説明

基板の検査装置、基板の検査方法、および、当該検査装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム

【課題】部品が両面に実装された基板を検査するための検査装置を提供する。
【解決手段】基板の検査装置が実行する処理は、片面のみに電子部品が実装された基板の第1の光学画像とX線透過画像との各位置確認マークを一致させて、電子部品の基準画像を生成するステップ(S820)と、両面に電子部品が実装された基板の第2の光学画像と第2のX線透過画像との入力を受けるステップ(S830)と、第1の光学画像と第2の光学画像とを比較して位置ずれ量を算出するステップ(S840)と、位置ずれ量を用いて第1の光学画像を補正して第3のX線透過画像を作成するステップ(S850)と、第2のX線透過画像から第3のX線透過画像を差し引いて第4のX線透過画像を導出するステップ(S860)と、第4のX線透過画像に基づいてはんだ付け部の合否を判定するステップ(S870)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の両面に実装された部品の実装状態の検査を行なうための技術に関する。より特定的には、本発明は、基板の両面にそれぞれはんだ付けされた電子部品のはんだ付けの状態を検査するための検査装置、検査方法、および当該検査装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品が基板にはんだ付けされている場合、当該はんだ付けの状態を検査する方法として、CCD(Charge Coupled Device)カメラのような光学系を用いた光学式の外観検査装置がある。光学式の外観検査装置は、基板に実装されたチップ部品あるいはIC(Integrated Circuit)等の電子部品の位置ずれ、欠品、はんだブリッジ等の接合不良を検出できる。そのため、当該外観検査装置は、はんだ付け手法の一つである「リフロー」後のはんだ付け検査手法として有効であり、広く普及している。
【0003】
ところで、近年、携帯情報機器等の電子機器の市場では、商品の小型化、軽量化が求められている。そのため、電子機器を構成する基板における高密度実装の要望が強くなってきている。
【0004】
そこで、電子部品については、当該電子部品の裏面に電極を設けることによりパッケージサイズを小型化したBGA(Ball Grid Array)、BGAをさらに小型化して半導体ベアチップと同等サイズにしたCSP(Chip Size Package)などのパッケージ部品が現在広く採用されている。
【0005】
また、電子部品が実装された実装基板と実装基板とを接続するコネクタについても、コネクタ自体の小型化にともない、接続端子がコネクタ本体の下部から露出する構造が採用されている。
【0006】
ところで、電子部品が実装された実装基板において、はんだ付け部に不良があると、電子機器は正常に作動しない。そのため、接合不良のある実装基板は、当該基板の製造工程のできるだけ早い段階で回収し、修理または廃棄する必要がある。
【0007】
しかし、上述したBGA、CSP、あるいはコネクタでは、はんだ付け部が電子部品の裏面にあるため、はんだ付け部の品質を実装基板の上方から確認することは、困難である。そのため、従来のリード付電子部品のように、光学式の外観検査装置では、はんだ付け部の検査を行なうことができなかった。その結果、光学式の外観検査装置で確認できないはんだ付け部の不良は、電子機器が作動可能な状態まで組み立てられた後の機能検査によって初めて発見される。すなわち、はんだ付け不良のある実装基板に対しても無駄な組立工程を経る必要があった。
【0008】
これを改善するために、はんだ付け部が確認できない電子部品が接合された実装基板のはんだ付け部の良否を判定する手法として、当該実装基板の一方の面側からX線を照射し、他方の面側で、当該実装基板を透過したX線を検出し、当該検出されたX線から得られる画像(X線透過画像)に基づいてはんだ付け部を検査するという取り組みが行なわれている。
【0009】
しかしながら、このようなX線透過画像に基づく検査によると、良否判定の対象が、両面に電子部品が接合されている実装基板(以下、「両面実装基板」という。)である場合、検査対象であるはんだ付け部近傍に裏面のチップ抵抗あるいはチップコンデンサ等の電子部品の画像がX線透過画像に重なり合い、はんだ付け部を正確に検査できないことがある。
【0010】
そこで、X線を用いた両面実装基板の検査方法として、両面実装基板に対してX線を斜めから照射するように配置したX線発生器と、当該両面実装基板を透過したX線を検出するX線検出器とを、それぞれ当該両面実装基板と平行な平面上で互いに同期して回転させ、両面実装基板の一定の高さに焦点を合わせてそれ以外の高さの異なる面を回転動作でぼかすことにより、当該両面実装基板の水平断面の画像を得る方法がある。また、両面実装基板の表側と裏側とを個別に検査できるX線ラミノグラフィと呼ばれる手法を用いたX線検査装置が実用化されている。
【0011】
しかし、上記のいずれの装置について、その構造が複雑であり、装置が高価であり、また検査時間が非常に長くなるため、研究レベルでは使用可能であっても、量産レベルでは使用できないという問題がある。
【0012】
そこで、たとえば、特開平5−288538号公報(特許文献1)は、基板の表裏ではんだ付け部分が重なるため、完全に分離して検出できないような場合にも、表裏の画像データを完全に独立して検査できる基板のはんだ付け検査方法を開示する。
【0013】
この方法は、表裏面に電子部品がはんだ付けされた実装基板にX線を照射し、そのX線透過画像データを得るステップと、X線透過画像データからおもて面または裏面のみに電子部品が正常にはんだ付けされた実装基板のX線透過画像データを減ずることにより画像データを得るステップと、裏面またはおもて面のみに電子部品が正常にはんだ付けされた実装基板のX線透過画像との対比からはんだ付け部の良否を判定するステップとを含む。
【0014】
また、特開2001−50730号公報(特許文献2)は、熱によるプリント基板の歪みを検出し、この歪み分を補正した後に両面実装画像から片面実装画像を差し引くことにより、プリント基板の歪みによるはんだ付け状態を誤差なく検査が行なえる両面実装基板の半田付け検査方法を開示する。
【0015】
この検査方法は、一面に電子部品が実装されたプリント基板に、X線を照射して第1の画像を得るステップと、当該プリント基板の他面にも電子部品が実装されたプリント基板にX線を照射して第2の画像を得るステップと、第1の画像および第2の画像を画像メモリに記憶するステップと、第1の画像および第2の画像から位置ずれ量を求めるステップと、当該求められた位置ずれ量分だけ第1の画像あるいは第2の画像を補正するステップと、第2の画像から第1の画像を差し引いて、他面側の画像を得るステップと、はんだ付け部の良否を判定するステップとを含む。
【特許文献1】特開平5−288538号公報
【特許文献2】特開2001−50730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特開平5−288538号公報に開示された技術によると、画像データとして、両面に電子部品がはんだ付けされた実装基板の第1の画像データと、おもて面または裏面のみに正常にはんだ付けされた第2の画像データおよび第3の画像データの3つの画像データが必要である。
【0017】
また、第1の画像データから第2の画像データおよび第3の画像データを差分して良否判定を行なうことから、おもて面のみに電子部品が実装された実装基板と裏面のみに実装された実装基板の検査用の2枚の基板が必要となる。2枚の実装基板は、正常に電子部品がはんだ付けされている必要があるため、2枚の実装基板の完成度が重要となり、それらの基板を製造するために時間と費用とを要する。
【0018】
さらに、後から電子部品が実装される面に電子部品が先に実装された基板は、検査後に反対側の面に対して電子部品を実装することができないため、試料として試作された実装基板が無駄になるという問題もある。
【0019】
また、特開平5−288538号公報および特開2001−50730号公報に開示された技術によると、1枚ごとに電子部品が片面に実装された実装基板の画像を保存するためには、多大な容量のメモリが必要となり、実現が物理的に不可能であるという問題もあった。
【0020】
さらに、過判定(良品であるのに、不良と判断すること)をなくす為には、電子部品が片面のみに実装された基板と両面に実装された基板とが同一の実装基板であることを確認する必要がある。そのため、両者を一対一で完全に対応させる必要があるという問題があった。
【0021】
また、一対一で同一実装基板の画像を合わせたとしても、リフロー等を用いたはんだ付け作業の中で、特開2001−50730号公報に開示されている実装基板の反りの他に、はんだの再溶融により、はんだ形状が変化する場合もある。この場合、画像間に「ずれ」が生じることになる。そのため、特開2001−50730号公報に開示された上記透過画像の差し引きを行なう処理が行なわれても、たとえば、上記裏面のみの完全な画像が得られるとは限らず、ノイズを含むという問題があった。すなわち、両面実装基板のX線透過画像と片面実装基板のX線透過画像の間で、位置的なずれが発生し、その分がノイズとして残り、正しい検査ができなくなるという問題もあった。そのため、画像差分を用いたX線検査は、これまで実用レベルには至っていなかった。
【0022】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電子部品が両面にはんだ付けされた基板における当該はんだ付けの良否を判断するための基板の検査装置を提供することである。
【0023】
本発明の他の目的は、電子部品が両面にはんだ付けされた基板における当該はんだ付けの良否を判断するための基板の検査方法を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、電子部品が両面にはんだ付けされた基板における当該はんだ付けの良否を判断するための基板の検査装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の課題を解決するために、この発明のある局面に従うと、基板の検査装置は、データを格納する記憶部と、データを用いた演算を行なう処理部とを備える。処理部は、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得する手段を含む。基板の第1の面には、第1の部品が接合されている。処理部は、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得する手段と、第1の透過画像データと第1の光学画像データとを関連付ける関連付け手段と、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得する手段と、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得する手段と、第1の光学画像データと第2の光学画像データとを比較する比較手段と、第1の光学画像データと第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成する第1の生成手段と、第2の透過画像データと第3の透過画像データとに基づいて、第2の面を表わす第4の透過画像データを生成する第2の生成手段と、第4の透過画像データに基づいて、基板における接合の状態を判断する判断手段とを含む。
【0026】
好ましくは、比較手段は、第1の光学画像データと第2の光学画像データとを比較することにより、基板における第1の部品の位置を表わす情報を取得する取得手段を含む。第1の生成手段は、情報に基づいて第1の透過画像データを補正することにより、第3の透過画像データを生成する。第2の生成手段は、第2の透過画像データから第3の透過画像データを差し引くことにより、第4の透過画像データを生成する。判断手段は、予め定められた設計情報に従って第2の部品が接合された基板を透過したX線に基づく画像を表わす教示データと、第4の透過画像データとを比較することにより、第2の部品の接合の状態を判断する。
【0027】
好ましくは、取得手段は、第1の光学画像データに基づいて、基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する手段と、第1の光学画像データに基づいて、第1の部品において予め規定された場所に対応する第1の部分画像を認識する手段と、第1の基準画像と第1の部分画像との位置関係を表わす第1のデータを算出する第1の算出手段と、第2の光学画像データに基づいて、位置を表わす第2の基準画像を認識する手段と、第2の光学画像データに基づいて、予め規定された場所に対応する第2の部分画像を認識する手段と、第2の基準画像と第2の部分画像との位置関係を表わす第2のデータを算出する第2の算出手段と、第1のデータと第2のデータとの差を算出する手段とを含む。
【0028】
好ましくは、第1の算出手段は、第1の基準画像と第1の部分画像との距離と、第1の基準画像と第1の部分画像とを結ぶ直線と、第1の部品に対して予め規定された基準線とがなす角の角度とを算出する。第2の算出手段は、第2の基準画像と第2の部分画像との距離と、第2の基準画像と第2の部分画像とを結ぶ直線と、基準線とがなす角の角度とを算出する。
【0029】
好ましくは、関連付け手段は、第1の透過画像データから、基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する第1の認識手段と、第1の光学画像データから、位置を表わす第2の基準画像を認識する第2の認識手段と、第1の基準画像と第2の基準画像とを一致させる手段と、第1の部品を識別するためのデータと、第1の基準画像または第2の基準画像とを対応付ける手段とを含む。
【0030】
好ましくは、予め定められた位置は、基板に予め形成された印の位置を表わす。
好ましくは、基板には、予め規定された設計データに基づく配線パターンが形成されている。第1の認識手段と、第2の認識手段とは、それぞれ、配線パターンを表わす画像を認識する。
【0031】
この発明の他の局面に従うと、コンピュータが備えるプロセッサが実行する基板の検査方法が提供される。この方法は、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得するステップを含む。基板の第1の面には、第1の部品が接合されている。この方法は、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得するステップと、第1の透過画像データと第1の光学画像データとを関連付ける関連付けステップと、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得するステップと、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得するステップと、第1の光学画像データと第2の光学画像データとを比較する比較ステップと、第1の光学画像データと第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成する第1の生成ステップと、第2の透過画像データと第3の透過画像データとに基づいて、第2の面を表わす第4の透過画像データを生成する第2の生成ステップと、第4の透過画像データに基づいて、基板における接合の状態を判断する判断ステップとを含む。
【0032】
好ましくは、比較ステップは、基板における第1の部品の位置を表わす情報を取得するステップを含む。第1の生成ステップは、情報に基づいて第1の透過画像データを補正することにより、第3の透過画像データを生成する。第2の生成ステップは、第2の透過画像データから第3の透過画像データを差し引くことにより、第4の透過画像データを生成する。判断ステップは、予め定められた設計情報に従って第2の部品が接合された基板を透過したX線に基づく画像を表わす教示データと、第4の透過画像データとを比較することにより、第2の部品の接合の状態を判断する。
【0033】
好ましくは、情報を取得するステップは、第1の光学画像データに基づいて、基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識するステップと、第1の光学画像データに基づいて、第1の部品において予め規定された場所に対応する第1の部分画像を認識するステップと、第1の基準画像と第1の部分画像との位置関係を表わす第1のデータを算出する第1の算出ステップと、第2の光学画像データに基づいて、位置を表わす第2の基準画像を認識するステップと、第2の光学画像データに基づいて、予め規定された場所に対応する第2の部分画像を認識するステップと、第2の基準画像と第2の部分画像との位置関係を表わす第2のデータを算出する第2の算出ステップと、第1のデータと第2のデータとの差を算出するステップとを含む。
【0034】
好ましくは、第1の算出ステップは、第1の基準画像と第1の部分画像との距離と、第1の基準画像と第1の部分画像とを結ぶ直線と、第1の部品に対して予め規定された基準線とがなす角の角度とを算出する。第2の算出ステップは、第2の基準画像と第2の部分画像との距離と、第2の基準画像と第2の部分画像とを結ぶ直線と、基準線とがなす角の角度とを算出する。
【0035】
好ましくは、関連付けステップは、第1の透過画像データから、基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識するステップと、第1の光学画像データから、位置を表わす第2の基準画像を認識するステップと、第1の基準画像と第2の基準画像とを一致させるステップと、第1の部品を識別するためのデータと、第1の基準画像または第2の基準画像とを対応付けるステップとを含む。
【0036】
好ましくは、予め定められた位置は、基板に予め形成された印の位置を表わす。
好ましくは、基板には、予め規定された設計データに基づく配線パターンが形成されている。第1の基準画像を認識するステップと、第2の基準画像を認識するステップとは、それぞれ、配線パターンを表わす画像を認識する。
【0037】
この発明のさらに他の局面に従うと、コンピュータを基板の検査装置として機能させるためのプログラムが提供される。プログラムはコンピュータに、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得するステップを実行させる。基板の第1の面には、第1の部品が接合されている。プログラムはコンピュータに、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得するステップと、第1の透過画像データと第1の光学画像データとを関連付けるステップと、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得するステップと、第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得するステップと、第1の光学画像データと第2の光学画像データとを比較するステップと、第1の光学画像データと第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成するステップと、第2の透過画像データと第3の透過画像データとに基づいて、第2の面を表わす第4の透過画像データを生成するステップと、第4の透過画像データに基づいて、基板における接合の状態を判断するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る検査装置によると、電子部品が基板の両面にはんだ付けされている場合に、当該はんだ付けの良否を判断することができる。
【0039】
本発明に係る検査方法によると、電子部品が基板の両面にはんだ付けされている場合に、当該はんだ付けの良否を判断するための基板の検査方法を提供することができる。
【0040】
本発明に係るプログラムによると、コンピュータは、電子部品が両面にはんだ付けされた基板の当該はんだ付けの良否を判断するための基板の検査装置として機能することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0042】
図1を参照して、電子部品が実装された基板(以下「実装基板」という)の製造工程100について説明する。図1は、製造工程100を概念的に表わす図である。製造工程100は、接合工程110と検査工程120と組立工程130と判別工程140とを含む。
【0043】
接合工程110には、電子部品の実装の対象となる基板が搬入される。また、当該基板への実装の対象となる電子部品と接合材料(たとえば「はんだ」)とが供給される。供給された電子部品は、はんだによって基板に接合される。当該基板は、たとえばリフロー炉に搬入され、はんだの溶融が行なわれる。電子部品がはんだ付けされた実装基板は、接合工程110から検査工程120に搬入される。
【0044】
検査工程120では、実装基板の選別が行なわれる。より具体的には、予め準備された基準に従って実装基板が良品であるか否かが判断される。実装基板が良品である場合には、当該基板は組立工程130に搬入され、他の電子部品の実装ならびに他の種類の実装基板の取り付け等がさらに行なわれる。一方、実装基板が不良品である場合には、当該実装基板は判別工程140に搬送される。判別工程では、不良品と判断された実装基板が再加工可能であるか否かが判断される。再加工可能であると判断された実装基板は、不良の部品のみを交換したり、はんだ付け部を修理し、リワーク品として検査工程120に再び搬入される。一方、再加工が不可能であると判断された実装基板は、廃棄される。
【0045】
図2を参照して、接合工程110についてさらに説明する。図2は、接合工程110における一連の処理を表わすフローチャートである。
【0046】
ステップS210にて、接合工程110に配置されたはんだ供給装置(図示しない)は、搬入された基板の片面(あるいは「おもて面」)に、はんだペーストを印刷する。ステップS220にて、部品供給装置(図示しない)は、そのはんだペーストの上に、供給された電子部品を配置(すなわち、仮置き)する。ステップS230にて、電子部品が配置された基板(実装基板)は、リフロー炉に搬入される。当該リフロー炉において、はんだの溶融および電子部品と基板との固着は、予め設定された加熱条件(たとえば、温度およびベルトスピード等の加熱時間)に基づいて行なわれる。ステップS240にて、実装基板はリフロー炉から搬出される。なお、ここで、基板の片面のみに電子部品を実装した状態で、図3に記載する検査システム300に実装基板を搬入し、片側のみの電子部品の実装状態の光学画像およびX線透過画像を取得する。その際に、片側のみの電子部品の実装状態がOK/NGの検査をしてもよい。その後、当該実装基板は上下反転される。
【0047】
ステップS250にて、はんだ供給装置は、当該実装基板のおもて面の反対側の面である裏面(あるいは「B」面)にはんだペーストを印刷する。ステップS260にて、部品供給装置は、そのはんだペーストの上に別の電子部品を配置する。ステップS270にて、当該別の電子部品が配置された実装基板はリフロー炉に搬入される。リフロー炉において、当該他の電子部品を基板に接合するために予め定められた加熱条件の下、はんだの溶融と、当該他の電子部品と基板との固着とが行なわれる。ステップS280にて、他の電子部品の固着が完了した実装基板は、そのリフロー炉から搬出される。
【0048】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る検査システム300の構成について説明する。図3は、検査システム300によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。検査システム300は、撮像装置310と検査装置320とを備える。撮像装置310と検査装置320とは、ケーブル390,392によって接続されている。ケーブル390,392は、たとえばLAN(Local Area Network)のためのケーブルである。あるいは、無線LANがケーブル390,392に代えて使用されてもよい。
【0049】
撮像装置310は、X線照射部311と、X線撮像部312と、撮像部313と、可視光線供給部314と、撮像装置駆動部315とを備える。
【0050】
撮像装置駆動部315は、撮像装置310に対して入力される指令に基づいて、X線照射部311とX線撮像部312と撮像部313と可視光線供給部314との各動作を制御する。より具体的には、撮像装置駆動部315は、予め規定された条件に基づく照射命令の入力に基づいて、X線照射部311に対してX線を照射するための命令を送出する。X線照射部311は、その命令に基づいて当該条件に応じたX線を照射する。
【0051】
撮像装置駆動部315は、X線照射部311に対する命令の送出に応答して、X線撮像部312に対して被写体(たとえば実装基板)を透過したX線に基づく画像を撮影するための命令を送出する。
【0052】
X線撮像部312は、撮像装置駆動部315に発せられた命令に基づいて当該被写体のX線画像を撮影する。X線撮像部312は、たとえばエリアセンサ式のカメラであるが、その他の撮像装置、少なくとも、光学的に外観を撮影できない部分を撮影可能な装置であればよい。より詳しくは、BGA/CSPの接合状態、コネクタの下部のリードのブリッジ、ICのリードのバックフィレットを観察することが可能な装置であればよい。
【0053】
また、撮像装置駆動部315は、予め規定された条件に基づいて可視光線を供給する命令を、可視光線供給部314に送出する。可視光線供給部314は、その命令に基づいて当該条件に基づいて被写体(たとえば上記実装基板)に対して可視光線(たとえば白色光)を供給する。撮像装置駆動部315は、可視光線供給部314に対する命令の送出に応答して、撮像部313に対して当該被写体の光学画像を撮影するための命令を送出する。撮像部313は、その命令に基づいて当該被写体の画像を取得する。
【0054】
X線撮像部312によって取得されたX線透過画像あるいは撮像部313によって取得された光学画像の各データは、バッファメモリ(図示しない)に一時的に格納された後、出力インターフェイス(図示しない)とケーブル392とを介して、検査装置320に送出される。
【0055】
図3を再び参照して、検査装置320は、画像データ入力部322と、記憶部324と、操作部326と、表示部328と、制御部330とを備える。制御部330は、演算処理部331と、撮像装置制御部332と、判定部333と、画像処理部340とを含む。画像処理部340は、データ処理部341と、画像比較部342と、画像生成部343と、差分算出部344とを含む。
【0056】
画像データ入力部322は、撮像装置310から送出されたデータの入力をケーブル392を介して受け付ける。より具体的には、画像データ入力部322は、X線撮像部312によって取得されたX線透過画像を表わすデータと、撮像部313によって取得された光学画像を表わすデータとの入力を受け付ける。
【0057】
記憶部324は、検査装置320を実現するために予め準備されたデータ(たとえば各処理を実行するためのプログラム、特定の動作を実行させるためのデータ、具体的には、実装基板の良品/不良品の判定に使用される基準データ)を格納している。また、記憶部324は、制御部330によって生成されたデータ、あるいは、画像データ入力部322に対して入力されたX線透過画像を表わすデータおよび光学画像を表わすデータを格納する。
【0058】
操作部326は、検査装置320の使用者による操作の入力を受け付ける。操作部326は、当該操作の入力に応じた電気信号を制御部330に送出する。
【0059】
表示部328は、制御部330によって生成されたデータに基づいて、検査装置320によって実行される処理の結果を表示する。たとえば、表示部328は、検査システム300において検査の対象となる基板の画像を表示し、あるいは当該基板の検査結果(すなわち良品/不良品)を表示する。さらに、表示部328は、制御部330による命令に基づいて記憶部324に格納されているその他のデータに基づく画像を表示する。
【0060】
制御部330は、画像データ入力部322からの出力と、記憶部324に格納されているデータと、操作部326から出力される命令とに基づいて作動可能なように、画像データ入力部322と記憶部324と操作部326とに接続される。
【0061】
演算処理部331は、記憶部324において予め確保した領域に、画像データ入力部322を介して取得されたX線透過画像を表わすデータおよび光学画像を表わすデータを格納する。演算処理部331は、記憶部324に格納されているデータに基づいて、あるいは操作部326に対する操作に基づいて、撮像装置310に予め規定された動作を実行させるための指令を生成し、撮像装置制御部332に送出する。撮像装置制御部332は、撮像装置310が当該指令を入力可能な状態にある場合には、ケーブル390を介して当該指令を撮像装置310に送出する。
【0062】
演算処理部331は、さらに、画像データ入力部322によって取得されたデータあるいは記憶部324に格納されているデータを画像処理部340に送出する。
【0063】
より詳細には、演算処理部331は、基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得する。演算処理部331は、当該基板の第1の面(たとえば、「おもて面」)に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得し、透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得する。さらに、演算処理部331は、第1の透過画像データと第1の光学画像データとを関連付けて、当該関連付けを表わすデータを記憶部324に格納する。
【0064】
画像処理部340において、データ処理部341は、入力された画像データに対して予め規定された処理(たとえば2値化処理)を実行する。
【0065】
演算処理部331は、当該基板の第1の面の反対側の第2の面(たとえば「裏面」)に第2の電子部品が接合された後に、当該基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得する。演算処理部331は、第1の面の反対側の第2の面に第2の電子部品が接合された後に、第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得する。
【0066】
画像比較部342は、第1の光学画像データと第2の光学画像データとを比較する。さらに、画像比較部342は、当該比較に基づいて基板における部品の位置を表わす情報を取得する。より具体的には、画像比較部342は、第1の光学画像データに基づいて基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する。画像比較部342は、第1の光学画像データに基づいて、第1の電子部品において予め規定された場所に対応する第1の部分画像を認識する。
【0067】
画像比較部342は、第1の基準画像と第1の部分画像との位置関係を表わす第1のデータを算出する。画像比較部342は、第2の光学画像データに基づいて当該基板において予め定められた上記位置を表わす第2の基準画像を認識する。画像比較部342は、第2の光学画像データに基づいて、上記予め規定された場所に対応する第2の部分画像を認識する。画像比較部342は、第2の基準画像と第2の部分画像との位置関係を表わす第2のデータを算出する。画像比較部342は、第1のデータと第2のデータとの差を算出する。
【0068】
画像生成部343は、画像比較部342による比較の結果に基づいて、第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成する。より具体的には、画像生成部343は、当該基板における第1の電子部品の位置を表わす情報に基づいて、第1の透過画像データを補正することにより第3の透過画像データを生成する。さらに、画像生成部343は、第2の透過画像データと第3の透過画像データとに基づいて当該第2の面を表わす第4の透過画像データを生成する。より具体的には、画像生成部343は、第2の透過画像データから第3の透過画像データを差し引くことにより、第4の透過画像データを生成する。
【0069】
判定部333は、当該第4の透過画像データに基づいて当該基板における電子部品の接合の状態を判断する。より具体的には、判定部333は、予め定められた設計情報に従って、第2の電子部品が接合された基板を透過したX線に基づく画像を表わす教示データと、第4の透過画像データとを比較することにより、第2の電子部品の接合の状態を判断する。ここで、当該設計情報は、たとえば記憶部324に予め格納されている。記憶部324におけるデータ構造は、後述する。
【0070】
さらに、画像処理部340は、第1の基準画像と第1の部分画像との距離と、第1の基準画像と第1の部分画像とを結ぶ直線と、第1の部品に対して予め規定された基準線とがなす角の角度とを算出する。さらに、画像処理部340は、第2の基準画像と第2の部分画像との距離と、第2の基準画像と第2の部分画像とを結ぶ直線と、当該基準線とがなす角の角度とを算出する。
【0071】
また、他の局面において、演算処理部331は、第1の透過画像データから、基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する。演算処理部331は、第1の光学画像データから当該位置を表わす第2の基準画像を認識する。演算処理部331は、第1の基準画像と第2の基準画像とを一致させる。演算処理部331は、第1の部品を識別するためのデータと、第1の基準画像または第2の基準画像とを対応付ける。
【0072】
ここで、上記予め定められた位置は、当該基板において予め形成された印の位置を表わすが、当該印は、予め形成されたものに限られない。また、他の局面において、検査の対象となる基板に、予め規定された設計データに基づく配線パターンが形成されている場合もあり得る。この場合、演算処理部331は、上記第1の基準画像を認識する処理と第2の基準画像を認識する処理とを実行する場合、当該基板における配線パターンを表わす画像をそれぞれ認識することができる。
【0073】
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る検査装置320のデータ構造について説明する。図4は、検査装置320が備える記憶部324におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。記憶部324は、データまたはプログラムを格納するための複数の領域を含む。
【0074】
たとえば、基板に対する接合状態の検査の対象となる電子部品を識別するためのデータ(「部品コード」)は、領域410に格納されている。当該電子部品の大きさを表わす寸法データは、領域412に格納されている。当該電子部品が接合される基板を識別するためのデータは、領域414に格納されている。当該電子部品の当該基板における位置を特定するためのデータ(たとえば当該電子部品が矩形である場合における4つの角のそれぞれの座標データ)は、領域416〜418にそれぞれ格納されている。
【0075】
ここで、ある部品は特定の基板に用いられる場合もあれば、同一の部品が複数の異なる基板に用いられる場合もあり得る。そこで、記憶部324においては、同一の部品について複数の基板の各々について設計データとして上記の各データが格納されている。
【0076】
さらに、各電子部品の各々について予め取得された教示データも、記憶部324に格納されている。より具体的には、当該電子部品を識別するデータは、領域420に格納されている。当該電子部品を基板に接合した状態で可視光線およびX線により撮影した画像のデータ(「基準データ」)は、領域422に格納されている。領域420に格納されているデータと領域422に格納されているデータとはそれぞれ相互に関連付けられている。したがって、電子部品のいずれかの部品コードを特定することにより、基準データが特定され、上記設計データとの関連付けも可能となる。
【0077】
記憶部324は、さらに、検査装置320の基本動作(たとえばデータの入出力、画像の表示、操作入力の受付など)を実行するためのオペレーティングシステム430と、撮像装置310によるX線撮像あるいは光学撮像を実行させるための撮像制御プログラム432と、撮像装置310によって取得された画像データに基づいて基板を検査するための外観検査プログラム434とを含む。
【0078】
ここで、図5を参照して、基板における電子部品の位置を特定する方法について説明する。図5は、電子部品520が基板500に配置されている状態を表わす図である。基板500には、設計データに基づいて特定される位置確認マーク510が含まれる。電子部品520は、たとえば矩形の形状を有する。この場合、電子部品520は、4つの隅(すなわち、P1(x1,y1)、P2(x2,y2)、P3(x3,y3)、P4(x4,y4))とを含む。これらの点の各座標値は、位置確認マーク510を起点としてあるいは、基板500において予め定められた基準点に基づいて定められる。各座標値は、たとえば図4に示されるように第1の座標データから第4の座標データとして記憶部324に表示される。
【0079】
次に、図6を参照して、撮像装置310の具体的構成について説明する。図6は、撮像装置310のハードウェア構成を表わすブロック図である。撮像装置310は、X線照射装置611と、X線撮像装置612と、可視光撮像装置613と、可視光源614と、ミラー615と、シンチレータ616と、データ出力インターフェイス620とを備える。データ出力インターフェイス620には、ケーブル390が接続される。撮像装置310には、検査の対象となる基板618が搬入される。基板618には、2つの電子部品すなわち、電子部品619と、BGA/CSP622がはんだにより実装されている。
【0080】
X線照射装置611が、X線ビームを放射すると、当該X線ビームは電子部品619を透過してシンチレータ616に入光する。シンチレータ616は、基板618を透過したX線を可視光線に変換する。X線撮像装置612は、シンチレータ616から出力される可視光を撮影し、その信号を電気信号に変換し、基板618のX線透過画像データとして出力する。X線透過画像データは、データ出力インターフェイス620を介して検査装置320に送出される。
【0081】
なお、本実施の形態に係る検査装置320は、各処理を実現する回路素子の組み合わせにより構成される装置として実現される場合もあれば、後述するように、コンピュータシステムのハードウェアとソフトウェアとが協働することにより実現される場合もある。
【0082】
そこで、図7を参照して、本実施の形態に係る検査装置320の具体的構成について説明する。図7は、検査装置320として機能するコンピュータシステム700のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【0083】
コンピュータシステム700は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU710と、コンピュータシステム700の使用者による指示の入力を受け付けるマウス720およびキーボード730と、CPU710によるプログラムの実行により生成されたデータ、またはマウス720もしくはキーボード730を介して入力されたデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)740と、データを不揮発的に格納するハードディスク750と、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)駆動装置760と、モニタ780と、通信I/F(Interface)790とを備える。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。CD−ROM駆動装置760には、CD−ROM762が装着可能である。
【0084】
コンピュータシステム700における処理は、当該ハードウェアおよびCPU710により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク750に予め格納されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD−ROM762その他の記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、CD−ROM駆動装置760その他のデータ読取装置によって当該記録媒体から読み取られて、あるいは、通信I/F790を介してダウンロードされた後、ハードディスク750に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU710によってハードディスク750から読み出され、RAM740に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU710は、そのプログラムを実行する。
【0085】
図7に示されるコンピュータシステム700を構成する各要素は、一般的なものである。したがって、本発明の最も本質的な部分は、RAM740、ハードディスク750、CD−ROM762その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるとも言える。なお、コンピュータシステム700の各構成要素の動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0086】
なお、記録媒体としては、CD−ROM、FD(Flexible Disc)、ハードディスクなどに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable ROM)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable ROM)、フラッシュROMなどの半導体メモリのように固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、ここで言うプログラムとは、CPU710によって直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラムなどをも含む。
【0087】
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る検査装置320の制御構造について説明する。図8は、検査装置320として機能するコンピュータシステム700のCPU710が実行する一連の処理を表わすフローチャートである。
【0088】
電子部品619が基板618のおもて面(A面)に実装されると、基板618は、リフロー炉に搬入される。リフロー炉において、はんだが溶融すると、電子部品619と基板618とが接合する。その後、基板618がリフロー炉から搬出され、検査装置320に搬入される。基板618が検査装置320において予め定められた位置に固定されると、可視光撮像装置613が備えるカメラ、たとえばCCDカメラは、基板618を撮影する。撮影によって生成された画像データは、検査装置320として機能するコンピュータシステム700に入力される。コンピュータシステム700の使用者(たとえば検査担当者)が、検査の開始指示を入力すると、CPU710は、当該画像データを用いた画像認識処理を開始する。あるいは、画像データがコンピュータシステム700に入力されてから予め規定された時間が経過した後に、CPU710が当該時間の経過を検知した場合に、処理が開始されてもよい。
【0089】
まず、CPU710は、基板618に予め形成されている位置確認マークを認識する。この認識は、基板618についてコンピュータシステム700に予め保存されている設計情報を用いて行なわれる。たとえば、CPU710は、基板618を識別するデータ(たとえば、基板コード、製造番号等)をキーとして、ハードディスク750から、基板618の設計情報をRAM740に読み出す。設計情報は、基板618に形成されている位置確認マークの位置情報(座標値など)を含む。そこで、CPU710は、処理の対象となる画像データの中において当該位置情報に対応する場所に、位置確認マークに相当する画像が含まれているか否かを判断する。たとえば、CPU710は、その場所の画素の濃度がその場所の周囲の画素の濃度よりも大きいか否かを判断して、位置確認マークと他の部分とを識別する。CPU710が、当該画像データは検査の対象となるデータであると判断すると、以下の検査処理をさらに実行する。
【0090】
ステップS810にて、CPU710は、片面(またはおもて面)のみに電子部品(たとえば電子部品619)が実装された基板618の光学画像(以下「第1の光学画像」)と、X線透過画像(以下、「第1のX線透過画像」)との入力を受け付ける。光学画像およびX線透過画像を表わすデータは、撮像装置310からケーブル392を介して送出される。なお、光学画像およびX線透過画像を表わすデータが取得されるタイミング、すなわち、X線撮像部312が作動するタイミングと、可視光線供給部314が作動するタイミングとは、同時でもよいし、別々でもよい。
【0091】
ステップS820にて、CPU710は、基板618に形成された位置確認マークに基づいて、第1の光学画像と第1のX線透過画像との各位置確認マークを一致させることにより、電子部品619の基準画像を生成する。より詳細な処理は、図9〜図11を参照して説明する。
【0092】
ステップS830にて、CPU710は、基板618の他の面(おもて面の反対側の面、あるいは裏面)に電子部品(たとえばBGA/CSP622)が実装された状態で、当該基板618のX線透過画像(以下「第2のX線透過画像」と、第1の光学画像と同一面に可視光線を照射することにより取得された光学画像(以下「第2の光学画像」)との入力を受け付ける。
【0093】
ここで、検査システム300における詳細の動作は、たとえば、以下のとおりである。おもて面に電子部品619が実装された基板618の裏面にBGA/CSP622が実装される。基板618がリフロー炉に搬入されて、はんだ付けが行なわれると、基板618の両面に各部品が接合された基板(すなわち、両面実装基板)が生成される。
【0094】
基板618は、電子部品619が実装された面(おもて面)を上側にし、撮像装置310内に搬入される。基板618が撮像装置310内に固定された後、基板618の垂直方向の上部に設置された可視光撮像装置613である可視光カメラ(たとえば、CCDカメラ)は、ケーブル392を介して、基板618のおもて面を再度撮影する。撮影により取得された画像データは、コンピュータシステム700に送信され、CPU710は、その画像データに基づいて、当該おもて面に形成されている位置確認マークを認識する。
【0095】
次に、撮像装置駆動部315は、撮像装置制御部332として機能するCPU710から送信される指令に基づいて、電子部品619が実装されたおもて面の垂直方向の上部に設置された可視光線供給部314を発光させる。さらに、撮像装置駆動部315は、撮像部313(たとえば可視光カメラ)に撮影動作を実行させ、第1の光学画像が取得されたときと同じ位置に固定されている基板618について、第2の光学画像を取得する。
【0096】
図8を再び参照して、ステップS840にて、CPU710は、第2の光学画像と第1の光学画像とを比較して、位置のずれを表わすデータを算出する。なお、第1の光学画像と第2の光学画像とを比較する目的は、はんだ付けされた電子部品619がリフロー炉に再度搬入されるため、はんだ付け部が再度溶融し、電子部品619の位置ずれが発生して、同一面(おもて面)を再度撮影した場合に、同一の光学画像が得られない可能性が高いためである。比較する処理の詳細については、図13を参照して説明する。
【0097】
ステップS850にて、CPU710は、当該位置ずれ量を用いて第1の光学画像を補正し、第3のX線透過画像を生成する。位置の補正が必要な電子部品の抽出方法は、たとえば、図13に示されるような位置情報から補正が必要な電子部品を抽出することにより、あるいは、第1の光学画像と第2の光学画像とをパターンマッチングさせることにより行なわれる。
【0098】
ステップS860にて、CPU710は、第2のX線透過画像を表わすデータから第3のX線透過画像を表わすデータを差し引くことにより、第4のX線透過画像を導出する。この処理は、周知の画像差分処理によって実現される。
【0099】
ステップS870にて、CPU710は、予め準備されている判断データと、第4のX線透過画像とに基づいて、電子部品(たとえばBGA/CSP622)の基板618に対する接合状態(具体的にははんだ付けの状態)の合否を判定する。当該判断データは、たとえば基板618に対する部品の実装が行なわれる際に、設計情報としてハードディスク750に予め格納されたデータである。
【0100】
CPU710は、上記のような処理を繰り返し、その結果を、ハードディスク750に書き込む。また、CPU710は、処理の途中で異常を検出した場合には、その旨をモニタ780に表示する。また、CPU710は、撮像装置制御部332として、撮像装置310に対して、撮像の動作を一時的に停止するような指令を発行してもよい。あるいは、基板に部品を配置する工程に対して、配置を中断するように指令してもよい。
【0101】
CPU710が、はんだ付け部の合否を判定すると、電子部品619が実装された基板618は、検査装置320から、コンベア(図示しない)によって搬出される。
【0102】
ここで、光学系の外観検査装置で確認できないBGAやCSPの下部やコネクタ下部のリード端子のブリッジの有無により、電子部品619が両面に実装された基板618は、検査の結果に応じて、検査装置320の下流に設けられているOK/NGストッカ(図示しない)に自動的に振り分けられ、一連の工程が完了する。
【0103】
以上のようにして、本実施の形態に係る検査システム300は、片面(第1の面)に実装された電子部品の第1のX線透過画像と第1の光学画像とを関連付けて、当該片面の反対側の他の面(第2の面)にも部品が実装された後に、第1の面の第2の光学画像と上記第1の光学画像とを比較することにより、第1のX線透過画像を補正するところが特徴である。
【0104】
以下、図9〜図16を参照して、本実施の形態に係る検査装置320による画像処理について説明する。図9〜図16はそれぞれ、検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成されるデータに基づく画像を概念的に表わす図である。
【0105】
図9を参照して、第1の光学画像900は、可視光撮像装置613が基板618を撮影して取得したデータに基づく画像を表わす。このデータは、図8に示されるステップS810の処理が実行された後に、コンピュータシステム700のRAM740に書き込まれる。CPU710は、RAM740に書き込まれた当該データを用いて、後述する画像認識処理を実行する。
【0106】
第1の光学画像900は、基板618に予め形成されている位置確認マークに対応する光学画像910〜913と、基板618のおもて面に実装された電子部品619に対応する光学画像920,921と、基板618との間に印刷されたはんだに対応する光学画像930,931とを含む。
【0107】
図10は、図9に示される第1の光学画像900の一部を拡大して表わす図である。基板618において、基準線1010,1011が、設計情報として予め設定されている。基準線1010,1011は、たとえば、位置確認マークを基準として設定される。一例として、電子部品の外形が矩形である場合、当該電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1020,1021の位置が予め特定される。この特定情報は、画像処理プログラムに予め格納されている。
【0108】
CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像910,911と、電子部品619の対角線上に位置する2つの角に対応する点1020,1021とを認識すると、基板618における電子部品619の位置を特定するための情報を算出する。CPU710は、当該情報として、たとえば、位置確認マークに対応する光学画像910と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1020との間の距離B1と、位置確認マークに対応する光学画像911と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1021との間の距離B2との少なくともいずれかを算出する。これらの距離は、たとえば各光学画像の中心間の距離として算出される。
【0109】
さらに、CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像910と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1020とを結ぶ直線と、基準線1010とが交差する角の角度C1と、位置確認マークに対応する光学画像911と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1021とを結ぶ直線と基準線1011とが交差する角の角度C2との少なくともいずれかを算出する。
【0110】
なお位置確認マークは、光学検査の場合には、はんだ付け部の確認が困難な電子部品619の近傍のみに設けられてもよいし、全ての電子部品の近傍に設けられてもよい。また、配線パターンのコーナ部などが位置確認マークとして使用されてもよい。
【0111】
図11は、コンピュータシステム700に取り込まれる第1のX線透過画像1100を表わす図である。第1のX線透過画像1100を表わすためのデータは、ステップS810に示される処理が実行されると、CPU710によってRAM740に格納される。
【0112】
第1のX線透過画像1100は、電子部品619に対応する画像において、位置確認マークに対応するX線透過画像1110〜1113と、電子部品619に対応するX線透過画像1120,1121と、電子部品と基板との間に印刷されるはんだに対応するX線透過画像1130,1131とを含む。
【0113】
CPU710が、図9に示される第1の光学画像900のマトリックス領域内で、対角線上に2ヶ所の位置確認マークに対応する光学画像(たとえば、位置確認マークに対応する光学画像910,911)を認識して抽出した場合、これらの光学画像と、第1の光学画像900に対応して取得されたX線透過画像(図11における第1のX線透過画像1100)に含まれる各位置確認マークに対応するX線透過画像1110〜1113とを一致させる。なお、一致させるための処理は、当業者にとって周知であるため、その説明はここでは述べない。
【0114】
たとえば、CPU710は、第1の光学画像900と第1のX線透過画像1100とを2値化処理し、パターンマッチングさせ、各部品の基準画像を作成する。つぎに、CPU710は、部品コード名を当該基準画像に付加し、電子部品619の基準画像を記憶部324に保存する。CPU710は、このようなデータ処理を、検査対象である電子部品619毎に繰り返す。CPU710は、順次、アナログ信号として入力される画像データをデジタル信号に変換し、変換後の信号に基づいて、基板618のおもて面の画像データとして記憶部324に格納する。
【0115】
ここで記憶部324が格納する情報は、たとえば、当該各部品の基準画像に加えて、図10に示されるような第1の光学画像900についての位置情報を含む。
【0116】
また、本実施の形態においては、上述したように、位置確認マークが認識された第1の光学画像900に対する第1のX線透過画像1100が取得されているが、第1のX線透過画像の取得は、これに限られない。たとえば、他の方法として、基板618の設計データからX線検査が必要な電子部品619の位置、電極位置および位置確認マークの座標を表わすデータを記憶部324に予め保存しておき、その座標に可視光撮像装置613である可視光カメラが移動した際に、第1のX線透過画像を取得してもよい。
【0117】
図12は、基板618の裏面(すなわち、上記おもて面の反対側の面)に他の電子部品であるBGA/CSP622が実装された後に当該おもて面を撮影して得られた第2の光学画像1200を表わす図である。第2の光学画像1200は、ステップS830に示される処理が実行されると、RAM740に格納される。
【0118】
第2の光学画像1200は、位置確認マークに対応する光学画像1210〜1213と、電子部品619に対応する光学画像1220と、同一の面(すなわちおもて面)に実装された他の電子部品に対応する光学画像1221と、電子部品619と基板618との間に印刷されたはんだに対応する光学画像1230,1231とを含む。
【0119】
図13は、図12に示される第2の光学画像1200の一部を拡大した図である。第2の光学画像1200の表わすデータがRAM740に格納されると、CPU710は、そのデータを用いて基板618における電子部品619の位置を表わす情報を算出する。当該情報は、図10において述べたものと同じである。
【0120】
より詳しくは、CPU710は、電子部品に対応する光学画像1220の電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1320,1321を認識する。さらに、CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像1210,1211を認識する。CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像1210の中心と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1320との間の距離B11を算出する。同様に、CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像1211の中心と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1321との距離B21も算出する。さらに、CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像1210の中心と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1320とを結ぶ直線と基準線1310とが交差する角の角度C11を算出する。同様に、CPU710は、位置確認マークに対応する光学画像1211と電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点1321とを結ぶ直線と、基準線1311とが交差する角の角度C21も算出する。CPU710は、これらの算出した各データをRAM740において予め確保した領域に格納する。
【0121】
ここで、ステップS840において、CPU710は、距離B11,B21および角度C11,C21と、距離B1,B2および角度C1,C2とを、それぞれ比較する。比較の結果、CPU710が、各位置情報において差があると判断すると、CPU710は、これらの距離および角度のデータから新たな座標値を算出して、位置ずれ量、すなわち座標値を導出する。
【0122】
なお、電子部品619が電極サイズ以上、たとえば、電極サイズが0.6mm×0.85mmである1608チップ部品の場合において、X座標値が0.3mm、Y座標値が0.45mm以上の位置ずれ、すなわち電極サイズの1/2以上の位置ずれが見られた場合には、CPU710は、ステップS840において、第2の光学画像1200の取得の際に基板618の不良が検出された旨を、モニタ780に表示させる。
【0123】
図14は、基板618のおもて面と裏面との両面に各電子部品が実装された後に取得される第2のX線透過画像1400を表わす図である。第2のX線透過画像1400は、ステップS830における処理が実行された後に、通信I/F790を介してコンピュータシステム700に入力され、CPU710によってRAM740に格納される。
【0124】
第2のX線透過画像1400は、位置確認マークに対応するX線透過画像1410〜1415と、基板618のおもて面に実装された電子部品619に対応するX線透過画像1420,1421と、電子部品619と基板618との間に印刷されたはんだに対応するX線透過画像1430と、基板618の裏面に配置された「はんだボール」に対応するX線透過画像1441〜1449と、基板618の裏面に実装されたBGA/CSP622に対応するX線透過画像1450とを含む。
【0125】
図15は、第3のX線透過画像1500を表わす図である。第3のX線透過画像1500は、CPU710によって作成される(ステップS850)。
【0126】
第3のX線透過画像1500は、位置確認マークに対応するX線透過画像1510〜1513と、電子部品619に対応するX線透過画像1520,1521と、電子部品619と基板618との間に印刷されたはんだに対応するX線透過画像1530,1531とを含む。
【0127】
CPU710は、RAM740に格納されている第1の光学画像900を表わすデータを用いて、位置ずれ量を算出し(ステップS840)、その位置ずれ量を用いて第1の光学画像900を補正することにより、第3のX線透過画像1500を表わすデータを算出する。
【0128】
具体的な処理は、以下のとおりである。CPU710は、補正が必要であると判断した電子部品を抽出した(ここでは、電子部品に対応する光学画像1220が適合)後、当該電子部品が抽出可能となる閾値を設定する。この閾値は、たとえばハードディスク750に予め設定されている。CPU710は、撮像された光学画像のデータに基づく濃度分布ヒストグラムを作成し、濃度分布の谷に対する値を閾値として2値化処理を行ない、2値化画像を取得する。CPU710は、位置確認マークおよび実装された電子部品が含まれる領域と、そうでない領域とが分割されるまで、当該2値化画像におけるデータ「255」の範囲内で2値化処理を行ない、位置確認マークに対応する光学画像1210,1211および電子部品619に対応する光学画像1220が含まれる領域と、そうでない領域とを分割する。
【0129】
次に、CPU710は、分割された領域に含まれる位置確認マークに対応する光学画像1210,1211と、電子部品619に対応する光学画像1220とを抽出する。また、CPU710は、第1のX線透過画像1100に含まれる位置確認マークに対応するX線透過画像1110,1111と、抽出した位置確認マークに対応する光学画像1210,1211とを一致させる。
【0130】
さらに、CPU710は、抽出した電子部品の位置情報を、図13に示されるように取得されたデータだけ補正する。CPU710は、画像貼り付け処理によって、図15に示されるように、第3のX線透過画像1500を生成する。この画像は、撮影によって取得されたものではない。なお、ここでは、第3のX線透過画像1500は、2値化処理による領域の分割と、画像の抽出と、貼り付け処理とによって作成されているが、その他の手法でX線透過画像が補正されてもよい。
【0131】
図16は、第4のX線透過画像1600を表わす図である。第4のX線透過画像1600を表わすデータは、CPU710の演算処理によって生成される(ステップS860)。
【0132】
第4のX線透過画像1600は、基板618の裏面に設けられた位置確認マークに対応するX線透過画像1610,1613と、BGA/CSP622に対応するX線透過画像1650と、BGA/CSP622を基板618に実装するために配置されたはんだボールに対応するX線透過画像1641〜1649とを含む。
【0133】
CPU710は、RAM740に格納されている第3のX線透過画像1500を表わすデータを用いて、両面に電子部品が搭載された実装基板の第2のX線透過画像1400を表わすデータから第3のX線透過画像1500を表わすデータを差し引くことにより、第4のX線透過画像1600を導出する。この処理は、公知の画像差分処理によって実現される。
【0134】
次に、CPU710は、予め準備されている判断データと、第4のX線透過画像1600とに基づいて、電子部品の基板に対する接合状態(具体的には、はんだ付けの状態)の合否を判定し、一連の検査工程が終了する(ステップS870)。
【0135】
図17を参照して、本実施の形態に係る検査装置320による検査方法と従来の検査方法との相違について説明する。図17に示されるように、本実施の形態に係る検査装置320を用いた基板の検査方法によると、過判定率は、約9%となる。一方、従来の検査方法によると、過判定率は、約58%である。ここで、過判定の対応(過判定モード)は、本実施の形態に係る検査装置320によれば、基板618のおもて面に実装された電子部品619の実装のために用いられたはんだの形状変化による差分が不完全であったことに基づくものである。一方、従来の検査方法においては、過判定の対応は、基板618のおもて面に配置された電子部品619の実装される位置ずれによる見掛け上のはんだブリッジについての過判定による。
【0136】
ここで、図18を参照して、他の検査方法について説明する。図18は、他の局面に従う検査装置が基板を検査する場合に使用される画像を表わす図である。
【0137】
図18(A)は、基板の両面(おもて面と裏面)に部品が実装された後に取得されたX線透過画像1810を表わす図である。X線透過画像1810は、当該基板のおもて面に実装された電子部品に対応するX線透過画像1811と、当該基板の裏面に実装された他の電子部品に対応するX線透過画像1812とを含む。
【0138】
図18(B)は、基板の片面(たとえば、おもて面)のみに部品が実装された後に取得されたX線透過画像1820を表わす図である。X線透過画像1820は、当該基板のおもて面に実装された電子部品に対応するX線透過画像1813を含む。
【0139】
図18(C)は、X線透過画像1810からX線透過画像1820を差し引くことにより生成されるX線透過画像1830を表わす図である。X線透過画像1830は、当該基板の裏面に実装された電子部品に対応するX線透過画像1814を含む。
【0140】
当該他の検査方法によると、X線透過画像を表わすデータとして、X線透過画像1810およびX線透過画像1820を表わすデータが必要になる。また、各部品がおもて面と裏面とに実装された第1の基板と、部品がいずれか一面に実装された第2の基板とが必要になる。この場合、第2の基板に実装された部品と、第1の基板に実装された部品のうち第2の基板に実装された部品と同一の種類の部品とについて、実装されている位置が一致している必要がある。そのため、これらの基板を試作するために求められる加工精度あるいはコストは、本発明の実施の形態に係る検査装置320による検査を実現するために求められる加工精度あるいはコストを上回ることになる。
【0141】
これに対して、本発明の実施の形態に係る検査装置320によれば、以下に詳述するように、コストあるいは時間を増大させることなく、部品が実装された基板を検査することができる。
【0142】
まず、本実施の形態に係る検査装置の特徴は、以下のとおりである。本実施の形態に係る基板の検査方法は、従来の方法と異なり、別個の基板を撮影して取得した裏面の画像を参照画像として使用しない。また、表裏面のX線透過画像と片面に搭載したX線透過画像とを比較し、位置ズレ量を求めていない。当該基板の検査方法は、検査対象である両面に部品が実装された基板の画像からおもて面の画像を取得し、当該おもて面の画像と検査対象である基板の画像との差分をとることにより、裏面における実装の状態を検査する。すなわち、X線透過画像に比べ画像比較が容易である光学画像を2回目のリフロー炉の前後で電子部品毎に比較することにより、各電子部品の位置ズレ等に対するX線透過画像を補正し、当該おもて面の画像と検査対象である基板の画像との差分をとることにより、裏面における実装の状態を検査する。
【0143】
具体的には、裏面の画像を得るための参照基板を用意する従来の手法(いわゆる「サブトラクティブ法」)によると、観察したサンプルのうち良品であるにもかかわらず不良であると装置が判定するケース(過判定モード)が散見される。一例としては、過判定率は、約50%強となる場合もある。
【0144】
それに対して、本発明の実施の形態に係る検査装置320によると、過判定モードの発生の原因である差分後の画像に対する裏面の画像の電子部品の位置ずれや基板間の個体差による誤差の影響は、ある条件の下では、約10%程度まで抑制され得る。その結果、両面実装基板に対する電子部品のはんだ付け部分の誤認識率が低下する。
【0145】
また、両面に電子部品を実装する場合には、リフロー炉を2回通す必要がある。この2回目のリフロー炉により、先に電子部品を実装した面である実装基板のA面(あるいは「おもて面」)は、リフロー炉における2回目の処理の際に、熱のためにはんだが再溶融する。そのため、2回目の処理の際に、リフロー炉の内部で電子部品が脱落しないようにするために、一般的には、抵抗、コンデンサ、小型IC等の小型で軽量の電子部品は、基板のA面に先に実装される。当該基板のB面に実装される電子部品であるBGA、コネクタ等の大型の部品は、2回目のリフロー炉にて実装される。ここで上述した工程順に電子部品の配置装置を設置した場合には、逆の工程として、基板の裏面(B面)に電子部品を先に実装し、次に実装基板の表面(A面)側に電子部品を実装することは、数枚の試作基板のために当該配置装置の設定を再調整する等の無駄な調整時間が必要になる。その結果、効率が低下し、現実的ではなく、このようにして製造された基板は、実際には無駄な基板となっている。
【0146】
これに対して、本発明の実施の形態に係る基板の検査装置320によると、基板の裏面に電子部品が実装された基板(参照基板)が不要である。その結果、当該サブトラクティブ法において必要とされる、裏面(B面)側のみに電子部品が実装された基板を試作する工数が不要になる。
【0147】
また、検査装置320は、オペレータが観察したい部分のみの画像を抽出することができるため、検査時間を短くすることができる。また、検査装置320は、一方の面側のみに電子部品が実装された基板についての2値化画像を記憶部324に格納する。そのため、基板の検査に必要な記憶容量の増加を抑制できる。
【0148】
さらに、基板を透過するX線により検出される位置確認マークの位置を基準にして、片面の画像と両面の画像とを重ね合せることにより基板全体の位置の補正を行なう従来の方法に比べて、本発明は、電子部品毎に位置の補正を行なうため、リフロー炉による基板の反りの影響を受けず、当該位置の検出誤差を小さくすることができる。
【0149】
以上より、はんだ付け部分の良否の判定が容易になるため、両面実装基板の検査を自動化することができる。これにより、製造工程に検査工程を組み込むこと(インライン化)が可能になる。その結果、光学式の外観検査装置で発見が困難であり、これまで目視、電気検査に頼っていた電子部品の影となる位置にあるはんだ接合部の自動判定が可能になる。また、誤差率の低減、目視確認の作業時間の短縮、目視人員の削減あるいは生産性の向上が可能になる。
【0150】
なお、本実施の形態においては、X線撮像装置が基板の垂直方向の下部に配置されており、X線照射装置が基板の垂直方向の上部に配置されているが、各々の配置は、逆であってもよい。
【0151】
また、検査装置320の前に基板を反転させるための機構が設けられており、可視光撮像装置が基板の一方面だけに配置されている場合について説明している。しかしながら、可視光撮像装置を2箇所以上(たとえば、基板の上下)に設置する構成でもよい。
【0152】
また、検査装置320による検査は、X線検査が必要な部分のみについて接合状態の良否の判定のみに限られず、各電子部品の実装の状態が検査されてもよい。
【0153】
また、X線透過画像と光学画像とを個別に撮像したが、X線透過画像と光学画像とを同時に撮像してもよい。
【0154】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】電子部品が実装された基板の製造工程100を概念的に表わす図である。
【図2】接合工程110における一連の処理を表わすフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る検査システム300によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。
【図4】検査装置320が備える記憶部324におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図5】電子部品520が基板500に配置されている状態を表わす図である。
【図6】撮像装置310のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図7】検査装置320として機能するコンピュータシステム700のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図8】コンピュータシステム700のCPU710が実行する一連の処理を表わすフローチャートである。
【図9】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その1)である。
【図10】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その2)である。
【図11】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その3)である。
【図12】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その4)である。
【図13】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その5)である。
【図14】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その6)である。
【図15】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その7)である。
【図16】検査装置320として機能するコンピュータシステム700によって生成される画像を概念的に表わす図(その8)である。
【図17】本実施の形態に係る検査装置320による検査方法と従来の検査方法との相違を表わす図である。
【図18】他の局面に従う検査装置が基板を検査する場合に使用される画像を表わす図である。
【符号の説明】
【0156】
100 製造工程、300 検査システム、510 位置確認マーク、611 X線照射装置、612 X線撮像装置、613 可視光撮像装置、614 可視光源、615 ミラー、616 シンチレータ、618 基板、619 電子部品、620 データ出力インターフェイス、622 BGA/CSP、700 コンピュータシステム、762 CD−ROM、900 第1の光学画像、910,911,912,913,1210,1211,1212,1213 位置確認マークに対応する光学画像、920,921,1220,1221 電子部品に対応する光学画像、930,931,1230,1231 はんだに対応する光学画像、1010,1011,1310,1311 基準線、1020,1021,1320,1321 電子部品の対角線上に位置する2つの角に対応する点、1100 第1のX線透過画像、1110〜1113,1410〜1415,1510〜1513,1610,1613 位置確認マークに対応するX線透過画像、1120,1121,1420,1421,1520,1521 電子部品に対応するX線透過画像、1130,1131,1530,1531 はんだに対応するX線透過画像、1200 第2の光学画像、1400 第2のX線透過画像、1441〜1449,1641〜1649 はんだボールに対応するX線透過画像、1450,1650 BGA/CSPに対応するX線透過画像、1500 第3のX線透過画像、1600 第4のX線透過画像、1810〜1814,1820,1830 X線透過画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを格納する記憶部と、
前記データを用いた演算を行なう処理部とを備え、前記処理部は、
基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得する手段を含み、前記基板の第1の面には、第1の部品が接合されており、
前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得する手段と、
前記第1の透過画像データと前記第1の光学画像データとを関連付ける関連付け手段と、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得する手段と、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得する手段と、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとを比較する比較手段と、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、前記第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成する第1の生成手段と、
前記第2の透過画像データと前記第3の透過画像データとに基づいて、前記第2の面を表わす第4の透過画像データを生成する第2の生成手段と、
前記第4の透過画像データに基づいて、前記基板における接合の状態を判断する判断手段とを含む、基板の検査装置。
【請求項2】
前記比較手段は、前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとを比較することにより、前記基板における前記第1の部品の位置を表わす情報を取得する取得手段を含み、
前記第1の生成手段は、前記情報に基づいて前記第1の透過画像データを補正することにより、前記第3の透過画像データを生成し、
前記第2の生成手段は、前記第2の透過画像データから前記第3の透過画像データを差し引くことにより、前記第4の透過画像データを生成し、
前記判断手段は、予め定められた設計情報に従って前記第2の部品が接合された前記基板を透過したX線に基づく画像を表わす教示データと、前記第4の透過画像データとを比較することにより、前記第2の部品の接合の状態を判断する、請求項1に記載の基板の検査装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
前記第1の光学画像データに基づいて、前記基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する手段と、
前記第1の光学画像データに基づいて、前記第1の部品において予め規定された場所に対応する第1の部分画像を認識する手段と、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像との位置関係を表わす第1のデータを算出する第1の算出手段と、
前記第2の光学画像データに基づいて、前記位置を表わす第2の基準画像を認識する手段と、
前記第2の光学画像データに基づいて、前記予め規定された場所に対応する第2の部分画像を認識する手段と、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像との位置関係を表わす第2のデータを算出する第2の算出手段と、
前記第1のデータと前記第2のデータとの差を算出する手段とを含む、請求項2に記載の基板の検査装置。
【請求項4】
前記第1の算出手段は、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像との距離と、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像とを結ぶ直線と、前記第1の部品に対して予め規定された基準線とがなす角の角度とを算出し、
前記第2の算出手段は、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像との距離と、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像とを結ぶ直線と、前記基準線とがなす角の角度とを算出する、請求項3に記載の基板の検査装置。
【請求項5】
前記関連付け手段は、
前記第1の透過画像データから、前記基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識する第1の認識手段と、
前記第1の光学画像データから、前記位置を表わす第2の基準画像を認識する第2の認識手段と、
前記第1の基準画像と前記第2の基準画像とを一致させる手段と、
前記第1の部品を識別するためのデータと、前記第1の基準画像または前記第2の基準画像とを対応付ける手段とを含む、請求項1に記載の基板の検査装置。
【請求項6】
前記予め定められた位置は、前記基板に予め形成された印の位置を表わす、請求項5に記載の基板の検査装置。
【請求項7】
前記基板には、予め規定された設計データに基づく配線パターンが形成されており、
前記第1の認識手段と、前記第2の認識手段とは、それぞれ、前記配線パターンを表わす画像を認識する、請求項5に記載の基板の検査装置。
【請求項8】
コンピュータが備えるプロセッサが実行する基板の検査方法であって、
基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得するステップを含み、前記基板の第1の面には、第1の部品が接合されており、
前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得するステップと、
前記第1の透過画像データと前記第1の光学画像データとを関連付ける関連付けステップと、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得するステップと、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得するステップと、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとを比較する比較ステップと、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、前記第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成する第1の生成ステップと、
前記第2の透過画像データと前記第3の透過画像データとに基づいて、前記第2の面を表わす第4の透過画像データを生成する第2の生成ステップと、
前記第4の透過画像データに基づいて、前記基板における接合の状態を判断する判断ステップとを含む、基板の検査方法。
【請求項9】
前記比較ステップは、前記基板における前記第1の部品の位置を表わす情報を取得するステップを含み、
前記第1の生成ステップは、前記情報に基づいて前記第1の透過画像データを補正することにより、前記第3の透過画像データを生成し、
前記第2の生成ステップは、前記第2の透過画像データから前記第3の透過画像データを差し引くことにより、前記第4の透過画像データを生成し、
前記判断ステップは、予め定められた設計情報に従って前記第2の部品が接合された前記基板を透過したX線に基づく画像を表わす教示データと、前記第4の透過画像データとを比較することにより、前記第2の部品の接合の状態を判断する、請求項8に記載の基板の検査方法。
【請求項10】
前記情報を取得する前記ステップは、
前記第1の光学画像データに基づいて、前記基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識するステップと、
前記第1の光学画像データに基づいて、前記第1の部品において予め規定された場所に対応する第1の部分画像を認識するステップと、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像との位置関係を表わす第1のデータを算出する第1の算出ステップと、
前記第2の光学画像データに基づいて、前記位置を表わす第2の基準画像を認識するステップと、
前記第2の光学画像データに基づいて、前記予め規定された場所に対応する第2の部分画像を認識するステップと、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像との位置関係を表わす第2のデータを算出する第2の算出ステップと、
前記第1のデータと前記第2のデータとの差を算出するステップとを含む、請求項9に記載の基板の検査方法。
【請求項11】
前記第1の算出ステップは、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像との距離と、
前記第1の基準画像と前記第1の部分画像とを結ぶ直線と、前記第1の部品に対して予め規定された基準線とがなす角の角度とを算出し、
前記第2の算出ステップは、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像との距離と、
前記第2の基準画像と前記第2の部分画像とを結ぶ直線と、前記基準線とがなす角の角度とを算出する、請求項10に記載の基板の検査方法。
【請求項12】
前記関連付けステップは、
前記第1の透過画像データから、前記基板において予め定められた位置を表わす第1の基準画像を認識するステップと、
前記第1の光学画像データから、前記位置を表わす第2の基準画像を認識するステップと、
前記第1の基準画像と前記第2の基準画像とを一致させるステップと、
前記第1の部品を識別するためのデータと、前記第1の基準画像または前記第2の基準画像とを対応付けるステップとを含む、請求項8に記載の基板の検査方法。
【請求項13】
前記予め定められた位置は、前記基板に予め形成された印の位置を表わす、請求項12に記載の基板の検査方法。
【請求項14】
前記基板には、予め規定された設計データに基づく配線パターンが形成されており、
前記第1の基準画像を認識する前記ステップと、前記第2の基準画像を認識する前記ステップとは、それぞれ、前記配線パターンを表わす画像を認識する、請求項12に記載の基板の検査方法。
【請求項15】
コンピュータを基板の検査装置として機能させるためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
基板を透過したX線に基づく画像を表わす第1の透過画像データを取得するステップを実行させ、前記基板の第1の面には、第1の部品が接合されており、
前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第1の光学画像データを取得するステップと、
前記第1の透過画像データと前記第1の光学画像データとを関連付けるステップと、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記基板を透過したX線に基づく画像を表わす第2の透過画像データを取得するステップと、
前記第1の面の反対側の第2の面に第2の部品が接合された後に、前記第1の面に照射された可視光線に基づく画像を表わす第2の光学画像データを取得するステップと、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとを比較するステップと、
前記第1の光学画像データと前記第2の光学画像データとの比較の結果に基づいて、前記第1の透過画像データから第3の透過画像データを生成するステップと、
前記第2の透過画像データと前記第3の透過画像データとに基づいて、前記第2の面を表わす第4の透過画像データを生成するステップと、
前記第4の透過画像データに基づいて、前記基板における接合の状態を判断するステップとを実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−53457(P2008−53457A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228130(P2006−228130)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】