説明

基材上に材料模様を連続的に付着させるための装置及び方法

材料模様が基材上に連続的に付着させられる。基材とマスクは、付着源が材料を放出するドラムの一部上に連続的に移動させられる。マスクは模様を形成する開口を含み、付着源の付着材料はマスクの模様を通り抜けて基材上に集まり、材料模様を形成する。基材及びマスクの伸び及び横方向位置は制御されてよい。基材及びマスクの模様要素は、正確な位置合わせを維持する目的で、基材及び/又はマスクの伸び及び/又は横方向の位置を調整するために、探知されてよい。さらに、最小寸法が約100μm以下の形状を作成するために開口が約100μm以下の最小寸法を有してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上への材料模様の付着に関する。より具体的には、本発明は、基材の連続的な移動による材料模様の付着と、付着領域を通じて模様を定義するマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
材料模様は、材料を付着源から基材方向に放出することによって基材上に形成されてもよい。材料は、付着源と基材との間にマスクを介在させることにより、特定の模様として基材上に付着させられる。マスクは模様を定義する開口を含み、この開口を通過する付着材料のみが基材に到達する。これにより、材料は模様状に付着する。
【0003】
そのような模様は、多種多様な目的のために基材に付着されてよい。一実施例として、材料を様々な模様状に付着させることにより、基材上に回路を形成してもよい。例えば、金属被覆模様のような導電性のトレースは、可撓性誘電体上に形成することができる。これは、熱インクジェットヘッドに組み込まれる可撓性タブ回路の情報の符号化など、様々な用途に使用できる。
【0004】
マスクを介して基材上に材料を付着させる従来の模様状付着は、ステップアンドリピート方式で実施される。基材は、予め定義された量だけ前方に移動し、基材に対しマスクが固定されている既知の位置で停止する。次に、付着源からマスクを通して材料が放出され、模様が形成される。その後、基材は予め定義された量だけ再度前方に移動し、再び付着工程が実施される。これが繰返され、1巻の基材材料上に所定の材料模様が複数形成される。基材上に形成された材料模様のそれぞれについて、下流の別のマスクと付着源を使用し、更に別の模様状材料の層を形成してもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステップアンドリピート方式は、比較的細かい形状の模様を複数形成する場合は有効である。ただし、これには、かなり非効率であるという欠点がある。基材の移動並びにマスクと基材の正確な位置合わせに費やされる時間は、層の付着に要する時間に比べて著しく長い上、この間、材料の付着は行われない。従って、ステップアンドリピート方式では、好ましい製造速度が達成されない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、基材上に材料を連続的に付着させる装置及び方法を提供することにより、これらの問題及びその他の問題に対処する。ステップアンドリピートの手順に従うものではない。基材の移動中に材料が連続的に付着させられることから、基材の移動に費やされる時間が無駄とならない。
【0007】
1つの実施形態は、材料模様を基材上に連続的に付着させるための装置である。この装置は、基材を供給する基材供給ローラーと、第1の基材受けローラーを含む。この第1の基材受けローラーの上で、基材供給ローラーから基材受けローラーに向かって広がるように基材が支持される。また、基材は、基材供給ローラーから基材受けローラーに向かって連続的に移動する。この装置は更に、第1の模様を定義する開口を備える第1のマスクを含み、1以上の開口が、最小100μm以下の大きさを有する。この装置は更に、第1のマスクを供給する第1のマスク供給ローラーと、第1のマスク受けローラーを含む。この第1のマスク受けローラーの上で、マスク供給ローラーからマスク受けローラーに向かって広がるように第1のマスクが支持される。また、第1のマスクは、第1のマスク供給ローラーから第1のマスク受けローラーに向かって連続的に移動する。第1のドラムが含まれ、この第1のドラム周辺の一部において、基材と第1のマスクが、基材供給ローラー及びマスク供給ローラーにより供給されてから基材受けローラー及びマスク受けローラーにより支持されるまでの間に接触する。また、第1のドラムは絶え間なく回転する。第1の付着源は、少なくとも第1の付着材料の一部が第1のマスクの開口を通過して第1の材料による第1の模様が基材上に連続的に付着するように、第1の付着材料を第1のドラムの周辺部分を覆う第1のマスクの部分へと継続的に誘導するように配置される。
【0008】
別の実施形態は、材料模様を基材上に連続的に付着させるための装置であって、基材を供給する基材供給ローラーと、第1の基材受けローラーを含む。この第1の基材受けローラーの上で、基材供給ローラーから基材受けローラーに向かって広がるように基材が支持される。なお、基材は、基材供給ローラーから基材受けローラーに向かって連続的に移動する。この装置は更に、第1の模様を定義する開口を含む第1のマスク、第1のマスクを供給する第1のマスク供給ローラー、第1のマスク受けローラーを含む。この第1のマスク受けローラーの上で、マスク供給ローラーからマスク受けローラーに向かって広がるように第1のマスクが支持される。なお、第1のマスクは、第1のマスク供給ローラーから第1のマスク受けローラーに向かって連続的に移動する。装置は更に、第1のドラムを含む。この第1のドラム周辺の一部において、基材と第1の高分子マスクが、基材供給ローラー及びマスク供給ローラーにより供給されてから基材受けローラー及びマスク受けローラーにより支持されるまでの間に接触する。なお、第1のドラムは絶え間なく回転する。更に、装置は、少なくとも第1の付着材料の一部が第1のマスクの開口を通過して第1の材料による第1の模様が基材上に連続的に付着するように、第1の付着材料を第1のドラムの周辺部分を覆う第1のマスクの部分へと継続的に誘導するように配置される第1の付着源を含む。第1の基材伸び制御システムは、第1のドラム周辺の一部上で基材が接触するときに、基材供給ローラーから第1のドラムへと供給される方向に基材の予め定められた伸びを維持する。また、第1のマスク伸び制御システムは、第1のドラム周辺の一部上で第1のマスクが接触するときに、第1のマスク供給ローラーから第1のドラムへと供給される方向に第1のマスクの予め定められた伸びを維持する。第1の基材横方向位置制御システムは、基材の横方向位置を調整して第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含み、第1のマスク横方向位置制御システムは、第1のマスクの横方向位置を調整して第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む。
【0009】
更に別の実施形態は、材料を連続的に付着させる方法であり、基材供給ローラーから基材を連続的に供給しながらその基材を基材受けローラーで連続的に支持することを含む。ここで、基材は、基材供給ローラーと基材受けローラーの間にあるときに第1のドラム周辺の一部を通過する。この方法は更に、基材の供給と支持を連続的に行いながら、第1のマスク供給ローラーから第1のマスクを連続的に供給しつつこの第1のマスクを第1のマスク受けローラーで支持することにおいて、第1のマスクは、第1のマスク供給ローラーと第1のマスク受けローラーの間にあるときに第1のドラム周辺の一部を通過し、第1のマスクは第1の模様を形成する複数個の開口を有し、少なくとも一部の開口が最小100μm以下の大きさであることを含む。更にこの方法は、基材と第1のマスクの供給と支持を連続的に行いながら、第1の材料による第1の模様が基材上に付着するように、第1の付着材料を第1の付着源から第1のドラムの周辺部分上に位置する第1のマスクの一部へと連続的に誘導することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態は、マスクにより定義された模様状に材料を基材上に連続的に付着させるためのものである。連続的付着は、付着源及びドラムにより定められる付着領域を通じて基材とマスクを連続的に移動させることにより実現される。
【0011】
図1は、材料模様を基材上に連続的に付着させるための1段階を確立する装置並びにこの装置によりもたらされる方法を説明する1つの実施形態を示す。この特定の実施形態において、この第1の段階は、基点として知られる模様要素を基材100に付着させるために使用されている。ここで、これらの基点は、後続段階において基材をその後続段階のマスクと正しく重ね合わせるために使用されてよい。なお、そのような重ね合わせの精度はμm単位である(これについては、以下において図4を参照しながら説明する)。これらの基点は、基点の模様を提供するための開口を含むマスク101を介して材料を付着させることにより適用される。基点用に付着させられている材料と回路の第1層が同一の材料である場合は、基点に加えて回路の第1層も付着させられてよい。
【0012】
基材100の始点は、基材巻き戻しリール102に取り付けられたロール上に位置する。このロールは、この第1の付着段階の装置における他の部分に対して基材100の供給ローラーとしての役割を果たす。基材100は、精密駆動ローラー108により、引っ張りロードセル106越しに、ダンサー104を介して、リール102から継続的に引っ張られる。基材100は、回転ドラム124の周辺の一部越しに、かつ、基材100のための別の受けローラー110上に向かって、きつく引っ張られる。基材100は、受けローラー110を出た後、図6との関係で後述する後続の付着状態に引き込まれるか、又は基材巻き戻しリールに巻き戻される。
【0013】
ダンサー104及び引っ張りロードセル106は、基材100の所定の速度でドラム124への供給方向に向かう基材100について、予め定められ制御される伸び(伸長)を実現するために利用される。基材100の速度は精密駆動ローラー108の速度により決定され、精密駆動ローラー108はドラム124の速度と密接に同期する。そして、ドラム124そのものは精密駆動機構を有する。選択される速度は、予め定められた伸びと付着の適切な厚さを達成できるか否かを基準として、設計段階で決定される。
【0014】
当該技術分野において既知である通り、ダンサー104は、ダンサー104の作動装置により張力が基材100にかけられるときに、回転センサを利用してフィードバックを供給することにより巻き戻しリール102の速度を制御する。引っ張りロードセル106は、抵抗力示度を供給する。この抵抗力示度は、ダンサー104の作動装置によりかけられる抵抗力を調整する上で使用することができる。制御システムは、引っ張りロードセル106の示度及びドラム124の速度に基づいて論理を適用することにより、駆動ローラー108の速度をわずかに変更して、基材100の伸びを要求通りに制御する。
【0015】
マスク101の始点は、マスク基材巻き戻しリール112に取り付けられたロール上に位置する。このロールは、この第1の付着段階の装置における他の部分に対してマスク101の供給ローラーとしての役割を果たす。マスク101は、精密駆動ローラー118により、引っ張りロードセル116越しに、ダンサー114を介して、リール112から継続的に引っ張られる。マスク101は、回転ドラム124の周辺部分越しにきつく引っ張られ、さらにマスク101の受けローラー120上へと引っ張られる。このとき、回転ドラム124の周辺部分では、マスク101を基材100と接触させるために基材もまた引っ張られる。マスク101は、受けローラー120を出ると、基材巻き戻しリール122へと巻き戻される。
【0016】
基材100の場合と同様に、ダンサー114及び引っ張りロードセル116は、マスク101の所定の速度でドラム124への供給方向に向かうマスク101について、予め定められ制御される伸び(伸長)を実現するために利用される。マスク101の速度は精密駆動ローラー118の速度により決定され、精密駆動ローラー108はドラム124の速度とも密接に同期する。基材100に関して説明したように、選択される速度は、予め定められた伸びと付着の適切な厚さを達成できるか否かを基準として、設計段階で決定される。
【0017】
ダンサー104と同様に、ダンサー114は、ダンサー114の作動装置により張力がマスク101にかけられるときに、回転センサを利用してマスク巻き戻しリール112にフィードバックを供給する。引っ張りロードセル116は、抵抗力示度を供給する。この抵抗力示度は、ダンサー114の作動装置によりかけられる抵抗力を調整する上で使用することができる。制御システムは、引っ張りロードセル116の示度及びドラム124の速度に基づいて論理を適用することにより、駆動ローラー118の速度をわずかに変更して、マスク101の伸びを要求通りに制御する。
【0018】
この特定の実施形態は、ドラム124の内部に設置される付着源126を含む。従って、基材100がマスク101と直接接触してマスク101によりドラム124から分離される間、マスク101をドラム124と直接接触させることが必要である。ドラム124は、制限をほとんど加えずに材料の流れをマスクに合わせるために、ロールにデザインされた大型の開口130を有する。また、開口130はロールの周囲に間隔をあけて配置される。そのため、付着源126から放出された付着材料128を、ドラム124を通してマスク101に到達させることが可能となる。このとき、マスクに設けられた開口により、付着材料128を基材100に到達させ、基材100上に模様を形成することが可能となる。
【0019】
付着源126は、付着の種類及び要求される付着材料の種類に応じて、様々なタイプの中のいずれかとしてよい。例えば、金属材料や導電性金属酸化物材料を付着させるために、スパッタリングカソード又はマグネトロンスパッタリングカソードを付着源126としてもよい。別の実施例としては、金属材料や導電性金属酸化物材料を付着させるために、蒸発源を付着源126としてもよい。
【0020】
ドラム124、付着源126、マスク101、基材100の構成は、付着源126から付着材料が下方に放射された状態でマスク101及び基材100がドラムの底部を通過するようにしてもよい。ただし、別の方法として、マスク101及び基材100がドラム124の上方を通過し、付着源126から付着材料が上方へと放出されるように配置してもよい。この方法は、蒸着源を使用した場合に特に有効である。
【0021】
また、基材100及びマスク101には、様々な種類の材料のいずれかを使用してもよい。実施例は、高分子材料(ポリエステル(PET及びPENの両方)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなど)、金属フォイル材料(ステンレス鋼、その他の鋼、アルミニウム、銅など)、紙材料、織物材料、不織布材料などを含む。また、これらの材料はすべて、表面が被覆されていても、被覆されていなくても、いずれでもよい。ただし、基材及びマスクとして高分子材料などの高い弾性を有する材料を利用する場合は、図4との関連で以下に説明するように、正確な伸び制御と正確な位置合わせが可能となる。その結果、形状を極めて小型化することができる。高分子マスクに設けられる開口の最小寸法はおよそミクロン(10μm〜100μmの範囲)としてよい。従って、基材上に付着させられる形も、およそミクロン(この場合も10μm〜100μmの範囲)の最小寸法を有してよい。従って、回路密度を極めて高くすることができ、例えば、高解像度で省スペースな導電トレースを、この連続的な付着プロセスにより高速で製造することが可能となる。トレースのアスペクト比が大きい場合は、2つ又はそれ以上の付着ステーションを介してウェブを移動させ、オフセットシャドウマスクを介して2つ又はそれ以上の連続した付着を行うことにより、トレースを付着させる必要がある。これは、高分子マスクに設けられた開口の寸法安定性に影響する以前に、マスクの開口のアスペクト比は開口部の長さが限られているためである。この実施形態に関する高分子開口マスクの製作の更なる詳細は、米国特許第6,897,164号(ボード(Baude)他)に詳しく記載されている。
【0022】
図2は、図1に似た実施形態を示している。ただし、マスクがロールトゥロール構成ではなく、連続ループとなっている点で図1とは異なる。ここで基材200は、リール202から巻き戻され、ダンサー204を通過し、ロードセル206上を通って、駆動ローラー208により引っ張られる。基材200は、ドラム224の周辺部分を通過し、受けローラー210越しに引っ張られた後、次の付着段階へと進むか、あるいは巻き戻しリールに巻き戻される。このように、基材200の伸び及び速度は、図1の場合と同様に制御されている。さらに、図1の場合と同様に、付着源226はドラム224の開口240を通して材料228を放出し、放出された材料は、マスク201に到達してこのマスク201に設けられた開口を通り抜け、基材200に達する。
【0023】
ただし、マスク201は、ウェブガイド232のローラーである引っ張りロードセル234を通る連続ループであり、センサ238を通過するときに、駆動ローラー218により引っ張られる。マスク201は、ドラムの周辺部分を通過し、受けローラー220越しに引き離される。マスク201は次に、別の受けローラー222に到達する。この受けローラーはテンショナ223のローラーであり、マスク201を送って、ウェブガイド232のローラー236へと戻す。この構成の場合、マスク201の伸びと速度は、引っ張りロードセル234の示度に基づき、テンショナ223の作動装置によってかけられる抵抗力と駆動ローラー218の速度を調整することにより、制御され続ける。また、マスク201の横方向の位置調整も、ウェブガイド232により制御される。なお、そのようなウェブガイドについては、図4との関連で以下に詳しく説明する。一方で、マスク201は、再利用されるように連続的にループする。しかし最終的にはマスク201を交換することが必要となる。これは、付着材料228がマスク上に蓄積するからである。
【0024】
図2に示す構成は、連続的にループするマスク201がある点を除き、図1に示す構成と類似している。しかし、図2に示す連続的にループするマスク201は、図3〜図6に関して以下に説明するその他の構成にも同様に適用することができる。
【0025】
図3に示す実施形態は、図1と似ているが、付着源326がドラム324の外側に設置されている点で異なる。ここで基材300は、リール302から巻き戻され、ダンサー304を通過し、ロードセル306越しに、駆動ローラー308により引っ張られる。基材300は、ドラム324の周辺部分を通過し、受けローラー310越しにさらに先へと案内された後、次の付着段階へと進むか、あるいは巻き戻しリールに巻き戻される。このように、基材300の伸び及び速度は、図1の場合と同様に制御されている。さらに、図1の場合と同様に、マスク301は、リール312から戻され、ダンサー314を通過し、ロードセル316越しに、駆動ローラー318により引っ張られる。マスク301は、ドラム324の周辺部分を通過し、受けローラー320越しにさらに先へと案内された後、巻き戻しリール322に巻き戻される。このように、マスク301の伸び及び速度もまた、図1の場合と同様に制御されている。
【0026】
ただし、付着源326は、付着材料328がマスク301及び基材300に達する前にドラム324を通り抜ける必要がないように、ドラム324の外部に設置される。したがって、ドラム324は必ずしも開口を含む必要がない。更に、基材300はドラム324と直接接触する。一方、マスク301は,基材300がマスク301とドラム324との間に位置する状態で、基材300と直接接触する。
【0027】
図3に示す構成は図1のものと似ているが、付着源326がドラム324の外部に設置されている点で異なる。付着源326を図3に示すように外部に設置することは、図2及び図4〜図6に示される構成を始めとするその他の構成にも同様に適用できる。
【0028】
図4に示す構成は図1と似ているが、基材400が付着ないしは別の方法で形成された模様要素を既に有している点で異なる。模様要素は既に用意されているので、後述のような正確な位置合わせが基材400とマスク401の間で維持される。また、この段階の間に、同一材料の基点をさらに同時に付着させることなく、回路の形が付着させられてもよい。
【0029】
模様要素は、多種多様な方法の中のいずれかを用いて基材上に予め形成されてよい。ここで用いられる方法は、図1〜図6の実施例のいずれで説明したマスクにそのような模様要素を付着させる場合にも適合する。模様要素を基材及びマスクに予め形成する方法の実施例としては、スパッタリング、蒸着、レーザアブレーション、レーザマーキング、ケミカルミリング、化学的エッチング、エンボス加工、スクラッチ、転写などが挙げられる。
【0030】
図4の実施形態において、基材400は、リール402から巻き戻され、ダンサー404を通過し、ロードセル406越しに、駆動ローラー408により引っ張られる。基材400は、ドラム424の周辺部分を通過し、受けローラー410越しにさらに先へと案内された後、次の付着段階へと進むか、あるいは巻き戻しリールに巻き戻される。このように、基材400の伸び及び速度は、図1の場合と同様に制御されている。さらに、図1の場合と同様に、マスク401は、リール412から巻き戻され、ダンサー414を通過し、ロードセル416越しに、駆動ローラー418により引っ張られる。マスク401は、ドラム424の周辺部分を通過し、受けローラー420越しにさらに先へと案内された後、巻き戻しリール422に巻き戻される。このように、マスク401の伸び及び速度もまた、図1の場合と同様に制御されている。
【0031】
しかし、基材400及びマスク401の両方の基点を探知した結果に基づいて、伸びと速度が更に制御される。これにより、基材400及びマスク401は、ドラム424への供給方向の位置合わせが、最小寸法(100μm未満、50μm未満、更には25μm未満)の1/2の許容度範囲内の適切な状態に維持される。センサ438は基材400の基点を探知し、センサ448はマスク401の基点を感知する。基材400とマスク401の間の相対速度は、基材400によるマスク401の進みすぎや遅れを補正するために、駆動ローラー408及び418をそれぞれ使用して調整されてもよい。
【0032】
更に、基材400用のロードセル406と駆動ローラー408の間で、精密ウェブガイド430が、基材400を支持して、横方向の位置を決定するための基点を探知するセンサ438に基づき、基材の横方向の位置を制御する。移動中のウェブは、ローラー上で横方向にずれる傾向がある。しかし、ほとんどの場合、横方向位置は、ドラム424において、最小形状寸法(100μm未満、50μm未満、更には25μm未満)の少なくとも1/2の許容範囲内に厳密に保たれる必要がある。そのため、ウェブガイド430は、基材400の横方向位置を調整する。ウェブガイド430は、第1のローラー432、フレーム434、第2のローラー436を含む。フレーム434は、基材400をガイドして駆動ローラー408ひいてはドラム424における基材400の横方向位置を変更するため、図に示されるように、第1のローラー432の縁部の旋回点でぺージの内方及び外方へと旋回してもよい。この目的に適した精密ウェブガイドについては、米国特許出願公開第2005/0109811号(スワンソン(Swanson)他)に、より詳しく記載されている。
【0033】
マスク401の場合と同様に、ロードセル416と駆動ローラー418の間で、精密ウェブガイド440が、マスク401を支持して、横方向の位置を決定するための基点を探知するセンサ448に基づき、マスク401の横方向の位置を制御する。マスク401の横方向位置もまた、ドラム424における厳格な許容範囲内に留まる必要がある。そのため、ウェブガイド440により、マスク401の横方向位置が調整される。ウェブガイド440は、第1のローラー442、フレーム444、第2のローラー446を含む。フレーム444は、マスク401をガイドして駆動ローラー418ひいてはドラム424におけるマスク401の横方向位置を変更するため、図に示されるように、第1のローラー442の縁部の旋回点でページの内方及び外方へと旋回してもよい。
【0034】
横方向位置制御システムは、伸び制御システムと組み合わせるかまたは単独で使用することができる。同様に、伸び制御システムは、横方向位置制御システムと組み合わせるかまたは単独で使用することができる。
【0035】
図1の場合と同様に、ドラム424内部の付着源426は、ドラム424の周辺部分を覆うマスク401及び基材400に到達させるため、ドラム424の開口450を通して付着材料428を放出する。このような構成を最初の付着段階として使用する点で、図4は図1と関係している。しかし、図4の構成はまた、基材400が先行する付着段階から直接送られず、先行段階で巻き戻されて後続段階には巻き戻しリール402により導入される場合の、後続段階として使用されてもよい。
【0036】
図5に示す実施形態は図3のものと似ているが、基材500に、模様要素や、基点付着プロセス540を用いた基点が備えられる点で異なる。基点付着プロセス540は、基材500がドラム524の周囲と接触している地点であって、マスク501がドラムに到達する前の地点において、基点を基材500に付着させる。模様要素はドラム524に既に用意されているので、後述のような正確な位置合わせが基材500とマスク501の間で維持される。また、この段階の間に、同一材料の基点をさらに同時に付着させることなく、回路の形が付着させられてもよい。基点付着プロセス540により模様要素を基材に予め形成する方法の実施例としては、スパッタリング、蒸着、レーザアブレーション、レーザマーキング、ケミカルミリング、化学的エッチング、エンボス加工、スクラッチ、転写などが挙げられる。
【0037】
図5の実施形態において、基材500は、リール502から巻き戻され、ダンサー504を通過し、ロードセル506越しに、駆動ローラー508により引っ張られる。基材500は、基点プロセス540の照準が定められた部分を含むドラム524の周辺部分を通過し、受けローラー510越しにさらに先へと案内された後、次の付着段階へと進むか、あるいは巻き戻しリールに巻き戻される。このように、基材500の伸び及び速度は、図1の場合と同様に制御されている。さらに、図3の場合と同様に、マスク501は、リール512から戻され、ダンサー514を通過し、ロードセル516越しに、駆動ローラー518により引っ張られる。マスク501は、ドラム524の周辺部分を通過し、受けローラー520越しにさらに先へと案内された後、巻き戻しリール522に巻き戻される。このように、マスク501の伸び及び速度もまた、図3の場合と同様に制御されている。
【0038】
しかしここでは、基点模様付けプロセス540を備えるドラム524へと供給する方向でマスク501の位置合わせを適切な状態に保つため、センサ538を使用してマスク501の基点を探知した結果に基づき、伸びと速度が更に制御される。マスク501の相対速度は、マスク501による基点模様付けプロセス540の進みすぎや遅れを補正するために、駆動ローラー518を使用して調整されてもよい。
【0039】
さらに、ロードセル516と駆動ローラー518の間で、精密ウェブガイド530により、マスク501の横方向位置が厳密な許容範囲内に制御される。この制御は、横方向の位置を決定するためにマスク501上の基点を探知するセンサ538に基づいて行われる。ウェブガイド530は、第1のローラー532、フレーム534、第2のローラー536を含む。フレーム534は、マスク501をガイドして駆動ローラー518ひいてはドラム524におけるマスク401の横方向位置を変更するため、図に示されるように、第1のローラー532の縁部の旋回点でページの内方及び外方へと旋回してもよい。
【0040】
図3の場合と同様に、ドラム524の外部に設置された付着源526は、ドラム524の周辺部分を覆うマスク501及び基材500に達するように付着材料528を放出する。
【0041】
図6に示す実施形態は図4のものと似ているが、基材600が、巻き戻しリールにより供給されるのではなく、前の段階から直接供給される点で異なる。図4の場合と同様に、模様要素は既に用意されているので、正確な位置合わせが基材600とマスク601の間で維持される。また、この段階の間に、同一材料の基点をさらに同時に付着させることなく、回路の形が付着させられてもよい。
【0042】
図6の実施形態において、基材600は、引っ張りロードセル602において前の段階により直接支持され、駆動ローラー608により引っ張られる。基材600は、ドラム624の周辺部分を通過し、受けローラー610越しにさらに先へと案内された後、次の付着段階へと進むか、あるいは巻き戻しリールに巻き戻される。この段階には、基材600用のダンサーが存在しない。そのため、基材600の伸び及び速度の制御は、ロードセル602における基材600の張力を探知し、駆動ローラー608及びドラム624の速度をわずかに変更することにより実施される。駆動ローラー608及びドラム624の相対速度を調整することにより、基材600の伸びを更に微調整することができる。さらに、図4の場合と同様に、マスク601は、リール612から巻き戻され、ダンサー614を通過し、ロードセル616越しに、駆動ローラー618により引っ張られる。マスク601は、ドラム624の周辺部分を通過し、受けローラー620越しにさらに先へと案内された後、巻き戻しリール622に巻き戻される。このように、マスク601の伸び及び速度もまた、図4の場合と同様に制御されている。
【0043】
ここでは更に、ドラム624へと供給する方向で基材600とマスク601の位置合わせを適切な状態に保つため、基材600とマスク601の基点を探知した結果に基づき、伸びと速度が制御される。センサ638は基材600の基点を探知し、センサ648はマスク601の基点を感知する。基材600とマスク601の間の相対速度は、基材600によるマスク601の進みすぎや遅れを補正するために、駆動ローラー608及び618をそれぞれ使用して調整されてもよい。
【0044】
更に、基材600用のロードセル602と駆動ローラー608の間で、精密ウェブガイド630が、基材600を支持して、横方向の位置を決定するための基点を探知するセンサ638に基づき、基材の横方向の位置を制御する。ウェブガイド630は、第1のローラー632、フレーム634、第2のローラー636を含む。フレーム634は、基材600をガイドして駆動ローラー608ひいてはドラム624における基材600の横方向位置を変更するため、図に示されるように、第1のローラー632の縁部の旋回点でページの内方及び外方へと旋回してもよい。
【0045】
マスク601の場合と同様に、ロードセル616と駆動ローラー618の間で、精密ウェブガイド640が、マスク601を支持して、横方向の位置を決定するための基点を探知するセンサ648に基づき、マスク601の横方向の位置を制御する。ウェブガイド640は、第1のローラー642、フレーム644、第2のローラー646を含む。フレーム644は、マスク601をガイドして駆動ローラー618ひいてはドラム624におけるマスク601の横方向位置を変更するため、図に示されるように、第1のローラー642の縁部の旋回点でページの内方及び外方へと旋回してもよい。
【0046】
図4の場合と同様に、ドラム624内部の付着源626は、ドラム624の周辺部分を覆うマスク601及び基材600に到達させるため、ドラム624の開口650を通して付着材料628を放出する。
【0047】
図7は、回転モーターの位置及び速度制御システム700を説明する図である。ここで、システム700のいずれかは、位置、速度、駆動ローラー及びドラムのそれぞれにかかるトルクを制御するために使用されてよい。制御システム700は位置コマンド701を入力として受け取る。そしてこのコマンドは、動作制御分野の当業者にとって理解可能なように、軌道ジェネレータから出力される。このコマンドは、位置フィードフォワードオペレーション702へと供給され、次にここで位置フィードフォワード信号が出力されて、フィードフォワードゲイン制御オペレーション712へと送られる。
【0048】
位置コマンド701はまた、ローパスフィルタオペレーション704に対して供給されているロード位置フィードバック信号703を基礎とした別の信号と合成される。ロード位置フィードバック信号703は、駆動ローラー又はドラムに直接搭載される高精密回転センサに基づいて受信される。ローパスフィルタオペレーション704は、出力をオブザーバ706に対して供給する。オブザーバ706はその他の内部信号を使用して出力を生成し、生成された出力はフィードバックフィルタオペレーション708に適用され、位置コマンド701と負の合成が行われる信号が供給される。この信号は次に位置コントローラ710へと送られる。この位置コントローラ710から出力される信号は、別の2つの信号と合成される。
【0049】
フィードフォワードゲイン制御オペレーション712から出力されるフィードフォワードゲイン信号は、位置コントローラ710の出力信号、並びに、モーター位置フィードフォワードフィードバック信号と合成される。なお、モーター位置フィードフォワードフィードバック信号は、位置フィードフォワード微分オペレーション714から出力され、ローパスフィルタ715を経由して渡されるものであり、受信したモーター位置フィードバック信号705を基礎とする。この信号705は、駆動ローラー又はドラムを駆動するモーターの電機子に搭載される高精密回転センサから供給される。合成結果の出力は次にローパスフィルタ720へと送られ、ここからの出力が速度コントローラ722へと供給される。
【0050】
フィードフォワードゲインオペレーション712から出力されるフィードフォワードゲイン信号は、速度フィードフォワードオペレーション716へと供給される。この速度フィードフォワードオペレーション716は、第2のフィードフォワードゲイン信号を生成するために、出力をフィードフォワードゲインオペレーション718に供給する。第2のフィードフォワードゲイン信号は電流フィードフォワードオペレーション724へと供給され、この電流フィードフォワードオペレーション724からの出力がフィードフォワードゲインオペレーション726へと送られる。さらに、第2のフィードフォワードゲイン信号は、速度コントローラ722の出力、並びに、軌道ジェネレータから出力されるウェブコマンド速度フィードフォワード信号707と合成される。軌道ジェネレータは、各ローラーの制御システム用の位置参照を生成する。これには、正確な単位の位置及び速度が含まれる。速度フィードフォワード信号707と速度コントローラ722の出力を合成した結果は、ノッチ及びその他のフィルタ728を通過して、フィードフォワードゲインオペレーション726により出力されるフィードフォワードゲイン信号、並びに、モータの実電流測定値709と合成される。これにより、電流コントローラ730に対して1つの入力が供給される。次に、電流コントローラ730から出力された電流がモーターへと供給され、このモーターにより駆動ローラーやドラムが駆動される。
【0051】
図8は、ガイドモーターの位置及び速度制御システム800を説明する図である。ここで、システム800のいずれか1つは基材の横方向位置を制御するために使用され、もう1つはマスクの横方向位置を制御するために使用されてよい。制御システム800は位置コマンド801を入力として受け取る。このコマンドは、ウェブの横方向位置を示す基点を探知する探知システムから出力される。このコマンドは、位置フィードフォワードオペレーション802へと供給され、次にここで位置フィードフォワード信号が出力されて、フィードフォワードゲイン制御オペレーション810へと送られる。
【0052】
位置コマンド801はまた、ローパスフィルタオペレーション804に対して供給されているロード位置フィードバック信号803を基礎とした別の信号と合成される。ロード位置フィードバック信号803は、ウェブガイドフレームに直接搭載される高精密線状センサに基づいて受信される。フィードフォワードオペレーション804は、出力をオブザーバ806に対して供給する。オブザーバ806はその他の内部信号を使用して出力を生成し、生成された出力はフィードバックフィルタオペレーション808へと適用され、位置コマンド801と負の合成が行われる信号が供給される。この信号は次に位置コントローラ710へと送られる。この位置コントローラ710から出力される信号は、別の2つの信号と合成される。
【0053】
フィードフォワードゲイン制御オペレーション810から出力されるフィードフォワードゲイン信号は、位置コントローラ出力信号812、並びに、モーター位置フィードフォワードフィードバック信号と合成される。なお、モーター位置フィードフォワードフィードバック信号は、位置フィードフォワード微分オペレーション809から出力され、ローパスフィルタ811を経由して渡されるものであり、受信したモーター位置フィードバック信号805を基礎とする。この信号805は、ウェブガイドフレームを動かすモーターの電機子に直接搭載される高精密回転センサに基づいて受信される。合成結果の出力は次にローパスフィルタ818へと送られ、ここからの出力が速度コントローラ820へと供給される。
【0054】
フィードフォワードゲイン制御オペレーション810から出力されるフィードフォワードゲイン信号は、速度フィードフォワードオペレーション814へと供給される。この速度フィードフォワードオペレーション814は、第2のフィードフォワードゲイン信号を生成するために、出力をフィードフォワードゲインオペレーション816に供給する。第2のフィードフォワードゲイン信号は電流フィードフォワードオペレーション822へと供給され、この電流フィードフォワードオペレーション822からの出力がフィードフォワードゲインオペレーション824へと送られる。さらに、第2のフィードフォワードゲイン信号は、速度コントローラ820の出力と合成される。その結果は、ノッチ及びその他のフィルタ826を通過して、フィードフォワードゲインオペレーション824の出力、並びに、モータの実電流測定値807と合成される。これにより、電流コントローラ828に対して1つの入力が供給される。次に、電流コントローラ828から出力された電流がモーターへと供給され、このモーターによりウェブガイドフレームが駆動される。
【0055】
図9は、ウェブ基点生成制御システム900を示す図である。このウェブ基点生成制御システム900は、基点が既に両方のウェブに存在する(図6参照)付着プロセスの各段階で、マスクの基点と基材の基点の間の正確な位置合わせを維持する。制御システム900は、ウェブ位置コマンド901を入力として受信する。なお、このコマンドは軌道ジェネレータにより生成される。このコマンドは、位置フィードフォワードオペレーション902へと供給され、次にここで位置フィードフォワード信号が出力されて、フィードフォワードゲイン制御オペレーション908へと送られる。
【0056】
位置コマンド901はまた、ウェブ位置フィードバック信号903を基礎とした別の信号と合成される。ウェブ位置フィードバック信号903は、長手方向のウェブ位置を基礎として受信される。この信号は、基材又はマスクの位置、あるいはそれらの間の差を表す。ウェブ位置フィードバック信号903は、オブザーバ904に対して供給される。オブザーバ904はセンサにより生成された位置信号を強化し、その出力はフィードバックフィルタオペレーション905へと適用され、位置コマンド901と合成される信号が供給される。この合成の結果得られた信号は、次に、位置コントローラ910へと供給される。この位置コントローラ910から出力される信号は、後述のように別の2つの信号と合成される。
【0057】
フィードフォワードゲイン制御オペレーション908から出力されるフィードフォワードゲイン信号は、位置コントローラ910から出力される信号、並びに、軌道ジェネレータにより供給されるウェブフィードフォワード開ループ位置補正信号912と合成される。合成結果の出力はガイド位置コマンドであり、このコマンドは次にウェブ位置コントローラ(図7参照)へと供給される。モーターの位置及び速度はモーター916から取得され、これに対応するフィードバック信号918がモーター位置速度コントローラ914へと供給される。モーター位置速度コントローラ914は、ライン速度制御付きのセンサ位置オフセット補正を含む。
【0058】
図10は、説明的実施形態の一部を示している。この実施形態では、要求された形状(100μm以下)と位置合わせの許容度(寸法100μm未満、50μm未満、更には25μm未満)を考慮して、マスクと基材の間で基点の位置合わせが維持される。基材1000は、供給ローラー1002を通過した後、ウェブガイド1040を通る。このウェブガイド1040では、ローラー1042、1046がフレーム1044に取り付けられている。次いで、基材はセンサ1048を通過する。このセンサ1048は、長手方向及び/又は横方向のウェブ位置を検出する。駆動ローラー1018は、基材1000がドラム1024の周辺部分へと移動する際に基材1000の伸び及び速度の最終調整を行う。その後、出口ローラー1020により、基材1000が次の目的地へと案内される。
【0059】
マスク1001はウェブガイド1030に入る。このウェブガイド1030では、ローラー1032、1036がフレーム1034に取り付けられている。マスク1001は、長手方向及び/又は横方向のウェブ位置を検出するセンサ1038を通過する。そして、マスク1001がドラム1024の周辺部分へと移動する際に、駆動ローラー1008により、マスク1001の伸び及び速度についての最終調整が行われる。一方、出口ローラー1010は、マスク1001をドラム1024から離れる方向に案内する。
【0060】
稼動中は、基材センサ1048及びマスクセンサ1038によりウェブ位置フィードバック信号が出力され、ひずみコントローラ1052へと供給される。ひずみコントローラは、次に、出力信号を仮想引っ張りオブザーバ1054に供給する。仮想引っ張りオブザーバ1054は、ある変数の値を他の変数の既知の値に基づいて推定する制御システム技術である。オブザーバは、変数の測定遅延を低減、精度向上、あるいは、直接測定が困難又は不可能な変数の値を供給することにより、制御システムの性能を向上させる。仮想引っ張りオブザーバ1054は、次に、ひずみコントローラ1052に対して供給された位置フィードバックと、基材及びマスクの材料パラメータに基づいて、ウェブの引っ張りを計算する。また、上流コントローラに対する適切な引っ張り設定点の他、追加の修正位置コマンドオフセットも生成する。なお、追加の修正位置コマンドオフセットは、いずれかの駆動ローラーに追加してもよい。仮想引っ張りオブザーバはまた、変化するパラメータをリアルタイムで推定できる。この実施形態の仮想引っ張りオブザーバについては、同一所有者の米国特許出願公開第2005/0137,738A1号に、更に詳しく記載されている。次に、仮想引っ張りオブザーバ1054は、駆動信号を駆動ローラー1008のモーターに供給する。
【0061】
図11は、仮想引っ張りオブザーバ1054との関連において引っ張りコントローラ1052で使用される制御ループを示している。基材の位置は、位置オペレーション1102におけるセンサ出力で示される。一方、マスクの位置は、位置オペレーション1112のセンサ出力により示される。計算オペレーション1104では、張り詰めていないときの基材の目標長さが計算され、計算オペレーション1114では、張り詰めていないときのマスクの目標長さが計算される。計算オペレーション1106では、基材の目標時間が基材について計算され、計算オペレーション1116では、マスクの目標時間が計算される。目標時間に基づき、新規の値εが計算オペレーション1108で計算される。なお、この値はウェブの望ましいひずみを表す。新規の値εに基づき、Tspが計算オペレーション1110で計算される。なお、この値は、そのレベルのひずみを達成するために必要な引っ張りを表す。
【0062】
図12は、基点印又は模様要素の実施例を示している。このような基点印又は模様要素は、横方向及び長手方向の位置の制御と、2つのウェブ間の適切な位置合わせの維持を目的として、基材及びマスクに配置されてよい。上述のように、このような基点印は、予め模様として施されてもよいし、あるいは、付着プロセスの第1段階でウェブに付加されてもよい。
【0063】
この実施例で示すように、横方向又はクロスウェブの基点は、基材又はマスク1200に配置される付着模様から一定の距離に位置する線1202であってもよい。ウェブ1200の縁部1201は、クロスウェブ基点線1202やウェブ1200上のいかなる付着模様に対しても、それらと同一の位置に配置されてはならない。横方向における線1202の位置を探知した結果を基に、ウェブ1200が適切な位置にあるか否か、あるいは、横方向についてウェブの再調整を行う上でウェブガイドの調整が必要か否かを判断することができる。
【0064】
また、この実施形態に示されているように、長手方向又は流れ方向の基点は、流れ方向で互いに一定の距離を置いて配置される一連の印群1204であってもよい。一連の中の1つの印1204の位置を探知した結果から、所定の時点で、ウェブ1200上の付着模様に対してウェブ1200が適切な長手方向位置にあるか否かを判断することができる。
【0065】
図13は、ウェブ用の探知システムを説明する実施形態を示している。この実施形態では、横方向と長手方向の両方に対して1つのセンサが使用されている。ウェブ1302は、長手方向の基点印1304と、横方向の基点印1306を有する。ウェブ1302がローラー1308とローラー1310の間を通過するときに、センサ1312が、長手方向の基点印1304及び横方向の基点印1306の両方を探知する。センサ1312は、ラインスキャンカメラやエリアカメラでもよい。
【0066】
センサ1312の出力は、リアルタイム画像データ取得プロセス1314へと送られる。センサ出力に加えて、この実施形態のリアルタイム画像データ取得プロセス1314は、探知対象ウェブの長手方向制御システムから送られる位置参照1311も受信する。これは、基点印画像の位置捕捉と同時に行われる。リアルタイム画像データ取得プロセスは、デジタル画像出力をデジタル画像処理システム1316へ送る。デジタル画像処理システム1316は、画像を分析して、横方向及び長手方向の印が予定の位置とどの程度離れているかを判断する。長手方向又は流れ方向の位置エラー1318は、探知対象ウェブの長手方向制御システムに向けて出力される。これに対し、横方向又はクロスウェブ方向の位置エラー1320は、ウェブガイド制御システムへと出力される。
【0067】
図14は、ウェブの探知システムを説明する実施形態を示している。この実施形態では、横方向と長手方向にそれぞれ別のセンサが使用されている。ウェブ1402は、長手方向の基点印1404と、横方向の基点印1406を有する。ウェブ1402がローラー1408とローラー1410の間を通過するときに、1つのセンサ1412が長手方向の基点印1404を探知し、もう1つのセンサ1414が横方向の基点印1406を探知する。長手方向の探知に使用されるセンサ1412は、応答時間の短い光電変換素子回路(photo detector circuit)を備える標準的な発光ダイオード(LED)/フォトダイオードでもよい。横方向の探知に使用されるセンサ1414は、高速処理装置を内蔵したキーエンス社製のLS−7500シリーズCCDカメラなどのカメラでもよい。
【0068】
センサ1412の出力は、光電変換素子回路1416へと供給される。この光電変換素子回路1416において、基点の監視や、長手方向の基点印の実際の位置が予定位置からどの程度離れているかの判断が行われてもよい。長手方向又は流れ方向の位置エラー1418は、探知対象ウェブの長手方向制御システムに向けて出力される。
【0069】
センサ1414の出力は、カメラの画像処理1420へと供給される。この画像処理1420において、横方向の基点印の実際の位置が予定位置からどの程度離れているかの判断が行われてもよい。横方向又はクロスウェブ方向の位置エラー1422は、ウェブガイド制御システムに向けて出力される。
【0070】
別の態様では、上述の装置を使用して連続的材料付着方法を実現している。この方法は、基材供給ローラーから基材を連続的に供給しつつ、供給された基材を第1の基材受けローラーで連続的に支持することを含む。ここで、基材は、基材供給ローラー及び第1の基材受けローラーとの間にあるときに、第1のドラムの周辺の一部を通過する。この方法は更に、基材の供給と支持を連続的に行いながら、第1のマスク供給ローラーから第1のマスクを連続的に供給しつつこの第1のマスクを第1のマスク受けローラーで支持することにおいて、第1のマスクは、第1のマスク供給ローラーと第1のマスク受けローラーの間にあるときに第1のドラム周辺の一部を通過し、第1のマスクは第1の模様を形成する複数個の開口を有し、少なくとも一部の開口が最小100μm以下の大きさであることを含む。更にこの方法は、基材と第1のマスクの供給と支持を連続的に行いながら、第1の材料による第1の模様が基材上に付着するように、第1の付着材料を第1の付着源から第1のドラムの周辺部分上に位置する第1のマスクの一部へと連続的に誘導することを含む。
【0071】
この方法は更に、第1の基材受けローラーから基材を連続的に供給しながらその基材を第2の基材受けローラーで連続的に支持することを含む。ここで、基材は、第1の基材受けローラーと第2の基材受けローラーの間にあるときに第2のドラム周辺の一部を通過する。この方法は更にまた、第2のマスク供給ローラーから第2のマスクを連続的に供給しながら、供給された第2のマスクを第2のマスク受けローラーで連続的に支持することを含む。ここで、この第2のマスクは、第2のマスク供給ローラーと第2のマスク受けローラーとの間にあるときに第2のドラムの周辺の一部を通過する。更に、第2のマスクは第2の模様を形成する複数個の開口を有する。更にこの方法は、基材と第2のマスクの供給と支持を連続的に行いながら、第2の付着材料による第2の模様が基材上に付着するように、第2の付着材料を第2の付着源から第2のドラムの周辺部分上に位置する第2のマスクの一部へと連続的に誘導することを含む。
【0072】
本発明について、それらの様々な実施形態に関連して示し説明してきたが、当業者であれば、形状及び細部における様々な他の変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その分野においてなされ得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ドラムの内部に付着源を備え、予め模様付けされた基点要素を使用せず、ロールトゥロールマスクを使用する付着プロセスの第1段階を提供する装置の実施形態。
【図2】ドラムの内部に付着源を備え、予め模様付けされた基点要素を使用せず、連続ループマスクを使用する付着プロセスの第1段階を提供する装置の実施形態を。
【図3】ドラムの外部に付着源を備え、予め模様付けされた基点要素を使用せず、ロールトゥロールマスクを使用する付着プロセスの第1段階を提供する装置の実施形態。
【図4】ドラムの内部に付着源を備え、予め模様付けされた基点要素を使用し、ロールトゥロールマスクを使用する付着プロセスの第1段階を提供する装置の実施形態。
【図5】ドラムの外部に付着源を備え、予め模様付けされた基点要素は使用しないもののドラム外での付着に先立って予め基点の模様付けが発生し、ロールトゥロールマスクを使用する付着プロセスの第1段階を提供する装置の実施形態。
【図6】ドラムの内部に付着源を備え、ロールトゥロールマスクを使用する付着プロセスの第2段階を提供する装置の実施形態。
【図7】様々な実施形態で長手方向のウェブ位置を制御するための回転モーター及び速度/位置制御システムの概略を説明する図。
【図8】様々な実施形態で横方向のウェブ位置を制御するためのガイドモーター制御システムの概略を説明する図。
【図9】様々な実施形態で2つのウェブの正確な位置合わせを維持するためのウェブ基点位置合わせ制御システムの概略を説明する図。
【図10】付着プロセスの第2段階を提供する装置の実施形態で用いられる制御システムのインターフェースを説明する図。
【図11】図10の説明的な制御システムインターフェースに利用される制御ループ。
【図12】横方向及び長手方向の両方の相対位置をそれぞれ探知するためにマスク及び/又は基材に利用される基点要素模様を説明する図。
【図13】横方向及び長手方向の両方のウェブ位置を探知するための探知システムを説明する概観図。
【図14】横方向及び長手方向の両方のウェブ位置を探知するための探知システムを説明する概観図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に材料模様を連続的に付着させるための装置であって、
前記基材を供給する基材供給ローラーと、
第1の基材受けローラーであり、前記基材が、前記基材供給ローラーから前記基材受けローラーへと広がり、前記基材が前記基材供給ローラーから前記基材受けローラーへと連続的に移動するように前記基材を支持する第1の基材受けローラーと、
第1の模様を定義する開口を含む第1のマスクであり、1以上の前記開口が100μm以下の最小寸法を有する第1のマスクと、
前記第1のマスクを供給する第1のマスク供給ローラーと、
第1のマスク受けローラーであり、前記マスクが前記マスク供給ローラーから前記マスク受けローラーへと広がり、前記第1のマスクが前記第1のマスク供給ローラーから前記第1のマスク受けローラーへと連続的に移動するように前記第1のマスクを支持する第1のマスク受けローラーと、
第1のドラムであり、前記基材及びマスクの供給ローラーより供給されてから前記基材及びマスク受けローラーにより支持されるまでの間に、前記基材と前記第1のマスクとが前記第1のドラムの周辺の一部で接触し、連続的に回転する第1のドラムと、
第1の付着源であり、少なくとも第1の付着材料の一部が前記第1のマスクに設けられた前記開口を通り抜けて前記第1の材料の前記第1の模様が前記基材上に連続的に付着するように、前記第1のドラムの周辺部分に位置する前記第1のマスクの部分に向けて前記第1の付着材料を連続的に誘導するために配置される第1の付着源と、を含む装置。
【請求項2】
前記第1のマスクが高分子マスクである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1のマスクの1以上の前記開口が10μm以下の最小寸法を有する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
第1の基材伸び制御システムであり、前記第1のドラム周辺の一部上で前記基材が接触するときに、前記基材供給ローラーから前記第1のドラムへと供給される方向に前記基材の予め定められた伸びを維持する第1の基材伸び制御システムと、
第1のマスク伸び制御システムであり、前記第1のドラム周辺の一部上で前記第1のマスクが接触するときに、前記第1のマスク供給ローラーから前記第1のドラムへと供給される方向に前記第1のマスクの予め定められた伸びを維持する第1のマスク伸び制御システムと、
を更に含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
第1の基材横方向位置制御システムであり、前記基材の横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1の基材横方向位置制御システムと、
第1のマスク横方向位置制御システムであり、前記第1のマスクの横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1のマスク横方向位置制御システムと、
を更に含む請求項1記載の装置。
【請求項6】
第1の基材横方向位置制御システムであり、前記基材の横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1の基材横方向位置制御システムと、
第1のマスク横方向位置制御システムであり、前記第1のマスクの横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1のマスク横方向位置制御システムと、を更に含み、
前記第1のマスクは更に模様要素を含み、
前記装置は更に少なくとも1つのマスクセンサを含み、該少なくとも1つのマスクセンサは前記第1のマスクの模様要素の探知結果に基づいて信号を生成し、前記少なくとも1つのマスクセンサは前記第1のマスク伸び制御システム及び前記第1のマスク横方向位置制御システムにより利用されている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記基材は模様要素を含み、前記装置は更に少なくとも1つの基材センサを含み、該少なくとも1つの基材センサは前記基材の前記模様要素の探知結果に基づいて信号を生成し、前記少なくとも1つの基材センサは前記基材伸び制御システム及び前記基材横方向位置制御システムにより利用されている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記基材は前記第1のドラムの周辺部分で前記第1のドラムと直接接触し、前記第1のマスクは前記第1のドラムの周辺部分で前記基材と直接接触し、前記第1の付着源は、前記第1のマスクが前記基材と前記第1の付着源との間に位置するように前記第1のドラムの外部に配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記第1のドラムは周辺付近に間隔をおいて配置される開口を含み、前記第1のマスクは前記第1のドラムと直接接触して前記第1のドラムの周辺部分で前記開口に架かり、前記基材は前記第1のドラムの前記周辺部分で前記第1のマスクと直接接触し、前記第1の付着源は、前記第1のマスクが前記基材と前記第1の付着源との間に位置するように前記第1のドラムの内部に配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項10】
第2のマスクであり、1以上の開口が100μm以下の最小寸法を有する第2の模様を定義する開口を含む第2のマスクと、
前記第2のマスクを供給する第2のマスク供給ローラーと、
第2のマスク受けローラーであり、前記第2の高分子マスクが前記マスク供給ローラーから前記マスク受けローラーへと広がり、前記第2のマスクが前記第2のマスク供給ローラーから前記第2のマスク受けローラーへと連続的に移動するように前記第2のマスクを支持する第2のマスク受けローラーと、
第2の基材受けローラーであり、前記基材が前記第1の基材供給ローラーから前記第2の基材受けローラーへと連続的に移動するように、前記基材を支持する第2の基材受けローラーと、
第2のドラムであり、前記基材と前記第2のマスクは前記第2のドラムの周辺の一部で接触することとなり、前記第2のドラムは前記基材供給ローラー及び前記第2の基材受けローラーとの間で前記基材を支持し、連続的に回転する前記第2のドラムと、
第2の付着源であり、少なくとも第2の付着材料の一部が前記第2のマスクに設けられた前記開口を通り抜けて前記第2の材料による前記第2の模様が前記基材上に付着するように、前記第2のドラムの周辺部分に位置する前記第2のマスクの部分に向けて前記第2の付着材料を連続的に誘導するために配置される第2の付着源と、
を更に含む請求項1記載の装置。
【請求項11】
第2の基材伸び制御システムであり、前記第2のドラム周辺の一部上で前記基材が接触するときに、前記基材供給ローラーから前記第2のドラムへと供給される方向に前記基材の予め定められた伸びを維持する第2の基材伸び制御システムと、
第2のマスク伸び制御システムであり、前記第2のドラム周辺の一部上で前記第2のマスクが接触するときに、前記第2のマスク供給ローラーから前記第2のドラムへと供給される方向に前記第2のマスクの予め定められた伸びを維持する第2のマスク伸び制御システムと、
を更に含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
第2の基材横方向位置制御システムであり、前記基材の横方向位置を調整して前記第2のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第2の基材横方向位置制御システムと、
第2のマスク横方向位置制御システムであり、前記第2のマスクの横方向位置を調整して前記第2のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第2のマスク横方向位置制御システムと、
を更に含む請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記第2のマスクは模様要素を含み、前記第1のマスクの開口が、模様要素を形成するために前記基材上に付着するように、前記第1の付着源から前記材料を生じ前記第2のマスク伸び制御システムは、前記基材の前記模様要素を探知することにより信号を生成するセンサを含み、前記信号は、前記第2のマスク供給ローラーと前記第2のドラムの間で前記第2のマスクが供給される方向で前記第2のマスクの前記模様要素と前記基材の前記模様要素との適切な位置合わせを維持するために、前記第2のマスクの予め定められた伸びを調整する前記第2のマスク伸び制御システムで利用される、請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記基材は前記第2のドラムと直接接触し、前記第2のマスクは前記基材と直接接触し、前記第2の付着源は、前記第2のマスクが前記基材と前記第2の付着源との間に位置するように前記第2のドラムの外部に配置される、請求項10記載の装置。
【請求項15】
前記第2のドラムは周辺付近に間隔をおいて配置される開口を含み、前記第2のマスクは前記第2のドラムと直接接触して前記第2のドラムの前記開口に架かり、前記基材は前記第2のマスクと直接接触し、前記第2の付着源は、前記第2のマスクが前記基材と前記第2の付着源との間に位置するように前記第2のドラムの内部に配置される、請求項10記載の装置。
【請求項16】
前記第2のマスクは高分子である、請求項10記載の装置。
【請求項17】
前記第2のマスクの1以上の前記開口が10μm以下の最小寸法を有する、請求項10記載の装置。
【請求項18】
前記第1の基材伸び制御システム及び前記第1のマスク伸び制御システムは、前記基材と前記マスクとの間の位置合わせの許容範囲を50μm未満に維持するように機能する、請求項4記載の装置。
【請求項19】
基材上に材料模様を連続的に付着させるための装置であって、
前記基材を供給する基材供給ローラーと、
第1の基材受けローラーであり、前記基材が前記基材供給ローラーから前記基材受けローラーへと広がり、前記基材が前記基材供給ローラーから前記基材受けローラーへと連続的に移動するように、前記基材を支持する第1の基材受けローラーと、
第1の模様を定義する開口を含む第1のマスク、
前記第1のマスクを供給する第1のマスク供給ローラー、
第1のマスク受けローラーであり、前記マスクが前記マスク供給ローラーから前記マスク受けローラーへと広がり、前記第1のマスクが前記第1のマスク供給ローラーから前記第1のマスク受けローラーへと連続的に移動するように、前記第1のマスクを支持する第1のマスク受けローラーと、
第1のドラムであり、前記基材及びマスクの供給ローラーにより供給されてから前記基材及びマスクの受けローラーにより支持されるまでの間に前記基材及び第1の高分子マスクとが前記第1のドラムの周辺の一部で接触し、連続的に回転する第1のドラムと、
第1の付着源であり、少なくとも第1の付着材料の一部が前記第1のマスクの前記開口を通り抜けて前記基材上に前記第1の材料による前記第1の模様を連続的に付着させるように、前記第1のドラムの周辺部分の前記第1のマスクの部分に向けて前記第1の付着材料を連続的に誘導するために配置される第1の付着源と、
前記基材が前記第1のドラムの周辺の一部で接触するときに、前記基材供給ローラーから前記第1のドラムへの供給方向に予め定められた基材の伸びを維持する、第1の基材伸び制御システムと、
第1のマスク伸び制御システムであり、前記第1のマスクが前記第1のドラムの周辺の一部で接触するときに、前記第1のマスク供給ローラーから前記第1のドラムへの供給方向に前記第1のマスクの予め定められた伸びを維持する、第1のマスク伸び制御システムと、
第1の基材横方向位置制御システムであり、前記基材の横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1の基材横方向位置制御システムと、
第1のマスク横方向位置制御システムであり、前記第1のマスクの横方向位置を調整して前記第1のドラム上の予め定められた横方向位置に合わせるウェブガイドを含む第1のマスク横方向位置制御システムと、
を含む装置。
【請求項20】
前記第1のマスクは高分子である請求項19記載の装置。
【請求項21】
1以上の前記開口が100μm以下の最小寸法を有する請求項19記載の装置。
【請求項22】
前記第1の基材伸び制御システム及び前記第1のマスク伸び制御システムは、前記基材と前記マスクとの間の位置合わせの許容範囲を50μm未満に維持するように機能する、請求項21記載の装置。
【請求項24】
前記第1の基材横方向位置制御システム及び前記第1のマスク横方向位置制御システムは、前記基材と前記マスクとの間の位置合わせの許容範囲を50μm未満に維持するように機能する、請求項21記載の装置。
【請求項25】
材料を連続的に付着させる方法であって、
基材供給ローラーから基材を連続的に供給しながら、前記基材を基材受けローラーで支持することにおいて、前記基材は、前記基材供給ローラーと前記基材受けローラーの間にあるときに第1のドラムの周辺の一部を通過し、
前記基材の供給と支持を連続的に行いながら、第1のマスク供給ローラーから第1のマスクを連続的に供給しつつ前記第1のマスクを第1のマスク受けローラーで支持することにおいて、前記第1のマスクは、前記第1のマスク供給ローラーと前記第1のマスク受けローラーの間にあるときに前記第1のドラムの周辺の一部を通過し、前記第1のマスクは第1の模様を形成する複数個の開口を有し、前記開口の少なくとも一部は100μm以下の最小寸法を有し、
前記基材及び前記第1のマスクの供給と支持を連続的に行いながら、第1の付着材料を、該第1の材料による前記第1の模様が前記基材上に付着するように、第1の付着源から前記第1のドラムの周辺部分上にある前記第1のマスクの一部に向けて連続的に誘導すること、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−501280(P2009−501280A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521572(P2008−521572)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/027063
【国際公開番号】WO2007/008992
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】