I-6Bで販売されている)(0.42g)を、その後、ポリ(メチルメタクリレート)を加えた。ポリ(メチルメタクリレート)が溶解したら、次に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(0.24g)を加えた。次に、メチルエチルケトン(7.39g)の添加により、混合物をさらに希釈した。次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布し、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、橙色イメージを得た。次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布して透明なコーティングを得て、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、赤色イメージを得た。
【0125】
実施例13
有機ケイ素化合物のアミン塩I7および発色剤としてクリスタルバイオレットラクトンを含むコーティング組成物の調製
【0126】
実施例1で述べたようにして調製した有機ホウ素化合物のアミン塩I7(0.42g)を、アセトン(3.61g)に溶解させて、コーティング組成物を調製した。次に、混合物に、クリスタルバイオレットラクトン(たとえば商品名Ciba(登録商標)Pergascript(登録商標)Blue I-2RNで販売されている)(0.42g)を加え、その後、ポリ(メチルメタクリレート(1.44g)を加えた。ポリ(メチルメタクリレート)が溶解したら、次にアルキル化トリフェニルホスホロチオネート(たとえば商品名Ciba(登録商標)Irgalube(登録商標)211で販売されている)(0.42g)を加えた。次に、混合物をメチルエチルケトン(7.39g)の添加によりさらに希釈した。次に、コーティング組成物を、標準的なコーティングバー法により、基材(紙またはプラスチック)上に塗布して透明
なコーティングを得て、次いでCO2IRレーザを用いてイメージングして、青色イメージを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発色剤、有機金属化合物のアミン塩、バインダー、溶媒、および場合によりさらなる成分を含むコーティング組成物であって、該有機金属化合物のアミン塩が、式:
【化1】

[式中、Xがホウ素であり、EおよびFが、同一または異なり、
【化2】

(式中、R6およびR7は、同一または異なり、水素、C1-4−アルキル、C1-4−アルコキシ、ハロゲン、アミノまたはカルボキシである)よりなる群から選択され、
o=0およびp=0であり、そして
3、R4およびR5が、同一または異なり、水素、C1-12−アルキル、C1-6−ヒドロキシアルキル、アリル、アラルキルまたはアリールスルホニルであり、ここでアラルキルまたはアリールスルホニルはC1-4−アルキルで置換されていてもよく、あるいはR3とR4は、これらが結合した窒素と一緒になってモルホリノまたはピペリジノ環を形成する]である、コーティング組成物。
【請求項2】
組成物が、発色剤0.01〜50%の量、式(I)の有機金属化合物のアミン塩0.01〜50%の量、バインダー1〜80%の量、溶媒1〜99%の量、および任意のさらなる成分0〜20%の量からなる(それぞれの量は、組成物重量に基づく重量によるものである)、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
発色剤が、フタリド、フルオラン、トリアリールメタン、ベンゾオキサジン、キナゾリン、スピロピラン、キノン、チアジン、オキサジンおよびこれらの混合物よりなる群から選択される、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
バインダーがポリマーバインダーである、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
溶媒が、有機溶媒、有機溶媒の混合物、1種以上の有機溶媒と水の混合物よりなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
組成物が、溶液または分散液である、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
組成物が溶液である、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
有機金属化合物のアミン塩(I)、顕色剤、バインダー、場合によりさらなる成分および溶媒を混合する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物でコーティングされた基材。
【請求項10】
i)基材を請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物でコーティングする工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物でコーティングされた基材の製造方法。
【請求項11】
i)基材を請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物でコーティングし、ii)マーキング対象であるコーティングされた基材の部分を、エネルギーにさらして、色マーキングを生じさせる工程を含む、マーキングされた基材の製造方法。
【請求項12】
エネルギーがIR照射である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項11または12記載の方法により得られる、マーキングされた基材。

【公開番号】特開2012−251154(P2012−251154A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166955(P2012−166955)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2008−502378(P2008−502378)の分割
【原出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(507055925)データレース リミテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】DATALASE LTD.
【Fターム(参考)】