基板の外観検査装置および外観検査方法
【課題】微小な電子部品であっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる基板の外観検査装置および外観検査方法を提供する。
【解決手段】照明パターン選択手段(照明パターン選択部47)は、複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光照射手段(照明20)による照明光の照射パターンを選択し、画像取得手段(カメラ10)は、照明パターン2が選択された場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品の実装面に略平行な面(上面)および実装面に略垂直な面(側面)により形成されるエッジが、電子部品の側面からの拡散光によって電子部品の外形として表され、エッジ検出手段(エッジ検出部48)はこれらの画像から電子部品の外形を示すエッジを検出する。
【解決手段】照明パターン選択手段(照明パターン選択部47)は、複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光照射手段(照明20)による照明光の照射パターンを選択し、画像取得手段(カメラ10)は、照明パターン2が選択された場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品の実装面に略平行な面(上面)および実装面に略垂直な面(側面)により形成されるエッジが、電子部品の側面からの拡散光によって電子部品の外形として表され、エッジ検出手段(エッジ検出部48)はこれらの画像から電子部品の外形を示すエッジを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の外観検査装置および外観検査方法に関する。さらに詳しくは、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる基板の外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品の外観を検査するために、電子部品に対し撮像方向の斜め方向から照明光を照射することにより電極部のエッジに他との輝度差を生じさせ、これによりエッジの位置を検出することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、斜め方向からの照明光の照射により基板面に電子部品の影を生じさせ、これにより基板上の電子部品の位置を検出することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−184410号公報
【特許文献2】特開昭63−106509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、図12(A)および(B)に示すように、電子部品Pに対し撮像方向の斜め方向から照明光Lを照射することにより、外装部Pjと電極部Pdとの間の段差Dからの正反射光Mrを受光して撮影する。そして、図13(A)および(B)に示すように、撮影した画像Iの輝度GIのうち、電極端に対応する画像成分Ipjの輝度値GIphと、外装部Pjに対応する画像成分Ipjの輝度値GIpjおよび電極部Pdに対応する画像成分Ipdの輝度値GIpdと、を比較することにより、電極Pdの内側のエッジの位置を検出するようにしている。しかしながらこの場合、照明光Lの照射方向に直交する傾斜面を有する電子部品Pの電極Pdの内側のエッジを検出する場合などには有効であるが、電子部品Pの外形を示す、電子部品Pの上面と側面とにより形成されるエッジは、照明光を撮像方向に反射する面がないため、検出が難しいといった問題があった。
【0005】
また、電子部品Pが基板S上に実装されている場合には、図14(A)および(B)に示すように、基板Sに対応する画像成分Isの輝度値GIsと、電子部品Pに対応する画像成分の輝度値(例えば、外装部Pjに対応する画像成分Ipjの輝度値GIpj)と、の差が明確でないことがあり、この場合、電子部品Pの上面と側面とにより形成されるエッジを検出することが極めて難しいといった問題があった。このため、図14(A)に示すような電子部品Pの場合には、そのY−Y’方向の位置を検出することが困難であった。
【0006】
また、上記特許文献2のように基板面に影を生じさせる手法においては、影の大きさが実装されている電子部品の大きさに応じたものとなるため、微小な電子部品の場合には正確に検出できない、といった問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするもので、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる基板の外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の通りである。
1.基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備え、
前記照明パターン選択手段は、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、
前記画像取得手段は、前記照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得し、
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを検出することを特徴とする基板の外観検査装置。
2.上記1.において、前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出することを特徴とする。
3.基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備える基板の外観検査装置を用いる基板の外観検査方法であって、
前記照明パターン選択手段により、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択する照明パターン選択工程と、
前記照明パターン選択工程において選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、前記画像取得手段により、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得する画像取得工程と、
前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを前記エッジ検出手段により検出するエッジ検出工程と、を含むことを特徴とする基板の外観検査方法。
4.上記3.において、前記エッジ検出工程では、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板の外観検査装置によると、基板に実装された電子部品に、基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射する照明光照射手段と、基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像し、テレセントリック光学系により電子部品の実装面に略垂直な面(側面)からの拡散光(乱反射光)を含む電子部品の画像を取得する画像取得手段と、照明光照射手段による照明光の照射パターンを電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、取得した画像から電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備えている。そして、照明パターン選択手段は、複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、画像取得手段は、照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品の実装面に略平行な面(上面)および実装面に略垂直な面(側面)により形成されるエッジが、電子部品の実装面に略垂直な面(側面)からの拡散光によって電子部品の外形として表されており、これら画像から、エッジ検出手段により、電子部品の外形を示すエッジを検出するようにしている。これにより、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる。
また、前記エッジ検出手段が、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する場合は、差分処理により、それぞれの画像で撮影された電子部品と基板面の輝度情報が相殺されるため、エッジがより強調された画像を得ることができ、より正確にエッジを検出することができる。
【0010】
本発明の基板の外観検査方法によると、上記の基板の外観検査装置の効果と同様の効果を奏する基板の外観検査方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態にかかる基板の外観検査装置を示す概略ブロック図である。
【図2】実施形態にかかる基板の外観検査装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図3】実施形態にかかる照明を模式的に示す説明図である。
【図4】電子部品に通常輝度(低輝度)の照明光が照射された場合の反射を模式的に示す図である。
【図5】電子部品に高輝度の照明光が照射された場合の反射を模式的に示す図である。
【図6】実施形態にかかる基板の外観検査処理のフローチャートの例を示す図である。
【図7】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図8】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図9】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図10】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図11】取得される電子部品の画像に画像処理を施した画像の例を示す図である。
【図12】従来技術を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)の要部拡大側面図をそれぞれ示す。
【図13】従来技術を説明するための図であり、(A)は入力画像、(B)は(A)のX−X’線における輝度データをそれぞれ示す。
【図14】従来技術を説明するための図であり、(A)は入力画像、(B)は(A)のY−Y’線における輝度データをそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)基板の外観検査装置の構成:
(2)基板の外観検査処理(基板の外観検査方法):
【0013】
(1)基板の外観検査装置の構成:
図1は、本実施形態にかかる基板の外観検査装置(以下、単に外観検査装置ともいう)の概略構成を示している。同図において、外観検査装置1は、カメラ10と、照明20と、X−Yステージ30と、制御部40と、を備えている。これらの構成において、外観検査装置1は、図2に示すように、基板Sの検査対象となる部位の画像を取得し、当該画像に基づいて、基板S上に実装された電子部品Pの実装位置や実装方向などの実装状態の良否を判定する。
【0014】
カメラ10は、制御部40により制御され、基板S上の電子部品Pを撮像するとともに、撮像した画像を制御部40に出力する。図2に示すように、カメラ10は、電子部品Pが実装された基板Sの実装面に対して略垂直な方向から電子部品Pの画像を撮影する。このカメラ10は、光学系11と、光学系11により結像した画像を電気信号に変換する撮像素子12と、を備えている。
撮像素子12の種類は特に限定されないが、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等を採用することができる。
【0015】
また、光学系11はテレセントリック光学系を採用しており、1つの撮像位置座標において、視野内に複数の電子部品を配置して撮影した画像を取得し、当該画像に基づいて、複数の電子部品についての実装状態の良否判定を実施することができる。
【0016】
照明20は、カメラ10による撮像に際し、制御部40の制御により照明光を照射する。照明20は、基板Sの実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能である。照明20の光源としては、例えば、LED等を採用することができる。図3に示すように、照明20は円環状照明であり、その円周方向に複数に分割(図3中4分割)されている。照明20の分割数は特に限定されない。分割された各照明部20A、20B、20Cおよび20Dは、それぞれ単独で点灯させることができる。そして、これら照明部20A〜20Dによる複数の方向別の照明光の照射毎に撮像することにより、異なる方向から照明光が照射された電子部品Pの画像を取得することができる。
【0017】
なお、基板の実装面に対する照明光の角度は、鋭角である限り特に限定されない。この角度は、例えば、30°〜45°程度であることができるが、検出するエッジと他の部分とのコントラストや、実装されている電子部品同士の影の影響等を考慮して適宜設定することができる。
【0018】
X−Yステージ30は制御部40の制御により駆動制御される。X−Yステージ30は、カメラ10の撮像方向に対して略垂直な平面内を水平移動可能であり、基板S上の電子部品Pをカメラ10の撮影視野内に移動させる。図2に示すように、X−Yステージ30は、カメラ10及び照明20の下方に配設されており、図示しない固定手段により基板SをX−Yステージ30の移動平面に対して略平行に固定する。
【0019】
制御部40は、図1に示すように、カメラ制御インターフェース(I/F)41と、照明制御I/F42と、ステージ制御I/F43と、CPU44と、プログラムメモリ45と、データメモリ46と、照明パターン選択部47と、エッジ検出部48と、良否判定部49と、を備えている。このような構成において、CPU44は、プログラムメモリ45に記憶された外観検査プログラムを実行して各部を制御したり、所定の演算処理を実施したりすることができる。
【0020】
データメモリ46はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、撮像データ46Aと、照明パターンデータ46Bと、が予め記憶されている。また、データメモリ46は、取得した画像を画像データ46Cとして記憶するとともに、外観検査処理の過程で生成される各種データを記憶可能となっている。なお、データメモリ46はデータを記憶可能であればよく、RAM,HDD等の種々の記憶媒体を採用可能であるとともに、これら種々の記憶媒体を組み合わせたメモリとしてもよい。
【0021】
撮像データ46Aには、基板Sの実装面をエリア毎に撮影するための各撮影位置座標が格納されている。また、撮像データ46Aには、基板Sに実装された電子部品Pの基板上の位置に関する情報(位置座標)、電子部品Pの外形情報等の情報が格納されている。
照明パターンデータ46Bには、照明20による照明光を異なるパターンで照射するためのデータが格納されている。この照明パターンデータ46Bは、照明部20A〜20Dを通常輝度で点灯させる照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、各照明部20A〜20Dによる複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、の2種類があり、撮像する電子部品の種類に応じて、照明パターン選択部47により適宜選択される。
【0022】
照明パターン1は、エッジの検出が比較的容易な電子部品である場合に選択される。この場合、取得される画像は、主に撮像対象からの照明光の反射を受光して撮影された画像である。なお、上述の「通常輝度」とは、正反射光による撮影に適した輝度である。
照明パターン2は、エッジの検出が比較的難しい電子部品、例えば、0.2mm×0.4mm(いわゆる0402サイズ)程度の大きさの微小なチップ部品や、基板面とのコントラスト(画像上の輝度値の差)が明瞭でない部品などである場合に選択される。この場合、取得される画像は、照明光の撮像対象からの拡散光成分による画像成分が含まれる画像である。また、上述のように、照明パターン2は、照明パターン1の照明の照射輝度よりも高い照射輝度で照明を照射する照明パターンである。
【0023】
照明パターン2による照明光の照射において取得される画像について説明する。
図4は、基板S上に実装した微小な電子部品Pの側面PSに通常輝度(低輝度)照明光Lを照射した状態を模式的に示している。このとき、側面PSに照射した照明光Lは、正反射光Mrの成分と、正反射光Mrよりも輝度値の小さな拡散光Drの成分と、として反射される。これは、電子部品Pの側面PSが粗面によって形成されるためであると考えられる。この拡散光Drの成分には、一部上方に反射する成分Dr(up)が存在する。本実施形態では、この上方に反射する成分Dr(up)をカメラで受光して撮影する。
【0024】
しかしながら、微小な電子部品の場合には側面PSの面積が小さいため、電子部品上面のコントラストから部品の検査を行うために用いられる通常の照明の輝度値では判別に十分な輝度が得られないといった問題がある。また、電子部品Pの上面からの反射を捉える場合には、開口Aのすべてにおいて受光できるが、側面PSからの反射を捉える場合には、図5に示すように、開口Aの半分でしか受光することができない。そこで、微小な電子部品の撮像位置における照明光照射手段による照明光Lの照射輝度を、通常の照明光の照射輝度の4〜6倍程度にする。これにより、図5に示すように、上方に強い拡散光成分Dr(up)が現れるようになり、電子部品Pのエッジを認識するのに十分な画像輝度の画像が得られる。
このような撮影を、各照明部20A〜20Dによる複数の方向からの照明光の照射毎に行い、各方向から照明光が照射された画像をそれぞれ取得する。
【0025】
カメラ制御I/F41にはカメラ10が接続されており、カメラ10による撮影を制御する信号を送信するとともに、撮影された画像を画像信号として受信して制御部40に取り込む。取り込まれた画像は、画像データ46Cとしてデータメモリ46に記憶される。
照明制御I/F42には照明20が接続されており、照明パターンデータ46Bに基づいた照明光の照射を制御する信号を照明20に送信する。
ステージ制御I/F43にはX−Yステージ30が接続されており、撮像データ46Aに基づいて同X−Yステージ30の駆動制御を実行するよう制御信号を送信する。
【0026】
照明パターン選択部47は、上述の2つの照明パターン1および2を選択する。具体的には、照明パターン選択部47は、各撮像位置に移動したときに、各撮像位置座標毎に対応づけられた照明パターンを選択する。各撮像位置座標と照明パターンとの対応付けは、撮像位置における撮影視野内に含まれる電子部品の中にエッジの検出が比較的難しい微小なチップ部品などの電子部品が含まれているか否かを考慮して予め設定されている。なお、照明パターンの選択は、各撮像位置に移動したときに、撮像データ46Aに含まれる電子部品Pの情報に基づいて、視野内に高輝度の照明光の照射が必要な電子部品が含まれているか否かを随時判別して選択するようにしてもよい。また、視野内に、高輝度照明光の照射が必要な電子部品と、そうでない電子部品と、が混在している場合には、照明パターン1および2の両方を選択して、それぞれの照明パターンによる撮像を行うようにしてもよい。
【0027】
エッジ検出部48は、取得した画像から電子部品Pのエッジを検出する。エッジ検出部48によるエッジ検出では、取得した画像をそのまま用いてエッジ検出を実施してもよいが、照明部20A〜20Dのうちのいずれかから照明光が照射されて撮影された画像と、この照明光を照射した照明部に対向する方向の照明部から照明光が照射されて撮影された画像と、を差分処理し、より明瞭に表されたエッジを検出するようすることができる。
良否判定部49は、エッジ検出部48により検出されたエッジに基づいて電子部品Pの実装状態の良否を判定する。この良否判定の形態は特に限定されず、検出したエッジに基づいて、電子部品Pが所定の実装状態にあるか否かを判定できればよい。
【0028】
(2)基板の外観検査処理(基板の外観検査方法):
上述の構成において実行される基板の外観検査処理を、図6に示すフローチャートを例として説明する。なお、外観検査処理に先立ち、電子部品Pが実装された基板SはX−Yステージ30に固定されている。
最初に、ステップS100において、撮像データ46Aを読み取る。そして、ステップS110においてX−Yステージ30を駆動させ、読み取った撮像データ46Aに含まれる撮像位置座標へ基板Sを移動させる。これにより、基板Sの撮影対象部位がカメラ10の撮影視野内に配置される。
【0029】
ステップS115では、当該撮像位置が高輝度分割照明を照射する位置であるか否かを判別する。高輝度分割照明を照射する位置でない場合には、ステップS120において、照明パターン1を選択し、高輝度分割照明を照射する位置である場合には、ステップS125において、照明パターン2を選択し、データメモリ46からそれぞれ照明パターンデータ46Bとして読み取る。
【0030】
そして、ステップS130では、読み取った照明パターンデータ46Bに従って照明光を照射させた状態で、カメラ10によって電子部品Pを撮影し、その画像を取得する。このとき、選択された照明パターンが照明パターン1である場合には、照明部20A〜20Dから通常輝度(低輝度)の照明光を照射して画像を取得し、照明パターン2である場合には、照明部20A〜20Dから、照明パターン1における照明の照射輝度よりも高い輝度の照明光を別々に照射して各照明光毎の画像を取得する。取得した各像は、ステップS140において、画像データ46Cとしてデータメモリ46に記憶される。
【0031】
ステップS130にて取得される画像について、照明光の照射パターンが照明パターン2である場合の画像の例を図7、8、9および10に示す。図7〜10は、同一の基板の同一の視野を撮影した画像であり、それぞれ紙面の左、右、上、下方向(各図の矢印方向)から照明光を照射した状態において取得された画像である。なお、基板の実装面に対する照明光の角度はそれぞれ約35°としている。これらの画像は、テレセントリック光学系を用いたカメラにより撮影されている。これらの画像によると、基板の実装面に略垂直な方向から撮影したことにより、電子部品の上面が略平面視された画像となっている。また、テレセントリック光学系を用いたことにより、撮影視野の中央と端部との視差による歪みが小さい画像となっている。
【0032】
また、図7では、各電子部品Pの左側面に照射された照明光により、左側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されており、図8では、右側面に照射された照明光により、右側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されていることがわかる。さらに、図9では、各電子部品Pの上側側面に照射された照明光により、上側側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されており、図10では、下側側面に照射された照明光により、下側側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されていることがわかる。したがって、このようにして取得した画像は、基板上の電子部品の実装状態の検査に好適な画像であるといえる。
【0033】
図6に戻り、現在の撮像位置における画像の取得が終了すると、ステップS150では、基板S上の全撮像位置における画像の取得が終了したか否か、すなわち他の撮像位置における画像取得があるか否かを確認する。全撮像位置においての画像取得が終了していない場合には、ステップS100に戻って他の撮像位置での画像取得を実行する。全撮像位置においての画像取得が終了していれば、ステップS160へ移行する。
【0034】
ステップS160以降のステップでは、エッジ検出処理および良否判定処理を実行する。これらの処理は、ステップS100〜150の画像取得処理と平行して実行するようにしてもよい。
ステップS160では、上述の処理で取得した画像データ46Cをデータメモリ46から読み込む。ステップS170では、読み込んだ画像データ46Cから電子部品Pのエッジを検出する。
【0035】
なお、エッジ検出をより正確に実施するために、上述の処理で取得した画像データに対して画像処理を施すようにしてもよい。この画像処理としては、例えば、差分処理であることができる。本実施形態において、差分処理は、照明パターン2において取得した画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士を差分することにより実行される。図11は、図7〜10に示す各画像同士を差分処理したものである。同図において、電子部品のエッジがより明瞭に示されているとともに、エッジ部分とエッジ以外の部分とのコントラストがより強調されていることがわかる。なお、上記画像処理としては、上記差分処理に限定されない。
【0036】
ステップS180では、ステップS170において検出したエッジを良否判定の基準となるデータと比較することにより、当該電子部品の実装状態の良否を判定する。最後に、ステップS190では、基板S上の良否判定の対象となる全ての電子部品Pについての良否判定が終了したか否かを確認する。全ての電子部品Pについての良否判定が終了していない場合には、ステップS160に戻って以降の処理を繰り返し、他の電子部品Pについてエッジ検出及び良否判定を実行する。全ての電子部品Pについての良否判定が終了していれば、この基板についての外観検査処理を終了する。
【0037】
このように、本実施形態の基板の外観検査装置1によると、基板Sに実装された電子部品Pに、基板Sの実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光Lを照射する照明光照射手段としての照明20と、基板Sの実装面に対して略垂直な方向から撮像し、光学系11としてのテレセントリック光学系により、電子部品Pの側面PSからの拡散光(乱反射光)Drを含む電子部品Pの画像を取得する画像取得手段としてのカメラ10と、照明光Lの照射パターンを電子部品Pの種類に応じて選択する照明パターン選択手段としての照明パターン選択部47と、取得した画像から電子部品Pのエッジを検出するエッジ検出手段としてのエッジ検出部48と、を備えている。そして、照明パターン選択手段は、複数の方向からの照明光Lを同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、複数の方向からの照明光Lを別々に照射する照明パターン2と、から照明光Lの照射パターンを選択し、画像取得手段は、照明パターン選択手段により選択された照明光Lの照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光L毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品Pの上面および側面PSにより形成されるエッジが、電子部品Pの側面PSからの拡散光Drによって電子部品Pの外形として表されており、これら画像から、エッジ検出手段により、電子部品Pの外形を示すエッジを検出するようにしている。これにより、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる。
【0038】
また、エッジ検出部48が、取得した各画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいてエッジを検出する場合には、エッジがより強調された画像を得ることができ、より正確に電子部品のエッジを検出することができる。
【0039】
なお、本発明においては、上述の実施形態の例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。例えば、上述の基板の外観検査処理で例示したフローチャートでは、ステップS115において、撮像位置が高輝度分割照明を選択する撮像位置であるか否かを判別する例を示したが、これに限定されず、例えば、撮像視野内に、撮像対象として、高輝度照明光の照射が必要な電子部品と、そうでない電子部品と、の両方の電子部品が含まれている場合などにおいては、ステップS115において、当該撮像位置が、照明パターン1若しくは2により撮像を行う位置であるか、又は両方の照明パターンのそれぞれにより撮像を行う位置であるか、を判別するようにしてもよい。この場合、以降のステップでは、照明パターン1、2又は照明パターン1及び2の両方、のいずれかが選択される。
また、高輝度分割照明では、電子部品に対して複数の方向から別々に照明されるのに対し、通常輝度を用いた照明では、複数の方向から同時に照明された電子部品の画像が取得されればよく、使用する照明部20A〜20Dの数は限定されない。すなわち、通常輝度の照明光の照射による撮像は、分割された照明部のうちの一部の照明部のみを点灯させての撮像であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1;基板の外観検査装置、10;カメラ、11;光学系、12;撮像素子、20;照明、20A〜20D;照明部、30;X−Yステージ、40;制御部、41;カメラ制御I/F、42;照明制御I/F、43;ステージ制御I/F、44;CPU、45;プログラムメモリ、46;データメモリ、46A;撮像データ、46B;照明パターンデータ、46C;画像データ、47;照明パターン選択部、48;エッジ検出部、49;良否判定部、Dr;拡散光(乱反射光)、L;照明光、Mr;正反射光、P;電子部品、S;基板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の外観検査装置および外観検査方法に関する。さらに詳しくは、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる基板の外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品の外観を検査するために、電子部品に対し撮像方向の斜め方向から照明光を照射することにより電極部のエッジに他との輝度差を生じさせ、これによりエッジの位置を検出することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、斜め方向からの照明光の照射により基板面に電子部品の影を生じさせ、これにより基板上の電子部品の位置を検出することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−184410号公報
【特許文献2】特開昭63−106509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、図12(A)および(B)に示すように、電子部品Pに対し撮像方向の斜め方向から照明光Lを照射することにより、外装部Pjと電極部Pdとの間の段差Dからの正反射光Mrを受光して撮影する。そして、図13(A)および(B)に示すように、撮影した画像Iの輝度GIのうち、電極端に対応する画像成分Ipjの輝度値GIphと、外装部Pjに対応する画像成分Ipjの輝度値GIpjおよび電極部Pdに対応する画像成分Ipdの輝度値GIpdと、を比較することにより、電極Pdの内側のエッジの位置を検出するようにしている。しかしながらこの場合、照明光Lの照射方向に直交する傾斜面を有する電子部品Pの電極Pdの内側のエッジを検出する場合などには有効であるが、電子部品Pの外形を示す、電子部品Pの上面と側面とにより形成されるエッジは、照明光を撮像方向に反射する面がないため、検出が難しいといった問題があった。
【0005】
また、電子部品Pが基板S上に実装されている場合には、図14(A)および(B)に示すように、基板Sに対応する画像成分Isの輝度値GIsと、電子部品Pに対応する画像成分の輝度値(例えば、外装部Pjに対応する画像成分Ipjの輝度値GIpj)と、の差が明確でないことがあり、この場合、電子部品Pの上面と側面とにより形成されるエッジを検出することが極めて難しいといった問題があった。このため、図14(A)に示すような電子部品Pの場合には、そのY−Y’方向の位置を検出することが困難であった。
【0006】
また、上記特許文献2のように基板面に影を生じさせる手法においては、影の大きさが実装されている電子部品の大きさに応じたものとなるため、微小な電子部品の場合には正確に検出できない、といった問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするもので、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる基板の外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の通りである。
1.基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備え、
前記照明パターン選択手段は、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、
前記画像取得手段は、前記照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得し、
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを検出することを特徴とする基板の外観検査装置。
2.上記1.において、前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出することを特徴とする。
3.基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備える基板の外観検査装置を用いる基板の外観検査方法であって、
前記照明パターン選択手段により、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択する照明パターン選択工程と、
前記照明パターン選択工程において選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、前記画像取得手段により、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得する画像取得工程と、
前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを前記エッジ検出手段により検出するエッジ検出工程と、を含むことを特徴とする基板の外観検査方法。
4.上記3.において、前記エッジ検出工程では、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板の外観検査装置によると、基板に実装された電子部品に、基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射する照明光照射手段と、基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像し、テレセントリック光学系により電子部品の実装面に略垂直な面(側面)からの拡散光(乱反射光)を含む電子部品の画像を取得する画像取得手段と、照明光照射手段による照明光の照射パターンを電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、取得した画像から電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備えている。そして、照明パターン選択手段は、複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、画像取得手段は、照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品の実装面に略平行な面(上面)および実装面に略垂直な面(側面)により形成されるエッジが、電子部品の実装面に略垂直な面(側面)からの拡散光によって電子部品の外形として表されており、これら画像から、エッジ検出手段により、電子部品の外形を示すエッジを検出するようにしている。これにより、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる。
また、前記エッジ検出手段が、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する場合は、差分処理により、それぞれの画像で撮影された電子部品と基板面の輝度情報が相殺されるため、エッジがより強調された画像を得ることができ、より正確にエッジを検出することができる。
【0010】
本発明の基板の外観検査方法によると、上記の基板の外観検査装置の効果と同様の効果を奏する基板の外観検査方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態にかかる基板の外観検査装置を示す概略ブロック図である。
【図2】実施形態にかかる基板の外観検査装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図3】実施形態にかかる照明を模式的に示す説明図である。
【図4】電子部品に通常輝度(低輝度)の照明光が照射された場合の反射を模式的に示す図である。
【図5】電子部品に高輝度の照明光が照射された場合の反射を模式的に示す図である。
【図6】実施形態にかかる基板の外観検査処理のフローチャートの例を示す図である。
【図7】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図8】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図9】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図10】取得される電子部品の画像の例を示す図である。
【図11】取得される電子部品の画像に画像処理を施した画像の例を示す図である。
【図12】従来技術を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)の要部拡大側面図をそれぞれ示す。
【図13】従来技術を説明するための図であり、(A)は入力画像、(B)は(A)のX−X’線における輝度データをそれぞれ示す。
【図14】従来技術を説明するための図であり、(A)は入力画像、(B)は(A)のY−Y’線における輝度データをそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)基板の外観検査装置の構成:
(2)基板の外観検査処理(基板の外観検査方法):
【0013】
(1)基板の外観検査装置の構成:
図1は、本実施形態にかかる基板の外観検査装置(以下、単に外観検査装置ともいう)の概略構成を示している。同図において、外観検査装置1は、カメラ10と、照明20と、X−Yステージ30と、制御部40と、を備えている。これらの構成において、外観検査装置1は、図2に示すように、基板Sの検査対象となる部位の画像を取得し、当該画像に基づいて、基板S上に実装された電子部品Pの実装位置や実装方向などの実装状態の良否を判定する。
【0014】
カメラ10は、制御部40により制御され、基板S上の電子部品Pを撮像するとともに、撮像した画像を制御部40に出力する。図2に示すように、カメラ10は、電子部品Pが実装された基板Sの実装面に対して略垂直な方向から電子部品Pの画像を撮影する。このカメラ10は、光学系11と、光学系11により結像した画像を電気信号に変換する撮像素子12と、を備えている。
撮像素子12の種類は特に限定されないが、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等を採用することができる。
【0015】
また、光学系11はテレセントリック光学系を採用しており、1つの撮像位置座標において、視野内に複数の電子部品を配置して撮影した画像を取得し、当該画像に基づいて、複数の電子部品についての実装状態の良否判定を実施することができる。
【0016】
照明20は、カメラ10による撮像に際し、制御部40の制御により照明光を照射する。照明20は、基板Sの実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能である。照明20の光源としては、例えば、LED等を採用することができる。図3に示すように、照明20は円環状照明であり、その円周方向に複数に分割(図3中4分割)されている。照明20の分割数は特に限定されない。分割された各照明部20A、20B、20Cおよび20Dは、それぞれ単独で点灯させることができる。そして、これら照明部20A〜20Dによる複数の方向別の照明光の照射毎に撮像することにより、異なる方向から照明光が照射された電子部品Pの画像を取得することができる。
【0017】
なお、基板の実装面に対する照明光の角度は、鋭角である限り特に限定されない。この角度は、例えば、30°〜45°程度であることができるが、検出するエッジと他の部分とのコントラストや、実装されている電子部品同士の影の影響等を考慮して適宜設定することができる。
【0018】
X−Yステージ30は制御部40の制御により駆動制御される。X−Yステージ30は、カメラ10の撮像方向に対して略垂直な平面内を水平移動可能であり、基板S上の電子部品Pをカメラ10の撮影視野内に移動させる。図2に示すように、X−Yステージ30は、カメラ10及び照明20の下方に配設されており、図示しない固定手段により基板SをX−Yステージ30の移動平面に対して略平行に固定する。
【0019】
制御部40は、図1に示すように、カメラ制御インターフェース(I/F)41と、照明制御I/F42と、ステージ制御I/F43と、CPU44と、プログラムメモリ45と、データメモリ46と、照明パターン選択部47と、エッジ検出部48と、良否判定部49と、を備えている。このような構成において、CPU44は、プログラムメモリ45に記憶された外観検査プログラムを実行して各部を制御したり、所定の演算処理を実施したりすることができる。
【0020】
データメモリ46はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、撮像データ46Aと、照明パターンデータ46Bと、が予め記憶されている。また、データメモリ46は、取得した画像を画像データ46Cとして記憶するとともに、外観検査処理の過程で生成される各種データを記憶可能となっている。なお、データメモリ46はデータを記憶可能であればよく、RAM,HDD等の種々の記憶媒体を採用可能であるとともに、これら種々の記憶媒体を組み合わせたメモリとしてもよい。
【0021】
撮像データ46Aには、基板Sの実装面をエリア毎に撮影するための各撮影位置座標が格納されている。また、撮像データ46Aには、基板Sに実装された電子部品Pの基板上の位置に関する情報(位置座標)、電子部品Pの外形情報等の情報が格納されている。
照明パターンデータ46Bには、照明20による照明光を異なるパターンで照射するためのデータが格納されている。この照明パターンデータ46Bは、照明部20A〜20Dを通常輝度で点灯させる照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、各照明部20A〜20Dによる複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、の2種類があり、撮像する電子部品の種類に応じて、照明パターン選択部47により適宜選択される。
【0022】
照明パターン1は、エッジの検出が比較的容易な電子部品である場合に選択される。この場合、取得される画像は、主に撮像対象からの照明光の反射を受光して撮影された画像である。なお、上述の「通常輝度」とは、正反射光による撮影に適した輝度である。
照明パターン2は、エッジの検出が比較的難しい電子部品、例えば、0.2mm×0.4mm(いわゆる0402サイズ)程度の大きさの微小なチップ部品や、基板面とのコントラスト(画像上の輝度値の差)が明瞭でない部品などである場合に選択される。この場合、取得される画像は、照明光の撮像対象からの拡散光成分による画像成分が含まれる画像である。また、上述のように、照明パターン2は、照明パターン1の照明の照射輝度よりも高い照射輝度で照明を照射する照明パターンである。
【0023】
照明パターン2による照明光の照射において取得される画像について説明する。
図4は、基板S上に実装した微小な電子部品Pの側面PSに通常輝度(低輝度)照明光Lを照射した状態を模式的に示している。このとき、側面PSに照射した照明光Lは、正反射光Mrの成分と、正反射光Mrよりも輝度値の小さな拡散光Drの成分と、として反射される。これは、電子部品Pの側面PSが粗面によって形成されるためであると考えられる。この拡散光Drの成分には、一部上方に反射する成分Dr(up)が存在する。本実施形態では、この上方に反射する成分Dr(up)をカメラで受光して撮影する。
【0024】
しかしながら、微小な電子部品の場合には側面PSの面積が小さいため、電子部品上面のコントラストから部品の検査を行うために用いられる通常の照明の輝度値では判別に十分な輝度が得られないといった問題がある。また、電子部品Pの上面からの反射を捉える場合には、開口Aのすべてにおいて受光できるが、側面PSからの反射を捉える場合には、図5に示すように、開口Aの半分でしか受光することができない。そこで、微小な電子部品の撮像位置における照明光照射手段による照明光Lの照射輝度を、通常の照明光の照射輝度の4〜6倍程度にする。これにより、図5に示すように、上方に強い拡散光成分Dr(up)が現れるようになり、電子部品Pのエッジを認識するのに十分な画像輝度の画像が得られる。
このような撮影を、各照明部20A〜20Dによる複数の方向からの照明光の照射毎に行い、各方向から照明光が照射された画像をそれぞれ取得する。
【0025】
カメラ制御I/F41にはカメラ10が接続されており、カメラ10による撮影を制御する信号を送信するとともに、撮影された画像を画像信号として受信して制御部40に取り込む。取り込まれた画像は、画像データ46Cとしてデータメモリ46に記憶される。
照明制御I/F42には照明20が接続されており、照明パターンデータ46Bに基づいた照明光の照射を制御する信号を照明20に送信する。
ステージ制御I/F43にはX−Yステージ30が接続されており、撮像データ46Aに基づいて同X−Yステージ30の駆動制御を実行するよう制御信号を送信する。
【0026】
照明パターン選択部47は、上述の2つの照明パターン1および2を選択する。具体的には、照明パターン選択部47は、各撮像位置に移動したときに、各撮像位置座標毎に対応づけられた照明パターンを選択する。各撮像位置座標と照明パターンとの対応付けは、撮像位置における撮影視野内に含まれる電子部品の中にエッジの検出が比較的難しい微小なチップ部品などの電子部品が含まれているか否かを考慮して予め設定されている。なお、照明パターンの選択は、各撮像位置に移動したときに、撮像データ46Aに含まれる電子部品Pの情報に基づいて、視野内に高輝度の照明光の照射が必要な電子部品が含まれているか否かを随時判別して選択するようにしてもよい。また、視野内に、高輝度照明光の照射が必要な電子部品と、そうでない電子部品と、が混在している場合には、照明パターン1および2の両方を選択して、それぞれの照明パターンによる撮像を行うようにしてもよい。
【0027】
エッジ検出部48は、取得した画像から電子部品Pのエッジを検出する。エッジ検出部48によるエッジ検出では、取得した画像をそのまま用いてエッジ検出を実施してもよいが、照明部20A〜20Dのうちのいずれかから照明光が照射されて撮影された画像と、この照明光を照射した照明部に対向する方向の照明部から照明光が照射されて撮影された画像と、を差分処理し、より明瞭に表されたエッジを検出するようすることができる。
良否判定部49は、エッジ検出部48により検出されたエッジに基づいて電子部品Pの実装状態の良否を判定する。この良否判定の形態は特に限定されず、検出したエッジに基づいて、電子部品Pが所定の実装状態にあるか否かを判定できればよい。
【0028】
(2)基板の外観検査処理(基板の外観検査方法):
上述の構成において実行される基板の外観検査処理を、図6に示すフローチャートを例として説明する。なお、外観検査処理に先立ち、電子部品Pが実装された基板SはX−Yステージ30に固定されている。
最初に、ステップS100において、撮像データ46Aを読み取る。そして、ステップS110においてX−Yステージ30を駆動させ、読み取った撮像データ46Aに含まれる撮像位置座標へ基板Sを移動させる。これにより、基板Sの撮影対象部位がカメラ10の撮影視野内に配置される。
【0029】
ステップS115では、当該撮像位置が高輝度分割照明を照射する位置であるか否かを判別する。高輝度分割照明を照射する位置でない場合には、ステップS120において、照明パターン1を選択し、高輝度分割照明を照射する位置である場合には、ステップS125において、照明パターン2を選択し、データメモリ46からそれぞれ照明パターンデータ46Bとして読み取る。
【0030】
そして、ステップS130では、読み取った照明パターンデータ46Bに従って照明光を照射させた状態で、カメラ10によって電子部品Pを撮影し、その画像を取得する。このとき、選択された照明パターンが照明パターン1である場合には、照明部20A〜20Dから通常輝度(低輝度)の照明光を照射して画像を取得し、照明パターン2である場合には、照明部20A〜20Dから、照明パターン1における照明の照射輝度よりも高い輝度の照明光を別々に照射して各照明光毎の画像を取得する。取得した各像は、ステップS140において、画像データ46Cとしてデータメモリ46に記憶される。
【0031】
ステップS130にて取得される画像について、照明光の照射パターンが照明パターン2である場合の画像の例を図7、8、9および10に示す。図7〜10は、同一の基板の同一の視野を撮影した画像であり、それぞれ紙面の左、右、上、下方向(各図の矢印方向)から照明光を照射した状態において取得された画像である。なお、基板の実装面に対する照明光の角度はそれぞれ約35°としている。これらの画像は、テレセントリック光学系を用いたカメラにより撮影されている。これらの画像によると、基板の実装面に略垂直な方向から撮影したことにより、電子部品の上面が略平面視された画像となっている。また、テレセントリック光学系を用いたことにより、撮影視野の中央と端部との視差による歪みが小さい画像となっている。
【0032】
また、図7では、各電子部品Pの左側面に照射された照明光により、左側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されており、図8では、右側面に照射された照明光により、右側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されていることがわかる。さらに、図9では、各電子部品Pの上側側面に照射された照明光により、上側側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されており、図10では、下側側面に照射された照明光により、下側側面と上面とにより形成される各エッジがそれぞれ明瞭に示されていることがわかる。したがって、このようにして取得した画像は、基板上の電子部品の実装状態の検査に好適な画像であるといえる。
【0033】
図6に戻り、現在の撮像位置における画像の取得が終了すると、ステップS150では、基板S上の全撮像位置における画像の取得が終了したか否か、すなわち他の撮像位置における画像取得があるか否かを確認する。全撮像位置においての画像取得が終了していない場合には、ステップS100に戻って他の撮像位置での画像取得を実行する。全撮像位置においての画像取得が終了していれば、ステップS160へ移行する。
【0034】
ステップS160以降のステップでは、エッジ検出処理および良否判定処理を実行する。これらの処理は、ステップS100〜150の画像取得処理と平行して実行するようにしてもよい。
ステップS160では、上述の処理で取得した画像データ46Cをデータメモリ46から読み込む。ステップS170では、読み込んだ画像データ46Cから電子部品Pのエッジを検出する。
【0035】
なお、エッジ検出をより正確に実施するために、上述の処理で取得した画像データに対して画像処理を施すようにしてもよい。この画像処理としては、例えば、差分処理であることができる。本実施形態において、差分処理は、照明パターン2において取得した画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士を差分することにより実行される。図11は、図7〜10に示す各画像同士を差分処理したものである。同図において、電子部品のエッジがより明瞭に示されているとともに、エッジ部分とエッジ以外の部分とのコントラストがより強調されていることがわかる。なお、上記画像処理としては、上記差分処理に限定されない。
【0036】
ステップS180では、ステップS170において検出したエッジを良否判定の基準となるデータと比較することにより、当該電子部品の実装状態の良否を判定する。最後に、ステップS190では、基板S上の良否判定の対象となる全ての電子部品Pについての良否判定が終了したか否かを確認する。全ての電子部品Pについての良否判定が終了していない場合には、ステップS160に戻って以降の処理を繰り返し、他の電子部品Pについてエッジ検出及び良否判定を実行する。全ての電子部品Pについての良否判定が終了していれば、この基板についての外観検査処理を終了する。
【0037】
このように、本実施形態の基板の外観検査装置1によると、基板Sに実装された電子部品Pに、基板Sの実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光Lを照射する照明光照射手段としての照明20と、基板Sの実装面に対して略垂直な方向から撮像し、光学系11としてのテレセントリック光学系により、電子部品Pの側面PSからの拡散光(乱反射光)Drを含む電子部品Pの画像を取得する画像取得手段としてのカメラ10と、照明光Lの照射パターンを電子部品Pの種類に応じて選択する照明パターン選択手段としての照明パターン選択部47と、取得した画像から電子部品Pのエッジを検出するエッジ検出手段としてのエッジ検出部48と、を備えている。そして、照明パターン選択手段は、複数の方向からの照明光Lを同時に照射する照明パターン1と、照明パターン1よりも高い輝度で、複数の方向からの照明光Lを別々に照射する照明パターン2と、から照明光Lの照射パターンを選択し、画像取得手段は、照明パターン選択手段により選択された照明光Lの照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された複数の方向別の照明光L毎に画像を取得する。このようにして取得した画像には、電子部品Pの上面および側面PSにより形成されるエッジが、電子部品Pの側面PSからの拡散光Drによって電子部品Pの外形として表されており、これら画像から、エッジ検出手段により、電子部品Pの外形を示すエッジを検出するようにしている。これにより、実装された電子部品が微小なものであっても、その外形を示すエッジを正確に検出することができる。
【0038】
また、エッジ検出部48が、取得した各画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいてエッジを検出する場合には、エッジがより強調された画像を得ることができ、より正確に電子部品のエッジを検出することができる。
【0039】
なお、本発明においては、上述の実施形態の例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。例えば、上述の基板の外観検査処理で例示したフローチャートでは、ステップS115において、撮像位置が高輝度分割照明を選択する撮像位置であるか否かを判別する例を示したが、これに限定されず、例えば、撮像視野内に、撮像対象として、高輝度照明光の照射が必要な電子部品と、そうでない電子部品と、の両方の電子部品が含まれている場合などにおいては、ステップS115において、当該撮像位置が、照明パターン1若しくは2により撮像を行う位置であるか、又は両方の照明パターンのそれぞれにより撮像を行う位置であるか、を判別するようにしてもよい。この場合、以降のステップでは、照明パターン1、2又は照明パターン1及び2の両方、のいずれかが選択される。
また、高輝度分割照明では、電子部品に対して複数の方向から別々に照明されるのに対し、通常輝度を用いた照明では、複数の方向から同時に照明された電子部品の画像が取得されればよく、使用する照明部20A〜20Dの数は限定されない。すなわち、通常輝度の照明光の照射による撮像は、分割された照明部のうちの一部の照明部のみを点灯させての撮像であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1;基板の外観検査装置、10;カメラ、11;光学系、12;撮像素子、20;照明、20A〜20D;照明部、30;X−Yステージ、40;制御部、41;カメラ制御I/F、42;照明制御I/F、43;ステージ制御I/F、44;CPU、45;プログラムメモリ、46;データメモリ、46A;撮像データ、46B;照明パターンデータ、46C;画像データ、47;照明パターン選択部、48;エッジ検出部、49;良否判定部、Dr;拡散光(乱反射光)、L;照明光、Mr;正反射光、P;電子部品、S;基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備え、
前記照明パターン選択手段は、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、
前記画像取得手段は、前記照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得し、
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを検出することを特徴とする基板の外観検査装置。
【請求項2】
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する基板の外観検査装置。
【請求項3】
基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備える基板の外観検査装置を用いる基板の外観検査方法であって、
前記照明パターン選択手段により、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択する照明パターン選択工程と、
前記照明パターン選択工程において選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、前記画像取得手段により、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得する画像取得工程と、
前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを前記エッジ検出手段により検出するエッジ検出工程と、を含むことを特徴とする基板の外観検査方法。
【請求項4】
前記エッジ検出工程では、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する基板の外観検査方法。
【請求項1】
基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備え、
前記照明パターン選択手段は、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択し、
前記画像取得手段は、前記照明パターン選択手段により選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得し、
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを検出することを特徴とする基板の外観検査装置。
【請求項2】
前記エッジ検出手段は、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する基板の外観検査装置。
【請求項3】
基板に実装された電子部品に、前記基板の実装面に対して鋭角をなす複数の方向から照明光を照射可能な照明光照射手段と、
前記照明光照射手段による照明光の照射パターンを前記電子部品の種類に応じて選択する照明パターン選択手段と、
テレセントリック光学系を有し、前記基板の実装面に対して略垂直な方向から撮像して前記電子部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像から前記電子部品のエッジを検出するエッジ検出手段と、を備える基板の外観検査装置を用いる基板の外観検査方法であって、
前記照明パターン選択手段により、前記複数の方向からの照明光を同時に照射する照明パターン1と、前記照明パターン1よりも高い輝度で、前記複数の方向からの照明光を別々に照射する照明パターン2と、から照明光の照射パターンを選択する照明パターン選択工程と、
前記照明パターン選択工程において選択された照明光の照射パターンが照明パターン2である場合には、前記画像取得手段により、別々に照射された前記複数の方向別の照明光毎に前記画像を取得する画像取得工程と、
前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像から、前記電子部品の前記実装面に略垂直な面からの拡散光の画像成分を抽出することにより、前記電子部品の前記実装面に略平行な面と、前記実装面に略垂直な面と、で形成されるエッジを前記エッジ検出手段により検出するエッジ検出工程と、を含むことを特徴とする基板の外観検査方法。
【請求項4】
前記エッジ検出工程では、前記照明光の照射パターンが前記照明パターン2である場合において取得した前記画像のうち、対向する方向からの照明光の照射毎に取得した画像同士の差分処理を施し、当該差分処理を施した画像に基づいて前記エッジを検出する基板の外観検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図12】
【図13】
【図14】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−225716(P2012−225716A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92499(P2011−92499)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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