説明

基板から残渣を除去する方法

【課題】 基板から残渣を除去する方法を提供することである。
【解決手段】 エッチングプロセス中に形成されるフォトレジストおよびエッチング残渣を除去するエッチング後の処理システムを使用する方法は、記載されている。たとえば、エッチング残渣は、ハロゲンを含む材料を含むことができる。エッチング後の処理システムには、真空チャンバ、真空チャンバに結合されたラジカル発生システム、ラジカル発生システムに結合され、基板より上に反応性のラジカルを分配するように構成されたラジカルガス分配システム、および真空チャンバに結合されるように構成された高温の台が設けられ、基板を支持するように構成されている。方法は、Nベースのプロセスガスをラジカル発生システムに導入することを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本出願と同日付出願の出願中米国特許出願番号xx/xxx,xxx、代理人整理番号287928USの名称「エッチング後の基板の残渣を除去する処理システム」、および本出願と同日付出願の出願中米国特許出願番号xx/xxx,xxx、代理人整理番号287929USの名称「エッチング後の処理システムのガス分配システム」、と関連するものであり、これら全体の内容は、引用によってここに取り入れられるものである。
【0002】
本発明は、基板を処理する方法に関し、特には、エッチングプロセスに続いて基板の残渣の減少されたダメージ除去のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体プロセス中の(ドライ)プラズマエッチングプロセスは、シリコン基板にパターニングされる微細線に沿った、またはビアまたはコンタクト内の材料を除去するかまたはエッチングを行うために利用されることができる。プラズマエッチングプロセスは、一般に上に横たわっているパターニングされた保護マスク層、例えばフォトレジスト層を有する半導体基板を処理チャンバに配置することを含む。一旦、基板がチャンバ内に配置されると、真空ポンプが周囲の処理圧力に到達するようにスロット調整されながら、イオン化可能な、解離性のガス混合は、予め指定された流量でチャンバ内に導入される。その後、存在するガス種の一部が、誘導的若しくは容量的のいずれかのラジオ周波数(RF)パワーの移送を介して、または、たとえば、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を使用したマイクロ波パワーを介して、加熱された電子によってイオン化されるときにプラズマは、形成される。さらに、加熱された電子は、周囲のガス種のいくつかの種を解離させ、露出された表面をエッチングする化学に適した反応種(又は複数の反応種)を作成するために役に立つ。一旦、プラズマが形成されると、基板の選択された表面は、プラズマによってエッチングされる。プロセスは、基板の選択された領域内のさまざまな形態(例えばトレンチ、ビア、コンタクトなど)をエッチングするために望ましい反応物、および、イオン集団の適切な濃度を含む適切な条件を達成するように調整される。エッチングが必要であるこのような基板材料は、二酸化珪素(SiO)、低誘電率(すなわち、low−k)誘電材料、ポリシリコン、および窒化シリコンを含む。一旦、パターンが、パターン化マスク層から、たとえばドライプラズマエッチングを用いて下地層に転写されると、フォトレジストの残っている層、およびエッチング後残渣は、アッシング(またはストリッピング)プロセスを介して除去される。例えば、従来のアッシングプロセスで、フォトレジストの残っている層を有する基板は、二原子酸素(O)の導入、およびそのイオン化/解離から形成される酸素プラズマに曝される。しかしながら、基板に隣接した付近のプラズマの形成は、高エネルギー荷電粒子(例えばエネルギを有する電子など)、および電磁(EM)放射(例えば紫外線(UV)放射)の制御されない曝露に至り得て、これらは、デバイス製造業者に容認できない下地層および/または構造にダメージを引き起こしかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、基板を処理する方法、および、原子もしくは分子ラジカルで基板を処理する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態に係る方法は、Nベースのプロセスガスから導き出される原子または分子ラジカルの流れを使用して、基板の残渣除去について記載される。
【0006】
別の実施形態に係る基板から残渣を除去する方法は、記載され、その方法は、処理チャンバの台上に残渣を有する基板を配置することと;処理チャンバに結合されたラジカル発生チャンバに、xおよびyが1以上の整数であるNを含むプロセスガスを導入することと;ラジカル発生チャンバのプロセスガスのラジカルを形成することと;ラジカル発生チャンバから処理チャンバまでラジカルを移送することと;ラジカルに基板を曝すこととを含む。本発明の別の態様は、処理システムによって実行されるときに、上記のステップを実行するように処理システムを起動する、処理システムで実行されるプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、および説明の目的のためであって限定されるものではない具体的な詳細、例えば処理システムの特定のジオメトリ、および、さまざまなプロセスの説明は、記載される。しかしながら、本発明が、これらの具体的な詳細から離れる他の実施形態においても実施されることができると理解されるべきである。
【0008】
材料処理手順において、パターンエッチングは、光感応材料、例えばフォトレジストの薄膜層の、基板の上面への塗布を含み、この光感応材料は、エッチング中に基板の下層薄膜にこのパターンを転写するマスクを提供するために、その後パターニングされるものである。一般に感光材料をパターニングすることは、たとえば、マイクロリソグラフィシステムを使用して感光材料のレチクル(および、関連した光学部品)を通した放射源によって露光されることを含み、そして、現像溶媒を使用して、感光材料(ポジ型フォトレジストの場合)の照射を受けた領域または非照射領域(ネガ型レジストの場合)の除去へと続かれる。
【0009】
たとえば、図1A〜図1Cに示すように、パターン2(例えば、パターニングされたフォトレジスト)を有する光感応層3を含むマスクは、基板5の薄膜4に、形態パターンを転写するために利用されることができる。パターン2は、形態6を形成するために、例えば、ドライプラズマエッチングを使用して薄膜4に転写され、エッチング終了後、マスク3は除去される。従来は、マスク3は、ポリシリコンエッチングからのハロゲン残渣のような他の残渣と同様に、プラズマ、例えば酸素プラズマに基板を浸すことによって除去され、残っているマスク、および、エッチング後の残渣は、灰化される(または剥離される)。しかしながら、感応性または精巧な構造または層を有する基板を、たとえば半導体製造の前工程(FEOL)アプリケーションの間にドライクリーニングするとき、プラズマに直接さらすことは、エネルギを有する(荷電の)パーティクル、電磁(EM)放射などの存在による有害な影響を有することとなり得る。
【0010】
1つの実施形態に係る処理システム100は、基板125を支持するように構成された台120を有する処理チャンバ110を含んで図2に記載され、そこでは、処理プロセス、例えばエッチング後の処理プロセスは、実行される。基板125は、たとえば、半導体基板、ウェハ、または液晶ディスプレイであることができる。加えて、ラジカル発生システム115は、ラジカル送出システム140を介して、処理チャンバ110に結合される。
【0011】
処理チャンバ110は、ダクトおよび圧力制御システム(例えば真空弁など)を介して真空排気システム170に更に結合され、そこにおいて、排気システム170は、基板125の処理プロセスを実行するのに適している圧力に、およびラジカル発生システム115のラジカルの生産に適している圧力に、処理チャンバ110、ラジカル送出システム140、およびラジカル発生システム115を排気するように構成されている。
【0012】
なお図2を参照し、ラジカル発生システム115は、1つ以上のガス供給導管162を介してガス供給システム160から供給されたプロセスガスから原子ラジカルもしくは分子ラジカルまたはそれら両方を、離れて生成するように構成される。ラジカル発生システム115にて離れて形成されるラジカルは、ラジカル送出システム140を介して移送され、基板125より上の処理空間145に導入される。ラジカル送出システム140は、処理空間145にラジカルを導入し、一方でラジカルの流れに対して最小のインピーダンスを提供し、基板表面に到達する前にラジカルの再結合を抑制する。たとえば、ラジカル送出システムは、ダクト入口がラジカル発生システム115の出口に結合され、ダクト出口が処理チャンバ110に結合されたダクトを含むことができる。
【0013】
ラジカル発生システム115は、基板125に対する最小のダメージで、化学的に何らかの残っているマスク層または残渣のフォトレジスト、エッチング後の残渣と反応し、除去するように構成された1つ以上の化学ラジカルを発生するように構成される。たとえば、ラジカル発生システム115は、酸素含有ガスもしくは弗素含有ガス、または両方を含んでいるプロセスガスから、酸素または弗素ラジカルを生成するように構成されたアップストリームプラズマソースを含むことができる。例えば、プロセスガスは、それぞれ、酸素(O)、CO、CO、NO、NO、NO、(またはさらに一般的にいえば、N)、N、窒素三フッ化物(NF)、NH、O、XeF、ClF、またはC(またはさらに一般的にいえば、C)またはそれらの2つ以上の何らかの組合せを含むことができる。ラジカル発生システム115は、MKS Instruments社から市販されているASTeX(登録商標)製品(90 Industrial Way、ウィルミントン、MA 01887)であるアストロン(登録商標)反応性ガス発生器を含むことができる。
【0014】
ラジカル発生システム115にプロセスガスを供給することに加えて、ガス供給システム160は、1つ以上のガス供給導管162を介してラジカル発生システム115に補助プロセスガスを供給するように、更に構成されることができる。補助プロセスガスは、ラジカル発生システム115にて形成されたラジカルの処理空間145への移送をアシストするためのキャリヤガスとして利用されることができ、または、補助プロセスガスは、プロセスガスおよびプロセスガスから形成されたラジカルを希釈するように利用されることができる。補助ガスは、不活性ガス、例えば希ガス(すなわちHe、Ne、Ar、Kr、Xe)もしくは窒素(N)またはそれらの組合せを含むことができる。たとえば、酸素(O)を有するラジカル発生システム115への窒素の追加は、Oの解離をアシストすることができる。さらにまた、ガス供給システム160は、1つ以上の補助ガス供給導管164を介して処理チャンバ110に直接補助プロセスガスを導入するように構成されることができる。
【0015】
図示はしていないが、ガス供給システム160は、1つ以上のガス供給源、1つ以上のコントロールバルブ、1つ以上のフィルタ、および/または1つ以上のマスフローコントローラを含むことができる。例えば、プロセスガスまたは補助プロセスガスの流量は、ほぼ1sccm(標準状態の1分あたりの立方センチメートル)から、ほぼ10000sccm(または1分につき標準状態で10リットル、slm)までの範囲とすることができる。たとえば、プロセスガスまたは補助プロセスガスの流量は、約1slmから約5slmまでの範囲とすることができる。更なる実施例として、プロセスガスまたは補助プロセスガスの流量は、約3slmから約5slmまでの範囲とすることができる。
【0016】
ラジカル発生システム115からのダウンストリームで、ラジカルは、ラジカル送出システム140を介し、処理チャンバ110内の処理空間145に流れる。ラジカル送出システム140は、温度を制御するために、気相ライン温度制御システム(図示せず)に結合されることができる。たとえば、温度は、ほぼ20℃からほぼ100℃までの範囲の値にセットされることができ、別の実施例として、温度は約40℃から約80℃までの範囲の値にセットされることができる。加えて、たとえば、ラジカル送出システム140は、約50リットル/秒を上回る高コンダクタンスによって特徴づけられることができる。
【0017】
一旦ラジカルフローが処理空間145に入ると、ラジカルは、化学的に基板125の表面上の残渣と反応する。台120は、温度制御システム130に結合されている台120の中に埋め込まれた加熱部材135によって基板125の温度を上昇させるように構成される。加熱部材135は、抵抗加熱部材であることができ、または、加熱部材135は、熱電デバイスのアレイを含むことができる。基板ホルダ内の熱電デバイスの使用に対する付加的な詳細は、係属中の米国特許出願番号10/809,787号の名称「急速な温度変化および制御のための方法および装置」で提供され、その全体の内容は、参照によってここに取り入れられる。たとえば、温度制御システム130は、ほぼ500℃まで基板125の温度を上昇させるように構成されることができる。1つの実施形態において、基板温度は、約40℃から約500℃までの範囲とすることができる。別の実施形態において、基板温度は、約100℃から約300℃までの範囲とすることができる。加えて、処理チャンバ110は、チャンバ壁の温度を制御するように構成された温度制御システム130に結合されることができる。
【0018】
基板125の温度を上昇させることに加えて、台120は、処理の間、基板125を支持するように構成される。台120は、台120の上面およびおよび処理チャンバ110の移送面へ、およびその面から垂直に基板125を移動するために3つ以上のリフトピンを上下させることが可能なリフトピンアセンブリ(図示せず)を更に備えることができる。
【0019】
リフトピンアセンブリにおいて、基板リフトピンは、共通のリフトピン部材に結合されることができ、台120の上面の下でまで降ろされることができる。
【0020】
たとえば、電気駆動システム(電気ステッパーモータ、およびねじ付きロッドを有する)または空気圧式駆動システム(エアーシリンダを有する)を利用する駆動機構(図示せず)は、共通のリフトピン部材を上下させる方法を提供する。基板125は、ゲートバルブ(図示せず)およびチャンバフィードスルー通路を通って処理チャンバ110との間で移送されることができ、移送面で位置合わせされることができ、ロボット移送システム(図示せず)を介して、基板リフトピンによって受けられることができる。一旦基板125が移送システムから受けられると、それは、基板リフトピンを降下させることによって台120の上面まで降ろされることができる。
【0021】
本発明の発明者は、エッチング後のクリーニングシステムのような従来の処理システムが、基板を保持する基板クランプ機構(例えば静電チャック)および/または基板の温度コントロールを容易にする基板裏面ガスフローシステムを含むことを認めている。このような形態が、本発明のいくつかの実施形態によって使用されることができる一方、本発明の発明者は、基板クランピング、および/またはウェハ裏面ガスフローは、エッチング後のクリーニングプロセスに対して、特にリモートラジカル発生器が使用されるところでは、必要でないと決定した。すなわち、本発明の発明者は、エッチング後のクリーニングシステムの台がコストを実質的に減少するために単純化されることができることを見いだした。したがって、本発明の1つの実施形態に係る処理システムは、クランプ機構を有しない台を含むか、裏面ガスフロー機構を有しないか、または、これらの形態のどちらも有しない。
【0022】
基板の台120上での移動またはスリップを防止するために、台120の上面は1つ以上の溝によって切り目をつけられることができる。そこにおいて、1つ以上の溝のうちの少なくとも1つは台のエッジに延びる。台120の上面に対する基板125の移動の間、台120の上面の1つ以上の溝は、たとえば、基板125の動き(またはすべり)を可能にすることができる潤滑層の形成を最小にする。1つ以上の溝のうちの少なくとも1つは、基板125の裏面と、台120の上面との間に閉じ込められ、潤滑層の形成が生じ得る雰囲気ガスの漏出を可能にするために台120のエッジまで延びる。
【0023】
さらに、台120の上面からの基板125の移動の間、まず最初に台120の上面から基板125を移動するときに、台120の上面の1つ以上の溝は、たとえば、台120に基板125のくっつき(吸込みによる)を最小にする。1つ以上の溝のうちの少なくとも1つは、基板リフトオフを容易にするために基板125の裏面と、台120の上面との間の雰囲気ガスの侵入を可能にするために、台120のエッジまで延びる。
【0024】
ここで図9〜図11を参照し、いくつかの実施例は、1つ以上の溝を有する台の上面に切り目をつけて提供される。図9〜図11に示されるいずれかの台構成は、ここで開示される処理システムのいずれにも使用されることができる。図9は、溝701の第1のアレイと、実質的に矩形のパターンを形成する溝702の第2のアレイとを有する台120を記載する。溝701の第1のアレイと、溝702の第2のアレイとは、互いに対して実質的に垂直で、台120の周囲エッジまで延びる。図10は、実質的に半径方向の溝801の第1のアレイと、実質的に円形パターンを形成する実質的に円形溝802の第2のアレイとを有する台120’を記載する。溝801の第1のアレイと、溝802の第2のアレイとは、実質的に互いに垂直であり、半径方向の溝801の第1のアレイは、台120’の周囲エッジまで延びる。図11は、台120’’の周囲エッジに延びる実質的に半径方向の溝901のアレイを有する台120’’を記載する。
【0025】
図2にて図示したように、排気ラインは、処理チャンバ110を真空排気システム170に接続する。真空排気システム170は、所望の真空度に処理チャンバ110を排気し、プロセスの間、処理チャンバ110からガス種を除去するための真空ポンプを含む。自動圧力コントローラ(APC)、および、オプションのトラップは、真空ポンプと直列に使用されることができる。真空ポンプは、ドライ荒引きポンプを含むことができる。別の形態として、真空ポンプは、1秒あたり5000リットル(および、より高い)まで、排気送り(feed)が可能なターボ分子ポンプ(TMP)を含むことができる。プロセス中、プロセスガス、もしくは補助プロセスガス、またはそれらの何らかの組合せは、処理チャンバ110に導入されることができ、チャンバ圧力は、APCによって調整されることができる。たとえば、チャンバ圧力は、ほぼ1mTorrからほぼ50Torrまでの範囲とすることができ、更なる実施例で、チャンバ圧力は、約1Torrから約10Torrまでの範囲とすることができる。APCは、バタフライ形式バルブまたはゲートバルブを含むことができる。トラップは、処理チャンバ110から副生成物を収集することができる。
【0026】
加えて、処理システム100内の何らかの部材は、セラミック材料、例えば酸化アルミニウムまたはイットリウム酸化物でコーティングされることができる。たとえば、何らかの部材は、Al、Sc、Sc、YF、La、Y、および、DyOからなる群から選択される材料でコーティングされることができる。
【0027】
なお図2を参照し、処理システム100は、処理システム100の操作、および、その操作を制御するように構成されたコントロールシステム180を更に含むことができる。コントロールシステム180は、処理チャンバ110、台120、温度制御システム130、ラジカル発生システム115、ガス供給システム160、および真空排気システム170に結合される。
【0028】
コントロールシステム180は、マイクロプロセッサ、メモリ、および、処理システム100と通信し、処理システム100からモニター出力と同様に処理システム100の入力をアクティブにするために十分な制御電圧を生成することが可能なデジタル入出力ポートを含むことができる。
【0029】
さらに、コントロールシステム180は、処理チャンバ110、台120、温度制御システム130、ラジカル発生システム115、ガス供給システム160、および、真空排気システム170に結合され、それらと情報を交換する。メモリに格納されたプログラムは、保存されたプロセスレシピによって処理システム100の上記コンポーネントの制御に利用される。処理システムのコントロールシステム180の1つの実施例は、テキサス、ダラスのデル社から入手可能なデルプレシジョンワークステーション610(登録商標)である。コントロールシステム180は、また、汎用コンピュータ、デジタル信号プロセスなどとして実行されることができる。
【0030】
しかしながら、メモリに含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行しているプロセッサに応答して本発明の処理ステップに基づいてマイクロプロセッサの部分または全てを実行する汎用計算機システムとして、コントロールシステム180は、実行されることができる。このような命令は、別のコンピュータの読み取り可能な媒体、例えばハードディスクまたはリムーバブルメディアドライブから、コントローラメモリに読み込まれることができる。マルチプロセッシング装置の1つ以上のプロセッサは、また、主メモリに含まれる命令のシーケンスを実行するために、コントローラマイクロプロセッサとして使用されることができる。代わりの実施例では、配線による回路は、ソフトウェア命令の代わりにまたは結合して使用されることができる。したがって、実施形態は、ハードウェア回路、および、ソフトウェアの何らかの特定の組合せに限定されない。
【0031】
本発明の教示に係るプログラムされた命令を保持するために、および、本発明を実施するのに必要であるデータ構造、テーブル、レコード、または他のデータを保存するために、コントロールシステム180は、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体またはメモリ、例えばコントローラメモリを有する。コンピュータ読み取り可能なメディアの実施例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、または、他のいかなる磁気媒体、コンパクトディスク(例えばCD―ROM)、または他のいかなる光学的媒体、パンチカード、紙テープ、または、孔パターンを有する他の物理メディア、搬送波(carrier wave)(以下に記載する)、またはコンピュータが読むことができる他のいかなる媒体でもある。
【0032】
コンピュータ読み取り可能なメディアのどれかの、または組合せに保存された本発明は、コントロールシステム180を制御するための、本発明を実施するためのデバイスまたは複数のデバイスを駆動するための、および/またはコントローラが人間のユーザと相互に作用することを可能にするためのソフトウェアを含む。このようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、および、アプリケーションソフトを含むが、これらに限定されるものではない。このようなコンピュータ読み取り可能なメディアは、本発明を実施する際に実行されるプロセスの全部又は一部(もしプロセスが分配されるならば)を実行するための本発明のコンピュータプログラム製品を更に含む。
【0033】
本発明のコンピューターコードデバイスは、スクリプト、解釈可能な(interpretable)プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス、および、完成した(complete)実行可能プログラムを含むがこれに限定されない何らかの解釈可能な、または実行可能コードメカニズムであることができる。さらに、本発明のプロセスの部分は、より良好な性能、信頼性、および/または費用のために分配されることができる。
【0034】
ここで使用する用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実行のためのコントロールシステム180のプロセッサに命令を提供する際に関係する何らかの媒体を指す。コンピュータ読み取り可能な媒体は、不揮発性のメディア、揮発性のメディア、および、伝送メディアを含むがこれに限定されるものではない多くの形態をとることができる。不揮発性のメディアは、たとえば、光学的、磁気的ディスク、および、光磁気ディスク、例えばハードディスクまたはリムーバブルメディアドライブを含む。揮発性のメディアは、ダイナミックメモリ、例えば主メモリを含む。さらに、コンピュータ読み取り可能なメディアの多数の形態は、実行のためのコントローラのプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行する際に含まれることができる。たとえば、命令は、まず最初にリモートコンピュータの磁気ディスク上に移動されることができる。リモートコンピュータは、遠く離れて、本発明の全てまたは一部を実施するための命令をダイナミックメモリへロードすることができ、コントローラ180にネットワーク上で命令を送ることができる。
【0035】
コントロールシステム180は、処理システム100に対して近くで位置づけられることができ、または、それは、インターネットまたはイントラネットを介して処理システム100に対して遠く離れて位置づけられることができる。したがって、コントロールシステム180は、直接接続、イントラネット、またはインターネットの少なくとも1つを使用して処理システム100とデータを交換することができる。コントロールシステム180は、顧客サイト(すなわちデバイスメーカーなど)でイントラネットに接続することができ、またはベンダーサイト(すなわち装置製造業者)で、イントラネットに接続することができる。さらにまた、別のコンピュータ(すなわちコントローラ、サーバなど)は、直接接続、イントラネット、またはインターネットの少なくとも1つを介してデータを交換するために、コントロールシステム180にアクセスすることができる。
【0036】
上記の如く、図2の処理システム100は、処理チャンバ内の基板にラジカルのリモート生成、および、このようなラジカルの送出を提供する。このような構成は、基板の付近の高エネルギーに電荷したパーティクルによって引き起こされ得る基板へのダメージを最小にする一方で、基板の処理、例えばエッチング後のクリーニングを可能とする。しかしながら、リモートラジカル発生器の使用は、基板の処理速度を低下させることとなり得て、および/または基板の不均一性処理を生じることとなり得る。本発明の発明者は、基板での処理速度に影響を及ぼすラジカルの速度の再結合として同様に、ラジカル送出システムのジオメトリのような設計特徴がラジカルの一様分布に影響を及ぼすことができることを見いだした。通常、基板表面に対するラジカルの妨げられてない流れは、処理速度を改良するように再結合を減少するが、処理の不均一性を提供する。逆にいえば、ガス流れに対する障害(例えば分配プレート)を提供することは、均一性を改良することができるが、処理速度を減少することになり得る。したがって、本発明の実施形態は、均一な基板処理および/または基板処理速度を制御する異なるラジカル送出システムを含む。
【0037】
ここで図3を参照し、処理システム200は、別の実施形態に係るものを示す。処理システム200は、たとえば、図2の実施形態に類似したものであることができ、そこにおいて、同じであるか同様のコンポーネントを示すように、同様の参照番号を付す。処理システム200は、ダクト242を介してラジカル発生システム115の出口に結合されたガス分配プレナム244を有するラジカル送出システム240を備えている。ガス分配プレナムは、ガス分配プレート246に形成された複数の開口を介して処理空間245内に、ダクト242から受けとったラジカルを分配する。ガス分配プレナム244は、実質的に円筒状ボリュームを備えている。
【0038】
ガス分配プレート246は、ほぼ1個の開口からほぼ1000個の開口までの数の範囲として、望ましくは、ほぼ10個の開口からほぼ100個の開口までの数の範囲としての複数の開口を有して設計されていることができる。加えて、たとえば、ガス分配プレート246は、複数の開口を有して設計されていることができ、そして、各々の開口が、ほぼ1mmからほぼ100mmまでの範囲として、望ましくは、ほぼ4mmからほぼ10mmまでの範囲とする直径を有する。さらにまた、たとえば、ガス分配プレート246は、複数の開口を有して設計されていることができ、そして、各々の開口が、ほぼ1mmからほぼ100mmまでの範囲として、および、望ましくは、ほぼ2mmからほぼ20mmまで範囲とする長さを有する。
【0039】
1つの実施形態において、1つ以上の開口は、ガス分配プレート246に均一に分配される。別の形態として、もう一つの実施例では、1つ以上の開口の分配は、均一でない。たとえば、ガス分配プレート246の中央域の範囲内よりも多くの開口が、ガス分配プレート246の周辺領域内にあることができる。
【0040】
ガス分配プレート246は、アルミニウムまたは陽極処理アルミニウムのような金属、またはセラミックで製作されることができる。たとえば、ガス分配プレート246は、石英、シリコン、窒化シリコン、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウムなどから製作されることができる。加えて、ガス分配プレート246は、セラミック材料、例えば酸化アルミニウムまたはイットリウム酸化物でコーティングされることができる。たとえば、ガス分配プレート246は、Al、Sc、Sc、YF、La、Y、および、DyOからなる群から選択される材料でコーティングされることができる。
【0041】
ここで図4を参照して、処理システム300は、別の実施形態に係るものが示される。そこにおいて、処理システム300は、たとえば、図2の実施形態に同様であることができ、似た参照番号が、同じであるか同様のコンポーネントを示すように付される。処理システム300は、ラジカル発生システム115の出口に結合されたガス拡散体344を有するラジカル送出システム340を備えている。ガス拡散体344は、ガス拡散体(gas diffuser)344の出口に結合するガス分配プレート346に形成された複数の開口を介して処理空間345内にラジカル発生システム115から受け取られたラジカルを分配する。たとえば、ガス拡散体344は、実質的に円錐ボリュームを含む。加えて、たとえば、図4に示すように、ガス拡散体344は、第2のエントラント領域343に結合された第1のエントラント領域342を含むことができる。第1のエントラント領域342、および、第2のエントラント領域343は、たとえば、実質的に円錐であることができる。そこにおいて、第1のエントラント領域342の半角(half angle)は、第2のエントラント領域343の半角未満である。たとえば、第1のエントラント領域342の半角は、ほぼ45度以下であることができる。別の形態として、たとえば、第1のエントラント領域342の半角は、ほぼ20度以下であることができる。あるいは、まだ、たとえば、第1のエントラント領域342の半角は、ほぼ15度以下であることができる。ガス分配プレート346は、たとえば、図3の実施形態に同様であることができる。
【0042】
ここで図5を参照して、処理システム400は、別の実施形態に係るものが記載されている。処理システム400は、たとえば、図2の実施形態に同様であることができ、そこにおいて、類似の参照番号が、同じであるか同様のコンポーネントを示すように付されている。処理システム400は、ラジカル発生システム115の出口に結合されたガス拡散体444を有するラジカル送出システム440を備えている。ガス拡散体444は、処理空間445内にラジカル発生システム115から受け取られたラジカルを分配する。たとえば、ガス拡散体444は、実質的に円錐ボリュームを含む。加えて、たとえば、図5に示すように、ガス拡散体444は、第2のエントラント領域443に結合された第1のエントラント領域442を含むことができる。第1のエントラント領域442、および、第2のエントラント領域443は、たとえば、実質的に円錐であることができ、そこにおいて、第1のエントラント領域442の半角は、第2のエントラント領域443の半角未満である。たとえば、第1のエントラント領域442の半角は、ほぼ45度以下であることができる。別の形態として、たとえば、第1のエントラント領域442の半角は、ほぼ20度以下であることができる。あるいは、まだ、たとえば、第1のエントラント領域442の半角は、ほぼ15度以下であることができる。
【0043】
ここで図6Aおよび図6Bを参照して、処理システム500は、別の実施形態に係るものが記載されている。そこにおいて、処理システム500は、たとえば、図2の実施形態に同様であることができ、類似の参照番号が、同じであるか同様のコンポーネントを示すように付されている。処理システム500は、ラジカル発生システム115の出口に結合されたガス拡散体544を有するラジカル送出システム540を含む。ガス拡散体544は、処理空間545内にラジカル発生システム115から受け取られるラジカルを分配する。たとえば、ガス拡散体544は、実質的に円錐ボリュームを含む。加えて、たとえば、図6Aに示すように、ガス拡散体544は、第2のエントラント領域543に結合された第1のエントラント領域542を含むことができる。第1のエントラント領域542、および、第2のエントラント領域543は、たとえば、実質的に円錐であることができる。そこにおいて、第1のエントラント領域542の半角は第2のエントラント領域543の半角未満である。たとえば、第1のエントラント領域542の半角は、ほぼ45度以下であることができる。別の形態として、たとえば、第1のエントラント領域542の半角は、ほぼ20度以下であることができる。あるいは、たとえば、第1のエントラント領域542の半角は、ほぼ15度以下であることができる。
【0044】
図6Aおよび図6Bに示すように、拡散体プレート546は、第1のエントラント領域542の出口と、ガス拡散体544の第2のエントラント領域543の入口との間に位置づけられる。別の形態として、拡散体プレート546は、ガス拡散体544の第2のエントラント領域543の出口に位置づけられる。拡散体プレート546は、中央ボディ548、例えばディスクを含み、そして、1つ以上の支持アーム547(2本の支持アームは、図6Bに示される)で支えられ、そして、ラジカルが流れることができる1つ以上の通路549(2つの通路は、図6Bに示される)を残している。中央ボディ548は、円形、矩形、または何らかの形状であることができ、ラジカル発生システム115の出口から放射しているガス流れの軸方向の運動量を拡散するように構成される。任意に、図4にて図示したように、ガス分配プレートは、また、拡散体プレート546のダウンストリームに使用されることができる。
【0045】
拡散体プレート546は、アルミニウムまたは陽極処理アルミニウムのような金属、またはセラミックで製作されることができる。たとえば、拡散体プレート546は、石英、シリコン、窒化シリコン、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウムなどから製作されることができる。加えて、拡散体プレート546は、セラミック材料、例えば酸化アルミニウムまたはイットリウム酸化物でコーティングされることができる。たとえば、拡散体プレート546は、Al、Sc、Sc、YF、La、Y、および、DyOからなる群から選択される材料でコーティングされることができる。
【0046】
ここで図7を参照して、処理システム600は、別の実施形態に係るものが記載される。そこにおいて、処理システム600は、たとえば、図2の実施形態に同様であることができ、類似の参照番号が、同じであるか同様のコンポーネントを示すように付される。処理システム600は、ラジカル発生システム115の出口に結合されたガス拡散体644を有するラジカル送出システム640を含む。ガス拡散体644は、処理空間645内にラジカル発生システム115から受け取られたラジカルを分配する。たとえば、ガス拡散体644は、実質的に円錐ボリュームを含む。加えて、たとえば、図7に示すように、ガス拡散体644は、第2のエントラント領域643に結合された第1のエントラント領域642を含むことができる。第1のエントラント領域642、および、第2のエントラント領域643は、たとえば、実質的に円錐であることができる。そこにおいて、第1のエントラント領域642の半角は第2のエントラント領域643の半角未満である。たとえば、第1のエントラント領域642の半角は、ほぼ45度以下であることができる。別の形態として、たとえば、第1のエントラント領域642の半角は、ほぼ20度以下であることができる。あるいは、たとえば、第1のエントラント領域642の半角は、ほぼ15度以下であることができる。
【0047】
図7に示すように、拡散体プレート646は、第1のエントラント領域642の出口と、ガス拡散体644の第2のエントラント領域643の入口との間に位置づけられる。別の形態として、拡散体プレート646は、ガス拡散体644の第2のエントラント領域643の出口に位置づけられる。拡散体プレート646は、たとえば、図6Aおよび図6Bに示される拡散体プレート546に類似して設計されることができる;しかしながら、それは、2本以上の支持アームで支えられる円錐中央ボディ647を更に備えることができ、そして、ラジカルが流れることができる2つ以上の通路を残すことができる。円錐拡散体ボディ647は、円形、矩形、または何らかの形状であることができ、ラジカル発生システム115のアウトプットから放射しているガス流れの軸方向の運動量を拡散するように構成される。任意に、図4にて図示したように、ガス分配プレートは、また、拡散体プレート646のダウンストリームに使用されることができる。
【0048】
ここで図8Aおよび図8Bを参照して、処理システム700は、別の実施形態に係るものが記載される。処理システム700は、たとえば、図2の実施形態に同様であることができ、そこにおいて、類似の参照番号が同じであるか同様のコンポーネントを示すように付される。処理システム700は、ラジカル発生システム115の出口に結合されたガス拡散体744を有するラジカル送出システム740を含む。ガス拡散体744は、処理空間745内にラジカル発生システム115から受け取られたラジカルを分配する。たとえば、ガス拡散体744は、実質的に円錐ボリュームを含む。加えて、たとえば、図8Aに示すように、ガス拡散体744は、第2のエントラント領域743に結合された第1のエントラント領域742を含むことができる。第1のエントラント領域742、および、第2のエントラント領域743は、たとえば、実質的に円錐であることができる。そこにおいて、第1のエントラント領域742の半角は、第2のエントラント領域743の半角未満である。たとえば、第1のエントラント領域742の半角は、ほぼ45度以下であることができる。別の形態として、たとえば、第1のエントラント領域742の半角は、ほぼ20度以下であることができる。あるいは、たとえば、第1のエントラント領域742の半角は、ほぼ15度以下であることができる。
【0049】
図8Aおよび図8Bに示すように、拡散体プレート746は、ガス拡散体744の第2のエントラント領域743の出口に位置づけられる。拡散体プレート746は、たとえば、図7に示される拡散体プレート646に類似して設計されることができる。拡散体プレート746は、1つ以上の支持アームで支えられる円錐中央ボディ747を含み、そして、ラジカルが流れることができる1つ以上の通路を残すことができる。別の形態として、拡散体プレート746は、円錐中央ボディ747を支持するように構成された蒸気(vapor)分配プレートを含み、そこにおいて、複数の開口749は、円錐中央ボディ747のベースと、ガス拡散体744の第2のエントラント領域743の内壁との間の拡散体プレート746の周辺領域を通って形成される。円錐の中央ボディ747は、円形、矩形、または何らかの形状であることができ、ラジカル発生システム115のアウトプットから放射しているガス流れの軸方向の運動量を拡散するように構成される。
【0050】
なお図8Aおよび図8Bを参照し、処理システム700は、真空排気システム170に対する基板125の周囲エッジの向こう側のプロセスガスの流れを妨げるために、台エッジリング750、および/もしくは拡散体プレートエッジリング752、または両方を更に備える。台エッジリング750、もしくは拡散体プレートエッジリング752、または両方は、ほぼ10%からほぼ80%までのどこかで、望ましくは、ほぼ20%からほぼ50%までのどこかで、基板125の周囲エッジでフロースロー(flow―through)空間を減少するように構成されることができる。これは、基板全体のラジカルのより均一な分配を提供することができ、および/または、基板の処理速度を改良することができる。
【0051】
台エッジリング750、もしくは拡散体プレートエッジリング752、または両方は、アルミニウムまたは陽極処理アルミニウムのような金属、またはセラミックで製作されることができる。たとえば、各々のリングは、石英、シリコン、窒化シリコン、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウムなどから製造されることができる。加えて、各々のリングは、セラミック材料、例えば酸化アルミニウムまたはイットリウム酸化物でコーティングされることができる。たとえば、各々のリングは、Al23、Sc23、Sc23、YF3、La23、Y23、および、DyO3からなる群から選択される材料でコーティングされることができる。
【0052】
図12は、実施形態に係る基板から残渣を除去する方法のフローチャートを示す。フローチャート1000は、残渣を有する基板を処理チャンバの台に配置することに関する1010で開始する。台は、図9〜図11の台構成のいずれかであることができ、処理チャンバは、図2〜図8に記載されたどれか1つ、またはそれらのどれかの組み合わせを含むことができる。残渣は、エッチングプロセスから残渣を含むことができる。
【0053】
1020において、プロセスガスは、処理チャンバに結合されたラジカル発生チャンバに導入される。プロセスガスはNを含むみ、そこにおいて、xおよびyは、1以上の整数である。プロセスガスは、NO、NOもしくはNOの1つ以上、またはそれらの2つ以上の組合せを含んでいる。望ましくは、プロセスガスはNOを含み、そして、ここで開示されたようなリモートラジカル発生システムを使用するときに、それは、良好な処理速度を提供すると予想される。Nガスは、後述するようにNおよび/またはOガスの有無にかかわらず使用されることができる。別の形態として、プロセスガスは、酸素含有ガス、例えばO、CO、もしくはCOまたはそれらの2つ以上の組合せを更に含む。本発明の発明者は、酸素含有ガスが基板にダメージを与える可能性のために(特にFEOLオペレーションにおいて)、局所的プラズマに対して好ましくなくなる一方、ダメージを最小にしながら、リモートラジカル発生装置で使用される酸素含有ガスが基板の処理速度を容易にすることができると認識した。別の形態として、プロセスガスは、窒素含有ガス、例えばN、NHもしくはNF3またはそれらの2つ以上の組合せを更に含む。別の形態として、プロセスガスは、ハロゲン含有ガス、例えばCを更に含み、そこにおいて、xおよびyは1以上の整数である。あるいは、まだ、プロセスガスは、N、および、Oを更に含む。あるいは、まだ、プロセスガスは、NO、N、および、Oから成る。別の形態として、プロセスガスは、不活性ガス、例えば希ガスを更に含む。
【0054】
たとえば、プロセスパラメータ空間は、約1〜約10Torrのチャンバ圧力、約3slmから約5slmまでの範囲のプロセスガス流量、および、約100℃から約300℃までの範囲の台の温度を含むことができる。
【0055】
1030において、プロセスガスのラジカルは、ラジカル発生チャンバにおいて形成される。ラジカルは、プラズマを形成し、プロセスガスの解離を引き起こすことによって形成されることができる。別の形態として、プロセスガスを解離させることの他の技術は、電磁(EM)放射、例えば紫外線(UV)放射を含み、使用されることができる。
【0056】
1040において、プロセスガスから形成されるラジカルは、ラジカル発生チャンバから処理チャンバまで移送される。たとえば、ラジカルは、図2〜図8に記載されたラジカル送出システムのどれか、またはそれらの何らかの組合せを介して移送されることができる。
【0057】
1050において、基板はラジカルの流れに曝され、残渣は、除去される。ラジカル発生チャンバのプラズマに曝されない一方、基板は、ラジカルに曝されることができる。
【0058】
本発明の特定の実施形態だけが、上で詳述されたが、当業者は、本発明の新規進歩の事項から逸脱することなく実施形態において多数の変更態様が可能であることを容易に理解することができる。したがって、全てのこのような変更態様は、本発明の範囲内に含まれることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1A】薄膜をパターンエッチングするための手順の概略表現を示す図である。
【図1B】薄膜をパターンエッチングするための手順の概略表現を示す図である。
【図1C】薄膜をパターンエッチングするための手順の概略表現を示す図である。
【図2】本発明の1つの実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図6A】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図6B】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図8A】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図8B】本発明の他の実施形態に係る処理システムの概略図を示す図である。
【図9】本発明の1つの実施形態に係る基板ホルダの上面の平面図を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る基板ホルダの上面の平面図を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る基板ホルダの上面の平面図を示す図である。
【図12】本発明の1つの実施形態に係る基板上の残渣を除去する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
100…処理システム、 115…ラジカル発生システム、 120…台、 125…基板、 130…温度制御システム、 135…加熱部材、 140…ラジカル送出システム、 145…処理空間、 160…ガス供給システム、 162…ガス供給導管、 164…補助ガス供給導管、170…真空排気システム、 180…コントロールシステム、 200…処理システム、240…ラジカル送出システム、 242…ダクト、 244…ガス分配プレナム、 245…処理空間、 246…ガス分配プレート、 300…処理システム、 340…ラジカル送出システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板から残渣を除去する方法であって、
処理チャンバの台に前記残渣を有する前記基板を配置することと;
前記処理チャンバに結合されたリモートラジカル発生チャンバに、xおよびyが1以上の整数であるNを含んだプロセスガスを導入することと;
前記リモートラジカル発生チャンバの前記プロセスガスからラジカルを形成することと;
前記リモートラジカル発生チャンバから前記処理チャンバまで前記ラジカルを移送すること;
前記ラジカルに前記基板を曝すこととを具備する方法。
【請求項2】
前記残渣を有する前記基板を前記配置することは、エッチングプロセスからの残渣を有する基板を配置することを備えている請求項1の方法。
【請求項3】
前記プロセスガスを前記導入することは、NO、NO、もしくはNOの1つ以上、またはそれらの2つ以上の組合せを導入することを備えている請求項1の方法。
【請求項4】
前記プロセスガスを前記導入することは、酸素含有ガスを導入することを更に備えている請求項1の方法。
【請求項5】
前記酸素含有ガスを前記導入することは、O、CO、もしくはCOの1つ以上、またはそれらの2つ以上の組合せを導入することを備えている請求項4の方法。
【請求項6】
前記プロセスガスを前記導入することは、窒素含有ガスを導入することを更に備えている請求項1の方法。
【請求項7】
前記窒素含有ガスを前記導入することは、N、NH、もしくはNF3の1つ以上、またはそれらの2つ以上の組合せを導入することを備えている請求項6の方法。
【請求項8】
前記プロセスガスを前記導入することは、ハロゲン含有ガスを導入することを更に備えている請求項1の方法。
【請求項9】
前記ハロゲン含有ガスを前記導入することは、xおよびyが1以上の整数であるCを含むプロセスガスを導入することを備えている請求項8の方法。
【請求項10】
前記プロセスガスを前記導入することは、不活性ガスを導入することを更に備えている請求項1の方法。
【請求項11】
前記不活性ガスを前記導入することは、希ガスを導入することを備えている請求項10の方法。
【請求項12】
前記プロセスガスを前記導入することは、NおよびOを導入することを更に備えている請求項1の方法。
【請求項13】
前記プロセスガスを前記導入することは、NO、N、およびOからなるプロセスガスを導入することを備えている請求項1の方法。
【請求項14】
前記ラジカル発生チャンバの前記プロセスガスから前記ラジカルを形成することは、プラズマを使用し、前記プロセスガスの解離を引き起こすことによって、前記プロセスガスからラジカルを形成することを備えている請求項1の方法。
【請求項15】
前記ラジカルに前記基板を前記曝すことは、前記基板を前記プラズマに曝さない一方で、前記基板をラジカルに曝すことを備えている請求項14の方法。
【請求項16】
ほぼ500℃までの範囲の温度に前記基板を加熱することを、更に具備する請求項1の方法。
【請求項17】
前記基板の温度は、ほぼ100℃からほぼ300℃までの範囲である請求項16の方法。
【請求項18】
前記処理チャンバの圧力をほぼ1Torrからほぼ10Torrまでの範囲としてセットすることを更に具備する請求項1の方法。
【請求項19】
前記プロセスガスの流量は、ほぼ1slm(分あたりの標準状態でのリットル)からほぼ10slmまでの範囲である請求項1の方法。
【請求項20】
処理システムに起動される処理システムで実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記処理システムによって実行されるときに、次の工程を実行するものであって、
処理チャンバの台に残渣を有する基板を配置する工程と;
前記処理チャンバに結合されたリモートラジカル発生チャンバに、xおよびyが1以上の整数であるNを含んだプロセスガスを導入する工程と;
前記リモートラジカル発生チャンバの前記プロセスガスからラジカルを形成する工程と;
前記リモートラジカル発生チャンバから前記処理チャンバまで前記ラジカルを移送する工程と;
前記ラジカルに前記基板を曝す工程とを実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−266609(P2007−266609A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−84907(P2007−84907)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】