説明

基板ドーム回転機構

【課題】限られたスペースでも効率良く回転機構の組立分解を行なうことができるメンテナンス性及び作業性のよい真空装置を提供する。また、基板ドームの芯振れ防止、ベアリングから発生する粉塵による汚染防止、及び、回転機構の薄型化により成膜精度を向上する。
【解決手段】真空槽、真空槽内部に固定されるベース、ベースに取り付けられる回転機構、及び、成膜基板が搭載され回転機構によって水平に回転される基板ドームからなる真空装置であって、回転機構をベースから真空槽底面方向に着脱可能な構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空装置に搭載される基板ドームの回転機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
真空蒸着法とは、真空槽内部をあらかじめ高真空領域まで排気した状態で蒸着材料を蒸発させ、基板表面に蒸着材料を堆積させる成膜方法をいう。成膜の効率をあげるためには複数の基板を同時に蒸着することが求められるが、真空槽内部における蒸着材料の蒸発分布は一様ではないため、基板ドームと呼ばれるドーム形状の保持具に複数の基板を搭載し、かつドームを回転することで各基板の膜厚分布を一様に保つことが一般的に行なわれている。本発明は、ドームの中心を回転軸として駆動源に接続される回転駆動型基板ドームの回転機構に関するものである。
【0003】
図5に回転駆動型基板ドームを搭載した真空装置の一例として光学薄膜用真空蒸着装置の概略構成図を示す。
【0004】
真空槽本体40には基板11、基板11を搭載する基板ドーム12、基板ドーム回転機構42、基板11を加熱するための基板加熱用ヒーター47、蒸着材料43、蒸着材料を充填する坩堝44、蒸着材料43を蒸発温度まで加熱する電子銃45、蒸着完了時に閉じ蒸着材料を遮蔽するシャッター46などが配置される。
【0005】
同図に示す装置により蒸着を行なう場合は、まず基板ドーム12に基板11を設置し、蒸着材料43を坩堝44に入れる。真空槽40内を図示しない排気系によって高真空状態としてから、基板ドーム回転機構42により基板ドーム12を回転させ、基板加熱用ヒーター47用いて基板11を加熱する。真空度及び基板温度が目標値に到達した時点で電子銃45から電子ビームを蒸着材料43へ照射し、蒸着材料43を蒸発温度まで昇温させる。シャッター46を開くと蒸着材料43は真空槽40内を飛散し、基板11上に堆積することで薄膜を形成する。膜厚が目標値に到達した時点でシャッター46を閉じ、電子銃45や基板加熱用ヒーター47などを停止させ、冷却後真空槽内に大気を導入した後薄膜が形成された基板11を取り出せばよい。
上記の真空蒸着装置は、例えば特許文献1などに開示される。
【0006】
図5及び図6を参照に、従来の基板ドーム回転機構を説明する。
基板ドーム回転機構42は、ドーム側歯車2、ドーム側歯車2に固定される回転軸6、ドーム側歯車2に接合して荷重方向の負荷を受けるスラストベアリング機構51、回転軸6に接合して円周方向の負荷をうけるラジアルベアリング機構52、スラストベアリング機構51及びラジアルベアリング機構52を支える軸受53、ボルト55によりドーム側歯車2に固定されるドームキャッチャー10とにより構成され、ドーム側歯車2が駆動源41に接続する駆動源側歯車15からの伝達を受けて回転することにより、回転機構42が回転する構造となっている。
【0007】
基板ドーム12はボルト56によりドームキャッチャー10に固定されることで回転機構42に接続され、ドーム側歯車2と共に所定の回転数で回転をする。ドーム側歯車2には回転軸6、ドームキャッチャー10、及び基板ドーム12が取付けられるため、縦方向のスラスト荷重がかかることになる。このスラスト方向の荷重を受けるためにスラストベアリング機構51が配置される。また、回転時の横方向の荷重を受けるためにラジアルベアリング機構52が配置される。図7aに、スラストベアリング機構51の概略図を示す。スラストベアリング機構は、スチールボール20、潤滑材21、複数のスチールボール20及び潤滑材21を収容する環状溝22により構成される。図7bはスチールボール20概略断面図であり、図7cは潤滑材21の概略断面図である。スチールボール20は例えば鉄等により構成され、潤滑材21は例えば二硫化タングステン等により構成されるが、その材質は適宜選択すればよい。以上、例示のためにスラストベアリング機構51を説明したが、ラジアルベアリング機構52においても構成部品は同様である。軸受53はスラストベアリング機構51及びラジアルベアリング機構52の受けとしての役割を果たし、ドーム側歯車2や基板ドーム12等を真空槽40内部に回転自在に支持している。軸受53は、ベース50の上方から嵌めこまれ、基板ドーム12と逆の方向からボルト54により固定される。
【0008】
例えば、メンテナンス等で図に示す回転機構42を分解する場合には、まず、ドームキャッチャー10から基板ドーム12を下方に取外した後、回転機構42の上方に配置される図示しない膜厚モニタ機構やヒーター等の周辺機構を取外し、軸受53とベース50とを取外し、回転機構42を一体としてベース50の上方から取外していた。組立する場合には、周辺機構の取付け前に回転機構42をベース50の上方から取付け、ベース50の下方に基板ドーム12を取り付けていた。
【特許文献1】特開2001-73136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8は、図7に示すスラストベアリング機構51が回転により消耗した際の様子を示す。潤滑材21は、スチールボール20及び環状溝22の表面に潤滑膜を形成しスチールボール20を滑らかに回転させるという効果を有するため、スチールボール20の回転により潤滑材21が消耗すると、異音発生の原因やベアリング寿命を早める原因となってしまう。また、回転により潤滑材21が消耗すると、消耗した潤滑剤21が粉塵60となって環状溝22に溜まってしまうという問題が発生する。粉塵60には、潤滑材21のみならずスチールボール20の磨耗による鉄くずも含まれ、このような粉塵60が環状溝22に溜まるとスチールボール20が円滑に回転しなくなり回転の支障となってしまう。ラジアルベアリング機構52においても同様の問題が発生するため、ベアリング機構には定期的な潤滑材の交換や回転部の清掃等のメンテナンス作業が必要とされる。しかし従来の回転機構は、周辺機構を取外さなくてはベアリングを取外すことができないという不都合があった。これは、基板ドーム上方の限られた空間に、膜厚モニタ機構やヒーター等、基板ドームに近接配置の必要がある機構が複数配置されるためであり、メンテナンス用の空間が確保できないためである。
【0010】
潤滑材から発生する粉塵は、回転部に留まって回転の支障となるばかりでなく、真空槽内に舞い落ちて成膜の支障となるという問題もあった。図8を参照すると、環状溝22に溜まった粉塵60の一部は下方にこぼれ落ちてしまっている。図6を参照すると、スラストベアリング機構51及びラジアルベアリング機構52の直下には基板ドームが配置されるため、こぼれ落ちた粉塵60の一部は基板ドームに舞い落ちてしまっていた。基板ドームに粉塵が舞い落ちると、成膜の際に蒸発材料と共に粉塵が成膜基板に付着してしまい、膜質の悪化に繋がってしまっていた。
【0011】
また、従来の回転機構では、ベアリングの上方に基板加熱ヒーターが配置されていたため、加熱により潤滑材の消耗を早めてしまっていたという問題もあった。
【0012】
更に、従来機構では、ドーム側歯車と基板ドームとの固定をボルト締めにより行なっているが、ボルト締めでは基板ドームの正確な位置出しができなという問題もあった。ドーム側歯車の中心と基板ドームの中心が一致しないと、回転の際に基板ドーム自体が左右に振れて回転してしまう。この状態で成膜を行なうと、蒸着材料が基板ドームに搭載されている基板に均一に付着しなくなり、膜厚分布の悪化に繋がってしまっていた。
【0013】
加えて、従来の回転機構ではその高さに関しても課題があった。基板ドーム回転機構の上方には、膜厚を計測するための膜厚モニタ機構が配置されることが一般的であるが、モニタが蒸発源に対して影にならないように、基板ドームの回転機構の高さをできる限り薄くする必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の側面は、真空槽、真空槽内部に固定されるベース、ベースに取り付けられる回転機構、及び、成膜基板が搭載され回転機構によって水平に回転される基板ドームからなる真空装置であって、回転機構をベースから真空槽底面方向に着脱可能な構成とした真空装置である。ここで、回転機構が少なくとも、ドーム基板の回転中心と同じ回転中心を持つように配置され、回転機構外部に設けられた駆動源からの動力により水平に回転されるドーム側歯車、ベースに対してドーム側歯車を支持するための支持手段、及び、基板ドームを該ドーム側歯車に取り付けるための保持手段からなり、ドーム側歯車の外径が該ベースの内径よりも小さくなるようにした。さらに、支持手段がベースの下端に取り付けられる構成とした。具体的には、支持手段が、少なくとも、ドーム側歯車と同心円状に該ドーム側歯車に固定される回転軸、及び、ドーム側歯車と同心円状に配置され、ベースに取り付けられる軸受からなり、軸受がベースの下端に取り付けられる構成とした。またさらに、支持手段が、ドーム側歯車と同心円状に配置され、軸受に支持されドーム側歯車を支持するスラストベアリング、及び、ドーム側歯車と同心円状に配置され、回転軸と接触するラジアルベアリングからなる構成とした。
【0015】
本発明の第2の側面は、真空槽、真空槽内部に固定されるベース、ベースに取り付けられる回転機構、及び、成膜基板が搭載され回転機構によって水平に回転される基板ドームからなる真空装置であって、回転機構が少なくとも、ドーム基板の回転中心と同じ回転中心を持つように配置され、回転機構外部に設けられた駆動源からの動力により水平に回転されるドーム側歯車、ベースに対してドーム側歯車を支持するための支持手段、及び、基板ドームをドーム側歯車に取り付けるための保持手段からなり、支持手段が、ドーム側歯車と同心円状に配置され軸受に支持されドーム側歯車を支持するスラストベアリング、及び、ドーム側歯車と同心円状に配置され回転軸と接触するラジアルベアリングからなる真空装置である。
【0016】
さらに、上記第1の側面及び第2の側面において、スラストベアリングとラジアルベアリングとが略同一平面上に配置される構成とした。また、スラストベアリングが切る面の高さ方向の幅とラジアルベアリングが切る面の高さ方向の幅とが重なる部分を持つように配置される構成とした。
【0017】
本発明の第3の側面は、真空槽、真空槽内部に固定されるベース、ベースに取り付けられる回転機構、成膜基板が搭載され回転機構によって水平に回転される基板ドーム、並びに、回転機構が環状溝に収容した複数のボール及び潤滑油により構成されるベアリングからなる真空装置であって、基板ドームの上方に基板ドームの少なくとも一部分を覆う粉塵受けを配置した真空装置である。ここで、成膜基板加熱用のドームヒーターを粉塵受けとした。さらに、成膜基板加熱用のドームヒーターがベースに固定される構成とした。また、回転機構は、さらに、ドーム側歯車と同心円状にドーム側歯車に固定される回転軸、及び、ドーム側歯車と同心円状に配置され、ベースに取り付けられる軸受からなり、回転軸が外周方向に伸びる突起部を有し、粉塵受けを突起部に設けられた溝で構成した。
【0018】
さらにまた、上記第1から第3の側面において、保持手段の少なくとも1箇所に皿ビスを用いる構成とした。
【0019】
本発明の第4の側面は、真空槽、成膜基板が搭載される基板ドーム、基板ドームの直上に配置され基板ドームを回転させる回転機構、及び、真空槽の天板に配置され少なくとも回転機構を真空槽の内部に取り付けるベースからなる真空装置の組立分解方法であって、少なくとも回転機構を真空槽底面側に着脱する方法である。さらに、回転機構と基板ドームと固定する固定具をさらに有する真空装置において、固定具と回転機構間、又は、固定具と基板ドーム間の少なくとも一方を皿ビスで固定し、基板ドームの位置出しを行なうようにした。
【0020】
本発明の第5の側面は、真空槽、成膜材料を充填する蒸発源、成膜基板が搭載され該成膜材料に対向配置される基板ドーム、基板ドームの直上に配置され基板ドームを回転させる回転機構、及び、真空槽の天板に配置され回転機構又は回転機構及び基板ドームを真空槽の内部に取り付けるベースからなる真空装置における基板ドームを回転させた状態で成膜基板に成膜材料を堆積させる成膜方法であって、回転機構と該基板ドームの間に設けられた粉塵受けにより回転機構から発生する粉塵を受ける成膜方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、限られたスペースでも効率良く回転機構の組立分解を行なうことが可能になるため、メンテナンス性及び作業性を向上させることが可能となる。また、基板ドームの芯振れ防止、ベアリングから発生する粉塵による汚染防止、及び回転機構の薄型化を図ることにより成膜精度の向上にも貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1乃至図4を参照に本発明に係る基板ドーム回転機構の実施例を説明するが、従来と同様の部分には同一符号を付して説明を省略する。図1乃至図4に示す回転機構は、例えば図5に示される様な真空装置に搭載されるが、真空成膜に関する動作は従来と同様であるため説明を省略する。
【0023】
図1に、ドーム側歯車2、回転軸6、ドームキャッチャー10、スラストベアリング機構3、ラジアルベアリング機構4、軸受5により構成される回転機構14、回転機構14を固定するベース1、回転機構14を駆動する駆動源側歯車15、基板ドーム12、基板ドーム12に搭載される成膜基板11、基板加熱用のヒータードーム13の概略断面図を示す。図2は、図1に示す回転機構を上方から見た概略平面図である。
【0024】
図1乃至図2に示す回転機構14は、真空槽に固定配置されるベース1の内径をドーム側歯車2の外径よりも大きく設計し、軸受5をベース1に対して基板ドーム12の方向から嵌めこみ、ベース1と軸受5とを基板ドーム12の方向からボルト7により固定することを特徴とする。軸受5がスラストベアリング機構3及びラジアルベアリング機構4を固定し、ドーム側歯車2及び回転軸6を回転自在に支持することにより、ボルト7を外せば回転機構14を全て下方に取外すことが可能となる。これにより、周辺機構を取外すことなく回転機構14の組立分解を行なうことができ、メンテナンス時等の作業性を著しく向上させることが可能となった。実施例では、内径がドーム側歯車2の外径よりも大きい円盤形状のベース1を用いているが、ベース1は、ドーム側歯車2を嵌めこむスペースを有すればどのような形状であっても構わない。
【0025】
図3に、スラストベアリング機構3及びラジアルベアリング機構4の概略図を示す。スラストベアリング機構3及びラジアルベアリング機構4は同一平面内に同心円状に配置され、環状溝22に収容されるスチールボール20と潤滑材21とにより構成される。潤滑材21を使用することにより回転が円滑に行なわれるようになるが、例えばラジアルベアリング機構4のように負荷があまり大きくないベアリング機構であれば潤滑材21は用いなくても構わない。実施例で、スラストベアリング機構3とラジアルベアリング機構4とを同一平面内に配置することにより、回転機構14の高さを縮め、回転機構14の上方に配置される膜厚モニタ機構と成膜基板との距離を近づけることが可能となる。また、この薄型化に伴い、例えばドームキャッチャー10を低背化すること等により、回転機構14の総重量を軽くすることができ、回転機構14を下方に外す、又は、下方から取り付ける際の労力軽減や安全性向上を図ることができる。
【0026】
ベアリング機構に使用されるスチールボール20及び潤滑材21は回転により磨耗して粉塵が発生するため、実施例では回転機構14の直下にヒータードーム13を配置した。ヒータードーム13はベース1に固定すればよい。これにより、粉塵が発生しても回転機構14の外周方向から基板ドームに舞い落ちることなく、ヒータードーム13が受け止めるため、成膜時の基板11へのゴミの付着を防ぐことが可能となる。また、ヒータードーム13が回転機構の直上にあると、ヒータードーム13が潤滑材を加熱して消耗を早めてしまうという問題があるが、ヒータードーム13が回転機構14の直下に配置されることで潤滑材21の寿命を延長させるという効果も奏する。実施例では成膜に必要な基板加熱用のヒータードーム13を粉塵対策用の受け板と兼用しているため、構成部品を追加することなく粉塵対策を行なうことが可能となるが、粉塵対策用の受け板を別に配置しても構わない。
【0027】
図4に図1に破線円で囲んだ部分60の詳細図を示す。軸受5には、ドーム側歯車2が上方に抜けることを防止するためのストッパー30が設けられるが、実施例ではストッパー30に溝31を設け、スチールボール20及び潤滑材21から発生する粉塵を受ける構造とした。これにより基板11の汚染を更に防止することが可能となる。
【0028】
以下、図1乃至図4に示す回転機構の組立動作を説明する。
まず、ドーム側歯車2に回転軸6及びドームキャッチャー10を固定し、軸受5上にスラストベアリング機構3及びラジアルベアリング機構4を組立て、スラストベアリング機構3にドーム側歯車2を、ラジアルベアリング機構4に回転軸6を接合させた状態で軸受5をボルト7によりベース1に固定する。このとき、ドーム側歯車2とドームキャッチャー10との固定には皿ビス8を使用する。次に、基板11を搭載した基板ドーム12をドームキャッチャー10に取付け、皿ビス9で固定し、芯だしを行なう。駆動源のモーターによりドーム側歯車2を所定の回転数で回転をさせる。ドーム側歯車2とドームキャッチャー10との接続、及びドームキャッチャー10と基板ドーム12との接続に皿ビス8,9を使用することにより、ドーム側歯車2の中心と基板ドーム12の中心とを正確に合わせ、基板ドーム12を芯振れなく回転させることが可能となる。実施例で皿ビス8,9を使用することにより、メンテナンス時の作業者による個人差を解消し、芯振れを解消して、成膜時における膜厚分布の悪化を防止することが可能となった。
【0029】
分解時はドームキャッチャー10と基板ドーム12との固定を外し、軸受5のボルト7を取外すことで回転機構14一体を下方に取外すことができる。他の構成部品、特に回転機構上方の図示されていない周辺機構を取り外すことなく回転機構14を分解できるため、メンテナンス時の作業性を著しく向上させることが可能となる。
【0030】
上記実施例では蒸着法を用いた成膜について説明したが、本発明装置および方法を実施可能な成膜方法は蒸着法に限られるものではなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法等多数あげられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の回転機構概略断面図
【図2】本発明の回転機構概略平面図
【図3】ベアリング機構概略図
【図4】ストッパー概略図
【図5】光学薄膜製造装置の構成概略図
【図6】従来の回転機構概略図
【図7】スラストベアリング機構概略図
【図8】消耗後のスラストベアリング機構概略図
【符号の説明】
【0032】
1 ベース
2 ドーム側歯車
3 スラストベアリング機構
4 ラジアルベアリング機構
5 軸受
6 回転軸
7 ボルト
8 皿ビス
9 皿ビス
10 ドームキャッチャー
11 成膜基板
12 基板ドーム
13 ヒータードーム
14 回転機構
15 駆動源側歯車
20 スチールボール
21 潤滑材
30 ストッパー
31 溝
40 真空槽
41 駆動源
42 回転機構
43 蒸着材料
44 坩堝
45 電子銃
46 シャッター
47 基板加熱ヒーター
50 ベース
51 スラストベアリング機構
52 ラジアルベアリング機構
53 軸受
54 ボルト
55 ボルト
56 ボルト
60 粉塵

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空槽、該真空槽内部に固定されるベース、該ベースに取り付けられる回転機構、及び、成膜基板が搭載され該回転機構によって水平に回転される基板ドームからなる真空装置であって、
該回転機構を該ベースから該真空槽底面方向に着脱可能な構成としたことを特徴とする真空装置。
【請求項2】
請求項1記載の真空装置であって、
該回転機構が少なくとも、
該ドーム基板の回転中心と同じ回転中心を持つように配置され、該回転機構外部に設けられた駆動源からの動力により水平に回転されるドーム側歯車、
該ベースに対して該ドーム側歯車を支持するための支持手段、及び、
該基板ドームを該ドーム側歯車に取り付けるための保持手段からなり、
該ドーム側歯車の外径が該ベースの内径よりも小さいことを特徴とする真空装置。
【請求項3】
請求項2記載の真空装置であって、
該支持手段が該ベースの下端に取り付けられることを特徴とする真空装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の真空装置であって、
該支持手段が、少なくとも、
該ドーム側歯車と同心円状に該ドーム側歯車に固定される回転軸、及び、
該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該ベースに取り付けられる軸受からなり、
該軸受が該ベースの下端に取り付けられることを特徴とする真空装置。
【請求項5】
請求項4記載の真空装置であって、
該支持手段が、さらに、
該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該軸受に支持され該ドーム側歯車を支持するスラストベアリング、及び、
該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該回転軸に設置されるラジアルベアリングからなることを特徴とする真空装置。
【請求項6】
真空槽、該真空槽内部に固定されるベース、該ベースに取り付けられる回転機構、及び、成膜基板が搭載され該回転機構によって水平に回転される基板ドームからなる真空装置であって、
該回転機構が少なくとも、
該ドーム基板の回転中心と同じ回転中心を持つように配置され、該回転機構外部に設けられた駆動源からの動力により水平に回転されるドーム側歯車、
該ベースに対して該ドーム側歯車を支持するための支持手段、及び、
該基板ドームを該ドーム側歯車に取り付けるための保持手段からなり、
該支持手段が、
該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該軸受に支持され該ドーム側歯車を支持するスラストベアリング、及び、該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該回転軸に設置されるラジアルベアリングからなることを特徴とする真空装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の真空装置であって、
該スラストベアリングと該ラジアルベアリングとが略同一平面上に配置されたことを特徴とする真空装置。
【請求項8】
請求項5又は請求項6記載の真空装置であって、
該スラストベアリングが切る面の高さ方向の幅と該ラジアルベアリングが切る面の高さ方向の幅とが重なる部分を持つように配置されたことを特徴とする真空装置。
【請求項9】
真空槽、該真空槽内部に固定されるベース、該ベースに取り付けられる回転機構、成膜基板が搭載され該回転機構によって水平に回転される基板ドーム、並びに、該回転機構が環状溝に収容した複数のボール及び潤滑油により構成されるベアリングからなる真空装置であって、
該基板ドームの上方に該基板ドームの少なくとも一部分を覆う粉塵受けを配置したことを特徴とする真空装置。
【請求項10】
請求項9記載の真空装置であって、
該粉塵受けは該成膜基板加熱用のドームヒーターであることを特徴とする真空装置。
【請求項11】
請求項10記載の真空装置であって、
該成膜基板加熱用のドームヒーターが該ベースに固定されたことを特徴とする真空装置。
【請求項12】
請求項9から請求項11いずれか一項に記載の真空装置であって、
該回転機構は、さらに、
該ドーム側歯車と同心円状に該ドーム側歯車に固定される回転軸、及び、
該ドーム側歯車と同心円状に配置され、該ベースに取り付けられる軸受からなり、
該回転軸が外周方向に伸びる突起部を有し、
該粉塵受けは該突起部に設けられた溝であることを特徴とする真空装置。
【請求項13】
請求項3から請求項12いずれか一項に記載の真空装置であって、
該保持手段の少なくとも1箇所に皿ビスを用いたことを特徴とする真空装置。
【請求項14】
真空槽、成膜基板が搭載される基板ドーム、該基板ドームの直上に配置され該基板ドームを回転させる回転機構、及び、該真空槽の天板に配置され少なくとも該回転機構を該真空槽の内部に取り付けるベースからなる真空装置の組立分解方法であって、
少なくとも該回転機構を該真空槽底面側に着脱することを特徴とする組立分解方法。
【請求項15】
請求項14記載の組立分解方法であって、
該回転機構と該基板ドームと固定する固定具をさらに有する真空装置において、
該固定具と該回転機構間、又は、該固定具と該基板ドーム間の少なくとも一方を皿ビスで固定し、該基板ドームの位置出しを行なうことを特徴とする組立分解方法。
【請求項16】
真空槽、成膜材料を充填する蒸発源、成膜基板が搭載され該成膜材料に対向配置される基板ドーム、該基板ドームの直上に配置され該基板ドームを回転させる回転機構、及び、該真空槽の天板に配置され該回転機構又は回転機構及び基板ドームを該真空槽の内部に取り付けるベースからなる真空装置における該基板ドームを回転させた状態で該成膜基板に該成膜材料を堆積させる成膜方法であって、
該回転機構と該基板ドームの間に設けられた粉塵受けにより該回転機構から発生する粉塵を受けることを特徴とする成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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