基板乾燥装置及び方法
【課題】洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥において、上記基板に微細化されたパターンが存在するような場合であっても、確実に上記基板に付着した液体を除去して基板を乾燥させる基板乾燥装置及び方法を提供する。
【解決手段】基板に対して、互いに対向する側方及び上方から乾燥空気を吹き付ける吹き出し部を備えさせることで、基板表面に付着した液体を短時間で効果的に除去する。さらに、乾燥チャンバの内壁部に沿って乾燥空気の一部を循環させて、この循環された空気を加熱ヒータにて加熱して、再び基板に吹き付けるような構成を採用することで、乾燥効率をさらに向上させる。
【解決手段】基板に対して、互いに対向する側方及び上方から乾燥空気を吹き付ける吹き出し部を備えさせることで、基板表面に付着した液体を短時間で効果的に除去する。さらに、乾燥チャンバの内壁部に沿って乾燥空気の一部を循環させて、この循環された空気を加熱ヒータにて加熱して、再び基板に吹き付けるような構成を採用することで、乾燥効率をさらに向上させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の一例である半導体ウェハの製造工程において、洗浄水として例えば純水などを用いてウェハに対する洗浄処理が行われた後、ウェハの表面に付着している純水を除去するためにウェハを乾燥させる工程が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなウェハの乾燥工程においては、ウェハが浸積された純水の水面上の空間に、IPA(イソプロピルアルコール)を含むガスを充填しておき、純水中からこの空間内にウェハを引き上げて、ウェハの表面に付着している水滴をIPAに置換して、その後ウェハ表面のIPAを蒸発させることで、ウェハを乾燥させている。このような乾燥方法は、いわゆるマラゴニー効果を利用したものである。
【0004】
【特許文献1】特公平6−103686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等に用いられるウェハにおいては、形成されるパターンがさらに微細化して、多数の微細孔(例えば0.1μm〜0.5μm程度)などが形成されている。しかしながら、このようにウェハの表面により微細化されたパターン、すなわち微細化された凹凸が形成されたウェハにおいては、従来の乾燥方法では、十分な乾燥ができず、ウォータマークなどが形成されるという問題がある。すなわち、このようにMEMS用のウェハなどに従来の乾燥方法を適用した場合にあっては、微細な窪みなどのパターン内部の水滴がIPAに完全に置換させることが難しい。その結果、パターン内部で水滴が残存して、酸化によりパターンの機能が破壊されるなどの問題が生じる場合がある。
【0006】
また、環境的な面からも、このような乾燥処理において、IPAなどの溶剤の使用量を減らすあるいは用いないことが望まれている。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥において、上記基板に微細化されたパターンが存在するような場合であっても、確実に上記基板に付着した液体を除去して基板を乾燥させる基板乾燥装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置において、
乾燥処理空間をその内部に有する乾燥チャンバと、
上記乾燥処理空間内の中央部において上記複数の基板を支持する基板支持部と、
上記乾燥チャンバの上部に固定され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記基板支持部との間に配置され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの底部中央部に設けられ、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気を上記乾燥処理空間外で排気する排気口と、
上記乾燥チャンバ内において、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記基板支持部に向かわせる第1及び第2の乾燥用空気循環通路と、
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路上にそれぞれ配置され、循環される乾燥用空気を加熱する第1及び第2の循環用加熱ヒータとを備えることを特徴とする基板乾燥装置を提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記第1の乾燥用空気循環通路は、一方の上記内側壁と上記第1の側部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の乾燥用空気循環通路は、他方の上記内側壁と上記第2の側部吹き出し部との間に配置され、
上記第1の循環用加熱ヒータは、上記第1の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の循環用加熱ヒータは、上記第2の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置される、第1態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記上部吹き出し部に吹き出される上記乾燥用空気を加熱する吹き出し用加熱ヒータがさらに備えられる、第1態様又は第2態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記それぞれの加熱ヒータは、電気的絶縁性を有する耐熱材料により形成され、上記循環された乾燥用空気を通過させるハニカム構造の通気孔部と、上記それぞれの通気孔部を通過する上記乾燥用空気を加熱する電熱線とを有するハニカム構造のヒータである、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、上記第1及び第2の側部吹き出し部のそれぞれは、複数の吹き出しノズルと、少なくとも1つの上記吹き出しノズルを移動させて、その吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置とを備える、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記それぞれの吹き出し部による上記乾燥用空気の吹き出しのタイミングを制御する制御装置をさらに備え、
上記制御装置は、上記上部吹き出し部、上記第1の側部吹き出し部、及び上記第2の側部吹き出し部を、予め設定された順序で設定された時間にて、個別に吹き出し動作を実施させた後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施させる、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路と上記上部吹き出し部との間に、隔壁が設けられている、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、上記乾燥チャンバの上記排気口と、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路との間に、上記基板より取り除かれた液滴が上記循環される乾燥用空気に混入することを抑制する液滴混入抑制部材が配置されている、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥方法において、
その中央部に上記基板が配置される乾燥用空間をその内部に有する乾燥チャンバの上部に固定され、上記乾燥処理空間の中央部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記乾燥処理空間の中央部との間に配置され、上記中央部の上記基板に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部との上記それぞれの吹き出し部を、予め設定された順序で設定された吹き出し時間にて、個別に吹き出し動作を実施し、
その後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施して、上記基板に付着した液体を取り除いて乾燥させることを特徴とする基板乾燥方法を提供する。
【0018】
本発明の第10態様によれば、上記吹き出し部により吹き出された上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部中央部の排気口より排気しながら、残りの上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバ内において上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記中央部の上記基板に向かわせるように循環させる、第9態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【0019】
本発明の第11態様によれば、上記循環される乾燥用空気をその循環の経路にて加熱して、上記加熱された乾燥用空気を上記基板に向かわせる、第10態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基板に対して、互いに対向する側方及び上方から乾燥空気を吹き付けることができるため、基板表面に付着した液体を短時間で効果的に除去することができる。さらに、乾燥チャンバの内壁部に沿って乾燥空気の一部が循環されるとともに、この循環された空気を加熱ヒータにて加熱して、再び基板に吹き付けるような構成が採用されているため、乾燥効率をさらに向上させることができる。
【0021】
また、それぞれの吹き出し部を個別に順番に動作させた後、全ての吹き出し部を同時に動作させることで、効率的な乾燥処理を行うことができる。
【0022】
従って、従来の乾燥装置に比して乾燥時間を大幅に短縮することができるとともに、微細なパターンを有するウェハに対して確実な乾燥を行うことができる。特に、MEMS等の微細かつ相対的に深いパターンの内部に滞留している液滴までを除去して乾燥させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本発明の一の実施形態にかかる基板乾燥装置の一例であるウェハ乾燥装置101の主要な構成を示す模式構成図(断面図)を図1に示す。本実施形態のウェハ乾燥装置101は、基板の一例として、半導体ウェハ(以降、「ウェハ」とする。)1の表面に付着した液体を取り除くための乾燥処理を行う装置である。このようなウェハ1は、例えばその製造工程において、薬液等を用いた処理が施され、このような薬液を除去するために、ウェハを純水中に浸積させて洗浄処理を行った後、純水中から取り出されたウェハの表面に付着している液体、すなわち純水等を除去するための乾燥処理が行われる。本実施形態のウェハ乾燥装置は、このような乾燥処理の対象となるウェハとして、例えば、MEMS等に用いられる微細なパターンが形成されたウェハに対する乾燥処理を行うような装置である。
【0025】
図1に示すように、ウェハ乾燥装置101は、ウェハ1に対する乾燥処理が行われる乾燥処理空間Sをその内部に有する乾燥チャンバ2を備えている。乾燥チャンバ2には、その上部の略中央付近に設けられたウェハ1を搬入あるいは搬出するための開口部(搬入出口)を開放可能に閉止する蓋部3と、その底部の略中央部分に設けられ、乾燥用エアをチャンバ2の外部へ排気するための排気口4とが備えられている。また、乾燥チャンバ2の略中央部には、複数枚のウェハ1を収容するキャリア5を支持するキャリア受け部6(基板支持部の一例である)が備えられている。なお、それぞれのウェハ1は、図1に示すように、鉛直方向に起こされた姿勢して互いの面が平行となるように、紙面に直交する方向に配列された状態でキャリア5に収容されて、キャリア受け部6に支持されている。なお、乾燥チャンバ2は、例えば、ステンレス材料や樹脂材料(PVC等)により形成される。キャリア受け部6は、乾燥エアの通気性を良好なものとするために、例えばステンレス材料とフッ素樹脂コーティング処理を施した金網により形成される。
【0026】
乾燥チャンバ2の蓋部3の下面側、すなわち乾燥処理空間S側には、キャリア受け部6に向けて乾燥エア(乾燥用空気の一例である)を吹き出す上部吹き出し部10が備えられている。上部吹き出し部10には、筒形状を有する3本のノズル11が備えられおり、それぞれのノズル11の吹き出し孔11aより、乾燥エアが吹き出されるように構成されている。また、それぞれのノズル11の下方には、吹き出された乾燥エアを加熱する吹き出し用ヒータ12が設けられている。
【0027】
乾燥チャンバ2において互いに対向する内側壁、すなわち図示左側内側壁2aおよび右側内側壁2bから乾燥処理空間Sの中央部に向かって離間した位置に、キャリア受け部6に向けて乾燥エアを吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部の一例である左側部吹き出し部20及び右側部吹き出し部30が備えられている。左側部吹き出し部20には、筒形状を有する3本のノズル21、22、23が備えられており、それぞれのノズル21、22、23の吹き出し孔21a、22a、23aより、乾燥エアが吹き出されるように構成されている。また、右側部吹き出し部30も同様な構成を有しており、3本のノズル31、32、33の吹き出し孔31a、32a、33aより乾燥エアが吹き出し可能とされている。
【0028】
また、乾燥チャンバ2内においては、それぞれの吹き出し部10、20、30から吹き出された乾燥エアの一部を、乾燥チャンバ2の底部側から左側内側壁2a及び右側内側壁2bに沿って上昇させて、再びキャリア受け部6に向かわせるようなエアの流れを形成する循環通路R1、R2(第1及び第2の乾燥用空気循環通路の一例である)が配置されている。具体的には、図1において、左側内側壁2aと左側部吹き出し部20との間に循環通路R1が配置され、右側内側壁2bと右側部吹き出し部30との間に循環通路R2が配置されている。なお、それぞれの循環通路R1、R2は、ダクトなどを用いて通路を形成する部材で構成されているのではなく、チャンバ2の内側壁2a、2bと側部吹き出し部20、30との間に、上昇気流を通過させる空間を確保するように形成されている。なお、図1においては、これらの循環通路R1、R2を点線にて示している。
【0029】
また、それぞれの循環通路R1及びR2には、循環される乾燥エアを加熱する循環用ヒータ40、50が備えられている。具体的には、図1に示すように、図示左側循環用ヒータ40は、上部吹き出し部10と左側部吹き出し部20との間に配置され、循環通路R1にて循環された乾燥エアを通過させて、キャリア受け部6に向かわせる位置に配置されている。図示右側循環用ヒータ50は、上部吹き出し部10と右側部吹き出し部30との間に配置され、循環通路R2にて循環された乾燥エアを通過させて、キャリア受け部6に向かわせる位置に配置されている。
【0030】
また、図1に示すように、それぞれの循環通路R1、R2との上部と、上部吹き出し部10との間には、隔壁18が設けられており、上部吹き出し部10の吹き出し用ヒータ12にて加熱されるエアと、それぞれの循環用ヒータ40、50にて加熱されるエアとが区別されている。また、このように上部側からの吹き出しエアと循環されるエアとが区分されていることにより、それぞれのエアをより効率的に乾燥処理空間Sの中央部に配置されるウェハ1に向かわせることが可能となる。
【0031】
さらに、乾燥チャンバ2の底部の排気口4と、それぞれの循環通路R1、R2の下部との間には、ウェハ1より取り除かれた液滴(水滴)が循環されるエアに混入することを抑制する液滴混入抑制部材の一例である水滴混入防止板19が配置されている。この水滴混入防止板19は、例えばフッ素樹脂ネットにて形成されており、乾燥エアを通過させながら、水滴の通過を抑制する機能を有している。また、この水滴混入防止板19は、排気口4とそれぞれの循環通路R1、R2を区分することで、排気される乾燥エアの経路と、循環される乾燥エアの経路とを形成する機能をも有している。
【0032】
それぞれの吹き出し部10、20、30への乾燥エアの供給系について説明する。図1に示すように、上部吹き出し部10のそれぞれのノズル11には、乾燥エアの供給ライン(配管)13が接続されている。供給ライン13の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ14と、それぞれのノズル11へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁15が備えられている。左側部吹き出し部20のそれぞれのノズル21、22、23には、乾燥エアの供給ライン24が接続されている。供給ライン24の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ25と、それぞれのノズル21、22、23へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁26が備えられている。同様に、右側部吹き出し部30のそれぞれのノズル31、32、33には、乾燥エアの供給ライン34が接続されている。供給ライン34の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ35と、それぞれのノズル31、32、33へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁36が備えられている。なお、乾燥エアはそれぞれのレギュレータにより例えば0.7MPa程度の圧力に調整される。
【0033】
それぞれの側部吹き出し部20、30の構成についてさらに詳細に説明する。それぞれの側部吹き出し部20、30は同じ構成を有しているため、代表して左側部吹き出し部20の構成を例として、図2A及び図2Bの模式説明図を用いて説明する。図2A及び図2Bに示すように、左側部吹き出し部20は、図示上方側の2つのノズル21及び22をそれぞれの軸心周りに回転させて、その回転方向を所定の間隔で切り替えることにより、それぞれのノズル21及び22からの乾燥エアの吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置の一例であるシリンダ機構29を備えている。このシリンダ機構29は、鉛直方向の往復移動を、リンクを介してノズル21、22の回転移動に変換し、吹き出し孔21a、22aを揺動(スイング)させることで、吹き出し方向の可変(スイング)動作を行う機能を有している。なお、ノズル23は固定されており、吹き出し方向のスイングは行われない。また、右側部吹き出し部30にも、シリンダ機構39が備えられている。
【0034】
次に、それぞれのヒータ12、40、50の構造について詳細に説明する。まず、循環用ヒータ40の模式平面図を図3に示す。図3に示すように、ヒータ40は、電気的絶縁性に優れた耐熱材料により形成され、乾燥エアを比較的低い圧力損失にて通過させるハニカム構造を有する通気孔部41と、この通気孔部41のコイル状に巻き回されて組み込まれた電熱線(図示せず)とを備える、いわゆるハニカム構造を有する複数のハニカムブロックヒータ42が組み合わせられて形成されている。このような構造のハニカムブロックヒータ42は、一般的何フィン式ヒータに比して圧力損失が少ないこと、さらに通過されるエアをその面内にて略均一に加熱することができることという利点を有している。なお、循環用ヒータ40と50は同じ構造を有している。また、図4に示すように、吹き出し用ヒータ12も、循環用ヒータ40と同様な構造を有しており、そのハニカムブロックヒータ42の組み合わせ個数を増やすことで、その加熱面積を確保している。なお、ヒータ40、50の加熱容量は、例えばそれぞれ3kW程度となっている。
【0035】
次に、それぞれの吹き出し部10、20、30に備えられているノズルの構造について詳細に説明する。それぞれの吹き出し部には、2重構造と1重構造の2つのタイプのノズルがある。上部吹き出し部10の全てのノズル11は2重構造タイプとなっており、その他、ノズル21及び31が2重構造タイプとなっている。一方、ノズル22、23、32、33は1重構造タイプとなっている。
【0036】
図5A及び図5Bに示すように、2重構造タイプのノズル(例えばノズル11)は、内管11bと外管11cとを備えている。内管11bには、その上方側に複数の吹き出し孔11dが形成されており、外管11cには、その下方側に複数の吹き出し孔11aが形成されている。内管11bにて供給された乾燥エアが、上方側の吹き出し孔11dを通して外管11cの内部へと導かれ、外管11cの内部にて内管11bを回り込むようにして、外管11cの吹き出し孔11aから乾燥エアが吹き出される。このような構成が採用されていることにより、それぞれの吹き出し孔11aから吹き出す乾燥エアの圧力を均一にすることができる。従って、このような2重構造タイプのノズルは、乾燥エアの噴き出し圧力を均一にさせることを目的として、主に乾燥処理空間Sの上方側に配置されている。
【0037】
これに対して、図6A及び図6Bに示すように、1重タイプのノズル(例えばノズル23)は、管23bに複数の吹き出し孔23aが形成された構造を有している。このような1重タイプのノズルは、乾燥処理空間Sにおいて、下方側に配置されており、主にキャリア5やキャリア受け部6に付着した水滴を飛ばす役割を担っている。なお、装置コストとしては上昇するが、1重タイプのノズルを全て2重タイプのノズルに置き換えるような装置構成を採用することも可能である。
【0038】
また、図1に示すように、ウェハ乾燥装置101には、それぞれの構成部の動作制御を互いに関連付けながら統括的に行う制御装置9が備えられている。制御装置9は、それぞれの電磁弁15、26、36の開閉動作を制御することで、それぞれの吹き出し部10、20、30から1又は複数の吹き出し部を選択して乾燥エアを吹き出す制御を行うことが可能となっている。また、このような選択的な吹き出し動作は、予めプログラム等により選択した吹き出し部や吹き出し順序、さらに吹き出し時間を設定しておくことで、制御することができる。また、制御装置9は、シリンダ機構29、39の動作やヒータ12、40、50の加熱動作の制御を行う。
【0039】
このような構成を有するウェハ乾燥装置101において、ウェハ1に対する乾燥処理を行う手順について、図7のフローチャート、及び図8A〜図8Dの模式説明図を用いて説明する。
【0040】
まず、図7のステップS1にて、乾燥チャンバ2内にキャリア5により支持された複数枚のウェハ1を搬入し、キャリア5をキャリア受け部6に固定する。その後、蓋部3を閉止して、排気口4を除いて乾燥処理空間Sを閉止する。
【0041】
次に、左側部吹き出し部20のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS2、図8A参照)。具体的には、電磁弁26を開とすることによりレギュレータ25にて調圧された乾燥エアが供給ライン24を通して供給されて、それぞれのノズル21、22、23からウェハ1に向けて吹き出される。このとき、シリンダ機構29によりノズル21、22のスイング動作が行われる。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に付着している水滴が飛ばされるとともに、主にノズル22、23からの吹き出しエアによりキャリア5に付着している水滴も飛ばされる。また、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲では、乱流が発生し、この乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成される。循環エアは循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、左側部吹き出し部20からの吹き出しが停止される(ステップS3)。なお、ウェハ1の表面から飛ばされた水滴は、乾燥エアの一部とともに排気口4から排出される。
【0042】
次に、上部吹き出し部10のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS4、図8B参照)。具体的には、電磁弁15を開とすることによりレギュレータ14にて調圧された乾燥エアが供給ライン13を通して供給されて、それぞれのノズル11からウェハ1に向けて吹き出される。この際に、吹き出された乾燥エアは、吹き出し用ヒータ12にて加熱される。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に残存している水滴が飛ばされるとともに、加熱されたエアによりその乾燥が促進される。さらに、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲にて発生する乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成される。循環エアは循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、上部吹き出し部10からの吹き出しが停止される(ステップS5)。
【0043】
次に、右側部吹き出し部30のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS6、図8C参照)。具体的には、電磁弁36を開とすることによりレギュレータ35にて調圧された乾燥エアが供給ライン34を通して供給されて、それぞれのノズル31、32、33からウェハ1に向けて吹き出される。このとき、シリンダ機構39によりノズル31、32のスイング動作が行われる。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に僅かに残っている水滴が飛ばされるとともに、主にノズル32、33からの吹き出しエアによりキャリア5に残っている水滴も飛ばされる。また、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲で発生する乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成され、循環エアが循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、右側部吹き出し部30からの吹き出しが停止される(ステップS7)。
【0044】
その後、上部吹き出し部10、左側部吹き出し部20、及び右側部吹き出し部30の全てから、同時に乾燥エアの吹き出しが行われる(ステップS8、図8D参照)。全ての吹き出し部から乾燥エアがウェハ1に向かう方向で吹き出されることにより、ウェハ1に対して様々な方向からエアを吹き付けることができる。さらにこのような吹き出しエアにより、排気口4の周囲においてより大きな乱流が形成され、それに伴って循環エアの量も増大する。その結果、循環用ヒータ40、50を通してウェハ1に吹き付けられるエアの量も増大し、乾燥効果がさらに高められる。なお、この吹き付けの際に、それぞれのノズル21、22、31、及び32のスイング動作も行われる。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、全ての吹き出し部10、20、30からの吹き出しが停止される(ステップS9)。
【0045】
その後、乾燥チャンバ2において、蓋部3が開放されて、キャリア受け部6へのキャリア5の固定が解除されて、それぞれのウェハ1がキャリア5に収容された状態で乾燥チャンバ2から搬出される(ステップS10)。これで、ウェハ1に対する乾燥処理が完了する。
【0046】
乾燥処理空間Sにおいては、それぞれの吹き出し部10、20、30から吹き出されたエアは、ウェハ1やキャリア5等に当たってその気流方向が複雑に変化されて、乱流が発生する。このような様々な方向の気流は、その全てが排気口4に向かうのではなく、一部の気流は側壁2a、2bに沿った上昇気流となるものと考えられる。特に、上部吹き出し部10からエアが吹き出されるような場合にあっては、上部吹き出し部10からの吹き出しエアに吸い込まれるような形で、このような上昇気流が再びキャリア5に支持されたウェハ1に向かう循環流路が形成されることになる。このような原理により乾燥処理空間Sにおいて、循環エアの流れが形成されることになる。なお、排気口4においては、排気手段による強制的な排気がなされている。
【0047】
上述の乾燥処理の手順においては、それぞれの側部吹き出し部20、30において、ノズルのスイング動作が行われるような場合について説明したが、このような場合に代えて、スイング動作を行わないような場合であってもよい。スイング動作を行う場合には、より様々な方向からエアの吹き付けを行うことができる。一方、スイング動作を行わない場合には、一定の方向でエアの吹き付けを行うことができる。乾燥処理対象となるウェハ1の大きさや仕様を考慮して、スイング動作を実施する/しないを選択することが望ましい。
【0048】
また、それぞれのノズル11、21、31等からのエアの吹き出しを間欠的に行うような場合であってもよい。このような間欠的な吹き出し動作は、電磁弁の開閉動作を繰り返すことで行われる。間欠的な吹き出しは、ウェハ1やキャリア5に付着している水滴の飛散効果を高めることができる。
【0049】
また、それぞれの吹き出し部10、20、30の順序は、様々なパターンを採用することができ、ウェハの大きさや仕様に応じて決定することができる。
【0050】
また、それぞれのノズル11、21、31等から吹き出される乾燥エアを加熱するヒータをノズル内に内蔵させることもできる。例えば、図9に示すノズル61では、遠赤外線ランプヒータ62をノズルの管部材63の内部に備えさせることで、管部材62内に供給される乾燥エアを加熱して、それぞれの吹き出し孔61aから吹き出すことができる。なお、このようなヒータとしては、その他、シーズヒータ、カートリッジヒータなどを採用することができる。このようにノズル内で乾燥エアを加熱することにより、供給ラインの途中で加熱するよりも温度降下を少なくすることができ、効率的に加熱された乾燥エアを吹き出すことができる。また、乾燥エアとしては、空気の他に、不活性ガス、例えばN2を用いることができる。
【0051】
また、乾燥エアの吹き付けによる各部材の帯電防止対策を採ることもできる。このような帯電防止対策としては、例えば、乾燥処理空間Sの上部付近に、ノズル方式またはブロアー方式の除電器を取り付けて静電気の除去を行うことができる。例えば、本実施形態の変形例にかかるウェハ乾燥装置201の模式構成図を図10に示す。図10に示すウェハ乾燥装置201の上部吹き出し部10には、ノズル方式除電器111が備えられている。このような構成を採用することにより、各部材の耐電防止対策を確実に採ることができる。
【0052】
また、図10に示すウェハ乾燥装置201においては、それぞれの循環通路R1、R2にて、より効果的な循環エアの流れを実現するために、循環通路案内板130が設けられている。具体的には、左側吹き出し部20と右側吹き出し部30のそれぞれの裏側に循環通路案内板130が配置され、循環通路案内板130とそれぞれの内側壁2a、2bにより囲まれた循環通路R1及びR2が形成されている。
【0053】
さらに、図10のウェハ乾燥装置201においては、水滴混入防止板119を傾斜させて配置することで、乾燥処理空間Sの中央部からそれぞれの循環通路R1、R2へのエアの流れを導くような構成が採用されている。このような構成を採用することにより、より積極的に循環エアの流れを形成することができ、ウェハの乾燥効率を向上させることができる。
【0054】
このような本実施形態のウェハ乾燥装置101、201によれば、ウェハ1に対して、上方、左方、及び右方から乾燥エアを吹き付けることができるため、ウェハ表面に付着した水滴を短時間で効果的に除去することができる。さらに、乾燥チャンバ2の内側壁2a、2bに沿って乾燥エアの一部が循環されるとともに、この循環されたエアをヒータ40、50にて加熱して、再びウェハ1に吹き付けるような構成が採用されているため、乾燥効率をさらに向上させることができる。特に、ヒータ40、50を乾燥チャンバ2内に設けているため、その発生される熱量の略全てを乾燥エアの加熱熱量として用いられることになるため、無駄の少ない効率的な加熱を行うことができる。
【0055】
さらに、それぞれの吹き出し部10、20、30を個別に順番に動作させて、まず比較的大きな水滴の除去を行った後、全ての吹き出し部10、20、30を同時に動作させて、循環エアの吹き付けによる効果を最大限に生かして、効率的な乾燥処理を行うことができる。特に、後者の乾燥処理では、MEMS等の微細かつ相対的に深いパターンの内部に滞留している水滴(水分)を除去して乾燥させることができ、このような微細なパターンを有するウェハに対する乾燥処理として効果的である。このような本実施形態のウェハ乾燥装置101を用いることで、従来の乾燥装置に比して乾燥時間を大幅に短縮する、例えば1/2程度の時間に短縮することができるとともに、微細なパターンを有するウェハに対して確実な乾燥を行うことができる。また、IPA等の溶剤を用いることが無いため、環境にやさしい装置を提供することができる。
【0056】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一の実施形態にかかるウェハ乾燥装置の模式構成図
【図2A】左側部吹き出し部の模式構成図
【図2B】左側部吹き出し部の模式構成図
【図3】循環用ヒータの模式平面図
【図4】吹き出し用ヒータの模式平面図
【図5A】2重構造のノズルの模式断面図
【図5B】2重構造のノズルの模式断面図
【図6A】1重構造のノズルの模式断面図
【図6B】1重構造のノズルの模式断面図
【図7】ウェハに対する乾燥処理のフローチャート
【図8A】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(左方吹き付け)
【図8B】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(上方吹き付け)
【図8C】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(右方吹き付け)
【図8D】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(全体吹き付け)
【図9】ヒータが内蔵されたノズルの模式断面図
【図10】上記実施例の変形例にかかるウェハ乾燥装置の模式構成図
【符号の説明】
【0058】
1 ウェハ
2 乾燥チャンバ
3 蓋部
4 排気口
5 キャリア
6 キャリア受け部
9 制御装置
10 上部吹き出し部
11 ノズル
12 吹き出し用ヒータ
19 水滴混入防止板
20 左側部吹き出し部
21〜23 ノズル
29 シリンダ機構
30 右側部吹き出し部
31〜33 ノズル
39 シリンダ機構
40、50循環用ヒータ
101、201 ウェハ乾燥装置
R1、R2 循環通路
S 乾燥処理空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の一例である半導体ウェハの製造工程において、洗浄水として例えば純水などを用いてウェハに対する洗浄処理が行われた後、ウェハの表面に付着している純水を除去するためにウェハを乾燥させる工程が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなウェハの乾燥工程においては、ウェハが浸積された純水の水面上の空間に、IPA(イソプロピルアルコール)を含むガスを充填しておき、純水中からこの空間内にウェハを引き上げて、ウェハの表面に付着している水滴をIPAに置換して、その後ウェハ表面のIPAを蒸発させることで、ウェハを乾燥させている。このような乾燥方法は、いわゆるマラゴニー効果を利用したものである。
【0004】
【特許文献1】特公平6−103686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等に用いられるウェハにおいては、形成されるパターンがさらに微細化して、多数の微細孔(例えば0.1μm〜0.5μm程度)などが形成されている。しかしながら、このようにウェハの表面により微細化されたパターン、すなわち微細化された凹凸が形成されたウェハにおいては、従来の乾燥方法では、十分な乾燥ができず、ウォータマークなどが形成されるという問題がある。すなわち、このようにMEMS用のウェハなどに従来の乾燥方法を適用した場合にあっては、微細な窪みなどのパターン内部の水滴がIPAに完全に置換させることが難しい。その結果、パターン内部で水滴が残存して、酸化によりパターンの機能が破壊されるなどの問題が生じる場合がある。
【0006】
また、環境的な面からも、このような乾燥処理において、IPAなどの溶剤の使用量を減らすあるいは用いないことが望まれている。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥において、上記基板に微細化されたパターンが存在するような場合であっても、確実に上記基板に付着した液体を除去して基板を乾燥させる基板乾燥装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置において、
乾燥処理空間をその内部に有する乾燥チャンバと、
上記乾燥処理空間内の中央部において上記複数の基板を支持する基板支持部と、
上記乾燥チャンバの上部に固定され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記基板支持部との間に配置され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの底部中央部に設けられ、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気を上記乾燥処理空間外で排気する排気口と、
上記乾燥チャンバ内において、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記基板支持部に向かわせる第1及び第2の乾燥用空気循環通路と、
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路上にそれぞれ配置され、循環される乾燥用空気を加熱する第1及び第2の循環用加熱ヒータとを備えることを特徴とする基板乾燥装置を提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記第1の乾燥用空気循環通路は、一方の上記内側壁と上記第1の側部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の乾燥用空気循環通路は、他方の上記内側壁と上記第2の側部吹き出し部との間に配置され、
上記第1の循環用加熱ヒータは、上記第1の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の循環用加熱ヒータは、上記第2の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置される、第1態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記上部吹き出し部に吹き出される上記乾燥用空気を加熱する吹き出し用加熱ヒータがさらに備えられる、第1態様又は第2態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記それぞれの加熱ヒータは、電気的絶縁性を有する耐熱材料により形成され、上記循環された乾燥用空気を通過させるハニカム構造の通気孔部と、上記それぞれの通気孔部を通過する上記乾燥用空気を加熱する電熱線とを有するハニカム構造のヒータである、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、上記第1及び第2の側部吹き出し部のそれぞれは、複数の吹き出しノズルと、少なくとも1つの上記吹き出しノズルを移動させて、その吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置とを備える、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記それぞれの吹き出し部による上記乾燥用空気の吹き出しのタイミングを制御する制御装置をさらに備え、
上記制御装置は、上記上部吹き出し部、上記第1の側部吹き出し部、及び上記第2の側部吹き出し部を、予め設定された順序で設定された時間にて、個別に吹き出し動作を実施させた後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施させる、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路と上記上部吹き出し部との間に、隔壁が設けられている、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、上記乾燥チャンバの上記排気口と、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路との間に、上記基板より取り除かれた液滴が上記循環される乾燥用空気に混入することを抑制する液滴混入抑制部材が配置されている、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥方法において、
その中央部に上記基板が配置される乾燥用空間をその内部に有する乾燥チャンバの上部に固定され、上記乾燥処理空間の中央部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記乾燥処理空間の中央部との間に配置され、上記中央部の上記基板に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部との上記それぞれの吹き出し部を、予め設定された順序で設定された吹き出し時間にて、個別に吹き出し動作を実施し、
その後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施して、上記基板に付着した液体を取り除いて乾燥させることを特徴とする基板乾燥方法を提供する。
【0018】
本発明の第10態様によれば、上記吹き出し部により吹き出された上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部中央部の排気口より排気しながら、残りの上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバ内において上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記中央部の上記基板に向かわせるように循環させる、第9態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【0019】
本発明の第11態様によれば、上記循環される乾燥用空気をその循環の経路にて加熱して、上記加熱された乾燥用空気を上記基板に向かわせる、第10態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基板に対して、互いに対向する側方及び上方から乾燥空気を吹き付けることができるため、基板表面に付着した液体を短時間で効果的に除去することができる。さらに、乾燥チャンバの内壁部に沿って乾燥空気の一部が循環されるとともに、この循環された空気を加熱ヒータにて加熱して、再び基板に吹き付けるような構成が採用されているため、乾燥効率をさらに向上させることができる。
【0021】
また、それぞれの吹き出し部を個別に順番に動作させた後、全ての吹き出し部を同時に動作させることで、効率的な乾燥処理を行うことができる。
【0022】
従って、従来の乾燥装置に比して乾燥時間を大幅に短縮することができるとともに、微細なパターンを有するウェハに対して確実な乾燥を行うことができる。特に、MEMS等の微細かつ相対的に深いパターンの内部に滞留している液滴までを除去して乾燥させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本発明の一の実施形態にかかる基板乾燥装置の一例であるウェハ乾燥装置101の主要な構成を示す模式構成図(断面図)を図1に示す。本実施形態のウェハ乾燥装置101は、基板の一例として、半導体ウェハ(以降、「ウェハ」とする。)1の表面に付着した液体を取り除くための乾燥処理を行う装置である。このようなウェハ1は、例えばその製造工程において、薬液等を用いた処理が施され、このような薬液を除去するために、ウェハを純水中に浸積させて洗浄処理を行った後、純水中から取り出されたウェハの表面に付着している液体、すなわち純水等を除去するための乾燥処理が行われる。本実施形態のウェハ乾燥装置は、このような乾燥処理の対象となるウェハとして、例えば、MEMS等に用いられる微細なパターンが形成されたウェハに対する乾燥処理を行うような装置である。
【0025】
図1に示すように、ウェハ乾燥装置101は、ウェハ1に対する乾燥処理が行われる乾燥処理空間Sをその内部に有する乾燥チャンバ2を備えている。乾燥チャンバ2には、その上部の略中央付近に設けられたウェハ1を搬入あるいは搬出するための開口部(搬入出口)を開放可能に閉止する蓋部3と、その底部の略中央部分に設けられ、乾燥用エアをチャンバ2の外部へ排気するための排気口4とが備えられている。また、乾燥チャンバ2の略中央部には、複数枚のウェハ1を収容するキャリア5を支持するキャリア受け部6(基板支持部の一例である)が備えられている。なお、それぞれのウェハ1は、図1に示すように、鉛直方向に起こされた姿勢して互いの面が平行となるように、紙面に直交する方向に配列された状態でキャリア5に収容されて、キャリア受け部6に支持されている。なお、乾燥チャンバ2は、例えば、ステンレス材料や樹脂材料(PVC等)により形成される。キャリア受け部6は、乾燥エアの通気性を良好なものとするために、例えばステンレス材料とフッ素樹脂コーティング処理を施した金網により形成される。
【0026】
乾燥チャンバ2の蓋部3の下面側、すなわち乾燥処理空間S側には、キャリア受け部6に向けて乾燥エア(乾燥用空気の一例である)を吹き出す上部吹き出し部10が備えられている。上部吹き出し部10には、筒形状を有する3本のノズル11が備えられおり、それぞれのノズル11の吹き出し孔11aより、乾燥エアが吹き出されるように構成されている。また、それぞれのノズル11の下方には、吹き出された乾燥エアを加熱する吹き出し用ヒータ12が設けられている。
【0027】
乾燥チャンバ2において互いに対向する内側壁、すなわち図示左側内側壁2aおよび右側内側壁2bから乾燥処理空間Sの中央部に向かって離間した位置に、キャリア受け部6に向けて乾燥エアを吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部の一例である左側部吹き出し部20及び右側部吹き出し部30が備えられている。左側部吹き出し部20には、筒形状を有する3本のノズル21、22、23が備えられており、それぞれのノズル21、22、23の吹き出し孔21a、22a、23aより、乾燥エアが吹き出されるように構成されている。また、右側部吹き出し部30も同様な構成を有しており、3本のノズル31、32、33の吹き出し孔31a、32a、33aより乾燥エアが吹き出し可能とされている。
【0028】
また、乾燥チャンバ2内においては、それぞれの吹き出し部10、20、30から吹き出された乾燥エアの一部を、乾燥チャンバ2の底部側から左側内側壁2a及び右側内側壁2bに沿って上昇させて、再びキャリア受け部6に向かわせるようなエアの流れを形成する循環通路R1、R2(第1及び第2の乾燥用空気循環通路の一例である)が配置されている。具体的には、図1において、左側内側壁2aと左側部吹き出し部20との間に循環通路R1が配置され、右側内側壁2bと右側部吹き出し部30との間に循環通路R2が配置されている。なお、それぞれの循環通路R1、R2は、ダクトなどを用いて通路を形成する部材で構成されているのではなく、チャンバ2の内側壁2a、2bと側部吹き出し部20、30との間に、上昇気流を通過させる空間を確保するように形成されている。なお、図1においては、これらの循環通路R1、R2を点線にて示している。
【0029】
また、それぞれの循環通路R1及びR2には、循環される乾燥エアを加熱する循環用ヒータ40、50が備えられている。具体的には、図1に示すように、図示左側循環用ヒータ40は、上部吹き出し部10と左側部吹き出し部20との間に配置され、循環通路R1にて循環された乾燥エアを通過させて、キャリア受け部6に向かわせる位置に配置されている。図示右側循環用ヒータ50は、上部吹き出し部10と右側部吹き出し部30との間に配置され、循環通路R2にて循環された乾燥エアを通過させて、キャリア受け部6に向かわせる位置に配置されている。
【0030】
また、図1に示すように、それぞれの循環通路R1、R2との上部と、上部吹き出し部10との間には、隔壁18が設けられており、上部吹き出し部10の吹き出し用ヒータ12にて加熱されるエアと、それぞれの循環用ヒータ40、50にて加熱されるエアとが区別されている。また、このように上部側からの吹き出しエアと循環されるエアとが区分されていることにより、それぞれのエアをより効率的に乾燥処理空間Sの中央部に配置されるウェハ1に向かわせることが可能となる。
【0031】
さらに、乾燥チャンバ2の底部の排気口4と、それぞれの循環通路R1、R2の下部との間には、ウェハ1より取り除かれた液滴(水滴)が循環されるエアに混入することを抑制する液滴混入抑制部材の一例である水滴混入防止板19が配置されている。この水滴混入防止板19は、例えばフッ素樹脂ネットにて形成されており、乾燥エアを通過させながら、水滴の通過を抑制する機能を有している。また、この水滴混入防止板19は、排気口4とそれぞれの循環通路R1、R2を区分することで、排気される乾燥エアの経路と、循環される乾燥エアの経路とを形成する機能をも有している。
【0032】
それぞれの吹き出し部10、20、30への乾燥エアの供給系について説明する。図1に示すように、上部吹き出し部10のそれぞれのノズル11には、乾燥エアの供給ライン(配管)13が接続されている。供給ライン13の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ14と、それぞれのノズル11へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁15が備えられている。左側部吹き出し部20のそれぞれのノズル21、22、23には、乾燥エアの供給ライン24が接続されている。供給ライン24の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ25と、それぞれのノズル21、22、23へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁26が備えられている。同様に、右側部吹き出し部30のそれぞれのノズル31、32、33には、乾燥エアの供給ライン34が接続されている。供給ライン34の途中には、乾燥エアを所定の圧力に調整するレギュレータ35と、それぞれのノズル31、32、33へのエア供給/停止の動作を行う電磁弁36が備えられている。なお、乾燥エアはそれぞれのレギュレータにより例えば0.7MPa程度の圧力に調整される。
【0033】
それぞれの側部吹き出し部20、30の構成についてさらに詳細に説明する。それぞれの側部吹き出し部20、30は同じ構成を有しているため、代表して左側部吹き出し部20の構成を例として、図2A及び図2Bの模式説明図を用いて説明する。図2A及び図2Bに示すように、左側部吹き出し部20は、図示上方側の2つのノズル21及び22をそれぞれの軸心周りに回転させて、その回転方向を所定の間隔で切り替えることにより、それぞれのノズル21及び22からの乾燥エアの吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置の一例であるシリンダ機構29を備えている。このシリンダ機構29は、鉛直方向の往復移動を、リンクを介してノズル21、22の回転移動に変換し、吹き出し孔21a、22aを揺動(スイング)させることで、吹き出し方向の可変(スイング)動作を行う機能を有している。なお、ノズル23は固定されており、吹き出し方向のスイングは行われない。また、右側部吹き出し部30にも、シリンダ機構39が備えられている。
【0034】
次に、それぞれのヒータ12、40、50の構造について詳細に説明する。まず、循環用ヒータ40の模式平面図を図3に示す。図3に示すように、ヒータ40は、電気的絶縁性に優れた耐熱材料により形成され、乾燥エアを比較的低い圧力損失にて通過させるハニカム構造を有する通気孔部41と、この通気孔部41のコイル状に巻き回されて組み込まれた電熱線(図示せず)とを備える、いわゆるハニカム構造を有する複数のハニカムブロックヒータ42が組み合わせられて形成されている。このような構造のハニカムブロックヒータ42は、一般的何フィン式ヒータに比して圧力損失が少ないこと、さらに通過されるエアをその面内にて略均一に加熱することができることという利点を有している。なお、循環用ヒータ40と50は同じ構造を有している。また、図4に示すように、吹き出し用ヒータ12も、循環用ヒータ40と同様な構造を有しており、そのハニカムブロックヒータ42の組み合わせ個数を増やすことで、その加熱面積を確保している。なお、ヒータ40、50の加熱容量は、例えばそれぞれ3kW程度となっている。
【0035】
次に、それぞれの吹き出し部10、20、30に備えられているノズルの構造について詳細に説明する。それぞれの吹き出し部には、2重構造と1重構造の2つのタイプのノズルがある。上部吹き出し部10の全てのノズル11は2重構造タイプとなっており、その他、ノズル21及び31が2重構造タイプとなっている。一方、ノズル22、23、32、33は1重構造タイプとなっている。
【0036】
図5A及び図5Bに示すように、2重構造タイプのノズル(例えばノズル11)は、内管11bと外管11cとを備えている。内管11bには、その上方側に複数の吹き出し孔11dが形成されており、外管11cには、その下方側に複数の吹き出し孔11aが形成されている。内管11bにて供給された乾燥エアが、上方側の吹き出し孔11dを通して外管11cの内部へと導かれ、外管11cの内部にて内管11bを回り込むようにして、外管11cの吹き出し孔11aから乾燥エアが吹き出される。このような構成が採用されていることにより、それぞれの吹き出し孔11aから吹き出す乾燥エアの圧力を均一にすることができる。従って、このような2重構造タイプのノズルは、乾燥エアの噴き出し圧力を均一にさせることを目的として、主に乾燥処理空間Sの上方側に配置されている。
【0037】
これに対して、図6A及び図6Bに示すように、1重タイプのノズル(例えばノズル23)は、管23bに複数の吹き出し孔23aが形成された構造を有している。このような1重タイプのノズルは、乾燥処理空間Sにおいて、下方側に配置されており、主にキャリア5やキャリア受け部6に付着した水滴を飛ばす役割を担っている。なお、装置コストとしては上昇するが、1重タイプのノズルを全て2重タイプのノズルに置き換えるような装置構成を採用することも可能である。
【0038】
また、図1に示すように、ウェハ乾燥装置101には、それぞれの構成部の動作制御を互いに関連付けながら統括的に行う制御装置9が備えられている。制御装置9は、それぞれの電磁弁15、26、36の開閉動作を制御することで、それぞれの吹き出し部10、20、30から1又は複数の吹き出し部を選択して乾燥エアを吹き出す制御を行うことが可能となっている。また、このような選択的な吹き出し動作は、予めプログラム等により選択した吹き出し部や吹き出し順序、さらに吹き出し時間を設定しておくことで、制御することができる。また、制御装置9は、シリンダ機構29、39の動作やヒータ12、40、50の加熱動作の制御を行う。
【0039】
このような構成を有するウェハ乾燥装置101において、ウェハ1に対する乾燥処理を行う手順について、図7のフローチャート、及び図8A〜図8Dの模式説明図を用いて説明する。
【0040】
まず、図7のステップS1にて、乾燥チャンバ2内にキャリア5により支持された複数枚のウェハ1を搬入し、キャリア5をキャリア受け部6に固定する。その後、蓋部3を閉止して、排気口4を除いて乾燥処理空間Sを閉止する。
【0041】
次に、左側部吹き出し部20のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS2、図8A参照)。具体的には、電磁弁26を開とすることによりレギュレータ25にて調圧された乾燥エアが供給ライン24を通して供給されて、それぞれのノズル21、22、23からウェハ1に向けて吹き出される。このとき、シリンダ機構29によりノズル21、22のスイング動作が行われる。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に付着している水滴が飛ばされるとともに、主にノズル22、23からの吹き出しエアによりキャリア5に付着している水滴も飛ばされる。また、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲では、乱流が発生し、この乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成される。循環エアは循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、左側部吹き出し部20からの吹き出しが停止される(ステップS3)。なお、ウェハ1の表面から飛ばされた水滴は、乾燥エアの一部とともに排気口4から排出される。
【0042】
次に、上部吹き出し部10のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS4、図8B参照)。具体的には、電磁弁15を開とすることによりレギュレータ14にて調圧された乾燥エアが供給ライン13を通して供給されて、それぞれのノズル11からウェハ1に向けて吹き出される。この際に、吹き出された乾燥エアは、吹き出し用ヒータ12にて加熱される。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に残存している水滴が飛ばされるとともに、加熱されたエアによりその乾燥が促進される。さらに、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲にて発生する乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成される。循環エアは循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、上部吹き出し部10からの吹き出しが停止される(ステップS5)。
【0043】
次に、右側部吹き出し部30のみから、乾燥エアの吹き出しを開始する(ステップS6、図8C参照)。具体的には、電磁弁36を開とすることによりレギュレータ35にて調圧された乾燥エアが供給ライン34を通して供給されて、それぞれのノズル31、32、33からウェハ1に向けて吹き出される。このとき、シリンダ機構39によりノズル31、32のスイング動作が行われる。このような乾燥エアの吹き出しにより、ウェハ1の表面に僅かに残っている水滴が飛ばされるとともに、主にノズル32、33からの吹き出しエアによりキャリア5に残っている水滴も飛ばされる。また、乾燥処理空間Sの排気口4の周囲で発生する乱流によって循環通路R1、R2を通る循環エアの流れが形成され、循環エアが循環用ヒータ40、50により加熱されて、再びウェハ1に向かって吹き付けられ、ウェハ1の乾燥が促される。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、右側部吹き出し部30からの吹き出しが停止される(ステップS7)。
【0044】
その後、上部吹き出し部10、左側部吹き出し部20、及び右側部吹き出し部30の全てから、同時に乾燥エアの吹き出しが行われる(ステップS8、図8D参照)。全ての吹き出し部から乾燥エアがウェハ1に向かう方向で吹き出されることにより、ウェハ1に対して様々な方向からエアを吹き付けることができる。さらにこのような吹き出しエアにより、排気口4の周囲においてより大きな乱流が形成され、それに伴って循環エアの量も増大する。その結果、循環用ヒータ40、50を通してウェハ1に吹き付けられるエアの量も増大し、乾燥効果がさらに高められる。なお、この吹き付けの際に、それぞれのノズル21、22、31、及び32のスイング動作も行われる。制御装置9にて予め設定された時間が経過したことが確認されると、全ての吹き出し部10、20、30からの吹き出しが停止される(ステップS9)。
【0045】
その後、乾燥チャンバ2において、蓋部3が開放されて、キャリア受け部6へのキャリア5の固定が解除されて、それぞれのウェハ1がキャリア5に収容された状態で乾燥チャンバ2から搬出される(ステップS10)。これで、ウェハ1に対する乾燥処理が完了する。
【0046】
乾燥処理空間Sにおいては、それぞれの吹き出し部10、20、30から吹き出されたエアは、ウェハ1やキャリア5等に当たってその気流方向が複雑に変化されて、乱流が発生する。このような様々な方向の気流は、その全てが排気口4に向かうのではなく、一部の気流は側壁2a、2bに沿った上昇気流となるものと考えられる。特に、上部吹き出し部10からエアが吹き出されるような場合にあっては、上部吹き出し部10からの吹き出しエアに吸い込まれるような形で、このような上昇気流が再びキャリア5に支持されたウェハ1に向かう循環流路が形成されることになる。このような原理により乾燥処理空間Sにおいて、循環エアの流れが形成されることになる。なお、排気口4においては、排気手段による強制的な排気がなされている。
【0047】
上述の乾燥処理の手順においては、それぞれの側部吹き出し部20、30において、ノズルのスイング動作が行われるような場合について説明したが、このような場合に代えて、スイング動作を行わないような場合であってもよい。スイング動作を行う場合には、より様々な方向からエアの吹き付けを行うことができる。一方、スイング動作を行わない場合には、一定の方向でエアの吹き付けを行うことができる。乾燥処理対象となるウェハ1の大きさや仕様を考慮して、スイング動作を実施する/しないを選択することが望ましい。
【0048】
また、それぞれのノズル11、21、31等からのエアの吹き出しを間欠的に行うような場合であってもよい。このような間欠的な吹き出し動作は、電磁弁の開閉動作を繰り返すことで行われる。間欠的な吹き出しは、ウェハ1やキャリア5に付着している水滴の飛散効果を高めることができる。
【0049】
また、それぞれの吹き出し部10、20、30の順序は、様々なパターンを採用することができ、ウェハの大きさや仕様に応じて決定することができる。
【0050】
また、それぞれのノズル11、21、31等から吹き出される乾燥エアを加熱するヒータをノズル内に内蔵させることもできる。例えば、図9に示すノズル61では、遠赤外線ランプヒータ62をノズルの管部材63の内部に備えさせることで、管部材62内に供給される乾燥エアを加熱して、それぞれの吹き出し孔61aから吹き出すことができる。なお、このようなヒータとしては、その他、シーズヒータ、カートリッジヒータなどを採用することができる。このようにノズル内で乾燥エアを加熱することにより、供給ラインの途中で加熱するよりも温度降下を少なくすることができ、効率的に加熱された乾燥エアを吹き出すことができる。また、乾燥エアとしては、空気の他に、不活性ガス、例えばN2を用いることができる。
【0051】
また、乾燥エアの吹き付けによる各部材の帯電防止対策を採ることもできる。このような帯電防止対策としては、例えば、乾燥処理空間Sの上部付近に、ノズル方式またはブロアー方式の除電器を取り付けて静電気の除去を行うことができる。例えば、本実施形態の変形例にかかるウェハ乾燥装置201の模式構成図を図10に示す。図10に示すウェハ乾燥装置201の上部吹き出し部10には、ノズル方式除電器111が備えられている。このような構成を採用することにより、各部材の耐電防止対策を確実に採ることができる。
【0052】
また、図10に示すウェハ乾燥装置201においては、それぞれの循環通路R1、R2にて、より効果的な循環エアの流れを実現するために、循環通路案内板130が設けられている。具体的には、左側吹き出し部20と右側吹き出し部30のそれぞれの裏側に循環通路案内板130が配置され、循環通路案内板130とそれぞれの内側壁2a、2bにより囲まれた循環通路R1及びR2が形成されている。
【0053】
さらに、図10のウェハ乾燥装置201においては、水滴混入防止板119を傾斜させて配置することで、乾燥処理空間Sの中央部からそれぞれの循環通路R1、R2へのエアの流れを導くような構成が採用されている。このような構成を採用することにより、より積極的に循環エアの流れを形成することができ、ウェハの乾燥効率を向上させることができる。
【0054】
このような本実施形態のウェハ乾燥装置101、201によれば、ウェハ1に対して、上方、左方、及び右方から乾燥エアを吹き付けることができるため、ウェハ表面に付着した水滴を短時間で効果的に除去することができる。さらに、乾燥チャンバ2の内側壁2a、2bに沿って乾燥エアの一部が循環されるとともに、この循環されたエアをヒータ40、50にて加熱して、再びウェハ1に吹き付けるような構成が採用されているため、乾燥効率をさらに向上させることができる。特に、ヒータ40、50を乾燥チャンバ2内に設けているため、その発生される熱量の略全てを乾燥エアの加熱熱量として用いられることになるため、無駄の少ない効率的な加熱を行うことができる。
【0055】
さらに、それぞれの吹き出し部10、20、30を個別に順番に動作させて、まず比較的大きな水滴の除去を行った後、全ての吹き出し部10、20、30を同時に動作させて、循環エアの吹き付けによる効果を最大限に生かして、効率的な乾燥処理を行うことができる。特に、後者の乾燥処理では、MEMS等の微細かつ相対的に深いパターンの内部に滞留している水滴(水分)を除去して乾燥させることができ、このような微細なパターンを有するウェハに対する乾燥処理として効果的である。このような本実施形態のウェハ乾燥装置101を用いることで、従来の乾燥装置に比して乾燥時間を大幅に短縮する、例えば1/2程度の時間に短縮することができるとともに、微細なパターンを有するウェハに対して確実な乾燥を行うことができる。また、IPA等の溶剤を用いることが無いため、環境にやさしい装置を提供することができる。
【0056】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一の実施形態にかかるウェハ乾燥装置の模式構成図
【図2A】左側部吹き出し部の模式構成図
【図2B】左側部吹き出し部の模式構成図
【図3】循環用ヒータの模式平面図
【図4】吹き出し用ヒータの模式平面図
【図5A】2重構造のノズルの模式断面図
【図5B】2重構造のノズルの模式断面図
【図6A】1重構造のノズルの模式断面図
【図6B】1重構造のノズルの模式断面図
【図7】ウェハに対する乾燥処理のフローチャート
【図8A】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(左方吹き付け)
【図8B】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(上方吹き付け)
【図8C】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(右方吹き付け)
【図8D】ウェハに対する乾燥処理の模式説明図(全体吹き付け)
【図9】ヒータが内蔵されたノズルの模式断面図
【図10】上記実施例の変形例にかかるウェハ乾燥装置の模式構成図
【符号の説明】
【0058】
1 ウェハ
2 乾燥チャンバ
3 蓋部
4 排気口
5 キャリア
6 キャリア受け部
9 制御装置
10 上部吹き出し部
11 ノズル
12 吹き出し用ヒータ
19 水滴混入防止板
20 左側部吹き出し部
21〜23 ノズル
29 シリンダ機構
30 右側部吹き出し部
31〜33 ノズル
39 シリンダ機構
40、50循環用ヒータ
101、201 ウェハ乾燥装置
R1、R2 循環通路
S 乾燥処理空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置において、
乾燥処理空間をその内部に有する乾燥チャンバと、
上記乾燥処理空間内の中央部において上記複数の基板を支持する基板支持部と、
上記乾燥チャンバの上部に固定され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記基板支持部との間に配置され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの底部中央部に設けられ、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気を上記乾燥処理空間外で排気する排気口と、
上記乾燥チャンバ内において、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記基板支持部に向かわせる第1及び第2の乾燥用空気循環通路と、
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路上にそれぞれ配置され、循環される乾燥用空気を加熱する第1及び第2の循環用加熱ヒータとを備えることを特徴とする基板乾燥装置。
【請求項2】
上記第1の乾燥用空気循環通路は、一方の上記内側壁と上記第1の側部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の乾燥用空気循環通路は、他方の上記内側壁と上記第2の側部吹き出し部との間に配置され、
上記第1の循環用加熱ヒータは、上記第1の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の循環用加熱ヒータは、上記第2の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置される、請求項1に記載の基板乾燥装置。
【請求項3】
上記上部吹き出し部に吹き出される上記乾燥用空気を加熱する吹き出し用加熱ヒータがさらに備えられる、請求項1又は2に記載の基板乾燥装置。
【請求項4】
上記それぞれの加熱ヒータは、電気的絶縁性を有する耐熱材料により形成され、上記循環された乾燥用空気を通過させるハニカム構造の通気孔部と、上記それぞれの通気孔部を通過する上記乾燥用空気を加熱する電熱線とを有するハニカム構造のヒータである、請求項1から3のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項5】
上記第1及び第2の側部吹き出し部のそれぞれは、複数の吹き出しノズルと、少なくとも1つの上記吹き出しノズルを移動させて、その吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置とを備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項6】
上記それぞれの吹き出し部による上記乾燥用空気の吹き出しのタイミングを制御する制御装置をさらに備え、
上記制御装置は、上記上部吹き出し部、上記第1の側部吹き出し部、及び上記第2の側部吹き出し部を、予め設定された順序で設定された時間にて、個別に吹き出し動作を実施させた後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施させる、請求項1から5のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項7】
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路と上記上部吹き出し部との間に、隔壁が設けられている、請求項1から6のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項8】
上記乾燥チャンバの上記排気口と、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路との間に、上記基板より取り除かれた液滴が上記循環される乾燥用空気に混入することを抑制する液滴混入抑制部材が配置されている、請求項1から7のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項9】
洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥方法において、
その中央部に上記基板が配置される乾燥用空間をその内部に有する乾燥チャンバの上部に固定され、上記乾燥処理空間の中央部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記乾燥処理空間の中央部との間に配置され、上記中央部の上記基板に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部との上記それぞれの吹き出し部を、予め設定された順序で設定された吹き出し時間にて、個別に吹き出し動作を実施し、
その後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施して、上記基板に付着した液体を取り除いて乾燥させることを特徴とする基板乾燥方法。
【請求項10】
上記吹き出し部により吹き出された上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部中央部の排気口より排気しながら、残りの上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバ内において上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記中央部の上記基板に向かわせるように循環させる、請求項9に記載の基板乾燥方法。
【請求項11】
上記循環される乾燥用空気をその循環の経路にて加熱して、上記加熱された乾燥用空気を上記基板に向かわせる、請求項10に記載の基板乾燥方法。
【請求項1】
洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥装置において、
乾燥処理空間をその内部に有する乾燥チャンバと、
上記乾燥処理空間内の中央部において上記複数の基板を支持する基板支持部と、
上記乾燥チャンバの上部に固定され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記基板支持部との間に配置され、上記基板支持部に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部と、
上記乾燥チャンバの底部中央部に設けられ、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気を上記乾燥処理空間外で排気する排気口と、
上記乾燥チャンバ内において、上記それぞれの吹き出し部より吹き出された乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記基板支持部に向かわせる第1及び第2の乾燥用空気循環通路と、
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路上にそれぞれ配置され、循環される乾燥用空気を加熱する第1及び第2の循環用加熱ヒータとを備えることを特徴とする基板乾燥装置。
【請求項2】
上記第1の乾燥用空気循環通路は、一方の上記内側壁と上記第1の側部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の乾燥用空気循環通路は、他方の上記内側壁と上記第2の側部吹き出し部との間に配置され、
上記第1の循環用加熱ヒータは、上記第1の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置されて、上記第2の循環用加熱ヒータは、上記第2の側部吹き出し部と上記上部吹き出し部との間に配置される、請求項1に記載の基板乾燥装置。
【請求項3】
上記上部吹き出し部に吹き出される上記乾燥用空気を加熱する吹き出し用加熱ヒータがさらに備えられる、請求項1又は2に記載の基板乾燥装置。
【請求項4】
上記それぞれの加熱ヒータは、電気的絶縁性を有する耐熱材料により形成され、上記循環された乾燥用空気を通過させるハニカム構造の通気孔部と、上記それぞれの通気孔部を通過する上記乾燥用空気を加熱する電熱線とを有するハニカム構造のヒータである、請求項1から3のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項5】
上記第1及び第2の側部吹き出し部のそれぞれは、複数の吹き出しノズルと、少なくとも1つの上記吹き出しノズルを移動させて、その吹き出し方向を可変させる吹き出し方向可変装置とを備える、請求項1から4のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項6】
上記それぞれの吹き出し部による上記乾燥用空気の吹き出しのタイミングを制御する制御装置をさらに備え、
上記制御装置は、上記上部吹き出し部、上記第1の側部吹き出し部、及び上記第2の側部吹き出し部を、予め設定された順序で設定された時間にて、個別に吹き出し動作を実施させた後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施させる、請求項1から5のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項7】
上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路と上記上部吹き出し部との間に、隔壁が設けられている、請求項1から6のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項8】
上記乾燥チャンバの上記排気口と、上記第1及び第2の乾燥用空気循環通路との間に、上記基板より取り除かれた液滴が上記循環される乾燥用空気に混入することを抑制する液滴混入抑制部材が配置されている、請求項1から7のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
【請求項9】
洗浄液などの液体が付着した基板を乾燥させる基板乾燥方法において、
その中央部に上記基板が配置される乾燥用空間をその内部に有する乾燥チャンバの上部に固定され、上記乾燥処理空間の中央部に向けて乾燥用空気を吹き出す上部吹き出し部と、上記乾燥チャンバの互いに対向するそれぞれの内側壁と上記乾燥処理空間の中央部との間に配置され、上記中央部の上記基板に向けて乾燥用空気を吹き出す第1及び第2の側部吹き出し部との上記それぞれの吹き出し部を、予め設定された順序で設定された吹き出し時間にて、個別に吹き出し動作を実施し、
その後、上記それぞれの吹き出し部による吹き出し動作を同時に実施して、上記基板に付着した液体を取り除いて乾燥させることを特徴とする基板乾燥方法。
【請求項10】
上記吹き出し部により吹き出された上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバの底部中央部の排気口より排気しながら、残りの上記乾燥用空気の一部を、上記乾燥チャンバ内において上記乾燥チャンバの底部側から上記互いに対向するそれぞれの内壁部に沿って上昇させて、再び上記中央部の上記基板に向かわせるように循環させる、請求項9に記載の基板乾燥方法。
【請求項11】
上記循環される乾燥用空気をその循環の経路にて加熱して、上記加熱された乾燥用空気を上記基板に向かわせる、請求項10に記載の基板乾燥方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−244276(P2008−244276A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84719(P2007−84719)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(390005050)東邦化成株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(390005050)東邦化成株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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