基板コンベヤ
【課題】周回するコンベヤベルトと、そのコンベヤベルトの水平な直線部である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内レールとを備えた基板コンベヤを改善する。
【解決手段】
上記基板コンベヤを、さらに、搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して搬送部から浮き上がらせる押上部材と、搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、回路基板を下方から支持する支持ピンユニット704と、押上部材と支持ピンユニット704とを昇降させる昇降装置とを含むものとするとともに、昇降装置を、その昇降装置が押上部材を受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、その昇降装置の一部であるエアシリンダ720が支持ピンユニット704を回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものとする。
【解決手段】
上記基板コンベヤを、さらに、搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して搬送部から浮き上がらせる押上部材と、搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、回路基板を下方から支持する支持ピンユニット704と、押上部材と支持ピンユニット704とを昇降させる昇降装置とを含むものとするとともに、昇降装置を、その昇降装置が押上部材を受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、その昇降装置の一部であるエアシリンダ720が支持ピンユニット704を回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品装着機やスクリーン印刷機等、回路基板に作業を施す種々の対基板作業機に設けられ、回路基板を搬送し、所定の位置に停止させて保持する基板コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の基板コンベヤは広く使用されており、それに含まれる基板支持装置は、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、複数の支持部材と、それら支持部材を昇降させる昇降装置とを備え、支持部材が昇降装置により上昇させられて回路基板の下面に接触させられ、下方から支持する。
【特許文献1】特開平11−195899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の基板保持装置を備えた基板コンベヤには未だ改良すべき点がある。本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、良好に回路基板を保持し得る基板支持装置を備えた基板コンベヤの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、基板コンベヤを、(a)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、(b)そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、(c)前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、(d)前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、(e)前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、(f)前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置とを含むものとするとともに、前記昇降装置を、前記押上部材を前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、前記基板支持部材を前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものとすることにより解決される。
【発明の効果】
【0005】
押上部材が受け部材と共同して回路基板の側縁部を挟む前に、基板支持部材が回路基板の下面に接触すれば、回路基板をずらしてしまう恐れがあるのであるが、回路基板が押上部材と受け部材とに挟まれた状態で基板支持部材に回路基板を支持させれば、回路基板がずれることなく支持させることができる。
【0006】
本発明の望ましい態様においては、前記(f)昇降装置が、(f-1)前記押上部材を押し上げる昇降部材と、(f-2)その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、(f-3)前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、(f-4)前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部とを含むものとされる。
また、別の望ましい態様においては、前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含むものとされる。それにより、回路基板の裏面に既に電子回路部品が装着されていても、基板支持部材は回路基板を電子回路部品ごと支持することができ、回路基板の裏面の状態によって基板支持部材の配置を変えずに済み、複数種類の回路基板の支持に共用することができる。
さらに別の望ましい態様においては、前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものとされる。上記設定高さは、例えば、押上部材が受け部材と共同して回路基板を挟んだ後に、基板支持部材が回路基板の下面に接触するタイミングで第二昇降部を作動させる高さに設定される。
【発明の態様】
【0007】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0008】
(1)脆性基板の下面を上端の支持面において支持する支持部材と、
その支持部材の支持面を含む支持平面より上方に突出した突出位置と、支持平面以下の引込位置とに移動可能な検出子と、
その検出子を前記引込位置から前記突出位置へ向かう方向に付勢する検出子付勢装置と、
それら支持部材,検出子および検出子付勢装置を、脆性基板を支持する支持位置とその支持位置より下方の退避位置とに昇降させる昇降装置と、
前記検出子の前記突出位置への移動を検知する突出検知器と、
前記支持部材による脆性基板の支持状態において、前記突出検知器により前記検出子の前記突出位置への突出が検知された場合に、脆性基板が割れたと判定する割れ判定部と
を含むことを特徴とする基板支持装置。
(2)前記検出子,前記検出子付勢装置および前記突出検知器が、水平方向に距離を隔てて複数組設けられた(1)項に記載の基板支持装置。
脆性基板の割れを複数箇所において検出することができ、割れ検出の信頼性が向上する。
(3)さらに、
前記脆性基板の上面に当接してその脆性基板を受ける受け部材と、
前記昇降装置により上昇させられ、脆性基板の側縁部を前記受け部材に押し付ける押付部材と
を含み、かつ、前記複数組の検出子,検出子付勢装置および突出検知器が、前記側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられた2組以上を含む(2)項に記載の基板支持装置。
基板支持装置が検出子,検出子付勢装置および突出検知器を2組含むのであれば、2組の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられ、3組以上含むのであれば、3組以上の検出子等の全部が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられてもよく、2組以上であって、全部の組数より少ない組の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられ、残りは、側縁部に直角な方向においては、2組以上の検出子等のいずれかと同じ位置に設けられてもよい。
脆性基板の側縁部が受け部材と押付部材とによって挟まれて保持される場合、脆性基板は側縁部にほぼ平行な割れ目において割れ易く、2組以上の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられることにより、割れ検出の確実さが増す。
(4)前記支持部材が、発泡材から成り、脆性基板の下面に面接触してその脆性基板を支持する軟支持部材を含む (1)項ないし(3)項のいずれかに記載の基板支持装置。
軟支持部材は、1つでも複数でもよい。軟支持部材の脆性基板の下面に対する接触面積
(軟支持部材が1つの場合は、その1つの軟支持部材の接触面積、軟支持部材が複数の場合は、複数の軟支持部材の各接触面積の合計)は、脆性基板の下面の面積の20%以上であればよく、40%以上、60%以上であることが望ましい。
支持部材の脆性基板への接触時に脆性基板が割れる恐れが少なく、また、作業ヘッドによって脆性基板に作業が施される際に加えられる衝撃が軟支持部材により吸収され、脆性基板が割れ難い。あるいは脆性基板の振動が良好に抑制される。
(5)前記検出子が前記軟支持部材を厚さ方向に貫通して形成された貫通穴内に上下方向に相対移動可能に配設された(4)項に記載の基板支持装置。
検出子を脆性基板の軟支持部材によって支持される箇所に配設し、基板の割れを検出することができる。
(6)前記昇降装置により昇降させられる昇降部材と、
前記脆性基板の上面に当接してその脆性基板を受ける受け部材と、
前記昇降部材に対して相対的に昇降可能に設けられ、昇降部材の上昇に基づいて上昇させられ、脆性基板を前記受け部材に押し付ける押付部材と、
その押付部材を前記昇降部材に対して相対的に上昇方向に付勢する押付部材付勢装置と
を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の基板支持装置。
昇降部材は、押付部材が脆性基板を受け部材に押し付けた状態から更に上昇させられる。この上昇は、押付部材付勢装置の作用により、昇降部材が押付部材に対して上昇することにより許容される。押付部材は、昇降部材と押付部材との相対移動に基づいて生じる押付部材付勢装置の付勢力によって脆性基板を受け部材に押し付けるが、この付勢力は、昇降部材が押付部材付勢装置を介することなく、押付部材を直接上昇させ、脆性基板を受け部材に押し付けさせる場合に脆性基板に作用する力より小さく、脆性基板の割れを回避しつつ、確実に保持することができる。
(7)前記昇降部材の上昇限度を規定する上昇限度規定部を含む(6)項に記載の基板支持
装置。
上昇限度規定部は、昇降部材そのものの上昇を阻止する構成とされてもよく、昇降装置による昇降部材の上昇を止める構成とされてもよい。いずれにしても昇降部材の上昇限度が規定されることにより、押付部材付勢装置による昇降部材と押付部材との相対移動の許容が限度に達し、昇降部材と押付部材とが一体的に上昇する状態となって脆性基板に過大な押付力が作用することが回避される。あるいは、押付部材付勢装置が弾性部材の弾性力に基づいて付勢力を発生させるものである場合に、弾性部材の弾性変形量が過大となって弾性力が過大となり、押付部材が過大な押付力を脆性基板に加えることが回避される。
(11)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤにおいて、
前記受け部材に、その受け部材の自由端縁(先端縁)から下方へ垂下した垂下部を設けるとともに、前記案内レールに、前記垂下部が前記押上部材に対向する作用位置と、その作用位置から退避した退避位置とに移動可能に保持させ、かつ、前記受け部材の少なくとも前記垂下部にその垂下部を直角に横切る少なくとも1つの切欠を設けることにより垂下部を複数の部分垂下部とするとともに、前記案内レールの少なくとも前記案内面に、前記受け部材が前記退避位置へ移動した状態では前記複数の部分垂下部の各々を収容する収容凹部を形成したことを特徴とする基板コンベヤ。
受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板は垂下部により受けられ、受け部材の自由端縁より下方において受けられる。そのため、回路基板が上面に段差があり、作業装置により作業が施される被作業面が受け部材により受けられる被受け面より上方に位置
するものである場合、被作業面を、受け部材の自由端縁の下面以下の予め定められた位置に位置させて作業を施すことができる。
また、受け部材が退避位置に位置する状態では、部分垂下部が収容凹部内に収容されて案内面より引っ込んでいるため、回路基板は受け部材により受けられず、側縁部の上面が開放され、被作業面の一部として作業を施すことができる。この場合、回路基板は、押上部材により部分垂下部の下端より上方へ押し上げられるが、部分垂下部は搬送方向に間隔を隔てて位置し、それら部分垂下部の間に案内面があるため、回路基板は案内面に案内されつつ、昇降させられる。垂下部は切欠が設けられず、搬送方向に長いものとされることも可能であるが、その場合には、垂下部の下端縁以上の部分に案内面がなく、回路基板が案内面により案内されることなく昇降させられることとなり、搬送方向に直角な方向にずれ、下降時に収容凹部の下端縁に引っ掛かる恐れがあるのに対し、垂下部を複数の部分垂下部とすれば、案内面を残し、その案内面に回路基板を案内させつつ良好に昇降させることができる。
(12)前記受け部材の前記搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所に、その搬送方向に直角な方向に延びる長穴が形成される一方、頭部を備えた雄ねじ部材が、前記複数の長穴の各々を貫通して前記案内レールの上面に形成された雌ねじ穴に螺合され、前記頭部と前記案内レールの上面とにより、前記受け部材がその受け部材の前記作用位置と退避位置とへの移動を許容する状態で挟まれた(11)項に記載の基板コンベヤ。
雄ねじ部材が雌ねじ穴に固く締め込まれた状態において、雄ねじ部材の頭部と案内レールの上面との隙間を、受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに大きく保つ隙間規定部が設けられることが望ましい。例えば、雄ねじ部材を、受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに長い大径部を備えた段付きねじとしたり、雄ねじ部材に受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに長いスリーブを嵌合することにより目的を達し得、これら大径部やスリーブが隙間規定部を構成することとなる。
簡単な構成でありながら、搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所において受け部材の案内レールからの浮上がりを規制し、作用位置において回路基板の側縁部を正確な高さで受けさせることができる。
(13)前記案内レールと前記受け部材との一方に弾性的に突出方向に付勢された係合突部が設けられ、前記案内レールと前記受け部材との他方に、前記係合突部と係合して前記受け部材を前記作用位置と前記退避位置とにそれぞれ位置決めする2つの係合凹部が設けられた(11)項または(12)項に記載の基板コンベヤ。
受け部材を、作用位置と退避位置とに選択的に保つことができる。係合突部と2つの係合凹部との組合わせから成る位置保持部が、受け部材の長手方向に隔たった2箇所以上に設けられることが望ましい。
(14)前記係合突部が、ボールプランジャのボールにより構成された(13)項に記載の基板コンベヤ。
(15)前記受け部材が前記作用位置に位置させられた状態で、前記押上部材を回路基板を介して前記受け部材に当接する第一上昇位置まで上昇させ、前記受け部材が前記退避位置に位置させられた状態で、前記押上部材を前記第一上昇位置より高い第二上昇位置へ上昇させる昇降装置を含む(11)項ないし(14)項のいずれかに記載の基板コンベヤ。
受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板の上昇端は垂下部によって決まるが、受け部材が退避位置に位置する状態では、回路基板を受けるものがないため、回路基板を垂下部によって受けられる場合より高い位置へ上昇させることができる。
(21)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、
前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記昇降装置が、
前記押上部材を押し上げる昇降部材と、
その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、
前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、
前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部と
を含む基板コンベヤ。
押上部材が受け部材と共同して回路基板の側縁部を挟む前に、基板支持部材が回路基板の下面に接触すれば、回路基板をずらしてしまう恐れがあるのに対し、回路基板が押上部材と受け部材とに挟まれた状態で基板支持部材に回路基板を支持させることができ、回路基板がずれることなく支持される。
(22)前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含む(21)項に記載の基板コンベヤ。
基板支持部材は、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板の下面に接触してそれを支持するものでもよく、回路基板の下面には接触せず、電子回路部品を介して回路基板を支持するものでもよい。後者の基板支持部材は、例えば、弾性部材により形成されるものとされ、あるいはクッション機能を有するものとされ、回路基板の下面に接触する位置への上昇の途中に電子回路部品があれば止まり、弾性変形やクッション作用により、電子回路部品に当接しない基板支持部材の回路基板の下面への接触を許容する。
本項に係る発明によれば、回路基板の裏面に既に電子回路部品が装着されていても、基板支持部材は回路基板を電子回路部品ごと支持することができ、回路基板の裏面の状態によって基板支持部材の配置を変えずに済み、複数種類の回路基板の支持に共用することができる。
(21)項に係る発明は、基板支持部材が回路基板の下面のみを支持するものである場合にも有効であるが、本項におけるように、基板支持部材が自身の弾性変形により電子回路部品の存在を許容するものである場合に、特に有効である。
(23)前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものである(21)項または(22)項に記載の基板コンベヤ。
設定高さは、押上部材が受け部材と共同して回路基板を挟んだ後に、基板支持部材が回路基板の下面に接触するタイミングで第二昇降部を作動させる高さに設定される。
(31)それぞれ、回路基板を支持する基板支持装置と、その基板支持装置に支持された回路基板に電子回路部品を装着する装着装置とを備え、互いに隣接して配列された複数台の電子回路部品装着機と、
それら複数台の電子回路部品装着機を貫通して設けられ、それらに回路基板を搬入し、それらから搬出する基板コンベヤと
を含む電子回路部品装着システムであって、
前記基板支持装置の各々が、互いに独立な昇降装置により昇降させられる昇降部材を備え、かつ、当該電子回路部品装着システムが、
前記複数台の電子回路部品装着機に跨って配置され、前記基板コンベヤにより各電子回路部品装着機に搬入された回路基板を支持してその基板コンベヤから浮き上がらせる共通支持台と、
その共通支持台を前記複数の昇降部材の1つに固定する一方、その1つの昇降部材以外
の昇降部材に、前記共通支持台を弾性部材を介して支持させる共通支持台取付装置と
を含む電子回路部品装着システム。
例えば、複数の電子回路部品装着機に跨る長さを有する回路基板を共通支持台に支持させ、複数の装着装置に共同して電子回路部品を装着させることができる。
複数台の昇降装置によって共通支持台を昇降させれば、1台の昇降装置によって昇降させる場合のように、上昇速度が低下したり、搬送方向に長い共通支持台の昇降部材によって支持されていない部分が垂れ下がったりすることがないが、複数の昇降装置を完全に同期させて昇降させることは容易ではなく、案内部にこじりが発生して作動不能に陥るおそれがある。案内部を長くすれば、こじりの発生を回避し得るが昇降装置の大形化を避け得ない。それに対し、共通支持台が1つの昇降部材以外の昇降部材には弾性部材を介して支持されていれば、大きなこじり力が発生することが回避される。例えば、共通支持台の上昇時に、共通支持台の弾性部材を介して支持されている部分にも押上力が加えられ、上昇させられる。しかも、弾性部材の弾性変形により、共通支持台が固定された昇降部材とそれ以外の昇降部材との昇降の多少のずれは許容されるため、大きなこじり力が発生することがなく、複数の昇降装置が支障なく作動し得る。例えば、上昇時に複数の昇降装置のいずれかの作動速度が大きければ、その昇降装置に対する負荷が大きくなって作動速度が低下する一方、他の昇降装置の負荷が小さくなって作動速度が上昇し、ほぼ同じ速度で上昇することとなるのである。
なお、弾性部材は、複数の昇降部材がそれぞれ上昇端位置まで上昇させられた状態で、共通支持台を丁度水平に支持する寸法まで弾性変形させられた状態となるものとされることが望ましい。また、本発明の効果は、昇降装置がエアシリンダのように安価ではあるが作動速度の正確な制御がむつかしいものである場合に特に有効である。
(32)前記1つの昇降部材以外の昇降部材と、前記共通支持台のその昇降部材に対向する部分とのいずれか一方に、設定範囲内において昇降可能に設けられたスプリングリテーナと、
そのスプリングリテーナと前記一方との間に配設され、スプリングリテーナを前記昇降部材と共通支持台との他方に向かって付勢するスプリングと
を含み、そのスプリングが前記弾性部材として機能する(31)項に記載の電子回路部品装着システム。
(33)前記基板コンベヤが、前記複数台の電子回路部品装着機に跨る長さの基板キャリヤを搬送可能なものであり、前記共通支持台が、前記基板キャリヤに位置決めされかつ相対的に上昇可能に保持された複数の回路基板の各々を下方から支持して前記基板キャリヤから浮き上がらせる複数の基板支持突部を備えた(31)項または(32)項に記載の電子回路部品装着システム。
複数の回路基板は、直接搬送部に支持させて搬送させてもよいが、複数の回路基板の停止位置間にずれが生じ易い。それに対し、基板キャリヤに位置決めさせて搬送し、基板キャリヤを所定の位置に停止させれば、複数の回路基板を相互の位置ずれなく停止させることができる。
なお、基板キャリヤの使用による回路基板の搬送は、前記(11)〜(15),(21)〜(23)および以下に説明する(41),(51),(61),(71),(72),(81),(91),(101),(111)にそれぞれ記載の基板コンベヤにも適用可能である。基板キャリヤは、回路基板を位置決めする位置決め装置を備え、回路基板を位置決め支持して基板コンベヤにより搬送され、基板キャリヤを所定の位置に停止させることにより、回路基板の停止位置が決められる。
(41)(a)互いに水平方向に隔たって、水平な回転軸線のまわりに回転可能な2つのプ
ーリと、(b)それらプーリに巻き掛けられたコンベヤベルトとを含み、そのコンベヤベル
トの周回により、そのコンベヤベルトの前記2つのプーリの間において直線的に延びる搬送部により回路基板を支持して搬送する基板コンベヤであって、
前記搬送部の下方に、その搬送部に直角な回転軸線のまわりに回転可能に配設されて搬送部を支持する支持ローラと、前記搬送部に沿って延び、その搬送部を下方から支持する支持レールとの両方が配設されたことを特徴とする基板コンベヤ。
搬送部は支持ローラの回転によって軽快に移動させられるとともに、支持レールとの間の摩擦により移動が適度に抑えられる。例えば、搬送部を支持レールのみに支持させることも可能であるが、回路基板が重いものである場合には搬送部と支持レールとの摩擦抵抗が過大となり、回路基板の円滑な搬送が妨げられる。一方、支持ローラのみに支持させれば、搬送部は軽快に移動可能となるが、回路基板を停止させるために2つのプーリの一方の回転が阻止されても搬送部および回路基板が速やかに停止せず、余分に移動してしまう。搬送部が停止させられる場合、回路基板は慣性力により移動を続けようとするが、この移動は、搬送部と回路基板との間の摩擦力によって阻止される。上記摩擦力は、主として搬送部の支持ローラに支持された部分と回路基板との間に生じるのであるが、接触面積が小さいため、充分な摩擦力が得られにくい。また、支持ローラは搬送部に殆ど抵抗力を加えないため、搬送部自体も停止しにくい。そのために、搬送部および回路基板が余分に移動してしまうのである。それに対し、搬送部の一部を支持レールに支持させれば、搬送部と支持レールとの間に適度な摩擦力が生じるとともに、搬送部と回路基板との接触面積が増して両者間の摩擦力も適度な大きさとなり、結局、搬送部と回路基板とが適切な位置に停止させられることとなる。
中央部に支持レールを1つ設け、その支持レールの両側に少なくとも1つずつの支持ローラを配設することも、2つの支持レールの間に少なくとも1つの支持ローラを配設することも可能である。しかし、支持ローラも支持レールもそれぞれ複数ずつ設けることが望ましい場合が多い。
(51)(a)互いに水平方向に隔たって、水平な回転軸線のまわりに回転可能な2つのプ
ーリと、(b)それらプーリに巻き掛けられたコンベヤベルトとを含み、そのコンベヤベル
トの周回により、そのコンベヤベルトの前記2つのプーリの間において直線的に延びる搬送部により回路基板を支持して搬送する基板コンベヤが複数直列に配設された基板コンベヤ列であって、
前記コンベヤベルトの互いに隣接するものの、それぞれ前記プーリに巻き掛けられた部分の間に配設され、上端が、ほぼ、前記搬送部に接する平面である接平面上に位置し、それらコンベヤベルトに搬送される回路基板を下方から支持する付加支持部材を含む基板コンベヤ列。
例えば、回路基板の被搬送部の搬送方向における長さが、隣接する2つの基板コンベヤの各搬送部の間隔より短い場合、一方の搬送部により搬送されて来た回路基板の搬送部に支持されている後端部より支持されていない先端部の方が長くなれば、先端部が上記接平面より下に下がる。この先端部は下流側のコンベヤベルトのプーリに巻き掛けられた部分によって支持されて、再び接平面まで上昇させられるのが普通であるが、コンベヤベルト間における回路基板の受け渡しが滑らかに行われないことになる。
それに対し、本項の基板コンベヤ列においては、付加支持部材によって支持されることにより、回路基板の先端部の下降が防止される。また、回路基板の被搬送部が隣接する2つの基板コンベヤの搬送部の間隔より長いものである場合、付加支持部材があっても、その上端が回路基板の被搬送面より上の位置にはなく、搬送を妨げない。
(61)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
その押上部材を昇降させる昇降装置と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記受け部材が前記搬送方向において複数の部分受け部材に分割され、それら複数の部分受け部材の少なくとも1つが、前記案内レールに、前記押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む作用位置において固定され、前記複数の部分受け部材の別の少なくとも1つ
が、前記案内レールに、前記作用位置と、その作用位置から前記押上部材と対向しない退避位置とに移動可能に取り付けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
移動可能な部分受け部材である可動部分受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板の側縁部が押上部材と可動部分受け部材とにより挟まれ、保持された状態で回路基板に作業を施すことができる。また、可動部分受け部材が退避位置に位置する状態では、回路基板の側縁部の上面が開放され、作業を施すことができる。1つの部分受け部材を作用位置と退避位置とに移動可能に設けることにより、2つの態様で回路基板に対して作業を施すことができ、受け部材を交換する場合に比較して容易に作業態様を変更することができる。
回路基板の上昇端は、可動部分受け部材が作用位置にある場合、側縁部が可動部分受け部材により受けられることにより決められ、可動部分受け部材が退避位置にある場合、案内レールに作用位置において固定された部分受け部材である固定部分受け部材に、押上部材が回路基板を挟むことなく当接することにより規定される。
(71)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記コンベヤベルトの前記搬送部の前記搬送方向における上流側の端部に対向して設けられ、前記搬送方向の上流側から下流側に向かうに従って前記搬送部に漸近する向きに傾斜した案内面を有し、回路基板の側縁部が前記搬送部から浮き上がっている場合にその側縁部を前記搬送部に接触ないし近接する位置へ案内する案内部が設けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
回路基板の浮き上がった側縁部は、案内部に案内されて搬送部に接触ないし近接させられることにより、搬送方向において案内部の前後においては搬送部にほぼ平行となる状態が得られる。
(72)前記コンベヤベルト,前記案内レールおよび前記案内部が、前記搬送方向に直角な方向に距離を隔てかつ前記案内面が互いに対向する状態で2組設けられるとともに、前記搬送方向において前記案内部に隣接する位置に、互いに対向する発光部と受光部とを備え、それら発光部と受光部との一方が、前記搬送部により搬送される回路基板より上方に位置し、発光部と受光部との他方が回路基板より下方に位置する透過型の基板検出器が設けられた(71)項に記載の基板コンベヤ。
発光部および受光部が、回路基板より上方と下方とに設けられることにより、発光部から受光部に向かって放射される光は回路基板を斜めに横切ることとなり、基板検出器の検出領域が上下方向において広くなる。その上、案内部の前後においては回路基板の側縁部の浮上がりが抑えられるため、回路基板の搬送方向における上流側端(前端)や下流側端(後端)が確実に検出領域内を通り、回路基板の搬入あるいは搬出が正確に検出される。回路基板の側縁部の浮上がりは、搬送方向において案内部に近い部分ほど抑えられるため、基板検出器は搬送方向において、案内部による抑え効果が得られる範囲内に設けられる。
(81)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
その押上部材を昇降させる昇降装置と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け面により受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板の側縁部が前記押上部材と受け部材とに挟まれて固定されたことを検出する基板固定検出装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、前記基板固定検出装置が、
接触子と被検出部とを一体的に備えて回動軸線まわりに回動可能であり、常には前記接触子の下端が前記受け部材の前記受け面より下方に位置し、回路基板の側縁部が前記押上部材により押し上げられるにつれて側縁部により前記受け面の位置へ移動させられる検出部材と、
前記接触子が前記受け面より下方に位置する状態では前記被検出部を検出せず、前記接触子が前記受け面の位置へ移動させられた状態では前記被検出部を検出するセンサ部と
を含むことを特徴とする基板コンベヤ。
接触子は回路基板によって移動させられ、回路基板がちょうど受け面に当接させられて押上部材と受け部材とに挟まれた状態において接触子が受け面の位置へ移動させられ、回路基板の保持が検出される。回路基板に検出部材を回動させ、センサ部に被検出部を検出させるため、昇降装置が押上部材を上昇させる量に基づいて回路基板の保持を検出する場合に比較して回路基板の固定検出の信頼性が高くなる。
(91)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記回路基板の側縁部を下方から押し上げて前記コンベヤベルトの前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
基端部が前記案内レールに保持され、先端部が片持ち状に前記搬送部の上方へ延び出し、その先端部の下面である受け面によって前記前記回路基板の側縁部の上面を受け、その側縁部を前記押上部材と共同して挟む受け部材と
を含む基板コンベヤにおいて、
前記受け部材の前記基端部を、前記案内レールに、前記先端部の前記受け面が前記押上部材の上方に位置する作用位置と、その作用位置から前記案内面と直交する方向に退避した退避位置とに移動可能に保持させるとともに、前記受け面を、その受け部材の前記先端部側から前記基端部側に向かうに従って上昇する向きに傾斜させたことを特徴とする基板コンベヤ。
搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられた受け部材は、その移動を案内する案内部との間に隙間が存在するため、押付部材によって回路基板の側縁部が押し付けられるとき、先端部側が浮き上がらされて受け面の向きが変わり、案内面に対して直角でなくなって回路基板が受け面の向きに沿って上反りする。それに対し、受け面を予め傾斜させておけば、受け部材の先端部の浮上がりによる受け面の案内面に対する傾斜が軽減され、直角に近くなり、あるいは直角となって回路基板の反りが軽減され、回路基板に対する作業が精度良く行われる。
受け部材の受け面は、前記押上部材が回路基板の側縁部を受け面に押し付けた際に、受け部材が案内レールに保持された基端部側に対して先端部側が相対的に浮き上がる向きに回動した状態で、丁度案内面に直角となる(通常は、水平になる)角度だけ傾斜させられることが望ましいが、小角度であれば、丁度案内面に直角となる角度より小さい角度で傾斜させられてもよく、大きい角度で傾斜させられてもよい。前者の場合、傾斜させられない場合よりは回路基板の上反りが減少させられ、後者であれば、受け部材が回動した状態で受け面は、ちょうど水平な状態より前下がりに(先端部側ほど下方となる向きに)傾斜し、回路基板を下反り気味に押さえ、上反りが除去される。
受け面の傾斜角度は、0.4度以上であればよく、1度以上、1.5度以上とすることが望ましい。
(101)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記コンベヤベルトの回路基板の側縁部を支持する支持面に接触して設けられ、コンベ
ヤベルトの周回に伴って前記支持面を清掃する清掃ブラシが設けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
コンベヤベルトの周回に伴って清掃ブラシはコンベヤベルトに対して相対移動し、コンベヤベルトの支持面に付着したごみや埃等を払い落とす。それにより、支持面の汚れによる支持面の摩擦係数の低下が抑制され、基板コンベヤの回路基板搬送機能が向上する。本項に係る発明は、コンベヤベルトを停止させることにより、摩擦力によって回路基板を停止させ、位置決めする形式の基板コンベヤにおいて特に有効である。
(111)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤにおいて、
前記押上部材を昇降させるために昇降させられる昇降部材に、回路基板の帯電電荷を中和するイオンを含むガスを噴射するイオナイザが配設されたことを特徴とする基板コンベヤ。
回路基板の静電気が除去され、静電気の悪影響が排除される。例えば、回路基板に装着された電子回路部品の帯電による破壊が回避され、また、基板コンベヤが電子回路部品を回路基板に装着する電子回路部品装着機へ回路基板を搬送するものである場合に、電子回路部品の正常な装着が静電気により妨げられることが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】請求可能発明の実施例である基板支持装置をそれぞれ備えた複数の装着モジュールを含む電子回路部品装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記システムの一部を拡大するともに、一部を除去して示す斜視図である。
【図3】上記システムを構成する装着モジュールの部品装着装置のヘッド移動装置を分解して示す斜視図である。
【図4】上記装着モジュールの基板コンベヤの1対のサイドフレームの一方を示す正面図である。
【図5】上記基板コンベヤを基板支持装置昇降装置と共に示す側面図(一部断面)である。
【図6】上記基板コンベヤの1対のサイドフレームの一方を示す平面図である。
【図7】上記基板コンベヤの支持レールおよびコンベヤベルトを示す側面図(一部断面)である。
【図8】上記基板コンベヤの支持ローラおよびコンベヤベルトを示す側面図(一部断面)である。
【図9】上記基板コンベヤのサイドフレームの受け部材および案内レールのうち、垂下部および収容凹部が設けられた部分を示す斜視図であり、図9(a)は受け部材を示す図であり、図9(b)は案内レールを示す図であり、図9(c)は垂下部が収容凹部に収容された状態を示す図である。
【図10】上記受け部材を構成する可動の部分受け部材が案内レールに雄ねじ部材によって移動可能に取り付けられた状態を示す側面断面図である。
【図11】上記可動の部分受け部材を位置決めするボールプランジャおよび係合凹部を示す側面断面図である。
【図12】上記受け部材を構成する固定の部分受け部材を示す側面図(一部断面)である。
【図13】上記基板コンベヤにより搬送されるヒートシンク付回路基板を示す図であり、図13(a)は平面図、図13(b)は側面図である。
【図14】上記ヒートシンク付回路基板が押上部材および受け部材によって挟まれた状態を示す側面断面図である。
【図15】上記可動の部分受け部材が退避位置に位置させられた状態を示す側面断面図であり、図15(a)は回路基板がコンベヤベルトにより支持された状態を示す図であり、図15(b)は回路基板が押上部材により押し上げられた状態を示す図である。
【図16】上記複数の装着モジュールのうち、隣接する2つの各基板コンベヤの端に設けられた基板搬入検出器および基板搬出検出器の各発光部を示す正面図である。
【図17】上記基板搬出検出器を示す側面図である。
【図18】上記基板搬入検出器および基板搬出検出器の各ガイドに設けられた支持部を示す正面図である。
【図19】上記複数の装着モジュールのうち、最も上流の装着モジュールの外側にイオナイザが設けられた状態を示す正面図である。
【図20】上記1対のサイドフレームのうち、従属側のサイドフレームに設けられる別の受け部材を示す斜視図である。
【図21】上記1対のサイドフレームの各々に別の受け部材が取り付けられた状態を示す図であり、図21(a)は受け部材の可動の部分受け部材が作用位置へ移動させられた状態を示す側面断面図であり、図21(b)は退避位置へ移動させられた状態を示す側面断面図である。
【図22】上記サイドフレームの受け部材および案内レールの別の態様を示す側面断面図であり、受け部材が作用位置に位置する状態を示す図である。
【図23】図22に示す受け部材が退避位置に位置する状態を示す側面断面図である。
【図24】図22に示す受け部材および案内レールを概略的に示す正面図である。
【図25】押上部材と受け部材とによる回路基板の保持を検知する機能を備えたサイドフレームを示す平面図である。
【図26】図25に示すサイドフレームの切欠,検出部材の接触子を示す側面図(一部断面)である。
【図27】図25に示すサイドフレームにおける回路基板の保持の検知を説明する図であり、図27(a)は検出部材が非検出位置に位置する状態を示す図であり、図27(b)は検出位置に位置する状態を示す図である。
【図28】上記基板コンベヤを構成するサイドフレームであって、受け部材に案内突部が設けられたサイドフレームを示す正面図である。
【図29】図28に示すサイドフレームを示す側面図(一部断面)である。
【図30】図28に示すサイドフレームの受け部材の傾斜させられた案内面を示す側面断面図であり、図30(a)は受け部材が回路基板を受けていない状態を示す図であり、図30(b)は回路基板を受けた状態を示す図である。
【図31】上記装着モジュールにおいて回路基板を支持する基板支持装置であって、回路基板の割れ検知機能を備えた基板支持装置を示す正面図である。
【図32】図31に示す基板支持装置を示す平面図である。
【図33】図31に示す基板支持装置の割れ検出ユニットを示す正面断面図である。
【図34】図31に示す基板支持装置により支持される回路基板を受け部材に押し付ける押付部材を示す正面図である。
【図35】上記装着モジュールにおいて回路基板を支持する基板支持装置であって、裏面に電子回路部品が装着された回路基板を支持する基板支持装置を示す正面図(一部断面)である。
【図36】図35に示す基板支持装置を示す側面図である。
【図37】上記電子回路部品装着システムを構成する複数の装着モジュールのうち、隣接する2つの装着モジュールに跨って回路基板を支持する基板支持装置を示す正面図である。
【図38】図37に示す基板支持装置の昇降台に取り付けられる共通支持台を示す平面図である。
【図39】上記共通支持台に取り付けられたスプリングリテーナおよびスプリングを示す正面断面図である。
【図40】上記共通支持台により支持され、回路基板を搬送する基板キャリヤを示す平面図である。
【図41】図37に示す基板支持装置による回路基板の支持を説明する図であり、図41(a)は基板キャリヤがコンベヤベルトにより支持された状態を示す側面断面図であり、図41(b)は基板キャリヤおよび回路基板が共通支持台により支持された状態を示す側面断面図である。
【実施例】
【0010】
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0011】
図1に、一実施例としての電子回路部品装着システム(以下、特に必要がない限り、システムと略称する)の外観を示す。本システムは、複数の電子回路部品装着機である装着モジュール10が、共通で一体のベース12上に、互いに隣接して1列に配列されて固定されることにより構成されている。
【0012】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、モジュール本体18と、それぞれモジュール本体18に設けられた基板搬送装置20,基板支持装置22,部品供給装置24,部品装着装置26,基準マーク撮像装置(図示省略),部品撮像装置28および制御装置30とを備えている。
【0013】
部品装着装置26は、図2および図3に示すように、作業ヘッドたる装着ヘッド34と、その装着ヘッド34を、部品供給装置24の部品供給部と基板搬送装置20とに跨る装着作業領域内の任意の位置へ移動させ得るヘッド移動装置36とを備えている。ヘッド移動装置36は、図3に示すように、Y軸移動装置40およびX軸移動装置42を備えている。X軸方向は、複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であり、Y軸方向は水平面内においてX軸方向と直交する方向である。
【0014】
X軸移動装置42は、Y軸移動装置40上に設けられているが、Y軸スライド44に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド46,48を備え、第2X軸スライド48上に設けられた装着ヘッド34
は、X軸方向においてモジュール本体18の幅より広い範囲で移動可能である。したがって、互いに隣接する装着モジュール10の装着作業領域は、X軸方向の端部において互いに重なり合っている。
【0015】
装着ヘッド34は、第2X軸スライド48上にZ軸に平行な回転軸線のまわりに回転可能に保持されている。Z軸は鉛直方向に平行な方向である。装着ヘッド34には、その回転軸線を中心とする一円周上に複数のノズルホルダが回転軸線に平行に保持され、それぞれ、部品保持具たる吸着ノズル50を着脱可能に保持し、上記回転軸線を中心とする一円周上に設定された部品吸着装着位置において、図示を省略する昇降装置により昇降させられ、吸着ノズル50に部品供給装置24からの電子回路部品の取出しおよび回路基板への電子回路部品の装着を行わせる。
【0016】
前記基板搬送装置20を説明する。
本基板搬送装置20は、図1に示すように、2レーンの基板コンベヤ100,102を備え、回路基板をX軸方向に平行な方向に搬送する。回路基板の搬送には基板コンベヤ100,102の少なくとも一方が使用されるが、複数の装着モジュール10の各々において使用される基板コンベヤは、複数の装着モジュール10を貫通して装着モジュール10に回路基板を搬入し、装着モジュール10から搬出する基板コンベヤないし基板コンベヤ列を構成する。基板コンベヤ100,102は同一の構成を備えているため、基板コンベヤ100を代表的に説明する。
【0017】
基板コンベヤ100は、図5に示すように、1対のサイドフレーム110,112を有する。これらサイドフレーム110,112は門形を成し、一方、ここでは装着モジュール10の正面側ないし前側であって、部品供給装置24に近い側のサイドフレーム110はモジュール本体18に位置を固定して設けられ、遠い側のサイドフレーム112は基板搬送方向と直交する方向である基板搬送幅方向と平行な方向に移動可能に設けられ、サイドフレーム110,112の間隔が、サイドフレーム110の位置を基準として、回路基板の幅に応じた長さに調節される。以下、場合に応じて、サイドフレーム110を基準サイドフレーム110あるいは固定サイドフレーム110と称し、サイドフレーム112を従属サイドフレーム112あるいは可動サイドフレーム112と称する。
【0018】
サイドフレーム110,112は、サイドフレーム110が固定、サイドフレーム112が可動とされていることを除いて同様に構成され、それぞれ、図4および図5に示すように、搬送方向に平行に設けられた側板116と、各側板116上に設けられた案内レール118と、各案内レール118上に設けられた受け部材120とを含む。サイドフレーム110,112の各側板116の互いに対向する内側面にはそれぞれ、駆動プーリ122および複数のガイドプーリ124がそれぞれ、互いに水平方向に隔たって、搬送方向と直交する方向に平行で水平な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、それらプーリ122,124に無端のコンベヤベルト126が巻き掛けられ、プーリ122,124により画定される閉曲線に沿って周回させられる。この閉曲線のうち、搬送方向に平行な方向において両端のガイドプーリ124の間の部分が、搬送方向に平行で水平な直線部を成し、コンベヤベルト126のこの直線部に対応する部分であって、外側面が上向きの部分が搬送部128を構成する。駆動プーリ122がベルト周回用モータ132によって回転させられることによりコンベヤベルト126が周回させられ、1対のコンベヤベルト126の各外側面により構成される支持面131により、図15に示すように、回路基板129の互いに平行な側縁部130がそれぞれ支持され、搬送される。駆動プーリ122,ガイドプーリ124およびベルト周回用モータ132がベルト周回装置134を構成している。
【0019】
サイドフレーム110,112の各側板116にはまた、図4に一方の側板116を示
すように、前記搬送部128の下方に複数の支持ローラ138および複数、本基板コンベヤ100では2つの支持レール140が配設されており、それぞれ図7および図8に示すように、搬送部128を下方から支持する。2つの支持レール140はそれぞれ搬送部128に沿って延び、搬送方向に平行な方向に距離を隔てて設けられている。支持ローラ138は、側板116の2つの支持レール140の間の部分と、2つの支持レール140の列の両端に隣接する部分とにそれぞれ、複数ずつ、プーリ122,124の回転軸線と平行であり、搬送部128に直角な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられている。
【0020】
1対のサイドフレーム110,112の各側板116にはそれぞれ、図4に一方の側板116を示すように、清掃ブラシ150が設けられている。清掃ブラシ150は、両端の2つのガイドプーリ124の一方の下側に、コンベヤベルト126の支持面131に接触して設けられ、コンベヤベルト126の周回に伴って支持面131に付着したごみ等を払い落とす。
【0021】
側板116にはさらに、図5に示すように、押上部材160が昇降可能に取り付けられている。押上部材160は、長手形状の薄い板状を成し、コンベヤベルト126の内側に、板面が鉛直にかつ搬送部128と平行に設けられ、基板コンベヤ100の搬入端側から搬出端側まで延びる押上部162を備え、側板116との間に配設されたスプリング(図示省略)により下方へ向かう向きに付勢され、このスプリングの付勢による下降限度が規定された状態では、押上部162の上端が搬送部128の上面よりやや下側に位置する。また、押上部材160には、ボルト164が下方へ突出する向きに螺合され、当接部を構成している。
【0022】
サイドフレーム110,112の各案内レール118は、図5に示すように、側板116上に、搬送部128の幅方向の一部を搬送方向にわたって覆う状態で着脱可能に固定され、その搬送部128上への突出部の搬送部128に直角で鉛直な端面は、図15に例示するように、回路基板129の側縁178を案内する案内面180を構成し、各案内レール118の案内面180は互いに対向している。
【0023】
サイドフレーム110,112の前記各受け部材120はそれぞれ、図5に示すように、案内レール118上に設けられ、搬送部128の上方に設けられている。これら受け部材120は同様に構成されており、基準サイドフレーム110の受け部材120を代表的に説明する。
受け部材120は、図6に示すように、3つの部分受け部材200,202,204に分割されている。これら部分受け部材200,202,204のうち真中の部分受け部材202は、電子回路部品の装着が予定されている全種類の回路基板の搬送方向に平行な方向の長さの最大長さより長く、案内レール118上に搬送部128に平行に設けられ、その自由端縁であるコンベヤベルト126側の端縁から下方へ垂下して垂下部210(図5参照)が形成されるとともに、案内レール118に搬送方向に直角な方向に移動可能に設けられ、可動受け部材とされている。
【0024】
部分受け部材202には、図5および図9(a)に示すように、垂下部210を直角に横
切る複数の切欠212が適宜の間隔を隔てて、本部分受け部材202では等間隔で設けられ、垂下部210が複数の部分垂下部214とされている。案内レール118の前記案内面180には、図9(b)に示すように、案内レール118の上面と案内面180とに開口
させられ、複数の部分垂下部214の各々を収容する複数の収容凹部216が形成されており、部分受け部材202は、図11に示すように、部分垂下部214が押上部材160に対向する作用位置と、図9(c)および図15に示すように、作用位置から退避し、収容
凹部216に収容された退避位置とに移動させられる。複数の部分垂下部214のそれぞれ押上部材160と対向する下向きの面の集合が受け面218を構成している。
【0025】
図6に示すように、部分受け部材202の基端部には、搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所にそれぞれ、搬送方向に直角な方向に延びる長穴220が形成され、雄ねじ部材222が長穴220を貫通して、案内レール118の上面223に形成された雌ねじ穴224に螺合されている。雄ねじ部材222は、図10に示すように、雄ねじ部228,軸部230および頭部232を備えた段付ねじとされ、長穴220は段付状を成す。軸部230は、雄ねじ部228より径が大きく、長さは長穴230の小長穴部234の深さよりやや長い大径部とされている。そのため、雄ねじ部228が雌ねじ穴224に固く締め込まれた状態では、頭部232と上面223との間に小長穴部234の周辺部の厚さより僅かに大きい隙間が確保され、部分受け部材202は、頭部232と上面223とにより、作用位置と退避位置とへの移動を許容する状態で挟まれている。
【0026】
部分受け部材202は、図6および図11に示すように、案内レール118に設けられたボールプランジャ240と、部分受け部材202に設けられた2つの係合凹部242,244とによって作用位置と退避位置とに位置決めされる。ボールプランジャ240と係合凹部242,244とを含む位置保持部は、本基板コンベヤ100では複数、例えば、2つが搬送方向ないし受け部材200の長手方向に隔たった2箇所に設けられている。
【0027】
ボールプランジャ240は、図11に示すように、ケーシング246内に移動可能に設けられ、係合突部を構成するボール248と、ボール248をケーシング246から突出し、案内レール118の上面223から突出する向きに付勢する付勢装置の一種である弾性部材たるスプリング(図示省略)とを含む。係合凹部242,244は円錐状を成し、搬送方向と直角な方向に距離を隔てて設けられ、ボール248が係合凹部242,244に選択的に嵌入させられることにより、部分受け部材202が作用位置と退避位置とにそれぞれ位置決めされる。部分受け部材202の退避位置は、部分垂下部214が案内レール118の案内面180より僅かに、誤差の範囲で収容凹部216内に引っ込んだ状態となる位置に設定されている。
【0028】
部分受け部材202の両側の部分受け部材200,204はそれぞれ、図6に示すように、案内レール118に、固定装置の一種であるボルト260によって着脱可能に固定された固定受け部材とされている。部分受け部材200,204には垂下部は設けられず、図12に示すように、案内レール118から押上部材160上へ突出させられ、押上部材160と対向する下向きの面が受け面262を構成している。
【0029】
回路基板への電子回路部品の装着は、回路基板が、部品装着面を構成する上面が予め定められた基準高さに位置し、部品装着面を基準とする上面基準と、回路基板の押上部材160により押し上げられる下面が上記基準高さに位置し、その下面を基準とする下面基準との2種類の態様のいずれかで行われる。本装着モジュール10において基準高さは、案内レール118の上面223を含む平面の高さである。部分受け部材202の垂下部210が垂下させられていない部分の下面および部分受け部材200,204の各受け面262は基準高さに位置する。
【0030】
前記部分受け部材202の垂下部210は、図13(a),(b)に例示するヒートシンク付回路基板264のように、上面に段差があり、部品装着面266が、コンベヤベルト126の搬送部128により支持される被搬送部たる側縁部268の上面であって、受け部材120により受けられる被受け面270より高い回路基板について、上面基準で電子回路部品の装着を行うために設けられている。ヒートシンク付回路基板264は、ヒートシンク272と、ヒートシンク272上に設けられた基板274とを備え、ヒートシンク272の側縁部268が搬送部128により支持される。ヒートシンク272のように回路基板に付属させられているものも回路基板の一部と見なす。したがって、搬送部128によ
り直接支持されるのはヒートシンク272であるが、その支持は回路基板の支持である。搬送部128により支持されたヒートシンク付回路基板264は、部品装着面266が被受け面270より上方に位置するため、部品装着面266を基準高さに位置させるためには、被受け面270が基準高さより下方において受け部材120によって受けられることが必要であり、そのために垂下部210が設けられ、垂下部210の垂下長さ(部分受け部材202の下面からの突出長さ)は、部品装着面266と被受け面270との高さの差に等しい長さとされている。また、ヒートシンク付回路基板264は、図13(a)に示す
ように、搬送部128により支持される被支持部276の搬送方向に平行な方向の長さがヒートシンク付回路基板264全体の長さより短く、隣接する2つの装着モジュール10の各基板コンベヤ100の搬送部128間の距離より短く、側縁部268には搬送方向に隔たった2箇所に被支持部276が設けられている。
【0031】
基板コンベヤ100には、図16に隣接する2つの装着モジュール10の各基板コンベヤ100について示すように、基板コンベヤ100の搬入側の端面に基板搬入検出器280が取り付けられ、搬出側の端面に基板搬出検出器282が取り付けられている。これら検出器280,282はそれぞれ、非接触型センサの一種である光電センサたる透過型センサにより構成されており、図17に基板搬出検出器282を示すように、サイドフレーム110,112にそれぞれ、互いに対向して設けられた発光部284および受光部286を備え、回路基板によって受光部286の受光が妨げられることにより、回路基板が検出される。
【0032】
基板搬出検出器282は、図17に示すように、発光部284が、搬送部128により搬送される回路基板より上方に位置し、受光部286が回路基板より下方に位置するように設けられている。基板搬入検出器280においては逆にされ、発光部284は、基板搬送方向と直角な方向において基板搬出検出器282の発光部284と同じ側に設けられているが、受光部286の方が発光部284より上方の位置に設けられ、受光部286が回路基板より上方に位置し、発光部284が回路基板より下方に位置するように設けられている。そのため、発光部284および受光部286が同じ高さの位置に設けられる場合に比較して検出器280,282による基板検出範囲が広くなり、回路基板の検出精度が向上する。また、隣接する2つの装着モジュール10にそれぞれ設けられて互いに隣接する基板搬入検出器280と基板搬出検出器282との各光路の向きが上下方向において逆になり、受光部286が隣接する検出器の発光部が発する光を誤って受光することが回避される。なお、基板搬入検出器の発光部と基板搬出検出器の発光部とを、基板搬送方向と直角な方向において異なる側に設けるとともに、いずれも受光部より上方であって、回路基板より上方の位置に設けてもよく、いずれも受光部より下方であって、回路基板より下方の位置に設けてもよい。
【0033】
検出器280,282の各発光部284および受光部286はそれぞれ、ガイド300,302によって保護されている。図16に検出器280,282の各発光部284について示すように、ガイド300は、サイドフレーム110,112の端面に、発光部284の外側(サイドフレーム110,112とは反対側)に位置し、搬送方向と直交する姿勢で設けられるとともに、図17に示すように、搬送方向と直交する方向の両端部はそれぞれ、互いに離れるほどサイドフレーム110,112に向かう向きに傾斜させられて案内部304,306が設けられている。ガイド302についても同様である。そのため、装着モジュール10が搬送方向と直交する方向において他の部材と相対移動させられるとき、その部材は案内部304,306に案内されてガイド300,302の外側を移動し、検出器280,282と干渉することが回避される。
【0034】
ガイド300,302は、図16および図17に示すように、搬送方向と直交する水平方向および鉛直方向においてコンベヤベルト126と対向し、搬送部128に接する平面
である接平面308(図16参照)より0.5mm下方の位置まで延び出させられて支持部310が設けられ、ガイド300,302が、コンベヤベルト126により搬送される回路基板を下方から支持する付加支持部材としても機能するようにされている。付加支持部材の上端は、接平面以下の位置に位置させられて回路基板の搬送を妨げず、接平面に近い位置にあって回路基板を搬送部とほぼ同様に支持して落下を防止し、接平面の1mm以下の距離下方に位置させられればよい。支持部310の上端面には、図18に示すように、搬送方向における上流側の端部および下流側の端部にそれぞれ、丸味付け312が施され、回路基板の側端部を案内する案内部を構成している。面取りが施されて案内部が構成されてもよい。案内部は支持部の少なくとも搬送方向における上流側の端部に設けられればよい。なお、付加支持部材は、回路基板を下方から支持可能な作用状態と、前記回路基板を下方から支持不能な非作用状態とを取り得るものとしてもよい。付加支持部材を作用位置から下降させて非作用状態としても、取り外すことにより非作用状態としてもよい。付加支持部材の下降は、手動で行われてもよく、移動装置により自動で行われてもよい。
【0035】
前記基板支持装置22を説明する。
基板支持装置22は、図15に示すように、支持台320と、支持台320上に着脱可能に取り付けられる少なくとも1つの支持部材322とを含み、基板支持装置昇降装置324により昇降させられる。支持台320は大きさが異なる複数種類の回路基板の支持に使用可能な大きさを有する。回路基板を支持する支持部材の種類は様々であるが、支持部材322は、負圧によって回路基板を吸着し、保持する保持型の支持部材とされている。
【0036】
支持部材322は、台座326と、台座326に立設された支持ピン328と、支持ピン328の上端面により構成される基板支持面330を囲む状態で設けられたゴム製のバキュームカップ332とを備え、基板支持面330に供給される負圧によってバキュームカップ332が回路基板を吸着し、基板支持面330に支持させる。台座326は、ボルト334が、支持台320に形成された複数の雌ねじ穴(図示省略)のうちの1つに螺合されることにより支持台320に着脱可能に固定され、基板支持面330が回路基板の裏面の被支持箇所に対応する位置に位置する状態で固定される。
【0037】
本基板支持装置昇降装置324は、図15に示すように、昇降部材たる昇降台350と、昇降部材駆動装置たるエアシリンダ352とを備え、ピストンロッド354の伸縮により、昇降台350が案内装置356により案内されつつ昇降させられる。エアシリンダは、駆動源の一種であり、流体圧アクチュエータの一種たる流体圧シリンダである。昇降台350は板状を成し、その上に支持台320が着脱可能に固定され、基板支持装置22がセットされる。
【0038】
基板支持装置22の支持台320は、その搬送方向に隔たった両端部に支持部材322が取り付けられず、空いており、それぞれイオナイザ370が取り付けられている(図5参照。図5には一方のイオナイザ370のみが図示されている)。本イオナイザ370は、高周波AC放電を行い、ノズル372により、プラスイオンを含むエアとマイナスイオンを含むエアとを交互に高速で放出する。ノズル372は、その角度が調整可能であり、回路基板に向かって下方からイオンを含むエアを噴射する。また、図19に示すように、複数の装着モジュール10のうち、搬送方向において最も上流側の装着モジュール10のモジュール本体18の外面にもイオナイザ374が取り付けられている。イオナイザ374は、イオナイザ370と同様に構成され、基板コンベヤ100,102の上方に設けられ、回路基板の上方から回路基板に向かってイオンを含むエアを噴射する。搬送方向において最も下流側の装着モジュール10の外面にイオナイザを取り付けてもよい。
【0039】
前記制御装置30はコンピュータを主体として構成され、装着モジュール10を構成する各種装置を制御する。これら装置のうちの多くの駆動源を構成する電動モータはエンコ
ーダ付サーボモータにより構成され、可動部材の位置制御精度が高い。また、複数の装着モジュール10の各制御装置30のコンピュータは通信ケーブルによって互いに接続され、データのやり取り等を行うようにされている。
【0040】
以上のように構成されたシステムにより、例えば、前記ヒートシンク付回路基板264(以下、回路基板264と略称する)に電子回路部品が装着される場合を説明する。また、2つの基板コンベヤ100,102のうちの一方、例えば、基板コンベヤ100のみが使用されることとする。基板コンベヤ100においては、1対のサイドフレーム110,112の各受け部材120において部分受け部材202が作用位置に位置させられる。また、回路基板264は厚く、撓む恐れのないものであるため、下方からの支持は不要であり、支持台320に支持部材322は取り付けられない。
【0041】
回路基板264は、図5に示すように、その両側縁部においてそれぞれ2箇所ずつの被支持部276が1対のコンベヤベルト126の各搬送部128により支持され、コンベヤベルト126の周回により搬送される。回路基板264が最も上流側の装着モジュール10に搬入されるとき、イオナイザ374によって上方からイオンを含むエアが回路基板264に噴射され、回路基板264の静電気が除去される。
【0042】
回路基板264の搬送は、基板搬入検出器280により、回路基板264の搬送方向において上流側の端縁の通過が検出された後、所定距離、移動させられた状態で停止させられる。コンベヤベルト126は、支持ローラ138,支持レール140により支持されて周回し、搬送部128と支持レール140との間および回路基板264と搬送部128との間に適度な摩擦力が得られ、予め設定された停止位置に精度良く停止させられ、イオナイザ370によりイオンを含むエアが下方から噴射され、回路基板264の静電気が除去される。停止後、支持台320が基板支持装置昇降装置324により上昇させられ、押上部材160のボルト164に当接して押上部材160を上昇させる。支持台320は昇降台350に固定された状態では、昇降台350と共に昇降部材を構成し、基板支持装置昇降装置324が押上部材160を上昇させる。押上部材160は搬送部128に支持された回路基板264の被支持部276の下面を支持して搬送部128から浮き上がらせ、図14に示すように、被支持部276を部分受け部材202の部分垂下部214に押し付ける位置まで上昇させられる。押上部材160は、押付部材と考えることもできる。部分受け部材202は回路基板264の被支持部276を受け、押上部材160と共同して被支持部276を挟む。この状態では、回路基板264の部品装着面266が基準高さに位置し、その部品装着面266に電子回路部品を装着するようにノズルホルダの昇降が制御される。装着ヘッド34による回路基板への電子回路部品の装着は、特開2004−104075公報等により知られており、説明を省略する。
【0043】
回路基板264への電子回路部品の装着終了後、支持台320が下降させられ、押上部材160がスプリングの付勢により下降させられ、回路基板264の被支持部276が搬送部128上に載置され、回路基板264が搬出される。被支持部276の搬送方向に平行な方向の寸法は短いが、被支持部276は、隣接する装着モジュール10の各基板コンベヤ100の間に設けられた2つの支持部310により下方から支持されるため、回路基板264はその先端部(搬送方向において下流側の端部)が下がることなく、隣接する搬送部128間を乗り移ることができる。この際、被支持部276は丸味付け312によって支持部310上へ導かれ、より確実に回路基板先端部の下がりが防止される。なお、回路基板への電子回路部品装着作業の開始後、何らかの理由で回路基板を装着モジュール10から取り出すことが必要となった場合、作業者は、基準サイドフレーム110の部分受け部材202を退避位置へ退避させ、回路基板264のクランプを解除することにより、回路基板264を取り出すことができる。
【0044】
図15に示す回路基板129のように、上面に段差がない回路基板について電子回路部品の装着を行う場合には段取り替えが行われ、部分受け部材202が退避位置へ退避させられて部分垂下部214が収容凹部216に収容され、支持台320に支持部材322が取り付けられる。回路基板129が基板コンベヤ100により搬入され、所定の位置に停止させられたならば、支持台320が上昇させられ、押上部材160を上昇させ、回路基板129を搬送部128から押し上げさせる。押上部材160の上昇は、部分受け部材200,204の各受け面262に当接することにより規定され、回路基板264の押上げ時より高い位置へ上昇させられる。受け面262は前記基準高さに位置し、回路基板129は、その下面が基準高さに位置することとなる。また、支持部材322の基板支持面330が基準高さに位置する状態となり、回路基板129は基板支持面330への負圧の供給によってバキュームカップ332により吸着され、基板支持面330に押し付けられて下面が基準高さに位置する状態に保たれる。装着ヘッド34が回路基板129に電子回路部品を装着する際、部品装着面412が回路基板129の厚さ分、基準高さより上方に位置することを考慮してノズルホルダの昇降が制御され、吸着ノズル50による電子回路部品の装着が支障なく行われる。1つの受け部材120により2つの態様で回路基板に対する電子回路部品の装着を行うことができる。
【0045】
回路基板129への電子回路部品の装着終了後、支持台320が下降させられ、押上部材160が下降させられて回路基板129が下降させられる。回路基板129は、案内面180の複数の部分垂下部214の間に位置する部分により下降開始当初から案内され、部分垂下部214の受け面218と収容凹部216の底面との間の隙間に引っ掛かることなく、下降させられる。回路基板129が、部品装着面412が基準高さより下方に位置させられた後、搬送部128に載置される前に支持部材322への負圧の供給が遮断されて回路基板129が開放され、搬送部128により支持されて搬出されるようにされる。
【0046】
回路基板264の受けには、図20に示す受け部材430のように、切欠が形成されず、搬送方向に延びる長手形状の垂下部432を有するものを使用することもできる。受け部材430は、上面基準での電子回路部品の装着が行われる際に、1対のサイドフレーム110,112の一方、例えば、従属サイドフレーム112の案内レール118に、垂下部432が押上部材160と対向する状態で固定される。下面基準での電子回路部品の装着を行う場合には、受け部材430を垂下部を有さない受け部材に交換する。この受け部材は、例えば、3つに分割され、両端の部分受け部材は押上部材160と対向する状態で案内レール118に固定され、押上部材160の上昇限度を規定するものとされ、真中の部分受け部材は、その搬送方向に平行で鉛直な端面が案内面180と同一平面内に位置する状態で案内レール118に固定され、回路基板の昇降を許容するものとされる。基準サイドフレーム110側には受け部材120を設けることにより、上面基準での電子回路部品の装着中に、必要に応じて部分受け部材202を退避位置へ退避させて回路基板を取り出すことができる。
【0047】
図21に示す受け部材450を用いれば、コンベヤベルト126により支持された状態において部品装着面と被受け面との高さが同じであり、同一平面内に位置する回路基板について、その種類に応じて上面基準あるいは下面基準の2つの態様のいずれかで電子回路部品の装着を行うことができる。受け部材450は、前記受け部材120と同様に3つに分割され、3つの部分受け部材のうち、真中の部分受け部材452は、受け部材120の部分受け部材202と同様に、案内レール118上に搬送方向と直角な方向に移動可能に取り付けられ、上面基準で電子回路部品の装着が行われる回路基板460については、図21(a)に示すように、押上部材160と共同して回路基板460の側縁部を挟む作用位
置に位置させられ、下面基準で電子回路部品の装着が行われる回路基板462については、図21(b)に示すように、押上部材160と共同して回路基板の側縁部を挟まない状態
となる退避位置に退避させられる。両端の部分受け部材は、図示は省略するが、作用位置
において固定される。
【0048】
図22〜図24に示す案内レール470および受け部材472を用いることもできる。案内レール470は、その搬送方向に平行な方向の両端部474,476の上面が基準高さに位置し、中央部478の上面が基準高さより高い位置に位置するように設けられるとともに、中央部478には、案内面480および上面に開口し、基準高さより下方に至る深さの収容凹部482が複数、搬送方向に距離を隔てて設けられている。受け部材472は3つに分割され、3つの部分受け部材486,488,490のうち、両側の部分受け部材486,490は、受け部材472の両端部474,476上に押上部材160と対向する状態で固定され、中央の部分受け部材488は中央部478上に搬送方向に直角な方向に移動可能に設けられ、その自由端縁から下方へ垂下する垂下部492が設けられるとともに、複数の切欠494が形成され、複数の部分垂下部496が形成されている。
【0049】
受け部材472は、ヒートシンク付回路基板264を受ける場合、図22に示すように作用位置に位置させられ、回路基板129を受ける場合、図23に示すように退避位置に位置させられ、部分垂下部496が収容凹部482に収容される。案内レール470の中央部478は基準高さより高くされ、基準高さより上側に案内面480があるため、図24に概略的に示すように、回路基板129は常に案内面480によって案内され、搬送方向に直角な方向のずれがより確実に防止される。図21に示すように、上面基準での電子回路部品の装着時に回路基板を基準高さにおいて受ける受け部材についても同様に、案内レールの一部を基準高さより上方に案内面が存在するとともに、収容凹部を有するものとし、受け部材の一部を部分垂下部を有して作用位置と退避位置とに移動可能なものとしてもよい。
【0050】
図25ないし図27に示すように、回路基板の側縁部が固定されたことを検出する機能を備えた案内・受け部材500により回路基板の移動を案内させるとともに、側縁部を保持させることもできる。案内・受け部材500は、図25および図27に示すように、鉛直な案内面502が設けられた案内レール部504と、案内レール部504から押上部材160上へ突出させられた受け部506とを備え、従属サイドフレーム112の側板116に着脱可能に固定される。
【0051】
案内・受け部材500には、図25および図26に示すように、検出部材510が軸512により、搬送方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。検出部材510は、案内・受け部材500に設けられた凹部514内に収容され、少なくとも1つ、本検出部材510では複数の接触子516が搬送方向に距離を隔てて設けられるとともに、受け部506の搬送方向における少なくとも一部分、本検出部材510では、搬送方向に距離を隔てた複数部分を、搬送方向と直角な方向に貫通して形成された切欠518内にそれぞれ配設されている。切欠518の底面520は、図26に示すように、受け部506の受け面522より下方に位置させられている。
【0052】
検出部材510からは、図27に示すように、レバー530が接触子516とは逆向きに、サイドフレーム112の外側へ延び出す向きに設けられるとともに、その下端部にドグ532が設けられており、複数の接触子516と一体的に回動可能とされている。ドグ532が被検出部を構成し、検出部材510の回動軸線から接触子516の先端部の下端までの距離より、回動軸線からドグ532までの距離の方が大きくされており、接触子516の回動が拡大されてドグ532に得られる。検出部材510は、レバー530と側板116との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリング534により、接触子516の先端部が下方へ、押上部材160側へ向かう向きに付勢されている。このスプリング534の付勢による検出部材510の回動は、図27(a)に示すように、
接触子516が切欠518の底面520に当接することにより規定され、その状態では、
接触子516の先端部の下端が受け面522より下方に位置し、ドグ532が、側板116に取り付けられたセンサ536から外れた状態となる。センサ536は、例えば、非接触型センサの一種である反射型の光電センサとされてセンサ部を構成し、図26および図27(b)に示すように、接触子516の下端が受け面522と同一面内に位置する状態で
は、ドグ532がセンサ536により検出される。なお、図示は省略するが、基準サイドフレーム110には、例えば、前記受け部材450が設けられる。
【0053】
案内・受け部材500および押上部材160が回路基板540を保持しない状態では、検出部材510は、図27(a)に示すように、接触子516の下端が受け面522より下
方に位置し、ドグ632がセンサ536から外れた非検出位置に位置し、回路基板540の側縁部が押上部材160により押し上げられるにつれて、検出部材510は側縁部によりスプリング534の付勢力に抗して回動させられ、図27(b)に示すように、接触子5
16の下端が受け面522の位置へ回動させられる。その状態では、検出部材510が検出位置に至り、ドグ532がセンサ536により検出され、回路基板540の側縁部が押上部材160と受け部506とによって挟まれたことが検出され、それに基づいて基板支持装置昇降装置の昇降台の上昇が止められる。検出部材510,センサ536およびスプリング534が基板固定検出装置542を構成している。接触子516および受け面522が搬送方向に距離を隔てた複数箇所にあるため、搬送方向に平行な方向の寸法が異なる複数種類の回路基板のいずれも受け面522により受けられるとともに、接触子516に接触して検出部材510を回動させることができ、受け部506と押上部材160とによる固定が検出される。
【0054】
図28ないし図30に示すように、1対の案内レール118にそれぞれ、回路基板の反りを矯正する機能を有する受け部材570を取り付け、回路基板を受けさせることもできる。受け部材570は垂下部を有さず、例えば、前記受け部材450と同様に3つの部分受け部材572,574,576に分割され、両側の部分受け部材572,576は案内レール118に固定され、真中の部分受け部材574は案内レール118により、作用位置と退避位置とに移動可能に保持されている。図28に示すように、搬送方向において上流側の部分受け部材572には、コンベヤベルト126の搬送部128の上流側の端部に対向する部分に案内突部580が設けられ、下流側の部分受け部材580には、搬送部128の下流側の端部に対向する部分に案内突部582が設けられ、これら案内突部580,582は案内部を構成している。案内突部580,582にはそれぞれ、搬送方向の上流側から下流側に向かうに従って搬送部128に直線状に漸近する向きに傾斜した案内面584と、下流側から上流側に向かうに従って搬送部128に直線状に漸近する向きに傾斜した案内面586とが形成されている。また、案内突部580,582の突出端部は、図29に示すように、部分球状の丸味部588とされている。前述のように、基板コンベヤ100の搬送方向の両側にそれぞれ設けられた前記基板搬入検出器280,基板搬出検出器282は、搬送方向において案内突部580,582に隣接する位置に位置する。
【0055】
真中の部分受け部材574の作用位置に位置する状態において案内レール118から片持ち状に搬送部128の上方へ延び出し、回路基板の側縁部を受ける先端部ないし延出し部590の下面により構成される受け面592は、図30(a)に示すように、部分受け部
材574の先端部ないし自由端部側から、案内レール118に保持された基端部側に向かうに従って、上昇する向きに傾斜させられている。この傾斜角度は、本部分受け部材574では2度とされている。
【0056】
回路基板に反りがあり、側縁部が搬送部128から浮き上がっている場合、搬送時に案内突部580,582を通る際に案内面584に案内されて案内突部580,582と搬送部128との間へ導かれ、図29に示すように、搬送部128に近接させられる。搬送部128に接触させられることもあり、回路基板の側縁部は案内突部580,582の搬
送方向における前後において搬送部128とほぼ平行な姿勢となる。その上、検出器280,282は、検出領域が上下方向において広くされており、基板搬入検出器280による回路基板の搬送方向における上流側端の検出に基づいて回路基板の停止位置が精度良く制御され、基板搬出検出器282による回路基板の下流側端の検出に基づいて回路基板の搬出が確実に検出される。案内突部580,582の搬送方向における検出器280,282に対する位置は、回路基板の側縁部ができるだけ水平な状態で検出領域を通る位置に設定される。案内突部580,582はそれぞれ、回路基板の搬送方向における両側にそれぞれ案内面584,586を有するため、回路基板が正逆いずれの方向に移動させられても、その側縁部を搬送部128との間へ導くことができる。あるいは1対のサイドフレーム110,112において案内レール118を共通とすることができる。案内突部580,582には案内面584のみを設けてもよい。
【0057】
図30(b)に示すように、回路基板594が押上部材160により押し上げられ、作用
位置に位置する部分受け部材574の受け面592との間に挟まれるとき、部分受け部材574は移動可能に設けられていて案内レール118との間に隙間があるため、押上部材160に押されて延出し部590が僅かに回動させられ、基端部に対して浮き上がらされて水平ではなくなる。しかし、受け面592は傾斜面とされているため、延出し部590が浮き上がらされた状態において受け面592が水平となり、回路基板594の側縁部を水平に押さえ、回路基板594が水平な姿勢で保持される。
【0058】
電子回路部品が装着される回路基板が、例えば、セラミックス製の回路基板のように脆性基板である場合、図31〜図33に示す基板支持装置600を用いることにより、回路基板の割れを検出することができる。基板支持装置600は、図31に示すように、支持台602と、支持台602上に昇降可能に設けられた支持部材604と、支持部材604を支持台602上において昇降させる昇降装置606とを含み、支持台602は前記基板支持装置昇降装置324の昇降台350に取り付けられる。
【0059】
支持部材604は、発泡材の一種であるスポンジから成る軟支持部材であり、支持する回路基板とほぼ同じ大きさを有し、下端面側を裏板610によって保持され、上端面が支持面612を構成している。本昇降装置606はエアシリンダ614により構成され、ピストンロッド616の伸縮により、支持部材604がガイドロッド618を含む案内装置620に案内されつつ昇降させられる。エアシリンダ614に供給されるエア圧力は、圧力制御装置たるレギュレータ(図示省略)により制御され、支持部材604による回路基板の支持力が変えられる。支持部材604には、図32および図33に示すように、回路基板の割れを検出する割れ検出ユニット630が複数、例えば、3つ以上、本基板支持装置600では3つ、設けられている。割れ検出ユニット630のユニット本体632は、図33に示すように、裏板610の下面に着脱可能に固定され、上面に開口して形成された有底穴634にホルダ636が昇降可能に嵌合されるとともに、ホルダ636内に検出子としてのピン638が嵌合され、ねじ640により着脱可能に固定されており、ピン638の摩耗時に摩耗のないピン638と交換することができる。
【0060】
ピン638は、図33に示すように、支持部材604および裏板610を厚さ方向に貫通して形成された貫通穴642内に上下方向に相対移動可能に嵌入させられている。ホルダ636は、有底穴634の底面との間に配設された検出子付勢装置たるスプリング644により、ピン638が支持面612を含む支持平面より上方へ突出する方向に付勢されており、スプリング644の付勢によるホルダ636の上昇が、肩面646が裏板610に当接することにより規定された状態では、ピン638が、その先端部ないし上端部が上記支持平面から上方へ突出した突出位置に位置させられる。また、ピン638は、二点鎖線で示すように、ホルダ636を介してスプリング644の付勢力に抗して下降し、その先端ないし上端が貫通穴642内に引っ込み、支持面612を含む支持平面以下の位置に
位置する引込位置へ移動可能である。ピン638は、スプリング644により引込位置から突出位置へ向かう方向に付勢されている。
【0061】
ユニット本体634にはまた、図33に示すように、突出検知器たるセンサ650がピン638の軸線と直角な向きに取り付けられている。本基板支持装置600においてセンサ650は、非接触型センサの一種である近接センサにより構成されている。ホルダ636には、その外周面に開口する円環状の溝652が設けられて被検出部を構成し、ピン638が突出位置に位置する状態では、図33に実線で示すように、溝652がセンサ650と正対し、ピン638が引込位置に位置する状態では、二点鎖線で示すように、溝652がセンサ650から外れてホルダ636の溝652が形成されていない部分がセンサ650と正対し、各状態においてセンサ650は異なる信号を制御装置30のコンピュータへ出力する。3つの割れ検出ユニット630は、図32に示すように、いずれも水平方向である搬送方向に平行な方向および直角な方向(基板支持装置600により支持される回路基板の電子回路部品が装着される作業面たる部品装着面内において側縁部に直角な方向)における各位置を異にする3つの位置にそれぞれ設けられている。
【0062】
また、図34に示すように、押付部材660は搬送方向に平行な方向において3つに分割され、分割押付部材662,664,666のうち、両側の分割押付部材662,666は連結部材668によって連結され、真中の分割押付部材664は連結部材668に昇降可能に取り付けられている。分割押付部材664は、連結部材668との間に配設された押付部材付勢装置たるスプリング670により、連結部材668に対して上方へ付勢されている。分割押付部材664は、連結部材668に上下方向に設けられて係合凹部を構成する長穴672と、分割押付部材664に水平に設けられて係合突部を構成するねじ部材674との嵌合により、連結部材668に上下方向に相対移動可能に保持されるとともに、ねじ部材674の長穴672の上端面との係合により、スプリング670の付勢による分割押付部材664の移動が規定され、移動が規定された状態では分割押付部材662,664,666の上端が同じ高さに位置する。また、連結部材668には、分割押付部材662,666にそれぞれ対応する箇所にボルト676が下向きに螺合され、当接部を構成している。さらに、受け部材680は、前記受け部材450と同様に構成され、両側の部分受け部材682,684は分割押付部材662,666と対向する状態で案内レール118に固定され、真中の部分受け部材686は案内レール118に搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられ、作用位置と退避位置とに移動させられる。
【0063】
支持台602等は、セラミックス製の脆性基板688(図33参照)の搬入後、基板支持装置昇降装置324により退避位置から上昇させられる。上昇時に支持台602がボルト676に当接し、連結部材668を上昇させて押付部材662,664,666を上昇させ、脆性基板688をコンベヤベルト126から持ち上げさせる。押付部材662,664,666は押上部材でもある。支持台602は、部分受け部材686の受け面690が脆性基板688の上面に当接し、脆性基板688の側縁部を受け、部分押付部材664と共に脆性基板688を挟んだ状態から更に上昇させられ、連結部材668がスプリング670を圧縮しつつ部分押付部材664に対して上昇する。連結部材668は、部分押付部材662,666が部分受け部材682,684に当接するまで上昇させられる。その状態では、ピン638が脆性基板688の裏面より下方に位置し、押付部材660の上昇後、支持部材604が昇降装置606により上昇させられる。この際、まず、図33に実線で示すように、ピン638が脆性基板688に接触して上昇を止められ、その後、更に支持部材604がスプリング644を圧縮しつつピン638に対して上昇し、ピン638は脆性基板688により押されて二点鎖線で示すように引込位置に位置する状態となり、支持面612が退避位置より上方の支持位置に位置して脆性基板688の下面に面接触し、脆性基板688を支持する。
【0064】
昇降装置606は、ピン638が引込位置に位置する状態となり、ホルダ636の溝634から外れた状態となり、センサ650の検出信号が突出位置検出信号から引込位置検出信号に変わることに基づいて作動を停止させられ、支持部材604が所定の圧力で脆性基板688を支持するが、脆性基板688が押付部材660により部分受け部材684に押し付けられる際の衝撃により割れることがあれば、ピン638は脆性基板688により押されず、突出位置に位置したままであり、信号が変わらない。そのため、例えば、支持部材604の上昇開始からの時間が計測され、設定時間が経過し、支持部材604が脆性基板688を支持する状態となる時間が経過しても、突出位置検出信号が出力されているのであれば、脆性基板688が割れたと判定される。脆性基板688が割れることなく支持部材604により支持され、ピン638が引込位置に位置する状態となった場合でも、電子回路部品の装着中等に脆性基板が割れれば、ピン638が脆性基板688により押されなくなってスプリング644の付勢により突出位置へ移動し、ホルダ636の溝634がセンサ650と正対する状態となり、センサ650の出力信号が引込位置検出信号から突出位置検出信号に変わることから脆性基板688が割れたと判定される。脆性基板688の割れの判定に基づいて、例えば装着ヘッド34による電子回路部品の装着動作が止められ、吸着ノズル50が割れた回路基板に引っ掛かって損傷することが回避される。
基板支持装置昇降装置324および昇降装置606が昇降装置を構成し、連結部材668が昇降部材を構成し、コンピュータのセンサ650の出力信号に基づいて脆性基板688の割れを判定する部分が割れ判定部を構成し、装着ヘッド34の作動を止める部分が作動停止部を構成し、部分受け部材682,684が上昇限度規定部を構成している。
本基板支持装置600においては、支持部材604が2つの昇降装置324,606により、2段階に昇降させられるようにされているが、昇降装置606は省略してもよい。
【0065】
なお、検出子を構成するピンは、工具を使用することなく、ホルダに取付け,取外しされる構造のものとしてもよい。例えば、ピンのホルダに嵌合される部分の端部であって、下端部を、直径がホルダのピン嵌合穴の内径より僅かに大きい大径部とし、その大径部に対してピンの先端部である上端部側に隣接する部分を直径がピン嵌合穴の内径より僅かに小さい小径部とするとともに、小径部の一部および大径部を直径方向に貫通するスリットを形成して二股状とし、ピンの下部に1対の係合部たる係合脚部を設ける。また、これら係合脚部の自由端部(下端部)の外面にそれぞれ、先端(下端)側ほど直径が減少するテーパ面の一部を成す案内面を設ける。ピンをホルダのピン嵌合穴に嵌合する際には、1対の係合脚部が案内面により案内され、互いに接近する向きに弾性変形させられつつホルダに嵌合され、ピン嵌合穴の底面に当接するまで嵌合された状態では、1対の係合脚部が弾性復元力によりピン嵌合穴の内周面に係合し、ピンがホルダに嵌合された状態に保たれる。ピンをホルダから取り外す場合には、ピンに力を加え、1対の係合脚部とピン嵌合穴の内周面との間の摩擦力に打ち勝ちつつピンを上方へ移動させ、ホルダから抜け出させる。
【0066】
図35および図36に示す基板支持装置700を使用することにより、裏面ないし下面に既に電子回路部品が装着されている回路基板を電子回路部品ごと下方から支持することができる。
基板支持装置700は、支持台702と、支持台702に取り付けられた支持ピンユニット704とを含み、支持台702は前記基板コンベヤ100の基板支持装置昇降装置324の昇降台350(図示省略)上に着脱可能に固定される。支持ピンユニット704の支持台702に着脱可能に固定されたユニット本体706には、支持ピン群708が昇降可能に設けられている。支持ピン群708は、基台710上に突設されたスポンジ製の軟質支持部材たる複数の支持ピン712を含む。基台710には、その中央の下面にピストン716が突設されるとともに、ユニット本体706に形成されたシリンダボア718に気密にかつ軸方向に摺動可能に嵌合されてエアシリンダ720を構成し、エア源722からエア室724へのエアの供給は制御弁たる電磁方向切換弁726により制御される。
【0067】
支持ピン群708の昇降は、基台710に突設され、ユニット本体706に昇降可能に嵌合された複数の案内部材たるガイドロッド730を含む案内装置732により案内され、支持ピン群708は、ガイドロッド730とユニット本体706との間に配設されたスプリング734により下方へ付勢されている。また、支持ピン群708のユニット本体706に対する上昇端は、基台710に設けられた当接部740がユニット本体706に設けられたストッパ742に当接することにより規定される。さらに、前記支持台702にはドグ750が設けられ、支持台702の上昇の途中で接触式センサの一種であるリミットスイッチ752を切り換えるようにされている。支持ピンユニット704は、回路基板の大きさに応じた数、支持台702に取り付けられる。また、本基板支持装置700を含む基板コンベヤ100は、例えば、押上部材160および受け部材450を含む。
【0068】
回路基板の搬入,停止後、基板支持装置700が基板支持装置昇降装置324により上昇させられる。この上昇に伴って支持台702が押上部材160を上昇させ、押上部材160は回路基板を搬送部128から押し上げ、作用位置に位置する部分受け部材452との間に挟む。支持台702の上昇の途中でドグ750がリミットスイッチ752を切り換え、出力信号がOFF信号からON信号に変わり、それに基づいて電磁方向切換弁726が切り換えられ、エアシリンダ720にエアが供給されて支持ピン群708が上昇させられ、支持ピン712が回路基板を支持する。ドグ750,リミットスイッチ752は、押上部材160が部分受け部材452との間に回路基板を挟んだ後に、支持ピン712が、回路基板の裏面に装着されている電子回路部品のうち、最も高さが高い電子回路部品の下面に接触するタイミングでエアシリンダ720にエアが供給され、支持ピン群708が上昇させられるように設けられている。そのため、支持ピン712は、回路基板を動かすことなく支持することができる。支持ピン712は軟質支持部材であり、回路基板が押上部材160と部分受け部材452との間に挟まれていない状態で電子回路部品に接触すれば、軸線と直角な方向に弾性変形し、電子回路部品を避けつつ上昇させられることにより生じる反力によって電子回路部品を押し、回路基板をずらしてしまうのに対し、回路基板が押上部材160と部分受け部材452とによって保持された状態であれば、電子回路部品があり、支持ピン712が弾性変形により非対称な状態で電子回路部品に接触し、弾性変形の反力が電子回路部品に作用しても回路基板が動かされることはなく、支持ピン712が弾性変形により電子回路部品の存在を許容しつつ、回路基板の下面に接触し、下方から支持することができるのである。支持ピン群708は、当接部740がストッパ742に当接する上昇端位置まで上昇させられる。
支持台702が昇降部材を構成し、基板支持装置昇降装置324が第1昇降部を構成し、エアシリンダ720が第2昇降部を構成している。また、リミットスイッチ752が検知器を構成し、制御装置30の基板支持装置昇降装置324およびエアシリンダ720を制御し、リミットスイッチ752による支持台702の設定高さへの上昇の検知に基づいて電磁方向切換弁726を切り換え、エアシリンダ720へのエアの供給を許容させる部分および電磁方向切換弁726と共に昇降制御部を構成している。
【0069】
図37に示す基板支持装置800を使用することにより、複数の装着モジュール10、例えば、隣接する2台の装着モジュール10に跨って回路基板を配設し、電子回路部品を装着することができる。基板支持装置800は、共通支持台802および共通支持台取付装置804を含む。共通支持台802は、その一端部が、2つの装着モジュール10のうちの一方、例えば、矢印で示す搬送方向において下流側の装着モジュール10の基板支持装置昇降装置324の昇降台350にスペーサ806を介して、固定装置の一種である複数のボルト808により着脱可能に固定される。
【0070】
共通支持台802は、図37に示すように、下流側の昇降台350から上流側の装着モジュール10の基板支持装置昇降装置324の昇降台350上へ延び出させられ、その自由端側の部分であって、上流側の昇降台350に対向する部分にスプリングリテーナ81
0が昇降可能に設けられるとともに、共通支持台802との間に配設された弾性部材たるスプリング812により、上流側の昇降台350に向かって付勢されている。スプリングリテーナ810は、図39に示すように、頭部814を有する頭付きのボルト816および2つのナット818,820を含む。ボルト816は、共通支持台802に形成された上下方向の貫通穴824に、頭部814が昇降台350と対向する状態で摺動可能に嵌合され、貫通穴824から突出した雄ねじ部826にナット818,820が螺合されている。スプリング812は、頭部814と共通支持台802との間に配設され、2つのナット818,820の雄ねじ部826への螺合位置の調節により、頭部814の位置が調節可能である。共通支持台802にはまた、図38に示すように、2つの昇降台350にそれぞれ対応する2箇所ずつにボルト828が螺合され、位置決め部を構成している。
【0071】
共通支持台802には、図37および図38に示すように、複数の基板支持部たる基板吸着突部840が突設されている。これら基板吸着突部840には、その表面である上端面により構成される支持面たる吸着面842に開口して複数の環状の溝が同心状に形成されて負圧室844が設けられ、各負圧室844には負圧通路846,848(図37,図38参照)により、図示を省略する負圧源から負圧が供給される。また、共通支持台802の搬送方向に隔たった両端部にそれぞれ、案内部854が設けられている。これら案内部854はそれぞれ板状を成し、共通支持台802から直角に立ち上がった後、上方ほど互いに離間する向きに傾斜させられている。
【0072】
回路基板868は、図40に示す基板キャリヤ870に載せられて搬送される。基板キャリヤ870は、隣接する2つの装着モジュール10の各基板支持装置昇降装置324に跨る長さを有する板状を成し、前記複数の基板吸着突部840がそれぞれ嵌合可能な複数の開口872が形成されるとともに、位置決め部材の一種である位置決め突部たるピン874が複数、立設されて位置決め装置を構成し、回路基板868の側面に当接し、基板キャリヤ870に対する昇降を許容しつつ、搬送方向に平行な方向と、基板キャリヤ870に載せられた回路基板の部品装着面に平行な平面である水平面内において搬送方向と直角な方向とに位置決めする。図40には、搬送方向に長い回路基板868が2枚、搬送方向に直角な方向に並べて載せられた例が図示されている。
【0073】
基板キャリヤ870は、その長手方向の両側縁部がそれぞれ、回路基板が基板コンベヤ100によって直接搬送される場合と同様に、基板コンベヤ100の1対のコンベヤベルト126の各搬送部128上に載せられ、コンベヤベルト126の周回により移動させられ、載せられた回路基板868を搬送する。基板キャリヤ870の移動は、1対のサイドフレーム110,112の各案内レール118により案内される。基板キャリヤ870は、図37および図41(a)に示すように、共通支持台802上に停止させられ、2つの装
着モジュール10の各基板支持装置昇降装置324の昇降台350が上昇させられ、共通支持台802を上昇させる。共通支持台802は、下流側の装着モジュール10の昇降台350と一体的に上昇させられるが、上流側の装着モジュール12の昇降台350は、スプリングリテーナ810を介して共通支持台802を上昇させる。スプリング812は予圧縮されて配設されており、その予圧縮およびボルト816の頭部814の位置の調節は、2つの昇降台350が同じ高さに位置する状態で頭部814が昇降台350に当接し、ナット818,820が共通支持台802から僅かに離れた状態で、共通支持台802がちょうど水平な姿勢となるように行われる。そのため、2つの昇降台350の上昇にずれがあれば、共通支持台802の自由端側を支持する昇降台350がスプリング812を圧縮し、あるいはボルト816から離間して、その昇降台350を昇降させるエアシリンダ352に作用する負荷が変化し、2つの昇降台350がほぼ同じ速度で上昇させられ、共通支持台802を上昇させる。
【0074】
共通支持台802の上昇の途中で、図41(b)に示すように、基板吸着突部840が基
板キャリヤ870の開口872に嵌合され、回路基板868をピン874に対して上昇させ、基板キャリヤ870から浮き上がらせる。共通支持台802と基板キャリヤ870との間に搬送方向のずれがあっても、案内部854に案内されて基板キャリヤ870が移動し、ずれが修正されて基板吸着突部840が開口872に嵌合される。そして、共通支持台802の基板吸着突部840の周囲の部分が基板キャリヤ870に当接し、搬送部128から持ち上げる。基板吸着突部840の高さおよびピン874の高さは、回路基板をピン874から外れることなく、支持する大きさに設定されている。2つの昇降台350の上昇端位置は、前記ボルト828が基板コンベヤ100の側板116に当接することにより規定され、回路基板868の部品装着面が前記基準高さに位置させられる。共通支持台802の上昇端を決めることにより2つの昇降台350の上昇端位置が決められるのであり、スプリング812の予圧縮量の設定およびボルト816の頭部814の位置の調節により、2つの昇降台350の上昇端位置が等しく、共通支持台802の姿勢が水平となる状態が得られる。
【0075】
昇降台350の上昇後、負圧室844に負圧が供給され、回路基板868が吸着面842に吸着される。そして、2つの装着モジュール10の各装着ヘッド34が移動させられて電子回路部品を回路基板868に装着する。これら装着ヘッド34の装着エリアは重複しており、回路基板868の2つの装着モジュール10の間の部分にも電子回路部品が装着される。電子回路部品の装着終了後、負圧室844への負圧の供給が遮断されて回路基板868が開放されるとともに、2つの昇降台350が同時に下降させられ、共通支持台802が下降させられるが、この下降時にも自由端側の昇降台350の頭部814からの離間あるいはスプリング812の圧縮により、2つの昇降台350がほぼ同じ速度で下降させられる。そして、基板キャリヤ870が搬送部128上に載置されるとともに、基板吸着突部840が開口872から抜け出させられ、回路基板868が基板キャリヤ870により支持される。ボルト808,スプリングリテーナ810およびスプリング812が共通支持台取付装置804を構成し、昇降台350が昇降部材を構成し、エアシリンダ352が昇降装置を構成している。
【0076】
なお、基板キャリヤには、基板キャリヤに形成された複数の開口の各々について回路基板が位置決めされ、搬送されてもよい。この場合、複数の開口の各々についてピンが立設され、回路基板を搬送方向に平行な方向および直角な方向に位置決めするようにされ、複数の回路基板が1つずつ、基板吸着突部により吸着される。開口の搬送方向における数より少ない数であって、複数の開口について1枚の回路基板が位置決めされ、搬送されてもよい。隣接する電子回路部品装着機の間の部分にも回路基板を位置させて電子回路部品を装着することができる。
また、ピン等、位置決め部材は、回路基板を搬送方向と直角な方向にのみ位置決めするように設けられてもよい。
【0077】
さらに、請求可能発明に係る基板コンベヤは、電子回路部品装着機の他、スクリーン印刷機,高粘性流体塗布機等、種々の対基板作業機に設けることができる。また、請求可能発明に係る基板コンベヤ列は、複数の対基板作業機が直列に配設されて構成される対基板作業システムに設けることができる。
【符号の説明】
【0078】
10:装着モジュール 20:基板搬送装置 22:基板支持装置 100,102:基板コンベヤ 118:案内レール 120:受け部材 126:コンベヤベルト 128:搬送部 138:支持ローラ 140:支持レール 150:清掃ブラシ 160:押上部材 180:案内面 210:垂下部 212:切欠 214:部分垂下部 216:収容凹部 280:基板搬入検出器 282:基板搬出検出器 310:支持部 320:支持台 322:支持部材 324:基板支持装置昇降装置 350:昇降台 370,374:イオナイザ 430:受け部材 432:垂下部 450:受け部材 470:案内レール 472:受け部材 492:垂下部 494:切欠 496:部分垂下部 500:案内・受け部材 510:検出部材 516:接触子 536:センサ 542:基板固定検出装置 570:受け部材 580,582:案内突部 588:丸味部 600:基板支持装置 602:支持台 604:支持部材 606:昇降装置 630:割れ検出ユニット 638:ピン 650:センサ 660:押付部材 680:受け部材 688:脆性基板 700:基板支持装置 702:支持台 704:支持ピンユニット 712:支持ピン 800:基板支持装置 802:共通支持台 804:共通支持台取付装置 810:スプリングリテーナ 812:スプリング 870:基板キャリヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路部品装着機やスクリーン印刷機等、回路基板に作業を施す種々の対基板作業機に設けられ、回路基板を搬送し、所定の位置に停止させて保持する基板コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の基板コンベヤは広く使用されており、それに含まれる基板支持装置は、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、複数の支持部材と、それら支持部材を昇降させる昇降装置とを備え、支持部材が昇降装置により上昇させられて回路基板の下面に接触させられ、下方から支持する。
【特許文献1】特開平11−195899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の基板保持装置を備えた基板コンベヤには未だ改良すべき点がある。本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、良好に回路基板を保持し得る基板支持装置を備えた基板コンベヤの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、基板コンベヤを、(a)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、(b)そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、(c)前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、(d)前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、(e)前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、(f)前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置とを含むものとするとともに、前記昇降装置を、前記押上部材を前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、前記基板支持部材を前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものとすることにより解決される。
【発明の効果】
【0005】
押上部材が受け部材と共同して回路基板の側縁部を挟む前に、基板支持部材が回路基板の下面に接触すれば、回路基板をずらしてしまう恐れがあるのであるが、回路基板が押上部材と受け部材とに挟まれた状態で基板支持部材に回路基板を支持させれば、回路基板がずれることなく支持させることができる。
【0006】
本発明の望ましい態様においては、前記(f)昇降装置が、(f-1)前記押上部材を押し上げる昇降部材と、(f-2)その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、(f-3)前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、(f-4)前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部とを含むものとされる。
また、別の望ましい態様においては、前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含むものとされる。それにより、回路基板の裏面に既に電子回路部品が装着されていても、基板支持部材は回路基板を電子回路部品ごと支持することができ、回路基板の裏面の状態によって基板支持部材の配置を変えずに済み、複数種類の回路基板の支持に共用することができる。
さらに別の望ましい態様においては、前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものとされる。上記設定高さは、例えば、押上部材が受け部材と共同して回路基板を挟んだ後に、基板支持部材が回路基板の下面に接触するタイミングで第二昇降部を作動させる高さに設定される。
【発明の態様】
【0007】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0008】
(1)脆性基板の下面を上端の支持面において支持する支持部材と、
その支持部材の支持面を含む支持平面より上方に突出した突出位置と、支持平面以下の引込位置とに移動可能な検出子と、
その検出子を前記引込位置から前記突出位置へ向かう方向に付勢する検出子付勢装置と、
それら支持部材,検出子および検出子付勢装置を、脆性基板を支持する支持位置とその支持位置より下方の退避位置とに昇降させる昇降装置と、
前記検出子の前記突出位置への移動を検知する突出検知器と、
前記支持部材による脆性基板の支持状態において、前記突出検知器により前記検出子の前記突出位置への突出が検知された場合に、脆性基板が割れたと判定する割れ判定部と
を含むことを特徴とする基板支持装置。
(2)前記検出子,前記検出子付勢装置および前記突出検知器が、水平方向に距離を隔てて複数組設けられた(1)項に記載の基板支持装置。
脆性基板の割れを複数箇所において検出することができ、割れ検出の信頼性が向上する。
(3)さらに、
前記脆性基板の上面に当接してその脆性基板を受ける受け部材と、
前記昇降装置により上昇させられ、脆性基板の側縁部を前記受け部材に押し付ける押付部材と
を含み、かつ、前記複数組の検出子,検出子付勢装置および突出検知器が、前記側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられた2組以上を含む(2)項に記載の基板支持装置。
基板支持装置が検出子,検出子付勢装置および突出検知器を2組含むのであれば、2組の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられ、3組以上含むのであれば、3組以上の検出子等の全部が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられてもよく、2組以上であって、全部の組数より少ない組の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられ、残りは、側縁部に直角な方向においては、2組以上の検出子等のいずれかと同じ位置に設けられてもよい。
脆性基板の側縁部が受け部材と押付部材とによって挟まれて保持される場合、脆性基板は側縁部にほぼ平行な割れ目において割れ易く、2組以上の検出子等が側縁部に直角な方向に距離を隔てて設けられることにより、割れ検出の確実さが増す。
(4)前記支持部材が、発泡材から成り、脆性基板の下面に面接触してその脆性基板を支持する軟支持部材を含む (1)項ないし(3)項のいずれかに記載の基板支持装置。
軟支持部材は、1つでも複数でもよい。軟支持部材の脆性基板の下面に対する接触面積
(軟支持部材が1つの場合は、その1つの軟支持部材の接触面積、軟支持部材が複数の場合は、複数の軟支持部材の各接触面積の合計)は、脆性基板の下面の面積の20%以上であればよく、40%以上、60%以上であることが望ましい。
支持部材の脆性基板への接触時に脆性基板が割れる恐れが少なく、また、作業ヘッドによって脆性基板に作業が施される際に加えられる衝撃が軟支持部材により吸収され、脆性基板が割れ難い。あるいは脆性基板の振動が良好に抑制される。
(5)前記検出子が前記軟支持部材を厚さ方向に貫通して形成された貫通穴内に上下方向に相対移動可能に配設された(4)項に記載の基板支持装置。
検出子を脆性基板の軟支持部材によって支持される箇所に配設し、基板の割れを検出することができる。
(6)前記昇降装置により昇降させられる昇降部材と、
前記脆性基板の上面に当接してその脆性基板を受ける受け部材と、
前記昇降部材に対して相対的に昇降可能に設けられ、昇降部材の上昇に基づいて上昇させられ、脆性基板を前記受け部材に押し付ける押付部材と、
その押付部材を前記昇降部材に対して相対的に上昇方向に付勢する押付部材付勢装置と
を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の基板支持装置。
昇降部材は、押付部材が脆性基板を受け部材に押し付けた状態から更に上昇させられる。この上昇は、押付部材付勢装置の作用により、昇降部材が押付部材に対して上昇することにより許容される。押付部材は、昇降部材と押付部材との相対移動に基づいて生じる押付部材付勢装置の付勢力によって脆性基板を受け部材に押し付けるが、この付勢力は、昇降部材が押付部材付勢装置を介することなく、押付部材を直接上昇させ、脆性基板を受け部材に押し付けさせる場合に脆性基板に作用する力より小さく、脆性基板の割れを回避しつつ、確実に保持することができる。
(7)前記昇降部材の上昇限度を規定する上昇限度規定部を含む(6)項に記載の基板支持
装置。
上昇限度規定部は、昇降部材そのものの上昇を阻止する構成とされてもよく、昇降装置による昇降部材の上昇を止める構成とされてもよい。いずれにしても昇降部材の上昇限度が規定されることにより、押付部材付勢装置による昇降部材と押付部材との相対移動の許容が限度に達し、昇降部材と押付部材とが一体的に上昇する状態となって脆性基板に過大な押付力が作用することが回避される。あるいは、押付部材付勢装置が弾性部材の弾性力に基づいて付勢力を発生させるものである場合に、弾性部材の弾性変形量が過大となって弾性力が過大となり、押付部材が過大な押付力を脆性基板に加えることが回避される。
(11)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤにおいて、
前記受け部材に、その受け部材の自由端縁(先端縁)から下方へ垂下した垂下部を設けるとともに、前記案内レールに、前記垂下部が前記押上部材に対向する作用位置と、その作用位置から退避した退避位置とに移動可能に保持させ、かつ、前記受け部材の少なくとも前記垂下部にその垂下部を直角に横切る少なくとも1つの切欠を設けることにより垂下部を複数の部分垂下部とするとともに、前記案内レールの少なくとも前記案内面に、前記受け部材が前記退避位置へ移動した状態では前記複数の部分垂下部の各々を収容する収容凹部を形成したことを特徴とする基板コンベヤ。
受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板は垂下部により受けられ、受け部材の自由端縁より下方において受けられる。そのため、回路基板が上面に段差があり、作業装置により作業が施される被作業面が受け部材により受けられる被受け面より上方に位置
するものである場合、被作業面を、受け部材の自由端縁の下面以下の予め定められた位置に位置させて作業を施すことができる。
また、受け部材が退避位置に位置する状態では、部分垂下部が収容凹部内に収容されて案内面より引っ込んでいるため、回路基板は受け部材により受けられず、側縁部の上面が開放され、被作業面の一部として作業を施すことができる。この場合、回路基板は、押上部材により部分垂下部の下端より上方へ押し上げられるが、部分垂下部は搬送方向に間隔を隔てて位置し、それら部分垂下部の間に案内面があるため、回路基板は案内面に案内されつつ、昇降させられる。垂下部は切欠が設けられず、搬送方向に長いものとされることも可能であるが、その場合には、垂下部の下端縁以上の部分に案内面がなく、回路基板が案内面により案内されることなく昇降させられることとなり、搬送方向に直角な方向にずれ、下降時に収容凹部の下端縁に引っ掛かる恐れがあるのに対し、垂下部を複数の部分垂下部とすれば、案内面を残し、その案内面に回路基板を案内させつつ良好に昇降させることができる。
(12)前記受け部材の前記搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所に、その搬送方向に直角な方向に延びる長穴が形成される一方、頭部を備えた雄ねじ部材が、前記複数の長穴の各々を貫通して前記案内レールの上面に形成された雌ねじ穴に螺合され、前記頭部と前記案内レールの上面とにより、前記受け部材がその受け部材の前記作用位置と退避位置とへの移動を許容する状態で挟まれた(11)項に記載の基板コンベヤ。
雄ねじ部材が雌ねじ穴に固く締め込まれた状態において、雄ねじ部材の頭部と案内レールの上面との隙間を、受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに大きく保つ隙間規定部が設けられることが望ましい。例えば、雄ねじ部材を、受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに長い大径部を備えた段付きねじとしたり、雄ねじ部材に受け部材の長穴の周辺部の厚さより僅かに長いスリーブを嵌合することにより目的を達し得、これら大径部やスリーブが隙間規定部を構成することとなる。
簡単な構成でありながら、搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所において受け部材の案内レールからの浮上がりを規制し、作用位置において回路基板の側縁部を正確な高さで受けさせることができる。
(13)前記案内レールと前記受け部材との一方に弾性的に突出方向に付勢された係合突部が設けられ、前記案内レールと前記受け部材との他方に、前記係合突部と係合して前記受け部材を前記作用位置と前記退避位置とにそれぞれ位置決めする2つの係合凹部が設けられた(11)項または(12)項に記載の基板コンベヤ。
受け部材を、作用位置と退避位置とに選択的に保つことができる。係合突部と2つの係合凹部との組合わせから成る位置保持部が、受け部材の長手方向に隔たった2箇所以上に設けられることが望ましい。
(14)前記係合突部が、ボールプランジャのボールにより構成された(13)項に記載の基板コンベヤ。
(15)前記受け部材が前記作用位置に位置させられた状態で、前記押上部材を回路基板を介して前記受け部材に当接する第一上昇位置まで上昇させ、前記受け部材が前記退避位置に位置させられた状態で、前記押上部材を前記第一上昇位置より高い第二上昇位置へ上昇させる昇降装置を含む(11)項ないし(14)項のいずれかに記載の基板コンベヤ。
受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板の上昇端は垂下部によって決まるが、受け部材が退避位置に位置する状態では、回路基板を受けるものがないため、回路基板を垂下部によって受けられる場合より高い位置へ上昇させることができる。
(21)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、
前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記昇降装置が、
前記押上部材を押し上げる昇降部材と、
その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、
前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、
前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部と
を含む基板コンベヤ。
押上部材が受け部材と共同して回路基板の側縁部を挟む前に、基板支持部材が回路基板の下面に接触すれば、回路基板をずらしてしまう恐れがあるのに対し、回路基板が押上部材と受け部材とに挟まれた状態で基板支持部材に回路基板を支持させることができ、回路基板がずれることなく支持される。
(22)前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含む(21)項に記載の基板コンベヤ。
基板支持部材は、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板の下面に接触してそれを支持するものでもよく、回路基板の下面には接触せず、電子回路部品を介して回路基板を支持するものでもよい。後者の基板支持部材は、例えば、弾性部材により形成されるものとされ、あるいはクッション機能を有するものとされ、回路基板の下面に接触する位置への上昇の途中に電子回路部品があれば止まり、弾性変形やクッション作用により、電子回路部品に当接しない基板支持部材の回路基板の下面への接触を許容する。
本項に係る発明によれば、回路基板の裏面に既に電子回路部品が装着されていても、基板支持部材は回路基板を電子回路部品ごと支持することができ、回路基板の裏面の状態によって基板支持部材の配置を変えずに済み、複数種類の回路基板の支持に共用することができる。
(21)項に係る発明は、基板支持部材が回路基板の下面のみを支持するものである場合にも有効であるが、本項におけるように、基板支持部材が自身の弾性変形により電子回路部品の存在を許容するものである場合に、特に有効である。
(23)前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものである(21)項または(22)項に記載の基板コンベヤ。
設定高さは、押上部材が受け部材と共同して回路基板を挟んだ後に、基板支持部材が回路基板の下面に接触するタイミングで第二昇降部を作動させる高さに設定される。
(31)それぞれ、回路基板を支持する基板支持装置と、その基板支持装置に支持された回路基板に電子回路部品を装着する装着装置とを備え、互いに隣接して配列された複数台の電子回路部品装着機と、
それら複数台の電子回路部品装着機を貫通して設けられ、それらに回路基板を搬入し、それらから搬出する基板コンベヤと
を含む電子回路部品装着システムであって、
前記基板支持装置の各々が、互いに独立な昇降装置により昇降させられる昇降部材を備え、かつ、当該電子回路部品装着システムが、
前記複数台の電子回路部品装着機に跨って配置され、前記基板コンベヤにより各電子回路部品装着機に搬入された回路基板を支持してその基板コンベヤから浮き上がらせる共通支持台と、
その共通支持台を前記複数の昇降部材の1つに固定する一方、その1つの昇降部材以外
の昇降部材に、前記共通支持台を弾性部材を介して支持させる共通支持台取付装置と
を含む電子回路部品装着システム。
例えば、複数の電子回路部品装着機に跨る長さを有する回路基板を共通支持台に支持させ、複数の装着装置に共同して電子回路部品を装着させることができる。
複数台の昇降装置によって共通支持台を昇降させれば、1台の昇降装置によって昇降させる場合のように、上昇速度が低下したり、搬送方向に長い共通支持台の昇降部材によって支持されていない部分が垂れ下がったりすることがないが、複数の昇降装置を完全に同期させて昇降させることは容易ではなく、案内部にこじりが発生して作動不能に陥るおそれがある。案内部を長くすれば、こじりの発生を回避し得るが昇降装置の大形化を避け得ない。それに対し、共通支持台が1つの昇降部材以外の昇降部材には弾性部材を介して支持されていれば、大きなこじり力が発生することが回避される。例えば、共通支持台の上昇時に、共通支持台の弾性部材を介して支持されている部分にも押上力が加えられ、上昇させられる。しかも、弾性部材の弾性変形により、共通支持台が固定された昇降部材とそれ以外の昇降部材との昇降の多少のずれは許容されるため、大きなこじり力が発生することがなく、複数の昇降装置が支障なく作動し得る。例えば、上昇時に複数の昇降装置のいずれかの作動速度が大きければ、その昇降装置に対する負荷が大きくなって作動速度が低下する一方、他の昇降装置の負荷が小さくなって作動速度が上昇し、ほぼ同じ速度で上昇することとなるのである。
なお、弾性部材は、複数の昇降部材がそれぞれ上昇端位置まで上昇させられた状態で、共通支持台を丁度水平に支持する寸法まで弾性変形させられた状態となるものとされることが望ましい。また、本発明の効果は、昇降装置がエアシリンダのように安価ではあるが作動速度の正確な制御がむつかしいものである場合に特に有効である。
(32)前記1つの昇降部材以外の昇降部材と、前記共通支持台のその昇降部材に対向する部分とのいずれか一方に、設定範囲内において昇降可能に設けられたスプリングリテーナと、
そのスプリングリテーナと前記一方との間に配設され、スプリングリテーナを前記昇降部材と共通支持台との他方に向かって付勢するスプリングと
を含み、そのスプリングが前記弾性部材として機能する(31)項に記載の電子回路部品装着システム。
(33)前記基板コンベヤが、前記複数台の電子回路部品装着機に跨る長さの基板キャリヤを搬送可能なものであり、前記共通支持台が、前記基板キャリヤに位置決めされかつ相対的に上昇可能に保持された複数の回路基板の各々を下方から支持して前記基板キャリヤから浮き上がらせる複数の基板支持突部を備えた(31)項または(32)項に記載の電子回路部品装着システム。
複数の回路基板は、直接搬送部に支持させて搬送させてもよいが、複数の回路基板の停止位置間にずれが生じ易い。それに対し、基板キャリヤに位置決めさせて搬送し、基板キャリヤを所定の位置に停止させれば、複数の回路基板を相互の位置ずれなく停止させることができる。
なお、基板キャリヤの使用による回路基板の搬送は、前記(11)〜(15),(21)〜(23)および以下に説明する(41),(51),(61),(71),(72),(81),(91),(101),(111)にそれぞれ記載の基板コンベヤにも適用可能である。基板キャリヤは、回路基板を位置決めする位置決め装置を備え、回路基板を位置決め支持して基板コンベヤにより搬送され、基板キャリヤを所定の位置に停止させることにより、回路基板の停止位置が決められる。
(41)(a)互いに水平方向に隔たって、水平な回転軸線のまわりに回転可能な2つのプ
ーリと、(b)それらプーリに巻き掛けられたコンベヤベルトとを含み、そのコンベヤベル
トの周回により、そのコンベヤベルトの前記2つのプーリの間において直線的に延びる搬送部により回路基板を支持して搬送する基板コンベヤであって、
前記搬送部の下方に、その搬送部に直角な回転軸線のまわりに回転可能に配設されて搬送部を支持する支持ローラと、前記搬送部に沿って延び、その搬送部を下方から支持する支持レールとの両方が配設されたことを特徴とする基板コンベヤ。
搬送部は支持ローラの回転によって軽快に移動させられるとともに、支持レールとの間の摩擦により移動が適度に抑えられる。例えば、搬送部を支持レールのみに支持させることも可能であるが、回路基板が重いものである場合には搬送部と支持レールとの摩擦抵抗が過大となり、回路基板の円滑な搬送が妨げられる。一方、支持ローラのみに支持させれば、搬送部は軽快に移動可能となるが、回路基板を停止させるために2つのプーリの一方の回転が阻止されても搬送部および回路基板が速やかに停止せず、余分に移動してしまう。搬送部が停止させられる場合、回路基板は慣性力により移動を続けようとするが、この移動は、搬送部と回路基板との間の摩擦力によって阻止される。上記摩擦力は、主として搬送部の支持ローラに支持された部分と回路基板との間に生じるのであるが、接触面積が小さいため、充分な摩擦力が得られにくい。また、支持ローラは搬送部に殆ど抵抗力を加えないため、搬送部自体も停止しにくい。そのために、搬送部および回路基板が余分に移動してしまうのである。それに対し、搬送部の一部を支持レールに支持させれば、搬送部と支持レールとの間に適度な摩擦力が生じるとともに、搬送部と回路基板との接触面積が増して両者間の摩擦力も適度な大きさとなり、結局、搬送部と回路基板とが適切な位置に停止させられることとなる。
中央部に支持レールを1つ設け、その支持レールの両側に少なくとも1つずつの支持ローラを配設することも、2つの支持レールの間に少なくとも1つの支持ローラを配設することも可能である。しかし、支持ローラも支持レールもそれぞれ複数ずつ設けることが望ましい場合が多い。
(51)(a)互いに水平方向に隔たって、水平な回転軸線のまわりに回転可能な2つのプ
ーリと、(b)それらプーリに巻き掛けられたコンベヤベルトとを含み、そのコンベヤベル
トの周回により、そのコンベヤベルトの前記2つのプーリの間において直線的に延びる搬送部により回路基板を支持して搬送する基板コンベヤが複数直列に配設された基板コンベヤ列であって、
前記コンベヤベルトの互いに隣接するものの、それぞれ前記プーリに巻き掛けられた部分の間に配設され、上端が、ほぼ、前記搬送部に接する平面である接平面上に位置し、それらコンベヤベルトに搬送される回路基板を下方から支持する付加支持部材を含む基板コンベヤ列。
例えば、回路基板の被搬送部の搬送方向における長さが、隣接する2つの基板コンベヤの各搬送部の間隔より短い場合、一方の搬送部により搬送されて来た回路基板の搬送部に支持されている後端部より支持されていない先端部の方が長くなれば、先端部が上記接平面より下に下がる。この先端部は下流側のコンベヤベルトのプーリに巻き掛けられた部分によって支持されて、再び接平面まで上昇させられるのが普通であるが、コンベヤベルト間における回路基板の受け渡しが滑らかに行われないことになる。
それに対し、本項の基板コンベヤ列においては、付加支持部材によって支持されることにより、回路基板の先端部の下降が防止される。また、回路基板の被搬送部が隣接する2つの基板コンベヤの搬送部の間隔より長いものである場合、付加支持部材があっても、その上端が回路基板の被搬送面より上の位置にはなく、搬送を妨げない。
(61)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
その押上部材を昇降させる昇降装置と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記受け部材が前記搬送方向において複数の部分受け部材に分割され、それら複数の部分受け部材の少なくとも1つが、前記案内レールに、前記押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む作用位置において固定され、前記複数の部分受け部材の別の少なくとも1つ
が、前記案内レールに、前記作用位置と、その作用位置から前記押上部材と対向しない退避位置とに移動可能に取り付けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
移動可能な部分受け部材である可動部分受け部材が作用位置に位置する状態では、回路基板の側縁部が押上部材と可動部分受け部材とにより挟まれ、保持された状態で回路基板に作業を施すことができる。また、可動部分受け部材が退避位置に位置する状態では、回路基板の側縁部の上面が開放され、作業を施すことができる。1つの部分受け部材を作用位置と退避位置とに移動可能に設けることにより、2つの態様で回路基板に対して作業を施すことができ、受け部材を交換する場合に比較して容易に作業態様を変更することができる。
回路基板の上昇端は、可動部分受け部材が作用位置にある場合、側縁部が可動部分受け部材により受けられることにより決められ、可動部分受け部材が退避位置にある場合、案内レールに作用位置において固定された部分受け部材である固定部分受け部材に、押上部材が回路基板を挟むことなく当接することにより規定される。
(71)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記コンベヤベルトの前記搬送部の前記搬送方向における上流側の端部に対向して設けられ、前記搬送方向の上流側から下流側に向かうに従って前記搬送部に漸近する向きに傾斜した案内面を有し、回路基板の側縁部が前記搬送部から浮き上がっている場合にその側縁部を前記搬送部に接触ないし近接する位置へ案内する案内部が設けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
回路基板の浮き上がった側縁部は、案内部に案内されて搬送部に接触ないし近接させられることにより、搬送方向において案内部の前後においては搬送部にほぼ平行となる状態が得られる。
(72)前記コンベヤベルト,前記案内レールおよび前記案内部が、前記搬送方向に直角な方向に距離を隔てかつ前記案内面が互いに対向する状態で2組設けられるとともに、前記搬送方向において前記案内部に隣接する位置に、互いに対向する発光部と受光部とを備え、それら発光部と受光部との一方が、前記搬送部により搬送される回路基板より上方に位置し、発光部と受光部との他方が回路基板より下方に位置する透過型の基板検出器が設けられた(71)項に記載の基板コンベヤ。
発光部および受光部が、回路基板より上方と下方とに設けられることにより、発光部から受光部に向かって放射される光は回路基板を斜めに横切ることとなり、基板検出器の検出領域が上下方向において広くなる。その上、案内部の前後においては回路基板の側縁部の浮上がりが抑えられるため、回路基板の搬送方向における上流側端(前端)や下流側端(後端)が確実に検出領域内を通り、回路基板の搬入あるいは搬出が正確に検出される。回路基板の側縁部の浮上がりは、搬送方向において案内部に近い部分ほど抑えられるため、基板検出器は搬送方向において、案内部による抑え効果が得られる範囲内に設けられる。
(81)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
その押上部材を昇降させる昇降装置と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け面により受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板の側縁部が前記押上部材と受け部材とに挟まれて固定されたことを検出する基板固定検出装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、前記基板固定検出装置が、
接触子と被検出部とを一体的に備えて回動軸線まわりに回動可能であり、常には前記接触子の下端が前記受け部材の前記受け面より下方に位置し、回路基板の側縁部が前記押上部材により押し上げられるにつれて側縁部により前記受け面の位置へ移動させられる検出部材と、
前記接触子が前記受け面より下方に位置する状態では前記被検出部を検出せず、前記接触子が前記受け面の位置へ移動させられた状態では前記被検出部を検出するセンサ部と
を含むことを特徴とする基板コンベヤ。
接触子は回路基板によって移動させられ、回路基板がちょうど受け面に当接させられて押上部材と受け部材とに挟まれた状態において接触子が受け面の位置へ移動させられ、回路基板の保持が検出される。回路基板に検出部材を回動させ、センサ部に被検出部を検出させるため、昇降装置が押上部材を上昇させる量に基づいて回路基板の保持を検出する場合に比較して回路基板の固定検出の信頼性が高くなる。
(91)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記回路基板の側縁部を下方から押し上げて前記コンベヤベルトの前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
基端部が前記案内レールに保持され、先端部が片持ち状に前記搬送部の上方へ延び出し、その先端部の下面である受け面によって前記前記回路基板の側縁部の上面を受け、その側縁部を前記押上部材と共同して挟む受け部材と
を含む基板コンベヤにおいて、
前記受け部材の前記基端部を、前記案内レールに、前記先端部の前記受け面が前記押上部材の上方に位置する作用位置と、その作用位置から前記案内面と直交する方向に退避した退避位置とに移動可能に保持させるとともに、前記受け面を、その受け部材の前記先端部側から前記基端部側に向かうに従って上昇する向きに傾斜させたことを特徴とする基板コンベヤ。
搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられた受け部材は、その移動を案内する案内部との間に隙間が存在するため、押付部材によって回路基板の側縁部が押し付けられるとき、先端部側が浮き上がらされて受け面の向きが変わり、案内面に対して直角でなくなって回路基板が受け面の向きに沿って上反りする。それに対し、受け面を予め傾斜させておけば、受け部材の先端部の浮上がりによる受け面の案内面に対する傾斜が軽減され、直角に近くなり、あるいは直角となって回路基板の反りが軽減され、回路基板に対する作業が精度良く行われる。
受け部材の受け面は、前記押上部材が回路基板の側縁部を受け面に押し付けた際に、受け部材が案内レールに保持された基端部側に対して先端部側が相対的に浮き上がる向きに回動した状態で、丁度案内面に直角となる(通常は、水平になる)角度だけ傾斜させられることが望ましいが、小角度であれば、丁度案内面に直角となる角度より小さい角度で傾斜させられてもよく、大きい角度で傾斜させられてもよい。前者の場合、傾斜させられない場合よりは回路基板の上反りが減少させられ、後者であれば、受け部材が回動した状態で受け面は、ちょうど水平な状態より前下がりに(先端部側ほど下方となる向きに)傾斜し、回路基板を下反り気味に押さえ、上反りが除去される。
受け面の傾斜角度は、0.4度以上であればよく、1度以上、1.5度以上とすることが望ましい。
(101)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記コンベヤベルトの回路基板の側縁部を支持する支持面に接触して設けられ、コンベ
ヤベルトの周回に伴って前記支持面を清掃する清掃ブラシが設けられたことを特徴とする基板コンベヤ。
コンベヤベルトの周回に伴って清掃ブラシはコンベヤベルトに対して相対移動し、コンベヤベルトの支持面に付着したごみや埃等を払い落とす。それにより、支持面の汚れによる支持面の摩擦係数の低下が抑制され、基板コンベヤの回路基板搬送機能が向上する。本項に係る発明は、コンベヤベルトを停止させることにより、摩擦力によって回路基板を停止させ、位置決めする形式の基板コンベヤにおいて特に有効である。
(111)水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤにおいて、
前記押上部材を昇降させるために昇降させられる昇降部材に、回路基板の帯電電荷を中和するイオンを含むガスを噴射するイオナイザが配設されたことを特徴とする基板コンベヤ。
回路基板の静電気が除去され、静電気の悪影響が排除される。例えば、回路基板に装着された電子回路部品の帯電による破壊が回避され、また、基板コンベヤが電子回路部品を回路基板に装着する電子回路部品装着機へ回路基板を搬送するものである場合に、電子回路部品の正常な装着が静電気により妨げられることが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】請求可能発明の実施例である基板支持装置をそれぞれ備えた複数の装着モジュールを含む電子回路部品装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記システムの一部を拡大するともに、一部を除去して示す斜視図である。
【図3】上記システムを構成する装着モジュールの部品装着装置のヘッド移動装置を分解して示す斜視図である。
【図4】上記装着モジュールの基板コンベヤの1対のサイドフレームの一方を示す正面図である。
【図5】上記基板コンベヤを基板支持装置昇降装置と共に示す側面図(一部断面)である。
【図6】上記基板コンベヤの1対のサイドフレームの一方を示す平面図である。
【図7】上記基板コンベヤの支持レールおよびコンベヤベルトを示す側面図(一部断面)である。
【図8】上記基板コンベヤの支持ローラおよびコンベヤベルトを示す側面図(一部断面)である。
【図9】上記基板コンベヤのサイドフレームの受け部材および案内レールのうち、垂下部および収容凹部が設けられた部分を示す斜視図であり、図9(a)は受け部材を示す図であり、図9(b)は案内レールを示す図であり、図9(c)は垂下部が収容凹部に収容された状態を示す図である。
【図10】上記受け部材を構成する可動の部分受け部材が案内レールに雄ねじ部材によって移動可能に取り付けられた状態を示す側面断面図である。
【図11】上記可動の部分受け部材を位置決めするボールプランジャおよび係合凹部を示す側面断面図である。
【図12】上記受け部材を構成する固定の部分受け部材を示す側面図(一部断面)である。
【図13】上記基板コンベヤにより搬送されるヒートシンク付回路基板を示す図であり、図13(a)は平面図、図13(b)は側面図である。
【図14】上記ヒートシンク付回路基板が押上部材および受け部材によって挟まれた状態を示す側面断面図である。
【図15】上記可動の部分受け部材が退避位置に位置させられた状態を示す側面断面図であり、図15(a)は回路基板がコンベヤベルトにより支持された状態を示す図であり、図15(b)は回路基板が押上部材により押し上げられた状態を示す図である。
【図16】上記複数の装着モジュールのうち、隣接する2つの各基板コンベヤの端に設けられた基板搬入検出器および基板搬出検出器の各発光部を示す正面図である。
【図17】上記基板搬出検出器を示す側面図である。
【図18】上記基板搬入検出器および基板搬出検出器の各ガイドに設けられた支持部を示す正面図である。
【図19】上記複数の装着モジュールのうち、最も上流の装着モジュールの外側にイオナイザが設けられた状態を示す正面図である。
【図20】上記1対のサイドフレームのうち、従属側のサイドフレームに設けられる別の受け部材を示す斜視図である。
【図21】上記1対のサイドフレームの各々に別の受け部材が取り付けられた状態を示す図であり、図21(a)は受け部材の可動の部分受け部材が作用位置へ移動させられた状態を示す側面断面図であり、図21(b)は退避位置へ移動させられた状態を示す側面断面図である。
【図22】上記サイドフレームの受け部材および案内レールの別の態様を示す側面断面図であり、受け部材が作用位置に位置する状態を示す図である。
【図23】図22に示す受け部材が退避位置に位置する状態を示す側面断面図である。
【図24】図22に示す受け部材および案内レールを概略的に示す正面図である。
【図25】押上部材と受け部材とによる回路基板の保持を検知する機能を備えたサイドフレームを示す平面図である。
【図26】図25に示すサイドフレームの切欠,検出部材の接触子を示す側面図(一部断面)である。
【図27】図25に示すサイドフレームにおける回路基板の保持の検知を説明する図であり、図27(a)は検出部材が非検出位置に位置する状態を示す図であり、図27(b)は検出位置に位置する状態を示す図である。
【図28】上記基板コンベヤを構成するサイドフレームであって、受け部材に案内突部が設けられたサイドフレームを示す正面図である。
【図29】図28に示すサイドフレームを示す側面図(一部断面)である。
【図30】図28に示すサイドフレームの受け部材の傾斜させられた案内面を示す側面断面図であり、図30(a)は受け部材が回路基板を受けていない状態を示す図であり、図30(b)は回路基板を受けた状態を示す図である。
【図31】上記装着モジュールにおいて回路基板を支持する基板支持装置であって、回路基板の割れ検知機能を備えた基板支持装置を示す正面図である。
【図32】図31に示す基板支持装置を示す平面図である。
【図33】図31に示す基板支持装置の割れ検出ユニットを示す正面断面図である。
【図34】図31に示す基板支持装置により支持される回路基板を受け部材に押し付ける押付部材を示す正面図である。
【図35】上記装着モジュールにおいて回路基板を支持する基板支持装置であって、裏面に電子回路部品が装着された回路基板を支持する基板支持装置を示す正面図(一部断面)である。
【図36】図35に示す基板支持装置を示す側面図である。
【図37】上記電子回路部品装着システムを構成する複数の装着モジュールのうち、隣接する2つの装着モジュールに跨って回路基板を支持する基板支持装置を示す正面図である。
【図38】図37に示す基板支持装置の昇降台に取り付けられる共通支持台を示す平面図である。
【図39】上記共通支持台に取り付けられたスプリングリテーナおよびスプリングを示す正面断面図である。
【図40】上記共通支持台により支持され、回路基板を搬送する基板キャリヤを示す平面図である。
【図41】図37に示す基板支持装置による回路基板の支持を説明する図であり、図41(a)は基板キャリヤがコンベヤベルトにより支持された状態を示す側面断面図であり、図41(b)は基板キャリヤおよび回路基板が共通支持台により支持された状態を示す側面断面図である。
【実施例】
【0010】
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0011】
図1に、一実施例としての電子回路部品装着システム(以下、特に必要がない限り、システムと略称する)の外観を示す。本システムは、複数の電子回路部品装着機である装着モジュール10が、共通で一体のベース12上に、互いに隣接して1列に配列されて固定されることにより構成されている。
【0012】
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、モジュール本体18と、それぞれモジュール本体18に設けられた基板搬送装置20,基板支持装置22,部品供給装置24,部品装着装置26,基準マーク撮像装置(図示省略),部品撮像装置28および制御装置30とを備えている。
【0013】
部品装着装置26は、図2および図3に示すように、作業ヘッドたる装着ヘッド34と、その装着ヘッド34を、部品供給装置24の部品供給部と基板搬送装置20とに跨る装着作業領域内の任意の位置へ移動させ得るヘッド移動装置36とを備えている。ヘッド移動装置36は、図3に示すように、Y軸移動装置40およびX軸移動装置42を備えている。X軸方向は、複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であり、Y軸方向は水平面内においてX軸方向と直交する方向である。
【0014】
X軸移動装置42は、Y軸移動装置40上に設けられているが、Y軸スライド44に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド46,48を備え、第2X軸スライド48上に設けられた装着ヘッド34
は、X軸方向においてモジュール本体18の幅より広い範囲で移動可能である。したがって、互いに隣接する装着モジュール10の装着作業領域は、X軸方向の端部において互いに重なり合っている。
【0015】
装着ヘッド34は、第2X軸スライド48上にZ軸に平行な回転軸線のまわりに回転可能に保持されている。Z軸は鉛直方向に平行な方向である。装着ヘッド34には、その回転軸線を中心とする一円周上に複数のノズルホルダが回転軸線に平行に保持され、それぞれ、部品保持具たる吸着ノズル50を着脱可能に保持し、上記回転軸線を中心とする一円周上に設定された部品吸着装着位置において、図示を省略する昇降装置により昇降させられ、吸着ノズル50に部品供給装置24からの電子回路部品の取出しおよび回路基板への電子回路部品の装着を行わせる。
【0016】
前記基板搬送装置20を説明する。
本基板搬送装置20は、図1に示すように、2レーンの基板コンベヤ100,102を備え、回路基板をX軸方向に平行な方向に搬送する。回路基板の搬送には基板コンベヤ100,102の少なくとも一方が使用されるが、複数の装着モジュール10の各々において使用される基板コンベヤは、複数の装着モジュール10を貫通して装着モジュール10に回路基板を搬入し、装着モジュール10から搬出する基板コンベヤないし基板コンベヤ列を構成する。基板コンベヤ100,102は同一の構成を備えているため、基板コンベヤ100を代表的に説明する。
【0017】
基板コンベヤ100は、図5に示すように、1対のサイドフレーム110,112を有する。これらサイドフレーム110,112は門形を成し、一方、ここでは装着モジュール10の正面側ないし前側であって、部品供給装置24に近い側のサイドフレーム110はモジュール本体18に位置を固定して設けられ、遠い側のサイドフレーム112は基板搬送方向と直交する方向である基板搬送幅方向と平行な方向に移動可能に設けられ、サイドフレーム110,112の間隔が、サイドフレーム110の位置を基準として、回路基板の幅に応じた長さに調節される。以下、場合に応じて、サイドフレーム110を基準サイドフレーム110あるいは固定サイドフレーム110と称し、サイドフレーム112を従属サイドフレーム112あるいは可動サイドフレーム112と称する。
【0018】
サイドフレーム110,112は、サイドフレーム110が固定、サイドフレーム112が可動とされていることを除いて同様に構成され、それぞれ、図4および図5に示すように、搬送方向に平行に設けられた側板116と、各側板116上に設けられた案内レール118と、各案内レール118上に設けられた受け部材120とを含む。サイドフレーム110,112の各側板116の互いに対向する内側面にはそれぞれ、駆動プーリ122および複数のガイドプーリ124がそれぞれ、互いに水平方向に隔たって、搬送方向と直交する方向に平行で水平な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、それらプーリ122,124に無端のコンベヤベルト126が巻き掛けられ、プーリ122,124により画定される閉曲線に沿って周回させられる。この閉曲線のうち、搬送方向に平行な方向において両端のガイドプーリ124の間の部分が、搬送方向に平行で水平な直線部を成し、コンベヤベルト126のこの直線部に対応する部分であって、外側面が上向きの部分が搬送部128を構成する。駆動プーリ122がベルト周回用モータ132によって回転させられることによりコンベヤベルト126が周回させられ、1対のコンベヤベルト126の各外側面により構成される支持面131により、図15に示すように、回路基板129の互いに平行な側縁部130がそれぞれ支持され、搬送される。駆動プーリ122,ガイドプーリ124およびベルト周回用モータ132がベルト周回装置134を構成している。
【0019】
サイドフレーム110,112の各側板116にはまた、図4に一方の側板116を示
すように、前記搬送部128の下方に複数の支持ローラ138および複数、本基板コンベヤ100では2つの支持レール140が配設されており、それぞれ図7および図8に示すように、搬送部128を下方から支持する。2つの支持レール140はそれぞれ搬送部128に沿って延び、搬送方向に平行な方向に距離を隔てて設けられている。支持ローラ138は、側板116の2つの支持レール140の間の部分と、2つの支持レール140の列の両端に隣接する部分とにそれぞれ、複数ずつ、プーリ122,124の回転軸線と平行であり、搬送部128に直角な回転軸線のまわりに回転可能に取り付けられている。
【0020】
1対のサイドフレーム110,112の各側板116にはそれぞれ、図4に一方の側板116を示すように、清掃ブラシ150が設けられている。清掃ブラシ150は、両端の2つのガイドプーリ124の一方の下側に、コンベヤベルト126の支持面131に接触して設けられ、コンベヤベルト126の周回に伴って支持面131に付着したごみ等を払い落とす。
【0021】
側板116にはさらに、図5に示すように、押上部材160が昇降可能に取り付けられている。押上部材160は、長手形状の薄い板状を成し、コンベヤベルト126の内側に、板面が鉛直にかつ搬送部128と平行に設けられ、基板コンベヤ100の搬入端側から搬出端側まで延びる押上部162を備え、側板116との間に配設されたスプリング(図示省略)により下方へ向かう向きに付勢され、このスプリングの付勢による下降限度が規定された状態では、押上部162の上端が搬送部128の上面よりやや下側に位置する。また、押上部材160には、ボルト164が下方へ突出する向きに螺合され、当接部を構成している。
【0022】
サイドフレーム110,112の各案内レール118は、図5に示すように、側板116上に、搬送部128の幅方向の一部を搬送方向にわたって覆う状態で着脱可能に固定され、その搬送部128上への突出部の搬送部128に直角で鉛直な端面は、図15に例示するように、回路基板129の側縁178を案内する案内面180を構成し、各案内レール118の案内面180は互いに対向している。
【0023】
サイドフレーム110,112の前記各受け部材120はそれぞれ、図5に示すように、案内レール118上に設けられ、搬送部128の上方に設けられている。これら受け部材120は同様に構成されており、基準サイドフレーム110の受け部材120を代表的に説明する。
受け部材120は、図6に示すように、3つの部分受け部材200,202,204に分割されている。これら部分受け部材200,202,204のうち真中の部分受け部材202は、電子回路部品の装着が予定されている全種類の回路基板の搬送方向に平行な方向の長さの最大長さより長く、案内レール118上に搬送部128に平行に設けられ、その自由端縁であるコンベヤベルト126側の端縁から下方へ垂下して垂下部210(図5参照)が形成されるとともに、案内レール118に搬送方向に直角な方向に移動可能に設けられ、可動受け部材とされている。
【0024】
部分受け部材202には、図5および図9(a)に示すように、垂下部210を直角に横
切る複数の切欠212が適宜の間隔を隔てて、本部分受け部材202では等間隔で設けられ、垂下部210が複数の部分垂下部214とされている。案内レール118の前記案内面180には、図9(b)に示すように、案内レール118の上面と案内面180とに開口
させられ、複数の部分垂下部214の各々を収容する複数の収容凹部216が形成されており、部分受け部材202は、図11に示すように、部分垂下部214が押上部材160に対向する作用位置と、図9(c)および図15に示すように、作用位置から退避し、収容
凹部216に収容された退避位置とに移動させられる。複数の部分垂下部214のそれぞれ押上部材160と対向する下向きの面の集合が受け面218を構成している。
【0025】
図6に示すように、部分受け部材202の基端部には、搬送方向に平行な方向に離れた複数箇所にそれぞれ、搬送方向に直角な方向に延びる長穴220が形成され、雄ねじ部材222が長穴220を貫通して、案内レール118の上面223に形成された雌ねじ穴224に螺合されている。雄ねじ部材222は、図10に示すように、雄ねじ部228,軸部230および頭部232を備えた段付ねじとされ、長穴220は段付状を成す。軸部230は、雄ねじ部228より径が大きく、長さは長穴230の小長穴部234の深さよりやや長い大径部とされている。そのため、雄ねじ部228が雌ねじ穴224に固く締め込まれた状態では、頭部232と上面223との間に小長穴部234の周辺部の厚さより僅かに大きい隙間が確保され、部分受け部材202は、頭部232と上面223とにより、作用位置と退避位置とへの移動を許容する状態で挟まれている。
【0026】
部分受け部材202は、図6および図11に示すように、案内レール118に設けられたボールプランジャ240と、部分受け部材202に設けられた2つの係合凹部242,244とによって作用位置と退避位置とに位置決めされる。ボールプランジャ240と係合凹部242,244とを含む位置保持部は、本基板コンベヤ100では複数、例えば、2つが搬送方向ないし受け部材200の長手方向に隔たった2箇所に設けられている。
【0027】
ボールプランジャ240は、図11に示すように、ケーシング246内に移動可能に設けられ、係合突部を構成するボール248と、ボール248をケーシング246から突出し、案内レール118の上面223から突出する向きに付勢する付勢装置の一種である弾性部材たるスプリング(図示省略)とを含む。係合凹部242,244は円錐状を成し、搬送方向と直角な方向に距離を隔てて設けられ、ボール248が係合凹部242,244に選択的に嵌入させられることにより、部分受け部材202が作用位置と退避位置とにそれぞれ位置決めされる。部分受け部材202の退避位置は、部分垂下部214が案内レール118の案内面180より僅かに、誤差の範囲で収容凹部216内に引っ込んだ状態となる位置に設定されている。
【0028】
部分受け部材202の両側の部分受け部材200,204はそれぞれ、図6に示すように、案内レール118に、固定装置の一種であるボルト260によって着脱可能に固定された固定受け部材とされている。部分受け部材200,204には垂下部は設けられず、図12に示すように、案内レール118から押上部材160上へ突出させられ、押上部材160と対向する下向きの面が受け面262を構成している。
【0029】
回路基板への電子回路部品の装着は、回路基板が、部品装着面を構成する上面が予め定められた基準高さに位置し、部品装着面を基準とする上面基準と、回路基板の押上部材160により押し上げられる下面が上記基準高さに位置し、その下面を基準とする下面基準との2種類の態様のいずれかで行われる。本装着モジュール10において基準高さは、案内レール118の上面223を含む平面の高さである。部分受け部材202の垂下部210が垂下させられていない部分の下面および部分受け部材200,204の各受け面262は基準高さに位置する。
【0030】
前記部分受け部材202の垂下部210は、図13(a),(b)に例示するヒートシンク付回路基板264のように、上面に段差があり、部品装着面266が、コンベヤベルト126の搬送部128により支持される被搬送部たる側縁部268の上面であって、受け部材120により受けられる被受け面270より高い回路基板について、上面基準で電子回路部品の装着を行うために設けられている。ヒートシンク付回路基板264は、ヒートシンク272と、ヒートシンク272上に設けられた基板274とを備え、ヒートシンク272の側縁部268が搬送部128により支持される。ヒートシンク272のように回路基板に付属させられているものも回路基板の一部と見なす。したがって、搬送部128によ
り直接支持されるのはヒートシンク272であるが、その支持は回路基板の支持である。搬送部128により支持されたヒートシンク付回路基板264は、部品装着面266が被受け面270より上方に位置するため、部品装着面266を基準高さに位置させるためには、被受け面270が基準高さより下方において受け部材120によって受けられることが必要であり、そのために垂下部210が設けられ、垂下部210の垂下長さ(部分受け部材202の下面からの突出長さ)は、部品装着面266と被受け面270との高さの差に等しい長さとされている。また、ヒートシンク付回路基板264は、図13(a)に示す
ように、搬送部128により支持される被支持部276の搬送方向に平行な方向の長さがヒートシンク付回路基板264全体の長さより短く、隣接する2つの装着モジュール10の各基板コンベヤ100の搬送部128間の距離より短く、側縁部268には搬送方向に隔たった2箇所に被支持部276が設けられている。
【0031】
基板コンベヤ100には、図16に隣接する2つの装着モジュール10の各基板コンベヤ100について示すように、基板コンベヤ100の搬入側の端面に基板搬入検出器280が取り付けられ、搬出側の端面に基板搬出検出器282が取り付けられている。これら検出器280,282はそれぞれ、非接触型センサの一種である光電センサたる透過型センサにより構成されており、図17に基板搬出検出器282を示すように、サイドフレーム110,112にそれぞれ、互いに対向して設けられた発光部284および受光部286を備え、回路基板によって受光部286の受光が妨げられることにより、回路基板が検出される。
【0032】
基板搬出検出器282は、図17に示すように、発光部284が、搬送部128により搬送される回路基板より上方に位置し、受光部286が回路基板より下方に位置するように設けられている。基板搬入検出器280においては逆にされ、発光部284は、基板搬送方向と直角な方向において基板搬出検出器282の発光部284と同じ側に設けられているが、受光部286の方が発光部284より上方の位置に設けられ、受光部286が回路基板より上方に位置し、発光部284が回路基板より下方に位置するように設けられている。そのため、発光部284および受光部286が同じ高さの位置に設けられる場合に比較して検出器280,282による基板検出範囲が広くなり、回路基板の検出精度が向上する。また、隣接する2つの装着モジュール10にそれぞれ設けられて互いに隣接する基板搬入検出器280と基板搬出検出器282との各光路の向きが上下方向において逆になり、受光部286が隣接する検出器の発光部が発する光を誤って受光することが回避される。なお、基板搬入検出器の発光部と基板搬出検出器の発光部とを、基板搬送方向と直角な方向において異なる側に設けるとともに、いずれも受光部より上方であって、回路基板より上方の位置に設けてもよく、いずれも受光部より下方であって、回路基板より下方の位置に設けてもよい。
【0033】
検出器280,282の各発光部284および受光部286はそれぞれ、ガイド300,302によって保護されている。図16に検出器280,282の各発光部284について示すように、ガイド300は、サイドフレーム110,112の端面に、発光部284の外側(サイドフレーム110,112とは反対側)に位置し、搬送方向と直交する姿勢で設けられるとともに、図17に示すように、搬送方向と直交する方向の両端部はそれぞれ、互いに離れるほどサイドフレーム110,112に向かう向きに傾斜させられて案内部304,306が設けられている。ガイド302についても同様である。そのため、装着モジュール10が搬送方向と直交する方向において他の部材と相対移動させられるとき、その部材は案内部304,306に案内されてガイド300,302の外側を移動し、検出器280,282と干渉することが回避される。
【0034】
ガイド300,302は、図16および図17に示すように、搬送方向と直交する水平方向および鉛直方向においてコンベヤベルト126と対向し、搬送部128に接する平面
である接平面308(図16参照)より0.5mm下方の位置まで延び出させられて支持部310が設けられ、ガイド300,302が、コンベヤベルト126により搬送される回路基板を下方から支持する付加支持部材としても機能するようにされている。付加支持部材の上端は、接平面以下の位置に位置させられて回路基板の搬送を妨げず、接平面に近い位置にあって回路基板を搬送部とほぼ同様に支持して落下を防止し、接平面の1mm以下の距離下方に位置させられればよい。支持部310の上端面には、図18に示すように、搬送方向における上流側の端部および下流側の端部にそれぞれ、丸味付け312が施され、回路基板の側端部を案内する案内部を構成している。面取りが施されて案内部が構成されてもよい。案内部は支持部の少なくとも搬送方向における上流側の端部に設けられればよい。なお、付加支持部材は、回路基板を下方から支持可能な作用状態と、前記回路基板を下方から支持不能な非作用状態とを取り得るものとしてもよい。付加支持部材を作用位置から下降させて非作用状態としても、取り外すことにより非作用状態としてもよい。付加支持部材の下降は、手動で行われてもよく、移動装置により自動で行われてもよい。
【0035】
前記基板支持装置22を説明する。
基板支持装置22は、図15に示すように、支持台320と、支持台320上に着脱可能に取り付けられる少なくとも1つの支持部材322とを含み、基板支持装置昇降装置324により昇降させられる。支持台320は大きさが異なる複数種類の回路基板の支持に使用可能な大きさを有する。回路基板を支持する支持部材の種類は様々であるが、支持部材322は、負圧によって回路基板を吸着し、保持する保持型の支持部材とされている。
【0036】
支持部材322は、台座326と、台座326に立設された支持ピン328と、支持ピン328の上端面により構成される基板支持面330を囲む状態で設けられたゴム製のバキュームカップ332とを備え、基板支持面330に供給される負圧によってバキュームカップ332が回路基板を吸着し、基板支持面330に支持させる。台座326は、ボルト334が、支持台320に形成された複数の雌ねじ穴(図示省略)のうちの1つに螺合されることにより支持台320に着脱可能に固定され、基板支持面330が回路基板の裏面の被支持箇所に対応する位置に位置する状態で固定される。
【0037】
本基板支持装置昇降装置324は、図15に示すように、昇降部材たる昇降台350と、昇降部材駆動装置たるエアシリンダ352とを備え、ピストンロッド354の伸縮により、昇降台350が案内装置356により案内されつつ昇降させられる。エアシリンダは、駆動源の一種であり、流体圧アクチュエータの一種たる流体圧シリンダである。昇降台350は板状を成し、その上に支持台320が着脱可能に固定され、基板支持装置22がセットされる。
【0038】
基板支持装置22の支持台320は、その搬送方向に隔たった両端部に支持部材322が取り付けられず、空いており、それぞれイオナイザ370が取り付けられている(図5参照。図5には一方のイオナイザ370のみが図示されている)。本イオナイザ370は、高周波AC放電を行い、ノズル372により、プラスイオンを含むエアとマイナスイオンを含むエアとを交互に高速で放出する。ノズル372は、その角度が調整可能であり、回路基板に向かって下方からイオンを含むエアを噴射する。また、図19に示すように、複数の装着モジュール10のうち、搬送方向において最も上流側の装着モジュール10のモジュール本体18の外面にもイオナイザ374が取り付けられている。イオナイザ374は、イオナイザ370と同様に構成され、基板コンベヤ100,102の上方に設けられ、回路基板の上方から回路基板に向かってイオンを含むエアを噴射する。搬送方向において最も下流側の装着モジュール10の外面にイオナイザを取り付けてもよい。
【0039】
前記制御装置30はコンピュータを主体として構成され、装着モジュール10を構成する各種装置を制御する。これら装置のうちの多くの駆動源を構成する電動モータはエンコ
ーダ付サーボモータにより構成され、可動部材の位置制御精度が高い。また、複数の装着モジュール10の各制御装置30のコンピュータは通信ケーブルによって互いに接続され、データのやり取り等を行うようにされている。
【0040】
以上のように構成されたシステムにより、例えば、前記ヒートシンク付回路基板264(以下、回路基板264と略称する)に電子回路部品が装着される場合を説明する。また、2つの基板コンベヤ100,102のうちの一方、例えば、基板コンベヤ100のみが使用されることとする。基板コンベヤ100においては、1対のサイドフレーム110,112の各受け部材120において部分受け部材202が作用位置に位置させられる。また、回路基板264は厚く、撓む恐れのないものであるため、下方からの支持は不要であり、支持台320に支持部材322は取り付けられない。
【0041】
回路基板264は、図5に示すように、その両側縁部においてそれぞれ2箇所ずつの被支持部276が1対のコンベヤベルト126の各搬送部128により支持され、コンベヤベルト126の周回により搬送される。回路基板264が最も上流側の装着モジュール10に搬入されるとき、イオナイザ374によって上方からイオンを含むエアが回路基板264に噴射され、回路基板264の静電気が除去される。
【0042】
回路基板264の搬送は、基板搬入検出器280により、回路基板264の搬送方向において上流側の端縁の通過が検出された後、所定距離、移動させられた状態で停止させられる。コンベヤベルト126は、支持ローラ138,支持レール140により支持されて周回し、搬送部128と支持レール140との間および回路基板264と搬送部128との間に適度な摩擦力が得られ、予め設定された停止位置に精度良く停止させられ、イオナイザ370によりイオンを含むエアが下方から噴射され、回路基板264の静電気が除去される。停止後、支持台320が基板支持装置昇降装置324により上昇させられ、押上部材160のボルト164に当接して押上部材160を上昇させる。支持台320は昇降台350に固定された状態では、昇降台350と共に昇降部材を構成し、基板支持装置昇降装置324が押上部材160を上昇させる。押上部材160は搬送部128に支持された回路基板264の被支持部276の下面を支持して搬送部128から浮き上がらせ、図14に示すように、被支持部276を部分受け部材202の部分垂下部214に押し付ける位置まで上昇させられる。押上部材160は、押付部材と考えることもできる。部分受け部材202は回路基板264の被支持部276を受け、押上部材160と共同して被支持部276を挟む。この状態では、回路基板264の部品装着面266が基準高さに位置し、その部品装着面266に電子回路部品を装着するようにノズルホルダの昇降が制御される。装着ヘッド34による回路基板への電子回路部品の装着は、特開2004−104075公報等により知られており、説明を省略する。
【0043】
回路基板264への電子回路部品の装着終了後、支持台320が下降させられ、押上部材160がスプリングの付勢により下降させられ、回路基板264の被支持部276が搬送部128上に載置され、回路基板264が搬出される。被支持部276の搬送方向に平行な方向の寸法は短いが、被支持部276は、隣接する装着モジュール10の各基板コンベヤ100の間に設けられた2つの支持部310により下方から支持されるため、回路基板264はその先端部(搬送方向において下流側の端部)が下がることなく、隣接する搬送部128間を乗り移ることができる。この際、被支持部276は丸味付け312によって支持部310上へ導かれ、より確実に回路基板先端部の下がりが防止される。なお、回路基板への電子回路部品装着作業の開始後、何らかの理由で回路基板を装着モジュール10から取り出すことが必要となった場合、作業者は、基準サイドフレーム110の部分受け部材202を退避位置へ退避させ、回路基板264のクランプを解除することにより、回路基板264を取り出すことができる。
【0044】
図15に示す回路基板129のように、上面に段差がない回路基板について電子回路部品の装着を行う場合には段取り替えが行われ、部分受け部材202が退避位置へ退避させられて部分垂下部214が収容凹部216に収容され、支持台320に支持部材322が取り付けられる。回路基板129が基板コンベヤ100により搬入され、所定の位置に停止させられたならば、支持台320が上昇させられ、押上部材160を上昇させ、回路基板129を搬送部128から押し上げさせる。押上部材160の上昇は、部分受け部材200,204の各受け面262に当接することにより規定され、回路基板264の押上げ時より高い位置へ上昇させられる。受け面262は前記基準高さに位置し、回路基板129は、その下面が基準高さに位置することとなる。また、支持部材322の基板支持面330が基準高さに位置する状態となり、回路基板129は基板支持面330への負圧の供給によってバキュームカップ332により吸着され、基板支持面330に押し付けられて下面が基準高さに位置する状態に保たれる。装着ヘッド34が回路基板129に電子回路部品を装着する際、部品装着面412が回路基板129の厚さ分、基準高さより上方に位置することを考慮してノズルホルダの昇降が制御され、吸着ノズル50による電子回路部品の装着が支障なく行われる。1つの受け部材120により2つの態様で回路基板に対する電子回路部品の装着を行うことができる。
【0045】
回路基板129への電子回路部品の装着終了後、支持台320が下降させられ、押上部材160が下降させられて回路基板129が下降させられる。回路基板129は、案内面180の複数の部分垂下部214の間に位置する部分により下降開始当初から案内され、部分垂下部214の受け面218と収容凹部216の底面との間の隙間に引っ掛かることなく、下降させられる。回路基板129が、部品装着面412が基準高さより下方に位置させられた後、搬送部128に載置される前に支持部材322への負圧の供給が遮断されて回路基板129が開放され、搬送部128により支持されて搬出されるようにされる。
【0046】
回路基板264の受けには、図20に示す受け部材430のように、切欠が形成されず、搬送方向に延びる長手形状の垂下部432を有するものを使用することもできる。受け部材430は、上面基準での電子回路部品の装着が行われる際に、1対のサイドフレーム110,112の一方、例えば、従属サイドフレーム112の案内レール118に、垂下部432が押上部材160と対向する状態で固定される。下面基準での電子回路部品の装着を行う場合には、受け部材430を垂下部を有さない受け部材に交換する。この受け部材は、例えば、3つに分割され、両端の部分受け部材は押上部材160と対向する状態で案内レール118に固定され、押上部材160の上昇限度を規定するものとされ、真中の部分受け部材は、その搬送方向に平行で鉛直な端面が案内面180と同一平面内に位置する状態で案内レール118に固定され、回路基板の昇降を許容するものとされる。基準サイドフレーム110側には受け部材120を設けることにより、上面基準での電子回路部品の装着中に、必要に応じて部分受け部材202を退避位置へ退避させて回路基板を取り出すことができる。
【0047】
図21に示す受け部材450を用いれば、コンベヤベルト126により支持された状態において部品装着面と被受け面との高さが同じであり、同一平面内に位置する回路基板について、その種類に応じて上面基準あるいは下面基準の2つの態様のいずれかで電子回路部品の装着を行うことができる。受け部材450は、前記受け部材120と同様に3つに分割され、3つの部分受け部材のうち、真中の部分受け部材452は、受け部材120の部分受け部材202と同様に、案内レール118上に搬送方向と直角な方向に移動可能に取り付けられ、上面基準で電子回路部品の装着が行われる回路基板460については、図21(a)に示すように、押上部材160と共同して回路基板460の側縁部を挟む作用位
置に位置させられ、下面基準で電子回路部品の装着が行われる回路基板462については、図21(b)に示すように、押上部材160と共同して回路基板の側縁部を挟まない状態
となる退避位置に退避させられる。両端の部分受け部材は、図示は省略するが、作用位置
において固定される。
【0048】
図22〜図24に示す案内レール470および受け部材472を用いることもできる。案内レール470は、その搬送方向に平行な方向の両端部474,476の上面が基準高さに位置し、中央部478の上面が基準高さより高い位置に位置するように設けられるとともに、中央部478には、案内面480および上面に開口し、基準高さより下方に至る深さの収容凹部482が複数、搬送方向に距離を隔てて設けられている。受け部材472は3つに分割され、3つの部分受け部材486,488,490のうち、両側の部分受け部材486,490は、受け部材472の両端部474,476上に押上部材160と対向する状態で固定され、中央の部分受け部材488は中央部478上に搬送方向に直角な方向に移動可能に設けられ、その自由端縁から下方へ垂下する垂下部492が設けられるとともに、複数の切欠494が形成され、複数の部分垂下部496が形成されている。
【0049】
受け部材472は、ヒートシンク付回路基板264を受ける場合、図22に示すように作用位置に位置させられ、回路基板129を受ける場合、図23に示すように退避位置に位置させられ、部分垂下部496が収容凹部482に収容される。案内レール470の中央部478は基準高さより高くされ、基準高さより上側に案内面480があるため、図24に概略的に示すように、回路基板129は常に案内面480によって案内され、搬送方向に直角な方向のずれがより確実に防止される。図21に示すように、上面基準での電子回路部品の装着時に回路基板を基準高さにおいて受ける受け部材についても同様に、案内レールの一部を基準高さより上方に案内面が存在するとともに、収容凹部を有するものとし、受け部材の一部を部分垂下部を有して作用位置と退避位置とに移動可能なものとしてもよい。
【0050】
図25ないし図27に示すように、回路基板の側縁部が固定されたことを検出する機能を備えた案内・受け部材500により回路基板の移動を案内させるとともに、側縁部を保持させることもできる。案内・受け部材500は、図25および図27に示すように、鉛直な案内面502が設けられた案内レール部504と、案内レール部504から押上部材160上へ突出させられた受け部506とを備え、従属サイドフレーム112の側板116に着脱可能に固定される。
【0051】
案内・受け部材500には、図25および図26に示すように、検出部材510が軸512により、搬送方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。検出部材510は、案内・受け部材500に設けられた凹部514内に収容され、少なくとも1つ、本検出部材510では複数の接触子516が搬送方向に距離を隔てて設けられるとともに、受け部506の搬送方向における少なくとも一部分、本検出部材510では、搬送方向に距離を隔てた複数部分を、搬送方向と直角な方向に貫通して形成された切欠518内にそれぞれ配設されている。切欠518の底面520は、図26に示すように、受け部506の受け面522より下方に位置させられている。
【0052】
検出部材510からは、図27に示すように、レバー530が接触子516とは逆向きに、サイドフレーム112の外側へ延び出す向きに設けられるとともに、その下端部にドグ532が設けられており、複数の接触子516と一体的に回動可能とされている。ドグ532が被検出部を構成し、検出部材510の回動軸線から接触子516の先端部の下端までの距離より、回動軸線からドグ532までの距離の方が大きくされており、接触子516の回動が拡大されてドグ532に得られる。検出部材510は、レバー530と側板116との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としてのスプリング534により、接触子516の先端部が下方へ、押上部材160側へ向かう向きに付勢されている。このスプリング534の付勢による検出部材510の回動は、図27(a)に示すように、
接触子516が切欠518の底面520に当接することにより規定され、その状態では、
接触子516の先端部の下端が受け面522より下方に位置し、ドグ532が、側板116に取り付けられたセンサ536から外れた状態となる。センサ536は、例えば、非接触型センサの一種である反射型の光電センサとされてセンサ部を構成し、図26および図27(b)に示すように、接触子516の下端が受け面522と同一面内に位置する状態で
は、ドグ532がセンサ536により検出される。なお、図示は省略するが、基準サイドフレーム110には、例えば、前記受け部材450が設けられる。
【0053】
案内・受け部材500および押上部材160が回路基板540を保持しない状態では、検出部材510は、図27(a)に示すように、接触子516の下端が受け面522より下
方に位置し、ドグ632がセンサ536から外れた非検出位置に位置し、回路基板540の側縁部が押上部材160により押し上げられるにつれて、検出部材510は側縁部によりスプリング534の付勢力に抗して回動させられ、図27(b)に示すように、接触子5
16の下端が受け面522の位置へ回動させられる。その状態では、検出部材510が検出位置に至り、ドグ532がセンサ536により検出され、回路基板540の側縁部が押上部材160と受け部506とによって挟まれたことが検出され、それに基づいて基板支持装置昇降装置の昇降台の上昇が止められる。検出部材510,センサ536およびスプリング534が基板固定検出装置542を構成している。接触子516および受け面522が搬送方向に距離を隔てた複数箇所にあるため、搬送方向に平行な方向の寸法が異なる複数種類の回路基板のいずれも受け面522により受けられるとともに、接触子516に接触して検出部材510を回動させることができ、受け部506と押上部材160とによる固定が検出される。
【0054】
図28ないし図30に示すように、1対の案内レール118にそれぞれ、回路基板の反りを矯正する機能を有する受け部材570を取り付け、回路基板を受けさせることもできる。受け部材570は垂下部を有さず、例えば、前記受け部材450と同様に3つの部分受け部材572,574,576に分割され、両側の部分受け部材572,576は案内レール118に固定され、真中の部分受け部材574は案内レール118により、作用位置と退避位置とに移動可能に保持されている。図28に示すように、搬送方向において上流側の部分受け部材572には、コンベヤベルト126の搬送部128の上流側の端部に対向する部分に案内突部580が設けられ、下流側の部分受け部材580には、搬送部128の下流側の端部に対向する部分に案内突部582が設けられ、これら案内突部580,582は案内部を構成している。案内突部580,582にはそれぞれ、搬送方向の上流側から下流側に向かうに従って搬送部128に直線状に漸近する向きに傾斜した案内面584と、下流側から上流側に向かうに従って搬送部128に直線状に漸近する向きに傾斜した案内面586とが形成されている。また、案内突部580,582の突出端部は、図29に示すように、部分球状の丸味部588とされている。前述のように、基板コンベヤ100の搬送方向の両側にそれぞれ設けられた前記基板搬入検出器280,基板搬出検出器282は、搬送方向において案内突部580,582に隣接する位置に位置する。
【0055】
真中の部分受け部材574の作用位置に位置する状態において案内レール118から片持ち状に搬送部128の上方へ延び出し、回路基板の側縁部を受ける先端部ないし延出し部590の下面により構成される受け面592は、図30(a)に示すように、部分受け部
材574の先端部ないし自由端部側から、案内レール118に保持された基端部側に向かうに従って、上昇する向きに傾斜させられている。この傾斜角度は、本部分受け部材574では2度とされている。
【0056】
回路基板に反りがあり、側縁部が搬送部128から浮き上がっている場合、搬送時に案内突部580,582を通る際に案内面584に案内されて案内突部580,582と搬送部128との間へ導かれ、図29に示すように、搬送部128に近接させられる。搬送部128に接触させられることもあり、回路基板の側縁部は案内突部580,582の搬
送方向における前後において搬送部128とほぼ平行な姿勢となる。その上、検出器280,282は、検出領域が上下方向において広くされており、基板搬入検出器280による回路基板の搬送方向における上流側端の検出に基づいて回路基板の停止位置が精度良く制御され、基板搬出検出器282による回路基板の下流側端の検出に基づいて回路基板の搬出が確実に検出される。案内突部580,582の搬送方向における検出器280,282に対する位置は、回路基板の側縁部ができるだけ水平な状態で検出領域を通る位置に設定される。案内突部580,582はそれぞれ、回路基板の搬送方向における両側にそれぞれ案内面584,586を有するため、回路基板が正逆いずれの方向に移動させられても、その側縁部を搬送部128との間へ導くことができる。あるいは1対のサイドフレーム110,112において案内レール118を共通とすることができる。案内突部580,582には案内面584のみを設けてもよい。
【0057】
図30(b)に示すように、回路基板594が押上部材160により押し上げられ、作用
位置に位置する部分受け部材574の受け面592との間に挟まれるとき、部分受け部材574は移動可能に設けられていて案内レール118との間に隙間があるため、押上部材160に押されて延出し部590が僅かに回動させられ、基端部に対して浮き上がらされて水平ではなくなる。しかし、受け面592は傾斜面とされているため、延出し部590が浮き上がらされた状態において受け面592が水平となり、回路基板594の側縁部を水平に押さえ、回路基板594が水平な姿勢で保持される。
【0058】
電子回路部品が装着される回路基板が、例えば、セラミックス製の回路基板のように脆性基板である場合、図31〜図33に示す基板支持装置600を用いることにより、回路基板の割れを検出することができる。基板支持装置600は、図31に示すように、支持台602と、支持台602上に昇降可能に設けられた支持部材604と、支持部材604を支持台602上において昇降させる昇降装置606とを含み、支持台602は前記基板支持装置昇降装置324の昇降台350に取り付けられる。
【0059】
支持部材604は、発泡材の一種であるスポンジから成る軟支持部材であり、支持する回路基板とほぼ同じ大きさを有し、下端面側を裏板610によって保持され、上端面が支持面612を構成している。本昇降装置606はエアシリンダ614により構成され、ピストンロッド616の伸縮により、支持部材604がガイドロッド618を含む案内装置620に案内されつつ昇降させられる。エアシリンダ614に供給されるエア圧力は、圧力制御装置たるレギュレータ(図示省略)により制御され、支持部材604による回路基板の支持力が変えられる。支持部材604には、図32および図33に示すように、回路基板の割れを検出する割れ検出ユニット630が複数、例えば、3つ以上、本基板支持装置600では3つ、設けられている。割れ検出ユニット630のユニット本体632は、図33に示すように、裏板610の下面に着脱可能に固定され、上面に開口して形成された有底穴634にホルダ636が昇降可能に嵌合されるとともに、ホルダ636内に検出子としてのピン638が嵌合され、ねじ640により着脱可能に固定されており、ピン638の摩耗時に摩耗のないピン638と交換することができる。
【0060】
ピン638は、図33に示すように、支持部材604および裏板610を厚さ方向に貫通して形成された貫通穴642内に上下方向に相対移動可能に嵌入させられている。ホルダ636は、有底穴634の底面との間に配設された検出子付勢装置たるスプリング644により、ピン638が支持面612を含む支持平面より上方へ突出する方向に付勢されており、スプリング644の付勢によるホルダ636の上昇が、肩面646が裏板610に当接することにより規定された状態では、ピン638が、その先端部ないし上端部が上記支持平面から上方へ突出した突出位置に位置させられる。また、ピン638は、二点鎖線で示すように、ホルダ636を介してスプリング644の付勢力に抗して下降し、その先端ないし上端が貫通穴642内に引っ込み、支持面612を含む支持平面以下の位置に
位置する引込位置へ移動可能である。ピン638は、スプリング644により引込位置から突出位置へ向かう方向に付勢されている。
【0061】
ユニット本体634にはまた、図33に示すように、突出検知器たるセンサ650がピン638の軸線と直角な向きに取り付けられている。本基板支持装置600においてセンサ650は、非接触型センサの一種である近接センサにより構成されている。ホルダ636には、その外周面に開口する円環状の溝652が設けられて被検出部を構成し、ピン638が突出位置に位置する状態では、図33に実線で示すように、溝652がセンサ650と正対し、ピン638が引込位置に位置する状態では、二点鎖線で示すように、溝652がセンサ650から外れてホルダ636の溝652が形成されていない部分がセンサ650と正対し、各状態においてセンサ650は異なる信号を制御装置30のコンピュータへ出力する。3つの割れ検出ユニット630は、図32に示すように、いずれも水平方向である搬送方向に平行な方向および直角な方向(基板支持装置600により支持される回路基板の電子回路部品が装着される作業面たる部品装着面内において側縁部に直角な方向)における各位置を異にする3つの位置にそれぞれ設けられている。
【0062】
また、図34に示すように、押付部材660は搬送方向に平行な方向において3つに分割され、分割押付部材662,664,666のうち、両側の分割押付部材662,666は連結部材668によって連結され、真中の分割押付部材664は連結部材668に昇降可能に取り付けられている。分割押付部材664は、連結部材668との間に配設された押付部材付勢装置たるスプリング670により、連結部材668に対して上方へ付勢されている。分割押付部材664は、連結部材668に上下方向に設けられて係合凹部を構成する長穴672と、分割押付部材664に水平に設けられて係合突部を構成するねじ部材674との嵌合により、連結部材668に上下方向に相対移動可能に保持されるとともに、ねじ部材674の長穴672の上端面との係合により、スプリング670の付勢による分割押付部材664の移動が規定され、移動が規定された状態では分割押付部材662,664,666の上端が同じ高さに位置する。また、連結部材668には、分割押付部材662,666にそれぞれ対応する箇所にボルト676が下向きに螺合され、当接部を構成している。さらに、受け部材680は、前記受け部材450と同様に構成され、両側の部分受け部材682,684は分割押付部材662,666と対向する状態で案内レール118に固定され、真中の部分受け部材686は案内レール118に搬送方向と直交する方向に移動可能に設けられ、作用位置と退避位置とに移動させられる。
【0063】
支持台602等は、セラミックス製の脆性基板688(図33参照)の搬入後、基板支持装置昇降装置324により退避位置から上昇させられる。上昇時に支持台602がボルト676に当接し、連結部材668を上昇させて押付部材662,664,666を上昇させ、脆性基板688をコンベヤベルト126から持ち上げさせる。押付部材662,664,666は押上部材でもある。支持台602は、部分受け部材686の受け面690が脆性基板688の上面に当接し、脆性基板688の側縁部を受け、部分押付部材664と共に脆性基板688を挟んだ状態から更に上昇させられ、連結部材668がスプリング670を圧縮しつつ部分押付部材664に対して上昇する。連結部材668は、部分押付部材662,666が部分受け部材682,684に当接するまで上昇させられる。その状態では、ピン638が脆性基板688の裏面より下方に位置し、押付部材660の上昇後、支持部材604が昇降装置606により上昇させられる。この際、まず、図33に実線で示すように、ピン638が脆性基板688に接触して上昇を止められ、その後、更に支持部材604がスプリング644を圧縮しつつピン638に対して上昇し、ピン638は脆性基板688により押されて二点鎖線で示すように引込位置に位置する状態となり、支持面612が退避位置より上方の支持位置に位置して脆性基板688の下面に面接触し、脆性基板688を支持する。
【0064】
昇降装置606は、ピン638が引込位置に位置する状態となり、ホルダ636の溝634から外れた状態となり、センサ650の検出信号が突出位置検出信号から引込位置検出信号に変わることに基づいて作動を停止させられ、支持部材604が所定の圧力で脆性基板688を支持するが、脆性基板688が押付部材660により部分受け部材684に押し付けられる際の衝撃により割れることがあれば、ピン638は脆性基板688により押されず、突出位置に位置したままであり、信号が変わらない。そのため、例えば、支持部材604の上昇開始からの時間が計測され、設定時間が経過し、支持部材604が脆性基板688を支持する状態となる時間が経過しても、突出位置検出信号が出力されているのであれば、脆性基板688が割れたと判定される。脆性基板688が割れることなく支持部材604により支持され、ピン638が引込位置に位置する状態となった場合でも、電子回路部品の装着中等に脆性基板が割れれば、ピン638が脆性基板688により押されなくなってスプリング644の付勢により突出位置へ移動し、ホルダ636の溝634がセンサ650と正対する状態となり、センサ650の出力信号が引込位置検出信号から突出位置検出信号に変わることから脆性基板688が割れたと判定される。脆性基板688の割れの判定に基づいて、例えば装着ヘッド34による電子回路部品の装着動作が止められ、吸着ノズル50が割れた回路基板に引っ掛かって損傷することが回避される。
基板支持装置昇降装置324および昇降装置606が昇降装置を構成し、連結部材668が昇降部材を構成し、コンピュータのセンサ650の出力信号に基づいて脆性基板688の割れを判定する部分が割れ判定部を構成し、装着ヘッド34の作動を止める部分が作動停止部を構成し、部分受け部材682,684が上昇限度規定部を構成している。
本基板支持装置600においては、支持部材604が2つの昇降装置324,606により、2段階に昇降させられるようにされているが、昇降装置606は省略してもよい。
【0065】
なお、検出子を構成するピンは、工具を使用することなく、ホルダに取付け,取外しされる構造のものとしてもよい。例えば、ピンのホルダに嵌合される部分の端部であって、下端部を、直径がホルダのピン嵌合穴の内径より僅かに大きい大径部とし、その大径部に対してピンの先端部である上端部側に隣接する部分を直径がピン嵌合穴の内径より僅かに小さい小径部とするとともに、小径部の一部および大径部を直径方向に貫通するスリットを形成して二股状とし、ピンの下部に1対の係合部たる係合脚部を設ける。また、これら係合脚部の自由端部(下端部)の外面にそれぞれ、先端(下端)側ほど直径が減少するテーパ面の一部を成す案内面を設ける。ピンをホルダのピン嵌合穴に嵌合する際には、1対の係合脚部が案内面により案内され、互いに接近する向きに弾性変形させられつつホルダに嵌合され、ピン嵌合穴の底面に当接するまで嵌合された状態では、1対の係合脚部が弾性復元力によりピン嵌合穴の内周面に係合し、ピンがホルダに嵌合された状態に保たれる。ピンをホルダから取り外す場合には、ピンに力を加え、1対の係合脚部とピン嵌合穴の内周面との間の摩擦力に打ち勝ちつつピンを上方へ移動させ、ホルダから抜け出させる。
【0066】
図35および図36に示す基板支持装置700を使用することにより、裏面ないし下面に既に電子回路部品が装着されている回路基板を電子回路部品ごと下方から支持することができる。
基板支持装置700は、支持台702と、支持台702に取り付けられた支持ピンユニット704とを含み、支持台702は前記基板コンベヤ100の基板支持装置昇降装置324の昇降台350(図示省略)上に着脱可能に固定される。支持ピンユニット704の支持台702に着脱可能に固定されたユニット本体706には、支持ピン群708が昇降可能に設けられている。支持ピン群708は、基台710上に突設されたスポンジ製の軟質支持部材たる複数の支持ピン712を含む。基台710には、その中央の下面にピストン716が突設されるとともに、ユニット本体706に形成されたシリンダボア718に気密にかつ軸方向に摺動可能に嵌合されてエアシリンダ720を構成し、エア源722からエア室724へのエアの供給は制御弁たる電磁方向切換弁726により制御される。
【0067】
支持ピン群708の昇降は、基台710に突設され、ユニット本体706に昇降可能に嵌合された複数の案内部材たるガイドロッド730を含む案内装置732により案内され、支持ピン群708は、ガイドロッド730とユニット本体706との間に配設されたスプリング734により下方へ付勢されている。また、支持ピン群708のユニット本体706に対する上昇端は、基台710に設けられた当接部740がユニット本体706に設けられたストッパ742に当接することにより規定される。さらに、前記支持台702にはドグ750が設けられ、支持台702の上昇の途中で接触式センサの一種であるリミットスイッチ752を切り換えるようにされている。支持ピンユニット704は、回路基板の大きさに応じた数、支持台702に取り付けられる。また、本基板支持装置700を含む基板コンベヤ100は、例えば、押上部材160および受け部材450を含む。
【0068】
回路基板の搬入,停止後、基板支持装置700が基板支持装置昇降装置324により上昇させられる。この上昇に伴って支持台702が押上部材160を上昇させ、押上部材160は回路基板を搬送部128から押し上げ、作用位置に位置する部分受け部材452との間に挟む。支持台702の上昇の途中でドグ750がリミットスイッチ752を切り換え、出力信号がOFF信号からON信号に変わり、それに基づいて電磁方向切換弁726が切り換えられ、エアシリンダ720にエアが供給されて支持ピン群708が上昇させられ、支持ピン712が回路基板を支持する。ドグ750,リミットスイッチ752は、押上部材160が部分受け部材452との間に回路基板を挟んだ後に、支持ピン712が、回路基板の裏面に装着されている電子回路部品のうち、最も高さが高い電子回路部品の下面に接触するタイミングでエアシリンダ720にエアが供給され、支持ピン群708が上昇させられるように設けられている。そのため、支持ピン712は、回路基板を動かすことなく支持することができる。支持ピン712は軟質支持部材であり、回路基板が押上部材160と部分受け部材452との間に挟まれていない状態で電子回路部品に接触すれば、軸線と直角な方向に弾性変形し、電子回路部品を避けつつ上昇させられることにより生じる反力によって電子回路部品を押し、回路基板をずらしてしまうのに対し、回路基板が押上部材160と部分受け部材452とによって保持された状態であれば、電子回路部品があり、支持ピン712が弾性変形により非対称な状態で電子回路部品に接触し、弾性変形の反力が電子回路部品に作用しても回路基板が動かされることはなく、支持ピン712が弾性変形により電子回路部品の存在を許容しつつ、回路基板の下面に接触し、下方から支持することができるのである。支持ピン群708は、当接部740がストッパ742に当接する上昇端位置まで上昇させられる。
支持台702が昇降部材を構成し、基板支持装置昇降装置324が第1昇降部を構成し、エアシリンダ720が第2昇降部を構成している。また、リミットスイッチ752が検知器を構成し、制御装置30の基板支持装置昇降装置324およびエアシリンダ720を制御し、リミットスイッチ752による支持台702の設定高さへの上昇の検知に基づいて電磁方向切換弁726を切り換え、エアシリンダ720へのエアの供給を許容させる部分および電磁方向切換弁726と共に昇降制御部を構成している。
【0069】
図37に示す基板支持装置800を使用することにより、複数の装着モジュール10、例えば、隣接する2台の装着モジュール10に跨って回路基板を配設し、電子回路部品を装着することができる。基板支持装置800は、共通支持台802および共通支持台取付装置804を含む。共通支持台802は、その一端部が、2つの装着モジュール10のうちの一方、例えば、矢印で示す搬送方向において下流側の装着モジュール10の基板支持装置昇降装置324の昇降台350にスペーサ806を介して、固定装置の一種である複数のボルト808により着脱可能に固定される。
【0070】
共通支持台802は、図37に示すように、下流側の昇降台350から上流側の装着モジュール10の基板支持装置昇降装置324の昇降台350上へ延び出させられ、その自由端側の部分であって、上流側の昇降台350に対向する部分にスプリングリテーナ81
0が昇降可能に設けられるとともに、共通支持台802との間に配設された弾性部材たるスプリング812により、上流側の昇降台350に向かって付勢されている。スプリングリテーナ810は、図39に示すように、頭部814を有する頭付きのボルト816および2つのナット818,820を含む。ボルト816は、共通支持台802に形成された上下方向の貫通穴824に、頭部814が昇降台350と対向する状態で摺動可能に嵌合され、貫通穴824から突出した雄ねじ部826にナット818,820が螺合されている。スプリング812は、頭部814と共通支持台802との間に配設され、2つのナット818,820の雄ねじ部826への螺合位置の調節により、頭部814の位置が調節可能である。共通支持台802にはまた、図38に示すように、2つの昇降台350にそれぞれ対応する2箇所ずつにボルト828が螺合され、位置決め部を構成している。
【0071】
共通支持台802には、図37および図38に示すように、複数の基板支持部たる基板吸着突部840が突設されている。これら基板吸着突部840には、その表面である上端面により構成される支持面たる吸着面842に開口して複数の環状の溝が同心状に形成されて負圧室844が設けられ、各負圧室844には負圧通路846,848(図37,図38参照)により、図示を省略する負圧源から負圧が供給される。また、共通支持台802の搬送方向に隔たった両端部にそれぞれ、案内部854が設けられている。これら案内部854はそれぞれ板状を成し、共通支持台802から直角に立ち上がった後、上方ほど互いに離間する向きに傾斜させられている。
【0072】
回路基板868は、図40に示す基板キャリヤ870に載せられて搬送される。基板キャリヤ870は、隣接する2つの装着モジュール10の各基板支持装置昇降装置324に跨る長さを有する板状を成し、前記複数の基板吸着突部840がそれぞれ嵌合可能な複数の開口872が形成されるとともに、位置決め部材の一種である位置決め突部たるピン874が複数、立設されて位置決め装置を構成し、回路基板868の側面に当接し、基板キャリヤ870に対する昇降を許容しつつ、搬送方向に平行な方向と、基板キャリヤ870に載せられた回路基板の部品装着面に平行な平面である水平面内において搬送方向と直角な方向とに位置決めする。図40には、搬送方向に長い回路基板868が2枚、搬送方向に直角な方向に並べて載せられた例が図示されている。
【0073】
基板キャリヤ870は、その長手方向の両側縁部がそれぞれ、回路基板が基板コンベヤ100によって直接搬送される場合と同様に、基板コンベヤ100の1対のコンベヤベルト126の各搬送部128上に載せられ、コンベヤベルト126の周回により移動させられ、載せられた回路基板868を搬送する。基板キャリヤ870の移動は、1対のサイドフレーム110,112の各案内レール118により案内される。基板キャリヤ870は、図37および図41(a)に示すように、共通支持台802上に停止させられ、2つの装
着モジュール10の各基板支持装置昇降装置324の昇降台350が上昇させられ、共通支持台802を上昇させる。共通支持台802は、下流側の装着モジュール10の昇降台350と一体的に上昇させられるが、上流側の装着モジュール12の昇降台350は、スプリングリテーナ810を介して共通支持台802を上昇させる。スプリング812は予圧縮されて配設されており、その予圧縮およびボルト816の頭部814の位置の調節は、2つの昇降台350が同じ高さに位置する状態で頭部814が昇降台350に当接し、ナット818,820が共通支持台802から僅かに離れた状態で、共通支持台802がちょうど水平な姿勢となるように行われる。そのため、2つの昇降台350の上昇にずれがあれば、共通支持台802の自由端側を支持する昇降台350がスプリング812を圧縮し、あるいはボルト816から離間して、その昇降台350を昇降させるエアシリンダ352に作用する負荷が変化し、2つの昇降台350がほぼ同じ速度で上昇させられ、共通支持台802を上昇させる。
【0074】
共通支持台802の上昇の途中で、図41(b)に示すように、基板吸着突部840が基
板キャリヤ870の開口872に嵌合され、回路基板868をピン874に対して上昇させ、基板キャリヤ870から浮き上がらせる。共通支持台802と基板キャリヤ870との間に搬送方向のずれがあっても、案内部854に案内されて基板キャリヤ870が移動し、ずれが修正されて基板吸着突部840が開口872に嵌合される。そして、共通支持台802の基板吸着突部840の周囲の部分が基板キャリヤ870に当接し、搬送部128から持ち上げる。基板吸着突部840の高さおよびピン874の高さは、回路基板をピン874から外れることなく、支持する大きさに設定されている。2つの昇降台350の上昇端位置は、前記ボルト828が基板コンベヤ100の側板116に当接することにより規定され、回路基板868の部品装着面が前記基準高さに位置させられる。共通支持台802の上昇端を決めることにより2つの昇降台350の上昇端位置が決められるのであり、スプリング812の予圧縮量の設定およびボルト816の頭部814の位置の調節により、2つの昇降台350の上昇端位置が等しく、共通支持台802の姿勢が水平となる状態が得られる。
【0075】
昇降台350の上昇後、負圧室844に負圧が供給され、回路基板868が吸着面842に吸着される。そして、2つの装着モジュール10の各装着ヘッド34が移動させられて電子回路部品を回路基板868に装着する。これら装着ヘッド34の装着エリアは重複しており、回路基板868の2つの装着モジュール10の間の部分にも電子回路部品が装着される。電子回路部品の装着終了後、負圧室844への負圧の供給が遮断されて回路基板868が開放されるとともに、2つの昇降台350が同時に下降させられ、共通支持台802が下降させられるが、この下降時にも自由端側の昇降台350の頭部814からの離間あるいはスプリング812の圧縮により、2つの昇降台350がほぼ同じ速度で下降させられる。そして、基板キャリヤ870が搬送部128上に載置されるとともに、基板吸着突部840が開口872から抜け出させられ、回路基板868が基板キャリヤ870により支持される。ボルト808,スプリングリテーナ810およびスプリング812が共通支持台取付装置804を構成し、昇降台350が昇降部材を構成し、エアシリンダ352が昇降装置を構成している。
【0076】
なお、基板キャリヤには、基板キャリヤに形成された複数の開口の各々について回路基板が位置決めされ、搬送されてもよい。この場合、複数の開口の各々についてピンが立設され、回路基板を搬送方向に平行な方向および直角な方向に位置決めするようにされ、複数の回路基板が1つずつ、基板吸着突部により吸着される。開口の搬送方向における数より少ない数であって、複数の開口について1枚の回路基板が位置決めされ、搬送されてもよい。隣接する電子回路部品装着機の間の部分にも回路基板を位置させて電子回路部品を装着することができる。
また、ピン等、位置決め部材は、回路基板を搬送方向と直角な方向にのみ位置決めするように設けられてもよい。
【0077】
さらに、請求可能発明に係る基板コンベヤは、電子回路部品装着機の他、スクリーン印刷機,高粘性流体塗布機等、種々の対基板作業機に設けることができる。また、請求可能発明に係る基板コンベヤ列は、複数の対基板作業機が直列に配設されて構成される対基板作業システムに設けることができる。
【符号の説明】
【0078】
10:装着モジュール 20:基板搬送装置 22:基板支持装置 100,102:基板コンベヤ 118:案内レール 120:受け部材 126:コンベヤベルト 128:搬送部 138:支持ローラ 140:支持レール 150:清掃ブラシ 160:押上部材 180:案内面 210:垂下部 212:切欠 214:部分垂下部 216:収容凹部 280:基板搬入検出器 282:基板搬出検出器 310:支持部 320:支持台 322:支持部材 324:基板支持装置昇降装置 350:昇降台 370,374:イオナイザ 430:受け部材 432:垂下部 450:受け部材 470:案内レール 472:受け部材 492:垂下部 494:切欠 496:部分垂下部 500:案内・受け部材 510:検出部材 516:接触子 536:センサ 542:基板固定検出装置 570:受け部材 580,582:案内突部 588:丸味部 600:基板支持装置 602:支持台 604:支持部材 606:昇降装置 630:割れ検出ユニット 638:ピン 650:センサ 660:押付部材 680:受け部材 688:脆性基板 700:基板支持装置 702:支持台 704:支持ピンユニット 712:支持ピン 800:基板支持装置 802:共通支持台 804:共通支持台取付装置 810:スプリングリテーナ 812:スプリング 870:基板キャリヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、
前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記昇降装置が、前記押上部材を前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、前記基板支持部材を前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものであることを特徴とする基板コンベヤ。
【請求項2】
前記昇降装置が、
前記押上部材を押し上げる昇降部材と、
その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、
前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、
前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部と
を含む請求項1に記載の基板コンベヤ。
【請求項3】
前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含む請求項1または2に記載の基板コンベヤ。
【請求項4】
前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものである請求項2または3に記載の基板コンベヤ。
【請求項1】
水平な直線部を含む閉曲線に沿って周回するコンベヤベルトと、
そのコンベヤベルトの前記直線部に対応する部分である搬送部に支持されて搬送される回路基板の側縁を案内する案内面を備えた案内レールと、
前記搬送部に支持された回路基板の側縁部の下面を支持して前記搬送部から浮き上がらせる押上部材と、
前記搬送部の上方においてその搬送部に平行に延び、前記押上部材により押し上げられる回路基板の側縁部を受け、押上部材と共同して回路基板の側縁部を挟む受け部材と、
前記回路基板を下方から支持する基板支持部材と、
前記押上部材と前記基板支持部材とを昇降させる昇降装置と
を含み、回路基板を搬送方向に搬送する基板コンベヤであって、
前記昇降装置が、前記押上部材を前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させた後に、前記基板支持部材を前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させるものであることを特徴とする基板コンベヤ。
【請求項2】
前記昇降装置が、
前記押上部材を押し上げる昇降部材と、
その昇降部材を昇降させる第一昇降部と、
前記昇降部材に保持され、その昇降部材に対して前記基板支持部材を相対的に昇降させる第二昇降部と、
前記押上部材が前記第一昇降部により前記受け部材と共同して回路基板を挟む位置まで上昇させられた後に、前記基板支持部材が前記第二昇降部により前記回路基板の下面に接触する位置まで上昇させられるように、前記第一昇降部と前記第二昇降部とを制御する昇降制御部と
を含む請求項1に記載の基板コンベヤ。
【請求項3】
前記基板支持部材が、前記回路基板の裏面に装着されている電子回路部品に接触した場合に弾性変形し、電子回路部品の存在を許容しつつ回路基板を支持する軟質支持部材を含む請求項1または2に記載の基板コンベヤ。
【請求項4】
前記昇降制御部が、前記昇降部材が前記第一昇降部により設定高さまで上昇させられることに応じて、前記第二昇降部に前記基板支持部材の上昇を開始させるものである請求項2または3に記載の基板コンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2013−102246(P2013−102246A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−45087(P2013−45087)
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2008−304718(P2008−304718)の分割
【原出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2008−304718(P2008−304718)の分割
【原出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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