説明

基板処理メニスカスによって残される入口マークおよび/または出口マークを低減させるためのキャリア

【課題】基板処理メニスカスによって残される入口マークおよび/または出口マークを低減させるためのキャリア
【解決手段】上側および下側のプロキシミティヘッドによって形成されるメニスカスによって処理されている基板を支えるためのキャリアについて説明される。キャリアは、基板を受ける大きさの開口と、該開口内において基板を支えるための複数の支持ピンとを有するフレームを含む。開口は、基板と開口との間にギャップが存在するように基板よりわずかに大きくしてある。基板上の入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段が提供され、該手段は、メニスカスからの液体をギャップから立ち退かせることを補助および促進する。入口マークおよび出口マークの大きさと頻度とを低減させるための方法も、提供される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体チップ製造の業界では、基板の表面上に不要な残留物を残す製造工程の実施後に、基板を洗浄および乾燥する必要がある。このような製造工程の例に、プラズマエッチング(例えばタングステンエッチバック(WEB))や化学的機械的研磨(CMP)がある。CMPでは、基板は、基板表面を研磨表面に押し付けるホルダ内に置かれる。研磨表面は、化学物質や研磨材料からなるスラリを使用する。あいにく、CMPプロセスは、基板表面上にスラリ粒子および残留物の蓄積を残す傾向がある。これら不要な残留材料および粒子は、基板上に残されると欠陥を生じえる。このような欠陥は、場合によっては、基板上の素子を動作不良にしえる。製造工程後の基板洗浄は、不要な残留物および微粒子を除去する。
【0002】
湿式洗浄後、基板は、水または洗浄流体(以後「流体」)の残余分が基板上に残留物を残すことのないように、効果的に乾燥されなければならない。液滴の形成時に一般的に生じるように、基板表面上の洗浄流体の蒸発が可能になると、流体にあらかじめ溶解していた残留物または汚染物が蒸発後に基板表面上に残留してシミを形成する可能性がある。蒸発の発生を阻止するには、基板表面上における液滴の形成をともなわずにできるだけ速く洗浄流体を除去しなければならない。これを実現するために、スピン乾燥、IPA、またはマランゴニ乾燥などいくつかの異なる乾燥技術の1つが用いられる。これらの乾燥技術は、いずれも、基板表面上の何らかの形の移動気液界面を用いるものであり、これは、もし適切に維持されれば、液滴の形成をともなわずに基板表面を乾燥させる結果になる。あいにく、前述のいずれの乾燥方法でもよく生じるように、もし移動気液界面が破れると、液滴の形成および蒸発が発生し、基板表面上に汚染物質を残す結果になる。
【0003】
以上を考慮すると、乾燥された液滴によるマーク発生の可能性を低減させつつ効率的な洗浄を提供する改良された洗浄のシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
概して、本発明は、基板処理メニスカスによって残される液滴が乾燥されることによって生じる入口マークおよび/または出口マークを低減させるための様々な技術を提供することによって、これらの必要性を満たすものである。
【0005】
本発明は、プロセス、装置、システム、デバイス、または方法を含む数々の方式で実現することができる。本発明のいくつかの実施形態が以下で説明される。
【0006】
1つの実施形態では、上側および下側のプロキシミティヘッドによって形成されるメニスカスによって処理されている基板を支えるためのキャリアが提供される。キャリアは、基板を受ける大きさの開口と、該開口内において基板を支えるための複数の支持ピンとを有するフレームを含む。開口は、基板と開口との間にギャップが存在するように基板よりわずかに大きくしてある。基板上の入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段が提供され、該手段は、メニスカスからの液体をギャップから立ち退かせることを補助および促進する。
【0007】
別の一実施形態では、上側および下側のプロキシミティヘッドによって形成されるメニスカスを使用して基板を処理するための方法が提供される。基板は、基板を受ける大きさの開口と、該開口内において基板を支えるための複数の支持ピンとを有するキャリア上に置かれる。開口は、基板と開口との間にギャップが存在するように基板よりわずかに大きくしてある。メニスカスからの液体をギャップから立ち退かせることを促進することによって、基板上の入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度が低減される。
【0008】
プロキシミティヘッドによって生成される移動メニスカスを半導体ウエハの洗浄、処理、および乾燥に使用することが本譲受人によって導入されたため、基板表面上に液滴が形成されるリスクの非常に小さい方法で基板を濡らして乾燥させることが可能になっている。この技術は、メニスカスの除去後にいかなる液滴もウエハの能動素子領域上に残らせないことに関しては、非常に成功している。しかしながら、メニスカスは、基板がメニスカスを通るにつれて、入口地点および/または出口地点の除外区域上に小液滴を残すことがある。除外区域は、基板の縁にあり、マイクロエレクトロニクス構造を形成されない能動素子領域から基板の外周に到る区域である。しかしながら、とりわけ親水性ウエハの場合などは、入口マークおよび出口マークが主表面マークになることがある。したがって、このような入口マークおよび/もしくは出口マークの事例を低減させるまたは排除することが好ましいとされる。
【0009】
本発明の原理を例として図示した添付の図面に関連させた以下の詳細な説明から、本発明の利点が明らかになる。
【0010】
本発明は、添付の図面に関連させた以下の詳細な説明によって、容易に理解される。類似の参照符号は、類似の構成要素を示すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プロキシミティヘッド装置の代表的実現形態の斜視図である。
【図2】上側プロキシミティヘッドの概略図を示す図である。
【図3A】上側および下側のプロキシミティヘッドによって生成されるメニスカスから基板が出ていく様子を示す図である。
【図3B】上側および下側のプロキシミティヘッドによって生成されるメニスカスから基板が出ていく様子を示す図である。
【図3C】上側および下側のプロキシミティヘッドによって生成されるメニスカスから基板が出ていく様子を示す図である。
【図3D】上側および下側のプロキシミティヘッドによって生成されるメニスカスから基板が出ていく様子を示す図である。
【図4】キャリアと基板との間のギャップの斜視図である。
【図5】キャリア上への移行を完了させる際におけるメニスカスの断面図である。
【図6A】基板の前縁および後縁の付近のリップ部分の厚さを低減された入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代表的実施形態を斜視図/断面図である。
【図6B】基板の前縁および後縁の付近のリップ部分の厚さを低減された入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代表的実施形態を斜視図/断面図である。
【図6C】基板の前縁および後縁の付近のリップ部分の厚さを低減された入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代表的実施形態を斜視図/断面図である。
【図7A】基板の前縁および後縁の近くに切り抜きを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態の平面図である。
【図7B】基板の前縁および後縁の近くに切り抜きを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態の平面図である。
【図7C】基板の前縁および後縁の近くに切り抜きを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態の平面図である。
【図7D】基板の前縁および後縁の近くに切り抜きを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態の平面図である。
【図8A】基板の後縁の近くに親水性表面を有する入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態を示す図である。
【図8B】基板の後縁の近くに親水性表面を有する入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態を示す図である。
【図8C】基板の後縁の近くに親水性表面を有する入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態を示す図である。
【図8D】基板の後縁の近くに親水性表面を有する入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代替的実施形態を示す図である。
【図9A】基板の前縁および後縁の一方または両方の付近に位置する少なくとも1つの真空ポートを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアを示す図である。
【図9B】基板の前縁および後縁の一方または両方の付近に位置する少なくとも1つの真空ポートを含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアを示す図である。
【図10】メニスカスが完全に基板からキャリア上へと移行するまさにそのときに真空ポートに吸引力を作用させるための代表的構成の斜視図である。
【図11A】多孔質の縁を含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段の第1の代替的実施形態を示す図である。
【図11B】多孔質の縁を含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段の第1の代替的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、数々の詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部または全部の詳細を特定しなくても実施可能である。また、本発明を不必要に不明瞭にするのを避けるため、既知のプロセス工程および実現詳細の詳細な説明は省略される。本明細書において使用される「メニスカス」という用語は、一部液体の表面張力によって境界を形成され封じ込められる液体体積を指すものとする。メニスカスは、制御可能でもあり、封じ込められた形状で基板の上を移動させることができる。具体的実施形態では、メニスカスは、流体を表面に送達しつつ除去もすることによってメニスカスを制御可能にとどめることによって維持される。さらに、メニスカスの形状は、ネットワーク化可能なコンピュータシステムのコントローラに一部を接続されて機能する正確な流体供給&除去システムによって制御することができる。
【0013】
図1は、プロキシミティヘッド装置100の代表的実現形態の斜視図である。この例では、基板160は、キャリア150内に配置され、キャリア150は、基板160を受ける大きさの中央開口を有するフレームを含む。キャリア150は、上側プロキシミティヘッド110と下側プロキシミティヘッド120との間を矢印166の方向に通る。上側および下側のプロキシミティヘッド110,120は、両者の間に流体のメニスカスを形成する。キャリア150を上側プロキシミティヘッド110と下側プロキシミティヘッド120との間で矢印152の方向に移動させるために、キャリア150は、何らかの装置(不図示)に接続されてよい。1つの実施形態では、基板160は、プロキシミティヘッド110,120の一方の側の第1の位置においてキャリア150上に配され、キャリア150がプロキシミティヘッド110,120の反対側の第2の位置に達すると取り除かれる。キャリア150は、次いで、プロキシミティヘッド110,120の間を通って、またはプロキシミティヘッド110,120の上、下、もしくは周囲を通って第1の位置に戻ってよく、そこで、次の基板が配され、プロセスが繰り返される。
【0014】
キャリア150は、複数の支持ピン152(図7Aに示される)を含み、各ピンは、基板160とキャリア150との間に均一なキャリア−基板ギャップ158を保証するために基板を支持および中央揃えする特徴(不図示)を有する。1つの実施形態では、キャリア150は、キャリア150がメニスカスに出入りする際におけるメニスカス液体積の急激な変化を阻止するために、前辺154および後辺156に斜めの縁を有している。例えば、キャリア150は、それぞれ例えば15°などの角度θだけ横断方向から曲がり、合わさって中央に位置する点を形成する2つの前縁157と、それぞれ角度θを形成し、合わさって中央に位置する点を形成する対応する後縁159とをともなう6つの辺を有する。台形や平行四辺形などメニスカス液の急速な変位をもたらさないその他の形状も可能であり、この場合、前縁および後縁は、キャリアの進行方向に対して直角以外の角度にある、またはメニスカスの前縁および後縁に対して一定の角度にある(すなわち平行でない)。
【0015】
図1に示された例では、基板がプロキシミティヘッド110,120の間を矢印166の方向に移動するが、基板がプロキシミティヘッドに対して移動する限り、基板を静止させたままにしてプロキシミティヘッド110,120を基板の上および下を通らせることも可能である。さらに、プロキシミティヘッドの間を通る際の基板の向きは、任意である。つまり、基板は、水平向きである必要はなく、垂直向きまたは任意の角度であることが可能である。
【0016】
特定の実施形態では、コントローラ130によって、キャリア150の移動、ならびに上側および下側のプロキシミティヘッド110,120への流体の流れが制御される。コントローラ130は、論理回路もしくはソフトウェアもしくはそれらの両方によって機能を決定される汎用または専用のコンピュータシステムであってよい。
【0017】
図2は、下側プロキシミティヘッド120(図1)と鏡像対称的な上側プロキシミティヘッド110の概略図を示している。各プロキシミティヘッドは、メニスカス200を形成する液体を通らせて供給する複数の中央ノズルを含む。液体は、脱イオン水、洗浄液、または基板160を処理、洗浄、もしくはすすぐように設計されたその他の液体であってよい。複数の真空ポート114が、メニスカス200の外周において真空を提供する。真空ポート114は、メニスカス200からの液体、および空気またはノズル112によって供給されるその他のガスなどの周囲の流体を吸引する。特定の実施形態では、ノズル112は、真空ポート114を取り囲み、イソプロピルアルコール蒸気、窒素、それらの混合、またはその他のガスもしくは二相気液流体を供給する。ノズル112およびそこから供給される流体は、メニスカス200表面におけるコヒーレント気液境界の維持を補助する。
【0018】
図3A〜3Dは、上側および下側のプロキシミティヘッド110,120によって生成されるメニスカス200から基板160が出ていく様子を図示している。これらの図では、基板160およびキャリア150は、上側および下側のプロキシミティヘッド110,120に対して左向きに移動している。図3Aに示された時点では、基板160は、メニスカス200の端から端に及んでいるので、基板160の前縁162と後縁164とはメニスカス200の反対側にあり、メニスカス200の前縁232は基板160の後縁164に近づいている。一般に、基板160は円形であり、キャリア150は、メニスカス200の外側に図示されているものの、図からはわからないが、その一部がメニスカス200に接触していてもよい。
【0019】
図3Bでは、メニスカス200は、基板160からキャリア150へと移行している。この時点では、後縁164は、メニスカス200の内側にある。1つの実施形態では、キャリア150は、その断面が基板160よりわずかに厚くてよい。例えば、基板160が約0.80mmの厚さである一方で、キャリアは約1.5mmの厚さであってよい。したがって、メニスカス200がキャリア150上へと移行するにつれて、キャリア150によって特定の量のメニスカス液が押しのけられる。
【0020】
図3Cでは、メニスカス200は、完全に基板160からキャリア150上へと移行している。この時点では、メニスカス200の後縁234は、まだ基板160の後縁164に接触している。この瞬間にメニスカス200に作用している力については、図5を参照にして後述される。
【0021】
図3Dでは、メニスカスは、基板160から完全に離れ、基板160の後縁164における基板160の除外区域上にメニスカス液の小液滴202を残している。液滴202は、乾燥されると、溶存要素または連行要素で形成されるシミを残す可能性がある。このシミは、本明細書では出口マークと称される。基板表面が親水性の場合、液滴202は、基板の能動素子領域に移り、その上に形成される素子に欠陥を生じる可能性がある。基板160の後縁164における小液滴202の存在および大きさには、数々の要因が寄与すると考えられる。前縁162がメニスカス200から出ていく際は、同様に、前縁162に入口マークが形成される可能性がある。
【0022】
図4は、キャリア150と基板160との間のキャリア−基板ギャップ158の斜視図を示している。メニスカス外周204は、メニスカスがキャリア150および基板160に接触する領域を示している。メニスカスは、矢印208によって示される方向に進んでいる。メニスカスがウエハ160から離れるにつれて、キャリア−基板ギャップ158内のメニスカス流体は、メニスカスの縁によって矢印206の方向に沿って掃引される。メニスカス外周204の後縁210が基板160の後縁164に達するにつれて、流体は、基板の後縁164付近にあるキャリア−基板ギャップ158内の地点212に向かわされる。ただし、メニスカス液は、メニスカスがキャリア150上へと移行するにつれて、キャリア−基板ギャップ158から絶えず流れ出ていることがわかる。したがって、液体は、文字通り矢印206をたどることを予期されるのではなく、むしろ、流れの方向のベクトル成分が矢印206上にあり、その結果、地点212に流体を蓄積させると考えられる。
【0023】
図5は、キャリア150上への移行を完了させる際における地点212におけるメニスカス200の断面図を示している。この時点では、メニスカス200は、まだ、基板160の後縁164に引っ付いている。キャリア150は、基板160よりいくぶん厚くてよく、これは、基板160から矢印214に沿って液体が流れないように抑制している。真空ポート114は、メニスカス液および周囲のガスを含む流体を引き込み、矢印216によって示される力をメニスカスに及ぼしている。さらなる力が流体出口ノズル112(図2)によって及ぼされ、これは、矢印218によって示されるように、メニスカス200の気液界面を内向きに抑えている。重力220も、メニスカス200に及ぼされる。そして、もし基板160が親水性である場合は、矢印222によって表されるように、メニスカス液への引力によって、基板160上へとウエハを引き戻す水素結合力が生じえる。
【0024】
図6A〜6Cは、メニスカスが基板から完全に離れる際におけるキャリア−基板ギャップからのメニスカス液の流出を強化することによって入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリアの代表的実施形態を斜視図/断面図で示している。図6Aでは、キャリア250は、基板160の前縁および後縁の付近のリップ部分252の厚さが低減された入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有する。具体的に言うと、基板160の地点161に近い地点においてキャリア250の下面が先細り、薄くされたリップ部分252を形成している。地点161は、前縁162または後縁164(図7A)のいずれかであってよい。これらの位置において薄くされたキャリアは、メニスカスが基板160から離れる際にキャリア250によって引き起こされる妨害を低減させることによって、入口マークおよび出口マークの両方の大きさと頻度とを低減させることができる。これは、矢印254によって示されるように、流体がキャリア250の縁を容易に通過し、キャリア250と基板160との間に形成されたギャップから流れ出ることを可能にする。これは、キャリア150がギャップからのメニスカス液の流れを制限しえる図5の場合と比較することができる。
【0025】
図6Bでは、キャリア260は、上面および下面が斜面状に形成されてキャリア260の上面と下面との間の面上にナイフ縁(ナイフエッジ)264を形成されたベベル部分262を地点161の近くに含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有する。ナイフ縁264は、薄くされたキャリア部分を提供し、これは、基板160の前縁および後縁のそれぞれの近くに形成することができる。図6Cでは、キャリア270は、片面のみが斜面状に形成されてチゼル縁(たがねエッジ)274が形成されたテーパ部分272を基板160の地点161の近くに含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有する。1つの実施形態では、下側のキャリア表面276が上に向かうように斜面化される。別の一実施形態では、下側のキャリア表面278が下に向かうように斜面化される。
【0026】
本明細書において提示される実施形態は、代表的なものに過ぎず、様々な変更が考えられる。例えば、地点161の近くの領域だけでなく、リップ、ベベル、テーパなどの提供によってキャリア150(図1)の内周全体を薄くすることができる。薄くされたキャリア部分は、地点161以外の領域において、キャリア−基板ギャップからのメニスカス液の流出を強化することができる。
【0027】
図7Aは、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段であって、基板160の前縁162および後縁164の近くに切り抜き282を含む手段を有するキャリア280の平面図を示している。切り抜き282は、基板キャリアによって引き起こされメニスカス流体がキャリア−基板ギャップに最初に入ることおよび最終的に出ることを抑制しえるあらゆる妨害を排除する。切り抜き282は、キャリア280内に成形または機械加工されてよい。図7Aでは、切り抜き282はノッチ形状を有する。図7Bは、切り抜き284がV字形状である代替的実施形態のキャリア280をともなう図7Aの部分281を示している。図9Cでは、図7Aの部分281は、別の代替的実施形態のキャリア280を有しており、この場合の切り抜きは、基板160の前縁および後縁(後縁が示されている)の付近に複数の細穴または溝286を含む。細穴または溝は、図8A〜8Dを参照にして後述されるような毛管現象によってギャップから流体を引き出す傾向がある親水性材料の中に形成されてよい、またはそのような材料でコーティングされてよい。図7Dでは、ポケット形状の切り抜き286が提供される。図7A〜7Dに提示される実施形態は、例示的なものに過ぎない。さらに、切り抜きは、前縁および後縁のいずれか一方または両方に提供されてよい。さらに、ある大きさまたは形状の切り抜きを前縁に提供し、異なる大きさおよび/または形状の切り抜きを後縁に提供してもよい。
【0028】
一般に、キャリアは、処理流体に対して疎水性であることが望ましい。なぜなら、これは、処理中におけるメニスカスの全体的封じ込めを補助するからである。また、液体膜を通じて親水性領域が疎水性領域に接触していると、表面張力効果ゆえに流体が優先的に親水性領域に引き込まれることが、一般に知られている。キャリアが疎水性である場合は、基板−キャリアギャップに閉じ込められたあらゆるメニスカス流体がキャリアから反発され、ギャップからの液体の除去が抑制される。さらに、基板が親水性でなおかつキャリアが疎水性である場合は、表面張力効果が流体をギャップから基板上へと促し、入口マークおよび出口マークの形成を悪化させる。特定の実施形態では、表面張力効果を使用してメニスカス液をキャリア−基板ギャップから抜いてキャリアへと流れさすことを補助できるように、キャリアの縁の疎水性/親水性の特性を工学設計することによって、出口マークを低減させている。
【0029】
図8Aは、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段であって、親水性表面を有する手段を有するキャリア300を示している。親水性表面は、水などの液体と容易に水素結合を形成する材料で形成されるゆえに疎水性表面よりも濡れやすい表面である。例えば、親水性表面は、40°未満の接触角を有するものとして定めることができ、疎水性表面は、60°を超える接触角を有するものとして定めることができる。一般に知られているように、接触角は、小水滴を平らな水平表面上に置き、それが表面に触れる地点で気液界面と水平面との正接によって形成される角度を測定することによって測定されてよい。疎水性および親水性を測定するためのその他の方法も知られており、特定の材料が疎水性であるかまたは親水性であるかの決定にその他の閾値が使用されてもよい。
【0030】
キャリア300は、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段であって、全体的に親水性の表面を有する手段を含む。図8A〜8Dにおいて、親水性表面は、水平の破線で示されている。1つの実施形態では、キャリア300の上面および下面は、キャリア300用に本質的に親水性の材料を選択することによって、全体的に親水性に作成される。このような材料の例として、SiO2、Al23、およびSiCがある。処理されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および類似の材料などのその他の親水性材料も、もちろん知られており、同様に使用することができる。別の一実施形態では、キャリア300の表面は、疎水性の基板に親水性のコーティングを施すことによって、全体的に親水性に作成される。このようなコーティングは、ポリマおよびその他の材料で形成することができ、一般に、容易に市販化可能である。親水性であるキャリア300は、流体が基板−キャリアギャップからウエハ上へと戻ろうとするあらゆる傾向を低減させる。キャリア300が基板160より親水性であるほど、メニスカス液は、基板160から離れる際にキャリア300へと引き寄せられる。
【0031】
図8Bでは、キャリア310は、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段であって、基板160の前縁162付近の疎水性領域312と基板160の後縁164付近の親水性領域314とを有する手段を含む。1つの実施形態では、基板160は、疎水性材料で形成されるが、疎水性領域312では、シリコーンコーティング、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニリジンジフルオライド(PVDF)、もしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの別の疎水性材料のコーティングを施すことによって、より疎水性に作成することができる。
【0032】
図8Cでは、キャリア320は、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段であって、基板の後縁164付近の親水性領域322を除いて全体的に疎水性のキャリアを有する手段を含む。親水性領域322は、既知の材料を使用した親水性のコーティングによって形成されてよい。1つの実施形態では、キャリア320は、疎水性材料で形成される。別の一実施形態では、キャリア320は、疎水性であるプラスチックなどの材料で形成され、シリコーンまたはシリコーン含有ポリマなどの、よりいっそう疎水性の材料をコーティングされる。親水性領域322は、親水性材料を塗布することによって形成されてよい。図8Bで説明されたキャリア310と同様に、親水性領域322は、表面張力効果を用いてメニスカス液を基板160からキャリア320上へと引き寄せる。同様に、図8Dでは、V字形状の親水性領域332を含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段は、メニスカス液を基板160からキャリア330上へと引き寄せる。
【0033】
疎水性領域および親水性領域の形状のヴァリエーションは、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるのに有用であると考えられる。さらに、親水性領域および疎水性領域は、個別に使用されてもよいし、または図7A〜7Dを参照にして上述されたノッチや図6A〜6Cを参照にして上述された薄くされたもしくは先細にされた輪郭形状と組み合わせて使用されてもよい。
【0034】
図9Aおよび図9Bは、基板160の前縁162(不図示)または後縁164の付近に位置する少なくとも1つの真空ポート352を含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段を有するキャリア350を示している。図には、後縁164のみが示されるが、基板160の前縁162近くのキャリア上の位置にも類似の仕組みを提供することができる。各真空ポート352は、内部通路を通じて遠隔真空ポート356と流体連通している。内部通路354は、任意の適切な手段によって形成されてよい。例えば、基板160は、通路354を上に成形または彫り込みされたボトム層を使用し、次いで、そのボトム層を摩擦溶接、接着剤、またはその他の手段を使用してトップ層に積層することによって形成されてよい。遠隔ポート356は、トップ層内に成形または形成されてよい。
【0035】
1つの実施形態では、遠隔ポート356は、たわみ管(不図示)に接続され、たわみ管は、さらに真空源(不図示)に接続される。キャリア350が上側および下側のプロキシミティヘッドの間を通る際、メニスカスが基板160から完全に離れるまさにそのときに、真空源が作動される、またはバルブが開かれる。別の一実施形態では、遠隔ポート356は、メニスカスが基板160から離れる際に真空とつながるように配置される。したがって、基板−キャリアギャップ内の流体を真空ポート352を通じて引き出して、基板160に付着しないように阻止することができる。
【0036】
別の一実施形態では、例えば圧縮乾燥空気(CDA)などの圧縮空気、または窒素、ヘリウム、アルゴンなどのその他のガスが内部通路354に供給され、ベンチュリ管(不図示)によって、ポート352に供給される真空が形成される。圧縮されたガスと吸引された流体との組み合わせは、次いで、適切な容器またはメニスカス処理が生じるチャンバ内の無害領域に送られるすなわち導かれる。
【0037】
図10は、メニスカスが完全に基板160からキャリア350上へと移行するまさにそのときに真空ポート352に吸引力を作用させるための代表的構成の斜視図を示している。この代表的実施形態では、遠隔ポート356は、上側および下側のプロキシミティヘッド110,120が基板160の後縁164と位置揃えされなおかつメニスカスが完全に基板160からキャリア350上へと移行するときに、真空源360と位置揃えされる。この時点で、真空源360は、真空ポート352(図9A)と連通してメニスカス液をキャリア−基板ギャップから引き出す。
【0038】
図11Aは、多孔質の縁357を含む入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段の第1の代替的実施形態を示している。多孔質の縁357は、焼結金属、または開孔構造を有するセラミック材料もしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースの材料で作成されてよい。多孔質の縁358の長さに沿って均一に圧力降下を分布させるために、チャネル358を提供することができる。多孔質の縁357は、斜面状に形成されたナイフ縁形状を有するものとして示されているが、半円形の断面、四角形の断面、または非対称の断面を有するなどその他の形状を提供することもできる。
【0039】
図11Bでは、入口マークおよび/または出口マークの大きさと頻度とを低減させるための手段の第2の代替的実施形態は、真空ポート352を有するテーパ縁359を含む。図6A〜6Cを参照にして上述されたようなその他の縁形状も可能である。
【0040】
上側および下側のプロキシミティヘッド、ならびにキャリアは、プロキシミティヘッドに対するキャリアの進行速度が一定になるように、またはプロキシミティヘッドに対するキャリアの位置に応じて変化するように、それらの一方または双方をコンピュータシステムによって制御することができる。いくつかの実施形態では、例えば、キャリアの進行速度は、メニスカスが基板上へと移行してその後基板から離れるにつれて減速してよく、そうして、メニスカス液がキャリア−基板ギャップから流出するための時間を長くすることができる。キャリアにおける真空ポート352からの真空もまた、吸引力の作動/停止の時間を計るため、またはプロキシミティヘッドに対するキャリアの相対位置に応じて流速を変化させるために、コンピュータ制御することができる。コンピュータ制御は、移動および/または吸引力の作用を制御するために記述されたコンピュータプログラムを使用して、ハードウェア論理を使用してまたは多目的コンピュータプロセッサと併せて実装することができる。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、メニスカスに供給される流体の体積および/または成分も制御する。したがって、コンピュータプログラムは、複数の所定の用途のそれぞれに厳密に合わせて流体レシピを定めることができる。
【0041】
上記の実施形態を念頭におくと、本発明は、コンピュータシステムに格納されるデータをともなう各種のコンピュータ実行動作を使用できることを理解される。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。必ずではないが、これらの量は、通常は、格納、転送、結合、比較、およびその他の操作が可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。さらに、実施される操作は、生成、特定、決定、または比較などの表現で言及されることが多い。
【0042】
本明細書において説明され本発明の一部を構成する動作は、いずれも、有用なマシン動作である。本発明は、また、これらの動作を実施するためのデバイスまたは装置にも関する。装置は、所要の目的のために特別に構築されてもよいし、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動もしくは構成される汎用コンピュータであってもよい。具体的には、本明細書の教示にしたがって記述されたコンピュータプログラムとともに各種の汎用マシンが使用されてもよいし、または所要の動作を実施するためのより特化された装置を構築するほうが好都合であることもある。
【0043】
本発明は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして実装することもできる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによってのちに読み出し可能なデータを格納することができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体は、コンピュータコードを盛り込まれる電磁搬送波も含む。コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、Flash、磁気テープ、ならびにその他の光ストレージデバイスおよび非光ストレージデバイスがある。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で格納および実行されるように、ネットワーク結合されたコンピュータシステムに分散させることもできる。
【0044】
本発明の実施形態は、1台のコンピュータで、または相互に接続された複数のコンピュータもしくはコンピュータ成分を使用して処理することができる。本明細書において使用されるコンピュータという用語は、自身のプロセッサ、自身のメモリ、および自身のストレージを有する独立型のコンピュータシステム、またはネットワーク端末にコンピュータリソースを提供する分散型コンピュータシステムを含むものとする。いくつかの分散型コンピュータシステムでは、コンピュータシステムのユーザは、複数のユーザのあいだで共有されている構成部分に実際にアクセスしていることがある。ユーザは、したがって、ユーザにとっては単一ユーザ用にカスタマイズされた専用の単一コンピュータに見える仮想コンピュータに、ネットワークを通じてアクセスすることができる。
【0045】
以上の発明は、理解を明瞭化する目的で、いくぶん詳細に説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正が可能であることは明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書において定められた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価形態の範囲内で変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側および下側のプロキシミティヘッドによって形成されるメニスカスを通るときに処理される基板を支えるためのキャリアであって、
基板を受ける大きさの開口と、前記開口内において前記基板を支えるための複数の支持ピンとを有するフレームであって、前記開口は、前記基板と前記開口との間にギャップが存在するように前記基板よりわずかに大きくしてある、フレームと、
基板上の入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段であって、前記メニスカスからの液体を前記ギャップから立ち退かせることを補助および促進する手段と、
を備えるキャリア。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記メニスカスを通るときに前記キャリアの前縁および後縁の少なくとも一方が前記メニスカスの前縁および後縁に平行でないように形作られている、キャリア。
【請求項3】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、前記基板の前縁が前記メニスカスの後縁を出る際に前記メニスカスからの液体を前記ギャップから出させることによって、入口マークの大きさおよび頻度を低減させる、キャリア。
【請求項4】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、前記基板の後縁が前記メニスカスの後縁を出る際に前記メニスカスからの液体を前記ギャップから出させることによって、出口マークの大きさおよび頻度を低減させる、キャリア。
【請求項5】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、薄くされたキャリア部分を前記基板の前縁または後縁の少なくとも一方に近接して含む、キャリア。
【請求項6】
請求項5に記載のキャリアであって、
前記薄くされたキャリア部分は連続的であり、前記キャリア内に形成された前記開口を形成する内周に沿って形成されている、キャリア。
【請求項7】
請求項5に記載のキャリアであって、
前記薄くされた部分は、前記キャリアの上側および下側のベベル表面によって先細り、ナイフ縁を形成する、キャリア。
【請求項8】
請求項5に記載のキャリアであって、
前記薄くされた部分は、前記キャリアの上側および下側のベベル表面の少なくとも一方によって先細り、チゼル縁を形成する、キャリア。
【請求項9】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、切り抜きを前記基板の前縁または後縁の少なくとも一方に近接して含む、キャリア。
【請求項10】
請求項9に記載のキャリアであって、
前記切り抜きは、ノッチ形状である、キャリア。
【請求項11】
請求項9に記載のキャリアであって、
前記切り抜きは、V字形状である、キャリア。
【請求項12】
請求項9に記載のキャリアであって、
前記切り抜きは、複数の細穴または溝を含む、キャリア。
【請求項13】
請求項9に記載のキャリアであって、
前記切り抜きは、ポケット形状である、キャリア。
【請求項14】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、親水性表面を前記基板の後縁に近接して含む、キャリア。
【請求項15】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記親水性表面は、前記キャリアの材料として親水性材料を選択することによって形成される、キャリア。
【請求項16】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記親水性表面は、前記キャリアを親水性材料でコーティングすることによって形成される、キャリア。
【請求項17】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記キャリアの上面および下面の全体が親水性である、キャリア。
【請求項18】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記基板の後縁に近接する前記親水性表面を除いて疎水性である、キャリア。
【請求項19】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記基板の前縁に近接する部分が疎水性である、キャリア。
【請求項20】
請求項14に記載のキャリアであって、
前記親水性表面を有する領域がV字形状である、キャリア。
【請求項21】
請求項1に記載のキャリアであって、
前記入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させるための手段は、少なくとも1つの真空ポートを前記基板の前縁および後縁の少なくとも一方に近接して含み、前記真空ポートは、前記ギャップから液体を吸引するための真空源と流体的に連通している、キャリア。
【請求項22】
請求項21に記載のキャリアであって、
前記真空源への接続のためのたわみ管に接続されるように配置および構成される遠隔真空ポートを備える、キャリア。
【請求項23】
請求項21に記載のキャリアであって、
前記メニスカスが前記基板から完全に離れるときに固定真空ポートと位置揃えされるように配置および構成される遠隔真空ポートを備え、
前記固定真空ポートは、前記真空源と流体的に連通しており、前記上側および下側のプロキシミティヘッドに対して静止している、キャリア。
【請求項24】
請求項21に記載のキャリアであって、
前記少なくとも1つの真空ポートは、多孔質材料の後方に配置され、前記多孔質材料は、メニスカス液を通らせて前記少なくとも1つの真空ポートに入らせるための開孔構造を有する、キャリア。
【請求項25】
上側および下側のプロキシミティヘッドによって形成されるメニスカスを使用して基板を処理するための方法であって、
前記基板を、前記基板を受ける大きさの開口と前記開口内において前記基板を支えるための複数の支持ピンとを有するキャリア上に置くことであって、前記開口は、前記基板を置いた後に前記基板と前記開口との間にギャップが存在するように前記基板よりわずかに大きくしてある、ことと
前記メニスカスからの液体を前記ギャップから立ち退かせることを促進することによって、基板上の入口マークまたは出口マークの少なくとも一方の大きさおよび頻度を低減させることと、
を備える方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、前記基板の前縁が前記メニスカスの後縁を出る際に前記メニスカスからの液体を前記ギャップから出させることによって、入口マークの大きさおよび頻度を低減させることを含む、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、前記基板の後縁が前記メニスカスの後縁を出る際に前記メニスカスからの液体を前記ギャップから出させることによって、出口マークの大きさおよび頻度を低減させることを含む、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、薄くされたキャリア部分を前記基板の前縁または後縁の少なくとも一方に近接して形成することを含む、方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、切り抜きを前記基板の前縁または後縁の少なくとも一方に近接して形成することを含む、方法。
【請求項30】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、親水性表面を前記基板の後縁に近接して提供することを含む、方法。
【請求項31】
請求項25に記載の方法であって、
前記低減させることは、前記基板の前縁および後縁の少なくとも一方に近接して前記キャリア内に形成された少なくとも1つの真空ポートに吸引力を作用させることを含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、
前記吸引力は、前記メニスカスが前記基板から完全に離れる際に作用される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2010−505272(P2010−505272A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530452(P2009−530452)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/021003
【国際公開番号】WO2008/042295
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】