説明

基板仕分け装置

【課題】搬送先が異なる基板が混在する場合であっても、搬送経路の外に基板を移動させずに搬送ラインにおける基板の滞留を抑制すること。
【解決手段】2種類の基板A101、基板B101が搬入される搬送ライン3と、基板A101に対する処理を行うプロセス装置9との間に、ランダムアクセスバッファ装置5を介設する。そして、搬送ライン3に搬入した基板A101、基板B101を、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に順次挿入する。搬出側の基板支持機構12では、基板A101のみを保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置9に払い出す。保持部11から基板A101を全て払い出したならば、プロセス装置9を、基板B101に対する処理を行うものに入れ替えて、残る基板B101を全て保持部11からプロセス装置9に払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の搬送ラインからその下流の処理装置に基板を搬送する基板仕分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体の基板をプロセス装置等の処理装置に搬送する枚葉搬送ラインにおける基板の滞留の対策としては、基板を一時的に保管するバッファ装置を利用するのが効果的である。従来から提案されているバッファ装置には、昇降するカセット式のラックと搬送ラインとの間でアームやフォークにより基板を移送するものや(例えば、特許文献1)、搬送ライン上に昇降式のラックを組み込んだインラインバッファ装置(例えば、特許文献2)がある。
【0003】
ラックと搬送ラインとの間で基板を移送するバッファ装置の場合は、搬送ライン上の基板にアクセスするために、搬送ラインとは別にアームやフォークを必要とし、また、ラックの各段に対して基板を出し入れするために、ラックを昇降させる機構が必要となる。これらの構成を連動させなければならないバッファ装置は複雑で大がかりなものとなる。また、搬送経路の外にあるラックに対して基板を受け渡す必要があるため、その際に基板が損傷しないようにするための対策も必要となる。
【0004】
これに対し、インラインバッファ装置の場合は、搬送ライン上に組み込まれるため、アームやフォークが不要であり装置の複雑化を避けることができる。また、基板のバッファリングを搬送ライン上で行うことから、搬送経路の外にあるラックに対する基板の受け渡しとその際の基板損傷対策とを不要とすることができる。以上の点でインラインバッファ装置は先のバッファ装置よりも利点がある。しかし、ラックを一段ずつ昇降させながら基板を出し入れするので、ラックに対する基板の出し入れが先入れ後出し方式となってしまう。このため、搬送先が異なる基板が混在する場合は、搬送先別に基板を仕分ける工程を別途設けなければならない。
【0005】
基板を搬送先別に仕分ける際には、例えばクロスコンベヤを用いることができる(例えば、特許文献3)。しかし、仕分けした基板が仕分け先の搬送ライン上で滞留すると、やがて、滞留した基板の列がクロスコンベヤを超えてその手前にまで達し、基板が滞留していない搬送ラインにも基板を仕分けられなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3892494号公報
【特許文献2】特開2007−15789号公報
【特許文献3】特開2006−312507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような枚葉搬送ラインにおける基板の滞留を抑制するに当たっては、搬送経路の外に基板を移動させる必要がなく、かつ、搬送先が異なる基板が混在する場合でも適切に対応できる構成とすることが望ましい。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、搬送先が異なる基板が混在する場合であっても、搬送経路の外に基板を移動させずに搬送ラインにおける基板の滞留を抑制することができる基板仕分け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の基板仕分け装置は、
基板の搬送ラインからその下流の処理装置に、該処理装置によって処理する種類の基板を選別して搬送する基板仕分け装置であって、
前記搬送ラインと前記処理装置との間に介設されて基板を一時的に保持するバッファ装置を備えており、
前記バッファ装置が、基板を保持する複数の保持部のうち任意の保持部に前記搬送ラインから基板を受け入れ、かつ、任意の保持部から基板を前記処理装置に払い出すことが可能なランダムアクセスバッファ装置であり、
前記ランダムアクセスバッファ装置が、前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記処理装置によって処理する種類の基板を選別して該処理装置に払い出す、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載した本発明の基板仕分け装置によれば、搬送ラインから処理装置に基板を搬送する際に、ランダムアクセスバッファ装置に受け入れた基板のうち処理装置によって処理する種類の基板が、ランダムアクセスバッファ装置から選別して処理装置に払い出される。
【0011】
なお、処理装置によって処理しない種類の基板は、例えば、ランダムアクセスバッファ装置に受け入れたまま保持させておくことができる。そして、受け入れたままランダムアクセスバッファ装置に保持させた他の種類の基板は、例えば、その種類の基板を処理する装置に処理装置が交換された際に、ランダムアクセスバッファ装置から選別して払い出すことができる。
【0012】
したがって、搬送ラインにより搬送される基板を一時的に保持するバッファ処理と、処理装置で処理する種類の基板を選別する仕分け処理とを、ランダムアクセスバッファ装置において両方実現することができる。このため、搬送先が異なる基板が搬送ラインに混在していても、搬送ラインからライン外に基板を移動させずに基板の滞留を確実に抑制することができる。
【0013】
また、請求項2に記載した本発明の基板仕分け装置は、請求項1に記載した本発明の基板仕分け装置において、前記搬送ラインの下流の位置を含む複数の位置間で前記ランダムアクセスバッファ装置を移動させる移動ユニットをさらに備えており、前記処理装置が、前記複数の位置のうち所定位置の下流に配置されており、前記ランダムアクセスバッファ装置は、前記搬送ラインの下流の位置において該搬送ラインから前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記処理装置によって処理する種類の基板を選別して、前記所定位置において前記処理装置に払い出すことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載した本発明の基板仕分け装置によれば、請求項1に記載した本発明の基板仕分け装置において、移動ユニットによって搬送ラインの下流の位置に移動されたランダムアクセスバッファ装置が、複数の種類が混在した基板を搬送ラインから各保持部に受け入れる。また、移動ユニットによって所定位置に移動されたランダムアクセスバッファ装置が、各保持部に受け入れた基板のうち処理装置によって処理する種類の基板を選別して払い出す。
【0015】
なお、処理装置によって処理しない種類の基板は、移動ユニットによって所定位置以外の位置に移動されたランダムアクセスバッファ装置によって、種類別に選別して払い出すことができる。例えば、ランダムアクセスバッファ装置が移動した所定位置以外の位置の下流に他の搬送ラインが配置されている場合は、その搬送ラインにおいて搬送する対象の種類の基板を選別して払い出すことができる。
【0016】
したがって、ランダムアクセスバッファ装置を移動ユニットによって適宜移動させることで、ランダムアクセスバッファ装置に受け入れた基板を種類別にそれぞれの搬送先に仕分けることができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載した本発明の基板仕分け装置は、請求項2に記載した本発明の基板仕分け装置において、前記複数の位置のうち前記所定位置とは異なる位置の下流に配置され、前記処理装置とは処理する基板の種類が異なる他の処理装置をさらに備えており、前記ランダムアクセスバッファ装置が、前記搬送ラインから前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記他の処理装置によって処理する種類の基板を選別して、前記所定位置とは異なる位置において前記他の処理装置に払い出すことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載した本発明の基板仕分け装置によれば、請求項2に記載した本発明の基板仕分け装置において、移動ユニットによって所定位置とは異なる位置に移動されたランダムアクセスバッファ装置が、各保持部に受け入れた基板のうち他の処理装置によって処理する種類の基板を選別して払い出す。
【0019】
したがって、ランダムアクセスバッファ装置を移動ユニットによって適宜移動させることで、ランダムアクセスバッファ装置に受け入れた基板を種類別にそれぞれの基板に対する処理を行う処理装置に仕分けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の基板仕分け装置によれば、搬送先が異なる基板が混在する場合であっても、搬送ラインからライン外に基板を移動させずに搬送ラインにおける基板の滞留を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板仕分け装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1のランダムアクセスバッファ装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の基板仕分け装置の動作を示す平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る基板仕分け装置の概略構成を示す平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る基板仕分け装置の概略構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態に係る基板仕分け装置の構成を示す平面図である。図1中引用符号1で示す本実施形態の基板仕分け装置は、複数種類の基板101が混在して搬送される搬送ライン3と、搬送ライン3上の基板101を仕分けるランダムアクセスバッファ装置5とを有している。
【0024】
搬送ライン3は複数のコンベアCV,CV,…で構成されており、図中一番左の搬入側のコンベアCVから基板101が搬入される。また、搬送ライン3の図中一番右の搬出側のコンベアCVには、ランダムアクセスバッファ装置5の搬入側が接続されている。ランダムアクセスバッファ装置5の下流側にはプロセス装置9(請求項中の処理装置に相当)が配置されている。プロセス装置9の上流側及び下流側には、基板101の搬入用と搬出用の各コンベアCVが接続されている。ランダムアクセスバッファ装置5は、搬送ライン3上の基板101を、プロセス装置9で処理する種類の基板101とプロセス装置9で処理しない種類の基板101とに仕分ける。
【0025】
図2はランダムアクセスバッファ装置5の具体的な構成を示す斜視図である。図2に示すようにランダムアクセスバッファ装置5は、基板101を保持する複数の保持部11の両側側に昇降可能な基板支持機構12を備えており、この基板支持機構12により、複数の保持部11のうちの任意の保持部11への基板101の挿入が可能であって、かつ、保持している複数の基板101のうちの任意の基板の取り出しが可能に構成されている。基板支持機構12は、制御装置によって制御される。
【0026】
なお、このランダムアクセスバッファ装置の構成については、本願出願人が先に提案した特開2005−170675公報及び特開2005−175429公報に記載されている。
【0027】
図2のランダムアクセスバッファ装置5を用いた図1の基板仕分け装置1では、搬送ライン3の搬入側のコンベアCVに搬入した基板101を、搬送ライン3の搬出側のコンベアCVから受け取って、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に順次挿入する。その際、基板101に貼付したICタグを読み取る等して、基板101の種類を判別する。以後の説明においては、搬送ライン3に2種類の基板A101、基板B101が搬入されるものとする。また、図1のプロセス装置9では基板A101に対する処理を行うものとする。
【0028】
2種類の基板A101及び基板B101が保持部11に順次挿入されたランダムアクセスバッファ装置5では、搬出側の基板支持機構12によって基板A101のみを保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置9に払い出す。このとき、基板A101のプロセス装置9への払い出しは、プロセス装置9による基板A101の処理ペースに合わせたペースで行う。
【0029】
したがって、プロセス装置9で処理しない基板B101や、プロセス装置9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101は、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に空きがある限り一時的に保持(バッファリング)される。
【0030】
ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11から基板A101が全て払い出されて、保持部11が基板B101のみとなったならば、プロセス装置9を、基板A101に対する処理を行うものから基板B101に対する処理を行うものに入れ替える。
【0031】
そして、図3の説明図に示すように、ランダムアクセスバッファ装置5の搬出側の基板支持機構12によって基板B101を保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置9に払い出す。これと並行して、搬送ライン3に搬入された基板A101や基板B101を、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に挿入する。
【0032】
したがって、プロセス装置9で処理しない基板A101や、プロセス装置9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板B101は、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に空きがある限り一時的に保持(バッファリング)される。
【0033】
ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11から基板B101が全て払い出されて、保持部11が基板A101のみとなったならば、プロセス装置9を、基板B101に対する処理を行うものから基板A101に対する処理を行うものに再び入れ替える。
【0034】
そして、図1の説明図に示すように、ランダムアクセスバッファ装置5の搬出側の基板支持機構12によって基板A101を保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置9に払い出す。これと並行して、搬送ライン3に搬入された基板A101や基板B101を、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に挿入する。
【0035】
以上の動作を、搬送ライン3への基板A101や基板B101の搬入が終了するまで繰り返す。搬送ライン3への基板A101や基板B101の搬入が終了したならば、この時点でランダムアクセスバッファ装置5に接続されているプロセス装置9に対して、そのプロセス装置9で処理する基板A101(又は基板B101)の払い出しを終了させる。ここで、そのプロセス装置9で処理しない基板B101(又は基板A101)が保持部11に残っている場合は、プロセス装置9の入れ替えを行った後、保持部11に残っている基板B101(又は基板A101)をプロセス装置9に全て払い出す。
【0036】
以上のように構成した本実施形態の基板仕分け装置1によれば、例えば、基板A101に対する処理を行うプロセス装置9がランダムアクセスバッファ装置5に接続されている場合に、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に挿入した2種類の基板A101及び基板B101のうち、プロセス装置9で処理しない基板B101を、ランダムアクセスバッファ装置5でそのまま保持して基板A101と仕分けることができる。
【0037】
これと同時に、プロセス装置9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101をランダムアクセスバッファ装置5に一時的に保持(バッファリング)して、プロセス装置9の手前に基板A101や基板B101が滞留するのを防ぐことができる。
【0038】
同様に、本実施形態の基板仕分け装置1によれば、例えば、基板B101に対する処理を行うプロセス装置9がランダムアクセスバッファ装置5に接続されている場合に、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に挿入した2種類の基板A101及び基板B101のうち、プロセス装置9で処理しない基板A101を、ランダムアクセスバッファ装置5でそのまま保持して基板B101と仕分けることができる。
【0039】
これと同時に、プロセス装置9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板B101をランダムアクセスバッファ装置5に一時的に保持(バッファリング)して、プロセス装置9の手前に基板A101や基板B101が滞留するのを防ぐことができる。
【0040】
このため、搬送先が異なる2種類の基板A101及び基板B101が搬送ライン3に混在していても、搬送ライン3からライン外に基板A101及び基板B101を移動させずに、基板A101及び基板B101の滞留を確実に抑制することができる。
【0041】
なお、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11から基板A101が全て払い出されて、保持部11が基板B101のみとなったとき、基板B101がプロセス装置での処理を必要としないものである場合は、基板A101に対する処理を行うプロセス装置9をコンベアCVに交換すればよい。プロセス装置9をコンベアCVに交換した後は、ランダムアクセスバッファ装置5の搬出側の基板支持機構12によって基板B101を保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVやそれに続くコンベヤCVに払い出すことになる。勿論これと並行して、搬送ライン3に搬入された基板A101や基板B101を、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に挿入する。
【0042】
また、上述した実施形態では、ランダムアクセスバッファ装置5が固定式である場合について説明したが、ランダムアクセスバッファ装置5を移動式とすることもできる。そのように構成したのが、図4の平面図で示す本発明の他の実施形態に係る基板仕分け装置である。
【0043】
図4中引用符号1Aで示す本実施形態の基板仕分け装置では、基板A101に対する処理を行うプロセス装置A9と基板B101に対する処理を行うプロセス装置B9とを同時に運用する。そのために、本実施形態の基板仕分け装置は、ランダムアクセスバッファ装置5を第1位置と第2位置との相互間で移動させる移動ユニット13を有している。この移動ユニット13は、例えば、ランダムアクセスバッファ装置5を載置したスライダをレール上でモータ等により移動させるものである。
【0044】
本実施形態のランダムアクセスバッファ装置5は、移動ユニット13により第1位置と第2位置との間を移動する。第1位置(請求項中の「搬送ラインの下流の位置」及び「所定位置」に相当)では、搬入側の基板支持機構12が搬送ライン3の搬出側のコンベアCVから基板A101や基板B101を受け取ることができる。また、第1位置では、搬出側の基板支持機構12がプロセス装置A9の搬入用のコンベアCVに基板A101を払い出すことができる。第2位置(請求項中の「所定位置とは異なる位置」に相当)では、搬出側の基板支持機構12がプロセス装置A9の搬入用のコンベアCVに基板A101を払い出すことができる。
【0045】
図4の基板仕分け装置1Aでは、移動ユニット13によりランダムアクセスバッファ装置5を第1位置に移動させる。そして、搬送ライン3の搬入側のコンベアCVに搬入した基板A101や基板B101を、搬送ライン3の搬出側のコンベアCVから受け取って、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に順次挿入する。その際、基板A101や基板B101に貼付したICタグを読み取る等して、基板A101や基板B101の種類を判別する。
【0046】
基板A101や基板B101が保持部11に順次挿入されたランダムアクセスバッファ装置5では、第1位置にいる間、搬出側の基板支持機構12によって基板A101のみを保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置A9に払い出す。このとき、基板A101のプロセス装置A9への払い出しは、プロセス装置A9による基板A101の処理ペースに合わせたペースで行う。
【0047】
したがって、プロセス装置A9で処理しない基板B101や、プロセス装置A9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101は、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に空きがある限り一時的に保持(バッファリング)される。
【0048】
搬送ライン3への基板A101や基板B101の搬入が終了したならば、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11から基板A101が全て払い出されて、保持部11が基板B101のみとなった時点で、移動ユニット13によりランダムアクセスバッファ装置5を第1位置から第2位置に移動させる。そして、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に残っている基板B101を搬出側の基板支持機構12によって取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置B9に払い出す。
【0049】
以上のように構成した本実施形態の基板仕分け装置1Aによれば、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に挿入した2種類の基板A101及び基板B101のうち、基板A101を第1位置においてプロセス装置A9に払い出し、基板B101を第2位置においてプロセス装置B9に払い出すことで、2種類の基板A101及び基板B101を仕分けることができる。
【0050】
これと同時に、プロセス装置A9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101をランダムアクセスバッファ装置5に一時的に保持(バッファリング)して、プロセス装置A9の手前に基板A101や基板B101が滞留するのを防ぐことができる。
【0051】
このため、搬送先が異なる2種類の基板A101、基板B101が搬送ライン3に混在していても、搬送ライン3からライン外に基板A101や基板B101を移動させずに、基板A101や基板B101の滞留を確実に抑制することができる。
【0052】
なお、図4の実施形態では、ランダムアクセスバッファ装置5が第1位置と第2位置との間を移動する構成を、2種類のプロセス装置A9及びプロセス装置B9に対してそれぞれの処理対象の基板A101及び基板B101を仕分けるのに利用した場合について説明した。しかし、プロセス装置A9しか存在しない場合にも、ランダムアクセスバッファ装置5が第1位置と第2位置との間を移動する構成を利用することができる。
【0053】
図5はそのように構成した本発明のさらに他の実施形態に係る基板仕分け装置の平面図である。図5中引用符号1Bで示す本実施形態の基板仕分け装置では、ランダムアクセスバッファ装置5の第2位置の下流に、複数のコンベアCV,CV,…によるバイパスラインVPを配置している。
【0054】
図5の基板仕分け装置1Bでは、移動ユニット13によりランダムアクセスバッファ装置5を第1位置に移動させる。そして、搬送ライン3の搬入側のコンベアCVに搬入した基板A101や基板B101を、搬送ライン3の搬出側のコンベアCVから受け取って、搬入側の基板支持機構12によってランダムアクセスバッファ装置5の空いている保持部11に順次挿入する。その際、基板A101や基板B101に貼付したICタグを読み取る等して、基板A101や基板B101の種類を判別する。
【0055】
基板A101や基板B101が保持部11に順次挿入されたランダムアクセスバッファ装置5では、第1位置にいる間、搬出側の基板支持機構12によって基板A101のみを保持部11から取り出して、搬入用のコンベアCVを介してプロセス装置A9に払い出す。このとき、基板A101のプロセス装置A9への払い出しは、プロセス装置A9による基板A101の処理ペースに合わせたペースで行う。
【0056】
したがって、プロセス装置A9で処理しない基板B101や、プロセス装置A9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101は、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に空きがある限り一時的に保持(バッファリング)される。
【0057】
搬送ライン3への基板A101や基板B101の搬入が終了したならば、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11から基板A101が全て払い出されて、保持部11が基板B101のみとなった時点で、移動ユニット13によりランダムアクセスバッファ装置5を第1位置から第2位置に移動させる。そして、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に残っている基板B101を搬出側の基板支持機構12によって取り出して、バイパスラインVPのコンベアCVに払い出す。
【0058】
以上のように構成した本実施形態の基板仕分け装置1Bによれば、ランダムアクセスバッファ装置5の保持部11に挿入した2種類の基板A101及び基板B101のうち、基板A101を第1位置においてプロセス装置A9に払い出し、基板B101を第2位置においてバイパスラインVPに払い出すことで、2種類の基板A101及び基板B101を仕分けることができる。
【0059】
これと同時に、プロセス装置A9での処理ペースを上回るペースで搬送ライン3に搬入された基板A101をランダムアクセスバッファ装置5に一時的に保持(バッファリング)して、プロセス装置A9の手前に基板A101や基板B101が滞留するのを防ぐことができる。
【0060】
このため、搬送先が異なる2種類の基板A101、基板B101が搬送ライン3に混在していても、搬送ライン3からライン外に基板A101や基板B101を移動させずに、基板A101や基板B101の滞留を確実に抑制することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 基板仕分け装置
1A 基板仕分け装置
1B 基板仕分け装置
3 搬送ライン
5 ランダムアクセスバッファ装置
9 プロセス装置
11 保持部
12 基板支持機構
13 移動ユニット
101 基板
CV コンベア
VP バイパスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の搬送ラインからその下流の処理装置に、該処理装置によって処理する種類の基板を選別して搬送する基板仕分け装置であって、
前記搬送ラインと前記処理装置との間に介設されて基板を一時的に保持するバッファ装置を備えており、
前記バッファ装置は、基板を保持する複数の保持部のうち任意の保持部に前記搬送ラインから基板を受け入れ、かつ、任意の保持部から基板を前記処理装置に払い出すことが可能なランダムアクセスバッファ装置であり、
前記ランダムアクセスバッファ装置は、前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記処理装置によって処理する種類の基板を選別して該処理装置に払い出す、
ことを特徴とする基板仕分け装置。
【請求項2】
前記搬送ラインの下流の位置を含む複数の位置間で前記ランダムアクセスバッファ装置を移動させる移動ユニットをさらに備えており、前記処理装置は、前記複数の位置のうち所定位置の下流に配置されており、前記ランダムアクセスバッファ装置は、前記搬送ラインの下流の位置において該搬送ラインから前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記処理装置によって処理する種類の基板を選別して、前記所定位置において前記処理装置に払い出すことを特徴とする請求項1記載の基板仕分け装置。
【請求項3】
前記複数の位置のうち前記所定位置とは異なる位置の下流に配置され、前記処理装置とは処理する基板の種類が異なる他の処理装置をさらに備えており、前記ランダムアクセスバッファ装置は、前記搬送ラインから前記各保持部に受け入れた基板のうち、前記他の処理装置によって処理する種類の基板を選別して、前記所定位置とは異なる位置において前記他の処理装置に払い出すことを特徴とする請求項2記載の基板仕分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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