説明

基板をガルバニック・コーティングするための方法および装置

【課題】基板の処理量を増大させた、ガルバニック・コーティング装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの基板1の、特に太陽電池1aの少なくとも1つの表面2,3をガルバニック・コーティングする装置であって、電解コーティング液が満たされたコーティング・タンクを有するコーティング・バスと、基板1をコーティング・バスの中を搬送するための搬送手段と、基板1に光を照射するための少なくとも1つの光源64を有する光源回路60、複数のアノードを有する基板1のための整流回路50とを有する装置において、同期した電流インパルスおよび光インパルスを発生させるための手段を有し、複数の電流インパルスの間のインパルス間隔の間には、基板1への光の照射が中断されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面をガルバニック・コーティングするための装置に関する。
【0002】
本発明は、請求項14の前提部分に記載のガルバニック・コーティングするための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1からは、前提部分に記載のコーティング装置が公知である。このコーティング装置では、複数の太陽電池が、搬送ローラによって、コーティング・バスを有するコーティング・タンクの中を、移動される。タンクの下面には、種々のタイプの光源、例えばLEDが設けられている。光源の波長が、各々のコーティング液に適合されている。
【0004】
コーティングを、光誘起によってのみ、しかしまた電気で支援されて実行することができる。光源による光の照射は、セルに電圧を発生させる。この電圧は、セル電流を引き起こす。このセル電流は、適切に構成されたコーティング・バスから、太陽電池の表面への金属の析出を引き起こす。太陽電池は、整流回路と呼ばれる電気回路(Galvanikstromkreis)内で、カソードである。
【0005】
しかしながら、光誘起および電流誘起による組み合わせのコーティングは、処理量の目覚しい増加を引き起こさない。
【0006】
特許文献2には、電気回路中の一定の直流電圧による操作が、欠点であると見なされる。亜鉛めっきされる物体が、コーティング・バスを通る途上で、実質的に同一の電場にある。めっき速度、すなわち、析出された金属が基板上に形成されるときの速度は、しかし比較的小さい。このことは、物体の設定された移動速度の場合には、装置の長さが非常に大きくなければならないことを意味している。
【0007】
より速いめっき速度という目標に達するためには、特許文献2には、電気回路すなわち整流回路を、電流インパルスで作動させることが提案されている。この処置によって、めっき速度を何倍も増大することができることが明らかになった。複数の電流インパルスの間にある無電流の時間は、電流インパルスの振幅が、適切に増大することによって、埋め合わせられる。
【特許文献1】DE 10 2007 038 120 A1
【特許文献2】DE 42 25 961 A1
【発明の概要】
【0008】
本発明の課題は、コーティング装置における基板の処理量を一層増大させることである。
【0009】
この課題は、請求項1に記載の装置および請求項14に記載の方法によって解決される。
【0010】
装置は、同期した電流インパルスおよび光インパルスを発生させるための手段が設けられており、複数の電流インパルスの間の間隔では、基板への光の照射が中断されていることを特徴とする。
【0011】
電流インパルスによってのみならず、電流インパルスに同期した光インパルスによっても、操作されるとき、処理量が増大されることが可能であることが明らかになった。同期したインパルスは、電流インパルスが供給されているときには常に、光インパルスが供給されていることを意味する。複数の電流インパルスの間のパルス間隔は、光インパルスのパルス間隔と同時に生じる。コーティングされる基板表面への光の照射を中断するために、例えば、光源を遮蔽することができる。間隔における光源の遮蔽も可能である。光源としてLEDを用いることは好ましい。
【0012】
このような同期した光インパルスによって、めっき速度を、特許文献1に記載の連続照射手段に比較して、一層増大することができる。
【0013】
同期した電流インパルスおよび光インパルスを発生させるための手段が、整流回路および/または光源回路に少なくとも1つのインパルス発生器を有することは好ましい。
【0014】
整流回路および/または光源回路が、インパルス発生器に接続されていることは好ましい。
【0015】
2つの回路が接続されているインパルス発生器が設けられていてもよいことは好ましい。実際また、各々の回路には、同期したインパルスを発生させるために適切に接続されている固有のインパルス発生器が設けられていてもよい。
【0016】
光源回路が、光カプラーによって、整流回路と結合されていることは好ましい。光カプラーによる結合は、入力端と出力端の電気分離の故に、妨害の影響が一方の回路から他方の回路へ伝達され得ないという、利点を有する。従って、光カプラーによる双方の回路の結合は、発生されたパルスの、改善された安定性および均一性という利点を有する。
【0017】
他の実施形態によれば、整流回路および/または光源回路は、少なくとも1つの制御手段を有し、この制御手段は、電流インパルスおよび/または光インパルスの長さに従って、光源の光度および/または光インパルスの強さを制御する。少なくとも1つの制御装置によって、光インパルスおよび/または電流インパルスの強さによって、析出される金属層の形態に影響を与える。最適な性質を有するグレーディング金属層を析出することができる。他の可能性は、例えば、光インパルスの強さおよび電流インパルスの強さを同時に変えることにある。その方法は、例えば、電流インパルスを、コーティング中に減少させ、光インパルスを同時に増加させることによってである。
【0018】
析出速度、従ってまた処理量を更に増大させるために、電解コーティング液の流れを発生させる手段が設けられていることは好ましい。基板が、静止している電解コーティング液の中を動かされるので、流れは、基板の表面に沿って既に存在する。このような発生手段によって、電解コーティング液を、同様に流動させることが意図される。それ故に、基板の移動の故に既に存在する流れに加えて、基板の表面に、追加の流れが発生される。
【0019】
例えば電流インパルスの強さによって、電流密度が増大されることによって、処理量は、増大される。何故ならば、このことによって、達成されるべき層の厚さが、より速く析出されるからである。しかし、電流密度は、任意に高く選択することができない。何故ならば、いわゆる限界電流密度を考慮しなければならないからである。限界電流密度は、コーティングされるカソードの表面における遊離金属イオン濃度がゼロに近づくときの電流密度を意味する。
【0020】
電流インパルスの強さが限界電流密度を上回るとき、この領域では、電解質中の金属イオンの減少の故に、ガス状の水素が発生される。電解質は、既に析出された金属層に、とりわけ孔を発生させる。その結果、金属層の形態が損なわれる。このことは、金属層の粉砕をもたらすことになる。
【0021】
基板のカソード面の表面における電解コーティング液の流れ速度Vsが、高くなるにつれて、限界電流密度が一層大きくなることは明らかであった。
【0022】
電解コーティング液の流れを発生させる手段の第1の実施形態によれば、電解コーティング液を導き入れるための少なくとも1つのノズルが設けられている。1つまたは複数のノズルによって、電解コーティング液を乱流化する。コーティングされる表面に沿って、電解コーティング液の中の基板の送りによって、引き起こされる流れを、乱流が圧倒しまたは強化するほどに、乱流をかように大きく選択することは好ましい。
【0023】
ノズルが、コーティング・バスの中で、コーティングされる表面に対向して設けられていることは好ましい。
【0024】
ノズルが、基板のコーティングされる表面に垂直に向けられていることは好ましい。このことによって、流れが、基板の、コーティングされる表面に向けられる。それ故に、流れが基板にぶつかる際には、渦が発生される。かような渦は、基板の表面に、電解コーティング液の、基板の送りによって引き起こされた相対速度よりも大きい速度を有する。
【0025】
ノズルが、整流回路の複数のアノードの間に設けられていることは好ましい。ノズルから出る電解コーティング液は、コーティングされる表面へとスムーズに流れることができ、その流れがアノードによって弱められることはない。
【0026】
ノズルが、電解コーティング液の高い流出速度を得るために用いられるベンチュリ・ノズルであることは、好ましい。
【0027】
電解コーティング液の流れ速度を発生させる手段の第2の実施形態によれば、循環手段が設けられている。
【0028】
循環手段が、向流手段であることは好ましい。向流手段は、電解コーティング液を、コーティング・バスの中で基板の搬送方向と対向する方向に向けられている流れに変える。コーティング・タンクの入口が、搬送方向の終点に設けられており、コーティング・タンクの出口が、搬送方向の始点に設けられていることは好ましい。従って、電解コーティング液が、搬送方向と対向する方向に、コーティング・タンクから吸い取られることは好ましい。入口および出口が、搬送手段の高さに、すなわち搬送される基板の高さに設けられていることは好ましい。その目的は、向流が、コーティング・バスに設けられた他の構造物によって妨げられないためである。
【0029】
ノズルを有する手段を、循環手段と同様に、単独で用いることができる。しかしながら、2つの手段を組み合わせて設けることも好ましい。
【0030】
基板の少なくとも1つの表面をガルバニック・コーティングするための方法は、ガルバニ電流および光を同期的にパルス化し、複数の電流インパルスの間のインパルス間隔の間に、基板への光の照射を中断することを特徴とする。
【0031】
光インパルスおよび電流インパルスの長さが、0.1msないし10000msであることは好ましい。好ましいインパルスの長さは、1msないし1000ms、特に1msないし100msである。
【0032】
パルスの長さを、インパルス間隔の長さと同一に選択することは好ましい。
【0033】
電流インパルスおよび/または光インパルスが、矩形波インパルスであることは好ましい。
【0034】
光インパルスおよび/または電流インパルスの強さおよび/または長さを変化させることが可能である。インパルスの変化は、例えば、最適な性質を有するグレーディング金属層を、析出することを可能にする。1つまたは複数の制御手段によって、かようにして、個別的なめっきプログラムが実現される。
【0035】
光インパルスが長ければ長いほど、光インパルスは一層弱く選択することが好都合であることが明らかになった。例えば、光度は、インパルスの長さが100msであるとき、最大光度の10%であり、インパルスの長さが1msであるとき、20%であり、パルスの長さが0.5msであるとき、80%であることが可能である。
【0036】
処理量を一層改善するためには、電流インパルスの間隔の間に、強さI≦0.5×I(Iは電流インパルスの強さを表わす)を有する直流電流を供給することができる。電流強さIを、コーティングされるカソード面における金属イオン濃度に関して電解コーティング液の必要な再生が損なわれないほどに、低く選択することは好ましい。
【0037】
電解コーティング液を、基板のコーティングされる表面の領域で、基板の搬送方向と対向する方向に流すことは好ましい。
【0038】
この向流に加えて、または向流とは別に、電解コーティング液を、少なくとも、基板のコーティングされる表面の領域で、乱流化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コーティング・タンクの垂直断面略図を示す。
【図2】2つの回路と、複数の光源を配置したものの略図を示す。
【図3】2つの回路の他の実施形態を示す。
【図4】コーティング・プロセスを説明するためのインパルス線図を示す。
【図5】コーティング・プロセスを説明するための他のインパルス線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の、例として示した実施形態を、図面を参照して詳述する。図1には、基板1をコーティングするための装置10の断面が略示されている。基板1としては、この実施形態では、複数の太陽電池1aが用いられる。装置10は、コーティング・タンク12を有する。コーティング・タンクは、電解コーティング液14を貯めているコーティング・バス13を有する。
【0041】
コーティング・タンク12の上方領域には、搬送手段15が設けられている。搬送手段は、上方の搬送ローラ16および下方の搬送ローラ18を有し、両者の間には、太陽電池1aが保持され、矢印方向5に搬送される。コーティング・タンク12には、コーティングされる太陽電池1aが、コーティング・バス13の中に完全に入るほどに、コーティング液14が満たされている。
【0042】
コーティング・バス13の中に流れを発生させるために、第1の液体導管36を有する循環手段30が設けられている。コーティング・タンク12は、搬送手段15の下方に、第1の出口22を有する。出口には、第1の液体導管36が接続されている。この第1の液体導管36に設けられた第1のポンプ32によって、コーティング液14が、コーティング・タンク12から、第1の出口22を通って、ポンプで排出され、第1の入口20を通って、コーティング・タンク12に再度供給される。第1の入口は、コーティング・タンク12の底部領域に設けられている。
【0043】
コーティング・タンク12の内部には、流入装置40の供給管42が、第1の液体導管36に接続されている。供給管42の他端には、水平方向に設けられた分配管44が接続されている。分配管には、複数のベンチュリ・ノズル46が設けられている。これらのベンチュリ・ノズル46は、垂直方向に向けられており、従って、太陽電池1aに対し垂直に設けられている。これらのベンチュリ・ノズル46からは、供給されたコーティング液が、高速で流れ出て、従って、下方に向いたコーティングされる太陽電池1aの表面3へ、実質的に垂直にぶつかる(図2参照)。
【0044】
コーティング液のこの流れが、装置の構成要素によって妨げられないように、これらのベンチュリ・ノズル46は、整流回路50の複数のアノード54の間に設けられている(図2参照)。これらのアノード54の上方には、LEDストリップライトである複数の光源64が設けられている。配列されたストリップライトは、略示されているのみである。特に、太陽電池1aの表面3では、下方から来る流れが乱流となる。それ故に、コーティング液14が、コーティングされる表面3の領域で、インパルス間隔の間に、急速に再生することが可能である。
【0045】
コーティング・バスの中で搬送方向5と対向する方向の流れを更に発生させるために、コーティング・タンク12は、左側の下方領域に、第2の出口23を有する。この出口には、第2のポンプ34を有する第2の液体導管38が接続されている。この液体導管38は、コーティング・バス12の上方領域に設けられた第2の入口21に通じている。第2の入口21は、太陽電池1aの領域に設けられている。それ故に、第2の入口21と第1の出口22との間には、水平方向の流れが、搬送方向5と対向する方向に発生される。
【0046】
装置10は、例えば、第2の液体導管38を有しなくてもよい。他の変形例は、流入装置40および第2の液体導管38なしに、あるいは、流入装置40なしに、しかし第2の液体導管38をもってデザインされていてもよい。第2の液体導管38を有しない実施形態では、第1の液体導管36が、コーティング・バス12の第2の入口21に接続されていることは好ましい。
【0047】
図2には、太陽電池1aが、拡大断面図で示されている。この太陽電池は、裏面2に、金属被覆部を有し、コンタクト・フィンガを形成するために、表面3に、適切なペースト4からなるストリップを有する。電極構造を形成するために、スクリーン印刷用ペーストを用いることは好ましい。電気化学析出中に、このスクリーン印刷用ペーストの領域にのみ、金属が、電解コーティング液から析出される。
【0048】
上方の搬送ローラ16は、太陽電池1aの金属製の裏面2に接触し、従って、ガルバニ電流を加えるために用いられる。この目的のために、整流回路50が設けられている。この整流回路は、複数の上方の搬送ローラ16のうちの1つを、好ましくは銀アノードであるアノード54に接続する。整流回路50には、電源52およびインパルス発生器53が設けられている。インパルス発生器53によって、電流インパルスを、太陽電池1aおよびアノード54に供給することができる。
【0049】
更に、コーティングされる表面3に照射するために、1つの光源64、例えばLEDが示されているが、実際には、複数の光源が設けられている。この光源64は、電源62を有する光源回路60に接続されている。
【0050】
2つの回路50および60は、光カプラー56によって、互いに接続されている。光カプラー56の入力端57は整流回路50に接続されており、出力端58は光源回路60に接続されている。
【0051】
光カプラー56は、電流インパルスが供給されると同時に、光源64がスイッチオンされ、それ故に、同時に光インパルスも発生されるように、切り換えられている。電流インパルスの間隔の間に、光源64がスイッチオフされる。
【0052】
図3には、光カプラー56が設けられてない他の実施形態が示されている。光カプラーの代わりに、光源回路60が、インパルス発生器53に直接接続されている。インパルス発生器は、2つの回路50,60のためのインパルスを発生する。
【0053】
更に1つの制御手段66が光源回路60に設けられていることが選択的にできる。この制御手段66は、光インパルスの強さを、例えば、インパルスの長さに従って制御することができる。
【0054】
同様に、整流回路50には、制御手段59が設けられている。この制御手段によって、電流インパルスの異なった長さおよび高さを調節することができる。2つの制御手段59,66によって、個々のコーティング段階を有する完全自動のガルバニック・コーティングプログラムが実現される。このことは、グレーディング層を、ペースト部4によって定められた電極構造上に形成するために、特別な利点を有する。
【0055】
図4には、電流インパルスおよび光インパルスの2つのダイアグラムが示されている。光インパルスおよび電流インパルスは、同じ長さである。複数の電気パルス同士の間、および複数の光インパルス同士の間には、それぞれ、インパルスと同じく長い間隔がある。光インパルスおよび電流インパルスは、完全に同期化されている。インパルス間隔の間には、光度がゼロである。このことを、光源のオフによってまたは光源の遮蔽によって達成することができる。
【0056】
図5に示された他の実施形態では、電流インパルスの間隔の間に、電流の強さIを有する直流電流が供給される。電流の強さIは、電流の強さIの50%である。光インパルスは、図4の光インパルスに対応している。
【符号の説明】
【0057】
1 基板
1a 太陽電池
2 裏面
3 表面
4 ペースト部
5 搬送方向
10 装置
12 コーティング・タンク
13 コーティング・バス
14 電解コーティング液
15 搬送手段
16 上方の搬送ローラ
18 下方の搬送ローラ
20 第1の入口
21 第2の入口
22 第1の出口
23 第2の出口
30 循環手段
32 第1のポンプ
34 第2のポンプ
36 第1の液体導管
38 第2の液体導管
40 流入装置
42 供給管
44 分配管
46 ベンチュリ・ノズル
50 整流回路
52 電源
53 インパルス発生器
54 アノード
56 光カプラー
57 光カプラーの入力端
58 光カプラーの出力端
59 制御手段
60 光源回路
62 電源
64 光源、LED
66 制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基板(1)の、特に太陽電池(1a)の少なくとも1つの表面(2,3)をガルバニック・コーティングする装置であって、電解コーティング液(14)が満たされたコーティング・タンク(12)を有するコーティング・バス(13)と、前記基板を、前記コーティング・バス(13)の中を搬送するための搬送手段(15)と、前記基板(1)に光を照射するための少なくとも1つの光源(64)を有する光源回路(60)と、複数のアノード(54)を有する前記基板(1)のための整流回路(50)と、を具備する装置において、
同期した電流インパルスおよび光インパルスを発生させるための手段が設けられており、複数の電流インパルスの間のインパルス間隔の間には、前記基板(1)への光の照射が中断されることを特徴とする装置。
【請求項2】
同期した電流インパルスおよび光インパルスを発生させるための前記手段は、前記整流回路(50)および/または前記光源回路(60)に少なくとも1つのインパルス発生器(53)を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記整流回路(50)および前記光源回路(60)は、前記インパルス発生器(53)に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光源回路(60)は、光カプラー(56)によって、前記整流回路(50)と結合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記光源回路(60)および/または前記整流回路(50)は、少なくとも1つの制御手段(59,66)を有し、この制御手段は、前記電流インパルスおよび/または前記光インパルスの長さに従って、前記光源(64)の光度および/または前記光インパルスの強さを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記電解コーティング液(14)の流れを発生させる手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
前記電解コーティング液(14)の流れを発生させる前記手段は、電解コーティング液(14)を導き入れるための少なくとも1つのノズルを有することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ノズルは、前記コーティング・バス(13)の中で、前記コーティングされる表面(2,3)に対向して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズルは、前記基板(1)の前記コーティングされる表面(2,3)に垂直に向けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記ノズルは、前記整流回路(50)の前記複数のアノード(54)の間に設けられていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ノズルは、ベンチュリ・ノズル(46)であることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記電解コーティング液(14)の流れを発生させる前記手段は、循環手段(30)を有することを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記循環手段(30)は、向流手段であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面をガルバニック・コーティングするための方法であって、前記基板を、電解コーティング液を通って動かし、この基板に光を照射し、前記基板には、整流回路によって、ガルバニ電流を供給し、
前記ガルバニ電流および前記光を同期的にパルス化し、複数の電流インパルスの間のパルス間隔の間に、前記基板への光の照射を中断することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記光インパルスおよび電流インパルスの長さが、0.1msないし10000msであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記インパルス間隔の長さを、インパルスの長さと同一に選択することを特徴とする請求項12または13に記載の方法
【請求項17】
前記電流インパルスおよび/または前記光インパルスは、矩形波インパルスであることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記光インパルスおよび/または前記電流インパルスの長さおよび/または強さを変化させることを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記光インパルスが長ければ長いほど、光インパルスは一層弱いことを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記電流インパルスの間隔の間に、強さI≦0.5×I(Iは電流インパルスの強さを表わす)を有する直流電流を供給することを特徴とする請求項12ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記電解コーティング液を、少なくとも、前記基板の前記コーティングされる表面の領域で、前記基板の搬送方向と対向する方向に流すことを特徴とする請求項14ないし20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記電解コーティング液を、少なくとも、前記基板の前記コーティングされる表面の領域で乱流化させることを特徴とする請求項14ないし21のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−66425(P2011−66425A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209121(P2010−209121)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(510139069)ショット・ゾラール・アーゲー (17)
【Fターム(参考)】