説明

基板乾燥装置

【課題】従来よりも省スペース化、省電力化及び低価格を実現する。
【解決手段】基板洗浄乾燥装置Aは、上部が開口6aであり、垂直姿勢のプリント基板Pを当該開口6aから収容かつ排出する乾燥槽6と、当該乾燥槽6内のプリント基板Pに両面から圧縮空気を噴射する圧縮空気噴射ノズル7と、圧縮空気を発生するコンプレッサ8と、コンプレッサ8から導入された圧縮空気を圧縮空気噴射ノズル7に導入する分岐部10と、コンプレッサ8と後段の分岐部10との接続を開閉する開閉弁9と、乾燥槽6内のプリント基板6を両面から加温するヒータ11と、ヒータ11に電力を供給する電源12と、コンプレッサ8、開閉弁9、ヒータ11及び電源12を制御する制御部13とを具備し、圧縮空気噴射ノズル7は、プリント基板Pの乾燥槽6への進入方向においてヒータ11よりも手前に設けられている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリント基板は、エッチング処理等の化学処理によってパターン配線が形成され、このパターン配線により複数の電子部品を相互接続するものである。このようなプリント基板の製造装置の1つとして、穴あけ加工及びメッキ処理からなるスルーホール形成工程を経たプリント基板表面を洗浄乾燥する基板洗浄乾燥装置がある。この基板洗浄乾燥装置は、水平搬送されるプリント基板に洗浄乾燥処理を施すために、水洗い工程、仕上げ洗浄工程、絞り工程(スポンジが巻かれた対向する一対のローラで基盤表面の水分を取り除く工程)、エアカット工程(ブロアにより残った水分を飛ばす工程)、温風乾燥工程の各工程を実行する装置が水平かつ直線的に配置されている。プリント基板は、上記各工程を実行する装置に順番に搬送されることで洗浄される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術では、各工程を実行する装置が水平かつ直線的に配置されているので、どうしても大きなスペースが必要になってしまう。また、エアカット工程及び温風乾燥工程それぞれの装置には、風を発生させるブロア(送風機)を搭載しなければならないので、消費電力が大きくなるとともに、高価になってしまう。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも省スペース化、省電力化及び低価格化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、基板乾燥装置に係る第1の解決手段として、上部が開口であり、垂直姿勢の基板を当該開口から収容かつ排出する乾燥槽と、当該乾燥槽内の基板に両面から乾燥用空気を噴射する空気噴射手段と、前記乾燥槽内の基板を両面から加温する加温手段とを具備し、前記空気噴射手段は、前記基板の前記乾燥槽への進入方向において前記加温手段よりも手前に設けられているという手段を採用する。
【0006】
本発明では、基板乾燥装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記空気噴射手段は、前記乾燥槽内において垂直方向に搬送される前記基板の一方の面に対向するとともに水平方向に等間隔に配置された複数の第1の空気噴射ノズルと、当該基板の他方の面に対向するとともに水平方向に等間隔に配置された第2の空気噴射ノズルとを有し、前記第1の空気噴射ノズルと、前記第2の空気噴射ノズルとが、水平方向にオフセットしているという手段を採用する。
【0007】
本発明では、基板乾燥装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、空気噴射手段は、前記乾燥槽内における前記基板の搬送に応じて乾燥用空気を間欠的に噴射するという手段を採用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来のように複数のブロア(送風機)を備える構成ではなく、1つの空気噴射手段を備える構成にしているので、省電力化及び低価格化を実現することができる。また、本発明では、外観を構成する乾燥槽が垂直姿勢の基板を収容する構成になっているので、従来のように水平ではなく垂直に配置することができる。これにより、省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る基板洗浄乾燥装置Aの機能ブロック図である。
【図2】ハンガーHの正面図(a)及び側面図(b)である。
【図3】本発明の実施形態における圧縮空気噴射ノズル7の上面模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板洗浄乾燥装置Aの動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に基板洗浄乾燥装置Aは、プリント基板Pの製造工程において、前工程である穴あけ加工及びメッキ処理からなるスルーホール形成工程から搬入されたプリント基板Pに洗浄乾燥処理を施す装置である。このような基板洗浄乾燥装置Aは、図1に示すように、洗浄槽1、主洗浄水噴射ノズル2、主洗浄水ポンプ3、仕上げ洗浄水噴射ノズル4、仕上げ洗浄水ポンプ5、乾燥槽6、圧縮空気噴射ノズル7、コンプレッサ8、開閉弁9、分岐部10、ヒータ11、電源12及び制御部13から構成されている。
【0011】
なお、上記圧縮空気噴射ノズル7、コンプレッサ8、開閉弁9、分岐部10及び制御部13は、本実施形態における空気噴射手段を構成する。また、ヒータ11、電源12及び制御部13は、本実施形態における加温手段を構成する。また、上記プリント基板Pの搬送には、基板搬送装置Bが用いられる。基板搬送装置Bは、ハンガー式の搬送装置であり、スルーホール形成工程完了後に垂直状態かつ上端が支持される状態のプリント基板Pを基板洗浄乾燥装置Aまで搬送する。その際、プリント基板Pは、線材が網状に組まれた一対の網状部材からなるハンガーH(図2参照)に挟持された状態で搬送される。
【0012】
図1に戻り、洗浄槽1は、前工程であるスルーホール形成工程から基板搬送装置Bにより搬送されるプリント基板Pを洗浄するために使用される槽であり、上部の開口1aから基板搬送装置Bによって搬入された垂直姿勢のプリント基板Pを収容する。洗浄槽1内では、垂直姿勢のプリント基板Pが、基板搬送装置Bにより下方向に搬送され、洗浄完了後に上方向に搬送される。
【0013】
主洗浄水噴射ノズル2は、洗浄槽1の内側かつ、プリント基板Pの洗浄槽1への進入方向において仕上げ洗浄水噴射ノズル4より手前に設けられ、主洗浄水ポンプ3から供給される主洗浄水を洗浄槽1内に向かって噴射する。主洗浄水は、プリント基板Pの両面に噴射され、プリント基板Pを洗浄する。
主洗浄水ポンプ3は、制御部13から入力される制御指令に基づいて主洗浄水を汲み上げ、主洗浄水噴射ノズル2に供給する。
【0014】
仕上げ洗浄水噴射ノズル4は、洗浄槽1の内側かつ、プリント基板Pの洗浄槽1への進入方向において主洗浄水噴射ノズル2より後ろ側に設けられ、仕上げ洗浄水ポンプ5から供給される仕上げ洗浄水を洗浄槽1内に向かって噴射する。プリント基板Pは、この仕上げ洗浄水によって仕上げ洗浄される。
仕上げ洗浄水ポンプ5は、制御部13から入力される制御指令に基づいて仕上げ洗浄水を汲み上げ、仕上げ洗浄水噴射ノズル4に供給する。
【0015】
乾燥槽6は、洗浄槽1における洗浄完了後にプリント基板Pを乾燥するために使用される槽であり、上部の開口6aから基板搬送装置Bによって搬入された垂直姿勢のプリント基板Pを収容する。乾燥槽6内では、垂直姿勢のプリント基板Pが、乾燥処理の間基板搬送装置Bにより垂直方向に搬送、すなわち、乾燥処理の間上下方向に繰り返し搬送された後に、乾燥処理が完了すると、上部の開口6aから搬出される。
【0016】
圧縮空気噴射ノズル7は、乾燥槽6の内側かつ、プリント基板Pの乾燥槽6への進入方向においてヒータ11より手前に設けられ、コンプレッサ8から供給される圧縮空気(乾燥用空気)を乾燥槽6内に向かって噴射する。圧縮空気噴射ノズル7は、図3に示すように、第1のノズル管7a、第1の圧縮空気噴射ノズル(第1の空気噴射ノズル)7b、第2のノズル管7c及び第2の圧縮空気噴射ノズル(第2の空気噴射ノズル)7dから構成されている。
【0017】
第1のノズル管7aは、分岐部10から導入された圧縮空気を複数の第1の圧縮空気噴射ノズル7bに導入する配管であり、図3に示すように、水平方向に延在するとともに第2のノズル管7cに対向するように配置されている。
第1の圧縮空気噴射ノズル7bは、第1のノズル管7aに設けられた複数のノズルであり、第1のノズル管7aから導入された圧縮空気を噴射する。第1の圧縮空気噴射ノズル7bは、図3に示すように、乾燥槽6内において垂直方向に搬送されるプリント基板Pの一方の面に対向するとともに、第1のノズル管7aに沿って水平方向に等間隔に配置されている。
【0018】
第2のノズル管7cは、分岐部10から導入された圧縮空気を複数の第2の圧縮空気噴射ノズル7dに導入する配管であり、図3に示すように、水平方向に延在するとともに第1のノズル管7aに対向するように配置されている。
第2の圧縮空気噴射ノズル7dは、第2のノズル管7cに設けられた複数のノズルであり、第2のノズル管7cから導入された圧縮空気を噴射する。第2の圧縮空気噴射ノズル7dは、図3に示すように、乾燥槽6内において垂直方向に搬送されるプリント基板Pの他方の面に対向するとともに、第2のノズル管7cに沿って水平方向に等間隔に配置されている。この第2の圧縮空気噴射ノズル7dは、上記第1の圧縮空気噴射ノズル7bと水平方向にオフセットしている。
【0019】
コンプレッサ8は、制御部13から入力される制御指令に基づいて空気を圧縮し、圧縮空気を開閉弁9に向けて吐出する。
開閉弁9は、コンプレッサ8と後段の分岐部10との接続を開閉する制御バルブである。開閉弁9は、制御部13から入力される制御指令に基づいて開状態になることにより、コンプレッサ8から吐出される圧縮空気を分岐部10に導入し、閉状態になることにより、分岐部10への圧縮空気の導入を停止する。
分岐部10は、開閉弁9から導入された圧縮空気を第1のノズル管7a及び第2のノズル管7c各々に分配する。
【0020】
ヒータ11は、乾燥槽6の内側かつ、プリント基板Pの乾燥槽6への進入方向において圧縮空気噴射ノズル7より後ろ側に設けられ、電源12から供給される電力に基づいてプリント基板Pを両面から加温する。
電源12は、制御部13から入力される制御指令に基づいてヒータ11の加温温度が所定温度になるように電力をヒータ11に供給する。
【0021】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの電子部品から構成されており、上記ROMに記憶された制御プログラムに基づいて基板洗浄乾燥装置Aの全体動作を制御する。なお、ROMに記憶されている制御プログラムには乾燥処理プログラムが含まれており、制御部13はこの乾燥処理プログラム基づいてプリント基板Pの乾燥処理を制御する。
【0022】
次に、上記構成の本実施形態に係る基板洗浄乾燥装置Aの動作について説明する。
基板洗浄乾燥装置Aでは、プリント基板Pが洗浄槽1に搬入されると、制御部13の制御指令の下、主洗浄水ポンプ3が主洗浄水を主洗浄水噴射ノズル2に供給することにより、主洗浄水噴射ノズル2は下方向に搬送されるプリント基板Pの両面に主洗浄水を噴射する。
【0023】
そして、プリント基板Pが主洗浄水噴射ノズル2を通過して仕上げ洗浄水噴射ノズル4に到達すると、制御部13の制御指令の下、仕上げ洗浄水ポンプ5が仕上げ洗浄水を仕上げ洗浄水噴射ノズル4に供給することにより、仕上げ洗浄水噴射ノズル4は下方向に搬送されるプリント基板Pの両面に仕上げ洗浄水を噴射する。
基板搬送装置Bは、洗浄槽1における洗浄処理が完了すると、プリント基板Pを洗浄槽1の上部の開口1aから搬出した後に乾燥槽6の真上に搬送し、このプリント基板Pを下方向に搬送することで乾燥槽6の上部の開口6aから搬入する。
【0024】
基板洗浄乾燥装置Aでは、プリント基板Pが乾燥槽6に搬入されると、制御部13の制御指令の下、コンプレッサ8が圧縮空気を開閉弁9に向けて吐出するとともに、開閉弁9が開状態になる。これにより、圧縮空気が分岐部10を介して第1のノズル管7a及び第2のノズル管7cに導入され、第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dは、下方向に搬送されるプリント基板Pの両面に圧縮空気を噴射する。
【0025】
この際、制御部13は、開閉弁9の開状態と閉状態とを制御することで、圧縮空気が第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dから間欠的に噴射されるように制御を行う。つまり、制御部13は、所定間隔(噴射間隔)毎に所定時間(噴射時間)圧縮空気が噴射されるように制御を行う。例えば、圧縮空気を0.1秒間噴射するとプリント基板P表面の直径30mmの範囲の水滴が吹き飛ぶとすると、プリント基板Pの垂直方向の搬送速度が20mm/秒である時に、圧縮空気を1.5秒毎に0.1秒間噴射するようにすれば、プリント基板P全体の水滴を吹き飛ばすことができる。
【0026】
そして、基板洗浄乾燥装置Aでは、圧縮空気が噴射された後に、プリント基板Pが第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dを通過してヒータ11に到達すると、制御部13の制御指令の下、電源12が電力をヒータ11に供給することにより、ヒータ11は、下方向に搬送されるプリント基板Pの両面を加温する。
【0027】
その後、基板搬送装置Bは、プリント基板Pがヒータ11を通過すると、下方向への搬送から上方向への搬送に切り替え、上方向に搬送されるプリント基板Pが第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dに到達すると、上方向の搬送から下方向の搬送に切り替える。基板搬送装置Bは、乾燥処理の間、この上下方向の搬送を繰り返す。
【0028】
その間、基板洗浄乾燥装置Aにおいて、制御部13は、プリント基板Pが第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dに到達すると、圧縮空気が第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dから間欠的に噴射されるように制御し、プリント基板Pがヒータ11に到達すると、ヒータ11にプリント基板Pを両面から加温させる。上記動作を繰り返すことによりプリント基板Pを乾燥させることができる。そして、基板搬送装置Bは、乾燥槽6における乾燥処理が完了すると、プリント基板Pを乾燥槽6の上部の開口6aから搬出する。
【0029】
このように、圧縮空気を間欠的に噴射させることで、消費電力及び圧縮空気の噴射量を少なくできるとともにコンプレッサの小型化が可能になる。また、第1の圧縮空気噴射ノズル7bと、第2の圧縮空気噴射ノズルとがオフセットしていることで、第1の圧縮空気噴射ノズル7bから噴射された圧縮空気と、第2の圧縮空気噴射ノズル7dから子噴射された圧縮空気とが干渉することなくハンガーHに吹き付けられるので、例えば、プリント基板Pのスルーホールに入り込んだ水滴をお互いの圧縮空気が干渉することなく吹き飛ばすことができる。
【0030】
また、制御部13の制御指令の下、噴射時間を変化させるようにしてもよい。例えば、ハンガーHの上側パイプ21及び下側パイプ22(図2参照)が第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dを通過している間は、圧縮空気の噴射時間を長くし、プリント基板Pが通過している間は噴射時間を短くする。これにより、乾きにくいハンガーHの上側パイプ21及び下側パイプ22に対する圧縮空気の噴射量を増やし、乾かしやすいプリント基板Pに対する圧縮空気の噴射量を減らして、無駄な圧縮空気を少なくすることができる。
【0031】
また、図4(a)に示すように、第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dのノズル間に垂直方向に水滴Dが残る場合には、図4(b)に示すように、第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dを左右方向、すなわちプリント基板Pの搬送方向に対して直角かつプリント基板Pに平行な方向に移動させるようにしてもよい。第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dから噴射された圧縮空気は、プリント基板P上に広がり、隣り合う圧縮空気と衝突する。しかし、圧縮空気が衝突する場所では、水滴Dが集まって残ってしまう。
【0032】
この水滴は、ヒータ加熱により乾燥することができるが、図4(b)に示すように第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dを左右方向に移動させてから圧縮空気を噴射することで水滴Dを吹き飛ばし、より短時間で乾燥することができる。また、第1の圧縮空気噴射ノズル7b及び第2の圧縮空気噴射ノズル7dを移動させる代わりに、プリント基板Pを左右方向に移動させてから圧縮空気を噴射するようにしてもよい。
なお、本実施形態における圧縮空気は、一般的な工場における既存設備で生成可能な0.7MPa程度のもので良く、専用のコンプレッサを使用しなくても0.7MPa程度の圧縮空気を生成できるのであれば、コンプレッサを使用しなくてもよい。
【0033】
以上のように、本実施形態は、従来のように個別の装置それぞれにブロア(送風機)を備える構成ではなく、圧縮空気噴射ノズル7、コンプレッサ8、開閉弁9、分岐部10及び制御部13により構成される1つの空気噴射手段を備える構成にしているので、省電力化及び低価格化を実現することができる。また、本実施形態では、外観を構成する乾燥槽6が垂直姿勢のプリント基板Pを収容する構成になっているので、従来のように水平ではなく垂直に配置することができる。これにより、省スペース化を実現することができる。具体的に、従来の装置では、乾燥に必要な消費電力は約12kwであったが、本実施形態によれば、4kwに節電で乾燥することができるとともに、装置サイズ及び価格も、従来より半分程度に削減することが可能である。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、プリント基板Pに圧縮空気に噴射したが、圧縮空気をプリント基板Pに噴射するのではなく、発生させた風をプリント基板Pに吹き付けるようにしてもいい。
【符号の説明】
【0035】
A…基板洗浄乾燥装置、B…基板搬送装置、H…ハンガー、P…プリント基板、D…水滴、1…洗浄槽、2…主洗浄水噴射ノズル、3…主洗浄水ポンプ、4…仕上げ洗浄水噴射ノズル、5…仕上げ洗浄水ポンプ、6…乾燥槽、7…圧縮空気噴射ノズル、8…コンプレッサ、9…開閉弁、10…分岐部、11…ヒータ、12…電源、13…制御部、1a…開口、6a…開口、7a…第1のノズル管、7b…第1の圧縮空気噴射ノズル、7c…第2のノズル管、7d…第2の圧縮空気噴射ノズル、21…上側パイプ、22…下側パイプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口であり、垂直姿勢の基板を当該開口から収容かつ排出する乾燥槽と、
当該乾燥槽内の基板に両面から乾燥用空気を噴射する空気噴射手段と、
前記乾燥槽内の基板を両面から加温する加温手段とを具備し、
前記空気噴射手段は、前記基板の前記乾燥槽への進入方向において前記加温手段よりも手前に設けられていることを特徴とする基板乾燥装置。
【請求項2】
前記空気噴射手段は、前記乾燥槽内において垂直方向に搬送される前記基板の一方の面に対向するとともに水平方向に等間隔に配置された複数の第1の空気噴射ノズルと、当該基板の他方の面に対向するとともに水平方向に等間隔に配置された第2の空気噴射ノズルとを有し、
前記第1の空気噴射ノズルと、前記第2の空気噴射ノズルとが、垂直方向にオフセットしていることを特徴とする請求項1に記載の基板乾燥装置。
【請求項3】
空気噴射手段は、前記乾燥槽内における前記基板の搬送に応じて乾燥用空気を間欠的に噴射することを特徴とする請求項1または2に記載の基板乾燥装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−148237(P2012−148237A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8704(P2011−8704)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000232357)横河電子機器株式会社 (109)
【Fターム(参考)】