基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法
【課題】基板の主面及び裏面の汚染を防止する基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は、マスク用基板3の側面3c、3dを保持する保持部としての基板チャック14と、マスク用基板3の処理対象面に処理液5を吐出する処理液吐出部126と、マスク用基板3に吐出した処理液5に向けて気体4を吐出し、処理液5をマスク用基板3から分離させる気体吐出部122と、を備えて概略構成されている。
【解決手段】基板処理装置1は、マスク用基板3の側面3c、3dを保持する保持部としての基板チャック14と、マスク用基板3の処理対象面に処理液5を吐出する処理液吐出部126と、マスク用基板3に吐出した処理液5に向けて気体4を吐出し、処理液5をマスク用基板3から分離させる気体吐出部122と、を備えて概略構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ウエハの上方から下方に向けて下降流を発生させ、発生した下降流が、回転するウエハにより上昇気流とならない流速で、下降流を排気する排気手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この排気手段によれば、ウエハを乾燥させるスピン乾燥処理において、ウエハの主面から液切りされた液滴の、主面への再付着を行わせないようにすることができるとしている。
【0004】
従来、ウエハのみならず、フォトマスクやFPD(Flat Panel Display)用マスクといった平面矩形状の基板の乾燥についても、スピン乾燥法が用いられている。しかし、スピン乾燥法では、基板の回転によって裏面側に回りこむ液滴が発生し、その液滴による裏面側の汚染防止が課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−327906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、基板の処理対象面、及び処理対象面に対向する面の汚染を防止する基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、基板の側面を保持し、前記基板の処理対象面に処理液を接触させ、前記処理液に向けて気体を吐出して前記処理液を前記基板から分離させることを含む基板処理方法を提供する。
【0008】
本発明の他の一態様は、基板の側面を保持する保持部と、前記基板の処理対象面に処理液を吐出する処理液吐出部と、前記基板に吐出した前記処理液に向けて気体を吐出し、前記処理液を前記基板から分離させる気体吐出部と、を備えた基板処理装置を提供する。
【0009】
本発明の他の一態様は、上記に記載の基板処理方法、又は上記に記載の基板処理装置を用いる半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板の処理対象面、及び処理対象面に対向する面の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の構成ブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図であり、(b)は、ノズルを主面側から見た斜視図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの上面図であり、(b)は、マスクの側面図である。
【図4】図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの製造工程の一例を示す要部断面図である。
【図5A】図5A(a)及び(b)本発明の第1の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図5B】図5B(c)及び(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
【図7A】図7A(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図7B】図7B(c)及び(d)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図である。
【図9A】図9A(a)及び(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図9B】図9B(c)及び(d)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図10A】図10A(a)及び(b)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図10B】図10B(c)及び(d)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図11】図11は、本発明の第5の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図である。
【図12A】図12A(a)及び(b)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図12B】図12B(c)及び(d)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
(基板処理装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の構成ブロック図である。この基板処理装置1は、例えば、EUV(Extreme Ultra-Violet)マスクの製造前後における洗浄処理後の乾燥処理を行う。このEUVマスクは、EUV光を用いるEUVフォトリソグラフィ法に用いられる。EUVフォトリソグラフィ法とは、例えば、光源から出射された軟X線領域の光であるEUV光(波長13.5nm)を照明光学系で集光してEUVマスクに照射し、EUVマスクを反射した反射光のマスクパターン像を縮小光学系で縮小し、ウエハ上に転写するものである。なお、乾燥処理対象となる基板は、フォトマスク用基板、インプリント用テンプレート及びFPD用マスク等でも良く、それらの製造途中の基板でも、メンテナンスにおける洗浄処理後の基板でも良い。以下では、EUVマスクの製造途中のマスク用基板の洗浄処理後の乾燥処理について説明する。
【0013】
基板処理装置1は、図1に示すように、処理チャンバ10と、ノズル12と、保持部としての基板チャック14と、リザーバ16と、記憶部18と、入力部20と、出力部22と、制御部100とを備えて概略構成されている。
【0014】
処理チャンバ10は、例えば、ノズル12、基板チャック14、基板チャック14を駆動するアクチュエータ146及びリザーバ16を収容する。
【0015】
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図であり、(b)は、ノズルを主面側から見た斜視図である。なお、本実施の形態において、基板チャック14に保持されたマスク用基板3は、処理チャンバ10に対して静止しており、図2(a)に示す下向きの矢印Aは、ノズル12の移動方向を示している。
【0016】
ノズル12は、図2(a)に示すように、本体120と、気体吐出部122と、吸引部124と、処理液吐出部126と、を備えて概略構成されている。
【0017】
本体120は、図2(b)に示すように、例えば、矩形状の立体である。
【0018】
気体吐出部122は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の裏面120b側に設けられた開口122aと、本体120の内部に設けられ、開口122aと開口122cを接続する流路122bと、本体120の主面120a側に設けられた開口122cとを備えて概略構成されている。
【0019】
また気体吐出部122は、フィルタ等で浄化された気体4が、気体吐出用ポンプ123から送り出され、開口122a、流路122bを介して開口122cから吐出し、後述する付着物6をマスク用基板3から分離させる。
【0020】
開口122aは、気体吐出用ポンプ123と接続されている。開口122cは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0021】
流路122bは、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離ではなく、気体4が効果的にマスク用基板3上の付着物6を移動させるように、また、ノズル12の移動方向である矢印A方向に気体4を効果的に吐出するように傾斜している。
【0022】
ここで、付着物6とは、例えば、マスク用基板3に形成されたレジスト膜の現像処理及びリンス処理の後、マスク用基板3上に残存するレジスト材、リンス液、埃等を含むものである。なお、後述する処理液5がマスク用基板3上に吐出された後は、処理液5を含めて付着物6と記載する。
【0023】
吸引部124は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の主面120a側に設けられた開口124aと、本体120の内部に設けられ、開口124aと開口124cを接続する流路124bと、本体120の裏面120b側に設けられた開口124cとを備えて概略構成されている。
【0024】
吸引用ポンプ125は、気体吐出部122の開口122cからマスク用基板3の処理対象面である主面3aに向けて吐出された気体4を、吸引部124の開口124a、流路124bを介して開口124cから吸引する。
【0025】
開口124cは、吸引用ポンプ125と接続されている。開口124aは、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0026】
流路124bは、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離ではなく、気体吐出部122の開口122cより吐出した気体4を効果的に吸引できるように傾斜している。
【0027】
処理液吐出部126は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の裏面120b側に設けられた開口126aと、本体120の内部に設けられ、開口126aと開口126cを接続する流路126bと、本体120の主面120a側に設けられた開口126cとを備えて概略構成されている。
【0028】
処理液吐出部126は、処理液5が、処理液吐出用ポンプ127から送り出され、開口126a、流路126bを介して開口126cから吐出し、処理対象面に処理液5を接触させる。
【0029】
開口126aは、処理液吐出用ポンプ127と接続されている。開口126cは、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0030】
流路126bは、例えば、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離となっている。
【0031】
この処理液5は、例えば、フィルタ等によって処理された純水である。また処理液5は、例えば、酸化又は還元といった特性を有する液体等であっても良い。この処理液5は、例えば、マスク用基板3に付着するパーティクルやレジスト材の残りの、マスク用基板3からの分離を容易にするものである。
【0032】
ノズル12は、アクチュエータ128と接続されており、アクチュエータ128による駆動によって移動する。本実施の形態においてノズル12は、例えば、基板チャック14に保持されたマスク用基板3の上方から下方に移動しながらマスク用基板3の乾燥処理を行う。
【0033】
基板チャック14は、マスク用基板3の側面3c、3dからマスク用基板3を保持する機構を備え、アクチュエータ146によって駆動する。基板チャック14は、例えば、マスク用基板3の側面3c側に第1の吸引部142と、マスク用基板3の側面3d側に第2の吸引部144を備えている。
【0034】
第1の吸引部142は、基板チャック14の側面140aからマスク用基板3を保持する側面140bまで貫通する孔であり、基板チャック14の側面140a側に設けられた開口142aと、本体140の内部に設けられ、開口142aと開口142cを接続する流路142bと、本体140のマスク用基板3側の側面140bに設けられた開口142cと、本体140の主面14aのマスク用基板3側に設けられた開口142dを備えて概略構成されている。
【0035】
開口142aは、チャック用ポンプ148と接続されている。開口142dは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している。
【0036】
第2の吸引部144は、基板チャック14の側面140cからマスク用基板3を保持する側面140dまで貫通する孔であり、基板チャック14の側面140c側に設けられた開口144aと、本体140の内部に設けられ、開口144aと開口144cを接続する流路144bと、本体140のマスク用基板3側の側面140dに設けられた開口144cと、本体140の主面14aのマスク用基板3側に設けられた開口144dを備えて概略構成されている。
【0037】
開口144aは、チャック用ポンプ148と接続されている。開口144dは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している。
【0038】
また、チャック用ポンプ148は、第1及び第2の吸引部142、144内を吸引することによってマスク用基板3との密着性を高め、さらに、主面14a側の開口142d、144d付近の付着物6を吸引するので、マスク用基板3の裏面3bに回り込む液滴等を防止する。
【0039】
さらに、基板チャック14は、その主面14aがマスク用基板3の主面3aと段差がないように構成される。この構成によって、主面14aと主面3aの接触する部分に付着物6が溜まることを防ぐ。また同様に、基板チャック14は、その裏面14bとマスク用基板3の裏面3bとの段差がないように構成される。
【0040】
リザーバ16は、例えば、処理チャンバ10内に設けられ、マスク用基板3を裏返したり、垂直に立てたりするものである。
【0041】
記憶部18は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等からなり、乾燥処理等の工程のデータである工程データ180を記憶する。制御部100は、基板処理装置1に電源が投入されると、この工程データ180を記憶部18から読み込むものとする。
【0042】
入力部20は、例えば、キーボード等の入力装置、コンピュータ等の外部装置と接続されている。また、入力部20は、例えば、マスク用基板3を製造する露光装置等に接続されている。
【0043】
出力部22は、例えば、モニタ等の表示装置、コンピュータ、露光装置等の外部装置と接続されている。
【0044】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなり、気体吐出用ポンプ123、吸引用ポンプ125、処理液吐出用ポンプ127、アクチュエータ128、アクチュエータ146、チャック用ポンプ148、リザーバ16、記憶部18、入力部20及び出力部22を制御する。
【0045】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの上面図であり、(b)は、マスクの側面図である。マスク3Aは、例えば、EUVマスクであり、図3(a)に示すように、本体300と、本体300の主面3a側に形成され、縮小投影されるパターンが形成された主要パターン部301と、位置決めのために主要パターン部301の周囲に形成された複数のアライメントマーク部302と、を備えて概略構成されている。
【0046】
マスク3Aは、例えば、図3(a)及び(b)に示すように、上面視で正方形状となっており、側面3cから側面3dまでの幅Lが6インチで、側面3eから側面3fまでの幅Wが6インチで、厚さHが0.25インチである。ノズル12の開口122c、124c及び126cは、この幅Wと同じ幅で形成されている。なお、マスク3Aの形状は、上記に限定されず、矩形状等でも良い。
【0047】
以下に、本実施の形態のマスク3Aの製造方法の一例について説明する。
【0048】
(マスクの製造)
図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの製造工程の一例を示す要部断面図である。
【0049】
まず、図4(a)に示すように、主面側に、多層膜32、キャッピング層33、バッファ層34、吸収体積層膜35及びレジスト膜36が積層され、裏面側に導電膜31が形成された基材30からなるマスク用基板3を準備する。
【0050】
基材30は、例えば、超低熱膨張材料であるTiドープ石英ガラス、ガラスセラミック等が用いられる。
【0051】
導電膜31は、導電性を有する材料からなる膜であり、例えば、スパッタ法によって成膜されたCr膜である。EUVリソグラフィ装置は、静電チャック方式によってマスク3Aを保持するので、マスク3Aの裏面3b側に導電性を有する膜が必要となる。
【0052】
多層膜32は、例えば、MoとSiの薄膜を交互に40〜50層程度積層してなるものである。Moからなる薄膜は、例えば、スパッタ法等によって成膜される。Siからなる薄膜は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって成膜される。
【0053】
キャッピング層33は、多層膜32の最上層に形成された保護膜であり、パターン形成後の開口から露出するものであり、例えば、Ru又はSi等からなる。Ruからなる膜は、例えば、スパッタ法等によって成膜される。Siからなる膜は、例えば、CVD法等によって成膜される。
【0054】
バッファ層34は、吸収体積層膜35とのエッチング選択比が取れる材料からなり、例えば、CrN、SiO2等が用いられる。CrNは、例えば、CVD法等によって成膜される。SiO2は、例えば、熱酸化法、CVD法等によって成膜される。
【0055】
吸収体積層膜35は、マスクパターンとなる膜であり、例えば、TaN、TaBN、TaGeN等が用いられ、CVD法等によって成膜される。
【0056】
レジスト膜36は、例えば、スピンコート法によって吸収体積層膜35上に形成される。
【0057】
次に、図4(b)に示すように、電子線描画装置7によってレジスト膜36にパターンを描画してレジスト膜36に潜像を形成し、続いてPEB(Post Exposure Baking)を行う。
【0058】
次に、図4(c)に示すように、現像処理及びリンス処理を行ってレジストパターン37を形成する。ここで、リンス処理後の乾燥処理について、以下で詳しく説明する。
【0059】
図5A(a)〜図5B(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの乾燥処理に関する工程図である。
【0060】
まず、図5A(a)に示すように、制御部100は、リザーバ16を駆動してマスク用基板3を側面3cが上、側面3dが下になるように回転させ、続いて、アクチュエータ146を駆動し、付着物6が残存するマスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0061】
このとき、マスク用基板3の主面3aに残存する付着物6は、重力により落下するが完全には乾かない。
【0062】
次に、図5A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の上方から下方に向けて処理液吐出部126側から移動させる。なお、ノズル12が固定で、基板チャック14が移動しても良いし、ノズル12と基板チャック14が共に移動しても良い。
【0063】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0064】
次に、制御部100は、ノズル12の下方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0065】
ここで、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の付着物6は、主面120aと主面3aの両面に接していることが望ましい。そこで、処理液5の流量を考慮し、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の間隔は、例えば、数μm〜3mm程度が望ましい。
【0066】
次に、制御部100は、続くノズル12の下方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に下方向の圧力を付加する。
【0067】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから、付着物6の端部60に対して圧力を付加した気体4の吸引を開始する。なお、吸引部124を介しての吸引は、マスク用基板3に向けて吐出された気体4のみの吸引が望ましい。
【0068】
次に、図5B(c)に示すように、ノズル12が下方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を下方に移動させ、吸引部124は、当該気体4を開口124aから吸引する。
【0069】
そして、気体4によって下方に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0070】
次に、図5B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに下方に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に下方に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0071】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0072】
次に、図4(d)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)法によってレジストパターン37をマスクとして吸収体積層膜35とバッファ層34を選択的にエッチングし、レジストパターン37の開口にキャッピング層33を露出させた後、レジストパターン37を除去してマスク3Aを得る。
【0073】
以下に、本実施の形態における基板処理装置1によって乾燥処理が行われたマスク3Aを用いた半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0074】
(半導体装置の製造)
図6(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
【0075】
まず、上記の基板処理装置1によって乾燥処理が行われて製造されたマスク3Aを準備する。
【0076】
続いて、図6(a)に示すように、半導体基板70上に、CVD法等によって被加工膜71を形成し、形成した被加工膜71上に、スピンコート法等によってレジスト膜72を形成する。
【0077】
半導体基板70は、例えば、Siを主成分とするSi系基板である。
【0078】
被加工膜71は、例えば、単膜でも良いし、多数の膜が積層された積層膜でも良い。
【0079】
次に、図6(b)に示すように、EUVリソグラフィ法によってマスク3Aの主要パターン部301に形成されたパターンをレジスト膜72に潜像形成し、現像処理及びリンス処理等を行ってレジストパターン73を形成する。
【0080】
次に、図6(c)に示すように、RIE法によってレジストパターン73をマスクとして被加工膜71をエッチングし、レジストパターン73を除去する。続いて、周知の工程を経て、所望の半導体装置を得る。
【0081】
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)マスク用基板3を立てて保持し、ノズル12によって乾燥処理を行うことで、マスク用基板3を回転させて乾燥させる場合に比べ、マスク用基板3の乾燥対象の面の裏面側の汚染を防止し、また、乾燥対象の面を確実に乾燥させることができる。
(2)基板チャック14によってマスク用基板3の側面3c、3d側から保持するので、マスク用基板3の側面を保持しない場合に比べ、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bに基板チャック14が接触することがなく、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bを傷つけない。また、マスク用基板3を立てる際、マスク用基板3の上部と下部を基板チャック14で保持するので、落下することなく安定してマスク用基板3を保持することができる。
(3)ノズル12を介して気体4の吐出と吸引を行うので、吐出した気体4の吸引を行わない場合と比べ、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の気体4の付着物6に対する圧力を一定に保つことができる。付着物6に対する気体4の圧力を一定に保つことによって、乾燥速度を均一にすることができる。
(4)ノズル12から処理液5をマスク用基板3に吐出するので、処理液5をマスク用基板3に塗布しない場合に比べ、付着物6の剥離が容易となる。
(5)ノズル12から処理液5の吐出と、気体4の吐出及び吸引を行うので、マスク用基板3上の濡れ性が面内で異なっていても、マスク用基板3を回転させて乾燥させる場合に比べ、付着物6の剥離が容易となることで面内の濡れ性が均一になり、その結果、乾燥速度がより均一になるので、マスク用基板3を確実に乾燥することができる。
(6)基板チャック14とマスク用基板3の間に開口142d、144dが設けられているので、基板チャック14とマスク用基板3の間に開口が無い場合と比べ、基板チャック14の主面14aとマスク用基板3の主面3aとの境界付近の付着物6を吸引することができ、マスク用基板3の乾燥対象の面の裏面の汚染を防止することができる。
(7)乾燥処理中は、ノズル12がマスク用基板3の主面3a側を覆っているので、ノズル12がマスク用基板3を覆わない場合に比べ、乾燥処理中の付着物6がミストとなってマスク用基板3に再付着することを防止することができる。
(8)ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3aに付着物6が接触するので、接触しない場合と比べ、吐出した気体4の抜けが無くなり、付着物6に一定の圧力を付加することができる。
(9)マスク用基板3の側面3dを下側にして基板チャック14にて保持するので、マスク用基板3を水平に保持する場合に比べ、付着物6が重力によって落下し易くなり、マスク用基板3を乾燥させ易い。
(10)マスク用基板3に対する汚染がないので、マスク用基板3を加工して形成されるマスク3Aを半導体装置の製造に用いない場合に比べ、半導体装置の製造の歩留まりを向上させることができる。また、マスク用基板3の裏面3bの検査が容易となるため、TAT(Turn Around Time)が短縮される。
(11)上記の製造工程を経て製造されたマスク3Aを用いて、半導体装置の製造を行うことによって、上記のマスク3Aを半導体装置の製造に用いない場合と比べ、特に、マスク3Aの裏面3bの汚染が低減するため、露光処理の際のマスク3Aの保持において汚染が起因のチャッキングの歪みが低減でき、精度の高い半導体装置の製造が行える。
【0082】
[第2の実施の形態]
図7A(a)〜図7B(d)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。第2の実施の形態は、マスク用基板3が水平に保持されている点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様の機能及び構成を有する部分については、同じ符号を付し、説明を省略するものとする。また、マスクの製造方法、及び製造したマスクを用いた半導体装置の製造方法は、第1の実施の形態と同様の工程であるので、説明を省略し、主に、マスク用基板の乾燥処理について説明する。
【0083】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0084】
(マスク用基板の乾燥処理)
まず、図7A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0085】
次に、図7B(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の図面左から右方向(図7A(b)に示す矢印B方向。)に処理液吐出部126側から移動させる。なお、ノズル12が固定で、基板チャック14が移動しても良いし、ノズル12と基板チャック14が共に移動しても良い。
【0086】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0087】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0088】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に矢印B方向の圧力を付加する。
【0089】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから、付着物6の端部60に対して圧力を付加した気体4の吸引を開始する。なお、吸引部124を介しての吸引は、マスク用基板3に向けて吐出された気体4のみの吸引が望ましい。
【0090】
次に、図7B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を図面右方向に移動させ、吸引部124は、当該気体4を開口124aから吸引する。
【0091】
そして、気体4によって矢印B方向に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0092】
次に、図7B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに図面右方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に矢印B方向に移動して基板チャック14から落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0093】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0094】
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、マスク用基板3を水平に保持して乾燥処理を行うので、マスク用基板3を立てて乾燥処理を行う場合に比べ、マスク用基板3の落下等が発生し難い。
【0095】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスクの要部断面図である。第3の実施の形態は、吸引部及び吸引用ポンプ125を持たない点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0096】
(ノズルの構成)
本実施の形態におけるノズル12は、第1及び第2の実施の形態に係る吸引部124を備えていない。本実施の形態におけるノズル12の他の構成は、上記の各実施の形態と同様である。
【0097】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0098】
(マスク用基板の乾燥処理)
図9A(a)〜図9B(d)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、マスク用基板3を立てて、乾燥処理を行う。
【0099】
まず、図9A(a)に示すように、制御部100は、リザーバ16を駆動してマスク用基板3を側面3cが上、側面3dが下になるように回転させ、続いて、アクチュエータ146を駆動し、付着物6が残存するマスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0100】
次に、図9A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の上方から下方に向けて処理液吐出部126側から移動させる。
【0101】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0102】
次に、制御部100は、ノズル12の下方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0103】
次に、制御部100は、続くノズル12の下方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に下方向の圧力を付加する。
【0104】
次に、図9B(c)に示すように、ノズル12が下方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を下方に移動させる。
【0105】
そして、気体4によって下方に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0106】
次に、図9B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに下方に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に下方に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0107】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0108】
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、吸引部124及び吸引用ポンプ125を備える場合と比べ、ノズル12の構成部品が少なくなり、基板処理装置1の製造コストを抑制することができる。
【0109】
[第4の実施の形態]
図10A(a)〜図10B(d)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。第4の実施の形態は、構成は、第3の実施の形態と同じであるが、マスク用基板3が水平に保持されている点で第3の実施の形態と異なっている。
【0110】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0111】
(マスク用基板の乾燥処理)
まず、図10A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0112】
次に、図10A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の矢印B方向に処理液吐出部126側から移動させる。
【0113】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0114】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0115】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に矢印B方向の圧力を付加する。
【0116】
次に、図10B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を矢印B方向に移動させる。
【0117】
そして、気体4によって矢印B方向に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0118】
次に、図10B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに矢印B方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に矢印B方向に移動して基板チャック14から落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0119】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0120】
(第4の実施の形態の効果)
本発明の第4の実施の形態によれば、マスク用基板3を水平に保持して乾燥処理を行うので、マスク用基板3を立てて乾燥処理を行う第3の実施の形態に比べ、さらに安定して乾燥処理を行うことができる。
【0121】
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスクの要部断面図である。第5の実施の形態は、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bに対して、同時に乾燥処理を行うことができる点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0122】
(ノズルの構成)
本実施の形態に係るノズル12は、図11に示すように、本体120の中央に、基板チャック14に保持されたマスク用基板3が収容できる貫通孔12Aを備えている。本体120は、貫通孔12Aより上部の本体120Aと、貫通孔12Aより下部の本体120Bとで概略構成される。
【0123】
ノズル12は、本体120A側に、気体吐出部122と、吸引部124と、処理液吐出部126とを備え、本体120B側に、気体吐出部132と、吸引部134と、処理液吐出部136とを備えて概略構成されている。なお、気体吐出部122、吸引部124及び処理液吐出部126については、上記の各実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0124】
本体120B側の気体吐出部132は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口132aと、本体120Bの内部に設けられ、開口132aと開口132cを接続する流路132bと、本体120Bの主面130a側に設けられた開口132cとを備えて概略構成されている。
【0125】
また気体吐出部132は、フィルタ等で浄化された気体4bが、気体吐出用ポンプ123から送り出され、開口132a、流路132bを介して開口132cから吐出する。気体吐出用ポンプ123は、気体吐出部122、132に接続される。なお、気体4a、4bは、気体4と同じ気体であるが、異なっていても良い。
【0126】
開口132aは、気体吐出用ポンプ123と接続されている。開口132cは、例えば、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0127】
流路132bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離ではなく、気体4bが効果的にマスク用基板3の裏面3bに付着する付着物6bを移動させるように、また、ノズル12の進行方向に気体4bを効果的に吐出するように傾斜している。
【0128】
吸引部134は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの主面130a側に設けられた開口134aと、本体120Bの内部に設けられ、開口134aと開口134cを接続する流路134bと、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口134cとを備えて概略構成されている。
【0129】
吸引用ポンプ125は、気体吐出部132の開口132cからマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出された気体4bを、吸引部134の開口134a、流路134bを介して開口134cから吸引する。
【0130】
開口134cは、吸引用ポンプ125と接続されている。開口134aは、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0131】
流路134bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離ではなく、気体吐出部132の開口132cより吐出した気体4bを効果的に吸引できるように、吐出された気体4bの進行方向をなるべく変えないように傾斜している。
【0132】
処理液吐出部136は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口136aと、本体120Bの内部に設けられ、開口136aと開口136cを接続する流路136bと、本体120Bの主面130a側に設けられた開口136cとを備えて概略構成されている。
【0133】
処理液吐出部136は、処理液5bが、処理液吐出用ポンプ127から送り出され、開口136a、流路136bを介して開口136cから吐出する。なお、処理液5a、5bは、処理液5と同じ液体であるが、異なっていても良い。
【0134】
開口136aは、処理液吐出用ポンプ127と接続されている。開口136cは、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0135】
流路136bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離となっている。
【0136】
第1の吸引部142は、上記の各実施の形態における構成に加えて、さらに本体140の裏面14b側に設けられた開口142eを備えている。
【0137】
第2の吸引部144は、上記の各実施の形態における構成に加えて、さらに本体140の裏面14b側に設けられた開口144eを備えて概略構成されている。この開口142d、142e、144d、142eは、例えば、マスク用基板3の幅Wに渡るスリット形状の開口ではなく、小さな開口がマスク用基板3の幅W方向に並べられたものうちの1つである。
【0138】
また、チャック用ポンプ148は、第1及び第2の吸引部142、144内を吸引することによってマスク用基板3との密着性を高め、さらに、主面14a側の開口142d、144d、及び裏面14b側の開口142e、144e付近の付着物6a、6bを吸引する。
【0139】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0140】
(マスク用基板の乾燥処理)
図12A(a)〜図12B(d)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【0141】
まず、図12A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0142】
次に、図12B(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12の貫通孔12A内にマスク用基板3が収納されるように、矢印B方向に向けて処理液吐出部126、136側から移動させる。
【0143】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、142e、144d、144eからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0144】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126、136の開口126c、136cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5aをマスク用基板3の主面3aに向けて吐出し、処理液吐出部136の開口136a及び流路136bを介して開口136cから処理液5bをマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出する。
【0145】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122、132の開口122c、132cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4aをマスク用基板3の主面3aに向けて吐出し、気体吐出部132の開口132a及び流路132bを介して開口132cから気体4bをマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出する。この気体4aは、付着物6aの端部60aに矢印B方向の圧力を付加し、気体4bは、付着物6bの端部60bに矢印B方向の圧力を付加する。
【0146】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから付着物6aの端部60aに圧力を付加する気体4aの吸引を開始し、吸引部134の開口134c及び流路134bを介して開口134aから付着物6bの端部60bに圧力を付加する気体4bの吸引を開始する。
【0147】
次に、図12B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体4aがマスク用基板3の主面3aと本体120Aの主面120a間の付着物6aの端部60aに圧力を付加し、気体4bがマスク用基板3の裏面3bと本体120Bの主面130a間の付着物6bの端部60bに圧力を付加することで、付着物6a、6bを矢印B方向に移動させる。吸引部124、134は、当該気体4a、4bを開口124a、134bから吸引する。
【0148】
そして、気体4aによって矢印B方向に移動させられた付着物6aは、マスク用基板3の主面3aと本体120Aの主面120a間から基板チャック14の主面14aと本体120Aの主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。また、気体4bによって矢印B方向に移動させられた付着物6bは、マスク用基板3の裏面3bと本体120Bの主面130a間から基板チャック14の裏面14bと本体120Bの主面130a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0149】
次に、図12B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに矢印B方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aと本体120Aの主面120aの間の付着物6a、及びマスク用基板3の裏面3b及び基板チャック14の裏面14bと本体120Bの主面130aの間の付着物6bが、完全に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a及び裏面3bの乾燥処理を終了する。
【0150】
(第5の実施の形態の効果)
本発明の第5の実施の形態によれば、マスク用基板3の主面3aと裏面3bに対して同時に乾燥処理を行うことができるので、片面ずつ乾燥処理を行う場合と比べ、乾燥処理の時間が短縮され、半導体装置の製造のスループットが向上する。
【0151】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形および組み合わせが可能である。
【0152】
例えば、上記の各実施の形態において処理対象面は、マスク用基板3の主面3aであったが、裏面3bであっても良い。
【0153】
例えば、基板処理装置1は、基板チャック14の第1及び第2の吸引部142、144を設けず、マスク用基板3の側面3c、3dに基板チャック14の側面140b、140dが密着するように構成しても良い。
【0154】
例えば、乾燥処理は、第5の実施の形態におけるノズル12を第1の実施の形態のように立てて行っても良い。
【0155】
例えば、第5の実施の形態のノズル12から吸引部を除いた構成としても良い。
【0156】
上記の各実施の形態において、マスク用基板3の主面3aの濡れ性を撥水性とし、ノズル12の主面120及び/又は裏面120bの濡れ性を親水性とすることで、さらに付着物6のマスク用基板3からの剥離を容易にすることができる。
【0157】
上記の各実施の形態において、基板処理装置1は、マスク3Aの製造途中における洗浄処理後の乾燥処理に用いたが、これに限定されず、マスク3Aのメンテナンス等で行われる洗浄処理後の乾燥処理に用いても良い。
【0158】
上記の実施の形態において、乾燥処理は、マスク用基板3を略垂直又は水平に保持して行ったが、これに限定されず、マスク用基板3の処理対象面が水平方向と交差する方向に沿う方向に傾けて行っても良い。
【符号の説明】
【0159】
1…基板処理装置、3…マスク用基板、3A…マスク、3a…主面、3b…裏面、3c〜3f…側面、4、4a、4b…気体、5、5a、5b…処理液、6、6a、6b…付着物、122、132…気体吐出部、124、134…吸引部、126、136…処理液吐出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ウエハの上方から下方に向けて下降流を発生させ、発生した下降流が、回転するウエハにより上昇気流とならない流速で、下降流を排気する排気手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この排気手段によれば、ウエハを乾燥させるスピン乾燥処理において、ウエハの主面から液切りされた液滴の、主面への再付着を行わせないようにすることができるとしている。
【0004】
従来、ウエハのみならず、フォトマスクやFPD(Flat Panel Display)用マスクといった平面矩形状の基板の乾燥についても、スピン乾燥法が用いられている。しかし、スピン乾燥法では、基板の回転によって裏面側に回りこむ液滴が発生し、その液滴による裏面側の汚染防止が課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−327906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、基板の処理対象面、及び処理対象面に対向する面の汚染を防止する基板処理方法、基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、基板の側面を保持し、前記基板の処理対象面に処理液を接触させ、前記処理液に向けて気体を吐出して前記処理液を前記基板から分離させることを含む基板処理方法を提供する。
【0008】
本発明の他の一態様は、基板の側面を保持する保持部と、前記基板の処理対象面に処理液を吐出する処理液吐出部と、前記基板に吐出した前記処理液に向けて気体を吐出し、前記処理液を前記基板から分離させる気体吐出部と、を備えた基板処理装置を提供する。
【0009】
本発明の他の一態様は、上記に記載の基板処理方法、又は上記に記載の基板処理装置を用いる半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板の処理対象面、及び処理対象面に対向する面の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の構成ブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図であり、(b)は、ノズルを主面側から見た斜視図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの上面図であり、(b)は、マスクの側面図である。
【図4】図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの製造工程の一例を示す要部断面図である。
【図5A】図5A(a)及び(b)本発明の第1の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図5B】図5B(c)及び(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
【図7A】図7A(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図7B】図7B(c)及び(d)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図である。
【図9A】図9A(a)及び(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図9B】図9B(c)及び(d)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図10A】図10A(a)及び(b)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図10B】図10B(c)及び(d)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図11】図11は、本発明の第5の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図である。
【図12A】図12A(a)及び(b)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【図12B】図12B(c)及び(d)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
(基板処理装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置の構成ブロック図である。この基板処理装置1は、例えば、EUV(Extreme Ultra-Violet)マスクの製造前後における洗浄処理後の乾燥処理を行う。このEUVマスクは、EUV光を用いるEUVフォトリソグラフィ法に用いられる。EUVフォトリソグラフィ法とは、例えば、光源から出射された軟X線領域の光であるEUV光(波長13.5nm)を照明光学系で集光してEUVマスクに照射し、EUVマスクを反射した反射光のマスクパターン像を縮小光学系で縮小し、ウエハ上に転写するものである。なお、乾燥処理対象となる基板は、フォトマスク用基板、インプリント用テンプレート及びFPD用マスク等でも良く、それらの製造途中の基板でも、メンテナンスにおける洗浄処理後の基板でも良い。以下では、EUVマスクの製造途中のマスク用基板の洗浄処理後の乾燥処理について説明する。
【0013】
基板処理装置1は、図1に示すように、処理チャンバ10と、ノズル12と、保持部としての基板チャック14と、リザーバ16と、記憶部18と、入力部20と、出力部22と、制御部100とを備えて概略構成されている。
【0014】
処理チャンバ10は、例えば、ノズル12、基板チャック14、基板チャック14を駆動するアクチュエータ146及びリザーバ16を収容する。
【0015】
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスク用基板の要部断面図であり、(b)は、ノズルを主面側から見た斜視図である。なお、本実施の形態において、基板チャック14に保持されたマスク用基板3は、処理チャンバ10に対して静止しており、図2(a)に示す下向きの矢印Aは、ノズル12の移動方向を示している。
【0016】
ノズル12は、図2(a)に示すように、本体120と、気体吐出部122と、吸引部124と、処理液吐出部126と、を備えて概略構成されている。
【0017】
本体120は、図2(b)に示すように、例えば、矩形状の立体である。
【0018】
気体吐出部122は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の裏面120b側に設けられた開口122aと、本体120の内部に設けられ、開口122aと開口122cを接続する流路122bと、本体120の主面120a側に設けられた開口122cとを備えて概略構成されている。
【0019】
また気体吐出部122は、フィルタ等で浄化された気体4が、気体吐出用ポンプ123から送り出され、開口122a、流路122bを介して開口122cから吐出し、後述する付着物6をマスク用基板3から分離させる。
【0020】
開口122aは、気体吐出用ポンプ123と接続されている。開口122cは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0021】
流路122bは、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離ではなく、気体4が効果的にマスク用基板3上の付着物6を移動させるように、また、ノズル12の移動方向である矢印A方向に気体4を効果的に吐出するように傾斜している。
【0022】
ここで、付着物6とは、例えば、マスク用基板3に形成されたレジスト膜の現像処理及びリンス処理の後、マスク用基板3上に残存するレジスト材、リンス液、埃等を含むものである。なお、後述する処理液5がマスク用基板3上に吐出された後は、処理液5を含めて付着物6と記載する。
【0023】
吸引部124は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の主面120a側に設けられた開口124aと、本体120の内部に設けられ、開口124aと開口124cを接続する流路124bと、本体120の裏面120b側に設けられた開口124cとを備えて概略構成されている。
【0024】
吸引用ポンプ125は、気体吐出部122の開口122cからマスク用基板3の処理対象面である主面3aに向けて吐出された気体4を、吸引部124の開口124a、流路124bを介して開口124cから吸引する。
【0025】
開口124cは、吸引用ポンプ125と接続されている。開口124aは、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0026】
流路124bは、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離ではなく、気体吐出部122の開口122cより吐出した気体4を効果的に吸引できるように傾斜している。
【0027】
処理液吐出部126は、ノズル12の主面120aから裏面120bを貫通する孔であり、本体120の裏面120b側に設けられた開口126aと、本体120の内部に設けられ、開口126aと開口126cを接続する流路126bと、本体120の主面120a側に設けられた開口126cとを備えて概略構成されている。
【0028】
処理液吐出部126は、処理液5が、処理液吐出用ポンプ127から送り出され、開口126a、流路126bを介して開口126cから吐出し、処理対象面に処理液5を接触させる。
【0029】
開口126aは、処理液吐出用ポンプ127と接続されている。開口126cは、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している(図2(b)参照。)。
【0030】
流路126bは、例えば、図2(a)に示すように、主面120aと裏面120b間の最短の距離となっている。
【0031】
この処理液5は、例えば、フィルタ等によって処理された純水である。また処理液5は、例えば、酸化又は還元といった特性を有する液体等であっても良い。この処理液5は、例えば、マスク用基板3に付着するパーティクルやレジスト材の残りの、マスク用基板3からの分離を容易にするものである。
【0032】
ノズル12は、アクチュエータ128と接続されており、アクチュエータ128による駆動によって移動する。本実施の形態においてノズル12は、例えば、基板チャック14に保持されたマスク用基板3の上方から下方に移動しながらマスク用基板3の乾燥処理を行う。
【0033】
基板チャック14は、マスク用基板3の側面3c、3dからマスク用基板3を保持する機構を備え、アクチュエータ146によって駆動する。基板チャック14は、例えば、マスク用基板3の側面3c側に第1の吸引部142と、マスク用基板3の側面3d側に第2の吸引部144を備えている。
【0034】
第1の吸引部142は、基板チャック14の側面140aからマスク用基板3を保持する側面140bまで貫通する孔であり、基板チャック14の側面140a側に設けられた開口142aと、本体140の内部に設けられ、開口142aと開口142cを接続する流路142bと、本体140のマスク用基板3側の側面140bに設けられた開口142cと、本体140の主面14aのマスク用基板3側に設けられた開口142dを備えて概略構成されている。
【0035】
開口142aは、チャック用ポンプ148と接続されている。開口142dは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している。
【0036】
第2の吸引部144は、基板チャック14の側面140cからマスク用基板3を保持する側面140dまで貫通する孔であり、基板チャック14の側面140c側に設けられた開口144aと、本体140の内部に設けられ、開口144aと開口144cを接続する流路144bと、本体140のマスク用基板3側の側面140dに設けられた開口144cと、本体140の主面14aのマスク用基板3側に設けられた開口144dを備えて概略構成されている。
【0037】
開口144aは、チャック用ポンプ148と接続されている。開口144dは、例えば、マスク用基板3の幅Wの長さに等しいスリット形状を有している。
【0038】
また、チャック用ポンプ148は、第1及び第2の吸引部142、144内を吸引することによってマスク用基板3との密着性を高め、さらに、主面14a側の開口142d、144d付近の付着物6を吸引するので、マスク用基板3の裏面3bに回り込む液滴等を防止する。
【0039】
さらに、基板チャック14は、その主面14aがマスク用基板3の主面3aと段差がないように構成される。この構成によって、主面14aと主面3aの接触する部分に付着物6が溜まることを防ぐ。また同様に、基板チャック14は、その裏面14bとマスク用基板3の裏面3bとの段差がないように構成される。
【0040】
リザーバ16は、例えば、処理チャンバ10内に設けられ、マスク用基板3を裏返したり、垂直に立てたりするものである。
【0041】
記憶部18は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等からなり、乾燥処理等の工程のデータである工程データ180を記憶する。制御部100は、基板処理装置1に電源が投入されると、この工程データ180を記憶部18から読み込むものとする。
【0042】
入力部20は、例えば、キーボード等の入力装置、コンピュータ等の外部装置と接続されている。また、入力部20は、例えば、マスク用基板3を製造する露光装置等に接続されている。
【0043】
出力部22は、例えば、モニタ等の表示装置、コンピュータ、露光装置等の外部装置と接続されている。
【0044】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなり、気体吐出用ポンプ123、吸引用ポンプ125、処理液吐出用ポンプ127、アクチュエータ128、アクチュエータ146、チャック用ポンプ148、リザーバ16、記憶部18、入力部20及び出力部22を制御する。
【0045】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの上面図であり、(b)は、マスクの側面図である。マスク3Aは、例えば、EUVマスクであり、図3(a)に示すように、本体300と、本体300の主面3a側に形成され、縮小投影されるパターンが形成された主要パターン部301と、位置決めのために主要パターン部301の周囲に形成された複数のアライメントマーク部302と、を備えて概略構成されている。
【0046】
マスク3Aは、例えば、図3(a)及び(b)に示すように、上面視で正方形状となっており、側面3cから側面3dまでの幅Lが6インチで、側面3eから側面3fまでの幅Wが6インチで、厚さHが0.25インチである。ノズル12の開口122c、124c及び126cは、この幅Wと同じ幅で形成されている。なお、マスク3Aの形状は、上記に限定されず、矩形状等でも良い。
【0047】
以下に、本実施の形態のマスク3Aの製造方法の一例について説明する。
【0048】
(マスクの製造)
図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの製造工程の一例を示す要部断面図である。
【0049】
まず、図4(a)に示すように、主面側に、多層膜32、キャッピング層33、バッファ層34、吸収体積層膜35及びレジスト膜36が積層され、裏面側に導電膜31が形成された基材30からなるマスク用基板3を準備する。
【0050】
基材30は、例えば、超低熱膨張材料であるTiドープ石英ガラス、ガラスセラミック等が用いられる。
【0051】
導電膜31は、導電性を有する材料からなる膜であり、例えば、スパッタ法によって成膜されたCr膜である。EUVリソグラフィ装置は、静電チャック方式によってマスク3Aを保持するので、マスク3Aの裏面3b側に導電性を有する膜が必要となる。
【0052】
多層膜32は、例えば、MoとSiの薄膜を交互に40〜50層程度積層してなるものである。Moからなる薄膜は、例えば、スパッタ法等によって成膜される。Siからなる薄膜は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等によって成膜される。
【0053】
キャッピング層33は、多層膜32の最上層に形成された保護膜であり、パターン形成後の開口から露出するものであり、例えば、Ru又はSi等からなる。Ruからなる膜は、例えば、スパッタ法等によって成膜される。Siからなる膜は、例えば、CVD法等によって成膜される。
【0054】
バッファ層34は、吸収体積層膜35とのエッチング選択比が取れる材料からなり、例えば、CrN、SiO2等が用いられる。CrNは、例えば、CVD法等によって成膜される。SiO2は、例えば、熱酸化法、CVD法等によって成膜される。
【0055】
吸収体積層膜35は、マスクパターンとなる膜であり、例えば、TaN、TaBN、TaGeN等が用いられ、CVD法等によって成膜される。
【0056】
レジスト膜36は、例えば、スピンコート法によって吸収体積層膜35上に形成される。
【0057】
次に、図4(b)に示すように、電子線描画装置7によってレジスト膜36にパターンを描画してレジスト膜36に潜像を形成し、続いてPEB(Post Exposure Baking)を行う。
【0058】
次に、図4(c)に示すように、現像処理及びリンス処理を行ってレジストパターン37を形成する。ここで、リンス処理後の乾燥処理について、以下で詳しく説明する。
【0059】
図5A(a)〜図5B(d)は、本発明の第1の実施の形態に係るマスクの乾燥処理に関する工程図である。
【0060】
まず、図5A(a)に示すように、制御部100は、リザーバ16を駆動してマスク用基板3を側面3cが上、側面3dが下になるように回転させ、続いて、アクチュエータ146を駆動し、付着物6が残存するマスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0061】
このとき、マスク用基板3の主面3aに残存する付着物6は、重力により落下するが完全には乾かない。
【0062】
次に、図5A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の上方から下方に向けて処理液吐出部126側から移動させる。なお、ノズル12が固定で、基板チャック14が移動しても良いし、ノズル12と基板チャック14が共に移動しても良い。
【0063】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0064】
次に、制御部100は、ノズル12の下方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0065】
ここで、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の付着物6は、主面120aと主面3aの両面に接していることが望ましい。そこで、処理液5の流量を考慮し、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の間隔は、例えば、数μm〜3mm程度が望ましい。
【0066】
次に、制御部100は、続くノズル12の下方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に下方向の圧力を付加する。
【0067】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから、付着物6の端部60に対して圧力を付加した気体4の吸引を開始する。なお、吸引部124を介しての吸引は、マスク用基板3に向けて吐出された気体4のみの吸引が望ましい。
【0068】
次に、図5B(c)に示すように、ノズル12が下方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を下方に移動させ、吸引部124は、当該気体4を開口124aから吸引する。
【0069】
そして、気体4によって下方に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0070】
次に、図5B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに下方に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に下方に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0071】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0072】
次に、図4(d)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)法によってレジストパターン37をマスクとして吸収体積層膜35とバッファ層34を選択的にエッチングし、レジストパターン37の開口にキャッピング層33を露出させた後、レジストパターン37を除去してマスク3Aを得る。
【0073】
以下に、本実施の形態における基板処理装置1によって乾燥処理が行われたマスク3Aを用いた半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0074】
(半導体装置の製造)
図6(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す要部断面図である。
【0075】
まず、上記の基板処理装置1によって乾燥処理が行われて製造されたマスク3Aを準備する。
【0076】
続いて、図6(a)に示すように、半導体基板70上に、CVD法等によって被加工膜71を形成し、形成した被加工膜71上に、スピンコート法等によってレジスト膜72を形成する。
【0077】
半導体基板70は、例えば、Siを主成分とするSi系基板である。
【0078】
被加工膜71は、例えば、単膜でも良いし、多数の膜が積層された積層膜でも良い。
【0079】
次に、図6(b)に示すように、EUVリソグラフィ法によってマスク3Aの主要パターン部301に形成されたパターンをレジスト膜72に潜像形成し、現像処理及びリンス処理等を行ってレジストパターン73を形成する。
【0080】
次に、図6(c)に示すように、RIE法によってレジストパターン73をマスクとして被加工膜71をエッチングし、レジストパターン73を除去する。続いて、周知の工程を経て、所望の半導体装置を得る。
【0081】
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)マスク用基板3を立てて保持し、ノズル12によって乾燥処理を行うことで、マスク用基板3を回転させて乾燥させる場合に比べ、マスク用基板3の乾燥対象の面の裏面側の汚染を防止し、また、乾燥対象の面を確実に乾燥させることができる。
(2)基板チャック14によってマスク用基板3の側面3c、3d側から保持するので、マスク用基板3の側面を保持しない場合に比べ、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bに基板チャック14が接触することがなく、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bを傷つけない。また、マスク用基板3を立てる際、マスク用基板3の上部と下部を基板チャック14で保持するので、落下することなく安定してマスク用基板3を保持することができる。
(3)ノズル12を介して気体4の吐出と吸引を行うので、吐出した気体4の吸引を行わない場合と比べ、ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3a間の気体4の付着物6に対する圧力を一定に保つことができる。付着物6に対する気体4の圧力を一定に保つことによって、乾燥速度を均一にすることができる。
(4)ノズル12から処理液5をマスク用基板3に吐出するので、処理液5をマスク用基板3に塗布しない場合に比べ、付着物6の剥離が容易となる。
(5)ノズル12から処理液5の吐出と、気体4の吐出及び吸引を行うので、マスク用基板3上の濡れ性が面内で異なっていても、マスク用基板3を回転させて乾燥させる場合に比べ、付着物6の剥離が容易となることで面内の濡れ性が均一になり、その結果、乾燥速度がより均一になるので、マスク用基板3を確実に乾燥することができる。
(6)基板チャック14とマスク用基板3の間に開口142d、144dが設けられているので、基板チャック14とマスク用基板3の間に開口が無い場合と比べ、基板チャック14の主面14aとマスク用基板3の主面3aとの境界付近の付着物6を吸引することができ、マスク用基板3の乾燥対象の面の裏面の汚染を防止することができる。
(7)乾燥処理中は、ノズル12がマスク用基板3の主面3a側を覆っているので、ノズル12がマスク用基板3を覆わない場合に比べ、乾燥処理中の付着物6がミストとなってマスク用基板3に再付着することを防止することができる。
(8)ノズル12の主面120aとマスク用基板3の主面3aに付着物6が接触するので、接触しない場合と比べ、吐出した気体4の抜けが無くなり、付着物6に一定の圧力を付加することができる。
(9)マスク用基板3の側面3dを下側にして基板チャック14にて保持するので、マスク用基板3を水平に保持する場合に比べ、付着物6が重力によって落下し易くなり、マスク用基板3を乾燥させ易い。
(10)マスク用基板3に対する汚染がないので、マスク用基板3を加工して形成されるマスク3Aを半導体装置の製造に用いない場合に比べ、半導体装置の製造の歩留まりを向上させることができる。また、マスク用基板3の裏面3bの検査が容易となるため、TAT(Turn Around Time)が短縮される。
(11)上記の製造工程を経て製造されたマスク3Aを用いて、半導体装置の製造を行うことによって、上記のマスク3Aを半導体装置の製造に用いない場合と比べ、特に、マスク3Aの裏面3bの汚染が低減するため、露光処理の際のマスク3Aの保持において汚染が起因のチャッキングの歪みが低減でき、精度の高い半導体装置の製造が行える。
【0082】
[第2の実施の形態]
図7A(a)〜図7B(d)は、本発明の第2の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。第2の実施の形態は、マスク用基板3が水平に保持されている点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様の機能及び構成を有する部分については、同じ符号を付し、説明を省略するものとする。また、マスクの製造方法、及び製造したマスクを用いた半導体装置の製造方法は、第1の実施の形態と同様の工程であるので、説明を省略し、主に、マスク用基板の乾燥処理について説明する。
【0083】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0084】
(マスク用基板の乾燥処理)
まず、図7A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0085】
次に、図7B(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の図面左から右方向(図7A(b)に示す矢印B方向。)に処理液吐出部126側から移動させる。なお、ノズル12が固定で、基板チャック14が移動しても良いし、ノズル12と基板チャック14が共に移動しても良い。
【0086】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0087】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0088】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に矢印B方向の圧力を付加する。
【0089】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから、付着物6の端部60に対して圧力を付加した気体4の吸引を開始する。なお、吸引部124を介しての吸引は、マスク用基板3に向けて吐出された気体4のみの吸引が望ましい。
【0090】
次に、図7B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を図面右方向に移動させ、吸引部124は、当該気体4を開口124aから吸引する。
【0091】
そして、気体4によって矢印B方向に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0092】
次に、図7B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに図面右方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に矢印B方向に移動して基板チャック14から落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0093】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0094】
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、マスク用基板3を水平に保持して乾燥処理を行うので、マスク用基板3を立てて乾燥処理を行う場合に比べ、マスク用基板3の落下等が発生し難い。
【0095】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスクの要部断面図である。第3の実施の形態は、吸引部及び吸引用ポンプ125を持たない点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0096】
(ノズルの構成)
本実施の形態におけるノズル12は、第1及び第2の実施の形態に係る吸引部124を備えていない。本実施の形態におけるノズル12の他の構成は、上記の各実施の形態と同様である。
【0097】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0098】
(マスク用基板の乾燥処理)
図9A(a)〜図9B(d)は、本発明の第3の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、マスク用基板3を立てて、乾燥処理を行う。
【0099】
まず、図9A(a)に示すように、制御部100は、リザーバ16を駆動してマスク用基板3を側面3cが上、側面3dが下になるように回転させ、続いて、アクチュエータ146を駆動し、付着物6が残存するマスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0100】
次に、図9A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の上方から下方に向けて処理液吐出部126側から移動させる。
【0101】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0102】
次に、制御部100は、ノズル12の下方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0103】
次に、制御部100は、続くノズル12の下方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に下方向の圧力を付加する。
【0104】
次に、図9B(c)に示すように、ノズル12が下方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を下方に移動させる。
【0105】
そして、気体4によって下方に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0106】
次に、図9B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに下方に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に下方に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0107】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0108】
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、吸引部124及び吸引用ポンプ125を備える場合と比べ、ノズル12の構成部品が少なくなり、基板処理装置1の製造コストを抑制することができる。
【0109】
[第4の実施の形態]
図10A(a)〜図10B(d)は、本発明の第4の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。第4の実施の形態は、構成は、第3の実施の形態と同じであるが、マスク用基板3が水平に保持されている点で第3の実施の形態と異なっている。
【0110】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0111】
(マスク用基板の乾燥処理)
まず、図10A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0112】
次に、図10A(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12をマスク用基板3の矢印B方向に処理液吐出部126側から移動させる。
【0113】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、144dからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0114】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126の開口126cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5をマスク用基板3に向けて吐出する。
【0115】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122の開口122cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4をマスク用基板3に向けて吐出する。この気体4は、付着物6の端部60に矢印B方向の圧力を付加する。
【0116】
次に、図10B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体吐出部122の開口122cから吐出する気体4がマスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間の付着物6の端部60に圧力を付加することで、付着物6を矢印B方向に移動させる。
【0117】
そして、気体4によって矢印B方向に移動させられた付着物6は、マスク用基板3の主面3aとノズル12の主面120a間から基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0118】
次に、図10B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに矢印B方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aとノズル12の主面120aの間の付着物6が、完全に矢印B方向に移動して基板チャック14から落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a側の乾燥処理を終了する。
【0119】
次に、制御部100は、アクチュエータ128を制御し、ノズル12を初期位置に戻す。続いて、制御部100は、リザーバ16を制御し、マスク用基板3の裏面3bがノズル12側となるように、基板チャック14に保持されたマスク用基板3を回転させる。続く裏面3bの乾燥処理は、上記の主面3aの乾燥処理と同様に行われる。
【0120】
(第4の実施の形態の効果)
本発明の第4の実施の形態によれば、マスク用基板3を水平に保持して乾燥処理を行うので、マスク用基板3を立てて乾燥処理を行う第3の実施の形態に比べ、さらに安定して乾燥処理を行うことができる。
【0121】
[第5の実施の形態]
図11は、本発明の第5の実施の形態に係るノズル及び基板チャックに保持されたマスクの要部断面図である。第5の実施の形態は、マスク用基板3の主面3a及び裏面3bに対して、同時に乾燥処理を行うことができる点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0122】
(ノズルの構成)
本実施の形態に係るノズル12は、図11に示すように、本体120の中央に、基板チャック14に保持されたマスク用基板3が収容できる貫通孔12Aを備えている。本体120は、貫通孔12Aより上部の本体120Aと、貫通孔12Aより下部の本体120Bとで概略構成される。
【0123】
ノズル12は、本体120A側に、気体吐出部122と、吸引部124と、処理液吐出部126とを備え、本体120B側に、気体吐出部132と、吸引部134と、処理液吐出部136とを備えて概略構成されている。なお、気体吐出部122、吸引部124及び処理液吐出部126については、上記の各実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0124】
本体120B側の気体吐出部132は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口132aと、本体120Bの内部に設けられ、開口132aと開口132cを接続する流路132bと、本体120Bの主面130a側に設けられた開口132cとを備えて概略構成されている。
【0125】
また気体吐出部132は、フィルタ等で浄化された気体4bが、気体吐出用ポンプ123から送り出され、開口132a、流路132bを介して開口132cから吐出する。気体吐出用ポンプ123は、気体吐出部122、132に接続される。なお、気体4a、4bは、気体4と同じ気体であるが、異なっていても良い。
【0126】
開口132aは、気体吐出用ポンプ123と接続されている。開口132cは、例えば、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0127】
流路132bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離ではなく、気体4bが効果的にマスク用基板3の裏面3bに付着する付着物6bを移動させるように、また、ノズル12の進行方向に気体4bを効果的に吐出するように傾斜している。
【0128】
吸引部134は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの主面130a側に設けられた開口134aと、本体120Bの内部に設けられ、開口134aと開口134cを接続する流路134bと、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口134cとを備えて概略構成されている。
【0129】
吸引用ポンプ125は、気体吐出部132の開口132cからマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出された気体4bを、吸引部134の開口134a、流路134bを介して開口134cから吸引する。
【0130】
開口134cは、吸引用ポンプ125と接続されている。開口134aは、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0131】
流路134bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離ではなく、気体吐出部132の開口132cより吐出した気体4bを効果的に吸引できるように、吐出された気体4bの進行方向をなるべく変えないように傾斜している。
【0132】
処理液吐出部136は、本体120Bの主面130aから裏面130bを貫通する孔であり、本体120Bの裏面130b側に設けられた開口136aと、本体120Bの内部に設けられ、開口136aと開口136cを接続する流路136bと、本体120Bの主面130a側に設けられた開口136cとを備えて概略構成されている。
【0133】
処理液吐出部136は、処理液5bが、処理液吐出用ポンプ127から送り出され、開口136a、流路136bを介して開口136cから吐出する。なお、処理液5a、5bは、処理液5と同じ液体であるが、異なっていても良い。
【0134】
開口136aは、処理液吐出用ポンプ127と接続されている。開口136cは、マスク用基板3の幅Wに等しいスリット形状を有している。
【0135】
流路136bは、主面130aと裏面130b間の最短の距離となっている。
【0136】
第1の吸引部142は、上記の各実施の形態における構成に加えて、さらに本体140の裏面14b側に設けられた開口142eを備えている。
【0137】
第2の吸引部144は、上記の各実施の形態における構成に加えて、さらに本体140の裏面14b側に設けられた開口144eを備えて概略構成されている。この開口142d、142e、144d、142eは、例えば、マスク用基板3の幅Wに渡るスリット形状の開口ではなく、小さな開口がマスク用基板3の幅W方向に並べられたものうちの1つである。
【0138】
また、チャック用ポンプ148は、第1及び第2の吸引部142、144内を吸引することによってマスク用基板3との密着性を高め、さらに、主面14a側の開口142d、144d、及び裏面14b側の開口142e、144e付近の付着物6a、6bを吸引する。
【0139】
以下に、本実施の形態に係る基板処理装置1によるマスク用基板3の乾燥処理について説明する。
【0140】
(マスク用基板の乾燥処理)
図12A(a)〜図12B(d)は、本発明の第5の実施の形態に係るマスク用基板の乾燥処理に関する工程図である。
【0141】
まず、図12A(a)に示すように、制御部100は、アクチュエータ146を駆動し、マスク用基板3を基板チャック14によって保持する。
【0142】
次に、図12B(b)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12を制御して、ノズル12の貫通孔12A内にマスク用基板3が収納されるように、矢印B方向に向けて処理液吐出部126、136側から移動させる。
【0143】
次に、制御部100は、チャック用ポンプ148を制御して、第1及び第2の吸引部142、144の開口142a、144a及び流路142b、144bを介して開口142d、142e、144d、144eからの吸引を開始する。この吸引は、乾燥処理が終了するまで、続けられる。
【0144】
次に、制御部100は、ノズル12の矢印B方向の移動により、マスク用基板3と基板チャック14の境界付近に処理液吐出部126、136の開口126c、136cが接近すると、処理液吐出用ポンプ127を駆動し、処理液吐出部126の開口126a及び流路126bを介して開口126cから処理液5aをマスク用基板3の主面3aに向けて吐出し、処理液吐出部136の開口136a及び流路136bを介して開口136cから処理液5bをマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出する。
【0145】
次に、制御部100は、続くノズル12の矢印B方向の移動により、基板チャック14の側面140a付近に気体吐出部122、132の開口122c、132cが接近すると、気体吐出用ポンプ123を駆動し、気体吐出部122の開口122a及び流路122bを介して開口122cから気体4aをマスク用基板3の主面3aに向けて吐出し、気体吐出部132の開口132a及び流路132bを介して開口132cから気体4bをマスク用基板3の裏面3bに向けて吐出する。この気体4aは、付着物6aの端部60aに矢印B方向の圧力を付加し、気体4bは、付着物6bの端部60bに矢印B方向の圧力を付加する。
【0146】
次に、制御部100は、吸引用ポンプ125を駆動し、吸引部124の開口124c及び流路124bを介して開口124aから付着物6aの端部60aに圧力を付加する気体4aの吸引を開始し、吸引部134の開口134c及び流路134bを介して開口134aから付着物6bの端部60bに圧力を付加する気体4bの吸引を開始する。
【0147】
次に、図12B(c)に示すように、ノズル12が矢印B方向に移動しながら、気体4aがマスク用基板3の主面3aと本体120Aの主面120a間の付着物6aの端部60aに圧力を付加し、気体4bがマスク用基板3の裏面3bと本体120Bの主面130a間の付着物6bの端部60bに圧力を付加することで、付着物6a、6bを矢印B方向に移動させる。吸引部124、134は、当該気体4a、4bを開口124a、134bから吸引する。
【0148】
そして、気体4aによって矢印B方向に移動させられた付着物6aは、マスク用基板3の主面3aと本体120Aの主面120a間から基板チャック14の主面14aと本体120Aの主面120a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。また、気体4bによって矢印B方向に移動させられた付着物6bは、マスク用基板3の裏面3bと本体120Bの主面130a間から基板チャック14の裏面14bと本体120Bの主面130a間に移動し、さらに、基板チャック14とノズル12から離れて落下する。
【0149】
次に、図12B(d)に示すように、制御部100は、アクチュエータ128を介してノズル12をさらに矢印B方向に移動させると、マスク用基板3の主面3a及び基板チャック14の主面14aと本体120Aの主面120aの間の付着物6a、及びマスク用基板3の裏面3b及び基板チャック14の裏面14bと本体120Bの主面130aの間の付着物6bが、完全に落下し、マスク用基板3の処理対象面である主面3a及び裏面3bの乾燥処理を終了する。
【0150】
(第5の実施の形態の効果)
本発明の第5の実施の形態によれば、マスク用基板3の主面3aと裏面3bに対して同時に乾燥処理を行うことができるので、片面ずつ乾燥処理を行う場合と比べ、乾燥処理の時間が短縮され、半導体装置の製造のスループットが向上する。
【0151】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形および組み合わせが可能である。
【0152】
例えば、上記の各実施の形態において処理対象面は、マスク用基板3の主面3aであったが、裏面3bであっても良い。
【0153】
例えば、基板処理装置1は、基板チャック14の第1及び第2の吸引部142、144を設けず、マスク用基板3の側面3c、3dに基板チャック14の側面140b、140dが密着するように構成しても良い。
【0154】
例えば、乾燥処理は、第5の実施の形態におけるノズル12を第1の実施の形態のように立てて行っても良い。
【0155】
例えば、第5の実施の形態のノズル12から吸引部を除いた構成としても良い。
【0156】
上記の各実施の形態において、マスク用基板3の主面3aの濡れ性を撥水性とし、ノズル12の主面120及び/又は裏面120bの濡れ性を親水性とすることで、さらに付着物6のマスク用基板3からの剥離を容易にすることができる。
【0157】
上記の各実施の形態において、基板処理装置1は、マスク3Aの製造途中における洗浄処理後の乾燥処理に用いたが、これに限定されず、マスク3Aのメンテナンス等で行われる洗浄処理後の乾燥処理に用いても良い。
【0158】
上記の実施の形態において、乾燥処理は、マスク用基板3を略垂直又は水平に保持して行ったが、これに限定されず、マスク用基板3の処理対象面が水平方向と交差する方向に沿う方向に傾けて行っても良い。
【符号の説明】
【0159】
1…基板処理装置、3…マスク用基板、3A…マスク、3a…主面、3b…裏面、3c〜3f…側面、4、4a、4b…気体、5、5a、5b…処理液、6、6a、6b…付着物、122、132…気体吐出部、124、134…吸引部、126、136…処理液吐出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の側面を保持し、
前記基板の処理対象面に処理液を接触させ、前記処理液に向けて気体を吐出して前記処理液を前記基板から分離させることを含む基板処理方法。
【請求項2】
前記処理液の前記基板からの分離は、前記気体を前記処理液に向けて吐出すると共に吐出した前記気体を吸引することにより行う請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板が保持される前記側面から前記処理液を吸引する請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
基板の側面を保持する保持部と、
前記基板の処理対象面に処理液を吐出する処理液吐出部と、
前記基板に吐出した前記処理液に向けて気体を吐出し、前記処理液を前記基板から分離させる気体吐出部と、
を備えた基板処理装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理方法、又は請求項4に記載の基板処理装置を用いる半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板の側面を保持し、
前記基板の処理対象面に処理液を接触させ、前記処理液に向けて気体を吐出して前記処理液を前記基板から分離させることを含む基板処理方法。
【請求項2】
前記処理液の前記基板からの分離は、前記気体を前記処理液に向けて吐出すると共に吐出した前記気体を吸引することにより行う請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板が保持される前記側面から前記処理液を吸引する請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
基板の側面を保持する保持部と、
前記基板の処理対象面に処理液を吐出する処理液吐出部と、
前記基板に吐出した前記処理液に向けて気体を吐出し、前記処理液を前記基板から分離させる気体吐出部と、
を備えた基板処理装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理方法、又は請求項4に記載の基板処理装置を用いる半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2011−66258(P2011−66258A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216421(P2009−216421)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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