説明

基板処理方法

【課題】枚葉方式で基板の洗浄を行う場合に、基板表面からパーティクルや金属汚染物質を効果的に短時間で除去でき、基板表面のエッチング量が多くなることもない方法を提供する。
【解決手段】二流体ノズル80により、塩酸を含むフッ酸からなるエッチング液と気体とを混合して生成される液滴を、表面に自然酸化膜が形成された基板Wの表面へ噴射し、基板表面をエッチングして洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板の表面を洗浄する基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体装置の製造プロセスでは各種段階において、半導体ウエハの表面に粒子状のパーティクルや各種金属汚染物質が付着する。このため、ウエハの表面を洗浄して、それらパーティクルや金属汚染物質を基板表面から除去する必要がある。ウエハの洗浄方法としては、従来から、多数枚のウエハを一度に洗浄液中に浸漬させて洗浄処理するバッチ方式が用いられている。また、洗浄液として、アンモニア水と過酸化水素水との混合液や塩酸と過酸化水素水との混合液などの薬液が使用されており、目的に応じてそれらの薬液にフッ酸等の薬液を組み合わせた洗浄液も使用されている。このバッチ式の浸漬洗浄方法では、1ロット単位の処理時間は長くかかるが、多数枚のウエハを同時に処理するため、一定の生産性は確保される。
【0003】
一方、種々の処理上の利点から、ウエハを1枚ずつ水平姿勢に保持して鉛直軸回りに回転させながら、その基板の表面へ洗浄液を供給して洗浄処理する枚葉式の洗浄方法も行われている。この枚葉式の洗浄方法において大きな問題となるのは生産性であり、ウエハ1枚当りの処理時間を如何に短縮するかが重要な課題となる。このために、枚葉式の洗浄方法に適した洗浄プロセスが種々開発されている。例えば、洗浄液としてオゾン水と希フッ酸とを組み合わせて使用することにより、汚染除去性能の向上と処理時間の短縮化を実現させる方法が提案されている。この方法では、まず、ウエハの表面へオゾン水を供給してウエハ表面を酸化し、次に、ウエハの表面へ希フッ酸を供給して、ウエハ表面の酸化層のみを選択的にエッチングする。これにより、ウエハ表面に付着した金属汚染物質が酸化層と共にウエハ表面から除去される。また、パーティクルを支持していたウエハ表面の層が無くなることにより、パーティクルも除去される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−256211号公報(第2−3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、洗浄液としてオゾン水と希フッ酸とを組み合わせて使用する上記した方法は、オゾン水自体にはパーティクル除去能力が無いので、パーティクル除去効果の点で問題がある。また、上記方法では、フッ酸を用いて金属汚染物質やパーティクルをウエハの表面から除去するため、ウエハ表面の層を厚くエッチングする必要があり、ウエハ表面のエッチング量が多くなる、といった問題点がある。
【0005】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、枚葉方式で基板の洗浄を行う場合において、基板の表面からパーティクルや金属汚染物質を効果的にかつ短時間で除去することができ、基板表面のエッチング量が多くなることもない基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、枚葉方式で基板の洗浄を行う基板処理方法において、フッ酸からなるエッチング液または酸性液を含むフッ酸からなるエッチング液と気体とを混合して生成される液滴を、表面に自然酸化膜が形成されまたは表面に熱酸化膜を形成した基板の表面へ噴射し基板表面をエッチングして洗浄することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の方法において、酸性液が塩酸であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の方法において、前記エッチング液により基板の表面を洗浄した後に、純水を基板の表面へ吐出し、この純水によるリンス処理が終了した後に、基板を回転させてスピン乾燥させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法において、前記液滴が、二流体ノズルでエッチング液と気体とを混合して生成され、その液滴が前記二流体ノズルから基板の表面へ噴射されて基板表面が洗浄されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の方法において、前記液滴が、二流体ノズルでエッチング液と気体とを混合して生成され、その液滴が前記二流体ノズルから基板の表面へ噴射されて基板表面が洗浄され、前記純水によるリンス処理は、前記二流体ノズルから純水を基板の表面へ吐出して行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1にる発明の基板処理方法によると、フッ酸からなるエッチング液、または、塩酸等の酸性液を含むフッ酸からなるエッチング液と気体とを混合して生成される液滴が、表面に自然酸化膜が形成されまたは表面に熱酸化膜を形成した基板の表面へ噴射される。この際、基板表面への液滴の噴射による衝突時の運動エネルギーにより、基板の表面に付着したパーティクルが物理的に除去される。また、エッチング液によって基板表面の酸化膜が選択的にエッチングされる。これにより、基板の表面に付着した金属汚染物質が酸化膜と共に基板表面から除去されるとともに、基板表面の層が無くなることにより、パーティクルも完全に除去(リフトオフ)される。また、エッチング液に塩酸等の酸性液が含まれているときは、金属汚染物質の溶解力が高まるので、基板の表面を僅かにエッチングするだけで金属汚染物質を基板表面から除去することができる。したがって、基板表面のエッチング量をより少なくすることができる。
したがって、請求項1に係る発明の基板処理方法を使用すると、枚葉方式で基板の洗浄を行う場合において、基板の表面からパーティクルや金属汚染物質を効果的にかつ短時間で除去することができ、基板表面のエッチング量が多くなることもなく、薬液の使用量も少なくすることができる。
【0012】
請求項2に係る発明の方法では、酸性液として塩酸を用いることにより、上記した酸性液による作用が確実に奏されるので、請求項1にる発明の上記効果が確実に得られる。
【0013】
請求項3に係る発明の方法では、洗浄処理後の基板がリンス処理されることにより、基板表面からエッチング液が除去され、その後にスピン乾燥により基板が乾燥される。
【0014】
請求項4に係る発明の方法では、二流体ノズルでエッチング液と気体との混合液滴が好適に生成されるので、請求項1に係る発明の上記効果が確実に得られる。
【0015】
請求項5に係る発明の方法では、二流体ノズルでエッチング液と気体との混合液滴が好適に生成されるので、請求項1に係る発明の上記効果が確実に得られる。また、エッチング液による洗浄と純水によるリンス処理とを1つの二流体ノズルで行うことができるので、装置構成が簡略化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、この発明に係る基板処理方法を実施するために使用される基板処理装置の構成の1例を示し、図1は、装置の平面図であり、図2は、図1中に矢印Aで示す方向から見た装置の要部を端面で示した概略構成図である。
【0017】
この基板処理装置は、基板、例えば半導体ウエハWを水平姿勢に支持する円板状のスピンベース10を備えている。このスピンベース10の上面側周縁部には、ウエハWの周縁部を把持する複数本、例えば6本のチャックピン12が、円周方向に等配されて植設されている。チャックピン12は、ウエハWの下面側周縁部に当接してウエハWを支持する支持部12aと、支持部12a上に支持されたウエハWの外周端面を押圧してウエハWを固定する固定部12bとから構成されている。そして、チャックピン12の固定部12bは、詳細な構造は図示していないが、ウエハWの外周端面を押圧してウエハWを固定する状態とウエハWの外周端面から離脱してウエハWを開放する状態とを切り替えることができるようになっている。
【0018】
スピンベース10の中心部には、透孔14が形成されており、その透孔14に連通するように、スピンベース10の下面側に円筒状回転支軸16が垂設されている。円筒状回転支軸16の周囲には、基台板18上に固着された有蓋円筒状のケーシング20が配設されている。そして、円筒状回転支軸16は、基台板18およびケーシング20に、それぞれ軸受22、24を介して鉛直軸回りに回転自在に支持されている。ケーシング20内には、基台板18上に固定されてモータ26が配設されている。モータ26の回転軸には駆動側プーリ28が固着され、一方、円筒状回転支軸16には従動側プーリ30が嵌着されていて、駆動側プーリ28と従動側プーリ30とにベルト32が掛け回されている。これらの機構により、円筒状回転支軸16が回転させられ、円筒状回転支軸16の上端に固着されたスピンベース10に保持されたウエハWが、水平面内で回転させられるようになっている。また、円筒状回転支軸16の中空部には、洗浄液供給源に流路接続されたノズル34が挿通されている。このノズル34の上端吐出口からは、スピンベース10に保持されたウエハWの下面中央部に向けて洗浄液が吐出されるようになっている。
【0019】
ケーシング20の周囲には、それを取り囲むように配置された円筒壁部36、および、この円筒壁部36と一体に形成されケーシング20の円筒部外周面の下端部に連接した底壁部38が、基台板18上に固着されて配設されている。そして、ケーシング20の円筒部と円筒壁部36と底壁部38とで回収槽40が構成される。回収槽40の底部をなす底壁部38は、縦断面がV字形状に形成されており、底壁部38には排液用孔42が形設されている。また、基台板18には、排液用孔42に連通するように排液口44が形設されており、図示していないが、排液口44には、洗浄液回収タンクに流路接続された回収用配管が連通接続されている。
【0020】
筒壁部36の側方には、図2に示すように、フッ酸等のエッチング液の供給機構78が配設されている。エッチング液供給機構78は、スピンベース10に保持されたウエハWの上方にその表面と対向するように吐出口が配置される二流体ノズル80を備えている。二流体ノズル80は、アーム82の先端部に固着されており、アーム82は、アーム保持部84によって片持ち式に水平姿勢で保持されている。アーム保持部84は、鉛直方向に配設された回転支軸86の上端部に固着されている。回転支軸86は、ノズル移動機構88に連結されており、ノズル移動機構88によって回動させられるとともに上下方向に往復移動させられる。そして、ノズル移動機構88を駆動させることにより、二流体ノズル80を水平面内において揺動させ、二流体ノズル80をウエハWの中心部と周辺部との間で往復移動させることができ、また、二流体ノズル80をウエハWの表面に対して接近および離間させることができる構成となっている。また、二流体ノズル80を保持したアーム82は、図1に二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へ回動させて、円周壁部36の外方位置に退避させることができるようになっている。なお、ノズル移動機構は、図示例のものに限らず、各種の機構を採用し得る。
【0021】
二流体ノズル80は、図3に縦断面図を示すように、下方に向かって細くなる貫通孔92を軸心部に有するエアー導入管90と、このエアー導入管90の外周を取り囲むように一体的に固着され、軸心部に貫通孔98を有する液体導入管部96が一体形成された円筒状の液体導入筒94と、上部が大径に形成され下部が小径の直管状に形成されて中間部がテーパ状に形成され、液体導入筒94の下部に上端部が嵌挿されて固着されるとともに、上端部にエアー導入管90の下端部が間隙を設けて挿入された液滴生成管100とから構成されている。エアー導入管90の下部は、外径が小さくなるように形成されていて、そのエアー導入管90の下部外周面と液体導入筒94の内周面との間に環状の隙間が形成されており、その隙間が液体導入管部96の貫通孔96と連通して環状通路102となっている。また、エアー導入管90の下端部外周面と液滴生成管100の上端部内周面との間に形成された隙間が、環状通路102に流路的に接続し液滴生成管100の内部に開口する環状吐出路104となっている。そして、液滴生成管100の下端が噴射口101となっている。
【0022】
エアー導入管90の貫通孔92には、圧縮空気源(図示せず)に流路接続されたエアー供給用配管106が連通接続されている。エアー供給用配管106には、開閉制御弁108が介挿されている。また、液体導入筒94に一体形成された液体導入管部96の貫通孔98には、液体供給用配管110が連通接続され、液体供給用配管110に、塩酸を含むエッチング液の供給源(図示せず)に流路接続されたエッチング液供給用配管112、および、純水供給源(図示せず)に流路接続された純水供給用配管114が、それぞれ連通接続されている。エッチング液供給用配管112および純水供給用配管114には、開閉制御弁116、118がそれぞれ介挿されている。
【0023】
上記した構成の二流体ノズル80では、開閉制御弁116を開き(このとき開閉制御弁118は閉じられる)、エッチング液供給源からエッチング液供給用配管112および液体供給用配管110をそれぞれ通って液体導入筒94の液体導入管部96へエッチング液、例えば塩酸を含むフッ酸(エッチング液)を供給すると、エッチング液が、環状通路102および環状吐出路104を通って環状吐出路104の下端開口から液滴生成管100の内部へ軸心部に向けて斜め下向きに吐出される。一方、開閉制御弁108を開き、圧縮空気源からエアー供給用配管106を通ってエアー導入管90へ圧縮空気を送給すると、圧縮空気は、エアー導入管90の下端吐出口から真っ直ぐ下向きに液滴生成管100の内部へ吐出される。そして、液滴生成管100の内部において、エッチング液に圧縮空気が衝突する。これにより、エッチング液と圧縮空気とが混合されて液滴が生成される。液滴生成管100内で生成された液滴120は、液滴生成管100の小径に形成された直管部を通過する間に直進性が付与され、液滴生成管100下端の噴射口101から真っ直ぐ下向きに噴出し、ウエハWの表面へ噴射される。
【0024】
なお、この実施形態では、エッチング液供給機構78の二流体ノズル80を内部混合型の二流体ノズルとしているが、二流体ノズル80を外部混合型の二流体ノズルとしてもよい。
【0025】
次に、上記した構成の基板処理装置を使用して半導体ウエハWを洗浄する方法の1例について説明する。
【0026】
モータ26を駆動させて、スピンベース10上のウエハWを水平面内で回転させる。また、ノズル移動機構88を駆動させて、二流体ノズル80を、図1に実線で示す退避位置から二点鎖線で示すウエハWの上方位置へ移動させた後、ウエハWの表面に対して接近させ、二流体ノズル80を水平面内において揺動させる。そして、二流体ノズル80を、回転するスピンベース10上のウエハWの表面に沿ってウエハWの中心部と周辺部との間で往復移動させながら、二流体ノズル80からエッチング液(フッ酸と塩酸と純水との混合溶液)の液滴をウエハWの表面へ噴射する。フッ酸(50%溶液)と塩酸(35%溶液)と純水との混合割合(容積比率)は、例えばHF:HCl:純水=1:25〜40:200とする。なお、フッ酸の比率は、HF:(HCl+純水)=1:50〜500の範囲とするのが好ましい。また、塩酸の比率は、HCl:純水=1:5〜75の範囲とするのが好ましい。なお、処理は、温度調節をしないで常温で行うようにすればよい。また同時に、ノズル34の上端吐出口からも、スピンベース10に保持されたウエハWの下面中央部に向けて純水等の洗浄液を吐出する。このウエハWの下面中央部への純水等の吐出は、以後も必要により実行される。
【0027】
エッチング液による洗浄処理が終了すると、二流体ノズル80を、回転するスピンベース10上のウエハWの表面に沿ってウエハWの中心部と周辺部との間で往復移動させながら、二流体ノズル80から純水をウエハWの表面へ吐出する。このときは、二流体ノズル80のエアー導入管90への圧縮空気の送給を停止する。なお、二流体ノズル80とは別に、純水専用の吐出ノズルを設置しておき、その吐出ノズルから純水をウエハWの表面へ吐出するようにしてもよい。リンス処理が終了すると、ウエハWを高速で回転させてスピン乾燥させる。
【0028】
この基板処理方法は、ウエハの表面に既に自然酸化膜が形成されているような場合に好適であり、エッチング液によってウエハ表面の酸化膜が選択的にエッチングされることにより、ウエハの表面に付着した金属汚染物質が酸化膜と共にウエハ表面から除去されるとともに、ウエハ表面の層が無くなることにより、パーティクルも完全に除去(リフトオフ)されることとなる。ただし、この方法では、例えばシリコンウエハの表面を洗浄処理する場合に、ベアシリコン表面が露出するまではエッチングしないようにする必要がある。
【0029】
なお、エッチング液として、塩酸を含まないフッ酸からなるエッチング液だけを使用するようにしてもよい。また、塩酸に代えて他の酸性液、例えばクエン酸、シュウ酸などを使用することもできる。
【0030】
図4は、二流体ノズル80からエッチング液(フッ酸と塩酸と純水との混合溶液)の液滴をウエハWの表面へ噴射してウエハWを処理したときにおけるエッチング特性を、従来の棒状ノズルからエッチング液をウエハWの表面へ吐出してウエハWを処理した場合と比較した図である。図に示したグラフにおいて、横軸が処理時間であり、縦軸がエッチング深さ(nm)である。実験に供したウエハは、直径が8インチで、その表面に熱酸化膜を形成したものである。使用したエッチング液の組成は、いずれも、HF(50%水溶液):HCl(35%水溶液):純水=1:41:207である。また、二流体ノズル80からのエッチング液の吐出流量は、100cc/minであり、棒状ノズルからのエッチング液の吐出流量は、1500cc/minである。図に示した結果から解るように、二流体ノズル80を使用することにより、従来の棒状ノズルを使用した場合の15分の1程度のエッチング液の使用量でも、棒状ノズルを使用した場合と同等のエッチング特性が得られた。なお、この条件下では、二流体ノズル80からのエッチング液の吐出流量は、50cc/min〜130cc/minの範囲において良好な結果が得られた。
【0031】
また、図5は、二流体ノズル80からエッチング液(フッ酸と塩酸と純水との混合溶液)の液滴をウエハWの表面へ噴射してウエハWを処理したときにおける面内均一性について評価した結果を示す図である。図に示したグラフにおいて、横軸がウエハの中心からの距離であり、縦軸がエッチング深さ(nm)である。実験に供したウエハは、直径が8インチで、その表面に熱酸化膜を形成したものである。使用したエッチング液の組成は、いずれも、HF(50%水溶液):HCl(35%水溶液):純水=1:40:200である。また、二流体ノズル80からのエッチング液の吐出流量は、100cc/minである。図に示した結果から解るように、二流体ノズル80を使用しても、ウエハ面内のエッチング均一性が影響を受けることはなく、エッチング量が僅かであるときでも、エッチングの良好な面内均一性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明に係る基板処理方法を実施するために使用される基板処理装置の構成の1例を示す平面図である。
【図2】図1中に矢印Aで示す方向から見た基板処理装置の要部を端面で示した概略構成図である。
【図3】図1に示した基板処理装置におけるエッチング液供給機構の二流体ノズルの構成の1例を示す縦断面図である。
【図4】図1に示した基板処理装置を使用して基板の洗浄を行ったときのエッチング特性を示す図である。
【図5】図1に示した基板処理装置を使用して基板の洗浄を行ったときの面内均一性について評価した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
W 半導体ウエハ
10 スピンベース
12 チャックピン
16 円筒状回転支軸
20 ケーシング
26 モータ
36 円筒壁部
38 底壁部
40 回収
78 エッチング液供給機構
80 エッチング液供給機構の二流体ノズル
82 アーム
84 アーム保持部
86 回転支軸
88 ノズル移動機構
90 エアー導入管
94 液体導入筒
96 液体導入管部
100 液滴生成管
101 液滴生成管の噴射口
102 環状通路
104 環状吐出路
106 エアー供給用配管
108、116、118 開閉制御弁
110 液体供給用配管
112 エッチング液供給用配管
114 純水供給用配管
120 エッチング液の液滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ酸からなるエッチング液または酸性液を含むフッ酸からなるエッチング液と気体とを混合して生成される液滴を、表面に自然酸化膜が形成されまたは表面に熱酸化膜を形成した基板の表面へ噴射し基板表面をエッチングして洗浄することを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
酸性液が塩酸である請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記エッチング液により基板の表面を洗浄した後に、純水を基板の表面へ吐出し、この純水によるリンス処理が終了した後に、基板を回転させてスピン乾燥させる請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記液滴は、二流体ノズルでエッチング液と気体とを混合して生成され、その液滴が前記二流体ノズルから基板の表面へ噴射されて基板表面が洗浄される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記液滴は、二流体ノズルでエッチング液と気体とを混合して生成され、その液滴が前記二流体ノズルから基板の表面へ噴射されて基板表面が洗浄され、前記純水によるリンス処理は、前記二流体ノズルから純水を基板の表面へ吐出して行われる請求項3に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−21617(P2009−21617A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216072(P2008−216072)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【分割の表示】特願2003−74875(P2003−74875)の分割
【原出願日】平成15年3月19日(2003.3.19)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】