説明

基板処理方法及び基板処理装置

【課題】処理液が微細パターンの先端側から抜けるのを抑制することにより、基板に形成された微細パターンの倒壊を防止することができる。
【解決手段】純水DIWによる洗浄処理においては、図3(a)に示すように基板Wの微細パターンmpが純水DIWで覆われているが、乾燥処理時においては、図3(b)に示すように基板Wの微細パターンmpの側方に純水DIWが排出される。したがって、基板Wの上面に形成されている隣接した微細パターンmpの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、純水DIWの表面張力によって微細パターンmpが倒壊することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を薬液、純水等の処理液で処理した後、基板を乾燥させる基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体デバイスは微細化が進んでおり、基板には微細パターンが形成されることがある。特に、微細パターンのうち、縦横比が大きな高アスペクト比の微細パターンが形成されている基板は、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することがある。このような微細パターンの倒壊が生じると、半導体デバイスが機能しない欠陥を生じさせる原因となる。そこで、処理液の表面張力に起因する微細パターンの倒壊を防止するために、次のような方法が提案されている。
【0003】
第1の方法として、処理槽内に貯留した薬液に基板を浸漬させて基板への薬液処理を行わせ、次いで処理槽内に純水を供給して薬液を純水で置換し、基板への純水洗浄処理を行わせる。さらに、純水よりも表面張力が小さな処理液(例えば、ハイドロフルオロエーテル)を処理槽に供給して、この処理液による置換が完了した後、基板を処理槽から上方へ引き上げて乾燥させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この第1の方法は、純水よりも表面張力が低い処理液で純水を置換してから基板を引き上げることにより、引き上げ時に表面張力によって微細パターンに加わる力を小さくするようにしている。
【0005】
また、第2の方法として、処理槽内に貯留した薬液に基板を浸漬させて基板への薬液処理を行わせ、次いで処理槽内に純水を供給して純水洗浄処理を行わせる。さらに、処理槽内に水溶性有機溶剤(例えば、イソプロピルアルコール)を供給して、純水を水溶性有機溶剤で置換した後、処理槽内へ非水溶性有機溶剤(例えば、ハイドロフルオロエーテル)及び水溶性有機溶剤を供給する。そして、これらの混合液による置換が完了した後、基板を処理槽から上方へ引き上げて乾燥させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この第2の方法は、第1の方法と同様の手法により微細パターンに加わる力を小さくしようとするものである。
【0007】
また、第3の方法として、処理槽内の薬液に基板を浸漬させた後、処理槽に純水を供給して薬液を純水で置換し、その後、処理槽内の純水を溶剤で置換する。そして、基板を処理槽の溶剤液面から引き上げる際に、溶剤の液面より下にある基板の一部位を、溶剤の沸点以上に加熱した状態で、基板を上方へ引き上げつつ乾燥させるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
この第3の方法は、溶剤液面下の基板の一部位を溶剤の沸点以上に加熱して、基板が溶剤液面から露出した時点で溶剤が蒸発し、微細パターンに表面張力の負荷がかららないようにするものである。また、たとえ、溶剤が蒸発しきれなくても、加熱により溶剤の温度も上昇するので、溶剤の表面張力が小さくなり、溶剤残りによる微細パターン倒れも抑制できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−214447号公報
【特許文献1】特開2009−099943号公報
【特許文献1】特開2010−238918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の方法は、表面張力が低い処理液で置換して基板を引き上げたり、溶剤の沸点以上に基板を加熱した状態で溶剤から引き上げたりして乾燥を行うことにより、微細パターンの倒れを抑制している。しかしながら、さらに半導体デバイスの微細化が進んでアスペクト比がさらに高くなると、短時間で微細パターンの奥にある純水を低表面張力の処理液で完全に置換することはできない。したがって、従来の第1〜第3の方法では、液面からの基板の引き上げ時に、低表面張力の処理液だけでなく純水も微細パターンの先端側から抜けてゆくことになる。そのため、このときに純水の表面張力によって微細パターンが倒壊する恐れがある。つまり、従来の第1〜第3の方法では、微細パターンの倒壊の問題を十分に解決することはできない。
【0011】
また、半導体デバイスの微細化がさらに進み、微細パターンのアスペクト比がさらに大きくなると、微細パターンに加わる力が大きくなるので、表面張力がより低い処理液を用いる必要が生じる。加えて、単に表面張力が低いだけではなく、半導体デバイスを汚染することなく処理に用いることができることが必須条件となる。しかしながら、新たな処理液を見出すことには限界があり、さらなる高アスペクト比の微細パターンには対応できない恐れがある。換言すると、従来の第1〜第3の方法のように表面張力を下げる手法だけでは、今後、微細パターンの倒壊を防止することが困難になる。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理液が微細パターンの先端側から抜けるのを抑制することにより、基板に形成された微細パターンの倒壊を防止することができる基板処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法において、第1の回転数によって基板を水平面内で回転させながら、基板の上面に処理液を供給する過程と、処理液の供給を停止する過程と、隣接する微細パターンの先端部から処理液が抜けないように、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる過程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、第1の回転数で基板を回転させつつ処理液を供給し、処理液の供給を停止した後に、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる。したがって、微細パターンの先端部側から処理液が抜けることを抑制することができるので、隣接する微細パターンの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することを防止することができる。
【0015】
なお、ここでいう「側方」とは、基板の中心部から外周面に向かう基板面に沿った方向である。
【0016】
また、本発明において、前記乾燥させる過程は、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で基板を低速回転させることが好ましい(請求項2)。処理液供給時の第1の回転数より低速の第2の回転数で基板を回転させるだけで、処理液が微細パターンの上部側から処理液が抜けないようにして、微細パターンの側方へ抜けるようにできる。
【0017】
また、本発明において、前記第2の回転数は、50rpm以下であることが好ましい(請求項3)。50rpm以下の低速回転により、処理液を微細パターンの側方へ抜けさせることができる。
【0018】
また、本発明において、前記乾燥させる過程は、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板を基板の上面に近接させる過程と、前記遮断板の中心部から気体を供給する過程と、を備えていることが好ましい(請求項4)。基板の上面に遮断板を近接させた状態で遮断板の中心部から気体を供給すると、基板の中心部から外周に気体が向かう。この気体の流れにより微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制するとともに、外周への気体の流れにより処理液を微細パターンの側方へと押し流すことができる。したがって、効率的に処理液を微細パターンの側方へ排出させることができる。
【0019】
また、本発明において、前記乾燥させる過程は、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板を基板の上面に近接させる過程と、前記遮断板のうち基板に対向する側の全面から気体を供給する過程と、を備えていることが好ましい(請求項5)。基板の上面に遮断板を近接させた状態で遮断板の全面から気体を供給すると、気体が微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを押さえつつ、気体の流れが基板の外周へ向かう。したがって、微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制するとともに、気体の流れにより処理液を微細パターンの側方へと押し流すことができる。その結果、効率的に処理液を微細パターンの側方へ排出させることができる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、基板を処理する基板処理方法において、微細パターンが形成された基板面を回転中心側に向けた鉛直姿勢で、回転中心から所定距離離れた位置に基板を保持する過程と、所定の回転数で基板を回転させつつ、回転中心側から基板に向けて処理液を供給する過程と、前記処理液の供給を停止するとともに、回転中心側から基板に向けて気体を供給する過程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、回転中心から所定距離離れた位置に保持された基板を所定の回転数で回転させると、微細パターンの先端側から基板面に向かって遠心力が加わり、微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制できる。その状態で、回転中心側から気体を供給すると、気体の流れによって処理液が微細パターンの側方へ抜ける。したがって、微細パターンの先端部に応力が集中するのを防止することができる。その結果、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することを防止することができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、基板を水平姿勢で支持するとともに、水平面内で基板を回転させる回転手段と、前記回転手段の上方から基板の回転中心に向けて処理液を供給する処理液供給手段と、前記回転手段によって基板を水平面内で第1の回転数により回転させながら、前記処理液供給手段から基板の上面に処理液を供給させ、所定時間後に前記処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、隣接する微細パターンの先端部から処理液が抜けないように、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0023】
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、制御手段は、回転手段によって基板を水平面内で第1の回転数により回転させながら、処理液供給手段から基板の上面に処理液を供給させ、所定時間後に処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる。したがって、微細パターンの上部側から処理液が抜けることを抑制することができるので、隣接する微細パターンの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することを防止することができる。
【0024】
なお、ここでいう「側方」とは、基板の中心部から外周面に向かう基板面に沿った方向である。
【0025】
また、本発明において、前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記回転手段によって、第1の回転数よりも低い第2の回転数で基板を低速回転させることが好ましい(請求項8)。制御手段が回転手段を操作して、処理液供給時の第1の回転数より低速の第2の回転数で基板を回転させるだけで、処理液が微細パターンの上部側から処理液が抜けないようにして、微細パターンの側方へ抜けるようにできる。
【0026】
また、本発明において、前記制御手段は、前記第2の回転数を50rpm以下にすることが好ましい(請求項9)。制御手段が回転手段を操作して、50rpm以下の低速回転にすることにより、処理液を微細パターンの側方へ抜けさせることができる。
【0027】
また、本発明において、前記回転手段に支持された基板に近接した乾燥位置と、前記回転手段に支持された基板から離間した待機位置との間を移動可能であって、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板と、前記遮断板の中心部から気体を供給する中心部供給手段と、をさらに備え、前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、前記中心部供給手段により前記遮断板から気体を供給させることが好ましい(請求項10)。制御手段は、基板を乾燥させる際に、遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、中心部供給手段により遮断板から気体を供給させる。したがって、基板の中心部から外周に気体が向かう気体の流れにより微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制するとともに、外周への気体の流れにより処理液を微細パターンの側方へと押し流すことができる。したがって、効率的に処理液を微細パターンの側方へ排出させることができる。
【0028】
また、本発明において、前記回転手段に支持された基板に近接した乾燥位置と、前記回転手段に支持された基板から離間した待機位置との間を移動可能であって、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板と、前記遮断板のち基板に対向する側の全面から気体を供給する全面供給手段と、をさらに備え、前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、前記全面供給手段により前記遮断板から気体を供給させることが好ましい(請求項11)。制御手段は、基板を乾燥させる際に、遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、全面供給手段により遮断板から気体を供給させる。すると、微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを押さえつつ、気体の流れが基板の外周へ向かう。したがって、微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制するとともに、気体の流れにより処理液を微細パターンの側方へと押し流すことができる。その結果、効率的に処理液を微細パターンの側方へ排出させることができる。
【0029】
また、請求項12に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置において、中心に回転軸を備え、前記回転軸と連動して回転し、前記回転軸を囲うように内壁を備えた回転体と、前記回転体の内壁に基板を鉛直姿勢で保持する保持部と、前記回転軸の外周側から前記保持部に向かって処理液を供給する処理液供給手段と、前記回転軸の外周側から前記保持部に向かって気体を供給する気体供給手段と、前記保持部に基板を保持した状態で前記回転体を回転させつつ基板に対して前記処理液供給手段から処理液を供給し、所定時間後に前記処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、前記気体供給手段から基板に対して気体を供給させて基板を乾燥させる制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0030】
[作用・効果]請求項12に記載の発明によれば、制御手段は、保持部に基板を保持した状態で回転体を回転させつつ基板に対して処理液供給手段から処理液を供給し、所定時間後に処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、気体供給手段から気体を供給させて基板を乾燥させる。したがって、微細パターンの先端側から基板面に向かって遠心力が加わり、微細パターンの先端側から処理液が抜けるのを抑制できる。その状態で、回転中心から気体を供給すると、気体の流れによって処理液が微細パターンの側方へ抜けるので、隣接する微細パターンの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することを防止することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る基板処理方法によれば、第1の回転数で基板を回転させつつ処理液を供給し、処理液の供給を停止した後に、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる。したがって、微細パターンの上部側から処理液が抜けることを抑制することができるので、隣接する微細パターンの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、処理液の表面張力によって微細パターンが倒壊することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】表面張力により微細パターンに加わる力の説明に供する模式図である。
【図2】実施例1に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は基板を回転させる過程、(b)は基板に純水を供給する過程、(c)は乾燥過程を示す。
【図3】実施例1に係る基板処理方法における乾燥過程の模式図であり、(a)は純水供給時を示し、(b)は乾燥時を示す。
【図4】実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】実施例1に係る基板処理装置による基板処理時のタイムチャート例である。
【図6】実施例2に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は純水供給後を示し、(b)は乾燥開始時を示し、(c)は乾燥途中を示す。
【図7】実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】実施例2に係る基板処理装置による基板処理時のタイムチャート例である。
【図9】実施例2の変形例を示す基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】実施例3に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は基板を保持する過程、(b)は基板に純水を供給する過程、(c)は乾燥過程を示す。
【図11】実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、基板に形成されている微細パターンの倒壊を防止するものであるが、最初に微細パターンに加わる力について図1を参照して説明しておく。なお、図1は、表面張力により微細パターンに加わる力の説明に供する模式図である。
【0034】
基板Wは、上面に微細パターンmpが形成されている。この微細パターンmpの基板W上面からの高さをH、幅をlとし、微細パターンmp同士の間隔をWsとする。微細パターンmpの間には、処理液が貯留しているものとする。このような状態で液面において微細パターンmpに加わる力をFとすると、このFは次の式で表される。なお、σは処理液の表面張力を表し、θは処理液の接触角を表している。
【0035】
F=(2σHcosθ)/(Wsl)
【0036】
この数式から、処理液の液面において微細パターンmpに加わる力Fは、微細パターンmpの高さHと、処理液の表面張力σと、液面と微細パターンmpのなす角度θのcosに比例し、微細パターンmpの間隔Wsに反比例することが分かる。上述したように、液面において微細パターンmpに加わる力Fを小さくすることには限界があるので、本発明は以下に示すように、異なるアプローチで微細パターンmpから処理液を排出させて、微細パターンmpの倒壊を防止するものである。
【実施例1】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図2は、実施例1に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は基板を回転させる過程、(b)は基板に純水を供給する過程、(c)は乾燥過程を示す。また、図3は、実施例1に係る基板処理方法における乾燥過程の模式図であり、(a)は純水供給時を示し、(b)は乾燥時を示す。なお、以下の説明においては、処理液として純水を供給した後に乾燥処理を行う場合を例にとって説明する。
【0038】
まず、基板Wを第1の回転数R1で回転させる(図2(a))。第1の回転数R1は、例えば、200rpmである。そして、第1の回転数R1を維持したまま、純水DIWを基板Wに対して供給して基板Wの微細パターンが形成されている上面を水洗処理する(図2(b))。このとき、基板Wに形成されている微細パターンmpは、図3(a)に示すように、純水DIWで覆われた状態である。所定時間の水洗処理の後、回転数を第1の回転数R1よりも低い第2の回転数R2にする(図2(c))。第2の回転数R2は、例えば、50rpmである。このとき、基板Wを覆っている純水は、図3(b)に二点鎖線矢印で示すように、微細パターンmpの上方から抜けるのではなく、微細パターンmpの側方から抜けてゆく。
【0039】
したがって、基板Wの上面に形成されている隣接した微細パターンmpの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、純水の表面張力によって微細パターンmpが倒壊することを防止することができる。
【0040】
次に、上述した基板処理方法を実施するのに好適な基板処理装置について、図4を参照して説明する。なお、図4は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0041】
スピンチャック1は、基板Wを水平姿勢で保持する。このスピンチャック1は、基板Wの下面中央部を吸着保持するが、基板Wの周縁部を当接保持する方式のチャックであってもよい。スピンチャック1は、その下面中央部に回転軸3の先端部が連結されている。回転軸3の基端部は、電動モータ5の回転軸に連結されている。電動モータ5が駆動されると、基板Wは水平面内で回転される。
【0042】
なお、上述したスピンチャック1と、回転軸3と、電動モータ5とが本発明における「回転手段」に相当する。
【0043】
スピンチャック1は、その周囲を囲うように飛散防止カップ7で囲われている。飛散防止カップ7は、基板Wに供給されて周囲に振り切られた処理液の飛散を防止するとともに、処理液を回収する。
【0044】
薬液ノズル9は、基板Wに薬液を供給する。薬液ノズル9は、薬液供給源11に連通接続されている。薬液供給源11は、例えば、フッ化水素酸溶液を貯留している。薬液ノズル9は、図4に実線で示す待機位置と、基板Wの回転中心の上方に相当する供給位置とにわたり移動可能に構成されている。
【0045】
純水ノズル13は、純水を基板Wに供給する。純水ノズル13は、純水供給源15に連通接続されている。純水供給ノズル13は、図4に示す待機位置と、基板Wの回転中心の上方に相当する供給位置とにわたって移動可能に構成されている。
【0046】
なお、純水ノズル13が本発明における「処理液供給手段」に相当する。
【0047】
電動モータ5の回転、薬液ノズル9及び純水ノズル13からの供給は、制御部17によって統括的に制御されている。制御部17は、図示しないCPUやメモリを内蔵し、メモリに予め記憶されているレシピに基づいて各部を制御する。レシピは、後述するタイムチャートに相当し、基板Wの洗浄をどのように行うかを規定したものである。
【0048】
なお、制御部17が本発明における「制御手段」に相当する。
【0049】
ここで、図5を参照して、上述した基板処理装置の動作について説明する。なお、図5は、実施例1に係る基板処理装置による基板処理時のタイムチャート例である。このタイムチャートでは、基板Wがスピンチャック1に保持され、第1の回転数で回転された時点を起点として示している。
【0050】
制御部17は、電動モータ5を操作して、基板Wを第1の回転数R1で回転させる。なお、第1の回転数R1は、上述したように、例えば、200rpmである。そして、薬液ノズル9を供給位置に進出させ、薬液を基板Wに供給させて、これを所定時間だけ維持する。これにより、基板Wの上面が薬液により洗浄される。制御部17は、t1時点になると、薬液ノズル9からの薬液の供給を停止させるとともに、薬液ノズル9を待機位置に退出させる。さらに、制御部17は、純水ノズル13を供給位置に進出させるとともに、純水を供給させる。これを所定時間だけ継続することにより、基板Wに上面に付着した薬液が純水で洗い流される。
【0051】
制御部17は、t2時点になると、純水ノズル13からの純水DIWの供給を停止させるとともに、純水ノズル13を待機位置に退出させる。さらに、電動モータ5を操作して、t3時点までに回転数を第2の回転数R2にする。この第2の回転数R2は、上述したように、例えば、50rpmである。この第2の回転数R2をt4時点まで維持して、基板Wの上面を覆っている純水を側方へと排出させて、基板Wを乾燥させる。そして、t5時点で基板Wの回転を停止させる。
【0052】
上述したように制御部17は基板Wに対して洗浄処理を行う。このとき、純水DIWによる洗浄処理においては、図3(a)に示すように基板Wの微細パターンmpが純水DIWで覆われているが、乾燥処理時においては、図3(b)に示すように基板Wの微細パターンmpの側方に純水DIWが排出される。したがって、この基板処理装置によると、基板Wの上面に形成されている隣接した微細パターンmpの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、純水DIWの表面張力によって微細パターンmpが倒壊することを防止することができる。
【実施例2】
【0053】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図6は、実施例2に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は純水供給後を示し、(b)は乾燥開始時を示し、(c)は乾燥途中を示す。なお、図6では、説明の都合上、第2の回転数に減速し終わった時点からの図だけを示す。
【0054】
基板Wを第1の回転数で回転させつつ純水を供給して基板Wの微細パターンが形成されている上面を水洗処理する。所定時間の水洗処理の後、回転数を第1の回転数よりも低い第2の回転数R2にする(図6(a))。第2の回転数R2は、例えば、第1の回転数が200rpmとすると、50rpm程度である。さらに、基板Wの上面に盛られた純水の表面に遮断板21を近接させるとともに、遮断板21の中央部から基板Wに窒素ガスgを供給させる(図6(b))。これにより、微細パターンmpの上方から純水が抜けるのではなく、微細パターンmpの側方から抜けてゆく。また、基板Wの上面に遮断板21を近接させた状態で遮断板21の中心部から窒素ガスgを供給するので、窒素ガスgの流れにより微細パターンmpの先端側から純水が抜けるのを抑制するとともに、基板Wの外周への窒素ガスの流れにより純水を微細パターンmpの側方へと押し流すことができる。したがって、効率的に純水を微細パターンmpの側方へ排出させることができる。
【0055】
次に、上述した基板処理方法を実施するのに好適な基板処理装置について、図7を参照して説明する。なお、上述した実施例1と同様の構成については、同符号を付すことにより、詳細な説明については省略する。
【0056】
実施例2における基板処理装置は、スピンチャック1の上方に、遮断板21を備えている。遮断板21は、基板Wの外径とほぼ同じ大きさを有する。遮断板21の中央部には、供給口23が形成されている。この供給口23は、窒素ガス供給源25に連通接続されている。制御部17は、薬液供給源11からの薬液の供給と、純水供給源15からの純水の供給を制御することに加えて、窒素ガス供給源25からの窒素ガスgの供給も制御する。また、遮断板21は、図7に実線で示す、基板Wから離間した待機位置と、基板Wに近接した乾燥位置とにわたって移動可能に構成されている。その移動は、制御部17によって制御される。また、遮断板21は、図示しない回転機構によって、電動モータ5による基板Wの回転数に同期して回転される。この遮断板21の回転は、制御部17によって制御される。
【0057】
なお、上述した供給口23が本発明における「中心部供給手段」に相当する。
【0058】
ここで、図8を参照して、上述した基板処理装置の動作について説明する。なお、図8は、実施例2に係る基板処理装置による基板処理時のタイムチャート例である。このタイムチャートでは、基板Wがスピンチャック1に保持され、第1の回転数で回転された時点を起点として示している。
【0059】
制御部17は、電動モータ5を操作して、基板Wを第1の回転数R1で回転させる。なお、第1の回転数R1は、上述したように、例えば、200rpmである。そして、供給位置に進出させた薬液ノズル9から薬液を基板Wに供給させ、これを所定時間だけ維持する。これにより、基板Wの上面が薬液によって洗浄される。制御部17は、t1時点になると、薬液ノズル9からの薬液の供給を停止させるとともに、薬液ノズル9を待機位置に退出させる。さらに、制御部17は、純水ノズル13を供給位置に進出させ、純水ノズル13から純水を供給させる。これを所定時間だけ継続することにより、基板Wに上面に付着した薬液が純水で洗い流される。
【0060】
制御部17は、t2時点になると、純水ノズル13からの純水の供給を停止させるとともに、純水ノズル13を待機位置に待避させる。さらに、電動モータ5を操作して、t3時点までに基板Wの回転数を第2の回転数R2に減速させる。これとともに、遮断板21を第2の回転数R2で回転させつつ乾燥位置にまで移動させ、供給口23から窒素ガスを供給させる。第2の回転数R2は、上述したように、例えば、50rpmである。この第2の回転数R2をt4時点まで維持して、基板Wの上面を覆っている純水を側方へと排出させて、基板Wを乾燥させる。そして、t5時点で基板Wの回転を停止させる。
【0061】
このように制御部17は、基板Wに対して洗浄処理を行う。これにより、本実施例2の装置は、上述した実施例1と同様の効果を奏する。さらに、本実施例2の装置は、遮断板21から供給する窒素ガスgの流れにより微細パターンmpの先端側から純水DIWが抜けるのを抑制するとともに、外周への窒素ガスgの流れにより純水DIWを微細パターンmpの側方へと押し流すことができる。したがって、効率的に純水を微細パターンmpの側方へ排出させることができる。
【0062】
上述した説明では、遮断板21の乾燥位置への移動を、t2時点からt3時点への減速時に行うようにしたが、例えば、図8中に点線で示すように、回転を停止したt3a時点からt3時点の間に行うようにしてもよい。これにより、基板Wの回転数と遮断板21の回転数が不一致である場合に生じ得る悪影響を回避できる。この場合には、t3時点から基板Wの回転と遮断板21の回転を同時に行うようにすればよい。
【0063】
なお、上述した実施例2における遮断板21を次のように構成してもよい。この変形例について、図9を参照して説明する。なお、図9は、実施例2の変形例を示す基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0064】
上述した遮断板21は、中央部に供給口23を備えていた。しかし、この遮断板21aは、遮断板21aの基板Wに対向する側の全面に複数個の供給口23aを備えている。複数個の供給口23aからは、窒素ガス供給源25から窒素ガスが供給される。
【0065】
なお、上述した複数個の供給口23aが本発明における「全面供給手段」に相当する。
【0066】
この遮断板21aは、その全面から窒素ガスgが供給される。そのため、微細パターンmpの先端側から純水DIWが抜けるのを押さえつつ、窒素ガスgの流れが基板Wの外周へ向かう。したがって、微細パターンmpの先端側から純水DIWが抜けるのを抑制するとともに、窒素ガスgの流れにより純水DIWを微細パターンmpの側方へと押し流すことができる。その結果、効率的に純水DIWを微細パターンmpの側方へ効率的に排出させることができる。
【実施例3】
【0067】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。
図10は、実施例3に係る基板処理方法の概要を示す模式図であり、(a)は基板を保持する過程、(b)は基板に純水を供給する過程、(c)は乾燥過程を示す。
【0068】
まず、回転中心から所定距離だけ離れた位置に、基板Wを起立姿勢で保持する(図10(a))。基板Wは、回転中心側に微細パターンmpを向けた状態である。次に、起立姿勢のままで基板Wを回転中心周りに公転させる(図10(b))。このとき、回転中心から基板Wに向けて純水DIWを供給して、微細パターンmpが形成された面を水洗処理する。そして、純水DIWの供給を停止するとともに、基板Wの微細パターンmpが形成された面に向けて回転中心から窒素ガスgを供給する(図10(c))。
【0069】
このように、回転中心から所定距離離れた位置に保持された基板Wを所定の回転数で回転させると、微細パターンmpの先端側から基板W面に向かって遠心力が加わり、微細パターンmpの先端側から純水DIWが抜けるのを抑制できる。その状態で、回転中心側から窒素ガスgを供給すると、窒素ガスの流れによって純水DIWが微細パターンmpの側方へ抜ける。したがって、隣接する微細パターンmpの先端部同士が引き合う方向の力を極めて小さくすることができる。その結果、純水DIWの表面張力によって微細パターンmpが倒壊することを防止することができる。
【0070】
次に、上述した基板処理方法を実施するのに好適な基板処理装置について、図11を参照して説明する。なお、図11は、実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。実施例2と共通する構成については同符号を付して詳細な説明については省略する。
【0071】
回転体31は、回転軸33を中心に備えている。回転体31は、回転軸33とともに回転する。回転軸33は、電動モータ5に連結された回転軸3に連結されている。回転体31は、回転軸33から所定距離だけ離れた位置に内壁35を備えている。内壁35の四カ所には、保持部37が設けられている。各保持部37は、平面視で対称となる位置関係で配置されている。なお、図11には、図示の関係上、3カ所にのみ保持部37を示している。保持部37は、基板Wの微細パターンmpが形成された面を回転軸33に向け、基板Wを鉛直姿勢で保持する。回転体31は、上部に蓋部39を備えて、基板Wの搬入出時に開閉する。
【0072】
回転軸33は、外周面に4個の噴射部41を備えている。各噴射部41は、回転軸33のうち、各保持部37に対向する位置に設けられている。回転軸33のうち、回転体31から下方に延出された部分には、3個の注入部43を備えている。各注入部43は、各噴射部41に連通接続されている。また、各注入部43は、薬液供給源11、純水供給源15、窒素ガス供給源25に連通接続されている。各液体や気体の供給及び蓋部49の開閉などは、制御部17によって統括的に制御される。また、回転体31の内壁には、内周面から外周面に貫通した複数個の排出口45が形成されている。これらの排出口45は、飛散した純水等を回転体31の外部へ排出する。排出された純水等は、回転体31を囲う、図示しない容器で回収されて排出される。
【0073】
なお、上述した噴射部41と、注入部43と、純水供給源15とが本発明における「処理液供給手段」に相当する。また、噴射部41と、注入部43と、窒素ガス供給源25とが本発明における「気体供給手段」に相当する。
【0074】
制御部17は、4枚の基板Wを4個の保持部37に保持させた後、電動モータ5により回転体31を所定の回転数で回転させる。回転数は、基板Wに供給された純水DIWが微細パターンmpの先端部から抜けないような遠心力を生じさせる程度のものである。そして、噴射部41から純水DIWを供給させて、基板Wを水洗処理した後に純水DIWを停止させる。その後、噴射部41から窒素ガスを供給させて、基板Wの乾燥処理を行う。
【0075】
このような構成の装置によると、図10に示した基板処理方法を好適に実施することができる。
【0076】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0077】
(1)上述した各実施例1〜3では、純水DIWを供給した後に乾燥処理を行った。しかし、純水DIWよりも表面張力が小さい処理液、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)やハイドロフルオロエーテル(HFE)を供給した後に、乾燥処理を行うようにしてもよい。これにより、さらに微細パターンmpの倒壊を防止することができる。また、チャンバ内で処理を実施し、チャンバ内を減圧するようにしてもよい。
【0078】
(2)上述した各実施例1,2では、図5,図8に示したタイムチャートで処理を実行している。しかし、これは一例であり、本発明はこのようなタイムチャートに限定されるものではない。
【0079】
(3)上述した各実施例2,3では、気体として窒素ガスを供給するようにした。しかし、本発明は気体が窒素ガスに限定されるものではない。例えば、加熱した空気を供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
W … 基板
mp … 微小パターン
DIW … 純水
g … 窒素ガス
1 … スピンチャック
3 … 回転軸
5 … 電動モータ
7 … 飛散防止カップ
9 … 薬液ノズル
11 … 薬液供給源
13 … 純水ノズル
15 … 純水供給源
17 … 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理方法において、
第1の回転数によって基板を水平面内で回転させながら、基板の上面に処理液を供給する過程と、
処理液の供給を停止する過程と、
隣接する微細パターンの先端部から処理液が抜けないように、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理方法において、
前記乾燥させる過程は、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で基板を低速回転させることを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理方法において、
前記第2の回転数は、50rpm以下であることを特徴とする基板処理方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記乾燥させる過程は、
基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板を基板の上面に近接させる過程と、
前記遮断板の中心部から気体を供給する過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理方法。
【請求項5】
請求項1からの3のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記乾燥させる過程は、
基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板を基板の上面に近接させる過程と、
前記遮断板のうち基板に対向する側の全面から気体を供給する過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理方法。
【請求項6】
基板を処理する基板処理方法において、
微細パターンが形成された基板面を回転中心側に向けた鉛直姿勢で、回転中心から所定距離離れた位置に基板を保持する過程と、
所定の回転数で基板を回転させつつ、回転中心側から基板に向けて処理液を供給する過程と、
前記処理液の供給を停止するとともに、回転中心側から基板に向けて気体を供給する過程と、
を備えていることを特徴とする基板処理方法。
【請求項7】
基板を処理する基板処理装置において、
基板を水平姿勢で支持するとともに、水平面内で基板を回転させる回転手段と、
前記回転手段の上方から基板の回転中心に向けて処理液を供給する処理液供給手段と、
前記回転手段によって基板を水平面内で第1の回転数により回転させながら、前記処理液供給手段から基板の上面に処理液を供給させ、所定時間後に前記処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、隣接する微細パターンの先端部から処理液が抜けないように、基板に形成されている微細パターンの側方から処理液を排出させて基板を乾燥させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記回転手段によって、第1の回転数よりも低い第2の回転数で基板を低速回転させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記制御手段は、前記第2の回転数を50rpm以下にすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項7から9のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記回転手段に支持された基板に近接した乾燥位置と、前記回転手段に支持された基板から離間した待機位置との間を移動可能であって、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板と、
前記遮断板の中心部から気体を供給する中心部供給手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、前記中心部供給手段により前記遮断板から気体を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項7から9のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記回転手段に支持された基板に近接した乾燥位置と、前記回転手段に支持された基板から離間した待機位置との間を移動可能であって、基板の外径と同程度の大きさを有する遮断板と、
前記遮断板の基板に対向する側の全面から気体を供給する全面供給手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、基板を乾燥させる際に、前記遮断板を乾燥位置に移動させるとともに、前記全面供給手段により前記遮断板から気体を供給させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する基板処理装置において、
中心に回転軸を備え、前記回転軸と連動して回転し、前記回転軸を囲うように内壁を備えた回転体と、
前記回転体の内壁に基板を鉛直姿勢で保持する保持部と、
前記回転軸の外周側から前記保持部に向かって処理液を供給する処理液供給手段と、
前記回転軸の外周側から前記保持部に向かって気体を供給する気体供給手段と、
前記保持部に基板を保持した状態で前記回転体を回転させつつ基板に対して前記処理液供給手段から処理液を供給し、所定時間後に前記処理液供給手段からの処理液の供給を停止させた後、前記気体供給手段から基板に対して気体を供給させて基板を乾燥させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−204483(P2012−204483A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66038(P2011−66038)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】